JP6007041B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents

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本発明は、重ね合わされた複数の伝熱プレートを備えたプレート式熱交換器であって、各伝熱プレートを境にして、熱交換媒体を流通させる第一流路と、被熱交換媒体を流通させる第二流路とが交互に形成されたプレート式熱交換器に関する。
従来から、プレート式熱交換器の一つとして、図14に示す如く、重ね合わされた複数の伝熱プレート5…をロウ付けによって一体化させた、いわゆるブレージングタイプのプレート式熱交換器が提供されている。
この種のプレート式熱交換器の伝熱プレート5は、両面に複数の凹条50…及び凸条51…を有するとともに、少なくとも四箇所に面直交方向で貫通した開口部52…を有する。そして、各伝熱プレート5…の外縁部や開口部52…周辺は、積層されて隣り合う伝熱プレート5…の外縁部や開口部52…周辺にロウ付けされている。
これにより、この種のプレート式熱交換器において、隣り合う伝熱プレート5…の対向する面間(少なくとも凹条50,50間)に空間が形成され、熱交換媒体Hを流通させる第一流路Xと被熱交換媒体Cを流通させる第二流路Yとが各伝熱プレート5…を境にして交互に形成されている。また、該プレート式熱交換器は、少なくとも四箇所のそれぞれで各伝熱プレート5…の開口部52…が連なり、第一流路X内に熱交換媒体Hを流出入させる一対の第一通路Ra,Raと第二流路Y内に被熱交換媒体Cを流出入させる一対の第二通路Rb,Rbとが形成されている。なお、図14には、第一流路Xに熱交換媒体Hを流入させる一方の第一通路Raと、第二流路Yに被熱交換媒体Cを流入させる一方の第二通路Rbとが図示されている。
ところで、この種のプレート式熱交換器には、各伝熱プレート5…が二層以上の積層構造にされたものがある。すなわち、この種のプレート式熱交換器には、各伝熱プレート5が互いに重ね合わされた二つ以上の隔壁体53A,53Bを備えて形成されたものがある。
かかる伝熱プレート5…は、例えば、積層体をプレス成形することで形成される。かかる積層体は、図15に示す如く、重ね合わされた二枚以上の金属プレート60A,60Bと、ロウ材の流通を阻止する接合防止剤61であって、金属プレート60A,60B間の少なくとも開口Hを包囲する領域に介装された接合防止剤61とを備える。
これにより、積層体6は、全体をプレス成形することで、各金属プレート60A,60Bが隔壁体53A,53Bになり、表裏に凹条50…及び凸条51を有する伝熱プレート6になるように構成されている。また、積層体6は、プレス成形されて伝熱プレート6になった状態で、該伝熱プレート6が他の伝熱プレート6とロウ付けされるとき(複数の伝熱プレート5…が一体化されるとき)に、二枚以上の金属プレート60A,60Bの開口H…周辺同士が一緒にロウ付けされるようになっている。すなわち、積層体6は、開口Hを包囲する接合防止剤61を備えているため、複数の伝熱プレート5…をロウ付けするときに、伝熱プレート5(プレス成形後の積層体6)の隔壁体53A,53B(プレス成形後の金属プレート60A,60B)間へのロウ材の流れ込みが防止され、隣り合う隔壁体53A,53Bの開口H(プレス成形後の金属プレート60A,60Bの開口H)の周辺同士がロウ付けされるようになっている。
これにより、各伝熱プレート5…は、隣り合う隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)同士が固着されていない状態(拘束し合わない状態)になっている。
従って、この種のプレート式熱交換器は、熱交換媒体H又は被熱交換媒体Cの化学的な特性や流体圧等の影響により、単一の伝熱プレート5…を構成する何れかの隔壁体53A,53Bが損傷乃至破損しても、その損傷乃至破損した隔壁体53A,53Bと重なり合う別の隔壁体53A,53B(損傷乃至破損した隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)に対して独立した隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B))が存在することで、当該伝熱プレート5…を隔てて隣り合う第一流路Xと第二流路Yとが連通すること(熱交換媒体H又は被熱交換媒体Cの何れか一方が熱交換媒体H又は被熱交換媒体Cの何れか他方に混入すること)を防止できるとされている。
特開2001−99587号公報
しかしながら、従来のプレート式熱交換器では、各伝熱プレート5…の隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)の開口H…周辺同士がロウ付けされるに当たり、隣り合う隔壁体53A,53Bの開口H…周辺以外の領域(第一流路Xと第二流路Yとを区画する領域)同士がロウ付けされてしまうことがある。
より具体的に説明すると、上記構成の伝熱プレート5…は、ロウ材の流通を阻止する接合防止剤61を二枚以上の金属プレート60A,60Bで挟み込んだ積層体6をプレス成形して形成されるが、積層体6をプレス成形するときに、金属プレート60A,60B間に介装された接合防止剤61に圧縮作用や引っ張り作用が生じる結果、図16に示す如く、接合防止剤61に欠落やひび割れ等の欠損部Sが形成される。
そのため、複数の伝熱プレート5…をロウ付けするときに、伝熱プレート5…の開口部52…周辺(金属プレート60A,60Bの開口H…周辺)にあるロウ材が表面張力や濡れ特性の影響で接合防止剤61の欠損部Sにも流れ込むことがある。これに伴い、図17に示す如く、隣り合う隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)における伝熱領域となる領域にまでロウ材Bが流れ込み、隔壁体53A,53B同士(金属プレート60A,60B同士)が固着されてしまう(隔壁体53A,53B同士が拘束し合う)ことがある。
従って、従来の伝熱プレート5…は、重ね合わされた二つ以上の隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)が一体化してしまう結果、単一の金属プレートから成形された場合と同様に、熱交換媒体H又は被熱交換媒体Cの特性(化学的な特性等)の影響で腐食等が発生して貫通する虞がある。また、伝熱プレート5…を構成する少なくとも二つ以上の隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)が拘束しあった状態(一体化した状態)になると、第一流路X又は第二流路Y(熱交換媒体H又は被熱交換媒体C)の流体圧が高い場合、伝熱プレート5…を構成する何れかの隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)に流体圧が作用して変形すると、他の隔壁体53A,53B(金属プレート60A,60B)も追従して変形することになる。すなわち、従来のプレート式熱交換器は、流体圧の影響で伝熱プレート5…全体が変形し、該変形に伴う応力集中等で伝熱プレート5…が損傷する(例えば、亀裂が入る)虞がある。
従って、従来のプレート式熱交換器では、第一流路Xと第二流路Yとが連通し、熱交換媒体Hと被熱交換媒体Cとが混合してしまう虞があった。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、伝熱プレートを構成する二枚以上の金属プレートが必要箇所以外でロウ付けされることを抑制でき、熱交換媒体や被熱交換媒体の流通に伴う伝熱プレートの損傷を抑制することのできるプレート式熱交換器を提供することを課題とする。
本発明に係るプレート式熱交換器は、少なくとも四箇所に開口部を有する複数の伝熱プレートを備え、各伝熱プレートは、互いに重ね合わされた二つ以上の隔壁体を含み、少なくとも四箇所に開口を有する二枚以上の金属プレートを重ね合わせた積層体をプレス成形することで、各金属プレートが隔壁体になって表裏両面に凹条及び凸条を有する形態に形成され、積層された複数の伝熱プレートの外縁部及び開口部周辺が隣り合う伝熱プレートの外縁部及び開口部周辺に対してロウ付けされることで、熱交換媒体を流通させる第一流路と被熱交換媒体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成され、且つ、四箇所の開口部のそれぞれが連なって、第一流路に対して熱交換媒体を流出入させる一対の第一通路が形成されるとともに、第二流路に対して被熱交換媒体を流出入させる一対の第二通路が形成されたプレート式熱交換器において、単一の伝熱プレートを構成すべく隣り合う隔壁体のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体は、相手方の隔壁体と対向する面上に開口を包囲する環状凹部を有することを特徴とする。
上記構成のプレート式熱交換器によれば、伝熱プレートを構成すべく隣り合う隔壁体のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体が、相手方の隔壁体と対向する面上に開口を包囲する環状凹部を有するため、ロウ材が環状凹部よりも奥側に流れ込むことが阻止される。すなわち、隣り合う隔壁体のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体の開口の周囲に環状凹部を設けることで、該環状凹部の存在する領域において、隣り合う隔壁体の間隔が他の部分よりも拡大する。これにより、隔壁体間に進入したロウ材が、該ロウ材の濡れ特性や表面張力の影響によって、環状凹部よりも外側(熱交換に使用される伝熱領域)に向けて進行することが阻止される。これに伴い、単一の伝熱プレートを構成する隔壁体同士が開口の周囲以外で固着してしまうこと(隔壁体同士が拘束し合うこと)が阻止される。
従って、上記構成の伝熱プレートを構成する何れかの隔壁体が腐食等で貫通しても、他の隔壁体が独立して残るため、伝熱プレートが完全に貫通することが防止される。また、伝熱プレートに流体圧が作用して変形しても、伝熱プレートを構成する二つ以上の隔壁体は、互いに拘束し合うことがなく、それぞれが配置に応じた変形をする。その結果、伝熱プレート(隔壁体)に局所的な応力集中等が発生することを抑制でき、伝熱プレートが損傷乃至破損することが防止される。
本発明の一態様として、環状凹部は、単一の伝熱プレートを構成すべく隣り合う隔壁体のそれぞれに設けられ、相手方の隔壁体の環状凹部と対向するよう配置されていることが好ましい。このようにすれば、対向する隔壁体のそれぞれの環状凹部が重なり合い、当該部分での隔壁体の間隔(空間)を大きく拡大させることができる。従って、隔壁体間に進入したロウ材が、環状凹部よりも奥側(熱交換に使用される伝熱領域)に向けて進行することが確実に阻止される。
本発明の他態様として、環状凹部は、コイニング加工により形成されていることが好ましい。このようにすれば、環状凹部の形成された面とは反対側の面が面一の状態になる。従って、複数の伝熱プレートを重ね合わせたときに、隣り合う伝熱プレートの開口部周辺部同士が面接触することになり、当該領域を確実にロウ付けすることができる。これにより、第一流路に対して熱交換媒体を流出入させる一対の第一通路が第二流路に連通することなく液密に形成されるとともに、第二流路に対して被熱交換媒体を流出入させる一対の第二通路が第一流路に連通することなく液密に形成される。
本発明の別の態様として、環状凹部内には、ロウ材の進行を抑制する接合防止剤が配置されていることが好ましい。このようにすれば、隔壁体間に進入したロウ材に勢いがあり、環状凹部による空間拡大でロウ材の勢い(進行)を抑えきれない状態になっても、環状凹部内に配置された接合防止剤の存在で、ロウ材の勢い(進行)が抑えられる。これにより、環状凹部よりも奥側にロウ材が進行することを確実に抑えることができる。また、環状凹部内に接合防止剤を配置すれば、上述の如く、ロウ材の進行が抑えられるため、開口の径方向に対応する環状凹部の幅寸法を小さくすることができる。従って、環状凹部を配置するために開口の周囲に過剰なスペースを必要としない。これにより、隔壁体間でのロウ材の進行を確実に防止した上で、プレート式熱交換器を小型化することができる。
以上のように、本発明に係るプレート式熱交換器によれば、伝熱プレートを構成する二つ以上の隔壁体が必要箇所以外でロウ付けされることを抑制でき、熱交換媒体や被熱交換媒体の流通に伴う伝熱プレートの損傷を抑制することができるという優れた効果を奏し得る。
図1は、本発明の一実施形態にかかるプレート式熱交換器の斜視図である。 図2は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の断面図であって、図2Aは、図1のI−I断面図であり、図2Bは、図1のII−II断面図である。 図3は、同実施形態にかかるプレート式熱交換器を構成する伝熱プレートの平面図であって、図3Aは、伝熱部の第一面側から見た第一伝熱プレートの正面図であり、図3Bは、伝熱部の第二面側から見た第一伝熱プレートの背面図である。 図4は、同実施形態にかかるプレート式熱交換器を構成する伝熱プレートの平面図であって、図4Aは、伝熱部の第一面側から見た第二伝熱プレートの正面図であり、図4Bは、伝熱部の第二面側から見た第二伝熱プレートの背面図である。 図5は、同実施形態に係るプレート式熱交換器を構成する二種類の伝熱プレートの積層の態様の説明図である。 図6は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、図6Aは、第一通路を含む部分拡大断面図であり、図6Bは、第二通路を含む部分拡大断面図である。 図7は、同実施形態にかかる伝熱プレートを成形するための積層体の断面図であって、図4のI−I断面図である。 図8は、同実施形態にかかる伝熱プレートを成形するための積層体の平面図である。 図9は、同実施形態にかかる伝熱プレートを成形するための積層体を作製方法の説明図である。 図10は、同実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、二種類の伝熱プレートの開口部周辺の部分拡大断面図である。 図11は、本発明の他実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、図11Aは、一方の金属プレートのみに環状凹部を形成した第一伝熱プレートと他方の金属プレートのみに環状凹部を形成した第二伝熱プレートとを備えたプレート式熱交換器の開口部周辺の部分拡大断面図であり、図11Bは、他方の金属プレートのみに環状凹部を形成した第一伝熱プレートと一方の金属プレートのみに環状凹部を形成した第二伝熱プレートとを備えたプレート式熱交換器の開口部周辺の部分拡大断面図である。 図12は、本発明の別実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、図12Aは、円弧状の底を有する環状凹部が形成された金属プレートを重ね合わせた積層体をプレス成形して作製された伝熱プレートを備えたプレート式熱交換器の開口部周辺の部分拡大断面図であり、図12Bは、V字状の底を有する環状凹部が形成された金属プレートを重ね合わせた積層体をプレス成形して作製された伝熱プレートを備えたプレート式熱交換器の開口部周辺の部分拡大断面図である。 図13は、本発明のさらに別実施形態に係るプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、プレス成形によって環状凹部の形成された金属プレートであって、環状凹部の裏側が外側に突出した金属プレートを重ね合わせた積層体をプレス成形して作製された伝熱プレートを備えたプレート式熱交換器の開口部周辺の部分拡大断面図である。 図14は、従来のプレート式熱交換器の断面図である。 図15は、従来の伝熱プレートを成形するための積層体の断面図である。 図16は、従来の伝熱プレートを成形するための積層体のプレス成形後の状態を示す部分拡大断面図であって、開口周辺の部分拡大断面図である。 図17は、従来のプレート式熱交換器の部分拡大断面図であって、二種類の伝熱プレートの開口部周辺の部分拡大断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係るプレート式熱交換器について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るプレート式熱交換器は、図1及び図2に示す如く、重ね合わされた複数の伝熱プレート2…,3…を備える。複数の伝熱プレート2…,3…のそれぞれは、図3及び図4に示す如く、少なくとも四箇所に開口部20〜23,30〜33を有するとともに、表裏両面に複数の凹条24…,34…及び凸条25…,35…を有する。
より具体的には、伝熱プレート2,3は、伝熱部26,36と、伝熱部26,36の外周全周から延出した環状の嵌合部27,37とを備える。伝熱部26,36は、四箇所に開口部20〜23,30〜33を有するとともに、表裏両面に複数の凹条24…,34…及び凸条25…,35…を有する。本実施形態に係る伝熱部26,36は、四角形状に形成され、該伝熱部26,36の四隅に開口部20〜23,30〜33を有する。
伝熱部26,36の四つの開口部20〜23,30〜33のうちの二つの開口部22,23,30,31の周辺は、伝熱部26,36の一方の面(以下、第一面という)S1側に変位し、伝熱部26,36の四つの開口部20〜23,30〜33のうちの他の二つの開口部20,21,32,33の周辺は、伝熱部26,36の他方の面(以下、第二面という)S2側に変位している。なお、図3Aにおいて、開口部20〜23の周辺の領域のうち、開口部20,21の周辺の第二面側に変位した領域にハッチングを付し、図3Bにおいて、開口部20〜23の周辺の領域のうち、開口部22,23の周辺の第一面側に変位した領域にハッチングを付している。また、図4Aにおいて、開口部30〜33の周辺の領域のうち、開口部32,33の周辺の第二面側に変位した領域にハッチングを付し、図4Bにおいて、開口部30〜33の周辺の領域のうち、開口部30,31の周辺の第一面側に変位した領域にハッチングを付している。
より具体的に説明する。本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、図2及び図5に示す如く、二種類の伝熱プレート2,3(以下、一方の伝熱プレートを第一伝熱プレート2といい、他方の伝熱プレートを第二伝熱プレート3という)が交互に積層されている。第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、図3及び図4に示す如く、開口部20〜23,30〜33の周辺の変位方向を異にする以外は、伝熱部26,36及び嵌合部27,37の基本形態が共通している。すなわち、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれは、平面視四角形状の伝熱部26,36と、該伝熱部26,36の周囲から該伝熱部26,36と面交差する方向に延出した環状の嵌合部27,37とを備える。
そして、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれにおいて、伝熱部26,36に沿った第一方向の両端部のそれぞれに、第一方向と直交する第二方向に間隔をあけて二つの開口部20,21,22,23,30,31,32,33が形成されている。より具体的には、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれの伝熱部26,36には、四つの開口部20〜23,30〜33(以下、四つの開口部のそれぞれを、第一開口部20,30、第二開口部21,31、第三開口部22,32、第四開口部23,33という)が形成されている。第一開口部20,30は、第一方向の一方の端部における第二方向の一方の端部に設けられ、第二開口部21,31は、第一方向の他方の端部における第二方向の他方の端部に設けられている。これに対し、第三開口部22,32は、第一方向の他方の端部における第二方向の一方の端部に設けられ、第四開口部23,33は、第一方向の一方の端部における第二方向の他方の端部に設けられている。
第一伝熱プレート2の伝熱部26において、図3Aに示す如く、第一開口部20の周辺及び第二開口部21の周辺が、凹条24…及び凸条25…の形成された他の領域に対して該伝熱部26の第二面側に変位するように形成されているのに対し、図3Bに示す如く、第三開口部22の周辺及び第四開口部23の周辺が、凹条24…及び凸条25…の形成された他の領域に対して当該伝熱部26の第一面側に変位するように形成されている。
これに対し、第二伝熱プレート3の伝熱部36において、図4Aに示す如く、第三開口部32の周辺及び第四開口部33の周辺が、凹条34…及び凸条35…の形成された他の領域に対して伝熱部36の第二面側に変位するように形成されているのに対し、図4Bに示す如く、第一開口部30の周辺及び第二開口部31の周辺が、凹条34…及び凸条35…の形成された他の領域に対して当該伝熱部36の第一面側に変位するように形成されている。
これにより、図2に示す如く、第一伝熱プレート2と第二伝熱プレート3とが交互に重ね合わされた状態で、第一伝熱プレート2の第一開口部20の周辺部の第二面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第二面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第一開口部30の周辺部と面接触するとともに(図2A参照)、第一伝熱プレート2の第二開口部21の周辺部の第二面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第二面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第二開口部31の周辺部と面接触する(図2B参照)のに対し、第一伝熱プレート2の第一開口部20の周辺部の第一面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第一面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第一開口部30の周辺部と離間するとともに(図2A参照)、第一伝熱プレート2の第二開口部21の周辺部の第一面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第一面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第二開口部31の周辺部と離間するようになっている(図2B参照)。
また、第一伝熱プレート2と第二伝熱プレート3とが交互に重ね合わされた状態で、第一伝熱プレート2の第三開口部22の周辺部の第一面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第一面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第三開口部32の周辺部と面接触するとともに(図2A参照)、第一伝熱プレート2の第四開口部23の周辺部の第一面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第一面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第四開口部33の周辺部と面接触する(図2B参照)のに対し、第一伝熱プレート2の第三開口部22の周辺部の第二面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第二面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第三開口部32の周辺部と離間するとともに(図2A参照)、第一伝熱プレート2の第四開口部23の周辺部の第二面が、該第一伝熱プレート2における伝熱部26の第二面側に重ね合わされた第二伝熱プレート3における伝熱部36の第四開口部33の周辺部と離間するようになっている(図2B参照)。
第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれにおいて、嵌合部27,37は、図2及び図6に示す如く、伝熱部26,36側から外側(先端側)に向けて拡大するように形成されている。これにより、嵌合部27,37は、二種類の伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3)が交互に積層された状態で、隣り合う伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2又は第二伝熱プレート3)の嵌合部27,37に嵌合するように構成される。
本実施形態において、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれは、二層以上の積層構造を有する。すなわち、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれは、互いに重ね合わされた二つ以上の隔壁体28A,28B,38A,38Bを備えいる。
より具体的に説明すると、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3のそれぞれは、
図7に示す積層体4をプレス成形することで、表裏両面に凹条24…,34…及び凸条25…,35…を有する形態に形成される。
積層体4は、図7及び図8に示す如く、重ね合わされた平板状の金属プレート40A,40Bであって、少なくとも四箇所に開口H…を有する二枚以上の金属プレート40A,40Bを備える。本実施形態において、積層体4は、金属プレート40A,40B間の少なくとも開口Hを包囲する領域に介装された接合防止剤41とを備える。かかる積層体4は、全体をプレス成形することで、各金属プレート40A,40Bが隔壁体28A,28B,38A,38Bになるように構成されている。
本実施形態に係る第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3を成形する積層体4は、同一形態であり、四箇所に開口H…の形成された二枚の金属プレート40A,40Bで接合防止剤41を挟み込んで形成されている。
積層体4を構成する二枚の金属プレート40A,40B(プレス成形される金属プレート40A,40B)のそれぞれにおいて、四箇所の開口H…は、図8に示す如く、伝熱プレート2,3(第一伝熱プレート2、第二伝熱プレート3)の四箇所の開口部20〜23,30〜33(第一開口部20,30、第二開口部21,31、第三開口部22,32、第四開口部23,33)に対応する位置に配置されている。すなわち、二枚の金属プレート40A,40Bのそれぞれは、伝熱部26,36になる四角形状の領域A1と、該四角形状の領域A1を包囲した環状の領域A2であって、嵌合部27,37になる環状の領域A2とを有し、開口部20〜23,30〜33になる開口H…が四角形状の領域A1の四箇所(四隅)に形成されている。
そして、二枚の金属プレート40A,40Bのうちの少なくとも何れか一方の金属プレート40A,40Bは、図7に示す如く、相手方の金属プレート40A,40Bと対向する面上に開口H…を包囲する環状凹部42A,42Bを有する。本実施形態において、環状凹部42A,42Bは、隣り合う金属プレート40A,40Bのそれぞれに設けられ、相手方の金属プレート40A,40Bの環状凹部42A,42Bと対向するよう配置されている。環状凹部42A,42Bは、削り出しや、プレス成形により形成される。本実施形態において、環状凹部42A,42Bは、金属プレート40A,40Bの一方の面上に設けられている。本実施形態において、環状凹部42A,42Bは、コイニング加工により形成されている。これにより、金属プレート40A,40Bにおける環状凹部42A,42Bの裏側は、平面状で維持している。なお、本実施形態に係る環状凹部42A,42Bの底は、平面状に形成されている。
本実施形態において、積層体4は、金属プレート40A,40Bの開口H…の周辺以外の領域に接合防止剤41を介在させている。すなわち、積層体4は、第一開口部20,30となる開口Hの周辺、第二開口部21,31となる開口Hの周辺、第三開口部22,32となる開口Hの周辺、及び第四開口部23,33となる開口Hの周辺以外の略全領域に接合防止剤41を有する。
本実施形態においては、図9に示す如く、金属プレート40A,40Bに接合防止剤41を塗布した上で、該接合防止剤41とともに金属プレート40A,40Bがコイニング加工されることで、環状凹部42A,42Bが形成される。これにより、環状凹部42A,42Bと対応する領域内にある接合防止剤41は、他の領域の接合防止剤41よりも陥没した状態になっている。なお、接合防止剤41は、一般的に、アルミナ等の酸化物粉末とバインダーとを含み、時間経過に伴って硬化する。
本実施形態において、積層体4は、二枚の金属プレート40A,40Bのそれぞれの一方の面上に接合防止剤41が塗布され、接合防止剤41同士を重ね合わせるようにして二枚の金属プレート40A,40Bが重ね合わされることで形成される。
第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、上記構成の積層体4をプレス成形することで、二枚の金属プレート40A,40Bのそれぞれが隔壁体28A,28B,38A,38Bになり、金属プレート40A,40Bの四角形状の領域A1から、表裏両面に凹条24…,34…及び凸条25…,35…を有する伝熱部26,36が形成されるとともに、金属プレート40A,40Bの環状の領域A2から、伝熱部26,36の外周から延出した嵌合部27,37が形成されている。
そして、第一伝熱プレート2及び第二伝熱プレート3は、シート状のロウ材を挟んだ状態で交互に重ね合わされ、全体が加熱されることで互いに密接する部分がロウ付けされる。すなわち、プレート式熱交換器1は、隣り合う伝熱プレート2,3の嵌合部27,37同士、第一開口部20,30の周辺同士、第二開口部21,31の周辺同士、第三開口部22,32の周辺同士、第四開口部23,33の周辺同士、凸条25…,35…の点接触(交差衝合)する部分同士がロウ付けされる。また、これに併せて、各伝熱プレート2,3を構成する隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の開口H…周辺同士がロウ付けされる。
より具体的には、図10に示す如く、複数の伝熱プレート2…,3…をロウ付けするときに、接合防止剤41の存在しない隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の開口H…周辺同士もロウ付け(封着)される。そして、伝熱プレート2,3が積層体4をプレス成形して形成されたものであるため、従来と同様に、隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)間に介在する接合防止剤41に欠損やひび割れ等の欠損部Sが形成されることがあるが、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、伝熱プレート2,3を構成すべく隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)が、相手方の隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)と対向する面上に開口H…を包囲する環状凹部42A,42Bを有するため、ロウ材Bが隔壁体28A,28B,38A,38B間(接合防止剤41の欠損部S)を通って環状凹部42A,42Bよりも奥側に流れ込むことが阻止される。
より具体的に説明する。隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の開口H…の周囲に環状凹部42A,42Bを設けることで、該環状凹部42A,42Bの存在する領域において、隣り合う金属プレート40A,40Bの間隔(空間)が他の部分よりも拡大する。
これにより、隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)間に進入したロウ材Bが、該ロウ材Bの濡れ特性や表面張力の影響によって、環状凹部42A,42Bよりも奥側(熱交換に使用される伝熱領域)に向けて進行することが阻止される。特に、本実施形態においては、環状凹部42A,42B内に接合防止剤41が配置されているため、隔壁体28A,28B,38A,38B間(本実施形態においては、欠損部S)に進入したロウ材Bに勢いがあり、環状凹部42A,42Bによる空間拡大でロウ材Bの勢い(進行)を抑えきれない状態になっても、環状凹部42A,42B内に配置された接合防止剤41の存在で、ロウ材Bの勢い(進行)が抑えられる。これにより、環状凹部42A,42Bよりも奥側に向けてのロウ材Bの進行が確実に抑えられる。これに伴い、単一の伝熱プレート2,3を構成する金属プレート40A,40B同士が固着してしまうこと(金属プレート40A,40B同士が拘束し合う)ことが阻止される。
そして、上述の如く、伝熱プレート2,3同士がロウ付けされることで、図2に示す如く、熱交換媒体Hを流通させる第一流路Xと被熱交換媒体Cを流通させる第二流路Yとが各伝熱プレート2,3を境にして交互に形成される。また、伝熱プレート2,3の四箇所の開口部20〜23,30〜33のそれぞれが連なって、第一流路X内に熱交換媒体Hを流出入させる一対の第一通路R1,R2が形成されるとともに、第二流路Y内に被熱交換媒体Cを流出入させる一対の第二通路R3,R4が形成される。すなわち、伝熱プレート2,3の第一開口部20,30が連なって、熱交換媒体Hの流入用の第一通路R1路が形成されるとともに、伝熱プレート2,3の第二開口部21,31が連なって、熱交換媒体Hの流出用の第一通路R2が形成される。また、伝熱プレート2,3の第三開口部22,32が連なって、被熱交換媒体Cの流入用の第二通路R3が形成されるとともに、伝熱プレート2,3の第四開口部23,33が連なって、被熱交換媒体Cの流出用の第二通路R4が形成される。
本実施形態において、第一開口部20,30及び第二開口部21,31が、伝熱部26,36の対角位置に配置されるとともに、第三開口部22,23及び第四開口部23,33が伝熱部26,36の対角位置に配置されているため、第一流路X内の熱交換媒体Hと第二流路Y内の被熱交換媒体Cとは流れ方向が逆向きで且つ伝熱部26,36の面直交方向から見て交差した流れになる。すなわち、本実施形態に係るプレート式熱交換器1は、熱交換媒体Hと被熱交換媒体Cとが対向流を形成し、伝熱プレート2,3(伝熱部26,36)を介して効率的な熱交換が可能となる。
以上のように、本実施形態に係るプレート式熱交換器1によれば、単一の伝熱プレート2,3を構成する隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)同士が固着してしまうこと(隔壁体28A,28B,38A,38B同士が拘束し合うこと)が阻止される。
従って、上記構成の伝熱プレート2,3を構成する何れかの隔壁体28A,28B,38A,38Bが腐食等で貫通しても、他の隔壁体28A,28B,38A,38Bが独立して残るため、伝熱プレート2,3が完全に貫通することが防止される。また、伝熱プレート2,3に流体圧が作用して変形しても、伝熱プレート2,3を構成する隔壁体28A,28B,38A,38Bは、互いに拘束し合うことがなく、それぞれが配置に応じた変形をする。その結果、伝熱プレート2,3(隔壁体28A,28B,38A,38B)に局所的な応力集中等が発生することを抑制でき、伝熱プレート2,3が損傷乃至破損するが防止される。
特に、環状凹部42A,42Bが、単一の伝熱プレート2,3を構成すべく隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38Bのそれぞれに設けられ、相手方の隔壁体28A,28B,38A,38Bの環状凹部42A,42Bと対向するよう配置されているため、対向する隔壁体28A,28B,38A,38Bのそれぞれの環状凹部42A,42Bが重なり合い、当該部分での隔壁体28A,28B,38A,38Bの間隔(空間)が大きく拡大する。従って、隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)間に進入したロウ材Bが、環状凹部42A,42Bよりも外側(熱交換に使用される伝熱領域)に向けて進行することが確実に阻止される。
また、環状凹部42A,42B内には、ロウ材Bの進行を抑制する接合防止剤41が配置されているため、隔壁体28A,28B,38A,38B間に進入したロウ材Bに勢いがあり、環状凹部42A,42Bによる空間拡大でロウ材Bの勢い(進行)を抑えきれない状態になっても、環状凹部42A,42B内に配置された接合防止剤41の存在で、ロウ材Bの勢い(進行)が抑えられる。すなわち、接合防止剤41は、ロウ材Bの進行の原因となる濡れ特性等を滅却する特性を有するため、進行しようとするロウ材Bの勢いを抑えることができる。これにより、環状凹部42A,42Bよりも奥側にロウ材Bが進行することを確実に抑えることができる。また、環状凹部42A,42B内に接合防止剤41を配置すれば、上述の如く、ロウ材Bの進行が抑えられるため、開口H…の径方向に対応する環状凹部42A,42Bの幅寸法を小さくすることができる。従って、環状凹部42A,42Bを配置するために開口H…の周囲に過剰なスペースが要求されない。これにより、隔壁体28A,28B,38A,38B間でのロウ材Bの進行を確実に防止した上で、プレート式熱交換器1を小型化することができる。
また、環状凹部42A,42Bは、コイニング加工により形成されているため、隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の環状凹部42A,42Bの形成された面とは反対側の面が面一の状態に保たれる。従って、複数の伝熱プレート2…,3…を重ね合わせたときに、隣り合う伝熱プレート2,3の開口部20〜23,30〜33周辺部同士を面接触させることができ、当該領域を確実にロウ付けすることができる。これにより、第一流路X内に熱交換媒体Hを流出入させる一対の第一通路R1,R2が第二流路Yに連通することなく液密に形成されるとともに、第二流路Y内に被熱交換媒体Cを流出入させる一対の第二通路R3,R4が第一流路Xに連通することなく液密に形成される。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)のそれぞれが、相手方の隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)と対向する面上に開口H…を包囲する環状凹部42A,42Bを有したが、これに限定されない。例えば、図11A及び図11Bに示す如く、隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の何れか一方の開口H…回りに環状凹部42A,42Bを設けてもよい。このようにしても、隣り合う隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)の間隔が環状凹部42A,42Bで拡大する(空間が形成される)ため、ロウ材Bを開口H…周辺に留めること(ロウ材Bの内部への進行を阻止すること)ができる。
上記実施形態において、環状凹部42A,42Bの底が平坦に形成されたが、これに限定されない。例えば、図12Aに示す如く、環状凹部42A,42Bの底が円弧状に形成されたり、図12Bに示す如く、環状凹部42A,42Bの底が屈曲面(V字状)に形成されたりしても勿論よい。なお、環状凹部42A,42Bは、隔壁体28A,28B,38A,38B(金属プレート40A,40B)間に拡大した空間を形成するため、その断面形状は特に限定されるものではないが、一対の起立面と起立面の下端同士を接続した底面とを有する形態であることが好ましい。このようにすれば、ロウ材Bの進行経路が急激に変化する結果、ロウ材Bの進行を効率的に阻害することができる。
上記実施形態において、環状凹部42A,42Bがコイニング加工によって形成されたが、これに限定されるものではない。例えば、環状凹部42A,42Bは、金属プレート40A,40Bをプレス成形して形成したり、金属プレート40A,40Bから削り出して形成したりしてもよい。また、上記実施形態においては、コイニング加工することで、環状凹部42A,42Bの形成された面とは反対側の面が面一に形成されたが、これに限定されるものではなく、例えば、図13に示す如く、環状凹部42A,42Bがプレス成形され、環状凹部42A,42Bの反対側が突出又は膨出してもよい。
上記実施形態において、伝熱プレート2,3が二枚の金属プレート40A,40Bを重ね合わせた積層体4をプレス成形することで形成されたが、これに限定されない。例えば、伝熱プレート2,3が三枚以上の金属プレート40A,40Bを重ね合わせた積層体4をプレス成形することで形成されてもよい。また、金属プレート40A,40Bが三枚以上重ね合わされる場合、環状凹部42A,42Bが金属プレート40A,40Bの一方の面に設けられたものに限定されない。例えば、金属プレート42A,42Bにおける別の金属プレート42A,42Bと対向する面であって、金属プレート42A,42Bの両面に対して開口Hを包囲する環状凹部42A,42Bを設けてもよい。
上記実施形態において、金属プレート40A,40Bの一方の面上に接合防止剤41を塗布した後、該接合防止剤41とともに金属プレート40A,40Bをコイニング加工したが、これに限定されない。例えば、金属プレート40A,40Bの一方の面をコイニング加工することで環状凹部42A,42Bを形成し、その一方の面に接合防止剤41を塗布し、該接合防止剤41を挟み込むように二枚以上の金属プレート40A,40Bを重ね合わせるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、隣り合う金属プレート40A,40Bのそれぞれの一方の面に接合防止剤41を塗布し、これらを挟み込むように金属プレート40A,40Bを重ね合わせて積層体4を作製したが、これに限定されない。例えば、隣り合う金属プレート40A,40Bの何れか一方に接合防止剤41を塗布し、他方の金属プレート40A,40Bを重ね合わせることで積層体4を作製してもよい。
上記実施形態において、金属プレート40A,40Bによって接合防止剤41を挟み込んだ積層体4を採用したが、これに限定されない。例えば、接合防止剤41を挟み込むことなく金属プレート40A,40Bを直接重ね合わせた積層体4を採用し、該積層体4をプレス成形して伝熱プレート2,3を形成してもよい。このようにしても、開口H…を包囲する環状凹部42A,42Bを設けることで、ロウ材Bが環状凹部42A,42Bよりも奥側に流れ込むことが阻止される。但し、ロウ材Bの進行を確実に防止するには、接合防止剤41が少なくとも環状凹部42A,42B内に配置されることが好ましいことは言うまでもない。
1…プレート式熱交換器、2…第一伝熱プレート(伝熱プレート)、3…第二伝熱プレート(伝熱プレート)、4…積層体、20,30…第一開口部(開口部)、21,31…第二開口部(開口部)、22,32…第三開口部(開口部)、23,33…第四開口部(開口部)、24,34…凹条、25,35…凸条、26,36…伝熱部、27,37…嵌合部、28A,28B,38A,38B…隔壁体、40A,40B…金属プレート、41…接合防止剤、42A,42B…環状凹部、A1…四角形状の領域(伝熱部になる領域)、A2…環状の領域(嵌合部になる領域)、B…ロウ材、H…熱交換媒体、C…被熱交換媒体、H…開口、R1,R2…第一通路、R3,R4…第二通路、S…欠損部、X…第一流路、Y…第二流路

Claims (4)

  1. 少なくとも四箇所に開口部を有する複数の伝熱プレートを備え、各伝熱プレートは、互いに重ね合わされた二つ以上の隔壁体を含み、少なくとも四箇所に開口を有する二枚以上の金属プレートを重ね合わせた積層体をプレス成形することで、各金属プレートが隔壁体になって表裏両面に凹条及び凸条を有する形態に形成され、積層された複数の伝熱プレートの外縁部及び開口部周辺が隣り合う伝熱プレートの外縁部及び開口部周辺に対してロウ付けされることで、熱交換媒体を流通させる第一流路と被熱交換媒体を流通させる第二流路とが各伝熱プレートを境にして交互に形成され、且つ、四箇所の開口部のそれぞれが連なって、第一流路に対して熱交換媒体を流出入させる一対の第一通路が形成されるとともに、第二流路に対して被熱交換媒体を流出入させる一対の第二通路が形成されたプレート式熱交換器において、単一の伝熱プレートを構成すべく隣り合う隔壁体のうちの少なくとも何れか一方の隔壁体は、相手方の隔壁体と対向する面上に開口を包囲する環状凹部を有することを特徴とするプレート式熱交器。
  2. 環状凹部は、単一の伝熱プレートを構成すべく隣り合う隔壁体のそれぞれに設けられ、相手方の隔壁体の環状凹部と対向するよう配置されている請求項1に記載のプレート式熱交換器。
  3. 環状凹部は、コイニング加工により形成されている請求項1又は請求項2に記載のプレート式熱交換器。
  4. 環状凹部内には、ロウ材の進行を抑制する接合防止剤が配置されている請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のプレート式熱交換器。
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