JP5995995B2 - 高転化率での酢酸の製造 - Google Patents

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    • C07C51/12Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides by reaction with carbon monoxide on an oxygen-containing group in organic compounds, e.g. alcohols

Description

[0001]本出願は、2011年9月13日出願の米国特許出願13/231,205(その開示事項を参照として本明細書中に包含する)に関連する。
[0002]本発明は、一酸化炭素から酢酸を製造する方法に関し、特に残留一酸化炭素を反応させて更なる酢酸を形成し、これにより一酸化炭素供給流の全転化率を向上させる改良された方法に関する。
[0003]酢酸を合成するための広範囲に用いられて成功している商業的プロセスは、一酸化炭素によるメタノールの接触カルボニル化を含む。触媒反応は、ロジウム及び/又はイリジウム、並びにハロゲン促進剤、通常はヨウ化メチルを含む。反応は、その中に触媒を溶解させた液体反応媒体を通して一酸化炭素を連続的にバブリングすることによって行う。反応媒体は、酢酸メチル、水、ヨウ化メチル、及び触媒も含む。メタノールをカルボニル化するための従来の商業的プロセスとしては、米国特許3,769,329、5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。他の従来のメタノールカルボニル化プロセスとしては、Jones, J.H. (2002), "The CativaTM Process for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105(この全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)において議論されているCativa(商標)プロセスが挙げられる。
[0004]メタノールカルボニル化反応中においては、粗酢酸生成物をフラッシャー中に排出するにつれて、反応器内に副生成物ガスが蓄積する。反応器内でのこれらのガスの蓄積は、しばしば、触媒の活性及び安定性を最大にするために、反応器からオフガスを排気して反応器内の一酸化炭素分圧を許容できるレベルに維持することによって制御する。排気されたオフガスは、一酸化炭素、不活性ガス及び副生成物ガス、揮発性のハロゲン促進剤、酢酸、水、未反応のメタノール、及び/又は酢酸メチルを含む可能性がある。殆どのメタノールカルボニル化プロセスにおいては、オフガスを1以上の回収ユニット内で処理して、揮発性のハロゲン促進剤、酢酸、水、未反応のメタノール、及び/又は酢酸メチルを回収し、これらの回収された化合物を反応器に戻す。回収ユニットから排出されるガスは、パージし、及び/又はフラッシャー容器に送って触媒安定性を向上させることができる。回収ユニットの例は、米国公開2008/0293996及び2009/0270651(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0005]米国特許5,917,089においては、反応器からの「オフガス」を新しいメタノールと一緒に第2の反応器に直接供給して、更なるカルボニル化生成物、即ち酢酸を生成させることができることが開示されている。しかしながら、このオフガスは、当該技術において公知なように誘導流ではない。
[0006]精製セクションは、反応器からの粗酢酸生成物を処理して不純物を除去して、それによって高品質の酢酸生成物を与える。微量で存在する可能性があるこれらの不純物は、特に不純物が反応プロセスを通して循環される場合(これはとりわけ時間と共にこれらの不純物の蓄積を引き起こす可能性がある)には、酢酸の品質に影響を与える。これらの不純物を除去するための従来の精製技術は、酢酸生成物流を、オゾンのような酸化剤、水素、水、メタノール、活性炭、アミンなどのような還元剤で処理することを含む。この処理は、粗酢酸生成物の蒸留と組みあわせることができ、又は組みあわせなくてもよい。通常は、精製中においては、反応器内で形成される非凝縮性のガスをパージする幾つかの排気が存在する。排気されるガスは、米国公開2008/0293966(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているように、回収ユニット内で処理してハロゲン促進剤のような低沸点の成分を回収することができる。回収ユニットを通過する排出ガス(一酸化炭素も含む)は、通常はパージ又は燃焼させる。一酸化炭素の損失は反応物質の損失を意味する。
[0007]液相メタノールカルボニル化プロセスの代替法は、米国特許6,617,471(その全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。米国特許6,617,471においては、低級アルキルアルコール、低級アルキルアルコール生成化合物、及びこれらの混合物を含む反応物質からエステル及びカルボン酸を製造するための蒸気相カルボニル化方法が開示されている。この方法は、反応物質及び一酸化炭素を、カルボニル化反応器のカルボニル化区域内において、蒸気相条件下で、固体キャリア材料と結合している触媒的に有効量のイリジウム及びスズを有する触媒と接触させることを含む。
米国特許3,769,329 米国特許5,001,259 米国特許5,026,908 米国特許5,144,068 米国公開2008/0293996 米国公開2009/0270651 米国特許5,917,089 米国公開2008/0293966 米国特許6,617,471
Jones, J.H. (2002), "The CativaTMProcess for the Manufacture of Acetic Acid", Platinum Metals Review, 44 (3): 94-105
[0008]これらの参照文献を考慮すると、粗酢酸生成物の精製及び分離中に排出ガスを処理して、反応物質を回収して酢酸製造の効率を向上させる改良されたプロセスに対する必要性が存在する。
[0009]本発明は酢酸の製造方法に関する。第1の態様においては、本方法は、第1の反応器内において、粗酢酸生成物を生成させるのに有効な条件下で第1の反応混合物を反応させる工程を含む。第1の反応混合物は、一酸化炭素、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む。本方法は、粗酢酸生成物を、残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流に分離する工程を更に含む。本方法にはまた、第2の反応器内において、第2の反応混合物を反応させて更なる酢酸を生成させる工程も含ませることができる。第2の反応混合物は、(1)少なくとも1つの誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部、並びに(2)メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む。好ましくは、第2の反応器は均一反応器であり、第2の反応器は、低い一酸化炭素分圧、例えば1.05MPa未満の反応器一酸化炭素分圧で運転する。
[0010]他の態様においては、本方法は、反応器内において、一酸化炭素供給流、例えばより低い一酸化炭素含量の供給流、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを、反応生成物及び排気流を生成させるのに有効な条件下で反応させる工程を含む。反応生成物は、粗酢酸生成物、及び60モル%未満の一酸化炭素を含む排気流を含む。好ましくは、反応器内での反応は均一反応であり、反応は1.05MPa未満の一酸化炭素分圧で行う。
これらに限定されるものではないが、本発明は以下の態様の発明を包含する。
[1]第1の反応器内において、粗酢酸生成物を生成させるのに有効な条件下で、一酸化炭素、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む第1の反応混合物を反応させ;
粗酢酸生成物を、残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流に分離し;
第2の反応器内において、少なくとも1つの誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む第2の反応混合物を反応させて、更なる酢酸を生成させる;
ことを含み、
第2の反応器が均一反応器であり、第2の反応器の一酸化炭素分圧が、1.05MPa未満、好ましくは0.005MPa〜1.05MPaの範囲である、酢酸の製造方法。
[2]少なくとも1つの誘導流を圧縮して圧縮誘導流を形成する工程を更に含み、
ここで、圧縮誘導流は、少なくとも0.03MPa、好ましくは0.03MPa〜1.75MPaの範囲の供給一酸化炭素分圧を有する、[1]に記載の方法。
[3]第2の反応器が液体触媒を含む、[1]に記載の方法。
[4]第2の反応器内において、メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つ、並びに触媒が液体である、[3]に記載の方法。
[5]第1の反応混合物が第1の量のロジウムを更に含み、第2の反応混合物が第2の量のロジウムを更に含み、ロジウムの第1の量がロジウムの第2の量よりも少ない、[1]に記載の方法。
[6]第1の反応器が触媒を含み、粗酢酸生成物が触媒を含む、[1]に記載の方法。
[7]粗酢酸生成物を分離して、触媒を含む触媒再循環流を形成する工程を更に含む、[6]に記載の方法。
[8]触媒再循環流の少なくとも一部を第2の反応器に送る工程を更に含む、[7]に記載の方法。
[9]第2の反応器が40モル%未満の一酸化炭素を含む生成物流を生成させる、[1]に記載の方法。
[10]第2の反応器内の圧力が第1の反応器内の圧力よりも低い、[1]に記載の方法。
[11]残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流が、
10モル%〜95モル%の一酸化炭素;及び
0.1モル%〜40モル%のメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つ;
を含む、[1]に記載の方法。
[12]第2の反応器内の反応温度が100℃〜250℃の範囲である、[1]に記載の方法。
[13]第2の反応器内において、メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを追加の供給流又は他の誘導流によって与える、[1]に記載の方法。
[14]メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つが酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルを含む、[1]に記載の方法。
[15]第1の反応器が触媒を含み、そして
分離が、
粗酢酸生成物をフラッシングして、酢酸、残留一酸化炭素、及び触媒を含む第1の蒸気流、並びに触媒を含む第2の液体残渣流にし;そして
フラッシングした蒸気流を、一酸化炭素を含む第2の蒸気流、精製酢酸生成物、及び触媒を含む第2の液体残渣流に分離する;
ことを含む、[1]に記載の方法。
[16]第2の液体残渣流の少なくとも一部を第2の反応器に送る、[15]に記載の方法。
[17]分離が、
第2の蒸気流をデカンテーションして、残留一酸化炭素を含む第3の蒸気流、並びに、ヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒドを含む第3の液体残渣流を形成し;そして
第3の蒸気流を圧縮して圧縮誘導流を形成する;
ことを含む、[15]に記載の方法。
[18]反応器内において、一酸化炭素供給流、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを、粗酢酸生成物を含む反応生成物、及び60モル%未満の一酸化炭素を含む排気流を生成させるのに有効な条件下で反応させることを含み;
反応器内での反応が均一反応であり、反応を1.05MPa未満の一酸化炭素分圧で行う、酢酸の製造方法。
[19]排気流が50モル%未満の一酸化炭素を含む、[18]に記載の方法。
[20]一酸化炭素供給流が、一酸化炭素供給流の全圧の60%未満の一酸化炭素分圧を有する、[18]に記載の方法。
[0011]下記において添付の図面を参照して本発明を詳細に記載する。図面において同様の番号は同様の構成要素を表す。
[0012]図1は、本発明の一態様にしたがって酢酸精製セクションからのパージ誘導流を処理するための、均一高圧液相カルボニル化二次反応器を含む代表的なプロセスの概要図である。 [0013]図2aは、本発明の一態様にしたがう、反応及び分離を含み、均一高圧液相カルボニル化二次反応器を含む代表的な酢酸製造プロセスの詳細な概要図である。 [0014]図2bは、本発明の一態様にしたがう、反応及び分離を含み、均一高圧液相カルボニル化二次反応器を含む代表的な酢酸製造プロセスの詳細な概要図である。
序論:
[0015]本発明は、概して、粗酢酸生成物の1以上の誘導流中に存在する可能性がある未反応、例えば残留一酸化炭素から酢酸を製造することに関する。1つ又は複数の誘導流は、粗酢酸生成物の精製及び分離中に得られる。本発明の目的のためには、分離区域とは、粗酢酸生成物を精製又は分離するプロセスの部分を指す。好ましい態様においては、1つ又は複数の誘導流は分離区域の排気流である。一態様においては、本発明方法は、誘導流中の残留一酸化炭素を利用して更なる酢酸を形成することによって、全一酸化炭素効率を有利に増加させる。他の態様においては、本発明方法は、精製及び分離セクションからパージ又は燃焼される一酸化炭素の量を有利に減少させる。
[0016]本発明は、一態様においては酢酸の製造方法に関する。本方法は、第1の反応器内において、粗酢酸生成物を生成させるのに有効な条件下で第1の反応混合物を反応させる工程を含む。第1の反応混合物は、(1)一酸化炭素;並びに(2)メタノール及び/又はメタノール誘導体;を含んでいてよい。粗酢酸生成物は、とりわけ酢酸及び残留一酸化炭素を含む。残留一酸化炭素は、粗酢酸生成物中に溶解及び/又は同伴されている可能性がある。本発明方法は、粗酢酸生成物を、残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流に分離し;そして、第2の反応器内において、更なる酢酸を生成させるのに有効な条件下で第2の反応混合物を反応させる;工程を更に含む。第2の反応混合物は、(1)少なくとも1つの誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部;並びに (2)メタノール及び/又はメタノール誘導体、例えば酢酸メチル、ジメチルエーテル、ギ酸メチル、及び/又は炭酸ジメチル;を含む。好ましくは、第2の反応器は均一反応器である。好ましい態様においては、反応器一酸化炭素分圧(第2の反応器内)は、1.05MPa未満、例えば1MPa未満、0.9MPa未満、0.75MPa未満、又は0.5MPa未満である。範囲に関しては、反応器一酸化炭素分圧は、0.005MPa〜1.05MPa、例えば0.01MPa〜1MPa、0.1MPa〜0.9MPa、0.005MPa〜0.15MPa、又は0.05〜0.15の範囲であってよい。一態様においては、反応器一酸化炭素分圧は、第2の反応器のヘッドスペース内の一酸化炭素分圧である。本発明の一次反応器とは異なり、且つ従来のカルボニル化反応器とは異なり、本発明の二次カルボニル化反応器は、低い反応器一酸化炭素分圧を用いて運転する。本発明の低い反応器一酸化炭素分圧は、従来のオフガス流をカルボニル化することができる従来の反応器とは大きく異なる。これらの従来の反応器は、遙かに高い一酸化炭素分圧を有する供給流を用いる。
[0017]ここで驚くべきことに且つ予期しなかったことに、第2の反応器を上記で議論した低い反応器一酸化炭素分圧で運転する場合でも、好適な一酸化炭素転化率、酢酸選択率、及び全生成物収率を達成することができることが発見された。一態様においては、第2の反応器における一酸化炭素転化率は、少なくとも30%、例えば少なくとも60%、少なくとも90%、又は少なくとも95%である。一態様においては、1種類又は複数のカルボニル化生成物、例えば酢酸、酢酸メチル、及びこれらの混合物への選択率は、少なくとも20%、例えば少なくとも60%、又は少なくとも90%である。一態様においては、第2の反応器における酢酸選択率は、少なくとも20%、例えば少なくとも60%、又は少なくとも90%である。これらの転化率及び選択率は、第2の反応器として均一反応器を用いることによって達成される。従来の反応スキーム、例えば不均一反応器は、通常は、同等の一酸化炭素転化率、酢酸選択率、及び生成物収率を達成するためには非常により高い反応器一酸化炭素分圧を必要とする。理論には縛られないが、均一反応器を用いることによって反応器排気流を減少又は排除することが可能になると考えられる。反応器排気流は、通常は一定量の一酸化炭素を含む反応器副生成物ガスから排気される。これらの排気流は、従来の不均一反応スキームにおいては避けられない。反応器排気流の大きさを減少させる(又は反応器排気流を完全に排除する)ことによって、プロセスからより少ない一酸化炭素が排気、例えば廃棄され、転化率が向上する。
[0018]本発明方法においては、排気を通してより少ない一酸化炭素が廃棄され、全一酸化炭素転化率が有利に向上する。一態様においては、全一酸化炭素転化率とは、第1の反応における初めの一酸化炭素供給流の転化率及び第2の反応における残留一酸化炭素の転化率に関する。全一酸化炭素転化率は、好ましくは90%より高く、例えば95%より高く、99%より高く、又は99.5%より高い。
[0019]他の利益としては、本発明のより低い反応器一酸化炭素分圧によって、大きな触媒沈殿の危険性なしに、第2の反応器をより低い全圧で運転することが可能になる。幾つかの態様においては、若干の触媒が沈殿する可能性があっても、沈殿する触媒は回収して、再循環、例えば一次反応器内で用いることができる。この触媒はより容易に回収及び再循環することができるので、第2の反応器の下流のフラッシャーの必要性が減少又は排除される。
[0020]好ましい態様においては、二次反応器の反応混合物から沈殿した触媒は、回収し、及び/又は一次反応器に再循環することができる。一態様においては、本方法は、粗酢酸生成物を分離して触媒再循環流を形成する工程を更に含む。このように、粗生成物中に存在する触媒は、例えばフラッシャー又は軽質留分カラムを通して分離し、粗流から取り出すことができる。好ましくは、触媒再循環流の少なくとも一部を二次反応器に送ることができ、そこで二次カルボニル化反応において用いることができる。一態様においては、軽質留分カラム及び/又はフラッシャーからスリップ流を採取して、二次反応器に送る。
[0021]他の態様においては、本発明は、一酸化炭素供給流、例えば、(従来の一酸化炭素供給流と比べて)低い濃度の一酸化炭素、例えば10モル%〜95モル%、25モル%〜75モル%、又は40モル%〜60モル%の一酸化炭素を含む低一酸化炭素含量の供給流を、メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つと接触させる工程を含む酢酸の製造方法に関する。好ましくは、低一酸化炭素含量の供給流は、60モル%〜約70モル%の一酸化炭素を含む。分圧に関しては、低一酸化炭素含量の供給流は、場合によっては、1つ又は複数の誘導流の全圧の10%〜95%、例えば25%〜75%、又は40%〜60%の一酸化炭素分圧を有する。限界値に関しては、低一酸化炭素供給流は、好ましくは、95モル%未満、例えば80モル%未満、70モル%未満、50モル%未満、又は40モル%未満の一酸化炭素を含む。他の態様においては、低一酸化炭素供給流は、低一酸化炭素供給流の全圧の95%未満、例えば80%未満、70%未満、50%未満、又は40%未満の一酸化炭素分圧を有する。ここでも、一酸化炭素をメタノールと反応させて酢酸を形成するためには、多少の量の一酸化炭素が一酸化炭素供給流中に存在していなければならない。例えば、一酸化炭素供給流は、0.1モル%より多く、0.5モル%より多く、又は1モル%より多い量の残留一酸化炭素を含んでいてよく;或いは、一酸化炭素供給流は、低一酸化炭素供給流の全圧の0.1%より大きく、例えば0.5%より大きく、又は1%より大きい一酸化炭素分圧を有していてよい。一酸化炭素供給流は、例えばメタノール及び/又はメタノール誘導体、例えば酢酸メチル、ジメチルエーテル、及び/又はギ酸メチルを更に含んでいてよく、これは酢酸組成物を生成させるために用いられる。一態様においては、メタノール誘導体は炭酸ジメチルであってよい。本発明方法は、場合によって排出ガスから得られる低一酸化炭素供給流を反応させ、これによりその廃棄を回避する。好ましくは、接触工程は、上記で議論したような均一反応器内で行う。
[0022]また、更なる態様は、一酸化炭素供給流、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを、粗酢酸生成物及び排気流を含む反応生成物を生成させるのに有効な条件下で接触させる工程を含む酢酸の製造方法に関する。排気流は、少量、例えば60モル%未満、例えば50モル%未満、25モル%未満、10モル%未満、5モル%未満、又は1モル%未満の一酸化炭素を含む。範囲に関しては、排気流は、0.1モル%〜60モル%、例えば1モル%〜50モル%、又は5モル%〜25モル%の一酸化炭素を含んでいてよい。他の態様においては、排気流は、排気流の全圧の60%未満、例えば50%未満、25%未満、10%未満、5%未満、又は1%未満の一酸化炭素分圧を有する。反応は、均一反応器を用い、1.05MPa未満の一酸化炭素分圧で行う。
一次カルボニル化:
[0023]本発明の特徴は、任意の好適な一酸化炭素/メタノールカルボニル化プロセスに適用することができる。第1の反応器内における一次カルボニル化反応のプロセス条件(及び第2の反応器内における二次カルボニル化反応のもの)は、広く変化させることができる。一例として、メタノール及び/又は1種類又は複数のメタノール誘導体を一酸化炭素と反応させて、大部分が酢酸を含む粗酢酸生成物を形成することができる。
[0024]好ましくは、第1の反応器は連続撹拌タンク反応器(CSTR)である。CSTRを用いる場合には、反応溶媒中に触媒を溶解し、液体メタノール及び一酸化炭素ガスを反応原材料として底部から注入して互いに反応させる。CSTRを用いる場合には、CSTRは、インペラーのような撹拌装置によって反応溶液を撹拌するように適合させることができるが、撹拌装置は必須ではない。或いは、カルボニル化を行う第1の反応器として、バブルカラム反応器を用いることができる。バブルカラム反応器を用いる場合には、円筒形の反応器に反応溶媒及び固体触媒を充填する。液体メタノールを反応原材料として底部から供給し、一方で、一酸化炭素ガスをジェット流として底部から上向きに注入する。注入された一酸化炭素ガスは円筒形の反応器内に含まれる液体中を上昇するにつれてバブルを形成し、触媒の粒子もガスリフト効果によって円筒形の反応器内を上向きに移動して液体中に分散される。一例として、特開平6−340242(その全部を参照として本明細書中に包含する)に開示されているように、反応器内において固体触媒の粒子を移動させる目的で、円筒形の反応器の底部に配置されているノズルを用いて、一酸化炭素を円筒形の反応器内に含まれる液体中にジェット流として注入することができる。好ましくは、カルボニル化プロセスは、米国特許5,001,259(その全部を参照として本明細書中に包含する)において例示されているようなメタノールの酢酸への低水分接触、例えばロジウム接触カルボニル化である。幾つかの態様においては、第1の反応器は、CSTR、或いは攪拌機を有するか又は有しないバブルカラムタイプの容器のいずれかであり、その中に反応混合物を好ましくは自動的に所定のレベルに維持する。この所定のレベルは、通常運転中は実質的に一定に維持することができる。一般的に言えば、必要に応じて、メタノール、一酸化炭素、及び、反応媒体中における水の少なくとも限定濃度を維持するのに十分な水を、第1の反応容器中に連続的に導入することができる。
[0025]一態様においては、第1の反応器内での反応は、均一反応混合物、例えば反応溶媒、メタノール及び/又はその反応性誘導体、第VIII族触媒、少なくとも限定濃度の水、及び場合によってはヨウ化物塩を含む均一接触反応系を用いて行う。他の態様においては、第1の反応器内での反応は、不均一反応混合物、例えば不均一接触反応系を用いて行う。不均一反応混合物を用いる場合には、幾つかの態様においては、二次反応器に触媒を供給するために触媒再循環流は用いない。
[0026]好適な第VIII族触媒としてはロジウム及び/又はイリジウム触媒が挙げられる。ロジウム触媒を用いる場合には、ロジウム触媒は、活性ロジウム触媒がヨウ化カルボニルコンプレックスであるような任意の好適な形態で加えることができる。代表的なロジウム触媒は、Michael Gaussら, Applied Homogeneous Catalysis with Organometallic Compounds: A Comprehensive Handbook in Two Volume, 2.1章, p.27-200(1版, 1996)に記載されている。本明細書に記載のプロセスの反応混合物中に場合によって保持されるヨウ化物塩は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の可溶性塩、或いは第4級アンモニウム又はホスホニウム塩の形態であってよい。幾つかの態様においては、触媒共促進剤は、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、又はこれらの混合物である。塩共促進剤は、ヨウ化物塩を生成する非ヨウ化物塩として加えることができる。ヨウ化物触媒安定剤は、反応システム中に直接導入することができる。或いは、反応システムの運転条件下においては、広範囲の非ヨウ化物塩前駆体が、反応媒体中のヨウ化メチル又はヨウ化水素酸と反応して対応する共促進剤のヨウ化物塩安定剤を生成するので、ヨウ化物塩をその場で生成させることができる。ロジウム触媒反応及びヨウ化物塩の生成に関する更なる詳細については、米国特許5,001,259、5,026,908、及び5,144,068(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。
[0027]イリジウム触媒を用いる場合には、イリジウム触媒に、液体反応組成物中に可溶の任意のイリジウム含有化合物を含ませることができる。イリジウム触媒は、液体反応組成物中に溶解するか、或いは可溶性の形態に転化させることができる任意の好適な形態で、カルボニル化反応のための液体反応組成物に加えることができる。液体反応組成物に加えることができる好適なイリジウム含有化合物の例としては、IrCl、IrI、IrBr、[Ir(CO)I]、[Ir(CO)Cl]、[Ir(CO)Br]、[Ir(CO)、[Ir(CO)Br、[Ir(CO)、[Ir(CH)I(CO、Ir(CO)12、IrCl・3HO、IrBr・3HO、Ir(CO)12、イリジウム金属、Ir、Ir(acac)(CO)、Ir(acac)、酢酸イリジウム、[IrO(OAc)(HO)][OAc]、及びヘキサクロロイリジウム酸[HIrCl]が挙げられる。酢酸塩、シュウ酸塩、及びアセト酢酸塩のようなイリジウムの塩素を含まないコンプレックスが、出発材料として通常用いられる。液体反応組成物中のイリジウム触媒の濃度は、100〜6000ppmの範囲であってよい。イリジウム触媒を用いるメタノールのカルボニル化は周知であり、米国特許5,942,460;5,932,764;5,883,295;5,877,348;5,877,347;及び5,696,284(これらの全部を参照として本明細書中に包含する)に概して記載されている。
[0028]第VIII族金属触媒成分と組み合わせて、アルキルハロゲン化物共触媒/促進剤が一般的に用いられる。アルキルハロゲン化物促進剤としてはヨウ化メチルが好ましい。好ましくは、液体反応組成物中のアルキルハロゲン化物の濃度は、1〜50重量%、好ましくは5〜20%の範囲である。
[0029]ハロゲン促進剤は、塩安定剤/共促進剤化合物(第IA又は第IIA族の金属の塩、第4級アンモニウム、ホスホニウム塩、或いはこれらの混合物を挙げることができる)と組み合わせることができる。ヨウ化物又は酢酸塩、例えばヨウ化リチウム又は酢酸リチウムが特に好ましい。
[0030]米国特許5,877,348(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような他の促進剤及び共促進剤を、本発明の触媒系の一部として用いることができる。好適な促進剤は、ルテニウム、オスミウム、タングステン、レニウム、亜鉛、カドミウム、インジウム、ガリウム、水銀、ニッケル、白金、バナジウム、チタン、銅、アルミニウム、スズ、アンチモンから選択され、より好ましくはルテニウム及びオスミウムから選択される。具体的な共促進剤は、米国特許6,627,770(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0031]促進剤は、液体反応組成物、及び/又は酢酸回収段階からカルボニル化反応器に再循環される任意の液体プロセス流中におけるその溶解度限界以下の有効な量で存在させることができる。用いる場合には、促進剤は、好適には、0.5:1〜15:1、好ましくは2:1〜10:1、より好ましくは2:1〜7.5:1の促進剤と金属触媒とのモル比で液体反応組成物中に存在させる。好適な促進剤濃度は400〜5000ppmである。
[0032]一態様においては、第1の反応器内におけるカルボニル化反応の温度は、好ましくは150℃〜250℃、例えば150℃〜225℃、又は150℃〜200℃である。カルボニル化反応の圧力は、好ましくは、1〜20MPa、好ましくは1〜10MPa、最も好ましくは1.5〜5MPaである。
[0033]一態様においては、第1の反応混合物は反応溶媒又は複数の溶媒の混合物を含む。溶媒は、好ましくは触媒系と相溶性であり、純粋なアルコール、アルコール供給材料の混合物、及び/又は所望のカルボン酸及び/又はこれらの2種類の化合物のエステルを挙げることができる。一態様においては、(低水分)カルボニル化プロセスのための溶媒及び液体反応媒体は、好ましくは酢酸である。
[0034]第1の反応器に供給されるメタノール供給流は、メタノール及び/又はその反応性誘導体を含む。メタノールの好適な反応性誘導体としては、酢酸メチル、ジメチルエーテル、及びギ酸メチルが挙げられる。一態様においては、メタノール及びその反応性誘導体の混合物を、本発明方法における反応物質として用いることができる。好ましくは、メタノール及び/又は酢酸メチルを反応物質として用いる。メタノール及び/又はその反応性誘導体の少なくとも一部が、酢酸生成物又は溶媒との反応によって酢酸メチルに転化し、それによって液体反応組成物中に酢酸メチルとして存在する。液体反応混合物中の酢酸メチルの濃度は、好適には0.5重量%〜70重量%、例えば0.5重量%〜50重量%、1重量%〜35重量%、又は1重量%〜20重量%の範囲である。
[0035]第1の反応器に供給される一酸化炭素供給流は実質的に純粋であってよく、或いは、二酸化炭素、メタン、水素、窒素、希ガス、水、及びC〜Cパラフィン系炭化水素のような少量の不活性不純物を含んでいてよい。一酸化炭素供給流は、好ましくは高い含量、例えば少なくとも95モル%、少なくとも98モル%、又は少なくとも99モル%の一酸化炭素を含む。一酸化炭素供給流は、好ましくは、二次反応区域に供給される誘導流と比べて高い一酸化炭素含量を有する。
[0036]一酸化炭素供給流はまた、分圧の観点で特徴付けることもできる。一酸化炭素供給流は、一酸化炭素供給流105の全圧の少なくとも95%、例えば少なくとも98%、又は少なくとも99%の一酸化炭素分圧を有していてよい。一態様においては、一酸化炭素供給流中の一酸化炭素の分圧は、0.1MPa〜7MPa、例えば0.1MPa〜3.5MPa、又は0.1MPa〜1.5MPaの範囲である。水ガスシフト反応によって、一酸化炭素供給流中に水素が生成する可能性がある。好ましくは、水素の存在は種々の水素化生成物の形成をもたらす可能性があるので、水素の分圧は低いレベル、例えば0.1MPa未満、又は0.05MPa未満に維持する。
[0037]本発明方法に関して用いる原材料は、天然ガス、石油、石炭、バイオマスなどをはじめとする任意の好適な源から誘導することができる。
[0038]石油及び天然ガスの価格は変動してより高価か又はより安価になるので、代替の炭素源からメタノール及び一酸化炭素のような酢酸中間体を製造する方法に益々興味が持たれている。特に、石油が比較的高価である場合には、より利用可能な炭素源から誘導される合成ガス(シンガス)から酢酸を製造することが有利になる可能性がある。したがって、幾つかの態様においては、上記に記載のカルボニル化のための原材料の一部又は全部を、部分的又は完全にシンガスから誘導することができる。例えば、メタノール及び一酸化炭素の両方をシンガスから誘導することができる。シンガスは部分酸化改質又は水蒸気改質によって形成することができ、一酸化炭素はシンガスから分離することができる。次に、シンガスは種々の炭素源から誘導することができる。炭素源は、例えば、天然ガス、オイル、石油、石炭、バイオマス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。シンガス又は水素はまた、ゴミ廃棄場又は農業廃棄物によって生成するバイオ誘導メタンガスのようなバイオ誘導メタンガスから得ることもできる。
[0039]バイオマスの例としては、農業廃棄物、林産物、芝類、及び他のセルロース材料、木材収穫残渣、軟材チップ、硬材チップ、木の枝、木の切り株、葉、樹皮、おがくず、規格外紙パルプ、トウモロコシ、トウモロコシ茎葉、麦藁、稲藁、サトウキビバガス、スイッチグラス、茅、動物糞尿、都市厨芥、都市下水、商業廃棄物、ブドウ絞り滓、アーモンド殻、ペカン殻、ココナツ殻、コーヒー出し殻、芝ペレット、干し草ペレット、木材ペレット、段ボール、紙、プラスチック、及び布帛が挙げられるが、これらに限定されない。例えば米国特許7,884,253(その全部を参照として本明細書中に包含する)を参照。他のバイオマス源は、木材をパルプ(これを次に乾燥して紙を製造する)に変化させるためのクラフトプロセスの副生成物である濃厚な暗色の液体である黒液である。黒液は、リグニン残渣、ヘミセルロース、及び無機化学物質の水溶液である。
[0040]また、米国特許RE35,377(参照として本明細書中に包含する)においては、石油、石炭、天然ガス、及びバイオマス材料のような炭素質材料を転化させることによってメタノールを製造する方法が開示されている。このプロセスは、固体及び/又は液体の炭素質材料を水素添加ガス化してプロセスガスを得て、これを追加の天然ガスで蒸気熱分解して合成ガスを形成することを含む。シンガスをメタノールに転化させ、これを酢酸にカルボニル化することができる。
[0041]酢酸は、次に水素化してエタノール及び/又はエタノール誘導体を形成することができる。酢酸を水素化してエタノールを形成する方法は、例えば、米国特許7,608,744;7,863,489;米国公開US2010/0197985;US2011/0190547;US2011/0190548;US2011/0275862;US2011/0282110;及び米国特許出願13/197,743;13/197,738;13/299,816;これらはそれぞれその全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されている。
[0042]カルボニル化反応に戻り、例えばメタノール反応物質と酢酸生成物との間のエステル化反応によって、水が液体反応組成物中においてその場で形成される可能性がある。水は、液体反応組成物の他の成分と一緒か又はこれらとは別々にカルボニル化反応器に導入することができる。水は、反応器から排出される反応組成物の他の成分から分離することができ、制御された量で再循環して液体反応組成物中の水の必要濃度を維持することができる。好ましくは、液体反応組成物中において維持される水の濃度は、0.1重量%〜16重量%、例えば1重量%〜14重量%、又は1重量%〜10重量%の範囲である。
[0043]一態様においては、反応媒体中に、所望のカルボン酸とアルコール、望ましくはカルボニル化において用いるアルコールとのエステル、並びにヨウ化水素として存在するヨウ化物イオンの他に更なるヨウ化物イオンを保持することによって、低い水濃度においても所望の反応速度が得られる。好ましいエステルの例は酢酸メチルである。更なるヨウ化物イオンは望ましくはヨウ化物塩であり、ヨウ化リチウム(LiI)が好ましい。米国特許5,001,259に記載されているように、低い水濃度下においては、酢酸メチル及びヨウ化リチウムは、比較的高い濃度のこれらの成分のそれぞれが存在している場合にのみ速度促進剤として機能し、これらの成分の両方が同時に存在している場合に促進がより高いことが分かっている。好ましいカルボニル化反応システムの反応媒体中において維持されるヨウ化物イオンの濃度は、この種の反応システムにおいてハロゲン化物塩を用いることに取り組んでいる僅かな従来技術のものと比べて非常に高いと考えられる。ヨウ化物イオン内容物の絶対濃度は、本発明の有用性に対して限定を与えるものではない。
[0044]上記したように、メタノールの酢酸生成物へのカルボニル化反応は、メタノール供給流を、カルボニル化生成物を形成するのに好適な温度及び圧力の条件において、触媒、例えばロジウム又はイリジウム、ヨウ化メチル促進剤、酢酸メチル、及び/又は更なる可溶性ヨウ化物塩を含む酢酸溶媒反応媒体を通してバブリングさせている気体状一酸化炭素と接触させることによって行うことができる。理論には縛られないが、一般に、重要なのはヨウ化物と会合するカチオンではなく、触媒系中のヨウ化物イオンの濃度であり、ヨウ化物の与えられたモル濃度においては、カチオンの性質はヨウ化物濃度の効果ほどは重要ではないと認識される。塩がヨウ化物の所望のレベルを与えるのに十分に反応媒体中に可溶であるならば、任意の金属ヨウ化物塩、或いは任意の有機カチオンの任意のヨウ化物塩、或いはアミン又はホスフィン化合物をベースとするもののような他のカチオン(場合によっては3級又は4級カチオン)を反応媒体中に保持することができる。ヨウ化物が金属塩である場合には、好ましくはこれは、"Handbook of Chemistry and Physics", CRC Press刊, Cleveland, Ohio, 2002-03(83版)に示されているような周期律表第IA族及び第IIA族の金属からなる群の元素のヨウ化物塩である。特に、アルカリ金属ヨウ化物が有用であり、ヨウ化リチウムが特に好適である。
[0045]低水分カルボニル化においては、有機ヨウ化物促進剤に加えて、2重量%〜20重量%、例えば2重量%〜15重量%、又は3重量%〜10重量%の範囲の量の更なるヨウ化物を触媒溶液中に存在させることができ;酢酸メチルは、0.5重量%〜30重量%、例えば1重量%〜25重量%、又は2重量%〜20重量%の範囲の量で存在させることができ;ヨウ化リチウムは、5重量%〜20重量%、例えば5重量%〜15重量%、又は5重量%〜10重量%の範囲の量で存在させることができる。触媒は、200wppm〜2000wppm、例えば200wppm〜1500wppm、又は500wppm〜1500wppmの範囲の量で触媒溶液中に存在させることができる。
[0046]一次カルボニル化反応は、大部分が酢酸を含む粗酢酸生成物を生成する。例えば、粗酢酸生成物は、少なくとも50モル%、例えば少なくとも60モル%、少なくとも75モル%、少なくとも90モル%、少なくとも95モル%、又は少なくとも98モル%の酢酸を含んでいてよい。上限に関しては、粗酢酸生成物は、99.9モル%未満、例えば99モル%未満、又は95モル%未満の酢酸を含んでいてよい。範囲に関しては、粗酢酸生成物は、場合によっては、50モル%〜99.9モル%、例えば60モル%〜99モル%、又は75モル%〜95モル%の酢酸を含む。
[0047]他の態様においては、粗酢酸生成物は、粗酢酸生成物の全圧の少なくとも50%、例えば少なくとも75%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも98%の酢酸分圧を有していてよい。上限に関しては、粗酢酸生成物は、粗酢酸生成物の全圧の99.9%未満、例えば99%未満、又は95%未満の酢酸分圧を有していてよい。範囲に関しては、酢酸分圧は、粗酢酸生成物の全圧の50%〜99.9%、例えば60%〜99%、又は75%〜95%の範囲であってよい。場合によっては、粗酢酸生成物は、ヨウ化メチル(液体及び/又は蒸気)、酢酸メチル、プロピオン酸、水、残留触媒、及びアセトアルデヒドを更に含む。一態様においては、粗酢酸生成物は、酢酸、残留触媒、溶解及び/又は同伴一酸化炭素、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、過マンガン酸塩還元性化合物(PRC)、及び/又は二酸化炭素、水素、及びメタンのような他の溶解ガスを含んでいてよい。
[0048]粗酢酸生成物は、残留一酸化炭素を更に含んでいてよい。一態様においては、粗酢酸生成物は、20モル%未満、例えば10モル%未満、5モル%未満、又は3モル%未満の量の残留一酸化炭素を含む。勿論、残留一酸化炭素をメタノール及び/又はメタノール誘導体と反応させて更なる酢酸を形成するためには、多少の量の一酸化炭素が存在していなければならない。例えば、粗酢酸生成物は、0.1モル%より多く、0.5モル%より多く、又は1モル%より多い量の残留一酸化炭素を含んでいてよい。範囲に関しては、粗酢酸生成物は、0.1モル%〜20モル%、例えば0.5モル%〜10モル%、又は1モル%〜5モル%の一酸化炭素、例えば残留一酸化炭素を含んでいてよい。
[0049]他の態様においては、フラッシングした蒸気相粗酢酸生成物は、フラッシングした粗酢酸生成物の全圧の20%未満、例えば10%未満、5%未満、又は3%未満の一酸化炭素分圧を有する。分圧に関しては、フラッシングした粗酢酸生成物は、フラッシングした粗酢酸生成物の全圧の少なくとも0.1%、例えば少なくとも0.5%、又は少なくとも1%の一酸化炭素分圧を有していてよい。粗酢酸生成物は、場合によっては、粗酢酸生成物の全圧の0.1%〜20%、例えば0.5%〜10%、又は1%〜5%の一酸化炭素分圧を有する。
[0050]他の態様においては、フラッシングした粗酢酸生成物は、0.3MPaの全圧において、0.06MPa未満、例えば0.03MPa未満、0.015MPa未満、又は0.009MPa未満の一酸化炭素分圧を有する。一態様においては、フラッシングした粗酢酸生成物は0.3MPaの全圧であり、一酸化炭素分圧は、少なくとも0.0003MPa、例えば少なくとも0.0015MPa、又は少なくとも0.003MPaであってよい。
分離:
[0051]上記したように、本発明方法は、粗酢酸生成物を1以上の誘導流に分離する工程を含む。誘導流の少なくとも1つ、例えば少なくとも2つ又は少なくとも3つは、残留一酸化炭素の少なくとも一部を含む。好ましくは、誘導流の少なくとも1つは蒸気である。残留一酸化炭素、例えば未反応の一酸化炭素は、カルボニル化反応において反応しなかった一酸化炭素を含み、それ自体は粗酢酸生成物中に残留する。一態様においては、1つ又は複数の誘導流中の残留一酸化炭素は、それぞれの流れの中に同伴される。理論には縛られないが、一酸化炭素の同伴は、一酸化炭素が液体反応混合物によって運ばれることに起因すると考えられる。対照的に、通常のオフガス流は、単純に反応器内に蓄積される蒸気から取り出される流れである。而して、従来のオフガス流中の一酸化炭素は、この流れの中に同伴されない。
[0052]一態様においては、1つ又は複数の誘導流は、一次反応器、例えば第1の反応器に供給される一酸化炭素よりも少ない一酸化炭素を含む。一態様においては、1つ又は複数の誘導流は、95モル%未満、例えば80モル%未満、75モル%未満、60モル%未満、50モル%未満、又は40モル%未満の一酸化炭素を含む。他の態様においては、1つ又は複数の蒸気相誘導流は、1つ又は複数の蒸気相誘導流の全圧の95%未満、例えば75%未満、60%未満、50%未満、又は40%未満の一酸化炭素分圧を有する。範囲に関しては、1つ又は複数の誘導流は、場合によっては10モル%〜95モル%、例えば25モル%〜75モル%、又は40モル%〜60モル%の残留一酸化炭素を含む。好ましくは、1つ又は複数の誘導流は60モル%〜70モル%の一酸化炭素を含む。一態様においては、1つ又は複数の誘導流中の一酸化炭素の濃度は、反応区域101に供給される一酸化炭素の濃度よりも少なくとも5%低く、例えば少なくとも10%低く、少なくとも25%低く、又は少なくとも50%低くてよい。他の態様においては、誘導流108の一酸化炭素濃度は(モル%か又は一酸化炭素分圧で)、従来のオフガス流中の濃度よりも少なくとも5%低く、例えば少なくとも10%低く、少なくとも25%低く、又は少なくとも50%低くてよい。一態様においては、供給流中の一酸化炭素の比較的低い量のために、第2の反応器内における他の反応物質、例えばメタノール及び/又はメタノール誘導体と一酸化炭素とのモル比は、0.02:1より大きく、例えば0.1:1より大きく、0.25:1より大きく、又は0.5:1より大きい。分圧に関しては、1つ又は複数の誘導流は、場合によっては、1つ又は複数の誘導流の全圧の10%〜95%、例えば25%〜75%、又は40%〜60%の一酸化炭素分圧を有する。好ましい態様においては、1つ又は複数の誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部を、第2の反応器内で反応させて更なる酢酸を生成させる。
[0053]一態様においては、本発明方法は、1つ又は複数の誘導流を圧縮して1つ又は複数の圧縮誘導流を形成する工程を更に含む。1つ又は複数の誘導流を圧縮するために、任意の好適な圧縮ユニットを用いることができる。好ましい態様においては、1つ又は複数の圧縮誘導流は、少なくとも0.03MPa、例えば少なくとも0.1MPa、少なくとも0.5MPa、又は少なくとも1MPaの供給一酸化炭素分圧を有する。範囲に関しては、1つ又は複数の圧縮誘導流は、0.03MPa〜1.75MPa、例えば0.1MPa〜1.5MPa、又は0.1MPa〜0.5MPaの範囲の供給一酸化炭素分圧を有していてよい。供給一酸化炭素分圧は、反応器一酸化炭素分圧、例えば二次反応器のヘッドスペースからの排気の一酸化炭素分圧とは異なる。好ましい態様においては、1つ又は複数の圧縮誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部を、第2の反応器内において反応させて更なる酢酸を形成する。幾つかの代表的な分離スキームを下記において詳細に議論する。
二次カルボニル化:
[0054]上記で議論したように、本発明方法は、第2の反応器内において、第2の反応混合物を反応させて更なる酢酸を生成させる工程を含む。第2の反応混合物は、1つ又は複数の誘導流からの残留一酸化炭素の少なくとも一部、並びにメタノール及び/又はメタノール誘導体を含む。反応器は好ましくは均一反応器であり、第2の反応器内で起こる二次(追加)カルボニル化は、均一反応、例えば均一液相反応であってよい。一態様においては、第2の反応混合物は均一液相反応混合物である。一態様においては、反応は、均一触媒、例えば液相触媒上で行う。好ましい態様においては、メタノール及び/又はメタノール誘導体、並びに金属触媒は、液体であるか、及び/又は反応媒体中に可溶である。第2のカルボニル化を例えば均一反応器内で均一に行うことによって、低い反応器一酸化炭素分圧を用いながら、好適な一酸化炭素転化率、酢酸選択率、及び全生成物収率を達成することができる。
[0055]一態様においては、第1の反応混合物は触媒として第1の量のロジウムを含み、第2の反応混合物は触媒として第2の量のロジウムを含む。好ましくは、ロジウムの第1の量は、ロジウムの第2の量よりも少なく、例えば少なくとも10%少なく、少なくとも25%少なく、又は少なくとも50%少ない。一態様においては、第1の反応混合物は、300wppm〜5000wppm、例えば900wppm〜1500wppm、又は1100wppm〜1300wppmのロジウムを含む。下限に関しては、第1の反応混合物は、少なくとも300wppm、例えば少なくとも700wppm、少なくとも900wppm、又は少なくとも1100wppmを含む。上限に関しては、第1の反応混合物は、1700wppm未満、例えば1500wppm未満、又は1300wppm未満のロジウムを含む。一態様においては、第2の反応混合物は、500wppm〜6000wppm、例えば1500wppm〜3500wppm、又は2000wppm〜3000wppmのロジウムを含む。下限に関しては、第2の反応混合物は、少なくとも500wppm、例えば少なくとも1000wppm、少なくとも1500wppm、又は少なくとも2000wppmのロジウムを含む。上限に関しては、第2の反応混合物は、4000wppm未満、例えば3500wppm未満、又は3000wppm未満のロジウムを含む。
[0056]一態様においては、第2の反応器内の圧力は、第1の反応器内の圧力よりも低く、例えば少なくとも10%低く、少なくとも25%低く、又は少なくとも50%低い。有益には、本発明にしたがって均一反応器を用いることによって、1つ又は複数の誘導流を圧縮する必要性が大きく減少し、これにより全プロセス効率が増加する。一態様においては、第2の反応器内の圧力は、0.1MPa〜10MPa、例えば1MPa〜5MPa、又は2MPa〜3MPaの範囲である。他の態様においては、第2の反応器内の温度は、100℃〜300℃、例えば150℃〜300℃、又は175℃〜250℃の範囲である。一態様においては、第2の反応器内の反応温度は第1の反応器内の反応温度と同等である。しかしながら、他の態様においては、これらの2つの温度は互いに異なる。
[0057]また、第2の反応器内の反応は(及び場合によっては第1の反応器内の反応も)、対向流又は並流法で行うことができる。第2の反応器内での反応のための触媒は第1の反応器内における触媒と同じであってよいが、第2の反応器内における触媒は第1の反応器内における触媒と異なることが好ましい。好ましくは、第2の反応器内における触媒は、より少量の一酸化炭素を含む一酸化炭素流を処理するように調整する。好ましくは、第2の反応器内の触媒は、好適な樹脂、例えばポリビニルピリジン又は炭素にイオン結合している二ヨウ化ロジウムジカルボニルアニオンである。
[0058]二次反応器は、一般に、比較的低一酸化炭素の供給流を用いるメタノールのカルボニル化のために好適な任意の均一反応器であってよい。好ましくは、第2の反応器は連続撹拌タンク反応器(CSTR)である。一態様においては、第2の反応器としてバブルカラム反応器を用いてカルボニル化を行うことができる。二次反応器としてこれらの反応器を用いる場合には、これらの反応器のパラメーターは、第1の反応器に関して上記で議論したパラメーターと同様である。
[0059]一態様においては、第2の反応器は触媒セクション及びヘッドスペースを含む。好ましい態様においては、反応器一酸化炭素分圧は、第2の反応器のヘッドスペース内で測定する。
[0060]代表的なカルボニル化反応/分離システムを図1に示す。カルボニル化システム100は、カルボニル化反応区域101、分離区域102、及び二次反応区域103を含む。本発明の幾つかの態様にしたがって用いることができる反応区域及び分離区域を含む他の代表的なカルボニル化システムとしては、米国特許7,223,886、7,005,541、6,657,078、6,339,171、5,731,252、5,144,068、5,026,908、5,001,259、4,994,608、及び米国公開2008/0287706、2008/0293966、2009/0107833、2009/0270651(これらの全ての内容及び開示事項を参照として本明細書中に包含する)に記載されているものが挙げられる。代表的な反応区域101及び分離区域102を、図2a及び2bに関して下記に議論する詳細な概要図において示す。
[0061]図1に示すように、メタノール供給流104及び一酸化炭素供給流105を、反応区域101に供給、好ましくは連続的に供給して、粗酢酸生成物流106を生成させる。粗酢酸生成物流106は分離区域102に供給することができ、ここで精製酢酸生成物流107、並びに誘導流108、109、並びに随意的な誘導流110を生成させる。誘導流108は、二次反応区域103に供給することができる。誘導流108は単一の流れとして示すが、複数の誘導流を分離区域102によって生成させることができる。再循環された化合物を含んでいてよい誘導流109は、反応区域101に供給、例えば再循環することができる。随意的な態様においては、随意的な誘導流110も二次反応区域103に供給することができる。一態様においては、1つ又は複数の誘導流は、粗酢酸生成物から誘導される流れである。例えば、1つ又は複数の誘導流は、粗酢酸生成物の分離から得られる流れであってよい。他の例としては、誘導流は、図2a及び2bにおいて示すように、フラッシャーによって生成される1つ又は複数の流れであってよい。一態様においては、1つ又は複数の誘導流は従来のオフガス流を含まない。従来のオフガス流は、単に、粗酢酸生成物を排出する、例えばフラッシャー中に排出するにつれて反応器内に蓄積される副生成物ガスの流れである。これらのオフガス流は、実質的に反応副生成物を含み、粗酢酸生成物の分離からは得られない。而して、従来のオフガス流は誘導流とはみなされない。
[0062]本発明は残留一酸化炭素のより効率的な利用を与えるので、本発明方法及びシステムによって、より多量のオフガスを反応器及び/又はフラッシャーから排出することを可能にすることができる。これらのより多い量は、システム内の他の流れ、例えば再循環流又はポンプアラウンド流を補給するために有益に使用することができる。従来のシステムにおいては、増加したオフガスの排出によって一酸化炭素の廃棄が増加するであろう。
[0063]誘導流108は、液相又は蒸気相であってよく、好ましくは、溶解及び/又は同伴されている一酸化炭素、並びに場合によってはメタノール及び/又はその反応性誘導体、好ましくは酢酸メチルを含む。好ましい態様においては、誘導流108は蒸気相である。図1においては、誘導流108は、好ましくは高圧液相カルボニル化二次反応器である二次反応器111に供給する。
[0064]好ましい態様においては、二次反応器111内で反応させる反応物質、例えばメタノール及び/又はメタノール誘導体は、誘導流108中に存在していてよい。一態様においては、誘導流108は、0.1モル%〜40モル%、例えば0.5モル%〜20モル%、又は1モル%〜10モル%の範囲の量のメタノール及び/又はメタノール誘導体を含む。他の態様においては、誘導流108は蒸気相であり、誘導流108の全圧の0.1%〜40%、例えば0.5%〜20%、又は1%〜10%のメタノール及び/又はメタノール誘導体の分圧を有する。好ましい態様においては、第2の反応器111に供給するメタノール及び/又はメタノール誘導体反応物質は、酢酸メチルである。随意的な態様においては、新しいメタノール及び/又はメタノール誘導体を、ライン115を通して第2の反応器111に供給することができる。他の随意的な態様においては、分離区域102からの随意的な誘導流110中に含まれるメタノール及び/又はメタノール誘導体を第2の反応器111に供給することができる。他の態様においては、誘導流108はアセトアルデヒドを含む。これらの態様においては、第2の反応器111は、誘導流108中のアセトアルデヒドを反応させて他の物質を形成することができる。例えば、アセトアルデヒドを反応させてエタノールを形成することができ、これを次にプロピオン酸に転化させることができ、これは生成物流から容易に取り出される。誘導流108中のアセトアルデヒドを転化させることによって、誘導流108からアセトアルデヒドが有利に取り出される。このアセトアルデヒドの反応によって、生成物流中のアセトアルデヒドの量が低下し、その後のアセトアルデヒド除去ユニット、例えばPRSユニットに関する必要性が減少する。
[0065]図1において、二次反応器111は、好ましくは高圧液相カルボニル化二次反応器である。二次反応器111内での追加のカルボニル化反応は、液相均一触媒上で行う。一態様においては、液相均一触媒は、溶液中に溶解している金属、例えば酢酸中に溶解しているロジウム及び/又はイリジウムを含む。第2の反応器111は、好ましくは一次反応器のものよりも低い圧力で運転する。一態様においては、二次反応器111は、一次反応器のものと同等の温度で運転する。他の態様においては、二次反応器111は、一次反応器の温度よりも高く、例えば少なくとも5%高く、又は少なくとも10%高い温度で運転する。
[0066]誘導流108は、好ましくは、液体又は凝縮蒸気流として、場合によっては新しい反応物質(ライン115を通して)と共に二次反応器111に供給して、酢酸を含む二次粗生成物流116、及び塔頂流117を生成させる。一態様においては、メタノール及び/又はメタノール誘導体は、追加の供給流によるか又は異なる誘導流によって第2の反応器に供給する。塔頂流117は、ヨウ化メチル、残留一酸化炭素(存在する場合)、気化メタノール、気化酢酸メチル、及びメタンのような他の非凝縮性の気体を含む。塔頂流117は、凝縮し、ノックアウトポット118に供給して液体流119及び蒸気流120を取り出す。液体流119は、随意的な誘導流110と一緒に第2の反応器111に供給する。
[0067]二次粗生成物流116は、更に処理して分離区域102に供給することができ、或いは精製酢酸生成物107と混合することができる。幾つかの態様においては、二次粗生成物流116は、精製酢酸生成物107とは独立して回収することができる。好ましくは、二次粗生成物流116は、誘導流108と比べて酢酸に富む。一態様においては、二次粗生成物流116は、30モル%〜95モル%、例えば50モル%〜75モル%、又は45モル%〜70モル%の酢酸を含む。限界値に関しては、二次粗生成物流116は、少なくとも25モル%、例えば少なくとも50モル%、少なくとも40モル%、又は少なくとも60モル%の酢酸を含む。分圧に関しては、二次粗生成物流116は、(蒸気相の場合には)二次粗生成物流116の全圧の30%〜95%、例えば50%〜75%、又は45%〜70%の酢酸分圧を有していてよい。一態様においては、二次粗生成物流116は、少量の一酸化炭素、例えば40モル%未満、例えば25モル%未満、10モル%未満、5モル%未満、又は3モル%未満の一酸化炭素を更に含んでいてよい。他の態様においては、二次粗生成物流116は、50モル%未満、例えば40モル%未満、25モル%未満、又は15モル%未満の量のメタノール及び/又はメタノール誘導体を更に含んでいてよい。範囲に関しては、二次粗生成物流116は、10モル%〜50モル%、例えば10モル%〜40モル%、又は15モル%〜30モル%のメタノール及び/又はメタノール誘導体を含んでいてよい。
[0068]蒸気流120はパージ又は燃焼させることができる。好ましい態様においては、蒸気流120は、誘導流108よりも実質的により少ない一酸化炭素を含み、より好ましくは一酸化炭素を実質的に含まない。更に、蒸気流120の一部を1以上の回収ユニット121に供給することができる。図1は回収ユニット121を示す。ライン122を通してスクラビング溶媒を供給する。好ましくは、25℃未満に冷却されている溶媒を回収ユニット121に供給して、蒸気流120をスクラビングしてヨウ化メチルのような低沸点成分を除去することができ、これはライン123を通して取り出して、好ましくは反応区域101に戻す。代表的なスクラビング溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルエーテル、酢酸、及びこれらの混合物が挙げられる。回収ユニット121の塔頂流は、パージガス124として排出することができる。
[0069]図2a及び2bは、代表的な反応区域201及び代表的な分離区域202を含む反応/分離プロセス200を示す。反応区域201は、第1の反応器130、フラッシャー131、及び反応器回収ユニット132を含む。図1、2a、及び2bにおいて、同じ番号は同様の要素を示す。
[0070]一態様においては、例えば気体状態の一酸化炭素を、望ましくは内容物を撹拌するのに用いることができる随意的な攪拌機の下方で第1の反応器230中に連続的に導入する。メタノール供給流204を通してメタノールを第1の反応器230に供給する。第1の反応器230の温度は、上記に示すように制御することができる。一酸化炭素供給流205は、所望の全反応器圧力を維持するのに十分な速度で導入する。
[0071]気体供給流は、好ましくは撹拌手段によって反応媒体中に十分に分散させる。望ましくは、第1の反応器230からのオフガスライン232を通して気体パージを排気する。オフガス排気流232は、メタン、二酸化炭素、及び水素のような気体副生成物の蓄積を阻止して、与えられた全反応器圧力において設定一酸化炭素分圧を維持する。オフガス排気流232は、上記で議論したように誘導流ではない。図2a及び2bに示すように、反応器回収ユニット233を用いて、ライン232内の排出ガスから低沸点成分を取り出すことができる。第1の反応器230からの気体パージ流は混合するか又は別々にスクラビングすることができ、通常は酢酸、メタノール、又は酢酸とメタノールとの混合物のいずれかでスクラビングして、ヨウ化メチルのような低沸点成分がプロセスから失われることを阻止する。排気スクラビング液体溶媒としてメタノールを用いる場合には、反応器回収ユニット233からの富化メタノール(ヨウ化メチルを含む)は、通常は例えばライン234を通してプロセスに戻すが、フラッシャー残渣又は軽質留分若しくは脱水カラム塔頂流のような反応器へ再循環して戻される任意の流れの中に戻すこともできる。排気スクラビング液体溶媒として酢酸を用いる場合には、スクラバーからの富化酢酸(ヨウ化メチルを含む)は、通常は吸収された軽質留分をストリッピングして、得られる貧化酢酸をスクラバー(図示せず)に再循環して戻す。富化酢酸スクラビング溶媒からストリッピングされる軽質留分成分は、例えばライン234を通して主プロセスに直接、或いは第1の反応器230、例えばライン235を通してフラッシャー231、又は分離区域202内の好適な領域などの幾つかの異なる位置に間接的に戻すことができる。一態様においては、反応器回収ユニット233の頂部から排出される流れは、ライン239を通して例えば更なる分離又はスクラビングを伴っていてよい更なる処理に排出する。好ましくは、とりわけ(残留)一酸化炭素及びメタノールを含む可能性があるライン236の内容物は、好ましくは二次反応区域203内において更に反応させて更なる酢酸を生成させることができる。場合によっては、気体パージ流は、フラッシャーのベース液又は軽質留分カラムの下部部分を通して排気してロジウムの安定性を向上させることができ、及び/又はスクラビングの前に他の気体プロセス排気(例えば精製カラム塔頂流受容器排気)と混合することができる。
[0072]粗酢酸生成物は、その中の一定のレベルを維持するのに十分な速度で第1の反応器230から引き抜き、流れ236を通してフラッシャー231に供給する。フラッシャー231内においては、粗生成物をフラッシュ分離工程で分離して、酢酸を含む揮発性(蒸気)塔頂流237、及び触媒含有溶液を含む揮発性のより低い流れ238を得る。触媒含有溶液は、ロジウム及びヨウ化物塩を、より少量の酢酸メチル、ヨウ化メチル、及び水と一緒に含む酢酸を含む。揮発性のより低い流れ238は、好ましくは反応器230に再循環する。有益には、この流れの少なくとも一部を第2の反応器に送ることができ、ここで触媒を用いて更なる酢酸を形成する。流れ238’及び238”は、流れ238の一部を第2の反応器211に送ることを示す。図2aにおいてはこれらの流れの両方を第2の反応器211に送ることを示しているが、幾つかの態様においては、流れの1つのみを反応器に送る。他の態様においては、流れ238’及び238”は存在せず、例えば流れ238の全部を第1の反応器230に再循環する。二次反応器として均一反応器を用いることによって、これらのライン内の触媒の再循環が促進される。この再循環は、向上したプロセス効率を有利に与える。他の態様においては、新しい触媒を第2の反応器211に供給することができる。新しい触媒、例えばロジウムは第2の反応器211に供給する唯一の触媒であってよく、或いは別の態様においては、触媒再循環流を通して供給されるロジウムと混合することができる。蒸気塔頂流237はまた、ヨウ化メチル、酢酸メチル、水、PRCも含む。第1の反応器230から排出されてフラッシャー231に導入される溶解及び/又は同伴ガスは一酸化炭素の一部を含み、メタン、水素、及び二酸化炭素のような気体状副生成物も含む可能性がある。溶解ガスは、塔頂流237の一部としてフラッシャー231から排出される。幾つかの態様においては、低沸点の塔頂蒸気流237を、二次反応区域203、例えば二次反応器111に供給することができる(図示せず)。
[0073]フラッシャー231からの塔頂流237は分離区域202に送る。分離区域202は、軽質留分カラム240、デカンター241、及び乾燥カラム242を含む。更に、分離区域202にはまた、過マンガン塩還元性化合物(PRC)を除去するための1以上のカラム、保護床、重質留分カラム、抽出器等を含ませることもできる。
[0074]軽質留分カラム240においては、流れ237によって、低沸点の塔頂蒸気流243、好ましくは側流244を通して取り出される精製酢酸生成物、及び高沸点の残渣流245が生成する。側流244を通して取り出される酢酸は、好ましくは、例えば米国特許6,627,770(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているような水から酢酸を選択的に分離するための乾燥カラム242及び/又は随意的な重質留分カラム(図示せず)内での更なる精製にかける。好ましくは、側流244及び残渣流245は、一酸化炭素を実質的に含まず、或いは検出しうる量の一酸化炭素を含まない。軽質留分カラム240から排出される残渣は触媒を含む可能性がある。幾つかの態様においては、ライン245内の残渣流の少なくとも一部を第2の反応器211に送ることができる。
[0075]ライン243内の低沸点の塔頂蒸気は、溶解及び/又は同伴一酸化炭素;ヨウ化メチル;酢酸メチル;水素;水;PRC;酢酸;窒素、アルゴン、及びヘリウムのような不活性物質;並びに他の溶解ガス;を含む可能性がある。上限に関しては、ライン243内の低沸点の塔頂蒸気は、25モル%未満、例えば15モル%未満、10モル%未満、又は5モル%未満の一酸化炭素を含んでいてよく;及び/又は低沸点の塔頂蒸気の全圧の25%未満、例えば15%未満、10%未満、又は5%未満の一酸化炭素分圧を有していてよい。好ましくは、ライン243内の溶解及び/又は同伴一酸化炭素の量は、供給流205中の一酸化炭素の量よりも少なく、例えば少なくとも5%少なく、少なくとも10%少なく、少なくとも25%少なく、又は少なくとも50%少ない。範囲に関しては、ライン243内の一酸化炭素の量は、0.1モル%〜25モル%、例えば0.5モル%〜15モル%、又は1モル%〜10モル%の範囲であってよく;或いは、一酸化炭素分圧は、低沸点の塔頂蒸気の全圧の0.1%〜25%、例えば0.5%〜15%、又は1%〜10%の範囲であってよい。好ましくは、ライン243内の低沸点の塔頂蒸気は、少なくとも0.1モル%、例えば少なくとも0.5モル%、又は少なくとも1モル%の一酸化炭素を含み;及び/又は、低沸点の塔頂蒸気の全圧の少なくとも0.1%、例えば少なくとも0.5%、又は少なくとも1%の一酸化炭素分圧を有する。また、流れ243内の低沸点の塔頂蒸気は、少なくとも0.1モル%、例えば少なくとも1モル%、又は少なくとも5モル%のヨウ化メチルを含んでいてよい。範囲に関しては、流れ243は、0.1モル%〜30モル%、例えば1モル%〜25モル%、又は5モル%〜20モル%のヨウ化メチルを含んでいてよい。幾つかの態様においては、ライン243内の粗酢酸生成物の誘導流は、二次反応区域203に供給することができる。
[0076]軽質留分カラム240から排出される低沸点の塔頂蒸気流243中においては、一般に、高沸点残渣流245中よりも高い濃度のPRC、特にアセトアルデヒドが存在することが、米国特許6,143,930及び6,339,171に開示されている。幾つかの態様においては、PRCを含む低沸点の塔頂蒸気流240は、場合によってはPRC除去システム(PRS)(図示せず)内で更なる処理にかけて、存在するPRC(又はその一部)の量を減少及び/又はそれを除去することができる。PRCは、第VIII族金属カルボニル化触媒の存在下でのメタノールのカルボニル化中に形成される。PRCとしては、例えば、アセトアルデヒド、アセトン、メチルエチルケトン、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、2−エチルクロトンアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒドなど、並びにこれらのアルドール縮合生成物のような化合物を挙げることができる。
[0077]示されるように、低沸点の塔頂蒸気流243は、好ましくは凝縮して、塔頂流受容器デカンター241によって示される塔頂相分離ユニットに送る。このプロセスにおける条件は、望ましくは、低沸点の塔頂蒸気流243がデカンター241内に入ったら軽質相及び重質相に分離されるように保持する。一般に、低沸点の塔頂蒸気流243は、凝縮性のヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒド、及び他のカルボニル成分、及び水を凝縮して2つの相に分離するのに十分な温度に冷却する。流れ243の気体部分は、一酸化炭素、並びに、二酸化炭素、水素などのような他の非凝縮性のガスを含んでいてよく、ライン246を通してデカンター241から排気される。ライン246は、好ましくは、ライン246の全圧の95%未満、例えば80%未満、75%未満、60%未満、50%未満、又は40%未満の一酸化炭素の分圧を有する。本明細書において用いる全ての分圧は、特定の流れ又は容器内での全ての非凝縮性成分の全圧を基準とする。更に、又は或いは、ライン246は、95モル%未満、例えば80モル%未満、75モル%未満、60モル%未満、50モル%未満、又は40モル%未満の一酸化炭素を含んでいてよい。ライン246は、好ましくは、第1の反応器230に供給される一酸化炭素供給流205よりも低く、例えば5%低く、10%低く、25%低く、又は50%低い一酸化炭素の分圧及び/又は重量%を有する。範囲に関しては、ライン246内の一酸化炭素の量は、場合によっては50モル%〜95モル%、例えば60モル%〜80モル%、又は65モル%〜75モル%の範囲である。場合によっては、ライン246は、ライン246の全圧の50%〜95%、例えば60%〜80%、又は65%〜75%の一酸化炭素分圧を有する。ライン246は、好ましくは、場合によっては10モル%〜60モル%、例えば15モル%〜50モル%、又は25モル%〜45モル%の範囲の酢酸メチルのモル%;及び/又はライン246の全圧の10%〜60%、例えば15%〜50%、又は25%〜45%の酢酸メチル分圧;を有する。一酸化炭素を含むライン246内のこの誘導流は、図1において上記で議論したように、メタノールと反応させて更なる酢酸を形成するために二次反応区域203に送ることができる。
[0078]デカンター241内の凝縮された軽質相247は、好ましくは、水、酢酸、及びPRC、並びに一定量のヨウ化メチル及び酢酸メチルを含む。デカンター241内の凝縮された重質相248は、一般に、ヨウ化メチル、酢酸メチル、及びPRCを含む。デカンター241内の凝縮された重質の液相248は、第1の反応器230及び/又は第2の反応器211に直接か又は間接的のいずれかで好都合に再循環することができる。例えば、この凝縮された重質の液相248の一部を第1の反応器230及び/又は第2の反応器211に再循環し、スリップ流(図示せず)、一般に少量、例えば5〜40体積%、又は5〜20体積%の重質の液相をPRSに送ることができる。この重質液相248のスリップ流は個々に処理することができ、或いは、本発明の一態様にしたがってカルボニル不純物の更なる蒸留及び抽出を行うために凝縮された軽質液相247と混合することができる。
[0079]図2a及び2bに示すように、軽質相は流れ247を通してデカンター241から排出される。軽質相流247の第1の部分、例えばアリコート部分は、還流流として軽質留分カラム240の頂部に再循環することができる。軽質相流247の第2の部分、例えばアリコート部分は、例えば流れ249によって示されるように随意的なPRS(図示せず)に送ることができる。軽質相流247の第3の部分、例えばアリコート部分は、場合によっては、反応器230内において更なる水が所望か又は必要な場合には例えば随意的な再循環流250によって示されるように第1の反応器230に、或いは第2の反応器211に再循環することができる。好ましい形態においては、反応器230への再循環流250は、酢酸の循環を望ましくなく引き起こし、反応器230に対する負荷を不必要に増加させるので、反応器内の水のレベルは、流れ250を反応器230に再循環しないで所望のレベルに維持する。
[0080]軽質留分カラム240はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む残渣又は塔底流245も形成する。軽質留分塔底流245は通常は若干の残留触媒を含むので、軽質留分塔底流245の全部又は一部を第1の反応器230(及び/又は第2の反応器211)に再循環することが有益である可能性がある。示されるように、流れ245の少なくとも一部を、流れ245’を通して第2の反応器211に送ることができる。一態様においては、流れ245’は、第2の反応器211に供給する前に流れ238’及び/又は238”と混合することができる。流れ245’は、流れ238’及び238”と同じ有利性を有する。好ましくは、軽質留分塔底流245は、フラッシャー231からの触媒相238と混合して、一緒に第1の反応器230に戻すことができる。
[0081]上記に示すように、塔頂相に加えて、軽質留分カラム240はまた、好ましくは主として酢酸及び水を含む酢酸側流244も形成する。場合によっては、米国公開2008/0287706(その全部を参照として本明細書中に包含する)に記載されているように、側流244の一部を、軽質留分カラム、好ましくは側流244を軽質留分カラムから取り出す位置よりも低い位置に再循環することができる。
[0082]側流244は酢酸に加えて水を含むので、軽質留分カラム240からの側流244は好ましくは乾燥カラム242に送って、そこで酢酸及び水を互いから分離する。示されるように、乾燥カラム242は、酢酸側流244を、主として水を含む塔頂流251、及び主として精製し乾燥した酢酸を含む塔底流252に分離する。塔頂流251は、好ましくは相分離ユニット、例えばデカンター253内で冷却及び凝縮させて、軽質相254及び重質相255を形成する。示されるように、軽質相254の一部は流れ256によって示されるように還流し、軽質相の残りは流れ257によって示されるように第1の反応器230に戻す。通常は水及びヨウ化メチルを含むエマルジョンである重質相は、好ましくは、流れ255によって示されるように、場合によっては流れ257と混合した後にその全部を第1の反応器230に戻すが、一部を更に処理(図示せず)することもできる。他の態様においては、重質相の少なくとも一部を第2の反応器211に送ることができる。
[0083]乾燥カラム塔底流252は、好ましくは酢酸を含むか又はこれから実質的に構成される。好ましい態様においては、乾燥カラム塔底流は、90モル%より多く、例えば95モル%より多く、又は98モル%より多い量の酢酸を含む。場合によっては、乾燥カラム塔底流252は、貯蔵又は商業的な使用のために輸送する前に、重質留分カラム(図示せず)又はヨウ化物保護床(図示せず)内で更に処理することができる。
[0084]軽質留分カラム240の塔頂流デカンター241からの排気流246に戻る。好ましい態様においては、一定量の残留一酸化炭素を含む排気流246は、二次反応区域203に送ることができる。図2aにおいては、排気流246は、まず回収ユニット260内で処理して、ヨウ化メチルのような任意の低沸点化合物を取り出す。
[0085]好ましくは25℃未満に冷却したスクラビング溶媒を、ライン261を通して回収ユニット260に供給して、蒸気流246をスクラビングしてヨウ化メチルのような低沸点成分を除去することができ、これをライン262を通して取り出して、好ましくは反応区域201に戻す。スクラビング溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルエーテル、酢酸、及びこれらの混合物が挙げられる。回収ユニット260の塔頂流はパージガス263として排出することができる。1つの随意的な態様においては、排気流246の一部を、ライン264内で回収ユニット260を迂回させて、パージガス263と混合することができる。
[0086]回収ユニット260の頂部から排出されるパージガス263は、一酸化炭素、酢酸メチル、及び場合によってはヨウ化メチルを含む。好ましい態様においては、パージガス263は圧縮機265に通して、圧縮誘導流266を形成する。好ましい態様においては、高圧の誘導流266中の蒸気の全圧は、0.1MPa〜10MPa、例えば0.5MPa〜5MPa、又は0.5MPa〜2MPaである。均一反応器を用いることによって、パージガス263の圧縮を有益に減少又は最小にすることができる。一態様においては、パージガス263は実質的にヨウ化メチルを含まない(これは回収ユニット260によって取り出されている)。圧縮された誘導流266は、図2aの二次反応区域203に供給する。二次反応区域203は、図1において上記した二次反応器211を含む。二次粗生成物流216が第2の反応器211から排出され、これは酢酸を含む。二次粗生成物流はまた、ヨウ化メチル、触媒、酢酸メチル、水、及びこれらの混合物も含む可能性がある。幾つかの態様においては、二次粗生成物流216は反応区域201に送ることができる。好ましくは、二次粗生成物流216の少なくとも一部を、フラッシャー231及び/又は軽質留分カラム240に供給する。重質相流248からの誘導流210は、液体流219と共に第2の反応器211に送って供給することができる。
[0087]図2bにおいては、排気流246を二次反応区域203に供給する。一態様においては、塔頂流デカンター241からの排気流246は、圧縮機267を通して圧縮誘導流268を形成することができ、これは、示されているように二次反応器211に直接供給する。好ましい態様においては、圧縮誘導流268中の蒸気の全圧は、0.1MPa〜10MPa、例えば0.5MPa〜5MPa、又は0.5MPa〜2MPaである。図2bにおける圧縮誘導流268は、図2aにおいて教示した高圧誘導流266と比べて多い量のヨウ化メチルを含む可能性がある。別の態様においては、排気流246は、回収ユニット内で圧縮又は処理することなく第2の反応器211へ誘導流として供給することができる。図2bの態様においては、回収ユニット260の必要性を減少又は排除することができる。
[0088]勿論、図1、2a、及び2bの分離システムは、単に本発明において用いることができる分離スキームの例である。分離ユニットの他の組み合わせを同じように容易に用いることができる。好ましい分離システムは、粗酢酸生成物から残留一酸化炭素の少なくとも一部を分離及び/又は回収するものである。
[0089]本発明を詳細に記載したが、本発明の精神及び範囲内の修正は当業者には容易に明らかであろう。上記の議論、当該技術における関連する知識、並びに背景及び詳細な説明に関連して上記で議論した参照文献(それらの開示事項を全て参照として本明細書中に包含する)を考慮すると。更に、下記及び/又は特許請求の範囲において示す本発明の複数の形態並びに種々の態様及び種々の特徴の複数の部分を、完全か又は部分的に結合又は交換することができると理解すべきである。当業者に認められるように、種々の態様の上記の記載においては他の態様を示すこれらの態様を他の態様と適当に組み合わせることができる。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみの目的であり、本発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。

Claims (18)

  1. 酢酸の製造方法であって、
    第1の反応器内において、粗酢酸生成物を生成させるのに有効な条件下で、一酸化炭素、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む第1の反応混合物を反応させ;
    粗酢酸生成物を、残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流に分離し;
    第2の反応器内において、少なくとも1つの誘導流中の残留一酸化炭素の少なくとも一部、並びにメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを含む第2の反応混合物を反応させて、追加の酢酸を含む生成物流を生成させる;
    ことを含み、
    第2の反応器が均一反応器であり、第2の反応器の一酸化炭素分圧が、1.05MPa未満である方法
  2. 請求項1に記載の方法であって、該少なくとも1つの誘導流を圧縮して圧縮誘導流を形成する工程を更に含みここで、圧縮誘導流は、少なくとも0.03MPa供給一酸化炭素分圧を有する方法
  3. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器内において、メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つと該触媒が液体である方法
  4. 請求項1に記載の方法であって、該第1の反応混合物が第1の量のロジウムを更に含み、第2の反応混合物が第2の量のロジウムを更に含み、ロジウムの第1の量がロジウムの第2の量よりも少ない方法
  5. 請求項1に記載の方法であって、該第1の反応器が触媒を含み、粗酢酸生成物が触媒を含む方法
  6. 請求項5に記載の方法であって、
    粗酢酸生成物を分離して、触媒を含む触媒再循環流を形成し;及び/又は
    触媒再循環流の少なくとも一部を第2の反応器に送る;
    工程を更に含む方法
  7. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器内の圧力が第1の反応器内の圧力よりも低い方法
  8. 請求項1に記載の方法であって、残留一酸化炭素を含む少なくとも1つの誘導流が、
    10モル%〜95モル%の一酸化炭素;及び
    0.1モル%〜40モル%のメタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つ;
    を含む方法
  9. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器内の反応温度が100℃〜250℃の範囲である方法
  10. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器内において、メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つを追加の供給流又は誘導流の別の流れよって与える方法。
  11. 請求項1に記載の方法であって、該第1の反応器が触媒を含み、そして
    分離が、
    該粗酢酸生成物をフラッシングして、酢酸、残留一酸化炭素、及び触媒を含む第1の蒸気流、並びに触媒を含む第1の液体残渣流にし;そして
    フラッシングした蒸気流を、一酸化炭素を含む第2の蒸気流、精製酢酸生成物、及び触媒を含む第2の液体残渣流に分離する;
    ことを含む方法
  12. 請求項11に記載の方法であって、該第2の液体残渣流の少なくとも一部を第2の反応器に送る方法
  13. 請求項11に記載の方法であって、該分離が、
    第2の蒸気流をデカンテーションして、残留一酸化炭素を含む第3の蒸気流、並びに、ヨウ化メチル、酢酸メチル、アセトアルデヒドを含む第3の液体残渣流を形成し;そして
    第3の蒸気流を圧縮して圧縮誘導流を形成する;
    ことを含む方法
  14. 請求項1に記載の方法であって、該メタノール及びメタノール誘導体の少なくとも1つが酢酸メチル及び/又はジメチルエーテルを含む方法。
  15. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器が液体触媒を含む方法。
  16. 請求項1に記載の方法であって、該生成物流が40モル%未満の一酸化炭素を含む方法。
  17. 請求項1に記載の方法であって、該第2の反応器の一酸化炭素分圧が、0.005MPa〜1.05MPaの範囲である方法。
  18. 請求項2に記載の方法であって、該圧縮誘導流が、0.03MPa〜1.75MPaの範囲の供給一酸化炭素分圧を有する方法。
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