JP6002000B2 - 車両の可変ダクト制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、熱交換器とフロントバンパとの間に可変ダクトを介装し、この可変ダクトの開閉により熱交換器を通過させる車速風を制御する車両の可変ダクト制御装置に関する。
周知のように、自動車等の車両では、車両前部に設けられているフロントバンパやフロントグリル等に形成されている開口部から、走行によって発生する車速風(冷却風)を導入し、導入した車速風をエンジンルームの前部に配設されているラジエータや空調用コンデンサ等の熱交換器に導いて、これらを冷却する。
ところで、走行時に発生する車速風を熱交換器を経てエンジンルームへ導くと、それがエンジンルーム内に乱流を発生させて空気抵抗となり、燃費悪化を招くことになる。そのため、熱交換器を通過させる車速風は必要最小限であることが望ましい。
熱交換器を通過させる車速風を制御する技術として、例えば特許文献1(特開2007−1503号公報)には、フロントグリルと熱交換器との間に、開閉自在なルーバを有する可変ダクト制御装置(シャッタ装置)を介装し、この可変ダクト制御装置の各ルーバを車速及び冷却水温等に応じて開閉動作させて、車速風の通風量を制御する技術が開示されている。
この可変ダクト制御装置を用いると、冬場等の冷態時においてエンジンが冷えているときは、ルーバを全閉にして、熱交換器を通過する車速風を制限し、エンジンルーム内の雰囲気温低下を抑制し、エンジン、オイルパン、及び、オルタネータやコンプレッサ等の補記類からの熱損失を防止することができる。更に、ルーバを全閉にすることで、エンジンルームに導入される車速風が制限され、エンジンルーム内での乱流の発生が抑制されて空気抵抗が低減され、燃費を向上させることができる。
一方、夏場等、車速風温度が高く、エンジン温度が比較的高いときは、ルーバを開くことで、エンジンルーム内に車速風を積極的に取り入れ、熱交換器を冷却すると共に、エンジン、オイルパン、及び、オルタネータやコンプレッサ等の補記類を通常通りに冷却して、熱害を防止することができる。
特開2007−1503号公報
ところで、上述した文献に開示されている可変ダクト制御では、渋滞時などで先行車を追従走行している際に、冷却水温が上昇すればルーバが開動作して、外気が導入されるため、冷却水温の上昇が抑制される。
又、一般に、高速道路等を高速で走行する運転領域では、空気抵抗を低減させるためにルーバを閉動作させる可変ダクト制御が行われる。しかし、高速走行中であっても、先行車がトラックやバス等の大型車で、且つ先行車との車間距離が短い条件下では、大型車の後部に乱流境界層が生成され易い。この乱流境界層内の空気圧は低く、自車両の少なくとも前端部が乱流境界層に臨まされた状態で走行を継続すると、対気速度(空気と自車両との相対速度)が低く、対地速度(自車速)に対しての車速風量が低下するために、ラジエータや空調装置のコンデンサ等の熱交換器の熱交換性能が悪化する。
このような条件下であっても、上述した文献などに開示されている従来の可変ダクト制御では、冷却水温が予め設定されているしきい値を超えるまでは、ルーバの閉状態が維持される。そして、冷却水温が上昇し、しきい値を超えたとき、ルーバを開動作させる可変ダクト制御が行われる。更に、空調装置の冷媒圧力が予め設定したしきい値を超えた場合もルーバを開動作させる可変ダクト制御が行われる。
しかし、冷却水温が予め設定したしきい値を超えたときにルーバを開動作させ、或いは空調装置の冷媒圧力が予め設定したしきい値を超えたときにルーバを開動作させても、冷却水温や空調装置の冷媒圧力は上昇過程にあり、しかも、対気速度が小さいため、車速風が少なく、冷却水温を直ちに低下させることが困難となる。
一方、このような温度上昇を見越して、冷却水温や冷媒圧力に対するしきい値を予め低く設定すれば、総走行場面に於けるルーバの開くタイミングが多くなり、その分、ルーバの総開時間が長くなるため、相対的にエンジンルームに導入する車速風量が多くなり、これが空気抵抗となって平均燃費の悪化を招いてしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、高速走行等において対気速度の小さくなる状況となっても、冷却水温や空調装置の冷媒圧力の上昇、及び、空気抵抗の増加を抑制して、燃費向上を実現することのできる車両の可変ダクト制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、自車両前方の情報を取得する前方情報取得手段と、エンジンルーム内の前部に配置されている熱交換器とフロントバンパとの間に介装されて該フロントバンパに開口された外気導入口を開閉する可変ダクトと、前記可変ダクトによる前記外気導入口の開閉を制御する可変ダクト制御部とを有する可変ダクト制御装置において、前記可変ダクト制御部は、前記自車両の車速或いは該自車両の前方を走行する前記先行車の車速に基づき、車速の程度を表す車速指標を設定する車速指標設定部と、前記前方情報取得手段で取得した前記前方情報に基づいて求めた前記先行車の前記後方投影面積に基づき、該後方投影面積の大きさの程度を表す後方投影面積指標を設定する後方投影面積指標設定部と、前記前方情報取得手段で取得した前記前方情報に基づいて求めた前記自車両と前記先行車との前記車間距離に基づき、該車間距離の程度を表す車間距離指標を設定する車間距離指標設定部と、前記車速指標と前記後方投影面積指標と前記車間距離指標とに基づいて前記推定車速風利用率を設定する推定車速風利用率設定部と、前記推定車速風利用率が予め設定した前記利用率境界値よりも小さい場合、前記可変ダクトを開動作させるダクト駆動制御部と
を備える
本発明によれば、先行車に後続して走行する自車両の車速風利用率を、先行車或いは自車両の車速と先行車の後方投影面積と車間距離とに基づいて推定し、この推定車速風利用率が予め設定した利用率境界値よりも小さい場合、可変ダクトを開動作させるようにしたので、高速走行等において対気速度が小さく、推定車速風利用率が低い場合は、可変ダクトが強制的に開動作される。その結果、冷却水温や空調装置の冷媒圧力の上昇を抑制することができ、燃費向上を実現することができる。更に、車速風利用率が低いため、可変ダクトを開動作させても導入される車速風量は少なく、エンジンルーム内に乱流が発生し難いため、空気抵抗が大幅に増加することはない。
可変ダクト制御装置を搭載する車両の斜視図 図1のII-II断面図 可変ダクト制御装置の概略構成図 可変ダクト制御ルーチンを示すフローチャート 可変ダクト強制開制御ルーチンを示すフローチャート (a)は車速指標テーブルの概念図、(b)は後方投影面積指標テーブルの概念図、(c)は車間距指標テーブルの概念図 推定車速風利用率設定テーブルの概念図 高速走行時に生成される乱流境界層の説明図
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1、図2に示すように、車両1の車体前部2にはエンジンルーム3が形成されており、このエンジンルーム3の上部が開閉自在なフロントフード4で閉塞されている。又、エンジンルーム3内にはエンジン5が搭載されていると共に、前部にラジエータユニット6が配設されており、このラジエータユニット6のラジエータ6aの前部に空調装置のコンデンサ7が配置され、後部に冷却ファン6bが設けられている。尚、このラジエータ6a、及びコンデンサ7が熱交換器に相当する。
又、車体前部2の前端、すなわち、ラジエータユニット6の前方にフロントバンパ8が配設され、一方、車体前部2の後部にフロントガラス9が連続され、このフロントガラス9の内面(すなわち、キャビン側)の上部であって車幅方向中央の近接された位置に、メインカメラ10Rとサブカメラ10Lとを有する前方情報取得手段としてのステレオカメラユニット10が設置されている。尚、このステレオカメラユニット10の構成については後述する。
フロントバンパ8は、上部に外気導入口としてのフロントグリル8aが設けられ、下部に外気導入口としての下部導入口8bが開口されている。又、フロントバンパ8とラジエータユニット6との間の空間に、周知の可変ダクト11が介装されて、所定に配置されている。ここで、可変ダクト11の構成について簡単に説明する。
この可変ダクト11は、矩形枠状のダクトフレーム11aを有し、このダクトフレーム11aの後部がラジエータ6a、及びコンデンサ7の外周を囲うように配設されている。このダクトフレーム11aの下部と上部であって、フロントバンパ8に設けられているフロントグリル4aと下部導入口8bとに対応する位置に、ラジエータ6a、及びコンデンサ7への外気の通風量を制御するルーバ12,13が配設されている。
図1に示すように、可変ダクト11の上部に配設されている上側ルーバ12は、複数枚(本実施形態では3枚)で構成され、個々がリンク機構を介して一体的に開閉自在にされている。又、このリンク機構に駆動モータ14が連設されており、この駆動モータ14の動作は、後述する可変ダクト制御部21にて制御される。
一方、可変ダクト11の下部に配設されている下側ルーバ13は、上端が枢支されて自重により垂立されており、この垂立された状態での前面下端に電磁石15が対峙されている。この電磁石15はダクトフレーム11aに固設されており、通電させることで磁界が発生して、下側ルーバ13の下端が吸着される。この電磁石15の動作は、後述する可変ダクト制御部21にて制御される。
図3に示すように、可変ダクト11の動作を制御する可変ダクト制御部21は、マイクロコンピュータを主体に構成され、周知のCPU21a、ROM21b、RAM21c、EEPROM等の不揮発メモリ21dを有しており、CPU21aはROM21bに記憶されている制御プログラムに従い、各ルーバ12,13の動作を制御する。尚、ROM21bには、制御プログラム以外に、後述する各種テーブルデータ等の固定データが格納されている。
この可変ダクト制御部21の入力側に、ステレオカメラユニット10、車速Vspを検出する車速センサ16、外気温Toutを検出する外気温センサ17、冷却水温Twを検出する水温センサ18、空調装置の冷媒通路の高圧側ラインに設けられて冷媒圧力Pdを検出する冷媒圧センサ19等、可変ダクト11の動作を制御するために必要なパラメータを検出するセンサ類が接続されている。
ステレオカメラユニット10は、メインカメラ10Rとサブカメラ10Lとからなるステレオカメラと、A/D変換部10aと、画像認識処理部10bとを有している。両カメラ10R,10LはCCDやCMOS等の撮像素子を有し、この撮像素子によって自車両が走行している走行レーンや自車両1の前方を走行する先行車を含む車両前方の外部環境が撮像される。
A/D変換部10aは、両カメラ10R,10Lで撮像した一対のアナログ画像を所定輝度階調のデジタル画像に変換する。画像認識処理部10bは、A/D変換部10aから出力された一対のデジタル画像を所定に画像処理して、自車両1前方の立体物データ、及び当該立体物データと自車両との間の距離データや白線データ等の前方情報を取得し、これら各種情報に基づいて自車走行路を推定し、取得した立体物データと推定した自車走行路とに基づき自車走行路前方を走行する先行車を認識する。
そして、先行車の後方投影面積(両カメラ10R,10L側から見た先行車の面積)Aを、自車両1との距離データLと、エッジ処理により求めた、車体を方向から見たときの投影画像内の画素数とに基づいて求め、この距離データL、及び後方投影面積Aを可変ダクト制御部21へ先行車情報として出力する。又、この可変ダクト制御部21の出力側に、駆動モータ14、電磁石15に対して駆動信号を出力するモータ駆動部25、電磁駆動部26が接続されている。
可変ダクト制御部21は、入力された各種パラメータに基づき、上側ルーバ12の開閉を開閉させる駆動モータ14、及び、下側ルーバ13を吸着する電磁石15に対する通電制御を行う。すなわち、外気温Tout、冷媒圧力Pd、冷却水温Twの何れかが予め設定したしきい値を超えている場合、駆動モータ14を介して上側ルーバ12を開動作させると共に、電磁石15に対する通電を遮断する。又、外気温Tout、冷媒圧力Pd、冷却水温Twの何れかが予め設定したしきい値を超えていない場合であっても、先行車が予め設定した判定条件を満足した場合は、上側ルーバ12を強制的に開動作させると共に、電磁石15に対する通電を遮断する。
可変ダクト制御部21で実行される駆動モータ14、及び電磁石15に対する通電制御は、具体的には、図4に示す可変ダクト制御ルーチン、及び図5に示す可変ダクト強制開ルーチンに従って処理される。
図4に示すルーチンは、イグニッションスイッチをONした後、設定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS1で、強制開フラグFuの値を調べる。この強制開フラグFuは、後述する図5に示すルーチンに従って設定される。
そして、FU=0の場合、ステップS2へ進み、Fu=1の場合、ステップS6へジャンプする。ステップS2へ進むと、このステップS2〜S4において、可変ダクト11の各ルーバ12,13を開動作させるか否かの走行条件を判定する。
すなわち、ステップS2では、外気温センサ17で検出した外気温Tout[℃]と予め設定されているしきい値T1[℃]とを比較する。このしきい値T1は、各ルーバ12,13が閉じられた状態であっても、充分にエンジン冷却を得ることのできるしきい値である。そして、Tout<T1の場合はステップS3へ進み、Tout≧T1の場合はステップS6へ分岐する。
ステップS3では、冷媒圧センサ19で検出した空調装置の冷媒圧力Pdと予め設定したしきい値P1とを比較する。このしきい値P1は冷媒圧力Pdが上昇している段階の圧力であり、例えば冷却ファン6bがコンデンサ7を冷却するためにON動作する圧力に設定されている。そして、Pc<P1の場合は、ステップS4へ進み、Pd≧P1の場合はステップS6へジャンプする。
ステップS4では、水温センサ18で検出した冷却水温Twと予め設定したしきい値T2とを比較する。このしきい値T2は、例えばラジエータ6aを冷却するために冷却ファン6bがON動作する温度に設定されている。そして、Tw<T2の場合はステップS5へ進み、Tw≧T2の場合はステップS6へ分岐する。
ステップS5へ進むと、動作モード1を実行してルーチンを抜ける。一方、ステップS6へ進むと、動作モード2を実行してルーチンを抜ける。
各動作モード1,2は、以下のような制御動作を行う。
Figure 0006002000
すなわち、動作モード1が実行されると両ルーバ12,13が閉動作され、動作モード2が実行されると、両ルーバ12,13が開動作される。尚、この各動作モード1,2に対応する制御信号が、駆動モータ14を動作させるモータ駆動部25と、電磁石15を駆動させる電磁駆動部26とに出力される。
モータ駆動部25では、可変ダクト制御部21から出力される制御信号に基づき、駆動モータ14を正転或いは逆転させて、上側ルーバ12を開閉動作させる。又、電磁駆動部26では、可変ダクト制御部21から出力されるON/OFF信号に従い、ON信号が入力された場合は電磁石15に対して通電し、OFF信号が入力された場合は非通電とする。電磁石15が通電されると磁界が発生し、下側ルーバ13の下端が吸着されて閉状態となる。
一方、電磁石15に対する通電を遮断(非通電)すると、下側ルーバ13は回動自在となり、停車中は自重により垂立した状態が維持され、走行中は、走行により発生する車速風の圧力にて自然開放される。従って、走行中、電磁石15に対する通電を遮断すると、下側ルーバ13は前方からの車速風圧により開状態となり、以後、例え電磁石15に通電して磁力を発生させても、下側ルーバ13は車速が低下して車速風圧が弱くなるまで閉じることはない。尚、この下側ルーバ13を上側ルーバ12とリンク機構を介して連設し、下側ルーバ13を上側ルーバ12とを駆動モータ14によって回生動作させるようにしても良い。この場合、電磁駆動部26と電磁石15は不要となる。
このように、上述した可変ダクト制御ルーチンでは、基本的に、外気温Tout、冷媒圧力Pd、冷却水温Twが、予め設定したしきい値T1,P1,T2を超えるまでは、動作モード1が選択されるため、可変ダクト11は閉状態が維持される。
ところで、高速道路を走行しているトラック、バスなどの大型車は、前方投影面積(正面から見た面積)が大きいため、速度が増すほど大きな空気抵抗が発生する。空気抵抗が大きくなると、この大型車の後部付近に乱流境界層が生成されて後部周辺の気圧が低下する。このような大型車に対して自車両1が後続追従し、少なくとも前端部が乱流境界層に臨まされている場合、車速風が充分に発生しておらず、熱交換器に対する冷却風(車速風)の取り込みを充分に行うことができなくなる。この乱流境界層は先行車の車速が高いほど強い乱流が発生し、又、その範囲は前方投影面積が大きいほど後方へ広く生成される。更に、自車両1が先行車に近づくほど乱流の影響をより大きく受ける。尚、本実施形態では、この前方投影面積を両カメラ10R,10L側から見た後方投影面積Aとして捕らえている。
一方、乱流境界層内は気圧が低いため、自車両1の少なくとも前端部が乱流境界層に臨まされた状態では、可変ダクト11のルーバ12,13を開放しても、車速風がエンジンルーム3側に大量に流れ込むことはなく、従って、自車両1の空気抵抗が大幅に増加することはない。
そのため、図5に示す可変ダクト強制開制御ルーチンでは、自車両1が先行車の乱流境界層に入り込んでいるか否かを調べ、その程度に応じて、各ルーバ12,13を強制的に開動作させるか否かを判定する。
すなわち、このルーチンはイグニッションスイッチをONした後、設定演算周期毎に実行され、先ず、ステップS11で、高速道路走行か否かを判定する。高速道路走行か否かは、例えばカーナビゲーション装置、ETC(自動料金収受システム)からの信号等で判定することができる。又、ステレオカメラユニット10で取得した前方情報によって、高速道路料金所の通過等を認識することで高速道路の走行を判定することもできる。
そして、高速道路の走行であると判定した場合は、ステップS12へ進み、高速道路の走行ではないと判定した場合はステップS26へジャンプし、タイマのカウント値Timをクリアして(Tim←0)、ステップS24へ戻る。
ステップS12へ進むと、車速センサ16で検出した車速Vspを読込み、ステップS13で車速Vspに基づき、車速指標テーブルを参照して車速指標IVを設定する。図6(a)に車速指標テーブルの概念図を示す。
この車速指標テーブルには、車速領域ごとに、予め設定された車速の程度を表す車速指標IVが格納されており、本実施形態では、車速領域を中高速領域、高速領域、最高速領域の3領域に設定し、中高速領域ではIV=1、高速領域ではIV=2、最高速領域ではIV=3、すなわち、車速領域が高速になるほど乱流境界層内の乱流が強くなり、自車両1の冷却性能に及ぼす影響が大きくなるため、それに比例して高い指標が格納されている。尚、この車速指標IVの初期値は0であり、車速Vspが中高速領域に達するまでは、IV=0が維持され、又、車速Vspが中高速領域よりも低下した場合も、IV=0に設定される。又、このステップS12,S13での処理が、本発明の車速指標設定部に対応している。
次いで、ステップS14へ進み、ステレオカメラユニット10で求めた先行車情報を読込み、ステップS15で、ステレオカメラユニット10に先行車情報があるか否かを調べる。そして、先行車情報がない場合、すなわち自車両1の前方に先行車が認識されていない場合は、ステップS26へジャンプし、タイマのカウント値Timをクリアして(Tim←0)、ステップS24へ戻る。又、先行車情報がある場合は、ステップS16へ進む。
前述したように、ステレオカメラユニット10で求めた先行車情報には、先行車の後方投影面積Aと自車両1と先行車との間の車間距離(車間距離データ)Lとが含まれており、ステップS16では、この後方投影面積Aに基づき先行車後方投影面積テーブルを参照して、後方投影面積指標IAを設定する。図6(b)に後方投影面積指標テーブルの概念図を示す。
この先行車後方投影面積テーブルには、投影面積区分ごとに予め設定した後方投影面積Aの大きさの程度を表す後方投影面積指標IAが格納されており、本実施形態では、投影面積区分を小、中、大の3区分に設定し、小区分ではIA=1、中区分ではIA=2、大区分ではIA=3、すなわち、後方投影面積Aが大きくなるほど、乱流境界層が生成される範囲が広くなり、自車両1の冷却性能に及ぼす影響が大きくなるため、高い指標が設定されている。尚、このステップS16での処理が、本発明の後方投影面積指標設定部に対応している。
次いで、ステップS17へ進むと、車間距離Lに基づき、車間距離指標テーブルを参照して、車間距離指標ILを設定する。図6(c)に車間距離指標テーブルの概念図を示す。
この車間距離指標テーブルには、車間距離区分ごとに予め設定した車間距離Lの程度を表す車間距離指標ILが格納されており、本実施形態では、車間距離区分を、近い、非常に近い、ごく近いの、3区分に設定し、近い区分ではIL=1、非常に近い区分ではIL=2、ごく近い区間ではIL=3、すなわち、車間距離Lが短いほど乱流の影響を大きく受け、自車両1の冷却性能に及ぼす影響が大きくなるため、高い指標が設定されている。尚、車間距離Lが近い区分よりも遠位にある場合は、IL=0に設定される。尚、このステップS17での処理が、本発明の車間距離指標設定部に対応している。
その後、ステップS18へ進むと、各指標IV,IA,ILを加算して、自車両1の冷却性能に及ぼす影響度を示す総指標Iを求める(I←IV+IA+IL)。次いで、ステップS19へ進み、ステップS17で算出した総指標Iと前回の演算時に求めた総指標I(n-1)とが同一か否かを調べる。
そして、I≠I(n-1)の場合、先行車に対する追従状態が安定していないと判定し、ステップS26へジャンプし、タイマのカウント値Timをクリアして(Tim←0)、ステップS24へ戻る。一方、I=I(n-1)の場合は、ステップS20へ進む。
ステップS20へ進むと、タイマのカウント値Timをインクリメントし(Tim←TiM+1)、ステップS21で、このタイマのカウント値Timと設定カウント値Toとを比較し、Tim<Toの場合は、ステップS11へ戻り、Tim=Toの場合は、先行車に対する追従状態が安定していると判定し、ステップS22へ進む。この設定カウント値Toは状態の安定度を示すための時間であり、予めシミュレーションや実験等から求めて設定されている。
そして、ステップS22へ進むと、総指標Iに基づき推定車速風利用率U[%]を、推定車速風利用率設定テーブルを参照して設定する。推定車速風利用率Uは、フロントバンパ8の前端面が受ける実車速風と車速との比率([実車速風/車速]*100[%])であり、大型車等、前方を大きく遮る車両に後続追従しない通常の走行状態では、おおよそU=100[%]となる。
この推定車速風利用率Uは計算式から演算により求めることもできるが、車速風を検出するセンサが必要となるばかりか、車速風は常時変化するため、演算が複雑化してしまう。これに対し、本実施形態のように、乱流境界層の程度を、総指標Iから推定することで演算が容易となり、可変ダクト制御部21にかかる負担を軽減することができる。
図7に推定車速風利用率設定テーブルの概念を示す。この推定車速風利用率設定テーブルに格納されている推定車速風利用率Uは、総指標Iごとに、予めシミュレーションや実験などに基づいて求められている。総指標Iは高い値を示すほど車速風利用率は低くなるため、総指標I=0〜2にはU=100[%]が格納され、総指標I=3〜9にはU=90〜30[%]と比例的に減少する値が格納されている。尚、このステップS18〜S22での処理が、本発明の推定車速風利用率設定部に対応している。
又、本実施形態では、各指標IV,IA,ILを加算した総指標Iに基づいて推定車速風利用率Uを設定しているが、この推定車速風利用率Uを、車速Vspと、先行車情報に含まれている後方投影面積A、及び車間距離Lとに基づきマップ検索等から設定するようにしても良い。
次いで、ステップS23へ進み、推定車速風利用率Uと、予め設定されている利用率境界値αとを比較する。この利用率境界値αは、対気速度が不足気味となる車速風利用率を予めシミュレーションや実験などに基づいて求めて設定したものであり、車種ごとに任意に設定することができる。因みに、本実施形態では、α=60[%]に設定している。
そして、U≧αの場合はステップS24へ進み、又、U<αの場合はステップS25へ分岐する。従って、本実施形態は、推定車速風利用率Uが50[%]以下の場合のみ、換言すれば、総指標Iが7以上の場合のみ、ステップS25へ分岐する。
ステップS22或いはステップS26からステップS24へ進むと、強制開フラグFuをクリアして(Fu←0)、ルーチンを抜ける。又、ステップS25へ分岐すると、強制開フラグFuをセットして(Fu←1)、ルーチンを抜ける。
この強制開フラグFuの値は、前述した図4に示す可変ダクト制御ルーチンのステップS1で読込まれる。そして、Fu=1の場合は、ステップS6へジャンプして、動作モード2を実行して、ルーチンを抜ける。従って、Fu=1の場合は、自車両1の運転条件に拘わりなく、両ルーバ12,13が開動作される。尚、このステップS23,S25、及び前述した可変ダクト制御ルーチンのステップS1,S6での処理が、本発明の可変ダクト駆動制御部に対応する。
このように、本実施形態では、先行車の後部に生成される乱流境界層内の風圧や風速を直接検出すること無く、推定車速風利用率Uを、車速Vsp、先行車の後方投影面積A、車間距離Lに基づいて設定し、又、対気速度が不足気味となる空気利用率の利用率境界値αを予め設定し、推定車速風利用率Uと利用率境界値αとを比較し、推定車速風利用率Uが利用率境界値αよりも低い場合は、可変ダクト11の各ルーバ12,13を強制的に開動作させるようにしたので、対気速度の小さくなる状況下であっても、冷却水温Twや空調装置の冷媒圧力Pdの上昇、及び、空気抵抗の増加が抑制され、燃費向上を図ることができる。又、空気利用率が低いため、可変ダクトを開動作させてもエンジンルーム内に乱流が生成され難く、空気抵抗が発生し難いため、燃費悪化となることはない。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば可変ダクト11は下側ルーバ13を上側ルーバ12にリンクさせて、一体に開閉動作させるようにしても良い。この場合、図2に示す電磁石15、電磁駆動部26は省略することができる。又、車速Vspは先行車の車速であっても良い。この場合、先行車の車速は、自車速Vspに、ステレオカメラユニット10で取得した先行車との車間距離Lの変化から求めた相対車速を加算して求める。
1…自車両、
2…車体前部、
6…ラジエータユニット、
6a…ラジエータ、
7…コンデンサ、
8…フロントバンパ、
8a…フロントグリル、
8b…下部導入口、
10…ステレオカメラユニット、
10b…画像認識処理部、
11…可変ダクト、
12…上側ルーバ、
13…下側ルーバ、
14…駆動モータ、
15…電磁石、
16…車速センサ、
17…外気温センサ、
18…水温センサ、
19…冷媒圧センサ、
21…可変ダクト制御部、
25…モータ駆動部、
26…電磁駆動部、
I…総指標、
IA…後方投影面積指標、
IL…車間距離指標、
IV…車速指標、
L…車間距離データ、
Pc…冷媒圧力、
T1,P1,T2…しきい値、
Tim…タイマ、
Tw…冷却水温、
U…推定車速風利用率、
Vsp…車速、
α…利用率境界値

Claims (2)

  1. 自車両前方の情報を取得する前方情報取得手段と、
    エンジンルーム内の前部に配置されている熱交換器とフロントバンパとの間に介装されて該フロントバンパに開口された外気導入口を開閉する可変ダクトと、
    前記可変ダクトによる前記外気導入口の開閉を制御する可変ダクト制御部と
    を有する可変ダクト制御装置において、
    前記可変ダクト制御部は、
    前記自車両の車速或いは該自車両の前方を走行する前記先行車の車速に基づき、車速の程度を表す車速指標を設定する車速指標設定部と、
    前記前方情報取得手段で取得した前記前方情報に基づいて求めた前記先行車の前記後方投影面積に基づき、該後方投影面積の大きさの程度を表す後方投影面積指標を設定する後方投影面積指標設定部と、
    前記前方情報取得手段で取得した前記前方情報に基づいて求めた前記自車両と前記先行車との前記車間距離に基づき、該車間距離の程度を表す車間距離指標を設定する車間距離指標設定部と、
    前記車速指標と前記後方投影面積指標と前記車間距離指標とに基づいて前記推定車速風利用率を設定する推定車速風利用率設定部と、
    前記推定車速風利用率が予め設定した前記利用率境界値よりも小さい場合、前記可変ダクトを開動作させるダクト駆動制御部と
    を備えることを特徴とする車両の可変ダクト制御装置。
  2. 前記推定車速風利用率設定部は、前記車速指標と前記後方投影面積指標と前記車間距離指標とを加算して総指標を求め、該総指標が設定時間継続されている場合、該総指標に基づいて前記推定車速風利用率を設定することを特徴とする請求項記載の車両の可変ダクト制御装置。
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