JP5995756B2 - 欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラム - Google Patents

欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラム Download PDF

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本発明は、欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラムに関する。
機器または部品等の欠陥を、放射線を用いて撮影した画像に基づいて検出する技術が知られている。例えば、特許文献1は、予め用意した基準ゲージを2値化して得られた構造物の損傷線に適用して損傷から複数の線分を抽出し、これによって、作業現場で簡便にかつ短時間で損傷を評価することを可能にする技術が開示されている。
特開2004−205303号公報
上記のように2値化した画像に基づいて欠陥を検出する場合、欠陥の背景の状態によっては、欠陥と背景との区別が難しいために欠陥の検出精度が低下することがある。本発明は、欠陥を高い精度で検出することができる欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラムを提供することを目的とする。
1つの態様において、欠陥検出装置は、画像をサブ画像に分割する画像分割部と、輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出する候補抽出部と、輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出する第1の欠陥画像抽出部と、輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出する第2の欠陥画像抽出部とを備える。
1つの態様において、欠陥検出方法は、欠陥検出装置によって実行される欠陥検出方法であって、画像をサブ画像に分割するステップと、輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出するステップと、輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出するステップと、輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出するステップとを備える。
1つの態様において、欠陥検出プログラムは、欠陥検出装置に、画像をサブ画像に分割するステップと、輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出するステップと、輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出するステップと、輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出するステップとを実行させる。
本発明に係る欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラムは、欠陥を高い精度で検出することができるという効果を奏する。
図1は、実施例に係る欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。 図2は、検査対象を撮影した画像の例を示す図である。 図3は、画像管理データの例を示す図である。 図4は、学習のための画像の選択について説明するための図である。 図5は、優先度データの例を示す図である。 図6は、欠陥検出処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係る欠陥検出装置、欠陥検出方法および欠陥検出プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
図1を参照しながら、本実施例に係る欠陥検出装置の構成について説明する。図1は、本実施例に係る欠陥検出装置の構成を示すブロック図である。図1に示す欠陥検出装置10は、フィルムRT(Radiographic Testing)等のRTによる欠陥の検出に利用される。RTでは、機器または部品等の検査対象をX線等の放射線を用いて撮影した画像に基づいて、欠陥の有無が判定される。
検査対象を撮影した画像では、図2に示す画像40の欠陥部分D1および欠陥部分D2のように、欠陥が、周辺とは異なる輝度レベルをもつ一領域として見られることがある。欠陥部分D1および欠陥部分D2は、他の部分と輝度が異なる。検査対象を撮影した画像は、画像40のように、欠陥部分を表す輝度の違い以外に、検査対象の厚み等が部分的に異なるために生じる輝度の違い(輝度ムラ)を含むことがある。
図1に示すように、欠陥検出装置10は、表示部11と、入力部12と、通信部13と、媒体読取部14と、制御部15と、記憶部16とを備える。
表示部11は、液晶パネルや有機EL(Organic Electro−Luminescence)パネル等の表示装置を有し、制御部15から送信される制御信号に基づいて、文字や図形等の各種情報を表示する。入力部12は、キーボード等の入力装置を有し、利用者が入力装置に対して行った操作に対応する信号を制御部15へ出力する。通信部13は、所定の通信プロトコルに基づいて、他の装置との間での情報の送受信を制御する。媒体読取部14は、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード等の可搬の非一過性の(non-transitory)な記憶媒体からプログラムやデータを読み取る。
制御部15は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)151と、記憶装置であるメモリ152とを備え、これらのハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。具体的には、制御部15は、記憶部16に記憶されているプログラムを読み出してメモリ152に展開し、メモリ152に展開されたプログラムに含まれる命令をCPU151に実行させる。そして、制御部15は、CPU151による命令の実行結果に応じて、メモリ152および記憶部16に対してデータの読み書きを行ったり、通信部13等の動作を制御したりする。
記憶部16は、磁気記憶装置や半導体記憶装置等の不揮発性を有する記憶装置からなり、各種のプログラムおよびデータを記憶する。記憶部16に記憶されるプログラムには、欠陥検出プログラム161が含まれる。また、記憶部16に記憶されるデータには、特徴情報162〜164と、画像管理データ165と、濃度/輝度テーブル166と、優先度データ167とが含まれる。さらに、記憶部16は、放射線を用いて検査対象を撮影した画像と、それを分割したサブ画像とが格納される画像記憶領域17を有する。
なお、図1において記憶部16が記憶していることとしたプログラムおよびデータの全体または一部は、媒体読取部14が読み取り可能な非一過性の(non-transitory)な記憶媒体に記憶されていてもよい。また、図1において記憶部16が記憶していることとしたプログラムおよびデータの全体または一部は、通信部13による通信によって他の装置から取得されてもよい。
欠陥検出プログラム161は、画像に含まれる欠陥部分を検出するための機能を提供する。欠陥検出プログラム161は、画像分割部161aと、学習部161bと、候補抽出部161cと、学習部161dと、欠陥画像抽出部(第1の欠陥画像抽出部)161eと、学習部161fと、欠陥画像抽出部(第2の欠陥画像抽出部)161gと、欠陥部分抽出部161hと、学習画像選択部161iと、画像提示部161jとを含む。
画像分割部161aは、放射線を用いて検査対象を撮影した画像を、所定のサイズ以下のサブ画像に分割する。
例えば、画像分割部161aは、図2に示す画像40を、サブ画像40a〜40fに分割する。サブ画像40a、サブ画像40b、およびサブ画像40eは、欠陥部分を含まず、背景部分の輝度が略均一である。サブ画像40cは、欠陥部分D1を含み、背景部分の輝度のムラが大きい。サブ画像40dは、欠陥部分D2を含み、背景部分の輝度が略均一である。サブ画像40fは、欠陥部分を含まず、背景部分の輝度のムラが大きい。
「背景部分」とは、欠陥部分以外の部分をいう。「輝度が略均一」とは、輝度のムラが所定の基準よりも小さいことをいう。輝度のムラの大きさは、例えば、輝度の標準偏差に基づいて判定される。
画像をサブ画像に分割することにより、検査対象を高解像度で撮影した画像を用いた高精度な欠陥検出を可能にしつつ、画像の解析をサブ画像毎に行って欠陥検出装置10の負荷を軽減することができる。
学習部161bは、放射線を用いて検査対象を撮影した画像の輝度が略均一の領域を抜き出した画像(以下、「第1の画像」ということがある。)の特徴量を学習し、学習した結果を特徴情報162に格納する。画像の特徴量としては、例えば、輪郭線の方向ヒストグラムのような局所特徴量を用いることができる。
候補抽出部161cは、画像分割部161aによって分割されたサブ画像の中から、特徴情報162に基づいて、欠陥画像の候補を抽出する。「欠陥画像」とは、欠陥部分を含む画像をいう。具体的には、候補抽出部161cは、サブ画像の中から、第1の画像からの外れ度が閾値よりも大きいサブ画像、すなわち、輝度が均一ではないサブ画像を候補として抽出する。
例えば、候補抽出部161cは、図2に示すサブ画像40a〜40fの中から、画像51のような第1の画像の局所特徴量に基づいて、サブ画像40c、サブ画像40d、およびサブ画像40fを、欠陥画像の候補として抽出する。
学習部161b、候補抽出部161c、および特徴情報162は、欠陥画像の候補を抽出するための識別器20を構成する。学習部161bによる学習は、欠陥を検出するための検出処理よりも前に実行される。
学習部161dは、放射線を用いて検査対象を撮影した画像のうち、欠陥部分を含み、背景部分の輝度が略均一である領域を抜き出した画像(以下、「第2の画像」ということがある。)の特徴量を学習し、学習した結果を特徴情報163に格納する。さらに、学習部161dは、第2の画像を2値化した2値化画像から抜き出した欠陥部分の形状的特徴を学習し、特徴情報163に格納する。
欠陥画像抽出部(第1の欠陥画像抽出部)161eは、候補抽出部161cによって抽出された候補の中から、特徴情報163に基づいて、欠陥画像(第1の欠陥画像)を抽出する。具体的には、欠陥画像抽出部161eは、候補の中から、第2の画像との外れ度が閾値よりも小さく、さらに、欠陥部分の形状的特徴を含むサブ画像を欠陥画像として抽出する。
例えば、欠陥画像抽出部161eは、図2に示すサブ画像40c、サブ画像40d、およびサブ画像40fの中から、画像52のような第2の画像の局所特徴量およびその欠陥部分の形状的特徴に基づいて、サブ画像40dを欠陥画像として抽出する。サブ画像40dは、欠陥部分D2を含み、背景部分の輝度が略均一なサブ画像である。
このように、欠陥画像抽出部161eは、第2の画像の特徴量と欠陥部分の形状的特徴とに基づいて、欠陥画像を抽出する。第2の画像の特徴量に加えて、欠陥部分の形状的特徴を用いることにより、検査対象の厚み等が部分的に異なるために生じる輝度の違いと、欠陥部分の輝度の違いとを精度よく区別することができる。
学習部161d、欠陥画像抽出部161e、および特徴情報163は、第1の欠陥画像を抽出するための識別器21を構成する。学習部161dによる学習は、欠陥を検出するための検出処理よりも前に実行される。
学習部161fは、放射線を用いて検査対象を撮影した画像のうち、輝度ムラを有するが、欠陥部分を含まない領域を抜き出した画像(以下、「第3の画像」ということがある。)の特徴量を学習し、学習した結果を特徴情報164に格納する。
欠陥画像抽出部(第2の欠陥画像抽出部)161gは、候補抽出部161cによって抽出された候補のうち、欠陥画像抽出部161eによって抽出されなかったものの中から、特徴情報164に基づいて、欠陥画像(第2の欠陥画像)を抽出する。具体的には、欠陥画像抽出部161gは、残りの候補の中から、第3の画像との外れ度が閾値よりも大きいサブ画像を欠陥画像として抽出する。
例えば、欠陥画像抽出部161gは、図2に示すサブ画像40c、およびサブ画像40fの中から、画像53のような第3の画像の局所特徴量に基づいて、サブ画像40cを欠陥画像として抽出する。サブ画像40cは、欠陥部分D1を含み、背景部分の輝度のムラが大きいサブ画像である。
サブ画像40cは、検査対象の厚み等が部分的に異なるために生じる輝度の違い(輝度ムラ)と、欠陥部分による輝度の違いとを含むため、欠陥部分を見逃されやすい。特に、欠陥部分を検出するために画像を2値化すると、欠陥部分とその周囲との輝度差が小さい場合には、2値化によって欠陥部分が抽出できないことがある。
しかしながら、欠陥検出装置10は、特徴情報164のような画像の特徴量を学習した結果が格納された情報に基づいて、画像が欠陥部分を含むか否かを、画像を2値化することなく判定することができる。さらに、欠陥検出装置10では、欠陥画像抽出部161gが欠陥画像を抽出する候補の中から、第2の画像、すなわち、欠陥部分による輝度の違いのみを含む候補が既に抽出されている。このため、欠陥画像抽出部161gは、輝度ムラ以外の輝度の違いを含むか否かを判定するだけで、サブ画像40cのようなサブ画像を高い精度で欠陥画像と判定することができる。
学習部161f、欠陥画像抽出部161g、および特徴情報164は、背景部分の輝度のムラが大きい欠陥画像を抽出するための識別器22を構成する。学習部161fによる学習は、欠陥を検出するための検出処理よりも前に実行される。
候補抽出部161c、欠陥画像抽出部161e、および欠陥画像抽出部161gは、異なる閾値を用いてもよい。
欠陥部分抽出部161hは、欠陥画像抽出部161eによって抽出された第1の欠陥画像と、欠陥画像抽出部161gによって抽出された第2の欠陥画像とから、欠陥部分を抽出する。第1の欠陥画像から欠陥部分を抽出する方式は、第2の欠陥画像から欠陥部分を抽出する方式と異なってもよい。例えば、欠陥部分抽出部161hは、背景部分の輝度が略均一である第1の欠陥画像については、2値化処理によって欠陥部分を抽出してもよい。欠陥部分抽出部161hは、輝度ムラを有する第2の欠陥画像については、k−means法等のクラスタリング手法を用いて欠陥部分を抽出してもよい。
学習画像選択部161iは、学習部161b、学習部161d、および学習部161fが学習に用いるのに好適な画像を選択する。具体的には、学習画像選択部161iは、輝度が、濃度/輝度テーブル166に設定されている範囲に含まれる画像を、好適な画像として選択する。
画像提示部161jは、抽出された欠陥画像に含まれる欠陥部分が本当に欠陥がある部分であるか、欠陥部分がどのような欠陥を示しているか等を判断させるために、検査員に欠陥画像を提示する。具体的には、画像提示部161jは、輝度が段階的に異なる複数の欠陥画像を、優先度データ167に設定されている優先度に基づいた順序で、表示部11に表示する。
画像管理データ165は、検査対象を撮影した画像およびそのサブ画像を管理するための情報を保持する。画像管理データ165の例を図3に示す。図3に示すように、画像管理データ165は、画像名、撮影対象、サブ画像名、位置情報、欠陥検出、欠陥種別、欠陥部分領域といった項目を有する。
画像名の項目には、検査対象を撮影した画像の名前が設定される。撮影対象の項目には、撮影対象の種類を識別するための値が設定される。サブ画像名の項目には、サブ画像の名前が設定される。位置情報の項目には、検査対象を撮影した画像におけるサブ画像の位置を示す情報が設定される。サブ画像の位置を示す情報は、例えば、行の番号と列の番号の組み合わせを含む。
欠陥検出の項目には、サブ画像が欠陥画像として抽出されたか否かを示す値が設定される。例えば、サブ画像が欠陥画像として抽出された場合には、欠陥検出の項目に「Y」が設定され、サブ画像が欠陥画像として抽出されなかった場合には、欠陥検出の項目に「N」が設定される。欠陥種別の項目には、サブ画像が欠陥画像として抽出された場合に、サブ画像に含まれる欠陥部分が示す欠陥の種類が設定される。欠陥の種類は、欠陥の種別と対応付けられた形状的特徴と欠陥部分とのマッチング等により欠陥検出装置10によって設定されてもよいし、欠陥部分をチェックした検査員によって設定されてもよい。欠陥部分領域の項目には、サブ画像が欠陥画像として抽出された場合に、欠陥部分抽出部161hによって抽出された欠陥部分の領域を示す情報が設定される。欠陥部分の領域を示す情報は、例えば、欠陥部分を含む最小矩形領域の左上座標と右下座標とを含む。
図4を参照しながら、学習画像選択部161iによる画像の選択についてより詳細に説明する。
本実施例において、検査対象を撮影した画像は、撮影対象に照射された放射線をフィルムを用いて撮影し、デジタイザを用いてフィルム画像をデジタル画像化することによって得られる。フィルムの濃度は同じ対象物を撮像した場合でもばらつく場合がある。また、デジタイザによって生成したデジタル画像の輝度は、フィルムで同じ濃度値であっても、ばらつくことがある。
さらに、欠陥の検出においては、欠陥の検出漏れを防ぐために、欠陥部分であるか不明確な部分を含む画像も、欠陥画像として抽出されることが好ましい。このため、識別器20〜22が学習に用いるデジタル画像は、好適な輝度をもつ画像だけでなく、好適な輝度から一定の範囲内の輝度をもつ画像を含むことが好ましい。
そこで、学習画像選択部161iは、輝度が基準から所定の範囲にある画像を、学習に用いる画像として選択する。図4は、輝度の範囲の設定の例を示す図である。図4に示すように、厚みが段階的に変化する試験片61に照射した放射線63を、試験片61の背後でフィルム62を用いて撮影した画像から、検査員等により、欠陥部分の検出に好適な画像が選択される。選択された好適な画像から、グラフ70に示すような、デジタル画像における輝度とフィルムにおける濃度との対応の基準を設定することができる。そして、この基準に基づいて、対象とする領域のフィルムの濃度範囲を設定することで、学習に用いる画像として選択する画像の輝度の範囲を決定することができる。
図5を参照しながら、画像提示部161jによる画像の表示順序の制御について、より詳細に説明する。検査員が、欠陥画像として抽出された画像をチェックする場合、欠陥部分の視認性を向上させるため、コントラストや輝度レベルを変更することが好ましいことがある。しかしながら、欠陥画像をチェックする度にこのような調整を行っていると、時間がかかり、効率がわるい。
そこで、画像提示部161jは、背景と欠陥部分とのコントラストを強調した画像を生成し、さらにその画像の輝度レベルを数段階で変更した複数の画像を用意し、それらの画像を予め設定された優先度に基づく順序で表示部11に表示する。
図5は、画像を表示する順序を決定するための優先度が設定された優先度データ167の例を示す図である。図5に示す例では、撮影対象の種類毎に、輝度1〜輝度5の5段階の輝度レベルの画像に優先度が設定されている。画像は、優先度の値が小さいものほど、先に表示される。優先度データ167には、検査員が欠陥部分を確認しやすい輝度レベルを事前に調査した結果に基づいて優先度が設定される。
図5に示した例では、撮影対象の種類毎に優先度が設定されているが、優先度は、欠陥部分が示す欠陥の種類、欠陥部分の大きさ、欠陥部分の位置、または欠陥部分の輝度毎に設定されてもよい。優先度データ167は、検査員毎に用意されてもよい。この場合、優先度データ167は、検査員毎に事前に調査した結果に基づいて、検査員毎に用意されてもよい。優先度データ167は、検査員がどの輝度レベルの画像を参照したかに応じて、優先度が動的に更新されてもよい。
図6を参照しながら、欠陥検出装置10による欠陥検出処理の処理手順について説明する。図6は、欠陥検出装置10による欠陥検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図6に示す欠陥検出処理は、制御部15が、欠陥検出プログラム161を実行することによって実現される。識別器20〜22による学習は、欠陥検出処理が開始される前に既に実施されている。
ステップS101で、画像分割部161aが、検査対象を撮影した画像をサブ画像に分割する。ステップS102で、候補抽出部161cが、第1の画像の局所特徴量を含む特徴情報162に基づいて、サブ画像の中から欠陥画像の候補を抽出する。
続いて、ステップS103で、欠陥画像抽出部161eが、第2の画像の局所特徴量と欠陥部分の形状的特徴とを含む特徴情報163に基づいて、候補の中から欠陥画像を抽出する。ステップS104で、欠陥画像抽出部161eが、第3の画像の局所特徴量を含む特徴情報164に基づいて、残りの候補の中から欠陥画像を抽出する。ステップS105で、欠陥部分抽出部161hが、欠陥画像から欠陥部分を抽出する。
上記の欠陥検出装置10は、例えば、プラントを構成する機器または部品の欠陥を検出するために用いることができる。プラントを構成する機器等は、高い信頼性を求められる一方で、サイズや素材の厚さ等が様々である。このため、撮影によって得られる画像は、サイズや濃淡の程度が様々であり、一様に判定することが難しい。第1の画像の特徴量、第2の画像の特徴量と欠陥部分の形状的特徴、および第3の画像の特徴量を種々の画像から取得して識別器に学習させることにより、欠陥検出装置10は、多様な画像から欠陥を検出することができる。
なお、上記の実施例で示した本発明の態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に変更することができる。例えば、上記の実施例で示したプログラムは、複数のモジュールに分割されていてもよいし、他のプログラムと統合されていてもよい。また、欠陥検出装置10の機能を適宜分散させてもよい。
上記の実施例では、フィルムを用いて撮影したフィルム画像をデジタイザによってデジタル画像化した画像に基づいて欠陥を検出する例について説明した。しかしながら、欠陥の検出に用いる画像は、これに限定されない。欠陥検出装置10は、例えば、検査対象に照射された放射線をイメージセンサが直接的にデジタル画像化した画像に基づいて、欠陥を検出することもできる。
10 欠陥検出装置
11 表示部
12 入力部
13 通信部
14 媒体読取部
15 制御部
151 CPU
152 メモリ
16 記憶部
161 欠陥検出プログラム
161a 画像分割部
161b、161d、161f 学習部
161c 候補抽出部
161e 欠陥画像抽出部(第1の欠陥画像抽出部)
161g 欠陥画像抽出部(第2の欠陥画像抽出部)
161h 欠陥部分抽出部
161i 学習画像選択部
161j 画像提示部
162〜164 特徴情報
165 画像管理データ
166 濃度/輝度テーブル
167 優先度データ
17 画像記憶領域
20〜22 識別器

Claims (7)

  1. 画像をサブ画像に分割する画像分割部と、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出する候補抽出部と、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出する第1の欠陥画像抽出部と、
    輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出する第2の欠陥画像抽出部と
    を備える欠陥検出装置。
  2. 前記第1の欠陥画像抽出部は、前記第1の画像からの外れ度と、欠陥部分の形状的特徴とに基づいて、前記候補の中から前記第1の欠陥画像を抽出する請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 前記第1の欠陥画像および前記第2の欠陥画像から欠陥部分を抽出する欠陥部分抽出部をさらに備える請求項1または2に記載の欠陥検出装置。
  4. 前記候補抽出部は、輝度が所定の範囲にある画像に基づいて、前記第1の画像からの外れ度を判定するための特徴量を学習し、
    前記第1の欠陥画像抽出部は、輝度が所定の範囲にある画像に基づいて、前記第2の画像からの外れ度を判定するための特徴量を学習し、
    前記第2の欠陥画像抽出部は、輝度が所定の範囲にある画像に基づいて、前記第3の画像からの外れ度を判定するための特徴量を学習する請求項1から3のいずれか1つに記載の欠陥検出装置。
  5. 前記第1の欠陥画像または前記第2の欠陥画像の輝度を段階的に変化させた複数の画像を予め決定された順序で表示する画像提示部をさらに備える請求項1から4のいずれか1つに記載の欠陥検出装置。
  6. 欠陥検出装置によって実行される欠陥検出方法であって、
    画像をサブ画像に分割するステップと、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出するステップと、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出するステップと、
    輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出するステップと
    を備える欠陥検出方法。
  7. 欠陥検出装置に、
    画像をサブ画像に分割するステップと、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含まない第1の画像からの外れ度に基づいて、前記サブ画像の中から、欠陥部分を含む欠陥画像の候補を抽出するステップと、
    輝度が略均一で、欠陥部分を含む第2の画像からの外れ度に基づいて、前記候補の中から第1の欠陥画像を抽出するステップと、
    輝度ムラを有するが欠陥部分を含まない第3の画像からの外れ度に基づいて、前記第1の欠陥画像として抽出されなかった前記候補から、第2の欠陥画像を抽出するステップと
    を実行させる欠陥検出プログラム。
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