JP5994287B2 - 画像処理装置、及び無色トナー画像の表示方法 - Google Patents

画像処理装置、及び無色トナー画像の表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、無色トナーを印刷する際に使用する無色トナー画像を表示可能な画像処理装置、及び無色トナー画像の表示方法に関する。
プロダクションプリンティング分野で利用される特色印刷の一種として、クリアトナー印刷が注目されている。クリアトナーは色を持たないため、例えばDTP(Desk Top Publishing)などで作成したデータを出力のためにプリンタの出力解像度を合わせて変換する通常のRIP(Raster Image Processor)処理で版を画像から一意に生成することができず、人間が版を作成する必要があった。またトナーに色が無いため、DTP作業としてこの版を作成・確認するときも、疑似的に色を付けて表示する必要がある。DTPとは、PCなどを用いてユーザが電子的に、且つ簡単に印刷用の版を作成すること、及びそのためのツールもしくは処理を指す。
先行技術文献として、特許文献1には、視覚特性を考慮して領域表示の顕著性を定義し、該顕著性を反復比較することで、対象領域を最も良く目立たせることを目的とした技術が開示されており、この技術では顕著性の定義に領域平均色と共分散、もしくは分布間のマハラノビス距離を用いることに特徴がある。特許文献1では、領域表示色をその周囲の色との比較で決めるが、対象領域に異なる色の部分領域が含まれる場合に、これらの部分領域の色の平均色情報が利用されることになり、領域全体の顕著性の表現としては不適切である。
また特許文献2には、LUTを利用した減色処理により領域表示色を決定することを特徴とする技術が開示されている。特許文献2では、各領域の代表色を求めそれにより領域表示を行うことで、各領域を顕在的に表示することを目的としているが、領域間の色の差異を考慮していないため、代表色間が近い場合などに視認性が落ちる可能性がある。
特許文献3には、判別分析を反復的に用いて色空間を分割し、各分割後の色分布を元に画像の減色処理及び表示色を決定する技術が開示されている。しかし、特許文献3は、上記特許文献2と同様、減色処理による表示色決定であるため、隣接領域間の色の差異が考慮されておらず、視認性が落ちる可能性がある。
しかしながら、無色トナーを印刷するための版を、DTPなどで作成する場合、PCなどの画面で選択領域を確認しつつ、無色トナー塗布領域を決定する必要がある。このとき、原稿の色によっては、予め定められた一色の表示色では当該領域の視認性が悪いという問題点があった。
また、上記引用文献1〜3からわかる通り、無色トナー塗布領域を高い視認性で表示する充分な技術はこれまでに存在しなかった。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、無色トナーの領域を表示した際の視認性を高めることができる画像処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、記録媒体に無色トナーを印刷する際に使用する無色トナー版データを作成する電子版データ作成手段と、前記無色トナー版データに応じた無色トナー画像を表示する表示手段と、前記表示手段に前記無色トナー画像を表示する際に、前記無色トナーを塗布する塗布領域を、特定の色若しくはパターンにより表示する制御を行う表示制御手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記無色トナーを塗布する原稿領域周辺の平均色、又は前記無色トナーを塗布する原稿領域の周辺の平均色を利用しない場合には当該原稿領域の領域色をヒストグラム化して算出された最頻色を、前記無色トナーを塗布する原稿領域の表示色として決定することを特徴とする。
本発明によれば、無色トナーを塗布する原稿領域、該原稿領域周辺の平均色、色の標準偏差、最頻色のいずれか、もしくはこれらの組み合わせを用いて、無色トナー塗布領域の表示色を決定するようにしているので、ユーザは特別な手間をかけることなく、常に高い視認性で無色トナーの領域を確認しつつ作業を進めることができる。
本発明の実施形態に係る画像形成システムの構成図である。 本実施形態の画像処理装置の機能ブロック図である。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する第1の処理を示したフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する評価関数計算及び反対色計算処理を示したフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する第2の処理を示したフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する第3の処理を示したフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する第4の処理を示したフローチャートである。 本実施形態に係る画像処理装置が実行する第5の処理を示したフローチャートである。
先ず、本発明の基本的な考え方について説明する。
原稿の特定領域に対して、無色トナーを与える場合、DTP作業としては、無色トナー用の新たなレイヤーを作成し、このレイヤー上の当該領域に対して、無色トナーを意味する符号を与える方法が一般的である。
本発明では、原稿中の当該領域とその周辺領域の色情報を解析し、当該領域の視認性が高くなるように、前記の無色トナー塗布領域の表示色を自動的に変更する。領域の視認性の大半は、境界部における周辺との色の差異に依存しているため、境界部の色の差異を最大化するように、領域の平均色を変化させることが有効であると考えられる。
本発明では、境界部での色の差異を正確に扱うため、画像の色空間をCIE(国際照明委員会)1976Lなどの均等色空間に変換する。
また本発明では、境界部分での平均色差を最大にするためには、例えば平均色の差異を最大化する方法や、最頻色の差異を最大化する方法がある。
平均色の差異を最大化するために境界外側の色情報を取得する。最頻色の差異を最大化するためには、境界外側の画素集合の最頻色を導出する必要がある。そのため、該集合のヒストグラムをとる。ただし、Lなどの色空間を各次元8bitのデジタルデータで表した場合などでは、ヒストグラムの各ビンの値が小さくなりすぎることがあるため、ビンのサイズを拡大する。例えばL各次元について、8区間に区切り全部で512個のビンを用意することで、各次元8bit(256区間)に比べ、各ビンに入る平均投票数を大きくすることができる。ただし、この場合結果として得られる最頻色も512色のうちのいずれかとなるため、色空間での解像度としては低くなる。
次に、本発明の用語について定義しておく。
特色とは、通常の印刷工程で利用されるCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4種類以外の、特殊な色及びそのためのトナー・インクなどを指す。
無色トナーとは、CMYKトナーなどの色剤を含んだトナーと異なり、色剤を全く含まないか、わずかに含むだけの、透明に近いトナーを指す。
特色印刷効果とは、特色の中には単に特別な色を表現するだけではなく、光沢感を与えたり、印刷表面に凹凸を形成して触覚的な感触を与えるものもある。これらを総称して特色印刷効果と呼ぶ。
DTP(Desk Top Publishing)とは、先にも説明したが、PCなどを用いてユーザが電子的に、且つ簡単に印刷用の版を作成すること、及びそのためのツールもしくは処理を指す。
ベクトル形式とは、電子文書の形態の一つであり、原稿や画像情報などを、ベクトルとして表現し保持する形式であり、DTPで利用される主な電子文書形態を表す。
ラスター形式とは、電子文書の形態の一つであり、画像情報を、画素毎の値として表現し保持する形式であり、デジタル撮影された写真などでよく利用される形式である。
版データとは、電子的に作成される印刷用の画像データであり、特に印刷機が持つ現像機の色要素毎に分けられたものを指す。例えば印刷機がCMYKの4つの色要素を持つ場合、カラー印刷のためには4枚の版が作成されるのが一般的である。
レイヤーとは、DTPなどで利用される原稿の電子的な表現形態の一つであり、一枚の原稿が複数の層からなる場合の各層をレイヤーと呼ぶ。本発明では版データがレイヤーとして表現されている。CMYKの4色からなる原稿データの場合、CMYKの4枚のレイヤーで表現される。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成システムの構成図である。
図1に示す画像形成システムは、ネットワーク2と、それぞれがネットワーク2に接続された画像処理装置1、画像取得装置3、画像出力装置4、及び記憶装置5からなる。
画像取得装置3はイメージスキャナやデジタルカメラなど、写真、原稿、風景などの画像の画像情報を取得する装置である。画像出力装置4は電子写真記録方式やインクジェット記録方式のプリンタやプロッタからなる画像を形成する装置である。記憶装置5はHDD(ハードディスクドライブ)やNAS(Network Attached Storage)などの大容量の外部記憶装置である。
画像処理装置1は、コンピュータにより構成されており、画像処理装置内部バス11と、それぞれが画像処理装置内部バス11に接続されたCPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリ13、記憶装置14、入力装置15、表示装置16、及び通信装置17を備える。
CPU12は、メモリ13や記憶装置14に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、この画像処理装置1の全体の制御などを行うプロセッサである。メモリ13はプログラムやデータを記憶したり、CPU12が各種動作を行ったりするときにプログラムやデータを一時的に記憶するメモリである。記憶装置14はHDDからなり、CPU12が各種動作を行うときに使用するプログラムやデータを記憶する内部記憶装置である。
入力装置15は、キーボード、マウスなど、ユーザが画像処理装置1を操作するためのユーザインタフェースである。表示装置16は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)など、入力装置15から入力した情報や画像処理装置1の動作状態などを表示するユーザインタフェースである。通信装置17は、ネットワーク2を介して、画像取得装置3、画像出力装置4、記憶装置5とデータ通信を行うための装置である。
図2は、本実施形態に係る画像処理装置1の機能ブロック図である。
画像処理装置1は、前処理部20、領域分割部30、領域表示色決定部40、及び特色版生成部50を備えている。
前処理部20は、解像度変換を行う解像度変換処理部21、ノイズ除去を行うノイズ除去処理部22、色空間変換を行う色空間変換処理部23からなり、入力画像を後の処理に適した形に整える各種の変換処理を行う。
領域分割部30は、ユーザによるマーカ指定処理部31、マーカ情報に基づき入力画像を分割する画像分割処理部32、分割後の領域から特定の領域を指定する領域指定処理部33からなる。
領域表示色決定部40は、各領域の平均色情報を算出する平均色計算処理部41、各領域の標準偏差情報を算出する標準偏差計算処理部42、各領域の最頻色情報を算出する最頻色計算処理部43、各領域の表示色を決定するための評価関数計算処理部44からなる。
特色版生成部50では、レイヤー情報生成部51において入力画像に対して追加されるレイヤー上に特色情報を書き込む。
次に、本実施形態に係る画像処理装置1が実行する処理について説明する。
図3は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する第1の処理を示したフローチャートである。なお、図3〜図8に示す処理は画像処理装置1のCPU12がメモリ13に格納されているプログラムを実行することにより実現される。
この場合、画像処理装置1は、まず前処理として画像入力処理(S11)を行い、次に入力画像のノイズを低減するノイズ除去処理(S12)を行う。次いで色空間変換を行う色空間変換処理(S13)を行う。
色空間変換処理では、入力画像がRGB色空間で、中間処理色空間がL色空間の場合の変換は以下のようなものである。
なお、ここでは入力画像はラスター形式で表現されているものとする。
RGBは、デバイス依存の色表現であるため、均等色空間であるL色空間への変換のためには、デバイス依存のガンマ補正、及び中間表現形態としてのXYZ色空間への変換が必要である。これらを考慮してRGB色空間からL色空間への変換については、例えばCIE1976(L,a,b)色空間に示す方法で行うことができる。L色空間は、均等色空間であるため、同空間内での距離を色の知覚の差異として利用することができる。
次に、入力画像のファイルを検証し、入力画像ファイルに指定印刷効果に対応する特色版レイヤーが存在するか否かの判別を行い(S14)、特色版レイヤーが存在しない場合には、適当な特色レイヤーを作成する(S15)。ここまでの処理が前処理にあたる。
ここで、ユーザが入力装置15により特色(ここでは無色トナー)を乗せたい領域を指定することになる(S16)。なお、DTPアプリケーションの場合、例えば描画ツールで特色版レイヤーに領域を作成することでこの処理を行うことができる。
なお、ステップS14〜S16の処理により用紙等の記録媒体に無色トナーを印刷する際に使用する無色トナー版データを作成する電子版データ作成手段が実現される。
次に、ユーザにより特定の領域が指定されると、画像処理装置1は、境界外側画素として該領域内部及び周囲のラスター画像情報を取得し、これらをそれぞれ領域色情報、周辺色情報として保持する(S17)。
入力装置15によりユーザが平均色を利用した方法を選択された場合は(S18でYes)、領域色、周辺色、それぞれの平均と各次元の標準偏差を計算(S19,S20)し、それ以外の場合には、領域色、周辺色情報をそれぞれヒストグラム化し、最頻値を最頻色として利用する(S21)。
ステップS22の評価関数計算処理、及びステップS23の反対色計算処理では、ここまでで計算した、領域色、周辺色それぞれの特徴を用いて以下のように当該領域の表示色を計算する。より具体的には当該領域を隠蔽する特色版レイヤーのオブジェクトの表示色と透過率を決定する。
図4は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する評価関数計算処理及び反対色計算処理を示したフローチャートである。
この場合、画像処理装置1は、周辺色の平均色の反対色のCIを計算し(S31)、このCIと領域平均色との差異ベクトルであるVdを計算する(S32)。
次に、特色版レイヤーの当該オブジェクトの色としてVdを設定し(S33)、その後、特色版レイヤーの当該オブジェクトの透過率を設定する(S34)。なお、特色版レイヤーのオブジェクトの透過率は予め定めておいても良いし、ユーザに選択させてもよい。
本実施形態に係る画像処理装置1が上記第1の処理を実行すれば、無色トナーを塗布する原稿領域、該原稿領域周辺の平均色、色の標準偏差、最頻色のいずれか、もしくはこれらの組み合わせを用いて、無色トナー塗布領域の表示色を決定するようにしているので、ユーザは特別な手間をかけることなく、常に高い視認性で無色トナーの領域を確認しつつ作業を進めることができる。
図5は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する第2の処理を示したフローチャートである。
第2の処理では、特色領域が複数のサブ領域からなるような場合に特色領域の視認性を高めるために、特色領域の中の色分布を解析し、主要なサブ領域の色を元に、表示色を決定するためのものである。
この場合、画像処理装置1は、上記した第1の処理と同様、まず前処理として画像入力処理(S41)、ノイズ除去処理(S42)、色空間変換処理(S43)を行う。
次に、画像処理装置1は、入力画像のファイルを検証し、入力画像ファイルに指定印刷効果に対応する特色版レイヤーが存在するか否かの判別を行い(S44)、特色版レイヤーが存在しない場合には、適当な特色レイヤーを作成する(S45)。
次いで、特色領域に特色オブジェクトを作成し(S46)、ユーザが入力装置15により特色を指定するオブジェクトを指定すると(S47)、この指定に基づいて、境界外側画素として指定されたオブジェクトの周囲のラスター情報を入力画像から取得する(S48)。
次に、この画素分布を、ガウス混合分布(Gaussian Mixture Model)により近似する(S49)。この近似については、例えばGaussian Mixture Modelによる手法で行うことができる。この手法では予め与えられた数のガウシアンにより与えられた分布を近似するため、各ガウシアンの平均と分散が近似の結果として得られる(S50〜S52)。
なお、近似で利用されるガウシアンの数は予め定めておいてもよいし、ユーザに選択させることもできる。
この近似で得られたガウシアンの平均値は画素分布の主な色を表しているため、単純に画素分布に含まれる全ての画素を平均するよりも、最も重みの強いガウシアンの平均色を代表色として利用することで、より人間の知覚に合致した結果が得られる。
なお、ステップS53の評価関数計算処理、及びステップS54の反対色計算処理は、前述の図4に示す処理と同様である。
図6は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する第3の処理を示したフローチャートである。
第3の処理では、通常のDTPアプリケーションで対象とする電子文書であり得るように、1つのラスターオブジェクト中に複数の特色領域が存在する場合を想定し、それぞれに対して表示色を適切に設定することで、各領域の視認性を高めるためのものである。
この場合、画像処理装置1は、原稿ページ上に存在するラスターオブジェクトを除くN個オブジェクト(ここではObj(1)〜Obj(n))を順に走査し、当該オブジェクトが、ラスターオブジェクト上に存在するパスであるかどうかを判定するため、原稿ページ中のオブジェクトNをセットする(S61)。
次に、nに「1」をセットし(S62)、n番目のオブジェクトObj(n)を検索する(S63)。この後、オブジェクトObj(n)は、ラスターオブジェクト上にあるパスか否かの判別を行う(S64)。
ステップS64において、ラスターオブジェクト上のパスである場合には(S64でYes)、特色領域を指定するものであると考え、該パスオブジェクトの周辺に相当するラスター情報を検索して取得する(S65)。
次に、画像処理装置1は、オブジェクトObj(n)の周辺画素の平均色、標準偏差、最頻色の計算を行い(S66)、該オブジェクトObj(n)の表示色を決定し、それをオブジェクトObj(n)の表示色として設定する(S67)。この後、オブジェクトObj(n)のプロパティを変更する(S68)。
次に、n=Nであるか否かの判別を行い(S69)、n=Nの場合は(S69でYes)、処理を終了し、n=Nでない場合は(S69でNo)、nに「1」加算してステップS63に戻る。
このような第3の処理を原稿にあるオブジェクト全部に対して繰り返すことで、特色領域の表示色を決定することができる。
図7は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する第4の処理を示したフローチャートである。
第4の処理では、原稿中の特色領域に重畳された特定の空間パターンを時間的に変化させることで、該特色領域を目立たせるための技術である。上記の空間パターンは任意のパターンで構わないが、ここでは簡単のためにチェッカーパターンを利用するものとする。
この場合、画像処理装置1は、上記した第1の処理と同様、前処理として画像入力処理(S81)、ノイズ除去処理(S82)、色空間変換処理(S83)を行う。
次に、画像処理装置1は、入力画像のファイルを検証し、入力画像ファイルに指定印刷効果に対応する特色版レイヤーが存在するか否かの判別を行い(S84)、特色版レイヤーが存在しない場合には、適当な特色レイヤーを作成する(S85)。
特色領域に特色オブジェクトを作成し(S86)、ユーザが入力装置15により特色を指定するオブジェクトを指定すると(S87)、この指定に基づいて、境界外側画素の取得し(S88)、指定されたオブジェクトの周囲のラスター情報を入力画像から取得する(S89)。
次に、画像処理装置1は、2次元周波数解析を行うことで主要な空間周波数を検出する(S90、S91)。この2次元周波数解析は、一般的なFFT(高速フーリエ変換)で行うことができる。
次に、画像処理装置1は、検出された主要な空間周波数と同じ基底周波数を持つチェッカーパターンを作成し(S92)、上記の特色オブジェクトのプロパティとして表示パターンを決定する(S93)。なお、重畳されるチェッカーパターンの透過率を予め定められた時間パターンで変化させることで、特色領域を目立たせることができる。この時間パターンは例えばサイン関数などで構わない。
図8は、本実施形態に係る画像処理装置が実行する第5の処理を示したフローチャートである。
第5の処理では、半透過の特色オブジェクトに隠蔽されるラスターオブジェクトの当該部分を無彩色化することで、特色領域の表示色の色相を均一にし、該特色領域の視認性を高めるためのものである。
この場合、画像処理装置1は、上記した第1の処理と同様、前処理として画像入力処理(S101)、ノイズ除去処理(S82)、色空間変換処理(S83)を行う。
次に、原稿ページ中のオブジェクトNをセットする(S104)。次に、nに「1」をセットし(S105)、n番目のオブジェクトObj(n)を検索する(S106)。この後、オブジェクトObj(n)は、ラスターオブジェクト上にあるパスか否かの判別を行う(S107)。
ステップS107において、ラスターオブジェクト上のパスである場合には(S107でYes)、該パスオブジェクト領域に対応するラスターオブジェクト情報を取得する(S108)。
このラスターオブジェクト情報は、L色空間に変換された画素情報であるため、同画素情報から色成分であるa成分を削除することで簡単に無彩色化することができる(S109)。この後、基底となるラスター画像を無彩色化した後、これを隠蔽するオブジェクトObj(n)の表示色を決定し(S111)、オブジェクトObj(n)のプロパティとして設定する(S112)。これを全てのオブジェクトについて繰り返すことで、原稿中の特色領域全てを処理することができる。
1…画像処理装置、2…ネットワーク、3…画像取得装置、4…画像出力装置、5…記憶装置、11…画像処理装置内部バス、12…CPU、13…メモリ、14…記憶装置、15…入力装置、16…表示装置、17…通信装置、20…前処理部、21…解像度変換処理部、22…ノイズ除去処理部、23…色空間変換処理部、30…領域分割部、31…マーカ指定処理部、32…画像分割処理部、33…領域指定処理部、40…領域表示色決定部、41…平均色計算処理部、42…標準偏差計算処理部、43…最頻色計算処理部、44…評価関数計算処理部、50…特色版生成部、51…レイヤー情報生成部
特許第4579529号 特開平6−243244号公報 特許第2522369号

Claims (8)

  1. 記録媒体に無色トナーを印刷する際に使用する無色トナー版データを作成する電子版データ作成手段と、
    前記無色トナー版データに応じた無色トナー画像を表示する表示手段と、
    前記表示手段に前記無色トナー画像を表示する際に、前記無色トナーを塗布する塗布領域を、特定の色若しくはパターンにより表示する制御を行う表示制御手段と、を備え、
    前記表示制御手段は、
    前記無色トナーを塗布する原稿領域の周辺の平均色、又は前記無色トナーを塗布する原稿領域の周辺の平均色を利用しない場合には当該原稿領域の領域色をヒストグラム化して算出された最頻色を、前記無色トナーを塗布する原稿領域の表示色として決定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記表示制御手段は、指定領域の境界外側における外側領域について計算された平均色と、当該指定領域における領域平均色との差異ベクトルを算出し、算出された差異ベクトルを当該指定領域の表示色に決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記平均色及び色の分散の計算をL*u*v*色空間、またはL*a*b*色空間により行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記無色トナーを塗布する塗布領域の色分布を、複数のガウシアンで近似した場合の各ガウシアンの平均値及び分散を近似結果として算出し、算出された近似結果のうち最も重みの強い近似結果を、前記無色トナーを塗布する原稿領域の表示色として決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記表示制御手段は、前記記録媒体の面における前記無色トナーを塗布する塗布領域ごとに表示色の決定を行うことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記表示制御手段は、前記無色トナーを塗布する塗布領域を、予め定められた時間変化するパターンにより前記原稿領域に重畳して前記表示手段に表示する制御を行うと共に、前記パターンのパラメータを、前記無色トナーを塗布する塗布領域の原稿情報に基づいて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  7. 前記表示制御手段は、前記無色トナーを塗布する塗布領域を無彩色化し、当該無色トナーを塗布する塗布領域に予め定められた色を重畳して前記表示手段に表示する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  8. 記録媒体に無色トナーを印刷する際に使用する無色トナー版データに応じた無色トナー画像を、特定の色若しくはパターンにより表示手段に表示する無色トナー版データの表示方法であって、
    表示制御手段が、
    前記無色トナーを塗布する原稿領域の周辺の平均色、又は前記無色トナーを塗布する原稿領域の周辺の平均色を利用しない場合には当該原稿領域の領域色をヒストグラム化して算出された最頻色を、前記無色トナーを塗布する原稿領域の表示色として決定することを特徴とする無色トナー画像の表示方法。
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