JP5996394B2 - 波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法 - Google Patents

波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、測定装置から受信した測定データに基づく波形を表示部に表示する波形表示装置、その波形表示装置を備えた測定システム、および測定装置から受信した測定データに基づく波形を表示部に表示する波形表示方法に関するものである。
通信回線を介して接続されて複数の測定装置が測定データを出力(送信)するシステムとして、特開2008−3871号公報において出願人が開示した計測システムが知られている。この計測システムは、複数の計測モジュール、通信モジュールおよび電源モジュールを備え、これらがモジュールバスを介して接続されて構成されている。この計測システムでは、各計測モジュールが計測対象の物理量をそれぞれ計測してその計測データを通信モジュールに出力し、通信モジュールが公衆回線網などを介して外部機器に計測データを送信する。
一方、出願人は、遠隔地にある計測対象の物理量の波形を表示する表示システムに上記の計測システムを利用している。この表示システムでは、上記の計測システムと波形表示装置とを公衆回線網を介して接続し、計測システム(各計測モジュール)から出力される計測データを入力して波形を表示させる、この場合、この表示システムにおける波形表示装置は、予め決められた一定量の計測データを送信する旨の指示を予め決められた一定の時間間隔で計測システムに対して送信し、これに従って計測システムから送信される計測データをその時間間隔で表示部に出力して波形をスクロール表示させる処理や、送信される計測データを予め決められた規定時間分バッファに記憶させてその分の波形を一度に表示さる処理などを実行する。
特開2008−3871号公報(第4−7頁、第1図)
ところが、上記の計測システムを用いる従来の波形表示装置には、改善すべき以下の課題がある。すなわち、従来の波形表示装置では、一定量の計測データを送信する旨の指示を一定の時間間隔で計測システムに対して送信する。しかしながら、このような指示を送信したとしても、回線の通信速度が低下したときには計測データの送信が滞ることがあり、このようなときには、波形のスムーズなスクロール表示が困難となったり、表示指示をしてから波形が表示されるまでに時間がかかったりするおそれがある。このように、従来の波形表示装置には、通信速度の低下によって波形表示が影響を受けることがあり、この点の改善が望まれている。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、通信速度の低下による波形表示に対する影響を低減し得る波形表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の波形表示装置は、指示信号に従って当該指示信号において指定された指定時間分の測定データを送信する測定装置から受信した当該測定データに基づく波形を表示部に表示可能に構成された波形表示装置であって、前記受信した測定データを記憶する記憶部と、前記指示信号を前記測定装置に送信する指示処理を実行すると共に前記記憶部に記憶されている前記測定データを前記表示部に出力して前記波形を表示させる出力処理を実行する処理部とを備え、前記処理部は、前記波形を表示する表示指示がされたときから予め決められた第1時間が経過した時点で前記指定時間を当該第1時間に指定して1回目の前記指示処理を実行すると共に、2回目以降の前記指示処理において前記指定時間を前記第1時間よりも短い第2時間に指定して直前の前記指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した時点から当該第2時間よりも短い第3時間が経過した時点で当該2回目以降の指示処理を実行し、前記1回目の指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した後に前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記第3時間よりも短い第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記表示部に出力する処理を前記出力処理として実行する。
また、請求項2記載の波形表示装置は、請求項1記載の波形表示装置において、前記処理部は、前記2回目以降の指示処理を実行するときに、前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記表示部に対して未出力の当該測定データのデータ量が少ないときほど当該2回目以降の指示処理において前記第2時間を長い時間に指定する。
また、請求項3記載の波形表示装置は、請求項1または2記載の波形表示装置において、前記記憶部は、複数の前記測定装置からそれぞれ送信される測定データを当該測定装置毎に区分けして記憶可能に構成され、前記処理部は、前記複数の測定装置から受信した前記測定データを当該測定装置毎に区分けして前記記憶部に記憶させる。
また、請求項4記載の波形表示装置は、請求項1から3のいずれかに記載の波形表示装置において、前記記憶部は、前記受信した測定データを記憶する第1メモリと、当該第1メモリから転送される前記測定データを一時的に記憶して前記表示部に出力する第2メモリとを備えて構成され、前記処理部は、前記第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記第1メモリから前記第2メモリに転送させると共に、前記第2メモリに転送させた前記測定データを前記第4時間間隔で前記表示部に出力させる処理を前記出力処理として実行する。
また、請求項5記載の測定システムは、請求項1から4のいずれかに記載の波形表示装置と、当該波形表示装置から送信された前記指示信号を通信回線を介して入力して当該指示信号において指定された前記指定時間分の前記測定データを当該通信回線を介して送信する測定装置とを備えている。
また、請求項6記載の波形表示方法は、指示信号に従って当該指示信号において指定された指定時間分の測定データを送信する測定装置から受信した当該測定データに基づく波形を表示部に表示させる波形表示方法であって、前記波形を表示する表示指示がされたときから予め決められた第1時間が経過した時点で前記指定時間を当該第1時間に指定して前記指示信号を前記測定装置に送信する1回目の指示処理を実行し、2回目以降の前記指示処理において前記指定時間を前記第1時間よりも短い第2時間に指定して直前の前記指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した時点から当該第2時間よりも短い第3時間が経過した時点で当該2回目以降の指示処理を実行し、前記各指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信して記憶部に記憶させ、前記1回目の指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した後に前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記第3時間よりも短い第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記表示部に出力する出力処理を実行して前記波形を前記表示部に表示させる。
請求項1記載の波形表示装置、請求項5記載の測定システム、および請求項6記載の波形表示方法では、波形の表示指示がされたときから第1時間を経過した時点で、第1時間分の測定データの送信を指示する1回目の指示処理を実行し、1回目の指示処理の実行によって送信された測定データを受信した後に出力処理を実行する。つまり、この波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法では、出力処理の開始時点において、ある程度のデータ量の測定データを記憶部に記憶(蓄積)させることができる。このため、この波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法によれば、通信速度が一時的に低下したとしても、この測定データの蓄積分がバッファとして機能して、通信速度の一時的な低下を吸収することができる。したがって、この波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法によれば、記憶部に記憶されている未出力の測定データが不足して、表示部に対する測定データの出力が滞る事態を確実に防止することができる結果、通信速度の低下による波形表示に対する影響を十分に低減することができる。
また、請求項2記載の波形表示装置、および請求項5記載の測定システムでは、2回目以降の指示処理を実行するときに、記憶部に記憶されている未出力の測定データのデータ量が少ないほど第2時間を長い時間に指定する。このため、この波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法によれば、記憶部に記憶されている未出力の測定データのデータ量が少ないときほど、一度に多くのデータ量の測定データを受信することができるため、通信速度が低下した状態が継続したとしても、記憶部に記憶されている未出力の測定データが不足して、表示部に対する測定データの出力が滞る事態を確実に防止することができる。
また、請求項3記載の波形表示装置、および請求項5記載の測定システムによれば、複数の測定装置からそれぞれ送信される測定データを測定装置毎に区分けして記憶可能に記憶部を構成したことにより、複数の測定装置と波形表示装置との間における各処理(指示処理、測定データを記憶部に記憶させる処理、出力処理、および測定装置が測定データを送信する処理など)を測定装置毎に個別に行うことができる。このため、この波形表示装置および測定システムによれば、例えば、複数の測定装置のうちの一部の測定装置と波形表示装置との間の通信速度だけが低下したとしても、他の測定装置と波形表示装置との間では、各処理がスムーズに行われるため、通信速度の低下による全体としての影響を十分少なく抑えることができる。
また、請求項4記載の波形表示装置、および請求項5記載の測定システムでは、受信した測定データを第1メモリに記憶させ、第4時間分の測定データを第4時間間隔で第1メモリから第2メモリに転送させ、第2メモリに転送させた測定データを第4時間間隔で表示部に出力させる。このように構成することにより、第2メモリを記憶部と表示部との間のバッファとして機能させることができる。このため、例えば、記憶部から表示部への測定データの出力が一時的に停滞するような状態となったときに、表示部に対して出力されていない測定データを記憶(貯留)させておくことで、他の処理に対する影響を防止することができる。
測定システム100の構成を示す構成図である。 波形表示装置1の構成を示す構成図である。 測定装置2の構成を示す構成図である。 測定システム100において実行される各処理を説明する説明図である。
以下、波形表示装置、測定システムおよび波形表示方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、測定システム100の構成について説明する。図1に示す測定システム100は、測定システムの一例であって、波形表示装置1および複数(一例として3つ)の測定装置2を備えて構成されている。
波形表示装置1は、波形表示装置の一例であって、図2に示すように、送受信部11、記憶部12、表示部13、操作部14および処理部15を備えて構成されている。
送受信部11は、処理部15の制御に従い、図1に示す通信回線30(一例として、無線通信回線)を介して、測定装置2の後述する送受信部21との間で、指示信号Siの送信、および測定装置2から送信される測定データDmの受信を無線通信で行う。
記憶部12は、図2に示すように、メモリ12a(第1メモリ)およびメモリ12b(第2メモリ)を備えて構成されている。メモリ12aは、処理部15の制御に従い、送受信部11によって受信された(測定装置2から送信された)測定データDmを記憶する。この場合、メモリ12aには、3つの測定装置2にそれぞれ対応する3つ(測定装置2の数と同数)の記憶領域が設けられており、各測定装置2から送信された測定データDmは、対応する記憶領域に個別に記憶される。また、メモリ12aは、処理部15の制御に従い、記憶している測定データDmをメモリ12bに転送する。
メモリ12bは、一例としてリングバッファであって、処理部15の制御に従い、メモリ12aから転送された測定データDmを一時的に記憶すると共に、その測定データDmを表示部13に出力する。この場合、メモリ12bには、各測定装置2にそれぞれ対応する3つ(測定装置2の数と同数)の記憶領域が設けられており、各測定装置2から送信された測定データDmが、対応する記憶領域に個別に記憶される。このように、この波形表示装置1では、複数の測定装置2からそれぞれ送信される測定データDmを測定装置2毎に区分けして記憶可能に記憶部12が構成されている。
表示部13は、一例として、VRAMおよびLCD(いずれも図示せず)を備えて構成され、記憶部12から出力される測定データDmに基づく波形を表示する。
操作部14は、波形の表示を指示するボタン(表示ボタン)や、後述する時間ta(第1時間)、時間tb(第2時間)、時間tc(第3時間)および時間td(第4時間)を設定するための設定キー(いずれも図示せず)などを備えて構成され、これらが操作されたときに操作信号を出力する。
処理部15は、操作部14から出力される操作信号に従って各種の処理を実行する。具体的には、処理部15は、送受信部11を制御して、測定装置2に対して測定データDmの送信を指示する指示信号Siを送信させる指示処理を実行する。また、処理部15は、送受信部11を制御して、測定装置2から送信される測定データDmを受信させる処理を実行する。
また、処理部15は、送受信部11によって受信された測定データDmを記憶部12のメモリ12aに記憶させる記憶処理、およびメモリ12aに記憶されている測定データDmを表示部13に出力する出力処理を実行する。この場合、処理部15は、メモリ12aに記憶されている測定データDmをメモリ12aからメモリ12bに転送させてメモリ12bに一時的に記憶させると共に、メモリ12bに転送させた(一時的に記憶させた)測定データDmを表示部13に出力させる処理を出力処理として実行する。また、処理部15は、複数の測定装置2から測定データDmが送信されるときには、各測定データDmをメモリ12aにおける測定装置2に対応する記憶領域に個別に記憶させ、その測定データDmをメモリ12bにおける測定装置2に対応する記憶領域に転送させる。このように、この波形表示装置1では、処理部15が、複数の測定装置2からそれぞれ送信される測定データDmを測定装置2毎に区分けして記憶部12に記憶させる。
測定装置2は、図3に示すように、送受信部21、測定部22、記憶部23および処理部24を備えて構成されている。送受信部21は、処理部24の制御に従い、図1に示す通信回線30を介して、波形表示装置1の送受信部11との間で、指示信号Siの受信、および測定データDmの送信を無線通信で行う。
測定部22は、測定対象の物理量(電流値、電圧値、抵抗値、電力値および位相などの電気的パラメータや、温度、湿度、輝度(光度)、照度、雨量および流量などの各種パラメータであって、この例では、電線に流れる電流)を測定して、測定データDmを出力する測定処理を実行する。記憶部23は、処理部24の制御に従い、測定部22から出力された測定データDmを記憶する。
処理部24は、測定部22を制御して測定処理を実行させる。また、処理部24は、測定部22から出力された測定データDmを記憶部23に記憶させる。さらに、処理部24は、送受信部21によって受信された指示信号Siに従い、指示信号Siにおいて指定された指定時間ts分の測定データDmを記憶部23から読み出して、その測定データDmを送受信部21から波形表示装置1に送信させる送信処理を実行する。
次に、測定システム100の動作および波形表示装置1による波形表示方法について、図面を参照して説明する。なお、通信回線30が平均的な通信速度を維持している状態では、波形表示装置1から指示信号Siを送信したときを起点として、測定装置2から送信された800ms〜1000ms分の測定データDmを波形表示装置1が受信するまでの時間(以下「通信時間」ともいう)が、平均で300ms程度であるものとする。
この測定システム100では、測定装置2が測定対象の物理量の測定を行う。具体的には、測定装置2の測定部22が、処理部24の制御に従って測定処理を実行し、例えば、測定対象としての電線に流れる電流をサンプリングして測定データDmを出力する。また、処理部24が、測定部22から出力された測定データDmを記憶部23に記憶させる。
一方、波形表示装置1に測定データDmに基づく波形を表示させる際には、波形の表示を指示するのに先立ち、操作部14を操作して、時間ta、時間tb、時間tcおよび時間tdを設定する。この場合、時間taは、波形を表示する表示指示がされたとき(操作部14の表示ボタンが操作されたとき)から1回目の指示処理を実行するまでの時間(待機時間)に相当する。一例として、この時間taを1000ms(1秒)に設定する。また、時間tbは、2回目以降の指示処理において指定時間tsとして指定する時間であって、この例では、時間taよりも短い800ms(0.8秒)をこの時間tbの初期値として設定するものとする。この場合、800msは、後述する時間tcとして設定する500msと平均的な通信時間である300msとの和に相当する。
また、時間tcは、2回目以降の指示処理を実行するタイミングを規定する時間であって、この例では、この時間tcを時間tbよりも短い500ms(0.5秒)に設定するものとする。この場合、直前の指示処理の実行によって測定装置2から送信された測定データDmを波形表示装置1が受信した時点からこの時間tcが経過した時点で、2回目以降の指示処理が処理部15によって実行される。また、時間tdは、記憶部12に記憶されている測定データDmの中から1回の出力処理において表示部13に出力する測定データDmのデータ量(時間長)に対応する時間、および表示部13に対して測定データDmを出力する時間間隔(つまり、出力処理を実行する時間間隔)に相当し、この例では、この時間tdを時間tcよりも短い100ms(0.1秒)に設定するものとする。つまり、この波形表示装置1では、各時間ta,tb,tc,tdの長短が、時間ta>時間tb>時間tc>時間tdの関係となるように設定されている。
次いで、操作部14の表示ボタンを操作して、波形の表示を指示する。この際に、操作部14が操作信号を出力し、処理部15が操作信号に応じて処理を開始する。具体的には、処理部15は、図4に示すように、波形表示が指示された時点から上記した時間ta(この例では、1000ms)が経過するまで待機し、時間taが経過した時点で1回目の指示処理を実行する(図4参照)。この1回目の指示処理では、処理部15は、測定装置2に対して測定データDmを送信させる送信処理(1回目の送信処理)の実行を指示する指示信号Siを生成する。また、処理部15は、1回目の送信処理において送信させる測定データDmのデータ量に相当する指定時間tsを、この指示信号Siに含める。この場合、処理部15は、この1回目の送信処理において1000ms(時間taと同じ時間)を指定時間tsとして指定する。
続いて、処理部15は、送受信部11を制御して、生成した指示信号Siを送信させる。この際に、測定装置2の送受信部21が、波形表示装置1の送受信部11から送信された指示信号Siを通信回線30を介して受信する。次いで、測定装置2の処理部24が、受信した指示信号Siに従って送信処理をそれぞれ実行する。この送信処理では、処理部24は、指示信号Siにおいて指定されている指定時間ts分(この例では、1000ms分)の測定データDmを記憶部23から読み出して、その測定データDmを送受信部21から波形表示装置1に送信させる。
続いて、波形表示装置1の送受信部11が測定装置2の送受信部21から送信された測定データDmを受信し、次いで、処理部15が、その測定データDmをメモリ12aに記憶させる記憶処理を実行する(図4参照)。この場合、複数の測定装置2から測定データDmが送信されたときには、処理部15は、各測定装置2に対応付けられたメモリ12a内の記憶領域に測定データDmをそれぞれ記憶させる。なお、同図に示すように、1回目の通信時間が300msであったものとする。
続いて、処理部15は、出力処理を実行する。この出力処理では、処理部15は、図4に示すように、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの時間td分(この例では、100ms分)の測定データDmを時間td間隔(100ms間隔)でメモリ12aからメモリ12bに転送させてメモリ12bに一時的に記憶させる。また、処理部15は、メモリ12bに転送させた測定データDmを時間td間隔(100ms間隔)で表示部13に出力させる。この場合、複数の測定装置2から送信された測定データDmがメモリ12aに記憶されているときには、処理部15は、各測定装置2に対応付けられたメモリ12b内の記憶領域に測定データDmをそれぞれ一時的に記憶させて、表示部13に出力させる。以後、処理部15は、波形の表示を停止(終了)する指示がされるまで、この出力処理を継続して実行する。
一方、表示部13は、メモリ12bから100ms間隔で出力される100ms分の測定データDmに基づく100ms分の波形を表示させる処理を、繰り返して実行する。これにより、表示部13によって波形がスクロール表示される。この場合、この波形表示装置1および測定システム100では、上記したように、波形の表示指示がされたときから時間taを経過した時点で、時間ta分の測定データDmの送信を指示する1回目の指示処理を実行し、1回目の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した後に出力処理を実行する。つまり、この波形表示装置1および測定システム100では、出力処理の開始時点において、ある程度のデータ量の測定データDmがメモリ12aに記憶(蓄積)されている。このため、この波形表示装置1および測定システム100では、通信速度が一時的に低下したとしても、この測定データDmの蓄積分がバッファとして機能して、通信速度の一時的な低下を吸収することが可能となっている。したがって、この波形表示装置1および測定システム100では、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの表示部13に対して出力していない(メモリ12bに転送していない)未出力の測定データDmが不足して、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞る事態を確実に防止することができる結果、表示部13による波形のスムーズなスクロール表示が継続される。
次いで、処理部15は、図4に示すように、1回目の指示処理(直前の指示処理)の実行によって(つまり、1回目の送信処理によって)送信された測定データDmを受信した時点から上記した時間tc(この例では、500ms)が経過した時点で2回目の指示処理を実行する。2回目の指示処理では、処理部15は、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの未出力の測定データDmのデータ量を特定する。
図4に示すように、この時点では、600ms分の未出力の測定データDmがメモリ12aに記憶(蓄積)されている。このため、2回目の通信時間が300ms程度(平均的な通信時間)であると仮定すると、2回目の送信処理において測定装置2から送信される測定データDmの波形表示装置1による受信開始直前の時点で、300msの測定データDmがメモリ12aに記憶されていることとなり、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞ることなく継続される。このような状態では、処理部15は、初期値として設定した時間tb(この例では、800ms)を指定時間tsとして指定して、その指定時間tsを含めた指示信号Siを出力させる。
続いて、測定装置2の処理部24が、2回目の送信処理を実行して、図4に示すように、指示信号Siにおいて指定されている指定時間ts分(この例では、800ms分)の測定データDmを記憶部23から読み出して、送受信部21から波形表示装置1に送信させる。次いで、波形表示装置1の送受信部11が測定データDmを受信し、続いて、処理部15が、記憶処理を実行して、測定データDmをメモリ12aに記憶させる。この場合、2回目の通信時間が300msであったものとする。
続いて、処理部15は、図4に示すように、直前(2回目)の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した時点から時間tc(500ms)が経過した時点で3回目の指示処理を実行する。
この場合、図4に示すように、この時点では、600ms分の未出力の測定データDmがメモリ12aに記憶されている。このため、3回目の通信時間が300ms程度と仮定すると、3回目の送信処理において測定装置2から送信される測定データDmの波形表示装置1による受信開始直前の時点で、300msの測定データDmがメモリ12aに記憶されていることとなる。このため、処理部15は、上記した2回目の指示処理と同様にして、800msを指定時間tsとして指定して、その指定時間tsを含めた指示信号Siを出力させる。
次いで、各測定装置2の処理部24が、3回目の送信処理を実行して、図4に示すように、800ms分の測定データDmを波形表示装置1に送信させる。続いて、波形表示装置1の処理部15が、記憶処理を実行して、送受信部11によって受信された測定データDmをメモリ12aに記憶させる。この場合、通信回線30が輻輳状態であったことなどに起因して通信速度が低下し、3回目の通信時間が300ms(平均的な通信時間)よりも長い400msであったものとする。
続いて、処理部15は、図4に示すように、直前(3回目)の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した時点から時間tc(500ms)が経過した時点で4回目の指示処理を実行する。
ここで、図4に示すように、この時点では、500ms分の未出力の測定データDmがメモリ12aに記憶されている。つまり、この時点で、2回目および3回目の指示処理において特定したときよりも、未出力の測定データDmのデータ量が減少している。これは、3回目の通信時間が長かった(通信速度が低下した)ことに起因するものであり、このような通信速度が低下した状態が継続すると、次の送信処理によって送信される測定データDmを受信する以前にメモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmが不足して、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞り、これによって表示部13による波形のスクロール表示が困難となるおそれがある。このような状態では、処理部15は、初期値として設定した時間tb(800ms)よりも長くかつ時間ta(1000ms)よりも短い時間(例えば、900ms)を指定時間tsとして指定して、その指定時間tsを含めた指示信号Siを出力させる。つまり、処理部15は、2回目以降の指示処理を実行するときに、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの未出力の測定データDmのデータ量が少ないときほど指定時間tsとしての時間tbを長い時間に指定する。
次いで、各測定装置2の処理部24が、4回目の送信処理を実行して、図4に示すように、900ms分の測定データDmを波形表示装置1に送信させる。続いて、波形表示装置1の処理部15が、記憶処理を実行して、受信された測定データDmをメモリ12aに記憶させる。この場合、通信速度が低下した状態が継続して、4回目の通信時間が400msであったものとする。
続いて、処理部15は、図4に示すように、直前(4回目)の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した時点から時間tc(500ms)が経過した時点で5回目の指示処理を実行する。この場合、同図に示すように、この時点では、4回目の指示処理において特定したときと同じデータ量である500ms分の未出力の測定データDmがメモリ12aに記憶されている(つまり、2回目および3回目の指示処理において特定したときのデータ量よりも減少した状態が継続している)。このため、処理部15は、上記した4回目の指示処理と同様にして、900msを指定時間tsとして指定して、その指定時間tsを含めた指示信号Siを出力させる。
次いで、各測定装置2の処理部24が、5回目の送信処理を実行して、図4に示すように、900ms分の測定データDmを波形表示装置1に送信させる。続いて、波形表示装置1の処理部15が、記憶処理を実行して、受信された測定データDmをメモリ12aに記憶させる。この場合、通信速度が平均的な通信速度に回復して、5回目の通信時間が300msであったものとする。
続いて、処理部15は、図4に示すように、直前(5回目)の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した時点から時間tc(500ms)が経過した時点で6回目の指示処理を実行する。
この場合、図4に示すように、通信速度が回復して通信時間が平均的な通信時間となったことにより、この時点では、2回目および3回目の指示処理において特定したときと同じデータ量である600ms分の未出力の測定データDmがメモリ12aに記憶されている(つまり、5回目の指示処理において特定したときよりもデータ量が増加している)。このため、処理部15は、2回目および3回目の指示処理と同様にして、4回目および5回目の指示処理において指定時間tsとして指定した900msよりも短い800msを指定時間tsとして指定して、その指定時間tsを含めた指示信号Siを出力させる。
つまり、処理部15は、2回目以降の指示処理を実行するときに、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの未出力の測定データDmのデータ量が多いときほど指定時間tsとしての時間tbを短い時間に指定する。
次いで、各測定装置2の処理部24が、6回目の送信処理を実行して、図4に示すように、800ms分の測定データDmを波形表示装置1に送信させる。続いて、波形表示装置1の処理部15が、記憶処理を実行して、受信された測定データDmをメモリ12aに記憶させる。この場合、6回目の通信時間が300msであったものとする。
以下、波形の表示を停止(終了)する指示がされるまで、処理部15が、指示処理(図4に示す7回目以降の指示処理)、記憶処理および出力処理を実行し、測定装置2が送信処理(同図に示す7回目以降の送信処理)を実行する。この場合、処理部15は、上記したように、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの未出力の測定データDmのデータ量に応じて、送信処理において指定する指定時間tsを増減させる。具体的には、未出力の測定データDmのデータ量が少ないときほど指定時間tsを長い時間に(時間ta未満の範囲内で)指定し、未出力の測定データDmのデータ量が多いときほど指定時間tsを短い時間に指定する。この波形表示装置1および測定システム100では、このような処理を実行することで、一度に多くのデータ量の測定データDmを受信することができるため、通信速度が低下した状態が継続したとしても、メモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmが不足して、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞る事態を確実に防止することが可能となっている。
また、この波形表示装置1および測定システム100では、複数の測定装置2からそれぞれ送信される測定データDmを測定装置2毎に区分けして記憶可能に記憶部12が構成され、処理部15が各測定装置2から受信した測定データDmを測定装置2毎に区分けして記憶部12に記憶させる。このため、複数の測定装置2と波形表示装置1との間における各処理(指示処理、記憶処理、出力処理および送信処理)を測定装置2毎に個別に行うことが可能となっている。したがって、この波形表示装置1および測定システム100では、例えば、複数の測定装置2のうちの一部の測定装置2と波形表示装置1との間の通信速度だけが低下して、その測定装置2と波形表示装置1との間における各処理がスムーズに行われない状態となったとしても、他の測定装置2と波形表示装置1との間では、各処理がスムーズに行われるため、通信速度の低下による全体としての影響を少なく抑えることが可能となっている。
このように、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法では、波形の表示指示がされたときから時間taを経過した時点で、時間ta分の測定データDmの送信を指示する1回目の指示処理を実行し、1回目の指示処理の実行によって送信された測定データDmを受信した後に出力処理を実行する。つまり、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法では、出力処理の開始時点である程度のデータ量の測定データDmをメモリ12aに記憶(蓄積)させることができる。このため、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法によれば、通信速度が一時的に低下したとしても、この測定データDmの蓄積分がバッファとして機能して、通信速度の一時的な低下を吸収することができる。したがって、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法によれば、メモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmが不足して、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞る事態を確実に防止することができる結果、通信速度の低下による波形表示に対する影響を十分に低減することができる。
また、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法では、2回目以降の指示処理を実行するときに、メモリ12aに記憶されている測定データDmのうちの未出力の測定データDmのデータ量が少ないほど指定時間ts(時間tb)を長い時間に指定する。このため、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法によれば、メモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmのデータ量が少ないときほど、一度に多くのデータ量の測定データDmを受信することができるため、通信速度が低下した状態が継続したとしても、メモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmが不足して、メモリ12bおよび表示部13に対する測定データDmの転送および出力が滞る事態を確実に防止することができる。
また、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法によれば、複数の測定装置2からそれぞれ送信される測定データDmを測定装置2毎に区分けして記憶可能に記憶部12を構成したことにより、複数の測定装置2と波形表示装置1との間における各処理(指示処理、記憶処理、出力処理および送信処理)を測定装置2毎に個別に行うことができる。このため、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法によれば、例えば、複数の測定装置2のうちの一部の測定装置2と波形表示装置1との間の通信速度だけが低下したとしても、他の測定装置2と波形表示装置1との間では、各処理がスムーズに行われるため、通信速度の低下による全体としての影響を十分少なく抑えることができる。
また、この波形表示装置1、測定システム100および波形表示方法では、受信した測定データDmをメモリ12aに記憶させ、時間td分の測定データDmを時間td間隔でメモリ12aからメモリ12bに転送させ、メモリ12bに転送させた測定データDmを時間td間隔で表示部13に出力させる。このように構成することにより、メモリ12bを記憶部12と表示部13との間のバッファとして機能させることができる。このため、例えば、記憶部12から表示部13への測定データDmの出力が一時的に停滞するような状態となったときに、表示部13に対して出力されていない測定データDmを記憶(貯留)させておくことで、他の処理に対する影響を防止することができる。
なお、本発明は、上記の構成および方法に限定されない。例えば、2回目以降の指示処理を実行するときにメモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmのデータ量に応じて指定時間ts(時間tb)を増減させる構成および方法について上記したが、直前の指示処理を実行してから測定データDmを受信するまでに要した時間(通信時間)に応じて次の送信処理において指定する指定時間ts(時間tb)を増減させる構成および方法を採用することもできる。この場合、通信時間が長いときほど、次の指示処理において指定する指定時間ts(時間tb)を長く指定し、通信時間が短いときほど、次の指示処理において指定する指定時間ts(時間tb)を短く指定することで、上記したように構成および方法と同様の効果を実現することができる。
また、指定時間ts(時間tb)を増減させずに、同じ時間に固定する構成および方法を採用することもできる。
また、時間tcが固定されている(時間tcが変更しない)構成および方法について上記したが、時間tcを変更する構成および方法を採用することもできる。具体的には、例えば、直前の指示処理の実行によって測定データDmを受信した時点においてメモリ12aに記憶されている未出力の測定データDmのデータ量が少ないほど、次の指示処理を実行するまでの時間tcを短く変更したり、直前の指示処理を実行してから測定データDmを受信するまでに要した時間(通信時間)が長いほど、次の指示処理を実行するまでの時間tcを短く変更したりする構成および方法を採用することができる。
また、波形表示装置1と測定装置2とが通信回線30を介して指示信号Siや測定データDmの送受信通を無線通信で行う構成および方法について上記したが、有線の通信回線を介して波形表示装置1と測定装置2とが送受信通を有線通信で行う構成および方法を採用することもできる。
また、3台の測定装置2から送信される測定データDmに基づく波形を表示する構成および方法について上記したが、測定装置2の数はこれに限定されず、1台、2台または4台以上の任意の数の測定装置2から送信される測定データDmに基づく波形を表示することができる。
また、メモリ12aおよびメモリ12b(つまり、2種類の記憶素子)を備えた記憶部12を用いる構成および方法について上記したが、1つの種類の記憶素子で構成した記憶部12を用いる構成および方法を採用することもできる。
1 波形表示装置
2 測定装置
11 送受信部
12 記憶部
12a,12b メモリ
13 表示部
15 処理部
21 送受信部
30 通信回線
100 測定システム
Dm 測定データ
Si 指示信号
ta〜td 時間
ts 指定時間

Claims (6)

  1. 指示信号に従って当該指示信号において指定された指定時間分の測定データを送信する測定装置から受信した当該測定データに基づく波形を表示部に表示可能に構成された波形表示装置であって、
    前記受信した測定データを記憶する記憶部と、前記指示信号を前記測定装置に送信する指示処理を実行すると共に前記記憶部に記憶されている前記測定データを前記表示部に出力して前記波形を表示させる出力処理を実行する処理部とを備え、
    前記処理部は、前記波形を表示する表示指示がされたときから予め決められた第1時間が経過した時点で前記指定時間を当該第1時間に指定して1回目の前記指示処理を実行すると共に、2回目以降の前記指示処理において前記指定時間を前記第1時間よりも短い第2時間に指定して直前の前記指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した時点から当該第2時間よりも短い第3時間が経過した時点で当該2回目以降の指示処理を実行し、前記1回目の指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した後に前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記第3時間よりも短い第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記表示部に出力する処理を前記出力処理として実行する波形表示装置。
  2. 前記処理部は、前記2回目以降の指示処理を実行するときに、前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記表示部に対して未出力の当該測定データのデータ量が少ないときほど当該2回目以降の指示処理において前記第2時間を長い時間に指定する請求項1記載の波形表示装置。
  3. 前記記憶部は、複数の前記測定装置からそれぞれ送信される測定データを当該測定装置毎に区分けして記憶可能に構成され、
    前記処理部は、前記複数の測定装置から受信した前記測定データを当該測定装置毎に区分けして前記記憶部に記憶させる請求項1または2記載の波形表示装置。
  4. 前記記憶部は、前記受信した測定データを記憶する第1メモリと、当該第1メモリから転送される前記測定データを一時的に記憶して前記表示部に出力する第2メモリとを備えて構成され、
    前記処理部は、前記第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記第1メモリから前記第2メモリに転送させると共に、前記第2メモリに転送させた前記測定データを前記第4時間間隔で前記表示部に出力させる処理を前記出力処理として実行する請求項1から3のいずれかに記載の波形表示装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の波形表示装置と、当該波形表示装置から送信された前記指示信号を通信回線を介して入力して当該指示信号において指定された前記指定時間分の前記測定データを当該通信回線を介して送信する測定装置とを備えている測定システム。
  6. 指示信号に従って当該指示信号において指定された指定時間分の測定データを送信する測定装置から受信した当該測定データに基づく波形を表示部に表示させる波形表示方法であって、
    前記波形を表示する表示指示がされたときから予め決められた第1時間が経過した時点で前記指定時間を当該第1時間に指定して前記指示信号を前記測定装置に送信する1回目の指示処理を実行し、2回目以降の前記指示処理において前記指定時間を前記第1時間よりも短い第2時間に指定して直前の前記指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した時点から当該第2時間よりも短い第3時間が経過した時点で当該2回目以降の指示処理を実行し、前記各指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信して記憶部に記憶させ、前記1回目の指示処理の実行によって送信された前記測定データを受信した後に前記記憶部に記憶されている前記測定データのうちの前記第3時間よりも短い第4時間分の測定データを当該第4時間間隔で前記表示部に出力する出力処理を実行して前記波形を前記表示部に表示させる波形表示方法。
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