JPWO2009090723A1 - パケット伝送装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係るパケット伝送装置は、転送するパケットが有するフロー番号毎にWorkパスおよびProtectionパスにおけるリンクの番号と、該リンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブル16aと、リンク状態テーブル16bと、ノード状態テーブル16cと、LAG状態テーブル16dとを記憶する記憶部と、これらの情報に基づいてパケットを出力するパスを選択するパス選択処理手段を備える。

Description

この発明は、MPLS(Multi-protocol Label Switching)ネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置およびその制御回路に関し、特に、リンクアグリゲーション機能が適用された回線においてもパス切り替えを適切に実行することができるパケット伝送装置およびその制御回路に関する。
近年、ラベルスイッチング技術に基づいてパケットの転送を行うMPLSネットワークが広く利用されるようになっている。MPLSネットワークでは、異なる経路をとるようにWorkパスとProtectionパスを設定しておくことにより、Workパスに障害が発生した場合でも、Protectionパスを用いて通信を行うことが可能になっている。
ただし、この仕組みを利用して高い信頼性をもつネットワークを実現するには、障害が発生した場合に、WorkパスからProtectionパスへの切り替えを高速に実行し、通信断状態となる時間をできるだけ短くすることが重要である。パスの切り替えを高速化するための技術は、例えば、特許文献1において開示されている。特許文献1において開示されている技術では、現用経路(Workパス)の障害が検出された場合に、現用経路がダウンしている旨をルーティングテーブルに書き込むことにより、予備経路(Protectionパス)への高速な切り替えを実現している。
特開2002−374288号公報
しかしながら、上記の技術を含めて、従来のパス切り替え技術は、複数の物理回線を束ねて1本の仮想的な回線として扱うリンクアグリゲーション(以下、「LAG」という)機能に十分に対応したものではなかった。LAGによる仮想的な回線は、一部の物理回線に障害が発生した場合でも、帯域は減少する以外は、問題なくそのまま通信を継続させることができる。
このため、LAGによる仮想的な回線を利用する場合、わずかな時間の通信断でも回避したければ、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うことなく、そのままの状態を維持することが望ましい。一方、帯域の減少を回避したければ、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うことが望ましい。
このように、LAGによる仮想的な回線を利用する場合には、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うべきか否かが回線の使用目的等によって異なる。従来のパス切り替え技術は、このような、LAGによる仮想的な回線を利用する場合の要件に対応することができていなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、リンクアグリゲーション機能が適用された回線においてもパス切り替えを適切に実行することができるパケット伝送装置およびその制御回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一つの態様では、MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置であって、転送するパケットが有するフロー番号毎に前記WorkパスおよびProtectionパスにおけるリンクの番号と、該リンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブルと、前記リンクの番号と当該リンクの活性または非活性の状態とが関連付けて設定されているリンク状態テーブルと、前記リンクアグリゲーション番号と該リンクアグリゲーション番号に対応する複数の物理回線の全てが活性であるかを示す値とが関連付けて設定されているリンクアグリゲーション状態テーブルとを記憶する記憶部と、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていることを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクアグリゲーション番号を取得して前記リンクアグリゲーション状態テーブルを参照し、全ての物理回線が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得するパス選択処理手段と、前記パス選択処理手段が取得した転送先情報によって決定した出方路へ受信したパケットを送出する転送制御手段と、各出方路のリンクの状態を監視し、当該リンクが活性であるか非活性であるかに応じて前記リンク状態テーブルおよびリンクアグリゲーション状態テーブルを更新する監視手段と、を備えていることを特徴とする。
この発明の態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができる。
また、本発明の他の態様では、上記の発明の態様において、前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクの番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする。
この発明の態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することができる。
また、本発明の他の態様では、上記の発明の態様において、前記パス選択テーブルには、前記フロー番号毎に、前記WorkパスおよびProtectionパスにおける当該パスが、当該のパケット伝送装置に隣接するパケット伝送装置よりも先においても有効であるか無効であるかを示す有効性ビットが追加して設けられ、前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスの有効性ビットを取得し、WorkパスおよびProtectionパスでの有効性ビットが共に有効を示す場合は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンク番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、リンク状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得し、WorkパスとProtectionパスのいずれか一方の有効性ビットが有効を示す場合は、有効なほうのパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする。
この発明の態様によれば、隣接するノードよりも先で障害が発生した場合にもパスの切り替えを行うグローバルリペアにも対応することができる。
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
本発明の一つの態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができるという効果を奏する。
また、本発明の一つの態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することができるという効果を奏する。
また、本発明の一つの態様によれば、隣接するノードよりも先で障害が発生した場合にもパスの切り替えを行うグローバルリペアにも対応することができるという効果を奏する。
図1は、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法とを説明するための図である。 図2は、パケット伝送装置の構成を示すブロック図である。 図3はパス選択テーブルの構成を示す図である。 図4は、リンク状態テーブルの一例を示す図である。 図5は、ノード状態テーブルの一例を示す図である。 図6は、LAG状態テーブルの一例を示す図である。 図7は、LAGによる仮想的な回線の監視処理の動作を示すフローチャートである。 図8は、パス選択処理部の動作を示すフローチャートである。 図9は、パス選択処理部の動作の具体例を示す図である。 図10は、テーブル表示部が管理端末の表示部に表示させる情報の表示例を示す図である。 図11は、ローカルリペアについて説明するための図である。 図12は、グローバルリペアについて説明するための図である。
符号の説明
10 パケット転送処理部
11 入力パケットIF
12 フロー識別部
13 パス選択処理部
14 転送先制御部
15 出力パケットIF
16 記憶部
16a パス選択テーブル
16b リンク状態テーブル
16c ノード状態テーブル
16d LAG状態テーブル
20 制御部
21 リンク/ノード状態監視部
22 テーブル表示部
100〜103 パケット伝送装置(PE)
200 管理端末
以下に、本発明に係るパケット伝送装置およびその制御回路の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法の概要について説明する。図1は、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法とを説明するための図である。同図に示すように、MPLSネットワークは、複数のパケット伝送装置(Provider Edge、以下、「PE」という)の間を1ないし複数のリンクで接続して構成される。リンクは、物理的な回線によって実現されていてもよいし、LAGによる仮想的な回線によって実現されていてもよい。
図1に示すMPLSネットワークは、PE100〜103の間を複数のリンクで接続して構成されている。具体的には、PE100とPE101が、外部のネットワークとの接続位置に配置され、その間が、PE102を経由する第1の経路と、PE103を経由する第2の経路で接続されている。そして、各PE間の複数のリンクは、LAGによる仮想的な回線によって実現されている。
また、図1に示すMPLSネットワークでは、保護対象となるWorkパス上において障害の発生する可能性のある箇所(リンク、ノード)を迂回するようなProtectionパスが設けられている。具体的には、PE100〜PE102〜PE101のパスが保護対象となるWorkパスであり、PE102、もしくは、その両端のリンクで障害が発生するのに備えて、PE100〜PE103〜PE101の経路をとるProtectionパスが設けられている。
このMPLSネットワークにおいて、PE100とPE102との間のリンクに障害が発生すると、分岐点に位置するPE100がパスの切り替えを実行する。合流点に位置するPE101は、Workパス用のラベルとProtectionパス用のラベルの両方を受け取るように設定されているので、PE100がラベルをWorkパス用からProtectionパス用に切り替えるだけで、障害回復が実現される。
パスの切り替えは、リンク単位で実行される。障害が検出されたリンクが、物理回線によって実現されている場合、そのリンクに含まれる全てのWorkパスがProtectionパスへ即座に切り替えられる。一方、障害が検出されたリンクが、LAGによる仮想的な回線によって実現されている場合、パスの切り替えは、即座に行うこともできるし、リンクに含まれる全ての物理回線に障害が発生してリンクが完全に使用不能になった段階で行うこともできる。どちらのタイミングでパスの切り替えを行うかは、そのリンクによって提供されているサービスの種類等に応じて利用者が選択することができる。
次に、図1に示したPE100〜103の構成について説明する。なお、PE100〜103は、同様の構成を有するので、ここでは、PE100を例にして構成の説明を行う。図2は、PE100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、PE100は、パケット転送処理部10と制御部20とを備えている。
パケット転送処理部10は、入力パケットインタフェース(以下、「入力パケットIF」という)11と、フロー識別部12と、パス選択処理部13と、転送先制御部14と、出力パケットインタフェース(以下、「出力パケットIF」という)15と、記憶部16とを備える。そして、記憶部16には、パス選択テーブル16aと、リンク状態テーブル16bと、ノード状態テーブル16cと、LAG状態テーブル16dとが記憶されている。
パケット転送処理部10では、入力パケットIF11によって取り込まれたパケットのフロー番号をフロー識別部12が判別し、パス選択処理部13がそのフロー番号に従って転送先のパスを選択し、パス選択処理部13によって選択されたパスへパケットが転送されるように転送先制御部14が制御を行う。パス選択処理部13は、転送先のパスを選択するために、記憶部16の各種テーブルを参照する。
制御部20は、リンク/ノード状態監視部21と、テーブル表示部22とを有する。リンク/ノード状態監視部21は、状態監視用のパケットを送信する等して、出力パケットIF15を介して接続されている他のPEの状態や、それらのPEと自装置の間のリンク状態を監視する。そして、リンク/ノード状態監視部21は、監視結果をリンク状態テーブル16b、ノード状態テーブル16cおよびLAG状態テーブル16dに反映させる。
テーブル表示部22は、当該のPEに接続された管理端末200から送信された指示に従って記憶部16の各種テーブルを検索し、その内容を編集して、管理端末200へ表示させる。管理端末200への表示例については後に示す。
図3に示すように、パス選択テーブル16aには、フローの番号#1〜フロー番号#Mをアドレスとして、そのフロー番号に対応する転送先の、Workパスに関する情報とProtectionパスに関する情報とが組になって格納されている。Workパスに関する情報には、有効ビットVと、リンク#と、ノード#と、Lビットと、LAG#と、転送先パスとが含まれる。
有効ビットVは、当該のパスが有効であるか否かを示すフラグである。本実施例では、有効性ビットVの値が「0」であれば、当該のパスが有効であることを示し、有効性ビットVの値が「1」であれば、当該のパスが無効であることを示すものとする。このフラグは、グローバルリペアへの対応のために使用される。
MPLSネットワークにおいては、WorkパスとProtectionパスとの分岐点に位置するPEは、図11に示すように、隣接するPEとの間での状態のみをチェックしてパスの切り替えを行うローカルリペアだけでなく、図12に示すように、その先の状態もチェックしてパスの切り替えを行うグローバルリペアに対応することが要求されている。リンク/ノード状態監視部21は、隣接するPEよりも先のパスのパス状態をチェックして障害が発生していることを検出すると、そのパスへ繋がっているパスの有効ビットVの値を「1」に設定し、パスを無効化して使用されないようにする。
リンク#は、当該のパスが含まれるリンクを識別するための番号であり、ノード#は、当該のパスの接続先のノードを識別するための番号である。Lビットは、当該のパスが含まれるリンクがLAGによる仮想的な回線によって実現されており、かつ、障害発生時に即座にパスの切り替えを行うように利用者が選択している場合に「1」となる。Lビットは、当該のパスが含まれるリンクが物理回線によって実現されている場合や、リンクに含まれる全ての物理回線に障害が発生した後にパスの切り替えを行うように利用者が選択している場合に「0」となる。
LAG#は、LAGによる仮想的な回線を識別するための番号である。転送先パスは、当該のパスへパケットを転送するための出方路を識別するための番号である。Protectionパスに関する情報にも、有効ビットVと、リンク#と、ノード#と、Lビットと、LAG#と、転送先パスとが含まれる。各項目の内容は、Workパスに関する情報と同様である。
図4に示すように、リンク状態テーブル16bには、リンク#をアドレスとして、そのリンク#に対応するリンクの活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。
また、図5に示すように、ノード状態テーブル16cには、ノード#をアドレスとして、そのノード#に対応するノードの活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。
また、図6に示すように、LAG状態テーブル16dには、LAG#をアドレスとして、そのLAG#に対応する仮想的な回線の活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。なお、LAGによる仮想的な回線が活性であるということは、その仮想的な回線に含まれる全ての物理回線が活性であることを意味し、LAGによる仮想的な回線が非活性であるということは、その仮想的な回線に含まれる物理回線の少なくとも1つが非活性であることを意味する。
次に、PE100の動作について説明する。図7は、LAGによる仮想的な回線の監視処理の動作を示すフローチャートである。同図に示すように、リンク/ノード状態監視部21は、監視タイミングの到来を待機する(ステップS101否定)。そして、監視タイミングが到来すると(ステップS101肯定)、LAGによる仮想的な回線の状態の監視を実行し(ステップS102)、活性であるか、非活性であるかを判断する(ステップS103)。
そして、LAGによる仮想的な回線の状態が活性であれば(ステップS103肯定)、その仮想的な回線の番号をアドレスとして、LAG状態テーブル16dの該当エントリの値を「0(活性)」に設定する(ステップS104)。一方、LAGによる仮想的な回線の状態が非活性であれば(ステップS103否定)、その仮想的な回線の番号をアドレスとして、LAG状態テーブル16dの該当エントリの値を「1(非活性)」に設定する(ステップS105)。その後、ステップS101に戻り、次の監視タイミングの到来まで待機する。
ここで、注意すべき点は、LAGによる仮想的な回線は、複数のパスを収容しているが、本実施例のようなテーブル構成をとることにより、LAG状態テーブル16dの1エントリの内容を更新するだけで、そのエントリに対応する仮想的な回線が収容する全てのパスの切り替えが可能になっているところである。このことは、パスの切り替えを高速化するために、非常に有効である。
なお、図7では、LAGによる仮想的な回線の監視の動作についてのみ説明したが、リンクやノードの監視も、リンク/ノード状態監視部21によって、同様に実行される。
図8は、パス選択処理部13の動作を示すフローチャートである。同図に示すように、パス選択処理部13は、フロー識別部12から受け取ったフロー番号をアドレスとしてパス選択テーブル16aを参照し、WorkパスのLフラグが「1」であるかを確認する(ステップS201)。
そして、Lフラグが「1」である場合(ステップS201肯定)、パス選択処理部13は、WorkパスのLAGが活性であれば(ステップS202肯定)、Workパスを選択する(ステップS203)。WorkパスのLAGが非活性である場合(ステップS202否定)、ProtectionパスのLAGが活性であれば(ステップS204肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS205)、ProtectionパスのLAGが非活性であれば(ステップS204否定)、Workパスを選択する(ステップS203)。
一方、Lフラグが「1」でない場合(ステップS201否定)、パス選択処理部13は、WorkパスとProtectionパスの有効性ビットVが有効か無効かを判定する。
そして、Workパスの有効性ビットVが有効であり(ステップS206肯定)、Protectionパスの有効性ビットVが有効である場合(ステップS207肯定)、パス選択処理部13は、ローカルリペアのための処理を行う。すなわち、Workパスのリンクが活性であれば(ステップS208肯定)、Workパスを選択する(ステップS209)。Workパスのリンクが非活性である場合(ステップS208否定)、Protectionパスのリンクが活性であれば(ステップS210肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS211)、Protectionパスのリンクが非活性であれば(ステップS210否定)、Workパスを選択する(ステップS209)。
また、Workパスの有効性ビットVが有効であり(ステップS206肯定)、Protectionパスの有効性ビットVが無効である場合(ステップS207否定)、パス選択処理部13は、Workパスを選択する(ステップS209)。また、Workパスの有効性ビットVが無効である場合(ステップS206否定)、Protectionパスの有効性ビットVが有効であれば(ステップS212肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS211)、Protectionパスの有効性ビットVが無効であれば(ステップS212否定)、パケットを破棄する(ステップS213)。
なお、上記の説明では、Lフラグが「1」でなく、WorkパスとProtectionパスが有効な場合に、リンクが活性であるか否かに基づいてパスの選択を行っているが、この場合に、ノードが活性であるか否かに基づいてパスの選択を行うこととしてもよい。
図9は、パス選択処理部13の動作の具体例を示す図である。なお、図9では、説明を容易にするため、複数の状態テーブル(16b、16c、16d)のうち、LAG状態テーブル16dに焦点を当てて説明している。
同図に示すように、例えば、入力パケットIF11が、入り方路から、フロー#10のパケットを取り込むと、フロー識別部12は、入力パケットIF11から受け取るパケットのフローを識別して番号「10」を特定し、特定したフロー番号「10」を受信パケットと共にパス選択処理部13に出力する。
パス選択処理部13は、フロー番号「10」を基にパス選択テーブル16aから、WorkパスのLフラグの値を取得する。そして、Lフラグの値が「1」であることを確認すると、WorkパスのLAG#である「100」を取得し、この番号を基にLAG状態テーブルからLAGによる仮想的な回線の状態を示す値を取得する。この値が「0(活性)」であれば、パス選択処理部13は、Workパスを選択し、転送先パス#4000を転送先制御部14に通知する。
一方、Workパスに障害が発生しており、取得した値が「1(非活性)」になっていれば、パス選択処理部13は、ProtectionパスのLAG#である「300」を取得し、この番号を基にLAG状態テーブルからLAGによる仮想的な回線の状態を示す値を取得する。この値が「0(活性)」であれば、パス選択処理部13は、Protectionパスを選択し、転送先パス#3000を転送先制御部14に通知する。
次に、テーブル表示部22による情報表示について説明する。図10は、テーブル表示部22が管理端末200の表示部に表示させる情報の表示例を示す図である。同図に示すように、テーブル表示部22は、管理端末200から送信された検索条件等にしたがって、パス選択テーブル16a、リンク状態テーブル16b、ノード状態テーブル16cおよびLAG状態テーブル16dを検索し、その結果を管理端末200に表示させる。
上述してきたように、本実施例では、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができる。また、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することもできる。
なお、上述した実施例では、リンクがLAG機能による仮想的な回線である場合に、パス選択テーブル16aのLフラグを「0」に設定すると、そのリンクに含まれる全ての物理回線が断となるまでパスの切り替えが実行されないが、リンクの帯域が所定の閾値よりも小さくなった場合には、パスの切り替えを実行するように構成することもできる。
以上のように、本発明に係るパケット伝送装置およびその制御回路は、MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行う場合に有用であり、特に、リンクアグリゲーション機能が適用された回線においてもパス切り替えを適切に実行することが必要な場合に適している。
この発明は、MPLS(Multi-protocol Label Switching)ネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置およびその制御回路に関し、特に、リンクアグリゲーション機能が適用された回線においてもパス切り替えを適切に実行することができるパケット伝送装置およびその制御回路に関する。
近年、ラベルスイッチング技術に基づいてパケットの転送を行うMPLSネットワークが広く利用されるようになっている。MPLSネットワークでは、異なる経路をとるようにWorkパスとProtectionパスを設定しておくことにより、Workパスに障害が発生した場合でも、Protectionパスを用いて通信を行うことが可能になっている。
ただし、この仕組みを利用して高い信頼性をもつネットワークを実現するには、障害が発生した場合に、WorkパスからProtectionパスへの切り替えを高速に実行し、通信断状態となる時間をできるだけ短くすることが重要である。パスの切り替えを高速化するための技術は、例えば、特許文献1において開示されている。特許文献1において開示されている技術では、現用経路(Workパス)の障害が検出された場合に、現用経路がダウンしている旨をルーティングテーブルに書き込むことにより、予備経路(Protectionパス)への高速な切り替えを実現している。
特開2002−374288号公報
しかしながら、上記の技術を含めて、従来のパス切り替え技術は、複数の物理回線を束ねて1本の仮想的な回線として扱うリンクアグリゲーション(以下、「LAG」という)機能に十分に対応したものではなかった。LAGによる仮想的な回線は、一部の物理回線に障害が発生した場合でも、帯域は減少する以外は、問題なくそのまま通信を継続させることができる。
このため、LAGによる仮想的な回線を利用する場合、わずかな時間の通信断でも回避したければ、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うことなく、そのままの状態を維持することが望ましい。一方、帯域の減少を回避したければ、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うことが望ましい。
このように、LAGによる仮想的な回線を利用する場合には、一部の物理回線の障害発生時に、パスの切り替えを行うべきか否かが回線の使用目的等によって異なる。従来のパス切り替え技術は、このような、LAGによる仮想的な回線を利用する場合の要件に対応することができていなかった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、リンクアグリゲーション機能が適用された回線においてもパス切り替えを適切に実行することができるパケット伝送装置およびその制御回路を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の一つの態様では、MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置であって、転送するパケットが有するフロー番号毎に前記WorkパスおよびProtectionパスにおけるリンクの番号と、該リンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブルと、前記リンクの番号と当該リンクの活性または非活性の状態とが関連付けて設定されているリンク状態テーブルと、前記リンクアグリゲーション番号と該リンクアグリゲーション番号に対応する複数の物理回線の全てが活性であるかを示す値とが関連付けて設定されているリンクアグリゲーション状態テーブルとを記憶する記憶部と、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていることを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクアグリゲーション番号を取得して前記リンクアグリゲーション状態テーブルを参照し、全ての物理回線が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得するパス選択処理手段と、前記パス選択処理手段が取得した転送先情報によって決定した出方路へ受信したパケットを送出する転送制御手段と、各出方路のリンクの状態を監視し、当該リンクが活性であるか非活性であるかに応じて前記リンク状態テーブルおよびリンクアグリゲーション状態テーブルを更新する監視手段と、を備えていることを特徴とする。
この発明の態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができる。
また、本発明の他の態様では、上記の発明の態様において、前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクの番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする。
この発明の態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することができる。
また、本発明の他の態様では、上記の発明の態様において、前記パス選択テーブルには、前記フロー番号毎に、前記WorkパスおよびProtectionパスにおける当該パスが、当該のパケット伝送装置に隣接するパケット伝送装置よりも先においても有効であるか無効であるかを示す有効性ビットが追加して設けられ、前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスの有効性ビットを取得し、WorkパスおよびProtectionパスでの有効性ビットが共に有効を示す場合は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンク番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、リンク状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得し、WorkパスとProtectionパスのいずれか一方の有効性ビットが有効を示す場合は、有効なほうのパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする。
この発明の態様によれば、隣接するノードよりも先で障害が発生した場合にもパスの切り替えを行うグローバルリペアにも対応することができる。
なお、本発明の構成要素、表現または構成要素の任意の組合せを、方法、装置、システム、コンピュータプログラム、記録媒体、データ構造などに適用したものも本発明の態様として有効である。
本発明の一つの態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができるという効果を奏する。
また、本発明の一つの態様によれば、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することができるという効果を奏する。
また、本発明の一つの態様によれば、隣接するノードよりも先で障害が発生した場合にもパスの切り替えを行うグローバルリペアにも対応することができるという効果を奏する。
以下に、本発明に係るパケット伝送装置およびその制御回路の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
まず、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法の概要について説明する。図1は、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法とを説明するための図である。同図に示すように、MPLSネットワークは、複数のパケット伝送装置(Provider Edge、以下、「PE」という)の間を1ないし複数のリンクで接続して構成される。リンクは、物理的な回線によって実現されていてもよいし、LAGによる仮想的な回線によって実現されていてもよい。
図1に示すMPLSネットワークは、PE100〜103の間を複数のリンクで接続して構成されている。具体的には、PE100とPE101が、外部のネットワークとの接続位置に配置され、その間が、PE102を経由する第1の経路と、PE103を経由する第2の経路で接続されている。そして、各PE間の複数のリンクは、LAGによる仮想的な回線によって実現されている。
また、図1に示すMPLSネットワークでは、保護対象となるWorkパス上において障害の発生する可能性のある箇所(リンク、ノード)を迂回するようなProtectionパスが設けられている。具体的には、PE100〜PE102〜PE101のパスが保護対象となるWorkパスであり、PE102、もしくは、その両端のリンクで障害が発生するのに備えて、PE100〜PE103〜PE101の経路をとるProtectionパスが設けられている。
このMPLSネットワークにおいて、PE100とPE102との間のリンクに障害が発生すると、分岐点に位置するPE100がパスの切り替えを実行する。合流点に位置するPE101は、Workパス用のラベルとProtectionパス用のラベルの両方を受け取るように設定されているので、PE100がラベルをWorkパス用からProtectionパス用に切り替えるだけで、障害回復が実現される。
パスの切り替えは、リンク単位で実行される。障害が検出されたリンクが、物理回線によって実現されている場合、そのリンクに含まれる全てのWorkパスがProtectionパスへ即座に切り替えられる。一方、障害が検出されたリンクが、LAGによる仮想的な回線によって実現されている場合、パスの切り替えは、即座に行うこともできるし、リンクに含まれる全ての物理回線に障害が発生してリンクが完全に使用不能になった段階で行うこともできる。どちらのタイミングでパスの切り替えを行うかは、そのリンクによって提供されているサービスの種類等に応じて利用者が選択することができる。
次に、図1に示したPE100〜103の構成について説明する。なお、PE100〜103は、同様の構成を有するので、ここでは、PE100を例にして構成の説明を行う。図2は、PE100の構成を示すブロック図である。同図に示すように、PE100は、パケット転送処理部10と制御部20とを備えている。
パケット転送処理部10は、入力パケットインタフェース(以下、「入力パケットIF」という)11と、フロー識別部12と、パス選択処理部13と、転送先制御部14と、出力パケットインタフェース(以下、「出力パケットIF」という)15と、記憶部16とを備える。そして、記憶部16には、パス選択テーブル16aと、リンク状態テーブル16bと、ノード状態テーブル16cと、LAG状態テーブル16dとが記憶されている。
パケット転送処理部10では、入力パケットIF11によって取り込まれたパケットのフロー番号をフロー識別部12が判別し、パス選択処理部13がそのフロー番号に従って転送先のパスを選択し、パス選択処理部13によって選択されたパスへパケットが転送されるように転送先制御部14が制御を行う。パス選択処理部13は、転送先のパスを選択するために、記憶部16の各種テーブルを参照する。
制御部20は、リンク/ノード状態監視部21と、テーブル表示部22とを有する。リンク/ノード状態監視部21は、状態監視用のパケットを送信する等して、出力パケットIF15を介して接続されている他のPEの状態や、それらのPEと自装置の間のリンク状態を監視する。そして、リンク/ノード状態監視部21は、監視結果をリンク状態テーブル16b、ノード状態テーブル16cおよびLAG状態テーブル16dに反映させる。
テーブル表示部22は、当該のPEに接続された管理端末200から送信された指示に従って記憶部16の各種テーブルを検索し、その内容を編集して、管理端末200へ表示させる。管理端末200への表示例については後に示す。
図3に示すように、パス選択テーブル16aには、フローの番号#1〜フロー番号#Mをアドレスとして、そのフロー番号に対応する転送先の、Workパスに関する情報とProtectionパスに関する情報とが組になって格納されている。Workパスに関する情報には、有効ビットVと、リンク#と、ノード#と、Lビットと、LAG#と、転送先パスとが含まれる。
有効ビットVは、当該のパスが有効であるか否かを示すフラグである。本実施例では、有効性ビットVの値が「0」であれば、当該のパスが有効であることを示し、有効性ビットVの値が「1」であれば、当該のパスが無効であることを示すものとする。このフラグは、グローバルリペアへの対応のために使用される。
MPLSネットワークにおいては、WorkパスとProtectionパスとの分岐点に位置するPEは、図11に示すように、隣接するPEとの間での状態のみをチェックしてパスの切り替えを行うローカルリペアだけでなく、図12に示すように、その先の状態もチェックしてパスの切り替えを行うグローバルリペアに対応することが要求されている。リンク/ノード状態監視部21は、隣接するPEよりも先のパスのパス状態をチェックして障害が発生していることを検出すると、そのパスへ繋がっているパスの有効ビットVの値を「1」に設定し、パスを無効化して使用されないようにする。
リンク#は、当該のパスが含まれるリンクを識別するための番号であり、ノード#は、当該のパスの接続先のノードを識別するための番号である。Lビットは、当該のパスが含まれるリンクがLAGによる仮想的な回線によって実現されており、かつ、障害発生時に即座にパスの切り替えを行うように利用者が選択している場合に「1」となる。Lビットは、当該のパスが含まれるリンクが物理回線によって実現されている場合や、リンクに含まれる全ての物理回線に障害が発生した後にパスの切り替えを行うように利用者が選択している場合に「0」となる。
LAG#は、LAGによる仮想的な回線を識別するための番号である。転送先パスは、当該のパスへパケットを転送するための出方路を識別するための番号である。Protectionパスに関する情報にも、有効ビットVと、リンク#と、ノード#と、Lビットと、LAG#と、転送先パスとが含まれる。各項目の内容は、Workパスに関する情報と同様である。
図4に示すように、リンク状態テーブル16bには、リンク#をアドレスとして、そのリンク#に対応するリンクの活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。
また、図5に示すように、ノード状態テーブル16cには、ノード#をアドレスとして、そのノード#に対応するノードの活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。
また、図6に示すように、LAG状態テーブル16dには、LAG#をアドレスとして、そのLAG#に対応する仮想的な回線の活性/非活性を示す値が格納される。本実施例では、「0」の値が活性を示し、「1」の値が非活性を示すものとする。これらの値は、リンク/ノード状態監視部21によって更新される。なお、LAGによる仮想的な回線が活性であるということは、その仮想的な回線に含まれる全ての物理回線が活性であることを意味し、LAGによる仮想的な回線が非活性であるということは、その仮想的な回線に含まれる物理回線の少なくとも1つが非活性であることを意味する。
次に、PE100の動作について説明する。図7は、LAGによる仮想的な回線の監視処理の動作を示すフローチャートである。同図に示すように、リンク/ノード状態監視部21は、監視タイミングの到来を待機する(ステップS101否定)。そして、監視タイミングが到来すると(ステップS101肯定)、LAGによる仮想的な回線の状態の監視を実行し(ステップS102)、活性であるか、非活性であるかを判断する(ステップS103)。
そして、LAGによる仮想的な回線の状態が活性であれば(ステップS103肯定)、その仮想的な回線の番号をアドレスとして、LAG状態テーブル16dの該当エントリの値を「0(活性)」に設定する(ステップS104)。一方、LAGによる仮想的な回線の状態が非活性であれば(ステップS103否定)、その仮想的な回線の番号をアドレスとして、LAG状態テーブル16dの該当エントリの値を「1(非活性)」に設定する(ステップS105)。その後、ステップS101に戻り、次の監視タイミングの到来まで待機する。
ここで、注意すべき点は、LAGによる仮想的な回線は、複数のパスを収容しているが、本実施例のようなテーブル構成をとることにより、LAG状態テーブル16dの1エントリの内容を更新するだけで、そのエントリに対応する仮想的な回線が収容する全てのパスの切り替えが可能になっているところである。このことは、パスの切り替えを高速化するために、非常に有効である。
なお、図7では、LAGによる仮想的な回線の監視の動作についてのみ説明したが、リンクやノードの監視も、リンク/ノード状態監視部21によって、同様に実行される。
図8は、パス選択処理部13の動作を示すフローチャートである。同図に示すように、パス選択処理部13は、フロー識別部12から受け取ったフロー番号をアドレスとしてパス選択テーブル16aを参照し、WorkパスのLフラグが「1」であるかを確認する(ステップS201)。
そして、Lフラグが「1」である場合(ステップS201肯定)、パス選択処理部13は、WorkパスのLAGが活性であれば(ステップS202肯定)、Workパスを選択する(ステップS203)。WorkパスのLAGが非活性である場合(ステップS202否定)、ProtectionパスのLAGが活性であれば(ステップS204肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS205)、ProtectionパスのLAGが非活性であれば(ステップS204否定)、Workパスを選択する(ステップS203)。
一方、Lフラグが「1」でない場合(ステップS201否定)、パス選択処理部13は、WorkパスとProtectionパスの有効性ビットVが有効か無効かを判定する。
そして、Workパスの有効性ビットVが有効であり(ステップS206肯定)、Protectionパスの有効性ビットVが有効である場合(ステップS207肯定)、パス選択処理部13は、ローカルリペアのための処理を行う。すなわち、Workパスのリンクが活性であれば(ステップS208肯定)、Workパスを選択する(ステップS209)。Workパスのリンクが非活性である場合(ステップS208否定)、Protectionパスのリンクが活性であれば(ステップS210肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS211)、Protectionパスのリンクが非活性であれば(ステップS210否定)、Workパスを選択する(ステップS209)。
また、Workパスの有効性ビットVが有効であり(ステップS206肯定)、Protectionパスの有効性ビットVが無効である場合(ステップS207否定)、パス選択処理部13は、Workパスを選択する(ステップS209)。また、Workパスの有効性ビットVが無効である場合(ステップS206否定)、Protectionパスの有効性ビットVが有効であれば(ステップS212肯定)、Protectionパスを選択し(ステップS211)、Protectionパスの有効性ビットVが無効であれば(ステップS212否定)、パケットを破棄する(ステップS213)。
なお、上記の説明では、Lフラグが「1」でなく、WorkパスとProtectionパスが有効な場合に、リンクが活性であるか否かに基づいてパスの選択を行っているが、この場合に、ノードが活性であるか否かに基づいてパスの選択を行うこととしてもよい。
図9は、パス選択処理部13の動作の具体例を示す図である。なお、図9では、説明を容易にするため、複数の状態テーブル(16b、16c、16d)のうち、LAG状態テーブル16dに焦点を当てて説明している。
同図に示すように、例えば、入力パケットIF11が、入り方路から、フロー#10のパケットを取り込むと、フロー識別部12は、入力パケットIF11から受け取るパケットのフローを識別して番号「10」を特定し、特定したフロー番号「10」を受信パケットと共にパス選択処理部13に出力する。
パス選択処理部13は、フロー番号「10」を基にパス選択テーブル16aから、WorkパスのLフラグの値を取得する。そして、Lフラグの値が「1」であることを確認すると、WorkパスのLAG#である「100」を取得し、この番号を基にLAG状態テーブルからLAGによる仮想的な回線の状態を示す値を取得する。この値が「0(活性)」であれば、パス選択処理部13は、Workパスを選択し、転送先パス#4000を転送先制御部14に通知する。
一方、Workパスに障害が発生しており、取得した値が「1(非活性)」になっていれば、パス選択処理部13は、ProtectionパスのLAG#である「300」を取得し、この番号を基にLAG状態テーブルからLAGによる仮想的な回線の状態を示す値を取得する。この値が「0(活性)」であれば、パス選択処理部13は、Protectionパスを選択し、転送先パス#3000を転送先制御部14に通知する。
次に、テーブル表示部22による情報表示について説明する。図10は、テーブル表示部22が管理端末200の表示部に表示させる情報の表示例を示す図である。同図に示すように、テーブル表示部22は、管理端末200から送信された検索条件等にしたがって、パス選択テーブル16a、リンク状態テーブル16b、ノード状態テーブル16cおよびLAG状態テーブル16dを検索し、その結果を管理端末200に表示させる。
上述してきたように、本実施例では、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合において、リンクを構成する複数の物理回線の一部でも障害が発生した場合に、即座にパスの切り替えを実行することができる。また、パス毎に設けられたフラグを適切に設定することにより、リンクが複数の物理回線によって構成されている場合や、リンクが単一の物理回線によって構成されている場合において、リンクが断となった場合に、パスの切り替えを実行することもできる。
なお、上述した実施例では、リンクがLAG機能による仮想的な回線である場合に、パス選択テーブル16aのLフラグを「0」に設定すると、そのリンクに含まれる全ての物理回線が断となるまでパスの切り替えが実行されないが、リンクの帯域が所定の閾値よりも小さくなった場合には、パスの切り替えを実行するように構成することもできる。
図1は、MPLSネットワークの構成例と障害回復方法とを説明するための図である。 図2は、パケット伝送装置の構成を示すブロック図である。 図3はパス選択テーブルの構成を示す図である。 図4は、リンク状態テーブルの一例を示す図である。 図5は、ノード状態テーブルの一例を示す図である。 図6は、LAG状態テーブルの一例を示す図である。 図7は、LAGによる仮想的な回線の監視処理の動作を示すフローチャートである。 図8は、パス選択処理部の動作を示すフローチャートである。 図9は、パス選択処理部の動作の具体例を示す図である。 図10は、テーブル表示部が管理端末の表示部に表示させる情報の表示例を示す図である。 図11は、ローカルリペアについて説明するための図である。 図12は、グローバルリペアについて説明するための図である。
10 パケット転送処理部
11 入力パケットIF
12 フロー識別部
13 パス選択処理部
14 転送先制御部
15 出力パケットIF
16 記憶部
16a パス選択テーブル
16b リンク状態テーブル
16c ノード状態テーブル
16d LAG状態テーブル
20 制御部
21 リンク/ノード状態監視部
22 テーブル表示部
100〜103 パケット伝送装置(PE)
200 管理端末

Claims (9)

  1. MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置であって、
    転送するパケットが有するフロー番号毎に前記WorkパスおよびProtectionパスにおけるリンクの番号と、該リンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブルと、前記リンクの番号と当該リンクの活性または非活性の状態とが関連付けて設定されているリンク状態テーブルと、前記リンクアグリゲーション番号と該リンクアグリゲーション番号に対応する複数の物理回線の全てが活性であるかを示す値とが関連付けて設定されているリンクアグリゲーション状態テーブルとを記憶する記憶部と、
    入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていることを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクアグリゲーション番号を取得して前記リンクアグリゲーション状態テーブルを参照し、全ての物理回線が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得するパス選択処理手段と、
    前記パス選択処理手段が取得した転送先情報によって決定した出方路へ受信したパケットを送出する転送制御手段と、
    各出方路のリンクの状態を監視し、当該リンクが活性であるか非活性であるかに応じて前記リンク状態テーブルおよびリンクアグリゲーション状態テーブルを更新する監視手段と、
    を備えていること特徴とするパケット伝送装置。
  2. 前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクの番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする請求項1に記載のパケット伝送装置。
  3. 前記パス選択テーブルには、前記フロー番号毎に、前記WorkパスおよびProtectionパスにおける当該パスが、当該のパケット伝送装置に隣接するパケット伝送装置よりも先においても有効であるか無効であるかを示す有効性ビットが追加して設けられ、
    前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスの有効性ビットを取得し、WorkパスおよびProtectionパスでの有効性ビットが共に有効を示す場合は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンク番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、リンク状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得し、WorkパスとProtectionパスのいずれか一方の有効性ビットが有効を示す場合は、有効なほうのパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする請求項2に記載のパケット伝送装置。
  4. MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置であって、
    転送するパケットが有するフロー番号毎に前記WorkパスおよびProtectionパスにおける隣接するノードの番号と、該ノードとの間のリンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブルと、前記ノードの番号と当該ノードの活性または非活性の状態とが関連付けて設定されているノード状態テーブルと、前記リンクアグリゲーション番号と該リンクアグリゲーション番号に対応する複数の物理回線の全てが活性であるかを示す値とが関連付けて設定されているリンクアグリゲーション状態テーブルとを記憶する記憶部と、
    入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが、隣接するノードとの間のリンクが複数の物理回線によって構成されていることを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクアグリゲーション番号を取得して前記リンクアグリゲーション状態テーブルを参照し、全ての物理回線が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得するパス選択処理手段と、
    前記パス選択処理手段が取得した転送先情報によって決定した出方路へ受信したパケットを送出する転送制御手段と、
    各出方路のリンクとノードの状態を監視し、当該リンクとノードが活性であるか非活性であるかに応じて前記ノード状態テーブルおよびリンクアグリゲーション状態テーブルを更新する監視手段と、
    を備えていること特徴とするパケット伝送装置。
  5. 前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが、隣接するノードとの間のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのノードの番号を取得して前記ノード状態テーブルを参照し、状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする請求項4に記載のパケット伝送装置。
  6. 前記パス選択テーブルには、前記フロー番号毎に、前記WorkパスおよびProtectionパスにおける当該パスが、当該のパケット伝送装置に隣接するパケット伝送装置よりも先においても有効であるか無効であるかを示す有効性ビットが追加して設けられ、
    前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが、隣接するノードとの間のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスの有効性ビットを取得し、WorkパスおよびProtectionパスでの有効性ビットが共に有効を示す場合は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのノード番号を取得して前記ノード状態テーブルを参照し、ノード状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得し、WorkパスとProtectionパスのいずれか一方の有効性ビットが有効を示す場合は、有効なほうのパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする請求項5に記載のパケット伝送装置。
  7. 前記記憶部に記憶される各種のテーブルの内容を所定の表示部に出力させるテーブル表示手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のパケット伝送装置。
  8. MPLSネットワークのWorkパスとProtectionパスとの間の切り替えを行うパケット伝送装置を制御する制御回路であって、
    転送するパケットが有するフロー番号毎に前記WorkパスおよびProtectionパスにおけるリンクの番号と、該リンクが複数の物理回線によって構成されているかどうかを示すフラグと、該複数の物理回線の集まりを識別するためのリンクアグリゲーション番号と、転送先情報とが関連付けて設定されているパス選択テーブルと、前記リンクの番号と当該リンクの活性または非活性の状態とが関連付けて設定されているリンク状態テーブルと、前記リンクアグリゲーション番号と該リンクアグリゲーション番号に対応する複数の物理回線の全てが活性であるかを示す値とが関連付けて設定されているリンクアグリゲーション状態テーブルとを記憶する記憶部と、
    入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていることを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクアグリゲーション番号を取得して前記リンクアグリゲーション状態テーブルを参照し、全ての物理回線が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得するパス選択処理手段と、
    前記パス選択処理手段が取得した転送先情報によって決定した出方路へ受信したパケットを送出する転送制御手段と、
    各出方路のリンクの状態を監視し、当該リンクが活性であるか非活性であるかに応じて前記リンク状態テーブルおよびリンクアグリゲーション状態テーブルを更新する監視手段と、
    を備えていること特徴とする制御回路。
  9. 前記パス選択処理手段は、入方路から取り込んだパケットのフロー番号に従って前記パス選択テーブルから取得した前記フラグが当該のリンクが複数の物理回線によって構成されていないことを示す場合に、該フロー番号に従って前記パス選択テーブルからWorkパスおよびProtectionパスのリンクの番号を取得して前記リンク状態テーブルを参照し、状態が活性であるWorkパスまたはProtectionパスを選択し、選択したパスの転送先情報を前記パス選択テーブルから取得することを特徴とする請求項8に記載の制御回路。
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