以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、スロット機などの他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の飾り図柄を可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が配置されている。この実施の形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3列の表示領域(飾り図柄表示エリア)に飾り図柄が上下方向(この実施の形態では、上から下)に可変表示されるように構成されている。左・中・右の各列の表示領域は、飾り図柄の可変表示が停止しているときに連続した3コマの飾り図柄が停止表示される(図3等参照)。また、この実施の形態では、可変表示装置9にて画像による演出を行うモード(ストーリーモード)が用意されている。ストーリーモードでは、左・中・右の各列1コマの飾り図柄が停止表示される(図119参照)。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再抽選演出実行前の仮停止、救済演出実行前の仮停止を除く。)。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。
可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行う。飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。
可変表示装置9の下部には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示する4つの表示器からなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、1つの表示器の表示色を変化させる。そして、特別図柄表示器8の可変表示が開始される毎に、1つの表示器の表示色をもとに戻す。この例では、特別図柄表示器8と特別図柄保留記憶表示器18とが別個に設けられているので、可変表示中も保留記憶数が表示された状態にすることができる。なお、可変表示装置9の表示領域内に、保留記憶数を表示する4つの表示領域からなる特別図柄保留記憶表示領域を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、保留記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更するようにしてもよい。
可変表示装置9の下方には、遊技球が入賞可能な第1始動入賞口13が形成されている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、第2始動入賞口14が形成されている。そして、第2始動入賞口14には開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15が物理的に閉じている状態のときは第2始動入賞口14に遊技球が入賞せず、可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能となる。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開閉される。可変入賞球装置15が開いた状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。
第2始動入賞口14の下方には、大当り遊技状態においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞装置が設けられている。特別可変入賞装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の真上には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29、30、33、39が設けられ、遊技球の入賞口29、30、33、39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aによって検出される。各入賞口29、30、33、39は、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、左側のスピーカ27の下方には、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右側のスピーカ27の下方には、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニットが、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている(図示せず)。また、遊技機内部の遊技状態(後述する通常遊技状態、確変状態、時短状態)を遊技者に報知するための状態表示灯が、遊技盤6の所定の箇所に設けられている(図示せず)。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入り第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aで検出されると、特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示の終了)、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が開始される。特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、特別図柄保留記憶表示器18についての保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9の飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の停止図柄が大当り図柄のうちの確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になると、大当り遊技状態(確変大当りまたは非確変大当り(通常大当りともいう))に移行する。すなわち、一定時間(例えば29.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞装置が開放される。なお、特別可変入賞装置が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。この実施の形態では、停止図柄が確変図柄(後述する突然確変図柄を除く。)または非確変図柄になったことにもとづいて大当り遊技状態に移行されたときは、大当り遊技状態が15ラウンド継続される。
また、停止時の停止図柄が特別な確変図柄(以下、突然確変図柄という。)になると、遊技状態が確変状態に突然移行されたように遊技者に認識させる特別な大当り遊技状態(以下、突然確変大当りという。)に移行する。突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が短い期間(例えば5秒)だけ2回開放される。突然確変大当りにおいて、特別可変入賞装置が開放されてから閉鎖されるまでが1ラウンドであり、突然確変大当りの遊技状態が2ラウンドだけ継続されることになる。なお、突然確変大当りでは、特別可変入賞装置が開放される期間が短く、特別可変入賞装置の開放中に10個の遊技球が入賞しないので、10個の遊技球が大入賞口に入賞するまでを1ラウンドと定義する必要はない。突然確変大当りが発生したときは、15ラウンドの大当りの場合と異なり、可変表示装置9において各ラウンドの演出が順に進行していくのではなく、突然、遊技状態が確変状態に移行したように遊技者に見せるための特別な演出が実行される。
なお、停止時の停止図柄が予め定められた小当り図柄になると、大当り遊技状態よりも遊技者に付与される遊技価値が小さい小当り遊技状態に移行するようにしてもよい。すなわち、短い期間(例えば5秒)だけ特別可変入賞装置が2回開放される遊技状態に移行するようにしてもよい。小当り遊技状態では、突然確変大当りが発生したときに遊技者に付与される遊技価値と同じ遊技価値が付与されることになる。しかし、突然確変大当りの場合と異なり、小当り遊技状態の終了後に遊技状態が確変状態に移行されない。このことから、小当りがある場合、遊技者は、小当りよりも突然確変大当りの発生を期待する。なお、小当りが発生したときも、突然確変大当りのときと同様の特別な演出が実行される。このような特別な演出を2ラウンド用演出という。2ラウンド用演出としては、突然確変大当りが発生したときに実行される突確専用の演出と、突然確変大当りおよび小当りのいずれが発生したときにも実行される突確・小当り兼用の演出とを設けてもよい。
この実施の形態では、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示と、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示とは同期している。ここで、同期とは、可変表示の期間(可変表示時間)が同じであることをいう。また、特別図柄表示器8における表示結果(特別図柄の停止図柄)と可変表示装置9における表示結果(飾り図柄の停止図柄)とは対応している。なお、両図柄の対応関係については後述する。
また、この実施の形態では、可変表示装置9の3つの表示領域に表示される飾り図柄として、図2に示すように、「1」〜「7」「7(白抜き)」の数字の図柄と、数字の図柄間のブランクを示す「*」の記号の図柄とを用いている。飾り図柄の可変表示(変動)中、原則として、左の表示領域は、「7(白抜き)」「*」「7」・・・「*」の飾り図柄が番号順に表示され、中及び右の表示領域は、「1」「*」「2」・・・「*」の飾り図柄が番号順に表示される。なお、左の表示領域に表示される飾り図柄を「左図柄」といい、中の表示領域に表示される飾り図柄を「中図柄」といい、右の表示領域に表示される飾り図柄を「右図柄」ということがある。この実施の形態では、「2」「4」「6」は非確変図柄用の飾り図柄であって、これらの図柄で大当り図柄となると通常大当りとなる。「1」「3」「5」「7」は確変図柄用の飾り図柄であって、これらの図柄で大当り図柄となると確変大当りとなる。また、「7(白抜き)」の飾り図柄は特殊図柄である。この特殊図柄にてリーチ態様となると大当りとなることが確定する飾り図柄である。即ち、この実施の形態では、特殊図柄でリーチになったあとに、中図柄として「3」「7」「7(白抜き)」のうちいずれかの飾り図柄が導出表示されると(例えば、「7(白抜き)」「7」「7(白抜き)」の飾り図柄が有効ライン上にて導出表示されたとき)確変大当りとなる。また、特殊図柄でリーチ態様になったあとに、中図柄として「1」「2」「4」「5」「6」のうちいずれかの飾り図柄が導出表示されると(例えば、「7(白抜き)」「4」「7(白抜き)」の飾り図柄が有効ライン上にて導出表示されたとき)突然確変大当りとなる。なお、非確変図柄用の飾り図柄(「2」「4」「6」)を青で表示し、確変図柄用の飾り図柄(「1」「3」「5」「7」)を赤で表示するなど、それぞれを識別できるようにしてもよい。また、この実施の形態では特殊図柄は「7(白抜き)」であるが、他の飾り図柄と区別できればどのような図柄であってもよい。
次に、遊技状態の種類および遊技状態の遷移について説明する。
確変状態(確率変動状態)とは、大当り(つまり図柄が大当り図柄)となる確率が通常遊技状態および時短状態よりも高い遊技者にとって有利な遊技状態のことをいう。なお、この実施の形態において、「確変状態」というときは、明示した場合を除き後述する確変時短状態を含まないものとする。
また、時短状態(時間短縮状態)とは、特別図柄表示器8における特別図柄および可変表示装置9における飾り図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮される遊技状態のことをいう。このように可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に図柄の可変表示が実行され、単位時間当たりの大当りの発生確率が向上する結果、遊技者にとって有利な状態となる。また、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常遊技状態および確変状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常遊技状態および確変状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。また、時短状態では、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態および確変状態よりも短縮されることによって、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、この実施の形態において、「時短状態」というときは、明示した場合を除き後述する確変時短状態を含まないものとする。
確変時短状態とは、確変状態でかつ時短状態である遊技状態のことをいう。確変時短状態は、遊技者にとってきわめて有利な状態である。
この実施の形態では、以下のように遊技状態が遷移する。
(1)通常遊技状態および時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変時短状態に移行される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄等の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(2)確変状態および確変時短状態のときに確変図柄(突然確変図柄を除く)で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変時短状態に移行され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで維持される。これによって、特別図柄および普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。
(3)通常遊技状態および時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が通常遊技状態および時短状態から確変状態に移行される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。なお、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(4)確変状態および確変時短状態のときに突然確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変状態であったときは確変状態が変化しないで継続され、遊技状態が確変時短状態であったときは確変時短状態が変化しないで継続される。このとき、特別図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められるが、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は高められず、特別図柄および普通図柄の変動時間も短縮されず、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められない。また、突然確変大当り遊技の終了後は、演出モードが確変状態に移行されたことを期待させる演出モード(チャンスモード)に変更される。
(5)通常遊技状態および時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、遊技状態が通常遊技状態であったときは通常遊技状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行され、遊技状態が時短状態であったときは所定の変動回数だけ時短状態が継続される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
(6)確変状態および確変時短状態のときに非確変図柄で大当りになり、その大当り遊技が終了すると、大当り終了後の所定の変動回数(例えば100回)だけ時短状態に制御される。すなわち、確変状態および確変時短状態から時短状態に所定の変動回数だけ移行される。このとき、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され、可変入賞球装置15における開放時間や開放回数も高められる。そして、所定の変動回数の変動が開始されるときに遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
なお、以上のような遊技状態の遷移は一例であって、このような構成に限られるわけではない。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。図3は、リーチ図柄の配列パターンを示す説明図である。図3に示すように、可変表示装置9は、左・中・右の表示領域に分けられている。そして、各列の表示領域には、連続した3コマの飾り図柄が停止表示される。従って、可変表示装置9には、3行×3列(=9図柄)の飾り図柄が停止表示され、遊技者に視認される。
可変表示装置9において、左・中・右の飾り図柄が可変表示され、その後に導出表示された左・中・右の飾り図柄(「*」の図柄を除く。)の組み合わせが有効ライン上にて同一図柄で揃ったときに大当りとなる。この実施の形態では、有効ラインとして、「上段」、「中段」、「下段」、「右下がり」および「右上がり」の5ラインが設けられている。
この実施の形態では、左図柄と右図柄(「*」の図柄を除く。)が所定の有効ライン上にて同一図柄で揃ったときにリーチが成立する。例えば、図3に示すように、左図柄と右図柄が上段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1UH」)、左図柄と右図柄が下段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1LH」)、左図柄と右図柄が中段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1CH」)、左図柄と右図柄がダブルライン(右下がりおよび右上がり)において同一図柄「1」「7(白抜き)」で揃ったときに(「1WH」)、リーチが成立する。
なお、各リーチ図柄に付されている記号(1UH、1LHなど)は、3桁目が図柄番号(「1」「2」「3」・・・)を示し、2桁目がライン表示(「上段」、「中段」、「下段」、「ダブルライン」)を示し、1桁目「H」が「はずれ」(Hazure)の状態を示している。また、2桁目のライン表示において、「U」は「上段」Upperの略であり、「C」は「中段」Centerの略であり、「L」は「下段」Lowerの略であり、「W」は「ダブルライン」を示している。例えば、「7CH」は、図柄が「7」で「中段のライン」で「はずれ」という意味である。
リーチとなるはずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が特殊図柄のリーチとなってしまうことが起こり得る。しかし、特殊図柄のリーチとなると大当りが確定したこととなってしまう。そのため、この実施の形態では、はずれ図柄を決定するときに特殊図柄のリーチとするのを禁止する制御が実行される。
この実施の形態では、リーチが成立した際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄の対応関係(両図柄のはずれ図柄、確変図柄、非確変図柄および突然確変図柄)について説明する。
(1)特別図柄の停止図柄:
上述したように、特別図柄表示器8にて可変表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「0」〜「4」、「8」、「9」がはずれ図柄であり、「7」が確変図柄であり、「6」が非確変図柄であり、「5」が突然確変図柄である。
(2)飾り図柄の停止図柄:
上述したように、左・中・右の飾り図柄は、それぞれ、「1」「*」「2」・・・「*」の図柄である。
(2−1)飾り図柄のはずれ図柄は、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが全ての有効ライン上にて同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「356」など:なお後述する突然確変図柄を除く。)である。なお、左右の飾り図柄が有効ライン上にて同一図柄で揃っているが(リーチとなっているが)、中の飾り図柄だけ有効ライン上にて揃っていない状態もはずれ図柄である。
(2−2)飾り図柄の大当り図柄は、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが所定の有効ライン上にて同一図柄で揃った状態の図柄である。図4は、大当り図柄の配列パターンを示す説明図である。図4に示すように、左・中・右の飾り図柄(「*」の図柄を除く。)の組み合わせが有効ライン上にて同一図柄で揃った状態となっている。例えば、図4に示すように、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが上段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1UF」)、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが下段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1LF」)、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが中段のラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1CF」)、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが右下がりのラインにおいて同一図柄「1」で揃ったとき(「1SF」)、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが右上がりのラインにおいて同一図柄「1」で揃ったときに(「1AF」)、大当りとなる。
なお、各大当り図柄に付されている記号(1UF、1LFなど)は、3桁目が図柄番号(「1」「2」「3」・・・)を示し、2桁目がライン表示(「上段」、「中段」、「下段」、「右下がり」、「右上がり」)を示し、1桁目「F」が「大当り」(Fever)の状態を示している。また、2桁目のライン表示において、「U」は「上段」Upperの略であり、「C」は「中段」Centerの略であり、「L」は「下段」Lowerの略であり、「S」は「右下がり」SAGARIの頭文字であり、「A」は「右上がり」AGARIの頭文字である。例えば、「7AF」は、図柄が「7」で「右上がりのライン」で「大当り」という意味である。
図4に示す大当り図柄のうち、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特定の図柄(「1」「3」「5」「7」)で揃った状態の図柄が確変図柄である。具体的には、図4において、「1UF」「1LF」「1CF」「1SF」「1AF」、「3UF」「3LF」「3CF」「3SF」「3AF」、「5UF」「5LF」「5CF」「5SF」「5AF」、「7UF」「7LF」「7CF」「7SF」「7AF」の図柄が確変図柄である。また、図4に示す大当り図柄のうち、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特定の図柄以外の図柄(「2」「4」「6」)で揃った状態の図柄が非確変図柄である。具体的には、図4において、「2UF」「2LF」「2CF」「2SF」「2AF」、「4UF」「4LF」「4CF」「4SF」「4AF」、「6UF」「6LF」「6CF」「6SF」「6AF」の図柄が非確変図柄である。また、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特殊図柄「7(白抜き)」であって、中の飾り図柄が所定の図柄(「3」「7」「7(白抜き)」)で揃った状態の図柄も確変図柄である。具体的には、図4において、「8UF」「8LF」「8CF」「8SF」「8AF」、「9UF」「9LF」「9CF」「9SF」「9AF」、「10UF」「10LF」「10CF」「10SF」の図柄も確変図柄である。
なお、この実施の形態では、大当り遊技開始後に再抽選演出を行う場合は、変動停止時に導出表示される停止図柄が特別図柄と飾り図柄とで対応しない。例えば、変動停止時に導出表示される特別図柄の停止図柄が確変図柄「7」であったとしても、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行する場合には、変動停止時に導出表示される飾り図柄の停止図柄は非確変図柄「2UF」等となる。この場合は、大当り遊技開始後の再抽選演出にて飾り図柄の停止図柄として確変図柄が導出表示されることになる。
(2−3)この実施の形態では、大当りとなること又は大当りとなる可能性が高いことを遊技者に報知(予告)するために、飾り図柄の変動の途中で、左・中・右の飾り図柄の特殊な組み合わせを停止表示する演出を実行する。このような左・中・右の飾り図柄の特殊な組み合わせを、演出上のチャンス目と呼んでいる。
図5に示すように、チャンス目として、40種類のチャンス目(「1C」〜40C」)が設けられている。なお、各チャンス目に付されている記号(C)は、Chanceの略である。図5に示す演出上のチャンス目が停止表示されると、その後にスーパーリーチに発展する。従って、遊技者は、チャンス目、が停止表示されることにより、大当りの発生を期待するようになる。
はずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が偶然にチャンス目になってしまうことが起こり得る。この場合、チャンス目が導出表示されると、スーパーリーチに発展しないのに遊技者にスーパーリーチに発展する(大当りの可能性が高い)との誤解を与えてしまうおそれがある。このような誤解を回避するために、この実施の形態では、チャンス目と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
(2−4)飾り図柄の突然確変図柄は、左・中・右の飾り図柄の組み合わせが中段のライン上にて各々異なる特殊な図柄(「2」「4」「6」)で停止表示された状態の図柄である。この実施の形態では、図6に示すように、突然確変図柄として、6種類の図柄(太枠で囲われた図柄:「1T」「2T」「3T」「4T」「5T」「6T」)が設けられている。具体的には、中段のライン上に「246」「264」「426」「462」「624」「642」が停止表示された状態の図柄が突然確変図柄である。なお、突然確変図柄のことを突確用のチャンス目ともいう。
突然確変図柄も大当り図柄の一種であるが、突然、確変状態に移行されたように見せるためには、突然確変図柄によって大当りの発生を容易に認識させないようにするのが望ましい。このため、上記のように、突然確変図柄を他の大当り図柄とは異なる図柄としている。
また、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特殊図柄「7(白抜き)」であって、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄(「1」「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄も突然確変図柄である。具体的には、図7において、「31T」〜「33T」「35T」〜「55T」の図柄も確変図柄である。なお、「34T」は大当り図柄となるので使用しない。
はずれ図柄を決定したときに、決定したはずれ図柄が偶然に突然確変図柄になってしまうことが起こり得る。この場合、突然確変図柄が導出表示されると、確変状態に移行されないのに遊技者に確変状態に移行されたとの誤解を与えてしまうおそれがある。このような誤解を回避するために、この実施の形態では、突然確変図柄と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
図6には、突然確変図柄以外の図柄(「7T」〜「30T」;以下、「突確類似図柄」という。)も示している。これらの突確類似図柄は、突然確変図柄と数字の並び(組み合わせ)は同じであるが、突然確変図柄が停止表示されるラインとは異なるラインに停止表示されている。すなわち、「246」の例では、突然確変図柄は中段のラインに停止表示されるが、突確類似図柄は上段や下段などのラインに停止表示されている。このような図柄は突然確変図柄に似ているので、はずれ図柄として導出表示すると、遊技者に突然確変図柄が導出表示されたと誤解を与えてしまうおそれがある。このため、突然確変図柄と同様に、突確類似図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。なお、はずれ図柄を決定するときに、特殊図柄のリーチとなることを禁止する制御がなされるので、「31T」〜「33T」「35T」〜「55T」の突然確変図柄になってしまうことはない。
また、小当り図柄(小当り用のチャンス目)を用意して、小当り用のチャンス目となったときに、小当りとなるようにしてもよい。この場合、小当り図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御が実行される。
図8は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図8には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、およびプログラムに従って制御動作を行うCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されていてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560に、I/Oポート部57も含まれる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a、30a、33a、39aからの検出信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、特別可変入賞装置(開閉板20)を開閉するソレノイド21および可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、基本回路53から与えられるデータに従って、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄を可変表示する特別図柄表示器8の表示制御を行うとともに、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御も行う。さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄保留記憶表示器18の表示状態の制御を行うとともに、普通図柄保留記憶表示器41の表示状態の制御も行う。
遊技球を打撃して発射する打球発射装置は、発射モータ94が回転することによって遊技球を遊技領域7に向けて発射する。発射モータ94を駆動するための電源信号は、電源基板(図示せず)に搭載されている電源からタッチセンサ基板90を介して発射モータ94に供給される。なお、カードユニット50から接続信号(VL信号)がインタフェース基板66を介してタッチセンサ基板90に入力される。また、遊技者が操作ノブ(打球ハンドル)5に触れていることはタッチセンサ基板90に搭載されているタッチセンサで検出される。そして、タッチセンサからの検出信号と電源からの信号とがタッチセンサ基板90上の一のAND回路に入力され、当該一のAND回路の出力信号とカードユニット50からのVL信号とがタッチセンサ基板90上の他のAND回路に入力され、他のAND回路から発射モータ94に信号が出力される。従って、カードユニット50からのVL信号がタッチセンサ基板90に出力されていなかったり、遊技者が操作ノブ5に触れていないことによりタッチセンサから検出信号が出力されていないときは、発射モータ94の駆動が停止される。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
図9は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図9に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からのストローブ信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図9には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100から入力されたデータにもとづいて可変表示装置9の表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。図10は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜S15。S44,S45を含む。)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、可変表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
さらに、CPU56は、異常報知禁止フラグをセットするとともに(ステップS44)、停止期間タイマに禁止期間値に相当する値を設定する(ステップS45)。禁止期間値は、後述する異常入賞の報知を禁止する期間を示す値である。また、異常報知禁止フラグは、異常入賞の報知が禁止されていることを示すフラグであり、停止期間タイマがタイムアウトするまでセット状態に維持される。よって、可変表示装置9において初期化報知が開始されてから所定期間は、異常入賞の報知の開始が禁止される。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図11に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、正規の時期以外の時期において大入賞口に遊技球が入賞したことを検出した場合や、正規の時期以外の時期において第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出した場合に、異常入賞の報知を行わせるための処理を行う(ステップS23:異常入賞報知処理)。
次に、遊技制御に用いられる大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1:大当りを発生させるか否か決定する(大当り判定用)
(2)ランダム2:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)
(3)ランダム3:特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
図11に示された遊技制御処理におけるステップS24では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り判定用乱数、(2)の大当り種別決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(7)の乱数以外の乱数も用いられている。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器10の表示制御および可変入賞球装置15の開閉制御が実行される
また、CPU56は、可変表示装置9における飾り図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(飾り図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
さらに、所定の条件が成立したときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステップS32:出力処理)。可変入賞球装置15または開閉板20を開状態または閉状態とするために、ソレノイド回路59は、駆動指令に応じてソレノイド16、21を駆動する。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図12および図13は、ステップS20の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS490)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS491)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS492)。
次いで、バックアップ監視タイマの値が判定値(例えば2)と一致すれば(ステップS493)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS493A)。入賞累積数カウンタは、可変入賞球装置15が開状態以外の状態のときに第2始動入賞口14に入賞した遊技球の累積数をカウントするためのカウンタである。この実施の形態では、入賞累積数カウンタは、後述するように、第2始動入賞口14への異常入賞の判定を行う際に用いられる。なお、この実施の形態では、可変入賞球装置15が開状態である(第2始動入賞口14が開状態であるともいう)とは、可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間(例えば1秒)を経過するまでの状態とを含む。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS494以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS494〜S503)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS494)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS495)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS496)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS497)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS498)、ポインタの値を1増やし(ステップS499)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS500)。そして、ステップS497〜S500の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS501)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS502)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS503)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータになる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS511)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS512)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS513)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS514)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS515)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS516)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS517)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS518)。その後、処理数を1減らし(ステップS519)、処理数が0でなければステップS514に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS521)、ループ処理に入る。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS494〜S521の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(判定値になっているバックアップ監視タイマのおよびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機への電力供給が停止されると(電源断確認信号がオン状態であることを確認すると)、入賞累積数カウンタをクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。また、遊技機の電源をオフにすることによって入賞累積数をクリアすることができ、異常報知のリセットを容易に行うことができる。
図14および図15は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8を制御するための処理が実行される。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS312)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS312のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS313)。乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。ステップS313では、上記の各乱数のうち、ランダム1〜ランダム4が抽出される。保留記憶バッファにおいて、保存領域は、保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、大当り判定用乱数等を生成するためのカウンタや保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS314)。なお、図14には示していないが、保留記憶数カウンタの値を1増やしたときは、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技盤6に設けられている第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち遊技球が第2始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS315)、保留記憶数(始動入賞記憶数)が上限値(保留記憶数=4)に達しているかどうかを確認する(ステップS316)。
保留記憶数が上限値に達していないときは(ステップS316のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数(大当り種別決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)およびランダムR(大当り判定用乱数)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として保留記憶数カウンタの値に対応する保留記憶バッファにおける保存領域に格納する処理を実行する(ステップS317)。ステップS317においても、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェア乱数としてランダム1〜ランダム4を抽出するとともに、ハードウェア乱数として乱数回路503のカウント値を読み出すことによってランダムRを抽出する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、保留記憶数を示す保留記憶カウンタの値を1増やす(ステップS318)。なお、このときも、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは始動入賞が発生したことにより始動入賞記憶数が+1されたことを示すコマンドである)が送信される。
その後、内部状態(具体的には、特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、大当りとするか否か(特別図柄の可変表示の表示結果を特定表示結果とするか否か)を決定する。大当りとする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別(非確変大当り、確変大当り、突然確変大当りなど)を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄の可変表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:なお、変動パターンによって変動時間も特定される。)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、決定された変動パターンにもとづいて、特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を特別図柄プロセスタイマにセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄表示器8における可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り図柄を停止表示してから大当り遊技を開始するまでの時間(大当り表示時間)を大入賞口制御タイマにセットした後、大入賞口制御タイマをスタートさせる。また、大当り図柄を停止表示した後に大当り遊技が開始されることを示す合図の演出(ファンファーレ演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させるための演出制御コマンド(ファンファーレコマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS304):大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS305):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。また、ラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(インターバル時間)を大入賞口制御タイマに設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値に更新する。
大入賞口開放後処理(ステップS306):インターバル時間が経過したときに、残りラウンドがあるかどうかを確認する。残りラウンドがある場合には、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、カウンタによってラウンド数をカウントする。また、大入賞口制御タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に応じた値に更新する。一方、全てのラウンドを終えた場合には、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する演出(エンディング演出)を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための演出制御コマンド(エンディングコマンド)を演出制御基板80に送信し、大入賞口制御タイマに大当り終了処理の実行時間(大当り終了時間)を設定した後、内部状態をステップS307に応じた値に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):大当り遊技状態を終了させるための所定のフラグのセット・リセットの処理等を行う。そして、内部状態をステップS300に応じた値に更新する。
図16および図17は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図16に示す例において、コマンド8000(H)〜8080(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9において可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8C00(H)〜8C05(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。なお、この実施の形態では、コマンド8C00(H)〜8C05(H)を図柄情報指定コマンドという。
コマンド8C00(H)は、特別図柄の停止図柄(表示結果)がはずれ図柄と決定されたことを指定する演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)である。コマンド8C01(H)は、特別図柄の停止図柄が非確変図柄と決定されたこと(つまり非確変大当り(通常大当りともいう。)と決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)である。
コマンド8C02(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され(つまり確変大当りと決定され)、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り1指定コマンド)である。コマンド8C03(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り2指定コマンド)である。コマンド8C04(H)は、特別図柄の停止図柄が確変図柄と決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたことを指定する演出制御コマンド(確変大当り3指定コマンド)である。
コマンド8C05(H)は、特別図柄の停止図柄が突然確変図柄と決定されたこと(つまり突然確変大当りと決定されたこと)を指定する演出制御コマンド(突然確変大当り指定コマンド)である。
ここで、「再抽選演出」とは、可変表示装置9において大当り図柄を停止表示させた後に大当り図柄を再抽選して導出表示するように見せかける演出のことをいう。具体的には、可変表示装置9に大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)が導出表示されることが事前に決定されている場合において、可変表示装置9において左・中・右の飾り図柄を同一の非確変図柄で停止表示し、その後に非確変図柄を再変動させてから大当り図柄(非確変図柄または確変図柄)を導出表示する演出である(図118参照)。再抽選演出としては、非確変図柄から確変図柄に昇格させる場合(非確変図柄を停止表示した後に確変図柄を導出表示する場合)と、非確変図柄から確変図柄に昇格させない場合(非確変図柄を停止表示した後に再び非確変図柄を導出表示する場合)とがある。なお、非確変図柄から確変図柄に昇格させる再抽選演出のことを「昇格演出」または「成り上がり演出」という。
この実施の形態では、再抽選演出を実行するタイミングを「図柄の変動中」、「大当り遊技中」、「大当り遊技の終了後」としている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「図柄の変動中」に再抽選演出を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させる場合は、変動パターンコマンドで再抽選演出の実行を指定する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、「大当り遊技中」または「大当り遊技の終了後」に再抽選演出を演出制御用マイクロコンピュータ100に実行させる場合は、図柄情報指定コマンドで「大当り遊技中」または「大当り遊技の終了後」の再抽選演出の実行を指定する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドまたは図柄情報指定コマンドの内容にもとづいて、所定のタイミングで再抽選演出を実行する。
コマンド8F00(H)は、可変表示装置9における飾り図柄の可変表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9500(H)〜9502(H)は、可変表示装置9における遊技状態に応じた背景表示を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド)である。コマンド9500(H)は、可変表示装置9における通常遊技状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンド9501(H)は、可変表示装置9における確変状態(高確率状態)のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率状態背景指定コマンド)である。コマンド9502(H)は、可変表示装置9における時短状態のときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA000(H)〜A004(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。コマンドA000(H)は、通常大当り(非確変大当り)が決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ1指定コマンド)である。コマンドA001(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ2指定コマンド)である。コマンドA002(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ3指定コマンド)である。コマンドA003(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技の終了後(エンディング演出中)に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ4指定コマンド)である。コマンドA004(H)は、突然確変大当りの開始を指定する演出制御コマンド(ファンファーレ5指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、15ラウンド大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)〜A305(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。コマンドA301(H)は、通常大当り遊技の終了(大当り遊技の終了後に時短状態に移行する旨を表示すること)を指定する演出制御コマンド(エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しないと決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、確変大当りが決定され、かつ大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されたときの大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング3指定コマンド)である。コマンドA304(H)は、大当り遊技の終了後(エンディング演出中)の再抽選演出にて確変図柄に昇格させ、確変大当りになることを指定する演出制御コマンド(エンディング4指定コマンド)である。コマンドA305(H)は、突然確変大当りの終了を指定する演出制御コマンド(エンディング5指定コマンド)である。
コマンドA4XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA5XX(H)は、2ラウンド大当り遊技(突然確変大当り遊技)におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」にはラウンド数が設定される。
コマンドC0XX(H)は、XXで示される数の始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド)である。
コマンドD000(H),D001(H)は、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知指定コマンド)である。この実施の形態では、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合、または大入賞口への異常入賞を検出した場合に、異常入賞報知指定コマンドが送信される。コマンドD000(H)は、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したことにもとづいて、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知1指定コマンド)である。また、コマンドD001(H)は、大入賞口への異常入賞を検出したことにもとづいて、異常入賞の報知を指示する演出制御コマンド(異常入賞報知2指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図16および図17に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図16および図17に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、可変表示装置9に大当り中の入賞球数を表示する場合はカウントスイッチ23のカウント数を指定する演出制御コマンドなども主基板31から演出制御基板80に送信される。
図18〜図20は、この実施の形態で用いられる変動パターンの一例を示す説明図である。図18〜図20において、「ライン」の「S」はシングルリーチ(図3の1UH〜8UH、1LH〜8LH、1CH〜8CHのいずれか)が成立することを示し、「ライン」の「W」はダブルリーチ(図3の1WH〜8WHのいずれか)が成立することを示し、「ライン」の「S&W」はシングルリーチまたはダブルリーチのどちらかが成立することを示す。
この例では、各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が通常時(時短状態でないとき、確変状態を含む)に「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(通常時はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が通常時に「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常時大当り兼用の変動パターン(図中で専用パターン以外))と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が通常時に「確変図柄」となる場合の変動パターン(通常時確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が通常時に「非確変図柄」となる場合の変動パターン(通常時通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が通常時に「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(通常時突然確変大当り専用の変動パターン)と、に区別されている。
また、各変動パターンは、飾り図柄の停止図柄が時短中(時短状態のとき、確変時短状態を含む)に「はずれ図柄」となる場合の変動パターン(時短中はずれ専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が時短中に「非確変図柄」または「確変図柄」となる場合の変動パターン(時短中大当り兼用の変動パターン(図中で専用パターン以外))と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が時短中に「確変図柄」となる場合の変動パターン(時短中確変大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄(大当り前の変動停止時の停止図柄)が時短中に「非確変図柄」となる場合の変動パターン(時短中通常大当り専用の変動パターン)と、飾り図柄の停止図柄が時短時に「突然確変図柄」となる場合の変動パターン(時短時突然確変大当り専用の変動パターン)と、に区別されている。また、変動番号「2」の変動パターンは、通常時と時短時に兼用の変動パターンである。
図中の「通常変動」(変動番号「1」〜「3」)とは、リーチを伴わない通常変動の変動パターンである。図中の「ノーマル」(変動パターン「4」〜「8」「42」〜「50」)とは、ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)を伴う変動パターンである。また、図中の「ムチ」「すり替え」「すり替え経由岩石」「岩石」「吊り橋」「トロッコ」はリーチの種別を表している。これらのリーチは、スーパーリーチである。
ここで、「ノーマルリーチ」は、リーチ成立前の通常変動と同様にリーチ成立後も中図柄が高速変動する場合や、リーチ成立後に中図柄の変動速度・変動方向が変化する場合や、リーチ成立後にキャラクタが登場する場合や、リーチ成立後に背景が変化する場合などがある。但し、ノーマルリーチの場合は、演出の態様は比較的単純である。これに対し、「スーパーリーチ」は、ノーマルリーチの演出を複数組み合わせたり、ノーマルリーチから別の演出に発展させたり、ストーリー性のある演出を実行したりする。スーパーリーチの場合は、ノーマルリーチよりも大当りの発生を期待させる演出が行われる。一般に、ノーマルリーチよりもスーパーリーチの方が変動時間は長く設定されている。
また、図中の「チャンス目」とは、演出上のチャンス目が仮停止表示されてからスーパーリーチに発展する変動パターンである。また、ダブルリーチが成立した場合において、先に来る図柄(例えば「1」「2」の図柄でダブルリーチになったときの「1」)で大当りになる場合(「先当り」)と、後に来る図柄(例えば「1」「2」の図柄でダブルリーチになったときの「2」)で大当りになる場合(「後当り」)とで、同じ内容の変動パターンが分けられている。
また、図中の「救済」とは、リーチはずれではずれ図柄が仮停止表示された後に「救済」演出を実行して大当り図柄を導出表示する変動パターンであることを示している。
また、時短中の変動パターンにおいて「宝箱」「ジャンプ」「床落下」「敵出現」もスーパーリーチの種別を表している。時短中においても、「トロッコ」のスーパーリーチ(トロッコリーチ)を行う変動パターンが用意されている。
また、図中の「特殊図柄」とは、表示結果が、図7にて示した特殊図柄でリーチとなる突然確変図柄(31T〜33T、35T〜55T)の場合に用いられる変動パターンであることを示している。また、これらの変動パターンは、ノーマルリーチまたはスーパーリーチの変動を行う(特殊図柄でリーチとなる)。
なお、図18〜図20には示していないが、変動パターン毎に所定の変動時間が予め設定されており、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドにもとづいて変動パターンとともに変動時間を特定することが可能である。また、各変動パターンには、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータが割り当てられている。例えば、変動番号1の変動パターンには「EXTデータ」として「00(H)」が割り当てられ、変動番号129の変動パターンには「EXTデータ」として「80(H)」が割り当てられている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドに割り当てられている「EXTデータ」によって変動パターンの内容(変動番号)を認識する。
図21〜図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動を開始することができる状態(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合)には(ステップS51)、始動入賞記憶数(保留記憶数)を確認する(ステップS52)。具体的には、保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
始動入賞記憶数が0でなければ、始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数格納バッファに格納するとともに(ステップS53)、始動入賞記憶数の値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、始動入賞記憶数=n(n=2、3、4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、始動入賞記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態(通常遊技状態、確変状態、時短状態、確変時短状態など)を確認し、遊技状態に応じた背景指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットする(ステップS55)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述するコマンドセット処理(図36)を実行する(ステップS56)。なお、現在の遊技状態が通常遊技状態であれば、通常状態背景指定コマンドを送信する。現在の遊技状態が確変状態であれば、確変状態背景指定コマンドを送信する。現在の遊技状態が時短状態または確変時短状態であれば、時短状態背景指定コマンドを送信する。この実施の形態では、確変時短状態において時短状態と共通の演出を行うため、共通の背景指定コマンドを送信するようにしたが、時短状態と確変時短状態とで異なる演出を行う場合(例えば、どちらか一方にてストーリー演出を行う場合など)、それぞれ別コマンドとしてもよい。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS57)、大当り判定処理モジュールを実行する(ステップS58)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値と大当り判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。ここで、大当り判定では、遊技状態が高確率状態(確変状態、確変時短状態)の場合は、遊技状態が低確率状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている高確率大当り判定テーブルと、大当り判定値の数が高確率大当り判定テーブルよりも少なく設定されている低確率大当り判定テーブルとを設けておく。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高確率状態であるか否かを確認し、遊技状態が高確率状態であるときは、高確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行い、遊技状態が低確率状態であるときは、低確率大当り判定テーブルを使用して大当りの判定処理を行う。このような構成により、高確率状態のときの方が低確率状態のときよりも大当りとなる確率が高くなる。
なお、現在の遊技状態が高確率状態(確変状態および確変時短状態)であるか否かの確認は、遊技状態が確変状態および確変時短状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かにより行われる。
大当り判定モジュールで大当りとしないことに決定した場合には(ステップS59のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図22のステップS64の処理に移行する。
大当り判定モジュールで大当りとすることに決定した場合には(ステップS59のY)、大当りフラグをセットする(ステップS60)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから大当り種別決定用乱数を読み出し(ステップS61)、大当りの種別(通常大当り、確変大当り、大当り遊技中に再抽選演出を実行する確変大当り、大当り遊技終了後に再抽選演出を実行する確変大当り、突然確変大当り)を決定する処理を実行する(ステップS62)。
大当り種別の決定処理は、図24に示すような大当り種別決定テーブルを用いて行う。大当り種別決定テーブルには、大当りの種別ごとに所定数の大当り種別決定用乱数値が予め振り分けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS61で読み出した大当り種別決定用乱数値がどの範囲に属するかによって、大当り種別、すなわち、通常大当り、確変大当り、確変大当り(大当り中昇格)、確変大当り(エンディング昇格)および突然確変大当りのいずれかを決定する。このように、大当り種別の決定処理によって、大当りを通常大当り、確変大当り、突然確変大当りにするかだけでなく、再抽選演出(昇格演出)を実行するかどうかと、再抽選演出をどのようなタイミングで実行するかについても決定されることになる。
図21には示していないが、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定される。具体的には、通常大当り(非確変大当り)のときは非確変図柄「6」が決定され、確変大当りのときは確変図柄「7」が決定され、突然確変大当りのときは突然確変図柄「5」が決定されることになる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62にて決定した大当り種別に応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストア(格納)し(ステップS63)、図23のステップS72の処理に移行する。
なお、ステップS63において、飾り図柄情報バッファに大当り種別に応じた飾り図柄情報がストアされた後に、タイマ割込みの発生に応じて飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29、図35)が実行され、コマンドセット処理(図36)が実行され、コマンド送信処理(図37)が実行される。これにより、大当り種別に応じた図柄情報指定コマンド(通常大当り指定コマンド、確変大当り1指定コマンド、確変大当り2指定コマンド、確変大当り3指定コマンド、突然確変大当り指定コマンド)が送信される。詳しい内容は後述する。
図22のステップS64において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファからはずれ図柄決定用乱数(表示用乱数の一つ)を読み出し(ステップS64)、読み出したはずれ図柄決定用乱数の値にもとづいて、特別図柄のはずれ図柄を決定する処理を実行する(ステップS65)。特別図柄のはずれ図柄として、「0」〜「4」、「8」、「9」のいずれかの図柄が決定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、はずれに応じた飾り図柄情報を飾り図柄情報バッファにストアする(ステップS66)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値に更新する(ステップS67)。
図23のステップS72において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS62で決定した大当り種別が確変大当り(突然確変大当りを含む)であるかどうかを確認し、確変大当りでなかったときは(ステップS72のN)、大当りの種別を示すフラグのセットを行わずに、ステップS82の処理に移行する。
確変大当りであったときは(ステップS72のY)、確変大当りが発生することを示す確変大当りフラグをセットする(ステップS73)。そして、確変大当りが突然確変大当りであるかどうかを確認する(ステップS74)。突然確変大当りであったときは(ステップS74のY)、突然確変大当りが発生することを示す突然確変フラグをセットし(ステップS75)、ステップS82の処理に移行する。
突然確変大当りでなかったときは(ステップS74のN)、大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されるかどうかを確認する(ステップS76)。大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されないときは(ステップS76のN)、ステップS82の処理に移行し、大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されるときは(ステップS76のY)、大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されることを示す再抽選実行フラグをセットして(ステップS77)、再抽選演出が大当り中に実行されるかどうかを確認する(ステップS78)。大当り中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS78のY)、大当り中に再抽選演出が実行されることを示す大当り中実行フラグをセットし(ステップS79)、ステップS82の処理に移行する。大当り中に実行されないときは(ステップS78のN)、再抽選演出がエンディング中に実行されるかどうかを確認する(ステップS80)。エンディング中に再抽選演出が実行されるときは(ステップS80のY)、エンディング中に再抽選演出が実行されることを示すエンディング実行フラグをセットし(ステップS81)、ステップS82の処理に移行する。ステップS82では、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS82)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS201)。時短フラグがセットされていなときは(ステップS201のN)、通常時パターン決定処理(ステップS202)を実行する。時短フラグがセットされているときは(ステップS201のN)、時短時パターン決定処理(ステップS203)を実行する。
図26は、変動パターン設定処理における通常時パターン決定処理(ステップS202)を示すフローチャートである。通常時パターン決定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS211)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS211のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS212)。突然確変フラグがセットされているときは(ステップS212のY)、突然確変大当りが発生することになるので、通常時突然確変用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS213)。
通常時突然確変用変動パターン決定テーブルには、予め図20に示した通常時の突然確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「126」〜「133」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS212のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS214)。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS214のY)、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS215)。確変大当りフラグがセットされ、再抽選実行フラグがセットされていないときは(ステップS215のN)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しない確変大当りが発生することになるので、通常時確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS216)。
通常時確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図18〜図20に示した通常時の確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「42」〜「100」(通常大当り専用パターンを除く))が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS214のN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、通常時通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS217)。また、確変大当りフラグがセットされているが、再抽選実行フラグもセットされているときは(ステップS215のY)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行する確変大当りが発生することになる。この場合は、飾り図柄の変動停止時において非確変図柄が導出表示されるので、通常大当り用の変動パターンを選択する必要がある。従って、通常時通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS217)。
通常時通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図18〜図20に示した通常時の通常大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「42」〜「100」(確変大当り専用パターンを除く))が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS211で大当りフラグがセットされていないときは(ステップS211のN)、通常時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS218)。
通常時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図18に示した通常遊技状態(時短なしの確変状態を含む)において通常時のはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「1」「4」〜「41」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。また、確変状態においては、確変時のはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「2」「4」〜「41」)が設定された確変時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられる。
ステップS213、S216、S217またはS218にて変動パターン決定テーブルが決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常時パターン決定処理(ステップS202)を終える。
図27は、変動パターン設定処理における時短時パターン決定処理(ステップS203)を示すフローチャートである。時短時パターン決定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。大当りフラグがセットされているときは(ステップS221のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。突然確変フラグがセットされているときは(ステップS222のY)、突然確変大当りが発生することになるので、時短時突然確変用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS223)。
時短時突然確変用変動パターン決定テーブルには、予め図20に示した時短時の突然確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「134」〜「137」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、確変時短状態においても、時短時突然確変用変動パターン決定テーブルが用いられる。
突然確変フラグがセットされていないときは(ステップS222のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS224)。確変大当りフラグがセットされているときは(ステップS224のY)、再抽選実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS225)。確変大当りフラグがセットされ、再抽選実行フラグがセットされていないときは(ステップS225のN)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行しない確変大当りが発生することになるので、時短時確変大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS226)。
時短時確変大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図20に示した時短時の確変大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「113」〜「125」(通常大当り専用パターンを除く))が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
確変大当りフラグがセットされていないときは(ステップS224のN)、通常大当り(非確変大当り)が発生することになるので、時短時通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS227)。また、確変大当りフラグがセットされているが、再抽選実行フラグもセットされているときは(ステップS225のY)、大当り遊技開始後に再抽選演出を実行する確変大当りが発生することになる。この場合は、飾り図柄の変動停止時において非確変図柄が導出表示されるので、通常大当り用の変動パターンを選択する必要がある。従って、時短時通常大当り用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS227)。
時短時通常大当り用変動パターン決定テーブルには、予め図20に示した時短時の通常大当りのときに選択される変動パターン(変動番号「112」〜「123」(確変大当り専用パターンを除く))が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。
ステップS221で大当りフラグがセットされていないときは(ステップS221のN)、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルを用いることに決定する(ステップS228)。
時短時はずれ用変動パターン決定テーブルには、予め図20に示した時短時においてはずれのときに選択される変動パターン(変動番号「3」「101」〜「111」)が設定され、各変動パターンに複数の判定値が割り当てられている。なお、確変時短状態においても、時短時はずれ用変動パターン決定テーブルが用いられる。
ステップS223、S226、S227またはS228にて変動パターン決定テーブルが決定すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、時短時パターン決定処理(ステップS203)を終える。
通常時パターン決定処理(ステップS202)または時短時パターン決定処理(ステップS203)を終えると図25の処理に戻り、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから変動パターン決定用乱数を読み出し、読み出した変動パターン決定用乱数の値にもとづいて、ステップS202またはS203で決定した変動パターン決定テーブルを用いて図柄の変動パターンを決定する(ステップS204)。具体的には、変動パターン決定用乱数値と一致する判定値に対応した変動パターンが次に可変表示される図柄の変動パターンと決定される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS204において決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドデータを変動パターンバッファにストアする(ステップS205)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマに変動時間をセットする(ステップS206)。次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動コマンド送信テーブルのアドレスを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS207)。この処理が行われたことに応じて、飾り図柄コマンド制御処理(図11のステップS29、図35)において変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数監視処理を実行する(ステップS208)。
変動回数監視処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技の終了後に時短状態(確変時短状態を除く)に移行された場合(時短フラグがセットされた場合)、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数を変動回数カウンタでカウントする。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、変動回数カウンタのカウント値が時短状態を継続可能な所定の変動回数(例えば100回)を示す値となったかどうかを確認し、カウント値が所定の変動回数を示す値になったときに、時短フラグをリセットする。これにより、大当り遊技終了後の特別図柄の変動回数が所定の変動回数になったときに時短状態から通常遊技状態に移行されることになる。
その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS209)。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS351)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしているかどうかを確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS352)、タイムアウトしていなければ(ステップS352のN)、そのまま処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしていれば(ステップS352のY)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS353)。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を止めて、停止図柄を導出表示する(ステップS361)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄停止指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS362)、コマンドセット処理を実行する(ステップS363)。これによって、飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS364)。大当りフラグがセットされていれば(ステップS364のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口の開放/閉鎖を制御するための時間を計測する大入賞口制御タイマに、大当り図柄を停止表示してから大入賞口を開放するまでの時間(大当り表示時間)をセットする(ステップS365)。なお、大当り表示時間において、大当り遊技が開始されることを遊技者に報知する演出(ファンファーレ演出)が実行される。
なお、15ラウンドの大当りのときと2ラウンドの大当りのときとで異なる大当り表示時間をセットするように構成されていてもよい。この場合、例えば、15ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が3秒で、2ラウンドの大当りのときは大当り表示時間が5秒とされる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたファンファーレコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS366)、コマンドセット処理を実行する(ステップS367)。これによって、大当り種別に応じたファンファーレコマンドを送信する制御が実行される。なお、大当り種別は、確変大当りフラグがセットされているか、突然確変フラグがセットされているか、再抽選実行フラグがセットされているか、大当り中実行フラグがセットされているか、エンディング実行フラグがセットされているかどうかにもとづいて確認することができる。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタをクリアするとともに(ステップS367A)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS368)。
大当りフラグがセットされていなければ(ステップS364のN)、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS369)。
図30は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS304)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS401)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS402)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS402のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS402のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるか2ラウンドであるかを判定する(ステップS403)。なお、確変大当りフラグがセットされていない場合および確変大当りフラグがセットされているが突然確変フラグがセットされていない場合は、15ラウンドの大当りであると判断することができ、確変大当りフラグおよび突然確変フラグがセットされている場合は、2ラウンドの大当りであると判断することができる。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS403のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS404)、コマンドセット処理を実行する(ステップS405)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。なお、ラウンド数は、大当り遊技中のラウンド数をカウントするラウンド数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行う(ステップS406)。なお、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられており、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS406において出力ポートの出力状態に応じたRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を、駆動するソレノイドの開閉状態に応じて設定する。そして、ステップS32の出力処理において出力ポートの出力状態に応じたRAM領域に設定された内容を出力ポートに出力する。これにより、駆動指令の信号が出力ポートからソレノイド回路59に出力される。ソレノイド回路59は、駆動指令の信号に応じてソレノイドを駆動するための駆動信号をソレノイドに出力して、ソレノイドを駆動させる。以下、ソレノイドを開閉駆動させる処理では、このような動作が行われる。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS407)。なお、ステップS407においてラウンド数カウンタの値が+1されるので、ステップS404、S405では、ラウンド数カウンタの値が0のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるが、ステップS407の処理をステップS404の処理の前に実行し、ラウンド数カウンタの値が1のときに第1ラウンドを示す大入賞口開放中コマンドが送信されるようにしてもよい。
また、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(15ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS408)。なお、15ラウンド用のラウンド時間は、例えば29.5秒とされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
ステップS403において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS403のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS409)、コマンドセット処理を実行する(ステップS410)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS411)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS412)。また、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当りにおける各ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間(2ラウンド用のラウンド時間)をセットする(ステップS413)。なお、2ラウンド用のラウンド時間は短い時間であり、例えば5秒とされている。従って、2ラウンドの大当りでは、ラウンド中に大入賞口へ10個の遊技球(入賞可能な最大個数の遊技球)が入賞することはない。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS414)。
図31は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS421)。そして、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りであるか2ラウンドの大当りであるか)を確認する(ステップS422)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS422のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認する(ステップS423)。大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS423のN)、カウントスイッチ23がオンしたか否かを確認することにより、大入賞口への遊技球の入賞があったかどうかを確認する(ステップS424)。カウントスイッチ23がオンしていなければ(ステップS424のN)、そのまま処理を終了する。カウントスイッチ23がオンしていれば(ステップS424のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントする入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS425)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞個数カウンタの値が所定数(例えば10個)になっているか否かを確認する(ステップS426)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ(ステップS426のN)、そのまま処理を終了する。
大入賞口制御タイマの値が0になっているとき(ステップS423のY)、または入賞個数カウンタの値が所定数になっているとき(ステップS426のY)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS427)。そして、入賞個数カウンタの値をクリアする(0にする)(ステップS428)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、15ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS429)、コマンドセット処理を実行する(ステップS430)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、15ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(15ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS431)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、15ラウンド用のインターバル時間は、例えば5秒とされる。
2ラウンドの大当りであれば(ステップS422のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマの値が0であるかどうかを確認し(ステップS433)、大入賞口制御タイマの値が0になっていないときは(ステップS433のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっているときは(ステップS433のY)、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を閉鎖する制御を行う(ステップS434)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、2ラウンド用の大入賞口開放後表示コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS435)、コマンドセット処理を実行する(ステップS436)。これによって、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、2ラウンドの大当り中においてラウンドが終了してから次のラウンドが開始するまでの時間(2ラウンド用のインターバル時間)をセットし(ステップS437)、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放後処理(ステップS306)に応じた値に更新する(ステップS432)。なお、2ラウンド用のインターバル時間は、15ラウンド用のインタバール時間と同じで、例えば5秒とされている。
図32および図33は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放後処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放後処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1し(ステップS441)、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS442)。大入賞口制御タイマの値が0になっていなければ(ステップS442のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS442のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りのラウンド数が15ラウンドであるかどうか(15ラウンドの大当りか2ラウンドの大当りか)を判定する(ステップS443)。
15ラウンドの大当りであれば(ステップS443のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が15になっているかどうかを確認する(ステップS444)。ラウンド数カウンタの値が15になっていなければ(ステップS444のN)、15ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS445)、コマンドセット処理を実行する(ステップS446)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(開閉板20)を開放する制御を行うとともに(ステップS447)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS448)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに15ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS449)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS450)。
ラウンド数カウンタの値が15になっていれば(ステップS444のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り種別に応じたエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS451)、コマンドセット処理を実行する(ステップS452)。これによって、大当り種別に応じたエンディングコマンドを送信する制御が実行される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに、大当り終了を遊技者に報知する大当り終了時間(エンディング演出の実行時間)をセットし(ステップS453)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS454)。
ステップS443において2ラウンドの大当りであったときは(ステップS443のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ラウンド数カウンタの値が2になっているかどうかを確認する(図33のステップS455)。ラウンド数カウンタの値が2になっていなければ(ステップS455のN)、2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS456)、コマンドセット処理を実行する(ステップS457)。これによって、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放するとともに(ステップS458)、ラウンド数カウンタの値を+1する(ステップS459)。また、大入賞口制御タイマに2ラウンド用のラウンド時間をセットする(ステップS460)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS461)。
ラウンド数カウンタの値が2になっていれば(ステップS455のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当り用のエンディングコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS462)、コマンドセット処理を実行する(ステップS463)。これによって、突然確変大当り用のエンディングコマンドを送信する制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大入賞口制御タイマに大当り終了時間をセットし(ステップS464)、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値に更新する(ステップS465)。
図34は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、大入賞口制御タイマの値を−1する(ステップS471)。そして、大入賞口制御タイマの値が0であるか否かを確認する(ステップS472)。大入賞口制御タイマの値が0でなければ(ステップS472のN)、そのまま処理を終了する。大入賞口制御タイマの値が0になっていれば(ステップS472のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り後遊技状態設定処理を実行する(ステップS473)。
大当り後遊技状態設定処理では、大当り遊技終了後の遊技状態に応じた確変フラグ・時短フラグのセット・リセットの処理が実行される。具体的には、大当り遊技終了後に遊技状態が時短状態に移行されるときは、時短フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変状態に移行されるときは、確変フラグのみセットし、大当り遊技終了後に遊技状態が確変時短状態に移行されるときは、確変フラグおよび時短フラグをセットする。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当りフラグをリセットし(ステップS474)、確変大当りフラグがセットされている場合は確変大当りフラグをリセットし(ステップS475)、突然確変フラグがセットされている場合は突然確変フラグをリセットし(ステップS476)、再抽選実行フラグがセットされている場合は再抽選実行フラグをリセットし(ステップS477)、大当り中実行フラグがセットされている場合は大当り中実行フラグをリセットする(ステップS478)。さらに、エンディング実行フラグがセットされている場合はエンディング実行フラグをリセットする(ステップS479)。
その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値に更新する(ステップS480)。
図35は、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)を示すフローチャートである。飾り図柄コマンド制御処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードする(ステップS552)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、変動パターンコマンドを送信するタイミングであれば、特別図柄プロセス処理(ステップS27)における変動パターン設定処理(ステップS301)のステップS207において、変動コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは変動コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが変動コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、変動パターンコマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
変動パターンコマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する。これによって、変動パターンコマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図36)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが変動コマンド送信テーブルのアドレスから図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
図柄情報指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、図柄情報指定コマンドを送信する制御が実行される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
このとき、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図36)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されることにより、ポインタの指すアドレスが図柄情報指定コマンド送信テーブルのアドレスから始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、ステップS555では、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされる。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンド(変動パターンコマンド、図柄情報指定コマンド、始動入賞記憶指定コマンド)の送信タイミングであるかどうかを判定する(ステップS553)。このとき、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであれば、ステップS555において、始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスが飾り図柄コマンド送信ポインタにストアされ、ポインタの指すデータは始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスとなっている。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタの指すデータが始動入賞記憶指定コマンド送信テーブルのアドレスであるか否かで、始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるかどうかを判定することができる。
始動入賞記憶指定コマンドを送信するタイミングであるときは(ステップS553のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドセット処理を実行する(ステップS554)。これによって、始動入賞記憶指定コマンドを送信する制御が実行される。なお、始動入賞記憶指定コマンドは、現在の始動入賞記憶数(保留記憶数)を指定(通知)する演出制御コマンドであり、保留記憶数が始動入賞記憶指定コマンドで指定される値として設定される。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタを飾り図柄コマンド送信ポインタにストアする(ステップS555)。
この場合は、ステップS554で実行されるコマンドセット処理(図36)のステップS572において、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されると、ポインタの指すアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスを示さないようになっている。従って、次のタイマ割込みが発生したとき(2ms後)の飾り図柄コマンド制御処理において、再び、飾り図柄コマンド送信ポインタをポインタにロードし(ステップS551)、ポインタの指すデータをロードし(ステップS552)、飾り図柄コマンドの送信タイミングであるかどうかを判定するが(ステップS553)、ステップS553において、飾り図柄コマンドの送信タイミングでないと判定されることになる。
図36は、コマンドセット処理を示すフローチャートである。上述したように、コマンドセット処理は、ステップS56、S363、S367、S405、S410、S430、S436、S446、S452、S457、S463、S554において実行される。コマンドセット処理は、コマンド出力処理とINT信号出力処理とを含む処理である。
コマンドセット処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、コマンド送信テーブルのアドレスの指すコマンドデータ1をロードし(ステップS561)、図37に示すコマンド送信処理を実行(コール)する(ステップS562)。
図37に示すコマンド送信処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、送信コマンド(演出制御コマンド)を出力ポート1に出力する(ステップS581)。これにより、2バイト構成の演出制御コマンドにおける1バイト目のMODEデータが出力ポート1から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号INT出力ビットをポートバッファにセットし(ステップS582)、ポート2バッファをロードする(ステップS583)。この実施の形態では、例えば、演出制御信号INT出力ビットとしてポートバッファに「1」がセットされ、ポート2バッファのデータ「0」がロードされる。そして、ポート2バッファとポートバッファの論理和をとり(ステップS584)、演算結果を出力ポート2に出力する(ステップS585)。この実施の形態では、演算結果が「1」となることにより、オン状態(ハイレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。オン状態の演出制御INT信号が出力されたことに応じて、演出制御用マイクロコンピュータ100が送信コマンドを受信する(取り込む)処理を実行する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS586)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS587、S588)。この処理は、演出制御INT信号のオン期間(ハイレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS588のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポート2バッファをロードし(ステップS589)、ポート2バッファを出力ポート2に出力する(ステップS590)。これにより、オフ状態(ローレベル)の演出制御INT信号が出力ポート2から出力される。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ウェイトカウンタに所定値をセットし(ステップS591)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステップS592、S593)。この処理は、演出制御INT信号のオフ期間(ローレベル期間)を設定するための処理である。ウェイトカウンタの値が0になると(ステップS593のY)、図36のコマンドセット処理に戻る。
図36の説明に戻ると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS563)。そして、コマンド送信テーブルのアドレスをスタック等に退避する(ステップS564)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビット(ビット7)をテストし(ステップS565)、コマンドデータ2のワークエリア参照指定ビットの値が「0」であるか否かを判定する(ステップS566)。0でなければ(ステップS566のN)、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスをポインタにセットし(ステップS567)、そのポインタにコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算してアドレスを算出する(ステップS568)。そして、そのアドレス(ポインタ)の指すエリアのデータ(コマンド拡張データ)をロードする(ステップS569)。
コマンド拡張データアドレステーブルには、演出制御用マイクロコンピュータ100に送出されうるEXTデータ(2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のデータ)が順次設定されている。よって、以上の処理によって、ワークエリア参照指定ビットの値が「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータがロードされ、ワークエリア参照指定ビットの値が「0」であれば、コマンドデータ2の内容がそのままロードされる。なお、コマンド拡張データアドレステーブルからEXTデータが読み出される場合でも、そのデータのビット7は「0」である。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信処理ルーチンを実行(コール)する(ステップS570)。従って、図37に示した処理によって、MODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXTデータと演出制御INT信号とが送出される。その後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、コマンド送信テーブルのアドレスを復帰し(ステップS571)、コマンド送信テーブルのアドレスを1加算する(ステップS572)。なお、コマンド送信テーブルのアドレスが1加算されたときに、そのアドレスが飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスであれば、上述したように、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行され、飾り図柄コマンドを送信するためのコマンド送信テーブルのアドレスでなければ、飾り図柄コマンド制御処理において飾り図柄コマンドの送信処理(コマンドセット処理)が実行されない。
以上のようにして、2バイト構成の演出制御コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100では、取込信号としての演出制御INT信号の立ち上がりを検出すると演出制御コマンドの取り込み処理を開始するのであるが、取り込み処理が完了する前に遊技制御用マイクロコンピュータ560からの新たな信号が信号線に出力されることはない。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、確実なコマンド受信処理が行われる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号の立ち下がりで演出制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、演出制御INT信号の極性を逆にしてもよい(コマンドの取り込みを指示するときにローレベルとしてもよい)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される各演出制御コマンドの送信タイミングについて説明する。
図38は、15ラウンドの大当り遊技が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図38に示すように、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)、に応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンド(このときの始動入賞記憶指定コマンドは変動開始により始動入賞記憶数が−1されたことを示すコマンドである)が送信される。なお、図38に示す例では、変動パターンコマンドとして大当り用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとして15ラウンドの大当りを指定する演出制御コマンド(突然確変大当りを指定するコマンド以外の演出制御コマンド)が送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、はずれ専用の変動パターン、確変大当り専用の変動パターン、通常大当り専用の変動パターン、突然確変大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、そのコマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。一方、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであれば、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドにて再抽選演出の実行が指定されている場合は、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示中に再抽選演出を実行する。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、はずれか大当りかを確認し、大当りであるときは大当り種別を確認し、再抽選演出の実行の有無および実行タイミングも確認する。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間が経過すると、飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄の停止図柄が大当り図柄であれば、特別図柄停止処理(ステップS303)において、大当り種別に応じたファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技の開始を報知するファンファーレ演出を実行する。
大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第1ラウンドのラウンド表示を表示する。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後のインターバル表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、次のラウンド(第2ラウンド)が開始されるまで可変表示装置9においてインターバル表示を表示する。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのラウンド表示を指定する15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において第2ラウンドのラウンド表示を表示する。
以上のような大入賞口開放中処理および大入賞口開放後処理が繰り返し実行されることにより、各ラウンドのラウンド表示およびラウンド間のインターバル表示が表示され、ラウンドが順に進んでいく。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、大当り遊技中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、予め定められた所定のラウンド中(図38の例では第15ラウンド中)に再抽選演出が実行される。
第15ラウンド目の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大当り種別に応じたエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において大当り遊技が終了したことを報知するエンディング演出を実行する。なお、特別図柄通常処理(ステップS300)において、エンディング中に再抽選演出を実行すると決定されていたときは、エンディング中に(エンディング演出において)再抽選演出が実行される。図38に示す例では、エンディング演出においても再抽選演出が実行されている。なお、再抽選演出は、大当り遊技開始後に複数回実行してもよいが、この実施の形態では、大当り遊技開始後に再抽選演出が実行されると常に確変大当りに昇格するようにしているので、1回だけ実行されることになる。従って、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中には再抽選演出が実行されない。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
図39は、2ラウンドの大当り遊技(突然確変大当りの遊技)が実行されるときの演出制御コマンドの送信タイミングを示すタイミング図である。図38に示した場合と同様に、始動入賞が発生して、特別図柄表示器8において特別図柄の可変表示が開始される度に、特別図柄通常処理(ステップS300)において、遊技状態に応じた背景指定コマンドが送信される。また、特別図柄通常処理(ステップS300)において、はずれとするか、大当りとするか、大当りとするときは大当りの種別が決定される。また、変動パターン設定処理(ステップS301)において、変動パターンが決定され、決定された変動パターンを指定する変動パターンコマンドが飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)にて送信される。続いて、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS29)において、特別図柄通常処理で決定されたはずれ、大当り(大当り種別)に応じた図柄情報指定コマンドが送信され、さらに、始動入賞記憶指定コマンドが送信される。なお、図39に示す例では、変動パターンコマンドとして突然確変用の変動パターンを指定する演出制御コマンドが送信され、図柄情報指定コマンドとして突然確変大当りを指定する演出制御コマンドが送信されたものとする。そして、特別図柄変動中処理(ステップS302)で特別図柄の変動時間が計測される。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドが突然確変大当り専用の変動パターンを示す変動パターンコマンドであることにもとづいて、可変表示装置9において停止表示する飾り図柄の停止図柄を決定する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの変動パターンコマンドの受信にもとづいて、可変表示装置9において飾り図柄の変動を開始する。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄情報指定コマンドにもとづいて、突然確変大当りであることを確認する。なお、突然確変大当りのときは、再抽選演出が実行されることはない。
特別図柄停止処理(ステップS303)において、特別図柄の変動時間が経過すると、飾り図柄停止指定コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドを受信すると、既に決定されている飾り図柄の停止図柄を導出表示する。
特別図柄の停止図柄が突然確変図柄であるとき、特別図柄停止処理(ステップS303)において、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのファンファーレコマンドにもとづいて、突然確変大当り遊技を開始する。なお、突然確変大当り遊技が開始されたときは、2ラウンド用演出が実行される。2ラウンド用演出は、突然確変大当り遊技の開始から終了までの間に実行される一連の特別な演出である。例えば、飾り図柄の停止図柄として突然確変図柄が停止表示されると、突然、キャラクタを登場させたりムービー画像を再生したりするような特別な2ラウンド用演出が開始される。そして、2ラウンド用演出が終了すると、演出モードが確変状態への移行を報知するチャンスモードに移行する。
突然確変大当り遊技が開始された場合は、大入賞口開放前処理(ステップS304)において、大当り表示時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第1ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第1ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、大入賞口が開放されるとともに、第2ラウンドのときの表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放中コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放中コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド目の大入賞口開放中処理(ステップS305)において、ラウンド時間が経過すると、大入賞口が閉鎖されるとともに、第2ラウンド後における表示状態を指定する2ラウンド大当り用の大入賞口開放後コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの大入賞口開放後コマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
第2ラウンド後の大入賞口開放後処理(ステップS306)において、インターバル時間が経過すると、突然確変大当りの終了を指定するエンディングコマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からのエンディングコマンドにもとづいて、可変表示装置9において実行されている2ラウンド用演出の表示画面の切り替えなどを行う。
その後、大当り終了処理(ステップS307)において、大当り終了時間が経過すると、大当り後遊技状態設定処理等が実行された後に、再び、特別図柄通常処理(ステップS300)に戻って特別図柄の変動が開始される。
なお、突然確変大当り遊技におけるラウンド中は大入賞口の開放時間(ラウンド時間)が短い。このため、大入賞口に10個の遊技球が入賞しないので、ラウンド時間内に大入賞口が閉鎖されることがない。従って、遊技の開始から終了までの時間が一定であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100が大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドの受信にもとづかずに、2ラウンド用演出の表示状態を切り替えていくことができる。よって、突然確変大当り遊技では、遊技制御用マイクロコンピュータ560による大入賞口開放中コマンドや大入賞口開放後コマンドを送信する処理を行わないようにしてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)について説明する。図40は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS100〜S103に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS112):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器41のLEDが点灯される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム4)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄通常処理(ステップS100):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞球装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を決定する。そして、普通図柄プロセスタイマに普通図柄の変動時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS101):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止し、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットし、タイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS102):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうかを確認する。当り図柄でなければ(はずれ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットし、タイマをスタートさせる。また、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認し、高ベース状態であれば、高ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、低ベース状態であれば、低ベース状態のときの普通電動役物(可変入賞球装置15)の開放パターンを選択し、選択した開放パターンを設定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する。
普通電動役物作動処理(ステップS103):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていないことを条件に、普通電動役物(可変入賞球装置15)への遊技球の入賞個数(第2始動入賞口14への入賞個数)をカウントする普通電動役物入賞カウント処理を実行し、また、設定された開放パターンで普通電動役物の開放を行う(可変入賞球装置15の開閉動作を実行する)普通電動役物開放パターン処理を実行する。そして、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する。
図41は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認することにより、ゲート通過記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS121)。ゲート通過記憶数が0であれば(ステップS121のY)、そのまま処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ(ステップS121のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS122)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS123)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し(ステップS124)、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかはずれとするかを決定する(ステップS125)。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。例えば、時短フラグがセットされているとき、すなわち高ベース状態(時短状態、確変時短状態)のときには、当り判定値を1〜10のいずれかとし、低ベース状態のときには、当り判定値を3または7としている。普通図柄当り判定用乱数が0〜10の数値範囲で更新されるとすると、高ベース状態のときの当選確率は10/11となり、低ベース状態のときの当選確率は2/11となる。このように、高ベース状態のときは高確率で当りとなり、低ベース状態のときは低確率でしか当りとならない。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄変動時間をセットし(ステップS126)、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を開始させる(ステップS127)。なお、この実施の形態では、図44に示すように、低ベース時の普通図柄の変動時間は30.0秒とされ、高ベース時の普通図柄の変動時間は1.0秒とされている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新する(ステップS128)。
図42は、普通図柄変動処理(ステップS101)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS131)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS131のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS135)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは(ステップS131のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS132)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS133)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄停止処理(ステップS102)を示す値(具体的には「2」)に更新する(ステップS134)。
図43は、普通図柄停止処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS141のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS142)。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは(ステップS141のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるかどうか(ステップS125にて当りと判定されたかどうか)を確認する(ステップS143)。なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄かどうかは、例えば、ステップS125にて当りと判定されたときに普通図柄当り判定フラグをセットすることとして、そのフラグがセットされているかどうかによって確認することができる。
普通図柄の停止図柄が当り図柄であるときは(ステップS143のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間をセットする(ステップS144)。普通電動役物作動時間は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が動作可能な最大時間である。普通電動役物作動時間は、高ベース状態のときの方が低ベース状態のときよりも長い時間に設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには普通電動役物作動時間として7秒を設定し、低ベース状態のときには普通電動役物作動時間として1.5秒を設定するものとする。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを確認する(ステップS145)。高ベース状態であるか低ベース状態であるかは、時短フラグがセットされているかどうかによって確認することができる。時短フラグがセットされているときは高ベース状態であると判断し、時短フラグがセットされていないときは低ベース状態であると判断することができる。なお、高ベース状態のときに、高ベース状態であることを示す高ベース状態フラグをセットし、そのフラグがセットされているかどうかによって、高ベース状態であるか低ベース状態であるかを判断するようにしてもよい。
高ベース状態であるときは(ステップS145のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図44に示す高ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS146)。一方、低ベース状態であるときは(ステップS145のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物の開放パターンとして図44に示す低ベース時テーブルに設定されている開放パターンを選択する(ステップS147)。図44に示す例では、低ベース時テーブルには、開放時間が0.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が1回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、低ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として1.5秒が設定されており、可変入賞球装置15が0.5秒間1回だけ開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。また、図44に示す例では、高ベース時テーブルには、開放時間が2.5秒で閉鎖時間が1.0秒であり、開放回数が2回の開放パターンのデータが設定されている。この実施の形態では、高ベース状態のときには、前述のように普通図柄プロセスタイマに普通電動役物作動時間として7秒が設定されており、可変入賞球装置15が2.5秒間開放された後に閉鎖され、閉鎖時間1.0秒が経過した後に再び可変入賞球装置15が開放される。そして、開放時間2.5秒間経過すると再び可変入賞球装置15が閉鎖され、閉鎖時間が1.0秒が経過したときに普通図柄プロセスタイマがタイムアウトする。なお、閉鎖時間(本例では1.0秒)は、所定のインターバル期間に相当する。したがって、この実施の形態では、図44に示す開放パターンに示される開放時間に従って可変入賞球装置15が物理的に開放されている状態と、開放パターンに示される閉鎖時間の間に可変入賞球装置15が閉鎖されている状態とが、可変入賞球装置15の開状態に相当する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS146またはS147で選択した開放パターンを開放パターンバッファにセットする(ステップS148)。なお、開放パターンを開放パターンバッファにセットする際に、普通電動役物開放パターンタイマ(普通電動役物の開放時間および閉鎖時間を計測するタイマ)に開放パターン時間(ここでは可変入賞球装置15が最初に開放されるまでの閉鎖時間)をセットする処理も行われる。その後、普通図柄プロセスフラグの値を普通電動役物作動処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新する(ステップS149)。
ステップS143において、普通図柄の停止図柄が当り図柄でなく、はずれ図柄であると判定されたときは(ステップS143のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS150)。
図45は、普通電動役物作動処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS163)。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aの対応ビット)において1がセットされているかどうかを確認する(ステップS164)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS164のN)、ステップS168の処理に移行する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS164のY)、第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)に入賞した遊技球の個数をカウントする普通電動役物入賞個数カウンタを+1する(ステップS165)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満であるかどうかを確認する(ステップS166)。普通電動役物入賞個数カウンタの値が8未満でない場合(ステップS166のN)、つまり8以上である場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値をクリア(0に)する(ステップS167)。この処理によって、普通電動役物作動処理が終了することになる(ステップS161のY、S172参照)。このように、この実施の形態では、普通電動役物作動時間内において8個以上の遊技球が可変入賞球装置15に入賞したときは、普通電動役物作動処理を終了するようにしている。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS168)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS169)。タイムアウトしていなければ(ステップS169のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS169のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS170)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して普通電動役物(可変入賞球装置15)を開放または閉鎖する(ステップS171)。
具体的には、可変入賞球装置15が閉状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として開放時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を開放する。可変入賞球装置15が開いた状態のときに普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトすると、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間として閉鎖時間をセットし、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを反転させて可変入賞球装置15を閉鎖する。
以上のステップS168〜S171の処理によって、低ベース状態のときの開放パターンと高ベース状態のときの開放パターンとが実現される。遊技状態が低ベース状態のときは、開放時間が0.5秒であり開放回数が1回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから1.0秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に0.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。また、遊技状態が高ベース状態のときは、開放時間が2.5秒であり開放回数が2回となる開放パターンであるので、例えば、普通電動役物作動処理が開始されてから2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、その後に2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となり、再び2.5秒の閉鎖時間が経過すると、可変入賞球装置15が開放されて開いた状態となり、さらに2.5秒の開放時間が経過したときに可変入賞球装置15が閉鎖されて閉状態となる。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
図46は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における遊技球を検出するスイッチに関わる入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図46に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。なお、入力ポート0は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御コマンド(払出制御信号)について説明する。図47は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータに対して出力される払出制御信号の内容の一例を示す説明図である。
賞球REQ信号は、賞球個数コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。賞球個数信号は、払出要求を行う遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
図48は、図47に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図48に示すように、賞球REQ信号および4ビットの賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。出力回路67は、主基板31において、図2に示されたI/Oポート部57の外側に設置されている(図2では図示せず)。また、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータにおける入力ポートの前段に出力回路67が設置されている。
図49は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図49に示すように、入賞検出スイッチ(カウントスイッチ23、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、第1始動口スイッチ13a、および第2始動口スイッチ14a)が遊技球の入賞を検出したことにもとづいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球が遊技機に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、あらかじめ決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払い出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行い、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行い、カウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行う。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数信号のうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
また、この実施の形態では、賞球個数信号は、主基板31から払出制御基板37に向かう方にしか信号が伝達されない単方向通信によって賞球個数信号が送信されるが、双方向通信によって、主基板31から払出制御基板37に賞球個数信号が送信されるようにしてもよい。双方向通信を行う場合に、払出制御用マイクロコンピュータは、例えば、賞球REQ信号の受信に応じてACK信号(応答信号)を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信したり、賞球個数信号を受信したことを示すACK信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に送信する。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。具体的には、スイッチ処理は2ms毎に起動されるのであるが、現時点において起動されたスイッチ処理と2ms前に起動されたスイッチ処理との双方において、スイッチのオンを検出すると、確かにスイッチがオンしたと判定される。
図50は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前々回ポートバッファは、前々回(4ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。前回ポートバッファは、前回(2ms前とする。)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、上述したように、スイッチのオンが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて1が設定され、スイッチのオフが検出された場合にそのスイッチの対応ビットにおいて0が設定されるバッファである。また、前回データは、スイッチ処理の実行時に一時的に用いられるバッファ領域である。前々回ポートバッファ、前回ポートバッファ、スイッチオンバッファおよび前回データは、RAM55に形成されている。また、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット配列は、入力ポート0のビット配列に対応している。つまり、図46に示すビット0〜7に割り当てられているスイッチの検出信号のそれぞれに対応する情報が、前々回ポートバッファ、前回ポートバッファおよびスイッチオンバッファのビット0〜7に設定される。
図51は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファの内容を、前回データに設定する(ステップS331)。また、前々回ポートバッファの内容と前回データとの排他的論理和をとる(ステップS332)。そして、排他的論理和演算の結果を前回データに設定する(ステップS333)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで、値が異なるビットが「1」になっている。また、前回ポートバッファの内容を前々回ポートバッファに設定する(ステップS334)。
そして、入力ポート0のデータを入力し(ステップS335)、入力したデータを前回ポートバッファに設定する(ステップS336)。ステップS334,S336の処理は、次回(2ms後)にスイッチ処理が実行されるときの準備処理に相当する。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート0から入力したデータと前回データの論理積をとる(ステップS337)。この段階で、前回データにおいて、前々回ポートバッファの8ビットと前回ポートバッファの8ビットとのうちで値が異なるビットが「1」になっている。つまり、7つのスイッチの検出信号のうちで、2ms前の状態が4ms前の状態から変化した(「0」から「1」に、または「1」から「0」に)検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、ステップS337で前回データと入力ポート0から入力したデータとの論理積をとると、入力ポート0から入力したデータのうちで「1」になっているビットであって、かつ、2ms前の状態が4ms前の状態から変化したビットが、「1」になる。すなわち、論理積演算の結果、現時点の状態がオン状態であって、かつ、前回(2ms前)のスイッチ処理時にオフ状態からオン状態に変化したことが検出された検出信号に対応したビットが「1」になる。換言すれば、オフ状態からオン状態に変化し、その後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。なお、「2回連続して」とは、「ある時点で実行されたスイッチ処理と、そのスイッチ処理の2ms後に実行されるスイッチ処理との双方で」という意味である。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、論理積演算の結果をスイッチオンバッファに格納する(ステップS338)。スイッチオンバッファにおいて、オフ状態からオン状態に変化した後、2回連続してオン状態が検出された検出信号に対応するビットが「1」になっている。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファにおいて「1」になっているビットに対応するスイッチの検出信号が確実にオン状態になったと確認できる。なお、「確実に」とは、2回連続してオン状態が検出されたので、すなわち4ms間オン状態が継続していると見なせるので、検出信号のオン状態がノイズ等によるものではないと判断できるということである。
図52は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS341)と賞球制御処理(ステップS342)とを実行する。
賞球個数加算処理では、図53に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その次のアドレスから、入賞により賞球を払い出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、および賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図46参照)。
図54は、ステップS341の賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS271)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS272)。次に、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS273)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS274)、スイッチオンバッファの内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS275)。また、ポインタの値を1増やす(ステップS276)。
ステップS275における演算結果が0でなければ(ステップS281のN)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ステップS282に移行する。ステップS275における演算結果が0であれば(ステップS281のY)、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態でなければ、処理数を1減らし(ステップS279)、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS274に戻る(ステップS280)。
ステップS282では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知フラグがセットされているか否かを確認する。異常入賞報知フラグは、後述する異常入賞報知処理において、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞が発生したと判定されたときにセットされる(ステップS258A,S264C参照)。異常入賞報知フラグは、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞が発生したと判定したことにもとづいて、異常入賞報知を実行することを決定したことを示すフラグである。すなわち、ステップS282では、異常入賞報知フラグがセットされているか否かを確認することによって、異常入賞状態であると判定された場合であるか否かを確認する。
異常入賞報知フラグがセットされていなければ(ステップS282のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS283)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS284)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS277,S278)。そして、ステップS279の処理に移行する。
異常入賞報知フラグがセットされていれば(ステップS282のY)、後述する異常入賞報知処理において、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞が発生したと判定された場合である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファに賞球加算値を加算する制御を実行しないようにする。すなわち、カウントスイッチ23がオンしたことにもとづく賞球払出を実行しないようにする(ステップS283,S284の処理をスキップする)。そして、ステップS279の処理に移行する。
以上の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞状態であると判定された場合には(異常入賞報知フラグがセットされていた場合には)、遊技球を払い出す制御の実行を禁止する。そのため、不正入賞に対する払い出しを禁止することができ、可変入賞球装置15に対する不正行為を防止することができる。また、不正行為によって第2始動入賞口14に入賞した可能性がある場合に、入賞にもとづく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
図55は、ステップS342の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS371)。その値が0であれば処理を終了する。0でなければ、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS372)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS373)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS374)。そして、賞球個数バッファの内容を、賞球個数信号を出力するための出力ポートにセットする(ステップS375)。また、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「1」をセットする(ステップS376)。
ステップS376の処理によって、賞球REQ信号が出力される。すなわち、賞球REQ信号がオン状態になる(図49参照)。また、ステップS375の処理によって、賞球個数信号が出力される(図49参照)。なお、この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。従って、最大で「15」の払出数を指定する賞球個数信号が払出制御基板37に送信される。
賞球個数信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御手段に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS377)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号のオン期間を設定する。具体的には、ウェイトカウンタに、初期値をセットする(ステップS378)。そして、ウェイトカウンタの値が0になるまでウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS379,S380)。ウェイトカウンタの値が0になったら、オン期間を終了させる。
すなわち、賞球REQ信号を出力するための出力ポートの賞球REQ信号のビットに「0」をセットし(ステップS381)、賞球個数信号を出力するための出力ポートに00(H)をセットする(ステップS382)。
払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数信号を受信すると、賞球個数信号で指定された数の遊技球が払い出されるように球払出装置97を駆動する。
図56は、ステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。異常入賞報知処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常報知禁止フラグがセットされているか否か確認する(ステップS251)。異常報知禁止フラグは、遊技機への電力供給が開始されたときに実行されるメイン処理でセットされている(図10におけるステップS44参照)。異常報知禁止フラグがセットされていない場合には、ステップS255に移行する。異常報知禁止フラグがセットされている場合には、ステップS45で設定された禁止期間タイマの値を−1する(ステップS252)。そして、禁止期間タイマの値が0になったら、すなわち禁止期間タイマがタイムアウトしたら、異常報知禁止フラグをリセットする(ステップS253,S254)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS255)。特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS255のY)、大当り遊技中または小当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞の確認処理を行わずに、ステップS261の処理に移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態である。このような状態のときに大入賞口に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞であると判断することができる。従って、以下に示す大入賞口への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、特別図柄プロセスフラグの値が4未満であれば(ステップS255のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS256)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容とカウントスイッチ入力ビット判定値(01(H)、図53参照)との論理積をとる(ステップS257)。スイッチオンバッファの内容が01(H)であったとき、すなわちカウントスイッチ23がオンしているときには、論理積の演算結果は01(H)になる。カウントスイッチ23がオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞の報知を行うことを示す異常入賞報知フラグをセットするとともに(ステップS258A)、演出制御基板80に、異常入賞報知2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259,S260)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知2指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS259)、コマンドセット処理を実行する(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への異常入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
ステップS261では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値が3であるか否か確認する(ステップS261)。普通図柄プロセスフラグの値が3である状態は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態であると判断される状態(可変入賞球装置15が物理的に開いている状態のときと、可変入賞球装置15が物理的に閉鎖されてから所定のインターバル期間を経過するまでの状態のときとを含む)である。そのような状態であれば(ステップS261のY)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性があるので、第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
普通図柄プロセスフラグの値が3でない状態は(ステップS261のN)、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開状態以外のの状態と判断される状態である。このような状態のときに第2始動入賞口14に遊技球の入賞があれば、その入賞は異常入賞である可能性がある。従って、以下に示す第2始動入賞口14への異常入賞の確認処理を行う。
すなわち、普通図柄プロセスフラグの値が3でなければ(ステップS261のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする(ステップS262)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ロードしたスイッチオンバッファの内容と第2始動口スイッチ入力ビット判定値(80(H)、図53参照)との論理積をとる(ステップS263)。スイッチオンバッファの内容が80(H)であったとき、すなわち第2始動口スイッチ14aがオンしているときには、論理積の演算結果は80(H)になる。第2始動口スイッチ14aがオンしていないときには、論理積の演算結果は、0(00(H))になる。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14が開状態以外の状態(所定のインターバル期間の状態を含む)であるにもかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS264A)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS264B)。所定値以上である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知フラグをセットするとともに(ステップS264C)、演出制御基板80に、異常入賞報知1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265,S266)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知1指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS265)、コマンドセット処理を実行する(ステップS266)。一方、論理積の演算結果が0である場合(ステップS264のY)、または入賞累積数カウンタの値が所定値以上でない場合(ステップS264BのN)には、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないと判定し、異常入賞報知1指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
以上のような処理によって、大当り遊技も小当り遊技も行われていない状態においてカウントスイッチ23がオンした場合には、異常入賞報知2指定コマンドが送信される。また、可変入賞球装置15が開閉動作していない状態(第2始動入賞口14が開状態以外の状態)において第2始動口スイッチ14aがオンした場合にも、異常入賞報知1指定コマンドが送信される。
また、ステップS251〜S253の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100が初期化報知を行っているときに、異常報知が開始されることが禁止される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を開始してから禁止期間に相当する期間が経過するまで、初期化報知を継続して実行している。
なお、ステップS255の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、特別図柄プロセスフラグの値にもとづいて大入賞口への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、特別可変入賞球装置20が閉鎖した後に大当り終了処理または小当り終了処理が所定時間実行されるので、特別可変入賞球装置20が閉鎖する直前に大入賞口に入賞した遊技球が、特別図柄プロセスフラグの値が0に戻った後にカウントスイッチ23で検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
また、ステップS261の処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて第2始動入賞口14への異常入賞が生じたか否か判定するようにしている。そのため、1つのデータにもとづいて異常入賞が生じたか否か判定できるので、判定処理を簡素化することができる。また、上述したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせる方法として、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わる所定時間前に可変入賞球装置15を閉鎖し、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わった時点で異常入賞の判定を行うようにしているので、可変入賞球装置15が閉鎖する直前に第2始動入賞口14に入賞した遊技球が、普通図柄プロセスフラグの値が0に戻った後に第2始動口スイッチ14aで検出されてしまうということが防止され、正規の入賞であるにもかかわらずエラーが報知されてしまうようなことはない。
なお、可変入賞球装置15を閉鎖すると同時に普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替え、普通図柄プロセスフラグの値が3から0に切り替わってから所定時間経過後に異常入賞の判定を行うようにしてもよい。また、大入賞口への異常入賞の判定においても、同様の方法により異常入賞を判定するタイミングを大入賞口(特別可変入賞球装置20)を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図57は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の表示制御等を実行する。さらに、飾り図柄の停止図柄を決定するための各種乱数(左図柄決定用乱数、右図柄決定用乱数など)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS706)。さらに、可変表示装置9等の演出装置を用いて報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図58〜図61は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、可変表示装置9における背景を指定する演出制御コマンド(背景指定コマンド:9500(H)〜9502(H))であれば(ステップS613のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景指定コマンドの内容にもとづいて遊技状態を確認し、確認した遊技状態をRAMの所定領域に設定する(ステップS614)。そして、遊技状態に応じた背景画像を可変表示装置9に表示する制御を実行する(ステップS615)。
受信した演出制御コマンドが、変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8080(H))であれば(ステップS616)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS617)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS618)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるかどうかを確認し(ステップS619)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドでなければ(ステップS619のN)、専用パターン飾り図柄決定処理を実行する(ステップS620)。なお、専用パターン飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図62参照)。通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドであるとき(ステップS619のY)、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信したことを示す兼用フラグをセットする(ステップS621)。
受信した演出制御コマンドが、図柄情報を指定する演出制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C05(H))であれば(ステップS622のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信したことを示す図柄情報コマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。そして、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認する(ステップS624)。ここで、変動パターンコマンドが通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを指定するコマンドでなければ、専用パターン飾り図柄決定処理において既に飾り図柄の停止図柄が決定されている。従って、兼用フラグがセットされているかどうかによって、飾り図柄の停止図柄が既に決定されているかどうかを確認することができる。
飾り図柄の停止図柄が未だ決定されていないときは(ステップS624のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、兼用パターン飾り図柄決定処理を実行する(ステップS625)。なお、兼用パターン飾り図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図89参照)。飾り図柄の停止図柄が既に決定されているときは(ステップS624のY)、ステップS626の処理に進む。
ステップS626において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS626)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが大当り遊技開始後に再抽選演出を実行して非確変図柄を確変図柄に昇格させることを指定するコマンド、つまり、確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))であるかどうかを確認する(ステップS627)。大当り遊技開始後に昇格させることを指定する図柄情報指定コマンドであれば(ステップS627のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS628)。具体的には、再抽選演出が大当り中に実行されると決定されたときは、大当り中再抽選実行フラグがセットされ、再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定されたときは、エンディング再抽選実行フラグがセットされる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS626で抽出した乱数値に従って、図93に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS629)。このように決定された確変図柄が、大当り遊技開始後に実行される再抽選演出にて導出表示される確変図柄である。その後、ステップS611の処理に戻る。
共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)には、図4に示した各大当り図柄のうち確変図柄(1UF、1LF、1CF、1SF、3UF、3LF、3CF、3SF、5UF、5LF、5CF、5SF、7UF、7LF、7CF、7SF、8UF、8LF、8CF、8SF)に複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS626で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を確変図柄と決定する。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞記憶数を指定する演出制御コマンド(始動入賞記憶指定コマンド:C0XX(H))であれば(ステップS630のY)、始動入賞記憶表示制御処理を実行する(ステップS631)。始動入賞記憶表示制御処理は、始動入賞記憶数を特定可能な表示(始動入賞記憶表示)を可変表示装置9の所定領域に表示する制御を行う処理である。当該処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドにもとづいて、始動入賞記憶数を確認し、確認した数の始動入賞記憶表示を可変表示装置9に表示する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞記憶指定コマンドが変動開始時に送信される始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうか、つまり、飾り図柄コマンド制御処理において、図柄情報指定コマンドの次に送信される始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかを判定する(ステップS632)。ここで、始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであるかどうかは、例えば、始動入賞記憶表示制御処理において、始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数を記憶しておき、次に受信した始動入賞記憶指定コマンドで指定された始動入賞記憶数が−1となっているかどうかを確認することにより判定可能である。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドでなければ(ステップS632のN)、ステップS611の処理に戻る。始動入賞記憶数−1を指定する始動入賞記憶指定コマンドであれば(ステップS632のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報コマンド受信フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS633)、そのフラグがセットされていれば(ステップS633のY)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されたことを示しているので、ステップS611の処理に戻る。
図柄情報コマンド受信フラグがセットされていなければ(ステップS633のN)、図柄情報指定コマンドが始動入賞記憶指定コマンドの前に正常に受信されていないことを示している。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100において、図柄情報指定コマンドを取りこぼしたことを意味する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS620で既に飾り図柄の停止図柄が決定されているかどうかを確認し(ステップS634)、既に決定されていれば(ステップS634のY)、ステップS611の処理に戻る。未だ飾り図柄の停止図柄が決定されていなければ(ステップS634のN)、仮決定図柄決定処理を実行する(ステップS635)。仮決定図柄決定処理は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合に非確変図柄を仮決定する処理である。仮決定図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図103参照)。
なお、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合として、図柄情報指定コマンドを完全に受信し損なった場合、つまり、図柄情報指定コマンドのMODEデータおよびEXTデータを双方または一方を受信できなかった場合のほかに、データ化けしたコマンド等であって図柄情報指定コマンドでないコマンドを受信した場合も含まれる。例えば、図柄情報指定コマンドのMODEデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドでないコマンド(演出制御用マイクロコンピュータ100において認識不可能なコマンドも含む)を受信した場合や、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたことによって、図柄情報指定コマンドとして定義されていないEXTデータのコマンド(図16参照)を受信した場合などである。
なお、図柄情報指定コマンドのEXTデータがデータ化けしたが、図柄情報指定コマンドとして定義されているコマンドを受信したときは、図柄情報指定コマンドであるが制御処理上、不整合な図柄情報指定コマンドを受信したことになる。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを受信したと認識することにより図柄情報コマンド受信フラグがセットされ(ステップS623)、ステップS633でフラグのセットが確認されることにより(ステップS633のY)、仮決定図柄決定処理が実行されないおそれもある(ステップS635)。しかし、データ化けした図柄情報指定コマンドが、通常大当り指定コマンド(8C01(H))や確変大当り指定コマンド(8C02(H)〜8C04(H)以外のコマンドであれば、飾り図柄がまだ決定されていないにもかかわらず(ステップS634のN)、そのような図柄情報指定コマンドを受信したことによって、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドが整合していないと判断することができる。よって、このような場合は、仮決定図柄決定処理(ステップS635)を実行するようにするのが好ましい。
受信した演出制御コマンドが、大当りの開始(ファンファーレ)を指定する演出制御コマンド(ファンファーレコマンド:A000(H)〜A004(H))であれば(ステップS636のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容に応じたファンファーレ受信フラグをセットする(ステップS637)。例えば、ファンファーレコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の開始を示すファンファーレ受信フラグ、突然確変大当りの開始を示すファンファーレ受信フラグをセットする。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドを受信していないことを示すコマンド未受信フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS638)。コマンド未受信フラグは、仮決定図柄決定処理においてセットされる(図103のステップS686参照)。このとき、コマンド未受信フラグがセットされているということは、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを正常に受信しておらず、確変大当りか通常大当りかを判断できないため、飾り図柄の停止図柄を決定していない状態(仮決定図柄決定処理で飾り図柄の停止図柄を仮決定した状態)であることを意味する。
コマンド未受信フラグがセットされていないときは(ステップS638のN)、ステップS611の処理に戻る。コマンド未受信フラグがセットされているときは(ステップS638のY)、ファンファーレ受信フラグなどにもとづいて大当りが確変大当り(突然確変大当りを除く)であるかどうかを確認する(ステップS639)。確変大当りでない場合は(ステップS639のN)、ステップS611の処理に戻る。確変大当りである場合は(ステップS639のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄として確変図柄を決定する取りこぼし時確変図柄決定処理を実行する(ステップS640)。取りこぼし時確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図104参照)。取りこぼし時確変図柄決定処理にて決定し格納した確変図柄が、コマンド未受信フラグがセットされた場合(図柄情報指定コマンドが未受信の場合)において、大当り遊技開始後の再抽選演出にて導出表示される最終停止図柄である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグにもとづいて大当り遊技の開始後に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを確認する(ステップS641)。再抽選演出を実行する必要がない場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していなかった場合であっても(ステップS641のN)、再抽選演出を実行しなければならない。なぜなら、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したが、図柄情報指定コマンドを受信していない場合は、仮決定図柄決定処理において仮の大当り図柄として非確変図柄が決定され(図103参照)、その非確変図柄が既に導出表示されているから、本当の大当りの種別が確変大当り(突然確変大当りを除く)であったときは、遊技者に不利益を与えないように確変図柄を再抽選演出で導出表示する必要があるからである。そこで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、実行タイミング決定用乱数を抽出し(ステップS642)、抽出した実行タイミング決定用乱数の値に従って、再抽選演出の実行タイミングを決定する(ステップS643)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS645)。具体的には、再抽選演出が大当り中に実行されると決定されたときは、大当り中再抽選実行フラグがセットされ、再抽選演出がエンディングにおいて実行されると決定されたときは、エンディング再抽選実行フラグがセットされる。
一方、再抽選演出を実行する必要がある場合、すなわち、大当り中あるいはエンディングにおいて再抽選演出の実行を指定するファンファーレコマンドを受信していた場合は(ステップS641のY)、ファンファーレコマンドで指定されたタイミングを再抽選演出の実行タイミングに決定する(ステップS644)。そして、決定した実行タイミングに応じた再抽選実行フラグをセットする(ステップS645)。
受信した演出制御コマンドが、大当りの終了(エンディング)を指定する演出制御コマンド(エンディングコマンド:A301(H)〜A305(H))であれば(ステップS646のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディングコマンドの内容に応じたエンディング受信フラグをセットする(ステップS647)。例えば、エンディングコマンドの内容(大当り種別等)に応じて、通常大当りの終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(再抽選演出なし)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(大当り中に再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、確変大当り(エンディングで再抽選演出実行)の終了を示すエンディング受信フラグ、突然確変大当りの終了を示すエンディング受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド:9000(H))であれば(ステップS648のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を可変表示装置9に表示する制御を行う(ステップS649)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。また、初期報知フラグをセットし(ステップS650)、期間タイマに、初期報知期間値に相当する値を設定する(ステップS664)。初期報知期間は、初期化指定コマンドの受信に応じて初期化報知を行っている期間である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知期間が経過すると、初期化報知を終了させる。なお、初期報知期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560がステップS45の処理で設定する禁止期間と同じである。よって、初期化報知が行われているときに、異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信することはない。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンド(9200(H))であれば(ステップS665のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行う(ステップS666)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知1指定コマンド(D000(H))であれば(ステップS667のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS668)。
受信した演出制御コマンドが異常入賞報知2指定コマンド(D001(H))であれば(ステップS669のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS670)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば(ステップS669のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS676)。そして、ステップS611に移行する。
図62は、専用パターン飾り図柄決定処理(ステップS620)を示すフローチャートである。専用パターン飾り図柄決定処理において、受信した変動パターンコマンドがはずれ専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS651のY)、はずれが決定されたことを示すはずれ決定フラグをセットするとともに(ステップS652)、変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS653)。リーチを伴う変動パターンでなければ(ステップS653のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ無ハズレ決定処理を実行する(ステップS654)。なお、リーチ無ハズレ決定処理の詳しい内容については後述する(図63参照)。
リーチを伴う変動パターンであれば(ステップS653のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ有ハズレ決定処理を実行する(ステップS655)。なお、リーチ有ハズレ決定処理の詳しい内容については後述する(図72参照)。
はずれ専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS651のN)、確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS656のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたことを示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS657)。そして、専用パターン確変図柄決定処理を実行する(ステップS658)。なお、専用パターン確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図83および図84参照)。
確変大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS656のN)、通常大当り専用の変動パターンコマンドであるときは(ステップS659のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、通常大当りが決定されたことを示す通常大当り決定フラグをセットする(ステップS660)。そして、非確変図柄決定処理を実行する(ステップS661)。なお、非確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図85、図86参照)。
通常大当り専用の変動パターンコマンドでなく(ステップS659のN)、突然確変大当り専用の変動パターンコマンドであるときは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りが決定されたことを示す突然確変大当り決定フラグをセットする(ステップS662)。そして、突然確変図柄決定処理を実行する(ステップS663)。なお、突然確変図柄決定処理の詳しい内容については後述する(図87参照)。
図63は、リーチ無ハズレ決定処理(ステップS654)を示すフローチャートである。リーチ無ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1001)。通常の演出モードでは、有効ラインが5ライン(上段の横ライン、中段の横ライン、下段の横ライン、右下がりのライン、右上がりのライン)で飾り図柄の演出が行われる。この実施の形態では演出モードとしてストーリーモードが用意されており、このストーリーモード中は、可変表示装置9にてストーリーを展開する演出が実行され、このストーリー演出により、大当り、または、はずれが報知される。また、ストーリーモードでは、可変表示装置9の右下等に(図119参照)有効ラインが1ライン(中段の横ライン)で飾り演出が行われる。すなわち、左・中・右の飾り図柄は中段の1ラインだけ変動する演出に切り替わる。この実施の形態では、時短状態(確変時短状態を含む)においてストーリーモードに制御される。ステップS1001の処理にて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS614にて設定した遊技状態にもとづき、遊技状態が時短状態であるか否かを判定することによって、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1001)。ストーリーモード中でないときは(ステップS1001のN)、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1002)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図64に示す左図柄選択用テーブル(T−1)を用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1003)。左図柄選択用テーブルは、図64に示すように、各左図柄に特殊図柄が表示される割合が高くなるように複数の判定値が割り振られている。なお、図64に示す左図柄選択用テーブル(T−1)は、可変表示装置9における左側の表示領域の中段の図柄を決定するためのテーブルである。各左図柄に対応つけられた数字は、割り振られた判定値の数を示している。また、「max67」は、乱数値の数が67(0〜66)であることを示している。従って、左図柄選択用テーブルにおいて、左側の表示領域の中段に特殊図柄(図中の「7(白抜き)」)が表示される割合は7/67となる。また、特殊図柄の前後の左図柄「*」に決定される割合も7/67であるので、左側の表示領域の上段または下段に特殊図柄が表示される割合もそれぞれ7/67となる。即ち、可変表示装置9における左側の表示領域に特殊図柄が表示される割合は全体として21/67であって、他の左図柄より表示される割合が高い。具体的には、「1」が表示される割合は15/67、「2」が表示される割合は11/67、「3」が表示される割合は9/67、「4」が表示される割合は9/67、「5」が表示される割合は10/67、「6」が表示される割合は12/67、「7」が表示される割合は15/67である。このように、リーチ無しハズレの場合であっても、特殊図柄が出現する割合が多いので、大当りとなる期待を遊技者に抱かせることができ、遊技性の向上が図れる。なお、乱数値の数は他のテーブルにおいても同様である(例えば「max103」は乱数値の数が103(0〜102)であることを示している)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数値と一致する判定値の図柄を左図柄と決定する。なお、決定された左図柄はRAMの所定領域に格納される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1004)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図65に示す左図柄に応じた右図柄選択用テーブル(T−2)を用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1005)。右図柄選択用テーブルは、図65に示すように、左図柄と右図柄のマトリックスに複数の判定値が割り振られている。右図柄選択用テーブルは、既に決定された左図柄毎に複数用意されている。例えば、決定された左図柄が「1」であったときは、図65における最上段のテーブルが、左図柄「1」に対応した右図柄選択用テーブルとなる。なお、図65に示す右図柄選択用テーブル(T−2)は、可変表示装置9における右側の表示領域の中段の図柄を決定するためのテーブルである。
右図柄選択用テーブル(T−2)では、リーチが発生しないようにするために、決定された左図柄と同じ図柄に割り振られる判定値の数が「0」となっている。例えば、決定された左図柄が「7(白抜き)」であるときは、左図柄「7(白抜き)」に対応した右図柄選択用テーブルにおいて右図柄「7(白抜き)」に割り振られる判定値の数は「0」となっている。また、左図柄「*」(「7」と「7(白抜き)」の間の「*」)であるときは、左側の表示領域の上段の図柄が「7」で下段の図柄が「7(白抜き)」であるので、右側の表示領域の上段の図柄が「7」となる右図柄「*」(「6」と「7」の間の「*」)、右側の表示領域の上段の図柄が「7(白抜き)」で下段の図柄が「7」となる右図柄「*」(「7」と「7(白抜き)」の間の「*」)、および右側の表示領域の下段の図柄が「7(白抜き)」となる右図柄「*」(「7(白抜き)」と「1」の間の「*」)に割り振られる判定値の数は「0」となっている。また、特殊図柄はリーチで突然確変大当り以上が確定してしまうが、このように右図柄選択用テーブル(T−2)には、リーチが発生しないよう判定値が割り振られているため誤ってリーチが発生しまうことを防止できる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1003で決定した左図柄に応じた右図柄選択用テーブルを選択し、ステップS1004で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を右図柄と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1006)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1003、S1005にて決定された左右図柄にもとづいて、図66、図67に示す中図柄選択用テーブル(T−3)または中図柄選択用テーブル(T−4)を選択する(ステップS1007)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、ステップS1007で選択した中図柄選択用テーブル(T−3)または中図柄選択用テーブル(T−4)を用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1007)。なお、図66、図67に示す中図柄選択用テーブル(T−3)と中図柄選択用テーブル(T−4)とは、可変表示装置9における中の表示領域の中段の図柄を決定するためのテーブルである。
ここで、上述したように、はずれ図柄を導出表示するときにチャンス目が導出表示されたと誤解が生じるのを回避するために、この実施の形態では、チャンス目(演出上のチャンス目、突確用のチャンス目(突然確変図柄))と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御を実行する。中図柄選択用テーブルは、図66、図67に示すように、チャンス目毎に複数用意されている。ステップS1003、S1005にて決定された左右図柄を、図5に示す演出上のチャンス目1C〜40Cと比較し、同じである場合には、そのチャンス目に対応した中図柄選択用テーブル(T−3)を用いて中図柄が決定される。同様に、左右図柄を、図6に示す突確用のチャンス目1T〜30T(突確類似図柄を含む)と比較し、同じである場合は、そのチャンス目に対応した中図柄選択用テーブル(T−4)が用いられる。左右図柄がチャンス目と同じでない場合は、中図柄選択用テーブル(T−3)の0Cのテーブルを用いて中図柄を決定する。
「C1」〜「C40」に対応付けられた中図柄選択用テーブル(T−3)では、演出上のチャンス目を成立させる中図柄に対して判定値が割り振られていない(すなわち、割り振られる判定値の数が0である)。例えば、「40C」に対応付けられた中図柄選択用テーブルでは、図5に示すチャンス目40Cにおける中図柄(中の表示領域の中段の図柄)が「1」になっているので、「1」に対して割り振られる判定値の数が0となっている。一方、「0C」に対応つけられた中図柄選択用テーブルでは、中図柄がどのような図柄になっても、チャンス目が成立しないので、全ての図柄に対して略均等に判定値が割り振られている。また、「1T」〜「30T」に対応付けられた中図柄選択用テーブル(T−4)では、突確用のチャンス目を成立させる中図柄に対して判定値が割り振られていない。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目に応じた中図柄選択用テーブルを選択し、ステップS1006で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を中図柄と決定する。これにより、リーチ無ハズレ決定処理において、チャンス目(突確類似図柄を含む)となるはずれ図柄を飾り図柄の停止図柄として決定することが禁止される。
一方、ステップS1001にてストーリーモード中であるとき(ステップS1001のY)、左図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1009)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図68に示すストーリーモード中左図柄選択用テーブル(JT−1)を用いてはずれ図柄の左図柄を決定し格納する(ステップS1010)。ストーリーモード中左図柄選択用テーブル(JT−1)は、図68に示すように、各左図柄に特殊図柄が表示される割合が高くなるように複数の判定値が「*」以外に割り振られている。この実施の形態のストーリーモード中の1ライン演出の場合は、ブランク「*」の図柄を用いない。すなわち、「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「7(白抜き)」の図柄だけ用いる。従って、「*」に対して判定値が割り振られていない。ストーリーモード中左図柄選択用テーブル(JT−1)左図柄「7(白抜き)」(特殊図柄)に決定される割合も32/67であるので、他の左図柄より表示される割合が高い。具体的には、「1」〜「7」が表示される割合はそれぞれ5/67である。また、通常の演出モードでは、可変表示装置9における左側の表示領域に特殊図柄が表示される割合は21/67であったが、このように、ストーリーモード中の方が特殊図柄が出現する割合が多い。これにより、ストーリーモード中においては、より頻繁に特殊図柄が出現するようになり、大当りとなる期待を遊技者によりいっそう抱かせることができ、遊技性の向上が図れる。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数値と一致する判定値の図柄を左図柄と決定する。なお、決定された左図柄はRAMの所定領域に格納される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、右図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1011)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図69に示す左図柄に応じたストーリーモード中右図柄選択用テーブル(JT−2)を用いてはずれ図柄の右図柄を決定し格納する(ステップS1012)。
ストーリーモード中右図柄選択用テーブル(JT−2)も右図柄選択用テーブル(T−2)同様、リーチが発生しないようにするために、決定された左図柄と同じ図柄に割り振られる判定値の数が「0」となっている。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1010で決定した左図柄に応じた右図柄選択用テーブルを選択し、ステップS1011で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を右図柄と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1013)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1010、S1012にて決定された左右図柄にもとづいて、図70、図71に示すストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−3)またはストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−4)を選択する(ステップS1014)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、ステップS1014で選択したストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−3)またはストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−4)を用いてはずれ図柄の中図柄を決定し格納する(ステップS1015)。
ストーリーモード中にも、はずれ図柄を導出表示するときにチャンス目が導出表示されたと誤解が生じるのを回避するために、チャンス目と同じ図柄をはずれ図柄として導出表示するのを禁止する制御を実行する。ストーリーモード中は飾り図柄が1列で表示されるため、図5に示すチャンス目5C、10C、15C、20C、25C、30C、35C、40C、及び、図6に示すチャンス目1T〜6Tとなることを禁止すればよい。従って、ステップS1010、S1012にて決定された左右図柄を、これらのチャンス目と比較し、同じである場合には、そのチャンス目に対応したストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−3)またはストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JTー4)を用いて中図柄が決定される。左右図柄が上記チャンス目と同じでない場合は、ストーリーモード中中図柄選択用テーブル(JT−3)の0Cのテーブルを用いて中図柄を決定する。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1013で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を中図柄と決定する。これにより、リーチ無ハズレ決定処理において、チャンス目となるはずれ図柄を飾り図柄の停止図柄として決定することが禁止される。
図72、図73は、リーチ有ハズレ決定処理(ステップS655)を示すフローチャートである。リーチ有ハズレ決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、リーチ図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1021)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1022)。ストーリーモード中であるときは(ステップS1022のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図20において変動番号110、111、122〜125の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1023)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1023のN)、ストーリーモードの1列の飾り図柄を決定するため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値に従って、図74に示すシングル用リーチ図柄選択用テーブル(BH−2)を用いてリーチ図柄(同一の左右図柄)を決定し格納する(ステップS1024)。
シングル用リーチ図柄選択用テーブル(BH−2)には、図3に示した各リーチ図柄のうち中段のラインのシングルリーチのリーチ図柄(1CH〜7CH)に複数の判定値が割り振られている。ただし、リーチ図柄(8CH)は、大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄をリーチ図柄と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1025)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図75に示すはずれリーチ時中図柄選択用テーブル(BH−3)を用いて中図柄を決定し格納する(ステップS1026)。
はずれリーチ時中図柄選択用テーブル(BH−3)は、図75に示すように、ステップS1024で決定されたリーチ図柄に対する図柄差に対して複数の判定値が割り振られている。ここで、図75に示すはずれリーチ時中図柄選択用テーブル(BH−3)では、図66、図67、図70、図71に示した中図柄選択用テーブルと異なり、リーチライン上の中図柄についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。ストーリーモード中は、飾り図柄「*」は使用せず、飾り図柄が「1」「2」「3」・・・「7(白抜き)」の8図柄を使用する。従って、飾り図柄が「*」になる図柄差「−13」「−11」「−9」「−7」「−5」「−3」「−1」「+1」には判定値が振られていない。また、ストーリーモード中に表示される図柄の中で最も小さい図柄差となる「−2」「+2」にも判定値が振られていない。これにより、ストーリーモード中では、大当り図柄に近いリーチはずれ図柄とならず、大当りとならないことを認識しやすい図柄とすることができる。そして、ストーリーの展開により大当りとなるか否かを報知するため、ストーリー演出と表示結果とを整合させることができる。
ステップS1022において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS1022のN)、または、ステップS1023において、トロッコリーチであった場合(ステップS1023のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターン(図18〜図20において「S&W」が表記されている変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1027)。シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1027のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値に従って、図76に示す共通用リーチ図柄選択用テーブル(H−1)を用いてリーチ図柄(同一の左右図柄)を決定し格納する(ステップS1028)。
共通用リーチ図柄選択用テーブルには、図3に示した各リーチ図柄(リーチパターン;1UH〜7UH、1LH〜7LH、1CH〜7CH、2WH〜7WH)に複数の判定値が割り振られている。ただし、リーチ図柄(8UH、8LH、8CH、1WH、8WH)は、大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄をリーチ図柄と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、ノーマルリーチを含む変動パターン(図18において変動番号4〜8の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1029)。ノーマルリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1029のN)、S1035の処理に移行する。ノーマルリーチを含む変動パターンであった場合(ステップS1029のY)、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1030)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)を用いて中図柄を決定し格納する(ステップS1031)。
ノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)は、図79に示すように、ノーマルリーチの種類(ノーマル10コマ、ノーマル13コマ、ノーマル14コマ、ノーマル17コマ、ノーマル19コマ)毎に分けられ、また、ステップS1028で決定されたリーチ図柄がシングルリーチかダブルリーチかによって分けられている。なお、ここでいう「コマ」は、ノーマルリーチが発生してから中図柄が進行(変動)するコマ数(図柄数)を示している。例えば、ノーマル10コマは、ノーマルリーチが発生してから中図柄が10コマ変動することを示している。各テーブルには、ステップS1028で決定されたリーチ図柄に対する図柄差に対して複数の判定値が割り振られている。ここで、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブルでは、図66、図67、図70、図71に示した中図柄選択用テーブルと異なり、リーチライン上の中図柄についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。例えば、UH系のリーチの場合は、上段の中図柄についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。また、ダブルリーチの場合は、後当りの図柄(例えば1WHの場合は「1」)についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。飾り図柄が「1」「*」「2」・・・「*」の16図柄であるので、リーチ図柄に対する図柄差は「−14」〜「+1」となっている。例えば、リーチ図柄「3」に対する図柄差「−2」は、中図柄「2」となる。
ノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)において、リーチ図柄に対する図柄差「0」には判定値が割り振られない。図柄差「0」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。また、ダブルリーチ用のノーマルはずれ時中図柄選択用テーブルでは、リーチ図柄に対する図柄差「−2」にも判定値が割り振られない。ダブルリーチが発生した場合に図柄差「−2」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1030で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を中図柄と決定する。
ステップS1027において、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1027のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングルリーチを伴う変動パターン(図18〜図20において「S」が表記されている変動パターン)であるかどうかを判定する(ステップS1032)。シングルリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1032のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値に従って、図77に示すシングル用リーチ図柄選択用テーブル(H−2)を用いてリーチ図柄を決定し格納する(ステップS1033)。その後、ステップS1035の処理に移行する。
シングル用リーチ図柄選択用テーブルには、図3に示した各リーチ図柄のうちシングルリーチのリーチ図柄(1UH〜7UH、1LH〜7LH、1CH〜7CH)に複数の判定値が割り振られている。ただし、リーチ図柄(8UH、8LH、8CH)は、大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄をリーチ図柄と決定する。
ステップS1032において、シングルリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1032のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ダブルリーチを伴う変動パターンであると判断する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値に従って、図78に示すダブル用リーチ図柄選択用テーブル(H−3)を用いてリーチ図柄を決定し格納する(ステップS1034)。その後、ステップS1035の処理に移行する。
ダブル用リーチ図柄選択用テーブル(H−3)には、図3に示した各リーチ図柄のうちダブルリーチのリーチ図柄(2WH〜7WH)に複数の判定値が割り振られている。ただし、リーチ図柄(1WH、8WH)は、大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1021で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄をリーチ図柄と決定する。
ステップS1035において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1035)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図80に示すスーパー発展時中図柄選択用テーブル(H−5)を用いて中図柄を決定し格納する(ステップS1036)。
スーパー発展時中図柄選択用テーブル(H−5)は、図80に示すように、変動パターンがシングルリーチ用かダブルリーチ用かによって分けられている。スーパー発展時中図柄選択用テーブルには、ステップS1028、S1033、または、S1034で決定されたリーチ図柄に対する図柄差に対して複数の判定値が割り振られている。ここで、図80に示すスーパー発展時中図柄選択用テーブルでは、図66、図67、図70、図71に示した中図柄選択用テーブルと異なり、リーチライン上の中図柄についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。例えば、UH系のリーチの場合は、上段の中図柄についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。また、ダブルリーチの場合は、後当りの図柄(例えば1WHの場合は「1」)についてのリーチ図柄に対する図柄差を示している。なお、リーチ図柄に対する図柄差「0」には判定値が割り振られない。図柄差「0」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。また、ダブルリーチ用のノーマルはずれ時中図柄選択用テーブルでは、リーチ図柄に対する図柄差「−2」にも判定値が割り振られない。ダブルリーチが発生した場合に図柄差「−2」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1035で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を中図柄と決定する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)が図18に示した「チャンス目」と記載された変動パターン(変動番号「27」〜「41」)であるか否かにもとづいて、チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1037)。なお、チャンス目が仮停止表示される場合、この実施の形態では、通常変動の停止時にチャンス目が仮停止表示され、その後にスーパーリーチに発展する演出が実行される。
チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであった場合は(ステップS1037のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目決定用乱数を抽出する(ステップS1038)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図81に示すシングルリーチ図柄に対応したチャンス目選択用テーブル(H−6)、または図82に示すダブルリーチ図柄に対応したチャンス目選択用テーブル(H−7)を用いてチャンス目を決定し格納する(ステップS1039)。例えば、ステップS1028またはS1033にて決定したリーチ図柄が「1」でシングルリーチとなる「1UH」「1CH」または「1LH」であったときは、図81に示すような、チャンス目(1C〜40C)のうち「1C」〜「10C」、「16C」〜「20C」、「26C」〜「30C」に判定値が割り振られているテーブルを用いて、チャンス目を決定する。また、例えば、S1028またはステップS1034にて決定したリーチ図柄が「2」「3」でダブルリーチとなる「3WH」であったときは、図82に示すような、チャンス目(1C〜40C)のうち「6C」〜「20C」、「26C」〜「30C」に判定値が割りふられているテーブルを用いて、チャンス目を決定する。
なお、リーチ図柄に対応したチャンス目選択用テーブルとしては、図81、図82に示すテーブル以外にも、リーチ図柄が「3」〜「7」のシングルリーチである場合に対応したテーブル、リーチ図柄が「3」「4」〜「6」「7」のダブルリーチである場合に対応したテーブルが設けられている。
図83および図84は、専用パターン確変図柄決定処理を示すフローチャートである。なお、専用パターン確変図柄決定処理は、図18〜図20において確変専用(確変大当り専用)の変動パターン(例えば、変動番号48の変動パターンなど)を示す変動パターンコマンドを受信したときに実行される処理である。
専用パターン確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1041)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1042)。ストーリーモード中であるときは(ステップS1042のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図19、図20において変動番号124、125の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1043)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1043のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1041で抽出した乱数値に従って、図102に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1044)。その後、処理を終了する。
シングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)には、確変図柄のうち中段のラインの確変図柄(1CF、3CF、5CF、7CF〜10CF)に複数の判定値が割り振られている。ストーリーモード中であって(ステップS1042のY)、トロッコリーチを含む変動パターンではないので(ステップS1043のN)、飾り図柄が中段の1ラインのみの表示となる。従って、シングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)は、確変図柄として中段の確変図柄である1CF、3CF、5CF、7CF〜10CFが選択されるように設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1041で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を確変図柄と決定する。
ステップS1042において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS1042のN)、または、ステップS1043において、トロッコリーチであった場合(ステップS1043のY)、この実施の形態では救済演出(はずれ図柄で仮停止した後に大当り図柄が導出表示される演出)が実行されることとなる。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、仮停止図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1045)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1046)。シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1046のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1041およびステップS1045で抽出した乱数値に従って、図94に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−4)を用いて仮停止図柄と最終停止図柄を決定し格納する(ステップS1047)。
ここで、「仮停止図柄」とは、救済演出が実行される前に仮停止表示される図柄のことをいう。また、「最終停止図柄」とは、救済演出が実行された後に導出表示される図柄のことをいう。
共通用大当り図柄選択用テーブル(F−4)は、図94に示すように、最終停止図柄を決定するためのテーブル(最終停止図柄テーブル)と、仮停止図柄(ここでは左右図柄)を決定するためのテーブル(仮停止図柄テーブル)とが設けられている。最終停止図柄テーブルには、図4に示した各大当り図柄のうち確変図柄(1UF、3UF、5UF、7UF、8UF、1LF、3LF、5LF、7LF、8LF、1CF、3CF、5CF、7CF、8CF、1SF、3SF、5SF、7SF、8SF、1AF、3AF、5AF、7AF、8AF)に複数の判定値が割り振られている。仮停止図柄テーブルは、最終停止図柄が「1UF」〜「8UF」の場合のテーブルと、「1LF」〜「8LF」の場合のテーブルと、「1CF」〜「8CF」の場合のテーブルと、「1SF」〜「8SF」の場合のテーブルと、「1AF」〜「8AF」の場合のテーブルとに分けられている。仮停止図柄テーブルに含まれる各テーブルには、非確変図柄および最終停止図柄と同一の確変図柄に複数の判定値が割り振られている。なお、この実施の形態では、最終停止図柄として「9UF」「10UF」「9LF」「10LF」「9CF」「10CF」「9SF」「10SF」「9AF」の確変図柄を使用していないが、最終停止図柄として使用するようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、最終停止図柄テーブルを用いて、ステップS1041で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を最終停止図柄(確変図柄)と決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した最終停止図柄に対応した仮停止図柄テーブルを用いて、ステップS1045で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を仮停止図柄(非確変図柄または確変図柄)と決定する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、ノーマルリーチを含む変動パターン(図19において変動番号48〜50の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1048)。ノーマルリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1048のN)、S1054の処理に移行する。ノーマルリーチを含む変動パターンであった場合(ステップS1048のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、中図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1049)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図95に示すノーマル用中図柄仮停止選択テーブル(F−5)を用いて中図柄を決定し格納する(ステップS1050)。
ノーマル用中図柄仮停止選択テーブル(F−5)は、図95に示すように、ノーマルリーチの種類(ノーマル13コマ、ノーマル16コマ、ノーマル19コマ)毎に分けられ、また、ステップS1047で決定された仮停止図柄がシングルリーチかダブルリーチかによって分けられている。各テーブルには、ステップS1047で決定された仮停止図柄に対する図柄差(「−14」〜「+1」)に対して複数の判定値が割り振られている。
ノーマル用中図柄仮停止選択テーブル(F−5)において、仮停止図柄に対する図柄差「0」には判定値が割り振られない。図柄差「0」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。また、ダブルリーチ用のノーマル用中図柄仮停止選択テーブルでは、仮停止図柄に対する図柄差「−2」にも判定値が割り振られない。ダブルリーチが発生した場合に図柄差「−2」の中図柄を決定すると、大当り図柄となってしまうからである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1049で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を中図柄と決定する。
例えば、ステップS1047において、共通用大当り図柄選択用テーブル(F−4)を用いて、最終停止図柄として「1UF」が決定され、仮停止図柄として「2UF」が決定され、また、ステップS1050において、ノーマル用中図柄仮停止選択テーブル(F−5)を用いて、リーチ図柄に対する図柄差「−2」が決定されたとする。この場合、上段のラインにはずれ図柄「212」(なお、中段のラインに「***」、下段のラインに「381」)が仮停止表示される。そして、救済演出が実行され、最終停止図柄として上段のラインに確変図柄「111」が導出表示されることになる。
ステップS1046において、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1046のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングルリーチを伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1051)。シングルリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1051のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1041およびステップS1045で抽出した乱数値に従って、図97に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(F−10)を用いて最終停止図柄と仮停止図柄を決定し格納する(ステップS1052)。その後、ステップS1054の処理に移行する。
シングル用大当り図柄選択用テーブル(F−10)は、図97に示すように、最終停止図柄を決定するためのテーブル(最終停止図柄テーブル)と、仮停止図柄(左右図柄)を決定するためのテーブル(仮停止図柄テーブル)とが設けられている。最終停止図柄テーブルには、図4に示した各大当り図柄のうちシングルリーチとなる確変図柄(1UF、3UF、5UF、7UF、8UF、1LF、3LF、5LF、7LF、8LF、1CF、3CF、5CF、7CF、8CF)に複数の判定値が割り振られている。仮停止図柄テーブルは、最終停止図柄が「1UF」〜「8UF」の場合のテーブルと、「1LF」〜「8LF」の場合のテーブルと、「1CF」〜「8CF」の場合のテーブルとに分けられている。仮停止図柄テーブルに含まれる各テーブルには、非確変図柄および最終停止図柄と同一の確変図柄に複数の判定値が割り振られている。なお、この実施の形態では、最終停止図柄として「9UF」「10UF」「9LF」「10LF」「9CF」「10CF」の確変図柄を使用していないが、最終停止図柄として使用するようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、最終停止図柄テーブルを用いて、ステップS1041で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を最終停止図柄(確変図柄)と決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した最終停止図柄に対応した仮停止図柄テーブルを用いて、ステップS1045で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を仮停止図柄(非確変図柄または確変図柄)と決定する。
なお、救済演出を実行するスーパーリーチの変動パターンでは、仮停止図柄の左右図柄に対する図柄差が指定されている。例えば、図19に示す変動番号「66」の変動パターンでは、「+1 地震救済」となっており、ステップS1052で決定された仮停止図柄の左右図柄に対する図柄差が「+1」であることを示す。このように変動パターンコマンドで指定される図柄差によって、仮停止図柄の中図柄が自動的に決定される。例えば、仮停止図柄が2UFで、変動パターンコマンドで特定される図柄差が「+1」のときは、上段に「232」の図柄が仮停止表示されることになる。その後、救済演出が実行され、最終停止図柄である確変図柄が導出表示されることになる。
ステップS1051において、シングルリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1051のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ダブルリーチを伴う変動パターン(ダブル後当たり)であると判断する。なお、ダブルリーチを伴う変動パターン(図18〜図20において「ライン」が「W」の変動パターン)においては、この実施の形態では先当りとはならず、必ず後当りとなる。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1041およびステップS1045で抽出した乱数値に従って、図100に示すダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−18)を用いて仮停止図柄と最終停止図柄を決定し格納する(ステップS1053)。その後、ステップS1054の処理に移行する。
ダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−18)は、図100に示すように、最終停止図柄を決定するためのテーブル(最終停止図柄テーブル)と、仮停止図柄(左右図柄)を決定するためのテーブル(仮停止図柄テーブル)とが設けられている。最終停止図柄テーブルには、図4に示した各大当り図柄のうちダブル後当りとなる確変図柄(1AF、3AF、5AF、7AF、8AF)に複数の判定値が割り振られている。仮停止図柄テーブルとして、最終停止図柄が「1AF」〜「8AF」の場合のテーブルだけが設定されている。仮停止図柄テーブルには、非確変図柄および最終停止図柄と同一の確変図柄に複数の判定値が割り振られている。なお、この実施の形態では、最終停止図柄として「9AF」の確変図柄を使用していないが、最終停止図柄として使用するようにしてもよい。また、先当りとなるようにしてもよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、最終停止図柄テーブルを用いて、ステップS1041で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を最終停止図柄(確変図柄)と決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、決定した最終停止図柄に対応した仮停止図柄テーブルを用いて、ステップS1045で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を仮停止図柄(非確変図柄または確変図柄)と決定する。
なお、仮停止図柄の中図柄は、変動パターンコマンドで指定される図柄差によって自動的に決定される。リーチはずれ図柄である仮停止図柄が仮停止表示された後に、救済演出が実行され、最終停止図柄である確変図柄が導出表示される。
ステップS1054において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1054)。なお、チャンス目が仮停止表示される場合、この実施の形態では、通常変動の停止時にチャンス目が仮停止表示され、その後にスーパーリーチに発展する演出が実行される。
チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであった場合は(ステップS1054のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目決定用乱数を抽出する(ステップS1055)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図81、図82に示すリーチ図柄(大当り図柄)に対応したチャンス目選択用テーブル(H−6またはH−7)を用いてチャンス目を決定し格納する(ステップS1056)。例えば、ステップS1047、S1052、S1053にて決定した大当り図柄が「1UF」「1CF」または「1LF」であったときは、図81の上図に示すような、チャンス目(1C〜40C)のうち「1C」〜「10C」、「16C」〜「20C」、「26C」〜「30C」に判定値が割り振られているテーブルを用いて、チャンス目を決定する。
図85及び図86は、非確変図柄決定処理を示すフローチャートである。なお、非確変図柄決定処理は、図18〜図20において通常専用(非確変大当り専用)の変動パターン(例えば、変動番号55の変動パターンなど)を示す変動パターンコマンドを受信したときや、図18〜図20において通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンを示す変動パターンコマンド(専用パターン以外)を受信するとともに、図柄情報指定コマンドとして通常大当り指定コマンド(8C01(H))または確変大当り2、3指定コマンド(8C03(H)、8C04(H))を受信したときに非確変図柄を決定するときに実行される処理である。
非確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1061)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1062)。ストーリーモード中であるときは(ステップS1062のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図19、図20において変動番号122、123の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1063)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1063のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値に従って、図101に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−7)を用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS1064)。その後、処理を終了する。
シングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−7)には、非確変図柄のうち中段のラインの非確変図柄(2CF、4CF、6CF)に複数の判定値が割り振られている。ストーリーモード中であって(ステップS1062のY)、トロッコリーチを含む変動パターンではないので(ステップS1063のN)、飾り図柄が中段の1ラインのみの表示となる。従って、シングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−7)は、非確変図柄として中段の確変図柄である2CF、4CF、6CFが選択されるように設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を非確変図柄と決定する。
ステップS1062において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS1062のN)、または、ステップS1063において、トロッコリーチであった場合(ステップS1063のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1065)。シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1065のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値に従って、図92に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−1)を用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS1066)。その後、ステップS1068の処理に移行する。
共通用大当り図柄選択用テーブル(F−1)には、図4に示した各大当り図柄のうち非確変図柄(2UF、2LF、2CF、2SF、4UF、4LF、4CF、4SF、6UF、6LF、6CF、6SF)に複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を非確変図柄と決定する。
ステップS1065において、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1065のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、この実施の形態では、必ずダブルリーチ(後当たり)になるので、ダブルリーチを伴う変動パターン(ダブル後当たり)であると判断する。このとき、演出制御マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値に従って、図98に示すダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−15)を用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS1067)。その後、ステップS1068の処理に移行する。
ダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−15)には、非確変図柄のうちダブル後当りとなる図柄(2AF、4AF、6AF)に複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1061で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を非確変図柄と決定する。
ステップS1068において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1068)。なお、チャンス目が仮停止表示される場合、この実施の形態では、通常変動の停止時にチャンス目が仮停止表示され、その後にスーパーリーチに発展する演出が実行される。
チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであった場合は(ステップS1068のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目決定用乱数を抽出する(ステップS1069)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図81、図82に示すリーチ図柄(大当り図柄)に対応したチャンス目選択用テーブル(H−6またはH−7)を用いてチャンス目を決定し格納する(ステップS1070)。その後、処理を終了する。
図87は、突然確変図柄決定処理を示すフローチャートである。なお、突然確変図柄決定処理は、図20に示す変動番号126〜137の変動パターンを示す変動パターンコマンドを受信したときに実行される処理である。
突然確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1081)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、特殊図柄で突然確変となる変動パターン(図20において変動番号128〜133、135〜137の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1082)。特殊図柄で突然確変となる変動パターンでない場合(ステップS1082のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図88(A)に示す突然確変図柄選択用テーブル(F−25)を用いて突然確変図柄を決定し格納する(ステップS1083)。
突然確変図柄選択用テーブル(F−25)には、図6に示した突然確変図柄1T〜6T(突確用のチャンス目、突確類似図柄を除く)の判定値が略均等に割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を突然確変図柄と決定する。
特殊図柄で突然確変となる変動パターンである場合(ステップS1082のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1084)。ストーリーモード中であるときは(ステップS1084のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図20において変動番号133、137の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1085)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1085のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1081で抽出した乱数値に従って、図88(C)に示すシングル用突然確変図柄選択用テーブル(特殊図柄)(F−27)を用いて突然確変図柄を決定し格納する(ステップS1086)。その後、処理を終了する。
シングル用突然確変図柄選択用テーブル(F−27)には、図7に示す特殊図柄の突然確変図柄のうち中段のラインの突然確変確変図柄(33T、38T、43T、48T、53T)に複数の判定値が略均等に割り振られている。ストーリーモード中であって(ステップS1084のY)、トロッコリーチを含む変動パターンではないので(ステップS1085のN)、飾り図柄が中段の1ラインのみの表示となる。従って、シングル用突然確変図柄選択用テーブル(F−27)は、突然確変図柄として中段の確変図柄である33T、38T、43T、48T、53Tが選択されるように設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1081で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を突然確変図柄と決定する。
ステップS1084において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS1084のN)、または、ステップS1085において、トロッコリーチであった場合(ステップS1085のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1081で抽出した乱数値に従って、図88(B)に示す突然確変図柄選択用テーブル(特殊図柄)(F−26)を用いて突然確変図柄を決定し格納する(ステップS1087)。その後、処理を終了する。
突然確変図柄選択用テーブル(F−26)には、図7に示した特殊図柄の突然確変図柄(31T〜33T、35T〜55T)に複数の判定値が略均等に割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1081で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を突然確変図柄と決定する
図89は、兼用パターン飾り図柄決定処理を示すフローチャートである。兼用パターン飾り図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した図柄情報指定コマンドにおいて、通常大当り指定コマンド(8C01(H))、確変大当り2指定コマンド(8C03(H))または確変大当り3指定コマンド(8C04(H))が指定されているかどうかを確認する(ステップS671)。それらの内容が指定されているときは(ステップS671のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、非確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が非確変図柄であること)を示す非確変大当り決定フラグをセットする(ステップS672)。そして、図85、図86に示す非確変図柄決定処理を実行する(ステップS673)。
図柄情報指定コマンドが通常大当り指定コマンドまたは確変大当り2、3指定コマンドでない場合は(ステップS671のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが決定されたこと(変動停止時の大当り図柄が確変図柄であること)を示す確変大当り決定フラグをセットする(ステップS674)。そして、兼用パターン確変図柄決定処理を実行する(ステップS675)。
図90、図91は、兼用パターン確変図柄決定処理を示すフローチャートである。なお、兼用パターン確変図柄決定処理は、図18〜図20において通常・確変兼用の変動パターン(例えば、変動番号42の変動パターンなど)を示す変動パターンコマンドを受信するとともに、図柄情報指定コマンドとして確変大当り1指定コマンドを受信したときに実行される処理である。
兼用パターン確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS1131)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS1132)。ストーリーモード中であるときは(ステップS1132のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図19、図20において変動番号122、123の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS1133)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS1133のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値に従って、図102に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1134)。その後、処理を終了する。
ステップS1132において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS1132のN)、または、ステップS1133において、トロッコリーチであった場合(ステップS1133のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1135)。シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1135のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値に従って、図93に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1136)。その後、ステップS1140の処理に移行する。
ステップS1135において、シングル・ダブル共通のリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1135のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、シングルリーチを伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1137)。シングルリーチを伴う変動パターンであった場合は(ステップS1137のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値に従って、図96に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(F−8)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1138)。その後、ステップS1140の処理に移行する。
シングル用大当り図柄選択用テーブル(F−8)は、図4に示した各大当り図柄のうち確変図柄(1UF、1LF、1CF、3UF、3LF、3CF、5UF、5LF、5CF、7UF、7LF、7CF、8UF、8LF、8CF、9UF、9LF、9CF、10UF、10LF、10CF)に複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を確変図柄と決定する。
ステップS1137において、シングルリーチを伴う変動パターンでなかったときは(ステップS1137のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ダブルリーチを伴う変動パターン(ダブル後当たり)であると判断する。このとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値に従って、図99に示すダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−16)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS1139)。その後、ステップS1140の処理に移行する。
ダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−16)は、図4に示した各大当り図柄のうち確変図柄(1AF、3AF、5AF、7AF、8AF、9AF)に複数の判定値が割り振られている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS1131で抽出した乱数値と一致する判定値の図柄を確変図柄と決定する。
ステップS1140において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであるかどうかを判定する(ステップS1140)。なお、チャンス目が仮停止表示される場合、この実施の形態では、通常変動の停止時にチャンス目が仮停止表示され、その後にスーパーリーチに発展する演出が実行される。
チャンス目の仮停止を伴う変動パターンであった場合は(ステップS1140のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、チャンス目決定用乱数を抽出する(ステップS1141)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、抽出した乱数値に従って、図81、図82に示すリーチ図柄(大当り図柄)に対応したチャンス目選択用テーブル(H−6またはH−7)を用いてチャンス目を決定し格納する(ステップS1142)。そして、処理を終了する。
図103は、仮決定図柄決定処理(ステップS635)を示すフローチャートである。仮決定図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS681)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS682)。ストーリーモード中であるときは(ステップS682のY)、受信した変動パターンコマンドの内容(ステップS617でセーブした変動パターン)にもとづいて、トロッコリーチを含む変動パターン(図19、図20において変動番号122、123の変動パターン)であるか否かを判定する(ステップS683)。トロッコリーチを含む変動パターンでなかったときは(ステップS683のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS681で抽出した乱数値に従って、図101に示すシングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−7)を用いて非確変図柄を決定し格納する(ステップS684)。
ステップS682において、ストーリーモード中でなかったときは(ステップS682のN)、または、ステップS683において、トロッコリーチであった場合(ステップS683のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS681で抽出した乱数値に従って、図92に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−1)を用いて非確変図柄を仮決定し格納する(ステップS685)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄情報指定コマンドが未受信であることを示すコマンド未受信フラグをセットする(ステップS686)。
図104は、取りこぼし時確変図柄決定処理(ステップS640)を示すフローチャートである。取りこぼし時確変図柄決定処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り図柄決定用乱数を抽出する(ステップS691)。次に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、乱数値に従って、図93に示す共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)を用いて確変図柄を決定し格納する(ステップS692)。このように決定された確変図柄が大当り遊技開始後の再抽選演出にて導出表示される確変図柄である。
図105は、メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、変動パターンコマンドが受信されたことを示す変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するコマンド解析処理におけるステップS618で設定される。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):飾り図柄の変動が開始されるように制御する。また、変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。
飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。
飾り図柄変動停止処理(ステップS803):変動時間タイマがタイムアウトしたことに応じて、飾り図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を導出表示する制御を行う。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、大当り表示の制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。また、突然確変大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、2ラウンド用演出を実行する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。なお、所定のラウンド中に再抽選演出を実行することもある。この実施の形態では、再抽選演出を実行するラウンドは予め決められているものとする(例えば7ラウンドあるいは15ラウンド)。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後コマンドを受信したら、インターバル表示等を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):大当り遊技の終了後の大当り終了表示の制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。なお、エンディング演出中に再抽選演出を実行することもある。
図106は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、変動パターンを構成する各変動態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動態様での変動時間が設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動態様で飾り図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図106に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンのそれぞれに応じて用意されている。
ストーリーモード、及び、通常モード(ストーリーモード以外のモード)において実行される特別演出(トロッコリーチ)を含む変動パターンであっても、ストーリーモード中であるか否かに応じて異なるプロセステーブルが使用される。即ち、ストーリーモード中にトロッコリーチとなったときは、後述するつなぎ演出(図121参照)のプロセスデータを含むプロセステーブルが使用される。
この実施の形態では、一つの変動パターンコマンドに対して、複数のプロセステーブルが用意される。演出制御用マイクロコンピュータ100が、同じ変動パターンコマンドを受信した場合でも、前回の演出で使用されたプロセステーブルの種別に応じて、異なるプロセステーブルが選択されることがある。例えば、ストーリーモード中において、同じ変動パターンコマンドを受信した場合であっても、前回の演出で使用されたプロセステーブルによるストーリーと、今回の演出で使用するプロセステーブルによるストーリーとがつながるように、プロセステーブルが選択される。キャラクタが歩くストーリー演出を行う場合では、キャラクタの進行方向に宝箱が現れる演出がなされるようにプロセステーブルが選択される。また、ストーリーがつながらないプロセステーブルを使用する場合には、つなぎ演出を含むプロセステーブルが使用されるように制御される。例えば、キャラクタが山を歩くストーリー演出から、キャラクタが海中を歩くストーリー演出をするときに、つなぎ演出によってストーリーをつなげる制御がなされる。
図107は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS811)。セットされていたら、そのフラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動番号、変動時間)にもとづいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS813)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する(ステップS814)。
図108は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、ストーリーモード中であるか否かを判定する(ステップS851)。ストーリーモード中でない場合(ステップS851のN)、後述するステップS862に移行する。ストーリーモード中である場合(ステップS851のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、進行方向図柄決定用乱数を抽出する(ステップS852)。続いて、演出制御用マイクロコンピュータ100は、前回格納した進行方向(ステップS860参照)が右であったか否かを判定する(ステップS853)。前回の進行方向が右であった場合(ステップS853のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動番号など)にもとづいて、大当り用の変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップS854)。大当り用の変動パターンコマンドであった場合(ステップS854のY)、進行方向テーブルとして、図109(A)に示す進行方向テーブルAを選択する(ステップS855)。ステップS854にて大当り用の変動パターンコマンドでなかった場合(ステップS854のN)、進行方向テーブルとして、図109(B)に示す進行方向テーブルBを選択する(ステップS856)。
一方、ステップS853にて、前回の進行方向が左であった場合も(ステップS853のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドで指定された内容(変動番号など)にもとづいて、大当り用の変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップS857)。大当り用の変動パターンコマンドであった場合(ステップS857のY)、進行方向テーブルとして、図109(C)に示す進行方向テーブルCを選択する(ステップS858)。ステップS857にて大当り用の変動パターンコマンドでなかった場合(ステップS857のN)、進行方向テーブルとして、図109(D)に示す進行方向テーブルDを選択する(ステップS859)。
このようにテーブルを選択して、はずれの場合、高い割合で前回と同じ方向にキャラクタが進む演出を行うことで、演出の連続性を保っている。また、大当りの場合は、はずれの場合よりも高い割合で前回と異なる方向が選択されるので、方向転換により大当りを予告することができる。
ステップS860において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS852で抽出した乱数値に従って、ステップS855、S856、S858、またはS859において選択した進行方向テーブルを用いて進行方向を決定し格納する(ステップS860)。そして、使用する変動パターン及び進行方向に応じたプロセステーブルを選択して(ステップS861)、ステップS863の処理に移行する。このとき、トロッコリーチを含む変動パターンである場合、後述するつなぎ演出(図121参照)のプロセスデータを含むプロセステーブルが選択される。
ステップS862において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS862)。そして、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS863)。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知を行っていることを示す異常報知中フラグがセットされていないことを条件に(ステップS864のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS865)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプの点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、変動中の所定のタイミングで飾り図柄の仮停止図柄を仮停止表示させるときは、コマンド解析処理において格納された飾り図柄の仮停止図柄を仮停止表示させる制御を行う。
異常報知中フラグがセットされている場合には(ステップS864のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスデータ1のうち表示制御実行データ1のみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS866)。つまり、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。なお、可変表示に応じたランプの表示パターンや音演出の効果音と異常入賞の報知に応じたランプの表示パターンや警報音(報知音)とが別チャンネルに設定され、それらのランプ表示を同時に行い音を同時に音出力することが可能であれば、ステップS865とステップS866の処理を分ける必要はない。
また、ステップS866の処理を行うときに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、単に表示制御実行データ1にもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。つまり、可変表示装置9におけるそのときの表示(異常入賞の報知がなされている。)と、飾り図柄の可変表示の表示演出の画像とが、同時に可変表示装置9において表示されるように制御する。すなわち、異常報知中フラグがセットされているとともに異常入賞報知1指定コマンドを所定回数(例えば3)以上受信している場合には、飾り図柄の新たな可変表示が開始される場合に、その可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマ(飾り図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS867)、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値に更新する(ステップS868)。
図110は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。飾り図柄変動中処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動時間タイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS831)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示す値に更新する(ステップS840)。
変動時間タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマを1減算するとともに(ステップS832)、変動時間タイマを1減算する(ステップS833)。また、異常報知中フラグがセットされていないことを条件に(ステップS834のN)、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)に対する制御状態を変更する(ステップS835)。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するためのプロセスデータ(再抽選演出が含まれているプロセスデータ)の内容に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行することにより、変動中の再抽選演出を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリー演出を実行するためのプロセスデータ(ストーリー演出が含まれているプロセスデータ)の内容に従って演出装置の制御を実行することにより、変動中のストーリー演出を実行し、特別演出(トロッコリーチの演出)を実行するためのプロセスデータ(特別演出が含まれているプロセスデータ)の内容に従って演出装置の制御を実行することにより、変動中の特別演出を実行し、つなぎ演出を実行するためのプロセスデータ(つなぎ演出が含まれているプロセスデータ)の内容に従って演出装置の制御を実行することにより、変動中のつなぎ演出を実行する。
異常報知中フラグがセットされている場合には(ステップS834のY)、プロセスデータi(iは2〜nのいずれか)のうち表示制御実行データiのみの内容に従って演出装置の制御を実行する(ステップS836)。よって、異常報知中フラグがセットされている場合には、飾り図柄の可変表示に応じたランプの表示演出や音演出が実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じたランプの表示や音出力が継続される。
また、ステップS836の処理が行われるときに、演出制御用CPU101は、単に表示制御実行データiにもとづく指令をVDP109に出力するのではなく、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて「重畳表示」を行うための指令もVDP109に出力する。よって、異常報知中フラグがセットされているとともに異常入賞報知1指定コマンドを所定回数(例えば3)以上受信している場合には、飾り図柄の可変表示に応じた表示演出のみが実行されるのではなく、異常入賞の報知に応じた報知も継続される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS837)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS838)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS839)。
図111は、演出制御プロセス処理における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。飾り図柄変動停止処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止指定コマンド)を受信しているか否か確認する(ステップS841)。飾り図柄停止指定コマンドを受信していれば、コマンド解析処理において格納された飾り図柄の停止図柄を停止表示させる制御を行う(ステップS842)。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの飾り図柄停止指定コマンドの受信に応じて飾り図柄を停止表示する制御を行うが、このような構成に限られず、変動時間タイマがタイムアウトしたことにもとづいて飾り図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560が飾り図柄停止コマンドを送信する処理が不要となり、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担が軽減される。
ステップS842で停止表示された飾り図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)である場合は(ステップS843のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレ受信フラグがセットされたか否か確認する(ステップS844)。ファンファーレ受信フラグがセットされたときは(ステップS844のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、格納されたファンファーレコマンドの内容と格納された変動パターンの内容(突然確変突入演出が実行されたか)にもとづいて、ファンファーレ演出または2ラウンド用演出(突然確変突入演出に応じた2ラウンド用演出)のいずれかを選択する(ステップS845)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、選択したファンファーレ演出または2ラウンド用演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS846)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS847)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS848)。
ステップS842で停止表示された飾り図柄の停止図柄が大当り図柄(非確変図柄、確変図柄、突然確変図柄)でない場合、すなわち、はずれ図柄である場合(ステップS843のN)は、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定のフラグをリセットする(ステップS849)。例えば、飾り図柄停止指定コマンドに応じたフラグがセットされるときは、そのようなフラグなどをリセットする。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する(ステップS850)。
図112は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901)。なお、大入賞口開放中フラグは、コマンド解析処理でセットされる。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS902)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、15ラウンド大当りの場合は、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、例えば、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、15ラウンド用の大入賞口開放中コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出(ラウンド数に応じたラウンド表示を実行する演出)を選択する(ステップS907)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放中コマンドを受信したときは、ラウンド中も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド毎に2ラウンド用演に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド毎に新たに選択するようにしてもよい。次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS908)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS909)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS910)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS911)。
図113は、演出制御プロセス処理におけるラウンド中処理(ステップS805)を示すフローチャートである。ラウンド中処理において、まず、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドを受信したことを示す大入賞口開放後フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS921)。なお、大入賞口開放後フラグはコマンド解析処理でセットされる。大入賞口開放後フラグがセットされていないときは(ステップS921のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS922)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS923)。例えば、可変表示装置9において大当り表示図柄を表示するとともに、ラウンド数を示す文字やその他のキャラクタなどを表示する演出が実行される。また、2ラウンド用演出では、特殊な文字やキャラクタなどを表示させる演出が実行される。なお、大当り遊技中に再抽選演出を実行することとされているとき(大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき)は、所定のラウンド(例えば7ラウンドや15ラウンドなど)のラウンド中演出において再抽選演出が実行される。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS924)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS925)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS926)。
ステップS921において大入賞口開放後フラグがセットされているときは(ステップS921のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後コマンドの内容にもとづいてインターバル演出(ラウンド数に応じたインターバル表示を行う演出)を選択する(ステップS927)。なお、2ラウンド用の大入賞口開放後コマンドを受信したときは、ラウンド後も継続して2ラウンド用演出が実行されているので、新たに演出を選択する必要はないが、ラウンド後に2ラウンド用演出に含まれる演出を切り替えたりするとき(例えば2ラウンド用演出の表示画面を切り替えたりするとき)は、2ラウンド用演出に含まれる演出をラウンド後に新たに選択するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放後フラグをリセットし(ステップS928)、選択したインターバル演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS929)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS930)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に設定する(ステップS931)。
図114および図115は、演出制御プロセス処理におけるラウンド後処理(ステップS806)を示すフローチャートである。ラウンド後処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、エンディングフラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS940)。エンディングフラグがセットされていないときは(ステップS940のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口開放中コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS941のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS942)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ28a〜28c等)の制御を実行する(ステップS943)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS944)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS945)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS946)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS941のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り中(ラウンド中)に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS947)。具体的には、再抽選演出を実行することを示す図柄指定コマンドまたはファンファーレコマンドを受信したことにより、大当り中再抽選実行フラグがセットされているとき(さらに再抽選演出を実行すると予め定められたラウンドであるとき)は、大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
大当り中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS947のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するラウンド中演出を選択する(ステップS948)。そして、再抽選実行済フラグをセットする(ステップS949)。一方、大当り中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS947のN)、再抽選演出を実行しないラウンド中演出を選択する(ステップS950)。
次いで、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS951)、ラウンド中演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS952)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS953)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS954)。
ステップS940においてエンディング受信フラグがセットされたときは(ステップS940のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があるかどうかを判定する(ステップS955)。具体的には、エンディング再抽選実行フラグがセットされているときや、大当り中再抽選実行フラグがセットされているにもかかわらず、再抽選演出を大当り中(ラウンド中)に実行したことを示す再抽選実行済フラグがセットされていないときは(ステップS949参照)、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断する。
エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要があると判断したときは(ステップS955のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、再抽選演出を実行するエンディング演出を選択する(ステップS956)。一方、エンディング演出中に再抽選演出を実行する必要がないと判断したときは(ステップS955のN)、再抽選演出を実行しないエンディング演出を選択する(ステップS957)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、エンディング受信フラグをリセットし(ステップS958)、エンディング演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS959)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS960)、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(ステップS807)に対応した値に設定する(ステップS961)。
図116は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS971)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS972)。例えば、大当りが終了することを表示したり、エンディング演出において再抽選演出が含まれているときは、再抽選演出を実行する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS973)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、所定のフラグ(確変大当り決定フラグ、通常大当り決定フラグ、突然確変大当り決定フラグ、大当り中再抽選実行フラグ、エンディング再抽選実行フラグなど)をリセットし(ステップS974)、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に設定する(ステップS975)。
図117は、可変表示装置9に表示される報知画面の例を示す説明図である。図117(A)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、初期化指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する初期画面の例が示されている。図117(B)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、停電復旧指定コマンドの受信に応じて可変表示装置9に表示する停電復旧画面の例が示されている。図117(C)には、演出制御用マイクロコンピュータ100が、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて可変表示装置9に表示する異常報知画面の例が示され、かつ、飾り図柄の変動が開始されても、異常報知画面の表示が継続されることが示されている(図117(C)の右側参照)。
次に、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の演出態様について説明する。図118は、可変表示装置9において実行される大当り図柄の再抽選演出の表示例を示す説明図である。図118に例示するような表示演出は、演出制御用マイクロコンピュータ100によって遊技制御用マイクロコンピュータ560から送られる演出制御コマンドにもとづいて実行される。なお、図118における表示例は、エンディング演出中に再抽選演出が実行される場合を示す。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンド以外の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のN)、受信した変動パターンコマンドにもとづいて、はずれ、大当り、および大当り種別を判定して、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS620)。一方、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信した場合は(ステップS619のY)、その後に受信する図柄情報指定コマンドにもとづいて、確変大当りか通常大当りかを判定し、それに応じた飾り図柄の停止図柄を決定する(ステップS621)。
しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまうこともある。この場合は、演出制御用マイクロコンピュータ100が、確変大当りか通常大当りかを判断することができず、飾り図柄の停止図柄を決定することができないことになってしまう。そこで、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS632のY、S633のN、S634のN)、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄(仮決定図柄)を仮決定する(ステップS635)。仮決定図柄は、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信していた場合は、非確変図柄である。
このように、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信していた場合に非確変図柄を決定するようにしたのは、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が確変大当りであったと判別したときは、その後の再抽選演出で非確変図柄を確変図柄に昇格させればよいが、飾り図柄の変動終了時に確変図柄を導出表示した後に、大当り種別が通常大当りであったと判別したときは、確変図柄を非確変図柄に降格させなければならず、このような演出は遊技者を落胆させ、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがあるからである。
図118の例では、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合、飾り図柄の停止図柄として非確変図柄「444」を仮に決定し、飾り図柄の変動終了時に非確変図柄「444」を導出表示(仮停止表示)している。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS638、S639)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、再抽選演出にて導出表示される確変図柄を決定し(ステップS640)、再抽選演出を実行するタイミングを決定する(ステップS641〜S645)。なお、図118の例では、エンディング演出中に再抽選演出を実行することに決定されたものとする。
図118に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ファンファーレコマンドの受信にもとづいて大当り遊技を開始し、そして大入賞口開放中コマンドの受信にもとづいて各ラウンドの演出(ラウンド中演出)を順に実行し、また大入賞口開放後コマンドの受信にもとづいてラウンド間の演出(インターバル演出)を順に実行していく。そして、エンディングコマンドの受信にもとづいて大当り終了を報知するエンディング演出を実行する。図118に示す例では、エンディング演出において再抽選演出が実行される。具体的には、左・中・右の飾り図柄が同一図柄で揃った状態で再変動が開始され、その後に確変図柄(図118の例では「777」)が導出表示される演出が実行されている。そして、確変状態に突入(移行)することが遊技者に報知されている。
図119は、可変表示装置9において実行されるストーリー演出の表示例を示す説明図である。図119(A)はストーリー演出を行うストーリーモード中であることを示している。図119(A)に示すように、ストーリーモード中は、可変表示装置9において、キャラクタなどによるストーリー演出を行うとともに、1ラインの飾り図柄を表示させる。このストーリーモード中に、図18において変動番号3に示される「時短時通常変動」の変動パターンコマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図119(B)に示すように、通常変動なのでキャラクタが歩いているだけのストーリー演出を行うとともに、1ラインの飾り図柄を変動表示させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、左図柄選択用テーブル(JT−1)、右図柄選択用テーブル(JT−2)、及び、中図柄選択用テーブル(JT−3またはJT−4)を用いてリーチ無はずれ図柄を決定し(ステップS1001、ステップS1009〜ステップS1015)、図119(C)に示すように、決定したリーチ無はずれ図柄を導出表示する。
続いて、ストーリーモードが継続しているときに、図20において変動番号113に示される「宝箱 ならでは当り」の変動パターンコマンド(確変大当り専用)を受信したとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図119(D)に示すように、宝箱を登場させるストーリー演出を行うとともに、1ラインの飾り図柄を変動表示させる。ストーリーモード中は、「時短時通常変動」以外の変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンコマンドに対応したストーリーが発展する。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)、を用いて確変図柄を決定する(ステップS1041〜ステップS1044)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図119(E)に示すように、例えば宝箱に宝が入っているストーリー演出によって大当りであることを報知するともに、決定した確変図柄を導出表示する。
一方、ストーリーモード中に、図20において変動番号102に示される「宝箱 はずれ」の変動パターンコマンドを受信したとき、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図119(D)に示すように、宝箱を登場させるストーリー演出を行うとともに、1ラインの飾り図柄を変動表示させる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、シングル用リーチ図柄選択用テーブル(BH−2)、及び、はずれリーチ時中図柄選択用テーブル(BH−3)を用いてリーチ有りはずれ図柄を決定する(ステップS1021〜ステップS1026)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図119(F)に示すように、例えば宝箱に蛇が入っているストーリー演出によってはずれであることを報知するともに、飾り図柄の停止図柄としてリーチ有はずれ図柄「737」を導出表示する。
このように、ストーリーモード中は、複数回の変動にわたってストーリーを展開することができる。
図120は、可変表示装置9において実行される通常モード(ストーリーモード以外のモード)の表示例を示す説明図である。図120(A)は通常モードにおける変動前の状態を示している。このとき、図19において変動番号72に示される「トロッコ 先当り」の変動パターンコマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図120(B)に示すように、可変表示装置9の飾り図柄の変動表示を開始する。そして、確変大当り1指定コマンド(8C02(H))を受信したことに対応して(ステップS671のN)、兼用パターン確変図柄決定処理(ステップS675)を実行し、共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)を用いて、確変図柄を決定する(ステップS1136)。
その後、図120(C)に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変図柄のリーチを表示し、さらに、図120(D)〜(F)に示すように、トロッコリーチの特別演出を行う。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図120(G)に示すように、決定した確変図柄を導出表示する。
図121は、可変表示装置9において実行されるストーリーモード中に通常モードと共通のトロッコリーチの特別演出を行う際の表示例を示す説明図である。図121(A)はストーリー演出を行うストーリーモード中であることを示している。ストーリーモード中に、図20において変動番号122に示される「トロッコ 先当り」の変動パターンコマンドを受信すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図121(B)に示すように、変動パターンコマンドに応じたストーリー演出を行うとともに、1ラインの飾り図柄を変動表示させる。
この実施の形態では、ストーリーモード中に特別演出を実行するときに、ストーリー演出と特別演出とを違和感なくつなげるためのつなぎ演出を実行する。そのために、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中にトロッコリーチの特別演出を含む変動パターンコマンドを受信すると、つなぎ演出のプロセスデータを含むプロセステーブルを選択する(ステップS861)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、図121(C)及び(D)に示すような、キャラクタがトロッコを発見し、そのトロッコに乗って移動するつなぎ演出が実行される。
その後、図120で示した例と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図121(E)〜(G)に示すように、トロッコリーチの特別演出を行い、図120(H)に示すように、ステップS1134にて決定した確変図柄を導出表示する。
図122は、可変表示装置9において特殊図柄の表示例を示す説明図である。図122(A)に示すように、可変表示装置9の飾り図柄の変動表示が開始され、図122(B)に示すように可変表示装置9の左領域に特殊図柄が導出表示された後に、図122(C)に示すように右領域に特殊図柄以外の飾り図柄が導出表示されるとはずれである。また、図122(D)に示すように右領域に特殊図柄が導出表示され、特殊図柄のリーチとなると大当りが確定する。さらに、図122(E)に示すように中領域に所定の図柄以外の飾り図柄(「1」「2」「4」「5」「6」)が導出表示されると突然確変大当りとなる。また、図122(F)に示すように中領域に所定の図柄(「3」「7」「7(白抜き)」)が導出表示されると確変大当りとなる。このように、特殊図柄でリーチとなると大当り(突然確変大当りまたは確変大当り)となることが確定するので、遊技性の向上が図れる。
図123は、ステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。報知制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期報知フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1011)。初期報知フラグは、遊技制御用マイクロコンピュータ560から初期化指定コマンドを受信した場合にセットされている(図61におけるステップS650参照)。初期報知フラグがセットされていない場合には、ステップS1016に移行する。初期報知フラグがセットされている場合には、ステップS664で設定された期間タイマの値を−1する(ステップS1012)。そして、期間タイマの値が0になったら、すなわち初期報知期間が経過したら(ステップS1013のY)、初期報知フラグをリセットする(ステップS1014)。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において初期画面または停電復旧画面を消去させるための指令をVDP109に出力する(ステップS1015)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9から初期画面または停電復旧画面を消去する。その後、ステップS1016に移行する。
ステップS1016では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知2指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知2指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1016)。セットされていなければ(ステップS1016のN)、ステップS1018に移行する。異常入賞報知2指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS1016のY)、異常入賞報知2指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1017)、ステップS1022に移行する。すなわち、異常入賞報知2指定コマンドを受信したということは、大入賞口への異常入賞が検出された場合であるが、この場合、後述するステップS1022を実行することによって音出力のみによる異常入賞報知が実行される。
ステップS1018では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドを受信したことを示す異常入賞報知1指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1018)。セットされていなければ(ステップS1018のN)、そのまま処理を終了する。異常入賞報知1指定コマンド受信フラグがセットされている場合には(ステップS1018のY)、異常入賞報知1指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS1019)、異常入賞報知1受信カウンタの値を1加算する(ステップS1020)。異常入賞報知1受信カウンタは、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数をカウントするためのカウンタである。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1受信カウンタの値が1であるか否か(すなわち、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信したか否か)を確認する(ステップS1021)。異常入賞報知1受信カウンタの値が1であれば(ステップS1021のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
異常入賞報知1受信カウンタの値が1でなければ(ステップS1021のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1受信カウンタの値が2であるか否か(すなわち、異常入賞報知1指定コマンドを2回受信したか否か)を確認する(ステップS1023)。異常入賞報知1受信カウンタの値が2であれば(ステップS1023のY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1024)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1025)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
異常入賞報知1受信カウンタの値が2でなければ(すなわち、異常入賞報知1受信カウンタの値が3以上であれば(異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信していれば))(ステップS1023のN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1026)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1027)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1028)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図117(C)参照)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われるとともに、可変表示装置9に異常報知画面が重畳表示される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信したことにもとづいて、異常入賞報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドを受信したことにもとづいて異常入賞報知を開始した後にさらに異常入賞報知1指定コマンドを受信した場合には、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える。すなわち、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合には、音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する。また、異常入賞報知1指定コマンドを2回受信した場合には、音出力に加えてランプ表示を用いて異常入賞報知を実行する。さらに、異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信した場合には、ランプ表示および音出力に加えて、異常報知画面を重畳表示することによって異常入賞報知を実行する。
なお、この実施の形態で示した異常入賞報知の報知態様は一例であり、例えば、出力する異常報知音を変化させたり、ランプの表示パターン(例えば、点灯や点滅)を変化させることによって、異常入賞報知の報知態様を切り替えてもよい。また、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドの受信回数に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える場合を説明したが、異常入賞報知1指定コマンドを1回受信したときに、音出力に加えて異常報知画面表示およびランプ表示の全てを用いて異常入賞報知を行うようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドを1回受信すると、スピーカ27を用いた異常報知音の出力制御を行うとともに、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示させ、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合に音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する場合を示したが、異常入賞報知の組合せの態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合に、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示させてもよく、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行ってもよい。また、異常報知画面の重畳表示、音出力または各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示のうちのいずれか2つまたは全てを用いて異常報知演出を行ってもよい。
図124は、可変表示装置9における表示演出およびスピーカ27による音演出の状況の例を示す説明図である。図124(A)には、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示が行われているときの例が示されている。図124(B)には、可変表示装置9において初期化報知が行われている場合の例が示されている。
図124(C)には、可変表示装置9において異常報知が行われ、スピーカ27によって異常報知音の出力がなされている場合の例が示されている。なお、図124(C)では、異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信した場合における異常入賞報知の状況が示されている。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信している場合には、可変表示装置9に異常報知画面を表示する制御を行うとともに、ランプ25,28a,28b,28cを用いて異常報知表示(例えば、点滅表示)させる制御を行い、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。また、変動パターンコマンドの受信に応じて飾り図柄の可変表示が開始されても、可変表示装置9における異常報知画面の表示、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示、およびスピーカ27からの異常報知音の出力を継続させる。また、飾り図柄の可変表示が終了しても、可変表示装置9における異常報知画面の表示、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示、およびスピーカ27からの異常報知音の出力を継続させる。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は異常報知画面を消去する制御および異常報知音の出力を停止する制御を実行しないので、可変表示装置9における異常報知画面の表示、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示、およびスピーカ27からの異常報知音の出力は、遊技機に対する電力供給が停止するまで継続する。ただし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知画面の表示、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示、および異常報知音の出力が開始されてから所定時間が経過すると、異常報知画面の表示と異常報知音の出力とを停止するように制御してもよい。
なお、図124(C)では、異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信した場合における異常入賞報知の状況を示しているが、異常入賞報知1指定コマンドを1回だけ受信した場合には、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御のみが行われる。また、異常入賞報知1指定コマンドを2回受信した場合には、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知を表示する制御を行うとともに、スピーカ27から異常報知音を出力させる制御を行う。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間(初期化報知が実行されている期間)、異常入賞の検出を行わず、遊技制御用マイクロコンピュータ560から異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドが送信されることはない。しかし、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では4)未満のとき、または普通図柄プロセスフラグの値が所定値(この実施の形態では3)以外であるとともに入賞累積数カウンタの値が所定値(この実施の形態では5)以上のときには常時異常入賞の検出を行うようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に対する電力供給が開始されてから所定期間の間に異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信した場合には、異常入賞の報知を行わないようにしてもよい。
図125は、第2始動入賞口14への異常入賞を検出する検出タイミング、および異常入賞報知を実行する報知タイミングを示すタイミング図である。図125では、一例として、低ベース状態における開放パターンにもとづいて第2始動入賞口14が開閉される場合を示す。なお、高ベース状態における開放パターンにもとづいて第2始動入賞口14が開閉される場合も同様である。
図125に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14が開状態である場合(物理的に可変入賞球装置15が開いている状態と所定のインターバル期間(本例では1秒)の状態とを含む)において、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出した場合には、正常な入賞として処理を行う。第2始動入賞口14が開状態以外の状態である場合に(ステップS261参照)、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出した場合には(ステップS264参照)、異常な入賞と判断し、入賞累積数カウンタの値をカウントアップする(ステップS264A参照)。そして、第2始動入賞口14が開状態以外の状態において、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出した回数が累積して所定回数(本例では5回)に達すると(ステップS264B参照)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS265,S266参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドを受信したことにもとづいて、異常入賞報知を開始する。この場合、異常入賞報知1指定コマンドを初めて受信した場合には(ステップS1021参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御することによって異常入賞報知を実行する(ステップS1022参照)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞を検出し異常入賞報知1指定コマンドを送信した後に、再び第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに遊技球の入賞を検出した場合には、入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上である限り(ステップS264B参照)、繰り返し異常入賞報知1指定コマンドを送信する(ステップS265,S266参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1指定コマンドを受信した回数に応じて、異常入賞報知の報知態様を変更する。この場合、異常入賞報知1指定コマンドを2回目に受信した場合には(ステップS1023参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御することに加え、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示(例えば、点滅)を行うように制御することによって、異常入賞報知の報知態様を変更する(ステップS1024,S1025参照)。また、異常入賞報知1指定コマンドを3回以上受信した場合には(ステップS1023参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御すること、およびランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示(例えば、点滅)を行うように制御することに加えて、可変表示装置9に異常入賞報知画面を重畳表示する制御を行うによって、異常入賞報知の報知態様を変更する(ステップS1026〜S1028参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、リーチとなった時点で大当り(突然確変大当りまたは確変大当り)となることが確定する特殊図柄を用意したので、遊技性の向上を図ることができる。
また、この実施の形態によれば、リーチ無しハズレの場合であっても、上記特殊図柄が出現する割合が多くなっているので、大当りとなる期待を遊技者に抱かせることができ、遊技性の向上が図れる。
また、ストーリーモード中(特殊遊技状態)においては、通常の演出モードよりも頻繁に特殊図柄が出現するようになっているので、大当りとなる期待を遊技者によりいっそう抱かせることができ、遊技性の向上が図れる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15の開閉状態を判定し、可変入賞球装置15が開状態以外の状態であると判定されたときに、第2始動入賞口14への入賞の検出信号を入力したことにもとづいて、第2始動入賞口14に入賞した遊技球の入賞累積数を入賞累積数カウンタに記憶する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞数であるか否かを判定するための所定の異常入賞数基準値(本例では5)および入賞累積数カウンタに記憶する入賞累積数にもとづいて、異常入賞状態であるか否かを判定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞状態であると判定したときに、異常報知の実行を指示するための異常入賞報知1指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した異常入賞報知1指定コマンドにもとづいて、演出装置により異常報知を実行する。また、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能である。従って、可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施の形態によれば、入賞累積数にもとづいて異常入賞状態であるか否かを判定するので、例えば、可変入賞球装置15が閉状態であるときに偶然1回だけ入賞してしまった場合やノイズの影響によって過って入賞を検出してしまった場合に、異常入賞状態であると判定してしまう事態を防止できる。従って、誤動作で入賞異常の報知を行ってしまう事態を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞状態であると判定された後であっても、入賞累積数カウンタの値が5以上であれば、入賞累積数カウンタに記憶する入賞累積数が更新されるごとに異常入賞報知1指定コマンドを送信する。そのため、異常入賞があるごとに異常報知を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞状態であると判定した場合には、遊技球を払い出す制御の実行を禁止するように制御する。そのため、不正入賞に対する払い出しを禁止することができ、可変入賞球装置15に対する不正行為を防止することができる。また、不正行為によって第2始動入賞口14に入賞した可能性がある場合に、入賞にもとづく賞球払出をしないようにして遊技店に不利益が与えられることを防止できる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値にもとづいて可変入賞球装置15の開閉状態を判定する。そのため、可変入賞球装置15の開閉状態をの判定を正確に行うことができ、可変入賞球装置15に対する不正行為を的確に検知することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態に移行したときに、入賞累積数カウンタに記憶する入賞累積数をクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機への電力供給が停止されると、入賞累積数カウンタに記憶する入賞累積数をクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。また、遊技機の電源をオフにすることによって入賞累積数をクリアすることができ、異常報知のリセットを容易に行うことができる。
また、この実施の形態によれば、初期化報知を行っているときに、異常報知の開始を禁止するように制御する。そのため、初期化報知が入賞異常報知よりも優先して実行され、特別図柄の可変表示の表示結果を特定可能な情報を決定する数値に初期値が設定されたことを遊技機の外部で確実に認識することができる。
また、この実施の形態によれば、初期化報知が異常報知に対して優先されるので、初期化報知が認識しにくくなるような事態が生ずることが防止される。すなわち、目立つように初期化報知が行われる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき以外でも、プログラムを先頭番地(例えば、0000番地)から実行開始させるユーザリセットが発生したときには、初期化指定コマンドを送信する。ユーザリセットが発生する原因として、例えば、ウォッチドッグタイマを使用するように構成されている場合において、プログラムの円滑な進行を妨げるような不正行為によってウォッチドッグタイマがタイムアウトしたような場合がある。そのような不正行為は、特に、大当り図柄決定用乱数にもとづいて所定の大当り図柄(あらかじめ決められている確変大当り図柄や突然確変大当り図柄)が決定されたときに確変状態に制御するように構成されている場合に生じやすい。つまり、遊技制御用マイクロコンピュータ560を初期化して大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタを初期化させ、そのカウンタのカウント値を把握しやすくするような不正行為を受けやすい。この実施の形態のように、初期化報知を目立つようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化されたことを遊技機の外部から容易に把握できるので、不正行為がなされた可能性があることが容易に認識される。
また、この実施の形態では、通常時パターン決定処理(通常モードの変動パターン決定時)と時短時パターン決定処理(ストーリーモードの変動パターン決定時)において、共通の特別演出(例えばトロッコリーチ)を含む変動パターンを決定することができる。これにより、ストーリーモード中の演出に意外性を持たせることができる。
また、飾り図柄変動開始処理において、ストーリーモード中は、前回の演出(例えば進行方向)にもとづいてプロセステーブルが選択されるので、前回の演出と関連あるプロセステーブルを選択することができる。
また、ストーリーモード中に特別演出を実行するときに、ストーリー演出と特別演出とをつなぐ、つなぎ演出を実行するので、違和感のない自然な演出を実行することができる。
また、リーチ無ハズレ決定処理において、中図柄を決定するときに、左右図柄に応じたチャンス目とならない中図柄選択用テーブルを選択し、選択した中図柄選択用テーブルを用いて中図柄を決定するように構成されているので、左・中・右の図柄の組み合わせがチャンス目にならないと判定されたときに、はずれ図柄としてチャンス目が導出表示されるのを確実に防止することができる。
また、中図柄を決定するときに、チャンス目禁則用テーブルを用いて左右図柄に応じたチャンス目に類似の図柄(突確類似図柄)とならない中図柄選択用テーブルを選択し、選択した中図柄選択用テーブルを用いて中図柄を決定するように構成されているので、はずれ図柄としてチャンス目に似ている図柄が導出表示されるのも確実に防止することができ、遊技者にチャンス目が導出表示されたと誤解を与えないようにすることができる。
また、リーチ有ハズレ決定処理において、ノーマルリーチ後のはずれ図柄を決定するときに用いるノーマルはずれ時中図柄選択用テーブルよりも、スーパーリーチ後のはずれ図柄を決定するときに用いるスーパー発展時中図柄選択用テーブルの方が、高い割合で左右図柄に対する図柄差が少なくなるように判定値が振り分けられている。すなわち、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)では、図柄差「−1」「+1」に振り分けられている判定値の数は4または5であるが、図80に示すスーパー発展時中図柄選択用テーブル(H−5)では、図柄差「−1」「+1」に振り分けられている判定値の数は7または8である。従って、ノーマルリーチかスーパーリーチかといった変動パターンによって、例えば大当り図柄に近いリーチはずれ図柄(例えば1コマずれの惜しいはずれ図柄)となる割合を異ならせることができるようになる。
また、リーチ有ハズレ決定処理において、ストーリーモード中のはずれ図柄を決定するときに用いるはずれリーチ時中図柄選択用テーブルよりも、通常モード中のはずれ図柄を決定するときに用いる中図柄選択用テーブルの方が、高い割合で左右図柄に対する図柄差が少なくなるように判定値が振り分けられている。すなわち、図75に示すはずれリーチ時中図柄選択用テーブル(BH−3)では、図柄差「−3」〜「+2」に判定値が振り分けられていないが(ストーリーモード中では「*」が表示されないので、「−2」及び「+2」が表示上の1コマずれとなる)、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)では、図80に示すスーパー発展時中図柄選択用テーブル(H−5)では、図柄差「−1」「+1」にも判定値が振り分けられている。従って、ストーリーモード中では、通常モードより大当り図柄に近いリーチはずれ図柄(例えば1コマずれの惜しいはずれ図柄)となる割合を少なくすることができるようになる。
また、ノーマルリーチ後のはずれ図柄を決定するときに用いる、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)において、シングルリーチが成立するとき(図中の「S」)とダブルリーチが成立するとき(図中の「W」)とで、判定値の振分率の異なるテーブルを用いて、リーチ図柄に対する図柄差を決定し、中図柄を決定するようにしているので、リーチとなる有効ライン数によって、大当り図柄に近いリーチはずれ図柄(例えば1コマずれの惜しいはずれ図柄)となる割合を異ならせることができる。また、ダブルリーチのテーブルにおいてリーチ図柄に対する図柄差「−2」に対して判定値を振り分けないようにしているので、確実に大当り図柄が導出表示されてしまうのを防止することができる。
また、ノーマルリーチ後のはずれ図柄を決定するときに用いるノーマルはずれ時中図柄選択用テーブルよりも、救済演出の実行前の仮停止図柄を決定するときに用いるノーマル用中図柄仮停止選択テーブルの方が、高い割合で左右図柄に対する図柄差が少なくなるように判定値が振り分けられている。すなわち、図79に示すノーマルはずれ時中図柄選択用テーブル(H−4)では、図柄差「−1」「+1」に振り分けられている判定値の数は4または5であるが、図95に示すノーマル用中図柄仮停止選択用テーブル(F−5)では、図柄差「−1」「+1」に振り分けられている判定値の数は7または8である。従って、例えば1コマずれの惜しいはずれ図柄になると、救済演出が実行される割合が高いことになる。従って、遊技者にノーマルリーチはずれ図柄に対する興味を持たせることができる。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100が、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドを受信したにもかかわらず、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合は(ステップS632のY、S633のN、S634のN)、仮に停止表示する飾り図柄の停止図柄として非確変図柄を決定し(ステップS635、図103)、決定した飾り図柄を導出表示する(ステップS842)ように構成した。このような構成によれば、演出制御用マイクロコンピュータ100が図柄情報指定コマンドを取りこぼしても大当り遊技が発生するか否かを遊技者に認識させることができるとともに、飾り図柄の指定に関する演出制御コマンドのコマンド数が削減されることにより遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定期間が経過すると初期化報知を終了させたが(ステップS1011〜S1015参照)、他のタイミングで初期化報知を終了させるようにしてもよい。例えば、初期化報知が開始されてから最初に飾り図柄の可変表示が開始されるときに初期化報知を終了させたり、飾り図柄の可変表示が開始される前に異常入賞報知指定コマンドを受信したときに初期化報知を終了させたりしてもよい。また、客待ちデモ指定コマンドを受信したり、初期化報知が開始されてから客待ちデモ指定コマンド以外の最初の演出制御コマンドを受信したときに初期化報知を終了させてもよい。つまり、遊技店員等が、初期化報知を認識することができるのに十分な期間だけ、初期化報知が継続されることが好ましい。
なお、上記の実施の形態では、図56のステップS255において特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるかどうかで大入賞口への異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしていたが、特別図柄プロセスフラグの値が4のとき(大入賞口開放前処理の実行時)は、特別可変入賞球装置20が未だ開放されていない状態であるので、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるかどうかで異常入賞の発生タイミングであるかどうか判定するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、異常入賞の発生タイミング(特別図柄プロセスフラグの値が4以上、普通図柄プロセスフラグの値が3以外)のときに所定個数の遊技球が第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定していたが、このような構成に限られず、異常入賞の発生タイミングのときに1個の遊技球が第2始動入賞口14に入賞すれば、異常入賞が発生したと判定するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、大入賞口への異常入賞が発生した場合も第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合も同じ内容の異常入賞報知を行っていたが、異なる異常入賞報知を行うようにしてもよい。具体的には、大入賞口への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドと第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合に送信する異常入賞報知指定コマンドとを別コマンドとする(ステップS259でセットするコマンド送信テーブルのアドレスとステップS265でセットするコマンド送信テーブルのアドレスを別アドレスにする)。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの異常入賞報知指定コマンドの種類に応じて異なる異常入賞報知を実行する。例えば、大入賞口への異常入賞が発生した場合と第2始動入賞口14への異常入賞が発生した場合とで異なる報知音を鳴らす。または大入賞口への異常入賞が発生した場合の方が大きな音で異常報知を行う。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態に移行したとき、または遊技機への電力供給が停止されたときに、入賞累積数カウンタをクリアする場合を示したが、入賞累積数カウンタをクリアするタイミングは、この実施の形態で示したタイミングに限られない。例えば、所定の時点から所定期間経過したときに入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。この場合、例えば、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに最初に第2始動入賞口14への遊技球の入賞を検出してからタイマ計測を開始し、所定期間経過後に入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
図126および図127は、所定の時点から所定期間経過したときに入賞累積数カウンタをクリアする場合の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。図126において、ステップS251〜S264の処理は、図56で示したそれらの処理と同様である。
ステップS264で論理積の演算結果が0でない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS264a)。入賞累積数カウンタの値が0であれば、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞を検出した場合であるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数計測タイマに所定期間(例えば1時間)をセットし、入賞累積数計測タイマをスタートさせる(ステップS264b)。そして、ステップS264Aに移行する。なお、入賞累積数計測タイマは、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞を検出してからの経過時間を計測するためのタイマである。
ステップS264aで入賞累積数カウンタの値が0でなければ、既に第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに一度は第2始動入賞口14への入賞を検出した場合である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数計測タイマを1減算するとともに(ステップS264c)、入賞累積数計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS264d)。タイムアウトしていなければ、ステップS264Aに移行する。タイムアウトしていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタをクリアし(ステップS264e)、ステップS264Bに移行する。すなわち、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞を検出してから所定期間(例えば1時間)が経過した場合であるので、入賞累積数カウンタをクリアする。
なお、ステップS264A〜S266の処理は、図56で示したそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞を検出してから所定期間が経過したときに、入賞累積数カウンタをクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。
なお、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞を検出してからの経過時間を計測するのではなく、他の時点から経過時間の計測を開始して、所定期間経過後に入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り遊技状態に移行したときに経過時間の計測を開始し、所定期間経過後に入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて(入賞累積数カウンタの値が0であるときに)第2始動入賞口14への入賞を検出した時からの経過時間が所定期間(本例では1時間)を経過したときに入賞累積数カウンタをクリアする場合を示したが、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに第2始動入賞口14への入賞を検出するごとに入賞累積数計測タイマをリスタートするようにしてもよい。そして、初めて第2始動入賞口14への入賞を検出した時に限らず、開状態以外の状態のときに第2始動入賞口14への入賞を検出するごとに入賞累積数計測タイマの計測を開始するようにし、経過時間が所定時間を経過すれば入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の停止図柄を仮に決定して表示した場合に、ファンファーレコマンドの内容にもとづいて、再抽選演出を実行すべきかどうかを判断し(ステップS638,S639)、再抽選演出を実行すべきであると判断したときは、飾り図柄の再抽選後停止図柄である確変図柄を決定し(ステップS640)、再抽選演出を実行するタイミングを決定し(ステップS641〜S645)、決定した実行タイミングで再抽選演出を実行して(ステップS947,S948,S952,S955,S956,S959)、再抽選後停止図柄である確変図柄を導出表示するように構成した。このような構成によれば、遊技機内部の制御状態と可変表示装置9に表示される飾り図柄の停止図柄との整合をとることができる。
また、他の演出制御コマンドについても、同様の制御を行うようにしてもよい。例えば、特定遊技状態の開始を特定可能なファンファーレコマンド(大当り開始指定コマンド)を受信した場合に、既に受信している図柄情報指定コマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りを示す通常大当り指定コマンドが格納されているときに、確変大当りの開始を示すファンファーレ2指定コマンドを受信したような場合)に、ファンファーレコマンドにもとづく演出制御(例えば、確変大当りであることを演出装置で報知)を実行したり、特定遊技状態の終了を特定可能なエンディングコマンド(大当り終了指定コマンド)を受信した場合に、既に受信しているファンファーレコマンドと整合しない場合(例えば、通常大当りの開始を示すファンファーレ1指定コマンドを受信した後、確変大当りの終了を示すエンディング2コマンドを受信した場合)に、エンディングコマンドにもとづく演出制御(例えば、可変表示装置9の背景を確変状態に対応した背景にする)を実行する。そのように構成されている場合には、演出制御手段の制御が、遊技制御手段の制御とできるだけ食い違わないようにすることができる。
なお、上記の実施の形態では、時短状態および確変時短状態においてストーリーモードとしていたが、これに限定されない。例えば、確変状態においてストーリーモードとしてもよいし、時短状態のみまたは確変時短状態のみにおいてストーリーモードとしてもよい。また、通常遊技状態中の特定の期間(例えば、10回の変動)のみストーリーモードとしてもよい。
また、ストーリー演出は、キャラクタが左右に移動するものであったが、左右以外の方向(例えば上下)に移動するものであってもよいし、格闘技を行うようなストーリーであってもよい。また、すごろくのように、前後のストーリーに連続性のあるものであってもよい。
なお、飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリー演出におけるキャラクタの進行方向を決定していたが、進行方向のような、他の演出に影響を与えない演出に限定されない。例えば、桃太郎がきびだんごで猿を手なずけ、次回変動以降も猿がお供としてつき、その後に予告演出を行うなど、他の演出に影響がある演出を決定するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリー演出の種別として、猿を手なずける演出を実行するか否を決定する。そして、猿を手なずける演出を実行した後は、猿の動作によりリーチ予告するようにし、猿を手なずける演出を実行する前は、背景などによってリーチ予告することで、他の演出に影響を与えるようにすることができる。
また、上記の実施の形態の飾り図柄変動開始処理において、演出の切替は、前回の演出(進行方向)、大当りであるか否か、及び、乱数値にもとづいて実行していたが、これに限定されない。例えば、特定の変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、前回と進行方向を変えるようにしてもよいし、変動回数をカウントして所定の回数に達したときに、前回と進行方向を変えるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ストーリーモード中であるか否かを、背景指定コマンドの内容から確認した遊技状態にもとづいて判定していたが、変動パターンコマンドにより判定してもよい。この場合、図18〜図20に示す変動番号2や128などのストーリーモード中と通常モード中で共通の変動パターンコマンドは設けない。また、通常大当りの終了を示すエンディング指定コマンド(A301(H))の受信から、100回変動パターンコマンドを受信したか否かやエンディング指定コマンドA303(H)、A304(H)を受信したか否かにもとづいて判定してもよい。その場合、RAMに時短フラグを設けて、時短フラグをオン/オフすることで、時短フラグにもとづいて判定する。背景指定コマンドの内容からストーリーモード中であるか否かを判定する場合や、エンディング指定コマンドの内容からストーリーモード中であるか否かを判定する場合は、リーチを示す変動パターンコマンドはストーリーモード中と通常モード中とで共通にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が、ストーリーモード中であるか否かに応じて飾り図柄を決定する。
なお、上記の実施の形態では、リーチ有ハズレ決定処理において、シングルリーチおよびダブルリーチのいずれの場合においても、リーチ図柄に対する差分によって中図柄を決定していたが、リーチ図柄に対する差分でなく、上段、中段、下段の左図柄または右図柄に対する差分によって中図柄を決定するようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態では、再抽選演出の実行タイミングは、大当り遊技中(ラウンド中)または大当り遊技終了後のエンディング演出中とされていたが、大当り遊技が開始された後から大当り遊技が終了して新しく変動が開始されるまでの間であれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、ファンファーレ演出中であってもよいし、インターバル表示中であってもよい。そして、そのような再抽選演出の実行タイミングを図柄情報指定コマンドで指定するように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドを取りこぼしてしまった場合において、非確変図柄を決定して表示し、その後に受信するファンファーレコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを確認していたが(ステップS639〜S645)、エンディングコマンドを受信したときに、エンディングコマンドの内容に応じて再抽選演出の実行の有無を確認するように構成されていてもよい。この場合、図60のステップS638〜640の処理をエンディングコマンドを受信したときに実行すればよい。なお、エンディングコマンドを受信したときに再抽選演出を実行する必要があるときは、エンディング演出中に再抽選演出を実行しなければならないので、再抽選演出の実行タイミングを決定する処理(ステップS641〜S645)は不要である。
また、上記の実施の形態では、図柄情報指定コマンドまたはファンファーレコマンドで大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するように構成されていたが、図柄情報指定コマンドでは再抽選演出の実行の有無等を指定しないように構成してもよい。このような構成であれば、図柄情報指定コマンドの種類を少なくすることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減させることができる。このような構成の場合、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定することになる。具体的には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、所定の乱数を用いて再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定し、決定結果にもとづいて再抽選演出を所定のタイミングで実行する。
また、図柄情報指定コマンドで大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを指定するとともに、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に大当り遊技開始後の再抽選演出の実行の有無および実行タイミングを決定するように構成されていてもよい。このような構成では、図柄情報指定コマンドでエンディング中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100は大当り中に再抽選演出を実行すると独自に決定することや、逆に、図柄情報指定コマンドで大当り中に再抽選演出を実行することが指定され、演出制御用マイクロコンピュータ100はエンディング中に再抽選演出を実行すると独自に決定することが考えられる。この場合、大当り中に再抽選演出が実行され確変図柄に昇格したにもかかわらず、エンディングでも再抽選演出が実行されてしまうと、再抽選演出の実行タイミングの整合が取れなくなってしまう。そこで、大当り中に再抽選演出が実行されたときは、エンディング中での再抽選演出の実行を禁止する処理が実行される。具体的には、大当り中に再抽選演出を実行したときに、そのことを示すフラグをセットし、当該フラグがセットされたことにもとづいて、エンディング中に再抽選演出を実行することに決定されていても、再抽選演出を実行しないように制御する。
また、上記の実施の形態では、再抽選演出が実行されたときは常に非確変図柄から確変図柄に昇格するように構成されていたが、確変図柄に昇格させない再抽選演出を所定の割合で実行するようにしてもよい。例えば、図柄情報指定コマンドで通常大当りが指定されている場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100が独自に再抽選演出を実行することを所定の乱数を用いて決定するように構成されていてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560では変動パターンコマンドまたは図柄情報指定コマンドで昇格タイミング(変動中、大当り中、またはエンディング)のみ指定し、演出制御用マイクロコンピュータ100はコマンドで指定されたタイミングにおいて必ず再抽選演出(昇格あり)を実行し、昇格前のその他の再抽選演出の実行タイミングや昇格しない場合(通常大当りの場合)の再抽選演出の実行タイミングについては、演出制御用マイクロコンピュータ100が再抽選演出を(昇格なし)を行うか否かを抽選にて決定するようにしてもよい。
(実施の形態2)
実施の形態1では、特殊図柄は1つ(「7(白抜き)」)であったが、特殊図柄が複数あってもよい。以下、「3」の飾り図柄も特殊図柄である実施の形態2を説明する。
なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として実施の形態1と異なる部分について説明する。
まず、本実施の形態で追加になる大当り図柄および突然確変図柄について説明する。図128は、大当り図柄および突然確変図柄の配列パターンを示す説明図である。図128に示すように、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて「3」であって、中の飾り図柄が所定の図柄(「7」「7(白抜き)」)で揃った状態の図柄が大当り図柄として追加される。具体的には、図128において、「11UF」「11LF」「11CF」「11SF」「11AF」、「12UF」「12LF」「12CF」「12SF」「12AF」の図柄が追加される。なお、これらの大当り図柄は確変図柄である。また、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて「3」であって、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄(「1」「2」「4」「5」「6」)(「3」を除く:もともと確変図柄であるため)で揃った状態の図柄が突然確変図柄として追加される。具体的には、図128において、「56T」〜「68T」「70T」〜「80T」の図柄が追加される。なお、「69T」は大当り図柄となるので使用しない。
本実施の形態では、リーチ図柄選択用テーブル、突然確変図柄選択用テーブル、および大当り図柄選択用テーブルに割り振られる判定値が実施の形態1と異なる。具体的には、リーチ有ハズレ決定処理(図72、図73参照)のステップS1024にて用いられるシングル用リーチ図柄選択用テーブル(BH−2)には、本実施の形態では、図129に示すようにリーチ図柄(8CH)だけでなくリーチ図柄(3CH)も大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。
また、リーチ有ハズレ決定処理のステップS1028にて用いられる共通用リーチ図柄選択用テーブル(H−1)には、本実施の形態では、図130に示すようにリーチ図柄(8UH、8LH、8CH、8WH)だけでなくリーチ図柄(3UH、3LH、3CH、3WH)も大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。
また、リーチ有ハズレ決定処理のステップS1033にて用いられるシングル用リーチ図柄選択用テーブル(H−2)には、本実施の形態では、図131に示すようにリーチ図柄(8UH、8LH、8CH)だけでなくリーチ図柄(3UH、3LH、3CH)も大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。また、ステップS1034にて用いられるダブル用リーチ図柄選択用テーブル(H−3)には、本実施の形態では、図131に示すようにリーチ図柄(1WH、8WH)だけでなくリーチ図柄(3WH、4WH)も大当り確定の図柄であるので判定値が割り振られていない。このように、はずれでリーチとなるときに、特殊図柄のリーチとなることを防止している。
また、突然確変図柄決定処理(図87参照)のステップS1087にて用いられる突然確変図柄選択用テーブル(F−26)には、本実施の形態では、図133(A)に示すように、突然確変図柄「56T」〜「68T」「70T」〜「80T」にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、突然確変図柄として、「56T」〜「68T」「70T」〜「80T」の図柄を選択可能である。また、ステップS1086にて用いられるシングル用突然確変図柄選択用テーブル(F−27)には、本実施の形態では、図133(B)に示すように、突然確変図柄「58T」「63T」「68T」「73T」「78T」にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、突然確変図柄として、「58T」「63T」「68T」「73T」「78T」の図柄を選択可能である。
また、兼用パターン確変図柄決定処理(図90、図91参照)のステップS1136にて用いられる共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)には、本実施の形態では、図134に示すように、大当り図柄のうち確変図柄(11UF、11LF、11CF、11SF、12UF、12LF、12CF、12SF)にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、確変図柄として、「11UF」「11LF」「11CF」「11SF」「12UF」「12LF」「12CF」「12SF」の図柄を選択可能である。なお、この共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)は、取りこぼし時確変図柄決定処理(図104)のステップS692においても使用される。
また、兼用パターン確変図柄決定処理のステップS1138にて用いられるシングル用大当り図柄選択用テーブル(F−8)には、本実施の形態では、図135に示すように、大当り図柄のうち確変図柄(11UF、11LF、11CF、12UF、12LF、12CF)にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、確変図柄として、「11UF」「11LF」「11CF」「12UF」「12LF」「12CF」の図柄を選択可能である。
また、兼用パターン確変図柄決定処理のステップS1139にて用いられるダブル後当り用大当り図柄選択用テーブル(F−16)には、本実施の形態では、図136に示すように、大当り図柄のうち確変図柄(11AF、12AF)にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、確変図柄として、「11AF」「12AF」の図柄を選択可能である。
また、兼用パターン確変図柄決定処理のステップS1134にて用いられるシングル用大当り図柄選択用テーブル(BF−8)には、本実施の形態では、図137に示すように、大当り図柄のうち確変図柄(11CF、12CF)にも複数の判定値が割り振られている。これにより、本実施の形態では、確変図柄として、「11CF」「12CF」の図柄を選択可能である。
以上のようにして、特殊図柄を複数用意することができる。また、本実施の形態では、大当り(突然確変大当り、確変大当り)となるときに、左図柄として特殊図柄の「3」が選択される割合が特殊図柄の「7(白抜き)」が選択される割合より高くなるようにそれぞれのテーブルに判定値が割り振られている(図133〜図137参照)。一方、リーチ無しではずれのときに、左図柄として特殊図柄の「3」が選択される割合が特殊図柄の「7(白抜き)」が選択される割合より低くなるようにそれぞれのテーブルに判定値が割り振られている(図64、図68参照)。即ち、リーチ無しではずれのときに、左図柄として特殊図柄の「3」が選択される割合X1と、リーチ無しではずれのときに、左図柄として特殊図柄の「7(白抜き)」が選択される割合X2と、大当りとなるときに、左図柄として特殊図柄の「3」が選択される割合X3と、大当りとなるときに、左図柄として特殊図柄の「7(白抜き)」が選択される割合X3と、がX1/X3<X2/X4の関係を満たすように構成されている。
具体的には、例えば、図64に示す左図柄選択用テーブル(T−1)において左図柄として特殊図柄「3」が選択される割合X1は9/67である(上段、中段、下段に表示される割合の和)。左図柄選択用テーブル(T−1)において左図柄として特殊図柄「7(白抜き)」が選択される割合X2は21/67である(上段、中段、下段に表示される割合の和)。また、図134に示す、共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)において左図柄として特殊図柄「3」が選択される割合X3は83/131である(3UF、3LF、3CF、3SF、11UF、11LF、11CF、11SF、12UF、12LF、12CF、12SFが選択される割合の和)。共通用大当り図柄選択用テーブル(F−2)において左図柄として特殊図柄「7(白抜き)」が選択される割合X4は12/131である(8UF、8LF、8CF、8SF、9UF、9LF、9CF、9SF、10UF、10LF、10CF、10SFが選択される割合の和)。従って、X1/X3<X2/X4(X1/X3≒0.21、X2/X4≒3.42)の関係を満たすように構成されている。このように、本実施の形態では、複数の特殊図柄(「3」および「7(白抜き)」)を用意して、リーチ無しではずれとなるときは、最初に停止する左図柄に「3」が選択される割合X1が「7(白抜き)」が選択される割合X2よりも低くなるように構成されている。そして、大当りとなるときには左図柄に「3」が選択される割合X3が「7(白抜き)」が選択される割合X4よりも高くなるように構成されている。即ち、同じ特殊図柄であっても左図柄に「3」が停止したときのほうが「7(白抜き)」が停止したときよりも、大当りとなる期待度を高めることができ、遊技性の向上が図れる。なお、本実施の形態では、リーチ無しではずれとなるときに、最初に停止する左図柄に「3」が選択される割合X1が「7(白抜き)」が選択される割合X2よりも低くなるように構成されていたが、X1/X3<X2/X4の条件を満たせばX1とX2は等しくてもよい。このときはX3とX4とが、X3>X4の条件を満たすようにすればよく、即ち、大当りとなるときには左図柄に「3」が選択される割合X3が「7(白抜き)」が選択される割合X4よりも高くなるように構成されていればよい。
(実施の形態3)
実施の形態1では、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞の発生を遊技制御用マイクロコンピュータ560が検出する場合を説明したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞の発生を検出するようにしてもよい。以下、演出制御用マイクロコンピュータ100側で第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞の発生を検出する実施の形態3を説明する。
なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として実施の形態1と異なる部分について説明する。
まず、遊技制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560)の動作について説明する。図138は、実施の形態3における演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図138に示すように、この実施の形態では、実施の形態1で示した異常入賞報知1指定コマンドおよび異常入賞報知2指定コマンドに代えて、演出制御コマンドとして入賞検出指定コマンドおよび異常入賞検出指定コマンドが用いられる。なお、それら以外の演出制御コマンドについては、実施の形態1で示した各演出制御コマンドと同様である。
コマンドD002(H)は、大入賞口への遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(入賞検出指定コマンド)である。コマンドD003(H)は、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに第2始動入賞口14への遊技球の入賞を検出したことを指定する演出制御コマンド(異常入賞検出指定コマンド)である。
図139は、実施の形態3におけるステップS23の異常入賞報知処理を示すフローチャートである。この実施の形態において、ステップS251〜S254の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。ステップS251で異常報知禁止フラグがセットされていなかった場合、またはステップS254で異常報知禁止フラグをリセットした場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、実施の形態1で示したステップS255の処理を行うことなく、そのままスイッチオンバッファの内容をレジスタにロードする処理を行う(ステップS256)。すなわち、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセスフラグの値が4以上であるか否か(大当り遊技中であるか否か)を判定する処理を行わない。
図139において、ステップS256〜S258の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
ステップS258で論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS258のN)、大入賞口へ遊技球が入賞したと判定し、入賞検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS259A,S260)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞検出指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS259A)、コマンドセット処理を実行する(ステップS260)。一方、論理積の演算結果が0である場合には(ステップS258のY)、大入賞口への遊技球の入賞が生じていないと判定し、ステップS261の処理に移行する。
図139において、ステップS261〜S264の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
論理積の演算結果が0でない場合には(ステップS264のN)、第2始動入賞口14が開状態以外の状態(所定のインターバル期間の状態を含む)であるにもかかわらず、第2始動入賞口14に遊技球が入賞した場合である。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14が開状態以外の状態であるにもかかわらず第2始動入賞口14への入賞が生じたと判定し、演出制御基板80に、異常入賞検出指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS265A,S266)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞検出指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS265A)、コマンドセット処理を実行する(ステップS266)。一方、論理積の演算結果が0である場合(ステップS264のY)には、異常入賞検出指定コマンドを送信する制御を行わずに異常入賞報知処理を終了する。
なお、その他、この実施の形態において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、実施の形態1で示した処理のうち、電源断処理(図12参照)におけるステップS493Aの処理、特別図柄停止処理(図29参照)におけるステップS367Aの処理、賞球個数加算処理(図54参照)におけるステップS282の処理については実行しない。
次に、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)の動作を説明する。図140は、実施の形態3における演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。この実施の形態では、電源基板に搭載されている電圧低下監視回路からの電源断信号が、主基板31に加えて演出制御基板80にも入力される。例えば、電源基板に搭載されている電圧低下監視回路から電源断信号が出力されると、出力された電源断信号は2つに分岐され、一方が主基板31に入力され他方が演出制御基板80に入力される。また、例えば、電源基板に搭載されている電圧低下監視回路から出力された電源断信号は、まず主基板31に入力され、さらに主基板31を介して演出制御基板80に入力されてもよい。
図140において、ステップS701〜S703の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
ステップS703でタイマ割込フラグをクリアすると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS703A)。オン状態であれば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタをクリアする(ステップS703B)。異常入賞累積数カウンタは、異常入賞検出指定コマンドを受信した累積数をカウントするためのカウンタである。この実施の形態では、異常入賞累積数カウンタは、後述するように、第2始動入賞口14への異常入賞の判定を行う際に用いられる。
図140において、ステップS704〜S707の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機への電力供給が停止されると(電源断確認信号がオン状態であることを確認すると)、異常入賞累積数カウンタをクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。また、遊技機の電源をオフにすることによって入賞累積数をクリアすることができ、異常報知のリセットを容易に行うことができる。
図141は、実施の形態3におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、コマンド解析処理におけるステップS611〜S666の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが入賞検出指定コマンド(D002(H))であれば(ステップS668A)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値が4以上であるか否か確認する(ステップS668B)。演出制御プロセスフラグの値が4以上であるときは(ステップS668BのY)、大当り遊技中である状態である。そのような状態であれば、大入賞口に遊技球が入賞する可能性があるので、大入賞口への異常入賞は生じていないと判定し、ステップS669Aの処理に移行する。
演出制御プロセスフラグの値が4未満である状態は、大当り遊技が行われていない状態である。このような状態のときに入賞検出指定コマンドを受信したということは(すなわち、大入賞口に遊技球の入賞があったということは)、その入賞は異常入賞であると判断することができる。そのため、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知を行うことを決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知2決定フラグをセットする(ステップS668C)。なお、異常入賞報知2決定フラグとは、大入賞口への異常入賞を検出したことにもとづいて、異常入賞報知を行うことを決定したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドが異常入賞検出指定コマンド(D003(H))であれば(ステップS669A)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS669B)、加算後の異常入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS669C)。所定値以上である場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知を行うことを決定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞報知1決定フラグをセットする(ステップS669D)。なお、異常入賞報知1決定フラグとは、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したことにもとづいて、異常入賞報知を行うことを決定したことを示すフラグである。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば(ステップS669AのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS678)。そして、ステップS611に移行する。
図142は、実施の形態3における飾り図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。図142においてステップS841〜S847の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。この実施の形態では、ステップS847でプロセスタイマをスタートさせると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタをクリアし(ステップS847A)、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する(ステップS848)。
また、図142において、ステップS849,ステップS850の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、大当り遊技状態または小当り状態に移行したときに、異常入賞累積数カウンタがクリアされる。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態の開始時に異常入賞累積数カウンタをクリアする場合を示すが、大当り遊技状態に移行したときであれば、他のタイミングで異常入賞累積数カウンタをクリアしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態を終了するときに、異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。この場合、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り終了演出処理においてステップS974の処理を実行した後に、異常入賞累積数カウンタをクリアするとともに、演出プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値(具体的には「0」)に更新(ステップS975参照)してもよい。
図143は、実施の形態3におけるステップS707の報知制御処理を示すフローチャートである。図143において、ステップS1011〜S1015の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。
ステップS1016Aでは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大入賞口への異常入賞を検出したことにもとづいて異常入賞報知を行うことを決定したことを示す異常入賞報知2決定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1016A)。セットされていなければ(ステップS1016AのN)、ステップS1018Aに移行する。異常入賞報知2決定フラグがセットされている場合には(ステップS1016AのY)、異常入賞報知2決定フラグをリセットし(ステップS1017A)、ステップS1022に移行する。すなわち、異常入賞報知2決定フラグがセットされていたということは、大入賞口への異常入賞が検出された場合であるが、この場合、後述するステップS1022を実行することによって音出力のみによる異常入賞報知が実行される。
ステップS1018Aでは、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2始動入賞口14への異常入賞を検出したことにもとづいて異常入賞報知を行うことを決定したことを示す異常入賞報知1決定フラグがセットされているか否か確認する(ステップS1018A)。セットされていなければ(ステップS1018AのN)、そのまま処理を終了する。異常入賞報知1決定フラグがセットされている場合には(ステップS1018AのY)、異常入賞報知1決定フラグをリセットする(ステップS1019A)。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタの値が5であるか否か(すなわち、異常入賞検出指定コマンドを5回受信したか否か)を確認する(ステップS1021A)。この実施の形態では、コマンド解析処理において、異常入賞検出指定コマンドを受信したときに異常入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上となったときに、異常入賞報知1決定フラグがセットされる(ステップS669A〜S669D参照)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンドを5回以上受信したときに、異常入賞報知1決定フラグをセットする。したがって、報知制御処理において、ステップS1018Aにおいて異常入賞報知1決定フラグがセットされているということは、異常入賞累積数カウンタには5以上の値がセットされているはずである。この実施の形態では、ステップS1021Aにおいて、まず、異常入賞累積数カウンタの値が5であるか否かが確認される。
異常入賞累積数カウンタの値が5であれば(ステップS1021AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1022)。音声出力基板70に搭載されている音声合成用IC703は、入力された音データに対応したデータを音声データROM704から読み出し、読み出したデータに従って音声信号をスピーカ27側に出力する。よって、以後、異常入賞の報知に応じた音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
異常入賞累積数カウンタの値が5でなければ(ステップS1021AのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタの値が6であるか否か(すなわち、異常入賞検出指定コマンドを6回受信したか否か)を確認する(ステップS1023A)。異常入賞累積数カウンタの値が6であれば(ステップS1023AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1024A)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1025)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われる。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
異常入賞累積数カウンタの値が6でなければ(すなわち、異常入賞累積数カウンタの値が7以上であれば(異常入賞検出指定コマンドを7回以上受信していれば))(ステップS1023AのN)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じた音出力を示す音データを音声出力基板70に出力する(ステップS1026)。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞の報知に応じたランプ表示を示すランプ制御実行データをランプドライバ基板35に出力する(ステップS1027)。さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において、そのときに表示されている画面に対して、異常報知画面を重畳表示する指令をVDP109に出力する(ステップS1028)。VDP109は、指令に応じて、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示する(図117(C)参照)。よって、以後、異常入賞の報知に応じたランプ表示および音出力(異常報知音の出力)が行われるとともに、可変表示装置9に異常報知画面が重畳表示される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常報知を行っていることを示す異常報知中フラグをセットする(ステップS1029)。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において異常入賞報知を行うと決定したことにもとづいて、異常入賞報知を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンドを5回受信したことにもとづいて異常入賞報知を開始した後にさらに異常入賞検出指定コマンドを受信した場合には、異常入賞検出指定コマンドの受信回数(具体的には、異常入賞累積数カウンタの値)に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える。すなわち、この実施の形態では、異常入賞検出指定コマンドを累積して5回受信した場合には、音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する。また、異常入賞検出指定コマンドを累積して6回受信した場合には、音出力に加えてランプ表示を用いて異常入賞報知を実行する。さらに、異常入賞検出指定コマンドを累積して7回以上受信した場合には、ランプ表示および音出力に加えて、異常報知画面を重畳表示することによって異常入賞報知を実行する。
なお、この実施の形態で示した異常入賞報知の報知態様は一例であり、例えば、出力する異常報知音を変化させたり、ランプの表示パターン(例えば、点灯や点滅)を変化させることによって、異常入賞報知の報知態様を切り替えてもよい。また、この実施の形態では、異常入賞検出指定コマンドの受信回数に応じて異常入賞報知の報知態様を切り替える場合を説明したが、異常入賞検出指定コマンドを累積して5回受信したときに、音出力に加えて異常報知画面表示およびランプ表示の全てを用いて異常入賞報知を行うようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンドを累積して5回受信すると、スピーカ27を用いた異常報知音の出力制御を行うとともに、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示させ、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行う。
また、この実施の形態では、異常入賞検出指定コマンドを累積して5回受信した場合に音出力のみを用いて異常入賞報知を実行する場合を示したが、異常入賞報知の組合せの態様は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、異常入賞検出指定コマンドを累積して5回受信した場合に、可変表示装置9に異常報知画面を重畳表示させてもよく、各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示の表示制御を行ってもよい。また、異常報知画面の重畳表示、音出力または各ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常表示のうちのいずれか2つまたは全てを用いて異常報知演出を行ってもよい。
図144は、実施の形態3における第2始動入賞口14への異常入賞を検出する検出タイミング、および異常入賞報知を実行する報知タイミングを示すタイミング図である。図144では、一例として、低ベース状態における開放パターンにもとづいて第2始動入賞口14が開閉される場合を示す。なお、高ベース状態における開放パターンにもとづいて第2始動入賞口14が開閉される場合も同様である。
図144に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14が開状態である場合(物理的に可変入賞球装置15が開いている状態と所定のインターバル期間(本例では1秒)の状態とを含む)において、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出した場合には、正常な入賞として処理を行う。第2始動入賞口14が開状態以外の状態である場合に(ステップS261参照)、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出した場合には(ステップS264参照)、異常な入賞と判断し、異常入賞検出指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS265A,S266参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンドを受信すると、異常入賞累積数カウンタの値をカウントアップする(ステップS669B参照)。そして、異常入賞検出指定コマンドを受信した回数が累積して所定回数(本例では5回)に達すると(ステップS669C参照)、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知を開始する。この場合、異常入賞検出指定コマンドを受信した回数が累積して5回である場合には(ステップS1021A参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御することによって異常入賞報知を実行する(ステップS1022参照)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞検出指定コマンドを送信した後に、再び第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに遊技球の入賞を検出した場合には、繰り返し異常入賞検出指定コマンドを送信する(ステップS265A,S266参照)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞検出指定コマンドを累積して受信した回数に応じて、異常入賞報知の報知態様を変更する。この場合、異常入賞検出指定コマンドを累積して6回受信した場合には(ステップS1023A参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御することに加え、ランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示(例えば、点滅)を行うように制御することによって、異常入賞報知の報知態様を変更する(ステップS1024,S1025参照)。また、異常入賞検出指定コマンドを累積して7回以上受信した場合には(ステップS1023A参照)、スピーカ27から異常報知音を出力するように制御すること、およびランプ25,28a,28b,28cを用いた異常報知表示(例えば、点滅)を行うように制御することに加えて、可変表示装置9に異常入賞報知画面を重畳表示する制御を行うによって、異常入賞報知の報知態様を変更する(ステップS1026〜S1028参照)。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、可変入賞球装置15の開閉状態を判定し、可変入賞球装置15が開状態以外の状態であると判定されたときに、第2始動入賞口14への入賞の検出信号を入力したことにもとづいて、可変入賞球装置15が開状態以外の状態であるときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを示す異常入賞検出指定コマンドを送信する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信した異常入賞検出指定コマンドにもとづいて、第2始動入賞口14に入賞した遊技球の入賞累積数を異常入賞累積数カウンタに記憶する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞数であるか否かを判定するための所定の異常入賞数基準値(本例では5)および異常入賞累積数カウンタに記憶する入賞累積数にもとづいて、異常入賞状態であるか否かを判定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞状態であると判定したときに、演出装置により異常報知を実行する。また、この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の可変表示を実行しているときにも異常報知を実行可能である。従って、実施の形態1と同様に、可変入賞球装置15に対する不正行為によって入賞異常が生じたことを報知することができ、その結果、可変入賞球装置15に対する不正行為を確実に防止することができる。
また、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を増加させることなく、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を検知することができる。また、入賞累積数にもとづいて異常入賞状態であるか否かを判定するので、例えば、可変入賞球装置15が閉状態であるときに偶然1回だけ入賞してしまった場合やノイズの影響によって過って入賞を検出してしまった場合に、異常入賞状態であると判定してしまう事態を防止できる。従って、誤動作で入賞異常の報知を行ってしまう事態を防止することができる。
なお、この実施の形態では、大当り遊技状態に移行したとき、または遊技機への電力供給が停止されたときに、異常入賞累積数カウンタをクリアする場合を示したが、異常入賞累積数カウンタをクリアするタイミングは、この実施の形態で示したタイミングに限られない。例えば、所定の時点から所定期間経過したときに異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。この場合、例えば、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに最初に第2始動入賞口14への遊技球の入賞を検出してからタイマ計測を開始し、所定期間経過後に入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
図145は、所定の時点から所定期間経過したときに異常入賞累積数カウンタをクリアする場合のコマンド解析処理を示すフローチャートである。図145において、ステップS611〜S666の処理は、実施の形態1で示したそれらの処理と同様である。また、ステップS668A〜S668Cの処理は、図141で示したそれらの処理と同様である。
受信した演出制御コマンドが異常入賞検出指定コマンド(D003(H))であれば(ステップS669A)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS669a)。異常入賞累積数カウンタの値が0であれば(ステップS669aのY)、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信した場合であるので、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数計測タイマに所定期間(例えば1時間)をセットし、異常入賞累積数計測タイマをスタートさせる(ステップS669b)。そして、ステップS669Bに移行する。なお、異常入賞累積数計測タイマは、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信してからの経過時間を計測するためのタイマである。
ステップS669aで異常入賞累積数カウンタの値が0でなければ(ステップS669aのN)、既に第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに一度は第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを一度は受信した場合である。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数計測タイマを1減算するとともに(ステップS669c)、異常入賞累積数計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS669d)。タイムアウトしていなければ(ステップS669dのN)、ステップS669Bに移行する。タイムアウトしていれば(ステップS669dのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、異常入賞累積数カウンタをクリアし(ステップS669e)、ステップS669Cに移行する。すなわち、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信してから所定期間(例えば1時間)が経過した場合であるので、異常入賞累積数カウンタをクリアする。
なお、ステップS669B〜S669D、S678の処理は、図141で示したそれらの処理と同様である。
以上の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信してから所定期間が経過したときに、異常入賞累積数カウンタをクリアする。そのため、必要以上に長期間にわたる入賞数の累積を行わないようにし、可変入賞球装置15に対する不正行為による入賞異常を確実に検知することができる。
なお、第2始動入賞口14が開状態以外の状態のときに初めて第2始動入賞口14への入賞が検出され、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信してからの経過時間を計測するのではなく、他の時点から経過時間の計測を開始して、所定期間経過後に異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、大当り遊技状態に移行したときに経過時間の計測を開始し、所定期間経過後に異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
また、この実施の形態では、異常入賞検出指定コマンドを初めて受信した時からの経過時間が所定期間(本例では1時間)を経過したときに異常入賞累積数カウンタをクリアする場合を示したが、異常入賞検出指定コマンドを受信するごとに異常入賞累積数計測タイマをリスタートするようにしてもよい。そして、初めて異常入賞検出指定コマンドを受信した時に限らず、異常入賞検出指定コマンドを受信するごとに異常入賞累積数計測タイマの計測を開始するようにし、経過時間が所定時間を経過すれば異常入賞累積数カウンタをクリアするようにしてもよい。
なお、上記に示した実施の形態3では、演出制御用マイクロコンピュータ100側で大入賞口への異常入賞を検出する処理と第2始動入賞口14への異常入賞を検出する処理との両方を行う場合を示したが、いずれか一方のみを演出制御用マイクロコンピュータ100側で行うようにしてもよい。例えば、大入賞口への異常入賞を検出する処理については実施の形態1と同様の処理に従って遊技制御用マイクロコンピュータ560側で実行するようにし、第2始動入賞口14への異常入賞を検出する処理のみについて、演出制御用マイクロコンピュータ100側で実行するようにしてもよい。また、例えば、第2始動入賞口14への異常入賞を検出する処理については実施の形態1と同様の処理に従って遊技制御用マイクロコンピュータ560側で実行するようにし、大入賞口への異常入賞を検出する処理のみについて、演出制御用マイクロコンピュータ100側で実行するようにしてもよい。
また、上記に示した実施の形態3では、第2始動入賞口14への遊技球の入賞(第2始動口スイッチ14aのオン)を検出したタイミングが、第2始動入賞口14が開状態以外の状態であるか否かについては、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で判断する(ステップS261参照)場合を示したが、第2始動入賞口14への遊技球の入賞を検出したタイミングが第2始動入賞口14が開状態以外の状態であるか否かについても演出制御用マイクロコンピュータ100側で判定するようにしてもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知処理においてステップS261の処理を行うことなく、第2始動入賞口14のオン状態を検出すると、そのまま第2始動入賞口14への入賞を検出したことを示す検出指定コマンドを送信するようにしてもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド解析処理において、検出指定コマンドを受信すると、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態であるか否かを判定し、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開閉動作している状態であれば、ステップS669B〜S669Dの処理を実行するようにしてもよい。
(実施の形態4)
上記の実施の形態1では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときでも、特別図柄表示器8における特別図柄の変動や可変表示装置9における飾り図柄の変動は継続して実行されるように構成されていた。従って、不正に第2始動入賞口14に遊技球を入賞させた場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに不正に可変入賞球装置15を開放させ、第2始動入賞口14に遊技球を入賞させたような場合)であっても、その始動入賞により大当りが発生してしまい、不正に出球が獲得させてしまうことが生じ得る。そこで、この実施の形態4では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたことが検出されたときに、所定のタイミングで特別図柄の変動および飾り図柄の変動を停止するように構成している。
図146は、実施の形態4における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、第2始動入賞口14または大入賞口への異常入賞が発生したと判定したことにもとづいて、異常入賞報知を実行することを決定したことを示す異常入賞報知フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS319A)。ここで、異常入賞報知フラグは、大入賞口への異常入賞が検出されたとき(図56のステップS258A)、または第2始動入賞口14への異常入賞が検出されたとき(図56のステップS264C)にセットされる。
異常入賞報知フラグがセットされているときは(ステップS319AのY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が行われているかどうか、具体的には特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理(ステップS302)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(ステップS319B)。特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(ステップS319BのY)、ステップS311以降の処理を実行する。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動を継続して実行させる。一方、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(ステップS319BのN)、特別図柄プロセス処理を終了させる。すなわち、特別図柄表示器8において特別図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、大入賞口または第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点で、特別図柄の変動中でないときは、直ちに特別図柄の変動が禁止され、特別図柄の変動中であったときは、特別図柄の変動を継続させ、次の特別図柄の変動が禁止されることになる。
図147は、実施の形態4における演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、異常報知中フラグがセットされたかどうか確認する(ステップS809A)。異常報知中フラグがセットされているときは(ステップS809AのY)、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可変表示装置9において飾り図柄の変動が行われているかどうか、具体的には演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示す値(「2」)であるかどうかを判定する(ステップS809B)。演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)であるときは(ステップS809BのY)、飾り図柄変動中処理(ステップS802)を実行する。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動を継続して実行させる。一方、演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値(「2」)でないときは(ステップS809BのN)、演出制御プロセス処理を終了させる。すなわち、可変表示装置9において飾り図柄の変動制御を停止させる。このような構成により、異常入賞報知1指定コマンドまたは異常入賞報知2指定コマンドを受信した時点で、飾り図柄の変動中でないときは、直ちに飾り図柄の変動が禁止され、飾り図柄の変動中であったときは、飾り図柄の変動を継続させ、次の飾り図柄の変動が禁止されることになる。
以上のように、この実施の形態4によれば、大入賞口または第2始動入賞口14への異常入賞の検出にもとづいて特別図柄表示器8における特別図柄の変動および可変表示装置9における飾り図柄の変動を禁止する制御を実行するので、不正行為によって大入賞口または第2始動入賞口14への入賞を発生させたような場合(例えば、普通図柄が当り図柄になっていないのに可変入賞球装置15を開放させて遊技球を第2始動入賞口14に入賞させるような場合)であっても、その入賞にもとづいて大当りが発生するのを確実に防止することができる。
なお、上記の実施の形態4では、特別図柄プロセスフラグの値が特別図柄変動中処理を示す値になっているかどうか、および演出制御プロセスフラグの値が飾り図柄変動中処理を示す値になっていないかどうかを確認して、図柄の変動を禁止する制御を実行していたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、異常入賞報知フラグがセットされたとき、および異常報知中フラグがセットされたときに、直ちに図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。また、第2始動入賞口14への異常入賞が検出された時点の保留記憶数を確認し、その保留記憶数分の図柄の変動が終了するまで、図柄の変動を継続し、保留記憶数分の図柄の変動が終了すると、図柄の変動を禁止する制御を行うようにしてもよい。具体的には、異常入賞報知フラグがセットされたときに保留記憶数を確認し、確認した保留記憶数分の変動が実行されたかどうかをカウンタでカウントし、保留記憶数分の変動が終了したときに変動を禁止する制御を実行する。このような構成によれば、正常な第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく変動については継続させ、異常入賞にもとづく変動について禁止することができる。なお、上記の構成において、正確に異常入賞にもとづく図柄の変動を禁止させる場合には、異常入賞が検出された時点の保留記憶数−1分の変動が終了した時点で図柄の変動を禁止するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態4では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で異常入賞を判定する構成において異常入賞を検出した場合に特別図柄および飾り図柄の変動を禁止する場合を示したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞を判定する構成(実施の形態3参照)において異常入賞を検出した場合に飾り図柄の変動を禁止するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図147に示す演出制御プロセス処理と同様の処理に従って、異常報知中処理フラグがセットされているとともに飾り図柄の変動が行われていなければ(ステップS809A,S809B参照)、そのまま演出制御プロセス処理を終了することによって、飾り図柄の変動を禁止するようにすればよい。
(実施の形態5)
上記の実施の形態1および実施の形態4では、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)であるかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしていた(図56のステップS261〜S264参照)。しかし、このような構成に限られるわけではなく、可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認することによって、正常なタイミングで第2始動入賞口14への入賞が発生したかどうかを判断するようにしてもよい。
図148は、実施の形態5における普通電動役物作動処理を示すフローチャートである。普通電動役物作動処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS161)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ(ステップS161のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値を−1する(ステップS181)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマの値が0であるかどうか、すなわち、普通電動役物開放パターンタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS182)。タイムアウトしていなければ(ステップS182のN)、そのまま処理を終了する。タイムアウトしていれば(ステップS182のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物開放パターンタイマに開放パターン時間をセットする(ステップS183)。次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、例えば出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって、可変入賞球装置15が閉鎖中であるかどうか確認する(ステップS184)。
可変入賞球装置15が閉鎖中であるときは(ステップS184のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を開放する制御を行う(ステップS185)。そして、このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングではないので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行う。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファをレジスタにロードする(ステップS187)。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされているかどうかを確認する(ステップS188)。つまり、第2始動口スイッチ14aがオンになったかどうか(第2始動入賞口14に遊技球が入賞したかどうか)を確認する。
第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていなければ(ステップS188のN)、処理を終了する。第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば(ステップS188のY)、不正なタイミングで第2始動口スイッチ14aがオンしたことになるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞累積数カウンタの値を1加算するとともに(ステップS188A)、加算後の入賞累積数カウンタの値が所定値(本例では5)以上であるか否かを確認する(ステップS188B)。所定値以上である場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたと判定し、異常入賞報知フラグをセットするとともに(ステップS188C)、演出制御基板80に、異常入賞報知1指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS189,S190)。すなわち、異常入賞報知1指定コマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットし(ステップS189)、コマンドセット処理を実行する(ステップS190)。
ステップS184において可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS184のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソレノイド16を駆動して可変入賞球装置15を閉鎖する制御を行う(ステップS186)。このタイミングは第2始動入賞口14に正常に遊技球が入賞するタイミングであるので、第2始動入賞口14への異常入賞が生じていないかどうか確認する処理を行わない。
ステップS161において、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS161のY)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS172)。
なお、図148に示す普通電動役物作動処理において、図45に示す普通電動役物作動処理のステップS164〜S167の処理(普通電動役物入賞カウント処理)に相当する処理を示していないが、図148に示す普通電動役物作動処理においても同様に実行するようにしてもよい。また、図148に示す普通電動役物作動処理で第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにした場合には、図56に示す異常入賞報知処理のステップS261〜S266を実行する必要はない。
以上のような構成によれば、可変入賞球装置15の閉鎖タイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出するようにしているので、より正確なタイミングで第2始動入賞口14への異常入賞を検出することができるようになる。
なお、上記の実施の形態1で説明したのと同様に、この実施の形態5においても、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。例えば、可変入賞球装置15が開放している状態から閉鎖した状態に変化した時点(すなわちステップS184のNからYになった時点)でタイマをスタートさせ、そのタイマがタイムアウトしたときにステップS187〜S190の処理を実行するようにする。このような方法によれば、正規のタイミングで第2始動入賞口14に遊技球が入賞したにもかかわらず誤って異常入賞が発生したと判定してしまうことを防止することができる。
また、上記の実施の形態5では、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で異常入賞を判定する構成において可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認する場合を示したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で異常入賞を判定する構成(実施の形態3参照)において可変入賞球装置15が閉鎖されているタイミングで第2始動入賞口14への入賞が生じたかどうかを確認するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS188で第2始動口スイッチ入力ビットにおいて1がセットされていれば、ステップS188A〜S188Cの異常入賞の判定処理を行うことなく、そのまま異常入賞検出指定コマンドを送信する制御を行うようにすればよい。
(実施の形態6)
上記の実施の形態1では、図54に示す賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への遊技球の入賞があり、異常入賞報知フラグがセットされているとき(ステップS282)、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないように構成することにより、異常入賞にもとづいて賞球の払い出しが行われないように構成していた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、スイッチ処理において、第2始動入賞口14への異常入賞を検出した場合には、その入賞自体を無効にするように構成されていてもよい。
図149は、実施の形態6におけるスイッチ処理を示すフローチャートである。スイッチ処理において、ステップS331〜S338は、図51で説明した処理と同様である。ステップS338の処理の実行後、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS338A)。セットされていなければ、そのまま処理を終了する。セットされていれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通電動役物(可変入賞球装置15)が開放中であるかどうかを確認する(ステップS339)。ここで、可変入賞球装置15が開放中であるかどうかは、例えば、出力ポートバッファ(ソレノイドバッファ)の普通電動役物ソレノイド出力ビットを確認することによって判断することができる。
可変入賞球装置15が開放中であるときは(ステップS339のY)、そのまま処理を終了する。可変入賞球装置15が開放中でなく閉鎖中であるときは(ステップS339のN)、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、スイッチオンバッファの第2始動口スイッチ入力ビット(第2始動口スイッチ14aに対応するビット)をクリア(0)にする(ステップS340)。これによって、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合は、その始動入賞自体を無効にすることができる。この場合は、賞球個数加算処理で、第2始動入賞口14への異常入賞が生じたときに、総賞球数格納バッファに賞球個数を加算しないようにする処理を実行する必要はない。
なお、ステップS339では、普通電動役物が開放中かどうかを確認していたが、普通図柄プロセスフラグの値が普通電動役物作動処理を示す値(「3」)かどうかを確認して、第2始動入賞を無効にするようにしてもよい。
また、上記の実施の形態5で説明したように、異常入賞を判定するタイミングを可変入賞球装置15を閉鎖するタイミングよりも遅らせるようにしてもよい。
(実施の形態7)
上記の実施の形態6では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、スイッチ処理において、その始動入賞自体を無効としていたが、この実施の形態7では、第2始動入賞口14への異常入賞が生じた場合には、特別図柄プロセス処理において、その始動入賞自体を無効にするようにしている。
図150は、実施の形態7における特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図14で説明したのと同様に第1始動口通過処理(ステップS311〜S314の処理)を実行する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する前に、異常入賞報知フラグがセットされているかどうか確認する(ステップS320)。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、異常入賞報知フラグがセットされているときは(ステップS320のY)、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行せず、異常入賞報知フラグがセットされていないときに(ステップS320のN)、第2始動口通知処理(ステップS315〜S318の処理)を実行する。このような構成によれば、異常な第2始動入賞にもとづく乱数の抽出などを行わないようにすることができ、異常入賞にもとづく変動が禁止され、異常入賞にもとづく大当りの発生を確実に防止することができる。
なお、この実施の形態7の場合は、異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止することはできないので、実施の形態1(図54の賞球個数加算処理)および実施の形態6(図149のスイッチ処理)で説明したような異常入賞にもとづく賞球払い出しを禁止する制御を同時に実行するようにするのが好ましい。
(実施の形態8)
図151は、実施の形態8における中継基板、音/ランプ制御基板、表示制御基板の回路構成例を示すブロック図である。図9に示した基板構成では、演出制御基板80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が可変表示装置9の表示状態を制御するとともに、ランプドライバ基板35および音声出力基板70に制御信号を出力して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御するように構成されていた。しかし、図151に示す基板構成では、音/ランプ制御基板80Aに搭載されている音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御基板80Bに搭載されている表示制御用マイクロコンピュータ100Bが可変表示装置9の表示状態を制御するように構成されている。そして、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンド(以下、音/ランプ制御コマンド)が先に音/ランプ制御基板80Aの音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aに送信され、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aが受信した音/ランプ制御コマンドに対応した制御コマンド(以下、表示制御コマンド)を表示制御基板80Bの表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドにもとづいて各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力を制御し、表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドにもとづいて可変表示装置9の表示状態を制御する。
図152は、実施の形態8における音/ランプ制御用マイクロコンピュータが実行する音/ランプ制御メイン処理を示すフローチャートである。音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS711)。その後、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込フラグの監視(ステップS712)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのフラグをクリアし(ステップS713)、以下の音/ランプ制御処理を実行する。
音/ランプ制御処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(音/ランプ側コマンド解析処理:ステップS714)。次いで、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、音/ランプ制御プロセス処理を行う(ステップS715)。音/ランプ制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態に対応した処理を選択して各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力の制御等を実行する。さらに、各種乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS716)。さらに、各種ランプの点灯/消灯やスピーカ27の音声出力などによる報知を行う報知制御処理を実行する(ステップS717)。その後、ステップS712に移行する。
図153は、音/ランプ制御メイン処理における音/ランプ側コマンド解析処理(ステップS714)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された音/ランプ制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。音/ランプ側コマンド解析処理において、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS721)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS722)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、変動パターンを指定する制御コマンド(変動パターンコマンド:8000(H)〜8080(H))であれば(ステップS723)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS724)、変動パターン受信フラグをセットする(ステップS725)。そして、変動パターンに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS726)。
受信した音/ランプ制御コマンドが、図柄情報を指定する制御コマンド(図柄情報指定コマンド:8C00(H)〜8C05(H))であれば(ステップS727)、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、図柄情報に対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS728)。また、受信した音/ランプ制御コマンドが、その他の制御コマンドであれば、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aは、その他のコマンドに対応した表示制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータ100Bに送信する制御を実行する(ステップS729)。
表示制御用マイクロコンピュータ100Bは、音/ランプ制御用マイクロコンピュータ100Aからの表示制御コマンドを受信すると、受信コマンドにもとづいて、上記の各実施の形態で説明した演出制御手段の処理と同内容の処理を実行する。すなわち、図57〜図116において「演出制御」とあるのを「表示制御」と置き換えた場合の処理を実行する。
なお、上記各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられ、実施の形態8では、音/ランプ制御基板80Aおよび表示制御基板80Bが設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出装置を制御する回路を2つの基板に搭載する場合、各々の基板に搭載する演出装置を制御する回路の分け方は任意である。例えば、可変表示装置9およびランプ等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示/ランプ制御基板)と、その他の演出装置(スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態8では、音/ランプ制御基板80Aにおいて遊技制御用マイクロコンピュータ560からの音/ランプ制御コマンドに対応する表示制御コマンドを表示制御基板80Bに送信するとしていたが、表示制御コマンドを音/ランプ制御コマンドと同内容のデータとしてもよいし、例えば簡略化したコマンドに変更して表示制御コマンドとして送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
(実施の形態9)
なお、実施の形態1では、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特殊図柄(「7(白抜き)」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄(「3」「7」「7(白抜き)」)で揃った状態の図柄を確変図柄とし、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を突然確変図柄として、特殊図柄でリーチとなった時点で大当りとなることを確定させつつ、最後に導出表示される中の飾り図柄によって遊技価値を異ならせていた。これ限定されず、実施の形態9では、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特殊図柄(「7(白抜き)」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄(「3」「7」「7(白抜き)」)で揃った状態の図柄を確変図柄とし、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を非確変図柄として、特殊図柄でリーチとなった時点で大当りとなることを確定させつつ、最後に導出表示される中の飾り図柄によって遊技価値を異ならせるように構成されている。この場合、非確変大当り図柄として、図154に示す図柄(「13UF」〜「17UF」、「13LF」〜「17LF」、「13CF」〜「17CF」、「14SF」〜「17SF」、「13AF」〜「17AF」)が追加される。そして、通常大当りのとき非確変図柄決定処理(図85、図86)にて使用される図柄選択用テーブル(図92、図98、図101)の判定値をこれらの図柄に割り振って、非確変大当り図柄として選択可能に構成すればよい。なお、このとき図7に示す配列パターンの突然確変図柄(31T〜33T、35T〜55T)は使用しない。即ち、図88(B)に示す突然確変図柄選択用テーブル(F−26)およびの図88(C)に示すシングル用突然確変図柄選択用テーブル(F−27)は使用しないので、突然確変図柄決定処理(図87)においてステップS1082、ステップS1084〜S1087の処理は実行せず、ステップS1081の処理の後、ステップS1083の処理に移行する。
また、特殊図柄が複数ある場合においても、このような構成にしてもよい。その場合、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて第2の特殊図柄(例えば「3」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄(例えば「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を非確変図柄として追加すればよい。また、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて第1の特殊図柄(例えば「7(白抜き)」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄(例えば「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を非確変図柄として、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて第2の特殊図柄(例えば「3」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄(例えば「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を突然確変図柄として、非確変大当りにする場合と突然確変大当りにする場合とを組み合わせてもよい。
さらに、上記の各実施の形態において小当りを設ける場合に、左・右の飾り図柄の組み合わせが有効ライン上にて特殊図柄(「7(白抜き)」)であって、中の飾り図柄が所定の図柄(「3」「7」「7(白抜き)」)で揃った状態の図柄を確変図柄とし、中の飾り図柄が所定の図柄以外の図柄「2」「4」「5」「6」)で揃った状態の図柄を小当り図柄として、特殊図柄でリーチとなった時点で大当りまたは小当りとなることを確定させつつ、最後に導出表示される中の飾り図柄によって遊技価値を異ならせるようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態において小当りを設ける場合に、特別図柄表示器8に表示される大当り図柄および小当り図柄を共通の図柄(例えば「7」)としてもよい。このようにすれば、特別図柄表示器8に表示される図柄によって大当りか小当りかや、大当り種別などを遊技者に悟られることがない。従って、再抽選演出における確変状態への移行に対する期待感を損なうことがない。また、突然確変大当りか小当りかに対する期待感も損なうことがない。
また、特別図柄表示器8に表示される特別図柄の停止図柄として、15ラウンド当り(確変大当り、非確変大当り)のときの図柄を共通の大当り図柄としてもよい。このような構成によっても、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、確変大当りか非確変大当りかを遊技者に悟られなくすることができる。また、小当りを設ける場合に、特別図柄表示器8に表示される特別図柄の停止図柄として、2ラウンド当り(突然確変大当り、小当り)のときの図柄を共通の図柄としてもよい。このような構成によっても、特別図柄表示器8に表示される図柄によって、突然確変大当りか小当りかを遊技者に悟られなくすることができる。
また、上記の各実施の形態では、可変表示装置9の表示領域(可変表示部)は、左・中・右の3列(3つ)であったが、これに限定されず、可変表示部が4つ以上であっても本発明を適用することができる。例えば、可変表示部が4つの場合、3つの特殊図柄がそろった時点で大当り(突然確変大当りまたは確変大当り)となることが確定し、さらに最終停止図柄が特定の図柄の場合に確変大当りとするように構成すればよい。また、可変表示装置9は、上下方向に飾り図柄が3コマ表示されるものであったが、1コマ表示されるものであってもよい。
また、上記の各実施の形態では、最後に導出表示される中図柄(中リール)にも特殊図柄である「7(白抜き)」を設けていたが、必ずしも中図柄に特殊図柄を設ける必要はない。中図柄に特殊図柄を設けない場合は、特殊図柄でリーチとなった後に、特定の図柄(例えば、「3」「7」)が導出表示された場合に確変大当りとし、特定の図柄以外の図柄が導出表示された場合に突然確変大当り(または通常大当り、小当り)とするように構成すればよい。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドが専用の変動パターンコマンド(通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドでない変動パターンコマンド)であるときは、その専用の変動パターンコマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていた。しかし、通常時には図柄情報指定コマンドにもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定し、図柄情報指定コマンドを取りこぼした場合にのみ変動パターンコマンドの内容を参照し、飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、確変大当り専用の変動パターンコマンド、通常大当り専用の変動パターンコマンド、はずれ専用の変動パターンコマンドのうちのいずれかのコマンドを受信したときに、図柄情報指定コマンドを受信できなかった場合は、変動パターンコマンドの内容にもとづいて飾り図柄の停止図柄を決定するように構成されていてもよい。
また、上記の各実施の形態では、変動パターンコマンドと図柄情報指定コマンドとを分けていたが、1つのコマンドとしてもよい。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、図柄の変動開始時に変動パターンと図柄情報(はずれ、通常大当り、または確変大当り)とを示す1つのコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、その共通のコマンドにもとづいて、図柄の変動を開始し、変動パターン(変動時間を含む)を特定し、さらに飾り図柄の停止図柄等を決定する。
なお、上記の各実施の形態では、大当り遊技開始後の再抽選演出において、図柄を再変動させた後、確変図柄を導出表示させるようにしていたが、図柄を用いずに「確変」というような文字を表示することにより確変大当りになったこと(確変状態に移行されること)を遊技者に報知するようにしてもよい。この場合は、ステップS629、S692で確変図柄を決定する代わりに「確変」を表示する旨を決定することになる。
また、上記の各実施の形態では、大当り図柄は、「1・1・1」などのようにゾロ目としていたが、ゾロ目以外の図柄の組み合わせであってもよい。例えば、有効ライン上にて左・中・右の図柄が「大・当・り」で揃ったときに大当りにするようにしてもよい。その場合、有効ライン上にて大当り図柄の一部が左右の図柄として揃ったときにリーチとなる。
また、上記の各実施の形態では、変動開始時に通常大当り終了後の変動回数をカウントし、変動回数が所定回数になったときに時短フラグをリセットするようにしていたが、変動終了時に通常大当り終了後の変動回数をカウントし、変動回数が所定回数になったときに時短フラグをリセットするようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、15ラウンドの大当り時の変動パターンを指定する変動パターンコマンドとして、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドと確変大当り専用の変動パターンコマンドと通常大当り専用の変動パターンコマンドとが設けられていたが、通常大当り/確変大当り兼用の変動パターンコマンドと確変大当り専用の変動パターンコマンドのみ(通常大当り専用の変動パターンコマンドはなし)としてもよい。
上記の各実施の形態において、チャンス目が連続して停止表示された場合に、連続してチャンス目が停止表示された回数に応じて大当りになる可能性の高いスーパーリーチに発展させるようにしてもよい。なお、連続してチャンス目が停止表示されることを擬似連続予告あるいは擬似連続変動という。例えば、チャンス目が1回停止表示されると、スーパーリーチA(大当りの可能性が比較的低いスーパーリーチ)に発展させ、チャンス目が連続して2回停止表示された場合(具体的には、通常変動からチャンス目が停止表示され、再び通常変動からチャンス目が停止表示された場合)に、スーパーリーチBに発展させ、チャンス目が連続して3回停止表示された場合に、スーパーリーチCに発展させ、チャンス目が連続して4回停止表示された場合に、スーパーリーチD(大当りの可能性が最も高いスーパーリーチ)に発展させるようにしてもよい。また、スーパーリーチへの発展パターンの異なる複数種類チャンス目を用意してもよい。また、チャンス目の表示後にスーパーリーチに発展させる場合において、チャンス目が停止表示された後に通常変動を行い、その後に左図柄および右図柄を順に停止させてスーパーリーチに発展させる場合であっても、またはチャンス目が停止表示された後に通常変動を行わずに、直接(突然)、スーパーリーチに発展させる場合であってもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。