JP6002700B2 - パレット - Google Patents

Description

本発明は、複数段積み可能なパレットに関する。

従来、電子機器等の被梱包物の運搬や保管等のために、被梱包物を載置するパレットが広く用いられている。このようなパレットは、環境問題に鑑み、使用後（開梱後）に回収して再使用されることが多い（所謂リターナブルタイプのパレット）。

例えば、特許文献１には、パレット部材上に立設される一対の支柱部材と、一対の支柱部材を連結するステーと、を有する輸送用ラックが開示されている。この輸送用ラックは、開梱後に、ステーおよび支柱部材を解体してパレット部材上に順次重ねて収納した状態で回収されていた。

特開２０１２−００６６０８号公報

ところで、リターナブルタイプのパレット部材は、上下方向に複数段積みした状態で回収されることがある。この回収過程において、段積み数が少ない場合や僅かな距離だけ移動させたい場合等、作業員が人力で持ち上げて移動させることもある。しかしながら、特許文献１に記載の輸送用ラック（パレット部材）では、複数段積みされたパレット部材同士は連結されていない。このため、作業員は、最下段のパレット部材を把持して全てのパレット部材を持ち上げなければならなかった。この場合、作業員は、大きく腰を屈めなければならず、負担の大きな姿勢をとることを余儀なくされていた。また、パレット部材の大きさや形状等によっては、段積みしたパレット部材の移動にフォークリフト等を用いなければならなかった。つまり、パレット部材の回収に係る作業性が悪化していた。

本発明は上記した課題を解決すべくなされたものであり、段積みされた状態であっても回収作業を容易に行い得るパレットを提供することを目的とするものである。

上記した目的を達成するため、本発明は、複数段積み可能なパレットであって、底板と、被梱包物が載置される天板と、前記底板と前記天板とを連結し、前記底板および前記天板の外縁に沿って配設される脚部材と、前記天板の外縁に沿って立設され、前記被梱包物を覆う梱包ケースの連結に用いる連結穴が形成される側壁部材と、を備え、前記脚部材には、他のパレットの天板上に段積みされた場合に、当該他のパレットの側壁部材の連結穴に対応して配置される係合部が設けられていることを特徴とする。

この構成によれば、段積みされた複数のパレットは、連結穴に係合する係合部によって連結される。このため、例えば、作業員は、最上段のパレットを把持して、段積みされたパレットを持ち上げることができる。これにより、作業員は、大きく腰を屈めることなく、楽な姿勢で段積みされたパレットを移動させることができる。パレットの回収過程において、人力での作業効率の向上を図ることができる。また、パレットの大きさや形状等に関わらず、複数の作業員によって段積みされたパレットの移動を行うことも容易となる。

この場合、前記係合部は、前記脚部材の外側面から外側に向けて突出する突起部であり、前記側壁部材は、前記連結穴を外側から前記天板上に段積みされた他のパレットの突起部に係合させるように弾性力をもって変位可能に構成されていることが好ましい。

この構成によれば、１つのパレット（以下、「第１のパレット」と呼ぶ。）に他のパレット（以下、「第２のパレット」と呼ぶ。）を積み重ねるだけで、第１のパレットの側壁部材の連結穴は、第２のパレットの脚部材の突起部に係合する。連結穴が突起部に係合することで、段積みされた複数のパレットが連結される。つまり、パレット同士を積み重ねるという簡単な作用によって、段積みされた複数のパレットを連結することができる。

この場合、前記梱包ケースを連結する場合に前記連結穴に嵌合するジョイント部材を有し、前記係合部は、前記脚部材に形成される連結開口部であり、前記側壁部材は、前記天板上に段積みされた他のパレットの脚部材の外側面に沿って配設され、前記ジョイント部材は、外側から前記連結穴を貫通して当該他のパレットの連結開口部に係合可能に構成されていることが好ましい。

この構成によれば、第１のパレットに第２のパレットを積み重ねた状態で、ジョイント部材は、第１のパレットの側壁部材の連結穴に挿入され、第２のパレットの脚部材の連結開口部に係合する。つまり、梱包ケースの連結に用いるジョイント部材を用いて、段積みされた複数のパレットを連結することができる。これにより、パレットに加えてジョイント部材も同時に回収することができる。

この場合、前記側壁部材は、起立姿勢と、前記天板の内側に向けて倒れる傾倒姿勢との間で回動可能に構成されていることが好ましい。

この構成によれば、最上段以外に位置するパレットの側壁部材を起立姿勢とすることで、複数のパレットを連結状態で段積みすることができる。最上段に位置するパレットの側壁部材を傾倒姿勢にすることで、例えば、側壁部材が作業員の作業を阻害することを防止することができる。これにより、パレットの回収過程において、人力での作業効率を更に向上させることができる。

この場合、前記底板および前記天板は、それぞれ、矩形状に形成され、前記脚部材および前記側壁部材は、それぞれ、複数設けられ、前記連結穴および前記係合部は、それぞれ、前記脚部材と前記側壁部材とに応じて複数設けられていることが好ましい。

この構成によれば、段積みされたパレットは、複数の連結穴および複数の係合部によって強固に連結される。これにより、段積みされたパレットは、安定した連結状態を維持することができる。

本発明によれば、段積みされた状態のパレットの回収作業を容易に行うことができる。

本発明の第１実施形態に係るパレットを備える梱包組立体の斜視図である。 本発明の第１実施形態に係るパレットを備える梱包組立体を展開した状態を示す展開斜視図である。 本発明の第１実施形態に係るパレットを段積みした状態を示す斜視図である。 本発明の第１実施形態に係るパレットを段積みした状態の一部を模式的に示す断面である。 本発明の第２実施形態に係るパレットを段積みした状態の一部を模式的に示す断面である。 本発明の各実施形態の変形例に係るパレットの側壁部材を模式的に示す断面である。

以下、本発明の実施形態について、添付した図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、便宜上、各図に矢印で示すように各方向を規定する。

（第１実施形態）
図１ないし図４を参照して、第１実施形態に係るパレット２を備える梱包組立体１について説明する。図１は梱包組立体１の斜視図である。図２は梱包組立体１を展開した状態を示す展開斜視図である。図３はパレット２を段積みした状態を示す斜視図である。図４はパレット２を段積みした状態の一部を模式的に示す断面である

図１に示すように、梱包組立体１は、略直方体状の外観を成すように構成されている。図１および図２に示すように、梱包組立体１は、被梱包物としての画像形成装置１００を載置するパレット２と、画像形成装置１００を覆う袋状のビニールカバー３と、ビニールカバー３に覆われた画像形成装置１００の周側面を覆う内側梱包部材４と、内側梱包部材４に覆われた画像形成装置１００を覆う外側梱包ケース５と、を含んで構成されている。なお、被梱包物は、画像形成装置１００に限らず、衝撃から保護するために梱包を行う任意の物品であればよい。

パレット２は、底板１０と、画像形成装置１００が載置される天板１１と、底板１０と天板１１とを連結し、底板１０および天板１１の外縁に沿って配設される複数の脚部材１２と、天板１１の外縁に沿って立設される複数の側壁部材１３と、を有している。

底板１０および天板１１は、それぞれ、木材によって平面視で矩形状に形成されている。底板１０および天板１１は、それぞれ、略同一の大きさに形成されている。天板１１は、底板１０の上方に対向配置されている。底板１０の各辺の中央領域には、略矩形状の凹状部２０が内側に向けて切り欠かれている。

複数の脚部材１２は、それぞれ、木材によって略立方体状に形成されている。複数の脚部材１２は、それぞれ、底板１０と天板１１との間に設けられている。詳細には、脚部材１２は、両板１０，１１の４つの角部分と、各辺の略中央部とに配設されている。８つの脚部材１２は、底板１０および天板１１の辺に沿って略等間隔に設けられている。隣り合う一対の脚部材１２の間には、フォークリフトのフォークを挿し込むためのフォーク挿入開口部２１が構成されている。なお、以降の説明では、便宜上、各角部分に配置した４つの脚部材１２を「角脚部材２２」と呼び、各辺の略中央部に配置した４つの脚部材１２を「中間脚部材２３」と呼ぶこととする。

各中間脚部材２３は、底板１０（および天板１１）の端面よりも僅かに内側（底板１０等の中心側）に配置されている。上記した底板１０の凹状部２０の外端面は、中間脚部材２３の外側面と同一平面を成している（図１参照）。

複数の側壁部材１３は、それぞれ、鉄製の板金を略Ｌ字状に折り曲げて形成されている。詳細には、各側壁部材１３は、天板１１に平行な略矩形板状に形成される側壁固定部２４と、側壁固定部２４の外側端部から上方に向けて延びる略矩形板状の側壁本体２５と、によって一体形成されている（図２および図３参照）。側壁固定部２４と側壁本体２５との成す角度は、略９０°になっている。

複数の側壁部材１３は、それぞれ、天板１１の各辺の略中央部に固定されている。つまり、各側壁部材１３は、中間脚部材２３の上方に設けられている。４つの側壁部材１３は、それぞれ、側壁固定部２４を内側（天板１１の中心側）に向けて天板１１の各辺に沿って設けられている。各側壁部材１３は、天板１１の端面よりも僅かに内側に配置されている。側壁固定部２４は、複数（例えば２つ）のネジ２７によって天板１１に固定されている（図３参照）。側壁本体２５は、寄り添う辺に直交する方向に弾性力をもって変位可能に構成されている。

各側壁部材１３（側壁本体２５）は、画像形成装置１００を覆う外側梱包ケース５の連結に用いる略矩形状の連結穴２６を有している。４つの連結穴２６は、それぞれ、側壁本体２５の中央部よりも上側の位置にて貫通して形成されている（図３参照）。

図２に示すように、内側梱包部材４は、前側部パッド４ａと、後側部パッド４ｂと、左側部パッド４ｃと、右側部パッド４ｄと、内側梱包ケース４ｅと、を有している。

各側部パッド４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄは、段ボール紙によって略矩形の板状に形成されている。前側部パッド４ａ、後側部パッド４ｂ、左側部パッド４ｃおよび右側部パッド４ｄは、それぞれ、画像形成装置１００の前側面、後側面、左側面および右側面に当接し、画像形成装置１００の各側面を保護する。

内側梱包ケース４ｅは、段ボール紙によって矩形筒状に形成されている。内側梱包ケース４ｅは、各側部パッド４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを当接させた画像形成装置１００を内部に収納可能に構成されている。内側梱包ケース４ｅの下端部には、複数（例えば４つ）の矩形状の内側開口部４ｆが形成されている。内側開口部４ｆは、内側梱包ケース４ｅの前後左右の各側面の中央下端から上方に向けて切り欠かれるように形成されている。

外側梱包ケース５は、段ボール紙によって矩形筒状に形成されている。外側梱包ケース５の上面および下面は、開口している。外側梱包ケース５の上面開口は、閉じられるように形成されている。外側梱包ケース５の下端側には、複数（例えば４つ）の略矩形状の外側開口部５ａが形成されている。外側開口部５ａは、外側梱包ケース５の前後左右の各側面の中央下側に貫通して形成されている。外側開口部５ａは、内側梱包ケース４ｅの内側開口部４ｆに対応する位置に形成されている。また、外側開口部５ａは、側壁部材１３の連結穴２６と略同一の大きさに形成されると共に、内側開口部４ｆよりも小さく形成されている。

ここで、図２を参照して、梱包組立体１の組み立て手順について説明する。

作業員は、上方からビニールカバー３を被せた画像形成装置１００をパレット２上に載置する。なお、画像形成装置１００の下側角部分には、緩衝部材１０１が配設される。

次に、作業員は、各側部パッド４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄを、画像形成装置１００の各側面に当接させ、上方から内側梱包ケース４ｅを被せる。この状態で、各側部パッド４ａ，４ｂ，４ｃ，４ｄは画像形成装置１００の各側面に固定される。以上によって、内側梱包部材４が組み立てられる。

次に、作業員は、外側梱包ケース５を内側梱包部材４の上方から被せる。外側梱包ケース５の下端部は、パレット２の各側壁部材１３の内側に入り込む（図１参照）。この状態で、各側壁部材１３に開口する連結穴２６は、外側梱包ケース５の各外側開口部５ａおよび内側梱包ケース４ｅの各内側開口部４ｆに一致している。そして、作業員は、各側壁部材１３の連結穴２６から外側開口部５ａ（内側開口部４ｆ）にジョイント部材６を挿入して固定する（図１参照）。これにより、外側梱包ケース５はパレット２上に固定され、梱包組立体１の組み立てが完了する。

梱包組立体１は、例えば、フォークリフトによって運搬（移動）される。このとき、フォークリフトのフォークは、パレット２のフォーク挿入開口部２１に挿入される。なお、梱包組立体１の組み立て手順の逆手順によって、梱包組立体１を開梱することができる。

ところで、梱包組立体１を開梱した後、パレット２、内側梱包部材４および外側梱包ケース５等は、リユースまたはリサイクルを行うために回収される。このパレット２は、回収されてリユースされる所謂リターナブルタイプである。このようなパレット２は、保管スペースを小さくするために、上下方向に複数段積み可能に構成されている（図３参照）。パレット２の回収過程において、段積み数が少ない場合等、作業員が人力で持ち上げて移動させることもある。

図１および図３に示すように、パレット２は、段積みされた状態で回収作業を容易に行う構造として、係合部としての複数の突起部３０を有している。突起部３０は、脚部材１２（中間脚部材２３）に設けられている。パレット２（上側のパレット２）の突起部３０は、他のパレット２（下側のパレット２）の天板１１上に段積みされた場合に、当該他のパレット２の側壁部材１３の連結穴２６に対応して配置されている。突起部３０は、中間脚部材２３の外側面から外側に向けて突出して設けられている。突起部３０は、連結穴２６に嵌合するように略直方体状に形成されている。

次に、図３および図４を参照して、第１実施形態に係るパレット２の段積みの手順について説明する。パレット２の段積み数は任意であるが、説明を簡単にするため、１つのパレット２（以下、「第１のパレット２Ａ」と呼ぶ。）に他のパレット２（以下、「第２のパレット２Ｂ」と呼ぶ。）を積み重ねる場合（段積み数２段）について説明する。なお、図３および図４では、第１のパレット２Ａの構成部材には符号「Ａ」を加え、第２のパレット２Ｂの構成部材には符号「Ｂ」を加えている。以下、各パレット２Ａ，２Ｂに共通する説明では符号「Ａ」、「Ｂ」は省略する。

複数のパレット２Ａ，２Ｂは、４つの角脚部材２２Ａ，２２Ｂを一致させる姿勢で段積みされる（積み重ねられる）。まず、作業員は、第２のパレット２Ｂを持ち上げて、第２のパレット２Ｂを第１のパレット２Ａの天板１１Ａに載置する。具体的には、作業員は、第２のパレット２Ｂの底板１０Ｂに形成された４つの凹状部２０Ｂを第１のパレット２Ａの４つの側壁部材１３Ａに位置合せする。作業員は、第１のパレット２Ａの各側壁部材１３Ａをガイドにして第２のパレット２Ｂを下方に移動させる。

第２のパレット２Ｂの移動が進むと、第２のパレット２Ｂの４つの中間脚部材２３Ｂに突設された突起部３０Ｂが、第１のパレット２Ａの側壁本体２５Ａの上端部に当接する。ここから、第２のパレット２Ｂを押し下げると、各突起部３０Ｂは、各側壁本体２５Ａを外側に向けて弾性変形させる（図４に示す二点鎖線参照）。更に第２のパレット２Ｂを押し下げると、各突起部３０Ｂは、各側壁本体２５Ａに開口した連結穴２６Ａに係合可能な位置に到達する。そして、各側壁本体２５Ａは内側に向けて弾性変形し、各突起部３０Ｂは連結穴２６Ａに嵌り込む（図４参照）。

以上によって、第２のパレット２Ｂは、第１のパレット２Ａの４つの側壁部材１３Ａの内側で第１のパレット２Ａの天板１１Ａに載置される。正確には、第２のパレット２Ｂの底板１０Ｂは、側壁部材１３Ａを天板１１Ａに固定する各ネジ２７Ａの上面に当接する（図４参照）。この状態で、第１のパレット２Ａと第２のパレット２Ｂとは連結される。各突起部３０Ｂと各連結穴２６Ａとの係合状態は、各側壁本体２５Ａの弾性力によって維持される。なお、各パレット２Ａ，２Ｂの連結は、段積みの逆手順によって解除される。

以上説明した第１実施形態に係るパレット２によれば、段積みされた複数のパレット２は、連結穴２６Ａに係合する突起部３０Ｂ（係合部）によって連結される。このため、例えば、作業員は、最上段のパレット２（第２のパレット２Ｂ）を把持して、段積みされたパレット２を持ち上げることができる。これにより、作業員は、大きく腰を屈めることなく、楽な姿勢で段積みされたパレット２を移動させることができる。パレット２の回収過程において、人力での作業効率の向上を図ることができる。また、パレット２の大きさや形状等に関わらず、複数の作業員によって段積みされたパレット２の移動を行うことも容易となる。

なお、作業員は、例えば、最上段のパレット２の側壁部材１３の連結穴２６に手を入れて把持することができる。他にも、最上段のパレット２のフォーク挿入開口部２１に手を入れて段積みされたパレット２を持ち上げてもよい。他にも、例えば、２人の作業員が、対向する一対の側壁部材１３（連結穴２６）等を把持して段積みされたパレット２を持ち上げてもよい。

また、第１実施形態に係るパレット２によれば、第１のパレット２Ａの側壁部材１３Ａは、連結穴２６Ａを外側から、天板１１Ａ上に段積みされた第２のパレット２Ｂ（上側のパレット２）の突起部３０Ｂに係合させるように弾性変形する。したがって、第１のパレット２Ａに第２のパレット２Ｂを積み重ねるだけで、第１のパレット２Ａの側壁部材１３Ａの連結穴２６Ａは、第２のパレット２Ｂの中間脚部材２３Ｂの突起部３０Ｂに係合する。連結穴２６Ａが突起部３０Ｂに係合することで、段積みされた複数のパレット２が連結される。つまり、パレット２同士を積み重ねるという簡単な作用によって、段積みされた複数のパレット２を連結することができる。

さらに、第１実施形態に係るパレット２によれば、連結穴２６および突起部３０（係合部）は、中間脚部材２３と側壁部材１３とに応じて複数（４つ）設けられている。したがって、段積みされたパレット２は、複数の連結穴２６Ａおよび突起部３０Ｂ（係合部）によって強固に連結される。これにより、段積みされたパレット２は、安定した連結状態を維持することができる。

（第２実施形態）
次に、図５を参照して、第２実施形態に係るパレット７について説明する。図５はパレット７を段積みした状態の一部を模式的に示す断面である。なお、図５では、１つのパレット７（以下、「第１のパレット７Ａ」と呼ぶ。）に他のパレット７（以下、「第２のパレット７Ｂ」と呼ぶ）を積み重ねた状態（段積み数２段）を示している。図５では、第１のパレット７Ａの構成部材には符号「Ａ」を加え、第２のパレット７Ｂの構成部材には符号「Ｂ」を加えている。以下、各パレット７Ａ，７Ｂに共通する説明では符号「Ａ」、「Ｂ」は省略する。なお、以下、上記した第１実施形態に係るパレット２と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。

第２実施形態に係るパレット７は、係合部として、脚部材１２（中間脚部材４１）に形成される複数（例えば４つ）の連結開口部５０を有している。また、第２実施形態に係るパレット７は、複数段積みする場合に、上記した複数（例えば４つ）のジョイント部材６を用いる。

４つの中間脚部材４１は、第１実施形態に係るパレット２の４つの中間脚部材２３と同様の位置に形成されている。４つの中間脚部材４１は、それぞれ、略矩形筒状に形成されている。各中間脚部材４１の内部には、中空部４２が形成されている。連結開口部５０は、各中間脚部材４１の外側面に開口し、外部と中空部４２とを連通させるように形成されている。４つの連結開口部５０は、それぞれ、連結穴２６と略同一の略矩形状に形成されている。

ジョイント部材６は、外側梱包ケース５を連結する場合に連結穴２６に嵌合するものである。ジョイント部材６は、略矩形環状に形成されるジョイント本体６０と、ジョイント本体６０の内側で上下方向に回動可能に一体形成される上下一対のフラップ６１と、を含んで構成されている。

ジョイント本体６０は、連結穴２６に挿入可能に形成されている。ジョイント本体６０には、連結穴２６に挿入したときに側壁部材１３の外側面に当接するフランジ部６０ａが形成されている。

上側のフラップ６１は、フランジ部６０ａに直交する挿入位置Ｐ１（図５に示す二点鎖線参照）からフランジ部６０ａと略平行になる固定位置Ｐ２（図５に示す実線参照）に向けて上方に回動可能に構成されている。下側のフラップ６１は、上側のフラップ６１とは上下対称に形成され、挿入位置Ｐ１から固定位置Ｐ２に向けて下方に回動可能に構成されている。なお、上下一対のフラップ６１が固定位置Ｐ２に回動した状態で、各フラップ６１とフランジ部６０ａとの間には空隙が形成される。なお、詳細な説明は省略するが、上側のフラップ６１は、下側のフラップ６１の回動に連動して回動する。また、上下一対のフラップ６１には、それぞれ、固定位置Ｐ２に回動した状態を維持するためのロック機構（図示せず）が構成されている。

梱包組立体１の組み立てを行う場合、作業員は、各フラップ６１を挿入位置Ｐ１に回動させたジョイント部材６を、各側壁部材１３の連結穴２６から外側梱包ケース５の外側開口部５ａに挿入する。続いて、作業員は、各フラップ６１を固定位置Ｐ２に回動させる。連結穴２６の周縁部と外側開口部５ａの周縁部とは、フランジ部６０ａと各フラップ６１との間に挟まれた状態になる。これにより、ジョイント部材６は、連結穴２６等に挿入された状態で外側梱包ケース５の裏面に引き抜き不能に係合する（梱包組立体１の組み立て完了）。

次に、第２実施形態に係るパレット７の段積みの手順について説明する。パレット７の段積み数は任意であるが、説明を簡単にするため、第１のパレット７Ａに第２のパレット７Ｂを積み重ねる場合（段積み数２段）について説明する。なお、以下、第１実施形態に係るパレット２の段積み手順と同様の手順については、説明を省略する。

複数のパレット７Ａ，７Ｂは、４つの角脚部材２２Ａ，２２Ｂを一致させる姿勢で段積みされる（積み重ねられる）。まず、作業員は、第１のパレット７Ａの各側壁部材１３Ａをガイドにして第２のパレット７Ｂを下方に移動させる。これにより、第２のパレット７Ｂは、第１のパレット７Ａの天板１１Ａ（正確には、各ネジ２７の上面）に載置される。なお、第２のパレット７Ｂは、第１のパレット７Ａの４つの側壁部材１３Ａの内側に抵抗なく円滑に進入する。

第２のパレット７Ｂを第１のパレット７Ａの天板１１Ａに載置した状態で、第１のパレット７Ａの各側壁部材１３Ａは、天板１１Ａ上に段積みされた第２のパレット７Ｂ（上側のパレット７）の各脚部材１２Ｂの外側面に沿って配設される。また、この状態で、第１のパレット７Ａの各側壁部材１３Ａの連結穴２６Ａは、第２のパレット７Ｂの各中間脚部材４１Ｂの連結開口部５０Ｂに一致している。

次に、作業員は、各フラップ６１を挿入位置Ｐ１に回動させたジョイント部材６（図５に示す二点鎖線参照）を、連結穴２６Ａから連結開口部５０に挿入する。続いて、作業員は、各フラップ６１を固定位置Ｐ２に回動させる（図５に示す実線参照）。連結穴２６Ａの周縁部と連結開口部５０Ｂの周縁部とは、フランジ部６０ａと各フラップ６１との間に挟まれた状態になる。これにより、ジョイント部材６の各フラップ６１は、中間脚部材４１Ｂの中空部４２の内面に引き抜き不能に当接する。つまり、ジョイント部材６は、外側から連結穴２６Ａを貫通して第２のパレット７Ｂ（上側のパレット７）の連結開口部５０Ｂに係合する。なお、作業員は、他の３つのジョイント部材６も同様に固定する。

以上のように、第１のパレット７Ａと第２のパレット７Ｂとは連結される。なお、各パレット７Ａ，７Ｂの連結は、段積みの逆手順によって解除される。

以上説明した第２実施形態に係るパレット７によれば、第１のパレット７Ａに第２のパレット７Ｂを積み重ねた状態で、ジョイント部材６は、第１のパレット７Ａの側壁部材１３Ａの連結穴２６Ａに挿入され、第２のパレット７Ｂの脚部材１２Ｂ（中間脚部材４１Ｂ）の連結開口部５０Ｂに係合する。つまり、外側梱包ケース５の連結に用いるジョイント部材６を用いて、段積みされた複数のパレット７を連結することができる。これにより、パレット７に加えてジョイント部材６も同時に回収することができる。

なお、第１および第２実施形態に係るパレット２，７の側壁部材１３は、板金を略Ｌ字状に折り曲げて形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図６に示すように、側壁部材７０は、側壁固定部２４と側壁本体２５との接続部分にヒンジ７１を有していてもよい。この側壁部材７０（の側壁本体２５）は、起立姿勢Ｐ３と、天板１１の内側に向けて倒れる傾倒姿勢Ｐ４との間で、ヒンジ７１を中心に回動可能に構成されている。なお、図示は省略するが、側壁本体２５は、傾倒姿勢Ｐ４になった場合にネジ２７の頭部分との干渉を防止するための穴を有している。

最上段以外に位置するパレット２，７の側壁部材１３を起立姿勢Ｐ３とすることで、複数のパレット２，７を連結状態で段積みすることができる。最上段に位置するパレット２，７の側壁部材１３を傾倒姿勢Ｐ４にすることで、例えば、側壁部材１３が作業員の回収作業（運搬作業）を阻害することを防止することができる。これにより、パレット２，７の回収過程において、人力での作業効率を更に向上させることができる。

なお、図示は省略するが、各側壁部材１３の側壁本体２５の上端部は、外側に向けて傾斜するように形成されていてもよい。傾斜した側壁本体２５の上端部が案内となるため、作業員は、段積み作業を円滑に行うことができる。

なお、第１および第２実施形態では、内側梱包部材４および外側梱包ケース５は、段ボール紙によって形成されていたが、これに限定されるものではない。内側梱包部材４および外側梱包ケース５は、例えば、プラスチック段ボールや、木製または金属製等の任意の材料を用いて形成されていてもよい。

なお、第１および第２実施形態に係るパレット２，７の底板１０、天板１１および脚部材１２は、木材によって形成されていたが、本発明はこれに限定されない。各板１０，１１および脚部材１２は、例えば、樹脂材料や金属材料によって形成されていてもよいし、段ボール紙等によって形成されていてもよい。同様に、パレット２，７の側壁部材１３は、鉄製に限らず、弾性力をもって変形可能な任意の材料で形成してもよい。なお、第２実施形態に係るパレット７の側壁部材１３は、弾性変形しない材料（例えば、木材等）によって構成されていてもよい。

なお、第１および第２実施形態に係るパレット２，７の脚部材１２（角脚部材２２および中間脚部材２３，４１）の形状、数および配置は任意である。例えば、中間脚部材２３，４１は、各板１０，１１の各辺に複数設けられてもよい。同様に、側壁部材１３（連結穴２６）の形状、数および配置も任意である。側壁部材１３は、全ての中間脚部材２３，４１に対応して複数設けてもよいし、複数の中間脚部材２３，４１のうち一部に対応して設けてもよい。好ましくは、天板１１の対向する一対の辺に、脚部材１２（中間脚部材２３，４１）および側壁部材１３（連結穴２６）が設けられるとよい。なお、内側開口部４ｆ、外側開口部５ａおよび連結穴２６（連結開口部５０）は、それぞれ、略矩形状に形成されていたが、これに限らず、ジョイント部材６の形状に適応した形状であればよい。

なお、第１および第２実施形態に係るパレット２，７は、中間脚部材２３，４１に突起部３０や連結開口部５０を設けていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、突起部３０や連結開口部５０は、角脚部材２２に設けられていてもよい。この場合、側壁部材１３（連結穴２６）は、突起部３０や連結開口部５０に応じて配置されることが好ましい。

なお、第１および第２実施形態に係るパレット２，７の側壁部材１３（７０）は、側壁固定部２４を内側に向けて天板１１に固定されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、側壁固定部２４を外側に向けて天板１１に固定してもよい。また、側壁部材１３（７０）は、ネジ２７によって固定されていたが、これに代えて、側壁固定部２４を接着剤等によって固定してもよいし、側壁固定部２４を省略して側壁本体２５の下端部を天板１１にインサート形成してもよい。また、パレット２，７の側壁部材１３（７０）は、略Ｌ字状に形成されていたが、これに限らず、略Ｔ字状に形成してもよい。

なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係るパレット２，７における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。

２，７ パレット
５ 外側梱包ケース（梱包ケース）
６ ジョイント部材
１０ 底板
１１ 天板
１２ 脚部材
１３，７０ 側壁部材
２６ 連結穴
３０ 突起部（係合部）
５０ 連結開口部（係合部）
１００ 画像形成装置（被梱包物）

Claims (5)

1. 同一形状を成す複数のパレットを上下方向に段積み可能なパレットであって、
   底板と、
   被梱包物が載置される天板と、
   前記底板と前記天板とを連結し、前記底板および前記天板の外縁に沿って配設される脚部材と、
   前記天板の外縁に沿って立設され、前記外縁に直交する方向に弾性変形可能に構成され、前記被梱包物を覆う梱包ケースの連結に用いる連結穴が形成される側壁部材と、
   前記脚部材の外側面から外側に向けて突出する突起部と、を備え、
   上側の前記パレットを下側の前記パレットの前記天板上に段積みした場合に、前記下側のパレットの前記側壁部材の前記連結穴は、外側から前記上側のパレットの前記突起部に係合可能に構成されていることを特徴とするパレット。
2. 同一形状を成す複数のパレットを上下方向に段積み可能なパレットであって、
   底板と、
   被梱包物が載置される天板と、
   前記底板と前記天板とを連結し、前記底板および前記天板の外縁に沿って配設される脚部材と、
   前記天板の外縁に沿って立設され、前記外縁に直交する方向に弾性変形可能に構成され、前記被梱包物を覆う梱包ケースの連結に用いる連結穴が形成される側壁部材と、
   前記脚部材の外側面に開口する連結開口部と、
   前記梱包ケースを連結する場合に前記連結穴に嵌合するジョイント部材と、を備え、
   前記梱包ケースは、下面を開口した矩形筒状に形成され、前記天板上に載置された状態で前記側壁部材の内側に入り込み、前記側壁部材の前記連結穴に一致するように形成される外側開口部を有し、
   前記ジョイント部材は、前記側壁部材の前記連結穴から前記天板上に載置された前記梱包ケースの前記外側開口部に挿入可能に設けられ、
   上側の前記パレットを下側の前記パレットの前記天板上に段積みした場合において、前記下側のパレットの前記側壁部材は、前記上側のパレットの前記脚部材の外側面に沿って配設されており、前記ジョイント部材は、外側から前記下側のパレットの前記連結穴を貫通し、前記上側のパレットの前記連結開口部に係合可能に構成されていることを特徴とするパレット。
3. 前記側壁部材は、前記天板に固定される側壁固定部と、前記側壁固定部から上方に向けて延びる側壁本体と、を含み、
   前記連結穴は、前記側壁本体に形成されていることを特徴とする請求項１または２に記載のパレット。
4. 前記側壁部材は、起立姿勢と、前記天板の内側に向けて倒れる傾倒姿勢との間で回動可能に構成されていることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載のパレット。
5. 前記底板および前記天板は、それぞれ、矩形状に形成され、
   前記脚部材および前記側壁部材は、それぞれ、複数設けられ、
   前記連結穴は、前記側壁部材に応じて複数設けられ、
   前記突起部または前記連結開口部は、前記脚部材に応じて複数設けられていることを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載のパレット。

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