JP6004707B2 - 音声処理装置及び撮像装置 - Google Patents

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本発明は、音声処理装置及び撮像装置に関し、より具体的にはステレオ音声入力装置の感度を調整する音声処理装置、及び、このような音声処理装置を具備する撮像装置に関する。
ステレオ録音装置でステレオ音声を録音するには、同感度の2つのマイクロフォンを有する必要がある。しかし、部品バラツキ・組立バラツキ等の要因によりマイクロフォン感度に個体バラツキが発生するので、同感度のマイクロフォンを用意するには、マイクロフォンを感度毎に選別する必要があり、現実的ではない。
このため、各マイクロフォンにより入力される音声信号の音声レベルを調整する音声処理を設けるのが一般的である(特許文献1)。例えば、左右2つのマイクロフォンの一方又は両方の出力に音声レベル調整回路を接続し、両マイクロフォンから等距離にある音源から調整用音声を発生させる。この調整用音声に対して、両マイクロフォンによる音声レベル調整後の入力音声信号の音声レベルが等しくなるように、一方又は両方の音声レベル調整回路の調整値を決定する。
また、特許文献2には、予め定めた基準音圧値(デフォルト値)に相当する調整用音声をスピーカより発生させ、この調整用音声に対する各マイクロフォンの出力音声信号を当該基準音圧値に相当する音声レベルになるように調整することが記載されている。
特開2008−060625号公報 特開2006−174216号公報
従来技術では、調整用音声を発生するスピーカを、ステレオマイクを構成する2つのマイクロフォンから等距離に設置する必要があり、調整場所に制約が生じる。
また、測定音声レベルと基準音圧値とが一致するように音声レベルを校正するには、校正を行う環境下で、調整用音源が発する音声周波数と同様の周波数帯の音が存在しないようにしなければならない。周囲音の影響を受けると、正確な校正ができないからである。
マイクロフォン自体の感度は経時的に変化するので、そのような変化に対応して音声レベルの調整値を更に調整する必要がある。
ステレオマイクでは、一般に、製造時に基準音源を用いて左右マイクの録音を行った時の音声出力が左右均一になるように調整される。しかし、使用開始した後の経年変化に対する感度調整では、左右マイクから等距離にあり、しかも、広周波数範囲をカバーできる基準音源を確保するのが困難である。このような問題点は、ステレオマイクに限らず、複数のマイクを使用するシステムでも、同様に生じうる。
本発明は、設置時のみならず運用時にも、マイクロフォン感度の相違を容易に調整又は校正できる音声処理装置、及びこのような音声処理装置を具備する撮像装置を提示することを目的とする。
本発明に係る音声処理装置は、複数の音声入力手段からの各音声信号の感度を調整する音声処理装置であって、前記複数の音声入力手段からの音声信号をそれぞれフィルタリングする複数のフィルタリング処理手段と、前記複数の音声入力手段からの音声信号のレベルを複数の周波数について測定する複数のスペクトル測定手段と、前記複数のフィルタリング処理手段からの音声信号のレベルをそれぞれ測定する複数のレベル測定手段と、前記複数のフィルタリング処理手段からの音声信号のレベルをそれぞれ調整する複数のレベル調整手段と、音発生手段と、感度補正開始の指示に応じて、前記複数のスペクトル測定手段によりそれぞれレベルが測定された、前記複数の音声入力手段からの周囲音の音声信号それぞれの前記複数の周波数の内、レベルの低い周波数に対応す調整用音声周波数の基準音を前記音発生手段に発生させると共に前記調整用音声周波数以外をカットするように前記複数のフィルタリング処理手段フィルタリング係数を設定し、前記複数のレベル測定手段によりそれぞれ測定された、前記複数のフィルタリング処理手段からの、前記基準音を含む周囲音の音声信号それぞれのレベルと基準音声レベルとの差分に従い前記複数のフィルタリング処理手段のフィルタリング係数を補正する制御手段とを具備することを特徴とする。

本発明によれば、装備している音発生手段から所定周波数の基準音を発生させることで、音声入力手段の感度を当初の状態又はそれに近い状態に調整できるので、感度が経時変化しても容易に相互のバランスを回復できる。
本発明の一実施例の概略構成ブロック図である。 本実施例を組み込んだ撮像装置の外観図である。 本実施例の感度調整の動作フローチャートである。 図3に示フローの音声レベル補正処理の詳細なフローチャートである。 周囲音のスペクトル例である。 基準音発生時のRチャネル音声のスペクトル例である。 基準音発生時のLチャネル音声のスペクトル例である。 本実施例の感度調整の別の動作フローチャートである。 本実施例の感度調整の更に別の動作フローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳細に説明する。
図1は、本発明に係る音声処理装置の一実施例の概略構成ブロック図を示す。先ず、基本的な構成と動作を説明する。
右チャネルのマイク(Rマイク)12Rと、左チャネルのマイク(Lマイク)12Lは、ステレオマイクを構成する。音声処理装置10は、Rマイク12Rの出力音声信号を処理するRチャネル処理系と、Lマイク12Lの出力音声信号を処理するLチャネル処理系を具備する。
Rチャネル処理系を説明する。Rマイク12Rによる入力音声信号は、アンプ14Rにより増幅され、A/D変換器16Rによりデジタル信号に変換されて、フィルタリング処理装置18R及びスペクトル測定装置20Rに入力する。スペクトル測定装置20Rは、A/D変換器16Rの出力音声データの周波数スペクトルを測定し、測定結果を制御装置22に通知する。より具体的には、スペクトル測定装置20Rは、A/D変換器16Rの出力音声データのうちの、周囲の環境音に含まれない1又は複数の周波数又は周波数帯を測定(検出)する。このスペクトル測定結果は、Rマイク12Rの感度調整に使用される。
フィルタリング処理装置18Rは、A/D変換器16Rの出力音声データを、制御装置22により設定されるフィルタリング係数に従ってフィルタリング処理する。フィルタリング処理装置18R及びスペクトル測定装置20Rの詳細な動作は、後述する。
フィルタリング処理装置18Rでフィルタリング処理された音声データは、レベル調整装置24Rとレベル測定装置26Rに入力する。レベル測定装置26Rは、フィルタリング処理装置18Rの出力音声データの、特定の周波数又は周波数帯における音声レベルを測定し、測定結果を制御装置22に通知する。詳細は後述するが、制御装置22は、レベル測定装置26Rからの音声レベルに従い、レベル調整装置24Rのゲインを調整する。ハイパスフィルタ(HPF)30Rは、レベル調整装置24Rの出力音声データから音声記録に適した高域成分を抽出して、音声記録再生装置32に供給する。
Lチャネル処理系の動作は、基本的にRチャネル処理系と同じである。即ち、Lマイク12Lによる入力音声信号は、アンプ14Lにより増幅され、A/D変換器16Lによりデジタル信号に変換されて、フィルタリング処理装置18L及びスペクトル測定装置20Lに入力する。スペクトル測定装置20Lは、A/D変換器16Lの出力音声データの周波数スペクトルを測定し、測定結果を制御装置22に通知する。より具体的には、スペクトル測定装置20Lは、A/D変換器16Rの出力音声データのうちの、周囲の環境音に含まれない1又は複数の周波数又は周波数帯を測定(検出)する。測定対象の周波数又は周波数帯は、スペクトル測定装置20Rのそれと同じである。このスペクトル測定は、Lマイク12Lの感度調整に使用される。スペクトル測定装置20Rの測定結果によりLマイク12Lの感度を調整する簡易な方法を採用する場合には、スペクトル測定装置20Lとスペクトル測定装置20Rのいずれか一方は省略可能である。
フィルタリング処理装置18Lは、A/D変換器16Lの出力音声データを、制御装置22により設定されるフィルタリング係数に従ってフィルタリング処理する。フィルタリング処理装置18L及びスペクトル測定装置20Lの詳細な動作は、後述する。
フィルタリング処理装置18Lでフィルタリング処理された音声データは、レベル調整装置24Lとレベル測定装置26Lに入力する。レベル測定装置26Lは、フィルタリング処理装置18Lの出力音声データの、特定の周波数又は周波数帯における音声レベルを測定し、測定結果を制御装置22に通知する。詳細は後述するが、制御装置22は、レベル測定装置26Lからの音声レベルに従い、レベル調整装置24Lのゲインを調整する。HPF30Lは、レベル調整装置24Lの出力音声データから音声記録に適した高域成分を抽出して、音声記録再生装置32に供給する。
音声記録再生装置32は、HPF30RからのRチャネルの音声データと、HPF30LからのLチャネルの音声データを記録用に処理して記録媒体34に記録する。記録媒体34は、例えば、不揮発性半導体メモリ、又はハードディスク装置などからなる。
制御装置22は、CPU、RAM及びROM等からなり、機能として演算部22aと感度調整用周波数決定部22bを具備する。記憶装置28は、基準音声レベル記憶部28aと、フィルタリング係数記憶部28bと、感度調整用音声データ記憶部28cを具備する。基準音声レベル記憶部28aには、Rマイク12R及びLマイク12Lの感度調整時の基準となる基準音圧値(デフォルト値)が所定の周波数毎に格納されている。フィルタリング係数記憶部28bには、フィルタリング処理装置18R,18Lにセットすべきフィルタリング係数が格納される。感度調整用音声データ記憶部28cには、スペクトル測定装置20R,20Lの測定対象となる各周波数の音声データが事前に格納されている。
制御装置22は、動作状態及び操作メニュー等を表示装置42に表示する。ユーザは、種々の操作ボタン等からなる操作装置44により制御装置22に特定の種々の動作を指示できる。本実施例では、音声の記録再生以外に、感度調整モードを操作装置44により制御装置22に設定できる。
再生モードでは、音声記録再生装置32は、記録媒体34から記録音声データを再生し、D/A変換器36に供給する。他方、RチャネルとLチャネルの感度を調整する感度調整モードでは、記憶装置28の感度調整用音声データ記憶部28cに格納される感度調整用音声データが、D/A変換器36に読み出される。D/A変換器36は、入力された音声データをアナログ信号に変換する。アンプ38は、D/A変換器36からのアナログ音声信号を増幅し、スピーカ40に印加する。スピーカ40は、アンプ38からのアナログ音声信号を音響出力する。スピーカ40は、再生モードでは、記録媒体34に記録された音声データの再生音を出力し、感度調整モードでは、感度調整用の基準音を出力する。
図2は、図1に示す実施例を組み込んだ撮像装置の外観図を示す。デジタル一眼レフカメラである撮像装置にRマイク12RとLマイク12Lが配置され、左側側面にスピーカ40が配置される。スピーカ40は、Rマイク12RとLマイク12Lからは不等距離にある。表示装置42は、撮像装置の背面に配置される。図2に示す撮像装置は、静止画のほかに動画も撮影可能である。
本実施例における感度調整モードの動作を説明する。図3は、感度調整の動作フローチャートを示す。制御装置22は、図3に示すフローに従って各部を制御する。本実施例における感度調整は、出荷時感度調整後に取得音声レベルを事前に記憶する初期音声レベル測定処理又は手順と、使用開始後に実際に感度を調整する感度調整処理又は手順とからなる。使用開始後の感度調整処理又は手順は、調整用音声周波数を決定する前処理又は手順と、基準音の取得音声レベルを測定する測定処理又は手順と、測定結果に基づき補正値を決定し、レベル調整装置に設定する処理又は手順とからなる。
なお、初期音声レベル測定処理として、制御装置22は、以下の処理を実行する。すなわち、製造時又は出荷時にRマイク12R及びLマイク12Lの感度を同一に調整した直後に、スピーカ40から複数の周波数の基準音を同時に又は順次に発生させる。そして、この基準音に対するRチャネルとLチャネルの音声レベルをレベル測定装置26R,26Lで測定し、制御装置22は、測定した音声レベルを基準音声レベルとして基準音声レベル記憶部28aに格納する。
先ず、制御装置22は、ユーザが操作装置44で感度補正開始を指示するのを待機する(S101)。感度補正開始指示に応じて、制御部22は、補正回数カウンタをゼロでリセットし(S102)、Rマイク12R,Lマイク12Lにより周囲の環境音を取得する(S103)。Rマイク12R,Lマイク12Lから出力される音声信号はそれぞれ、先に説明したように、アンプ14R,14L及びA/D変換器16R,16Lを介して、スペクトル測定装置20R,20Lに入力する。
制御装置22は、スペクトル測定装置20R,20Lに環境音のスペクトルを測定させる(S104)。すなわち、スペクトル測定装置20R,20Lはそれぞれ、A/D変換器16R,16LからのR音声データ及びL音声データについて複数の所定周波数の音声レベルを測定する。例えば、スペクトル測定装置20R,20Lは、500Hzから10kHzの間で500Hz刻みに音声レベルを測定する。なお、記憶装置28の感度調整用音声データ記憶部28cには、スペクトル測定装置20R,20Lの測定対象となる各周波数、即ち500Hzから10kHzの間で500Hz刻みの音声データが事前に格納されている。
感度調整用周波数決定部22bは、スペクトル測定装置20R,20Lの測定音声レベルが最も小さい周波数をマイク感度調整に使用する調整用音声周波数として決定する(S105)。スペクトル測定装置20R,20Lの測定音声レベルが所定閾値より小さい周波数をマイク感度調整に使用する調整用音声周波数として決定してもよい。感度調整用周波数決定部22bは、決定した調整用音声周波数をフィルタリング係数記憶部28bに格納する。
制御装置22は、調整用音声周波数以外をカットするフィルタリング係数をフィルタリング処理装置18R,18Lにセットする(S106)。ここまでが、感度調整の前提としての、調整用音声周波数を決定する前処理となる。
制御装置22は、ステップS105で決定した調整用音声周波数の感度調整用音声を一定時間、スピーカ40から出力させる(S107)。具体的には、制御装置22は、ステップS105で決定した調整用音声周波数の感度調整用音声データを記憶装置28の感度調整用音声データ記憶部28cからD/A変換器36に読み出す。先に説明したように、D/A変換器36は、感度調整用音声データ記憶部28cから読み出された感度調整用音声データをアナログ信号に変換する。アンプ38は、D/A変換器36からのアナログ音声信号を増幅し、スピーカ40に印加する。スピーカ40は、アンプ38からのアナログ音声信号が示す感度調整用音声を音響出力する。
Rマイク12R及びLマイク12Lは、スピーカ40からの感度調整用音声を含む周囲の環境音を取り込み、対応する音声信号を出力する(S108)。Rマイク12R及びLマイク12Lの出力音声信号はそれぞれ、アンプ14R,14L及びA/D変換器16R,16Lを介してフィルタリング処理装置18R,18Lに入力する。フィルタリング処理装置18R,18Lは、ステップS106で設定されたフィルタリング係数に従いA/D変換器16R,16Lからの音声データをそれぞれフィルタリングする。すなわち、フィルタリング処理装置18R,18Lは、A/D変換器16R,16Lからの音声データから調整用音声周波数成分を分離抽出する。
制御装置22は、レベル測定装置26R,26Lにそれぞれ、フィルタリング処理装置18R,18Lの出力音声信号の音声レベルを測定させる(S109)。制御装置22の演算部22aは、レベル測定装置26R,26Lで測定された音声レベルを、基準音声レベル記憶部28aに記憶されている調整用音声周波数に対応する基準音声レベルと比較し、その差分を出力する(S110)。
制御装置22は、S110で算出した音声レベルの差分が所定閾値内であるか否かを判定する(S111)。差分が所定閾値内である場合(S111)、制御装置22は、感度補正動作を終了する(S115)。一方、差分が所定閾値外である場合(S111)、制御装置22は、補正回数カウンタNをインクリメントした上で(S112)、補正回数カウンタNが所定回数Nを超えているか否かを判定する(S113)。補正回数カウンタNが所定回数Nを超えている場合(S113)、制御装置22は、補正不可として感度補正動作を終了する(S115)。
補正回数カウンタNが所定回数N以下である場合(S113)、制御装置22は、音声レベルが閾値以内となるように、後述する方法で音声レベルを補正する(S114)。音声レベル補正(S114)の後、制御装置22は、ステップS107以降を再度、実行する。
図4は、音声レベル補正動作(S114)の詳細な動作フローチャートを示す。制御装置22は、フィルタリング係数記憶部28bから適用中のフィルタリング係数情報を読み出す(S201)。
演算部22aが、S110で算出された差分値とS201で読み出した適用中のフィルタリング係数情報とから、この差分を補正するフィルタリング係数をR音声とL音声に対して算出する(S202)。
制御部22は、S202で算出したフィルタリング係数をフィルタリング係数記憶部28bに上書き又は上書きせずに格納しつつ(S203)、フィルタリング処理装置18R,18Lに適用する(S204)。これにより、RチャネルとLチャネルの感度が補正される。
基準音声レベルの決定方法を説明する。マイク感度は、製造時に適切に設定されたとしても、経年劣化することがある。複数のマイクを使用する場合には更に、それらの感度の関係を初期状態と同程度に維持する必要がある。先に説明したように、製造時には感度調整用の基準音源を用意できるが、ユーザが使用を開始した後では、感度調整に適した音源を用意するのが難しい。本実施例では、ユーザが使用開始した後にも利用可能なスピーカ40を使い、以下に説明する方法でこの問題を解決する。
製品の出荷時には、Rマイク12R及びLマイク12Lの感度は、適正に調整されている。この時点で、スピーカ40の出力音声をRマイク12R及びLマイク12Lで取り込み、その音声レベルをそれぞれレベル測定装置26R,26Lで測定し、基準音声レベル記憶部28aに格納する。これにより、スピーカ40はRマイク12R及びLマイク12Lの正面には位置しないものの、スピーカ40までの距離及び方向に依存した、Rマイク12R及びLマイク12Lの感度基準値又は感度差を測定及び記憶できる。
図5は、Rマイク12R及びLマイク12Lの感度が出荷前調整された段階での周囲音のスペクトルを示す。図6及び図7は、図5に示す状況で、スピーカ40から基準音を発生させたときの、Rマイク12R及びLマイク12Lの出力音声信号のスペクトル例を示す。図5乃至図7において、横軸は周波数を示し、建縦軸は音声レベル(音圧レベル)を示す。図6及び図7に示す例では、1kHz,2kHz及び4kHzの基準音を同時発生させているが、実際には、各周波数の基準音を個別に発生させる。
図6及び図7に示す例では、次のようになっている。即ち、1kHzの基準音に対して、Rマイク12Rの出力音声信号の音声レベルは符号204に示すように−28.0dBであるのに対し、Lマイク12Lの出力音声信号の音声レベルは符号207に示すように−24.0dBであった。2kHzの基準音に対して、Rマイク12Rの出力音声信号の音声レベルは符号205に示すように−28.0dBであるのに対し、Lマイク12Lの出力音声信号の音声レベルは符号208に示すように−24.0dBであった。4kHzの基準音に対して、Rマイク12Rの出力音声信号の音声レベルは符号206に示すように−28.1dBであるのに対し、Lマイク12Lの出力音声信号の音声レベルは符号209に示すように−24.1dBであった。
このように、スピーカ40の出力音に対して、Rマイク12Rの出力音声レベルは平均で約−28dB、Lマイク12Lのそれは約−24dBであることがわかる。すなわち、Rマイク12RとLマイク12Lとで約−4dBの差があり、Rマイク12RがLマイク12Lよりも、約−4dB音圧が低いことが分かる。
制御装置22は、この測定で得られた音声レベル(Rマイク12Rの−28dB,Lマイク12Lの−24dB)を、左右マイクの音声出力(音圧)の基準音圧値として基準音声レベル記憶部28aに格納する。
具体的な数値例に基づき、本実施例の作用を説明する。例えば、感度調整モードにおいて、ステップS104で測定された音声レベルが、1kHzで−74.8dB、2kHzで−79.8dB、4kHzで−85.2dBであったとする。この3つの周波数から見ると、ユーザの使用環境として一番低い音声レベルは4kHzである。従って、調整用音声周波数として4kHzを選択し、スピーカ40から調整用基準周波数4kHzで基準音を発生させる。
Rマイク12R及びLマイク12Lによる基準音を取り込み、その4kHzの成分をフィルタリング処理装置18R,18Lで抽出し、レベル測定装置26R,26Lで音声レベルを測定する(S109)。Rチャネルの4kHzの音声レベルが−29.6dBで、Lチャネルの4kHzの音声レベルが−25.6dBであったとする。
これらのRチャネルとLチャネルの測定音声レベルを、基準音声レベル記憶部28aに記憶されるRチャネルとLチャネルの4kHzの基準音声レベルとそれぞれ比較する(S110)。RチャネルとLチャネルの比較差分値をレベル補正値としてレベル調整装置24R,24Lに設定する(S115)。ここでの説明例では、Rチャネルの基準音声レベルは、−28.1dB(符号206)であるので、補正値は、−29.6−(−28.1)=1.5(dB)となる。他方、Lチャネルの基準音声レベルは、−24.1dB(符号209)であるので、補正値は、−25.6−(−24.1)=1.5(dB)となる。
このようにして、Rマイク12RとLマイク12Lの経年劣化による感度変化及び感度のずれを、レベル調整装置24R,24Lのレベル調整により、出荷時の感度状態に補正できる。
基準音発生手段として、Rマイク12R及びLマイク12Lからの距離が異なるスピーカ40を例示したが、これは一般的な一例であり、等距離に位置する内蔵音源を利用する場合でも、同様の方法で感度調整を行うことができる。
ここで説明した周波数1kHz,2kHz及び4kHzは一例であり、その他の周波数又は周波数帯の基準音声を使っても良いことは明らかである。
本実施例では、周囲音の影響が少ない周波数で基準音声を内蔵のスピーカ40から発生させるので、精度の良い感度調整を実現できる。また、広域な周波数帯の基準音を利用すると、フィルタリング処理装置18R,18Lのフィルタリング係数を細かく調整しながら感度調整することになり時間がかかるが、本実施例では短時間で終了する。聴覚的にも異音が長く続くと、ユーザに不快感を感じさせることになるが、そのような弊害も少ない。
音声入力手段としてステレオマイクを構成するRマイクとLマイクからなる例を示したが、必ずしもステレオ用に限定されず、複数のマイクを使用する構成に適用可能である。
基準音に対して、当該基準音の周波数成分のみを通過するフィルタリングを適用することで、他の周波数帯の影響を受けることなく、現在のマイク感度を測定でき、適切な感度補正値を決定できる。
図8は、本実施例の別の感度調整の動作フローチャートを示す。図3のステップS103とステップS104の間に、周囲音の音声レベルが閾値以内か否かを事前にチェックするステップS120を挿入している。すなわち、一定以上に静謐な環境にある場合にのみ、感度調整を実行するようにした。
変更部分を説明すると、周囲音を取得した後に(103)、制御装置22は、取得した周囲音の音声レベルが所定の閾値以下かどうかを判定する(S120)。例えば、測定した複数の周波数の音声レベルの内で最低のものが閾値以下かどうかを調べる。閾値以内の場合(S120)、制御装置22は、ステップS104以降を実行する。閾値を超える場合(S120)、感度調整の補正動作を終了する(S116)。
環境音が大きい環境はそもそも感度調整には不向きであり、そのような環境での感度調整は、不適切な結果になる可能性が高い。ステップS120を挿入することにより、そのような不向きな環境で感度調整を実行してしまうことを防止できる。
図9は、本実施例の更に別の感度調整の動作フローチャートを示す。図8に示すフローに対して、ユーザに所定の警告をするステップS121を追加している。
変更部分を説明する。取得した周囲音の音声レベルが所定の閾値以下でない場合(S120)、制御装置22は、ユーザに感度調整を実行しない旨を警告する(S121)。具体的には、制御装置22は、表示装置42に所定の警告を表示させるか、スピーカ40から警告音又は説明音声を発生させる。この警告(S121)の後、制御装置22は、感度調整の補正動作を終了する(S116)。
また、補正回数カウンタNが所定値N0を越える場合にも(S113)、制御装置22は、同様に警告を出力してから(S121)、感度調整の補正動作を終了する(S116)。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明は、これら実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (4)

  1. 複数の音声入力手段からの各音声信号の感度を調整する音声処理装置であって、
    前記複数の音声入力手段からの音声信号をそれぞれフィルタリングする複数のフィルタリング処理手段と、
    前記複数の音声入力手段からの音声信号のレベルを複数の周波数について測定する複数のスペクトル測定手段と、
    前記複数のフィルタリング処理手段からの音声信号のレベルをそれぞれ測定する複数のレベル測定手段と、
    前記複数のフィルタリング処理手段からの音声信号のレベルをそれぞれ調整する複数のレベル調整手段と、
    音発生手段と、
    感度補正開始の指示に応じて、前記複数のスペクトル測定手段によりそれぞれレベルが測定された、前記複数の音声入力手段からの周囲音の音声信号それぞれの前記複数の周波数の内、レベルの低い周波数に対応す調整用音声周波数の基準音を前記音発生手段に発生させると共に前記調整用音声周波数以外をカットするように前記複数のフィルタリング処理手段フィルタリング係数を設定し、前記複数のレベル測定手段によりそれぞれ測定された、前記複数のフィルタリング処理手段からの、前記基準音を含む周囲音の音声信号それぞれのレベルと基準音声レベルとの差分に従い前記複数のフィルタリング処理手段のフィルタリング係数を補正する制御手段
    とを具備することを特徴とする音声処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記差分が所定の閾値を超える場合に前記フィルタリング係数を補正し、前記所定の閾値を超えない場合に前記フィルタリング係数の補正をしないことを特徴とする請求項1に記載の音声処理装置。
  3. 更に、前記フィルタリング係数を補正しないときに、警告を発生する警告手段を具備することを特徴とする請求項2に記載の音声処理装置。
  4. 請求項1に記載の音声処理装置を具備することを特徴とする撮像装置。
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