以下、発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
<有線アドホックネットワークシステムの第1の構成例>
図1は、有線アドホックネットワークシステムの第1の構成例を示す図である。
図1に示す第1の構成例では、実施形態に従った有線アドホックネットワークシステム1は、中継ノード装置10−1〜10−40(ノード1〜40)、ゲートウェイ装置(GW)20、給電装置30−1〜30−3、および経路40−1〜40−53を含む。
なお、中継ノード装置10−1〜10−40を区別しない場合には、中継ノード装置10と表記する。また、以下の説明において、中継ノード装置10−1〜10−40をノード1〜40と呼ぶ場合がある。給電装置30−1〜30−3を区別しない場合には、給電装置30と表記する。経路40−1〜40−53を区別しない場合には、経路40と表記する。
図1に示したエリア1は、ゲートウェイ装置20および中継ノード装置10−1〜10−20を含む基本区域である。ゲートウェイ装置20および中継ノード装置10−1〜10−20は、ゲートウェイ装置20に接続された給電装置30−1からの電力供給によって動作する。給電装置30−1は、少なくとも、エリア1内の全ての中継ノード装置10−1〜10−20が所定の動作をするのに十分な電力供給量を有する。
エリア2および3は、中継ノード装置10に接続された給電装置30からの電力供給によって動作する中継ノード装置10を含む拡張区域である。
エリア2は、中継ノード装置10−21〜10−32を含む第1の拡張区域である。中継ノード装置10−21〜10−32は、中継ノード装置10−21に接続された給電装置30−2からの電力供給によって動作する。給電装置30−2は、少なくとも、エリア2内の全ての中継ノード装置10−21〜10−32が所定の動作をするのに十分な電力供給量を有する。給電装置30−1は、エリア1〜エリア2内の全ての中継ノード装置10−1〜10−32が所定の動作をするのに必要な電力供給量を有しなくてもよい。
エリア3は、中継ノード装置10−33〜10−40を含む第2の拡張区域である。中継ノード装置10−33〜10−40は、中継ノード装置10−33に接続された給電装置30−3からの電力供給によって動作する。給電装置30−3は、少なくとも、エリア3内の全ての中継ノード装置10−33〜10−40が所定の動作をするのに十分な電力供給量を有する。給電装置30−2は、エリア2〜エリア3内の全ての中継ノード装置10−21〜10−40が所定の動作をするのに必要な電力供給量を有しなくてもよい。
図1は、実施形態に従った有線アドホックネットワークシステム1の一例にすぎない。有線アドホックネットワークシステム1に含まれる中継ノード装置10の数は、任意の数であってよい。エリア1〜3に含まれる中継ノード装置10の数は、任意の数であってよい。拡張区域の数は、任意の数であってよい。
中継ノード装置10は、経路40を介してゲートウェイ装置20と通信する装置である。例えば、中継ノード装置10は、センサ(不図示)と接続され、接続されたセンサから受信したデータを経路40を介してゲートウェイ装置20へ送信する。
図2は、実施形態に従った中継ノード装置の概略的回路構成図である。
図2に示すように、中継ノード装置10は、制御装置11、電源回路12、ポートP1〜P3、給電スイッチSf1〜Sf3、受電スイッチSr1〜Sr3、給電制御線Lf1〜Lf3、および受電制御線Lr1〜Lr3を含む。
ポートP1〜P3は、中継ノード装置10に隣接する装置(中継ノード装置10、ゲートウェイ装置20、および給電装置30)との接続インタフェースである。図2には、給電装置30がポート1に接続された一例が示されている。図1に示した“[*]”(*は、1〜3の整数)は、各中継ノード装置10が備えるポートP1〜P3を表す。なお、図1および図2に示した各中継ノード装置10が有するポート数は、例示であり、実施形態の各中継ノード装置10が有するポート数が3つに限定されることを意味しない。
給電スイッチSf1〜Sf3は、給電制御線Lf1〜Lf3を介して制御装置11から送信された制御信号に従って、ポートP1〜P3への電力の出力をオンまたはオフするスイッチである。給電スイッチSf1〜Sf3は、ポートP1〜P3から隣接装置へ出力する電力をオンまたはオフするが、隣接装置からポートP1〜P3へ入力する電力に制限を加えない。給電スイッチSf1〜Sf3は、ポートP1〜P3にそれぞれ対応する。
受電スイッチSr1〜Sr3は、受電制御線Lr1〜Lr3を介して制御装置11から送信された制御信号に従って、ポートP1〜P3からの電力の入力をオンまたはオフするスイッチである。受電スイッチSr1〜Sr3は、隣接装置からポートP1〜P3へ入力する電力をオンまたはオフするが、ポートP1〜P3から隣接装置へ出力する電力に制限を加えない。受電スイッチSr1〜Sr3は、ポートP1〜P3にそれぞれ対応する。
なお、図2には、給電スイッチSf1〜Sf3および受電スイッチSr1〜Sr3としてサイリスタが示されているが、Field Effect Transistor(FET)等の任意のスイッチング素子であってよい。また、図2には、直流電力を中継ノード装置10に供給する場合の一例として示しているが、交流電力を中継ノード装置10に供給する場合には、給電スイッチSf1〜Sf3および受電スイッチSr1〜Sr3は、リレースイッチ等であってよい。
制御装置11は、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までのパケット伝送のルートを制御する。制御装置11は、給電スイッチSf1〜Sf3のオンおよびオフをそれぞれ制御することによって、ポートP1〜P3を介した隣接中継ノード装置10への電力供給を制御する。制御装置11は、受電スイッチSr1〜Sr3のオンおよびオフをそれぞれ制御することによって、ポートP1〜P3を介した中継ノード装置10への受電を制御する。
電源回路12は、隣接装置(中継ノード装置10、ゲートウェイ装置20、および給電装置30)からポートP1〜P3を介して供給された入力電力から自ノード装置10内で必要とされる電力を生成する回路である。
中継ノード装置10は、隣接装置とポートP1〜P3を介して接続する。また、中継ノード装置10は、複数のセンサ(不図示)と接続する。センサは、温度センサ、風速センサ、照度センサ、人感センサ、電力検針メータ、加速度センサ、ひずみセンサ、および監視カメラ等を含む任意のセンサであってよく、実装に応じて選択される。センサから取得されたデータは、中継ノード装置10およびゲートウェイ装置20を介してサーバ(不図示)へ送信される。
ゲートウェイ装置20は、サーバ(不図示)から送信されたデータを受信し、受信されたデータを有線アドホックネットワークシステム1内の所定の中継ノード装置10へ送信する装置である。また、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10から送信されたデータを受信し、受信されたデータをサーバへ送信する装置である。
ゲートウェイ装置20は、実施形態に従った電力供給制御装置の一例であり、実施形態に従った電力供給方法に従って各中継ノード装置10に対する電力供給を制御する。
図3は、実施形態に従ったゲートウェイ装置の概略的回路構成図である。
図3に示すように、ゲートウェイ装置20は、制御装置21、電源回路22、ポートP1〜P3、電源スイッチS1〜S3、および制御線L1〜L3を含む。
ポートP1〜P3は、ゲートウェイ装置20に隣接する装置(中継ノード装置10および給電装置30)との接続インタフェースである。図1に示した“[*]”(*は、1〜3の整数)は、ゲートウェイ装置20が備えるポートP1〜P3を表す。なお、図1および図3に示したゲートウェイ装置20が有するポート数は、例示であり、実施形態のゲートウェイ装置20が有するポート数が3つに限定されることを意味しない。
電源スイッチS1〜S3は、制御線L1〜L3を介して制御装置21から送信された制御信号に従って、ポートP1〜P3への電力の出力をオンまたはオフするスイッチである。電源スイッチS1〜S3は、ポートP1〜P3から隣接の中継ノード装置10へ出力する電力をオンまたはオフするが、隣接の給電装置30からポートP1〜P3へ入力する電力に制限を加えない。電源スイッチS1〜S3は、ポートP1〜P3にそれぞれ対応する。なお、図3には、電源スイッチS1〜S3としてサイリスタが示されているが、これは、前述した中継ノード装置10の給電スイッチSf1〜Sf3や受電スイッチSr1〜Sr3と同様に例示である。
ゲートウェイ装置20は、給電装置30とポートを介して接続する。図1および図3に示した一例では、ゲートウェイ装置20は、ポートP1を介して給電装置30−1と接続する。
制御装置21は、中継ノード装置10とサーバとの間で送受信されるパケットの伝送ルートを制御する。また、制御装置21は、電源スイッチS1〜S3のオンおよびオフを制御することによって、基本区域内の中継ノード装置10へのポートを介した電力供給を制御する。図1に示した一例では、制御装置21は、電源スイッチS2のオンおよびオフを制御することによって、基本区域内の中継ノード装置10へのポートP2を介した電力供給を制御する。また、制御装置21は、電源投入指示フレームを含む各種のフレームを中継ノード装置10へ送信することによって、基本区域および拡張区域内の中継ノード装置10への電力供給を制御する。
電源回路22は、ポートを介して給電装置30から供給された入力電力からゲートウェイ装置20内で必要とされる電力を生成する回路である。
経路40は、中継ノード装置10とゲートウェイ装置20との間、および隣接する中継ノード10間におけるデータ通信および電力供給に用いられる有線の経路である。経路40は、例えば、POE技術が用いられたケーブルであり得る。図1に示した経路40−1〜40−53は、中継ノード装置10とゲートウェイ装置20との間、および隣接する中継ノード10間を接続する経路の一例であり、実施形態の経路40の構成が経路40−1〜40−53に限定されることを意味しない。
実施形態に従った中継ノード装置10およびゲートウェイ装置20の機能的構成の一例を説明する。
図4は、実施形態に従った中継ノード装置の機能的構成図である。
図4に示すように、中継ノード装置10は、有線アドホックネットワークポート110(110a〜110c)、給電制御スイッチ121(121a〜121c)、受電制御スイッチ122(122a〜122c)、アドホックルーティング制御デバイス130、およびCentral Processing Unit(CPU)140を含む。また、中継ノード装置10は、Digital Input/Digital Output(DI/DO)端子150、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory(EEPROM)160、およびセンサ接続ポート170(170a〜170n)を含み得る。
有線アドホックネットワークポート110は、他の中継ノード装置10またはゲートウェイ装置20との間で送受信されるカプセル化されたアドホックフレームのデータを終端し、送受信されるアドホックフレームの符号化または復号を行う。有線アドホックネットワークポート110は、送信フレームを一時保持するバッファメモリを備えることができる。
有線アドホックネットワークポート110a〜110cは、図2に示した中継ノード装置10のポートP1〜P3にそれぞれ対応する。中継ノード装置10が備える有線アドホックネットワークポート110の数は任意であってよいが、以下の説明では、ポートP1、P2、P3の3ポートを備える場合を例として説明する。
給電制御スイッチ121a〜121cは、図2に示した給電スイッチSf1〜Sf3にそれぞれ対応する。給電制御スイッチ121は、有線アドホックネットワークポート110への電力の出力をオンまたはオフするスイッチである。
受電制御スイッチ122a〜122cは、図2に示した受電スイッチSr1〜Sr3にそれぞれ対応する。受電制御スイッチ122は、有線アドホックネットワークポート110からの電力の入力をオンまたはオフするスイッチである。
アドホックルーティング制御デバイス130は、図2に示した制御装置11に対応する。アドホックルーティング制御デバイス130は、例えば、Field Programmable Gate Array(FPGA)やStatic Random Access Memory(SRAM)により実現される。
アドホックルーティング制御デバイス130は、受信フレーム制御部131、送信フレーム制御部132、CPUインタフェース133、フレーム処理部134、ルーティング制御部135、記憶部136、電力供給制御部137、およびタイマ138を含む。CPUインタフェース133は、レジスタ139を含む。記憶部136は、GWルーティング管理テーブル136aを含む。また、記憶部136には、実施形態に従った電力供給制御処理をアドホックルーティング制御デバイス130内の各制御部に実行させる命令を含むプログラムが格納され得る。記憶部136に格納されるプログラムは、磁気ディスク、光ディスク、および光磁気ディスク等の可変記録媒体に記録され得る。可変記録媒体に記録されたプログラムは、中継ノード装置10内の読み取り装置(不図示)により読み出される。読み取り装置は、磁気ディスク、光ディスク、および光磁気ディスク等を含む。読み取り装置により読み出されたプログラムは、記憶部136に格納される。
受信フレーム制御部131は、有線アドホックネットワークポート110からフレームデータを受信する。受信フレーム制御部131は、他の中継ノード装置10を宛先とするフレームをルーティング制御部135へ出力する。また、受信フレーム制御部131は、自ノード装置10を宛先とするフレームをCPUインタフェース133へ出力する。
CPUインタフェース133は、受信フレーム制御部131から入力されたフレームをCPU140へ出力する。CPUインタフェース133は、CPU140への出力の際に、レジスタ139を適宜使用する。
ルーティング制御部135は、GWルーティング管理テーブル136aを用いてパケット伝送のルーティング処理を行う。GWルーティング管理テーブル136aは、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までのルートを管理するテーブルである。詳細を後述するように、GWルーティング管理テーブル136a内のデータは、有線アドホックネットワークシステム1内の各中継ノード装置10への実施形態に従った電源投入処理の際に格納される。また、GWルーティング管理テーブル136a内のデータは、実施形態に従ったルーティング変更処理の際に変更される。
フレーム処理部134は、CPUインタフェース133がCPU140から取得したデータを含むフレームを生成し、生成されたフレームをルーティング制御部135や送信フレーム制御部132へ出力する。
送信フレーム制御部132は、ルーティング制御部135やフレーム処理部134から入力されたフレームを、送信先に応じて有線アドホックネットワークポート110へ出力する。
電力供給制御部137は、給電制御スイッチ121のオンおよびオフを制御して、有線アドホックネットワークポート110を介した隣接の中継ノード装置10への電力供給を制御する。また、電力供給制御部137は、受電制御スイッチ122のオンおよびオフを制御して、有線アドホックネットワークポート110に接続された隣接装置から中継ノード装置10への受電を制御する。
CPU140は、中継ノード装置10に備えられているセンサ(不図示)から取得したデータを処理する。CPU140は、制御デバイスインタフェース141、DI/DOインタフェース142、センサインタフェース143を含む。
制御デバイスインタフェース141は、CPUインタフェース133との間で、センサデータやセンサ制御データ等を送受信する。センサインタフェース143は、センサ接続ポート170(170a〜170n)を介して、センサとの間でデータを送受信する。センサインタフェース143は、EEPROM160とも接続される。EEPROM160は、各種センサデータやセンサ制御データを適宜記憶する。DI/DOインタフェース142は、DI/DO端子150と接続される。DI/DO端子150は、データ入力端子およびデータ出力端子として動作する。
図5は、実施形態に従ったゲートウェイ装置の機能的構成図である。
図5に示すように、ゲートウェイ装置20は、有線アドホックネットワークポート210(210a〜210c)、電源スイッチ220(220a〜220c)、アドホックルーティング制御デバイス230、およびCPU240を含む。
有線アドホックネットワークポート210は、中継ノード装置10との間で送受信されるカプセル化されたアドホックフレームのデータを終端し、送受信されるアドホックフレームの符号化または復号を行う。有線アドホックネットワークポート210は、送信フレームを一時保持するバッファメモリを備えることができる。
有線アドホックネットワークポート210は、図3に示したポートP1〜P3にそれぞれ対応する。ゲートウェイ装置20が備える有線アドホックネットワークポート210の数は任意であってよいが、ポートP1、P2、およびP3の3ポートを備える場合を例として説明する。
電源スイッチ220a〜220cは、図3に示した電源スイッチS1〜S3にそれぞれ対応する。電源スイッチ220は、有線アドホックネットワークポート210への電力の出力をオンまたはオフするスイッチである。
アドホックルーティング制御デバイス230は、図3に示した制御装置21に対応する。アドホックルーティング制御デバイス230は、例えば、FPGAやSRAMにより実現される。
アドホックルーティング制御デバイス230は、受信フレーム制御部231、送信フレーム制御部232、CPUインタフェース233、フレーム処理部234、ルーティング制御部235、記憶部236、電力供給制御部237、およびタイマ238を含む。CPUインタフェース233は、レジスタ239を含む。記憶部236は、各ノードルーティング管理テーブル236aを含む。また、記憶部236には、実施形態に従った電力供給制御処理をアドホックルーティング制御デバイス230内の各制御部に実行させる命令を含むプログラムが格納され得る。記憶部236に格納されるプログラムは、磁気ディスク、光ディスク、および光磁気ディスク等の可変記録媒体に記録され得る。可変記録媒体に記録されたプログラムは、ゲートウェイ装置20内の読み取り装置(不図示)により読み出される。読み取り装置は、磁気ディスク、光ディスク、および光磁気ディスク等を含む。読み取り装置により読み出されたプログラムは、記憶部236に格納される。
受信フレーム制御部231は、有線アドホックネットワークポート210からフレームデータを受信する。受信フレーム制御部231は、各中継ノード装置10を宛先とするフレームをルーティング制御部235へ出力する。また、受信フレーム制御部231は、ゲートウェイ装置20を宛先とするフレームをCPUインタフェース233へ出力する。
CPUインタフェース233は、受信フレーム制御部231から入力されたフレームをCPU240へ出力する。CPUインタフェース233は、CPU240への出力の際にレジスタ239を適宜使用する。
ルーティング制御部235は、各ノードルーティング管理テーブル236aを用いてパケット伝送のルーティング処理を行う。各ノードルーティング管理テーブル236aは、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までのルートを管理するテーブルであり、中継ノード装置10毎に作成される。各ノードルーティングルーティング管理テーブル236a内のデータは、詳細を後述するように、有線アドホックネットワークシステム1内の各中継ノード装置10への実施形態に従った電源投入処理の際に格納される。また、各ノードルーティング管理テーブル236a内のデータは、実施形態に従ったルーティング変更処理の際に変更される。
フレーム処理部234は、CPUインタフェース233がCPU240から取得したデータを含むフレームを生成し、生成されたフレームをルーティング制御部235や送信フレーム制御部232へ出力する。
送信フレーム制御部232は、ルーティング制御部235やフレーム処理部234から入力されたフレームを、送信先に応じて有線アドホックネットワークポート210へ出力する。
電力供給制御部237は、電源スイッチ220のオンおよびオフを制御して、有線アドホックネットワークポート210を介した中継ノード装置10への電力供給を制御する。
CPU240は、Local Area Network(LAN)またはWide Area network(WAN)を介してサーバ(不図示)から取得したデータを処理する。CPU240は、制御デバイスインタフェース241およびネットワーク(NW)インタフェース142を含む。
制御デバイスインタフェース241は、CPUインタフェース233との間で、サーバ宛または各中継ノード装置10宛のパケット等を送受信する。ネットワークインタフェース242は、LANまたはWANを介してサーバと接続する。
実施形態では、ゲートウェイ装置20や中継ノード装置10に接続された給電装置30から各中継ノード装置10への電力供給をゲートウェイ装置20が制御する。ゲートウェイ装置20は、実施形態の電力供給制御装置の一例である。
<実施形態に従ったフレームフォーマットの構成例>
有線アドホックネットワークシステム1内で送受信されるフレームのフォーマットの一例を説明する。
図6は、実施形態に従ったフレームフォーマットの例図である。
図6には、汎用コマンドフレーム、起動通知フレーム、起動通知応答フレーム、ヘルスフレーム、ヘルスフレーム要求フレーム、電源投入指示フレーム、電源停止指示フレーム、迂回ルート通知フレーム、状態変移通知フレーム、および電源切替完了通知フレームの一例が示されている。
図6(b)に示した起動通知フレームは、隣接の中継ノード装置10またはゲートウェイ装置20からの電力供給を受けて起動したことを中継ノード装置10がゲートウェイ装置20へ通知するアドホックフレームである。図6(c)に示した起動通知応答フレームは、起動通知に対する応答をゲートウェイ装置20が起動通知フレームを送信した中継ノード装置10へ通知するアドホックフレームである。
図6(d)に示したヘルスフレーム要求フレームは、正常に動作しているか否かの通知(ヘルスフレーム)を中継ノード装置10が隣接の中継ノード装置10へ要求するアドホックフレームである。また、図6(d)に示したヘルスフレームは、正常に動作していることをヘルスフレーム要求フレームを受信した中継ノード装置10がヘルスフレーム要求フレームを送信した中継ノード装置10へ通知するアドホックフレームである。図6(d)に示すように、ヘルスフレーム要求フレームおよびヘルスフレームは、同じフレームフォーマットであり得る。
図6(e)に示した電源投入指示フレームは、ポートを介した隣接中継ノード装置10への電力供給をゲートウェイ装置20が宛先中継ノード装置10に指示するアドホックフレームである。図6(f)に示した電源停止指示フレームは、ポートを介した隣接中継ノード装置10への電力供給の停止をゲートウェイ装置20が宛先中継ノード装置10に指示するアドホックフレームである。
図6(g)に示した迂回ルート通知フレームは、電源供給ラインおよび/またはフレームの伝送ルートとして用いられている経路に障害が発生した場合に用いられる迂回ルートをゲートウェイ装置20が宛先中継ノード装置10へ通知するアドホックフレームである。
図6(h)に示した状態変移通知フレームは、隣接の中継ノード装置10との通信および/または給電に関する障害発生または障害復旧といった状態変移を中継ノード装置10がゲートウェイ装置20へ通知するアドホックフレームである。
図6(i)に示した電源切替完了通知フレームは、隣接の中継ノード装置10を介した受電から中継ノード装置10に接続された給電装置30からの受電への切替処理の完了を中継ノード装置10がゲートウェイ装置20へ通知するアドホックフレームである。
図6(a)に示した汎用コマンドフレームは、上述した各種アドホックフレームのコマンド以外のコマンド用のアドホックフレームである。
図6に示した各種アドホックフレームは、フレームヘッダ部およびデータ部を含む。
各種アドホックフレームのフレームヘッダ部は、ネットワーク識別データ(Identification data、ID)フィールド、宛先ノードIDフィールド、送り元ノードIDフィールド、およびLengthフィールドを含む。
ネットワークIDフィールドには、送信元装置から宛先装置までのフレームの伝送ルートを表すデータが設定される。宛先ノードIDフィールドには、フレームの宛先装置に割り振られている6バイトのMACアドレスが設定される。送り元ノードIDフィールドには、送信元装置に割り振られている6バイトのMACアドレスが設定される。Lengthフィールドには、フレーム中のデータの長さを示す2バイトの値が設定される。
各種アドホックフレームのデータ部は、KINDフィールド、HOP数フィールド、データフィールド、およびFrame check Sequence(FCS)フィールドを含む。
KINDフィールドには、アドホックフレームの種別を表す2バイトのデータが設定される。HOP数フィールドには、アドホックフレームが送信元装置から宛先装置にたどり着くまでのホップ数を表す2バイトのデータが設定される。データフィールドには、46バイトから1500バイトの可変長のデータが設定される。FCSは、フレーム中の誤り検出および訂正をするためのチェックサム符号である。
図6(b)に示した起動通知フレームは、送受信ポート番号フィールド、電源ラインフラグフィールド、および電源供給可能フラグフィールドをデータ部にさらに含む。
送受信ポート番号フィールドには、フレームの宛先であるゲートウェイ装置20までの間でフレームを送受信する中継ノード装置10の送信ポート番号および受信ポート番号を示すデータが設定される。送受信ポート番号フィールドには、起動通知フレームを送信する中継ノード装置10の送信ポート番号を示すデータと、その起動通知フレームを受信したその中継ノード装置10の受信ポート番号を示すデータとが対として設定される。なお、以下の説明において送信ポートおよび受信ポートを併せて送受信ポートと呼ぶことがある。
電源ラインフラグフィールドには、ポートを介した電力供給により隣接中継ノード装置10への電力供給ラインが確立したか否かを表すデータ(フラグ)が設定される。
電源供給可能フラグフィールドには、ポートに接続された給電装置30によって中継ノード装置10が他の中継ノード装置10へ電力を供給できるか否かを示すデータ(フラグ)が設定される。
図6(c)に示した起動通知応答フレームおよび図6(g)に示した迂回ルート通知フレームは、GWネットワークIDフィールドをデータ部にさらに含む。GWネットワークIDフィールドには、フレームの送信元である中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までのフレームの伝送ルートを表すデータが設定される。
図6(c)に示した起動通知応答フレームは、電源供給指示フラグフィールドをデータ部にさらに含む。電源供給指示フラグフィールドには、隣接の中継ノード装置10を介した受電から中継ノード装置10に接続された給電装置30からの受電への切替処理を指示するデータ(フラグ)が設定される。
図6(e)に示した電源投入指示フレームは、電源投入ポート番号フィールドをデータ部にさらに含む。電源投入ポート番号フィールドには、隣接の中継ノード装置10へ電力を供給するための1つ以上の送信ポートを示すデータが設定される。
図6(f)に示した電源停止指示フレームは、電源停止ポート番号フィールドをデータ部にさらに含む。電源停止ポート番号フィールドには、隣接の中継ノード装置10への電力供給を停止するための1つ以上の送信ポートを示すデータが設定される。
図6(h)に示した状態変移通知フレームは、増減ポート数フィールド、増減ポート数フィールドにより示される数と同数の増減フラグフィールド、および増減フラグフィールドと同数の増減ポート番号・接続先ノードIDフィールドをさらに含む。
増減ポート数フィールドには、隣接の中継ノード装置10との間の障害発生または障害復旧により状態変化が生じた中継ノード装置10の送信ポートの数を示すデータが設定される。増減フラグフィールドには、障害発生により接続可能な送信ポートが減少したこと、または障害復旧により接続可能な送信ポートが増加したことを表すデータが設定される。増減ポート番号・接続先ノードIDフィールドには、障害発生により接続不可能になった送信ポート、または障害復旧により接続可能になった送信ポートの番号を示すデータが設定される。また、増減ポート番号・接続先ノードIDフィールドには、障害発生により送信ポートを介して接続できなくなった隣接中継ノード装置10のID、または障害復旧により送信ポートを介して接続可能になった隣接中継ノード装置10のIDが設定される。
実施形態に従った有線アドホックネットワークシステムにおける電力供給制御処理の一例を以下に説明する。なお、図面を参照しながら以下で説明する処理は、必ずしも時系列的に処理されなくてもよく、並列的にもしくは個別に実行されてもよい処理が含まれる。また、以下に説明する処理以外の処理を付加すること、以下に説明する処理を他の処理に変更すること、および以下に説明する処理を省略することは必要に応じて可能である。
<基本区域における電力供給制御処理>
基本区域であるエリア1における実施形態に従った電力供給制御処理についてまず説明する。なお、エリア1内において電力供給制御処理が開始される際、拡張区域であるエリア2およびエリア3内の中継ノード装置10−21〜10−40は、有線アドホックネットワークシステム1内に設置されていないものとする。すなわち、中継ノード装置10−21〜10−40は、中継ノード装置10−1〜10−20およびゲートウェイ装置20と接続されていないものとする。
実施形態に従った電力供給制御処理には、電源投入処理、電力供給ライン切替処理、障害検出処理、復旧検出処理、ルーティング変更処理、および中継ノード装置増設処理が含まれる。
<<電源投入処理>>
実施形態の電力供給制御処理の一側面として、実施形態の電源投入処理を図1〜図6に加えて図7〜図10を参照しながら説明する。
図7Aおよび図7Bは、ノード1への電源投入処理からノード5への電源投入処理までの処理シーケンスの例図である。図8は、ノード1への電源投入処理時に送受信されるアドホックフレームの説明図である。図9Aおよび図9Bは、ノード2およびノード5への電源投入処理時に送受信されるアドホックフレームの説明図である。図10Aおよび図10Bは、ノード6およびノード9への電源投入処理時に送受信されるアドホックフレームの説明図である。なお、図8〜図10では、説明を明確にするために、図6に示したアドホックフレーム中の一部のフィールドの図示を省略している。
エリア1内の中継ノード装置10−1〜10−20は、例えば、有線アドホックネットワークシステム1内への設置時に次のように設定されている。すなわち、中継ノード装置10−1〜10−20の給電スイッチSf1〜Sf3は、オフに設定されて、中継ノード装置10−1〜10−20は、ポートP1〜P3を介して隣接装置へ給電できない状態に設定されている。また、中継ノード装置10−1〜10−20の受電スイッチSr1〜Sr3は、オンに設定され、中継ノード装置10−22〜20−32は、ポートP1〜P3を介して隣接装置から受電できる状態に設定されている。
図7Aに示すように、給電装置30−1からの電力供給を受けて起動しているゲートウェイ装置20は、経路40−1を介してゲートウェイ装置20に隣接する中継ノード装置10−1への電源投入処理を開始する。
すなわち、電力供給制御部237は、タイマ238の起動(p702)と共に、電源スイッチ220b(S2)をオンに制御する。この結果、ポートP2(有線アドホックネットワークポート210b)を介してゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−1(ノード1)への電力供給が開始される(p701)。仮に、タイマ238起動後所定時間経過しても起動通知フレームをゲートウェイ装置20がポートP2を介して受信しない場合、電力供給制御部237は、中継ノード装置10−1への電源投入処理を止め、他の中継ノード装置10への電源投入処理を実施し得る。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20を介した給電装置30−1からの電力供給をポートP1(有線アドホックネットワークポート110a)を介して受けて起動する(p703)。中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成し(p704)、送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3(有線アドホックネットワークポート110a〜110c)から送信するよう制御する(p705)。生成および送信される起動通知フレームの一例を図8(a)に示す。
図8(a)に示す起動通知フレームにおいて、ネットワークIDフィールド内に設定された「000000000000」は、IDが付与されていないことを示す。また、宛先ノードIDフィールド内に設定された「000000000000」は、ブロードキャストアドレスであることを示す。送り元ノードIDフィールドには、起動通知フレームの送信元である中継ノード装置10−1のIDが設定される。KINDフィールドには、起動通知フレームであることを示すデータが設定される。HOP数フィールドには、隣接装置へのホップ数である「1」が設定される。送受信ポート番号フィールドにおいて、先頭の一桁(最も左の1ビット)には、起動通知フレームを送信する中継ノード装置10−1のポートP1〜P3の番号を示す「1」〜「3」がそれぞれ設定される。また、次の一桁には、その起動通知フレームを受信するポートが中継ノード装置10−1に存在しないことを示す「0」が設定される。その他の桁には、送受信ポートが存在しないことを示す「0」が設定される。電源ラインフラグフィールドには、中継ノード装置10−1に隣接する中継ノード装置10−2および中継ノード装置10−5への電力供給ラインが確立していないことを示す「0」が設定される。
中継ノード装置10−1が起動通知フレームを送信する際には、中継ノード装置10−1に隣接する中継ノード装置10−2および中継ノード装置10−5は起動していない。このため、中継ノード装置10−1のポートP3から中継ノード装置10−2へ向けて送信される起動通知フレームは、破棄される。また、中継ノード装置10−1のポートP2から中継ノード装置10−5へ向けて送信される起動通知フレームは、破棄される。図8(a)において、ポートP2およびポートP3から送信された起動通知フレームに示された取り消し線は、これらのフレームが破棄されることを意味する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1のポートP1から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドを参照することにより、ポートP2を介した電力供給によって中継ノード装置10−1が起動したと判定し得る。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照することにより、中継ノード装置10−1がポートP1から起動通知フレームを送信したと判定し得る。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームのHOP数フィールドを参照することにより、中継ノード装置10−1からゲートウェイ装置20までのホップ数が1であると判定し得る。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−1から受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−1のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−1に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して中継ノード装置10−1へのネットワークIDを作成する。そして、ルーティング制御部235は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納すると共に、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する(p706)。
ルーティング制御部235は、起動通知応答フレームを生成する(p707)。そして、送信フレーム制御部232は、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−1へ送信するように制御する(p708)。生成および送信される起動通知フレームの一例を図8(b)に示す。
図8(b)に示すように、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドには、ネットワークIDとして「0FFFFFFFFFFF」が設定される。ネットワークID「0FFFFFFFFFFF」中の先頭の一桁(一番左の1ビット)の「0」は、起動通知応答フレームを受信した中継ノード装置10−1の送信ポートが存在しないことを示す。すなわち、ネットワークIDが「0FFFFFFFFFFF」である場合は、フレームの転送先の装置がそのフレームの宛先装置であることを示す。
図8(b)に示すように、宛先ノードIDフィールドには、起動通知応答フレームの宛先である中継ノード装置10−1のIDが設定される。送り元ノードIDフィールドには、起動通知応答フレームの送信元であるゲートウェイ装置20のIDが設定される。KINDフィールドには、起動通知応答フレームを示すデータが設定される。HOP数フィールドには、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−1までのホップ数である「1」が設定される。
図8(b)に示すように、起動通知応答フレームのGWネットワークIDフィールドには、GWネットワークIDとして「1FFFFFFFFFFF」が設定される。GWネットワークID「1FFFFFFFFFFF」中の先頭一桁の「1」は、ゲートウェイ装置20へフレームを送信する際の中継ノード装置10−1の送信ポートP1の番号を示す。
中継ノード装置10−1は、図8(b)に示したような起動通知応答フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−1は、受信した起動通知応答フレームのHOP数フィールドを参照して、中継ノード装置10−1からゲートウェイ装置20までのホップ数が1であると判定し得る。また、中継ノード装置10−1は、受信した起動通知応答フレームのGWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−1からゲートウェイ装置20へのGWネットワークIDが「1FFFFFFFFFF」であると判定し得る。すなわち、中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20へフレームを送信する際の送信ポートがポートP1であると判定し得る。
中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、ゲートウェイ装置20から受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する(p709)。
以上のような中継ノード装置10−1への電源投入処理によって経路40−1が電力供給ラインとして確立する。経路40−1が電力供給ラインとして確立すると、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1に隣接する中継ノード装置10−2(ノード2)および中継ノード装置10−5(ノード5)に対する電源投入処理へ移行する。
まず、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−1に対する電源投入指示フレームを生成する(p710)。送信フレーム制御部232は、生成された電源投入指示フレームをポートP2から送信するよう制御する(p711)。電源投入指示フレームの一例を図9Aの(a)に示す。
図9Aの(a)に示す電源投入指示フレームにおいて、ネットワークIDフィールドに設定された「FFFFFFFFFFFF」は、ネットワークIDの初期値が設定されていることを示す。宛先ノードIDフィールドには、電源投入指示フレームの宛先である中継ノード装置10−1のIDが設定される。送り元ノードIDフィールドには、電源投入指示フレームの送信元であるゲートウェイ装置20のIDが設定される。KINDフィールドには、電源投入指示フレームを示すデータが設定される。HOP数フィールドには、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−1までのホップ数である「1」が設定される。電源投入ポート番号フィールドには、電力供給を受けているポート以外の全てのポートを指す電源投入規定値が設定される。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−1の電力供給制御部137は、電力供給を受けているポートP1を除いて、電力供給を行なっていない中継ノード装置10−1内のポートを検索する(p712)。
中継ノード装置10−1は、検索された全てのポートを介して、中継ノード装置10−1に隣接する中継ノード装置10への電力供給を開始する。中継ノード装置10は、隣接する複数の中継ノード装置10へ同時に電力供給を開始してもよい。しかしながら、電力供給を開始する中継ノード装置10への突入電流を抑えるため、隣接する中継ノード装置10への電力供給を順次開始してもよい。以下では、中継ノード装置10が隣接する中継ノード装置10にポート番号の降順に電力供給を順次開始する一例を説明する。
中継ノード装置10−1の電力供給制御部137は、タイマ138を起動すると共に(p714)、給電スイッチSr2(給電制御スイッチ121b)をオン状態に制御して、ポートP2を介して中継ノード装置10−5への電力供給を開始する(p713)。仮に、タイマ138起動後所定時間経過しても起動通知フレームを中継ノード装置10−1がポートP2を介して受信しない場合には、電力供給制御部137は、中継ノード装置10−5への電力供給を止め、他の中継ノード装置10への電力供給を実施し得る。
中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−1からの電力供給をポートP1を介して受けて起動する(p715)。中継ノード装置10−5のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成する(p716)。送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するよう制御する(p717)。生成および送信される起動通知フレームの一例を図9Aの(b)に示す。図9Aの(b)に示すように、起動通知フレームの電源ラインフラグフィールドには、中継ノード装置10−5に隣接する中継ノード装置10−6および中継ノード装置10−9への電力供給ラインが確立していないことを示す「0」が設定される。
中継ノード装置10−5が起動通知フレーム(図9Aの(b))を送信する際に、隣接する中継ノード装置10−6および中継ノード装置10−9は、起動していない。このため、中継ノード装置10−5のポートP2から中継ノード装置10−9へ向けて送信される起動通知フレームは、破棄される。また、中継ノード装置10−5のポートP3から中継ノード装置10−6へ向けて送信される起動通知フレームは、破棄される。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−5のポートP1から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−1は、起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドを参照することにより、起動通知フレームが中継ノード装置10−5から送信されたと判定し、ポートP2を介した電力供給により中継ノード装置10−5が起動したと判定し得る。また、中継ノード装置10−1は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照することにより、起動通知フレームを送信した中継ノード装置10−5の送信ポートがポートP1であると判定し得る。
中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−5から受信した起動通知フレームが示すホップ数を1つインクリメントし(p718)、中継ノード装置10−1の送受信ポート番号を示すデータを起動通知フレーム内に追加する(p719)。また、ルーティング制御部135は、中継ノード装置10−1のポートを介した電力供給によって隣接中継ノード装置10が起動したことを示す「1」を電源ラインフラグに設定する(p720)。そして、ルーティング制御部135は、電源投入指示フレームの送信元であるゲートウェイ装置20へ向けて起動通知フレームを転送する(p721)。図9Aの(c)は、中継ノード装置10−1により転送される起動通知フレームの一例である。
図9Aの(c)に示すように、中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、受信した起動通知フレーム(図9Aの(b))のHOP数フィールドのホップ数を1つインクリメントして、「2」を設定する。また、ルーティング制御部135は、受信ポート番号フィールド内に既に書き込まれている送信ポート番号および受信ポート番号を二桁後ろへ(右へ)それぞれシフトする。そして、ルーティング制御部135は、中継ノード装置10−1の送信ポートP1の番号「1」を先頭の桁に設定し、受信ポートP2の番号「2」を次の桁に設定する。ルーティング制御部135は、起動通知フレームの電源ラインフラグフィールドに、電源投入処理を実行したポートP2から起動通知フレームを受信したこと、すなわち、隣接する中継ノード装置10−5が起動したことを示す「1」を設定する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1から転送された起動通知フレーム(図9Aの(c))をポートP2を介して受信する。ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドおよび電源ラインフラグを参照することにより、起動通知フレームにより示される経路を通じた電力供給によって中継ノード装置10−5が起動したと判定し得る。ゲートウェイ装置20は、送受信ポート番号フィールドを参照することにより、起動通知フレームが中継ノード装置10−5から送信されて自装置20に受信されるまで間の各装置の送受信ポートを特定し得る。ゲートウェイ装置20は、HOP数フィールドを参照することにより、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−5までのホップ数を特定し得る。
ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−5のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−5に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−5へのネットワークIDを作成する。そして、ルーティング制御部235は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納すると共に、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する(p722)。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5を宛先とする起動通知応答フレームを生成する(p723)。そして、送信フレーム制御部232は、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−1へ送信するよう制御する(p724)。生成および送信される起動通知応答フレームの一例を図9Aの(d)に示す。
図9Aの(d)に示すように、ルーティング制御部235は、起動通知フレームの伝送ルートと同じルートを通過して起動通知応答フレームが宛先の中継ノード装置10に到達するように、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドを設定する。図9Aの(d)に示す起動通知応答フレームでは、ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Aの(c))の送受信ポート番号フィールド内へ順次設定された受信ポート番号「0」および「2」を検索する。検索されたこれらの受信ポート番号は、起動通知応答フレームが経由する装置の送信ポート番号に対応する。そこで、ルーティング制御部235は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールド内の先頭の桁から順番に、起動通知フレームに設定された順序とは逆の順序で、検索された受信ポート番号を起動通知応答フレームの送信ポート番号として挿入する。図9Aの(d)に示すネットワークID「20FFFFFFFFFF」中の「20」は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールド内へ設定された順序とは逆の順序の受信ポート番号に対応する。
また、ルーティング制御部235は、起動通知応答フレームの宛先ノードIDフィールドに、中継ノード装置10−5のIDを設定する。ルーティング制御部235は、ゲートウェイ装置20のIDを送り元ノードIDフィールドに設定する。ルーティング制御部235は、起動通知応答フレームを示すデータをKINDフィールドに設定する。ルーティング制御部235は、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−5までのホップ数である「2」を起動通知応答フレームのHOP数フィールドに設定する。
さらに、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5から送信された起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドに設定された送信ポート番号を参照する。そして、ルーティング制御部235は、参照された送信ポート番号を用いて、起動通知応答フレームの宛先である中継ノード装置10−5からゲートウェイ装置20までの経路を示すGWネットワークIDをGWネットワークIDフィールドに設定する。図9Aの(d)に示す起動通知応答フレームの例では、ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Aの(c))の送受信ポート番号フィールドに順次設定された送信ポート番号「1」および「1」を検索する。そして、ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Aの(c))の送受信ポート番号フィールドに設定された順序と同じ順序で、GWネットワークIDフィールド内の先頭桁から順番に、検索された送信ポート番号を挿入する。図9Aの(d)に示すGWネットワークIDフィールド「11FFFFFFFFFF」中の「11」は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールド内に設定された送信ポート番号に対応する。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームを受信する。
中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドを参照する。ネットワークIDフィールドの先頭桁は、起動通知応答フレームを転送する中継ノード装置10−1の送信ポート番号を示す。ルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前に(左に)シフトする(p725)。図9Aの(e)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。図9Aの(d)に示した起動通知応答フレームのネットワークIDフィールド内のデータと比較すると、図9Aの(e)に示した起動通知応答フレームのネットワークIDフィールド内のデータは一桁前にシフトしている。
送信フレーム制御部132は、中継ノード装置10−1が受信した際に起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP2から、ネットワークIDフィールドの設定が変更された起動通知応答フレームを送信するように制御する(p726)。
中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−1から送信された起動通知応答フレームをポートP1を介して受信する。
中継ノード装置10−5は、受信した起動通知応答フレームのHOP数フィールドを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−5までのホップ数が2であると判定し得る。また、中継ノード装置10−5は、GWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−5からゲートウェイ装置20へのGWネットワークIDが「11FFFFFFFFF」であると判定し得る。
中継ノード装置10−5のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する(p727)。
以上のような中継ノード装置10−1のポートP2を介した中継ノード装置10−5への電源投入処理によって経路40−5が電力供給ラインとして新たに確立する。経路40−5が電力供給ラインとして確立すると、中継ノード装置10−1は、ポートP3を介した中継ノード装置10−2に対する電源投入処理へ移行する。
中継ノード装置10−1の電力供給制御部137は、タイマ138を起動すると共に(p729)、給電スイッチSf3をオン状態に制御して、ポートP3を介して中継ノード装置10−2への電力供給を開始する(p728)。
なお、図7Aおよび図7Bを参照しながら説明した前述の処理シーケンスを理解すれば、以下の処理シーケンスも同様に理解し得るため、以下の処理シーケンスを図示しない。
中継ノード装置10−2は、中継ノード装置10−1からの電力供給をポートP3を介して受けて起動する。中継ノード装置10−2のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成し、送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するように制御する。生成および送信される起動通知フレームの一例を図9Aの(f)に示す。
中継ノード装置10−2が起動通知フレーム(図9Aの(f))を送信する際には、中継ノード装置10−2に隣接する中継ノード装置10−3および中継ノード装置10−6は起動していない。このため、中継ノード装置10−2のポートP1から中継ノード装置10−3へ向けて送信された起動通知フレームは、破棄される。また、中継ノード装置10−2のポートP2から中継ノード装置10−6へ向けて送信される起動通知フレームは、破棄される。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−2のポートP3から送信された起動通知フレームをポートP3を介して受信する。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−2から受信した起動通知フレームに、中継ノード装置10−1の送受信ポート番号を示すデータを追加と共に、起動通知フレームが示すホップ数を1つインクリメントする。また、中継ノード装置10−1は、電源投入処理を実行したポートP3から起動通知フレームを受信したことを示す「1」を電源ラインフラグに設定する。そして、中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを転送する。図9Bの(g)は、中継ノード装置10−1により転送される起動通知フレームの一例である。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1から転送された起動通知フレーム(図9Bの(g))をポートP2を介して受信する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−1から受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−2のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−2に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−2へのネットワークIDを作成し、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納すると共に、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−2を宛先とする起動通知応答フレームを生成する。そして、送信フレーム制御部232は、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−1へ送信する。生成および送信される起動通知フレームの一例を図9Bの(h)に示す。
ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Bの(g))の送受信ポート番号フィールド内に順次設定された受信ポート番号「0」および「3」を検索する。ルーティング制御部235は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールド内の先頭桁から順番に、起動通知フレームに設定された順序とは逆の順序で、検索された受信ポート番号を起動通知応答フレームの送信ポート番号として挿入する。図9Bの(h)に示すネットワークIDフィールド「30FFFFFFFFFF」中の「30」は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールド内に設定された順序とは逆の順序の受信ポート番号に対応する。
ルーティング制御部235は、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−2までのホップ数である「2」を起動通知応答フレームのHOP数フィールドに設定する。
ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Bの(g))の送受信ポート番号フィールドに順次設定された送信ポート番号「3」および「1」を検索する。そして、ルーティング制御部235は、起動通知フレーム(図9Bの(g))の送受信ポート番号フィールドに設定された順序と同じ順序で、GWネットワークIDフィールド内の先頭桁から順番に送信ポート番号を挿入する。図9Bの(h)に示すGWネットワークIDフィールド「31FFFFFFFFFF」中の「31」は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールド内に設定された送信ポート番号に対応する。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームをポート1を介して受信する。中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図9Bの(i)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。
送信フレーム制御部132は、中継ノード装置10−1が受信した際に起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP3から、ネットワークIDフィールドが変更された起動通知応答フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−2は、中継ノード装置10−1から送信された起動通知応答フレームをポートP3を介して受信する。
中継ノード装置10−2は、受信した起動通知応答フレームのHOP数フィールドを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−2までのホップ数が2であると判定し得る。また、中継ノード装置10−2は、GWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−2からゲートウェイ装置20へのGWネットワークIDが「31FFFFFFFFF」であると判定し得る。
中継ノード装置10−2のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136a内に格納する。
以上のような中継ノード装置10−1のポートP3を介した電源投入処理によって経路40−2が電力供給ラインとして新たに確立する。経路40−2が電力供給ラインとして確立すると、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−5に隣接する中継ノード装置10−6および中継ノード装置10−9に対する電源投入処理へ移行する。または、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−2に隣接する中継ノード装置10−3および中継ノード装置10−6に対する電源投入処理へ移行する。
以下では、中継ノード装置10−2よりも先に起動した中継ノード装置10−5に隣接する中継ノード装置10−6および中継ノード装置10−9への電源投入処理を一例として説明する。
まず、ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5に対する電源投入指示フレームを生成し、送信フレーム制御部232は、生成された電源投入指示フレームを送信するよう制御する。電源投入指示フレームの一例を図10Aの(a)に示す。
図10Aの(a)に示す電源投入指示フレームにおいて、ネットワークIDフィールドに設定された「20FFFFFFFFFF」中の「20」は、電源投入指示フレームが転送される中継ノード装置10の送信ポート番号を示す。すなわち、図10Aの(a)の例では、中継ノード装置10−1のポートP2を介して中継ノード装置10−5へ転送されることを示す。また、HOP数フィールドには、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−5までのホップ数である「2」が設定される。電源投入ポート番号フィールドには、電力供給を受けているポート以外の全てのポートを指す電源投入規定値が設定される。
中継ノード装置10−5は、ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−5は、電力供給を受けているポートP1を除くポートを介して隣接の中継ノード装置10への電力供給を開始する。以下では、中継ノード装置10−5がポートP2を介した電源投入処理をまず開始し、続いてポートP3を介した電源投入処理を開始する例を説明する。
中継ノード装置10−5の電力供給制御部137は、タイマ138を起動すると共に、給電スイッチSf2をオン状態に制御して、ポートP2を介して中継ノード装置10−9への電力供給を開始する。仮に、タイマ138起動後所定時間経過してもポートP2を介して起動通知フレームを受信しない場合には、電力供給制御部137は、中継ノード装置10−9に対する電力供給を止め、他の中継ノード装置10への電源投入処理を実施し得る。
中継ノード装置10−9は、中継ノード装置10−5からの電力供給をポートP1を介して受けて起動する。中継ノード装置10−9のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成し、送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するよう制御する。
中継ノード装置10−9が起動通知フレームを送信する際には、隣接する中継ノード装置10−13は起動していない。また、中継ノード装置10−9のポートP3には何も接続されていない。このため、中継ノード装置10−9のポートP2およびポートP3からそれぞれ送信された起動通知フレームは、破棄される。ポートP1から送信される起動通知フレームの一例を図10Aの(b)に示す。
図10Aの(b)に示すように、HOP数フィールドには、隣接装置へのホップ数である「1」が設定される。送受信ポート番号フィールド内の先頭の一桁には、起動通知フレームを送信するポートP1の番号である「1」が設定される。また、先頭の送受信番号フィールド内の次の一桁には、受信ポートが存在しないことを示す「0」が設定される。その他の桁には、送受信ポートが存在しないことを示す「0」が設定される。電源ラインフラグフィールドには、隣接する中継ノード装置10−13への電力供給ラインが確立していないため「0」が設定される。
中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−9のポートP1から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−9から受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−5の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。また、中継ノード装置10−5は、起動通知フレームの電源ラインフラグフィールドに、電源投入処理を実行したポートP2から起動通知フレームを受信したこと、すなわち、隣接する中継ノード装置10−9が起動したことを示す「1」を設定する。そして、中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−1へ起動通知フレームを転送する。図10Aの(c)は、中継ノード装置10−5により転送される起動通知フレームの一例である。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−5から転送された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−5から受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−1の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。そして、中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを転送する。図10Aの(d)は、中継ノード装置10−1により転送される起動通知フレームの一例である。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1から転送された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドおよび電源ラインフラグフィールドを参照することにより、中継ノード装置10−9が起動通知フレームにより示される経路での電力供給によって起動したと判定し得る。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照することにより、中継ノード装置10−9から送信された起動通知フレームがゲートウェイ装置20により受信されるまでの中継ノード装置10の送受信ポートを特定し得る。ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームのHOP数フィールドを参照することにより、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−9までのホップ数を特定し得る。
ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−9のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−9に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−9へのネットワークIDを作成し、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納すると共に、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−9を宛先とする起動通知応答フレームを生成する。送信フレーム制御部232は、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−1へ送信するよう制御する。生成および送信される起動通知応答フレームの一例を図10Aの(e)に示す。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームをポート1を介して受信する。中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Aの(f)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP2から起動通知応答フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−1のポートP2から送信された起動通知応答フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−5のルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Aの(g)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP2から起動通知応答フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−9は、中継ノード装置10−5のポートP2から送信された起動通知応答フレームをポートP1を介して受信する。
中継ノード装置10−9は、受信した起動通知応答フレームのHOP数フィールドを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−9までのホップ数が3であると判定し得る。また、中継ノード装置10−9は、GWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−9からゲートウェイ装置20へのGWネットワークIDが「111FFFFFFFF」であると判定し得る。
中継ノード装置10−9のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136a内に格納する。
以上のような中継ノード装置10−5のポートP2を介した中継ノード装置10−9への電源投入処理によって経路40−11が電力供給ラインとして新たに確立する。経路40−11が電力供給ラインとして確立すると、中継ノード装置10−5は、ポートP3を介した中継ノード装置10−6に対する電源投入処理へ移行する。
中継ノード装置10−5の電力供給制御部137は、タイマ138を起動すると共に、給電スイッチSf3をオン状態に制御して、ポートP3を介して中継ノード装置10−6へ電力供給を開始する。
中継ノード装置10−6は、中継ノード装置10−5からの電力供給をポートP3を介して受けて起動する。中継ノード装置10−6のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成し、送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するよう制御する。
中継ノード装置10−6が起動通知フレームを送信する際には、隣接する中継ノード装置10−10は起動していない。このため、中継ノード装置10−6のポートP1から送信された起動通知フレームは、破棄される。ポートP2およびポートP3から送信される起動通知フレームの一例を図10Aの(h)に示す。
中継ノード装置10−2は、中継ノード装置10−6のポートP2から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−2は、中継ノード装置10−6から受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−2の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。そして、中継ノード装置10−2は、起動通知フレームをポートP3を介して中継ノード装置10−1へ転送する。図10Aの(i)は、中継ノード装置10−2により転送される起動通知フレームの一例である。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−2から転送された起動通知フレームをポートP3を介して受信する。中継ノード装置10−1は、受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−1の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。そして、中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを転送する。図10Aの(j)は、中継ノード装置10−1により転送される起動通知フレームの一例である。
一方、中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−6のポートP3から送信された起動通知フレームをポートP3を介して受信する。中継ノード装置10−5は、受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−5の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。また、中継ノード装置10−5は、起動通知フレームの電源ラインフラグフィールドに、電源投入処理を実行したポートP3から起動通知フレームを受信したこと、すなわち、隣接する中継ノード装置10−6が起動したことを示す「1」を設定する。そして、中継ノード装置10−5は、起動通知フレームをポートP1を介して中継ノード装置10−1へ転送する。図10Bの(k)は、中継ノード装置10−5により転送される起動通知フレームの一例である。
中継ノード装置10−1は、中継ノード装置10−5から転送された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−1は、受信した起動通知フレーム内に、中継ノード装置10−1の送受信ポート番号を示すデータを追加すると共に、ホップ数を1つインクリメントする。そして、中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを転送する。図10Bの(l)は、中継ノード装置10−1により転送される起動通知フレームの一例である。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−5のポートP2およびポートP3から送信された起動通知フレーム(図10Aの(j)および図10Bの(l))を中継ノード装置10−1からそれぞれ受信する。
まず、ゲートウェイ装置20は、受信した複数の起動通知フレームの内、電源ラインフラグフィールドの設定値が「1」である起動通知フレーム(図10Bの(l))に示される経路で電力供給ラインが確立し、中継ノード装置10−6が起動したと判定し得る。図10Bの(l)に示した起動通知フレームの例では、ゲートウェイ装置20は、経路40−1および経路40−5と共に、経路40−9が電力供給ラインとして新たに確立したと判定し得る。
そこで、ルーティング制御部235は、電源ラインフラグフィールドの設定値が「1」である起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照する。そして、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6を宛先とし、かつ電力供給ラインが確立されている経路で伝送される起動通知応答フレームを生成する。生成された起動通知応答フレームの一例を図10Bの(m)に示す。送信フレーム制御部232は、生成された起動通知フレームをポートP2を介して送信するよう制御する。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームを受信する。中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Bの(n)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP2から起動通知応答フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−5は、中継ノード装置10−1のポートP2から送信された起動通知応答フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−5のルーティング制御部135は、起動通知応答フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Bの(o)は、ルーティング制御部135により生成された起動通知応答フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP3から起動通知応答フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−6は、中継ノード装置10−5のポートP3から送信された起動通知応答フレームをポートP3を介して受信する。
中継ノード装置10−6は、受信した起動通知応答フレームのHOP数フィールドを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−6までのホップ数が3であると判定し得る。また、中継ノード装置10−6は、GWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−6からゲートウェイ装置20へのGWネットワークIDが「311FFFFFFFF」であると判定し得る。中継ノード装置10−6のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136a内に格納する。
一方、ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した複数の起動通知フレームの内、電源ラインフラグフィールドの設定値が「0」である起動通知フレーム(図10Aの(j))により示される経路を中継ノード装置10−6を起動するための迂回路であると判定する。
ルーティング制御部235は、電源ラインフラグフィールドの設定値が「0」である起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−6に対する迂回ルート通知フレームを生成する。生成された起動通知応答フレームの一例を図10Bの(p)に示す。送信フレーム制御部232は、生成された迂回ルート通知フレームをポートP2を介して送信するよう制御する。
中継ノード装置10−1は、ゲートウェイ装置20から送信された迂回ルート通知フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、迂回ルート通知フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Bの(q)は、ルーティング制御部135により生成された迂回ルート通知フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP3から迂回ルート通知フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−2は、中継ノード装置10−1のポートP3から送信された迂回ルート通知フレームをポートP3を介して受信する。中継ノード装置10−2のルーティング制御部135は、迂回ルート通知フレームのネットワークIDフィールドの先頭桁のデータを削除し、次順位以降の桁のデータを一桁前にシフトする。図10Bの(r)は、ルーティング制御部135により生成された迂回ルート通知フレームの一例である。送信フレーム制御部132は、削除前のネットワークIDフィールドの先頭桁に示されていた送信ポートP2から迂回ルート通知フレームを送信するように制御する。
中継ノード装置10−6は、中継ノード装置10−2のポートP2から送信された迂回ルート通知フレームをポートP2を介して受信する。
中継ノード装置10−6は、受信した迂回ルート通知フレームのHOP数フィールドを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−6までのホップ数が3であると判定し得る。また、中継ノード装置10−6は、GWネットワークIDフィールドを参照して、中継ノード装置10−6からゲートウェイ装置20への迂回路のGWネットワークIDが「231FFFFFFFF」であると判定し得る。中継ノード装置10−6のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、迂回ルートのGWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136a内に格納する。
図1に示したエリア1内の各中継ノード装置10への電源投入処理は、上述した電源投入処理が以後同様に継続することにより実施され、エリア1内の全ての電力供給ラインが確立する。
図11は、エリア1内に確立した電力供給ラインの例図である。
図11において、各中継ノード装置10内に付された丸数字は、ゲートウェイ装置20からのホップ数を表す。各中継ノード装置10に付された丸数字の枝番号は、ホップ数が同じ中継ノード装置10の内、前述した電源投入処理による中継ノード装置10の起動順序を表す。例えば、ホップ数が同じ2である中継ノード装置10−2および中継ノード装置10−5の内、中継ノード装置10−5がまず起動し、続いて、中継ノード装置10−2が起動することを意味する。
図11において、矢印で示された経路40は、電力供給ラインとして確立した経路を表し、その矢印の方向は、ゲートウェイ装置20および隣接中継ノード装置10を介した給電装置30−1からの電力供給の方向を表す。棒線で示されたその他の経路40は、迂回路として設定された経路を表す。
図7〜図10を参照しながら前述した基本区域における中継ノード装置10の処理フローの一例を図12に示す。
図12Aおよび図12Bは、基本区域における中継ノード装置の電源投入処理フローの例図である。図12Aおよび図12Bには、実施形態に従った電源投入処理中に中継ノード装置10が他の装置(中継ノード装置10およびゲートウェイ装置20)からフレームを受信した場合の処理フローの一例が示されている。
ステップs1201において、中継ノード装置10は、有線アドホックネットワークシステム1内の他の装置から送信されたフレームをポートP1〜P3の何れか1つを介して受信する。
ステップs1202において、受信フレーム制御部131は、受信したフレーム内の宛先ノードIDを参照し(s1202)、受信したフレームの宛先が自ノード装置であるか否かを判定する(s1203)。
受信したフレームの宛先が自ノード装置ではない場合(ステップs1203で“NO”)、中継ノード装置10は、ステップs1204以降の処理へ進み、受信したフレームを他の装置へ中継する処理を行う。実施形態の電源投入処理において、中継ノード装置10が中継処理するフレームとしては、隣接装置から電力供給を受けて起動した中継ノード装置10により送信された起動通知フレームが挙げられる。
ステップs1204において、ルーティング制御部135は、受信したフレームの宛先ノードIDを参照する。そして、ルーティング制御部135は、受信したフレームが他の中継ノード装置10からゲートウェイ装置20への上りフレームであるか、ゲートウェイ装置20から他の中継ノード装置10への下りフレームであるかを判定する。
受信したフレームが上りフレームである場合(ステップs1204で”YES”)、ルーティング制御部135は、GWルーティング管理テーブル136aを参照して、ゲートウェイ装置20へ向けての自ノード装置10の送信ポートを検索する(s1205)。ルーティング制御部135は、受信したフレームの送受信ポート番号フィールドに、検索された送受信ポート番号を追加し(s1206)、HOP数フィールドのホップ数を1つインクリメントする(s1207)。そして、ステップs1208において、ルーティング制御部135は、受信したフレームの送り元ノードIDが電源投入指示フレームによる電源投入処理中の中継ノード装置10のIDであるか否かを判定する。電源投入指示フレームによる電源投入処理中の中継ノード装置10である場合(ステップs1208で“YES”)、ルーティング制御部135は、受信したフレームの電源ラインフラグを「1」に設定する。
一方、受信したフレームが下りフレームである場合(ステップs1204で“NO”)、そのフレームは、そのフレームを受信した中継ノード装置10による中継処理が以前に行われたフレームであると言える。そこで、ルーティング制御部135は、受信したフレームの送受信ポート番号フィールドを参照して(s1211)、自ノード装置10の送受信ポート番号を削除し(s1212)、HOP数フィールドのホップ数を1つインクリメントする(s1213)。
ステップs1210において、送信フレーム制御部132は、ステップs1208、s1209、およびs1213において処理されたフレームを宛先の装置へ向けて送信ポートから送信するよう制御する。そして、中継ノード装置10は、他の装置から送信されたフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
一方、受信したフレームの宛先が自ノード装置である場合(ステップs1203で”YES”)、中継ノード装置10は、ステップs1214以降の処理に進む。
ステップs1214において、ルーティング制御部135は、受信したフレームのKINDフィールド参照し、受信したフレームが起動通知応答フレームおよび電源投入指示フレームの何れであるかを判定する。
受信したフレームが起動通知応答フレームである場合、ステップs1215において、ルーティング制御部135は、受信したフレームの送り元IDフィールドを参照し、受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDであるか否かを判定する。受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDである場合(ステップs1215で“YES”)、ルーティング制御部135は、受信したフレームにより示されるGWルーティングIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する(s1216)。一方、受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDでない場合(ステップs1215で“NO”)、ルーティング制御部135は、受信したフレームを破棄する(s1217)。そして、中継ノード装置10は、他の装置から送信されたフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
一方、受信したフレームが電源投入指示フレームである場合、中継ノード装置10は、ステップs1218の処理に進む。
ステップs1218において、ルーティング制御部135は、受信したフレームの送り元IDフィールドを参照し、受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDであるか否かを判定する。
受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDである場合(ステップs1218で“YES”)、ステップs1219〜ステップs1227において、電力供給制御部137は、自ノード装置10内のポートを介して隣接の中継ノード装置10への電源投入処理を実行する。
例えば、中継ノード装置10が備えるポートの数が3つであり、隣接の中継ノード装置10への電源投入処理がポート番号が小さい順に行われる場合、電力供給制御部137は、ポート番号が1のポートP1を介した隣接中継ノード装置10への電源投入処理が実行済みであるか否かを判定する(s1219)。
ポートP1を介した電源投入処理が未実行である場合(ステップs1219で“NO”)、電力供給制御部137は、給電スイッチSf1をオン状態にしてポートP1を介した電力供給を開始する(s1220)。また、電力供給制御部137は、タイマ138を起動して、ポートP1を介して起動通知フレームを受信するまでの時間を監視する(s1221)。
一方、ポートP1を介した電源投入処理が実行済みである場合(ステップs1219で“YES”)、電力供給制御部137は、ポート番号が2のポートP2を介した隣接中継ノード装置10への電源投入処理が実行済みであるか否かを判定する(s1222)。
ポートP2を介した電源投入処理が未実行である場合(ステップs1222で“NO”)、電力供給制御部137は、給電スイッチSf2をオン状態にしてポートP2を介した電力供給を開始する(s1223)。また、電力供給制御部137は、タイマ138を起動して、ポートP2を介して起動通知フレームを受信するまでの時間を監視する(s1224)。
一方、ポートP2を介した電源投入処理が実行済みである場合(ステップs1222で“YES”)、電力供給制御部137は、ポート番号が3のポートP3を介した隣接中継ノード装置10への電源投入処理が実行済みであるか否かを判定する(s1225)。
ポートP3を介した電源投入処理が未実行である場合(ステップs1225で“NO”)、電力供給制御部137は、給電スイッチSf3をオン状態にしてポートP3を介した電力供給を開始する(s1226)。また、電力供給制御部137は、タイマ138を起動して、ポートP3を介して起動通知フレームを受信するまでの時間を監視する(s1227)。
一方、ポートP3を介した電源投入処理が実行済みである場合(ステップs1222で“YES”)、中継ノード装置10は、他の装置から送信されたフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
ステップs1218において、受信したフレームの送り元ノードIDがゲートウェイ装置20のIDではない場合(ステップs1218で”NO”)、中継ノード装置10は、受信したパケットを破棄し(s1228)、他の装置から送信されたフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
図7〜図12を参照しながら前述したような電源投入処理が実行されると、ゲートウェイ装置20の各ノードルーティング管理テーブル236aには、ゲートウェイ装置20と中継ノード装置10との間で電力供給ラインとして確立した経路とその迂回経路とに関するデータが格納される。
また、各中継ノード装置10のGWルーティング管理テーブル136aには、中継ノード装置10とゲートウェイ装置20との間で電力供給ラインとして確立した経路とその迂回経路に関するデータが格納される。
そこで、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236aを用いて、各中継ノード装置10への電力供給ラインを管理することができる。
また、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236aを用いて、ゲートウェイ装置20から各中継ノード装置10へ送信するフレームのルーティングを管理することができる。各中継ノード装置10は、GWルーティング管理テーブル136aを用いて、自ノード装置10からゲートウェイ装置20へ送信するフレームのルーティングを管理することができる。
実施形態の電源投入処理によって設定されるネットワークIDおよびGWネットワークIDの一例を図13〜図16を参照しながら説明する。
図13は、起動通知フレームおよび起動通知応答フレームの例示的な伝送ルートの説明図である。図13の各中継ノード装置10内に記載された数字1〜3は、ポートP1〜P3のそれぞれの番号を指す。
例えば、中継ノード装置10−20からゲートウェイ装置20へ図13中の丸数字1〜8の経路で起動通知フレームが送信されると仮定する。この場合、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドには、起動通知フレームを送信する各中継ノード装置10によって、図14に示すような送受信ポート番号が起動通知フレーム内にそれぞれ設定される。図14は、図13に示す伝送ルート中の起動通知フレームの例図である。
図13に示すように、中継ノード装置10−20は、図13の丸数字1の経路で起動通知フレームをポートP1を介して送信する。また、中継装置10−20には、その起動通知フレームを受信するポートが存在しない。そこで、図14(a)に示すように、中継ノード装置10−20は、起動通知フレームを送信するポートP1の番号を示す送信ポート番号「1」を送受信ポート番号フィールド内の先頭の(最も左の)桁に設定し、その起動通知フレームを受信するポートが存在しないことを示す受信ポート番号「0」を次の桁に設定する。また、中継ノード装置10−20は、送受信ポート番号フィールド内のその他の桁には、送受信ポートが存在しないことを示す「0」を設定する。
図13に示すように、中継ノード装置10−16は、中継ノード装置10−20から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信し、ポートP3を介して丸数字2の経路で送信する。そこで、図14(b)に示すように、中継ノード装置10−16は、送受信ポート番号フィールド内に既に設定された送受信ポート番号「10」を二桁後ろに(右に)シフトする。そして、中継ノード装置10−16は、起動通知フレームを送信するポートP3の番号を示す送信ポート番号「3」を送受信ポート番号フィールド内の先頭の桁に設定し、起動通知フレームを受信したポートP2の番号を示す受信ポート番号「2」を次の桁に設定する。
以後同様に、図14(c)〜図14(h)に示すように、起動通知フレームを転送する中継ノード装置10によって起動通知フレーム内の送受信ポート番号フィールドが設定される。
ゲートウェイ装置20は、図14(h)に示す起動通知フレームを中継ノード装置10−1から受信する。ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの送受信ポート番号フィールド内の送受信ポート番号を参照して、中継ノード装置10−20へのネットワークIDと、中継ノード装置10−20のGWネットワークIDを設定する。
すなわち、図14(h)の起動通知フレームの例では、ルーティング制御部235は、送受信ポート番号フィールド内の受信ポート番号を先頭から順に抜き出す。抜き出された受信ポート番号は、「23132320」である。ルーティング制御部235は、起動通知フレームにより示された経路に対するネットワークIDとして、抜き出した受信ポート番号の後に初期値を示す「F」が付加されたデータ「23132320FFFF」を作成する。
また、ルーティング制御部235は、送受信ポート番号フィールド内の送信ポート番号を先頭から順に抜き出す。抜き出された送信ポート番号は、「11313131」である。ルーティング制御部235は、抜き出した送信ポート番号を逆順に並び替える。逆順に並び替えられた送信ポート番号は、「13131311」である。ルーティング制御部235は、起動通知フレームにより示された経路に対するGWネットワークIDとして、逆順に並び替えられた「13131311」の後に初期値を示す「F」が付加されたデータ「13131311FFFF」を作成する。
図15は、図13に示す伝送ルート中の起動通知応答フレームの例図である。
図15(a)には、ルーティング制御部235により作成された起動通知応答フレームが示されている。図15(a)の起動通知応答フレームには、ネットワークIDとして「23132320FFFF」が設定され、GWネットワークIDとして「13131311FFFF」が設定されている。ゲートウェイ装置20により作成された起動通知応答フレームは、図13中の丸数字9〜16の経路で中継ノード装置10−20へ送信される。
図15(a)の起動通知応答フレームを受信した中継ノード装置10−1のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームのネットワークIDの先頭の一桁を検索して、中継ノード装置10−1の送信ポートがポートP2であると判定する。そして、ルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームのネットワークIDの先頭の一桁のデータを削除し、次の桁以降のデータをそれぞれ前へシフトする。そして、中継ノード装置10−1は、ポートP2を介して起動通知応答フレームを送信する。
以後同様に、図15(b)〜(h)に示すように起動通知応答フレームのネットワークIDが変更されながら転送される。そして、中継ノード装置10−20は、図15(h)に示す起動通知応答フレームを受信する。中継ノード装置10−20は、ネットワークIDの先頭が「0」であることから、受信した起動通知応答フレームの宛先が自ノード装置10であると判定する。中継ノード装置10−20は、受信した起動通知応答フレームに示されるGWネットワークIDを取得する。
なお、実施形態によっては、起動通知応答フレームを受信した中継ノード装置10は、上述したようにネットワークIDをシフトする代わりに、ホップ数フィールドに示されるホップ数をデクリメントするように構成してもよい。この場合、起動通知応答フレームを受信した中継ノード装置10は、受信した起動通知応答フレームのホップ数を参照し、ホップ数が「1」であれば自ノード装置10宛ての起動通知応答フレームであると判定する。また、起動通知応答フレームの宛先である中継ノード装置10は、ゲートウェイ装置20から自ノード装置10までのホップ数を、受信した起動通知応答フレームのネットワークIDまたはGWネットワークIDに示される送信ポート番号の数によって特定する。
図16は、各ノードルーティング管理テーブルの例図である。図16には、各ノードルーティング管理テーブル236aの内、中継ノード装置10−10(ノード10)に対するルーティング管理テーブル236aが示されている。
各ノードルーティング管理テーブル236aには、ノード番号、優先順位、ネットワークID、ホップ数、および電源ラインフラグの各データが含まれる。ノード番号は、中継ノード装置10の識別番号を表す。優先順位は、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までのフレームの伝送ルートの優先順位を示す。ネットワークIDは、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までの伝送ルートを示す。ホップ数は、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までのホップ数を示す。電源ラインフラグは、その伝送ルートが電力供給ラインである場合には「1」、その伝送ルートが電力供給ラインではなく迂回路である場合は「0」で表されるフラグである。
図17は、GWルーティング管理テーブルの例図である。図17には、中継ノード装置10−10により作成されたGWルーティング管理テーブル136aが示されている。
GWルーティング管理テーブル136aには、ルーティング、優先順位、GWネットワークID、ホップ数、および送信ポート番号の各データが含まれる。ルーティングは、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20へのルーティングであることを表す。優先順位は、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までのフレームの伝送ルートの優先順位を示す。GWネットワークIDは、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までの伝送ルートを示す。ホップ数は、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20までのホップ数を示す。送信ポート番号は、当該経路でフレームを送信する自ノード装置10のポートの番号を示す。
図16および図17の各テーブルを参照すると明らかなとおり、各ルーティング管理テーブル236a内の経路およびそれらの優先順位と、GWルーティング管理テーブル136a内の経路およびそれらの優先順位は、対応関係にある。各ルーティング管理テーブル236aおよびGWルーティング管理テーブル136aでは、例えば、電力供給ラインとして確立している経路が優先順位1位に設定され、ホップ数が少ない順序でその他の経路が2位以下の優先順位に設定される。
このように、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236a内の優先順位1位の経路を用いて各中継ノード装置10への電力供給を行なうと共に、各中継ノード装置10を宛先とするフレームの経路として優先順位1位の経路を選択することができる。また、各中継ノード装置10は、GWルーティング管理テーブル136a内の優先順位1位の経路をゲートウェイ装置20を宛先とするフレームの経路として選択することができる。
図18は、図16および図17の各テーブルに格納された経路の説明図である。
図16のおよび図17の各テーブルにおいて示された優先順位1位〜3位の経路は、図18の丸数字の1〜3の矢印で示した経路にそれぞれ対応する。
例えば、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−10までの優先順位1位の経路における各装置の送信ポートは、ポートP2(中継ノード装置10−1)、ポートP3(中継ノード装置10−5)、ポートP1(中継ノード装置10−6)、および送信ポートなし(中継ノード装置10−10)である。そこで、図16に示したノードルーティング管理テーブル236a中の優先順位1位のネットワークIDは、「2310FFFFFFFF」と表される。同様に、中継ノード装置10−10からゲートウェイ装置20までの優先順位1位の経路における各装置の送信ポートは、ポートP1(中継ノード装置10−10)、ポートP3(中継ノード装置10−6)、ポートP1(中継ノード装置10−5)、およびポートP1(中継ノード装置10−1)である。そこで、図17に示したGWルーティング管理テーブル136a中の優先順位1位のGWネットワークIDは、「1311FFFFFFFF」と表される。
ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−10までの優先順位1位の経路のホップ数は、中継ノード装置10−1、中継ノード装置10−5、中継ノード装置10−6、および中継ノード装置10−10の4ホップである。同様に、中継ノード装置10−10からゲートウェイ装置20までの優先順位1位の経路のホップ数は、中継ノード装置10−6、中継ノード装置10−5、中継ノード装置10−1、およびゲートウェイ装置20の4ホップである。従って、図16および図17の各テーブル中の優先順位1位の経路のホップ数は、それぞれ「4」である。
図11に示したように、電源投入処理完了後には、経路40−1、経路40−5、経路40−9、および経路40−12がゲートウェイ装置20と中継ノード装置10−10との間の電力供給ラインとして確立している。そこで、図17のGWルーティング管理テーブル136a中の優先順位1位の電源ラインフラグは「1」と示される。
図16のおよび図17各テーブルにおいて示された優先順位2位および3位の経路についても、優先順位1の経路についての上記説明と同様に説明できる。
以上の説明から理解し得るように、実施形態の有線アドホックネットワークシステム、電力供給制御装置、中継ノード装置、および電力供給制御プログラムに従えば、以下に示すような1つ以上の利点を得ることができる。
実施形態では、各中継ノード装置への電源投入が順次行なわれて各中継ノード装置が起動し、有線アドホックネットワークシステム内に張り巡らされた経路の中から各中継ノード装置への必要な電力供給ラインが確立される。したがって、突入電流や電圧ドロップ等に起因した障害を起こすことなく、有線アドホックネットワークシステム内の各中継ノード装置が正常に起動するように、給電装置から各中継ノード装置への電力供給ラインを確立することができる。
実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム内の各中継ノード装置は順次起動する。したがって、起動した各中継ノード装置がゲートウェイ装置やサーバ等に向けて同時に起動通知メッセージを送信するといったメッセージの輻輳を回避できる。
実施形態に従えば、電力供給制御装置の一例であるゲートウェイ装置は、各中継ノード装置への電源投入処理を通じて、各中継ノード装置のポートの接続状態に関するデータを集約することができる。したがって、ゲートウェイ装置は、各中継ノード装置への電力供給ラインを確立することを通じて、有線アドホックネットワークシステム内のネットワークの接続状態の情報を取得することができる。
実施形態に従えば、各中継ノード装置の起動時に、起動した各中継ノード装置とゲートウェイ装置との間で起動通知メッセージおよび起動通知応答メッセージが順次送受信され、ゲートウェイ装置と各中継ノード装置との間のルーティングパスが学習される。したがって、複雑に組み込まれたネットワークであっても、ゲートウェイ装置と各ノード装置との間のルーティングパスをContent Addressable Memory(CAM)といった消費電力やサイズが大きくコストのかかるデバイスを各装置に実装することなく確立することができる。
実施形態に従えば、ゲートウェイ装置に近い中継ノード装置から電源投入処理が順次実施される。したがって、各中継ノード装置への電源投入処理を通じて、ゲートウェイ装置と各中継ノード装置との間の最短のルーティングパスとその迂回ルートとを構築することができる。
<<電力供給ライン切替処理>>
実施形態では、電力供給制御装置の一例であるゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10へ電源投入指示フレームおよび電源停止指示フレームを送信することによって、有線アドホックネットワークシステム1内に確立した電力供給ラインを変更できる。
図19は、実施形態に従った電力供給ライン切替処理の説明図である。例えば、図11に示した電力供給ラインから図19に示した電力供給ラインへ切り替えるために、以下のような電力供給ライン切替処理が行われる。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−18のポートP3を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームを中継ノード装置10−18へ送信する。
電源投入指示フレームを受信した中継ノード装置10−18は、ポートP3からの電力供給を開始する。この結果、中継ノード装置10−19は、中継ノード装置10−18からの電力供給をポートP3を介して受ける。中継ノード装置10−18は、ポートP3からの電力供給を開始したことを通知する電源投入応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。電源投入応答フレームのフォーマットは、図6(a)に示した汎用コマンドフレームのフォーマットであり得る。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−18から送信された電源投入応答フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−19のポートP1を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームを中継ノード装置10−19へ送信する。
電源投入指示フレームを受信した中継ノード装置10−19は、ポートP1からの電力供給を開始する。この結果、中継ノード装置10−15は、中継ノード装置10−19からの電力供給をポートP2を介して受ける。中継ノード装置10−19は、ポートP1からの電力供給を開始したことを通知する電源投入応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−19から送信された電源投入応答フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−15のポートP2を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを中継ノード装置10−15へ送信する。
電源停止指示フレームを受信した中継ノード装置10−15は、ポートP2からの電力供給を停止する。この結果、中継ノード装置10−15のポートP2を介した中継ノード装置10−19への電力供給が停止する。中継ノード装置10−15は、ポートP2からの電力供給を停止したことを通知する電源停止応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。電源停止応答フレームのフォーマットは、図6(a)に示した汎用コマンドフレームのフォーマットであり得る。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−15から送信された電源停止応答フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−11のポートP2を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを中継ノード装置10−11へ送信する。
電源停止指示フレームを受信した中継ノード装置10−11は、ポートP2からの電力供給を停止する。この結果、中継ノード装置10−11のポートP2を介した中継ノード装置10−15への電力供給が停止する。中継ノード装置10−11は、ポートP2からの電力供給を停止したことを通知する電源停止応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−11から送信された電源停止応答フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−11のポートP3を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームを中継ノード装置10−11へ送信する。
電源投入指示フレームを受信した中継ノード装置10−11は、ポートP3からの電力供給を開始する。この結果、中継ノード装置10−10は、中継ノード装置10−11からの電力供給をポートP3を介して受ける。中継ノード装置10−11は、ポートP3からの電力供給を開始したことを通知する電源投入応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−11から送信された電源投入応答フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−6のポートP1を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを中継ノード装置10−6へ送信する。
電源停止指示フレームを受信した中継ノード装置10−6は、ポートP1からの電力供給を停止する。この結果、中継ノード装置10−6のポートP1を介した中継ノード装置10−10への電力供給が停止する。中継ノード装置10−6は、ポートP1からの電力供給を停止したことを通知する電源停止応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−6から送信された電源停止指示フレームを受信し、電力供給ライン切り替え処理が完了したと判定する。
このような電源投入切り替え処理によって、図11に示した電力供給ラインから図19に示した電力供給ラインへ切り替えることができる。
実施形態ではさらに、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10に電源投入指示フレームおよび電源停止指示フレームを送信することにより、有線アドホックネットワークシステム1内の必要経路のみで電力が供給されるように変更することができる。
図20は、必要経路のみへの電力供給ライン切替処理の説明図である。図17を示して前述したような電力供給ライン切替処理により、例えば、図11に示した電力供給ラインから図20に示した電力供給ラインへ切り替えることができる。図20では、経路40−1、40−5、40−9、40−12、40−15、40−18、40−21、および40−25のみが電力供給ラインとなるように切り替えられている。この結果、中継ノード装置10−1、10−5、10−6、10−10、10−11、10−15、10−16、および10−20のみが起動し、基本区域内のその他の中継ノード装置10は停止する。
このように、実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム内の電力供給ラインを必要に応じて迂回路に切り替えることによって、電力供給ラインに生じた障害に対応することができる。
また、実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム内の必要な電力供給ラインのみを用いることで、有線アドホックネットワークシステム内の低消費電力化を図ることができる。また、給電装置の電力供給量が不足する場合であっても、給電装置の電力供給量の範囲内で、有線アドホックネットワークシステムでの所望の運用を実現できる。
<<障害検出処理およびルーティング変更処理>>
前述したように、ゲートウェイ装置20は、実施形態の電源投入処理を通じてデータが収集および記録された各ノードルーティング管理テーブル236aを用いて、各中継ノード装置10への電力供給ラインを管理することができる。また、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236aを用いて、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10へ送信するフレームのルーティングを管理することができる。
中継ノード装置10は、実施形態の電源投入処理を通じてデータが収集および記録されたGWルーティング管理テーブル136aを用いて、中継ノード装置10からゲートウェイ装置20へ送信するフレームのルーティングを管理することができる。
そこで、例えば、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236a内の優先順位1位の経路によって各中継ノード装置10への電力供給が行われるように制御することができる。また、ゲートウェイ装置20は、各中継ノード装置10を宛先とするフレームの伝送ルートとして優先順位1位の経路を選択することができる。各中継ノード装置10は、GWルーティング管理テーブル136a内の優先順位1位の経路をゲートウェイ装置20を宛先とするフレームの伝送ルートとして選択することができる。
また、電力供給ラインとして確立している経路に障害が発生した場合、ゲートウェイ装置20は、各ノードルーティング管理テーブル236aを参照して、障害が発生した電力供給ラインの迂回路である優先順位2位以下の経路を用いて、中継ノード装置10への電力供給が実施されるように制御できる。また、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10を宛先とするフレームの伝送ルートとして優先順位2位以下の経路を選択することができる。各中継ノード装置10は、GWルーティング管理テーブル136aを参照して、障害が発生した電力供給ラインの迂回路である優先順位2位以下の経路を、ゲートウェイ装置20を宛先とするフレームの伝送ルートとして選択することができる。
中継ノード装置10とゲートウェイ装置20との間のフレーム伝送に用いられている経路に障害が発生した場合の実施形態に従った障害検出方法およびルーティング変更方法の一例を説明する。
以下の説明では、一例として、有線アドホックネットワークシステム1の電力供給ラインが図11および図18のように確立しているとする。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236aとして、図16に示したルーティング管理テーブル236aを有するとする。中継ノード装置10−10は、GWルーティング管理テーブル136aとして、図17に示したGWルーティング管理テーブル136aを有するとする。
まず、第1の具体例として、隣接中継ノード装置間を結ぶ経路に給電障害が発生した場合について説明する。図21は、給電障害が発生した場合の障害検出処理およびルーティング変更処理の説明図である。図22Aおよび図22Bは、給電障害が発生した場合の障害検出処理およびルーティング変更処理の例示的シーケンス図である。
図11および図18に示したような電力供給ラインの確立後、各中継ノード装置10は、各ポートを介して隣接する中継ノード装置10へ、ヘルスフレーム要求フレーム(図6(d))を所定の時間間隔で送信する。ヘルスフレーム要求フレームを受信した隣接の中継ノード装置10は、ヘルスフレーム要求フレームを受信したポートを介してヘルスフレーム(図6(d))を送信する。
各中継ノード装置10は、GWルーティング管理テーブル136aに格納されたGWネットワークIDにより、各ポートを介して隣接する中継ノード装置10を識別できる。したがって、中継ノード装置10は、ヘルスフレーム要求フレームを送信したポートからヘルスフレームを受信した場合、ヘルスフレーム要求フレームを送信したポートを介して隣接する中継ノード装置10が正常であると判定できる。また、中継ノード装置10は、中継ノード装置10とその隣接中継ノード装置10との間の経路40が正常であると判定できる。一方、ヘルスフレーム要求フレームの送信後所定時間を経過してもヘルスフレームを受信しない場合、中継ノード装置10は、ヘルスフレーム要求フレームを送信したポートを介して隣接する中継ノード装置10、または中継ノード装置10とその隣接中継ノード装置10との間の経路40に障害が発生したと判定できる。
例えば、図21に示すように、中継ノード装置10−6と中継ノード装置10−10とを結ぶ経路40−12の断線等に起因して、経路40−12の電力供給機能に障害が発生したと仮定する。この場合、中継ノード装置10−6からの電力供給を経路40−12を介して受けていた中継ノード装置10−10は、ダウンする。
したがって、図22に示すように、中継ノード装置10−6は、タイマ138の起動(p2202)と共に、ポートP1を介してヘルスフレーム要求フレームを送信しても(p2201)、タイマ138により監視される所定時間内にポートP1を介してヘルスフレームを受信できない。
そこで、中継ノード装置10−6のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−6のポートP1の接続状態に障害が発生したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレーム(図6(h))を生成する(p2203)。生成される状態変移通知フレームのGWネットワークIDは、GWルーティング管理テーブル136aの優先順位1位のGWネットワークIDであり、例えば、図21の丸数字4で示す伝送ルートのIDである。
中継ノード装置10−6は、生成された状態変移通知フレームを送信し(p2204)、伝送ルート中の中継ノード装置10−5および中継ノード装置10−1は、受信した状態変移通知フレームの宛先をそれぞれ判別して転送する(p2205〜p2208)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−6から送信された状態変移通知フレームを受信する。
ルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−6の送信ポートP1の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP1の接続先が中継ノード装置10−10であることを特定する(p2209)。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6の送信ポートP1の接続状態の障害原因が、中継ノード装置10−6と中継ノード装置10−10との間の電力供給機能の障害なのか通信機能の障害なのかを判定するために、中継ノード装置10−10と接続する隣接の中継ノード装置10−11および10−14からの状態変移通知フレームの受信を所定時間待ち合わせる(p2210)。仮に、中継ノード装置10−11および10−14からの状態変移通知フレームを所定時間経過後も受信しない場合、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10がこれらの中継ノード装置と正常に通信していると判定できる。すなわち、中継ノード装置10−6の送信ポートP1の接続状態の障害原因は、中継ノード装置10−6と中継ノード装置10−10との間の通信機能の障害であるとルーティング制御部235は判定し得る。
しかしながら、前述のように、経路40−12の電力供給機能の障害発生によって中継ノード装置10−10はダウンしている。このため、中継ノード装置10−14は、タイマ138の起動(p2212)と共にヘルスフレーム要求フレームをポートP2を介して送信しても(p2211)、タイマ138により監視される所定時間内にヘルスフレームをポートP2を介して受信できない。
中継ノード装置10−14は、中継ノード装置10−14のポートP2の接続状態に障害が発生したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成する(p2213)。生成される状態変移通知フレームのGWネットワークIDは、中継ノード装置10−14が管理するGWルーティング管理テーブル136aの優先順位1位のGWネットワークIDであり、例えば、図21の丸数字5で示す伝送ルートのIDである。
中継ノード装置10−14は、生成された状態変移通知フレームを送信し(p2214)、伝送ルート中の中継ノード装置10−13、10−9、10−5、および10−1は、受信した状態変移通知フレームの宛先をそれぞれ判別して転送する(p2215〜p2222)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−14から送信された状態変移通知フレームを受信する。
ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−14の送信ポートP2の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP2の接続先が中継ノード装置10−10であることを特定する(p2223)。
中継ノード装置10−14と同様に、中継ノード装置10−11も接続状態の障害を検出する。そこで、中継ノード装置10−11は、例えば、図21の丸数字6で示す伝送ルートで状態変移通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(図22Aおよび図22Bには明示せず)。ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−11の送信ポートP3の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP3の接続先が中継ノード装置10−10であることを特定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6、10−14および10−11からそれぞれ送信された状態変移通知フレームに示された障害原因が中継ノード装置10−6と中継ノード装置10−10との間の電力供給機能の障害、すなわち経路40−12の障害であると判定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236aを参照する。そして、図23に示すように、ルーティング制御部235は、電力供給ラインである優先順位1位の伝送ルートを削除し、優先順位2位以降の伝送ルートを繰り上げる。ルーティング制御部235は、繰上げ後の優先順位が1位の伝送ルートを新たな電力供給ラインとして選択する(p2224)。
ルーティング制御部235は、繰上げ後の優先順位1位の伝送ルートを電力供給ラインとするルーティング変更処理を開始する。本具体例では、繰上げ後の優先順位1位の伝送ルートは、図18の丸数字2で示されるルートである。図18の丸数字2で示されるルートの中で、矢印で示される電力供給ラインが確立していない経路は、中継ノード装置10−14から中継ノード装置10−17への経路40−17である。そこで、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームをタイマ238の起動(p2226)と共に生成する。そして、送信フレーム制御部232は、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−14へ送信する(p2225)。
ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、および10−13における中継処理を経て(p2227〜p2230)、中継ノード装置10−14により受信される。
中継ノード装置10−14の電力供給制御部137は、所定時間内での起動通知フレームの受信の有無を監視するためにタイマ138を起動する(p2232)。また、電力供給制御部137は、受信した電源投入指示フレームに従って、給電スイッチSf2をオン状態にしてポートP2からの電力供給を開始する(p2231)。
中継ノード装置10−10は、中継ノード装置10−14のポートP2からの電力供給を経路40−17を介して受けて起動する(p2232)。中継ノード装置10−10のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成し(p2233)、GWルーティング管理テーブル136aを更新する(p2234)。例えば、図24に示すように、ルーティング制御部135は、優先順位1の伝送ルートのデータを削除し、次順位以降の伝送ルートのデータを繰り上げて、電力供給を受けたポートP2からの伝送ルートを優先順位1位とする変更を行なう。
中継ノード装置10−10は、生成された起動通知フレームを中継ノード装置10−14へポートP2を介して送信する(p2235)。中継ノード装置10−14は、中継ノード装置10−10から起動通知フレームを受信することによって、中継ノード装置10−10が電源供給を受けて起動したと判定する。
中継ノード装置10−14は、ゲートウェイ装置20を宛先として電源投入応答フレームを送信する(p2236)。中継ノード装置10−14のポートP3を介して送信された電源投入応答フレームは、中継ノード装置10−13、10−9、10−5、および10−1での中継処理を経て(p2237〜p2240)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した電源投入応答フレームを参照して、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電力供給により中継ノード装置10−10が起動したと判定する。そして、ルーティング制御部235は、図23に示すように、繰上げ後の優先順位が1位の伝送ルートの電源ラインフラグを「1」に設定する(p2241)。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−6のポートP1を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを生成して送信する(p2242)。中継ノード装置10−1および中継ノード装置10−5は、受信した電源停止指示フレームの宛先をそれぞれ判別して転送する(p2243〜p2246)。そして、中継ノード装置10−6は、ゲートウェイ装置20から送信された電源停止指示フレームを受信する。
中継ノード装置10−6の電力供給制御部137は、受信した電源停止指示フレームの指示に従って、ポートP1を介した電力供給を停止する(p2247)。この結果、中継ノード装置10−6のポートP1を介した中継ノード装置10−1への電力供給は停止する(p2248、p2249)。
以上の説明のように、実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム1内に生じた電力供給ラインの障害を検出し、電力供給ラインを迂回路に適切に切り替えることができる。
次に、第2の具体例として、中継ノード装置10の通信機能に障害が発生した場合について説明する。図25は、通信障害が発生した場合の障害検出処理およびルーティング変更処理の説明図である。図26Aおよび図26Bは、通信障害が発生した場合の障害検出処理およびルーティング変更処理の例示的シーケンス図である。
例えば、図25に示すように、中継ノード装置10−6の通信機能に障害が発生したと仮定する。この場合、中継ノード装置10−10は、経路40−12を介してフレームを受信することはできないが、中継ノード装置10−6からの電力供給を経路40−12を介して受けることは依然として可能である。
そこで、図26に示すように、中継ノード装置10−5は、タイマ138の起動(p2602)と共に、ポートP3を介してヘルスフレーム要求フレームを送信しても(p2601)、タイマ138により監視される所定時間内にポートP3を介してヘルスフレームを受信することはできない。
そこで、中継ノード装置10−5のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−5のポートP3の接続状態に障害が発生したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成する(p2603)。生成される状態変移通知フレームのGWネットワークIDは、中継ノード装置10−5が管理するGWルーティング管理テーブル136aの優先順位1位のGWネットワークIDであり、例えば、図25の丸数字7で示す伝送ルートのIDである。
中継ノード装置10−5は、生成された状態変移通知フレームを送信し(p2604)、伝送ルート中の中継ノード装置10−1は、受信した状態変移通知フレームの宛先を判別して転送する(p2605〜p2606)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−5から送信された状態変移通知フレームを受信する。
ルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−5の送信ポートP3の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP3の接続先が中継ノード装置10−6であることを特定する(p2607)。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5の送信ポートP3の接続状態の障害原因が、中継ノード装置10−5と中継ノード装置10−6との間の電力供給機能の障害なのか通信機能の障害なのかを判定するために、中継ノード装置10−6と接続する隣接の中継ノード装置10−2および10−10からの状態変移通知フレームの受信を所定時間待ち合わせる(p2608)。仮に、中継ノード装置10−2および10−10からの状態変移通知フレームを所定時間内に受信した場合、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10に正常に電力供給がなされていると判定できる。すなわち、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6の通信機能の障害であると判定し得る。また、仮に、中継ノード装置10−2からの状態変移通知フレームのみを所定時間内に受信した場合、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5と中継ノード装置10−6との間の電力供給機能の障害であると判定し得る。
前述のように、本具体例では、中継ノード装置10−6の通信機能に障害発生している。このため、中継ノード装置10−10は、タイマ138の起動(p2610)と共にヘルスフレーム要求フレームをポートP1を介して送信しても(p2609)、タイマ138により監視される所定時間内にヘルスフレームをポートP1を介して受信できない。
中継ノード装置10−10は、自ノード装置のポートP1の接続状態に障害が発生したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成する(p2611)。例えば、中継ノード装置10−10が図17に示したGWネットワーク管理テーブル136aを有する場合、本具体例では、GWルーティング管理テーブル136aの優先順位1位の伝送経路中に障害が発生している。そこで、図24に示したGWルーティング管理テーブル136aと同様に、中継ノード装置10−10のルーティング制御部135は、優先順位1位の伝送ルートのデータを削除し、優先順位2位以降の次順位以降の伝送ルートのデータを繰り上げる。そして、ルーティング制御部135は、生成される状態変移通知フレームのGWネットワークIDとして、図25の丸数字8で示す伝送ルートのIDで示される繰上げ後の優先順位1の伝送ルートを用いる。
中継ノード装置10−10は、生成された状態変移通知フレームを送信し(p2612)、伝送ルート中の中継ノード装置10−14、10−13、10−9、10−5、および10−1は、受信した状態変移通知フレームの宛先をそれぞれ判別して転送する(p2613〜p2622)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−10から送信された状態変移通知フレームを受信する。
ルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−10の送信ポートP1の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP1の接続先が中継ノード装置10−6であることを特定する(p2623)。
中継ノード装置10−10と同様に、中継ノード装置10−2は、ポートP2の接続状態の障害を検出する。そして、中継ノード装置10−2は、例えば、図25の丸数字9で示す伝送ルートで状態変移通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(図26Aおよび図26Bには明示せず)。ルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−2の送信ポートP2の接続状態に障害が発生したこと、および送信ポートP2の接続先が中継ノード装置10−6であることを特定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−5、10−10および10−2からそれぞれ送信された状態変移通知フレームに示された障害原因が中継ノード装置10−6の通信機能の障害であると判定する。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236aを参照する。そして、図23に示すルーティング管理テーブル236aと同様に、ルーティング制御部235は、電力供給ラインである優先順位1位の伝送ルートを削除し、優先順位2位以降の伝送ルートを繰り上げる。ルーティング制御部235は、繰上げ後の優先順位が1位の伝送ルートを新たな電力供給ラインとして選択する(p2624)。なお、本具体例では、電力供給機能に障害が発生していない。そこで、実施形態によっては、ルーティング制御部235は、優先順位1位の伝送ルートをそのまま電力供給ラインとして用いるように設定し、フレームの伝送ルートを迂回経路に変更するために、優先順位2位以降の伝送ルートの優先順位を繰り上げてもよい。
本実施形態では、ルーティング制御部235は、繰上げ後の優先順位1位の伝送ルートを電力供給ラインとするルーティング変更処理を開始する。本具体例では、繰上げ後の優先順位1位の伝送ルートは、図18の丸数字2で示されるルートである。図18の丸数字2で示されるルートの中で、矢印で示される電力供給ラインが確立していない経路は、中継ノード装置10−14から中継ノード装置10−17への経路40−17である。そこで、ルーティング制御部235は、タイマ238の起動(p2626)と共に、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームを生成する。そして、送信フレーム制御部232は、生成された電源投入指示フレームを送信する(p2625)。
ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、および10−13における中継処理を経て(p2627〜p2630)、中継ノード装置10−14により受信される。
中継ノード装置10−14の電力供給制御部137は、受信した電源投入指示フレームに従って、給電スイッチSf2をオン状態にしてポートP2を介した電力供給を開始する(p2631)。中継ノード装置10−10は、中継ノード装置10−14からの電力供給を経路40−17を介して受ける(p2632)。
中継ノード装置10−14は、ポートP2を介した電力供給を開始したことを通知する電源投入応答フレームを送信する(p2633)。そして、中継ノード装置10−14から送信された電源投入応答フレームは、中継ノード装置10−13、10−9、10−5、および10−1での中継処理を経て(p2634〜p2637)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した電源投入応答フレームを参照して、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電力供給が開始されたと判定する。そして、ルーティング制御部235は、図23に示すように、繰上げ後の優先順位が1位の伝送ルートの電源ラインフラグを「1」に設定する(p2638)。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−5のポートP3を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを生成して送信する(p2639)。中継ノード装置10−1は、受信した電源停止指示フレームの宛先を判別して転送する(p2640〜p2641)。そして、中継ノード装置10−5は、ゲートウェイ装置20から送信された電源停止指示フレームを受信する。
中継ノード装置10−5の電力供給制御部137は、受信した電源停止指示フレームの指示に従って、ポートP3からの電力供給を停止する(p2642)。この結果、中継ノード装置10−5のポートP3を介した中継ノード装置10−6への電力供給は停止し(p2643)、起動中の中継ノード装置10−6は停止する(p2644)。
中継ノード装置10−5は、ポートP3を介した電力供給を停止したことを示す電源停止応答フレームを生成して送信する(p2645)。電源停止応答フレームは、中継ノード10−1での中継処理を経て(p2646)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ルーティング制御部235は、電源停止応答フレームの受信により中継ノード装置10−5のポートP3からの電力供給が停止されて、中継ノード装置10−6が停止したと判定する。そして、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6に対するルーティング管理テーブル236aに中継ノード装置10−6が停止中であることを示すデータを付加する(p2647)。
以上の説明のように、実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム内に生じた通信障害を検出し、電力供給ラインおよび/または通信経路を迂回路に適切に切り替えることができる。
<<障害復旧検出処理およびルーティング変更処理>>
実施形態では、有線アドホックネットワークシステム内で発生した前述のような電力供給機能および/または通信機能の障害が復旧した場合、障害復旧を検出して障害発生前の伝送ルートに戻すことが可能である。
図27は、障害復旧検出処理およびルーティング変更処理の説明図である。図28Aおよび図28Bは、障害復旧の際のルーティング変更処理の例示的シーケンス図である。
例えば、経路40−12の断線等に起因して図21に示したような電力供給機能の障害が発生した後、経路40−12の修復により経路40−12の電力供給機能の障害が復旧したとする。
この場合、図28に示すように、中継ノード装置10−6は、タイマ138の起動(p2802)と共にポートP1を介してヘルスフレーム要求フレームを送信すると(p2801)、タイマ138により監視される所定時間内にポートP1を介してヘルスフレームを受信できる(p2803)。
そこで、中継ノード装置10−6のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−6のポートP1の接続状態が復旧したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成する(p2804)。生成される状態変移通知フレームのGWネットワークIDは、GWルーティング管理テーブル136aの優先順位1位のGWネットワークIDであり、例えば、図27の丸数字10で示す伝送ルートのIDである。
中継ノード装置10−6は、生成された状態変移通知フレームを送信する(p2805)。伝送ルート中の中継ノード装置10−5および中継ノード装置10−1は、受信した状態変移通知フレームの宛先をそれぞれ判別して転送する(p2806〜p2809)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−6から送信された状態変移通知フレームを受信する。
ルーティング制御部235は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−6の送信ポートP1の接続状態が復旧したこと、および送信ポートP1の接続先が中継ノード装置10−10であることを特定する(p2810)。
ゲートウェイ装置20は、タイマ238の起動(p2812)と共に、中継ノード装置10−6のポートP1を介した電力供給を指示する電源投入指示フレームを生成して送信する(p2811)。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、中継ノード装置10−1および10−5を経て(p2813、p2814)、中継ノード装置10−6により受信される。
中継ノード装置10−6の電力供給制御部137は、ポートP1を介した電力供給を開始する(p2815)。この結果、中継ノード装置10−10は、経路40−12を介して電力の供給を受ける(p2816)。
中継ノード装置10−6は、ポートP1を介した電力供給を開始したことを通知する電源投入応答フレームを生成して送信する(p2817)。中継ノード装置10−6から送信された電源投入応答指示フレームは、中継ノード装置10−5および10−1を経て(p2818、p2819)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−6から送信された電源投入応答指示フレームの受信により、経路40−12を介した中継ノード装置10−10への電力供給が正常に行なわれたと判定する。ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236aを参照する。そして、ルーティング制御部235は、優先順位が1位以降の伝送ルートを繰り下げ、電力供給ラインとして新たに確立した経路を含む伝送ルートを優先順位1位とする変更処理を行う(p2820)。本具体例では、優先順位1位の伝送ルートは、図18の丸数字1で示されるルートである。なお、実施形態によっては、ルーティング制御部235は、優先順位が1位以降の伝送ルートの後に、電力供給ラインとして新たに確立した経路を含む伝送ルートを追加してもよい。この場合は、フレーム伝送に用いられる優先順位1位の伝送ルートは変更されない。
ルーティング制御部235は、タイマ238の起動(p2822)と共に、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電力供給の停止を指示する電源停止指示フレームを生成して送信する(p2821)。ゲートウェイ装置20から送信された電源停止指示フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、および10−13での中継処理を経て(p2823〜p2830)、中継ノード装置10−14により受信される。
中継ノード装置10−14の電力供給制御部137は、ポートP2を介した電力供給を停止する(p2831)。この結果、中継ノード装置10−10は、経路40−17を介した電力の供給を受けなくなる。
中継ノード装置10−10のルーティング制御部135は、GWルーティング管理テーブル136a内の優先順位1位の以降の伝送ルートを繰り下げ、ポートP1からの電源供給ラインを含む新たな伝送ルートを優先順位1位とする変更処理を行う(p2832)。この結果、中継ノード装置10−10が有するGWルーティング管理テーブル136aは、例えば、図17のように障害発生前と同じテーブルとなる。なお、実施形態によっては、ルーティング制御部135は、優先順位1位の以降の伝送ルートの後にポートP1からの電源供給ラインを含む新たな伝送ルートを追加してもよい。この場合は、フレーム伝送に用いられる優先順位1位の伝送ルートは変更されない。
中継ノード装置10−14は、ポートP2を介した電源供給を停止したことを通知する電源停止応答フレームを生成して送信する(p2833)。中継ノード装置10−14から送信された電源停止応答フレームは、中継ノード装置10−13、10−9、10−5、および10−1での中継処理を経て(p2834〜p2837)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ルーティング制御部235は、受信した電源停止応答フレームを参照して、中継ノード装置10−14のポートP2を介した電源供給が停止したと判定する。そして、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236a内の優先順位が1位の伝送ルートの電源ラインフラグを「1」に設定する(p2838)。この結果、中継ノード装置10−10に対するルーティング管理テーブル236aは、例えば、図16のように障害発生前と同じテーブルとなる。
以上の説明のように、実施形態に従えば、有線アドホックネットワークシステム内に生じた伝送ルートの障害復旧を検出し、電力供給ラインおよび/伝送ルートを適切に切り替えることができる。
<<中継ノード装置増設処理>>
実施形態では、前述したような電源投入処理により基本区域内の各中継ノード装置への電力供給ラインが確立した後に中継ノード装置が増設された場合であっても、増設された中継ノード装置への電源供給ラインを確立することが可能である。例えば、給電装置30−1の電力供給量に余裕があるならば、電源供給ラインの確立後に中継ノード装置10−21がエリア1内に増設された場合であっても、中継ノード装置10−21への電源供給ラインを確立することが可能である。
実施形態に従った中継ノード装置増設処理の第1例および第2例を以下に説明する。
図29は、増設中継ノード装置に対する電力供給制御処理の第1例の説明図である。
図29は、図11に示した有線アドホックネットワークシステム1(エリア1)の一部を示す。図29に示した有線アドホックネットワークシステム1内の中継ノード装置10−17の未使用ポートP2を用いて追加の中継ノード装置10−Aを増設する一例を以下に説明する。
まず、有線アドホックネットワークシステム1内の中継ノード装置10−17の未使用のポートP2に追加の経路40−Aを接続する。また、追加の中継ノード装置10−Aの任意のポートであるポートP1を追加の経路40−Aと接続する。
次に、図29に示すように、ゲートウェイ装置20は、ポートP2を介した電力供給の開始を指示する電源投入指示フレームを中継ノード装置10−17へ送信する。
電源投入指示フレームを受信した中継ノード装置10−17は、ポートP2を介した電力供給を開始する。この結果、追加の中継ノード装置10−Aは、ポートP1を介して電源供給を受けて起動する。
起動した追加の中継ノード装置10−Aは、図29に示すように、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを送信する。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−AのIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−Aに対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ゲートウェイ装置20は、送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−AへのネットワークIDを作成する。そして、ゲートウェイ装置20は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納し、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する。
そして、ゲートウェイ装置20は、起動通知応答フレームを生成し、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−Aへ送信する。
中継ノード装置10−Aは、受信した起動通知応答フレームを参照し、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する。
以上のような中継ノード装置10−Aへの電源投入処理によって経路40−Aが電力供給ラインとして確立する。
図30は、増設中継ノード装置に対する電力供給制御処理の第2例の説明図である。
図30は、図29と同様、図11に示した有線アドホックネットワークシステム1(エリア1)の一部を示す。
まず、中継ノード装置10−17の未使用ポートP2の給電スイッチSf2をオン状態する。例えば、前述した電源投入処理において、電源投入指示フレームをゲートウェイ装置20から受信した際に中継ノード装置10が未使用ポートへの電力の出力を停止しないように構成されている場合には、各中継ノード装置10の未使用ポートの給電スイッチは既にオン状態になっている。また、電源投入指示フレームを受信した際に中継ノード装置10が未使用ポートへの電力の出力を停止するように構成されている場合には、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−17へ電源投入指示フレームを新たに送信する。
次に、有線アドホックネットワークシステム1内の中継ノード装置10−17の未使用のポートP2に追加の経路40−Aを接続する。また、追加の中継ノード装置10−Aの任意のポートであるポートP1を追加の経路40−Aと接続する。この結果、追加の中継ノード装置10−Aは、ポートP1を介して電源供給を受けて起動する。
起動した追加の中継ノード装置10−Aは、図30に示すように、ゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを送信する。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−AのIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−Aに対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−AへのネットワークIDを作成する。そして、ゲートウェイ装置20は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納し、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する。
そして、ゲートウェイ装置20は、起動通知応答フレームを生成し、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−Aへ送信する。
中継ノード装置10−Aは、受信した起動通知応答フレームを参照し、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する。
以上のような中継ノード装置10−Aへの電源投入処理によって経路40−Aが電力供給ラインとして確立する。
以上の説明のように、実施形態に従えば、各中継ノード装置への電力供給ライン確立後に有線アドホックネットワークシステム内に中継ノード装置が増設された場合であっても、増設された中継ノード装置への電源供給ラインを確立することができる。また、増設された中継ノード装置への電源投入処理を通じて、電力供給制御装置の一例であるゲートウェイ装置と増設された中継ノード装置との間のルーティングパスを確立することができる。
なお、基本区域であるエリア1での給電装置30−1から中継ノード装置10−1〜10−20への電力供給制御処理について上述した。仮に、有線アドホックネットワークシステム1が上述した基本区域のみから構成される場合、各中継ノード装置10は、中継ノード装置10への受電を制御するために必要な機能を有しなくてもよい。例えば、中継ノード装置10は、受電スイッチSr1〜Sr3を有しなくてもよく、隣接の装置から常に受電できるように構成されてよい。また、中継ノード装置10に接続された給電装置30からの受電を制御するために必要なアドホックフレームやアドホックフレーム内のフィールドは、不要とし得る。例えば、図6(i)に示した電源切替完了通知フレームは、不要とし得る。また、図6(b)に示した起動通知フレーム内の電源供給可能フラグフィールドや、図6(c)に示した起動通知応答フレーム内の電源供給指示フラグフィールドは、不要とし得る。
<拡張区域における電力供給制御処理>
次に、給電装置30−2から中継ノード装置10−21〜10−32へのエリア2での電力供給制御処理について説明する。
拡張区域であるエリア2での電力供給制御処理は、基本区域であるエリア1内の電力供給ライン確立後に実施され得る。以下の説明において、エリア1内に確立された電力供給ラインは、図11に示した電力供給ラインであると仮定し、エリア1内における優先順位1のフレーム伝送ルートは、図11に示した電源供給ラインと同じであると仮定する。
<<電源投入処理>>
実施形態の電源投入処理を図31〜図32をさらに参照しながら説明する。
図31A〜図31Dは、ノード21への電源投入処理からノード25への電源投入処理までの処理シーケンスの例図である。図32は、ノード21およびノード25への電源投入処理時に送受信されるアドホックフレームの説明図である。なお、説明を明確にするために、図32では、図6に示したアドホックフレーム中の一部のフィールドの図示を省略している。
まず、前述した電力供給制御処理によってエリア1内における電力供給ラインが確立した後、エリア2に含まれる中継ノード装置10−21〜10−32は、有線アドホックネットワークシステム1内に設置される。図1に示すように、中継ノード装置10−21は、ポートP1を介して給電装置30−2と接続されている。
エリア2内の中継ノード装置10−21〜10−32は、有線アドホックネットワークシステム1内への設置時に次のように設定されている。
中継ノード装置10−21の全ての給電スイッチSf1〜Sf3は、オフに設定され、中継ノード装置10−21は、ポートP1〜P3を介して隣接中継ノード装置10へ給電できない状態に設定されている。また、受電スイッチSr1はオフに設定され、中継ノード装置10−21は、ポートP1を介して接続された給電装置30−1から受電できない状態に設定されている。受電スイッチSr2およびSr3は、オンに設定され、中継ノード装置10−21は、ポートP2およびP3を介して隣接中継ノード装置10から受電できる状態に設定されている。
ポートを介して給電装置30と接続されていないその他の中継ノード装置10−22〜10−32の給電スイッチSf1〜Sf3は、オフに設定される。中継ノード装置10−22〜10−32は、ポートP1〜P3を介して隣接中継ノード装置10へ給電できない状態に設定されている。また、中継ノード装置10−22〜10−32の受電スイッチSr1〜Sr3は、オンに設定され、中継ノード装置10−22〜10−32は、ポートP1〜P3を介して隣接中継ノード装置10から受電できる状態に設定されている。
エリア2内の中継ノード装置10−21〜10−32が設置された後、図31に示すように、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21に対する電源投入処理を開始する。すなわち、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21と接続する隣接の中継ノード装置10−17に対する電源投入指示フレームを生成し、生成された電源投入指示フレームをポートP2を介して送信する(p3101)。電源投入指示フレームの一例を図32(a)に示す。
図32(a)に示すように、電源投入指示フレーム内の電源投入ポート番号フィールドには、中継ノード装置10−21への出力ポートであるポートP2の番号を示す「2」が設定される。中継ノード装置10−21への出力ポートがポートP2であることは、中継ノード装置10−21を有線アドホックネットワークシステム1内に設置する際に特定できる。なお、図32(a)に示した一例とは異なり、実施形態によっては、電力供給を受けているポート以外の全てのポートを指す電源投入規定値が設定されてもよい。
ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、および10−13により転送され(p3102)、中継ノード装置10−17により受信される。
中継ノード装置10−17は、受信した電源投入指示フレームに従って、中継ノード装置10−21に対する電源投入を監視するためにタイマ138を起動する(p3103)。また、中継ノード装置10−17は、給電スイッチSf2をオンにしてポートP2を介した電力供給を開始する(p3104)。
中継ノード装置10−21は、中継ノード装置10−17からの電力供給をポートP2を介して受けて起動する(p3105)。
中継ノード装置10−21のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成する(p3106)。生成される起動通知フレームの一例を図32(b)に示す。図32(b)に示すように、電源供給可能フラグフィールドには、中継ノード装置10−21に接続された給電装置30−2からの電力供給が可能であることを示すフラグ「1」が設定される(p3107)。送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するよう制御する(p3108)。
中継ノード装置10−21が起動通知フレームを送信する際に、隣接する中継ノード装置10−25は、起動していない。このため、中継ノード装置10−21のポートP3から送信された起動通知フレームは、破棄される。また、中継ノード装置10−21のポートP1は、給電装置30−2と接続されているため、ポートP1から送信された起動通知フレームは、破棄される。
中継ノード装置10−17は、中継ノード装置10−21から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。中継ノード装置10−17は、起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドを参照することにより、起動通知フレームが中継ノード装置10−21から送信されたと判定し、ポートP2を介した電力供給により中継ノード装置10−21が起動したと判定し得る。また、中継ノード装置10−17は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照することにより、起動通知フレームを送信した中継ノード装置10−21の送信ポートがポートP2であると判定し得る(p3109)。
中継ノード装置10−17のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−21から受信した起動通知フレームが示すホップ数を1つインクリメントし(p3110)、中継ノード装置10−17の送受信ポート番号を示すデータを起動通知フレーム内に追加する(p3111)。また、ルーティング制御部135は、ポートを介した電力供給によって隣接中継ノード装置10が起動したことを示す「1」を電源ラインフラグに設定する(p3112)。そして、ルーティング制御部135は、電源投入指示フレームの送信元であるゲートウェイ装置20へ起動通知フレームを転送する(p3113)。図32(c)は、中継ノード装置10−17により転送される起動通知フレームの一例である。
中継ノード装置10−17により転送された起動通知フレームは、中継ノード装置10−13、10−9、10−5、および10−1により転送され(p3114)、ゲートウェイ装置20へ送信される。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21から送信された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドおよび電源ラインフラグを参照することにより、起動通知フレームにより示される経路を通じた電力供給によって中継ノード装置10−21が起動したと判定し得る。
ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−5のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−21へのネットワークIDを作成する。そして、ルーティング制御部235は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納する(p3115)。ルーティング制御部235は、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する(p3116)。
ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームの電源供給可能フラグフィールドを参照し、電力供給可能フラグが「1」であることを識別する。そこで、中継ノード装置10−21の起動後、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21に対して実施形態に従った電源切替処理を実行する。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21を宛先とする起動通知応答フレームを生成し、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−21へ送信する(p3117)。生成および送信される起動通知応答フレームの一例を図32(d)に示す。図32(d)に示すように、起動通知応答フレームの電源供給指示フラグフィールドには、中継ノード装置10に接続された給電装置30からの電力供給の開始を指示するフラグ「1」が設定される。
ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、10−13、10−17によりネットワークIDが更新されながら転送され(p3118〜p3120)、中継ノード装置10−21へ送信される。
中継ノード装置10−21は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームを受信する。中継ノード装置10−21が受信した起動通知応答フレームの一例を図32(e)に示す。
中継ノード装置10−21のルーティング制御部135は、受信した起動通知応答フレームを参照して、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10−21までのホップ数などのデータをGWルーティング管理テーブル136aに格納する(p3121)。
中継ノード装置10−21の電力供給制御部137は、受信した起動通知応答フレーム内の電源供給指示フラグが電力供給を指示するフラグ「1」であることから、受電スイッチSr1をオンに切り替え、受電スイッチSr2をオフに切り替える。また、電力供給制御部137は、受電スイッチSr3をオフに切り替える(p3122)。受電スイッチSr2の切替処理によって、中継ノード装置10−21は、ポートP2を介した中継ノード装置10−17からの受電から、ポートP1を介した給電装置30−2からの受電に切り替えられる。また、受電スイッチSr3の切り替え処理によって、ポートP3を介した他の装置からの受電が阻止される。これらの受電スイッチの切替処理によって、中継ノード装置10−21を介して給電装置30−2から中継ノード装置10−22〜10−32への電力供給の開始が可能な状態になる。
中継ノード装置10−21のルーティング制御部135は、電源切替完了通知フレームを生成する。送信フレーム制御部132は、生成された電源切替完了通知フレームをポートP2を介して送信するように制御する(p3123)。図32(f)は、中継ノード装置10−21によって生成および送信される電源切替完了通知フレームの一例である。
中継ノード装置10−21から送信された電源切替完了通知フレームは、中継ノード装置10−17、10−13、10−9、10−5、および10−1によってホップ数をインクリメントされながら転送される(p3124〜p3126)。図32(g)は、中継ノード装置10−17によって転送される電源切替完了通知フレームの一例である。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21から送信された電源切替完了通知フレームを受信する。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21に対する電源投入指示フレームを生成し、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−21へ送信する(p3127)。図32(h)は、ゲートウェイ装置20によって生成および送信される電源切替完了通知フレームの一例である。
ゲートウェイ装置20から送信された電源切替完了通知フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、10−13、および10−17によってネットワークIDが更新されながら転送され(p3128〜p3130)、中継ノード装置10−21により受信される。
中継ノード装置10−21は、ポートを介した隣接中継ノード装置10への電力供給を実施する対象ポートを検索する(p3131)。例えば、ポート番号の降順で実施対象のポートが検索される場合、ポートP1は、給電装置30−2と接続されたポートであることから、中継ノード装置10−21の電力供給制御部137は、ポートP1を実施対象のポートではないと判定する。また、ポートP2は、電力供給開始後所定時間経過後しても起動通知フレームが受信されないポートであることから、電力供給制御部137は、ポートP2を実施対象のポートではないと判定する。そして、中継ノード装置10−21は、電力供給状況を監視するためにタイマ138を起動すると共に(p3132)、給電スイッチSf3をオンにして、ポートP3を介した電力供給を開始する(p3133)。
中継ノード装置10−25は、中継ノード装置10−21からの電力供給をポート1を介して受けて起動する(p3134)。中継ノード装置10−25のルーティング制御部135は、起動通知フレームを生成する(p3135)。送信フレーム制御部132は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信するよう制御する(p3136)。中継ノード装置10−25が起動通知フレームを送信した際に、隣接の中継ノード装置10−26および中継ノード装置10−29は、起動していない。このため、中継ノード装置10−25のポートP2およびポートP3からそれぞれ送信された起動通知フレームは、破棄される。
中継ノード装置10−21は、中継ノード装置10−25のポートP1から送信された起動通知フレームをポートP3を介して受信する。中継ノード装置10−21は、起動通知フレームの送り元ノードIDフィールドを参照することにより、起動通知フレームが中継ノード装置10−25から送信されたと判定し、ポートP3を介した電力供給により中継ノード装置10−25が起動したと判定し得る。また、中継ノード装置10−21は、起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照することにより、起動通知フレームを送信した中継ノード装置10−25の送信ポートがポートP1であると判定し得る(p3137)。
中継ノード装置10−21のルーティング制御部135は、中継ノード装置10−25から受信した起動通知フレームが示すホップ数を1つインクリメントし(p3138)、中継ノード装置10−21の送受信ポート番号を示すデータを起動通知フレーム内に追加する(p3139)。また、ルーティング制御部135は、中継ノード装置10−21のポートを介した電力供給によって隣接中継ノード装置10が起動したことを示す「1」を電源ラインフラグに設定する(p3140)。そして、ルーティング制御部135は、電源投入指示フレームの送信元であるゲートウェイ装置20へ向けて起動通知フレームを転送する(p3141)。
中継ノード装置10−21により転送された起動通知フレームは、中継ノード装置10−17、10−13、10−9、10−5、および10−1によってホップ数のインクリメントと送受信ポート番号の追加とが実行されて転送される(p3142〜p3145)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−1から転送された起動通知フレームをポートP2を介して受信する。
ゲートウェイ装置20のルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−25のIDおよびホップ数を、中継ノード装置10−25に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。また、ルーティング制御部235は、受信した起動通知フレームの送受信ポート番号フィールドを参照して、中継ノード装置10−25へのネットワークIDを作成する。そして、ルーティング制御部235は、作成されたネットワークIDをルーティング管理テーブル236aに格納すると共に、作成されたネットワークIDにより示される経路に電力供給ラインが確立したことを示す電源ラインフラグを設定する(p3145)。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−25を宛先とする起動通知応答フレームを生成し、生成された起動通知応答フレームをポートP2を介して中継ノード装置10−25へ送信する(p3146)。送信された起動通知応答フレームは、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、10−13、10−17、および10−21により転送されて(p3147〜p3151)、中継ノード装置10−25により受信される。
中継ノード装置10−25は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWネットワークIDおよびホップ数をGWルーティング管理テーブル136aに格納する(p3152)。そして、中継ノード装置10−25は、受信した起動通知応答フレームに従って、中継ノード装置10−25と接続された隣接の中継ノード装置10−26および10−29に対する電源供給を開始する。
図31Dに示した処理p3154〜p3159を含め、エリア2内の各中継ノード装置10−22〜10−32に対する電源投入処理は、前述した基本区域における電源投入処理と同様の手順で行われ得る。
また、エリア2内における電源投入処理が実行された後、エリア3内の中継ノード装置10−33〜10−40が有線アドホックネットワークシステム1に設置される。
中継ノード装置10−29は、ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームに従って、ポートP1を介した電力供給を開始する。給電装置30−3と接続された中継ノード装置10−33は、中継ノード装置10−29からの電力供給をポートP2を介して受けて起動する。中継ノード装置10−33は、電源供給可能フラグが「1」に設定された起動通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。ゲートウェイ装置20は、電源供給指示フラグが「1」に設定された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−33へ送信する。中継ノード装置10−33は、受信した起動通知応答フレーム内の電源供給指示フラグに従って、受電スイッチSr1をオンへ切り替え、受電スイッチSr2およびSr3をオフに切り替える。受電スイッチの切替処理により、給電装置30−3からエリア3内の中継ノード装置10−34〜10−40への電力供給が開始可能な状態になる。以後、エリア3内における電源投入処理は、前述したエリア2内における電源投入処理と同様の手順で行われ得る。
図33は、エリア1〜エリア3内に確立した電力供給ラインの例図である。図33において、各中継ノード装置10内に付された丸数字は、ゲートウェイ装置20からのホップ数を表す。各中継ノード装置10に付された丸数字の枝番号は、ホップ数が同じ中継ノード装置10の内、電源投入処理による中継ノード装置10の起動順序を表す。矢印で示された経路40は、電力供給ラインとして確立した経路を表し、その矢印の方向は、給電装置30−1〜30−3からの電力供給の方向を表す。棒線で示されたその他の経路40は、迂回路として設定された経路を表す。
なお、図31〜図32を参照しながら前述した処理フローは、実施形態に従った電源投入処理の一例にすぎず、必要に応じて変更することが可能である。例えば、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームを受信しなくても、中継ノード装置10−21が自律的に給電装置30−2からの受電を開始するように変更してもよい。変更例は、次のように説明できる。中継ノード装置10−21が中継ノード装置10−17に接続された後、中継ノード装置10−17は、ポートP2を介してヘルスフレーム要求フレームを送信する。中継ノード装置10−21は、中継ノード装置10−17から送信されたヘルスフレーム要求フレームをポートP2を介して受信する。そして、中継ノード装置10−21は、ヘルスフレーム要求フレームの受信を契機に受電スイッチSr1をオンに切り替えて、給電装置30−2からの受電を開始する。
図31および図32を参照しながら前述した拡張区域における中継ノード装置10の処理フローの一例を図34に示す。
図34A〜図34Dは、拡張区域における中継ノード装置の電源投入処理フローの例図である。図34A〜図34Dには、実施形態に従った電源投入処理中に中継ノード装置10が他の装置(中継ノード装置10およびゲートウェイ装置20)からフレームを受信した場合の処理フローの一例が示されている。
図34A〜図34Dに示した処理フローにおいて、図12Aおよび図12Bに示した処理フローと同じ処理については、同じ参照符号がふられている。説明を明確にするために、以下では、図12Aおよび図12Bを参照しながら説明した処理と同様の処理については説明を繰り返さない。
図34Aに示すように、受信したフレームが電源投入指示フレームである場合、中継ノード装置10は、ステップS3400Aの処理を実行する。一方、受信したフレームが起動通知応答フレームである場合、中継ノード装置10は、ステップS3400Bの処理を実行する。
まず、受信したフレームが電源投入指示フレームである場合(ステップS3400A)、中継ノード装置10は、自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10であるか否かを判定する(s3401)。
自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10でない場合(ステップs3401で“NO”)、中継ノード装置10は、前述したステップs1219以降の処理を実行する。
一方、自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10である場合(ステップs3401で“YES”)、中継ノード装置10は、ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームを受信済みであるか否かを判定する(s3402)。
起動通知応答フレームを受信済みでない場合(ステップs3402で“NO”)、中継ノード装置10は、受信したフレームを破棄する(s3403)。そして、中継ノード装置10は、他の装置から送信されたフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
一方、起動通知応答フレームを受信済みである場合(ステップs3402で“YES”)、中継ノード装置10は、実施形態に従った電源切替処理および電源投入処理を実行するために、給電装置30が接続されたポートを検索する。例えば、図34Cおよび図34Dに示すように、電力供給制御部137は、ポート番号の降順に、給電装置30が接続されたポートを検索する。
電力供給制御部137は、自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP1であるか否かを判定する(s3404)。
自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP1である場合(ステップs3404で“YES”)、電力供給制御部137は、給電装置30が接続されたポートがポートP2であるか否かを判定する(s3405)。
給電装置30が接続されたポートがポートP2である場合(ステップs3405で“YES”)、電力供給制御部137は、受電スイッチSr2をオンに制御し、受電スイッチSr1およびSr3をオフに制御する(s3406)。これらの受電スイッチの切替処理によって、中継ノード10は、自ノード装置10が起動した時のポート1を介した受電から、自ノード装置10に接続された給電装置30からのポート2を介した受電へ切り替える。
ステップs3406での電源切替処理の実行後、ルーティング制御部135は、電源切替完了通知フレームを生成する。そして、送信フレーム制御部132は、生成された電源切替完了通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信するように制御する(s3407)。
ルーティング制御部135は、ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームを受信済みであるか否かを判定する(s3408)。
電源投入指示フレームを受信していない場合(ステップs3408で“NO”)、中継ノード装置10は、受信されたパケットを破棄する(s3409)。そして、中継ノード装置10は、他の装置から送信された新たなフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
一方、電源投入指示フレームを受信済みである場合(ステップs3408で“YES”)、電力供給制御部137は、給電スイッチSf3をオンに制御し、ポートP3を介した電源投入処理を実行する(s3410)。そして、中継ノード装置10は、他の装置から送信された新たなフレームを受信する処理に戻る(s1229)。
給電装置30が接続されたポートがポートP2でない、すなわち、ポートP3である場合(ステップs3405で“NO”)、以後の処理(s3411〜3415)は、ステップs3406〜s3410での処理と同様の手順で実行される。
自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP1でない場合(ステップs3404で“NO”)、中継ノード装置10は、自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP2であるか否かを判定する(s3416)。
自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP2である場合(s3416で“YES”)、以後の処理(s3417〜s3426)は、ステップs3405〜s3414での処理と同様の手順で実行される。
一方、自ノード装置10が起動した際に電力供給を受けたポートがポートP2ではない、すなわち、ポートP3である場合(s3416で“NO”)、以後の処理(s3428〜s3437)は、ステップs3405〜s3414での処理と同様の手順で実行される。
次に、受信したフレームが起動通知応答フレームである場合(ステップS3400B)、中継ノード装置10は、自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10であるか否かを判定する(s3438)。
自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10でない場合(ステップs3438で“NO”)、前述したステップs1219以降の処理が実行される。
一方、自ノード装置10がポートを介して給電装置30が接続された中継ノード装置10である場合(ステップs3438で“YES”)、前述したステップs3404以降の処理が実行される。
以上の説明から理解し得るように、実施形態の有線アドホックネットワークシステム、電力供給制御装置、中継ノード装置、および電力供給制御プログラムに従えば、基本区域に関して得られる前述した効果と同様の効果を拡張区域内に関しても得ることができる。
また、実施形態に従えば、中継ノード装置の数に応じて必要な電力供給量が確保できるように複数の給電装置を設置できるので、多数の中継ノード装置を含む大規模な有線センサネットワークシステムを構築することができる。
<<電源投入処理での誤動作に対する耐久性>>
拡張区域内における電源投入処理は、図31〜図34を参照しながら前述した処理フローに従って実施し得る。また、以下に説明するように、実施形態に従った電源投入処理は、誤動作に対する耐久性を有する。
図35は、誤動作した場合の電源投入処理の第1の説明図である。図36は、誤動作した場合の電源投入処理の第2の説明図である。図37A〜図37Cは、誤動作した場合の電源投入処理のシーケンス図である。
図31〜図32を参照しながら前述したように、エリア2の中継ノード装置10−21〜20−32が有線アドホックネットワークシステム1内に設置された後、給電装置30−2が接続された中継ノード装置10−21を起動するために、ゲートウェイ装置20は、電源投入指示フレームを中継ノード装置10−17へ送信する。これに対し、ゲートウェイ装置20が、中継ノード装置10−18へ電源投入指示フレームを誤って送信したケースを図35〜図37を参照しながら説明する。
図37Aに示すように、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−18を宛先とする電源投入指示フレームを生成する。そして、ゲートウェイ装置20は、電源投入を監視するためにタイマ238を起動すると共に(p3701)、生成された電源投入指示フレームを送信する(p3702)。
ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、図35の点線の矢印(1)に示す経路で転送されて(p3703)、中継ノード装置10−18により受信される。中継ノード装置10−18は、受信した電源投入指示フレームに従って、起動通知を監視するためのタイマ138を起動する(p3704)。また、図35の矢印(2)に示すように、中継ノード装置10−18は、未起動の中継ノード装置10−22への電力供給をポートP1を介して開始する(p3705)。
中継ノード装置10−22は、中継ノード装置10−18からの電源供給をポートP3を介して受けて起動する(p3706)。中継ノード装置10−22は、起動通知フレームを生成する(p3707)。中継ノード装置10−21とは異なり、中継ノード装置10−22には、給電装置30が接続されていない。このため、中継ノード装置10−22により生成された起動通知フレームの電源供給可能フラグフィールドには、ポートを介して接続された給電装置30からの電力供給が不可であることを示すフラグ「0」が設定される。
中継ノード装置10−22は、生成された起動通知フレームを全てのポートP1〜P3から送信する(p3708)。中継ノード装置10−23および10−26が起動していないため、ポートP1およびポートP2からそれぞれ送信された起動通知フレームは、破棄される。
中継ノード装置10−18は、中継ノード装置10−22のポートP3から送信された起動通知フレームをポートP1を介して受信する。中継ノード装置10−18は、中継ノード装置10−22が起動したと判定し、また、中継ノード装置10−22がポートP3から起動通知フレームを送信したと判定し得る(p3709)。中継ノード装置10−18は、起動通知フレームの転送処理を実行し(p3710〜p3712)、起動通知フレームを転送する(p3713)。こうして、中継ノード装置10−22から送信された起動通知フレームは、図35の点線矢印(3)に示す経路で転送され(p3714)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの電源供給可能フラグを参照して、中継ノード装置10−22が給電装置30と接続された中継ノード装置10ではないと判定する。したがって、ゲートウェイ装置20は、給電装置30と接続されていない中継ノード装置10を起動するための電源投入指示フレームを誤って隣接中継ノード装置10へ送信したと判定できる。
このように、電源投入指示フレームの誤送信が判定された時点で、ゲートウェイ装置20は、エリア2内の電源投入処理を中断して、エリア2内の電源投入処理をやり直すことができる。しかしながら、以下で説明するように、ゲートウェイ装置20は、電源投入指示フレームの誤送信が判定された以降もエリア2内の電源投入処理を続行することができる。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−22に対するルーティング管理テーブル236aに各種データを格納する(p3715)。そして、ゲートウェイ装置20は、起動通知応答フレームを生成して、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−22へ送信する(p3716)。ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームは、図35の点線の矢印(4)の経路で転送され(p3717〜3719)、中継ノード装置10−22により受信される。中継ノード装置10−22は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWルーティング管理テーブル136aに各種データを格納する(p3720)。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−22を宛先とする電源投入指示フレームを生成する。そして、ゲートウェイ装置20は、電源投入を監視するためにタイマ238を起動すると共に(p3721)、生成された電源投入指示フレームを送信する(p3722)。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、図36の点線の矢印(5)に示す経路で転送され(p3723〜p3725)、中継ノード装置10−22により受信される。
中継ノード装置10−22は、受信した電源投入指示フレームに従って、電力供給未実施のポートを検索する(p3726)。例えば、中継ノード装置10−22は、ポート番号が小さいポートP1を電力供給未実施のポートとして抽出する。中継ノード装置10−22は、起動通知を監視するためのタイマ138を起動する(p3727)。そして、図36の矢印(6)に示すように、中継ノード装置10−22は、未起動の中継ノード装置10−22への電力供給をポートP1を介して開始する(p3728)。
図1の説明において前述したように、給電装置30−1は、エリア1〜エリア2内の全ての中継ノード装置10−1〜10−32が所定の動作をするのに必要な電力供給量を有しなくてもよい。例えば、給電装置30−1がエリア1内の中継ノード装置10−1〜10−20に加えてエリア2内の2つ以上の中継ノード装置10が起動するのに十分な電力供給能力を有しないと仮定する。この仮定のケースでは、中継ノード装置10−23は、中継ノード装置10−22からの電力供給をポートP3を介して受けても起動することができない。したがって、処理p3727で起動されたタイマ138が監視開始から所定時間を経過しても、中継ノード装置10−22は、起動通知フレームをポートP1を介して受信しない。同様の状態は、中継ノード装置10−22が電力供給をポートP2を介して行っても生じる。
また、処理p3721で起動されたタイマ238が監視開始から所定時間を経過しても、ゲートウェイ装置20は、起動通知フレームをポートP2を介して受信しない。そこで、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−22に指示した電源投入処理が実行不可と判定する(図37Cのp3729)。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−22に対する電源停止指示フレームを生成し、生成された電源停止指示フレームを送信する(p3730)。ゲートウェイ装置20により送信された電源停止指示フレームは、図36の点線の矢印(5)に示す経路で転送され(p3731〜p3732)、中継ノード装置10−22により受信される。
中継ノード装置10−22は、受信した電源停止指示フレームに従って、ポートを介した電力供給を停止する(p3733)。中継ノード装置10−22は、電源停止応答フレームを生成し、生成された電源停止応答フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(p3734)。中継ノード装置10−22により送信された電源停止応答フレームは、図36の点線の矢印(7)に示す経路で転送され(p3735〜p3736)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した電源停止応答フレームによって、中継ノード装置10−22による電力供給が停止されたと判定する(p3737)。そして、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−22以外のエリア2内の中継ノード装置10に対する電源投入処理を実行する。実行される電源投入処理は、前述した誤動作のない電源投入処理と同様の手順で実行され得る。
以上の説明から理解し得るように、実施形態に従った拡張区域内における電源投入処理は、誤動作に対する耐久性を有する。したがって、拡張区域を含む大規模有線アドホックネットワークシステムが構築される場合でも、電源投入処理における管理者の監視の負担を軽減できる。
<<電力供給ライン切替処理、障害検出処理、復旧検出処理、ルーティング変更処理、および中継ノード装置増設処理>>
拡張区域における電力供給ライン切替処理、障害検出処理、復旧検出処理、ルーティング変更処理、および中継ノード装置増設処理は、前述した基本区域におけるそれらの処理と同様の手順によって実現できる。
例えば、拡張区域における電力供給ライン切替処理は、図19および図20を参照しながら前述した基本区域における電力供給ライン切替処理と同様の手順によって、図33に示した電力供給ラインから図38に示す電源供給ラインへ変更することができる。
図38は、電力供給ライン変更処理後の電力供給ラインの例図である。図38に示した一例では、基本区域であるエリア1内において、中継ノード装置10−1、10−5、10−9、10−13、および10−17のみが起動するように電源供給ラインが切り替えられている。また、拡張区域では、エリア2内の全ての中継ノード装置10−21〜10−32が起動し、エリア3内の全ての中継ノード装置10−33〜10−40が停止するように電源供給ラインが切り替えられている。
実施形態に従えば、拡張区域を含む大規模有線ネットワークシステムにおいても、基本区域のみを含む有線ネットワークシステムに関して得られる前述した効果と同様の効果を得ることができる。
<有線アドホックネットワークシステムの第2の構成例>
図1に示した有線アドホックネットワークシステムの第1の構成例では、給電装置30と接続された1つの中継ノード装置10が各拡張区域に配置されている。しかしながら、給電装置30と接続された複数の中継ノード装置10を各拡張区域に配置してもよい。
図39は、有線アドホックネットワークシステムの第2の構成例を示す図である。図39に示すように、有線アドホックネットワークシステム2では、拡張区域であるエリア2内に、給電装置30−2と接続された中継ノード装置10−21と給電装置30−4と接続された中継ノード装置10−24とが配置される。給電装置30−4が有する電力供給量は、前述した給電装置30−2が有する電力供給量と同じであってよい。なお、図39には、1つの拡張区域が示されているが、有線アドホックネットワークシステム1と同様に、有線アドホックネットワークシステム2に含まれる拡張区域の数は、任意の数であってよい。
有線アドホックネットワークシステム2の拡張区域に対する電力供給制御処理は、有線アドホックネットワークシステム1の拡張区域に対する電力供給制御処理と同様の手順で実施し得る。
例えば、有線アドホックネットワークシステム2の拡張区域に対する電源投入処理によって、図39の太線の矢印で示された経路40に電源供給ラインが確立され、その他の経路40は、迂回経路として設定される。また、エリア2に対する電源投入処理によって、ゲートウェイ装置20は、給電装置30と接続された中継ノード装置10として中継ノード装置10−21および中継ノード装置10−24を特定する。特定された中継ノード装置10−21および10−24についてのデータは、記憶部236内の電力供給ルーティングテーブル236bに格納される。電力供給ルーティングテーブル236bは、給電装置30と接続された中継ノード装置10についての情報を管理するためのテーブルであり、拡張区域毎に設定され得る。
図40は、電力供給ルーティングテーブルを含むゲートウェイ装置の機能構成図である。電力供給ルーティングテーブル236bは、ルーティング制御部235によって記憶部236内に設定され、電力供給ルーティングテーブル236b内のデータは、ルーティング制御部235によって書き込まれ、かつ読み出される。ルーティング制御部235は、電力供給ルーティングテーブル236bを参照することによって、各拡張区域内における給電装置30と接続された中継ノード装置10を特定し得る。また、ルーティング制御部235は、中継ノード装置10に接続された給電装置30から他の中継ノード装置10への給電が可能であるか否かを識別し得る。
図41は、電力供給ルーティングテーブルの例図である。図41に示すように、電力供給ルーティングテーブル236bには、ノード番号、優先順位、ネットワークID、ホップ数、および電源供給可能フラグの各データが含まれる。ノード番号は、給電装置30と接続された中継ノード装置10の識別番号を表す。優先順位は、その拡張区域における電源供給ラインの優先順位を示す。ネットワークIDは、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までの伝送ルートを示す。ホップ数は、ゲートウェイ装置20から中継ノード装置10までのホップ数を示す。電源供給可能フラグには、その中継ノード装置10に接続された給電装置30によって他の中継ノード装置10へ電力を供給できる場合には、「1」が設定され、そうでない場合には、「0」が設定される。
実施形態に従えば、給電装置30と接続された複数の中継ノード装置10を拡張区域に設置することによって、拡張区域における電源供給能力を多重化することができる。
<<障害検出処理および電力供給源変更処理>>
上述のように、拡張区域における電源供給能力が多重化された場合、拡張区域における電力供給源を変更することができる。実施形態に従った電力供給源変更処理は、例えば、ある中継ノード装置10に接続された給電装置30からの電力供給に障害が生じた場合に実行される。拡張区域における電源供給能力が多重化された場合の障害検出処理および電力供給源変更処理の一例を図42および図43を参照しながら以下に説明する。
図42は、障害検出処理および電力供給源変更処理の説明図である。図43A〜図43Dは、障害検出処理および電力供給源変更処理の例示的フロー図である。なお、有線アドホックネットワークシステム2内において送受信されるフレームの伝送ルートは、確立された電力供給ラインと同じであると仮定して以下では説明する。
例えば、図42に示すように、中継ノード装置10−21に障害が発生し、給電装置30−1からエリア2内の中継装置10−21〜10−32への電力供給が停止したと仮定する。この場合、中継ノード装置10−17は、タイマ138の起動と共に(図43Aのp4301)、図42の点線矢印(a)で示すヘルスフレーム要求フレームをポートP2を介して送信しても(p4302)、所定時間内にヘルスフレームをポートP2を介して受信できない。そこで、中継ノード装置10−17は、ポートP2の接続状態に変化が生じたことを示す状態変移通知フレームを生成し(p4303)、生成された状態変移通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(p4304)。中継ノード装置10−17から送信された状態変移通知フレームは、図42の点線矢印(b)で示す経路で転送されて(p4305〜p4308)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−17から送信された状態変移通知フレームを分析する(p4309)。ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−17のポートP2の接続に障害が発生したこと、およびポートP2を介して中継ノード装置10−21が接続されていることを特定する。
ゲートウェイ装置20は、他の中継ノード装置10から送信されるヘルスフレームの受信を所定時間待ち合わせる(p4310)。上述のように、エリア2内の中継装置10−21〜10−32への電源供給が停止した場合、中継ノード装置10−18、10−19、および10−20は、中継ノード装置10−17と同様に、状態変移通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(図43Aには図示せず)。そこで、ゲートウェイ装置20は、受信した各状態変移通知フレームを分析して、中継ノード装置10−21に障害が発生したこと、および中継ノード装置10−21の障害によりエリア2内の電力供給が停止したことを判定する。
ゲートウェイ装置20は、電力供給ルーティングテーブル236bを参照し、中継ノード装置10−21を介した電力供給ラインが優先順位が1位であることを識別する(p4311)。そして、ゲートウェイ装置20は、電力供給ルーティングテーブル236b内の電源供給ラインの優先順位が2位の中継ノード装置10−24を介した電力供給を優先順位1位へ変更する(p4312)。図44は、障害検出処理により変更された電力供給ルーティングテーブルの例図である。図44に示した一例では、図41に示した電力供給ルーティングテーブル236bの優先順位1位のデータが削除され、優先順位2位のデータが優先順位1位に繰り上げられている。
ゲートウェイ装置20は、優先順位1位の電力供給ラインへ切り替えるために、中継ノード装置10−20のポートP2を介した電力供給を指示する電源投入指示フレームを生成する。そして、ゲートウェイ装置20は、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−20へ送信する(p4313)。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、図42の点線矢印(c)の経路で転送され(p4314〜4320)、中継ノード装置10−20により受信される。
中継ノード装置10−20は、受信した電源投入指示フレームに従って、起動通知を監視するタイマ138の起動と共に(図43Bのp4321)、ポートP2を介した電力供給を開始する(p4322)。中継ノード装置10−24は、中継ノード装置10−20からの電力供給をポートP3を介して受けて起動する(p4323)。
中継ノード装置10−24は、起動通知フレームを生成し(p4324)、給電装置30からのポートを介した電力供給が可能であることを示すフラグ「1」を起動通知フレーム内の電源供給可能フラグに設定する(p4325)。そして、中継ノード装置10−24は、生成された起動通知フレームを全てのポートから送信する(p4326)。
給電装置30−2からの給電が停止したことにより、中継ノード装置10−28は停止している。また、中継ノード装置10−24のポートP1には、給電装置30−4が接続されている。このため、中継ノード装置10−24のポートP1およびポートP2からそれぞれ送信された起動通知フレームは、破棄される。一方、中継ノード10−24のポートP3から送信された起動通知フレームは、中継ノード装置10−20により受信される。
中継ノード装置10−20は、受信した起動通知フレームにより、中継ノード装置10−24の起動を識別し(p4327)、電源ラインフラグを「1」に設定する等の起動通知フレームの更新処理を実行する(p4328〜4330)。そして、中継ノード装置10−20は、受信した起動通知フレームを転送する(p4331)。中継ノード装置10−24から送信された起動通知フレームは、図42の点線矢印(d)の経路で転送され(p4332〜p4340)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームに従って、中継ノード装置10−24に対するルーティング管理テーブル236aに各種データを格納する(図43Cのp4341)。そして、ゲートウェイ装置20は、ポートを介した給電装置30からの給電を指示するフラグが電源供給指示フラグフィールドに設定された起動通知応答フレームを生成し(p4342)、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−24へ送信する(p4343)。ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームは、転送されて(p4344〜4352)、中継ノード装置10−24により受信される。
中継ノード装置10−24は、受信した起動通知応答フレームを参照して、GWルーティング管理テーブル136aに各種データを登録する(p4353)。そして、中継ノード装置10−24は、受信した起動通知応答フレームの電源供給指示フラグに従って、受電スイッチSr1をオンにし、受電スイッチSr2およびSr3をオフにする(p4354)。受電スイッチの切替処理によって、中継ノード装置10−24は、中継ノード装置10−24のポートP1を介して接続された給電装置30−4からの受電へ切り替えられる。
中継ノード装置10−24は、電源切替完了通知フレームを生成し、生成された電源切替完了通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(p4355)。中継ノード装置10−24から送信された電源切替完了通知フレームは、転送されて(p4356〜p4364)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、電源投入指示フレームを生成し、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−24へ送信する(図43Dのp4365)。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、転送されて(p4366〜4374)、中継ノード装置10−24により受信される。
中継ノード装置10−24は、受信した電源投入指示フレームに従って、ポートを介した電力供給が未実施のポートを検索し(p4375)、給電スイッチSf2をオンにする
(p4376)。そして、中継ノード装置10−24は、ポートP2を介した電力供給を開始する(p4377)。
中継ノード装置10−28は、中継ノード装置10−24からの電力供給をポートP1を介して受けて起動する(p4378)。中継ノード装置10−28は、起動通知フレームを生成し(p4379)、生成された起動通知フレームを全てのポートから送信する(p4380)。中継ノード装置10−28のポートP1から送信された起動通知フレームは、転送されて(p4381〜p4397)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−28に対するルーティング管理テーブル236aに格納する。ゲートウェイ装置20は、起動通知応答フレームを生成し、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−28へ送信する。中継ノード装置10−28は、受信した起動通知応答フレームに従って、隣接ノード装置10への電力供給を開始する。
以後、前述した電源投入処理と同様の手順に従って、エリア2における電力供給源変更処理が実行される。図45は、電力供給源変更処理により変更された電源供給ラインの例図である。
<<障害復旧検出処理および電力供給源変更処理>>
実施形態では、図42〜図45を参照しながら前述したような障害が復旧した場合に、電力供給源変更処理により変更される前の電源供給ラインへ電力供給ラインを戻すことが可能である。なお、有線アドホックネットワークシステム2内において送受信されるフレームの伝送ルートは、確立された電力供給ラインと同じであると仮定して以下では説明する。
図46は、障害復旧検出処理および電力供給源変更処理の説明図である。
中継ノード装置10−17は、タイマ138の起動と共に、図46の点線矢印(e)の経路でヘルスフレーム要求フレームをポートP2を介して送信する。中継ノード装置10−17は、障害が復旧した中継ノード装置10−21から送信されたヘルスフレームをタイマ138起動から所定時間内に受信する。
中継ノード装置10−17は、中継ノード装置10−17のポートP2の接続状態が復旧したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成し、生成された状態変移通知フレームをゲートウェイ装置へ送信する。中継ノード装置10−17から送信された状態変移通知フレームは、図46の点線矢印(f)の経路で転送され、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−17の送信ポートP2の接続状態が復旧したこと、および送信ポートP2の接続先が中継ノード装置10−21であることを特定する。ゲートウェイ装置20は、受信した状態変移通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブル236aを更新する。
ゲートウェイ装置20は、タイマ238の起動と共に、中継ノード装置10−17のポートP2からの電力供給を指示する電源投入指示フレームを生成し、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−17へ送信する。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、図46の点線矢印(g)の経路で転送されて、中継ノード装置10−17により受信される。
中継ノード装置10−17は、受信した電源投入指示フレームに従って、タイマ138の起動と共に、ポートP2を介した電力供給を開始する。中継ノード装置10−21は、ポートP2を介して電力供給を受けて起動する。
中継ノード装置10−21は、起動通知フレームを生成し、給電装置30−2からの電力供給が可能であることを示すフラグ「1」を、生成された起動通知フレームの電源供給可能フラグフィールドに設定する。中継ノード装置10−21は、生成された起動通知フレームを全てのポートから送信する。中継ノード装置10−21のポートP2から送信された起動通知フレームは、図46の点線矢印(h)の経路で転送され、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−17のポートP2を介して中継ノード装置10−21への電力供給が正常に行なわれたと判定する。また、ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの電源供給可能フラグの設定を参照して、給電装置30−2からの電力供給が可能であると判定する。ゲートウェイ装置20は、受信された起動通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブル236aを更新する。
ゲートウェイ装置20は、電源供給可能フラグ「1」が設定された起動通知フレームのホップ数と、電力供給ルーティングテーブル236bに優先順位1位として登録された電源供給ラインのホップ数とを比較する。そして、ゲートウェイ装置20は、ホップ数の少ない電源供給ラインを最適な電源供給ラインと判定する。電力供給ルーティングテーブル236bに優先順位1位として登録された電源供給ラインを最適な電源供給ラインと判定する場合、ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームに示される電源供給ラインを電力供給ルーティングテーブル236bの優先順位2位以降に登録する。そして、ゲートウェイ装置20は、障害復旧に伴う一連の処理を終了する。一方、受信した起動通知フレームが示す電源供給ラインを最適な電源供給ラインとする場合、ゲートウェイ装置20は、電力供給源切替処理を実行する。
本具体例では、受信した起動通知フレームのホップ数、すなわち、中継ノード装置10−21からゲートウェイ装置20までの経路のホップ数は、6である。一方、図44に示すように、電力供給ルーティングテーブル236bに優先順位1位として登録された電源供給ラインのホップ数は、9である。したがって、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21のポートP1を介して接続された給電装置30−2からの電源供給ラインを最適な電源供給ラインと判定する。そこで、ゲートウェイ装置20は、以下で説明するような電力供給源切替処理を実行する。
ゲートウェイ装置20は、ポートを介した給電装置30から電力供給を指示するフラグが電源供給指示フラグフィールドに設定された起動通知応答フレームを生成する。ゲートウェイ装置20は、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−21へ送信する。ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームは、図46の点線矢印(i)の経路で転送されて、中継ノード装置10−21により受信される。
中継ノード装置10−21は、受信した起動通知応答フレームに従って、GWルーティング管理テーブル136aの各種データを登録する。また、中継ノード装置10−21は、受電スイッチSr1をオンにし、受電スイッチSr2およびSr3をオフにする。受電スイッチの切替処理により、中継ノード装置10−21は、ポートP2を介した給電装置30−1からの受電から、ポートP1を介した給電装置30−2からの受電へ切り替えられる。
中継ノード装置10−21は、電源切替完了通知フレームを生成し、生成された電源切替完了通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。中継ノード装置10−21から送信された電源切替完了通知フレームは、図46の点線矢印(h)の経路で転送され、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した電源切替完了通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブルを更新する。
以後、前述したルーティング変更処理と同様の手順に従って、エリア2における電力供給源変更処理が実行され、図39に示したような電力供給ラインへ戻される。電力供給ラインの切替後、ゲートウェイ装置20は、電力供給ルーティングテーブル236b内の有線順位1位の電源供給ラインを変更後の電力供給ラインに変更する。変更後の電力供給ルーティングテーブル236bは、例えば、図41に示すような障害発生前の電力供給ルーティングテーブル236bである。
図46を参照しながら前述した障害復旧検出処理および電力供給源変更処理とは異なり、ゲートウェイ装置20は、中継ノード装置10−21の復旧を中継ノード装置10−25のから送信された状態変移通知フレームにより識別することも可能である。図47A〜図47Cは、障害復旧検出処理および電力供給源変更処理の例示的フロー図である。
中継ノード装置10−25は、タイマ138の起動(p4701)と共に、図46の点線矢印(e)の経路でヘルスフレーム要求フレームをポートP1を介して送信する。中継ノード装置10−25は、障害が復旧した中継ノード装置10−21から送信されたヘルスフレームをタイマ138起動から所定時間内にポートP1を介して受信する(p4703)。
中継ノード装置10−25は、中継ノード装置10−25のポートP1の接続状態が復旧したことをゲートウェイ装置20へ通知する状態変移通知フレームを生成し、生成された状態変移通知フレームをゲートウェイ装置へ送信する(p4704)。中継ノード装置10−25から送信された状態変移通知フレームは、転送され(p4705〜p4709)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した状態変移通知フレームを参照し、中継ノード装置10−25の送信ポートP1の接続状態が復旧したこと、および送信ポートP1の接続先が中継ノード装置10−21であることを特定する。ゲートウェイ装置20は、受信した状態変移通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブル236aを更新する(p4710)。
ゲートウェイ装置20は、タイマ238の起動と共に、中継ノード装置10−25のポートP1からの電力供給を指示する電源投入指示フレームを生成し、生成された電源投入指示フレームを中継ノード装置10−25へ送信する(p4711)。ゲートウェイ装置20から送信された電源投入指示フレームは、転送されて(p4712〜p4716)、中継ノード装置10−25により受信される。
中継ノード装置10−25は、受信した電源投入指示フレーム従って、タイマ138の起動と共に(p4717)、ポートP2を介した電力供給を開始する(p4718)。中継ノード装置10−21は、ポートP3を介して電力供給を受けて起動する(p4719)。
中継ノード装置10−21は、起動通知フレームを生成し(p4720)、給電装置30−2からの電力供給が可能であることを示すフラグ「1」を、生成された起動通知フレームの電源供給可能フラグフィールドに設定する(p4721)。中継ノード装置10−21は、生成された起動通知フレームを全てのポートから送信する(p4722)。中継ノード装置10−21のポートP2から送信された起動通知フレームは、転送され(p4723〜p4732)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームを参照して、中継ノード装置10−25のポートP1を介して中継ノード装置10−21への電力供給が正常に行なわれたと判定する。また、ゲートウェイ装置20は、受信した起動通知フレームの電源供給可能フラグの設定を参照して、給電装置30−2からの電力供給が可能であると判定する。ゲートウェイ装置20は、受信された起動通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブル236aを更新する(p4733)。
ゲートウェイ装置20は、ポートを介した給電装置30から電力供給を指示するフラグが電源供給指示フラグフィールドに設定された起動通知応答フレームを生成する(p4734)。ゲートウェイ装置20は、生成された起動通知応答フレームを中継ノード装置10−21へ送信する(p4735)。ゲートウェイ装置20から送信された起動通知応答フレームは、転送されて(p4736〜4742)、中継ノード装置10−21により受信される。
中継ノード装置10−21は、受信した起動通知応答フレームに従って、GWルーティング管理テーブル136aの各種データを登録する(p4743)。また、中継ノード装置10−21は、受電スイッチSr1をオンにし、受電スイッチSr2およびSr3をオフにする(p4744)。
中継ノード装置10−21は、電源切替完了通知フレームを生成し、生成された電源切替完了通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(p4745)。中継ノード装置10−21から送信された電源切替完了通知フレームは、転送され(p4746〜4751)、ゲートウェイ装置20により受信される。
ゲートウェイ装置20は、受信した電源切替完了通知フレームに従って、中継ノード装置10−21に対するルーティング管理テーブルを更新する(p4752)。
以後、前述したルーティング変更処理と同様の手順に従って、エリア2における電力供給源変更処理が実行され、図39に示したような電力供給ラインへ戻される。
以上の説明から理解し得るように、実施形態に従えば、拡張区域における電源供給能力を多重化することで、有線アドホックネットワークシステム2内の電力供給能力を向上できる。また、実施形態に従えば、給電装置や給電装置に接続された中継ノード装置に障害が発生したとしても、他の給電装置からの電力供給が可能となるため、大規模で安定的なネットワークを構築することができる。
<他の実施形態に従った中継ノード装置の回路構成例>
上述した実施形態の障害検出処理では、中継ノード装置10は、ポートを介して接続された隣接中継ノード装置10に障害が発生したことを検出した場合に、状態変移通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する。ゲートウェイ装置20は、受信した状態変移通知フレームを基に、障害の発生原因を特定する。
しかしながら、ポートを介して給電装置30から供給される電力の電圧を監視する電圧監視回路を中継ノード装置10内に設置してもよい。電圧監視回路を中継ノード装置10に含めることによって、受電障害が発生した中継ノード装置10がゲートウェイ装置20へ障害発生を通知することができる。ゲートウェイ装置20は、受信した通知を基に障害の発生原因を特定する。
図48は、電圧監視回路を含む中継ノード装置の概略的回路図である。図48には、図2に示した回路図と同じ構成要素には、同じ参照符号がふられている。図48に示すように、中継ノード装置10が電圧監視回路13をさらに含むように構成してもよい。
電圧監視回路13は、ポートP1〜P3を介して入力する電力の電圧を監視する。電圧監視回路13による電源電圧監視フローの一例を図49を参照しながら説明する。
図49は、実施形態に従った電源電圧監視フローの例図である。
中継ノード装置10は、ポートを介して中継ノード装置10に入力する電源電圧の監視処理を開始する(s4901)。電源電圧監視処理は、例えば、電源投入処理により中継ノード装置10が起動したとき、およびルーティング変更処理や電力供給源切替処理により他の装置から電力供給を受けるポートが変更されたときに実行される。
電圧監視回路13は、監視対象のポートと監視対象の電源電圧閾値とを設定する(s4902およびs4903)。監視対象のポートは、他の装置から中継ノード装置10へ電力の供給を受けるポートである。例えば、監視対象のポートは、隣接中継ノード装置10からの電力供給を受けているポートや、ポートを介して接続された給電装置30からの電力供給を受けているポートである。監視対象の電源電圧閾値は、他の装置から入力される電力の最低限の電圧値である。監視対象の電源電圧閾値は、例えば、ポートを介して入力される電力の時間平均の電圧値から所定程度低い値に設定されてよい。
電圧監視回路13は、監視対象のポートを介して入力された電力の電圧を測定する(s4904)。そして、電圧監視回路13は、測定された電圧値が、設定された電圧閾値未満であるか否かを判定する(s4905)。
測定された電圧値が電圧閾値以上である場合(ステップs4905で“NO”)、電圧監視回路13は、ステップs4904の処理に戻って、監視対象のポートを介して入力された電力の電圧を測定する。
一方、測定された電圧値が電圧閾値未満である場合(ステップs4905で“YES”)、電圧監視回路13は、監視対象のポート番号と測定電圧とを制御装置11へ通知する。制御装置11は、監視対象の電圧値とそのポート番号の情報を含む電源電圧降下通知フレームを生成し、生成された電源電圧降下通知フレームをゲートウェイ装置20へ送信する(s4906)。そして、中継ノード装置10は、電源電圧監視処理を停止する(s4907)。
図50は、実施形態に従った電源電圧降下通知フレームの例図である。図50に示す一例では、電源電圧降下通知フレームは、増減ポート数フィールド、増減ポート番号・接続先ノードフィールド、および電圧値フィールドをデータ部に含む。増減ポート数フィールドには、測定電圧値が電圧閾値未満と判定されたポートの数を示すデータが設定される。増減ポート番号・接続先ノードフィールドには、測定電圧値が電圧閾値未満と判定されたポートの番号と、そのポートを介して接続される隣接装置のIDとを示すデータが設定される。電圧値フィールドには、電圧閾値未満と判定された測定電圧値を示すデータが設定される。
ゲートウェイ装置20は、受信した電源電圧降下通知フレームを参照して、障害の発生原因を特定する。
実施形態に従えば、ゲートウェイ装置は、受信した電源電圧降下通知フレームを参照することで障害の発生原因を容易に判定でき、ゲートウェイ装置20の処理負担を軽減できる。また、ゲートウェイ装置は、中継ノード装置の受電障害を早期に特定できる。このため、例えば、中継ノード装置がダウンする前に電力供給源切替処理を実行する等、受電障害を解消するための必要な処理を早期に実行することができる。
なお、上述した電圧監視回路13の代わりに、ポートを介して給電装置30からの供給電力を監視する電力監視回路、または供給電力の電流量を監視する電流監視回路を中継ノード装置10内に設置してもよい。中継ノード装置10にこれらの回路が設置された場合も、電圧監視回路13が設置された場合と同様の効果を得ることができる。
以上説明した実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1の給電装置と接続された電力制御装置と、
前記第1の給電装置から電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って前記第1の給電装置から供給された電力を隣接中継ノード装置へ供給する基本区域内の中継ノード装置と、
前記基本区域内の前記中継ノード装置を介して前記第1の給電装置からの電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第2の給電装置から供給された電力を前記基本区域に隣接する拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第2の給電装置と接続された中継ノード装置を含む前記拡張区域内の中継ノード装置と
を含む有線アドホックネットワークシステム。
(付記2)
前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置は、前記第2の給電装置からの電力供給が可能であることを示すデータを含む起動通知フレームを前記電力制御装置へ送信し、
前記電力制御装置は、受信した前記起動通知フレームに従って、前記第2の給電装置からの電力供給を指示するデータを含む起動通知応答フレームを前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置へ送信し、
前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置は、受信した前記起動通知応答フレームに従って、前記第1の給電装置からの受電から前記第2の給電装置からの受電へ切り替える、
付記1に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記3)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置は、前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動したことを示す起動通知フレームを前記電力制御装置へ送信し、
前記電力制御装置は、受信した前記起動通知フレームが示す伝送ルートのデータに基づいて前記電力制御装置から前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置までに確立した電力供給ラインと前記電力供給ラインの迂回路を特定する、
付記1または2に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記4)
前記電力制御装置は、特定された前記電力供給ラインを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置と前記電力制御装置との間のフレームの伝送ルートに設定し、設定された前記伝送ルートを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置へ通知する、
付記1〜3の何れか一項に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記5)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置は、前記基本区域内の前記中継ノード装置を介して前記第1の給電装置から電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第3の給電装置から供給された電力を前記拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第3の給電装置と接続された中継ノード装置を含む、
付記1〜4の何れか一項に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記6)
前記電力制御装置は、前記電力制御装置から前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置までの経路のホップ数と、前記電力制御装置から前記第3の給電装置と接続された前記中継ノード装置までの経路のホップ数との内、ホップ数の少ない経路を前記電力制御装置から前記拡張区域内の電力供給源までの電力供給ラインとして設定する、
付記1〜5の何れか一項に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記7)
前記電力制御装置は、設定された前記電力供給ラインに障害が発生した場合に、前記電力供給ラインとして設定された前記経路の次にホップ数の少ない経路へ前記電力供給ラインを切り替える、
付記6に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記8)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置は、供給された電力の低下を監視し、前記電力の低下を前記電力制御装置へ通知する、
付記5〜7の何れか一項に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記9)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置を介して前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第4の給電装置から供給された電力を前記拡張区域に隣接する第2の拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第4の給電装置と接続された中継ノード装置を含む前記第2の拡張区域内の中継ノード装置をさらに含む、
付記1〜8の何れか一項に記載の有線アドホックネットワークシステム。
(付記10)
第1の給電装置と接続された第1のポートと、
前記第1の給電装置からの電力供給を受けて起動した基本区域内の中継ノード装置を介して前記第1の給電装置からの電力供給を受けて起動した前記基本区域に隣接する拡張区域内の特定の中継ノード装置であって、第2の給電装置と接続された前記特定の中継ノード装置から送信された起動通知フレームを第2のポートを介して受信する受信フレーム制御部と、
前記受信フレーム制御部により受信された前記起動通知フレームに従って、前記第2の給電装置から前記拡張区域内の隣接中継ノード装置への電力供給を指示する電源供給指示フラグを含む起動通知応答フレームを生成するルーティング制御部と、
前記ルーティング制御部により生成された起動通知応答フレームを前記特定の中継ノード装置へ前記第2のポートを介して送信する送信フレーム制御部と
を含む、電力制御装置。
(付記11)
前記電源供給指示フラグは、前記特定の中継ノード装置が、受信した前記起動通知応答フレームに従って前記第1の給電装置からの受電から前記第2の給電装置からの受電へ切り替える指示を示す、
付記10に記載の電力制御装置。
(付記12)
前記ルーティング制御部は、前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動したことを示す起動通知フレームを前記拡張区域内の前記中継ノード装置から受信し、受信した前記起動通知フレームが示す伝送ルートのデータに基づいて前記電力制御装置から前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置までに確立した電力供給ラインと前記電力供給ラインの迂回路を特定する、
付記10または11に記載の電力制御装置。
(付記13)
前記ルーティング制御部は、特定された前記電力供給ラインを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置と前記電力制御装置との間のフレームの伝送ルートに設定し、設定された前記伝送ルートを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置へ通知する、
付記10〜12の何れか一項に記載の電力制御装置。
(付記14)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置は、前記基本区域内の前記中継ノード装置を介して前記第1の給電装置から電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第3の給電装置から供給された電力を前記拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第3の給電装置と接続された中継ノード装置を含む、
付記10〜13の何れか一項に記載の電力制御装置。
(付記15)
前記ルーティング制御部は、前記電力制御装置から前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置までの経路のホップ数と、前記電力制御装置から前記第3の給電装置と接続された前記中継ノード装置までの経路のホップ数との内、ホップ数の少ない経路を前記電力制御装置から前記拡張区域内の電力供給源までの電力供給ラインとして設定する、
付記14に記載の電力制御装置。
(付記16)
前記ルーティング制御部は、設定された前記電力供給ラインに障害が発生した場合に、前記電力供給ラインとして設定された前記経路の次にホップ数の少ない経路へ前記電力供給ラインを切り替える、
付記15に記載の電力制御装置。
(付記17)
前記受信フレーム制御部は、前記拡張区域内の前記中継ノード装置に供給された電力の低下の通知を前記拡張区域内の前記中継ノード装置から受信する、
付記14〜16の何れか一項に記載の電力制御装置。
(付記18)
前記受信フレーム制御部は、前記拡張区域の前記中継ノード装置を介して前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動した前記拡張区域に隣接する第2の拡張区域内の特定の中継ノード装置であって、第4の給電装置と接続された前記特定の中継ノード装置から送信された起動通知フレームを第2のポートを介して受信し、
前記ルーティング制御部は、前記受信フレーム制御部により受信された前記起動通知フレームに従って、前記第4の給電装置から前記第2の拡張区域内の隣接中継ノード装置への電力供給を指示する電源供給指示フラグを含む起動通知応答フレームを生成し、
前記送信フレーム制御部は、前記ルーティング制御部により生成された起動通知応答フレームを前記第2の拡張区域内の前記特定の中継ノード装置へ前記第2のポートを介して送信する、
付記10〜17の何れか一項に記載の電力制御装置。
(付記19)
中継ノード装置が起動するために必要な電力であって、基本区域内の中継ノード装置を介して電力制御装置に接続された第1の給電装置から供給された電力が入力される第1のポートと、
第2の給電装置と接続された第2のポートと、
前記電力制御装置から送信されたフレームを前記第1のポートを介して受信する受信フレーム制御部と、
前記受信フレーム制御部により受信された前記フレームに従って前記第2のポートを介して前記第2の給電装置から供給された電力を前記基本区域に隣接する拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する電力供給制御部と、
を含む中継ノード装置。
(付記20)
前記中継ノード装置は、
前記第2の給電装置からの電力供給が可能であることを示すデータを含む起動通知フレームを生成するルーティング制御部と、
前記ルーティング制御部により生成された前記起動通知フレームを前記第1のポートを介して前記電力制御装置へ送信する送信フレーム制御部と
をさらに含み、
前記フレーム受信部は、前記送信フレーム制御部から送信された前記起動通知フレームを受信した前記電力制御装置から、前記第2の給電装置からの電力供給を指示するデータを含む起動通知応答フレームを前記第1のポートを介して受信し、
前記電力供給制御部は、前記フレーム受信部により受信された前記起動通知応答フレームに従って、前記第1の給電装置からの受電から前記第2の給電装置からの受電へ切り替える、
付記19に記載の中継ノード装置。
(付記21)
前記起動通知フレームは、前記起動通知フレームを送信した中継ノード装置から前記電力制御装置までの伝送ルートを示すデータを含み、前記電力制御装置から前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置までの電力供給ラインと前記電力供給ラインの迂回路は、前記伝送ルートを示すデータにより特定される、
付記19または20に記載の中継ノード装置。
(付記22)
特定された前記電力供給ラインは、前記電力制御装置によって前記中継ノード装置と前記電力制御装置との間のフレームの伝送ルートに設定され、
前記受信フレーム制御部は、前記電力制御部により設定された前記伝送ルートの通知を受信する、
付記19〜21の何れか一項に記載の中継ノード装置。
(付記23)
前記中継ノード装置は、前記拡張区域内に複数個配置される、付記19〜22の何れか一項に記載の中継ノード装置。
(付記24)
前記電力制御装置から前記第2の給電装置と接続された前記中継ノード装置までの経路のホップ数と、前記電力制御装置から第3の給電装置と接続された中継ノード装置までの経路のホップ数との内、ホップ数の少ない経路が前記電力制御装置から前記区域内の電力供給源までの電力供給ラインとして設定される、
付記23に記載の中継ノード装置。
(付記25)
前記中継ノード装置は、設定された前記電力供給ラインに障害が発生した場合に、前記電力供給ラインとして設定された前記経路の次にホップ数の少ない経路へ前記電力制御装置からの指示に従い前記電力供給ラインを切り替える、
付記24に記載の中継ノード装置。
(付記26)
前記中継ノード装置は、供給された電力の低下を監視し、前記電力の低下を前記電力制御装置へ通知する、
付記23〜25の何れか一項に記載の中継ノード装置。
(付記27)
前記中継ノード装置は、
前記基本区域内の中継ノード装置を介して前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第4の給電装置から供給された電力を前記拡張区域に隣接する第2の拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第4の給電装置と接続された中継ノード装置を含む、
付記19〜26の何れか一項に記載の中継ノード装置。
(付記28)
第1の給電装置と接続された電力制御装置が実行する処理を含む電力供給制御プログラムであって、
前記第1の給電装置からの電力供給を受けて起動した基本区域内の中継ノード装置を介して前記第1の給電装置からの電力供給を受けて起動した前記基本区域に隣接する拡張区域内の特定の中継ノード装置であって、第2の給電装置と接続された前記特定の中継ノード装置から送信された起動通知フレームを第2のポートを介して受信し、
受信された前記起動通知フレームに従って、前記第2の給電装置から前記拡張区域内の隣接中継ノード装置への電力供給を指示する電源供給指示フラグを含む起動通知応答フレームを生成し、
生成された起動通知応答フレームを前記特定の中継ノード装置へ前記第2のポートを介して送信する
前記処理を含む、電力供給制御プログラム。
(付記29)
前記電源供給指示フラグは、前記特定の中継ノード装置が、受信した前記起動通知応答フレームに従って前記第1の給電装置からの受電から前記第2の給電装置からの受電へ切り替える指示を示す、
付記10に記載の電力供給制御プログラム。
(付記30)
前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動したことを示す起動通知フレームを前記拡張区域内の前記中継ノード装置から受信し、
受信された前記起動通知フレームが示す伝送ルートのデータに基づいて前記電力制御装置から前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置までに確立した電力供給ラインと前記電力供給ラインの迂回路を特定する
処理を含む付記28または29に記載の電力供給制御プログラム。
(付記31)
特定された前記電力供給ラインを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置と前記電力制御装置との間のフレームの伝送ルートに設定し、
設定された前記伝送ルートを前記起動通知フレームを送信した前記中継ノード装置へ通知する
処理を含む、付記28〜30の何れか一項に記載の電力供給制御プログラム。
(付記32)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置は、前記基本区域内の前記中継ノード装置を介して前記第1の給電装置から電力供給を受けて起動し、前記電力制御装置から送信されたフレームに従って第3の給電装置から供給された電力を前記拡張区域内の隣接中継ノード装置へ供給する、前記第3の給電装置と接続された中継ノード装置を含む、
付記28〜31の何れか一項に記載の電力供給制御プログラム。
(付記33)
前記電力制御装置から前記第2の給電装置と接続された中継ノード装置までの経路のホップ数と、前記電力制御装置から前記第3の給電装置と接続された中継ノード装置までの経路のホップ数との内、ホップ数の少ない経路を前記電力制御装置から前記拡張区域内の電力供給源までの電力供給ラインとして設定する
処理を含む、付記32に記載の電力供給制御プログラム。
(付記34)
設定された前記電力供給ラインに障害が発生した場合に、前記電力供給ラインとして設定された前記経路の次にホップ数の少ない経路へ前記電力供給ラインを切り替える処理を含む、付記33に記載の電力供給制御プログラム。
(付記35)
前記拡張区域内の前記中継ノード装置に供給された電力の低下の通知を前記拡張区域内の前記中継ノード装置から受信する処理を含む、付記28〜34の何れか一項に記載の電力供給制御プログラム。
(付記36)
前記拡張区域の前記中継ノード装置を介して前記第2の給電装置からの電力供給を受けて起動した前記拡張区域に隣接する第2の拡張区域内の特定の中継ノード装置であって、第4の給電装置と接続された前記特定の中継ノード装置から送信された起動通知フレームを第2のポートを介して受信し、
受信された前記起動通知フレームに従って、前記第4の給電装置から前記第2の拡張区域内の隣接中継ノード装置への電力供給を指示する電源供給指示フラグを含む起動通知応答フレームを生成し、
生成された起動通知応答フレームを前記第2の拡張区域内の前記特定の中継ノード装置へ前記第2のポートを介して送信する
処理を含む、付記28〜35の何れか一項に記載の電力供給制御プログラム。