JP5994799B2 - ロール紙運搬クレーン装置およびロール紙の装着方法 - Google Patents

Description

本発明は、金属帯の通板ラインにおけるテンションリールのＣＰＣ（Center Position Control）動作と連動して横行動作するロール紙台座にロール紙を運搬して装着する際に用いるロール紙運搬クレーン装置およびロール紙の装着方法に関する。

例えば、冷延鋼帯、めっき鋼帯、アルミニウム帯板、銅帯板等の金属帯の通板ラインにおいて、テンションリールに巻き取る際に、金属帯表面に傷が生じることを防止する目的で、金属帯と金属帯との間に間紙を介在させている。間紙はロール状に巻いたロール紙から供給される。

このとき、従来技術では、図８に示すように、通板ラインのテンションリールのＣＰＣ動作と連動して（紙面垂直方向に）横行動作するロール紙台座７にロール紙２をロール紙運搬クレーン装置１で運搬して装着する。

この際のロール紙運搬クレーン装置１の動作について以下に説明する。図８に示すように、ロール紙運搬クレーン装置１は、紙面左右方向および紙面垂直方向に移動するクレーン１ａを有しており、ロール紙２はクレーン１ａによってロール紙軸９を支えるようにして持ち上げられて運搬される。ロール紙台座７の上部で、クレーン１ａは、ロール紙２を支えながら、ロール紙軸９を、軸受け８の凹部に嵌め込むように下降される。ロール紙軸９が正常に軸受け８にはまった状態の平面図を図９に示す。なお、符号３は金属帯、４はテンションリール、５はテンションリール架台構造、６はＣＰＣ機構である。

ところで、テンションリール４は、通板ライン運転中は、ＣＰＣ機構６のＣＰＣ動作によって通板ラインと水平に直交する横行方向に移動動作する。また、ロール紙台座７は、ＣＰＣ機構６の上部に連結して設置されている。そのため、図１０の（ａ）あるいは（ｂ）に示すように、ＣＰＣ機構６が図９に示す通常の位置（ラインセンターと一致した位置）からずれている場合は、ロール紙台座７もＣＰＣ機構６とともにずれる。このとき、ロール紙運搬クレーン装置１において、クレーン１ａはテンションリール４の移動とは同期しない固定された支柱に吊られているため、ロール紙台座７とクレーン１ａで吊ったロール紙２とはラインと水平に直交する横行方向にずれて、ロール紙軸９が軸受け８の凹部に嵌らなくなってしまうという問題があった。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ＣＰＣ機構の位置にかかわらず、ロール紙をロール紙台座に正確に嵌め込むことができるロール紙運搬クレーン装置およびロール紙の装着方法を提供することを課題とする。

上記課題を解決するため、本発明は、金属帯の通板ラインにおけるテンションリールのＣＰＣ（Center Position Control）動作と連動して、金属帯の通板ラインに対して水平に直交する横行方向に動作するロール紙台座に、ロール紙を運搬して装着する際に用いるロール紙運搬クレーン装置であって、前記横行方向に移動可能な、前記ロール紙を昇降させるクレーンと、前記ロール紙台座の前記横行方向に沿った位置である横行位置を測定するセンサと、前記クレーンが、前記ロール紙を下降させて、ロール紙台座に設置する際に、前記センサが測定した前記ロール紙台座の横行位置に基づいて、リアルタイムに前記クレーンの横行位置を前記ロール紙台座の横行位置に適合するように制御する制御手段とを備えることを特徴とするロール紙運搬クレーン装置を提供する。

また、本発明は、金属帯の通板ラインにおけるテンションリールのＣＰＣ（Center Position Control）動作と連動して、金属帯の通板ラインに対して水平に直交する横行方向に動作するロール紙台座に、前記横行方向に移動可能な、前記ロール紙を昇降させるクレーンによりロール紙を運搬して装着するロール紙の装着方法であって、前記ロール紙台座の前記横行方向に沿った位置である横行位置をセンサにより測定し、前記クレーンが、前記ロール紙を下降させて、ロール紙台座に設置する際に、前記センサが測定した前記ロール紙台座の横行位置に基づいて、リアルタイムに前記クレーンの横行位置を前記ロール紙台座の横行位置に適合するようにすることを特徴とするロール紙の装着方法を提供する。

本発明によれば、横行方向に移動可能な、ロール紙を昇降させるクレーンが、ロール紙を下降させて、ロール紙台座に設置する際に、センサによって測定されたロール紙台座の横行位置に基づいて、リアルタイムにクレーンの横行位置をロール紙台座の横行位置に適合するように制御するので、ロール紙台座の横行位置がＣＰＣ動作によって変化しても、ロール紙をロール紙台座に正確に嵌め込むことができる。

本発明の一実施形態に係るロール紙運搬クレーン装置とロール紙が装着されるテンションリール設備を示す正面図である。 図１のテンションリール設備にロール紙が装着された状態を示す側面図である。 ＣＰＣ機構のセンター位置が通板ラインのセンター位置と一致している場合を示す図である。 ある瞬間におけるＣＰＣ機構の位置を示す図であり、ＣＰＣ機構のセンター位置が通板ラインセンター位置からずれている場合を示す図である。 ずれ量ΔＸ分、クレーンの横行位置を補正した場合の平面図である。 図５のＢ−Ｂ線で示す側面図である。 制御装置における制御ブロックを示す図である。 従来の金属帯の通板ラインにおけるテンションリール付近を示す側面図である。 図８のＡ−Ａ線で示す平面図である。 従来技術において、ロール紙運搬クレーンが運搬したロール紙とＣＰＣ機構（ロール紙台座）とがずれた場合を示す平面図である。

以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図１は、本発明の一実施形態に係るロール紙運搬クレーン装置とロール紙が装着されるテンションリール設備を示す正面図、図２は図１のテンションリール設備にロール紙が装着された状態を示す側面図である。

テンションリール設備３０は、金属帯の通板ラインにおいて金属帯２３を巻き取り、金属帯２３に張力を付与するテンションリール２４と、テンションリール架台構造２５と、テンションリール２４を通板ラインと水平に直交する横行方向にＣＰＣ動作させるＣＰＣ機構２６と、ＣＰＣ機構２６の上部に連結されて設けられ、ＣＰＣ動作と連動して横行動作し、ロール紙２２がセットされるロール紙台座２７と、ロール紙台座２７に設けられ、ロール紙２２のロール紙軸２９が嵌め込まれる凹部を有する軸受け２８とを有する。

そして、ロール紙２２から繰り出された間紙３１がテンションリール２４に巻き取られる金属帯２３の間に挿入され、金属帯２３とともに巻き取られる。
金属帯２３としては、冷延鋼帯、めっき鋼帯、アルミニウム帯板、銅帯板が例示される。

ロール紙運搬クレーン装置１０は、ロール紙２２をロール紙台座２７に運搬するものであり、ロール紙２２を吊り下げるクレーン１１と、クレーン１１を支持し横行方向（通板ラインに対して水平に直交する方向）に延びるレール２０に沿って横行する横行部１２と、横行部１２を駆動する横行モータ１３と、横行モータ１３の駆動を制御する横行ドライブ制御装置１４と、クレーン１１を昇降させる昇降モータ１５と、昇降モータ１５の駆動を制御する昇降ドライブ制御装置１６と、横行ドライブ制御装置１４および昇降ドライブ制御装置１６を制御してクレーン１１の位置を制御する制御装置１７と、ロール紙台座２７の横行位置（通板ラインに対して水平に直交する方向の位置）を検出するための距離測定センサ１８とを有する。

本実施形態において、制御装置１７は、距離測定センサ１８の検出値に基づいて、横行ドライブ制御装置１４を介して横行モータ１３を制御し、クレーン１１の横行位置を制御する。

次に、以上のように構成されるロール紙運搬クレーン装置１０の動作について説明する。
所定の位置でロール紙２２をロール紙軸２９を支えるようにしてクレーン１１で吊り上げ、テンションリール設備３０のロール紙台座２７の上部まで運搬し、クレーン１１を下降させることにより、ロール紙２２をロール紙台座２７に装着する。このとき、ロール紙軸２９を軸受け２８の凹部に嵌め込むようにする。

テンションリール２４は、通板ライン運転中は、ＣＰＣ機構２６のＣＰＣ動作によって横行方向に移動動作し、ロール紙台座２７は、ＣＰＣ機構２６の上部に連結して設置されているため、ＣＰＣ機構２６の横行位置がラインセンターと一致した位置からずれている場合は、ロール紙台座２７もＣＰＣ機構２６とともにずれる。

図３に示す場合は、ＣＰＣ機構２６のセンター位置が通板ラインのセンター位置と一致している場合であり、そのときの距離測定センサ１８の測定値をＸａとする。

図４は、ある瞬間におけるＣＰＣ機構２６の位置を示すものであり、ＣＰＣ機構２６のセンター位置が通板ラインセンター位置からずれている場合である。そのときの距離測定センサ１８の測定値をＸ１とする。ＣＰＣ機構２６の横行位置は常に変化しているのでＸ１もリアルタイムに変化する。

ＣＰＣ機構２６のセンター位置と通板ラインセンター位置とのずれ量ΔＸは、以下の（１）式で表すことができる。
ΔＸ＝Ｘａ−Ｘ１ ・・・（１）
もし、このずれ量を考慮せずに、ロール紙運搬クレーン装置１０のクレーン１１を下降してしまうと、ロール紙軸２９は軸受け２８からずれてしまい軸受け２８に嵌らない。

そこで、本実施形態では、ロール紙運搬クレーン装置１０のクレーン１１が下降する際に、クレーン１１の横行位置を、ずれ量ΔＸ分補正しながらクレーン１１を下降させる。

その際の様子を図５および図６に示す。
図５は、ずれ量ΔＸ分、クレーン１１の横行位置を補正した場合の平面図であり、図６は、図５のＢ−Ｂ線で示す側面図である。
これらの図に示すように、ＣＰＣ機構２６と同期して移動するロール紙台座２７の位置をリアルタイムに距離測定センサ１８で測定し、その測定値に基づいてずれ量ΔＸを求め、そのずれ量ΔＸ分だけリアルタイムにクレーン１１の横行位置を補正しながら、クレーン１１を下降させてロール紙２２をロール紙台座２７に装着する。このため、ＣＰＣ機構２６が通板ライン運転中に横行動作しても、クレーン１１がロール紙２２のロール紙軸２９を軸受け２８の対応する位置に位置させることができ、ロール紙軸２９を軸受け２８に対して正確に嵌め込むことができる。

この時の制御は、制御装置１７により行われる。図７はその際の制御ブロックを示す図である。
制御装置１７では、ロール紙台座２７が通板ラインセンターに一致しているときの距離測定センサ１８によるロール紙台座２７までの距離Ｘａが設定され、距離測定センサ１８からロール紙台座２７のリアルタイムな距離測定値Ｘ１が入力され、距離Ｘａと距離Ｘ１との差ΔＸを求め、その差ΔＸをクレーン横行位置指令から補正する処理をリアルタイムで行い、横行ドライブ制御装置１４へ出力する。そして横行ドライブ制御装置１４によりリアルタイムに横行モータ１３が制御されてクレーン１１の横行位置が制御される。

以上のように、本実施形態では、ロール紙運搬クレーン装置１０のクレーン１１がロール紙２２を下降させてロール紙台座２７の軸受け２８にロール紙軸２９を嵌め込む際に、ロール紙台座２７の横行位置を検出する距離測定センサ１８を設置して、ＣＰＣ機構２６に同期して移動するロール紙台座２７の位置ずれ量をリアルタイムに測定し、制御装置１７により、そのずれ量に応じてクレーン１１の横行位置を補正させながら、クレーン１１を下降させるようにした。このため、ロール紙台座２７の横行位置がＣＰＣ動作によって変化しても、ロール紙軸２９をずれなく正確に軸受け２８に嵌め込むことができる。

１０ ロール紙運搬クレーン装置
１１ クレーン
１２ 横行部
１３ 横行モータ
１４ 横行ドライブ制御装置
１５ 昇降モータ
１６ 昇降ドライブ制御装置
１７ 制御装置
１８ 距離測定センサ
２０ レール
２２ ロール紙
２３ 金属帯
２４ テンションリール
２５ テンションリール架台構造
２６ ＣＰＣ機構
２７ ロール紙台座
２８ 軸受け
２９ ロール紙軸
３０ テンションリール設備
３１ 間紙

Claims (2)

1. 金属帯の通板ラインにおけるテンションリールのＣＰＣ（Center Position Control）動作と連動して、金属帯の通板ラインに対して水平に直交する横行方向に動作するロール紙台座に、ロール紙を運搬して装着する際に用いるロール紙運搬クレーン装置であって、
   前記横行方向に移動可能な、前記ロール紙を昇降させるクレーンと、
   前記ロール紙台座の前記横行方向に沿った位置である横行位置を測定するセンサと、
   前記クレーンが、前記ロール紙を下降させて、ロール紙台座に設置する際に、前記センサが測定した前記ロール紙台座の横行位置に基づいて、リアルタイムに前記クレーンの横行位置を前記ロール紙台座の横行位置に適合するように制御する制御手段と
   を備えることを特徴とするロール紙運搬クレーン装置。
2. 金属帯の通板ラインにおけるテンションリールのＣＰＣ（Center Position Control）動作と連動して、金属帯の通板ラインに対して水平に直交する横行方向に動作するロール紙台座に、前記横行方向に移動可能な、前記ロール紙を昇降させるクレーンによりロール紙を運搬して装着するロール紙の装着方法であって、
   前記ロール紙台座の前記横行方向に沿った位置である横行位置をセンサにより測定し、
   前記クレーンが、前記ロール紙を下降させて、ロール紙台座に設置する際に、前記センサが測定した前記ロール紙台座の横行位置に基づいて、リアルタイムに前記クレーンの横行位置を前記ロール紙台座の横行位置に適合するようにすることを特徴とするロール紙の装着方法。

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