JP6004340B2 - Pc鋼材の張力表示器及びその表示方法 - Google Patents

Pc鋼材の張力表示器及びその表示方法 Download PDF

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Description

この発明は、PC鋼線、PC鋼棒又はPC鋼より線等からなるPC鋼材の張力を表示する器具及びその表示方法に関するものである。
PC鋼材は、橋梁、電柱、コンクリートパイル、建設部材、建築物の梁、スラブ等における各種のコンクリート構造物におけるプレストレスト・コンクリート(PC)に緊張を与える緊張材として(構造物に組み込まれて)使用されたり、地山やその法面、炭坑、トンネル等の坑周壁及び各種構造物の補強用として使用されたりしている。
これらの既設、新設の何れのPC鋼材においても、風雨や地震などによる地山、トンネル、炭坑等の坑周壁や構造物(以下、これらを含めて「構造物等」と言う)への外的負荷によって、経年に伴いその荷重(緊張力)が変化する。その変化を測定する器具として、PC鋼材の一部を囲むように配された磁化器と、その磁化器の磁化区間内に配されてPC鋼材表面の空間磁界強度を検出する磁気センサとからなり、その磁気センサで検出した空間磁界強度に基づいてPC鋼材に作用する張力を測定する張力測定器が発明されている(特許文献1請求項1、特許文献2請求項1等参照)。
また、その張力測定器を使用した構造物監視方法(システム)として、構造物等の外側(目視できる個所)に検知用としてのPC鋼材(PC鋼より線)を配置し、そのPC鋼より線に前記張力測定器を付設し、前記構造物等の変状に伴ってその構造物等に生じる変位量(変状量)を、その変位(変状)による前記PC鋼より線に発生する張力でもって検出し、その張力の変化から、構造物等の変状を報知するものがある(特許文献3請求項4、段落0031〜0045等参照)。
さらに、構造物等の変状を測定し、その測定値に基づき、その変状をLED光源でもって赤、黄、青等の色表示する技術もある(特許文献4請求項1、段落0024等参照)。
特開2009−265003号公報 特開2011−95033号公報 特開2011−122905号公報 特開2008−309784号公報
上記特許文献3記載の構造物監視方法は、大がかりのものであって、現場作業者等に容易に報知するものでない上に、そのシステムの構築にはコストがかかる。
上記特許文献4記載の構造物等の変状をLED光源でもって青、黄、赤等の色表示する技術は、現場作業者に報知する手段として優れているが、その構造物等の変状測定手段が摺動スイッチによるため、精度や耐久性等において問題である(特許文献4段落0043〜0062図1〜図7等参照)。
一方、特許文献1、2に記載の磁気センサによる張力測定器はコンパクト化が容易である。
この発明は、以上の実状の下、低コストでもって、現場作業者等が構造物等内に居たり、その周りに居たりした場合、その現場作業者等が構造物等の変状を容易に視認できるようにすることを課題とする。
上記課題を達成するために、この発明は、まず、特許文献1、2に記載の磁気センサ等による張力測定器を採用してコンパクト化と低コスト化を図ることとしたのである。
つぎに、その張力測定器の測定部をケーシング内に収めるとともに、そのケーシングにPC鋼材の張力変化を表示する表示部を設けることとしたのである。
このように、ケーシング内にPC鋼材の張力変化の測定部及びその張力変化表示部を設けて張力表示器を構成し、この張力表示器をPC鋼材に取付けて、その取付けたPC鋼材の張力変化を表示すれば、そのPC鋼材が設けられた構造物等の変状も表示することとなる。このため、その構造物等内に居たり、その構造物等周りに居たりする者に、その構造物等の変状を容易に報知することができる。すなわち、現場作業者等が構造物等の変状を容易に視認できる。
この発明の具体的な構成としては、構造物等に組み込まれたPC鋼材の張力測定部と、その張力測定部からの信号によって前記PC鋼材にかかっている張力を表示する表示部とからなり、その張力測定部及び表示部は前記PC鋼材に取付けられるケーシング内に組み込んだ構成を採用することができる。
このケーシングは2つ割りされて、その分割ケーシング間に前記PC鋼材を挟んで一体にされるものとすれば、この張力表示器を既設のPC鋼材に容易に取付けることができる。このとき、ケーシング内における張力測定部や表示部の配置及び両者の電気接続(配線)等は、分割ケーシングを開いてPC鋼材を挟み得るように適宜に行なうことは勿論である。
この構成において、表示部による表示方法としては、測定張力を、電球やLED等の発光体の発光数や数字によるデジタル式、その発光体の発光長さ(距離)等によるアナログ式等で表すことが考えられ、何れにしても、PC鋼材にかかった最大張力を表示し続けることが好ましい。常時、この張力表示器を見れば、その最大張力がかかったことを容易に視認できるからである。このとき、その表示は、PC鋼材への張力の変化を異なる色で表示することができる。例えば、張力に応じて、長さ、数及び数字の色を変えたりする。
また、PC鋼材への張力が許容範囲の場合と同許容範囲でない(許容範囲を越える)場合との異なった旨を表示することも好ましい。同様に、その許容範囲を越えた張力がかかったことを容易に視認できるからである。このとき、PC鋼材の張力が許容範囲を超える点の前後の一定範囲、例えば、許容限度張力が200kN場合、−10kN、すなわち、190〜200kNの張力においては、「許容範囲の場合」と「その許容範囲を超える場合」の両者と異なる色とすることができる。例えば、色表示の場合では、一般人でも認識出来る、許容範囲外「赤」として「危険」、許容範囲内「青(緑)」として「安全」、両者の間(前記190〜200kN)「黄」として「注意」及び「荷重の上昇傾向」を示すものとすることができる。
さらに、その表示は、PC鋼材にかかった張力が許容限度(許容範囲)を超えた際、その許容限度を超えた旨、例えば、「赤表示」をし続けるようにすることもできる。そのPC鋼材の許容限度は、被測定PC鋼材に基づき、経験則によって適宜に決定すれば良いが、例えば、PC鋼材の許容限度(降伏点)を考慮してその弾性域と降伏域の境界とすることができる。
一方、許容限度を弾性域と降伏域の境界とせずに、許容限度を弾性域内に設定した場合、PC鋼材の張力がその許容限度を超えてその旨表示(色表示)が変わっても、例えば、「青」から「赤」に変わっても、その最大張力が弾性域内にあって、再度、許容限度内に張力が復帰すれば(戻れば)、許容限度内の表示に復帰するようにすることができる。例えば、「赤」から「青」に復帰するようにすることができる。勿論、この場合において、弾性域を超えれば、当然にその張力が許容限度を超えた表示、例えば「赤」を表示しつづけることが好ましい。
このように許容限度又は弾性域を一度超えれば、そのことを表示(例えば、赤表示)し続ける方法は、PC鋼材においては、従来なかった新規なことであって有意義なことである。例えば、地震の大きな揺れにより、PC鋼材にかかった張力が許容限度又は弾性域を超えたとしても、揺れが収まると、その張力の増加も収まって減少し、許容範囲内又は弾性域内に戻ってしまう場合がある。この場合、一度、許容限度又は弾性域を超えたため、その表示をし続ける必要があるにもかかわらず、その表示が消えて、本来の許容限度又は弾性域を超えた旨の表示機能を満足でき(発揮し)なくなる。地震が収まった後、例えば、時間経過によって屋根等の構造物や地山等の一部が崩落する場合があり、この地震が収まった後において、その表示を報知し続けることは有意義である。
また、地山等の補強用として又は構造物に組み込まれた複数のPC鋼材にそれぞれ張力表示器を取付け、その各張力表示器でもって各PC鋼材の張力状態を表示するようにすれば、ある張力表示器において、許容限度又は弾性域を超えた表示がし続けられ、他の張力表示器はその表示がなされない場合があり、このことから、各PC鋼材に個別に張力表示器を取付けることは、構造物等の部分劣化を確認する上において有意義である。
上記張力測定部は、ロードセル、磁気センサ、ストレーンゲージ、光ファイバひずみセンサ等が考えられるが、磁気センサが好ましく、その磁気センサによる張力表示器にあっては、例えば、ケーシング内に組み込まれてPC鋼材の一部を囲むように配された磁化器と、その磁化器の磁化区間内に配されてPC鋼材表面の空間磁界強度を検出する磁気センサとからなり、その磁気センサで検出した空間磁界強度に基づいてPC鋼材に作用する張力を測定するものである構成を採用することができる。
この張力表示器の上記磁化器は、PC鋼材の一部をその長さ方向に飽和漸近磁化範囲まで直流磁化するものであり、このとき、PC鋼材は前記一部が飽和漸近磁化範囲の磁界下で使用領域の上限値(例えば、100kN)以上荷重が負荷されたものであるものとすることができる。このようにすると、測定精度を向上させることができる(特許文献2段落0009〜0010参照)。
これらの構成の張力表示器は、種々の従来周知の態様の露出するPC鋼材の一部に取付ける(付設する)ことができる。例えば、橋梁、電柱、コンクリートパイル、建設部材、建築物の梁、スラブ等における各種のコンクリート構造物等におけるプレストレスト・コンクリート(PC)に緊張を与える緊張材として既に使用されているPC鋼材であったり、それらにおける新設のPC鋼材であったり、また、それらの各種構造物や地山等の補強用(特許文献3記載の検知用ケーブルも含む)として使用されているPC鋼材であったりとすることができる。
坑道の場合、露出するPC鋼材に同様に露出させてこの張力表示器が取付けられるため、作業者はその張力表示器の表示を容易に視認することができる。このため、監視員のみならず、一般の作業者が日常的に坑道の劣化を視認できるため、安全性を向上させることができる。
なお、PC鋼材の張力表示は、その各PC鋼材の構成、成分、径等に基づき、そのPC鋼材に張力を付与した場合のその張力と張力表示器の出力値の関係を解析してデータベース化し、実際の測定値とそのデータベースとの比較によって、実際に加わっている張力を算出して表示する。
また、そのPC鋼材は、PC鋼線(例えば、直径8mm以下の高強度鋼)、PC鋼棒(例えば、直径10mm以上の高強度鋼)およびPC鋼より線(PC鋼線をより合わせたもの)等であることは言うまでもない。
この発明は以上のように構成したので、低コストでもって、現場作業者等の構造物等内に居たり、その周りに居たりする者が、その構造物等の変状を容易に視認することができる。
この発明の一実施形態の一取付態様部分斜視図 図1の同実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は(a)の左側面図 同実施形態の一取付態様概略図 同実施形態の他の取付態様概略図
一実施形態を図1、図2に示し、この実施形態の張力表示器Aは、同図に示すように、2つ割り非磁性樹脂製のケーシング1内に、筒状の磁化器2と、この磁化器2とPC鋼より線Pとの間に挿入されるスペーサ3と、PC鋼より線P表面近傍の空間磁界強度を検出する磁気センサとしてのホール素子4と、制御部10とからなる張力測定部と、その測定張力の表示部20とをPC鋼材Pの長さ方向の左右に組み込んで基本的に構成されている。このケーシング1は、2つ割りされてその分割ケーシング間にPC鋼より線Pを挟んで一体にするため、磁化器2、スペーサ3、ホール素子4、制御部10、表示部20の配置及びそれらの電気接続等は、下記のように、分割ケーシングを開いてPC鋼材を挟め得るように適宜に行なわれている。
ケーシング1は、側壁1a及び中壁1bを有する円筒体であり、その軸心を通る平面で2分割されており、図1、図2に示すように、その分割ケーシング間にPC鋼より線Pを挟んで、係止爪1cを係止孔1dに嵌合することによって一体にされる。分割ケーシングの一体化は、他の種々の手段、例えば、後述のボルト5による一体化等を採用することができる。
磁化器2は、円筒形の鋼製ヨーク6の内周両端部に、円筒の一部をなす形状(弧状)の4個の永久磁石7をそれぞれ接着剤で固定したものである。
そのヨーク6は、2つの半円筒形のヨーク片に分割されてその分割ヨーク片がそれぞれ分割ケーシングの一方の側のスペース内面に設けられており、その一つの分割面から両ヨーク片に差し込まれる複数のピン9と、一方のヨーク片の外側から他方のヨーク片にねじ込まれる複数のボルト5とによって一体化されている(図2(b)参照)。なお、ヨーク6をケーシング1に接着固定する場合には、分割ケーシングと分割ヨーク片の一方のみを一体化するだけでも良い。
永久磁石7は、各ヨーク片に一対ずつPC鋼より線Pの長手方向に間隔をおいて互いに異なる磁極で対向する姿勢で配されており、PC鋼より線Pを長手方向に短い範囲で飽和漸近磁化範囲まで直流磁化するものとなっている。
スペーサ3は、非磁性のポリエチレン製で、磁化器2と同様に周方向に2分割されており、各永久磁石7の内周側に接着固定されて、永久磁石7とPC鋼より線Pとの接触を防止している。その外周面のヨーク6内周面と対向する位置に、前記ホール素子4が複数取り付けられている。
ホール素子4は、磁化器2内周側の一対の永久磁石7の中間点、すなわちPC鋼より線Pの磁化区間の長手方向中央部の近傍に、周方向に等間隔で配されている(以上の構成は、特許文献1段落0019〜同0023参照)。
上記ケーシング1の他側の空間スペース内には制御部10が設けられており、その制御部10は、ケーシング1内の基板11に、増幅器11a、マイコン11b等を搭載して構成され、他の分割ケーシング内の電池12からフレキシブル電線を介し制御部10及び表示部20に電力が供給される。このため、各ホール素子4の出力が増幅器11aで増幅されてマイコン11bに送られ、その平均値として得られるPC鋼より線P表面近傍の空間磁界強度に基づいて、PC鋼より線Pに作用する張力が測定される。その測定張力は、測定対象と同等のPC鋼より線Pに張力を付与した場合のその張力と張力測定部(ホール素子4)の出力値の関係を解析してデータベース化し、マイコン11bによる実際の測定値とそのデータベースとの比較によって算出する。
表示部20は、ケーシング1の他側の空間スペース内に設けられており、8つの発光ダイオード(LEDチップ)22(22a〜22h)からなる。このLED22は、左5つ22a〜22eが青色(緑色)、その右2つ22f、22gが黄色、右端22hが赤色となっており、PC鋼より線Pに作用する張力が、その許容限度、例えば、200kNを超えると、マイコン11bによって赤色LED22hが点滅し、190kNを超えて200kN以下では、その左の黄色LED22gが点灯し、180kNを超えて190kN以下では、さらにその左の黄色LED22fが点灯し、170kNを超えて180kN以下では、さらにその左の緑色LED22eが点灯し、以下、同様にして、10kN単位で、左側に向かって緑色LED22d〜22aが点灯する。130kN以下(使用範囲:100kN以下)では、左端の緑色LED22aが点灯し続ける。また、赤色LED22hは、一度点滅すると、その後、PC鋼より線Pの張力が200kN以下になっても点滅しつづけて、許容限度である200kNを超えた張力がPC鋼より線Pにかかったことを報知し続ける。表示部20は透明板23で被われている。なお、同一色、例えば、各黄色、各緑色の輝度等を異ならせたり、点灯と点滅等としたりして、同一色の異なる張力域、例えば、「190kNを超えて200kN以下の領域」と「180kNを超えて190kN以下の領域」等の報知(表示)を異ならせることもできる。
この張力表示器(例えば、住友電工スチールワイヤー株式会社製商品名「SmART Cell(登録商標)」)Aは以上の構成であり、種々の態様のPC鋼より線Pに、そのPC鋼より線Pと縁切りされた固定構造物に固定して取付けられ、例えば、図3に示す、炭坑の坑道Dの内周壁の補強構造物Eに施設されたPC鋼より線Pに取付け(付設し)たり、図4に示す、鉄骨製等の建築物HのPC鋼より線Pに付設したりする。図3中、Tはアンカーボルトであり、そのアンカーボルトT間にPC鋼より線Pが張設されて、そのPC鋼より線Pに張力表示器Aが取付られている。
このように、一つの構造物E、H等の複数のPC鋼より線Pにそれぞれこの張力表示器Aを取付けたところ、ある張力表示器Aにおいては、赤表示が表示し続けられており、他の張力表示器Aは緑(青)表示であるような場合が想定されることから、各PC鋼より線Pに個別に張力表示器Aを取付けることは、構造物等の部分劣化を確認する上において有意義である。
そのPC鋼より線Pは、既設であったり、新設であったり等と任意であり、ケーシング1、スペーサ3、ヨーク6等が2つ割りの状態で、その分割ケーシング(分割体)の間に、PC鋼撚り線Pを入れて(挟んで)その分割ケーシングを一体にすることによって、この張力表示器AをPC鋼撚り線Pの任意の場所に取付ける。
このとき、ケーシング1内面とPC鋼より線Pの接触面に接着材を設けて両者を固定することができる。但し、PC鋼より線Pの伸縮に影響されない程度の柔軟性を有する接着層とする。
このようにして取付けた張力表示器Aは、電池12の電力が続くかぎり、例えば、数年に亘って、PC鋼より線Pにかかる負荷に基づく張力を測定して、その測定張力値に対応するLED22を点灯(点滅)させる。
このため、地震等によって、構造物等に負荷がかかって、200kN(許容限度)を超えた張力が検出(測定)されれば、赤色のLED22hが点滅し、その構造物等が危険状態になったことを、その周りの作業員等の人々に報知する。このとき、仮に、PC鋼より線Pの張力が200kN以下となっても、その赤色のLED22hの点滅は続くため、構造物等の危険状態は報知し続けられる。また、炭坑等においては、地盤が徐々に弛んで、補強構造物Eへの負荷偏倚が生じると、その負荷が大きくなったPC鋼より線Pの張力が増して200kNを超せば、そのPC鋼より線Pに付設された張力表示器Aが、赤色点滅するため、その補強構造物Eの危険度を、監視員のみならず、その周りの作業者も容易に知る事ができる。このため、退避や適切な補強などの処置が円滑になされる。
上記実施形態におけるLED22の数は任意であり、その表示方法、例えば、10kN単位も、5kN、15kN単位等と任意である。また、表示ランプもLED22以外の周知の発光体を採用することができる。さらに、PC鋼より線Pは、図1に図示の7本撚りに限らず、19本撚りでも採用し得ることができ、また、PC鋼より線Pに代えて、PC鋼線、PC鋼棒等のPC鋼材を使用し得ることは勿論である。さらに、PC鋼材が新設の場合、そのPC鋼材にその端からこの張力表示器を挿入して取付け得るため、この場合は、ケーシングは2つ割りされていないものとすることもできる。PC鋼材の許容限度は、上記「200kN」に限らず、そのPC鋼材の許容限度(降伏点)を考慮して適宜に設定できることは勿論である。
上記実施形態では、磁化器2と表示部20を一つのケーシング1内に組み込んだが、例えば、ケーシング1を中壁1b部分で2分割し、その分割ケーシングの一方に磁化器2、他方に表示部20を組み込む等して、その両分割ケーシングを接合することによって張力表示器Aを構成するようにすることもできる。
また、PC鋼材Pへの張力が許容範囲を越えた場合、その旨を表示し続けるようにしたが、PC鋼材にかかった最大張力を表示し続けるようにすることもできる。このとき、その張力が許容範囲を越えれば、当然に、その許容範囲を越えた旨は表示し続けられることとなる。
このように、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
A 張力表示器
D 炭坑の坑道
E 補強構造物
H 建築物
P PC鋼より線(PC鋼材)
1 ケーシング
2 磁化器
3 スペーサ
4 ホール素子
6 ヨーク
7 永久磁石
10 制御部
12 電池
20 表示部
22、22a〜22h 発光ダイオード(LED)

Claims (14)

  1. 地山やトンネル、炭坑等の坑周壁及び構造物の補強用PC鋼材(P)又は構造物に組み込まれたPC鋼材(P)の張力測定部と、その張力測定部からの信号によって前記PC鋼材(P)にかかっている張力を表示する表示部(20)とからなり、その張力測定部及び表示部は前記PC鋼材(P)に取付けられるケーシング(1)内に組み込まれており、
    上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)への張力が許容範囲内の場合と同許容範囲を超えた場合との異なった旨を表示して、その表示によってPC鋼材の組み込まれた構造物叉はPC鋼材で補強された構造物の危険度を知らせるようにしたことを特徴とするPC鋼材の張力表示器。
  2. 地山やトンネル、炭坑等の坑周壁及び構造物の補強用PC鋼材(P)又は構造物に組み込まれたPC鋼材(P)の張力測定部と、その張力測定部からの信号によって前記PC鋼材(P)にかかっている張力を表示する表示部(20)と、前記PC鋼材(P)に取付けられるケーシング(1)とからなり、
    上記ケーシング(1)は、2つ割りされて、その分割ケーシング間に前記PC鋼材(P)を挟んで一体にされるものであって、そのケーシング(1)内のPC鋼材(P)の長さ方向の左右に上記張力測定部表示部がそれぞれ組み込まれていることを特徴とするPC鋼材の張力表示器。
  3. 地山やトンネル、炭坑等の坑周壁及び構造物の補強用PC鋼材(P)又は構造物に組み込まれたPC鋼材(P)の張力測定部と、その張力測定部からの信号によって前記PC鋼材(P)にかかっている張力を表示する表示部(20)と、その張力測定部及び表示部を内部に組み込んだケーシング(1)とからなり、
    上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)への張力が許容範囲内の場合と同許容範囲を超えた場合との異なった旨を表示して、その表示によってPC鋼材の組み込まれた構造物叉はPC鋼材で補強された構造物の危険度を知らせるようになっており、
    上記ケーシング(1)は、2つ割りされて、その分割ケーシング間に前記PC鋼材(P)を挟んで一体にされるものであって、そのケーシング(1)内のPC鋼材(P)の長さ方向の左右に上記張力測定部表示部がそれぞれ組み込まれていることを特徴とするPC鋼材の張力表示器。
  4. 上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)にかかった最大張力を表示し続けることを特徴とする請求項に記載のPC鋼材の張力表示器。
  5. 上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)にかかった張力が上記許容範囲を越えた際、その許容範囲を越えた旨を表示し続けることを特徴とする請求項1叉は3に記載のPC鋼材の張力表示器。
  6. 上記PC鋼材(P)の許容範囲をそのPC鋼材の弾性域内に設定した場合は、上記表示部(20)は、許容範囲を超えた張力がかかってもその張力がPC鋼材(P)の弾性域内である限り、その張力が許容範囲内に復帰すれば、許容範囲内の場合の旨表示に復帰し、弾性域を超えて降伏域に至れば、許容範囲を超えた張力がかかった旨を表示し続けることを特徴とする請求項1叉は3に記載のPC鋼材の張力表示器。
  7. 上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)への張力の大きさを、長さ、数又は数字で示すことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一つに記載のPC鋼材の張力表示器。
  8. 上記表示部(20)は、上記PC鋼材(P)への張力の変化を異なる色で表示し、上記PC鋼材(P)への張力が許容範囲内の場合の表示と、同許容範囲を超えた場合の表示とを異なる色としたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一つに記載のPC鋼材の張力表示器。
  9. 上記張力測定部は、上記ケーシング(1)内に組み込まれて上記PC鋼材(P)の一部を囲むように配された磁化器(2)と、その磁化器(2)の磁化区間内に配されてPC鋼材表面の空間磁界強度を検出する磁気センサ(4)とからなり、その磁気センサ(4)で検出した空間磁界強度に基づいてPC鋼材(P)に作用する張力を測定するものであることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一つに記載のPC鋼材の張力表示器。
  10. 上記磁化器(2)は、上記PC鋼材(P)の一部をその長さ方向に飽和漸近磁化範囲まで直流磁化するものであることを特徴とする請求項9に記載のPC鋼材の張力表示器。
  11. 上記PC鋼材(P)が、炭坑の坑道補強用であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一つに記載のPC鋼材の張力表示器。
  12. 請求項に記載の張力表示器(A)をPC鋼材(P)に取付け、そのPC鋼材(P)にかかった最大張力を表示し続けることを特徴とするPC鋼材の張力表示方法。
  13. 請求項5叉は6に記載の張力表示器(A)をPC鋼材(P)に取付け、そのPC鋼材(P)に許容範囲又は弾性域を超える張力が加わった場合、その超えた張力が加わった旨を前記張力表示器(A)によって表示し続けることを特徴とするPC鋼材の張力表示方法。
  14. 地山やトンネル、炭坑等の坑周壁及び構造物の補強用として又は構造物に組み込まれた複数のPC鋼材(P)にそれぞれ上記張力表示器(A)を取付け、その各張力表示器(A)でもって各PC鋼材(P)の張力状態を表示することを特徴とする請求項12に記載のPC鋼材の張力表示方法。
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