JP5999165B2 - 生体情報取得装置 - Google Patents

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Description

本発明は生体情報取得装置に関し、特に、人の生体情報を精度良く検出する構成に関する。
従来、生体情報取得装置として、例えば特許文献1には、車両運転時での運転者の入眠予兆を検出して生体状態を監視する装置が知られている。
上記特許文献1では、具体的に、自動車のシートの背もたれ部の全面に、互いに空気流通のない6つの小空気袋を分散配置すると共に、着座者の腰部付近に位置する1つの小空気袋に対してその内部の空気圧変動を測定する1つのセンサを配置して、その測定した空気圧変動から着座者の腰部付近の大動脈の脈波を含む時系列信号データを得て、その時系列信号データを信号処理して、生体情報としての入眠予兆を検出している。
特開2010−46236号公報
ところで、被験者の生体情報として、自動車運転時の運転者の入眠予兆だけでなく、人の心拍数のゆらぎ又は心拍間隔のゆらぎも、生体情報として重要な指標である。人の鼓動では、その鼓動状態を測定した心電図においてR波と呼ばれる大きなパルスの間隔(R−R間隔)のゆらぎは、ストレス度や自律神経活動の重要な指標である。
そこで、例えば椅子やベッドに振動センサを配置して、被験者がその椅子やベッドに着座又は仰臥した状態でその被験者の鼓動に応じた振動を検出すれば、その振動センサの振動信号から被験者の覚醒時の心拍数又は心拍間隔のゆらぎを取得することができるので、被験者に心電図検査用の複数の電極を装着することなく、簡易且つ短時間で、また被験者に意識させることなく、無拘束でストレス度又は自律神経活動を取得することが可能である。
この場合、人の鼓動に伴う振動は、体内の胸部、背部、臀部などを伝播するため、心電図のR波に相当する波形の鋭い急峻な成分は鈍り、体幹で共振した波形として観測される。また、この振動には、被験者の鼓動以外の呼吸や身動ぎなどを含むため、例えば図12(a)に示すように心電図の波形では、R波は鋭い急峻な波形であるのに対し、振動センサで検出した同図(b)に示す振動信号では、R波に相当する波形は急峻度が小さくなる。
そのため、例えば、振動センサで検出した振動信号のうち、拍動が引き起こす体幹部の共鳴周波数(4〜10Hz)成分を帯域通過フィルタなどを用いて抽出し、その抽出後の体幹共鳴成分に基づいてR波に相当する波形を抽出することが安全で望ましい。
しかしながら、帯域通過フィルタなどを用いた体幹成分の濾波、抽出では、図13(a)に示すように体幹成分抽出波形(実線で示す)の中にR波に相当する急峻な波形を見出すことが可能であるが、状況によっては、同図(b)に示すように、濾波後の体幹成分抽出波形から拍動の特徴が減衰又は消失していて、心電図のR波に相当する波形を精度良く抽出することが困難となる場合もある。そして、この場合には、例えば同図(b)に示したような体幹成分抽出波形では、R波に相当する波形の前後に位置する比較的振幅(又は極値)の大きい波形を誤ってR波に相当する波形として抽出することが頻発し、その結果、それらのR波相当波形の間隔(拍動間隔)の正確性が低下してしまう。
本発明は、かかる点に鑑み、その目的は、人の鼓動を含む振動信号を検出する振動センサを備えた生体情報取得装置において、その検出した振動信号自体やその体幹成分抽出波形から、心電図のR波に相当する波形を精度良く抽出することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、心電図のR波に相当する拍動波形(拍動位置候補)の抽出処理を複数準備し、それ等の抽出処理で得られた各抽出処理別の一連の拍動位置候補について、所定の評価指標で評価して、何れか1つの抽出処理で得られた一連の拍動位置候補を選定することとする。
具体的に、第1の発明の生体情報取得装置は、人(S)の鼓動を含む振動を検出する検出手段(VS)を備えて、人の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、上記検出手段(VS)からの振動信号に関する信号を対象信号として、一連の拍動位置候補を所定の特定形状に基づいて抽出する複数の候補抽出手段(38a〜38t)と、上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)で抽出した各々の一連の拍動位置候補について、拍動間隔に関する度数分布を算出する分布算出手段(39)と、上記分布算出手段で算出した複数の度数分布について、各々、全度数に対する最頻分布の分布比率を算出する分布比率算出手段(40)と、上記分布比率算出手段(40)で算出した複数の分布比率を、上記一連の拍動位置候補の正確度を示す評価指標として、上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)のうち1つで抽出した一連の拍動位置候補を選定する選定手段(41)とを備えたことを特徴とする。
上記第1の発明では、検出手段が人の鼓動を含む振動を検出すると、複数の候補抽出手段が各々一連の拍動位置候補を抽出する。そして、これらの一連の拍動位置候補が、各々、評価指標でもって評価されて、1つの候補抽出手段で抽出した一連の拍動位置候補を選定手段が選定する。
その際、上記各々の一連の拍動位置候補について、度数分布算出手段が拍動間隔に関する度数分布を算出する。この拍動間隔に関する度数分布では、抽出された一連の拍動位置候補の多くが心電図のR波に相当する波形位置である場合には、度数分布は集中するが、一方、R波に相当する波形の一つ以上隣の波形を拍動位置候補に抽出していた場合が頻発するとき(後述する「波形飛び」が生じたとき)には、度数分布は分散する。このときの度数分布は、図7に示すように、山が高い最頻分布と、その左右隣りに位置する山の低い分布とが存在することになる。この度数分布では、最頻分布の全度数に対する分布比率は、上記「波形飛び」の多少を示し、「波形飛び」の発生頻度を反映している。従って、算出された最頻分布の分布比率は、抽出された一連の拍動位置候補の正確度を表現しているので、この最頻分布の分布比率を評価指標とすると、正確度の高い一連の拍動位置候補を選定することが可能である。
第2の発明は、上記生体情報取得装置において、上記分布算出手段(39)は、上記拍動間隔に関する度数分布として、拍動間隔自体の度数分布、又は拍動間隔の変動の度数分布を算出することを特徴とする。
第2の発明では、拍動間隔に関する度数分布が拍動間隔自体の度数分布である場合には、対象時間(有効な拍動間隔のデータ数を得るための期間)が短い場合に、その最頻分布の分布比率が有効な評価指標となる。また、度数分布が拍動間隔の変動分布である場合には、その最頻分布の分布比率が対象時間の長短に拘わらず有効な評価指標となる。
第3の発明は、上記生体情報取得装置において、上記選定手段(41)は、上記分布比率算出手段(40)が算出した複数の分布比率のうち最も高い分布比率を持つ一連の拍動位置候補を選定することを特徴とする。
第3の発明では、選定手段は、複数ある一連の拍動位置候補の中で、全度数に対する最頻分布の分布比率が最も高い度数分布、すなわち、心電図のR波に相当する波形を拍動位置候補として抽出している場合が最も多い一連の拍動位置候補を選定するので、最も正確度の高い一連の拍動位置候補を選定できる。
第4の発明は、上記生体情報取得装置において、上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)は、上記検出手段(VS)からの振動信号自体を対象信号として、一連の拍動位置候補を抽出する第1の候補抽出手段(38a〜38j)と、上記検出手段(VS)からの振動信号から体幹成分を抽出した体幹成分抽出信号について、一連の拍動位置候補を抽出する第2の候補抽出手段(38k〜38t)とを有することを特徴とする。
第4の発明では、一連の拍動位置候補を抽出する対象信号として、検出手段からの振動信号自体と、その振動信号から抽出した体幹成分抽出信号との2種類を採用しているので、度数分布の異なる一連の拍動位置候補を多種類用意することができ、より正確度の高い一連の拍動位置候補を選定できる。
第5の発明は、上記生体情報取得装置において、上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)は、上記所定の特定形状として波形の振幅を用いた振幅抽出型の候補抽出手段(38a〜38d,38g〜38j, 38k〜38n,38q〜38t)と、上記所定の特定形状として波形の極値を用いた極値抽出型の候補抽出手段(38e,38f,38o,38p)とを備えたことを特徴とする。
第5の発明では、波形の振幅でもって拍動位置候補を抽出する場合と、波形の極値でもって拍動位置候補を抽出する場合とを少なくとも含むので、度数分布の異なる一連の拍動位置候補を多種類用意でき、より正確度の高い一連の拍動位置候補を選定できる。
第6の発明は、上記生体情報取得装置において、上記選定手段(41)で選定された一連の拍動位置候補に基づいて、拍動間隔又は拍動間隔変動のゆらぎを算出するゆらぎ算出手段(42)と、上記ゆらぎ算出手段(42)が算出した拍動間隔又は拍動間隔変動のゆらぎに基づいて、人(S)のストレス度又は自律神経活動を算出するストレス度算出手段(43)とを備えたことを特徴とする。
第6の発明では、人のストレス度又は自立神経活動を、検出した振動信号に基づいて簡易に算出、測定することが可能である。
上記第1の発明の生体情報取得装置によれば、全度数に対する最頻分布の分布比率を評価指標としたので、正確度の高い一連の拍動位置候補を得ることが可能である。
上記第2の発明によれば、拍動間隔自体の度数分布や拍動間隔の変動分布での最頻分布の分布比率を評価指標として、正確度の高い一連の拍動位置候補を得ることができる。
上記第3の発明によれば、心電図のR波に相当する波形を拍動位置候補として抽出している場合が最多で正確度が最も高い一連の拍動位置候補を選定できる。
上記第4及び第5の発明によれば、度数分布の異なる一連の拍動位置候補を多種類用意して、より正確度の高い一連の拍動位置候補を選定できる。
上記第6の発明によれば、人のストレス度又は自立神経活動を、心電図を用いることなく簡易に算出、測定することが可能である。
図1は本発明の実施形態に係る生体情報取得装置の全体概略構成を示す図である。 図2は同生体情報取得装置の概略断面構成を示す図である。 図3は同生体情報取得装置に備えるセンサ本体周りの概略構成を示すブロック図である。 図4(a)〜(j)は同センサ本体に備える拍動位置候補抽出部の抽出処理(1〜10)の様子を示す図である。 図5(a)は拍動位置候補を正しく抽出している場合の説明図、同図(b)は「波形飛び」が生じた場合の拍動位置候補を示す図である。 図6は「波形飛び」が生じた場合の拍動間隔変動分布を示す図である。 図7は拍動間隔変動分布又は拍動間隔分布において、全度数に対する最頻分布の分布比率を算出する説明図である。 図8はセンサ本体の動作を示すフローチャート図である。 図9は所定区間毎に最頻分布の分布比率が最良の度数分布を例示した説明図である。 図10(a)は「波形飛び」がない良好な場合の心電波形と体動信号との拍動間隔分布を示す図、同図(b)はその場合の拍動間隔変動分布を示す図である。 図11(a)は「波形飛び」がある場合の心電波形と体動信号との拍動間隔分布を示す図、同図(b)はその場合の拍動間隔変動分布を示す図である。 図12(a)は心電図波形を示す図、同図(b)は振動センサの振動信号波形を示す図である。 図13(a)は体幹成分抽出信号からR波相当波形を良好に抽出できる場合を例示した図、同図(b)はR波相当波形を良好に抽出できない場合を例示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、又はその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
(実施形態)
図1及び図2は、本発明の実施形態に係る生体情報取得装置の概略構成を示す。
図1及び図2において、人体の生体情報を取得する生体情報取得装置(10)は、生体情報として被験者(人)(S)のストレス度又は自律神経活動を検出する。生体情報取得装置(10)は、被験者(S)の鼓動振動を含む体動から拍動間隔又は拍動間隔変動のゆらぎを取得して、被験者(S)のストレス度又は自律神経活動を算出するものである。
図1及び図2に示すように、生体情報取得装置(10)は、ソファセット(20)と、情報取得ユニット(30)と、信号出力部(45)と、タブレット端末(50)とを備えている。
ソファセット(20)は、一人掛け用のソファ(21)と、ソファ(21)の前側に配置されるオットマン(26)とを備えている。ソファ(21)及びオットマン(26)の本体表面は、合成皮革(20a)(例えばポリウレタン製皮革)で覆われている。
ソファ(21)は、座部(22)と、座部(22)の後側に形成される背もたれ部(23)と、ソファ(21)を支持する4本の脚部(24)とを備えている。
座部(22)は、その表面が後方(背もたれ部(23)側)に向かうにつれて下方に近づくように傾斜している。座部(22)には、被験者(S)の臀部及び太股部が対応して位置する。背もたれ部(23)は、被験者(S)の背中部及び頭部が対応して位置する。背もたれ部(23)は、その表面が後方に向かうにつれて上方に近づくように傾斜している。つまり、ソファ(21)は、座部(22)及び背もたれ部(23)が略V字状を成している。背もたれ部(23)の上部であって被験者(S)の頭部に対応する位置には、クッション(25)が取り付けられている。
オットマン(26)は、上面が略正方形の直方体状に形成され、4つの脚部(27)によって支持されている。オットマン(26)の上面には、被験者(S)の脚部が設置される脚置面(28)が形成される。
図2に示すように、情報取得ユニット(30)は、感圧チューブ(31)と、センサ本体(35)とを備えている。
感圧チューブ(31)は、被験者(S)の体動を受圧する感圧部を構成している。感圧チューブ(31)は、内径が約4mmの樹脂製(例えば塩化ビニル製)のチューブで構成されている。感圧チューブ(31)の一端は、閉塞されている。感圧チューブ(31)の他端は、接続部(33)を介してセンサ本体(35)に接続されている。感圧チューブ(31)の中間部は、ソファ(21)の座部(22)の表面近傍に配置される感圧部本体(チューブ本体(34))を構成している。
チューブ本体(34)は、図1及び図2に示すように、ソファ(21)の座部(22)の表面近傍に配置されている。チューブ本体(34)は、座部(22)の幅方向(左右方向)に真っ直ぐに伸びている。チューブ本体(34)は、座部(22)の前後方向の中間部よりもやや後側に位置している。
図3に示すように、センサ本体(35)には、感圧チューブ(31)の内圧を検出するマイクロフォン(36)が設けられている。マイクロフォン(36)は、感圧チューブ(31)の内圧を受けて圧力信号を出力する。上記感圧チューブ(31)の内圧に応じたマイクロフォン(36)の圧力信号は、被験者(S)の体動に応じた振動信号であって、図12(b)に示すような信号波形である。
上記感圧チューブ(31)及びマイクロフォン(36)により、被験者(S)の体動に応じた振動信号を検出する振動センサ(検出手段)(VS)を構成している。
図2に示すように、情報取得ユニット(30)のセンサ本体(35)は、ケーブル(例えばUSBケーブル(46))を介して信号出力部(45)に接続されている。信号出力部(45)は、センサ本体(35)から出力された信号(例えば後述する拍動間隔、ストレス度等)を無線によりタブレット端末(50)に出力するように構成されている。なお、信号出力部(45)は無線ではなく有線により、所定の信号を出力するものであってもよい。タブレット端末(50)は、上記センサ本体(35)により算出したストレス度等を表示する表示部(51)を有している。
図3に示すように、センサ本体(35)には、前処理部(37)、20個の拍動位置候補抽出部(38a〜38t)、度数分布算出部(39)、分布比率算出部(40)、選定部(41)、ゆらぎ算出部(42)、ストレス度算出部(43)、及び記憶部(44)とを備えている。
次に、上記センサ本体(35)の内部構成の詳細を説明する。センサ本体(35)において、前処理部(37)は、マイクロフォン(36)から出力された振動信号に対し帯域通過フィルタを用いて被験者(S)の拍動が引き起こす体幹部の共鳴周波数(4〜10Hz)成分を抽出して体幹成分抽出信号を得る。
また、20個のうち10個の拍動位置候補抽出部(38a〜38j)は、上記マイクロフォン(36)から出力された振動信号自体、すなわち体動信号を受け、他の10個の拍動位置候補抽出部(38k〜38t)は、上記前処理部(37)から出力される体幹成分抽出信号を受ける。これ等の20個の拍動位置候補抽出部(候補抽出手段)(38a〜38t)は、受けた信号を対象信号として、その対象信号に含まれる各波形について予め決められた特徴付けをして、心電図のR波に相当する振動波形の抽出処理を行い、一連の拍動位置候補を抽出する。
上記20個の拍動位置候補抽出部(38a〜38t)の抽出処理の様子を図4(a)〜(j)に示す。拍動位置候補抽出部(38a,38k)の抽出処理(1)は、同図(a)のように、信号中の各々の波形(同図(a)では、1つの波形を太線で例示している)の山の平均振幅Aa(山の上り側の振幅Auと山の下り側の振幅Adとの平均値((Au+Ad)/2)でもって、その波形を特徴付ける。拍動位置候補抽出部(38b,38l)の抽出処理(2)は、同図(b)のように、信号中の各々の波形の谷の平均振幅Av(谷の下り側の振幅Adと谷の上り側の振幅Auとの平均値((Ad+Au)/2)でもって特徴付ける。
また、拍動位置候補抽出部(38c,38m)の抽出処理(3)は、同図(c)のように、信号中の各々の波形の山の上り側の振幅Auで、拍動位置候補抽出部(38d,38n)の抽出処理(4)は、同図(d)のように、信号中の各々の波形の谷の下り側の振幅Adで、拍動位置候補抽出部(38e,38o)の抽出処理(5)は、同図(e)のように、信号中の各々の波形の極大Mbで、拍動位置候補抽出部(38f,38p)の抽出処理(6)は、同図(f)のように、信号中の各々の波形の極小Msで、各々、特徴付ける。
更に、拍動位置候補抽出部(38g,38q)の抽出処理(7)は、同図(g)のように、信号中の相隣る2つの山の波形の平均振幅Aan-1、Aanとの差分(Aan―Aan-1)、すなわち連続する2つの山の波形の振幅変化で、波形を特徴付ける。また、拍動位置候補抽出部(38h,38r)の抽出処理(8)は、同図(h)のように、信号中の相隣る2つの谷の波形の平均振幅Avn-1、Avnとの差分(Avn―Avn-1)、すなわち連続する2つの谷の波形の振幅変化で、拍動位置候補抽出部(38i,38s)の抽出処理(9)は、同図(i)のように、信号中の相隣る2つの山の上り側の振幅Aun-1、Aunの差分(Aun―Aun-1)で、拍動位置候補抽出部(38j,38t)の抽出処理(10)は、同図(j)のように、信号中の相隣る2つの谷の下り側の振幅Adn-1、Adnの差分(Adn―Adn-1)で、各々、波形を特徴付ける。
そして、上記20個の拍動位置候補抽出部(38a〜38t)の抽出処理(1〜10)では、上述の通り各波形を特徴付けた後、所定期間毎に、1つの波形の前、後又は前後の波形との平均差又は平均比を算出し、その平均差又は平均比がその所定期間内で最大の波形を拍動位置候補に決定、抽出することを繰り返す。
上記20個の拍動位置候補抽出部(38a〜38t)のうち、16個の拍動位置候補抽出部(第1の候補抽出手段)(38a〜38d,38g〜38j, 38k〜38n,38q〜38t)は、波形の振幅を特定形状として拍動位置候補を決定する振幅抽出型である。また、残りの4個の拍動位置候補抽出部(第2の候補抽出手段)(38e,38f,38o,38p)は、波形の極値を特定形状として拍動位置候補を決定する極値抽出型である。
更に、図3において、センサ本体(35)の度数分布算出部(分布算出手段)(39)は、上記拍動位置候補抽出部(38a〜38j)が行った体動信号についての10通りの抽出処理(1〜10)の処理結果と、上記拍動位置候補抽出部(38k〜38t)が行った体幹成分抽出信号についての10通りの抽出処理(1〜10)の処理結果とを受ける。そして、体動信号についての10通りの抽出処理結果(一連の拍動位置候補)について、各々、相隣る2つの拍動位置候補間の間隔(拍動間隔)を算出することを繰り返すと共に、それらの拍動間隔間の差異(変動)を算出して、それらの変動分布を作成する。更に、体幹成分抽出信号についての10通りの抽出処理結果(一連の拍動位置候補)では、各々、上記と同様に拍動間隔の算出と、それらの拍動間隔の変動分布を作成すると共に、拍動間隔の分布も作成する。
上記度数分布算出部(39)が算出した拍動間隔の変動分布や拍動間隔の分布は、例えば図6に示した度数分布となる場合が多い。すなわち、上記のように最大振幅や最大極値を持つ極大波形の抽出では、被験者(S)がソファ(5)に座る姿勢や、被験者(S)と振動センサ(VS)との相対位置関係の変化によって、抽出された極大波形の位置が変化することがある。例えば、図5(a)では、心電図のR波に相当する波形として正しく3つの極大波形(Mn-1)、(Mn)、(Mn+1)が拍動位置候補として抽出される場合に、同図(b)では、例えば被験者(S)の姿勢が異なるために、中央の極大波形(Mn-F)の拍動位置候補が同図(a)の中央の極大波形(Mn)の位置候補よりも1波形前に飛んで変化している。このような極大波形の位置変化を「波形飛び」と呼ぶこととして、このような波形飛びが複数存在すると、同図(a)の「波形飛び」のない場合の拍動間隔(Bin-1),(Bin)の値に対して、同図(b)の「波形飛び」のある場合には、拍動間隔(Bjn-1)は短く、拍動間隔(Bjn)は長く抽出されてしまう。その結果、「波形飛び」のある場合の拍動間隔の変動分布には、図6に示すように、心電図のR波に対応する波形位置を拍動位置候補として正しく抽出している場合の最頻分布(M)の左側及び右側に、最頻分布(M)とは離れたサイドピークの度数分布(J1)、(J2)を示す。最頻分布(M)の隣りの分布(J1)は「1波形飛び」が生じた場合の変動分布であり、その更に隣の分布(J2)は「2波形飛び」が生じた場合の変動分布である。
従って、例えば拍動間隔の変動分布において、最頻分布(M)とその左右両側の分布(J1)、(J2)との間に谷(V)が存在すると、「波形飛び」が発生していると判断できる。そして、この谷(V)の外側の分布(J1)、(J2)の拍動位置候補については、その前又は後に位置する波形データに修正、又は破棄を要すると看做すことが可能である。
そして、上記図3に示したセンサ本体(35)の分布比率算出部(分布比率算出手段)(40)は、上記度数分布算出部(39)が算出した20通りの拍動間隔変動分布、及び10通りの拍動間隔分布について、各々、全度数に対する最頻分布の分布比率を算出する。この最頻分布の分布比率は、例えば図7に示す度数分布(拍動間隔分布など)が作成された場合には、2つの谷(v1,v2)の間に位置する最頻分布(M)に存在する度数(拍動間隔など)の合計値(Fm)と、全度数(Ft)との比率Fm/Ftで示される。
また、選定部(選定手段)(41)は、上記分布比率算出部(40)が算出した30通りの分布比率、すなわち、上記体動信号についての10通りの拍動間隔変動分布での最頻分布の分布比率と、体幹成分抽出信号についての10通りの拍動間隔変動分布での最頻分布の分布比率と、体幹成分抽出信号についての10通りの拍動間隔分布での最頻分布の分布比率との中から、最良の分布比率を持つ一連の拍動位置候補を選定する。
更に、ゆらぎ算出部(ゆらぎ算出手段)(42)は、上記選定された最良の分布比率を持つ一連の拍動位置候補に基づいて、拍動間隔のゆらぎ又はその拍動間隔の変動のゆらぎを算出する。この算出の詳細は後述する。
また、ストレス度算出部(ストレス度算出手段)(43)は、上記ゆらぎ算出部(42)が算出した拍動間隔のゆらぎ又はその拍動間隔の変動のゆらぎに基づいて、被験者(S)のストレス度を算出する。その算出の詳細は後述する。
加えて、記憶部(44)は、上記マイクロフォン(36)で検出された振動信号、拍動位置候補抽出部(38a〜38t)で抽出した一連の拍動位置候補、度数分布算出部(39)が算出した拍動間隔分布又は拍動間隔変動分布、分布比率算出部(40)が算出した30通りの最頻分布の分布比率、選定部(41)が選定した最良の分布比率、ストレス度算出部(43)が算出したストレス度等を時々刻々と記憶する。なお、記憶部(44)は、振動信号のみを記憶し、それ以外の指標を事後的に算出するようにしてもよい。
<センサ本体(35)の動作説明>
以下、センサ本体(35)の動作を図8に示す動作フローチャートに基づいて説明する。
図8において、ステップS1では、上記振動センサ(VS)で検出している被験者(S)の鼓動を含む振動信号を入力する。ステップS2では、この入力した振動信号の波形から、笑っている、うなずいているなどの明らかに被験者(S)が身動ぎしていると判断できる場合には、その身動ぎ期間中は信号処理の無効期間として信号処理を行わない。また、この身動ぎの判断時には、ステップS3で身動ぎしているとの警告をタブレット端末(50)の表示部(51)に表示する。尚、入力した振動信号がなくなったなど、被験者(S)がソファ(21)から立ち上がったと判断できる場合には、タブレット端末(50)からログオフして、個人情報を保護する。
また、ステップS4では、上記入力した振動信号から拍動が引き起こす体幹部の共振周波数(4〜10Hz)成分を帯域通過フィルタを用いて抽出して、体幹成分抽出信号を得る。この体幹部の共振周波数成分の抽出は、上記ステップS2での身動ぎ期間中は無効期間として行わない。
そして、上記ステップS2にて被験者(S)が身動ぎせず、静止している通常時には、ステップS5にて、上記振動信号自体、すなわち被験者(S)の体動を示す体動信号について、心電図のR波に相当する波形を抽出するための振幅や極値に基づく上記10通りの抽出処理(1〜10)を行い、その後、ステップS6にて各抽出処理(1〜10)毎に、近傍に位置する複数の波形の中から最大振幅や最大極値を持つ極大波形を抽出することを繰り返し、これらの極大波形を一連の拍動位置候補とする。
尚、この極大波形の抽出では、最初(具体的には、平均心拍数が算出されるまで)の期間は、所定の最小周期又は最大周期を設定する。最小周期を設定した場合には、一周期内に極大波形は0個又は1個存在するとして極大形状を一旦抽出し、その前後の周期での極大波形の抽出結果との間で、極大波形の位置間隔や形状比較を行って、その一周期で極大波形と見なせない抽出結果(拍動位置候補)は破棄する。一方、最大周期を設定した場合には、一周期内に極大波形は所定個存在するとして極大形状を複数個抽出し、その抽出した極大形状の大きさ順に拍動位置候補を仮決定し、その中で間隔異常(すなわち過小間隔)の拍動位置候補は破棄して、所定個の極大形状を拍動位置候補として採用する。
そして、ステップS7では、相隣る2つの拍動位置間の間隔を算出し、この拍動間隔の前回算出値との差異(変動)を拍動間隔の変動分布に記録する。この拍動間隔の変動分布の作成では、より少ない度数でその分布形状を評価するために、度数を単純に積算せず、必要分解能や想定される分布幅、度数などを勘案した既定の分散を持つガウス分布(正規分布、Gaussian distribution)を積算する。本実施形態では、滑らかな分布曲線を得るために、標準偏差σ±25msecのガウス分布を積算したものを使用している。
その後、ステップS8では、その拍動間隔の変動分布での度数を所定数(有効数)と比較する。この有効数は、被験者(S)が健常者であっても見られる散発的又は低頻度の不整脈の影響を避けるため、及び、下記の分布比率を正確に算出するために、下限値が存在する。この下限値は、その下限有効数を採取するのに要する振動信号の期間(対象時間)として、心拍数で30個以上の期間、すなわち例えば30秒以上、好ましくは60秒以上である。本実施形態では、60秒の期間分に蓄積される度数(拍動検出数)とする。更に、後述する拍動間隔分布を評価する場合には、被験者(S)の平均心拍数の変化による影響を制限するために、上限値は数分〜10分程度であり、好ましくはそれ等の期間を分割して評価する。本実施形態では、以上を踏まえて、有効数を収集するための振動信号の対象期間として、0〜100秒、100〜200秒、200〜300秒の各々の時間分、及び0〜300秒の全体時間分を採用する。尚、これ等の時間は、有効数(有効な拍動間隔の数)を収集するのに必要な時間であって、被験者(S)の身動ぎなどによって有効な拍動間隔を収集できない場合には、その期間を含まない。
そして、上記ステップS8にて、度数が上記有効数より少ない場合には、上記ステップS2に戻って上記拍動間隔の変動分布を更新し、有効数以上の拍動間隔の変動分布が得られると、ステップS9にて、その拍動間隔の変動分布から、その有効数(0〜100秒の期間分、100〜200秒の期間分、200〜300秒の期間分、及び0〜300秒の期間分の蓄積度数)毎に、最頻分布の全度数に対する分布比率を算出する。この分布比率は、図7に示した度数分布を例示して説明すると、2つの谷(v1,v2)の間に位置する最頻分布(M)に存在する度数(拍動間隔)の合計値(Fm)と、全度数(Ft)との比率Fm/Ftで示される。
以上、振動信号自体すなわち体動信号について、10種類の拍動間隔の変動分布を作成したが、上記ステップS4で抽出した体幹成分抽出信号についても、ステップS10〜S14で、上記と同様に上記10通りの抽出処理(1〜10)を行って、各々、一連の拍動位置候補を抽出した上で、10通りの拍動間隔の変動分布を得て、各々、最頻分布の全度数に対する分布比率を算出する。
また、上記ステップS7、S12では拍動間隔の変動分布を作成したが、更にステップS15では、上記ステップS11にて得られた体幹成分抽出信号についての10種の一連の拍動位置候補から、各々、拍動間隔の分布を作成、更新し、その後、ステップS16、S17にて度数が有効数に達すると、上記と同様に10種の拍動間隔の分布について、最頻分布の全度数に対する分布比率を算出する。
その後は、ステップS18にて、上記拍動間隔変動分布について得られた20個の分布比率の中で、最も高い値を有する分布比率を選択すると共に、ステップS19にて、上記拍動間隔分布について得られた10個の分布比率の中で、最も高い値を有する最良の分布比率を持つ一連の拍動位置候補を選択する。
更に、ステップS20にて、上記選択した最良の分布比率についてその値を判別し、その値が規定値(下限値)未満の場合、例えば60%値未満の場合には、被験者(S)がソファ(21)に座る姿勢などが悪くてストレス度の判定が困難であると判断して、上記抽出処理(1〜10)で抽出した10通りの一連の拍動位置候補を廃棄すると共に、ステップS21にて、タブレット端末(50)の表示部(51)に被験者(S)に姿勢の修正を促す表示をすると共に、最初から振動センサ(VS)の振動信号を入力し直して、ストレス度を再測定する。
以上のようにして、本実施形態では、例えば図9に示すように、連続する3つの期間、即ち、0〜100秒の期間分、100〜200秒の期間分、200〜300秒の期間分では、各々、例えば抽出処理(1)での分布比率(A)、抽出処理(5)での分布比率(B)、抽出処理(8)での分布比率(C)が、各々最良分布比率であると判断され、更に0〜300秒の全体期間分では抽出処理(7)での分布比率(D)が最良分布比率であると判断された場合には、ステップS18での最良の分布比率の選択は、上記3つの100秒間分での最良分布比率(A)〜(C)の平均値((A+B+C)/3)と、300秒間分での最良分布比率(D)との間で高い値を持つ分布比率を選択する。
そして、以上のように最良の分布比率が選択されると、その最良分布比率が規定値(下限値)以上の場合には、ステップS22にて、心拍ゆらぎを算出して、被験者(S)のストレス度を判定する。この心拍ゆらぎの算出は、先ず、上記拍動間隔の変動(拍動間隔のゆらぎ)の周波数分析を行うために、上記一連の拍動間隔データ(不等時間間隔データ)を直線補間によって等時間間隔データに変換した後、この等時間間隔の拍動間隔データについて高速フーリエ変換(FFT、Fast Fourier Transform)を行って、拍動間隔のゆらぎの低周波数成分LF(例えば0.04〜0.15Hz)と高周波数成分HF(例えば0.15Hz以上)との比(LH/HF)を得て、この比をストレス度又は自律神経活動の指標として表示部(51)に表示する。この比(LH/HF)が第1所定値(例えば“2”)以上の場合にはストレス度が高い、また第2所定値(例えば“5”)以上の場合には過度のストレス状態にあると判断できる。
更に、被験者(S)の平均心拍数を算出するために、上記ステップS4で得られた体幹成分抽出信号について、ステップS23〜S28を実行する。具体的には、先ずステップS23にて、体幹成分抽出信号の包絡線を作成する。その後、ステップS24にて、上記体幹成分抽出信号の有効期間として所定区間(例えば20秒相当期間)が経過したか否かを判断し、未経過の場合には上記ステップS23に戻って包絡線の作成を継続し、所定区間が経過すると、ステップS25にて高速フーリエ変換(FFT)を行って、ステップS26にて平均心拍数と、第1スペクトルピークと第2スペクトルピークとの高さ比を算出する。また、ステップS27では、上記ステップS19で選択した最良の分布比率を持つ一連の拍動位置候補に基づいて、平均心拍数の最頻値を算出する。この最頻値は、分布比率/(1−分布比率)により演算する。そして、ステップS28にて、上記ステップS26で算出した平均心拍数及びスペクトル高さ比と、上記ステップS27で算出した平均心拍数の最頻値との間で重み付けし、その後、それ等の相加平均を算出して、その算出した平均心拍数に基づいて、上記ステップS6、S11での所定期間(極大波形の抽出周期)を決定する。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、上記の通り、振動センサ(VS)の振動信号に基づく300秒間分での一連の拍動位置候補について、その拍動間隔変動分布及び拍動間隔分布を作成した。この拍動間隔変動分布や拍動間隔分布では、図10(a)及び(b)に示すように、「波形飛び」がない良好な分布の場合には、心電図から作成した拍動間隔変動分布又は拍動間隔分布(同図に破線で示す)と同様に、実線で示す単分散となり、その最頻分布(M)の全度数に対する分布比率は、心電図から作成した場合の最頻分布の分布比率に近い値を取る。例えば、同図(a)の拍動間隔分布では、振動センサ(VS)の振動信号に基づく場合には、心電図に基づく場合の99.9%に対し、95.1%であり、同図(b)の拍動間隔変動分布では、振動センサ(VS)の振動信号に基づく場合には、心電図に基づく場合の99.7%に対し、92.3%である。
一方、図11(a)及び(b)に示すように、振動センサ(VS)の振動信号に基づく度数分布の場合(実線で示す)に、「波形飛び」のある異常値を多く含むときには、最頻分布(M)の隣りに「1波形飛び」の分布(j1)や「2波形飛び」の分布(j2)が存在して、最頻分布(M)の分布比率は、心電図の場合(破線で示す)の最頻分布の分布比率よりもかなり低い値となる。例えば、同図(a)の拍動間隔分布では、振動センサ(VS)の振動信号に基づく場合には、心電図に基づく場合の99.9%に対し、57.9%であり、同図(b)の拍動間隔変動分布では、心電図に基づく場合の99.7%に対し、39.9%である。
従って、最頻分布(M)の分布比率を算出し,確認すれば、「波形飛び」の有無が判るし、また「波形飛び」のある場合にも、その分布比率は「波形飛び」の発生頻度を反映していて、上記10通りの抽出処理(1〜10)の各々の合否判定や、それ等の中から最良のものを選定する評価値として使用できる。よって、最頻分布(M)の分布比率の値が高いほど、一連の拍動位置候補には「波形飛び」が少なくて、抽出した一連の拍動位置候補の正確度が高いことが判る。
よって、上記抽出処理(1〜10)で得られた20通りの一連の拍動位置候補についての拍動間隔変動分布や拍動間隔分布において、最頻分布(M)の分布比率が最高値のものを選定すれば、「波形飛び」がない又は最も少ない一連の拍動位置候補を選択することができる。そして、この選定した一連の拍動位置候補に基づいて、精度の高いストレス度を算出することが可能になる。
また、上記実施形態では、一連の拍動位置候補の拍動間隔分布及び拍動間隔変動分布の双方を作成した。この拍動間隔分布は、被験者(S)の平均心拍数の変動によって幅広になる傾向を有するため、振動センサ(VS)の振動信号の対象期間(振動信号から有効な拍動位置候補を抽出処理するのに必要な時間分)を平均心拍数の変動が比較的少ない短時間として、拍動間隔分布を作成することが望ましい。一方、拍動間隔変動分布は、振動センサ(VS)からの振動信号の対象期間の長短に拘わらず、被験者(S)の平均心拍数の変動の影響を受け難いので、拍動間隔分布よりも拍動間隔変動分布を作成することが望ましい。
更に、振動センサ(VS)からの振動信号に基づいて一連の拍動位置候補を抽出する場合に、上記振動センサ(VS)の振動信号自体(すなわち、体動信号)と、その振動信号から抽出した体幹成分抽出信号との双方について、上記10通りの抽出処理(1〜10)を行い、合計20通りの一連の拍動位置候補を抽出した。従って、多数の度数分布の中から最頻分布の分布比率が最良の度数分布を持つ一連の拍動位置候補を選定できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態では、振動センサ(VS)を感圧チューブ(31)とマイクロフォン(36)とで構成したが、マイクロフォン(36)を圧力センサに代えても良い。また、振動センサ(VS)を圧電シートと圧電検出回路とで構成しても良いし、静電シートと静電容量検出回路とで構成しても良い。
また、上記実施形態では、振動センサ(VS)の感圧チューブ(31)をソファ(21)の幅方向に配置したが、例えば、背もたれ部(23)にも感圧チューブを上下方向に延びるように配置した振動センサを設けて、複数の振動センサからの振動信号及びそれらの振動信号から抽出する体幹成分抽出信号について、各々、上記10通りの抽出処理(1〜10)を行っても良い。
更に、上記実施形態では、振動センサ(VS)のマイクロフォン(36)をセンサ本体(35)に配置したが、このマイクロフォン(36)を感圧チューブ(31)の端部に配置し、このマイクロフォン(36)の圧力信号を信号線を通じてセンサ本体(35)に伝送しても良い。
また、ストレス度又は自律神経活動の検査時に被験者(S)をソファ(21)に着座させたが、ソファ(21)の他、椅子など、種々の着座具であっても良いし、ベッドなどの寝具に仰臥又は横臥させても良い。
以上説明したように、本発明は、複数抽出した一連の拍動位置候補のうち、心電図のR波相当波形を拍動位置候補として抽出している場合が最も多い一連の拍動位置候補を選定できるので、例えば被験者のストレス度又は自律神経活動を検査する生体情報取得装置として、有用である。
S 被験者(人)
10 生体情報取得装置
21 ソファ
31 感圧チューブ
35 センサ本体
36 マイクロフォン
VS 振動センサ(検出手段)
37 前処理部
38a〜38t 拍動位置候補抽出部(候補抽出手段)
39 度数分布算出部(分布算出手段)
40 分布比率算出部(分布比率算出手段)
41 選定部(選定手段)
42 ゆらぎ算出部(ゆらぎ算出手段)
43 ストレス度算出部(ストレス度算出手段)
51 表示部

Claims (6)

  1. 人(S)の鼓動を含む振動を検出する検出手段(VS)を備えて、人の生体情報を取得する生体情報取得装置であって、
    上記検出手段(VS)からの振動信号に関する信号を対象信号として、一連の拍動位置候補を所定の特定形状に基づいて抽出する複数の候補抽出手段(38a〜38t)と、
    上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)で抽出した各々の一連の拍動位置候補について、拍動間隔に関する度数分布を算出する分布算出手段(39)と、
    上記分布算出手段で算出した複数の度数分布について、各々、全度数に対する最頻分布の分布比率を算出する分布比率算出手段(40)と、
    上記分布比率算出手段(40)で算出した複数の分布比率を、上記一連の拍動位置候補の正確度を示す評価指標として、上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)のうち1つで抽出した一連の拍動位置候補を選定する選定手段(41)とを備えた
    ことを特徴とする生体情報取得装置。
  2. 上記請求項1記載の生体情報取得装置において、
    上記分布算出手段(39)は、
    上記拍動間隔に関する度数分布として、拍動間隔自体の度数分布、又は拍動間隔の変動の度数分布を算出する
    ことを特徴とする生体情報取得装置。
  3. 上記請求項1又は2記載の生体情報取得装置において、
    上記選定手段(41)は、
    上記分布比率算出手段(40)が算出した複数の分布比率のうち最も高い分布比率を持つ一連の拍動位置候補を選定する
    ことを特徴とする生体情報取得装置。
  4. 上記請求項1〜3の何れか1項に記載の生体情報取得装置において、
    上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)は、
    上記検出手段(VS)からの振動信号自体を対象信号として、一連の拍動位置候補を抽出する第1の候補抽出手段(38a〜38j)と、
    上記検出手段(VS)からの振動信号から体幹成分を抽出した体幹成分抽出信号について、一連の拍動位置候補を抽出する第2の候補抽出手段(38k〜38t)とを有する
    ことを特徴とする生体情報取得装置。
  5. 上記請求項1〜4の何れか1項に記載の生体情報取得装置において、
    上記複数の候補抽出手段(38a〜38t)は、
    上記所定の特定形状として波形の振幅を用いた振幅抽出型の候補抽出手段(38a〜38d,38g〜38j, 38k〜38n,38q〜38t)と、
    上記所定の特定形状として波形の極値を用いた極値抽出型の候補抽出手段(38e,38f,38o,38p)と
    を備えたことを特徴とする生体情報取得装置。
  6. 上記請求項1〜5の何れか1項に記載の生体情報取得装置において、
    上記選定手段(41)で選定された一連の拍動位置候補に基づいて、拍動間隔又は拍動間隔変動のゆらぎを算出するゆらぎ算出手段(42)と、
    上記ゆらぎ算出手段(42)が算出した拍動間隔又は拍動間隔変動のゆらぎに基づいて、人(S)のストレス度又は自律神経活動を算出するストレス度算出手段(43)と
    を備えたことを特徴とする生体情報取得装置。
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