(パチンコ機の構成)
図1に示されるように、パチンコ機10の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り12が取り付けられている。
また、パチンコ機10の下飾り12の上部には、互いに平行、かつ奥行き方向に所定の間隔をおいて配置された一対のガラス板14を装着したガラス枠16が配置されており、ガラス枠16は、図1に示す状態で左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。このガラス枠16の奥側には、着脱交換可能な遊技盤18がセットされており、遊技盤18は、ガラス枠16で閉塞された状態でガラス板14に対向するようになっている。
ガラス枠16の下部には、一体皿24が配置されている。一体皿24の図1の右端部には、鍵穴27が設けられ、この鍵穴27にキーを差し込み、左右の内、一方に回すとガラス枠16が開放し、他方に回すと一体皿24が開放する。なお、回す角度が浅いとガラス枠16が開放し、さらに同じ方向に深く回すと一体皿24が開放する構成であってもよい。
一体皿24には、上皿部28と、下皿部30とが設けられている。上皿部28を形成する周縁部32には、上皿球抜きレバー34が設けられ、この上皿球抜きレバー34を操作することで、上皿部28に貯留された遊技球を下皿部30へ送り出すことができるようになっている。また、下皿部30には、下皿球抜きボタン36が設けられ、この下皿球抜きボタン36を操作することで、下皿部30に貯留された遊技球PBを外部(例えば、所謂「ドル箱」)へ排出することができるようになっている。
上皿部28の周縁部32における図1の右端部には、球貸ボタン42と、返却ボタン44が設けられている。
また、一体皿24の右側下部には打球の発射力(飛距離)を調整するためのグリップユニット(発射ハンドル)26が取り付けられ、左側下部には、灰皿46が取り付けられている。
一体皿24における下皿部30の図1の右側には受け皿スピーカ60Uが配置されている。
ここで、一体皿24における上皿部28の周縁部32には、遊技者が操作可能な操作ボタン50が設けられている。この操作ボタン50は、遊技中において、操作有効期間中に操作することで、演出画像に対して介入することができるようになっており、それぞれの遊技仕様によって設定される。
ガラス枠16におけるガラス板14の周囲には、アーチ状に遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による視覚的効果や、音声等による聴覚的効果等の演出効果を生み出す上演出部52が配置されている。この上演出部52の下端部は、一体皿24の周囲に略U字型に配置された下演出部54の上端部と連結されている。
この結果、上演出部52と下演出部54とで、遊技盤18の周囲を取り囲むように、演出部56が形成されている。
この演出部56は、上演出部52及び下演出部54共に、照明部材(LED等の発光素子やランプ)が取り付けられた基板(図示省略)と、この基板を覆うように、所定の意匠で形成されたレンズカバー58が取り付けられている。
レンズカバー58は、前記照明部材が点灯する領域を区画するよう凹凸状にカットされており、区画された領域(以下、必要に応じて「レンズ部」という)毎に照明部材の点灯制御がなされる。なお、照明部材は基本的にR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色に点灯するLEDが1組となっており、それぞれの点灯時の光量比により、様々な配色の点灯が可能となっている。また、ガラス枠の上部角部には、それぞれ三連表示62が設けられ、遊技状態の報知(エラー報知等を含む)に適用される。
また、前記上演出部52における、ガラス枠16の上部円弧の約1/3に相当する領域の中央及び両端には、ガラス枠スピーカ60C、60L、60Rが内蔵され、照明と同時に、音声を出力する。
なお、以下では、前述した受け皿スピーカ60Uと、このガラス枠スピーカ60C、60L、60Rを総称して、「スピーカ60」という。
(遊技盤の構成)
図2に示される遊技盤18は、基板となるベニヤ板に樹脂製シート状のセルが貼着されてそのセルの表面が盤面となっており、盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、発射装置165(図3参照)から発射されて打ち込まれた遊技球PBが自重落下により移動可能とされ、この領域が遊技を行う遊技領域とされている。
遊技盤18の遊技領域には、釘(図示省略)及び風車21が点在して打ち込まれている。また、遊技領域におけるほぼ中央には、センター役物105が配置されている。センター役物105は、各種演出等の映像を表示する液晶表示部(LCD表示部)106を備えている。
LCD表示部106では、例えば、3列の図柄列が独立して変動し、最終的に3列の図柄列が同一図柄で停止した場合に特別図柄抽選の当選を報知するといった、図柄変動パターン演出が実行される。なお、3列の内、先に2列が同一図柄で停止(仮停止)して、残りの1列が変動中の場合を、「リーチ」という。
センター役物105の下辺部は、ステージ105Sが形成されている。ステージ105Sには、釘等で跳ね返えることで受け入れた遊技球PB、或いは図示しないワープ路に案内されて受け入れた遊技球PBが送り込まれるようになっている。
ステージ105Sは、傾斜面や突起部等が形成され、前記遊技球PBの移動が当該傾斜面や突起部等により不規則に変化し、最終的に下辺手前から遊技盤18へ戻されるようになっている。
図2に示される如く、センター役物105の図2に向かって左側には、普通図柄抽選の始動機能を持つ通過ゲート118が配置されている。
また、センター役物105の下部には、特別図柄始動入賞口(A)129と特別図柄始動入賞口(B)134とが縦列に配置されている。
特別図柄始動入賞口(A)129は、常時入賞可能に上部が開口しており、一方、特別図柄始動入賞口(B)134の上部開口は、特別図柄始動入賞口(A)129が閉塞している。
この特別図柄始動入賞口(B)134には、電動チューリップ136が取り付けられている。電動チューリップ136は、遊技盤18の裏面側に配設された電チューソレノイド138(図3参照)の通電・非通電によって開閉する構成となっている。
ここで、電動チューリップ136が開放状態になると、特別図柄始動入賞口(B)134の入賞開口部へのパチンコ球PBの受け入れが可能となり、パチンコ球PBの入賞が可能となる。
さらに、図2に示される如く、前記特別図柄始動入賞口(B)134のさらに下部には、遊技領域の下端部付近に位置してアタッカー112が配置されている。
アタッカー112には、開閉扉116が設けられている。この開閉扉116が、アタッカーソレノイド148(図3参照)の通電・非通電によって開放又は閉塞する。すなわち、開閉扉116の開放時には、開閉扉116上に落下した遊技球PBが開閉扉116に案内されてアタッカー112へ入賞する。
また、遊技領域の最下位置には、外れ球を遊技盤18の裏側へ排出するアウト口124が設けられている。
さらに、センター役物105よりも下、かつ特別図柄始動入賞口(A)129と特別図柄始動入賞口(B)134の左右には、複数の一般入賞口120(本実施の形態では、図2に向かってアタッカー112よりも左側に2個の一般入賞口120A、120Bが設けられ、アタッカー112よりも右側に1個の一般入賞口120C)が設けられている。なお、一般入賞口120は、3個の限られるものではなく、例えば、入賞率等の設計上の演算によってその数を決めればよい。
また、この遊技領域に設けられたセンター役物105や盤面周縁には、遊技の進行に応じて点灯、消灯、及び点滅し照明による演出効果を生み出す照明演出用の発光素子137(図3参照)が多数設けられている。
ここで、特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に遊技球PBが入賞すると、特別図柄抽選が実行され、この特別図柄抽選に当選すると、前記アタッカー112の開閉扉116が所定のパターンで開閉動作し、これを所定回数(所定ラウンド)繰り返すようになっている(「特別遊技状態」又は「大役処理」等と言う場合がある)。
なお、前記特別図柄抽選の当選/落選は、主としてLCD表示部106の図柄変動表示演出において報知され、この図柄変動パターン演出中、或いは、前記大役処理中の場合は、抽選結果を保留し、順次報知していくようになっている。また、図柄変動表示演出と共に、動物などが擬人化されたキャラクタが表示され、抽選で当選した旨を暗示させることにより、遊技者に期待感を持たせるといった、視覚的な演出をすることがあり、その場合は効果音によって聴覚からも遊技者の興趣を増大させる。
本実施の形態では、1個の特別図柄始動入賞口に対して最大4個(本実施の形態では、特別図柄始動入賞口(A)129及び特別図柄始動入賞口(B)134の2個の特別図柄始動入賞口なので、8個となる。)の保留が可能となっている。なお、この保留球数に限定されるものではない。
保留球数は、センター役物105における、図2に向かって右下に配置され、主として特図表示部を備えた遊技進行ガイドランプユニット109の一部である保留ランプによって報知される他、LCD106の一部を用いて、遊技者に見易く表示するようになっている。
(制御系の構成)
次に、図3を用いてパチンコ機10の制御系について説明する。
図3に示されるように、本実施形態に係るパチンコ機10の制御系は、主制御部150を中心として構成されており、この主制御部150には、演出制御部152と払出制御部154とが接続されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータ(図示省略)へ遊技の進行状態を示す情報(始動入賞信号や大当たり信号、図柄確定回数信号)が送信される。
主制御部150には、入力系として、通過ゲート118を通過する遊技球PBを検出する通過ゲートセンサ118S、特別図柄始動入賞口(A)129への入賞球を検出する特図A始動口センサ129S、特図B始動入賞口134への入賞球を検出する特図B始動口センサ134S、特別遊技状態の際に開放するアタッカー112への入賞球を検出するアタッカーセンサ112S、一般入賞口120A、120B、120Cへの入賞球を検出する一般入賞センサ120AS、120BS、120CSが接続されている。
また、主制御部150には、出力系として、遊技情報をランプの点灯状態で報知するガイドランプユニット109、電動チューリップ136を開閉する電チューソレノイド138、アタッカー112の開閉扉116を開閉するためのアタッカーソレノイド148が接続されている。
演出制御部152には、入力系として、操作ボタン50が接続されている。また、演出制御部152には、出力系として、遊技盤18の各種遊技部品に設けられた照明演出用の発光素子137、スピーカ60(ガラス枠スピーカ60L、60C、60R、受け皿スピーカ60U)が接続されている。
さらに、演出制御部152には、図柄制御部156を介してLCD表示部106が接続されている。
払出制御部154には、払出装置160及び発射制御部164が接続され、発射制御部164には発射装置165が接続されている。この払出制御部154は、パチンコ機10内に設けられた払出装置160の払出動作と停止動作を制御して、所定数の遊技球PBを賞球又は貸し球として払い出す。また、発射制御部164は、遊技者によるグリップユニット26(図1参照)の操作により発射装置165を作動させて、遊技球PBの発射開始、及び、グリップユニット26の操作量に応じた発射力を制御する。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子191を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータ(図示省略)へ送信するようになっている。
遊技盤18の裏面側(遊技者と対面する側を表面とする)における、センター役物105の下部には、球案内パネル200が取り付けられている。この球案内パネル200は、図2に鎖線で示されるように、センター役物105の下部に集中している入賞口(特別図柄始動入賞口(A)129、特別図柄始動入賞口(B)134、一般入賞口120A、120B、120C)に対応するように取り付けられている。
ここで、本実施の形態では、主制御部150において、特別図柄抽選の結果が判明すると、演出制御部152に対して図柄変動パターンの演出実行を指示する。このとき、主制御部150では、図柄変動パターンの演出時間が指示される。このため、主制御部150及び演出制御部152は、それぞれ当該時間に応じた制御を独立して実行され、例えば、演出制御部152から主制御部150へ処理状況情報をフィードバックすることなく、両者は同期して制御が進行されるようになっている。
演出制御部152では、指示された演出時間に基づいて、図柄変動パターン種を選択することになるが、基本的には、3列の図柄の変動が開始され、様々な演出画像を経て各列の図柄が確定(本停止)するという流れであり、その中から、指示された演出時間に基づいて、リーチの可否、リーチ種等を選択する。
従来、図柄変動パターン演出には、リーチのない演出、リーチのある演出、リーチ前に例えば、外れを示す図柄又は特定図柄で仮停止させた後再変動することを1回以上繰り返す擬似連を実行後リーチを表示するリーチ前擬似連演出等がある。
図5は、リーチ前擬似連演出に係るタイミングチャートであり、この図5では、3個の図柄列の内、2個の図柄列の仮停止が非リーチ表示され、最終図柄の仮停止動作後、特定図柄が表示されると、擬似連変動の1回目(1st)が開始され、その後、非リーチ状態を維持しながら特定図柄の表示によって擬似連変動が継続される形態を示している。擬似連図柄の継続にならず、リーチ表示されると、リーチ演出が実行され、最終図柄が停止する。
このリーチ前擬似連演出の場合、擬似連の回数が多い(例えば、3回以上の擬似連)状態でリーチに発展すれば、特別図柄抽選の当選の期待が高まる。しかし、逆に擬似連の回数が少ない(例えば、1回又は2回の擬似連)状態でリーチに発展すると、特別図柄抽選の当選の期待が低くなる。
これに対して、本実施の形態では、図柄変動が開始され、リーチを表示した後に前記擬似連を実行するリーチ後擬似連演出を設けている。
図6は、リーチ後擬似連演出に係るタイミングチャートであり、この図6では、3個の図柄列の内、2個の図柄列の仮停止がリーチ表示され、リーチ状態を維持しながら最終図柄の仮停止動作後、特定図柄が表示されると、擬似連変動の1回目(1st)が開始され、その後特定図柄の表示によって擬似連変動が継続される形態を示している。擬似連図柄の継続にならず、擬似連が失敗すると(すなわち、最終的に仮停止せず、例えば、図柄が再加速して、表示画像がホワイトアウト又はブラックアウトすると)、スーパーリーチ演出が実行され、最終図柄が停止する。
一方、リーチ表示された後、一度も特定図柄が表示されない(非特定図柄)場合は、所謂ノーマルリーチの終了となる。ノーマルリーチの終了では、特別図柄抽選が当選又は落選の場合があるが、ほとんどが外れとなる。
このリーチ後擬似連演出の場合、リーチは確定しているため、1回目で擬似連に失敗すれば、擬似連がないことになり、通常のノーマルリーチと同等の感覚となる(当選の期待薄)。一方、1回でも特定図柄の仮停止があると、擬似連が開始されるため、擬似連の回数に基づく期待感の増加が見込め、数回継続あとに擬似連が失敗すると(すなわち、最終的に仮停止せず、例えば、図柄が再加速して、表示画像がホワイトアウト又はブラックアウトすると)、スーパーリーチ演出に発展し、期待感を持って最終図柄の停止を待つ。
本実施の形態では、リーチ後擬似連演出を実行することで、リーチの本来の機能である当選の期待感を維持しつつ、擬似連の連続回数に比例した期待感の増大(増幅)を確立した。
図4には、本実施の形態に係る演出制御部152における、図柄変動パターン実行制御のための機能ブロックが示されている。なお、図4の各ブロックは機能的に分類し、かつ図柄変動パターン制御に特化したものであり、演出制御部152の構成を限定するものではない。
主制御部150からのコマンド等の情報は、コマンド受付部250で受け付けられ、コマンドが解析されるようになっている。
コマンド受付部250において、抽選情報であると解析されると、当該抽選情報は、リーチ可否判定部252へ送出されるようになっている。
リーチ可否判定部252では、前記抽選情報に基づいて、リーチの可否を判定する。リーチ可否判定部252は、図柄変動パターン種決定部254に接続されており、前記抽選情報と共に、リーチ可否判定部252で判定したリーチの可否情報が送出される。
図柄変動パターン種決定部254では、受け付けた抽選情報、リーチ可否情報に基づいて図柄変動パターン種を決定する。
なお、図柄変動パターン種には、全ての種類に識別情報が付与されており、この図柄変動パターン種決定部254においては、識別情報を選択することになる。
図柄変動パターン種決定部254において決定した(選択した)識別情報は、データ収集部256に送出される。
データ収集部256は、演出形態情報メモリ258及び図柄変動パターン編集部260に接続されている。演出形態情報メモリ258には、データ収集部256からデータ読出指示情報が入力され、当該データ読出指示情報に基づいて、各種データ読み出されるようになっている。
演出形態情報メモリ258は、変動パターン種画像データ記憶領域258A、演出画像データ記憶領域258B、擬似連図柄データ記憶領域258C、仮停止パターンデータ記憶領域258D、リーチパターン種画像データ記憶領域258Eに区画され、それぞれのデータが記憶されている。これらの各記憶領域から、前記データ読出情報に基づいて、必要なデータが読み出され、前記図柄変動パターン編集部260に送出される。なお、上記記憶領域は代表的な領域であり、演出形態情報メモリ258は、必要に応じて、記憶領域を区画してデータを記憶領域を増加する程度の記憶容量を有することが好ましい。
図柄変動パターン編集部260には、前記データ収集部256から編集指示情報が入力され、並びに、演出形態情報メモリ258から画像演出に必要なデータが入力される。
このため、図柄変動パターン編集部260では、画像演出種として、通常図柄変動、リーチパターン、リーチ前擬似連、リーチ後擬似連が選択され、擬似連の場合は擬似連回数が設定されて、LCD表示部106に表示される図柄変動パターンデータが編集される。
編集済みの図柄変動パターンデータは、図柄合成部262及びリーチ図柄画像編集部266へ送出される。図柄合成部262には、表示指示部264及びリーチ図柄画像編集部266が接続されている。
表示指示部264では、画像合成部262から送出される図柄変動パターン情報に基づいて、図柄制御部156へ表示指示を出力する。この表示指示は、表示される画像データと共に表示指示コマンドを送出するが、例えば、図柄制御部156側に全ての画像データが記憶されている場合は、表示指示コマンドとその画像データを識別するための識別符号とを送出すればよい。これにより、図柄制御部156は、LCD表示部106を制御して、図柄変動パターンを表示する。
一方、リーチ図柄画像編集部266は、3列の図柄列の内、2列(例えば、左列と右列の2列)の図柄列が当選図柄で仮停止しているリーチ図柄を編集する。例えば、リーチ図柄とは、同一図柄であり、例えば、図柄「7」でリーチになると、リーチ図柄は「7↓7」となる。なお、「↓」は変動中を示す。
ここで、リーチ図柄画像編集部266では、前記リーチ図柄280(図8参照)を用いて、擬似連回数が視覚的に認識可能なリーチ図柄280を編集し、画像合成部262へ送出する。
このため、リーチ図柄画像編集部266では、擬似連回数カウンタ268から読み出した擬似連回数情報に基づいて、リーチ図柄280が編集されるようになっている。擬似連回数カウンタ268は、表示指示部264から図柄変動パターンの表示指示履歴から擬似連図柄の表示情報を入手するようになっている。擬似連回数カウンタ268では、擬似連図柄が表示される毎に、1カウント加算され、このカウントの加算毎に、リーチ図柄画像編集部266へ擬似連回数情報を送出する。
本実施の形態では、擬似連回数が認識可能なリーチ図柄280として、図8に示される如く、擬似連が継続される毎に、その回数分のリーチ図柄280が、互いに一部が重なるように合成するようにしている。このため、リーチ図柄280の表示領域を増大することなく(擬似連変動や予告領域を狭めることなく)、擬似連回数に応じた数のリーチ図柄280を表示することが可能となる。
以下に本実施の形態の作用を説明する。
パチンコ機10による遊技では、遊技者がグリップユニット26(図1参照)を操作すると、一球ずつ発射装置165(図3参照)によって上方へ発射される。図2に示される如く、発射された遊技球PBは、外レール102に沿って遊技盤18の遊技領域に打ち込まれ、遊技釘や風車21に当たり方向を変えながら遊技領域内を落下する。そして、入賞せずに遊技領域の下端部に至った遊技球PBはアウト口124からパチンコ機10内に回収される。
また、遊技球PBが遊技領域内に設けた特別図柄始動入賞口(A)129、特別図柄始動入賞口(B)134、に入賞したり、通過ゲート118を通過すると、それぞれの遊技仕様に基づく処理(例えば、特別図柄抽選、普通図柄抽選等)が実行されると共に、LCD表示部106への画像表示演出(例えば、図柄変動パターン演出等)、スピーカ60を用いた音演出等が実行される。また、図示は省略したが、一般入賞口120に入賞すると、予め定めた賞球(払い出し)が実行される。
(遊技仕様の概要)
まず、主制御部150における抽選処理を中心とした遊技制御について説明する。
特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134に、遊技球PBが入賞すると、有効始動入賞か否かが主制御部150によって判断される。この有効始動入賞とは、保留球が満杯(例えば、1個の始動口に対して4個)ではなく、かつ特別図柄始動入賞口(A)129又は特別図柄始動入賞口(B)134へ遊技球PBが入賞したことを言い、これによって抽選権利を得ることになる。なお、無効始動入賞時は、抽選の権利は与えられないが、所定数(3〜5個程度)の賞球払出しがなされる場合もある。
上記始動入賞が有効始動入賞であった場合に主制御部150は、図示を省略した乱数発生部から入賞タイミングに応じて当落抽選用の乱数を取得し、かつ、予め記憶されている当り値を読み出し、双方を比較して、特別図柄抽選が当りか外れかを判定する。
なお、現在の遊技状態が大当たり処理中、或いは図柄変動パターン演出中の場合は、特別図柄抽選の権利を保留にするべく、保留数を1つ加算(+1)し、現在の遊技状態が大当たり処理中ではなく、或いは図柄変動パターン演出中でもなくなったときに、保留数を1つ減算して特別図柄抽選処理が実行される。
この特別図柄抽選の当り/外れに基づいて、図柄変動パターン演出時間を設定し、特別図柄抽選結果、図柄変動パターン時間を含むコマンドを演出制御部152へ送出する。
演出制御部152では、LCD表示部106やスピーカ60等の出力系デバイスを制御して、特別図柄抽選の結果を、設定された演出時間を使って報知する。例えば、LCD表示部106では、図柄変動パターン演出が実行される。
この報知後、特別図柄抽選の結果が当たりの場合には、特別遊技状態(大当たり処理)が実行される。通常遊技状態では常に閉止状態のアタッカー112を所定のラウンド数(5R,10R,15R)だけ開閉する。なお、アタッカー112の開放時間は最大30秒であり、アタッカー112が開放中に所定数(例えば、8〜10個)の遊技球の入賞があった時点で閉止し、所定の閉止時間をおいて、次のラウンド(開放)に移行する。これにより、遊技者は短時間で多くの遊技球の賞球を受けることができる。
ここで、前記特別図柄抽選の結果が判明すると、その抽選情報が、主制御部150から演出制御部152へ送出され、演出制御部152では、指示された演出時間等に基づいて、図柄変動パターン種を選択することになる。図柄変動パターン演出は、基本的には、3列の図柄の変動が開始され、様々な演出画像を経て各列の図柄が確定(本停止)するという流れであり、その中から、指示された演出時間に基づいて、リーチの有無、リーチ種等を選択する。なお、リーチ種とは、一般的には演出の違いを示し、特別図柄抽選の当選の可能性を示す比率(期待値等)が定められており、通常は、演出に登場するキャラクタやストーリーの違い、並びに、演出時間に差異を持たせている。これにより、リーチは、期待値の低い順にノーマルリーチ群、スーパーリーチ群、プレミアムリーチ群等に分類され、期待値に基づくそれぞれの選択比率によって選択される。
また、本実施の形態では、上記のような図柄変動パターン演出において、3列の図柄が確定する前の図柄変動中において、擬似連演出が選択される場合がある。この擬似連演出には、従来から存在するリーチ前擬似連演出(図5参照)に加え、本実施の形態では、リーチ後擬似連演出(図6参照)を設定した。
図7は、この擬似連演出を含む、演出制御部152での図柄変動パターン演出選択制御ルーチンを示している。
図7のステップ300では、主制御部150からコマンドを受け付けたか否かが判断され、否定判定されるとこのルーチンは終了する。また、ステップ300で肯定判定されると、ステップ302へ移行して、受け付けたコマンドが抽選情報(演出時間情報、当/落情報等)か否かが判断される。
このステップ302で否定判定されると、ステップ304へ移行して、当該解析したコマンド内容に従い、その他の処理を実行し、このルーチンは終了する。
また、ステップ302で肯定判定されると、ステップ306へ移行して、擬似連演出実行可否判定処理を行う。
本実施の形態では、この擬似連演出実行可否の判定を、期待値に依存させている。すなわち、期待値が予め定めた所定値より小さいときは擬似連は実行せず、当該所定値以上の場合は実行するといった設定テーブルを準備しておき、別途定めた期待値に基づいて判定する。
また、擬似連の種類(リーチ前擬似連演出かリーチ後擬似連演出か)及び擬似連回数は、主制御部150からコマンドとして入力される演出時間を主たる選択要素として適用している。なお、演出時間によっていくつかの候補を選択し、さらに、その中から別途設定した選択比率テーブルに基づいて選択してもよいし、抽選によって決めてもよい。
ステップ306での擬似連演出実行可否判定処理では、上記のように、擬似連の実行可否が決定され、次いで、ステップ307では、リーチの可否の判定処理を実行する。すなわち、図柄変動パターン演出においてリーチ演出を設定するか否かを判定し、次いでステップ308へ移行する。
ステップ308では、ステップ306での擬似連の可否判定結果を判別する。すなわち、ステップ308では擬似連演出を実行するか否かが判断され、否定判定されると、ステップ310へ移行して、演出時間情報、当/落情報に基づいて、変動パターン種、演出画像データを用いて、通常図柄変動パターン演出画像を編集し、ステップ320へ移行する。なお、リーチの場合は、リーチパターン種を含む。
また、ステップ308で肯定判定されると、ステップ312へ移行して、演出時間に基づき、擬似連種、擬似連回数を選択し、ステップ314へ移行する。ステップ314では、擬似連種がリーチ前擬似連かリーチ後擬似連かを判断する。
ステップ314で、リーチ前擬似連と判定された場合は、ステップ316へ移行して、演出時間情報、当/落情報に基づいて、変動パターン種、演出画像データ、リーチ前擬似連画像データ等を用いて、リーチ前擬似連演出を含む図柄変動パターン演出画像を編集し、ステップ320へ移行する。なお、リーチの場合は、リーチパターン種を含む。
また、ステップ314でリーチ後擬似連(「ロング演出」という場合がある)と判定された場合は、ステップ318へ移行して、演出時間情報、当/落情報に基づいて、変動パターン種、演出画像データ、リーチパターン種、リーチ後擬似連画像データ等を用いてリーチ後擬似連演出画像を含む図柄変動パターン演出画像を編集し、ステップ320へ移行する。
ステップ320では、ステップ310、ステップ316、ステップ318の何れかで編集された図柄変動パターン演出画像データ(或いは、図柄制御部156に画像データが格納されている場合は、当該図柄変動パターン演出画像データを識別する識別符号)を図柄制御部156へ送出し、図柄制御部156では、LCD表示部106を制御して、前記編集された図柄変動パターン演出画像を表示する。
(リーチ後擬似連演出の一例)
リーチ後擬似連演出は、図6に示されるタイミングチャートに基づき実行されるが、このときLCD表示部106では、図8に示すような画像となる。また、本実施の形態では、リーチ後擬似連演出画像を見ながら、現在の擬似連回数を認識できるようにした。
すなわち、本実施の形態では、擬似連が繰り返される毎(再変動する毎)にリーチ図柄280の数を増加するようにしている。
リーチ後擬似連演出は、図柄変動パターン演出が開始され、図8(A)に示される如く、左図柄列と右図柄列がそれぞれ「7」図柄で仮停止すると、リーチ図柄280と共に基本リーチ図柄画像282が表示される。
このリーチ後も中図柄列は変動継続しており、仮停止動作後に、前記中図柄列特定図柄(擬似連図柄G)が仮停止される場合がある(図8(B)参照)。このとき、図柄(すなわち、「7−G−7」)は、縮小されると共に1回目の擬似連図柄強調画像284が表示され擬似連演出が開始される。この1回目の擬似連演出が開始されることを表現するべく、2個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される。
このため、遊技者は、リーチ図柄280が多重に見え(ここでは、二重に見え)、擬似連の1回目であることを認識できる。
また、この場合、LCD表示部106の中央が比較的に広くなるので、擬似連演出に影響を及ぼすことがない。
擬似連が開始すると、中図柄が再変動されると共に、LCD表示部106の中央部では例えば予告演出286等が実行される予告画像288が表示される(図8(C)参照)。
図8(C)に示す予告演出が終了すると、再変動中の中図柄列が仮停止動作に入り、再度、擬似連図柄Gで仮停止すると、2回目の擬似連図柄強調画像290が表示され(図8(D)参照)、擬似連が継続される。この継続が長ければ長いほど、特別図柄抽選の結果が当選になる期待感が高まる。
この2回目の擬似連演出が開示されることを表現するべく、3個のリーチ図柄280が互いに一部が重なるように表示される。
このため、遊技者は、リーチ図柄280が多重に見え(ここでは、三重に見え)、擬似連の2回目であることを認識できる。
なお、擬似連図柄Gで仮停止しなかった場合は、擬似連が終了するが、既にリーチは確定しており、その後に1回以上の予告演出があったため、ノーマルリーチよりも期待値の高いスーパーリーチ演出等を実行する。
以上説明したように本実施の形態のリーチ後擬似連演出では、仮停止がリーチ表示され、最終図柄の再変動並びに仮停止動作後、特定図柄が表示されると擬似連変動が開始され、1回以上の再変動が繰り返される制御を実行する。ここで、1回以上の再変動後、擬似連図柄の継続にならず、擬似連が失敗すると、スーパーリーチ演出が実行され、最終図柄が停止し、一方、リーチ表示された後、一度も特定図柄が表示されない場合は、所謂ノーマルリーチの終了となる。
このようなリーチ後擬似連演出の場合、リーチは確定しているため、1回目で擬似連に失敗すれば、擬似連がないことになり、通常のノーマルリーチと同等の感覚となり、1回でも特定図柄の仮停止があると、擬似連が開始されるため、擬似連の回数に基づく期待感の増加が見込め、数回継続した後に擬似連が失敗すると、スーパーリーチ演出に発展し、期待感を持って最終図柄の停止を待つことで、リーチの本来の機能である当選の期待感を維持しつつ、擬似連の連続回数に比例して期待感を増大(増幅)することができる。
なお、本実施の形態では、本願発明の特徴であるリーチ後擬似連演出の比較例としてリーチ前擬似連演出について説明しつつ、リーチ前擬似連演出とリーチ後擬似連演出とを併用する実施例(図7のフローチャート参照)を示したが、リーチ後擬似連演出のみを実行するようにしてもよい。
また、本実施の形態によれば、リーチ後擬似連演出が繰り返されるとき、その繰り返し回数が、当選の期待値に対応しているため、擬似連回数はこれからの遊技の進行状況を把握する上で重要な要素となる。
そこで、本実施の形態では、最初にリーチ図柄280で仮停止されることに着目し、当該最初に仮停止されるリーチ図柄280を記憶し、擬似連図柄Gが仮停止する毎に、基本リーチ図柄280を、互いに一部を重ねて多重に表示するようにした。これにより、遊技者は、リーチ中であることに加え、擬似連の回数を、視覚を通じて常に認識することができるため、今後の遊技の進行状況を、期待感を交えながら把握することができる。