JP6005211B2 - 画像情報取得装置及び画像情報取得方法 - Google Patents

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本発明は、画像情報取得装置及び画像情報取得方法に関する。
レーザーなどの光源から被検体である生体に光を照射し、入射した光に基づいて得られる生体内の情報を画像化する光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。この光イメージング技術の一つとして、Photo Acoustic Tomography(PAT:光
音響トモグラフィ)がある。PATでは、光源から発生したパルス光を生体に照射し、生体内で伝播・拡散したパルス光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波(典型的には超音波)を検出する。この光音響波発生機序を、光音響効果と呼ぶ。光音響効果により発生した音響波を光音響波とも呼ぶ。
腫瘍などの被検部位は、その周辺組織に対して光エネルギーの吸収率が高いことが多いため、周辺組織よりも多くの光を吸収して瞬間的に膨張する。この膨張の際に発生する音響波をトランスデューサで検出し、受信信号を得る。この受信信号を数学的に解析処理することにより、被検体内の、光音響効果により発生した光音響波の音圧分布を画像化することができる。このようにして得られる光音響画像データを基にして、生体内の光学特性分布、特に、吸収係数分布を得ることができる。これらの情報は、被検体内の特定物質、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどの定量的計測にも利用できる。近年、このPATを用いて、小動物の血管像をイメージングする前臨床研究や、この原理を乳がんなどの診断に応用する臨床研究が積極的に進められている。
PATにより被検体内部を画像化する画像情報取得装置の概略図を図7(a)に、図中のトランスデューサに到達する光音響波の音圧時間波形を、横軸を時間、縦軸を音圧として図7(b)に示す。また、トランスデューサで検出する受信信号時間波形を図7(c)に、光音響画像を図7(d)に示す。図7(b)の101の部分は、被検体の光吸収により生じる光音響波起因の信号振幅であり、主に低周波成分から構成される。この被検体の光吸収により生じる光音響波の信号は被検体の界面付近において立ち上がるため、本発明においては、被検体の光吸収により生じる光音響波を界面光音響波と称する。一方、102の部分は、腫瘍など、被検体内部に局所的に存在する光吸収体により生じる光音響波起因の信号振幅であり、主に高周波成分から構成される。低周波での感度が低い有限帯域のトランスデューサにより音圧時間波形を検出するために、図7(c)に示したような受信信号時間波形となる。図7(c)の103の部分は、界面音響波を有限帯域のトランスデューサにより検出するために生じる過渡応答(信号振幅)である。
図7(c)の受信信号時間波形を用いて被検体内部を画像化し、光音響画像を取得すると、界面光音響波起因の信号振幅は図7(d)中に示したようなアーティファクトとして現れる。このため、もしも腫瘍などの光吸収体が図7(a)に示した例よりもトランスデューサ側にある場合、光吸収体により生じる光音響波起因の信号振幅102が界面光音響波起因の信号振幅103に埋もれてしまう。その結果、画像化した時に腫瘍などの光吸収体の像が前記アーティファクト中に埋もれてしまうという問題がある。
さらに、光音響効果を用いた画像情報取得装置において、保持板を備える場合がある。保持板とは、装置に被検体を固定する機構のことである。この機構を備える目的は、測定中に被検体が動き、測定位置が変化することを防ぐこと、及び、または、被検体を圧迫により薄くすることで被検体深部の画像化を可能とすること、等である。このような画像情報取得装置の概略図を図8(a)に、このときトランスデューサで検出する受信信号時間
波形を図8(b)に、光音響画像を図8(c)に示す。
図8(a)のような保持板を有する場合、保持板内部での多重反射により、界面光音響波が多重反射した多重反射界面光音響波がトランスデューサにより検出される。すなわち、図7の101に相当する波形が、保持板の光源側界面で反射した後、被検体側界面で再度反射し、トランスデューサで検出される。このとき前述と同様の過渡応答が生じる。これは多重反射界面光音響波による信号振幅であり、図8(b)のように検出される。多重反射界面光音響波を含む受信信号を用いて光音響画像を取得すると図8(c)のようになり、界面光音響波の場合と同様に、多重反射界面光音響波によるアーティファクトに腫瘍などの像が埋もれてしまうという問題があった。
光音響効果を用いた画像情報取得装置における上記界面光音響波の課題に類似している課題として、超音波診断装置におけるアーティファクトの出現がある。すなわち、送信した超音波がトランスデューサと被検体の間の介在物、例えば音響窓や被検体圧迫板等の内部で多重反射を繰り返し、多重エコーアーティファクトとして画像中に現れるという課題である。
超音波エコー法において、このような多重反射によるアーティファクトを低減する手法が特許文献1に開示されている。特許文献1に示されている装置では、予めファントム(模擬生体)を用いて測定することにより多重反射超音波を含むリファレンス音響信号を取得し、被検体を測定した信号からリファレンス音響信号を減算処理するようにしている。
また、超音波診断装置を構成する音響窓により生じる多重エコーを除去する手法が、特許文献2において開示されている。特許文献2では、受信した複数の受信信号を平均化することにより抽出した多重エコーを、受信信号から減算することにより多重エコーを除去する。
また、超音波診断画像を表示する医用撮影装置を構成する被検体を圧迫する板により生じる多重反射像を除去する手法が、特許文献3において開示されている。特許文献3では、複数の超音波画像を表す画像データを生成し、生成した画像データから多重反射像を抽出する。抽出した多重反射像を被検体の画像データから差し引くことで多重反射像を除去する。
特開平07−178081号公報 特開2000−107177号公報 特開2009−082450号公報
特許文献1に示されている装置では、予めファントムを用いて測定することにより多重反射超音波を含むリファレンス音響信号を取得し、被検体を測定した信号からリファレンス音響信号を減算処理するようにしている。このリファレンス音響信号を取得するために用いるファントムは、次のように開示されている。すなわち、表面層が生体皮膚と同程度の音響インピーダンス(1.5〜1.6×10kg/msec)を有し、内部が生体皮膚層と同程度の音響インピーダンスで、音響インピーダンスの反射のない一様な物質で作られる。
しかしながら、光音響効果を利用する場合において上述のファントムを用いたとしても
、上述のファントムから発生する界面光音響波の強度は、被検体で発生する界面光音響波と異なるため、アーティファクトを除去できない。
また、光音響効果を用いた画像情報取得装置においては、複数の異なる位置で検出した光音響波を検出する。複数の異なる位置で同時に光音響波を検出することにより測定時間を短縮できるので、素子を複数配列したアレイトランスデューサを用いるのが一般的である。そして、光の照射は、アレイトランスデューサの前面の被検体領域を照明するように行われる。このとき、照射される光は一般に空間強度分布を持つ。
光音響効果で生じる光音響波の振幅は、光の強度分布に比例する。そのため、上記界面光音響波は、被検体の界面へ照射される光の空間強度分布に比例した空間音圧分布を持つ。同様に、多重反射界面光音響波も空間音圧分布を持つ。このような空間音圧分布は、空間強度分布を持つ光を用いて光音響波を発生させ、検出するという光音響効果を用いた画像情報取得装置に特有の特徴である。
アレイトランスデューサは、前記空間音圧分布を持つ界面光音響波を検出するので、構成する素子ごとに検出される界面光音響波の振幅が異なる。このため、特許文献2の手法を適用した場合、振幅が異なる複数の受信信号を平均化するため、抽出される多重エコーの振幅は受信信号中の多重エコーの振幅と必ずしも一致しない。このため、多重エコーを十分に減算することが難しい。すなわち特許文献2の手法は、検出される多重エコー振幅が一定である超音波診断装置において効果があるのであって、前記空間音圧分布を持つ光音響効果を用いた画像情報取得装置に対して適用しても十分な効果を得る事が難しいという課題を持つ。また、特許文献3の手法は、複数の超音波画像を表す画像データが必要であるため、複数回の測定が必要となる。このため、測定時間が長くなるという課題を持つ。
さらに、上記特許文献は超音波エコー装置に関するものである。超音波エコー法においては、プローブ内の超音波振動子から発信した超音波パルスが装置を構成する部材の界面で1回反射された反射超音波は、測定対象である被検体から発生するエコーと区別できるので、ノイズとならない。2回以上反射した多重反射超音波のみが測定対象である被検体から発生するエコーと重畳する可能性があるのでノイズとなる。このように超音波エコー法では2回以上反射した多重反射超音波のみがノイズとなるのに対して、光音響効果を利用した装置では1回以上反射した反射超音波がノイズとなる点が異なる。
このように、上記特許文献は超音波エコー法における多重反射超音波を除去する方法を開示するものであり、これまで光音響効果を利用した装置における界面光音響波、及び、多重反射界面光音響波を除去する方法は開示されていなかった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、アーティファクトを低減した光音響画像データを得ることができる画像情報取得装置を提供することである。
本発明は、以下の構成を採用する。すなわち、
光源と、
音響波を検出して信号に変換するトランスデューサと、
記信号を用いて画像データを生成する信号処理手段と、
ファレンス信号を記憶する記憶手段と、
を有し、
前記トランスデューサは、前記光源が被検体に光を照射したことにより発生した音響波を検出して被検体信号を出力し、
前記記憶手段は、
ファントムに光が照射されたことにより発生した光音響波を検出することにより得られた信号を、前記リファレンス信号として記憶し、
前記信号処理手段は、
前記被検体信号のうちの前記被検体の表面で発生した光音響波に対応する信号と、前記リファレンス信号のうちの前記ファントムの表面で発生した光音響波に対応する信号との強度の差が小さくなるように補正された、前記被検体信号および前記リファレンス信号の差分信号を生成し、
前記差分信号から画像データを生成する
ことを特徴とする画像情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光源と、
音響波を検出して信号に変換するトランスデューサと、
記信号を用いて画像データを生成する信号処理手段と、
ファレンス画像データを記憶する記憶手段と、
を有し、
前記トランスデューサは、前記光源が被検体に光を照射したことにより発生した音響波
を検出して被検体信号を出力し、
前記記憶手段は、
ファントムへの光照射により発生した光音響波に基づいて生成された画像データを、前記リファレンス画像データとして記憶し、
前記信号処理手段は、
前記被検体信号から被検体画像データを生成し、
前記被検体画像データのうちの前記被検体の表面に対応する画像値と、前記リファレンス画像データのうちの前記ファントムの表面に対応する画像値との差が小さくなるように補正された、前記被検体画像データおよび前記リファレンス画像データの差分画像データを生成する
ことを特徴とする画像情報取得装置である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光が被検体に照射されたことにより発生した音響波を検出して得られた被検体信号を取得するステップと、
光がファントムに照射されたことにより発生した音響波を検出して得られたリファレンス信号を取得するステップと、
前記被検体信号のうちの前記被検体の表面で発生した光音響波に対応する信号と、前記リファレンス信号のうちの前記ファントムの表面で発生した光音響波に対応する信号との強度の差が小さくなるように補正された、前記被検体信号および前記リファレンス信号の差分信号を生成するステップと、
前記差分信号から画像データを生成するステップと、
を有することを特徴とする画像情報取得方法である。
本発明はまた、以下の構成を採用する。すなわち、
光が被検体に照射されたことにより発生した音響波に基づいて生成された被検体画像データを取得するステップと、
光がファントムに照射されたことにより発生した音響波に基づいて生成されたリファレンス画像データを取得するステップと、
前記被検体画像データのうちの前記被検体の表面に対応する画像値と、前記リファレンス画像データのうちの前記ファントムの表面に対応する画像値との差が小さくなるように補正された、前記被検体画像データおよび前記リファレンス画像データの差分画像データを生成するステップと、
を有することを特徴とする画像情報取得方法である。
本発明によれば、アーティファクトを低減した光音響画像データを得ることができる画像情報取得装置を提供することが可能になる。
実施例1における画像情報取得装置の構成を説明する概略図。 HbO2とHbの吸収スペクトルを示す図。 実施例1における各種の音響信号を示す図。 実施例1における画像情報取得装置の変形例を説明する概略図。 実施例3における画像情報取得装置の構成を説明する概略図。 実施例3における各種の画像を示す図。 アーティファクトの形成を説明するための概略図。 保持板を持つ画像情報取得装置の概略図
以下に図面を参照しつつ、本発明を実施するための好適な形態を説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状及びそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。また、本発明は、以下に説明する画像情報取得装置を情報処理装置等が制御する、制御方法としてとらえることもできる。
[実施例1]
実施例1では、本発明を適用した画像情報取得装置の構成例について説明する。
図1(a)に本実施例における画像情報取得装置の構成を説明する概略図を示す。図1(a)の画像情報取得装置は、光源1、光学系2、トランスデューサ3、音響伝達部材4、メモリー5、信号処理装置6、出力装置7、音響波検出プローブ11を有する。図中、Eは被検体である。被検体Eは、例えば、乳房などの生体組織である。被検体Eには内部組織α1及びα2が含まれる。内部組織としては例えば、腫瘍などのような光吸収体を想定することができる。
以下、各構成要素の詳細を説明する。
光源1は、被検体Eに照射する特定波長のナノ秒オーダーのパルス光を発する光源である。光源1が発する光の波長は、生体組織を構成する水、脂肪、タンパク質、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンなどの吸収スペクトルに応じた波長を選定する。一例としては、生体内部組織の主成分である水の吸収が小さいため光が良く透過し、脂肪、酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビンのスペクトルに特徴がある600−1500nm範囲が適当である。
また、生体組織では癌などの腫瘍が成長する際には新生血管の形成や酸素の消費量が増大することが知られている。このような新生血管の形成や酸素消費量の増大を評価する方法として、酸化ヘモグロビン(HbO)と還元ヘモグロビン(Hb)の吸収スペクトルの特徴を利用することができる。図2は、波長600−1000nm範囲におけるHbOとHbの吸収スペクトルである。
画像情報取得装置では複数波長のHbOとHbの吸収スペクトルから、生体組織内の血液中に含まれるHbとHbOの濃度を測定する。そして、複数の位置においてHbとHbOの濃度を測定し、濃度分布の画像データを作成することにより生体組織内で新生血管が形成されている領域を判別することができる。また、HbとHbOの濃度から酸素飽和度を算出し、酸素飽和度から酸素の消費量が増大している領域を判別することができる。このように画像情報取得装置で測定したHbとHbOの分光情報を診断に利用することができる。
具体的な光源1の例としては、異なる波長を発生する半導体レーザー、波長可変レーザーなどで構成すると良い。光学系2は、光源1から射出された光を被検体Eに導くために設けられている。光学系2は、光ファイバーやレンズから構成される。光源1から射出された光は光学系2によって拡大され、音響伝達部材4を透過して被検体Eの表面に導かれる。このような光源1と光学系2によって照明装置を形成している。
音響波検出プローブ11は、受信した音響波による圧力変化を電気信号に変換する圧電効果を有するトランスデューサ3と音響伝達部材4から構成される。なお、本明細書にお
いては、光音響効果によって発生した音響波をトランスデューサ3で電気信号に変換したものを音響信号とする。トランスデューサ3は、音響波を受信して電気信号に変換する素子を複数配置したアレイ型としても良い。ところで、癌などの腫瘍の成長に伴って腫瘍のサイズが2−3mm以上になる場合に、新生血管の形成が増大することが知られている。このためトランスデューサ3としては、光音響効果により数mm以下の光吸収体から発生した0.5MHz−数10MHzの音響波の検出に適した材料が好適に用いられる。具体的には、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、CMUT(Capacitive Micro-machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子を配置したトランスデューサを用いても良い。
また、トランスデューサ3と被検体Eでは音響インピーダンスが大きく異なる場合が多い。その場合、トランスデューサ3と被検体Eを接触させると界面での反射が大きくなり、光音響効果によって発生した音響波をトランスデューサ3に効率よく伝えることが困難となる。このため被検体Eとトランスデューサ3との中間的な音響インピーダンスの材料で構成され、厚さを音響波の波長の1/4に設定した音響伝達部材4を設けている。音響伝達部材4を構成する材料の例としては、エポキシ樹脂、石英ガラス、ウレタンゴムなどがある。ただし音響伝達部材を配置しない構成や、音響伝達部材をトランスデューサ(またはトランスデューサを含む探触子)と一体化する構成も考え得る。
メモリー5は、後述するリファレンス音響信号を記憶する記憶装置である。メモリー5としては、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリー、ハードディスクなどのデータ記録装置を用いることができる。信号処理装置6は、トランスデューサ3とメモリー5と出力装置7に接続されている。信号処理装置6は、被検体Eを測定した被検体音響信号から予めメモリー5に記憶されているリファレンス音響信号を減算処理する機能を有する。また、信号処理結果を出力装置7に表示するための画像データの生成を行う機能を有している。出力装置6は、信号処理装置6での信号処理結果を表示するためのディスプレイである。液晶ディスプレイ、CRT、有機ELディスプレイなどの表示デバイスを用いることができる。
図1(b)はリファレンス音響信号取得を行う場合の概略図を示している。図1(a)の被検体Eの替わりに、ファントムFを設けている。その他の構成要素は図1(a)と同じであるため、説明を省略する。
ファントムFは、被検体Eと略等しい音響インピーダンス(音響パラメータ)と、光吸収特性と光散乱特性(光学パラメータ)を有している。ファントムFは、被検体を模した模擬生体であるとも言える。例えば、音響インピーダンスは1.5〜1.6×10kg/msecに設定すると良い。また、光吸収特性と光散乱特性は光源1が発する波長によって設定する値が異なる。皮膚の光吸収特性と光散乱特性については、既に知られているものを用いることができる。例えば、波長が700nm以上1100nm以下の範囲の光に対して光散乱係数が0.45mm−1以上2.8mm−1以下、光吸収係数が0.001mm−1以上0.03mm−1以下に設定すると良い。さらには、光散乱係数が0.45mm−1以上1.2mm−1以下、光吸収係数が0.005mm−1以上0.015mm−1以下とすると、より生体に近似した光学特性が得られるため好ましい。特に、乳房組織の波長1064nmにおける代表的な光吸収係数μaは0.01mm−1、光散乱
係数μs’は0.9mm−1であるため、この付近に設定すると良い。
図1(b)に示す装置において、光源1から射出されたパルス光は光学系2によって拡大されファントムFの表面に導かれる。ファントムFに達した光はファントムFの表面及び内部で散乱する。散乱した光の一部はプローブ側に反射され、再び音響伝達部材4を透
過してトランスデューサ3の音響伝達部材4に接している面に達する。
この時、光が到達するファントムFと音響伝達部材4とトランスデューサ3の表面では、光音響効果によって各々の光吸収特性に基づく界面光音響波が発生する。また、この界面光音響波が伝播すると、ファントムFと音響伝達部材4とトランスデューサ3の夫々の界面で反射されて多重反射界面光音響波が発生する。
これらの音響波はトランスデューサ3で検出され、電気信号である音響信号に変換される。本実施例においては、このファントムFを測定した時の音響信号をリファレンス音響信号とする。リファレンス音響信号取得の結果はトランスデューサ3に接続された信号処理装置6に送られ、信号処理装置6によってメモリー5に記憶され、更に出力装置7に表示される。
図3(a)に示したものは、上記の方法でファントムを測定した際に出力装置7に表示されたリファレンス音響信号である。図中の横軸は時間t、縦軸は音響信号から変換した圧力である。
T−0はパルス光が照射された時にトランスデューサ3と音響伝達部材4の接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波による信号振幅である。F−0はパルス光が照射された時に音響伝達部材4とファントムFの接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波が音響伝達部材4の中を伝播してトランスデューサ3に達した音響波による信号振幅である。
T−1はT−0の界面光音響波が音響伝達部材4の中を伝播し、音響伝達部材4とファントムFの界面で1回反射した後にトランスデューサ3に達した多重反射界面光音響波による信号振幅である。T−2はT−1の音響波がトランスデューサ3と音響伝達部材4の界面で1回反射した後に音響伝達部材4の中を伝播し、音響伝達部材4とファントムFの界面で2回目の反射をした後にトランスデューサ3に達した多重反射界面光音響波による信号振幅である。図示はしていないが、以後T−3、T−4・・・と多重反射界面光音響波による信号振幅がある。
F−1はF−0の界面光音響波がトランスデューサ3と音響伝達部材4の界面で1回反射した後に音響伝達部材4の中を伝播し、音響伝達部材4とファントムFの界面で1回目の反射した後にトランスデューサ3に達した多重反射界面光音響波の信号振幅である。F−2はF−1の音響波がトランスデューサ3と音響伝達部材4の界面で2回目の反射をした後に音響伝達部材4の中を伝播し、音響伝達部材4とファントムFの界面で2回目の反射した後にトランスデューサ3に達した多重反射界面光音響波の信号振幅である。図示はしていないが、以後F−3、F−4・・・と多重反射界面光音響波による信号振幅がある。
次に被検体Eを測定した被検体音響信号からリファレンス音響信号を減算する場合について説明する。
図1(a)に示す装置において、光源1から射出されたパルス光は光学系2によって拡大され、音響伝達部材4を透過して被検体Eの表面に導かれる。被検体Eに達した光は被検体Eの表面及び内部で散乱する。散乱した光の一部はプローブ側に反射され、再び音響伝達部材4を透過してトランスデューサ3の音響伝達部材4に接している面に達する。
この時、被検体Eの内部では光音響効果によって内部組織の光吸収特性に基づく音響波が発生する。また、リファレンス音響信号を取得する時と同様に、光が到達する被検体Eと音響伝達部材4とトランスデューサ3の表面では、光音響効果によって各々の光吸収特性に基づく界面光音響波が発生する。また、この界面光音響波が伝播すると、被検体Eと
音響伝達部材4とトランスデューサ3の夫々の界面で反射されて多重反射界面光音響波が発生する。
これらの音響波はトランスデューサ3で検出され電気信号である音響信号に変換される。本明細書においては、この被検体Eを測定した時の音響信号を被検体音響信号とする。被検体音響信号取得の結果はトランスデューサ3に接続された信号処理装置6に送られ、信号処理装置6によってメモリー5に記憶される。
図3(b)に示したものはメモリー5に記憶された被検体音響信号である。
T−0は図3(a)で説明したものと同じ、トランスデューサ3と音響伝達部材4の接触面における界面光音響波の信号振幅である。E−0はパルス光が照射された時に音響伝達部材4と被検体Eの接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波が音響伝達部材4の中を伝播してトランスデューサ3に達した音響波の信号振幅である。
F−0に遅れて発生している音響波は、被検体Eの内部組織で光音響効果によって発生した音響波と図3aで説明した多重反射界面光音響波T−1,T−2・・・、F−1、F−2・・・が合成されたものである。
信号処理装置6は被検体音響信号から予めメモリー5に記憶しているリファレンス音響信号を減算する装置であり、減算した結果の信号(差分音響信号)を用いて画像データを生成する。出力装置7はその画像データを表示する。また、画像データになる前の差分音響信号を表示することもできる。
図3(c)は出力装置7に表示される被検体音響信号からリファレンス音響信号を減算した差分音響信号を示したものである。本図に示すN形状の波形α−1、α―2は、図1(a)に示す被検体Eの内部組織α1およびα2からの信号がアーティファクトを低減した状態で表示されたものである。
以上に説明したように、本実施例における画像情報取得装置では、被検体音響信号からリファレンス音響信号を減算することにより、界面光音響波、及び、多重反射界面光音響波の影響を除去することができる。このような音響信号を用いることによりアーティファクトが低減された光音響画像データを得ることが可能となる。
[変形例]
また、本実施例の画像情報取得装置の変形例として、図4(a)及び4(b)に示すものがある。以下、図1と異なる構成要素を中心に説明する。
図4(a)の例では、音響伝達部材4と被検体Eの間に被検体Eを保持するための第二音響伝達部材12を設けている。第二音響伝達部材12は、被検体Eに接触して被検体Eを保持するとともに、光音響効果により発生した音響波に対して高透過特性と低減衰特性を有し、更に光源1が発する光に対して高透過特性と低減衰特性を有する平板である。音響伝達部材4を構成する材料の例としては、石英ガラス、ポリメチルペンテンポリマー、ポリカーボネート、アクリルなどがある。
図4(b)の例では、音響伝達部材4と第二音響伝達部材12の隙間に第三音響伝達部材13が設けられている。第三音響伝達部材13は、音響伝達部材4と第二音響伝達部材12の音響インピーダンスのマッチングを取るために設けられている。第三音響伝達部材13は光音響効果により発生した音響波に対して高透過特性と低減衰特性を有し、更に光源1が発する光に対して高透過特性と低減衰特性を有するものである。第三音響伝達部材13を構成する材料としては、水、ひまし油、音響波検査用ジェルなど用いることができる。
図4(a)及び図4(b)のように保持部材やマッチング剤を追加した場合においても、上で説明したものと同様の方法により、界面光音響波、及び、多重反射界面光音響波の影響を除去することができる。その場合、ファントムを用いた測定を行うことにより、保持部材やマッチング剤の表面で発生する界面光音響波の影響を含めたリファレンス信号を取得し、メモリーに保持して信号処理に用いることになる。このような音響信号を用いることによりアーティファクトが低減された光音響画像データを得ることが可能となる。
また、本実施例においては予め取得したリファレンス信号を被検体信号から減算する場合を説明したが、被検体信号を取得後にリファレンス信号を取得して減算しても同様の効果が得ることができる。
[実施例2]
被検体Eの光吸収特性と光散乱特性には個人差がある。実施例1で示したファントムFを各々に適したファントムを用意することも考えられるが、測定する人数が多くなると高コストになるとともにリファレンス音響信号取得のための時間も要する。実施例2は、光吸収特性と光散乱特性の平均値を有するファントムFを用いて、これらの個人差によるずれを補正できる画像情報取得装置の構成例に関するものである。
以下、本実施例で光吸収特性と光散乱特性の個人差を補正する方法について説明する。ここで用いる装置の構成は、実施例1と同様とする。
実施例1と同様に図3(a)に示すファントムFのリファレンス音響信号を取得する。この時、F−0の界面光音響波の信号強度はAF0、F−1の音響波の信号強度はAF1、F−2の音響波の信号強度はAF2である。
更に、実施例1と同様に、図3(b)に示す被検体Eの被検体音響信号取得を行う。この時、E−0の界面光音響波の信号強度はAE0である。E−0は音響伝達部材4と被検体Eの接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波であるから、両者を比較して、AF0とAE0が等しければファントムFと被検体Eの光吸収特性と光散乱特性が等しくなる。
すなわち、リファレンス音響信号のF−0の信号強度AF0をAE0に補正することにより、ファントムFと被検体Eの光吸収特性と光散乱特性の違いを補正することができる。
ファントムFと被検体Eの音響インピーダンスが略等しいものとし、図3(a)に示したAF1を、AF1×(AE0/AF0)、AF2をAF2×(AE0/AF0)となるように補正する。以下同様に、AF3×(AE0/AF0)、AF4×(AE0/AF0)…、となる。このような補正により被検体Eの光吸収特性と光散乱特性に基づく補正リファレンス音響信号を得ることができる。
信号処理装置6は上述した補正リファレンス音響信号を生成してメモリー5に記憶する。このように信号処理装置6は、補正リファレンス音響信号を生成するための補正音響信号生成装置としても機能するものである。信号処理装置6は被検体音響信号から予めメモリー5に記憶している補正リファレンス音響信号を減算した差分音響信号を用いて画像データを生成する。出力装置6はその画像データを画像として表示する。
以上に説明したように、本実施例における画像情報取得装置では、被検体音響信号とリファレンス音響信号を比較して、補正に用いる係数を求める。そして、被検体音響信号から補正リファレンス音響信号を減算することにより、被検体Eの光吸収特性と光散乱特性に基づく界面光音響波、及び、多重反射界面光音響波の影響を除去することができる。このような音響信号を用いることによりアーティファクトが低減された光音響画像データを
得ることが可能となる。
[実施例3]
断層画像データを用いて多重反射界面光音響波の影響を除去する画像情報取得装置の構成例に関して、図5(a)を用いて説明する。図1(a)と同じ番号を付けた構成部材は上述したものと同じ機能を有するものである。
図5(a)に示した装置は、一次元アレイトランスデューサ8、音響レンズ9、画像生成装置10を有する。一次元アレイトランスデューサ8は、トランスデューサ3で説明した圧電素子を一次元に配列したものである。複数個の圧電素子から取得した複数の音響信号から、Sum And Delay Beamforming法を用いて所望の位置の信号を取得する。
音響レンズ9は、被検体Eの内部に焦点距離を有し、音響伝達部材4と同様に光音響効果により発生した音響波に対して高透過特性と低減衰特性を有している。音響レンズを構成する材料は、被検体Eと圧電素子の中間的な音響インピーダンスを有する材料が好ましく、例としてシリコンゴムや高分子樹脂材料などがある。被検体Eの音速よりも遅い音速の材料で構成すると形状は凸レンズとなり、凸面の曲率によって焦点距離が決まり、焦点距離とレンズの直径によって集束サイズと焦点深度がきまる。本実施例においては、音響レンズを用いているが、凹面の圧電素子を用いても良い。また、実施例1と同様に静電容量型の素子などを用いても良い。
画像生成装置10は音響信号から2次元の断層画像データを生成する機能を有する信号処理装置である。画像生成装置10は実施例1で説明した信号処理装置6と同様に、メモリー5へ生成した画像データを記憶させる。また、後述する被検体画像データからリファレンス画像データを減算処理する機能も有している。
図5(b)はリファレンス画像データを取得する場合を示している。図5(a)の被検体Eの替わりにファントムFを設けている。ファントムFは、実施例1で説明したものと同様のファントムを用いることができる。
図5(b)に示す装置において、光源1から射出されたパルス光は光学系2によって拡大され、音響レンズ9の側面付近からファントムFの表面に導かれる。ファントムFに達した光はファントムFの表面及び内部で散乱する。散乱した光の一部はプローブ側に反射され、音響レンズ9及び一次元アレイトランスデューサ8に達する。
この時、光が到達するファントムFと音響レンズ9と一次元アレイトランスデューサ8の表面では、光音響効果によって各々の光吸収特性に基づく界面光音響波が発生する。また、この界面光音響波が伝播すると、ファントムFと音響レンズ9と一次元アレイトランスデューサ8の夫々の界面で反射されて多重反射界面光音響波が発生する。これらの音響波は一次元アレイトランスデューサ8で検出され、電気信号である音響信号に変換される。
音響信号は一次元アレイトランスデューサ8に接続された画像生成装置10に送られ、画像生成装置10によって2次元の断層画像データが生成される。本明細書においては、このファントムFを測定した時の画像データをリファレンス画像データとする。リファレンス画像データは画像生成装置10によってメモリー5に記憶される。
図6(a)は出力装置7に表示されたリファレンス画像である。
図の縞模様Ti−0はパルス光が照射された時に一次元アレイトランスデューサ8と音響レンズ9の接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波による像である。なお、説明を簡略化するため、本実施例では音響伝達部材4の厚みについては考えないが、音響伝達部材表面で界面光音響波が発生する場合でも他の接触面と同様に考えることができる
。縞模様Fi−0はパルス光が照射された時に音響レンズ9とファントムFの接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波が音響レンズ9の中を伝播して一次元アレイトランスデューサ8に達した音響波による像である。
縞模様Ti−1はTi−0の界面光音響波が音響レンズ9の中を伝播し、音響レンズ9とファントムFの界面で1回反射した後にトランスデューサ3に達した多重反射界面光音響波による像である。縞模様Ti−2は、多重反射界面光音響波による像である。すなわち、Ti−1の音響波が一次元アレイトランスデューサ8と音響レンズ9の界面で1回反射した後に音響レンズ9の中を伝播し、音響レンズ9とファントムFの界面で2回目の反射をした後に一次元アレイトランスデューサ8に達したものである。図示はしていないが、以後Ti−3、Ti−4…、と多重反射界面光音響波による像がある。
縞模様Fi−1は、多重反射界面光音響波による像である。すなわち、Fi−0の界面光音響波が一次元アレイトランスデューサ8と音響レンズ9の界面で1回反射した後に音響レンズ9の中を伝播し、音響レンズ9とファントムFの界面で1回目の反射した後に一次元アレイトランスデューサ8に達したものである。
縞模様Fi−2は、多重反射界面光音響波による像である。すなわち、Fi−1の一次元アレイトランスデューサ8と音響レンズ9の界面で2回目の反射した後に音響レンズ9の中を伝播し、音響レンズ9とファントムFの界面で2回目の反射した後に一次元アレイトランスデューサ8に達したものである。図示はしていないが、以後Fi−3、Fi−4…、と多重反射界面光音響波による像がある。
次に、被検体Eを測定した被検体画像データからリファレンス画像データを減算する場合について説明する。
図5(a)に示す装置において、光源1から射出されたパルス光は光学系2によって拡大され、音響レンズ9の側面付近から被検体Eの表面に導かれる。被検体Eに達した光は被検体Eの表面及び内部で散乱する。散乱した光の一部はプローブ側に反射され、音響レンズ9及び一次元アレイトランスデューサ8に達する。
この時、被検体Eの内部では光音響効果によって内部組織の光吸収特性に基づく音響波が発生する。また、リファレンス画像データを取得する時と同様に、光が到達する被検体Eと音響レンズ9と一次元アレイトランスデューサ8の表面では、光音響効果によって各々の光吸収特性に基づく界面光音響波が発生する。また、この界面光音響波が伝播すると、被検体Eと音響レンズ9と一次元アレイトランスデューサ8の夫々の界面で反射されて多重反射界面光音響波が発生する。これらの音響波は一次元アレイトランスデューサ8で検出され電気信号である音響信号に変換される。音響信号は一次元アレイトランスデューサ8に接続された画像生成装置10に送られ、画像生成装置10によって2次元の断層画像データが生成される。本明細書においては、この被検体Eを測定した時の画像データを被検体画像データとする。被検体画像データは画像生成装置10によってメモリー5に記憶される。
図6(b)は出力装置7に表示された被検体画像である。
縞模様Ti−0は図5(a)で説明したものを画像化した例である。縞模様Ei−0はパルス光が照射された時に音響レンズ9と被検体Eの接触面で光音響効果によって発生した界面光音響波が音響レンズ9の中を伝播して一次元アレイトランスデューサ8に達した音響波による像である。
縞模様Ti−0及びEi−0以外の縞模様は、被検体Eの内部組織で光音響効果によって発生した音響波と図5(a)で説明した多重反射界面光音響波による像Ti−1、Ti
−2・・・、Fi−1、Fi−2・・・、が合成されたものである。
信号処理装置である画像生成装置10は被検体音響画像データから予めメモリー5に記憶しているリファレンス画像データを減算した結果(差分画像データ)を出力装置7に出力し、出力装置7は差分画像を表示する。
図6(c)は出力装置7に表示された被検体画像データからリファレンス画像データを減算した差分画像である。αi−1は図5(a)に示す被検体Eの内部組織α1から、αi−2は内部組織α2から発生した音響波を示している。
以上に説明したように、本実施例における画像情報取得装置では、被検体画像データからリファレンス画像データを減算することにより、界面光音響波、及び、多重反射界面光音響波の影響を除去することができる。このような音響信号を用いることによりアーティファクトが低減された光音響画像データを得ることが可能となる。
本実施例においては、一次元アレイトランスデューサを用いて断層画像データを取得したが、単素子のトランスデューサを走査駆動して断層画像データを取得するようにしても良い。更に、二次元アレイトランスデューサやトランスデューサを走査駆動して三次元画像データを取得する場合にも本発明を利用することができる。
1:光源,3:トランスデューサ,5:メモリー,6:信号処理装置,E:被検体,F:ファントム

Claims (13)

  1. 光源と、
    音響波を検出して信号に変換するトランスデューサと、
    記信号を用いて画像データを生成する信号処理手段と、
    ファレンス信号を記憶する記憶手段と、
    を有し、
    前記トランスデューサは、前記光源が被検体に光を照射したことにより発生した音響波を検出して被検体信号を出力し、
    前記記憶手段は、
    ファントムに光が照射されたことにより発生した光音響波を検出することにより得られた信号を、前記リファレンス信号として記憶し、
    前記信号処理手段は、
    前記被検体信号のうちの前記被検体の表面で発生した光音響波に対応する信号と、前記リファレンス信号のうちの前記ファントムの表面で発生した光音響波に対応する信号との強度の差が小さくなるように補正された、前記被検体信号および前記リファレンス信号の差分信号を生成し、
    前記差分信号から画像データを生成する
    ことを特徴とする画像情報取得装置。
  2. 前記記憶手段は、前記トランスデューサと前記ファントムとの間に音響伝達部材が設けられたときに、前記ファントムに光が照射されたことにより発生した光音響波を前記トランスデューサが検出して出力した信号を、前記リファレンス信号として記憶する
    ことを特徴とする請求項に記載の画像情報取得装置。
  3. 前記ファントムの表面で発生した光音響波に対応する信号は、前記トランスデューサと前記音響伝達部材の接触面で発生した光音響波よりも後に検出される前記リファレンス信号のうち最も強度の高い信号であり、
    前記被検体の表面で発生した光音響波に対応する信号は、前記トランスデューサと前記音響伝達部材の接触面で発生した光音響波よりも後に検出される前記被検体信号のうち最も強度の高い信号である
    ことを特徴とする請求項に記載の画像情報取得装置。
  4. 光源と、
    音響波を検出して信号に変換するトランスデューサと、
    記信号を用いて画像データを生成する信号処理手段と、
    ファレンス画像データを記憶する記憶手段と、
    を有し、
    前記トランスデューサは、前記光源が被検体に光を照射したことにより発生した音響波を検出して被検体信号を出力し、
    前記記憶手段は、
    ファントムへの光照射により発生した光音響波に基づいて生成された画像データを、前記リファレンス画像データとして記憶し、
    前記信号処理手段は、
    前記被検体信号から被検体画像データを生成し、
    前記被検体画像データのうちの前記被検体の表面に対応する画像値と、前記リファレンス画像データのうちの前記ファントムの表面に対応する画像値との差が小さくなるように補正された、前記被検体画像データおよび前記リファレンス画像データの差分画像データを生成する
    ことを特徴とする画像情報取得装置。
  5. 前記ファントムの光散乱係数は0.45mm−1以上、2.8mm−1以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  6. 前記ファントムの光吸収係数は0.01mm−1以上、0.03mm−1以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  7. 前記ファントムの光散乱係数は0.45mm−1以上、1.2mm−1以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  8. 前記ファントムの光吸収係数は0.005mm−1以上、0.015mm−1以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  9. 前記ファントムの音響インピーダンスは1.5×10kg/msec以上、1.6×10kg/msec以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  10. 前記光源は、700nm以上、1100nm以下の波長の光を出射することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  11. 前記トランスデューサは、光が照射される前記被検体の面に音響的に接続するように配置される
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の画像情報取得装置。
  12. 光が被検体に照射されたことにより発生した音響波を検出して得られた被検体信号を取得するステップと、
    光がファントムに照射されたことにより発生した音響波を検出して得られたリファレンス信号を取得するステップと、
    前記被検体信号のうちの前記被検体の表面で発生した光音響波に対応する信号と、前記リファレンス信号のうちの前記ファントムの表面で発生した光音響波に対応する信号との強度の差が小さくなるように補正された、前記被検体信号および前記リファレンス信号の
    差分信号を生成するステップと、
    前記差分信号から画像データを生成するステップと、
    を有することを特徴とする画像情報取得方法。
  13. 光が被検体に照射されたことにより発生した音響波に基づいて生成された被検体画像データを取得するステップと、
    光がファントムに照射されたことにより発生した音響波に基づいて生成されたリファレンス画像データを取得するステップと、
    前記被検体画像データのうちの前記被検体の表面に対応する画像値と、前記リファレンス画像データのうちの前記ファントムの表面に対応する画像値との差が小さくなるように補正された、前記被検体画像データおよび前記リファレンス画像データの差分画像データを生成するステップと、
    を有することを特徴とする画像情報取得方法。
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