図1は、本発明の一形態に係る物理的抽選機が組み込まれたゲーム機を示している。ゲーム機1は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。この種のゲーム機1は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機1は、メダルを利用してゲームをプレイする、いわゆるメダルゲーム機である。
ゲーム機1は、センターユニットCNと、センターユニットCNの周囲に配置された複数のステーションユニットSTと、抽選ユニットLOとを備えている。センターユニットCNは、ゲーム機1の中央に配置され、ステーションユニットSTのゲーム結果に応じたボーナスゲームを実行する。ステーションユニットSTは、センターユニットCNの周りに配置される。一例として、8台のステーションユニットSTがセンターユニットCNを挟んで4台ずつ両側に配置される。ステーションユニットSTは、メダルを利用したいわゆるプッシャーゲーム、及びそのプッシャーゲームのゲーム結果に応じたデジタル抽選ゲームを実行する。各ステーションユニットSTには、プレイヤが操作する操作部10と、プレイヤの操作に応じてゲームが進行するゲームフィールドGFとが設けられ、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMの物理的移動を利用してゲームが進行する。ゲームフィールドGFで提供されるメダルゲームの詳細は後述する。
抽選ユニットLOは、互いに隣り合うステーションユニットST間に設けられている。ただし、この図に示すように抽選ユニットLOは、2つのステーションユニットSTを1組とし、それら各組に1台ずつ設けられる。この抽選ユニットLOもセンターユニットCNと同様にステーションユニットSTのゲーム結果に応じたボーナスゲームを実行する。
図2は、ゲーム機1の制御系の概略構成を示す機能ブロック図である。この図に示すようにゲーム機1には、ステーション制御ユニット100と、抽選制御ユニット101と、センター制御ユニット102とが設けられている。ステーション制御ユニット100は、ステーションユニットSTを制御するコンピュータユニットとして構成されている。具体的には、ステーション制御ユニット100は、マイクロプロセッサとその動作に必要な主記憶装置その他の周辺装置とを含んだコンピュータユニットとして構成されている。また、ステーション制御ユニット100は、ステーションユニットST毎に設けられている。抽選制御ユニット101及びセンター制御ユニット102もステーション制御ユニット100と同様にコンピュータユニットとして構成されている。抽選制御ユニット101は、抽選ユニットLO毎に設けられている。ステーション制御ユニット100は、抽選制御ユニット101及びセンター制御ユニット102と互いに情報の送受信が可能なように接続されている。
ステーション制御ユニット100には、メダル供給部12、メダル供給レール14、及びモニタ20が接続されている。抽選制御ユニット101には、リング回転用モータ52、クルーン回転用モータ59、アクチュエータ65、照明63、リング回転検知センサ53、抽選球検知センサ61、及び色検知センサ62が接続されている。センター制御ユニット102には、抽選機構31及びモニタ32が接続されている。なお、各制御ユニット100、101、102には、この他にも種々の入力装置、センサ、出力装置が接続されているがそれらの図示は省略した。各制御ユニット100〜102は、入力装置やセンサからの入力信号を参照し、出力装置を適宜に制御する。また、必要に応じて他の制御ユニットに信号を出力する。なお、これらの制御に関しては周知のゲーム機の制御と同じであるため、詳細な説明を省略する。
図3はステーションユニットSTの斜視図であり、図4はゲームフィールドGFの模式図である。なお、これらの図では、説明の便宜上、適宜の部材を省略している。ステーションユニットSTの操作部10には、メダルMをゲーム機1に投入するメダル投入口11と、投入したメダルMをゲームフィールドGFへ供給するメダル供給部12と、獲得したメダルMを払い出すメダル払出口13とが設けられている。メダル投入口11へ投入されたメダルMは、図示しないメダル検出センサにて検出され、検出されたメダルMの個数がクレジットとして記憶装置(不図示)に記録される。メダル供給部12には、供給コントローラ12aと、供給方向を調整する調整ハンドル12bとが設けられている。供給コントローラ12aは、水平方向に設けられた回転軸の回りを回転するように構成される。供給コントローラ12aの回転量に応じて、ゲームフィールドGFのメダル供給レール14からメダルMが供給される。調整ハンドル12bは、メダル供給レール14の向きを調整するものである。
ゲームフィールドGFには、メダルMを供給するメダル供給レール14と、メダルM及びボールBが載置されるテーブル15と、テーブル15上を往復運動するプッシャーテーブル16と、テーブル15の前端に位置し、メダルM及びボールBが落下する落下部17(図4参照)と、テーブル15にボールBを供給するボール供給レール18(図4参照)と、メダルMを検知するチェッカー19と、モニタ20とが設けられている。メダル供給レール14は、供給コントローラ12aの操作に応じて図示しないメダルホッパーから供給されたメダルMをゲームフィールドGFへ案内する。メダルホッパーの構成は、周知技術を利用してよい。
プッシャーテーブル16は、図示しない駆動機構により前後方向に往復運動する。プッシャーテーブル16の前端には、前方へせり出すようにして傾斜面16aが形成される。傾斜面16aには、メダルMを検出する複数のチェッカー19が設けられている。チェッカー19は、傾斜面16aに設けられた貫通孔16bを通過するメダルMを検出する。チェッカー19に進入したメダルMは、テーブル15に落下する。なお、チェッカー19として、光電センサ等の周知技術を利用してよい。
テーブル15には、メダル載置面15aを仕切る複数の仕切部材15bが設けられている。一例として、図3に示すゲームフィールドGFには、2つの仕切部材15bが設けられ、前後方向に延びる3つのレーンL1〜L3を形成している。レーンL1〜L3は、ボールBが手前に向かって移動可能な幅を有している。各レーンL1〜L3に沿って、各レーンL1〜L3を通過するボールBの位置を検出する複数の検出センサ21が設けられている。検出センサ21は、一例として発光部21a及び受光部21bが一組となった赤外線センサで構成される(図4参照)。各レーンL1〜L3の両側にそれぞれ発光部21aと受光部21bとが等間隔に設置され、各レーンL1〜L3の進行方向と垂直な方向に複数の赤外線(図4のレーンL1の破線)が発光する。検出センサ21の検出結果に基づいてボールBの位置が判別される。なお、レーンL1とレーンL2の境界及びレーンL2とレーンL3の境界にそれぞれ配置される発光部21aと受光部21bは、仕切部材15bの一部として構成される。
テーブル15の前端から落下部17へメダルMが落下すると、落下した枚数に応じてメダル払出口13からメダルMが払い出される。あるいは、記録装置にクレジットとして記録するようにしてもよい。所定のゲーム条件を満たすと、ボール供給部(不図示)からボールBが供給され、ボール供給レール18を介してテーブル15に案内される。ボールBが落下部17へ落下すると、落下したボールBの価値に応じて抽選ゲームやメダルMの払い出しが実行される。モニタ20は、例えば液晶ディスプレイ装置等の周知のディスプレイ装置で構成され、様々な抽選ゲームの表示や演出、各種情報等を表示する
ゲームフィールドGFの上方には、ゲームフィールドGFに画像を投影するプロジェクタ22が設けられている。プロジェクタ22は、ゲームフィールドGF上に設定される投影領域PDに画像(あるいは映像)を投影する。テーブル15に供給されるボールBは白色で構成され、プロジェクタ22により画像が投影される。検出センサ21の検出結果に基づいてボールBに画像が投影される。プロジェクタ22は周知技術を利用してよい。ゲームフィールドGFには、ボールB以外にも白色のスクリーン部材23a、23bが配置され、適宜の画像又は映像が表示される。また、仕切部材15bの上に配置されるスクリーン部材23cにも適宜の画像が表示される。
図1に戻って、センターユニットCNの説明をする。センターユニットCNには、抽選機構31とモニタ32とが設けられている。抽選機構31は、複数の抽選穴が設けられ、いずれかの抽選穴にボールが進入する物理的なルーレット抽選機構である。なお、抽選機構31は物理的抽選機構でなくともよく、モニタ32のみで構成される電子的抽選機構であってもよい。センターユニットCNで実行される抽選は、ルーレット抽選の他にスロット抽選やビンゴ抽選等各種抽選が実行されてよい。また、各種ゲームが実行されてもよい。センターユニットCNは、適宜周知技術を適用して構成してよい。
図4を参照して、ゲームフィールドGFでのメダルMの流れの概略を説明する。ユーザは、貸与されるメダルMの枚数に応じてオペレータに料金を支払い、あるいは仮想通貨を消費する。プレイヤがメダル投入口11にメダルMを投入するとクレジットとしてカウントされ、記憶装置に記録される。プレイヤが、供給コントローラ12aを操作すると、回転量に応じてメダル供給レール14からメダルMがプッシャーテーブル16上のメダル載置面16cに供給される。このとき、プレイヤが調整ハンドル12bを操作すると、メダル供給レール14の供給方向を調整することができる。メダル載置面16c上のメダルMの群は、プッシャーテーブル16の往復運動により押し出され、メダルMの群の一部は、テーブル15のメダル載置面15aに移動する。
メダル載置面15aのメダルMの群上には、ボールBが載置されている。ボールBは、ゲーム進行に応じてテーブル15に供給され、いずれかのレーンL1〜3に進入する。プッシャーテーブル16の往復運動によりメダルMの群が押し出され、メダルMの群の移動に付随してボールBも移動する。落下部17に落下したメダルMは、メダル払出口13から払い出される。あるいは、クレジットとして記録される。メダルMがチェッカー19に進入すると、メダルMの検出結果に基づいてスロットゲーム処理が実行される。このスロットゲームは、モニタ20に表示される。スロットゲームに当選し、一例としてプレイヤにメダルMの配当が生じると、配当に相当する数のメダルMが図示しないメダル供給口からゲームフィールドGFに払い出される。
テーブル15上のボールBには、ボールBの価値に関する情報を示す画像がプロジェクタ22により投影される。ボールBには、例えば、種類や属性、性質、特典等のゲーム進行に影響する価値が設定される。具体的には、落下部17に落下することによりゲームフィールドGFにメダルを供給するメダルボールや、センターユニットCNでの抽選を実行する第1抽選ボール、抽選ユニットLOでの抽選を実行する第2抽選ボール、チャンスゲーム(例えば、物理抽選や電子抽選等の各種ゲーム)を実行するチャンスボール、及びセンターユニットCNでのジャックポット抽選を実行するJPボール等がある。これらは一例であり、ゲームに応じて適宜の種類のボールBを設けてよい。検出センサ21により各ボールBの位置が検出され、ボールBの移動に応じて投影される画像も移動する。
ボールBは、テーブル15に載置されている間に価値が変化する。ボールBの価値は、例えばテーブル15上の他のボールBとの関係に応じて変更される。例えば、3つのボールBが正三角形の頂点の位置にそれぞれ配置された場合に、各ボールBの価値が変更される。ここでの変更は、各ボールBの価値がランクアップする。メダルボールの場合には、プレイヤに付与されるメダルMの枚数が、例えば、10枚から30枚に、30枚から50枚に増加する。第1抽選ボールの場合には、より高配当が期待できるJPボールに変更される。また、レーンL1〜L3間に配置されるスクリーン部材23cには、ボールBの価値変更に応じた演出が表示される。なお、このようにボールBの価値を変更する場合、全てのボールBの価値を変更しなくてもよい。例えば、3つのボールBが正三角形の配置になった場合、中央のメダルボールの価値のみが変更されてもよい。この場合の配置も適宜の配置でよく、例えば、各レーンL1〜L3のボールBが横一列や斜め一列に配置された場合や、四角形の頂点の位置に配置された場合等、様々な配置が設定可能である。変更される価値についてもランクアップに限られず、メダルボールから第1抽選ボールや第2抽選ボールに変更されるように互いに異なるボールBに変更されてもよい。
次に図5〜図17を参照して抽選ユニットLOについて説明する。図5は、抽選ユニットLOの斜視図である。また、図6は抽選ユニットLOの正面図である。図7は抽選ユニットLOを図6の矢印VII方向から見た側面図であり、図8は抽選ユニットLOの上面図である。図9は図7のIX−IX線における抽選ユニットLOの断面を示し、図10は図7のX−X線における抽選ユニットLOの断面を示している。この抽選ユニットLOは、図9に示すように内部に収容されている複数種類の抽選球LBのうちから1つの抽選球が選び出される物理的抽選機として構成されている。なお、この抽選ユニットLOでは、色違いの抽選球LBが複数収容されている。
抽選ユニットLOは、本体41と、クルーンユニット42とを備えている。図11は、本体41の分解図を示している。この図に示すように本体41は、ベースユニット43と、アッパーユニット44と、リングユニット45とを備えている。ベースユニット43とアッパーユニット44とは、リングユニット45が内部に収容されるように組み合わされる。リングユニット45は、ドラム状のドラム部46と、ドラム部46の内周面46aに設けられた掻き上げ部材47と、ドラム部46の外周面46bに設けられたリング部48とを備えている。ドラム部46は、複数の湾曲した板部材49が組み合わされることにより形成されている。掻き上げ部材47は、本体41内に収容された抽選球LBをクルーンユニット42まで搬送するために設けられている。リング部48は、ドラム部46の外周面46bから半径方向外側に突出するように設けられている。また、リング部48は、外周面46bに全周に亘って設けられている。
ベースユニット43は、ベースプレート50と、ベースプレート50に支持される下側ケース部51とを備えている。下側ケース部51は、その内部にリングユニット45を収容可能なように形成されている。この図に示すように下側ケース部51の正面及び後面には、窓部51aが設けられている。窓部51aには、外から抽選ユニットLOの内部を見ることができるように透過性を有する素材(例えば、アクリル等)で形成された窓部材51bが取り付けられている。ベースユニット43には、リングユニット45を回転駆動するためのリング回転用モータ52が設けられている。リング回転用モータ52の出力軸(不図示)には、リングユニット45のリング部48と接する駆動ホイール52a(図9参照)が取り付けられている。また、ベースユニット43には、リングユニット45の回転を検知するためのリング回転検知センサ53が設けられている。なお、このセンサ53には、回転を検出するための周知の種々のセンサが用いられる。ベースユニット43には、リングユニット45を回転可能に支持する複数の第1ホイール54及び第2ホイール55が設けられている。これらのホイール54、55は、自転可能なように下側ケース部51内に設けられている。図9に示すように第1ホイール54は、径方向外側からリングユニット45を支持する。一方、図10及び図11に示すように、第2ホイール55は、回転時にリングユニット45がふらつくことを防止するためにリング部48を左右から挟み込むように設けられている。
図11に示すようにアッパーユニット44は、リングユニット45を内部に収容可能なように半円筒状に形成されている。アッパーユニット44にもベースユニット43と同様に、その正面及び後面に窓部44aが設けられている。窓部44aには、外から抽選ユニットLOの内部を見ることができるように透過性を有する素材(例えば、アクリル等)で形成された窓部材44bが取り付けられている。この窓部材44bには、クルーンユニット42との接触を回避するために切り欠き部44cが設けられている。図9に示すようにアッパーユニット44にもベースユニット43と同様に第1ホイール54が設けられている。また、図10に示すように第2ホイール55も同様に設けられている。
図12は、クルーンユニット42の斜視図である。図13は、クルーンユニット42の上面図である。図14は、図13のXIV−XIV線におけるクルーンユニット42の断面を示している。このクルーンユニット42は、図5に示すように取付部材56によってベースユニット43に固定されている。クルーンユニット42は、クルーン本体57と、円板状のクルーン盤面58とを備えている。図14に示すようにクルーン本体57内には、クルーン本体57の上面57aから出力軸59aが上方に突出するクルーン回転用モータ59が設けられている。クルーン盤面58は、そのモータ59の出力軸59aに一体回転するように取り付けられている。また、クルーン盤面58は、その中心線回りに回転するように出力軸59aに取り付けられている。そのため、クルーン盤面58は、モータ59によって回転駆動される。
クルーン盤面58には抽選穴58aが開口している。この抽選穴58aは、抽選球LBが1つのみ入るように形成されている。抽選穴58aは、クルーン盤面58の外周付近に1つ設けられている。図14に示すようにクルーン盤面58は、抽選穴58aに入った抽選球LBの略半分がクルーン盤面58の下に位置する高さに設けられている。そのため、抽選穴58aに入った抽選球LBは、クルーン盤面58と共に回転する。抽選穴58aには、抽選穴58aに入った抽選球LBの汚れを除去するクリーナー部材CLが設けられている。クリーナー部材CLとしては、例えば消しゴム、ポリ研磨材、紙などが用いられる。この他、クリーナー部材CLとして洗剤を含んだスポンジが設けられていてもよい。クリーナー部材CLは、抽選穴58aに入った抽選球LBがクルーン盤面58とともに回転している際に抽選球LBの外面と接触し、これにより抽選球LBの汚れを除去する。クルーン盤面58の上方には、ガイド部材60が設けられている。図13に示すようにガイド部材60は、クルーン盤面58の外周上に配置されている。また、ガイド部材60は、クルーン盤面58の上面58b上にある抽選球LBをリングユニット45の内周面45a(ドラム部46の内周面46a)に戻すための排出部60aが形成されるように設けられている。図5に示すようにクルーンユニット42のうち本体41の外側に突出する部分には、抽選球LBが外に出ないようにアッパーガイド部材60bが設けられている。
図15は、クルーン盤面58を取り外した状態のクルーンユニット42を示している。この図に示すようにクルーン本体57の上面57aには、抽選球検知センサ61と、色検知センサ62と、照明63とが設けられている。抽選球検知センサ61は、抽選穴58aに抽選球LBが入ったか否か検出するためのセンサである。この抽選球検知センサ61としては、例えば周知のマイクロスイッチ等が用いられる。色検知センサ62は、抽選穴58aに入った抽選球LBの色を検出するためのセンサである。色検知センサ62としては、例えば測定対象からの反射光に基づいてその測定対象の色を検知する周知のカラーセンサ等が用いられる。照明63は、色検知センサ62で色を検知する際に抽選球LBを照明するために設けられている。抽選球検知センサ61及び色検知センサ62は、抽選穴58aに入った抽選球LBが移動する経路上に配置されている。照明63は、色検知センサ62の検出範囲にある抽選球LBを照明するように配置されている。照明63は、抽選球検知センサ61によって抽選球LBが検知されると点灯される。そして、これにより色検知センサ62にて抽選球LBの色が検出される。
クルーン本体57には、抽選穴58aに入った抽選球LBをリングユニット45の内周面45a上に戻すための回収口57bが設けられている。図14に示すようにこの回収口57bは、上面57aの一部が切り取られることによって形成されている。クルーンユニット42は、この回収口57bがリングユニット45の内周面45aを向くように本体41に取り付けられる。また、ガイド部材60の排出部60aは、この回収口57bと同じ方向を向くように設けられている。
回収口57bには、回収扉64が設けられている。図14に示すように回収扉64は、支軸64aを中心として矢印A方向に揺動可能なようにクルーン本体57に取り付けられている。図16は、回収扉64が閉じているときのクルーンユニット42を示し、図17は、回収扉64が開いているときのクルーンユニット42を示している。なお、これらの図では、回収扉64の状態を理解し易くするためにクルーン盤面58の図示を省略している。図16に示すように回収扉64は、閉じた場合に上面57aとほぼ面一になる。一方、図17に示すように開いた場合には、回収扉64が下方に傾き回収口57bが開く。この場合、図14に矢印Bで示したように、抽選穴58aに入っていた抽選球LBは、この回収口57bから下方に落ちて排出される。上述したようにこの回収口57bは、リングユニット45の内周面45aを向いている。そのため、抽選球LBは、回収口57bを通って内周面45aに戻される。回収扉64は、クルーン本体57内に設けられたアクチュエータ65によって開閉駆動される。なお、アクチュエータ65は、例えばソレノイド等の周知の駆動機構を用いればよい。
次に抽選ユニットLOにおける抽選方法について説明する。上述したように抽選ユニットLOにおける抽選は、ステーションユニットSTで実行されているゲームで所定の抽選開始条件が成立した場合、具体的には第2抽選ボールが落下部17に落下した場合に行われる。この抽選開始条件が成立するとステーション制御ユニット100から抽選制御ユニット101に抽選の開始を許可する信号が出力される。抽選制御ユニット101はこの信号を受信するとリング回転用モータ52、クルーン回転用モータ59、及びアクチュエータ65を制御して抽選を開始する。
抽選制御ユニット101は、まずリングユニット45が矢印R1方向(図9参照)に回転するようにリング回転用モータ52を制御する。また、リングユニット45の回転に合わせてクルーン盤面58が矢印R2方向(図12参照)に回転するようにクルーン回転用モータ59を制御する。さらに、回収扉64が閉じるようにアクチュエータ65を制御する。リングユニット45が回転し始めると、これによって抽選ユニットLO内にある複数の抽選球LBがかき混ぜられる。また、掻き上げ部材47によって少なくとも1つの抽選球LBが掻き上げられる。
掻き上げ部材47によって掻き上げられた抽選球LBは、掻き上げ部材47がクルーンユニット42の上方付近に達した時点で重力によって下方に落下する。これにより抽選球LBがクルーン盤面58上に運ばれる。クルーン盤面58上に運ばれた抽選球LBは、クルーン盤面58の回転に伴ってクルーン盤面58上を転がり、そのうちのいずれか1つが抽選穴58aに入る可能性がある。また、抽選穴58aに入らなかった抽選球LBは、排出部60aからリングユニット45の内周面45aに排出される。図5に示すようにクルーンユニット42の一部は本体41から突出している。抽選穴58aに入った抽選球LBは、クルーン盤面58に伴って回転し、この本体41から突出している部分を通過する。そのため、プレイヤは、どの色の抽選球LBが抽選穴58aに入ったか目視で確認することができる。また、この突出している部分には、ガイド部材60が設けられている。そのため、クルーン盤面58上の抽選球LBが抽選ユニットLOの外側に出ることはない。
抽選穴58aに入った抽選球LBは、クルーン盤面58と共に矢印R2方向に回転し、抽選球検知センサ61と接触する。抽選制御ユニット101は、抽選球検知センサ61からの信号を受信すると照明63を点灯させる。これにより色検知センサ62にて抽選穴58aに入った抽選球LBの色が検知される。抽選制御ユニット101は、色検知センサ62の検出結果を受信すると、その結果を抽選開始条件が成立したステーションユニットSTのステーション制御ユニット100に出力する。ステーション制御ユニット100は、例えばモニタ20にその結果を表示する。また、スピーカから音声で結果を出力してもよい。これによりプレイヤに抽選結果が知らされる。また、ステーション制御ユニット100は、色検知センサ62にて検知された色に応じたボーナス(特典)をステーションユニットSTのゲームに付与する。具体的には、例えば新しいボールBやメダルMをゲームフィールドGFに供給したり、ゲームフィールドGF上にあるボールBの価値を変化させたりする。
色検知センサ62にて色が検知されると、抽選制御ユニット101はリングユニット45が停止するようにリング回転用モータ52を制御する。また、回収扉64が開くようにアクチュエータ65を制御する。これにより図14に矢印Bで示したように抽選穴58aの抽選球LBがリングユニット45の内周面45aに戻される。一方、抽選制御ユニット101は、色検知センサ62によって抽選球LBの色が検知された後、すなわち抽選穴58aに抽選球LBが入った後もクルーン盤面58が所定時間回転しているようにクルーン回転用モータ59を制御する。この時点では既にリングユニット45が停止しているので、クルーン盤面58上に抽選球LBが追加で搬送されることはない。この状態でクルーン盤面58を回転させることにより、クルーン盤面58上の抽選球LBを排出部60a又は回収口57bからリングユニット45の内周面45aに戻すことができる。なお、所定時間としては、クルーン盤面58上の抽選球LBを払い出すことが可能な適宜な時間、例えば5秒〜1分が設定される。抽選制御ユニット101は、所定時間の経過後、クルーン盤面58が停止するようにクルーン回転用モータ59を制御する。これにより1回の抽選が終了する。
以上に説明したように、抽選ユニットLOでは、抽選球LBがリングユニット45の外に出ることがない。この場合、抽選球LBをリングユニット45内に戻す機構が不要になるので、抽選ユニットLOの構造を簡略化できる。また、この場合には、リングユニット45の外部に抽選球LBを受けるための部材を設ける必要が無いので、抽選ユニットLOを小型化できる。そのため、ゲーム機1内に配置する際の配置の自由度を高めることができる。
また、抽選ユニットLOでは、クルーン盤面58が円板状に形成されている。そのため、ガイド部材60に排出部60aを設けることにより、クルーン盤面58の上面58bの縁58cからリングユニット45の内周面45aに抽選球LBを戻すことができる。
抽選ユニットLOでは、抽選が開始されるとリングユニット45の回転に合わせてクルーン盤面58が回転するようにクルーン回転用モータ59が制御される。これにより抽選穴58aの位置が変化するので、ゲームの興趣性を高めることができる。そして、抽選穴58aに抽選球LBが入ってもクルーン回転用モータ59は所定時間の間クルーン盤面58が回転しているように制御される。このようにクルーン盤面58の回転を維持することにより、例えばクルーン盤面58を傾斜させる機構等の特別な機構を設けることなくクルーン盤面58上から抽選球LBを払い出すことができる。そのため、抽選ユニットLOを簡略化できる。
図5や図11に示したようにベースユニット43の窓部51aには、透過性を有する素材で形成された窓部材51bが取り付けられている。同様に、アッパーユニット44の窓部44aにも透過性を有する素材で形成された窓部材44bが取り付けられている。そのため、プレイヤは、これらの窓部51a、44aから抽選ユニットLOの内部を見ることができる。従って、この抽選ユニットLOでは、抽選球LBが掻き上げ部材47によって掻き上げられる様子、掻き上げられた抽選球LBがクルーン盤面58上に落ちる様子、及び抽選球LBが抽選穴58aに入る様子等の抽選の過程をプレイヤが抽選ユニットLOの外側から見ることができる。
抽選穴58aにはクリーナー部材CLが設けられているので、抽選穴58aに入った抽選球LBの汚れを除去できる。そのため、抽選球LBが汚れることを抑制できる。
上述したゲーム機1では、ステーションユニットSTのゲームで所定の条件が成立した場合に抽選ユニットLOで抽選が行われ、その抽選結果に応じたボーナスがステーションユニットSTのゲームに付与される。そのため、ステーションユニットSTのゲームの興趣性を高めることができる。
なお、上述した形態では、抽選ユニットLOが本発明の物理的抽選機に相当する。リングユニット45が本発明の回転部材に相当し、ベースユニット43が本発明の支持部材に相当する。クルーン盤面58が本発明の受け皿部材に相当し、抽選穴58aが本発明の穴部に相当する。色検知センサ62が本発明の識別手段に相当し、抽選制御ユニット101が本発明の出力手段に相当する。回収口57b、回収扉64、及びアクチュエータ65が本発明のリターン機構に相当する。クルーン回転用モータ59が本発明の駆動手段に相当し、抽選制御ユニット101が本発明の制御手段に相当する。ステーションユニットSTが本発明ゲーム手段に相当し、抽選制御ユニット101及びステーション制御ユニット100が本発明のゲーム制御手段に相当する。
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、上述した形態では、リングユニット45のドラム部46の形状を円筒状としたが、ドラム部46は例えば正八角形などの多角柱状をしていてもよい。ドラム部46に設けられる掻き上げ部材47の個数は1つに限定されず、2個以上設けてもよい。また、掻き上げ部材47の形状は、上述した形態で示した形状に限定されない。掻き上げ部材47の形状には、抽選球LBを掻き上げることが可能な種々の形状を適用してよい。
上述した形態では、抽選ユニットLOの抽選結果を抽選制御ユニット101からステーション制御ユニット100に出力し、ステーションユニットSTのモニタ20に抽選結果を表示させたが、抽選結果をプレイヤに報知する方法はこの方法に限定されない。例えば、抽選ユニットLOにモニタやスピーカを設け、それらから抽選結果をプレイヤに報知してもよい。この場合、これらモニタやスピーカが本発明の出力手段に対応する。
上述した形態では、抽選球LBの色を相違させることにより抽選球LBの種類を相違させたが、抽選球LBの種類を異ならせる方法はこの方法に限定されない。例えば、各抽選球LB内に互いに異なる信号を出力する識別ユニット(例えばRFIDなど)を埋め込み、その識別ユニットからの出力信号を読み取って抽選穴58aに入った抽選球LBの種類を検知してもよい。
上述した形態では、ガイド部材60に排出部60aを設けることにより、クルーン盤面58の上面58bの縁58cからリングユニット45の内周面45aに抽選球LBを戻す構成としているが、排出部60aを設けずに、クルーン盤面58の上面58b上にある全ての抽選球LBを抽選穴58aを介してリングユニット45の内周面45aに戻してもよい。この場合、抽選穴58aに最初に入った抽選球LBの種類に応じて抽選結果を決定してもよいし、抽選穴58aに入った全ての抽選球LBの種類に応じて抽選結果を決定してもよい。また、全ての抽選球LBを抽選穴58aを介してリングユニット45の内周面45aに戻す場合、クルーン盤面58の上面58bを凹型形状にして、抽選球LBが抽選穴58aに入りやすくすることが好ましい。
上述した形態では、抽選制御ユニット101は、リングユニット45が矢印R1方向(図9参照)に回転するようにリング回転用モータ52を制御し、リングユニット45の回転に合わせてクルーン盤面58が矢印R2方向(図12参照)に回転するようにクルーン回転用モータ59を制御しているが、リングユニット45やクルーン盤面58の回転方向は一定である必要はなく、適宜のタイミングで回転方向を変化させてもよい。また、リングユニット45やクルーン盤面58の回転数は毎回の抽選処理において一定である必要はなく、抽選処理ごとに変化させてもよい。抽選制御ユニット101は、リングユニット45やクルーン盤面58の回転方向、回転数を変化させることで抽選過程を多様化させることができる。
上述した形態では、クルーンユニット42の一部を本体41から突出させたが、クルーンユニット42は全体が本体41内に収容されていてもよい。上述した形態では、リングユニット45をベースユニット43及びアッパーユニット44内に収容したが、周知の回転式抽選機と同様にこれらベースユニット43及びアッパーユニット44は無くてもよい。この場合、リングユニット45内から外に抽選球LBが出ないようにリングユニット45の正面及び後面を塞げばよい。そして、クルーンユニット42は、リングユニット45を回転可能に支持する支持部材に固定すればよい。
なお、このようにベースユニット43及びアッパーユニット44を省略する場合には、外からリングユニット45の内部が見えるようにリングユニット45の少なくとも一部を透過性を有する素材で形成すればよい。
このように抽選ユニットLOの内部を外部から見ることができるように構成した場合には、色検知センサ62及び照明63を省略し、抽選穴58aに入った抽選球LBの種類を外部から人が見て判断してもよい。また、抽選球LBの種類を人が見て判断する場合には、モニタやスピーカなどの抽選球LBの情報を出力する出力手段を省略してよい。
上述した形態では、ステーションユニットSTでプッシャーゲームが実行されるゲーム機1を示したが、ステーションユニットSTで実行されるゲームはこれに限定されない。ステーションユニットSTでは、例えばスロットゲームなどの種々のゲームが実行されてよい。
上述した形態では、本発明の物理的抽選機をゲーム機1に組み込んだ形態を説明したが、本発明の物理的抽選機はゲーム機1に組み込まず単体で使用してもよい。この場合には、リングユニット45を手で回せるようにハンドルを設けてもよい。
以上に説明したように、本発明の第1の物理的抽選機(例えば、図2に記載の抽選ユニットLO)は、複数種類の抽選球を内部に収容し、かつ回転可能なように支持部材(例えば、図11に記載のベースユニット43)により支持されたドラム状の回転部材(例えば、図11に記載のリングユニット45)と、前記回転部材の内周面から径方向内側に突出し、かつ前記回転部材の回転に伴って前記複数の抽選球のうちの少なくとも1個を掻き上げる掻き上げ部材(例えば、図11に記載の掻き上げ部材47)と、前記掻き上げ部材にて掻き上げられた抽選球を上面で受け止め可能なように前記回転部材の内部に配置され、かつ抽選球を受け入れ可能な穴部(例えば、図12に記載の抽選穴58a)が前記上面に設けられた受け皿部材(例えば、図12に記載のクルーン盤面58)と、前記穴部に入った抽選球の種類を識別する識別手段(例えば、図15に記載の色検知センサ62)と、前記識別手段にて識別された抽選球の種類の情報を出力する出力手段(例えば、図2に記載の抽選制御ユニット101)と、前記穴部に入った抽選球を前記回転部材の内周面上に戻すリターン機構(例えば、図14に記載の回収口57b、回収扉64、アクチュエータ65)と、を備えたものである。
この第1の物理的抽選機によれば、抽選球が回転部材の外に出ることがない。これにより抽選球を回転部材内に戻す機構が不要になるので、抽選機の構造を簡略化できる。また、この場合には、回転部材の外部に抽選球を受けるための部材を設ける必要がない。そのため、抽選機を小型化できる。
本発明の第1の物理的抽選機の一形態において、前記受け皿部材は、前記穴部に入らなかった抽選球が前記上面の縁から落ちて前記回転部材の内周面上に戻るように形成されていてもよい。この形態によれば、受け皿部材の上面に乗った抽選球を回転部材の内周面上に戻す機構が不要になる。そのため、抽選機の構造を簡略化できる。
本発明の第1の物理的抽選機の一形態においては、前記受け皿部材が円板状をしており、前記受け皿部材がその中心線回りに回転するように前記受け皿部材を回転駆動可能な駆動手段(例えば、図14に記載のクルーン回転用モータ59)と、抽選が開始されると前記回転部材の回転に合わせて前記受け皿部材が回転するように前記駆動手段を制御する制御手段(例えば、図2に記載の抽選制御ユニット101)と、をさらに備えていてもよい。この形態によれば、抽選中に穴部の位置を変化させることができるので、興趣性を高めることができる。
この形態において、前記制御手段は、前記穴部に抽選球が入った後も前記受け皿部材が所定時間回転するように前記駆動手段を制御してもよい。このように受け皿部材を回転させることにより、受け皿部材上に乗っている抽選球を払い出すことができる。そのため、受け皿部材上に何も無い状態で次の抽選を開始することができる。
本発明の第1の物理的抽選機の一形態においては、前記回転部材の少なくとも一部が透過性のある素材にて構成されていてもよい。この形態によれば、回転部材の内部を外から見ることができる。
本発明の第1の物理的抽選機の一形態において、前記穴部には、抽選球の汚れを除去するクリーナー部材(例えば、消しゴム)が設けられていてもよい。この形態によれば、クリーナー部材によって穴部に入った抽選球の汚れを除去できるので、抽選球が汚れることを抑制できる。
本発明の第2の物理的抽選機は、複数種類の抽選球を内部に収容し、かつ回転可能なように支持部材により支持されたドラム状の回転部材と、前記回転部材の内周面から径方向内側に突出し、かつ前記回転部材の回転に伴って前記複数の抽選球のうちの少なくとも1個を掻き上げる掻き上げ部材と、前記掻き上げ部材にて掻き上げられた抽選球を上面で受け止め可能なように前記回転部材の内部に配置され、かつ抽選球を受け入れ可能な穴部が前記上面に設けられた受け皿部材と、前記穴部に入った抽選球を前記回転部材の内周面上に戻すリターン機構と、を備え、前記穴部に入った抽選球を視認可能なように、前記回転部材の少なくとも一部が透過性のある素材にて構成されているものである。
この第2の物理的抽選機によれば、上述した第1の物理的抽選機と同様に抽選球が回転部材の外に出ないので、抽選機の構造を簡略化できる。また、抽選機を小型化できる。さらに、この第2の抽選機では、穴部に入った抽選球を外部から視認できるので、その抽選球の種類を人が確認できる。この場合、抽選球の種類を識別する手段を設ける必要がないので、さらに構成を簡略化できる。
本発明のゲーム機(例えば、図2に記載のゲーム機1)は、上述した第1の物理的抽選機(例えば、図2に記載の抽選ユニットLO)と、所定のゲームをプレイヤに提供するゲーム手段(例えば、図2に記載のステーションユニットST)と、前記ゲームにて予め設定した特定の条件が成立した場合に前記物理的抽選機での抽選を許可し、前記物理的抽選機で行われた抽選の結果に応じた特典が前記ゲームに付与されるように前記物理的抽選機及び前記ゲーム手段を制御するゲーム制御手段(例えば、図2に記載のステーション制御ユニット100、抽選制御ユニット101)と、を備えているものである。
本発明のゲーム機によれば、物理的抽選機で行われた抽選の結果に応じた特典がゲームに付与されるので、そのゲームの興趣性を高めることができる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために各構成の一例を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。