JP5996210B2 - シャープペンシル - Google Patents

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Description

この発明は、筆記圧を利用して例えば筆記芯(替え芯)を回転させることができるシャープペンシルに関し、特に筆記芯等を回転駆動させる回転駆動機構の改良に関する。
シャープペンシルは周知のとおり、筆記の進行と共に筆記芯が偏減りするために、描線の太さが変化するという問題を抱えている。
そこで、本件出願人は筆記芯に加わる筆記圧を利用して、筆記芯を除々に一方向に回転させることができる回転駆動機構を備えたシャープペンシルについて先に提案しており、これは特許文献1および2などに開示されている。
このシャープペンシルによると、軸筒を筆記面(紙面)に対して例えば40〜80度程度傾けた状態で筆記した場合、一画文字を書くたびごとに筆記芯が僅かに一方向に回転駆動されるので、筆記芯の先端部は常に円錐形状にとがった状態に保たれる。これにより、常にほぼ同一の線幅をもって筆記をすることが可能となる。
国際公開WO2007/142135号公報 特開2009−160736号公報
ところで、前記した従来のシャープペンシルに利用される筆記芯の回転駆動機構においては、筆記圧を受けて軸方向に移動する回転カムと、この回転カムの軸方向における上下のカム面を挟むようにして対峙する第1および第2の固定カムが具備されている。
そして、前記回転カムには、軸方向の上下両面に円環状に連続した鋸歯状のカム面がそれぞれ形成され、さらに前記第1および第2の固定カムは、円筒状に形成された第1と第2の固定カム形成部材に円環状に連続した鋸歯状のカム面がそれぞれ形成され、前記2つの固定カム形成部材が同軸状に位置決めして配置された構成が採用されている。
前記した筆記芯の回転駆動機構においては、筆記芯に筆記圧が加わった時に回転カムが僅かに後退し、回転カム側の一方のカム面がこれに対峙する第1の固定カム面に当接して噛み合い、前記回転カムを一方向に回転させるように動作する。
また筆記芯に対する筆記圧が解除された場合には、回転カムが僅かに前進し、回転カム側の他方のカム面がこれに対峙する第2の固定カム面に当接して噛み合い、前記回転カムを同方向に回転させるように動作する。そして、前記回転カムの回転運動はチャックを介して筆記芯に伝達され、これにより筆記芯は筆記に伴い常に一方向に回転されるように作用する。
前記した回転駆動機構によると、前記回転カムは金属製のコイルばね(クッションスプリング)により、常に軸方向の前方に押し出されるように構成されており、これにより回転カムは筆記圧を受けて僅かに後退し、その解除により前進するように、すなわちクッション動作がなされる。
前記した筆記芯の回転駆動機構によると、回転カムを軸方向に押し出すために金属製のコイルばねが用いられているので、このコイルばね単体の他に、当該コイルばねの端部を受けるばね受け部材(ストッパー)が別部品として必要であり、このために回転駆動機構の部品点数の増大や、回転駆動機構を組み立てる場合の工数の増加は免れない。また単体の各部品の組み合わせのために精度を確保することも困難になる。
さらに金属製のコイルばねによる前記したクッション動作は、独特の違和感を伴うために筆記の感触が好ましくないという問題がある。このために例えば特開2009−160737号公報に開示されているように、回転駆動機構の一部に粘着性のグリースを注入してダンパー効果を持たせるなどの別な工夫も必要となる。
この発明は、前記したシャープペンシルに採用される回転駆動機構における問題点を解消すべくなされたものであり、回転カムを軸方向の前方に付勢する構成部分の簡素化が図れると共に、前記した粘着性のグリース等を利用することなく筆記の感触を向上させることができ、また機構全体の精度の向上、ならびに組み立ての容易性も確保することができるシャープペンシルを提供することを課題とするものである。
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかるシャープペンシルは、筆記芯が受ける筆記圧に基づいて回転カムを回転駆動させる回転駆動機構が備えられ、前記回転カムの回転運動を利用するように構成したシャープペンシルであって、前記回転駆動機構には前記回転カムを軸方向の前方に付勢するクッション部材が配置されることで、前記筆記圧を受けて前記回転カムを軸方向に後退させると共に、筆記圧の解除により前記回転カムを軸方向に前進させて当該回転カムに回転運動を与えるように構成され、前記クッション部材は、前記回転カムを支持するホルダー部材に対して、軟質材からなる素材を一体に成形したことを特徴とする。
この場合、前記クッション部材と回転カムとの間には、前記回転カムの軸方向の後端面に接して回転カムとの間で滑り動作がなされる滑り部材が具備されることが望ましく、前記滑り部材は前記クッション部材を介して前記ホルダー部材に二色成形により連結された構成が採用される。
また、好ましい形態においては、前記クッション部材が筒状に形成され、筒状の面に窓孔を形成して、前記クッション部材の軸方向の弾力性を高めた構成にされる。
そしてこの発明は、前記回転駆動機構における回転カムの回転運動を、筆記芯に伝達するように構成したシャープペンシルに好適に採用することができる。
前記したこの発明にかかるシャープペンシルに用いられる回転駆動機構によると、回転カムを軸方向の前方に付勢するクッション部材が、回転カムを支持するホルダー部材に対して二色成形により形成されているので、単品の部品を組み立てる場合に比較して工数を削減できると共に構成を簡素化することができ、さらに回転駆動機構全体の組み立て精度を向上させることにも寄与できる。
加えて、前記したクッション部材としてエラストマー等の軟質のゴム素材が用いられているので、クッション部材に金属のばねを利用した従来のものに比較して、筆記に独特の違和感が生ずるのを防いで感触を良好にすることができ、さらに粘着性のグリースも省略することができる。
この発明にかかるシャープペンシルの前半部を示した断面図である。 同じく後半部を示した断面図である。 回転駆動機構を回転カムを除いた状態で示した斜視図である。 図3に示す回転駆動機構における正面図および上面図である。 図4に示すA−A線およびB−B線より矢印方向に視た断面図である。 回転カムを装着した状態の回転駆動機構の外観構成を示した斜視図である。 図6に示す回転駆動機構における正面図および上面図である。 図7に示すC−C線およびD−D線より矢印方向に視た断面図である。
この発明にかかるシャープペンシルについて、筆記圧に基づいて筆記芯を回転駆動するようにした実施の形態に基づいて説明する。なお、以下に示す各図においては同一部分を同一符号で示しているが、紙面の都合により一部の図面においては、代表的な部分に符号を付け、その詳細な構成はその他の図面に付した符号を引用して説明する場合もある。
図1および図2はシャープペンシルの全体構成を、その前半部と後半部に分けて説明するものである。先ず図1において、軸筒を構成する先軸1の先端部には、口先部材2が螺合されることで、先軸1に対して着脱可能に取り付けられている。そして、前記先軸1および後述する後軸の軸芯に沿って筒状の芯ケース3が収容されており、この芯ケース3の先端部には短軸の芯ケース継手4が取り付けられ、前記芯ケース継手4を介して真ちゅう製のチャック5が連結されている。
前記チャック5内には、その軸芯に沿って図示せぬ筆記芯の通孔が形成され、また先端部が複数(例えば3つ)に分割されて、分割された先端部は真ちゅうによりリング状に形成された締め具6内に遊嵌されている。またリング状の前記締め具6は前記チャック5の周囲を覆うようにして配置された中継パイプ7の先端部内面に装着されている。
なお、この中継パイプ7の後端部は筆記圧を利用して筆記芯(替え芯)を回転させる後述する回転駆動機構に接続されている。
前記中継パイプ7の前端部には、前記した口先部材2内に収容されてその前端部が口先部材2より突出される円筒状のスライダー8が中継パイプ7に対して嵌合されることで取り付けられ、さらにスライダー8の前端部には、筆記芯を案内する先端パイプ9がパイプ保持具10を介して取り付けられている。
また、前記スライダー8の内周面におけるパイプ保持具10の直後には、軸芯部分に通孔を形成したゴム製の保持チャック12が収容されている。
前記した構成により、芯ケース3に続くチャック5内に形成された通孔、および前記保持チャック12の軸芯に形成された通孔を介して、先端パイプ9に至る直線状の芯挿通孔が形成されており、この直線状の芯挿通孔内に図示せぬ筆記芯が挿通される。そして、前記した中継パイプ7と芯ケース継手4との間には、コイル状のチャックスプリング13が配置されている。
すなわち、前記チャックスプリング13は、その前端部が中継パイプ7の内周面に形成された環状の段部に当接し、チャックスプリング13の後端部は前記芯ケース継手4の前端面に当接した状態で収容されている。したがって、前記チャックスプリング13の作用により、前記チャック5は中継パイプ7内を後退してその先端部がリング状の締め具6内に収容される方向に、すなわち筆記芯を把持する方向に付勢されている。
軸筒を構成する前記した先軸1には例えばゴムなどの弾性素材により形成されたグリップ部材14が先軸1を取り巻くようにして装着されている。このグリップ部材14を先軸1に装着するにあたっては、先に飾りリングとして機能する透明な樹脂素材により形成された透明リング15が先軸2の先端部側から装着される。
この透明リング15は、先軸に一体に成形された環状の鍔部1aによって位置決めされ、続いて前記グリップ部材14が同方向から先軸1を取り巻くようにして装着される。その後に、前記した口先部材2が先軸1の前端部に螺合されることで、前記透明リング15およびグリップ部材14が軸方向に抜け出ることなく、前記先軸1に取り付けられる。
前記した飾りリングとして機能する透明リング15は、予め先軸1に巻回されるようにして貼り付けられている加飾シール16を覆い、このシール16の周面が視認できるように構成されている。
この加飾シール16には、金もしくは銀色などの光沢のある印刷が施され、その適宜の位置には印刷が施されない透明部分が形成されている。そして、この透明部分および透明な樹脂素材により成形された前記先軸1を透視して、内部の中継パイプ7の一部が視認できるように構成されている。
これにより、後述する回転駆動機構によって中継パイプ7が回転駆動される様子を、透明リング15を介して確認することができる。
前記した先軸1の後端部には、軸筒を構成する後軸18の前端部内面が嵌合されて取り付けられており、この後軸18の前半部分には図2に示されているように、筆記芯の回転駆動機構21が収容されている。
この回転駆動機構21には前記したとおり中継パイプ7の後端部が接続されており、この中継パイプ7は筆記動作に基づく筆記芯の僅かな後退および前進動作(クッション動作)を前記チャック5を介して受けて、回転駆動機構21に伝達させると共に、クッション動作によって生ずる前記回転駆動機構21による回転運動を、前記中継パイプ7を介して前記チャック5に伝達させるように作用する。
これにより、チャック5に把持された図示せぬ筆記芯は、筆記動作に伴い前記回転駆動機構21による回転運動を受けることになる。
なお、前記回転駆動機構21は、その前端部において前記先軸1との間に介在された軸スプリング22によって後方に付勢されている。また回転駆動機構21の後端部は前記後軸18内の縮径により形成された段部18aに、前記軸スプリング22の付勢力により当接している。
すなわち、この実施の形態においては、前記回転駆動機構21は後軸18内の段部18aに当接することによる摩擦により回動が規制され、前記したクッション動作によって生ずる前記回転駆動機構21による回転運動を、前記チャック5側に伝達させるように作用する。
前記回転駆動機構21は、その外郭がホルダー部材23により構成され、このホルダー部材23に円筒状に形成された回転カム24が回転可能に装着されている。そして、前記した中継パイプ7は、回転駆動機構21の前端部において、前記回転カム24の内周面に嵌合することで結合されている。
また、前記ホルダー部材23にはゴム製のクッション部材25が二色成形により取り付けられており、このクッション部材25を介してトルクキャンセラー26(以下、これを滑り部材とも言う。)が同じく二色成形により連結されている。
前記トルクキャンセラー26は、クッション部材25の反対面において前記回転カム24の後端面に滑りながら当接し、前記クッション部材25の弾性により、前記回転カム24を軸方向の前方に押し出す作用を与えている。
なお、前記回転カム24、クッション部材25およびトルクキャンセラー26の内周面は、前記芯ケース3を通す空間部になされており、これにより回転駆動機構21は芯ケース3とは隔離されている。
前記回転駆動機構21は、前記したホルダー部材23、回転カム24、クッション部材25および滑り部材として機能するトルクキャンセラー26等を備えてユニット化されており、このユニット化された回転駆動機構21の構成については、図3〜図8に基づいて後で詳細に説明する。
前記した後軸18の後半部分、すなわち回転駆動機構21の後部側にはノック棒31が軸方向に摺動可能に装着されている。このノック棒31の前端部は円環状の楔形突出部31aになされており、この楔形突出部31aが後軸18内に形成された環状突起18bを乗り越えて取り付けられている。
そして、環状突起18bとノック棒31との間にはコイル状のノック棒スプリング32が配置され、このスプリング32によって、前記ノック棒31を後軸18の後端部側に向けて付勢するように構成されている。
また、ノック棒31の中央よりも若干後端部寄りには、筆記芯の補給孔31cを備えた当接部31bが形成されており、さらにこのノック棒31の後端部には、消しゴム33が着脱可能に装着されると共に、前記消しゴム33を覆うノックカバー34がノック棒31の後端部の周面に着脱可能に取り付けられている。
なお、前記ノック棒31の当接部31bと、前記した芯ケース3の後端部とは所定の間隔をもって対峙した構成にされている。この構成によると、筆記による前記したクッション動作によりチャック5および芯ケース3が若干後退しても、芯ケース3の後端部が前記ノック棒31の当接部31bに衝突することはなく、前記回転駆動機構21による回転動作に障害を与えるのを防止することができる。
前記ノック棒31に対して着脱可能に取り付けられた前記ノックカバー34には、このノックカバー34の側壁面に円盤状の突起部34aが一体に形成されている。そして、円盤状突起部34aの円盤面には、円形状にして中央部が若干凸面状になされ前記ノックカバー34とは異色の樹脂盛りシール35が装着されている。
前記後軸18の後端部における周方向の一部には、軸方向に切欠き溝18cが形成されており、前記円盤状突起部34aが前記切欠き溝18cに沿って配置されることで、前記ノックカバー34のノック操作が可能となるように構成されている。
なお、前記ノックカバー34に形成された円盤状突起部34aは、前記樹脂盛りシール35により飾りの機能を果たすと共に、シャープペンシルの転がり止めとしての機能も果たすものとなる。
以上の構成において、前記ノックカバー34をノック操作することで、ノック棒31の当接部31bが芯ケース3を前方に押し出し、中継パイプ7に取り付けられたスライダー8の一部が口先部材2内に当接して、その前進が阻まれる。このため、チャック5の先端部が締め具6から相対的に突出してチャック5による筆記芯の把持状態が解除される。そして、前記ノック操作の解除により、チャックスプリング13の作用により芯ケース3およびチャック5は軸筒内において後退する。
この時、筆記芯は保持チャック12に形成された通孔内において摩擦により一時的に保持されており、この状態でチャック5が後退してその先端部が前記締め具6内に収容されることで、筆記芯を再び把持状態にする。すなわち、ノックカバー34のノック操作の繰り返しによりチャック5が前後に移動し、これにより筆記芯の解除と把持が行われ、筆記芯はチャック5から順次前方に繰り出されるように作用する。
図3〜図8はユニット化された筆記芯の回転駆動機構21を示すものであり、図3〜図5は回転カムを除いた半完成の状態で、図6〜図8は回転カムを装着した完成状態で示している。
先ず図3〜図5に示すように、回転駆動機構21の外郭を構成するホルダー部材23は、その中央に円筒部23aを構成し、この円筒部23aの内周面が回転カム24を回転可能に支持する機能を果たす。
前記円筒部23aの一端部側、すなわち回転駆動機構21が軸筒内に装着された状態における前端部側には、軸方向に長い一対の弾性部材23bが軸対称の位置にそれぞれ形成されている。この一対の弾性部材23bは前記した中央の円筒部23aに一体に樹脂成形により形成され、かつ細長く形成されることで弾性作用が付与されている。
そして、一対の弾性部材23bにおける円筒部23a側の基端部には、鋸歯状に形成された1つのカム面(以下、第1固定カムともいう。)23cが一体に樹脂成形されており、この第1固定カム23cのカムの頂部は、前記弾性部材23bの先端部側に向かって成形されている。
また、一対の弾性部材23bの先端部には、鋸歯状に形成された1つのカム面(以下、第2固定カムともいう。)23dが弾性部材23bと一体に樹脂成形されており、この第2固定カム23dのカムの頂部は、中央の円筒部23a側に向くように成形されている。 すなわち、前記した第1および第2固定カム23c,23dは軸方向に長い前記弾性部材23bの基端部および先端部において、互いに対向するように成形されている。
なお、この実施の形態においては、前記した第1固定カム23cは弾性部材23bの基端部以外に、さらに一対の第1固定カム23cが中央の円筒部23aの端面に形成されており、これにより第1固定カム23cは、周方向に等間隔(90度間隔)をもって4つ形成されている。
前記した中央の円筒部23aの他端部側、すなわち回転駆動機構21が軸筒内に装着された状態における後端部側には、軸方向に伸びる一対の支持体23eを介してリング部材23fが前記円筒部23aと一体に樹脂成形されている。
このリング部材23fを利用して、ゴム製のクッション部材25が二色成形により取り付けられており、このクッション部材25を介して樹脂製の滑り部材としてのトルクキャンセラー26が同じく二色成形により連結されて取付けられている。
前記クッション部材25は円筒状に成形され、対向する円筒面には一対の矩形状の窓孔25aが形成されて、クッション部材25として軸方向の弾力性を高めている。
この実施の形態においてはゴム製のクッション部材25は、図5(A)に現わされているように前記したリング部材23fとトルクキャンセラー(滑り部材)26の間においてエラストマー等のゴム素材を用いて前記した二色成形により一体化されている。すなわち、クッション部材25は二色成形により成形されることで、前記リング部材23fに滑り部材26を連結している。
なお、図5(A)に符号25bで示す部分が二色成形を行う際のゴム素材注入用のゲート位置を示している。
前記トルクキャンセラー26には、前記クッション部材25の反対面において複数の半球状の突起26aが面に沿って形成されており、この突起26aは、前記クッション部材24の弾性作用により、後述する回転カム24の後端面に当接して回転カム24を軸方向の前方に押し出す作用を与えると共に、回転カム24の後端面との間ですべりが生ずるように機能する。これにより、前記クッション部材25にねじれトルクが作用しないようになされる。
図6〜図8は、前記した構成のホルダー部材23に、回転カム24を装着した状態を示すものである。この回転カム24は円筒状に形成されると共に、前半部を大径部とすることによる軸方向に直交する上下の端面には、円環状に連続した多数の鋸歯状のカム面24a,24bがそれぞれ形成されている。なお、以下においては一方を上側のカム面24aと称し、他方を下側のカム面24bと称する場合もある。
また、前記回転カム24の小径部は、図8に示すようにホルダー部材23の中央の円筒部23a内に収容されて回転カム24の回転軸24cを構成している。
したがって、ホルダー部材23に回転カム24を組み付けるには、ホルダー部材23に形成された一対の弾性部材23b側から、回転カム24の回転軸24cをホルダー部材23の前記円筒部23a内に向かって押し込むことで、一対の弾性部材23bは互いに外側に押し広げられつつ回転軸24cが円筒部23a内に収容される。これにより図6〜図8に示す回転駆動機構21を構成することができる。
以上のように構成された筆記芯の回転駆動機構21によると、図1および図2に示すようにチャック5が筆記芯を把持した状態で、前記回転カム24は中継パイプ7を介してチャック5と共に軸芯を中心にして回転可能になされている。そして、シャープペンシルが筆記状態以外の場合においては、回転駆動機構21内に配置された前記したゴム製のクッション部材25の作用により、前記トルクキャンセラー26を介して回転カム24は前方に付勢されている。
一方、シャープペンシルを使用した場合、すなわち先端パイプ9から突出している筆記芯に筆記圧が加わった場合には、前記チャック5は前記クッション部材25の付勢力に抗して後退し、これに伴って回転カム24も軸方向に僅かに後退する。したがって、回転カム24に形成された鋸歯状の上側のカム面24aは前記第1固定カム23cに接合して噛み合い状態になされる。
この場合、対峙した状態の上側のカム面24aと第1固定カム23cは、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されており、前記したように上側カム面24aが第1固定カム23cに接合して噛み合い状態になされることによって、回転カム24は上側カム面24aの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する回転駆動を受ける。
そして、前記したように上側カム面24aが第1固定カム23cに接合して噛み合い状態になされた状態においては、対峙した状態の鋸歯状の下側カム面24bと第2固定カム面23dは、軸方向においてカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定されている。
したがって一画の筆記が終わり、筆記芯に対する筆記圧が解かれた場合には、前記したクッション部材25の作用により回転カム24は軸方向に僅かに前進し、回転カム24に形成された下側カム面24bが、第2固定カム23dに噛み合う。これにより回転カム24は下側カム面24bの一歯の半位相(半ピッチ)に相当する同方向の回転駆動を再び受ける。
以上のとおり、前記したシャープペンシルによると、筆記圧を受けることによる回転カム24の軸方向への往復運動に伴って、回転カム24は上側カム面24aおよび下側カム面24bの一歯(1ピッチ)に相当する回転駆動を受け、前記した中継パイプ7およびチャック5を介してこれに把持された筆記芯も同様に一方向に回転駆動される。
したがって、筆記芯は自身が受ける回転運動と筆記による摩耗とにより、先端部が常に円錐形状になされる。それ故、書き進むにしたがって筆記芯が偏摩耗するのを防止させることができ、安定した線幅による筆記が可能となる。
なお、前記した実施の形態においては、ホルダー部材23に形成された第1固定カム23cおよび第2固定カム23dとして、軸方向に立ち上がる垂直面と当該垂直面に隣接して軸方向に対して所定の角度を有する傾斜面を備えた鋸歯状カムがそれぞれ採用されている。この場合、前記第1固定カム23cおよび第2固定カム23dを構成する前記鋸歯状カムの頂点は、軸方向で一致するように形成されていることが望ましい。
すなわち図5(B)に示すように、軸方向に長い一対の弾性部材23bに形成された前記第1および第2固定カム23c,23dにおける鋸歯状カムの垂直面が、ホルダー部材23の軸方向のa−a線に一致するように樹脂成形される。
この構成によれば、ホルダー部材23を樹脂成形するにあたって、一対の金型の割り面を図5(B)に示すa−a線に設定することで、各鋸歯状カムの垂直面(エッジ)を正確に合わせることができ、前記した回転カム24との噛み合わせの精度をより向上させることができる。
この場合、前記回転カム24に形成される鋸歯状の連続した上側カム24aと、同じく鋸歯状の連続した下側カム24bは、好ましくはカムの一歯に対して半位相(半ピッチ)ずれた関係となるように設定される。
なお、前記した実施の形態においては、ホルダー部材23に形成された第1および第2の固定カム23c,23dは、それぞれ1つの鋸歯状のカム面により構成にされているが、これは前記弾性部材23bに形成できる程度の少数のカム面を連続して形成した構成も好適に採用することができる。
以上説明したこの発明に係るシャープペンシルに利用される回転駆動機構によると、回転駆動機構に備えられるクッション部材を、軟質材からなる素材を二色成形により構成したことで、回転カムを軸方向の前方に付勢する構成部分の簡素化が図れると共に、従来のように粘着性のグリース等を利用することなく筆記の感触を向上させることができ、また機構全体の精度の向上、ならびに組み立ての容易性も確保することができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの作用効果を得ることができる。
なお以上は、筆記圧を利用して筆記芯を回転駆動させるシャープペンシルの例に基づいて説明したが、この発明は筆記圧を利用して回転駆動機構を駆動させると共に、この回転駆動機構による回転動作を利用して、例えば筆記芯を除々に繰り出させるようなシャープペンシルなどにも利用することもでき、前記した回転駆動機構は、前記以外のその他のシャープペンシルにおける駆動動作に利用しても、同様の作用効果を得ることができる。
1 先軸(軸筒)
2 口先部材
3 芯ケース
5 チャック
6 締め具
7 中継パイプ
8 スライダー
12 保持チャック
13 チャックスプリング
18 後軸(軸筒)
21 回転駆動機構
22 軸スプリング
23 ホルダー部材
23a 円筒部
23b 弾性部材
23c 第1固定カム
23d 第2固定カム
24 回転カム
24a 上側カム
24b 下側カム
24c 回転軸
25 クッション部材
25a 窓孔
25b ゲート位置
26 滑り部材(トルクキャンセラー)
26a 突起
31 ノック棒
32 ノック棒スプリング
34 ノックカバー

Claims (4)

  1. 筆記芯が受ける筆記圧に基づいて回転カムを回転駆動させる回転駆動機構が備えられ、前記回転カムの回転運動を利用するように構成したシャープペンシルであって、
    前記回転駆動機構には前記回転カムを軸方向の前方に付勢するクッション部材が配置されることで、前記筆記圧を受けて前記回転カムを軸方向に後退させると共に、筆記圧の解除により前記回転カムを軸方向に前進させて当該回転カムに回転運動を与えるように構成され、前記クッション部材は、前記回転カムを支持するホルダー部材に対して、軟質材からなる素材を一体に成形したことを特徴とするシャープペンシル。
  2. 前記クッション部材と前記回転カムとの間には、前記回転カムの軸方向の後端面に接して回転カムとの間で滑り動作がなされる滑り部材が具備され、前記滑り部材は前記クッション部材を介して前記ホルダー部材に連結されていることを特徴とする請求項1に記載されたシャープペンシル。
  3. 前記クッション部材が筒状に形成され、筒状の面に窓孔を形成して、前記クッション部材の軸方向の弾力性を高めた構成にされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたシャープペンシル。
  4. 前記回転駆動機構における回転カムの回転運動を、筆記芯に伝達するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたシャープペンシル。
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