以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における空気調和装置1の構成例を示す図である。本実施の形態1の概略について説明する。図1に示す空気調和装置1は、リモートコントローラー3−1又はリモートコントローラー3−2からの運転指令を室内機11−1〜11−Nが受信しない場合、室内機11−1〜11−Nからリモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2への電源供給を停止する。よって、空気調和装置1は、無駄な電力消費を回避するため、消費電力を削減し、省エネを図る。以下、本実施の形態1における空気調和装置1の詳細について順に説明する。
図1に示すように、空気調和装置1は、リモートコントローラー3−1、リモートコントローラー3−2、及び空気調和機5−1〜空気調和機5−Nを備える。空気調和機5−1は、室内機11−1と、室外機13−1とを備える。室内機11−1と、室外機13−1とは、信号線9−1を介して接続されている。信号線9−1は、例えば、有線であって、室内機11−1と、室外機13−1との間の各種信号を伝達する通信媒体である。
室内機11−1は、図示は省略するが、例えば、室内熱交換器、室内ファン、及び室内機側膨張弁等を備える。一方、室外機13−1は、図示は省略するが、例えば、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室外ファン、室外機側膨張弁、及びアキュムレータ等を備える。そして、室内熱交換器、室内膨張弁、圧縮機、四方弁、室外熱交換器、室内膨張弁、及びアキュムレータ等が冷媒配管を介して接続され、冷媒回路が構成される。このように構成される冷媒回路が、冷媒の圧縮と膨張を行い、室内熱交換器及び室外熱交換器で熱交換することで、空気調和機5−1は、空調対象空間に空気調和された空気を供給する。なお、空気調和機5−2〜空気調和機5−Nの構成については、空気調和機5−1と同様の構成であるため、その説明については省略する。
リモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2のそれぞれは、伝送路7を介して、空気調和機5−1の室内機11−1〜空気調和機5−Nの室内機11−Nのそれぞれと並列に接続されている。つまり、リモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2は、同一の伝送路7で空気調和機5−1〜空気調和機5−Nに並列に接続されている。
伝送路7は、例えば、有線であって、リモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2と、空気調和機5−1の室内機11−1〜空気調和機5−Nの室内機11−Nとの間を接続する通信媒体である。例えば、室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台が、伝送路7に電力を供給する、つまり、伝送路7に給電する。この結果、伝送路7は、室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台からの給電をリモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2に伝達する。
また、伝送路7は、リモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2の少なくとも1台から供給される各種信号、例えば、運転指令を室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台に伝達する。また、伝送路7は、室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台から供給される各種信号、例えば、空気調和機5−1〜空気調和機5−Nの空調制御に関する各種情報をリモートコントローラー3−1及びリモートコントローラー3−2の何れか1台に伝達する。なお、空気調和装置1における給電に関する構成については、図2〜図5を用いて詳述する。
なお、リモートコンローラー3−1及びリモートコントローラー3−2の何れか1台を特に区別しない場合、リモートコントローラー3と称する。また、空気調和機5−1〜空気調和機5−Nの何れか1台を特に区別しない場合、空気調和機5と称する。また、信号線9−1〜信号線9−Nの何れか1本を特に区別しない場合、信号線9と称する。また、室内機11−1〜室内機11−Nの何れか1台を特に区別しない場合、室内機11と称する。また、室外機13−1〜室外機13−Nの何れか1台を特に区別しない場合、室外機13と称する。
なお、上記で説明した空気調和装置1の構成は一例を示すだけであり、特にこれに限定しない。例えば、リモートコントローラー3が1台であってもよく、3台以上の複数台であってもよい。例えば、1つの空気調和機5に対して、5台のリモートコントローラー3が設けられてもよい。また、例えば、空気調和機5において、100台のリモートコントローラー3が設けられてもよい。また、リモートコントローラー3と同等の機能を有する機器が複数台設けられてもよい。
また、例えば、複数の室内機11に対し、1台の室外機13が設けられてもよい。また、1台の室内機11に対し、複数台の室外機13が設けられてもよい。要するに、室内機11の台数と、室外機13の台数とが1対1の関係の台数である必要は特にない。
また、例えば、伝送路7は物理的に配線されるものを前提としているが、特にこれに限定しない。例えば、伝送路7は、各種信号及び電力を伝える媒体であればよい。例えば、伝送路7は、ワイヤード接続されるものでなくてもよい。具体的には、室内機11が予め定めた強度の電波をリモートコントローラー3に送信することで、伝送路7は電力搬送媒体として室内機11からリモートコントローラー3へ電力を搬送してもよい。また、例えば、室内機11とリモートコントローラー3との間で予め定めた特定の周波数の電波を用いることで、伝送路7は無線通信媒体として室内機11とリモートコントローラー3との間で送受信される各種信号を伝達してもよい。
また、例えば、信号線9は物理的に配線されるものを前提としているが、特にこれに限定しない。例えば、信号線9は、無線通信媒体であってもよい。つまり、信号線9は、有線通信媒体であるか無線通信媒体であるかに限定されるものではなく、室内機11と、室外機13との間を送受信する各種信号を伝達する媒体であればよい。
図2は、本発明の実施の形態1におけるリモートコントローラー3が接続されている場合の室内機11−1〜室内機11−Nの接続構成例及び内部構成例を示す図である。図2に示すように、リモートコントローラー3は、リモートコントローラー動作用電源受電手段21、伝送路用送受信手段23、表示装置25、操作ボタン27、及びマイクロコンピュータ29等を備える。
リモートコントローラー動作用電源受電手段21は、伝送路7を介して、室内機11−1〜室内機11−Nと並列に接続されている。リモートコントローラー動作用電源受電手段21は、室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台から給電された電力をリモートコントローラー3内部の動作電圧に適合した電圧に変換し、マイクロコンピュータ29等に供給する。
伝送路用送受信手段23は、伝送路7に対し、リモートコントローラー動作用電源受電手段21と並列に接続されている。伝送路用送受信手段23は、室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台から伝送路7を介して供給される空調制御に関する各種情報等の各種信号を取得する。伝送路用送受信手段23は、伝送路7から取得した各種信号をリモートコントローラー3内部の動作に適合した信号に変換し、マイクロコンピュータ29に電圧を印加する。
伝送路用送受信手段23は、マイクロコンピュータ29から供給される運転指令等の各種信号を取得する。伝送路用送受信手段23は、マイクロコンピュータ29から取得した各種信号を伝送路7を介した室内機11の送信に適合した信号に変換し、伝送路7を介して室内機11−1〜室内機11−Nの少なくとも1台に送信する。
表示装置25は、例えば、液晶ディスプレイで構成され、マイクロコンピュータ29で各種演算が実行された結果を表示する。なお、表示装置25の構成は上記の説明に限定しない。例えば、表示装置25は、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイで構成されてもよい。要するに、マイクロコンピュータ29の各種処理結果がリモートコントローラー3の使用者等に伝達できる表示手段であれば特に限定するものではない。
操作ボタン27は、例えば、押しボタン等で構成され、マイクロコンピュータ29に各種指令を供給するトリガとなる。例えば、操作ボタン27が操作されることで、操作されたボタンに対応した操作内容に関する各種コードがマイクロコンピュータ29に供給される。なお、操作ボタン27の構成は上記の説明に限定しない。例えば、操作ボタン27は、タッチパネルで構成されてもよい。この場合、表示装置25が液晶ディスプレイであれば、液晶ディスプレイにタッチパネルを重ね合わせることでタッチパネルディスプレイとして、表示装置25と操作ボタン27とを兼任させた構成とすることができる。要するに、マイクロコンピュータ29に各種指令を供給できる操作ボタン27であれば特に限定するものではない。
次に、室内機11−1について説明する。室内機11−1は、制御用電源41−1、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1、伝送路用電圧検知手段45−1、伝送路用送受信手段47−1、外部信号検知手段48−1、アドレス設定手段49−1、及びマイクロコンピュータ61−1等を備える。
制御用電源41−1は、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1及びマイクロコンピュータ61−1に電力を供給する。制御用電源41−1は、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1に電力を供給する場合、伝送路7を介してリモートコントローラー3に給電する電力に適合する予め定めた電圧に変換し、変換した電圧をリモートコントローラー動作用電源給電手段43−1に印加する。制御用電源41−1は、マイクロコンピュータ61−1に電力を供給する場合、マイクロコンピュータ61−1内部の動作電圧に適合した電圧に変換し、変換した電圧をマイクロコンピュータ61−1に印加する。
リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1は、伝送路7に対し、リモートコントローラー3と並列に接続されている。リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1は、制御用電源41−1から供給された電力を送信用電力に変換し、伝送路7を介してリモートコントローラー3に供給する。
伝送路用電圧検知手段45−1は、伝送路7に対し、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1と並列に接続されている。伝送路用電圧検知手段45−1は、伝送路7に印加されている電圧を検知する。伝送路用電圧検知手段45−1は、電圧の検知結果をマイクロコンピュータ61−1内部の動作範囲に適した電圧に変換し、マイクロコンピュータ61−1に供給する。また、伝送路用電圧検知手段45−1は、伝送路7に電圧が印加されている状態を報知する。なお、伝送路7に印加されている電圧の検知手段については特に限定しない。
伝送路用送受信手段47−1は、伝送路7に対し、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1及び伝送路用電圧検知手段45−1と並列に接続されている。伝送路用送受信手段47−1は、伝送路7から取得した各種信号をマイクロコンピュータ61−1内部の動作範囲に適合した信号に変換し、変換した信号をマイクロコンピュータ61−1に供給する。また、マイクロコンピュータ61−1から取得した各種信号をリモートコントローラー3の動作範囲に適合した信号に変換し、伝送路7へ出力する。
外部信号検知手段48−1は、図示しない外部機器からの接点信号又は電圧信号等を検知する。外部信号検知手段48−1は、検知結果をマイクロコンピュータ61−1内部の動作範囲に適合した信号に変換し、変換した信号をマイクロコンピュータ61−1に供給する。外部信号検知手段48−1は、例えば、リモートコントローラー3の代わりに他の外部機器から運転指令等の各種信号を受け取り、その結果をマイクロコンピュータ61−1に伝達することも可能である。
アドレス設定手段49−1は、室内機11−1のアドレス値を設定し、設定結果をマイクロコンピュータ61−1に供給する。アドレス設定手段49−1は、例えば、ディップスイッチ等で構成される場合、使用者等にディップスイッチを適宜切り換えさせることで、空気調和装置1の各室内機11を固有に識別できる値に設定する。なお、アドレス設定手段49−1の構成はディップスイッチに特に限定しない。アドレス設定手段49−1は、例えば、ロータリスイッチ等で構成され、ロータリスイッチを切り換えさせることで、空気調和装置1の各室内機11を固有に識別できる値に設定してもよい。
マイクロコンピュータ61−1は、例えば、図示しないROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びCPU(Central Processing Unit)等で構成される。マイクロコンピュータ61−1は、リモートコントローラー3に対する給電を制御する。詳細動作については後述するが、マイクロコンピュータ61−1は、例えば、マイクロコンピュータ61−1が起動し、アドレス設定手段49−1で設定されたアドレス値に比例した時間だけ経過したと想定する。このとき、マイクロコンピュータ61−1は、伝送路用電圧検知手段45−1が伝送路7に対する電圧の印加を検知しない場合、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1にリモートコントローラー3に対する給電指令を供給する。
なお、室内機11−2〜室内機11−Nの内部構成については、室内機11−1の内部構成と同様であるため、その説明については省略する。
なお、制御用電源41−1〜制御用電源41−Nの何れか1つを特に限定しない場合、制御用電源41と称する。また、リモートコントローラー動作用電源給電手段43−1〜リモートコントローラー動作用電源給電手段43−Nの何れか1つを特に限定しない場合、リモートコントローラー動作用電源給電手段43と称する。また、伝送路用電圧検知手段45−1〜伝送路用電圧検知手段45−Nの何れか1つを特に限定しない場合、伝送路用電圧検知手段45と称する。また、伝送路用送受信手段47−1〜伝送路用送受信手段47−Nの何れか1つを特に限定しない場合、伝送路用送受信手段47と称する。また、外部信号検知手段48−1〜外部信号検知手段48−Nの何れか1つを特に限定しない場合、外部信号検知手段48と称する。また、アドレス設定手段49−1〜アドレス設定手段49−Nの何れか1つを特に限定しない場合、アドレス設定手段49と称する。また、マイクロコンピュータ61−1〜マイクロコンピュータ61−Nの何れか1つを特に限定しない場合、マイクロコンピュータ61と称する。
次に、電気回路の一例を用いて給電について説明する。図3は、本発明の実施の形態1におけるリモートコントローラー3及び室内機11の給電に関する電気回路例を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1における伝送路用送受信手段47の通信信号波形例を示す図である。図3に示すように、室内機11は、給電に関する構成として、上述したように、制御用電源41、リモートコントローラー動作用電源給電手段43、伝送路用電圧検知手段45、及び伝送路用送受信手段47を備える。また、リモートコントローラー3は、給電に関する構成として、上述したように、リモートコントローラー動作用電源受電手段21及び伝送路用送受信手段23を備える。
室内機11の電気回路例について詳述する。伝送路用送受信手段47は、スイッチングトランジスタ111及びトランス113等を備える。スイッチングトランジスタ111のスイッチング動作でトランス113の動作が制御される接続構成となっている。トランス113は、伝送路7に対して並列に接続されている。スイッチングトランジスタ111は、マイクロコンピュータ61が制御する。例えば、マイクロコンピュータ61がスイッチングトランジスタ111のベース電圧を制御することで、スイッチングトランジスタ111を高速、例えば、50KHzでスイッチングさせる。よって、トランス113内部を流れる電流の向きも高速に切り換えられる。したがって、高周波信号、例えば、50KHzの信号が伝送路7に重畳される。
伝送路7に重畳される高周波信号の一例を図4を用いて説明する。スイッチングトランジスタ111のON状態とOFF状態とが交互に切り換えられる、すなわち、スイッチングされることで、トランス113に高周波信号が発生し、その高周波信号が伝送路7に重畳されることで、図4に示すような高周波信号が伝送路7上に現れる。図4に示すように、伝送路7に高周波信号が現れている状態を高周波信号有りとして論理1を割り当て、伝送路7に高周波信号が現れていない状態を高周波信号無しとして論理0を割り当てることで、2値論理を用いた通信が伝送路7上で実現される。
例えば、室内機11からリモートコントローラー3へ各種信号が供給される場合、室内機11がトランス113から伝送路7へ重畳する高周波信号を制御する。また、リモートコントローラー3から室内機11へ各種信号が供給される場合、トランス113が伝送路7の高周波信号を検波し、検波結果を図2に示すマイクロコンピュータ61に供給する。これらの動作で、2値論理を用いた通信が行われる。
また、例えば、室内機11同士の各種信号の送受信についても、トランス113を用いることで可能である。例えば、図2に示す室内機11−1と、図2に示す室内機11−2との間で各種信号を送受信する場合、伝送路用送受信手段47−1と、伝送路用送受信手段47−2とが用いられることで、高周波信号を用いた通信が上述したように行われる。
制御用電源41は、リモートコントローラー動作用電源給電手段43に電力を供給している。リモートコントローラー動作用電源給電手段43は、スイッチングトランジスタ101を備え、スイッチングトランジスタ101は、マイクロコンピュータ61が制御することで、スイッチングトランジスタ101のON状態とOFF状態とが切り換えられる。
例えば、マイクロコンピュータ61がスイッチングトランジスタ101にLoレベルのベース電圧を印加することで給電指令を与えれば、スイッチングトランジスタ101はON状態となる。このような状態であれば、制御用電源41から供給されている電力が伝送路7に供給される。よって、リモートコントローラー3は、伝送路7を介して、室内機11から給電される。
伝送路用電圧検知手段45は、例えば、全波整流回路120及びフォトカプラ121を備える。全波整流回路120は、伝送路7に対して並列に接続されている。全波整流回路120と、フォトカプラ121とは直列に接続されている。伝送路7が給電されている状態であれば、全波整流回路120及びフォトカプラ121に電流が流れ、フォトカプラ121はON状態となる。よって、フォトカプラ121の動作状態を監視することで、伝送路7に給電が行われているか否かが検知される。
なお、室内機11は、図示しない商用電源から給電されているため、各室内機11が通信をする際、伝送路7からの給電は不要となっている。
次に、リモートコントローラー3の電気回路例について詳述する。伝送路用送受信手段23は、スイッチングトランジスタ141及びトランス143を備える。伝送路用送受信手段23の機能及び動作等については、上述した伝送路用送受信手段47と同様であるため、その説明については省略する。
リモートコントローラー動作用電源受電手段21は、全波整流回路131、コイル133、及びコンデンサ135等を備え、リモートコントローラー3に供給される電力を受電する。伝送路7は、2本の信号線8−1、8−2で構成されているが、伝送路7と、全波整流回路131とが接続されているため、伝送路7の極性は無視される。
図5は、本発明の実施の形態1におけるリモートコントローラー3が接続されていない場合の室内機11−1〜室内機11−Nの接続構成例及び内部構成例を示す図である。室内機11−1〜室内機11−Nの接続構成及び内部構成については、図2を用いて上述した接続構成及び内部構成と同様であるため、その説明については省略する。
図5に示すように、伝送路7には、リモートコントローラー3が接続されていない。この接続状態では、室内機11−1〜室内機11−Nのそれぞれは、リモートコントローラー3から各種運転指令等を受信することがない。この場合には、リモートコントローラー3への給電動作は不要となる。
次に、室内機11の給電出力制御処理について図6を用いて説明する。図6は、本発明の実施の形態1における室内機11のマイクロコンピュータ61の制御例を説明するフローチャートである。
ステップS101〜ステップS109の処理が、給電出力開始処理であり、ステップS110〜ステップS114の処理が、給電出力停止処理である。なお、下記の処理で説明する変数等のパラメータは一例を示し、特にこれらに限定しない。
ステップS101において、マイクロコンピュータ61は、室内機11に電源が投入されることを認識する。例えば、室内機11に電源が投入され、室内機11は予め定めた初期処理を実行する。その結果、マイクロコンピュータ61は、室内機11に電源が投入されることを認識する。
ステップS102において、マイクロコンピュータ61は、伝送路7への給電出力の停止状態を維持する。例えば、マイクロコンピュータ61は、室内機11に電源が投入された後に直ちに伝送路7を介してリモートコントローラー3に給電するのではなく、予め設定した条件を満たすまでは伝送路7への給電は行わない。
ステップS103において、マイクロコンピュータ61は、給電を開始する時間をカウントする給電開始時間T1をリセットする。つまり、マイクロコンピュータ61は、給電開始時間T1というパラメータを初期化する。
ステップS104において、マイクロコンピュータ61は、給電開始時間T1のカウントを開始する。例えば、マイクロコンピュータ61は、図示しない計時部を用いることで給電開始時間T1のカウントを実行する。この場合、計時部は、カウント開始時間からカウント終了時間までを予め定めたペースでカウントできればよい。
ステップS105において、マイクロコンピュータ61は、予め設定されたアドレス値を読み込む。例えば、マイクロコンピュータ61は、アドレス設定手段49で設定されたアドレス値を読み込む。なお、読み込むアドレス値はアドレス設定手段49で設定されたものに限定しない。例えば、外部信号検知手段48から設定されたアドレス値であってもよい。
ステップS106において、マイクロコンピュータ61は、伝送路7の電圧を検知する。例えば、マイクロコンピュータ61は、伝送路7の電圧を伝送路用電圧検知手段45の検知結果に基づいて検知する。
ステップS107において、マイクロコンピュータ61は、伝送路7が給電状態であるか否かを判定する。マイクロコンピュータ61は、伝送路7が給電状態である場合、処理を終了する。一方、マイクロコンピュータ61は、伝送路7が給電状態でない場合、ステップS108に進む。
なお、伝送路7が給電状態であるか否かの判定は、上述した伝送路7の電圧の検知結果に基づいて判定される。例えば、リモートコントローラー3の動作用電源として予め定めた閾値を超える電圧が伝送路7に印加されているか否かに基づいて給電状態であるか否かが判定される。
ステップS108において、マイクロコンピュータ61は、給電開始時間T1が、初期処理時間と、アドレス値及び時間差の乗算結果との加算結果以上であるか否かが判定される。上記の内容は、後述する式(1)で表される。
給電開始時間T1≧(初期処理時間+アドレス値×時間差) (1)
初期処理時間は、室内機11に電源が投入されてから空気調和機5全体で初期処理にかかる時間のパラメータである。例えば、初期処理時間として、5秒が設定される。アドレス値は、上述したように、室内機11に予め設定された値である。時間差は、アドレス値毎に設けた時間差のパラメータである。つまり、時間差というパラメータが設定されることで、各空気調和機5で給電タイミングがずらされる。例えば、時間差として、0.1秒が設定される。
なお、アドレス値は、例えば、各室内機11に対して、昇順で値が設定されている。具体的には、図2に示す室内機11−1には、例えば、アドレス値として1が設定され、図2に示す室内機11−2には、例えば、アドレス値として2が設定され、図2に示す室内機11−Nには、例えば、アドレス値としてNが設定されている。
換言すれば、最も小さいアドレス値が設定されている室内機11から伝送路7への給電開始条件が満たされることになる。
例えば、マイクロコンピュータ61は、給電開始時間T1が、初期処理時間と、アドレス値及び時間差の乗算結果との加算結果以上である場合、ステップS109に進む。一方、マイクロコンピュータ61は、給電開始時間T1が、初期処理時間と、アドレス値及び時間差の乗算結果との加算結果以上でない場合、ステップS106に戻る。
ステップS109において、マイクロコンピュータ61は、伝送路7への給電出力を開始する。例えば、マイクロコンピュータ61は、リモートコントローラー動作用電源給電手段43を制御することで、伝送路7に電力を供給し、伝送路7を介してリモートコントローラー3に電力を供給する。
リモートコントローラー3は、伝送路7に電力が供給されると、リモートコントローラー動作用電源受電手段21を用いて電源が供給され、マイクロコンピュータ29が起動する。マイクロコンピュータ29は、起動すると、表示装置25へ立ち上げ状態の表示を行ったり、操作ボタン27の操作結果を検出したりしつつ、予め定めた初期処理を実行する。初期処理が終了後、リモートコントローラー3は、各室内機11に対し、運転操作コマンド等の運転指令を適宜送信する。そして、各室内機11は、受信した運転指令に対応した応答コマンド等をリモートコントローラー3に送信する。つまり、運転指令は、各室内機11と、リモートコントローラー3との間で定期的に実行される一連の制御シーケンスである。換言すれば、運転指令は、定期的な送受信信号である。
なお、各室内機11が伝送路7に対して独立して給電制御を行える理由は、接続構成にある。具体的には、伝送路7は、2本の信号線8−1、8−2(以後、信号線8−1及び信号線8−2を区別しない場合、信号線8と称する)から形成されている。リモートコントローラー3は、各信号線8の極性に依存せず、各信号線8から形成される伝送路7と並列に接続されている。室内機11は、各信号線8の極性に依存せず、各信号線8から形成される伝送路7と並列に接続されている。よって、何れか1台の室内機11がリモートコントローラー3に対して給電動作を行うことで、伝送路7に接続されたリモートコントローラー3には電力が供給される。
ステップS110において、マイクロコンピュータ61は、給電開始から運転指令を受信するまでの時間をカウントする受信待機時間T2をリセットする。つまり、マイクロコンピュータ61は、受信待機時間T2というパラメータを初期化する。
ステップS111において、マイクロコンピュータ61は、受信待機時間T2のカウントを開始する。例えば、マイクロコンピュータ61は、図示しない計時部を用いることで受信待機時間T2のカウントを実行する。この場合、計時部は、カウント開始時間からカウント終了時間までを予め定めたペースでカウントできればよい。
ステップS112において、マイクロコンピュータ61は、リモートコントローラー3が発報するコマンドを受信したか否かを判定する。マイクロコンピュータ61は、リモートコントローラー3が発報するコマンドを受信した場合、処理を終了する。一方、マイクロコンピュータ61は、リモートコントローラー3が発報するコマンドを受信しない場合、ステップS113に進む。
ステップS113において、マイクロコンピュータ61は、受信待機時間T2が、予め設定された待機規定時間以上であるか否かが判定される。マイクロコンピュータ61は、受信待機時間T2が待機規定時間以上である場合、ステップS114に進む。一方、マイクロコンピュータ61は、受信待機時間T2が待機規定時間以上でない場合、ステップS112に戻る。なお、待機規定時間とは、伝送路7への給電を開始することでリモートコントローラー3が起動する時間と、起動したリモートコントローラー3が各室内機11に対してコマンドを発報する時間との加算時間と比べて長い時間が設定される。そのような時間とは、例えば、60秒である。なお、待機規定時間は、上記で説明した定期的な送受信信号の通信間隔を基に設定される。
つまり、待機規定時間に60秒が設定されたと想定すると、マイクロコンピュータ61は、起動後にリモートコントローラー3からコマンドを受信しなかった時間間隔が60秒以上の場合には、リモートコントローラー3は伝送路7に接続されていないと判定し、後述するように給電出力を停止する。
ステップS114において、マイクロコンピュータ61は、伝送路7への給電出力を停止する。なお、伝送路7へ給電出力が停止後は、各室内機11は、例えば、伝送路7を介して各種指令及び各種データ等を送受信する。また、リモートコントローラー3に対する給電動作が停止するため、伝送路7及び室内機11の内部抵抗等で消費していた電力を低減することができるため、待機電力を削減した空気調和機5を提供することができる。
なお、本実施の形態1の動作を行うプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的又は個別に実行される処理をも含む。
以上、本実施の形態1において、伝送路7を介して、リモートコントローラー3にワイヤード接続される室内機11を備える空気調和装置1であって、室内機11は、伝送路7に給電することで、リモートコントローラー3に電力を供給し、リモートコントローラー3から送信される運転指令を受信した場合、伝送路7への給電を継続し、リモートコントローラー3から送信される運転指令を受信しない場合、伝送路7への給電を停止する空気調和装置1が構成される。
上記構成のため、リモートコントローラー3からの運転操作指令を受信しない場合、電源供給を停止することで、無駄な電力消費を回避することができる。よって、消費電力を削減し、省エネを図ることができるという効果を有する。
また、本実施の形態1において、室内機11は、給電開始から運転指令を受信するまでの時間を受信待機時間T2としてカウントし、受信待機時間T2が予め設定された待機規定時間以上の場合、伝送路7への給電を停止するものである。
上記構成のため、リモートコントローラー3からの運転操作指令を受信しない場合、電源供給を条件に応じて適宜停止することで、無駄な電力消費を特に顕著に回避することができる。よって、消費電力を削減し、省エネを図ることが特に顕著にできるという効果を有する。
実施の形態2.
本実施の形態2における実施の形態1との主な相違点は、給電出力再開処理の動作が組み込まれたことである。給電出力再開処理は、給電出力停止処理で伝送路7に対する給電が停止後であっても、予め定めた時間が経過する毎に給電出力を開始し、再度、リモートコントローラー3の伝送路7との接続状態を判定させている。この動作の結果、リモートコントローラー3への給電は自動的に再開されると共に、伝送路7に後付けでリモートコントローラー3を設けた場合であっても、リモートコントローラー3が伝送路7に接続されているか否かが判定される。
なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。なお、本実施の形態1と同様の機能、構成、及び動作についての説明は省略する。
図7は、本発明の実施の形態2におけるマイクロコンピュータ61の制御例を説明するフローチャートである。なお、ステップS215〜ステップS217の処理が、給電出力再開処理である。また、下記の処理の説明で用いる変数等のパラメータは一例を示し、特にこれに限定しない。
ステップS215において、マイクロコンピュータ61は、給電停止から給電を再開するまでの時間をカウントする再給電開始時間T3をリセットする。つまり、再給電開始時間T3は初期化される。
ステップS216において、マイクロコンピュータ61は、再給電開始時間T3のカウントを開始する。つまり、再給電開始時間T3は、タイマーとして用いられるパラメータである。
ステップS217において、マイクロコンピュータ61は、再給電開始時間T3が、予め設定された再給電規定時間以上であるか否かを判定する。マイクロコンピュータ61は、再給電開始時間T3が再給電規定時間以上である場合、上述したステップS209に戻る。一方、マイクロコンピュータ61は、再給電開始時間T3が再給電規定時間以上でない場合、ステップS217に戻る。なお、再給電規定時間は、例えば、10分が設定される。
以上の動作の結果、リモートコントローラー3への給電を自動的に再開させることができる。また、伝送路7に後付けでリモートコントローラー3を設けた場合であっても、リモートコントローラー3が伝送路7に接続されているか否かを判定させることができる。また、空気調和装置1の施工時にリモートコントローラー3の接続を忘れ、後からリモートコントローラー3が伝送路7に接続されたとしても、リモートコントローラー3への電源供給を行うことができる。
なお、本実施の形態2の動作を行うプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的又は個別に実行される処理をも含む。
以上、本実施の形態2において、室内機11は、給電停止から給電を再開するまでの時間を再給電開始時間T3としてカウントし、給電停止の状態であって、再給電開始時間T3が予め設定された再給電規定時間以上の場合、伝送路7への給電を再開するものである。
また、本実施の形態2において、複数の空気調和機5を備え、複数の空気調和機5のそれぞれは、室内機11と、室内機11に対応した室外機13とを備え、伝送路7を介して、リモートコントローラー3にワイヤード接続され、受信待機時間T2が待機規定時間以上の場合、伝送路7への給電を停止し、給電停止の状態であって、再給電開始時間T3が再給電規定時間以上の場合、伝送路7への給電を再開するものである。
上記構成のため、リモートコントローラー3からの運転操作指令を受信しない場合、電源供給を停止することで、無駄な電力消費を回避しつつ、リモートコントローラー3への給電を自動的に再開させることができる。よって、消費電力を削減し、省エネを図ることが特に顕著にできるという効果を有する。
実施の形態3.
本実施の形態3における実施の形態1及び実施の形態2との相違点は、空気調和機5からリモートコントローラー3へ給電する代わりに、熱交換換気装置211からリモートコントローラー3へ給電する構成とした点である。
なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1及び実施の形態2と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。なお、実施の形態1及び実施の形態2と同様の機能及び構成についての説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態3における熱交換換気装置211の内部構成例を示す図である。図8に示すように、熱交換換気装置211は、駆動制御装置201、筐体212、室外側吐出口213、室外側吸込口215、室内側吸込口217、室内側吐出口219、熱交換器221、給気用送風機223、排気用送風機225、室内湿度センサ231、室内温度センサ233、室外湿度センサ235、室外温度センサ237、及び風路切換装置241を備え、給気風路251及び排気風路253が筐体212の内部に形成されている。
駆動制御装置201は、熱交換換気装置211の動作を制御し、リモートコントローラー3との間で各種信号を送受信したり、リモートコントローラー3に電力を供給する。筐体212は、熱交換換気装置211の外郭を形成する。室外側吐出口213は、筐体212に取り付けられ、空気を外部に排気するダクト接続フランジを形成している。室外側吸込口215は、筐体212に取り付けられ、空気を外部から吸い込むダクト接続フランジを形成している。室内側吸込口217は、筐体212に取り付けられ、空気を室内から吸い込むダクト接続フランジを形成している。室内側吐出口219は、筐体212に取り付けられ、空気を室内へ吐出するダクト接続フランジを形成している。
熱交換器221は、外部から取り込んだ空気と、室内から取り込んだ空気とを熱交換する。給気用送風機223は、筐体212内部の給気風路251内の室内側吐出口219側に配置され、外部から取り込んだ空気を室内へ吐出させる負圧を生む。排気用送風機225は、筐体212内部の排気風路253内の室外側吐出口213側に配置され、室内から取り込んだ空気を外部へ吐出させる負圧を生む。
室内湿度センサ231は、排気風路253内の室内側吸込口217側に設けられ、室内側吸込口217から取り込まれた室内空気の湿度を検知する。室内温度センサ233は、排気風路253内の室内側吸込口217側に設けられ、室内側吸込口217から取り込まれた室内空気の温度を検知する。
室外湿度センサ235は、給気風路251内の室外側吸込口215側に設けられ、室外側吸込口215から取り込まれた室外空気の湿度を検知する。室外温度センサ237は、給気風路251内の室外側吸込口215側に設けられ、室外側吸込口215から取り込まれた室外空気の温度を検知する。
風路切換装置241は、排気風路253が熱交換器221を通る経路、すなわち、熱交換換気を行うこととなるか、排気風路253が熱交換器221を通らない経路、すなわち、普通換気を行うこととなるかを切り換える。
上記で説明したように、熱交換換気装置211は、室内空気と室外空気とを熱交換する。よって、熱交換換気装置211は、空気調和機5の冷暖房負荷を軽減させることができる。
図9は、本発明の実施の形態3における駆動制御装置201の内部構成例を示す図である。図9に示すように、駆動制御装置201は、制御用電源341、リモートコントローラー動作用電源給電手段343、伝送路用電圧検知手段345、伝送路用送受信手段347、外部信号検知手段348、アドレス設定手段349、及びマイクロコンピュータ361を備える。
なお、駆動制御装置201は、制御用電源341、リモートコントローラー動作用電源給電手段343、伝送路用電圧検知手段345、伝送路用送受信手段347、外部信号検知手段348、アドレス設定手段349、及びマイクロコンピュータ361の機能等については、実施の形態1において説明した制御用電源41、リモートコントローラー動作用電源給電手段43、伝送路用電圧検知手段45、伝送路用送受信手段47、外部信号検知手段48、アドレス設定手段49、及びマイクロコンピュータ61と同様であるので、その詳細についての説明は省略する。
なお、本実施の形態3においても、上述した実施の形態1及び実施の形態2と同様の動作が実現される。例えば、リモートコントローラー3からの運転指令等の通信コマンドを受信しない場合には、駆動制御装置201からリモートコントローラー3への給電は停止される。
上記の動作のため、例えば、リモートコントローラー3が駆動制御装置201に接続されず、図示しない外部機器から運転操作の指示が行われたり、運転状態の監視が行われたりする場合、伝送路7に対する給電が行われないため、不要な電力消費を回避することができる。よって、待機電力が低い状態の熱交換換気装置211を提供することができる。
以上、本実施の形態3において、伝送路7を介して、リモートコントローラー3にワイヤード接続される熱交換換気装置211であって、室外側から吸い込んだ空気である第1空気を室内側に吐出する給気用送風機223と、室内側から吸い込んだ空気である第2空気を室外側に吐出する排気用送風機225と、第1空気と、第2空気とを熱交換させる熱交換器221と、排気用送風機225及び給気用送風機223の駆動を制御する駆動制御装置201とを備え、駆動制御装置201は、伝送路7に給電することで、リモートコントローラー3に電力を供給し、リモートコントローラー3から送信される運転指令を受信しない場合、伝送路7への給電を停止する熱交換換気装置211が構成される。
また、本実施の形態3において、駆動制御装置201は、給電開始から運転指令を受信するまでの時間を受信待機時間T2としてカウントし、受信待機時間T2が予め設定された待機規定時間以上の場合、伝送路7への給電を停止するものである。
また、本実施の形態3において、駆動制御装置201は、給電停止から給電を再開するまでの時間を再給電開始時間T3としてカウントし、給電停止の状態であって、再給電開始時間T3が予め設定された再給電規定時間以上の場合、伝送路7への給電を再開するものである。
上記構成のため、熱交換換気装置211の場合においても、リモートコントローラー3からの運転操作指令を受信しない場合、電源供給を停止することで、無駄な電力消費を回避しつつ、リモートコントローラー3への給電を自動的に再開させることができる。よって、消費電力を削減し、省エネを図ることが特に顕著にできるという効果を有する。
実施の形態4.
本実施の形態4における実施の形態1〜実施の形態3との相違点は、熱交換換気装置211が複数設けられている点である。
なお、本実施の形態4において、特に記述しない項目については実施の形態1〜実施の形態3と同様とし、同一の機能や構成については同一の符号を用いて述べることとする。また、実施の形態1〜実施の形態3と同一の機能及び構成についての説明は省略する。
図10は、本発明の実施の形態4における熱交換換気装置211とリモートコントローラー3との接続構成例を説明する図である。図10に示すように、リモートコントローラー3に対し、複数の熱交換換気装置211が伝送路7を介して並列に接続されている。このような接続構成のため、複数の熱交換換気装置211の何れかがリモートコントローラー3に対して給電すると共に、複数の熱交換換気装置211は、リモートコントローラー3から運転指令等を受信しない場合、伝送路7を介してリモートコントローラー3への給電を停止する。給電動作の詳細については、上述した実施の形態1及び実施の形態2と同様である。
以上、本実施の形態4において、熱交換換気装置211を複数設けることで複数の熱交換換気装置211を備え、複数の熱交換換気装置211のそれぞれは、伝送路7を介して、リモートコントローラー3にワイヤード接続され、伝送路7に給電することで、リモートコントローラー3に電力を供給し、リモートコントローラー3から送信される運転指令を受信しない場合、伝送路7への給電を停止する熱交換換気システムが構成される。
また、本実施の形態4において、複数の熱交換換気装置211のそれぞれは、給電開始から運転指令を受信するまでの時間を受信待機時間T2としてカウントし、受信待機時間T2が予め設定された待機規定時間以上の場合、伝送路7への給電を停止するものである。
また、本実施の形態4において、複数の熱交換換気装置211のそれぞれは、給電停止から給電を再開するまでの時間を再給電開始時間T3としてカウントし、給電停止の状態であって、再給電開始時間T3が予め設定された再給電規定時間以上の場合、伝送路7への給電を再開するものである。
上記構成のため、熱交換換気装置211を複数設けた熱交換換気システムの場合においても、リモートコントローラー3からの運転操作指令を受信しない場合、電源供給を停止することで、無駄な電力消費を回避しつつ、リモートコントローラー3への給電を自動的に再開させることができる。よって、消費電力を削減し、省エネを図ることが特に顕著にできるという効果を有する。
なお、本実施の形態1〜4は、単独で実施されてもよく、組み合わせて実施されてもよい。いずれの場合においても、上記で説明した有利な効果を奏することとなる。