JP6005946B2 - 熱処理装置 - Google Patents

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本発明は、半導体ウェハーや液晶表示装置用ガラス基板等の薄板状の精密電子基板(以下、単に「基板」と称する)に対してフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置に関する。
半導体デバイスの製造プロセスにおいて、不純物導入は半導体ウェハー内にpn接合を形成するための必須の工程である。現在、不純物導入は、イオン打ち込み法とその後のアニール法によってなされるのが一般的である。イオン打ち込み法は、ボロン(B)、ヒ素(As)、リン(P)といった不純物の元素をイオン化させて高加速電圧で半導体ウェハーに衝突させて物理的に不純物注入を行う技術である。注入された不純物はアニール処理によって活性化される。この際に、アニール時間が数秒程度以上であると、打ち込まれた不純物が熱によって深く拡散し、その結果接合深さが要求よりも深くなり過ぎて良好なデバイス形成に支障が生じるおそれがある。
そこで、極めて短時間で半導体ウェハーを加熱するアニール技術として、近年フラッシュランプアニール(FLA)が注目されている。フラッシュランプアニールは、キセノンフラッシュランプ(以下、単に「フラッシュランプ」とするときにはキセノンフラッシュランプを意味する)を使用して半導体ウェハーの表面にフラッシュ光を照射することにより、不純物が注入された半導体ウェハーの表面のみを極めて短時間(数ミリ秒以下)に昇温させる熱処理技術である。
キセノンフラッシュランプの放射分光分布は紫外域から近赤外域であり、従来のハロゲンランプよりも波長が短く、シリコンの半導体ウェハーの基礎吸収帯とほぼ一致している。よって、キセノンフラッシュランプから半導体ウェハーにフラッシュ光を照射したときには、透過光が少なく半導体ウェハーを急速に昇温することが可能である。また、数ミリ秒以下の極めて短時間のフラッシュ光照射であれば、半導体ウェハーの表面近傍のみを選択的に昇温できることも判明している。このため、キセノンフラッシュランプによる極短時間の昇温であれば、不純物を深く拡散させることなく、不純物活性化のみを実行することができるのである。
このようなキセノンフラッシュランプを使用した熱処理装置として、特許文献1,2には、半導体ウェハーの表面側にフラッシュランプ等のパルス発光ランプを配置し、裏面側にハロゲンランプ等の連続点灯ランプを配置し、それらの組み合わせによって所望の熱処理を行うものが開示されている。特許文献1,2に開示の熱処理装置においては、ハロゲンランプ等によって半導体ウェハーをある程度の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのパルス加熱によって所望の処理温度にまで昇温している。また、特許文献3には、半導体ウェハーをホットプレートに載置して所定の温度まで予備加熱し、その後フラッシュランプからのフラッシュ光照射によって所望の処理温度にまで昇温する装置が開示されている。
特開昭60−258928号公報 特表2005−527972号公報 特開2007−5532号公報
特許文献3に開示されるようなホットプレートにて半導体ウェハーを予備加熱する場合は、プレート温度を正確に温調すればウェハー温度の面内分布を比較的均一なものとすることができる。特に、特許文献3のホットプレートは同心円状に複数のゾーンに区分けされており、ゾーンごとに温調可能であるためウェハー温度の面内分布を容易に均一にすることができる。一方、特許文献1,2に開示されるようなハロゲンランプにて予備加熱を行う場合には、比較的高い予備加熱温度にまで半導体ウェハーを短時間で昇温することができるというプロセス上のメリットが得られるものの、ウェハー周縁部の温度が中心部よりも低くなる問題が生じやすい。
このようなハロゲンランプによる予備加熱段階での周縁部における温度低下を解消するために、ハロゲンランプからウェハー周縁部に照射する光量を増やすと、周縁部の一部の温度が上昇するものの、逆に周縁部よりも内側領域の温度分布均一性が損なわれることとなる。しかも、半導体ウェハーの最も外周の端縁部における温度低下は十分には解消されないまま残存する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板の面内温度分布を均一にすることができる熱処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、円板形状の基板に対してフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射する前に前記基板を所定温度に予備加熱する予備加熱手段と、前記基板の裏面周縁部に円環状にレーザ光を照射する補助照射手段と、を備え、前記予備加熱手段は、格子状に交差するように配列されて前記基板の裏面に光を照射する複数の棒状のハロゲンランプを含み、前記補助照射手段は、前記保持手段に保持された基板の中心軸に長手方向を沿わすように設けられた棒状の導光ロッドと、前記導光ロッドの両端部のうち前記保持手段に保持された基板から遠い方の入射側端部からレーザ光を入射するレーザ光出射手段と、を含み、前記入射側端部から入射されたレーザ光は前記導光ロッドの内部を出射側端部に向かって円柱状に進行し、前記導光ロッドの前記出射側端部には、前記導光ロッドの内部から前記保持手段に保持された基板に向けて開口径が大きくなる円錐形状の凹部が形設され、前記導光ロッドは前記複数のハロゲンランプの配列の隙間を通り抜け、前記出射側端部は前記複数のハロゲンランプよりも前記保持手段に保持された基板に近くに位置することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理装置において、前記円錐形状の凹部の壁面に金属膜を形成することを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理装置において、前記補助照射手段は、前記円錐形状の凹部に嵌合する金属体をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項から請求項のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記導光ロッドを前記中心軸に沿って往復移動させるスライド駆動部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項の発明に係る熱処理装置において、前記導光ロッドの内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱は、当該円柱の中心から周縁に向けて強度が連続的に弱くなる強度分布を有するとともに、当該中心が前記円錐形状の凹部の頂点に到達するように進行し、前記スライド駆動部は、前記円柱の中心に位置するレーザ光が前記保持手段に保持された基板の端縁部に到達する位置に前記導光ロッドを移動させることを特徴とする。
また、請求項の発明は、請求項から請求項のいずれかの発明に係る熱処理装置において、前記導光ロッドを前記中心軸を回転中心として回転させる回転駆動部をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項の発明は、円板形状の基板に対してフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置において、基板を収容するチャンバーと、前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射する前に前記基板を所定温度に予備加熱する予備加熱手段と、前記基板の裏面周縁部に円環状にレーザ光を照射する補助照射手段と、を備え、前記予備加熱手段は、格子状に交差するように配列されて前記基板の裏面に光を照射する複数の棒状のハロゲンランプを含み、前記補助照射手段は、前記保持手段に保持された基板の中心軸に長手方向を沿わすように設けられた棒状の導光ロッドと、前記導光ロッドの両端部のうち前記保持手段に保持された基板から遠い方の入射側端部からレーザ光を入射するレーザ光出射手段と、を含み、前記入射側端部から入射されたレーザ光は前記導光ロッドの内部を出射側端部に向かって円柱状に進行し、前記導光ロッドの前記出射側端部には、前記導光ロッドの内部から前記保持手段に保持された基板に向けて径が小さくなる円錐形状のアキシコンレンズが付設され、前記導光ロッドは前記複数のハロゲンランプの配列の隙間を通り抜け、前記出射側端部は前記複数のハロゲンランプよりも前記保持手段に保持された基板に近くに位置することを特徴とする。
請求項1から請求項の発明によれば、基板の裏面周縁部に円環状にレーザ光を照射する補助照射手段を備えるため、予備加熱時に基板周縁部に生じた温度不均一を解消して基板の面内温度分布を均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、円錐形状の凹部の壁面に金属膜を形成するため、凹部の壁面でのレーザ光の漏れを防止することができる。
特に、請求項の発明によれば、円錐形状の凹部に嵌合する金属体を備えるため、凹部の壁面でのレーザ光の漏れを防止することができる。
特に、請求項の発明によれば、導光ロッドを基板の中心軸に沿って往復移動させるスライド駆動部を備えるため、基板の裏面周縁部における円環状のレーザ光照射領域の位置を調整できるとともに、レーザ光照射領域の径を拡大および縮小することができる。
特に、請求項の発明によれば、導光ロッドの内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱は、当該円柱の中心から周縁に向けて強度が連続的に弱くなる強度分布を有するとともに、当該中心が円錐形状の凹部の頂点に到達するように進行し、スライド駆動部は、円柱の中心に位置するレーザ光が基板の端縁部に到達する位置に導光ロッドを移動させるため、予備加熱時に最も温度が低くなる基板の端縁部に最も強度の強いレーザ光が照射されることとなり、基板の面内温度分布をより高い精度にて均一にすることができる。
特に、請求項の発明によれば、導光ロッドを基板の中心軸を回転中心として回転させる回転駆動部を備えるため、レーザ光照射領域と基板周縁部とに若干のずれが生じたとしても基板の面内温度分布を均一にすることができる。
本発明に係る熱処理装置の構成を示す縦断面図である。 保持部の全体外観を示す斜視図である。 保持部を上面から見た平面図である。 保持部を側方から見た側面図である。 移載機構の平面図である。 移載機構の側面図である。 フラッシュランプの駆動回路を示す図である。 複数のハロゲンランプの配置を示す平面図である。 補助照射部の構成を示す図である。 導光ロッドの斜視図である。 導光ロッドにおけるレーザ光の光路を示す図である。 半導体ウェハーの主面におけるレーザ光の照射領域を示す図である。 導光ロッドの内部を進行するレーザ光によって形成される円柱における強度分布の一例を示す図である。 予備加熱時における半導体ウェハーの径方向温度分布と周縁部におけるレーザ光強度分布の相関を示す図である。 第2実施形態の導光ロッドの構成を示す縦断面図である。 第3実施形態の導光ロッドの構成を示す縦断面図である。 第4実施形態の導光ロッドを示す図である。 第5実施形態におけるレーザ光照射を示す図である。 第6実施形態におけるレーザ光照射を示す図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る熱処理装置1の構成を示す縦断面図である。本実施形態の熱処理装置1は、基板としてφ300mmの円板形状の半導体ウェハーWに対してフラッシュ光照射を行うことによってその半導体ウェハーWを加熱するフラッシュランプアニール装置である。熱処理装置1に搬入される前の半導体ウェハーWには不純物が注入されており、熱処理装置1による加熱処理によって注入された不純物の活性化処理が実行される。なお、図1および以降の各図においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。
熱処理装置1は、半導体ウェハーWを収容するチャンバー6と、複数のフラッシュランプFLを内蔵するフラッシュ加熱部5と、複数のハロゲンランプHLを内蔵するハロゲン加熱部4と、シャッター機構2と、を備える。チャンバー6の上側にフラッシュ加熱部5が設けられるとともに、下側にハロゲン加熱部4が設けられている。また、熱処理装置1は、チャンバー6の内部に、半導体ウェハーWを水平姿勢に保持する保持部7と、保持部7と装置外部との間で半導体ウェハーWの受け渡しを行う移載機構10と、を備える。さらに、熱処理装置1は、シャッター機構2、ハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6に設けられた各動作機構を制御して半導体ウェハーWの熱処理を実行させる制御部3を備える。
チャンバー6は、筒状のチャンバー側部61の上下に石英製のチャンバー窓を装着して構成されている。チャンバー側部61は上下が開口された概略筒形状を有しており、上側開口には上側チャンバー窓63が装着されて閉塞され、下側開口には下側チャンバー窓64が装着されて閉塞されている。チャンバー6の天井部を構成する上側チャンバー窓63は、石英により形成された円板形状部材であり、フラッシュ加熱部5から出射されたフラッシュ光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。また、チャンバー6の床部を構成する下側チャンバー窓64も、石英により形成された円板形状部材であり、ハロゲン加熱部4からの光をチャンバー6内に透過する石英窓として機能する。
また、チャンバー側部61の内側の壁面の上部には反射リング68が装着され、下部には反射リング69が装着されている。反射リング68,69は、ともに円環状に形成されている。上側の反射リング68は、チャンバー側部61の上側から嵌め込むことによって装着される。一方、下側の反射リング69は、チャンバー側部61の下側から嵌め込んで図示省略のビスで留めることによって装着される。すなわち、反射リング68,69は、ともに着脱自在にチャンバー側部61に装着されるものである。チャンバー6の内側空間、すなわち上側チャンバー窓63、下側チャンバー窓64、チャンバー側部61および反射リング68,69によって囲まれる空間が熱処理空間65として規定される。
チャンバー側部61に反射リング68,69が装着されることによって、チャンバー6の内壁面に凹部62が形成される。すなわち、チャンバー側部61の内壁面のうち反射リング68,69が装着されていない中央部分と、反射リング68の下端面と、反射リング69の上端面とで囲まれた凹部62が形成される。凹部62は、チャンバー6の内壁面に水平方向に沿って円環状に形成され、半導体ウェハーWを保持する保持部7を囲繞する。
チャンバー側部61および反射リング68,69は、強度と耐熱性に優れた金属材料(例えば、ステンレススチール)にて形成されている。また、反射リング68,69の内周面は電解ニッケルメッキによって鏡面とされている。
また、チャンバー側部61には、チャンバー6に対して半導体ウェハーWの搬入および搬出を行うための搬送開口部(炉口)66が形設されている。搬送開口部66は、ゲートバルブ185によって開閉可能とされている。搬送開口部66は凹部62の外周面に連通接続されている。このため、ゲートバルブ185が搬送開口部66を開放しているときには、搬送開口部66から凹部62を通過して熱処理空間65への半導体ウェハーWの搬入および熱処理空間65からの半導体ウェハーWの搬出を行うことができる。また、ゲートバルブ185が搬送開口部66を閉鎖するとチャンバー6内の熱処理空間65が密閉空間とされる。
また、チャンバー6の内壁上部には熱処理空間65に処理ガス(本実施形態では窒素ガス(N))を供給するガス供給孔81が形設されている。ガス供給孔81は、凹部62よりも上側位置に形設されており、反射リング68に設けられていても良い。ガス供給孔81はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間82を介してガス供給管83に連通接続されている。ガス供給管83は窒素ガス供給源85に接続されている。また、ガス供給管83の経路途中にはバルブ84が介挿されている。バルブ84が開放されると、窒素ガス供給源85から緩衝空間82に窒素ガスが送給される。緩衝空間82に流入した窒素ガスは、ガス供給孔81よりも流体抵抗の小さい緩衝空間82内を拡がるように流れてガス供給孔81から熱処理空間65内へと供給される。
一方、チャンバー6の内壁下部には熱処理空間65内の気体を排気するガス排気孔86が形設されている。ガス排気孔86は、凹部62よりも下側位置に形設されており、反射リング69に設けられていても良い。ガス排気孔86はチャンバー6の側壁内部に円環状に形成された緩衝空間87を介してガス排気管88に連通接続されている。ガス排気管88は排気部190に接続されている。また、ガス排気管88の経路途中にはバルブ89が介挿されている。バルブ89が開放されると、熱処理空間65の気体がガス排気孔86から緩衝空間87を経てガス排気管88へと排出される。なお、ガス供給孔81およびガス排気孔86は、チャンバー6の周方向に沿って複数設けられていても良いし、スリット状のものであっても良い。また、窒素ガス供給源85および排気部190は、熱処理装置1に設けられた機構であっても良いし、熱処理装置1が設置される工場のユーティリティであっても良い。
また、搬送開口部66の先端にも熱処理空間65内の気体を排出するガス排気管191が接続されている。ガス排気管191はバルブ192を介して排気部190に接続されている。バルブ192を開放することによって、搬送開口部66を介してチャンバー6内の気体が排気される。
図2は、保持部7の全体外観を示す斜視図である。また、図3は保持部7を上面から見た平面図であり、図4は保持部7を側方から見た側面図である。保持部7は、基台リング71、連結部72およびサセプター74を備えて構成される。基台リング71、連結部72およびサセプター74はいずれも石英にて形成されている。すなわち、保持部7の全体が石英にて形成されている。
基台リング71は円環形状の石英部材である。基台リング71は凹部62の底面に載置されることによって、チャンバー6の壁面に支持されることとなる(図1参照)。円環形状を有する基台リング71の上面に、その周方向に沿って複数の連結部72(本実施形態では4個)が立設される。連結部72も石英の部材であり、溶接によって基台リング71に固着される。なお、基台リング71の形状は、円環形状から一部が欠落した円弧状であっても良い。
平板状のサセプター74は基台リング71に設けられた4個の連結部72によって支持される。サセプター74は石英にて形成された略円形の平板状部材である。サセプター74の直径は半導体ウェハーWの直径よりも大きい。すなわち、サセプター74は、半導体ウェハーWよりも大きな平面サイズを有する。サセプター74の上面には複数個(本実施形態では5個)のガイドピン76が立設されている。5個のガイドピン76はサセプター74の外周円と同心円の周上に沿って設けられている。5個のガイドピン76を配置した円の径は半導体ウェハーWの径よりも若干大きい。各ガイドピン76も石英にて形成されている。なお、ガイドピン76は、サセプター74と一体に石英のインゴットから加工するようにしても良いし、別途に加工したものをサセプター74に溶接等によって取り付けるようにしても良い。
基台リング71に立設された4個の連結部72とサセプター74の周縁部の下面とが溶接によって固着される。すなわち、サセプター74と基台リング71とは連結部72によって固定的に連結されており、保持部7は石英の一体成形部材となる。このような保持部7の基台リング71がチャンバー6の壁面に支持されることによって、保持部7がチャンバー6に装着される。保持部7がチャンバー6に装着された状態においては、略円板形状のサセプター74は水平姿勢(法線が鉛直方向と一致する姿勢)となる。チャンバー6に搬入された半導体ウェハーWは、チャンバー6に装着された保持部7のサセプター74の上に水平姿勢にて載置されて保持される。半導体ウェハーWは、5個のガイドピン76によって形成される円の内側に載置されることにより、水平方向の位置ずれが防止される。なお、ガイドピン76の個数は5個に限定されるものではなく、半導体ウェハーWの位置ずれを防止できる数であれば良い。
また、図2および図3に示すように、サセプター74には、上下に貫通して開口部78および切り欠き部77が形成されている。切り欠き部77は、熱電対を使用した接触式温度計130のプローブ先端部を通すために設けられている。一方、開口部78は、放射温度計120がサセプター74に保持された半導体ウェハーWの下面から放射される放射光(赤外光)を受光するために設けられている。さらに、サセプター74には、後述する移載機構10のリフトピン12が半導体ウェハーWの受け渡しのために貫通する4個の貫通孔79が穿設されている。
図5は、移載機構10の平面図である。また、図6は、移載機構10の側面図である。移載機構10は、2本の移載アーム11を備える。移載アーム11は、概ね円環状の凹部62に沿うような円弧形状とされている。それぞれの移載アーム11には2本のリフトピン12が立設されている。各移載アーム11は水平移動機構13によって回動可能とされている。水平移動機構13は、一対の移載アーム11を保持部7に対して半導体ウェハーWの移載を行う移載動作位置(図5の実線位置)と保持部7に保持された半導体ウェハーWと平面視で重ならない退避位置(図5の二点鎖線位置)との間で水平移動させる。水平移動機構13としては、個別のモータによって各移載アーム11をそれぞれ回動させるものであっても良いし、リンク機構を用いて1個のモータによって一対の移載アーム11を連動させて回動させるものであっても良い。
また、一対の移載アーム11は、昇降機構14によって水平移動機構13とともに昇降移動される。昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて上昇させると、計4本のリフトピン12がサセプター74に穿設された貫通孔79(図2,3参照)を通過し、リフトピン12の上端がサセプター74の上面から突き出る。一方、昇降機構14が一対の移載アーム11を移載動作位置にて下降させてリフトピン12を貫通孔79から抜き取り、水平移動機構13が一対の移載アーム11を開くように移動させると各移載アーム11が退避位置に移動する。一対の移載アーム11の退避位置は、保持部7の基台リング71の直上である。基台リング71は凹部62の底面に載置されているため、移載アーム11の退避位置は凹部62の内側となる。なお、移載機構10の駆動部(水平移動機構13および昇降機構14)が設けられている部位の近傍にも図示省略の排気機構が設けられており、移載機構10の駆動部周辺の雰囲気がチャンバー6の外部に排出されるように構成されている。
図1に戻り、チャンバー6の上方に設けられたフラッシュ加熱部5は、筐体51の内側に、複数本(本実施形態では30本)のキセノンフラッシュランプFLからなる光源と、その光源の上方を覆うように設けられたリフレクタ52と、を備えて構成される。また、フラッシュ加熱部5の筐体51の底部にはランプ光放射窓53が装着されている。フラッシュ加熱部5の床部を構成するランプ光放射窓53は、石英により形成された板状の石英窓である。フラッシュ加熱部5がチャンバー6の上方に設置されることにより、ランプ光放射窓53が上側チャンバー窓63と相対向することとなる。フラッシュランプFLはチャンバー6の上方からランプ光放射窓53および上側チャンバー窓63を介して熱処理空間65にフラッシュ光を照射する。
複数のフラッシュランプFLは、それぞれが長尺の円筒形状を有する棒状ランプであり、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように平面状に配列されている。よって、フラッシュランプFLの配列によって形成される平面も水平面である。
図7は、フラッシュランプFLの駆動回路を示す図である。同図に示すように、コンデンサ93と、コイル94と、フラッシュランプFLと、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)96とが直列に接続されている。また、図7に示すように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備えるとともに、入力部33に接続されている。入力部33としては、キーボード、マウス、タッチパネル等の種々の公知の入力機器を採用することができる。入力部33からの入力内容に基づいて波形設定部32がパルス信号の波形を設定し、その波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を発生する。
フラッシュランプFLは、その内部にキセノンガスが封入されその両端部に陽極および陰極が配設された棒状のガラス管(放電管)92と、該ガラス管92の外周面上に付設されたトリガー電極91とを備える。コンデンサ93には、電源ユニット95によって所定の電圧が印加され、その印加電圧(充電電圧)に応じた電荷が充電される。また、トリガー電極91にはトリガー回路97から高電圧を印加することができる。トリガー回路97がトリガー電極91に電圧を印加するタイミングは制御部3によって制御される。
IGBT96は、ゲート部にMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)を組み込んだバイポーラトランジスタであり、大電力を取り扱うのに適したスイッチング素子である。IGBT96のゲートには制御部3のパルス発生器31からパルス信号が印加される。IGBT96のゲートに所定値以上の電圧(Highの電圧)が印加されるとIGBT96がオン状態となり、所定値未満の電圧(Lowの電圧)が印加されるとIGBT96がオフ状態となる。このようにして、フラッシュランプFLを含む駆動回路はIGBT96によってオンオフされる。IGBT96がオンオフすることによってフラッシュランプFLと対応するコンデンサ93との接続が断続される。
コンデンサ93が充電された状態でIGBT96がオン状態となってガラス管92の両端電極に高電圧が印加されたとしても、キセノンガスは電気的には絶縁体であることから、通常の状態ではガラス管92内に電気は流れない。しかしながら、トリガー回路97がトリガー電極91に高電圧を印加して絶縁を破壊した場合には両端電極間の放電によってガラス管92内に電流が瞬時に流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。
また、図1のリフレクタ52は、複数のフラッシュランプFLの上方にそれら全体を覆うように設けられている。リフレクタ52の基本的な機能は、複数のフラッシュランプFLから出射された光を保持部7の側に反射するというものである。リフレクタ52はアルミニウム合金板にて形成されており、その表面(フラッシュランプFLに臨む側の面)はブラスト処理により粗面化加工が施されて梨地模様を呈する。
チャンバー6の下方に設けられたハロゲン加熱部4の内部には複数本(本実施形態では40本)のハロゲンランプHLが内蔵されている。複数のハロゲンランプHLはチャンバー6の下方から下側チャンバー窓64を介して熱処理空間65への光照射を行う。図8は、複数のハロゲンランプHLの配置を示す平面図である。本実施形態では、上下2段に各20本ずつのハロゲンランプHLが配設されている。各ハロゲンランプHLは、長尺の円筒形状を有する棒状ランプである。上段、下段ともに20本のハロゲンランプHLは、それぞれの長手方向が保持部7に保持される半導体ウェハーWの主面に沿って(つまり水平方向に沿って)互いに平行となるように配列されている。よって、上段、下段ともにハロゲンランプHLの配列によって形成される平面は水平面である。
また、図8に示すように、上段、下段ともに保持部7に保持される半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部に対向する領域におけるハロゲンランプHLの配設密度が高くなっている。すなわち、上下段ともに、ランプ配列の中央部よりも端部側の方がハロゲンランプHLの配設ピッチが短い。このため、ハロゲン加熱部4からの光照射による加熱時に温度低下が生じやすい半導体ウェハーWの周縁部により多い光量の照射を行うことができる。
また、上段のハロゲンランプHLからなるランプ群と下段のハロゲンランプHLからなるランプ群とが格子状に交差するように配列されている。すなわち、上段の各ハロゲンランプHLの長手方向と下段の各ハロゲンランプHLの長手方向とが直交するように計40本のハロゲンランプHLが配設されている。
ハロゲンランプHLは、ガラス管内部に配設されたフィラメントに通電することでフィラメントを白熱化させて発光させるフィラメント方式の光源である。ガラス管の内部には、窒素やアルゴン等の不活性ガスにハロゲン元素(ヨウ素、臭素等)を微量導入した気体が封入されている。ハロゲン元素を導入することによって、フィラメントの折損を抑制しつつフィラメントの温度を高温に設定することが可能となる。したがって、ハロゲンランプHLは、通常の白熱電球に比べて寿命が長くかつ強い光を連続的に照射できるという特性を有する。また、ハロゲンランプHLは棒状ランプであるため長寿命であり、ハロゲンランプHLを水平方向に沿わせて配置することにより上方の半導体ウェハーWへの放射効率が優れたものとなる。
また、図1に示すように、保持部7よりも下方に補助照射部40を設けている。図9は、補助照射部40の構成を示す図である。図9においては、図示の便宜上、ハロゲン加熱部4およびチャンバー6の構成を簡略化して描いている。補助照射部40は、主たる要素として、レーザ光出射部44および導光ロッド45を備える。レーザ光出射部44は、レーザユニット41、光ファイバー42、および、レンズ43を備える。本実施形態のレーザユニット41は、出力が80W〜500Wの非常に高出力の半導体レーザであり、波長が800nm〜820nmの可視光レーザを射出する。レーザユニット41から射出されたレーザ光は光ファイバー42によってレンズ43へと導かれる。そして、レンズ43から出射されたレーザ光が導光ロッド45に入射する。
図10は、導光ロッド45の斜視図である。導光ロッド45は、石英によって形成された略円柱形状(棒状)の光学部材である。本実施形態では、導光ロッド45の円柱形状の径をφ15mmとしているが、これに限定されるものではなく任意の径とすることができる。石英はレーザ光出射部44から出射された波長のレーザ光を透過する。導光ロッド45は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心直下に配置されている。具体的には、導光ロッド45は、その円柱形状の長手方向を保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心軸CXに沿わすように起立姿勢にて設けられている。すなわち、導光ロッド45の円柱形状の中心軸は半導体ウェハーWの中心軸CXと一致する。なお、中心軸CXは、保持部7に保持された半導体ウェハーWの主面に垂直な中心軸である。
円柱形状の導光ロッド45の両端部のうち上側(保持部7に保持された半導体ウェハーWに近い側)が出射側端部45aとされ、下側(保持部7に保持された半導体ウェハーWから遠い側)が入射側端部45bとされる。入射側端部45bに対向する位置にレーザ光出射部44のレンズ43が配置されている。図10に示すように、下端の入射側端部45bは平坦面であるが、上端の出射側端部45aには円錐形状の凹部45cが形設されている。凹部45cの円錐形状の中心軸は、半導体ウェハーWの中心軸CXと一致する。また、凹部45cの円錐形状は、導光ロッド45の内部から保持部7に保持された半導体ウェハーWに向けて開口径が大きくなる。
図9に示すように、導光ロッド45の上側は、ハロゲン加熱部4の底壁、および、図示を省略するハロゲンランプHL用のリフレクタを貫通している。導光ロッド45がハロゲン加熱部4の底壁を貫通する部位にはシール用のベアリングを設けるようにしても良い。導光ロッド45は、さらにハロゲンランプHLの配置の隙間を通り抜け(図8参照)、出射側端部45aが少なくとも上段のハロゲンランプHLよりも上側に位置するように設けられる。このため、導光ロッド45が回転したときにも、導光ロッド45とハロゲンランプHLとの接触が防止される。
図11は、導光ロッド45におけるレーザ光の光路を示す図である。レーザ光出射部44から出射されて平坦面である入射側端部45bに垂直に入射したレーザ光は、鉛直方向に沿って設けられた導光ロッド45の長手方向に沿って直進する。下端の入射側端部45bから入射されたレーザ光は石英の導光ロッド45の内部を上方の出射側端部45aに向かって円柱状に進行する。導光ロッド45の内部を進行するレーザ光によって形成される円柱の径はφ6mm〜φ20mm(本実施形態ではφ6mm)であり、レンズ43によって調整することができる。また、導光ロッド45の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心軸は、導光ロッド45の中心軸(つまり、半導体ウェハーWの中心軸CX)と一致する。
図11に示すように、出射側端部45aに到達したレーザ光は、凹部45cの内側壁面(円錐形状の側面)にて全反射され、出射側端部45aの外側壁面(導光ロッド45の側壁面)から保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに向けて出射される。レーザ光は石英の出射側端部45aから大気中に出射される際に若干屈折される。
導光ロッド45の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心は凹部45cの円錐形状の頂点に到達する。そして、凹部45cの頂点で全反射されたレーザ光は出射側端部45aから出射されて保持部7に保持された半導体ウェハーWの端縁部WEに到達する。
一方、レーザ光によって形成される円柱の側面は凹部45cの円錐形状の側面の所定位置(頂点と底面との間の位置)に到達する。そして、その所定位置にて全反射されたレーザ光は出射側端部45aから出射されて半導体ウェハーWの周縁部WSの内周に到達する。
ここで、半導体ウェハーWの周縁部WSとは、円板形状の半導体ウェハーWの最外周からそれよりも短い径の同心円までの領域であり、所定幅を有する円環形状領域である。また、半導体ウェハーWの端縁部WEとは、円板形状の半導体ウェハーWの最外周部である。
図12は、半導体ウェハーWの主面におけるレーザ光の照射領域を示す図である。同図において、レーザ光照射領域には斜線を付している。導光ロッド45の内部を出射側端部45aに向けて円柱状に導かれるレーザ光が円錐形状の凹部45cの内側側面にて全反射されることによって、出射側端部45aから出射されたレーザ光は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに円環状に照射されることとなる。
また、補助照射部40は、導光ロッド45を半導体ウェハーWの中心軸CXに沿ってスライド移動させるスライド駆動部47を備えている。スライド駆動部47としては、例えば、導光ロッド45に連結された部材に螺合されたボールネジを回転させるパルスモータを用いることができる。スライド駆動部47が導光ロッド45を上昇させる(半導体ウェハーWに近づける)と、図9および図11から明らかなように、半導体ウェハーWの主面における円環状のレーザ光照射領域の径が縮まる。逆に、スライド駆動部47が導光ロッド45を下降させる(半導体ウェハーWから遠ざける)と、半導体ウェハーWの主面における円環状のレーザ光照射領域の径が拡がる。
第1実施形態においては、半導体ウェハーWの主面における円環状のレーザ光照射領域が、半導体ウェハーWの周縁部WSと一致するように、より具体的には導光ロッド45の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心の光が半導体ウェハーWの端縁部WEに到達するように、スライド駆動部47が導光ロッド45の高さ位置を調整している。なお、このような調整のために、導光ロッド45の高さ位置をパルスモータの回転角度から検知するエンコーダをスライド駆動部47に付設するようにしても良い。
さらに、補助照射部40は、導光ロッド45を半導体ウェハーWの中心軸CXを回転中心として回転させる回転駆動部46を備えている。回転駆動部46としては、例えば、モータ軸が中空となっている中空モータを用いることができ、その中空部分に導光ロッド45の下側が挿通される。
図1に戻り、熱処理装置1は、ハロゲン加熱部4およびチャンバー6の側方にシャッター機構2を備える。シャッター機構2は、シャッター板21およびスライド駆動機構22を備える。シャッター板21は、ハロゲン光に対して不透明な板であり、例えばチタン(Ti)にて形成されている。スライド駆動機構22は、シャッター板21を水平方向に沿ってスライド移動させ、ハロゲン加熱部4と保持部7との間の遮光位置にシャッター板21を挿脱する。スライド駆動機構22がシャッター板21を前進させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間の遮光位置(図1の二点鎖線位置)にシャッター板21が挿入され、下側チャンバー窓64と複数のハロゲンランプHLとが遮断される。これによって、複数のハロゲンランプHLから熱処理空間65の保持部7へと向かう光は遮光される。逆に、スライド駆動機構22がシャッター板21を後退させると、チャンバー6とハロゲン加熱部4との間の遮光位置からシャッター板21が退出して下側チャンバー窓64の下方が開放される。なお、導光ロッド45は、出射側端部45aの高さ位置がシャッター板21の遮光位置よりも下方となるように設置されている。このため、導光ロッド45がシャッター板21の進退移動の障害となることは無い。
また、制御部3は、熱処理装置1に設けられた上記の種々の動作機構を制御する。制御部3のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部3は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用ソフトウェアやデータなどを記憶しておく磁気ディスクを備えて構成される。制御部3のCPUが所定の処理プログラムを実行することによって熱処理装置1における処理が進行する。また、図7に示したように、制御部3は、パルス発生器31および波形設定部32を備える。上述のように、入力部33からの入力内容に基づいて、波形設定部32がパルス信号の波形を設定し、それに従ってパルス発生器31がIGBT96のゲートにパルス信号を出力する。
上記の構成以外にも熱処理装置1は、半導体ウェハーWの熱処理時にハロゲンランプHLおよびフラッシュランプFLから発生する熱エネルギーによるハロゲン加熱部4、フラッシュ加熱部5およびチャンバー6の過剰な温度上昇を防止するため、様々な冷却用の構造を備えている。例えば、チャンバー6の壁体には水冷管(図示省略)が設けられている。また、ハロゲン加熱部4およびフラッシュ加熱部5は、内部に気体流を形成して排熱する空冷構造とされている。また、上側チャンバー窓63とランプ光放射窓53との間隙にも空気が供給され、フラッシュ加熱部5および上側チャンバー窓63を冷却する。
次に、熱処理装置1における半導体ウェハーWの処理手順について説明する。ここで処理対象となる半導体ウェハーWはイオン注入法により不純物(イオン)が添加された半導体基板である。その不純物の活性化が熱処理装置1によるフラッシュ光照射加熱処理(アニール)により実行される。以下に説明する熱処理装置1の処理手順は、制御部3が熱処理装置1の各動作機構を制御することにより進行する。
まず、給気のためのバルブ84が開放されるとともに、排気用のバルブ89,192が開放されてチャンバー6内に対する給排気が開始される。バルブ84が開放されると、ガス供給孔81から熱処理空間65に窒素ガスが供給される。また、バルブ89が開放されると、ガス排気孔86からチャンバー6内の気体が排気される。これにより、チャンバー6内の熱処理空間65の上部から供給された窒素ガスが下方へと流れ、熱処理空間65の下部から排気される。
また、バルブ192が開放されることによって、搬送開口部66からもチャンバー6内の気体が排気される。さらに、図示省略の排気機構によって移載機構10の駆動部周辺の雰囲気も排気される。なお、熱処理装置1における半導体ウェハーWの熱処理時には窒素ガスが熱処理空間65に継続的に供給されており、その供給量は処理工程に応じて適宜変更される。
続いて、ゲートバルブ185が開いて搬送開口部66が開放され、装置外部の搬送ロボットにより搬送開口部66を介してイオン注入後の半導体ウェハーWがチャンバー6内の熱処理空間65に搬入される。搬送ロボットによって搬入された半導体ウェハーWは保持部7の直上位置まで進出して停止する。そして、移載機構10の一対の移載アーム11が退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12が貫通孔79を通ってサセプター74の上面から突き出て半導体ウェハーWを受け取る。
半導体ウェハーWがリフトピン12に載置された後、搬送ロボットが熱処理空間65から退出し、ゲートバルブ185によって搬送開口部66が閉鎖される。そして、一対の移載アーム11が下降することにより、半導体ウェハーWは移載機構10から保持部7のサセプター74に受け渡されて水平姿勢にて下方より保持される。半導体ウェハーWは、パターン形成がなされて不純物が注入された表面を上面として保持部7に保持される。また、半導体ウェハーWは、サセプター74の上面にて5個のガイドピン76の内側に保持される。サセプター74の下方にまで下降した一対の移載アーム11は水平移動機構13によって退避位置、すなわち凹部62の内側に退避する。
半導体ウェハーWが石英にて形成された保持部7によって水平姿勢にて下方より保持された後、ハロゲン加熱部4の40本のハロゲンランプHLが一斉に点灯して予備加熱(アシスト加熱)が開始される。ハロゲンランプHLから出射されたハロゲン光は、石英にて形成された下側チャンバー窓64およびサセプター74を透過して半導体ウェハーWの裏面(表面とは反対側の主面)から照射される。ハロゲンランプHLからの光照射を受けることによって半導体ウェハーWが予備加熱されて温度が上昇する。なお、移載機構10の移載アーム11は凹部62の内側に退避しているため、ハロゲンランプHLによる加熱の障害となることは無い。
ハロゲンランプHLによる予備加熱を行うときには、半導体ウェハーWの温度が接触式温度計130によって測定されている。すなわち、熱電対を内蔵する接触式温度計130が保持部7に保持された半導体ウェハーWの下面にサセプター74の切り欠き部77を介して接触して昇温中のウェハー温度を測定する。測定された半導体ウェハーWの温度は制御部3に伝達される。制御部3は、ハロゲンランプHLからの光照射によって昇温する半導体ウェハーWの温度が所定の予備加熱温度T1に到達したか否かを監視する。予備加熱温度T1は、半導体ウェハーWに添加された不純物が熱により拡散する恐れのない、200℃ないし800℃程度、好ましくは350℃ないし600℃程度とされる(本実施の形態では600℃)。なお、ハロゲンランプHLからの光照射によって半導体ウェハーWを昇温するときには、放射温度計120による温度測定は行わない。これは、ハロゲンランプHLから照射されるハロゲン光が放射温度計120に外乱光として入射し、正確な温度測定ができないためである。
ところで、予備加熱中の半導体ウェハーWには中心部分に比較して周縁部WSの温度が低くなりやすい傾向が認められる。このような現象が生じる原因としては、半導体ウェハーWの周縁部WSからの熱放射、或いは半導体ウェハーWの周縁部WSから比較的低温のサセプター74への熱伝導などが考えられる。
このため、ハロゲン加熱部4におけるハロゲンランプHLの配設密度は、半導体ウェハーWの中央部に対向する領域よりも周縁部WSに対向する領域の方が高くなるように構成されており、半導体ウェハーWの中心部よりも周縁部WSに向かう光量が多くなるようにしている。また、チャンバー側部61に装着された反射リング69の内周面は鏡面とされているため、この反射リング69の内周面によっても半導体ウェハーWの周縁部WSに向けて反射する光量が多くなる。
このようにして半導体ウェハーWの中心部よりも周縁部WSに照射されるハロゲン光量を多くしたとしても、なお半導体ウェハーWの周縁部WSにおける温度低下を解消することは困難であった。この傾向は、ハロゲンランプHLと保持部7に保持された半導体ウェハーWとの距離が大きくなるにつれて顕著となる。
このため、第1実施形態においては、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに追加の光照射を行う補助照射部40を設けている。補助照射部40のレーザユニット41は、波長800nm〜820nmの近赤外域の可視光レーザを出力80W〜500Wにて放出する。レーザユニット41から放出されて光ファイバー42によってレンズ43へと導かれたレーザ光は、レンズ43から導光ロッド45の入射側端部45bに入射される。レンズ43からは鉛直方向上方に向けてレーザ光が出射され、そのレーザ光がそのまま入射側端部45bに垂直に入射する。
図11に示したように、入射側端部45bに垂直に入射したレーザ光は、導光ロッド45の内部を出射側端部45aに向かって円柱状に進行し、円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射されて出射側端部45aから保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに向けて出射される。既述したように、導光ロッド45の内部を進行するレーザ光によって形成される円柱の中心軸は、導光ロッド45の中心軸と一致しており、凹部45cの円錐形状の頂点に到達する。そして、導光ロッド45の内部を出射側端部45aに向けて円柱状に導かれるレーザ光が円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射されることによって、出射側端部45aから出射されたレーザ光は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状に照射される。なお、保持部7は全体が石英にて形成されているため、導光ロッド45から出射された波長800nm〜820nmの可視光レーザを透過する。一方、ハロゲン加熱部4によってある程度昇温されているシリコンの半導体ウェハーWは波長800nm〜820nmのレーザ光を吸収する。従って、補助照射部40から出射されたレーザ光は半導体ウェハーWの周縁部WSに照射されて吸収され、その周縁部WSの温度を上昇させる。
ところで、導光ロッド45の内部を進行するレーザ光によって形成される円柱の径方向において、レーザ光の強度は通常均一ではない。図13は、導光ロッド45の内部を進行するレーザ光によって形成される円柱における強度分布の一例を示す図である。所定の幅を有して進行するレーザ光の断面強度分布は一般にはガウス分布となる。本実施形態においても、導光ロッド45の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の径方向に沿った強度分布は図13に示すようなガウス分布となる。すなわち、円柱の中心を進むレーザ光の強度が最も強く、円柱の中心から周縁に向けて強度が徐々に連続的に弱くなり(単調に減少)、円柱の側面を進むレーザ光の強度が最も弱くなる。
このような強度分布を有するレーザ光が円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射されて半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状に照射されるときに、最も強度の強い円柱の中心に沿って進むレーザ光が半導体ウェハーWの端縁部WEに到達するように、導光ロッド45の高さ位置がスライド駆動部47によって調整されている。すなわち、図11に示したように、円柱の中心を進むレーザ光は凹部45cの円錐形状の頂点し、その頂点で全反射されて半導体ウェハーWの端縁部WEに向かう。一方、最も強度の弱い円柱の側面に沿って進むレーザ光は、凹部45cの円錐形状の側面の所定位置にて全反射され、半導体ウェハーWの周縁部WSの内周に到達する。その結果、半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状に照射されたレーザ光における照度分布は、端縁部WEにおいて最も強くなり、そこから周縁部WSの内周に向かって徐々に弱くなる。
図14は、予備加熱時における半導体ウェハーWの径方向温度分布と周縁部WSにおけるレーザ光強度分布の相関を示す図である。図14(b)に示すように、予備加熱時における半導体ウェハーWでは、中心領域に比較して周縁部WSの温度が低くなる。特に、半導体ウェハーWの周縁部WSにおいては、周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて徐々に温度が低下しており(単調減少)、端縁部WEが最も低温となる。
このような温度分布の半導体ウェハーWに対して、補助照射部40から図14(a)に示すような強度分布にてレーザ光が周縁部WSに円環状に照射される。すなわち、強度分布がガウス分布となるレーザ光が円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射されて半導体ウェハーWの裏面周縁部WSに円環状に照射されることにより、照射領域である周縁部WSにおいては、周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて徐々に連続的にレーザ光強度が強くなり(単調増加)、端縁部WEにおいて最も強くなる。
従って、予備加熱時に最も低温となる半導体ウェハーWの端縁部WEに最も強いレーザ光が照射されるとともに、大きな温度低下が生じない周縁部WSの内周近傍には弱いレーザ光が照射されることとなる。そして、温度が徐々に低くなる周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて照射されるレーザ光の強度は徐々に強くなるのである。これにより、予備加熱時における半導体ウェハーWの温度分布の不均一を効果的に解消するような強度分布にて補助照射部40から周縁部WSにレーザ光が照射されることとなり、周縁部WSを均一に昇温して半導体ウェハーWの面内温度分布の均一性を向上させている。なお、補助照射部40からのレーザ光照射を開始するタイミングは、ハロゲンランプHLが点灯するのと同時であっても良いし、ハロゲンランプHLが点灯してから所定時間が経過した後であっても良いし、或いはハロゲンランプHLが点灯する所定時間前であっても良い。
半導体ウェハーWの温度が予備加熱温度T1に到達して所定時間が経過した時点にてフラッシュランプFLが半導体ウェハーWの表面にフラッシュ光照射を行う。フラッシュランプFLがフラッシュ光照射を行うに際しては、予め電源ユニット95によってコンデンサ93に電荷を蓄積しておく。そして、コンデンサ93に電荷が蓄積された状態にて、制御部3のパルス発生器31からIGBT96にパルス信号を出力する。
パルス発生器31が出力するパルス信号の波形は、パルス幅の時間(オン時間)とパルス間隔の時間(オフ時間)とをパラメータとして順次設定したレシピを入力部33から入力することによって規定することができる。このようなパラメータを記述したレシピをオペレータが入力部33から制御部3に入力すると、それに従って制御部3の波形設定部32はオンオフを繰り返すパルス波形を設定する。そして、波形設定部32によって設定されたパルス波形に従ってパルス発生器31がパルス信号を出力する。その結果、IGBT96のゲートにはオンオフを繰り返す波形のパルス信号が印加され、IGBT96のオンオフ駆動が制御されることとなる。
また、パルス発生器31から出力するパルス信号がオンになるタイミングと同期して制御部3がトリガー回路97を制御してトリガー電極91に高電圧を印加する。これにより、IGBT96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはガラス管92内の両端電極間で必ず電流が流れ、そのときのキセノンの原子あるいは分子の励起によって光が放出される。制御部3からIGBT96のゲートにパルス信号を出力するとともに、該パルス信号がオンになるタイミングと同期してトリガー電極91にトリガー電圧を印加することにより、フラッシュランプFLを含む回路中にのこぎり波形の電流が流れる。すなわち、IGBT96のゲートに入力されるパルス信号がオンのときにはフラッシュランプFLのガラス管92内に流れる電流値が増加し、オフのときには電流値が減少する。なお、各パルスに対応する個々の電流波形はコイル94の定数によって規定される。
フラッシュランプFLを含む回路中に電流が流れることによってフラッシュランプFLが発光する。フラッシュランプFLの発光強度は、フラッシュランプFLに流れる電流にほぼ比例する。その結果、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形ものこぎり波形に近くなり、そのような強度波形にて保持部7に保持された半導体ウェハーWにフラッシュ光照射が行われる。
ここで、IGBT96などのスイッチング素子を使用することなくフラッシュランプFLを発光させた場合には、コンデンサ93に蓄積されていた電荷が1回の発光で瞬時に消費される。このため、フラッシュランプFLの発光強度の波形は急激に立ち上がって急激に降下する幅が0.1ミリ秒ないし10ミリ秒程度のシングルパルスとなる。
これに対して、本実施の形態のように、回路中にIGBT96を接続してそのゲートにパルス信号を出力することにより、当該回路がIGBT96によって断続的にオンオフされ、コンデンサ93からフラッシュランプFLに流れる電流がチョッパ制御される。その結果、いわばフラッシュランプFLの発光がチョッパ制御されることとなり、コンデンサ93に蓄積された電荷はフラッシュランプFLにて断続的に放電されて分割して消費され、極めて短い時間の間にフラッシュランプFLが点滅を繰り返す。もっとも、フラッシュランプFLに流れる電流値が完全に”0”になる前に次のパルスがIGBT96のゲートに印加されて電流値が再度増加する。このため、フラッシュランプFLが点滅を繰り返している間も発光強度が完全に”0”になることはない。
なお、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形は、IGBT96のゲートに印加するパルス信号の波形を調整することによって適宜に変更することができる。発光強度の時間波形は、フラッシュ加熱処理の目的(例えば、注入された不純物の活性化、不純物注入時に導入された結晶欠陥の回復処理など)に応じて決定すれば良い。但し、フラッシュランプFLの発光強度の時間波形が如何なる形態であったとしても、1回の加熱処理におけるフラッシュランプFLの総発光時間は1秒以下である。IGBT96のゲートに印加するパルス信号の波形は、入力部33から入力するパルス幅の時間およびパルス間隔の時間によって調整することができる。
このようにしてフラッシュランプFLからフラッシュ光照射を行うことによって、半導体ウェハーWの表面温度が予備加熱温度T1から目標とする処理温度T2にまで緩やかに昇温してから緩やかに降温する。もっとも、半導体ウェハーWの表面温度が緩やかに昇温してから緩やかに降温するとは言っても、それは従来のフラッシュランプアニールに比較すればのことであり、フラッシュランプFLの発光時間は1秒以下であるため、ハロゲンランプなどを用いた光照射加熱と比較すると著しく短時間での昇温・降温である。第1実施形態では、補助照射部40から半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状にレーザ光を照射して予備加熱段階での半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にしているため、フラッシュ光照射時における半導体ウェハーW表面の面内温度分布も均一にすることができる。
フラッシュ加熱処理が終了した後、所定時間経過後にハロゲンランプHLが消灯する。また、補助照射部40によるレーザ光照射も停止する。これにより、半導体ウェハーWの降温速度が高まる。また、ハロゲンランプHLが消灯するのと同時に、シャッター機構2がシャッター板21をハロゲン加熱部4とチャンバー6との間の遮光位置に挿入する。ハロゲンランプHLが消灯しても、すぐにフィラメントや管壁の温度が低下するものではなく、暫時高温のフィラメントおよび管壁から輻射熱が放射され続け、これが半導体ウェハーWの降温を妨げる。シャッター板21が挿入されることによって、消灯直後のハロゲンランプHLから熱処理空間65に放射される輻射熱が遮断されることとなり、半導体ウェハーWの降温速度を高めることができる。
そして、半導体ウェハーWの温度が所定以下にまで降温した後、移載機構10の一対の移載アーム11が再び退避位置から移載動作位置に水平移動して上昇することにより、リフトピン12がサセプター74の上面から突き出て熱処理後の半導体ウェハーWをサセプター74から受け取る。続いて、ゲートバルブ185により閉鎖されていた搬送開口部66が開放され、リフトピン12上に載置された半導体ウェハーWが装置外部の搬送ロボットにより搬出され、熱処理装置1における半導体ウェハーWの加熱処理が完了する。
第1実施形態においては、ハロゲンランプHLによる予備加熱によって生じた半導体ウェハーWの面内温度分布の不均一を補正すべく、補助照射部40によるレーザ光照射を行っている。保持部7に保持された半導体ウェハーWにハロゲンランプHLから予備加熱を行うと、半導体ウェハーWの中心部よりも周縁部WSの温度が低下する傾向が認められるが、補助照射部40から半導体ウェハーWの裏面周縁部WSに円環状にレーザ光を照射することによって当該周縁部WSを選択的に加熱して均一な面内温度分布となるようにしている。
特に、半導体ウェハーWの裏面の周縁部WS全体に円環状にレーザ光が照射されるため、総発光時間が1秒以下のフラッシュランプFLからフラッシュ光が照射される瞬間においても周縁部WS全体に均一にレーザ光が照射されている。このため、フラッシュ光照射時に周縁部WSのうちの一部レーザ光照射領域のみが局所的に高温となることがなく、フラッシュ加熱時にも半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
また、予備加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布の不均一をより詳細に見ると、半導体ウェハーWの周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて徐々に温度が低下する傾向が認められるが、第1実施形態ではこの分布を補完するようにレーザ光照射を行っている。すなわち、強度分布がガウス分布となるレーザ光が円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射されて半導体ウェハーWの裏面周縁部WSに円環状に照射されることにより、周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて徐々にレーザ光強度が強くなる照射を行っている。これにより、予備加熱時における半導体ウェハーWの面内温度分布の不均一をより効果的に解消することができ、半導体ウェハーWの面内温度分布をより高精度に均一にすることができる。
レーザ光の中心を単純に半導体ウェハーWの端縁部WEに合わせるようにしても、周縁部WSの内周から端縁部WEに向けて徐々にレーザ光強度を強くすることは可能であるが、この場合レーザ光の約半分は半導体ウェハーWに照射されないこととなる。よって、レーザ光のエネルギー効率が低下するとともに、半導体ウェハーWに照射されなかったレーザ光はチャンバー6のいずれかの部位に到達し、当該部位を不要に加熱することとなる。第1実施形態のようにすれば、半導体ウェハーWの周縁部WSにおける温度分布不均一を補完しつつも全てのレーザ光を無駄なく半導体ウェハーWの周縁部WSに円環状に照射することができる。このため、レーザ光のエネルギー効率低下を抑制するとともに、チャンバー6内の予期しない部位の加熱を防止することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と同様である。また、第2実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と同様である。第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、補助照射部40の導光ロッドの構成である。
図15は、第2実施形態の導光ロッド145の構成を示す縦断面図である。同図において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。第2実施形態の導光ロッド145の本体部は石英によって形成された円柱形状の光学部材であり、その両端に入射側端部45bおよび出射側端部45aを備える。そして、導光ロッド145の出射側端部45aには円錐形状の凹部45cが形設される。すなわち、第2実施形態の導光ロッド145の本体部は第1実施形態の導光ロッド45と同じである。
第2実施形態においては、導光ロッド145の円錐形状の凹部45cの内側壁面に金属膜146を形成している。このような金属膜146としては、レーザユニット41から射出されるレーザ光に対して反射率の高い金属を用いれば良く、例えば金(Au)の膜を用いることができる。
レーザ光出射部44から出射されて入射側端部45bに入射したレーザ光は、導光ロッド145の長手方向に沿って出射側端部45aに向かって円柱状に直進し、円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射される。第2実施形態においては、凹部45cの内側壁面に金属膜146を形成しているため、凹部45cに到達したレーザ光がその内側壁面から漏れることはなく、全てのレーザ光が確実に全反射されることとなる。このため、導光ロッド145に入射したレーザ光は全て無駄なく凹部45cで反射されて保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに照射されることとなり、レーザ光の利用効率低下を防止することができる。
なお、図15では凹部45cの内側壁面の全面に金属膜146を形成しているが、導光ロッド145に入射したレーザ光によって形成される円柱が到達する領域にのみ金属膜146を形成するようにしても良い。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と同様である。また、第3実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と同様である。第3実施形態が第1実施形態と相違するのは、補助照射部40の導光ロッドの構成である。
図16は、第3実施形態の導光ロッド245の構成を示す縦断面図である。同図において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。第3実施形態の導光ロッド245の本体部は石英によって形成された円柱形状の光学部材であり、その両端に入射側端部45bおよび出射側端部45aを備える。そして、導光ロッド245の出射側端部45aには円錐形状の凹部45cが形設される。すなわち、第3実施形態の導光ロッド245の本体部も第1実施形態の導光ロッド45と同じである。
第3実施形態においては、導光ロッド245の円錐形状の凹部45cに嵌合する金属体246を設けている。金属体246としては、耐熱性に優れた金属、例えばステンレススチールを用いることができる。そのような金属を凹部45cに適合する円錐形状に形成して側面を鏡面研磨したものを金属体246として凹部45cに嵌合させる。
レーザ光出射部44から出射されて入射側端部45bに入射したレーザ光は、導光ロッド245の長手方向に沿って出射側端部45aに向かって円柱状に直進し、円錐形状の凹部45cの内側壁面にて全反射される。第3実施形態においては、凹部45cに金属体246を嵌合させているため、凹部45cに到達したレーザ光がその内側壁面から漏れることはなく、全てのレーザ光が確実に全反射されることとなる。このため、第2実施形態と同様に、導光ロッド245に入射したレーザ光は全て無駄なく凹部45cで反射されて保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに照射されることとなり、レーザ光の利用効率低下を防止することができる。
なお、金属体246の側面(つまり、凹部45cとの接触面)に第2実施形態と同様の金属膜を成膜するようにしても良い。このようにしても、凹部45cに到達したレーザ光を確実に全反射させることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と同様である。また、第4実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と同様である。第4実施形態が第1実施形態と相違するのは、補助照射部40の導光ロッドの構成である。
図17は、第4実施形態の導光ロッド345を示す図である。同図において、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付している。第4実施形態の導光ロッド345は、石英によって形成された円柱形状の光学部材である。導光ロッド345は、その円柱形状の長手方向を保持部7に保持された半導体ウェハーWの中心軸CXに沿わすように設けられている。
棒状の導光ロッド345の両端部は入射側端部45bおよび出射側端部45aとされている。入射側端部45bは第1実施形態と同様に平坦面であるが、出射側端部45aにはアキシコンレンズ346が付設されている。アキシコンレンズ346は、導光ロッド345の内部から保持部7に保持された半導体ウェハーWに向けて径が小さくなる円錐形状のレンズである。円錐形状のアキシコンレンズ346の中心軸は、半導体ウェハーWの中心軸CXと一致する。アキシコンレンズ346は、導光ロッド345の本体部とは別体に加工して平坦な出射側端部45aに接合するようにしても良いし、導光ロッド345と一体に成型加工するようにしても良い。
レーザ光出射部44から出射されて平坦面である入射側端部45bに垂直に入射したレーザ光は、導光ロッド345の長手方向に沿って直進する。下端の入射側端部45bから入射されたレーザ光は導光ロッド45の内部を上方の出射側端部45aに向かって円柱状に進行する。導光ロッド345の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心軸は、導光ロッド345の中心軸(つまり、半導体ウェハーWの中心軸CX)と一致する。
図17に示すように、出射側端部45aのアキシコンレンズ346に到達したレーザ光は、アキシコンレンズ346の壁面にて屈折され、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに向けて出射される。導光ロッド345の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心は円錐形状のアキシコンレンズ346の頂点に到達する。そして、アキシコンレンズ346の頂点で屈折されたレーザ光は半導体ウェハーWの周縁部WSの内周に到達する。一方、レーザ光によって形成される円柱の側面はアキシコンレンズ346の側面の所定位置(頂点と底面との間の位置)に到達する。そして、その所定位置にて屈折されたレーザ光は半導体ウェハーWの端縁部WEに到達する。
このようにしても、導光ロッド345の出射側端部45aから出射されたレーザ光は、保持部7に保持された半導体ウェハーWの周縁部WSに円環状に照射されることとなる。その結果、予備加熱時に温度低下の傾向が認められる半導体ウェハーWの周縁部WSを選択的に加熱して半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
但し、第1実施形態から第3実施形態の反射に比較すると、第4実施形態の屈折はレーザ光の光路変更角度が小さい。従って、出射されたレーザ光を半導体ウェハーWの周縁部WSに到達させるためには、第1実施形態から第3実施形態に比較して導光ロッド345と保持部7に保持された半導体ウェハーWとの距離を長く確保せざるを得ず、チャンバー6を大型化する必要が生じる。
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と同様である。また、第5実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第5実施形態が第1実施形態と相違するのは、補助照射部40によるレーザ光照射の態様である。
図18は、第5実施形態におけるレーザ光照射を示す図である。第5実施形態においては、導光ロッド45の出射側端部45aから半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状にレーザ光を照射しつつ、矢印AR18にて示すように、回転駆動部46が半導体ウェハーWの中心軸CXを回転中心として導光ロッド45を回転させる。これにより、円環状のレーザ光照射領域が半導体ウェハーWの周縁部WSにて中心軸CXを中心に回転する。
円環状のレーザ光照射領域を円環状の周縁部WSに対して中心軸CXを中心に回転させたとしても、理論上は回転による変化は無く、半導体ウェハーWの周縁部WSへのレーザ光照射状態が維持される。しかし、第1実施形態において、導光ロッド45の内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱の中心を完全に凹部45cの頂点に一致させ、その頂点で反射されたレーザ光を正確に半導体ウェハーWの端縁部WEの全周に渡って到達させることは容易ではないため、レーザ光照射領域が周縁部WSに対して若干ずれることもあり得る。このような場合には、第5実施形態のように導光ロッド45を半導体ウェハーWの中心軸CXを回転中心として回転させることにより、そのようなずれに起因した周縁部WSに対する不均一な加熱を解消することができる。なお、導光ロッド45を回転させる点以外の残余については第1実施形態と同様である。
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態の熱処理装置の全体構成は第1実施形態と同様である。また、第6実施形態における半導体ウェハーWの処理手順も第1実施形態と概ね同様である。第6実施形態が第1実施形態と相違するのは、補助照射部40によるレーザ光照射の態様である。
図19は、第6実施形態におけるレーザ光照射を示す図である。第6実施形態においては、導光ロッド45の出射側端部45aから半導体ウェハーWの裏面の周縁部WSに円環状にレーザ光を照射しつつ、矢印AR19にて示すように、スライド駆動部47が半導体ウェハーWの中心軸CXに沿って導光ロッド45を往復移動させている。これにより、矢印AR20に示すように、半導体ウェハーWの裏面における円環状のレーザ光照射領域の径が拡大と縮小とを繰り返す。
予備加熱時に半導体ウェハーWの中心領域に比較して温度が低下している周縁部WSの幅と補助照射部40による円環状のレーザ光照射領域の幅とが完全に一致しない場合もある。このような場合には、第6実施形態のように導光ロッド45を半導体ウェハーWの中心軸CXに沿って往復移動させることにより、温度低下が生じている周縁部WSの全体を均一に加熱することができる。なお、導光ロッド45を往復移動させる点以外の残余については第1実施形態と同様である。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記各実施形態においては、導光ロッド45の材質を石英としていたが、これに限定されるものではなく、例えばサファイアなどレーザ光を透過する性質を有するものであれば良い。
また、上記各実施形態においては、レーザユニット41から放出されたレーザ光を光ファイバー42によってレンズ43へと導くようにしていたが、これに代えて、コリメートレンズと全反射鏡とを用いてレーザユニット41から放出されたレーザ光をレンズ43へ導くようにしても良い。
また、上記各実施形態においては、フラッシュランプFLの駆動回路にIGBT96を組み込んでフラッシュランプFLを流れる電流をチョッパ制御するようにしていたが、IGBT96を組み込んでいない駆動回路であっても本発明に係る技術を適用することができる。すなわち、予備加熱段階で相対的に低温となっている半導体ウェハーWの周縁部WSに補助照射部40から円環状にレーザ光照射を行って周縁部WSを昇温して面内温度分布の均一性を向上させ、その状態にて通電がチョッパ制御されていないシングルパルスの波形にてフラッシュランプFLからフラッシュ光を照射するようにしても最終的なフラッシュ光照射時における半導体ウェハーWの面内温度分布を均一にすることができる。
また、上記各実施形態においては、スイッチング素子としてIGBT96を用いていたが、これに代えてゲートに入力された信号レベルに応じて回路をオンオフできる他のトランジスタを用いるようにしても良い。もっとも、フラッシュランプFLの発光には相当に大きな電力が消費されるため、大電力の取り扱いに適したIGBTやGTO(Gate Turn Off)サイリスタをスイッチング素子として採用するのが好ましい。
また、パルス信号の波形の設定は、入力部33から逐一パルス幅等のパラメータを入力することに限定されるものではなく、例えば、オペレータが入力部33から波形を直接グラフィカルに入力するようにしても良いし、以前に設定されて磁気ディスク等の記憶部に記憶されていた波形を読み出すようにしても良いし、或いは熱処理装置1の外部からダウンロードするようにしても良い。
また、上記各実施形態においては、フラッシュ加熱部5に30本のフラッシュランプFLを備えるようにしていたが、これに限定されるものではなく、フラッシュランプFLの本数は任意の数とすることができる。また、フラッシュランプFLはキセノンフラッシュランプに限定されるものではなく、クリプトンフラッシュランプであっても良い。また、ハロゲン加熱部4に備えるハロゲンランプHLの本数も40本に限定されるものではなく、任意の数とすることができる。
また、上記各実施形態においては、ハロゲンランプHLからのハロゲン光照射によって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしていたが、予備加熱の手法はこれに限定されるものではなく、ホットプレートに載置することによって半導体ウェハーWを予備加熱するようにしても良い。もっとも、ホットプレートは、同心円状に区分けされたゾーンごとに個別に温調可能であり、ゾーン制御によって半導体ウェハーWの周縁部の温度低下を解消できるため、上記実施形態のように光照射によって半導体ウェハーWの予備加熱を行う装置に本発明に係る技術を適用した方がより顕著な効果が得られる。
また、本発明に係る熱処理装置によって処理対象となる基板は半導体ウェハーに限定されるものではなく、液晶表示装置などのフラットパネルディスプレイに用いるガラス基板や太陽電池用の基板であっても良い。また、本発明に係る技術は、金属とシリコンとの接合、或いはポリシリコンの結晶化に適用するようにしても良い。
1 熱処理装置
2 シャッター機構
3 制御部
4 ハロゲン加熱部
5 フラッシュ加熱部
6 チャンバー
7 保持部
10 移載機構
40 補助照射部
41 レーザユニット
44 レーザ光出射部
45,145,245,345 導光ロッド
45a 出射側端部
45b 入射側端部
45c 凹部
46 回転駆動部
47 スライド駆動部
65 熱処理空間
74 サセプター
146 金属膜
246 金属体
346 アキシコンレンズ
CX 中心軸
FL フラッシュランプ
HL ハロゲンランプ
W 半導体ウェハー
WE 端縁部
WS 周縁部

Claims (7)

  1. 円板形状の基板に対してフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射する前に前記基板を所定温度に予備加熱する予備加熱手段と、
    前記基板の裏面周縁部に円環状にレーザ光を照射する補助照射手段と、
    を備え
    前記予備加熱手段は、格子状に交差するように配列されて前記基板の裏面に光を照射する複数の棒状のハロゲンランプを含み、
    前記補助照射手段は、
    前記保持手段に保持された基板の中心軸に長手方向を沿わすように設けられた棒状の導光ロッドと、
    前記導光ロッドの両端部のうち前記保持手段に保持された基板から遠い方の入射側端部からレーザ光を入射するレーザ光出射手段と、
    を含み、
    前記入射側端部から入射されたレーザ光は前記導光ロッドの内部を出射側端部に向かって円柱状に進行し、
    前記導光ロッドの前記出射側端部には、前記導光ロッドの内部から前記保持手段に保持された基板に向けて開口径が大きくなる円錐形状の凹部が形設され、
    前記導光ロッドは前記複数のハロゲンランプの配列の隙間を通り抜け、前記出射側端部は前記複数のハロゲンランプよりも前記保持手段に保持された基板に近くに位置することを特徴とする熱処理装置。
  2. 請求項1記載の熱処理装置において、
    前記円錐形状の凹部の壁面に金属膜を形成することを特徴とする熱処理装置。
  3. 請求項記載の熱処理装置において、
    前記補助照射手段は、前記円錐形状の凹部に嵌合する金属体をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記導光ロッドを前記中心軸に沿って往復移動させるスライド駆動部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  5. 請求項記載の熱処理装置において、
    前記導光ロッドの内部を導かれるレーザ光によって形成される円柱は、当該円柱の中心から周縁に向けて強度が連続的に弱くなる強度分布を有するとともに、当該中心が前記円錐形状の凹部の頂点に到達するように進行し、
    前記スライド駆動部は、前記円柱の中心に位置するレーザ光が前記保持手段に保持された基板の端縁部に到達する位置に前記導光ロッドを移動させることを特徴とする熱処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の熱処理装置において、
    前記導光ロッドを前記中心軸を回転中心として回転させる回転駆動部をさらに備えることを特徴とする熱処理装置。
  7. 円板形状の基板に対してフラッシュ光を照射することによって該基板を加熱する熱処理装置であって、
    基板を収容するチャンバーと、
    前記チャンバー内にて基板を保持する保持手段と、
    前記保持手段に保持された基板の表面にフラッシュ光を照射するフラッシュランプと、
    前記フラッシュランプからフラッシュ光を照射する前に前記基板を所定温度に予備加熱する予備加熱手段と、
    前記基板の裏面周縁部に円環状にレーザ光を照射する補助照射手段と、
    を備え、
    前記予備加熱手段は、格子状に交差するように配列されて前記基板の裏面に光を照射する複数の棒状のハロゲンランプを含み、
    前記補助照射手段は、
    前記保持手段に保持された基板の中心軸に長手方向を沿わすように設けられた棒状の導光ロッドと、
    前記導光ロッドの両端部のうち前記保持手段に保持された基板から遠い方の入射側端部からレーザ光を入射するレーザ光出射手段と、
    を含み、
    前記入射側端部から入射されたレーザ光は前記導光ロッドの内部を出射側端部に向かって円柱状に進行し、
    前記導光ロッドの前記出射側端部には、前記導光ロッドの内部から前記保持手段に保持された基板に向けて径が小さくなる円錐形状のアキシコンレンズが付設され、
    前記導光ロッドは前記複数のハロゲンランプの配列の隙間を通り抜け、前記出射側端部は前記複数のハロゲンランプよりも前記保持手段に保持された基板に近くに位置することを特徴とする熱処理装置。
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