JP5994963B1 - 電流検出素子及び電力伝送システム - Google Patents

電流検出素子及び電力伝送システム Download PDF

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Abstract

磁性体層を含む複数の絶縁体層が積層された積層体(10)と、積層体(10)に形成された主線路用電極(11)と、積層体(10)に形成され、主線路用電極(11)と磁界結合するコイル導体(12)とを備える。積層体(10)は、主線路用電極(11)とコイル導体(12)との間に設けられ、透磁率が周囲よりも低い低透磁率部(13)を有している。低透磁率部(13)は、主線路用電極(11)又はコイル導体(12)の少なくとも一方に接している。これにより、小型化でき、感度よく電流検出を行える電流検出素子及びそれを備えた電力伝送システムを提供する。

Description

本発明は、線路に流れる高周波電流を検出する電流検出素子及び電力伝送システムに関する。
線路に流れる電流を検出する素子として、例えばカレントトランスが知られている。カレントトランスは通常、トロイダルコアに巻線したトランスで構成される。そのため、部品のサイズが大きくなるため、小型、低背化が要求される装置には、カレントトランスを用いることは困難となる場合がある。そこで、小型、薄型トランスの例として、例えば、特許文献1に記載されている積層トランスがある。特許文献1に記載の積層トランスは、導体パターンを印刷した磁性体シートを積層し、トランスを構成した表面実装電子部品である。
特開2004−257964号公報
しかしながら、特許文献1に記載の積層トランスの場合、一次側及び二次側の線路が略直線上であるため、インダクタンスが小さく、トランスとしての結合は弱い。このため、この積層トランスを電流検出用に用いた場合、検出感度が低く、電流検出を精度よく行えない場合がある。
そこで、本発明の目的は、小型化でき、感度よく電流検出を行える電流検出素子及びそれを備えた電力伝送システムを提供することにある。
本発明に係る電流検出素子は、絶縁体と、前記絶縁体に形成された主線路導体と、前記絶縁体に形成され、前記主線路導体と磁界結合する電流検出用導体と、を備え、前記絶縁体は、前記主線路導体と前記電流検出用導体との間に設けられ、前記絶縁体内において透磁率が周囲よりも低い低透磁率部を有することを特徴とする。
この構成では、主線路導体に電流が流れると、主線路導体から磁束が発生し、その磁束が電流検出用導体と鎖交することで、電流検出用導体に誘導電流が流れる。この誘導電流を検出することで、主線路導体に流れる電流を検出できる。主線路導体と、電流検出用導体との間には低透磁率部が形成されているため、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合は強い。このため、出力電圧を大きくすることができ、感度よく電流検出を行える。
前記主線路導体は前記絶縁体において、平面視したときに、直線状に形成されていることが好ましい。
この構成では、主線路導体の形成が容易となる。また、主線路導体のインダクタンスと抵抗値とを低減できる。また、主線路に接続される回路への影響を軽減することができる。
前記電流検出用導体は、前記絶縁体に設けられ、前記主線路導体の延びる方向とは異なる方向に巻回軸を有するコイル状導体であってもよい。
この構成では、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合を強くでき、感度よく電流検出を行える。また、コイル状導体であるため検出用導体のインダクタンスを大きくすることができ、出力電圧が増大する。
前記絶縁体は、少なくとも一部で透磁率の異なる複数の絶縁体層が積層された積層体であり、複数の前記絶縁体層は少なくとも一部に磁性体層を有する構成が好ましい。
この構成では、電流検出用導体のインダクタンスを高くすることができ、主線路の電流により生じる磁界、及び電流検出用導体周辺の磁界を基板内に閉じ込めることができる。
前記磁性体層は磁性フェライトの層であることが好ましい。
この構成では、電流検出用導体のインダクタンスを高くすることができ、主線路の電流により生じる磁界、及び電流検出用導体周辺の磁界を基板内に閉じ込めることができる。また、周囲への漏洩磁界を低減することができ、漏洩ノイズを低くすることができる。さらに、透磁率が高い磁性フェライトで磁路を形成することができるので、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合を強くでき、感度よく電流検出を行える。
前記低透磁率部は非磁性体で構成されることが好ましい。
この構成では、透磁率の高い領域(主線路周辺、又は、電流検出用導体の周辺)に磁界が閉じこもり結合しにくくなる状態を解消することができるので、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合を強くでき、感度よく電流検出を行える。また、磁束密度の集中を緩和することができるので、磁性体の磁気飽和を抑制し、より大きな電流を取り扱うことができる。
前記低透磁率部は、前記主線路導体又は前記電流検出用導体の少なくとも一方に接していてもよい。
この構成では、磁束集中を弱めることができる。
前記低透磁率部は、前記主線路導体及び前記電流検出用導体に接している、ことが好ましい。
この構成では、透磁率の高い領域(主線路周辺、あるいは、電流検出用導体の周辺)に磁界が閉じこもり結合しにくくなる状態を解消することができるので、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合を強くでき、感度よく電流検出を行える。
本発明に係る電流検出素子は、複数の前記電流検出用導体を備える構成でもよい。
この構成では、複数の電流検出用導体が独立している場合には、複数の電流検出結果を得ることができる。また、複数の電流検出用導体を直列接続した場合には、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合を強くでき、感度よく電流検出を行える。複数の電流検出用導体を並列接続した場合には、電流検出用導体の抵抗を下げ、損失を抑えることができる。
前記電流検出用導体に接続された、周波数特性を有する素子を備えてもよい。
この構成では、使用する周波数帯での感度を高めたり、不要周波数成分(例えば、高調波成分)をフィルタリングしたりすることができる。また、周波数特性を有する素子、例えばコンデンサを電流検出素子に外付けする必要がないため、素子を実装する領域を確保する必要がない。
本発明は、送電装置が有する送電側結合部と、受電装置が有する受電側結合部とを、電界または磁界の少なくとも一方により結合させて、前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する電力伝送システムにおいて、前記送電装置は、前記送電側結合部に接続される電力伝送ラインに流れる交流成分を有する電流を検出する電流検出部、を有し、前記電流検出部は、絶縁体と、前記絶縁体に形成された主線路導体と、前記絶縁体に形成され、前記主線路導体と磁界結合する電流検出用導体と、を備え、前記絶縁体は、前記主線路導体と前記電流検出用導体との間に設けられ、前記絶縁体内において透磁率が周囲よりも低い低透磁率部を有し、前記主線路導体は、前記電力伝送ラインの一部を構成していることを特徴とする。
この構成では、送電装置において、送電側結合部に流れる電流を感度よく検出できる。検出した電流の大きさ、又は位相の変化により、受電装置の載置の有無の判定又は異常等の状態検知を行うことができる。
本発明によれば、主線路導体と、電流検出用導体との磁界結合は強い。このため、感度よく電流検出を行える。
図1(A)は、電流検出素子の平面図、図1(B)は、図1(A)のI−I線における断面図である。 図2(A)及び図2(B)は、電流検出素子を用いた電流検出回路を示す図である。 図3(A)は、別の例の電流検出素子の平面図、図3(B)は、図3(A)のIII−III線における断面図である。 図4(A)は、電流検出素子の平面図、図4(B)は、図4(A)のIV−IV線における断面図である。 図5(A)は、電流検出素子の平面図、図5(B)は、図5(A)のV−V線における断面図である。 図6は、コイル導体に生じる誘導電流の流れる方向を説明するための図である。 図7(A)、図7(B)および図7(C)は、別の例の電流検出素子を示す図である。 図8は、低透磁率部を設けることによる効果を説明するための図である。 図9(A)は、電流検出素子を備えた電流検出回路モジュールの平面図、図9(B)は、図9(A)のIX−IX線における断面図である。 図10は、電流検出回路モジュールの回路図である。 図11は、実施形態5に係る電力伝送システムの回路図である。
(実施形態1)
図1(A)は、電流検出素子1の平面図、図1(B)は、図1(A)のI−I線における断面図である。なお、図1(A)に示す平面図は透視図である。
電流検出素子1は、積層体10、主線路用電極11及びコイル導体12を備えている。積層体10は、複数の絶縁体層が積層された絶縁体であり、焼結されて形成されている。絶縁体層は、フェライト等の磁性体のみからなる絶縁体層と、磁性体及び非磁性体からなる絶縁体層とがある。磁性体は、強磁性体であり、比透磁率μ>1である。非磁性体は、周囲の磁性体よりも透磁率が低く、比透磁率μ=1である。これら絶縁体層が積層された際、積層体10には、磁性体により高透磁率部と、非磁性体により周囲の高透磁率部よりも透磁率が低い低透磁率部13が形成される。なお、低透磁率部13には非磁性体ではなく低透磁率の磁性体(非等磁率μ≠1、ただし高透磁率部の透磁率よりも低い)を用いてもよい。
積層体10の一方主面には、マザー基板に実装するための複数の実装電極(不図示)が形成されている。電流検出素子1は、実装電極が形成された積層体10の主面(以下、実装面と言う)をマザー基板側にして実装される。図1(A)は、積層体10の積層方向において、実装面と対向する面(以下、上面と言う)から視た平面図である。
主線路用電極11は、積層体10の低透磁率部13内に形成されている。主線路用電極11は、非磁性体を含む絶縁体層の主面であって、非磁性体部分に直線状の導体パターンが印刷されることで形成される。主線路用電極11に隣接してコイル導体12が配置される。コイル導体12、主線路用電極11の配列方向と交わる方向における、主線路用電極11の両端付近それぞれは、層間接続導体(図中黒丸)を介して、異なる実装電極に接続されている。主線路用電極11は、本発明に係る「主線路導体」の一例である。主線路用電極11は直線状に形成されているため、主線路用電極11の形成が容易であり、主線路用電極11のインダクタンスと抵抗値とを低減できる。
なお、積層体10の積層方向と平行な側面に主線路用電極11を引き出して、積層体10の側面を介して実装電極に接続することもできる。この場合、積層体10の内部において主線路用電極11が磁性体に接するまたは近接する領域を短くすることができ、主線路用電極11の周囲の磁性体及び非磁性体による実効透磁率が低下するため、主線路用電極11のインダクタンスをさらに低減することができる。
コイル導体12は、巻回軸を積層体10の積層方向にし、かつ、一部が低透磁率部13内に位置するよう形成されている。コイル導体12の巻回軸は、主線路用電極11の延びる方向とは異なる方向を向いている。つまり、コイル導体12の巻回軸は主線路用電極11とねじれの位置関係となっている。コイル導体12は、積層方向からの平面視で、主線路用電極11と間隙をおいて隣接配置されている。コイル導体12は、本発明に係る「電流検出用導体」の一例である。なお、コイル導体12の巻回方向は特に限定されない。また、コイル導体を主線路用電極11の延びる方向に沿って複数配置してもよい。
コイル導体12は、開ループ状導体121,122,123,124から構成されている。開ループ状導体121,122,123,124それぞれは、異なる絶縁体層の主面に形成されている。また、開ループ状導体122,123が、非磁性体を含む絶縁体層の主面に形成され、その開ループ状導体122,123の一部は非磁性体部分に形成されている。そして、積層方向に隣接する開ループ状導体の一端同士が、層間接続導体(不図示)により接続されている。これにより、巻回軸を積層体10の積層方向にし、かつ、一部が積層体10の低透磁率部13内に配置されたコイル導体12が形成される。
なお、コイル導体12の両端それぞれは、層間接続導体(不図示)により、積層体10の実装面に形成された異なる実装電極に接続されている。
この構成の電流検出素子1において、主線路用電極11に交流成分を有する電流が流れると、時間的に変化する磁束が発生する。コイル導体12の巻回軸は主線路用電極11に流れる電流とねじれの位置関係となっているため、コイル導体12には、コイル導体12のコイル開口を通して、主線路用電極11に流れる電流により発生した磁束が鎖交する。これにより、主線路用電極11とコイル導体12とは磁界結合する。そして、コイル導体12には誘導起電力が生じ、誘導起電力に応じてコイル導体12に誘導電流が流れる。この誘導起電力又は誘導電流を検出することで、主線路用電極11に流れる電流を検出できる。
本実施形態では、主線路用電極11とコイル導体12の一部とは、低透磁率部13内に形成されている。換言すれば、図1(A)に示すコイル導体12の巻回軸方向の平面視で、主線路用電極11とコイル導体12との間に低透磁率部13が形成されている。主線路用電極11とコイル導体12の一部とは低透磁率部13に接している。このため、主線路用電極11からの発生した磁束は、主線路用電極11とコイル導体12との間を避けるようにして、コイル導体12のコイル開口を通過するため、コイル導体12にはより多くの磁束が鎖交する。その結果、主線路用電極11とコイル導体12との磁界結合は強くなる。これにより、主線路用電極11に流れる電流の検出感度を高めることができる。また、コイル導体12の一部のみ低透磁率部13内に形成されているので、低透磁率部13によってコイル導体12のインダクタンスが大幅に低下しない。
また、主線路用電極11とコイル導体12との間に低透磁率部13を設けることで、主線路用電極11とコイル導体12との距離を近づけることなく、磁界結合を強くすることができる。そして、主線路用電極11とコイル導体12とを離すことで、2つの電極間に生じる寄生容量を低減できる。
さらに、主線路用電極11は低透磁率部13内に配置されているため、主線路用電極11近傍の磁束集中を弱めることができる。このため、主線路用電極11にはより大きな電流を流すことができる。主線路用電極11周りの透磁率は低いため、主線路用電極11のインダクタンス成分または磁気損失を小さくできる。さらに、主線路用電極11周りの磁気飽和を防止できる。
図2(A)及び図2(B)は、電流検出素子1を用いた電流検出回路を示す図である。図2(A)及び図2(B)に示すインダクタL1は、主線路用電極11のインダクタンス成分である。
電流検出素子1は、主線路用電極11がマザー基板の主線路の途中に配置されるよう、マザー基板に実装される。また、コイル導体12が接続されている実装電極は、主線路用電極11を流れる電流を検出するための検出用回路に接続される。検出用回路は、図2(A)に示すように、キャパシタC1及び負荷RLである。電流検出素子1をマザー基板に実装することで、コイル導体12は、キャパシタC1及び負荷RLに直列に接続される。そして、前記のように、コイル導体12に誘導電流が流れたとき、負荷RLの両端電圧を検出することで、主線路用電極11に流れる電流、すなわち、マザー基板の主線路に流れる電流を検出できる。キャパシタC1は、コイル導体12に対して直列に接続されているが、並列に接続してもよい。
また、図2(A)では、キャパシタC1は、電流検出素子1に外付けに接続しているが、図2(B)に示すように、電流検出素子1内に、キャパシタC2を設けてもよい。キャパシタC2は、例えば、積層体10の上側主面に実装し、又は積層体内部に2枚の面状導体を平行に対向配置することで形成できる。このキャパシタC2と、負荷RLにより、検出用回路を構成している。この場合、キャパシタC2を、電流検出素子1に外付けする必要がないため、キャパシタC2を実装する領域をマザー基板に確保する必要がない。キャパシタC2は、本発明に係る「周波数特性を有する素子」の一例である。
なお、平面視で、低透磁率部13は、主線路用電極11及びコイル導体12の少なくとも一方と重なっていればよい。
図3(A)は、別の例の電流検出素子1Aの平面図、図3(B)は、図3(A)のIII−III線における断面図である。なお、図3(A)に示す平面図は透視図である。
この例では、低透磁率部13A内には、主線路用電極11のみが形成されている。この構成であっても、主線路用電極11とコイル導体12との間に低透磁率部13Aを形成しているため、低透磁率部13が形成されない場合と比較して主線路用電極11とコイル導体12との磁界結合を強くすることができる。このため、主線路用電極11に流れる電流の検出感度を高めることができる。
なお、電流検出素子1,1Aでは、主線路用電極11全体が低透磁率部13,13A内に形成されているが、主線路用電極11の一部が低透磁率部13,13A内に形成されていればよい。また、電流検出素子1Aでは、コイル導体12の巻回軸方向の平面視で、低透磁率部13Aは主線路用電極11と重なっているが、コイル導体12と重なり、主線路用電極11とは重ならない構成であってもよい。さらに、低透磁率部13,13Aはコイル導体12及び主線路用電極11とは重ならず、コイル導体12の一部と主線路用電極11の一部とを結ぶ線分上において低透磁率部13,13Aが配置されている構成であってもよい。この構成であっても、低透磁率部13,13Aが形成されない場合と比較して主線路用電極11とコイル導体12との磁界結合は強いため、主線路用電極11に流れる電流の検出感度を高めることができる。
ただし、コイル導体12と主線路用電極11の少なくても一方が非磁性体部と接している場合の方が、非磁性体部がコイル導体12及び主線路用電極11の両方に接していない場合よりも結合を高めることができる。この場合、高透磁率部を通過する磁束の多くがコイル導体12と主線路用電極11の一方と鎖交することができ、高透磁率部に発生し、コイル導体12と主線路用電極11の一方と鎖交しない漏れ磁束を減らすことができる。さらには、コイル導体12と主線路用電極11の両方が非磁性体部と接している場合の方が、コイル導体12と主線路用電極11の少なくても一方が非磁性体部と接していない場合よりも結合を高めることができる。この場合、高透磁率部を通過する磁束の多くがコイル導体12と主線路用電極11の両方と鎖交することができ、高透磁率部に発生し、コイル導体12と主線路用電極11の両方と鎖交しない漏れ磁束を減らすことができる。
なお、本実施形態では高透磁率部を磁性体(強磁性体)、低透磁率部を非磁性体、又は高透磁率部よりも透磁率の低い磁性体を用いたがこれに限らない。例えば、低透磁率部を反磁性体(比透磁率μ<1)で構成し、高透磁率部を磁性体または非磁性体で構成してもよい。少なくとも低透磁率部の透磁率が周囲の高透磁率部の透磁率よりも低ければよい。
また、積層方向において、積層体10の最も外側の2つの層を非磁性体層とし、最も外側の2つの非磁性体層で、磁性体層及び他の非磁性体層を挟む構成でもよい。これにより、磁束を積層体10内に閉じ込めるとともに、積層体10の機械強度を強くすることができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る電流検出素子は、低透磁率部の大きさが実施形態1と相違する。
図4(A)は、電流検出素子2の平面図、図4(B)は、図4(A)のIV−IV線における断面図である。なお、図4(A)に示す平面図は透視図である。
電流検出素子2の積層体10Aは、フェライト等の強磁性体のみからなる絶縁体層と、非磁性体のみからなる絶縁体層とが積層され、焼結されて構成されている。非磁性体のみからなる絶縁体層が積層されることで、積層体10Aには、非磁性体層の低透磁率部14が形成される。そして、積層方向に沿って低透磁率部14を間に挟むように、強磁性体のみからなる絶縁体層が積層されている。
主線路用電極11は、非磁性体のみからなる絶縁体層の主面に形成されている。コイル導体12は、巻回軸を積層体10Aの積層方向となるよう、開ループ状導体121,122,123,124が、層間接続導体(不図示)により接続されることで形成されている。開ループ状導体122,123は、非磁性体のみからなる絶縁体層の主面に形成されている。これにより、主線路用電極11及びコイル導体12の一部は、積層体10Aの低透磁率部14内に形成された構成となる。
なお、電流検出素子2による電流検出方法は、実施形態1と同様であるため、説明は省略する。
この構成のように、主線路用電極11を積層体10A内に配置することで、主線路用電極11近傍の磁束集中を弱めることができ、より大きな電流を流すことができる。また、主線路用電極11とコイル導体12との磁界結合を強めることができる。これにより、電流の検出感度を高めることができる。さらに、主線路用電極11周りの透磁率は低いため、主線路用電極11のインダクタンス成分または磁気損失を小さくできる。また、主線路用電極11周りの磁気飽和を防止できる。
(実施形態3)
実施形態3に係る電流検出素子は、電流を検出するためのコイル導体を二つ備えている点で、実施形態1と相違する。
図5(A)は、電流検出素子3の平面図、図5(B)は、図5(A)のV−V線における断面図である。
電流検出素子3は、積層体20、主線路用電極21及びコイル導体22A,22Bを備えている。積層体10は、複数の絶縁体層が積層され、焼結されて形成されている。絶縁体層は、フェライト等の強磁性体のみからなる絶縁体層と、強磁性体及び非磁性体からなる絶縁体層とがある。これら絶縁体層が積層された際、非磁性体により、積層体20には、周囲よりも透磁率が低い低透磁率部24が形成される。
主線路用電極21は、積層体20の低透磁率部24内に形成されている。主線路用電極21は、本発明に係る「主線路導体」の一例である。
コイル導体22A,22Bは、巻回軸を積層体20の積層方向にし、かつ、積層方向からの平面視で、主線路用電極21を間に挟むようにして、形成されている。コイル導体22A,22Bの巻回軸は、主線路用電極21の延びる方向とは異なる方向を向いている。つまり、コイル導体22A,22Bの巻回軸はそれぞれ主線路用電極21とねじれの位置関係となっている。コイル導体22A,22Bは、本発明に係る「電流検出用導体」の一例である。
コイル導体22Aは、異なる絶縁体層の主面に形成された開ループ状導体221,222,223,224が、層間接続導体(不図示)により接続されることで形成されている。コイル導体22Aは、一部が低透磁率部24内に位置している。図5(A)及び図5(B)の場合、開ループ状導体222,223が、非磁性体を含む絶縁体層の主面に形成され、その開ループ状導体222,223の一部が非磁性体部分に形成されている。これにより、コイル導体22Aは、一部が積層体20の低透磁率部24内に形成された構成となる。
コイル導体22Bは、異なる絶縁体層の主面に形成された開ループ状導体225,226,227,228が、層間接続導体(不図示)により接続されて、形成されている。開ループ状導体225,226,227,228は、開ループ状導体221〜224が形成された絶縁体層と同じ層に形成されていてもよいし、異なる層に形成されていてもよい。コイル導体22Bは、一部が低透磁率部24内に位置している。図5(A)及び図5(B)の場合、開ループ状導体226,227が、非磁性体を含む絶縁体層の主面に形成され、その開ループ状導体226,227の一部が非磁性体部分に形成されている。これにより、コイル導体22Bは、一部が積層体20の低透磁率部24内に形成された構成となる。
コイル導体22A,22Bの実装面側の一端は、層間接続導体により、実装電極に接続されている。また、コイル導体22A,22Bの上面側の一端同士は、接続導体23により接続されている。接続導体23は、主線路用電極21を跨ぐようにして、絶縁体層の主面に形成されている。コイル導体22A,22Bは、接続導体23により直列に接続されることで、コイル導体22A,22Bは一つのコイルを形成している。
なお、接続導体23を主線路用電極11から距離が離れた層に形成した場合、接続導体23と主線路用電極21との寄生容量を低減することができる。
図6は、コイル導体22A,22Bに生じる誘導電流の流れる方向を説明するための図である。
主線路用電極21に電流が流れると、磁束が発生し、その磁束がコイル導体22A,22Bのコイル開口を通過することで、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとが磁界結合する。詳しくは、コイル導体22A,22Bの一方には、積層方向の上面側から実装面側に向かう主線路用電極21による磁束が鎖交し、他方には実装面側から上面側に向かう主線路用電極21よる磁束が鎖交する。主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとが磁界結合することで、コイル導体22A,22Bに誘導起電力が生じ、誘導起電力に応じてコイル導体22A,22Bに誘導電流が流れる。
コイル導体22A,22Bに生じる誘導電流の流れる方向は、主線路用電極21及びコイル導体22A,22Bを積層方向から平面視したとき、それぞれ逆回りである。ここで、コイル導体22Aとコイル導体22Bは、コイル導体22A,22Bに流れる誘導電流が互いに打ち消しあわないように接続される。つまり、コイル導体22A,22Bの構造がともに左手の螺旋(left-handed helix)であるならば、コイル導体22A,22Bは互いに上面側の一端を接続することで直列に接続される。したがって、主線路用電極11とコイル導体22A,22Bとの磁界結合が弱まることはない。
なお、本実施形態では、コイル導体22A,22Bの構造がともに左手の螺旋、つまり同じ巻回方向であり、コイル導体22A,22Bは互いに上面側の一端を接続することで直列に接続され、主線路用電極21に流れる電流により生じた磁束がコイル導体22A,22Bのコイル開口を通過して、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとが磁界結合するようにしているが、コイル導体22A,22Bの構造や接続の仕方は、これに限らない。
主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとが磁界結合することでコイル導体22A,22Bに生じる誘導電流が打ち消しあわないように、コイル導体22A,22Bの構造の巻回方向と接続の仕方を選択する。まず、積層方向からの平面視でのコイル導体22A,22Bの構造の巻回方向を決定するため、コイル導体22A,22Bのそれぞれの2つの端部に、巻き始めと巻き終わりを任意に決める。積層方向からの平面視で、コイル導体22A,22Bの構造の巻き始めから巻き終わりまでの巻回方向がともに同じであるならば、コイル導体22A,22Bの一方の巻き始めと他方の巻き始めとが接続される、または一方の巻き終わりと他方の巻き終わりとが接続され、コイル導体22A,22Bは直列接続される。積層方向からの平面視で、コイル導体22A,22Bの構造の巻き始めから巻き終わりまでの巻回方向が互いに逆であるならば、コイル導体22A,22Bの一方の巻き始めと他方の巻き終わりとが接続され、コイル導体22A,22Bは直列接続される。
以上のように、電流検出素子3において、主線路用電極21に電流が流れると、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとは磁界結合する。そして、実施形態1で説明したように、コイル導体22A,22Bに誘導電流が流れる。この誘導電流を検出することで、主線路用電極21に流れる電流を検出できる。
本実施形態では、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bの一部とは、低透磁率部24内に形成されている。換言すれば、図5(A)に示す平面視で、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとの間に低透磁率部24が形成されている。このため、低透磁率部が形成されない場合と比較して主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとの磁界結合は強くなる。これにより、主線路用電極21に流れる電流の検出感度を高めることができる。
また、主線路用電極21は、コイル導体22A,22Bの間に配置されている。このため、絶縁体層を積層して積層体20を製造する際に積層ずれが生じ、主線路用電極21とコイル導体22Aとの距離が離れても、主線路用電極21とコイル導体22Bとの距離は接近する。すなわち、主線路用電極21とコイル導体22Aとの磁界結合が弱くなっても、主線路用電極21とコイル導体22Bとの磁界結合は強くなる。コイル導体22A,22Bは直列接続され、一つのコイル導体を形成している。したがって、フェライトシートの積層ずれが生じても、主線路用電極21と、二つのコイル導体22A,22Bとの磁界結合は略変わらない。
なお、低透磁率部24の形成領域は、図5に限定されない。
図7(A)、図7(B)および図7(C)は、別の例の電流検出素子3A,3B,3Cを示す図である。
図7(A)に示す電流検出素子3Aでは、二つの低透磁率部24A,24Bが積層体20に形成されている。低透磁率部24A,24Bは、本発明に係る「低透磁率部」に相当する。低透磁率部24Aは、主線路用電極21の一部とコイル導体22Aの一部とに接している。また、低透磁率部24Bは、主線路用電極21の一部とコイル導体22Bの一部とに接している。この構成であっても、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとの間に低透磁率部24A,24Bが形成されているため、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとの磁界結合は強く、主線路用電極21に流れる電流の検出感度を高めることができる。
図7(B)に示す電流検出素子3Bの積層体20は、一部に低透磁率部24Cの層を有している。低透磁率部24C以外の層は強磁性体層である。主線路用電極21、開ループ状導体222,223,226,227は、低透磁率部24Cに形成されている。この構成であっても、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとの磁界結合は強く、主線路用電極21に流れる電流の検出感度を高めることができる。
図7(C)に示す電流検出素子3Cでは、主線路用電極21を、複数の電極(図では2つの電極)が図示しない層間接続導体により接続された多層構造とし、さらに、その主線路用電極21を低透磁率部24D内に配置している。主線路用電極21を多層構造とすることで、主線路用電極21のインダクタンス成分、抵抗成分を小さくすることができる。また、主線路用電極21を低透磁率部24D内に配置することで、主線路用電極21を流れる電流によって積層体20内部に生成される磁束密度を低減させる(磁束集中を弱める)ことができる。その結果、磁性層の飽和を防止することができるため、主線路用電極21に、より大きな電流を流すことができる。
低透磁率部24Dは、低透磁率部24Dを上下方向から挟む磁性体層の厚さよりも厚く形成されている。このとき、磁性体層の厚みを薄くすると磁束密度が層内で飽和(非線形性)しやすくなるため、磁性体層は、内部の磁束密度が許容できる範囲内となる厚みで形成することが好ましい。また、磁性体層の比透磁率は例えば50〜300である。
コイル導体22A,22Bは、低透磁率部24Dを挟んで積層方向の上側の磁性体層内に形成されたコイル導体22Au,22Buと、下側の磁性体層内に形成されたコイル導体22Ad,22Bdとで構成されている。コイル導体22Auとコイル導体22Adとの間の距離は、積層方向に互いに隣接するコイル導体22Auの間の距離またはコイル導体22Adの間の距離よりも長い。また、コイル導体22Buとコイル導体22Bdとの間の距離は、積層方向に互いに隣接するコイル導体22Buの間の距離またはコイル導体22Bdの間の距離よりも長い。なお、コイル導体22Au,22Buの下側一部、および、コイル導体22Ad,22Bdの上側一部は、低透磁率部24Dに形成されている。コイル導体22A,22Bを磁性体層に形成することで、コイル導体22A,22Bのインダクタンスは大きくなるため、電流の検出感度は高まる。また、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとを挟み込むように磁性体層が配置されているため、磁気結合が強まり、電流の検出感度は高まる。
また、低透磁率部24Dに形成されるコイル導体22Au,22Adと主線路導体との磁界結合に寄与する効果は小さいが損失は生じる。このため、コイル導体22Auとコイル導体22Adを離間させている。また、コイル導体22Auとコイル導体22Adとを離間させることにより、コイル導体22Auとコイル導体22Adは主線路用電極21とも離間するため、コイル導体22Au,22Adと主線路用電極21との間で寄生容量が発生するのを防ぐことができる。また、コイル導体22Au,22Adと主線路用電極21との間で絶縁距離を保つこともできる。同様の理由で、コイル導体22Buとコイル導体22Bdも離間させている。
また、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとは、積層体20の平面方向(積層方向の直交方向)において、重ならないように形成されている。これにより、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bとが近接せず、主線路用電極21とコイル導体22A,22Bと間に生じる寄生容量を低減できる。その結果、電流検出回路の出力電圧の誤差を低減できる。
図8は、低透磁率部を設けることによる効果を説明するための図である。
図8の縦軸は、主線路用電極とコイル導体との結合係数である。結合係数は、主線路用電極のインダクタンスをL1、コイル導体のインダクタンスをL2、主線路用電極とコイル導体間の相互インダクタンスをMとした場合に、k=M/√(L1×L2)で定義する。(1)は低透磁率部を設けない電流検出素子、(2)は、図7(A)に示す電流検出素子3A、(3)は、図6に示す電流検出素子3、(4)は、図7(B)に示す電流検出素子3Bの結合係数をそれぞれ示す。この図から読み取れるように、低透磁率部を設けることにより、低透磁率部を設けていない電流検出素子と比較して、その結合係数が大きくなることが分かる。
なお、本実施形態では、コイル導体22A,22Bは直列接続されている並列に接続されてもよい。コイル導体22A,22Bを並列接続することにより、抵抗を下げて損失を抑えることができる。コイル導体22A,22Bが並列に接続される場合のコイル導体22A,22Bの構造の巻回方向と接続の仕方は次の通りである。積層方向からの平面視で、コイル導体22A,22Bの構造の巻き始めから巻き終わりまでの巻回方向がともに同じであるならば、一方の巻き始めと他方の巻き終わりとが接続され、さらに一方の巻き終わりと他方の巻き始めとが接続され、コイル導体22A,22Bの2つの接続部間に検出用回路が接続される。積層方向からの平面視で、コイル導体22A,22Bの構造の巻き始めから巻き終わりまでの巻回方向が互いに逆であるならば、コイル導体22A,22Bの一方の巻き始めと他方の巻き始めとが接続され、さらに一方の巻き終わりと他方の巻き終わりとが接続され、コイル導体22A,22Bの2つの接続部間に検出用回路が接続される。
また、コイル導体22A,22Bは、接続せず、互いに独立していてもよい。この場合、コイル導体22A,22Bの巻回方向は限定されない。また、コイル導体22A,22Bそれぞれから、二つの電流検出結果を得ることができる。
(実施形態4)
実施形態4では、電流検出素子の上面に、電流検出に用いる素子を実装する実装電極を設け、その実装電極に素子を実装し、電流検出回路モジュールを構成している。
図9(A)は、電流検出素子を備えた電流検出回路モジュール4の平面図、図9(B)は、図9(A)のIX−IX線における断面図である。図10は、電流検出回路モジュール4の回路図である。なお、図10ではコンパレータU1の電源やバイアス回路は省略している。
電流検出回路モジュール4は積層体30を備えている。積層体30は、フェライト等の強磁性体からなる絶縁体層と、非磁性体からなる絶縁体層とが積層され、焼結されて構成されている。非磁性体からなる絶縁体層が積層されることで、積層体30には、非磁性体層の低透磁率部31A,31B,31Cが形成される。また、積層方向に沿って低透磁率部31A,31Bの間、低透磁率部31A,31Cの間に挟まれるように、強磁性体からなる絶縁体層32A,32Bが積層されている。
積層体30の実装面には、マザー基板に実装するための実装電極33A,33B等が設けられている。積層体30の上面には、素子を実装するための実装電極34A,34B,34C,34D,34E等が設けられている。なお、図9では、実装電極33A,33Bと、実装電極34A〜34Eとを図示しているが、実装電極の数はこれに限定されない。
絶縁体層32Aの主面には、面状に広がるグランド電極16が設けられている。実装電極34Aは、層間接続導体を介してグランド電極16に導通している。低透磁率部31Bには、実装電極34B〜34Eを接続する配線パターン17が設けられている。
主線路用電極11は低透磁率部31Aに形成されている。コイル導体12は、巻回軸を積層体30の積層方向となるよう、絶縁体層32A,32B及び低透磁率部31A内に形成されている。コイル導体12の巻回軸は、主線路用電極11の延びる方向とは異なる方向を向いている。つまり、コイル導体12の巻回軸はそれぞれ主線路用電極11とねじれの位置関係となっている。
実装電極34A〜34Eには、コンパレータU1、ダイオードD1、キャパシタC31,C32,C33、抵抗R1等が実装されている。ダイオードD1、キャパシタC31,C32、抵抗R1は、図2(A)と同様に、主線路用電極11に流れる電流を検出する検出用回路を構成している。キャパシタC33及びコンパレータU1は、ゼロクロス検出回路を構成している。ゼロクロス検出回路は、コイル導体12に誘起される交流電圧のゼロ地点(ゼロクロス点)を検出する回路であり、交流電圧が特定の電位(例えばグランド電位)を超えたときにHiを出力し、超えないときにLoを出力する。すなわち、周波数に同期したデジタル信号を出力する。
この構成では、グランド電極16が、主線路用電極11及びコイル導体12と重なるように設けられている。これにより、主線路用電極11等から生じる電磁界ノイズはグランド電極16により遮蔽され、積層体30の上面に実装された素子(コンパレータU1等)への影響が軽減される。また、必要な素子を積層体30の上面に実装することで、電流検出回路モジュール4の実装領域を省スペース化できる。
なお、積層体30の構成は、実施形態1〜3で説明した積層体の構成であってもよい。例えば、低透磁率部は、図1に示すように、積層体内部の一部に形成されていてもよい。また、電流検出回路モジュール4は、実施形態3で説明したように、二つのコイル導体を備えていてもよい。
(実施形態5)
この例では、実施形態1で説明した電流検出素子1を備えた電力伝送システムについて説明する。
図11は、実施形態5に係る電力伝送システム100の回路図である。電力伝送システム100は、送電装置101と受電装置201とを備えている。電力伝送システム100は、磁界結合方式により、送電装置101から受電装置201へ電力を伝送する。
受電装置201は負荷回路211を備えている。この負荷回路211は充電回路及び二次電池を含む。なお、二次電池は受電装置201に対し着脱式であってもよい。そして、受電装置201は、その二次電池を備えた、例えば携帯電子機器である。携帯電子機器としては携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯音楽プレーヤ、ノート型PC、デジタルカメラなどが挙げられる。送電装置101は、載置された受電装置201の二次電池を充電するための充電台である。
送電装置101は、直流電圧を出力する直流電源Vinを備えている。直流電源Vinは、商用電源に接続されるACアダプタである。直流電源Vinには、直流電圧を交流電圧に変換するインバータ回路111が接続されている。インバータ回路111の出力側には、キャパシタC31,C32及びコイルL2から構成される共振回路が接続されている。
また、インバータ回路111と共振回路との間には、電流検出素子1が設けられている。電流検出素子1の主線路用電極11が、インバータ回路111と共振回路との間の電力伝送ラインの一部となっている。そして、この電流検出素子1は、図示しないマザー基板に実装され、キャパシタC1及び負荷RLに接続されている。図2で説明したように、負荷RLの電圧を検出することで、インバータ回路111と共振回路との間に流れる電流(以下、送電電流と言う)を検出できる。
受電装置201は、共振回路を構成するキャパシタC4及びコイルL3を有している。そして、コイルL2,L3が磁界結合することで、送電装置101から受電装置201へ電力が伝送される。この受電装置201の共振回路は、送電装置101の共振回路と同じ共振周波数に設定されている。送電装置101及び受電装置201の共振回路の共振周波数を同じにすることで、効率よく電力伝送が行える。
受電装置201の共振回路には、受電回路210が接続されている。受電回路210は、コイルL3に誘起された電圧を整流及び平滑する。また、受電回路210は、整流及び平滑した電圧を、安定化された所定電圧に変換し、負荷回路211へ供給する。
この電力伝送システム100において、送電装置101の送電電流と、送電装置101の共振回路への入力電圧V1を検出することで、インバータ回路111から受電装置201側を視たインピーダンスを検出できる。インピーダンスを検出することで、例えば、送電装置101に受電装置201が載置されたか否かを判定できる。送電装置101に受電装置201を載置した場合、送電装置101と受電装置201との共振回路が結合して、複合共振による周波数ピークが現れる。そして、インピーダンスの周波数特性を検出し、周波数ピークの有無を検出することで、受電装置201の載置の有無を判定できる。
なお、電流検出素子1を用いて送電装置101の送電電流のみを検出した場合においても、電流の大きさ、または位相の変化により、受電装置201の載置の有無の判定または異常等の状態検知を行うことができる。
また、上述した各実施形態1〜4は、主線路用電極に流れる電流を検出するための電流検出用導体はコイル状導体としているが、主線路用電極と磁界結合するものであれば、形状は特に限定されない。また、各実施形態1〜4は、適宜組み合わせ可能である。
また、上述した各実施形態1〜4において、主線路用電極及び電流検出用導体は高透磁率部及び低透磁率部を有する絶縁体の内部に形成されているが、主線路用電極と電流検出用導体はそれぞれ絶縁体の表面に少なくとも一部が形成されていてもよい。少なくとも主線路用電極及び電流検出用導体が絶縁体に固定され、主線路用電極と電流検出用導体との間に絶縁体の低透磁率部が配置され、低透磁率部の周囲に高透磁率部が配置されればよい。
C1,C2,C31,C32,C33,C4…キャパシタ
D1…ダイオード
L1…インダクタ
L2,L3…コイル
R1…抵抗
RL…負荷
U1…コンパレータ
Vin…直流電源
1,1A,2,3,3A,3B,3C…電流検出素子
4…電流検出回路モジュール
10,10A…積層体
11…主線路用電極
12…コイル導体
13,13A,14…低透磁率部
16…グランド電極
17…配線パターン
20…積層体
21…主線路用電極
22A,22B…コイル導体
22Ad,22Au…コイル導体
22Bd,22Bu…コイル導体
23…接続導体
24,24A,24B,24C,24D…低透磁率部
30…積層体
31A,31B,31C…低透磁率部
32A,32B…絶縁体層
33A,33B…実装電極
34A,34B,34C,34D,34E…実装電極
100…電力伝送システム
101…送電装置
111…インバータ回路
121,122,123,124…開ループ状導体
201…受電装置
210…受電回路
211…負荷回路
221,222,223,224,225,226,227,228…開ループ状導体
222Ad…コイル導体

Claims (11)

  1. 絶縁体と、
    前記絶縁体に形成された主線路導体と、
    前記絶縁体に形成され、前記主線路導体と磁界結合する電流検出用導体と、
    を備え、
    前記絶縁体は、
    前記主線路導体と前記電流検出用導体との間に設けられ、前記絶縁体内において透磁率が周囲よりも低い低透磁率部を有する、
    電流検出素子。
  2. 前記主線路導体は前記絶縁体において、平面視したときに、直線状に形成されている、
    請求項1に記載の電流検出素子。
  3. 前記電流検出用導体は、
    前記絶縁体に設けられ、前記主線路導体の延びる方向とは異なる方向に巻回軸を有するコイル状導体である、
    請求項1又は2に記載の電流検出素子。
  4. 前記絶縁体は、少なくとも一部で透磁率の異なる複数の絶縁体層が積層された積層体であり、複数の前記絶縁体層は少なくとも一部に磁性体層を有する、
    請求項1から3のいずれかに記載の電流検出素子。
  5. 前記磁性体層は磁性フェライトの層である、
    請求項4に記載の電流検出素子。
  6. 前記低透磁率部は非磁性体で構成されている、
    請求項1から5のいずれかに記載の電流検出素子。
  7. 前記低透磁率部は、前記主線路導体又は前記電流検出用導体の少なくとも一方に接している、
    請求項1から6のいずれかに記載の電流検出素子。
  8. 前記低透磁率部は、
    前記主線路導体及び前記電流検出用導体に接している、
    請求項7に記載の電流検出素子。
  9. 複数の前記電流検出用導体を備える、
    請求項1から8のいずれかに記載の電流検出素子。
  10. 前記電流検出用導体に接続された、周波数特性を有する素子を備える、
    請求項1から9のいずれかに記載の電流検出素子。
  11. 送電装置が有する送電側結合部と、受電装置が有する受電側結合部とを、電界または磁界の少なくとも一方により結合させて、前記送電装置から前記受電装置へ電力を伝送する電力伝送システムにおいて、
    前記送電装置は、
    前記送電側結合部に接続される電力伝送ラインに流れる交流成分を有する電流を検出する電流検出部、
    を有し、
    前記電流検出部は、
    絶縁体と、
    前記絶縁体に形成された主線路導体と、
    前記絶縁体に形成され、前記主線路導体と磁界結合する電流検出用導体と、
    を備え、
    前記絶縁体は、
    前記主線路導体と前記電流検出用導体との間に設けられ、前記絶縁体内において透磁率が周囲よりも低い低透磁率部を有し、
    前記主線路導体は、前記電力伝送ラインの一部を構成している、
    電力伝送システム。
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