JP6004330B2 - 光学活性2−アシルクロマン化合物の製法及びそれに用いる触媒前駆体 - Google Patents

光学活性2−アシルクロマン化合物の製法及びそれに用いる触媒前駆体 Download PDF

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Description

本発明は、光学活性2−アシルクロマン化合物の製法及びそれに用いる触媒前駆体に関する。
光学活性2−アシルクロマンは数多くの生理活性物質のコア骨格となっている。例えば、抗酸化剤作用を示すα−トコフェロール(ビタミンE)、水溶性ビタミンE誘導体のTrolox、心筋梗塞に心臓保護作用を示すMDL−73404、抗高血圧薬のネビボロール(Nebivolol)や抗糖尿病作用を示すMerck社のC48等の有用な化合物がある。その中でも、特にビタミンEは医薬品、食品、飼料などに疾病の治療、栄養の補給、食品添加物の酸化防止剤として広く利用されている。しかし、市場に出ているビタミンEの多くは合成品(DL−α−トコフェロール)で3カ所の不斉炭素原子がすべてラセミ体の8種類の異性体の混合物である。天然ビタミンE(D−α−トコフェロール)は光学活性で、その生理活性も最も強い。ビタミンEの生理活性はクロマン環の2位の立体が一番重要であることが明らかになっている。
ビタミンEを含むクロマン化合物の不斉合成法はこれまでに幾つか報告されてきた。しかし、その多くは遷移金属触媒によるカップリング反応であり、これらの触媒に含まれる金属種を最終生成物から完全に除くのは困難である。そのため、そうした金属種の毒性が懸念され、製造コスト等での課題があり、実用的ではなかった(非特許文献1参照)。
既に、本発明者らは、光学活性なビナフチル由来のスピロ型第四級アンモニウムヨージドを触媒前駆体として用い、過酸化水素水又はtert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)からin situで調製されるキラルヨウ素酸塩類触媒を用いて3−(2−ヒドロキシアリール)−1−(N−フェニルイミダゾリル)プロパノン誘導体の触媒的酸化的環状エーテル化反応による2−アシル−2,3−ジヒドロベンゾフランの不斉合成に成功している。本手法を用いて、メチレン鎖の一つ長い基質である4−(2−ヒドロキシアリール)−1−(N−フェニルイミダゾリル)ブタノン誘導体の触媒的酸化的環状エーテル化反応では、最高40%eeの不斉収率で、対応する2−アシルクロマン誘導体が得られた(特許文献1参照)。
特開2011−57648号公報
Tetrahedron, 2009, vol.65, p3931
しかしながら、特許文献1の反応では、2−アシルクロマン誘導体の収率及び鏡像体過剰率は十分ではなかった。そのため、2−アシルクロマン誘導体の収率及び鏡像体過剰率の少なくとも一方を改善するようなプロセスの開発が望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、光学活性な2−アシルクロマン化合物を高収率及び/又は高エナンチオ選択的に得られる製法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、 本発明者らは、特許文献1で開示した触媒的酸化的環状エーテル化反応を用いて光学活性2−アシルクロマン化合物の合成を試みた。しかし、2,3−ジヒドロベンゾフラン化合物を合成する場合に比べて、収率や鏡像体過剰率が低かった。これを改善するために、反応基質の置換基を種々検討したところ、反応基質のフェノール骨格のベンゼン環が電子求引基を有している場合に、収率及び鏡像体過剰率の少なくとも一方が改善されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法は、N−スピロC2軸不斉四級アンモニウムヨージドを触媒前駆体として、下記式(1)で表されるケトフェノール化合物とヒドロペルオキシドとを反応させることにより、前記ケトフェノール化合物に対応する下記式(2)で表される光学活性2−アシルクロマン化合物を製造するものである。
Figure 0006004330
(式(1)中、R1〜R4は少なくとも1つが電子求引基で残りはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基であり、R5はアルキル基であり、Zは1−アリール−イミダゾ−2−イル、2−アリール−1,2,4−トリアゾ−3−イル、1−アリール−テトラゾ−−イル又はこれらとアリール環との縮合環である)
Figure 0006004330
(式(2)中、R〜R及びZは式(1)と同じ)
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法によれば、反応基質であるケトフェノール化合物を酸化的に環化して、そのケトフェノール化合物に対応する2−アシルクロマン化合物を高収率及び/又は高エナンチオ選択的に製造することができる。特に、反応基質であるケトフェノール化合物のフェノール骨格のベンゼン環に1〜3つのアルキル基が結合している場合には、反応が進行しにくくなるが、本発明では、そのベンゼン環に少なくとも1つ以上の電子求引基が結合しているため、反応がスムーズに進行する。
なお、この反応は次のように進行すると考えられる。すなわち、まず、N−スピロC2軸不斉四級アンモニウムヨージドとヒドロペルオキシドとが反応することにより次亜ヨウ素酸や亜ヨウ素酸(I−O-やO=I−O-等、以下「(次)亜ヨウ素酸」という)のアンモニウム塩とヒドロペルオキシドの還元体とが生成する。次に、生成した(次)亜ヨウ素酸のアンモニウム塩と上記式(1)のケトフェノール化合物とが反応することにより、上記式(2)の2−アシルクロマン化合物と元のアンモニウムヨージドが生成する。このようにアンモニウムヨージドは、ヒドロペルオキシドにより酸化されて(次)亜ヨウ素酸のアンモニウム塩となり、その(次)亜ヨウ素酸のアンモニウム塩がケトフェノール化合物を酸化的に環化して再び元のアンモニウムヨージドに戻る。
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法では、反応基質として、上記式(1)で表されるケトフェノール化合物を使用する。また、反応生成物として、上記式(2)で表される光学活性2−アシルクロマン化合物が得られる。
式(1),(2)のR1〜R4は、少なくとも1つが電子求引基で残りはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基であり、Rは、アルキル基である。式(1),(2)中、R及びRは、アルキル基であり、Rは、電子求引基であり、Rは、アルキル基又は電子求引基であることが好ましい。なお、Rが水素原子の場合にも、同様にして反応が進行し、2−アシルクロマン化合物が得られる。
電子求引基としては、特に限定するものではないが、例えば、エステル基、ニトロ基、ニトリル基、ハロゲン原子などが挙げられる。これらは、ケトフェノール化合物のフェノールのオルト位、メタ位、パラ位のいずれであっても、つまりR1〜R4のいずれであっても、電子求引基として機能する。また、フェノールのメタ位つまりR1及び/又はRについては、アルコキシ基でもよい。アルコキシ基は、フェノールのメタ位に結合している場合には、電子求引基として機能するからである。ここで、エステル基としては、例えば、RCO−やRSO−(Rは、ハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基、ハロゲン原子又はアルキル基で置換されていてもよいアリール基など)等が挙げられる。RCO−としては、4−ClCCO−やCCO−などが挙げられ、RSO−としては、CHSO−(MsO−)や4−CHSO−(TsO−)などが挙げられる。このうち、RSO−が好ましい。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシ基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基やナフチル基などが挙げられる。
式(1),(2)のZは、1−アリール−イミダゾ−2−イル、2−アリール−1,2,4−トリアゾ−3−イル、1−アリール−テトラゾ−−イル又はこれらとアリール環との縮合環である。このうち、1−アリール−イミダゾ−2−イル、2−アリール−1,2,4−トリアゾ−3−イル、1−アリール−テトラゾ−−イル又はこれらとアリール環との縮合環であるが好ましい。これらは、脱保護が容易な保護基であるため、得られた環状エーテル化合物をエステル、アミド、アルデヒド、3級アルコールなどへ変換することが可能だからである。ここで、アリールとしては、特に限定するものではないが、フェニル、アルキルを有するフェニル、ペルフルオロアルキルを有するフェニル、アルコキシを有するフェニル、ハロゲン原子を有するフェニル、ナフチル、アルキルを有するナフチル、ペルフルオロアルキルを有するナフチル、アルコキシを有するナフチル、ハロゲン原子を有するナフチルなどが挙げられる。ここで、アルキルとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキルが挙げられる。ペルフルオロアルキルとしては、特に限定するものではないが、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。アルコキシとしては、特に限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシが挙げられる。ハロゲン原子としては、特に限定するものではないが、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。また、アリール環としては、特に限定するものではないが、ベンゼン環、ナフタレン環などが挙げられる。
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法では、触媒前駆体として、N−スピロC2軸不斉四級アンモニウムヨージドを使用する。使用可能なアンモニウムヨージドとしては、例えば下記式(3)〜(8)に示される不斉構造の塩又はこれと鏡像関係にある不斉構造の塩が挙げられる。これらの式(3)〜(8)のRは、水素原子又はアリールである。このうち、特に式(3)が好ましい。また、Rはアリールであることが好ましい。アリールとしては、例えば、1以上のベンゼン環を有し、ベンゼン環上の置換基としてアルキル、ペルフルオロアルキル、アルコキシ、アリールを有するものなどが挙げられる。ここで、アルキルとしては、特に限定するものではないが、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルなどの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキルが挙げられる。ペルフルオロアルキルとしては、特に限定するものではないが、例えば、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルなどの炭素数1〜10のペルフルオロアルキルが挙げられる。アルコキシとしては、特に限定するものではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどの分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルコキシが挙げられる。アリールとしては、特に限定するものではないが、例えば、フェニル、ナフチルなどのほか、ペルフルオロアルキルを有するフェニルなどが挙げられる。Rとしては、1以上のベンゼン環を有し、ベンゼン環上の置換基としてペルフルオロアルキルを有するものが好ましい。具体的には、Rとしては、例えば式(9)〜(14)が挙げられる。このうち、Rを式(10)又は(14)とした場合、2−アシルクロマン化合物の収率及び鏡像体過剰率の両方が高くなるため、好ましい。
Figure 0006004330
Figure 0006004330
こうした触媒前駆体は、反応基質に対して0.5〜50mol%使用するのが好ましく、1〜10mol%使用するのがより好ましい。0.5mol%未満だと環状エーテル化反応の進行が遅く反応時間が長時間になるため好ましくない。また、50mol%を超えても収率や鏡像体過剰率が大きく向上することはないため経済的見地から好ましくない。
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法では、酸化剤としてヒドロペルオキシドを用いる。ヒドロペルオキシドとしては、特に限定するものではないが、例えば過酸化水素水、tert−ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)、クメンヒドロペルオキシド(CHP)などが挙げられるが、反応基質に応じて適宜決定するのが好ましい。酸化剤として過酸化水素水を用いた場合には、反応の進行に伴って過酸化水素が水に変換されるため、環境負荷が少ない。こうした酸化剤は、反応基質に対してモル比で1〜10倍用いるのが好ましく、1.5〜3倍用いるのがより好ましい。下限値未満だと、反応が終結しないことがあるため好ましくなく、上限値を超えても化学収率が大きく向上しないため経済的見地から好ましくない。
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法では、反応溶媒として、炭化水素系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン置換炭化水素系溶媒又はこれらと水との混合溶媒を用いることが好ましい。ここで、炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチルなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル(MTBE)、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)、THF、ジオキサンなどが挙げられる。ハロゲン置換炭化水素系溶媒としては、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタンなどが挙げられる。このうち、エーテル系溶媒が好ましい。こうした反応溶媒の使用量は、特に限定するものではないが、例えば、溶媒中の反応基質の濃度が0.01〜0.1mol/Lとなるように設定するのが好ましい。
本発明の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法では、反応温度は、特に限定するものではないが、−20〜80℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。−20℃未満だと、環状エーテル化の反応速度が遅くなるため好ましくなく、80℃を超えると反応速度は向上するもののエナンチオ選択性が低下するおそれがあるため好ましくない。また、反応系の雰囲気は、窒素ガスやアルゴンガスなどの不活性雰囲気とする必要はなく、大気雰囲気でも支障なく反応が進行する。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下の実施例においてはH NMRスペクトルをJEOL ECS−400 (400MHz)スペクトロメータで、19F NMRスペクトルをJEOL ECS−400 (376MHz)スペクトロメータで測定した。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)で、Merck precoated TLCプレート(シリカゲル60 GF254,0.25mm)を用いてモニタリングした。反応生成物の光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、4.6mm×25cm Daicel CHIRALCEL AD-H,IA,IC,IC−3を用いて、Shimadzu LC−10装置で測定した。
[1]触媒前駆体A−F(表1参照)
触媒前駆体A及びEは、文献(Science, 2010, vol.328, p1376)で報告された既知化合物である。新規の触媒前駆体B−D,Fも、その文献で報告された合成手順に準じて合成した。以下に触媒前駆体B−D,Fの化合物データを示す。
Figure 0006004330
触媒前駆体B: 薄茶色固体; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.79 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 4.36 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 4.60 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 5.08 (d, J = 14.2 Hz, 2H), 6.48 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00-9.00 (br, 6H), 7.07 (d, 2H), 7.13-7.24 (m, 12H), 7.33-7.41 (m, 4H), 7.66 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 7.92 (s, 2H), 8.01 (s, 4H), 8.06 (s, 4H), 8.17 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.22 (s, 8H), 8.44 (s, 2H); 19F NMR (CDCl3, 376 MHz) δ -62.6, -62.5.
触媒前駆体C: 茶色固体; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.79 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 4.33 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 4.51 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 5.09 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 6.44 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.00-9.00 (br, 8H), 7.08-7.10 (m, 2H), 7.15-7.22 (m, 4H), 7.33-7.44 (m, 4H), 7.62-7.67 (m, 4H), 7.80 (s, 2H), 7.97-8.01 (m, 16H), 8.14-8.20 (m, 12H), 8.43 (s, 2H) ; 19F NMR (CDCl3, 376 MHz) δ -62.5.
触媒前駆体D: 茶色固体; 1H NMR (CD3CN, 400 MHz) δ 3.61 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 3.94 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 4.08 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 5.00 (m, 2H), 6.06 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 6.80 (d, J = 8.7 Hz, 2H) 6.97 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 7.10-7.19 (m, 4H), 7.31-7.35 (m, 4H), 7.63 (t, J = 7.1 Hz, 2H), 8.00-9.00 (br, 12H), 8.03 (s, 4H), 8.14 (s, 2H), 8.19 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 8.31 (s, 4H), 8.47 (s, 8H), 8.55 (s, 2H), 8.69 (brs, 2H); 19F NMR (CDCl3, 376 MHz) δ -63.0.
触媒前駆体F: 薄茶色固体; 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 3.75 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 4.37 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 4.61 (d, J = 13.3 Hz, 2H), 5.01 (d, J = 13.8 Hz, 2H), 6.45 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.00-9.00 (br, 8H), 7.09 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.18-7.20 (m, 4H), 7.36-7.42 (m, 4H), 7.54 (d, J = 8.2 Hz, 2H), 7.67 (t, J = 7.6 Hz, 2H) 7.97 (s, 2H), 7.67 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 8.16 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 8.23 (s, 4H), 8.23 (s, 4H), 8.41 (s, 2H); 19F NMR (CDCl3, 376 MHz) δ -126.0, -122.6, -121.2, -110.8, -80.6.
[2]光学活性2−アシルクロマン化合物の合成
表2に示すように、種々のケトフェノール化合物を反応基質として、触媒前駆体A−Fのいずれかを用いて酸化的環化反応を進行させることにより、光学活性2−アシルクロマン化合物を得た。
Figure 0006004330
代表的な合成手順を、実施例12を例に挙げて以下に説明する。なお、他の実施例もこの実施例12の合成手順に準じて反応を行った。反応容器に、基質として4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチル−5−[3−メチル−4−オキソ−4−(1−フェニル−1H−イミダゾル−2−イル)ブチル]フェニル 4−メチルベンゼンスルホナート(53.3mg,0.1mmol)、触媒前駆体F(22.8mg,0.01mmol)、及び、溶媒としてジエチルエーテル(EtO,10.0mL)を収容して溶液を得た。その後、酸化剤としてクメンヒドロペルオキシド(CHP)を、基質に対して2当量に相当する量(80wt%,TCI社製,37μL,0.2mmol)を添加した。次いで、反応系を室温(約20℃)に調整し、1.5時間攪拌して反応を行った。その後、反応生成物を含む反応液を水(約10mL)に入れ、そして、酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を、飽和の亜硫酸ナトリウム(NaSO)水溶液、水及びNaCl水溶液により、順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウム(NaSO)を投入した。その後、溶媒を減圧下、留去し、粗生成物を含む濃縮物を得た。次いで、この濃縮物をシリカゲルのフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/酢酸エチル=4/1)に供して、生成物である(S)−2,5,7,8−テトラメチル−2−(1−フェニル−1H−イミダゾル−2−カルボニル)クロマン−6−イル−4−メチルベンゼンスルホナート(52.5mg,0.099mmol)を収率99%、93%eeで白色固体として得た。得られた化合物の分析データを以下に示す。
TLC, Rf = 0.6 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.94-2.02 (m, 1H), 1.96 (s, 3H), 2.11 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.33-2.41 (m, 1H), 2.56-2.62 (m, 1H) 2.99-3.05 (m, 1H), 7.07 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.29-7.35 (m, 5H), 7.77 (d, J = 8.2 Hz, 2H); HPLC (IC-3 column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tS = 37 min, tR = 45 min.
実施例1〜3から明らかなように、基質の酸性度が大きくなるほど鏡像体過剰率が向上し、フェノールのパラ位にトシルオキシ基を有する反応基質を用いた実施例3では60%eeまで不斉収率が向上した。また、酸化剤としてTBHPの代わりに過酸化水素水を用いた実施例4では、化学収率及び不斉収率が更に向上し、86%収率、69%eeで目的の生成物が得られた。また、実施例5に示すように、触媒前駆体Aにおいてビナフチルの3,3’の置換基とビナフチルとの間にフェニルを導入した触媒前駆体Bを用いると、不斉収率が更に向上し、これまでとは逆のエナンチオマー(S体)が79%eeで得られた。更に、実施例6〜8では、触媒前駆体C〜Eについて検討したが、実施例5に比べて化学収率及び不斉収率は向上しなかった。実施例9〜11では、触媒前駆体Bを用いて更に検討したところ、酸化剤としてCHP、溶媒としてジエチルエーテルを用いた実施例11で、不斉収率が87%eeまで向上した。実施例9〜11の化学収率は、いずれも99%という極めて高い値となった。実施例12では、ビナフチルの3,3’位に、置換基として3,5位にパーフルオロ置換基(パーフルオロアルキル基)を有するビフェニルを備えた、フルオラス性を持つ触媒前駆体Fを合成し、本反応に用いたところ、不斉収率が更に向上し、93%eeで生成物が得られた。実施例13では、触媒量を5mol%に減らしたが、触媒量が10mol%の実施例12と比べて同じ反応時間で反応が終結し、生成物の化学収率及び不斉収率ともに変化がなかった。なお、触媒前駆体B〜D,Fは新規化合物であり、今回のクロマン合成において有効であることが初めて明らかになった。
実施例3〜11及び13で得られた2−アシルクロマン化合物は、実施例12で得られたものと同じである。実施例1,2で得られた2−アシルクロマン化合物の分析データを以下に示す。
・実施例1で得られた2−アシルクロマン化合物:白色固体。TLC, Rf = 0.44 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (d8-Toluene, 400 MHz) δ 1.80-1.85 (m, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 2.23 (s, 3H), 2.36-2.40 (m, 2H), 2.86-2.97 (m, 1H), 6.52 (s, 1H), 6.66-6.67 (m, 2H), 6.99-7.10 (m, 5H), 7.97 (d, J = 7.3 Hz, 2H); HPLC (IC column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tS= 10 min, tR = 12 min.
・実施例2で得られた2−アシルクロマン化合物:白色固体。TLC, Rf = 0.59 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.94-2.01 (m, 1H), 1.96 (s 1H), 2.11 (s, 3H), 2.14 (s, 3H), 2.19 (s, 3H), 2.32-2.41 (m, 1H), 2.56-2.62 (m, 1H), 2.99-3.05 (m, 1H), 3.22 (s, 3H), 6.83-6.85 (m, 2H), 7.08 (s, 1H), 7.26 (s, 1H), 7.31-7.39 (m, 3H); HPLC (IC column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tS = 47 min, tR = 65 min.
また、実施例1〜12で用いた反応基質は、文献(特願2012−031224;Bioorg. Med. Chem. 2010, vol.18, p.6429; Eur. J. Org. Chem. 2009, p.833)に記載された合成手順に準じて合成した。それらの分析データを以下に示す。
・実施例1で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.59 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.24 (d, J = 7.8 Hz, 3H), 1.57-1.73 (m, 1H), 1.97-2.05 (m, 1H), 2.04 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.52-2.58 (m, 1H), 2.82-2.85 (m, 1H), 3.76-3.79 (m, 1H), 6.92 (brs, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.23-7.34 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.48-7.51 (m, 5H), 8.18 (d, J = 8.7 Hz, 2H).
・実施例2で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.23 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.24 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.58-1.69 (m, 1H), 1.88-2.01 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.25 (s, 3H), 2.27 (s, 3H), 2.49-2.57 (m, 1H), 2.75-2.83 (m, 1H), 3.22 (s, 3H), 3.72-3.81 (m, 1H), 7.13 (brs, 1H), 7.22 (s ,1H), 7.26-7.30 (m, 2H), 7.34 (s, 1H), 7.45-7.48 (m, 5H).
・実施例3〜13で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.57 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.22 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.54-1.68 (m, 1H), 1.86-2.00 (m, 1H), 2.12 (s, 6H), 2.46 (s, 3H) 2.48-2.52 (m, 1H), 2.69-2.77 (m, 1H), 3.70-3.77 (m, 1H), 7.06 (brs, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.26-7.27 (m, 2H), 7.32 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.46-7.48 (m, 3H), 7.79 (d, J = 8.0 Hz, 2H).
[3]ビタミンEへの誘導
実施例12で得られた2−アシルクロマン化合物を下記式にしたがってビタミンEの鍵合成中間体であるメチルエステルへ誘導した。このメチルエステルは既知化合物であり、このメチルエステルからのビタミンEへの誘導は既知である(Chem. Pharm. Bull., 2000, vol.48, p272)。
Figure 0006004330
[4]ケトフェノール化合物のフェノールの置換基の効果
表3に示すように、比較例1では、反応基質であるケトフェノール化合物のフェノールの4位にMeO基を有するものを用い、比較例2では、フェノールの4位にTBDPSO基(tert−ブチルジフェニルシリルオキシ基)を有するものを用い、実施例14では、フェノールの4位に4−ClCCO基を有するものを用いて、酸化的環化反応を行った。具体的な手順は、実施例12に準じて行った。ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基が付いていない比較例1,2では、反応が全く進行しないか、十分に進行しなかった。これに対して、ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基の付いた実施例14では、99%収率、92%eeで目的とする光学活性2−アシルクロマン化合物が得られた。
Figure 0006004330
表4に示すように、比較例3では、反応基質であるケトフェノール化合物のフェノールの3,5位にメチル基を有し2,4位に置換基を有さないものを用い、実施例15では、フェノールの3,5位にメチル基を有し4位に臭素原子を有するものを用いて、酸化的環化反応を行った。具体的な手順は、実施例12に準じて行った。ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基が付いていない比較例3では、反応が十分に進行しなかった。これに対して、ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基の付いた実施例15では、84%収率、85%eeで目的とする光学活性2−アシルクロマン化合物が得られた。
Figure 0006004330
表5に示すように、比較例4では、反応基質であるケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基を有さないものを用い、実施例16では、フェノールのメタ位に電子求引基PhCO−を有するものを用いて、酸化的環化反応を行った。具体的な手順は、実施例12に準じて行った。ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基のない比較例4では、反応が十分に進行しなかった。これに対して、ケトフェノール化合物のフェノールに電子求引基の付いた実施例16では、64%収率、82%eeで目的とする光学活性2−アシルクロマン化合物が得られた。このように、実施例16では、フェノールの酸性度を上げたことにより、反応活性が劇的に向上した。
Figure 0006004330
表3〜表5に示した比較例、実施例の反応基質及び反応生成物のスペクトルデータは以下のとおり。
・比較例1で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf= 0.47 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.19 (d, J = 8.0 Hz, 3H), 1.66-1.75 (m, 1H), 2.09-2.18 (m, 1H), 2.53-2.61 (m, 1H), 2.68-2.75 (m, 1H), 3.73 (s, 3H), 3.77-3.82 (m, 1H), 6.63 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.64 (s, 1H), 6.78 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.20 (s ,1H), 7.25-7.27 (m, 2H), 7.32 (s, 1H), 7.45-7.46 (m, 3H).
・比較例2で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.38 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.08 (s, 9H), 1.09 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.43-1.52 (m, 1H), 1.94-2.05 (m, 1H), 2.33-2.40 (m, 1H), 2.54-2.62 (m, 1H), 3.59-3.68 (m, 1H), 6.47-6.49 (m, 2H), 6.58-6.60 (m, 1H), 7.10 (brs, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.23-7.26 (m, 2H), 7.31-7.40 (m, 7H), 7.45-7.47 (m, 3H), 7.70 (d, J = 6.7 Hz, 4H).
・比較例2で得られた反応生成物:白色固体。TLC, Rf = 0.69 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.05 (s, 9H) 1.87 (s, 3H), 1.95-2.03 (m, 1H), 2.27-2.53 (m, 2H), 2.91-2.97 (m, 1H), 6.42-6.45 (m, 2H), 6.57 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 6.95 (d, J = 6.9 Hz, 2H), 7.08 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 1.1 Hz, 1H) 7.28-7.41 (m, 8H), 7.66-7.69 (m, 5H); HPLC (IC-3 column) Hexane-EtOH = 10:1 as eluent, 1.0 mL/min, tS = 5 min, tR = 6 min.
・実施例14で用いた反応基質:黄色固体。TLC, Rf = 0.46 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.21 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.69-1.78 (m, 1H), 2.08-2.17 (m, 1H), 2.56-2.63 (m, 1H), 2.72-2.80 (m, 1H), 3.73-3.83 (m, 1H), 6.86-6.92 (m, 3H), 7.22 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.26-7.28 (m 2H), 7.33 (d, J = 0.9 Hz, 1H), 7.43-7.52 (m, 5H), 7.94 (brs, 1H), 8.11 (d, J = 11.0 Hz, 2H).
・実施例14で得られた反応生成物:白色固体。TLC, Rf = 0.57 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.95 (s, 3H), 2.07-2.14 (m, 1H), 2.54-2.63 (m, 1H), 2.70-2.76 (m, 1H), 3.12-3.17 (m, 1H), 6.84-6.92 (m, 3H), 7.04-7.08 (m, 3H), 7.13 (s, 1H), 7.29 (s, 1H) 7.38-7.40 (m, 3H), 7.46 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 8.09 (d, J = 8.5 Hz, 2H); HPLC (AD-H column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tR = 48 min, tS = 73 min.
・比較例3で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.43 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.23 (d, J = 6.9 Hz, 3H), 1.60-1.69 (m, 1H), 1.91-2.00 (m, 1H), 2.22 (s, 3H), 2.24 (s, 3H) 2.48-2.55 (m, 1H), 2.70-2.78 (m, 1H), 3.76-3.85 (m, 1H), 6.54 (s, 2H), 6.98 (brs, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.26-7.28 (m, 2H), 7.33 (s, 1H), 7.45-7.47 (m, 3H).
・比較例3で得られた反応生成物:白色固体。TLC, Rf = 0.57 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.92 (s, 3H), 2.02-2.14 (m, 1H), 2.11 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.28-2.37 (m, 1H), 2.57-2.62 (m, 1H), 3.12-3.19 (m, 1H) 6.54 (s, 1H), 6.57 (s, 1H), 6.95-6.97 (m, 2H) 7.10 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.30-7.38 (m, 3H); HPLC (IA column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tS = 8 min, tR = 10 min.
・実施例15で用いた反応基質:黄色固体。TLC, Rf = 0.36 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 1.23 (d, J = 7.4 Hz, 3H), 1.56-1.65 (m, 1H), 1.92-2.01 (m, 1H), 2.35 (s, 3H), 2.58 (s, 3H), 2.68-2.75 (m, 1H), 2.81-2.88 (m, 1H), 3.88-3.96 (m, 1H), 6.14 (brs, 1H), 7.19 (s, 1H), 7.25-7.26 (m, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.45-7.47 (m, 3H).
・実施例15で得られた反応生成物:白色固体。TLC, Rf = 0.41 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 2.01 (s, 3H), 2.03-2.09 (m, 1H), 2.23 (s, 3H), 2.36-2.45 (m, 1H), 2.57 (s, 3H), 2.67-2.73 (m, 1H), 3.28-3.33 (m, 1H), 7.03-7.04 (m, 2H), 7.12 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 1.2 Hz, 1H), 7.35-7.37 (m, 3H); HPLC (AD-H column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tR = 9 min, tS = 11 min.
・比較例4で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.5 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz)δ 0.83 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.49-1.57 (m, 1H), 2.02-2.11 (m, 2H), 2.52-2.59 (m, 1H), 2.69-2.77 (m, 1H), 3.58-3.62 (m, 1H), 6.81-6.88 (m, 2H), 7.07-7.12 (m, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.26-7.28 (m, 2H), 7.35 (s, 2H), 7.44-7.48 (m, 3H), 7.55 (brs, 1H).
・実施例16で用いた反応基質:白色固体。TLC, Rf = 0.43 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 0.85 (t, J = 7.3 Hz, 3H), 1.49-1.60 (m, 1H), 1.77-1.84 (m, 2H), 2.05-2.11 (m, 1H), 2.52-2.63 (m, 1H), 2.71-2.79 (m, 1H), 3.63-3.65 (m, 1H), 6.69 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.75 (s, 1H), 7.10 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.26-7.29 (m, 2H), 7.35 (s, 1H), 7.47-7.52 (m, 5H), 7.63 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 8.19 (d, J = 7.6 Hz, 2H).
・実施例16で得られた反応生成物:白色固体。TLC, Rf = 0.5 (hexane-EtOAc = 1:1); 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 0.98 (t, J = 7.6 Hz, 3H), 2.09-2.30 (m, 2H), 2.47-2.65 (m, 2H), 2.67-2.72 (m, 1H), 3.16-3.21 (m, 1H), 6.65 (dd, J = 2.3, 8.2 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.97 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.08-7.11 (m, 2H), 7.12 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.26 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 7.36-7.38 (m, 3H), 7.47 (t, J = 8.0 Hz, 2H), 7.59 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 8.0 Hz, 2H). HPLC (AD-H column) Hexane-EtOH = 40:1 as eluent, 1.0 mL/min, tR = 28 min, tS = 43 min.
本発明によって得られる2−アシルクロマン化合物は、抗酸化剤であるα−トコフェロール(α-Tocopherol、別名ビタミンE)やトロロックス(Trolox)に代表される生理活性化合物の合成中間体として利用可能である。

Claims (7)

  1. N−スピロC2軸不斉四級アンモニウムヨージドを触媒前駆体として、下記式(1)で表されるケトフェノール化合物とヒドロペルオキシドとを反応させることにより、前記ケトフェノール化合物に対応する下記式(2)で表される光学活性2−アシルクロマン化合物を製造する、光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
    Figure 0006004330
    (式(1)中、R1〜R4は少なくとも1つが電子求引基で残りはそれぞれ独立して水素原子又はアルキル基であり、R5はアルキル基であり、Zは1−アリール−イミダゾ−2−イル、2−アリール−1,2,4−トリアゾ−3−イル、1−アリール−テトラゾ−−イル又はこれらとアリール環との縮合環である)
    Figure 0006004330
    (式(2)中、R1〜R5及びZは式(1)と同じ)
  2. 式(1)及び(2)中、R1及びR3は、アルキル基であり、R2は、電子求引基であり、R4は、アルキル基又は電子求引基である、請求項1に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
  3. 2及び/又はR4が電子求引基の場合、その電子求引基は、RCO2−又はRSO3−(Rはハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル基又はハロゲン原子若しくはアルキル基で置換されていてもよいアリール基)である、請求項1又は2に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
  4. 反応溶媒として、エーテル系溶媒を用いる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
  5. 前記触媒前駆体は、下記式(3)に示される不斉構造の塩又はこれと鏡像関係にある不斉構造の塩である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
    Figure 0006004330
    (式(3)中、R6は、水素原子又はアリールである)
  6. 式(3)中、R6は、1以上のベンゼン環を有し、ベンゼン環上にペルフルオロアルキルを有するものである、請求項5に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学活性2−アシルクロマン化合物の製法に用いられる触媒前駆体であって、
    下記式に示される不斉構造の塩又はこれと鏡像関係にある不斉構造の塩である、触媒前駆体。
    Figure 0006004330
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