JP6001256B2 - 車輌の電気推進力供給用電気回路のためのコンバータ - Google Patents

車輌の電気推進力供給用電気回路のためのコンバータ Download PDF

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Description

本発明は、車輌における電気推進力供給用電気回路のためのコンバータに関する。
図1に示すように、一部又は全部電気で推進する車輌100は、高出力のコンバータ102を備えることが知られており、このコンバータは、バッテリ104の電圧を昇圧することにより、電気機械106に電力を供給できるようにしており、この供給は,通常インバータ108を介して行われる。
このようなコンバータ102の動作電力は、通常、20〜1000kWと高いため、バッテリ104からの電源電流を変換用の複数のセルに分配するマルチセルコンバータを採用することが有益な場合がある。
このようなマルチセルコンバータを使用する場合、セルに用いられるスイッチ111,113、とりわけこれらを構成するトランジスタ103,105やパワーダイオード107,109がシリコンを大量に必要とするため、特にコストの問題が伴う。
電気自動車、特にハイブリッド自動車の場合には、これらのセルの体積及び重量も重要な基準であり、とりわけ誘導素子、この例ではコイル110が、通常ではかなり大きくなる点が、問題になる。
また、コンバータの使用においてその効率が別の重要な基準であり、何故なら効率は車輌100の走行可能距離に直接的に影響するからである。
この効率の向上のために、図2〜図5を参照して、次に説明するように、コンバータの誘導素子110を流れる電流の反転サイクルを用いて、ZVS(Zero Voltage Switching: ゼロ電圧スイッチング)と呼ばれるスイッチング方法を実行することが知られている。
より具体的には、図2はコンバータ102のスイッチ113のこの開動作を示し、この開動作はキャパシタ204により得られる実質的ゼロ電圧下で行われるが、これは下記に示す通り、キャパシタ204の放電がこの開動作の間に行われるからである。
トランジスタ105の端子の電圧304(コレクタ・エミッタ電圧)が増加し始めるときのトランジスタ105のコレクタを流れる電流302(図3)は完全にゼロにはならないが、この方法により、スイッチ105の開動作に伴う損失を極めて小さくすることができる。図3の例では、図中で大きさの程度は誇張して示される。
従って、誘導素子110を流れる電流iを反転させることによってキャパシタ204を放電させることができ、そのため、キャパシタ204を放電させることにより、スイッチを再びゼロ電圧下で閉じることができる。
図4には、セルの誘導素子110を流れる電流iの反転中、すなわちスイッチ111の開動作中の、コンバータ102が示される。スイッチ111及び113を流れる電流が遮断されるため、キャパシタ204は放電し、次いで、キャパシタ204が完全に放電すると、スイッチ113のパワーダイオード109が導通状態になる。
このケースでは、スイッチ113の端子の電圧504(図5)は、キャパシタ204の放電中に急速に低下し(ステップ510)、そして負になるとパワーダイオード109がオン状態になる(ステップ512)。
その結果、誘導素子110を流れる電流502は再び正になり(ステップ514)、そしてこのサイクルは、上述のスイッチ113の開動作によって繰り返される。
固定スイッチング周波数を用いるこのZVS法は、コンバータが高負荷で動作する場合は満足であるが、低負荷では満足な効率を与えない。
具体的には、電流が負荷にかかわらず大きく変調されることは問題であり、それは、低負荷の場合、すなわち平均電流がゼロに近い場合(図7)と、高負荷の場合、すなわち平均電流が例えば50Aに近い場合(図6)のいずれにおいても問題である。この例では、反転が、ピークとピークとの差で約100Aとなり、誘導体に大きな鉄損失が発生する。
この問題を軽減するために、臨界伝導モードと呼ばれるモードで上述のZVS法を用いることが知られる。このモードでは、図8に示されるように、電流の反転が強制される時間は、比較的に短いものの、スイッチの電圧をゼロにするために用いられるキャパシタを放電させるためには十分な長さである。
この場合に、電流は、電流の平均値を調整する第1の閾値と、これとは逆符号で、キャパシタを放電させる第2の閾値とによって制御され、周波数の変化に従って、これら2つの閾値が交互に用いられる。
ここで問題となるのは、臨界伝導モードが誘導素子に電流反転を発生させると思われることであり、これにより誘導素子の設計が困難になる。実際、電流反転の大きさは、高周波範囲(例えば20〜80kHzの範囲)にわたってピーク電流の値の100%を超過する場合があり、これによって、温度上昇と効率の観点から、誘導素子内での電力損失は許容しがたいものになる。
最後に、誘導素子は通常、フェライト材料またはナノ結晶タイプの材料を基本として製造されることを指摘すべきであり、その理由は、第1に材料の抵抗率が、第2にコアを形成する細片の薄さが挙げられ、また、これらの材料が、渦電流の発生の制限、すなわち損失の制限という一般的に必要な性質を有するからである。
しかしながら、フェライトは、鉄をベースにした他の磁性材料に比べ、比較的弱い磁界にも飽和してしまうような材料である。
その結果、誘導素子を製造するためには非常に大きな体積の磁性体が必要となり、これは、ハイブリッド車輌用途には受け容れられないものであり、また、
、相当の磁性体の体積が必要になるか、またはこの材料の非常に大きな透磁率のために、この材料に蓄えられる電力が制限されてしまう。
実際、電力の蓄積の観点からは、鉄ベースの材料やシリコンベースの材料は、車輌用のコンバータには適しており、何故なら、飽和閾値が2テスラ以上となるようにできるからである。さらに、この材料は、通常、金属シート積層体の形態で、電力伝達や電力変換(変圧器、発電機、モータなど)において非常に広範に用いられる。
ここで問題となるのは、この材料では高周波における損失が大きくなることであり、その理由は、この高周波では磁束変調が発生するからである。このことは、電力伝達で用いられる周波数が、通常50Hz〜1kHzの比較的低い周波数範囲にわたって変化することの理由となっており、スイッチング周波数がおよそ10kHzを超えることはほとんどない。
本発明は、上述の問題の少なくとも1つを解決することを目的とする。この目的は、Fe−Si(鉄−シリコン)ベースの材料などの高飽和材料を用いながら、臨界伝導モードにおいてZVS法を用いることを可能にすることにある。
実際に、車輌用のコンバータを用いて、臨界伝導モードでZVS法を用いるに十分に高いセル毎の電流変調を得るようにし、一方で、磁気回路中の磁束変調を最小にすることで、電力損失を制限し、高飽和材料、とりわけFeベース材料やSiベース材料を使用できるようにすることが、可能であることを見出したことに、本発明は基づいる。
これが、本発明が、車輌に搭載され電気推進力を供給するように設計される電気回路に関することの理由であり、この電力は、車輌のバッテリから少なくとも2つのセルに送出される電力から得られ、この電気回路は複数の誘導素子を備え、この誘導素子は誘導素子内を流れる電流を管理するトランジスタに接続されており、これら誘導素子同士が接続されて、以下の2つのモードに交互にしたがい制御される磁気回路を形成する:
− 上記磁気回路の見かけインダクタンスが、各誘導素子の固有インダクタンスの和の大きさの程度であるコモンモードと、
− 上記磁気回路の見かけインダクタンスが、誘導素子間のカップリングのリーケージインダクタンスの大きさの程度であるディファレンシャルモード。
本発明によれば、誘導素子間のカップリングにより、この電気回路を、ZVS法を用いて臨界伝導モードで動作するマルチセルコンバータとして用いることができ、何故なら、-ディファレンシャルモードにしたがい-全磁気回路中の磁束の反転量を極めて小さくすることができ、他方、-コモンモードにしたがい-各セルにおける電流の反転量を比較的大きく保つことができるからである。
実際には、本発明は、電力を蓄積する主磁気回路を形成する誘導素子のカップリングと、低インダクタンスのリーケージ線を発生する分岐回路とを用いることで、大きな電流反転を得ることを可能にする。
本発明によれば、高周波駆動及び大きな電流反転を伴う、この種のコンバータにおいて、これまで用いることができなかった材料を、許容し得ないレベルの「鉄」損、すなわち磁束の反転または磁束の変調に起因する損失の発生を伴うことなく取り入れることができる。このような材料を用いると、非常に高い誘導を発生させることができるから、したがって、本発明によって、コンバータに用いられる磁性材料の体積を減らすことができる。
上述の主な特徴に加えて、本発明による電気回路は、次の特徴のうち1つ以上を、単独で、または技術的に可能なかぎり任意に組み合わせて、有していてもよい。
− 誘導素子は、電力を供給するバッテリに接続される共通の端子、及び対応するキャパシタの充電及び放電を制御するトランジスタ対に接続される各々の端子を有するようにカップリングされる。
− これらの対応するキャパシタは、第1のセルの第1のトランジスタ対と共有される端子、及び第2のセルの第2のトランジスタ対と共有される端子を有する。
− この電気回路は、キャパシタの充電及び放電のために、50%と異なるデューティサイクルを用いるための手段を備える。
− 固有インダクタンスの値は、約500μHである。
− リーケージインダクタンスの値は、約50μHである。
− この電気回路は、この場合には、臨界伝導モードにおけるZVS法にしたがって、少なくとも1つの誘導素子を流れる電流を反転させるために十分な期間において、放電を制御する手段を備える。
− 誘導素子のうちの少なくとも1つは、鉄ベース材料やシリコンベース材料、特にフェライトを含んでいる。
− この電気回路は、2つの誘導素子間のカップリングを実現するために、4つの同一構造のエアギャップと組み合わされた4つの半装荷コイルによって形成される磁気回路を有する。
本発明は、さらに、本発明にしたがい車輌に電気推進力を供給するように設計される電気回路を製造する方法を提供する。この電気推進力は、車輌のバッテリによって電気回路に送出されて、誘導素子と、誘導素子に流れる電流を管理するために、誘導素子に接続されるトランジスタとを備える少なくとも2つのセルによって、例えばZVS(Zero Voltage Switching: ゼロ電圧スイッチング)にしたがって変換される電力から得られる。これらの少なくとも2つのセルの各々の誘導素子同士がカップリングされて、上述の電気回路中の磁気回路を形成するように配置される。
全部または一部(ハイブリッド)で電気的に推進される車輌の電気回路の概略的な回路図である。 従来技術のコンバータに用いられる電気回路の動作を示す回路図である。 従来技術のコンバータにおける電流及び電圧の変化を示すグラフである。 従来技術のコンバータに用いられる電気回路の別の動作を示す回路図である。 従来技術のコンバータにおける電流及び電圧の別の変化を示すグラフである。 従来技術のコンバータにおける電流の変化を示すグラフである。 従来技術のコンバータにおける電流の別の変化を示すグラフである。 従来技術のコンバータにおける電流のさらに別の変化を示すグラフである。 本発明を適用することができるコンバータの電気回路の回路図である。 図9の電気回路に用いられるスイッチの状態を示す表である。 図9の電気回路を、ホプキンソンモデルで表わした回路図である。 図9の電気回路における電流の変化を示すグラフである。 図9の電気回路における磁束の変化を示すグラフである。 本発明に適用することができる磁気回路の斜視図である。 図14の磁気回路の等価回路図である。 図14の磁気回路の一変形例の断面図である。 図9の電気回路の一変形例の回路図である。 本発明によるコンバータ中の素子の端子電圧の周期的変化を示すグラフである。 本発明によるコンバータ中の素子の端子電圧の別の周期的変化を示すグラフである。
各添付図面を参照して、例示のためであって、本発明を限定するためのものではない、以下の説明を読むことによって、本発明の他の特徴及び利点が明らかになる。
各図に現われる、構造または機能が同等の要素には、別の参照符号の指定のない限り、同一の参照符号が付される。
図9は、本発明による電気回路900を示し、この回路は、誘導素子902を備えるセル901と誘導素子904を備えるセル903との2つのセルを有し、これらの誘導素子は、次の2つのモードに交互にしたがい制御される。
− 電気回路900の誘導素子902及び904により形成される磁気回路の見かけインダクタンスが比較的高いコモンモードにしたがった場合であり、この見かけインダクタンスは、例えば、誘導素子902及び904のそれぞれの固有インダクタンスLA及びLBの合計程度の大きさである。
このように見かけインダクタンスが高いため、磁気回路中の磁束の反転は制限され−詳細は下記に述べるが−それによって、鉄損は減少する。
− 電気回路900の誘導素子902及び904により形成される磁気回路の見かけインダクタンスが比較的低いディファレンシャルモードにしたがった場合であり、この見かけインダクタンスは、例えば、2つの誘導素子間のカップリングのリーケージインダクタンスの大きさの程度である。
このように見かけインダクタンスが低いため、前述の、特に臨界伝導モードにおけるZVS法の使用を可能にするほどに十分に大きな反転量で、電流を反転させることができる。
本明細書の以下の詳細な説明において、コイルによって表わされる誘導素子902
の固有インダクタンスをLAと、誘導素子904の固有インダクタンスをLBとする。
コモンモードにおける磁気回路の電圧(以下、コモンモード電圧又はVmcと称す)は、誘導素子902及び904の端子電圧VLAとVLBの和より、次のように与えられる。
Vmc=(VLA+VLB)/2
同様に、ディファレンシャルモードにおける磁気回路の電圧(以下、ディファレンシャルモード電圧又はVmdと称す)は、誘導素子902と904の端子電圧VLAとVLBの差から、次のように与えられる。
Vmd=(VLA−VLB)/2
このディファレンシャルモードにおける電圧Vmdは、2つの誘導素子の端子電圧VLAとVLBが異なる場合は、ゼロとならない。図9に示されるセル2つの用途を考えれば、これらの誘導素子を用いるセル901及び903のスイッチSLA及びSLBが、図10の表に示されるように異なる状態のときに、この状況が生じる。
より明瞭にするために、この磁気回路を、ホプキンソン法にしたがって表わすことができる(図11)。この場合に、誘導素子902は、磁気抵抗Rと、電流iAのジェネレータniBとによって表わされており、最後に、2つの誘導素子902と904との間のカップリングは、磁気抵抗rによって表わされる誘導素子と等価である。
誘導素子902、904及びそのカップリングによって発生する磁束φA、φB、φCは、次の式で与えられる。
φA/N=LAA+MiB
φB/N=LBB+MiA
φC=φA−φB
提案される本発明においては、誘導素子のカップリングの程度は高く、相互インダクタンスMの値は正であり約450μH、固有インダクタンスLA及びLBの値は約500μHである。
通常、この相互インダクタンスMは、各誘導素子の固有インダクタンスLA、LBに近い値を有する。以下において、固有インダクタンスLAとLBとの値は同一であり、インダクタンスLに等しいとする。
したがって、固有インダクタンスと相互インダクタンスとの差に等しいリーケージインダクタンスは比較的低く、以下、リーケージインダクタンスLfと称す。したがって、上式は次のようになる。
φA/N=L(iA+iB)−LfiB
φB/N=L(iA+iB)−LfiA
φC/N=Lf(iA−iB
これらの式に基づくと、コモンモードにおける電圧Vmcは、次のようになる。
Vmc = N[(dφA/dt)+(dφB/dt)]/2=(2L-Lf)[(diA/dt)+(diB/dt)]/2=(2L-Lf)(diMC)/dt
同様に、同じ上述の式に基づくと、ディファレンシャルモードにおける電圧Vmdは、次のようになる。
Vmd=N[(dφA/dt)-(dφB/dt)]/2=(Lf)[(diA/dt)-(diB/dt)]/2=Lf(diMC)/dt
上述のように、リーケージインダクタンスLfは、各誘導素子の固有インダクタンスLに比して、事実上、無視することができる。この場合には、コモンモード電圧Vmc、ディファレンシャルモード電圧Vmdは次のようになる。
Vmc=2L(diMC/dt)
Vmd=Lf(diMC/dt)
したがって、ディファレンシャルモードにおける磁気回路のインダクタンスは、リーケージインダクタンスの程度であり、コモンモードにおける、この同じ磁気回路のインダクタンスは、固有インダクタンスの和の程度である。したがって、次のことが言える。
− ディファレンシャルモードにおいては、磁気回路の見かけインダクタンスが、比較的低いリーケージインダクタンスの程度であるために、電流は急激に変化する、例えば図12に示されるように、固有インダクタンスが用いられた場合の10倍を超過する速度で変化することができ、
− コモンモードにおいては、磁気回路の見かけインダクタンスが、比較的高い固有インダクタンスの程度であるために、磁束の反転量を比較的小さくすることができる。実際、磁束は、次の式によって与えられる。
φA/N=L(iA+iB)−LfB=2LiMC−LfiB
φB/N=L(iA+iB)−LfA=2LiMC−LfiA
φC/N=Lf(iA−iB)=2LfiMD
リーケージインダクタンスが比較的低いから、上述の式を微分することによって、次の式が導かれる。
ΔφA/N=−LfΔiB
ΔφB/N=LfΔiA
ΔφC/N=2LfiA
換言すれば、磁束の反転は、リーケージインダクタンスに比例し、このリーケージインダクタンスは、比較的低いため、図13に示されるように、磁束の反転を等しく下げる。これらの反転は、この例では、2つの誘導素子のコイルがカップリングされていない場合に得られる反転量のおよそ1/10未満である。
より正確には、電流の反転が臨界伝導モードではピーク電流の大きさにほぼ等しいことを知ることにより、ピーク磁界に対する磁界の反転率を評価することができる。この例においては、この比は、次の式で与えられる。
ΔφAA = −LfΔiB/(2LiMC−LfiB) ? −LfΔiB/2LiMC = −Lf/L
ΔφBB = LfΔiA/(2LiMC−LfiA) ? LfΔiA/2LiMC = Lf/L
ΔφCC = 2LfΔiA/(2LfiMD) ? 2L/Lf
これらの式は、反転率が、リーケージインダクタンスと、誘導素子の固有インダクタンスとの比に実質的に等しいことを示す。したがって、この比を、Feベース材料やSiベース材料を用いることができるほどに十分に小さくすることができる。
図14には、巻数がNターンである4つのハーフコイル1402、1404、1406、1408を用いた、本発明による磁気回路1400が示され、これらのそれぞれは、各誘導素子の固有インダクタンスの調整を可能にするエアギャップ1403、1405、1407、1409(図15)、及び中央分岐部1410を囲んでいる。
この中央分岐部1410は、外枠部における磁束変化の2倍の磁束変化を保持する。したがって、この中央分岐部の体積に比例する磁束変化に起因する鉄損を制限するため、この中央分岐部はできるだけ短くするべきである。
さらに注目すべきは、この中央分岐部1410の長さは磁気回路の動作に影響しないということであり、そのインダクタンスは、中央分岐部1410及びエアギャップの断面によって決まる。
巻数がNターンのコイルがエアギャップを囲んで巻かれていることにより、エアギャップで分離される磁束線によって引き起こされる磁気放射を制限し、このエアギャップは、磁力を蓄積するためにFe−Siフェライト材料で製造することが可能である。
コイルは、導電ストリップや単撚り線や複撚り線などで構成され、各々の巻線の起磁力(アンペア−巻数)が加えられるよう、巻線A及びBのコイルの巻く方向が選択される。図14の磁気回路を示す図15には、エアギャップのまわりにコイルを巻く方向が示される。
本発明では、多くの変形例が可能である。特に、従来技術の問題点及び本発明に関する説明では、主として、バック−ブーストタイプの、ステップアップコンバータとしてもステップダウンコンバータとしても機能する非絶縁双方向コンバータを用いていた。しかし、本発明を、誘導素子をカップリングすることができる少なくとも2つのセルを有する、種々のタイプのコンバータに用いることが可能なことは明らかである。
さらに、本発明を、固定周波数でも可変周波数でも作動させることができることを指摘すべきである。特に、このコンバータは、同期整流において役に立つ。この場合には、最大電流においても誘導素子で電流が反転してZVS法を用いることができるよう、周波数及びインダクタンスを計算する必要がある。
磁気回路に関しては、コイルの構造、特にエアギャップの位置、中央分岐部1410の存在、及び中央分岐部1410に用いられる材料を、本発明の実施形態毎に変更してもよいことは明らかである。
したがって、磁力線及びエアギャップによって示される図16の実施形態では、中央分岐部は存在しておらず、C字形状のコアが用いられる。
図17は、図9の電気回路で用いられる容量値Cのキャパシタ4つに替えて、容量値2Cのキャパシタ1つのみ必要であるよう最適化された電気回路900’を示す。
このようにキャパシタ1つだけを用いてZVS法を実行するためには、伝導モードを選択すればよい。各アームの2つのスイッチのうちの1つが常時導通状態にあるため、1つのスイッチが開かれると、誘導素子の電流が、接地かDCバスEかのいずれかに接続されたキャパシタによって吸収される。
スイッチSLAが開いてデューティサイクルが50%未満(図18)となった場合、スイッチSHBは導通状態にある。そして、キャパシタCzvsは、負電圧(−E)にバイアスされる。
スイッチSLAが開かれると、キャパシタCzvsは完全に自己放電し、図18に示されるように、スイッチSLAの阻止電圧はEである。
スイッチSLBが閉じられる前に、誘導素子LBの電流は負であり、スイッチSHBが開かれ、直流バスの電圧に達するまで、この誘導素子LBから放出された電流がキャパシタCzvsを充電する。
同様に、図19は、デューティサイクルが50%よりも大きい場合を示している。
100 車輌
102 コンバータ
103、105 トランジスタ
104 バッテリ
106 電気機械
107、109 パワーダイオード
108 インバータ
110 誘導素子
111、113 スイッチ
202 ローパスフィルタ
204、206 キャパシタ
300、500 横軸
301、501 縦軸
302、502 電流
304、504 端子電圧
510、512、514 期間
900、900’ 電気回路
901、903、901’、903’ セル
902、904、902’、904’ 誘導素子
1400 磁気回路
1402、1404、1406、1408 半装荷コイル
1403、1405、1407、1409 エアギャップ
1410 中央分岐部
ZVS キャパシタ
niA、niB ジェネレータ
r、R 磁気抵抗
SHA、SHB、SLA、SLB スイッチ

Claims (10)

  1. 車輌内に取り付けられ、車輌への推進力を生じるための電力である推進電力を供給するように設計されている電気回路(900、900’)であって、前記推進電力は、前記車輌のバッテリによって前記電気回路(900、900’)に送出される電力であって、少なくとも2つのセル(901、903、901’、903’)によって変換される電力から得られ、前記電気回路(900、900’)は、前記誘導素子(902、904、902’、904’)に流れる電流を管理するトランジスタに接続される前記誘導素子(902、904、902’、904’)を備え、前記少なくとも2つのセル(901、903、901’、903’)の各々の誘導素子(902、904、902’、904’)同士が、磁気回路(1400)を形成するようにカップリングされており、該磁気回路(1400)は、
    − 該磁気回路(1400)の見かけインダクタンスが、各誘導素子の固有インダクタンスの和の大きさの程度であるコモンモードと、
    − 該磁気回路(1400)の見かけインダクタンスが、前記誘導素子間のカップリングのリーケージインダクタンスの大きさの程度であるディファレンシャルモードとにしたがって、
    交互に制御されることを特徴とする電気回路(900、900’)。
  2. 前記誘導素子は、前記電力を供給するバッテリに接続される共通の端子、及び対応するキャパシタの充電及び放電を制御するトランジスタ対に接続される各々の端子を有するようにカップリングされることを特徴とする、請求項1に記載の電気回路(900、900’)。
  3. 前記対応するキャパシタは、第1のセル(901、901’)の第1のトランジスタ対と共有される端子、及び第2のセル(903、903’)の第2のトランジスタ対と共有される端子を有することを特徴とする、請求項2に記載の電気回路(900、900’)。
  4. 前記キャパシタの充電及び放電のために、50%と異なるデューティサイクルを用いるための手段を備えることを特徴とする、請求項3に記載の電気回路(900、900’)。
  5. 前記固有インダクタンスの大きさは、約500μHであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電気回路(900、900’)。
  6. 前記リーケージインダクタンスの大きさは、約50μHであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1つに記載の電気回路(900、900’)。
  7. 臨界伝導モードにおけるZVS法にしたがって、少なくとも1つの誘導素子(902、904、902’、904’)を流れる電流を反転させるために十分な期間において、前記放電を制御する手段を備えることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1つに記載の電気回路(900、900’)。
  8. 前記誘導素子のうちの少なくとも1つは、鉄及びシリコンをベースにした材料を含んでいることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1つに記載の電気回路(900、900’)。
  9. 前記2つの誘導素子間のカップリングを実現するために、4つの同一構造のエアギャップと組み合わされた4つの半装荷コイルによって形成される磁気回路を備えることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1つに記載の電気回路(900、900’)。
  10. 車輌内に取り付けられ、車輌への推進力を生じるための電力である推進電力を供給するように設計されている電気回路(900、900’)を製造する方法であって、前記推進電力は、前記車輌のバッテリによって前記電気回路(900、900’)に送出される電力であって、少なくとも2つのセル(901、903、901’、903’)によって変換される電力から得られ、前記電気回路(900、900’)は、前記誘導素子(902、904、902’、904’)に流れる電流を管理するトランジスタに接続される前記誘導素子(902、904、902’、904’)を備え、前記少なくとも2つのセル(901、903、901’、903’)の各々の誘導素子(902、904、902’、904’)同士がカップリングされて、請求項1〜9のいずれか1つに記載の電気回路中の磁気回路を形成するように配置される方法。
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