JP5991240B2 - 接触子および電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は接触子および電子部品に関する。具体的には、通電開閉によって接点の端部を意図的に反らせることによって、電気的耐久性能を向上させた接触子、およびこれを用いた電子部品に関する。
一般的に市販されているリレーやスイッチには、接点が用いられている。また、昨今の電化製品の小型化・薄型化の影響を受け、リレーやスイッチも小型化・薄型化が求められている。それに伴い、リレーやスイッチのばね材に取り付けられた接点の頭部厚みが次第に低くなってきている。また、リレーやスイッチの汎用化に伴い、接点にかかる負荷が高くなってきている。
一般的な接点はリベット形状をしており、対向する接点と接触する側(頭部)と、かしめによって変形する側(脚部)とで径が異なる。そのため、通電開閉により接点が熱せられることによって頭部の外周部が反る。
その結果、反った部分にアークが集中すること、接点挙動が変化すること、接触面積が増大すること、などにより接点が溶着故障に至ることが問題となっている。また、接点が反り、接触面積が増加することによって溶着が生じるため、高価な接点材を余らせたまま故障に至っているという問題がある。
これらの問題に対し、接点の反りを抑制する技術として、リベット接点挿入側の開口縁にテーパを設けることによって、接点の頭径と足径との差を小さくする方法(特許文献1)、リベット接点のかしめ部をアーク駆動方向に偏心して形成する方法(特許文献2)などが採用されている。
特開昭63-174228号公報(1988年7月18日公開) 特開昭62-234811号公報(1987年10月15日公開)
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、非接合部(接点の部分のうち、端子等との接合に関与しない部分)の梁長さが短くなるため反りの発生速度を低減できるが、接点の消耗に伴い、頭部厚みが低くなることによって反りが発生するという問題がある。
また、特許文献2に開示の技術は、接点の脚部を頭部の中心からずらすため、非接合部がアーク駆動方向と反対側の方向に極端に長くなる。そのため、加工が困難となる。また、偏心位置が中心よりもアーク駆動方向に来るようにかしめる必要があるが、このようなかしめを行う場合、位置ズレが生じ易いことが予想される。加えて、特許文献1,2に開示の技術とも、従来の問題点である、接点材を余らせたままで故障に至るという課題を解決できていない。以上のことから、上記技術に替わる新たな技術が望まれている。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、通電開閉によって接点の端部を意図的に反らせることによって、電気的耐久性能を向上させた接触子、およびこれを用いた電子部品を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明にかかる接触子は、接点および端子板を備える接触子であって、
上記接点は、上記端子板と接合する接合部と、上記端子板との接合に関与しない非接合部とを備え、
上記非接合部の厚みをh、
上記接合部と上記端子板との接合面に平行な面によって上記接点を切断した横断面における上記接合部の最大長さをb、
上記横断面における上記非接合部の最大長さをLとし、(L/h)/bをαとおいたときに、下記式1
α(1/mm)=(L/h)/b>1.87・・・(式1)
を満たすことを特徴としている。
上記構成によれば、JIS B2713(2009年)に規定されている片持ち梁の反りを参考にして、接点の形状に依存する因子である(L/h)/bを、接点の曲がりやすさの指標としている。接点が式1を満たす形状を備えることによって、接触子は、接点が接合部で端子板と接合するとともに、端子板と接合していない非接合部が、通電開閉時の発熱によって反りやすくなる。
それゆえ、上記接触子を例えばスイッチに用いた場合、上記接触子が備える接点は、通電開閉時に、接点の消耗に先んじて非接合部のみが反り、当該接触子と対向する接触子の接点と、反りを生じた非接合部のみで接触することができる。つまり、通電開閉時の発熱によって、非接合部を意図的に反らせることにより、接点の非接合部における端部のみが対抗する接点と接触する状態にすることができる。なお、上記「接点の非接合部における端部」については、後述する。
したがって、接合部と端子板との接合強度を保ちつつ、接点間の接触面積を減らすことができるため、対向する接点との間での溶着を起こりにくくすることができる。すなわち、接点間の溶着による故障を低減し、スイッチ等の開閉性能を向上させることができるとともに、接点の寿命を延ばすことができる。さらに、接点の非接合部における端部を消耗し尽くしてから接点の中央部で消耗が起こるため、接点に用いられている高価な銀材料を余すところなく使い切ることができる。
本発明にかかる接触子は、上記式1において、上記αが、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下であることが好ましい。
上記構成によれば、接点の形状が、接合部と端子板との接合強度を保ちつつ、接点間の接触面積を減らす上でより好適な形状となり、後述する実施例に示すように、開閉可能回数を従来比で130%以上とすることができる。
それゆえ、接点間の溶着による故障をより低減し、スイッチ等の開閉性能をより一層向上させることができる。
本発明にかかる接触子は、固定接触子であることが好ましい。
上記構成によれば、可動接触子の端子板よりも厚みがあることが通常である固定接触子の端子板を本発明にかかる接触子が備えることとなるので、例えばスイッチに用いた場合、通電開閉時に、上記固定接触子が備える接点の非接合部の端部のみを、より確実に、対向する接点に接触させることができる。
したがって、接点間の溶着による故障をより低減し、スイッチ等の開閉性能をより一層向上させることができる。
本発明にかかる接触子は、上記固定接触子の極性が陽極であることが好ましい。
上記構成によれば、例えばスイッチに用いた場合、通電開閉時に、上記固定接触子の方が熱による影響を大きく受けることになり、対向する接点は熱の影響を受けないため反らないということになる。そのため、さらに確実に、上記固定接触子が備える接点の非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させることができる。
したがって、接点間の溶着による故障をさらに低減し、スイッチ等の開閉性能をより確実に向上させることができる。
本発明にかかる電子部品は、上記接触子として、相互に接離可能な可動接触子と固定接触子とを備え、上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかが、本発明にかかる接触子であることを特徴としている。
上記構成によれば、相互に接離可能な接触子のうち、一方が他方よりも、接触子が備える接点の非接合部の端部が反りやすい構成となる。それゆえ、上記一方の接触子が備える接点は、通電開閉時に、非接合部のみが反り、当該接触子と対向する接触子の接点と、反りを生じた非接合部のみで接触することができる。
したがって、上記一方の接触子において、接合部と端子板との接合強度を保ちつつ、接点間の接触面積を減らすことができるため、対向する接点間での溶着を起こりにくくすることができる。すなわち、接点間の溶着による故障が低減され、開閉性能が向上し、長寿命な電子部品を提供することができる。さらに、接点の非接合部の端部を消耗し尽くしてから接点の中央部で消耗が起こるため、接点に用いられている高価な銀材料を余すところなく使い切ることができる。
本発明にかかる電子部品において、接点が備える接合部と端子板との接合面に垂直な面によって上記接点を切断した縦断面における、上記接点が備える非接合部の最大幅は、本発明にかかる接触子に該当しない接触子の方が、本発明にかかる接触子よりも大きいことが好ましい。
上記構成によれば、本発明にかかる接触子(以下、接触子Aとも称する)の方が、本発明にかかる接触子に該当しない接触子(以下、接触子Bとも称する)よりも上記最大幅が狭いため、接触子Aが備える接点の非接合部が反った場合に、当該非接合部が、接触子Bが備える接点を巻き込むように接触したり、接触子Bの端子板に接触してしまうことがない。
すなわち、通電開閉時に、より確実に、接触子Aが備える接点の非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させることができる。
したがって、接点間の溶着による故障をより低減し、開閉性能をより一層向上させた電子部品を提供することができる。
本発明にかかる電子部品は、上記固定接触子が、本発明にかかる接触子であることが好ましい。
上記構成によれば、可動接触子の端子板よりも厚みがあることが通常である固定接触子の端子板を本発明にかかる接触子が備えることとなるので、通電開閉時に、より確実に、上記固定接触子の接点が備える非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させることができる。
したがって、接点間の溶着による故障をより低減し、開閉性能をより一層向上させた電子部品を提供することができる。
本発明にかかる電子部品は、上記固定接触子の極性が陽極であることが好ましい。
上記構成によれば、通電開閉時に、上記固定接触子の方が熱による影響を大きく受けることになり、対向する接点は熱の影響を受けないため反らないということになる。そのため、さらに確実に、上記固定接触子の接点が備える非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させることができる。
したがって、接点間の溶着による故障をさらに低減し、スイッチ等の開閉性能をより確実に向上させた電子部品を提供することができる。
本発明にかかる電子部品は、上記可動接触子または上記固定接触子のうち、本発明にかかる接触子に該当しない方の接触子は、上記式1において、上記αが1.5(1/mm)未満であることが好ましい。
上記αが1.5(1/mm)未満であることは、片持ち梁の反りに関する考え方を適用した場合、上記接触子が曲がりにくい(反りにくい)ことを意味する。本発明にかかる接触子はαが1.87(1/mm)より大きいか、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下であるため、非接合部が反りやすい。
よって、上記構成によれば、本発明にかかる接触子の接点が備える非接合部が反って、反りにくい他方の接触子が備える接点と接触する。
したがって、接点間の接触面積を小さくすることができるため、対向する接点間での溶着を起こりにくくすることができる。その結果、接点間の溶着による故障が低減され、開閉性能を向上させた電子部品を提供することができる。
本発明は、接点間の溶着による故障を低減し、スイッチ等の開閉性能を著しく向上させることができるという効果を奏する。さらに、接点が備える非接合部の端部を消耗し尽くしてから接点の中央部で消耗が起こるため、接点に用いられている高価な銀材料を余すところなく使い切ることができるという効果を奏する。
本発明の第一の実施形態にかかる接触子が備える接点を示す模式図であって、図1の(a)は接点の縦断面図、図1の(b)は横断面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる接触子が備える接点の外観を模式的に示した斜視図である。 接点を端子板に接合した状態を示す縦断面を表す模式図である。 本発明の第二の実施形態にかかる接触子が備える接点を示す模式図であり、図4の(a)は接点の縦断面図、図4の(b)は横断面図である。 本発明の第三の実施形態にかかる接触子が備える接点を示す模式図であり、図5の(a)は接点の縦断面図、図5の(b)は横断面図である。 本発明の第四の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面を示す模式図である。 本発明の第五の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面図を示す模式図である。 本発明の第六の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面図を示す模式図である。 本発明にかかる接触子を用いたスイッチと、従来の接触子を用いたスイッチとを通電開閉し、接点の消耗と反りの状態を確認した結果を示す模式図である。 本発明にかかる電子部品である開閉器(スイッチ)の構造を示す斜視図である。 本発明にかかる接触子a〜fおよび比較接触子a〜fについて、試験結果に基づき、横軸に式1から求めたα、縦軸に開閉回数を取って作成したグラフである。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
<第一の実施形態>
本発明にかかる接触子は、接点および端子板を備える接触子であって、
上記接点は、上記端子板と接合する接合部と、上記端子板との接合に関与しない非接合部とを備え、
上記非接合部の厚みをh、
上記接合部と上記端子板との接合面に平行な平面によって上記接点を切断した横断面における上記接合部の最大長さをb、
上記横断面における上記非接合部の最大長さをLとし、(L/h)/bをαとおいたときに、下記式1
α(1/mm)=(L/h)/b>1.87・・・(式1)
を満たす。
本発明にかかる接触子は、接点および端子板を備える。上記接点は、材料として、銀合金を包含することが好ましい。これにより、上記接点の電気伝導度を高くすることができる。銀合金としては、一般的な銀合金(AgNi系、AgSn系など)であればよく、特に限定されるものではない。なお、AgSn合金のヤング率は315〜380MPaであり、AgNiのヤング率は250〜400MPaである。
上記端子板は、特に限定されるものではなく、例えば銅などを主成分とする従来公知の端子板を用いることができる。
以下、本発明にかかる接触子の第1の実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態にかかる接触子100が備える接点1を示す模式図であって、図1の(a)は接点1の縦断面図、図1の(b)は接点1の横断面図である。図2は接点1の外観を模式的に示した斜視図である。また、図3は、接点1を端子板4に接合した状態を示す縦断面を表す模式図である。
接点1は、端子板4と接合する接合部2と、端子板4との接合に関与しない非接合部3とを備えている。図3に示すように、接点1は、接合部2によって端子板4と接合される。接合の方法は特に限定されるものではなく、抵抗溶接、ロー付けなどの方法を用いることができる。接合部2は、接点1において、例えば図1〜3に示すように、できるだけ中央部に位置していることが好ましい。
ただし、接合部2は、接点1において中央より偏心した位置に設けられていてもよい。ここで、例えば、特許文献2に開示の接点はリベット接点であるため、丸穴に固定する際に位置ずれが生じやすい。一方、本発明において接点1はリベット形状ではなく、いわゆるテープ形状を持つため、送り方向が決まっている。そのため、接合部2が、接点1において中央より偏心した位置に設けられていても、位置ずれが生じる懸念はほとんどない。
非接合部3は、端子板4と接触していてもよいし、非接合部3と端子板4との間に空間が存在していてもよいが、端子板4との間で溶接等はなされておらず、端子板4との間に結合力は全く働いていない。つまり、接点1は、接合部2のみによって端子板4と接合している。
なお、上記横断面は、接合部2と端子板4との接合面(図3に示す接合面5)に平行な面によって接点1を切断することによって得ることができる。また、上記縦断面は、接合部2と端子板4との接合面5に垂直な面によって接点1を切断することによって得ることができる。接合面5は、接合部2と、端子板4との互いに対向する面が抵抗溶接などによって固着されることによって形成されている。
本発明にかかる接触子は、上記式1を満たすことが必要である。従来の接触子において、接点が通電開閉に供され、対向する接点との接触を繰り返すと、通常、接点の頭部(接点1における非接合部3に相当)が消耗する。消耗が生じると、対向する接点間の接触面積が増加する。そして、接触面積が増加した後に固定接点に反りが生じ、やがて対向する接点同士が溶着し、スイッチをオフにしただけでは接点同士を引き離すことが困難になる。
一方、本発明にかかる接触子は、上記式1を満たすため、接触子100が備える接点1は、通電開閉に供された場合、従来の接点のようにまず接点の頭部が消耗するのではなく、接点1が備える非接合部3が対向する接点の方向に反り上がる。
そして、反り上がった非接合部3の端部のみが、対向する接点の頭部と接触するため、接点間の接触面積を小さくすることができる。そのため、接点間の溶着が起こりにくく、例えば電流が流れていないときに接点同士が離れようとする力だけで接点同士を引き離すことができる時間を長く保つことができる。
なお、上記「非接合部の端部」とは、上記縦断面において、接合部2の基部(接合部2と非接合部3との境界)を、接点1において接合部2が形成されている面と対向する面に向かって延長することによって得られる領域(接点中央部3’)を非接合部3から除いた領域をいう。例えば、図1の(a)において、非接合部3から接点中央部3’を除いた領域が、非接合部3の端部に該当する。
そこで、次に、上記式1について、図1〜8に基づいて説明する。式1において、hは非接合部3の厚みであり、図3のように、接合部2と端子板4との接合面5に垂直な面によって接点1を切断した縦断面において、非接合部3の、接合部2が存在する面とは反対側の面に、接合部2の基部から下した垂線の長さを測定することによって求めることができる。図3では、hは0.36mmである。
式1においてbは、接合部2と端子板4との接合面5に平行な平面によって接点1を切断して得られる横断面における接合部2の最大長さである。当該横断面は、例えば図1の(b)に示す面である。式1においてLは、上記横断面における非接合部3の最大長さである。
「接合部の最大長さ」とは、上記横断面において見られる接合部2の断面形状の、最も外側の点を結んで得られた形状に対し引いた接線と、非接合部3の外周部との交点間の長さであって、かつ、非接合部の長さを最大にすることができる長さをいう。
上記「非接合部の長さ」とは、上記横断面において、非接合部3の外周部から、上記接線上に位置する上記交点間に下した垂線の長さをいう。
例えば図1の(b)に示す横断面では、接合部2の断面形状は長方形となっている。この場合、当該長方形の最も外側の点を結んで得られた形状は長方形の外周(長方形の4辺)となる。
当該形状に対し引いた接線とは、二本の長辺に対して引いた接線、および二本の短辺に対して引いた接線が該当する。このとき、各接線は、長方形の各辺を延長したものとなる。そして、それぞれの接線について、非接合部3の外周部(この場合、正方形の辺)との交点が2つ得られる(この場合、交点は長方形の頂点と一致する)。
このとき、上記短辺に対して引いた接線の交点間(図中のa,c間およびa’,c’間)は、接合部2の外周部であるため、非接合部3の外周部から垂線を下すことができない。したがって、非接合部3の外周部から垂線を下すことができるのは、交点a,a’間または交点c、c’間となる。
そして、非接合部3の外周部から交点a,a’間または交点c、c’間に下した垂線の長さ(図中に示すL)が、非接合部3の外周部から上記接線における交点間に下した垂線の長さの最大値となる。
以上のことから、接合部2の最大長さは、交点a,a’間または交点c、c’間の長さ(図中に示すb)となる。また、非接合部3の最大長さは、非接合部3の外周部から交点a,a’間または交点c、c’間に下した垂線の長さ(図中に示すL)となる。
すなわち、「非接合部の最大長さ」とは、上記「非接合部の長さ」のうち最長の長さである。換言すれば、上記横断面において、上記bを定める接線に対して、非接合部3の外周部から下した垂線の長さのうち、最長の長さをいう。
図1の(b)に示す横断面では、長方形である接合部2の長辺に対して、当該長辺に平行な非接合部3の辺から下した垂線の長さが該当する。そこで、図中に示すLを、非接合部3の最大長さとする。
<第二の実施形態>
図4は、本発明の第二の実施形態にかかる接触子が備える接点を示す模式図であり、接合面の形状が円である接点1aの縦断面図(図4の(a))および横断面図(図4の(b))を示すものである。
図4の(b)に示す横断面では、接合部2の断面形状は円となっている。この場合、当該円の最も外側の点を結んで得られた形状は、円の外周となる。当該円の外周に対して引いた接線とは、例えば図4の(b)に示す接線Aが該当する。接線Aと非接合部3の外周部との交点としては、図4の(b)に示すa,a’が該当する。この場合、非接合部3の外周部(この場合、円周)から、接線A上に位置する交点a,a’間に下した垂線の長さは、図中に示すLで一定である。
したがって、非接合部3の最大長さは、図中に示すLとなり、接合部2の最大長さは、円である接合部2の交点a,a’ 間の長さ(図中に示すb)となる。
<第三の実施形態>
図5は、本発明の第三の実施形態にかかる接触子が備える接点を示す模式図であり、接合面の形状が円であり、接合部と非接合部との間に空間が存在する接点1bの縦断面図(図5の(a))および横断面図(図5の(b))を示すものである。
図5の(b)に示す横断面では、接合部2の断面形状は円となっており、接合部2と非接合部3との間に空間6が存在している。この場合、接合部2の断面形状である円の最も外側の点を結んで得られた形状は、円の外周となる。当該円の外周に対して引いた接線とは、例えば図5の(b)に示す接線Aが該当する。接線Aと非接合部3の外周部との交点としては、図5の(b)に示すa,a’が該当する。この場合、非接合部3の外周部(この場合、円周)から、接線A上に位置する交点a,a’間に下した垂線の長さは、図中に示すLで一定である。
したがって、非接合部3の最大長さは、図中に示すLとなり、接合部2の最大長さは、円である接合部2の交点a,a’間の長さ(図中に示すb)となる。
図5の(a)は、端子板4に垂直な平面によって接点1bを切断した縦断面を示す。接点1bでは、接合部2と非接合部3との間に空間6が存在する。そのため、非接合部3の厚みは、接合部2の基部から、非接合部3の、接合部2が存在する面とは反対側の面に下した垂線の長さである、図中のhとなる。
<第四の実施形態>
図6は、第四の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面図を示す模式図である。図6に示す接点1cは、接合部2の断面形状が正方形となっており、当該断面形状の最も外側の点を結んで得られる形状は正方形の外周(4辺)となる。
当該正方形の外周に対して引いた接線(正方形の辺に一致する)と、非接合部3との交点は、図中に示すa,a’となる。このとき、非接合部3の外周部から、上記接線上に位置する交点間a,a’に下した垂線の長さが最長となるのは、非接合部3の頂点から下した垂線である。
したがって、当該垂線の長さ(図中に示すL)が、非接合部3の最大長さとなる。そして、交点間a,a’の長さであって、非接合部3の長さを最大にすることができる長さである図中のbが、接合部の最大長さとなる。
<第五の実施形態>
図7は、第五の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面図を示す模式図である。図7に示す接点1dは、接合部を3つ備えており、接合部の断面形状は、3つの接合部2a〜2cが二等辺三角形の頂点に位置する形状となっている。このとき、当該断面形状の最も外側の点を結んで得られる形状は二等辺三角形となり、当該二等辺三角形に対して引いた接線は、当該二等辺三角形の各辺を延長した直線となる。
それぞれの接線について、非接合部3との交点が2つずつ得られる。このとき、非接合部3の外周部から、上記接線上に位置する交点間に下した垂線の長さが最長となるのは、非接合部3の頂点から、図中に示す交点a,a’間に下した垂線である。
したがって、当該垂線の長さ(図中に示すL)が、非接合部3の最大長さとなる。そして、交点間a,a’の長さであって、非接合部3の長さを最大にすることができる長さである図中のbを、「接合部の最大長さ」とすればよい。
<第六の実施形態>
図8は、第六の実施形態にかかる接触子が備える接点の横断面を示す模式図である。図8に示す接点1eの接合部2は断面形状が星形となっている。この星形の最も外側の点を結んで得られた形状は、図中に点線で示す五角形となり、当該五角形に対して引いた接線は、五角形の各辺を延長した直線となる。
それぞれの接線について、非接合部3との非接合部3との交点が2つずつ得られる。このとき、非接合部3の外周部から、上記接線上に位置する交点間に下した垂線の長さが最長となるのは、非接合部3の頂点から、図中に示す交点a,a’間に下した垂線である。
したがって、当該垂線の長さ(図中に示すL)が、非接合部3の最大長さとなる。そして、交点間a,a’の長さであって、非接合部3の長さを最大にすることができる長さである図中のbを、「接合部の最大長さ」とすればよい。
以上のように、接合部2の断面形状は特に限定されるものではなく、上記横断面において見られる接合部2の断面形状の、最も外側の点を結んで得られた形状に基づいて、接合部2の最大長さおよび非接合部3の最大長さを求めることができる。さらに、非接合部3の厚みを求めることによって、式1のL、b、hを定めることができる。
なお、上記L、b、hの測定法は特に限定されるものではない。例えば、従来公知のマイクロメーター等を用いることにより、L、b、hの実測値を求めることができる。
<本発明にかかる接触子について>
本発明にかかる接触子100は、式1を満たすため、非接合部3が反りやすい構造となっている。換言すれば、非接合部3を意図的に反りやすくしたものである。接点1の接合部2を端子板4に接合させたときの接合部2の形状が、式1を満たす形状であるように制御されているため、本発明にかかる接触子100は、従来の接触子よりも、電気的耐久性能が向上した電気接触子となっている。
式1は、接点の曲がりやすさを評価するために設けたものであり、接点の反りやすさの指標となるものである。つまり、非接合部3の反りという現象を、片持ち梁の反りとして想定し、JIS B2713(2009年)に規定されている「薄板ばねの設計計算式及び仕様の定め方」の7章7.1節(a)を参考にして導出したものである。
上記JIS B2713の7章7.1節(a)に規定されている式(1)を変換することによって、反り量δを下記の式Aにて表すことができる。
Figure 0005991240
ここで、Pは接点開閉が反りに及ぼす力、Eはヤング率を意味する。L,b,hについては上述した通りである。このうち、接点形状に既存する因子(接点が反ることによる形状の変化に関与する因子)はL,b,hである。そこで、式A中のα=(L/h)/b(単位:1/mm)を、曲がりやすさの指標とした。
本発明にかかる接触子100では、α(1/mm)=(L/h)/b>1.87となる。これは、後述する実施例および比較例において、上記αと、本発明にかかる接触子を用いたスイッチの開閉回数との関係を測定した結果、α>1.87であれば、十分な過負荷をかけた条件下であっても、従来のスイッチよりも優れた開閉回数を示したことに基づいている。換言すれば、本発明にかかる接触子は、式1を満たすため、溶着故障または接触不良となるまでの開閉回数を大幅に引き上げることができる。
なお、例えば従来公知のリベット接点では、接点の頭部厚みを薄くしようとすると、上記αが0.5〜1.3程度の形状のものしか作ることができない。本発明にかかる接触子100が備える接点1は、このような従来公知のリベット接点とは全く異なる構造を有するものである。
上記L,b,hが式1を満たすことにより、本発明にかかる接触子100の接点1は、接合部2のみで端子板4との接合面5を形成し、非接合部3が対向する接点側に向かって反り上がりやすい形状となる。その結果、非接合部3の端部が、対向する接点の頭部と接触し、接触面積を小さくすることができるために、開閉回数を大幅に増やすことができる。しかも、後述する実施例に示すように、接点1が端子板4から脱落する問題も生じない。
上記式1において、上記αは、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下であることが好ましい。各メーカーのカタログ等に記載されている接点の開閉可能回数としては、10万回が一般的であるが、本発明にかかる接触子100を用いた場合、後述する実施例に示すように、十分な過負荷をかけた条件下であっても、10万回の130%増以上の開閉回数を達成することができた。
上記αは4.25(1/mm)を超えてもよい。後述する実施例の結果から、開閉可能回数をさらに増やせる可能性があるため、この場合も本発明の課題を解決することができる。ただし、接合面5が狭くなっていくため、接点脱落を生じにくくするためには、上記αは、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下である方が好ましい。
また、接合部2の幅を一定にし、上記Lを大きくすることによっても、αを4.25(1/mm)より大きくしていくことができるが、接点1の主成分である銀合金が高価であるため、コスト面からも、上記αは、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下である方が好ましい。なお、上記「接合部2の幅」とは、図1においてdで示した長さである。
本発明にかかる接触子100は、固定接触子であっても可動接触子であっても構わないが、固定接触子であることが好ましい。接触子100を可動接触子として例えばスイッチに用いた場合も、接触子100の接点1が備える非接合部3の端部のみを、対向する固定接触子の接点頭部に接触させることができるため、本発明の効果を奏することができる。
一方、本発明にかかる接触子100が備える接点1は、上述のように、式1を満たすため、非接合部3が反りやすいという特性を備えている。可動接触子の端子板は、一般に、動きやすくするために、固定接触子の端子板よりも薄く作られている。そのため、接触子100を可動接触子として用いた場合、接触子100の動作に伴って、非接合部3のうち、接点中央部3’も対向する接点の頭部に接触する可能性はある。
これに対し、接触子100を固定接触子として用いた場合は、可動接触子の端子板よりも厚みがあることが通常である固定接触子の端子板を本発明にかかる接触子が備えることとなるので、例えばスイッチに用いた場合、通電開閉時に、上記固定接触子の接点が備える非接合部の端部のみを、より確実に、対向する接点に接触させることができる。
そのため、本発明にかかる接触子100は、可動接触子であっても本発明の課題を解決することができるが、固定接触子として用いた場合は、より確実に本発明の課題を解決することができるため好ましい。
本発明にかかる接触子100が固定接触子である場合、極性は特に限定されるものではないが、上記固定接触子の接点が備える非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させる上で、陽極であることが好ましい。
本発明にかかる接触子100は、接点1を抵抗溶接等の方法によって端子板4に固着させることによって製造することができる。接点1は、例えば複合材を圧延した線材を切断する等の方法によって製造することができる。
図1に示す接点1を製造する方法の一例を説明する。まず、断面が長方形となる角複合線材を形成したのち、表面に凹溝加工を施したロールを用いて複合材を圧延することによって、断面が図1に示す形状となる線材を得る。次に、この線材をプレスによって切断することにより、接点1を製造することができる。切断後は、図2に示すような個片となる。
また、図4に示す接点1aおよび図5に示す接点1bは、特許文献1および2のようなリベット形状の接点同様、ヘッダ加工により作製することができる。接点1bにおいては、足側の金型の外周部に突起を設けることで、接合部2と非接合部3との間に空間6を設けることができる。
図6〜8に示す接点1c〜1eは、表面に図中の接合部2および2a〜2cを形成するための凹部加工を一定間隔に設けたロールを用いて圧延することにより作製することができる。
また、接点1を端子板4に固着させる際の溶接電流の強さ、および/または溶接電流の通電時間を制御することによって、接触子100が式1を満たすようにすることができる。
抵抗溶接は、通電時に発生するジュール熱を利用し、金属を溶融させて端子板に固着することができる。この時のジュール熱は、ジュールの法則(熱量Q=電流I×抵抗R×時間t)により決まる。ただし、接点および端子板の材質や形状により抵抗Rが変動するため、溶接条件は一意には決まらない。しかし、電流および時間を制御することで、金属の溶融に与える熱量を調整できるため、接合幅dを制御できる。非接合部の最大長さLは、(非接合部の最大幅D−接合部の幅d)/2より算出可能であることから、熱量Qでの制御が可能である。なお、図1の場合、非接合部の厚みhおよび接合部の最大長さbは接点設計により適切な寸法設定が可能である。
以上を考慮すると、電流の強さは、上限10kA、下限1kAの範囲内、通電時間は最小1ms、最大100msの範囲内であることが、抵抗溶接を実現する上で好ましい。
<電子部品>
本発明にかかる電子部品は、接触子として、相互に接離可能な可動接触子と固定接触子とを備え、上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかが、本発明にかかる接触子である。つまり、本発明にかかる電子部品が備える接触子は、一方が他方よりも、備える接点の非接合部が反りやすいものである。電子部品としては、特に限定されるものではないが、スイッチ、リレー等を挙げることができる。
本発明にかかる接触子を、スイッチ、リレー等に組み込むことによって、通電開閉時の発熱により、接点に特別な加工を施すことなく、接点の非接合部の反りを意図的に発生させ、非接合部の端部のみを他方の接点の頭部に接触させることができる。
これによって、通常であれば接点の消耗によって接点間の接触面積が広くなっていたところを、当該接触面積を狭くすることができるため、接点間の溶着を抑制することができる。つまり、本発明にかかる接触子は、従来の接触子よりも電気的耐久性能が向上しているため、本発明にかかる電子部品も、同様に、電気的耐久性能が向上したものとなる。なお、本発明にかかる接触子が備える接点はツイン接点であってもよい。
本発明にかかる電子部品は、上記可動接触子および固定接触子以外に他の部材、例えば、アマチュア(鉄片)、鉄芯、コイル、ヨーク、端子支持材、ばね材、ケース等を適宜備えていても構わない。
本発明にかかる電子部品は、可動接触子、固定接触子、および他の部材を、従来公知の方法にしたがって組み付けることによって製造することができる。
図9は、本発明にかかる接触子を用いたスイッチと、従来の接触子を用いたスイッチとを通電開閉し、接点の消耗と反りの状態を確認した結果を示す模式図である。
図9の(a)〜(c)は、本発明にかかる接触子100を固定接触子として用い(ただし端子板4は図示を省略している)、従来公知のリベット接点7を端子板に固定した可動接触子101(ただし端子板は図示を省略している)を用いたスイッチ200を通電開閉した結果を示す。
可動接触子101の端子板は、弾性変形可能である。例えば図示しないコイルに電流が流れ、図示しない鉄芯が磁化されると、図示しないアマチュアが鉄芯に吸引されることにより、可動接触子101の端子板は固定接触子100側へ移動し、リベット接点7を、固定接触子100が備える接点1に接触させる。固定接触子100が有する端子板4は上記コイルに電流が流れても変形しないため、固定接触子100の位置は変化しない。
また、図9の(d)〜(f)は、従来公知のリベット接点7を端子板に固定した固定接触子102と、従来公知のリベット接点7を可動接触子の端子板に固定した可動接触子101とを用いたスイッチ300を通電開閉した際の、接点形状の変化を示す模式図である。
図9の(a)〜(f)において太線で示した箇所は、可動接点と固定接点との接触面を意味する。
スイッチ200を構成する接触子100,101のうち、固定接触子として本発明にかかる接触子100を用いた場合、図9の(b)に示すように、まず、接点1の非接合部3が、通電開閉による消耗が生じるよりも先に反り、図9の(b)に太線で示した箇所でのみ、リベット接点7の頭部と接触する。その後に、図9の(c)に太線で示した箇所、すなわち非接合部3の端部に該当する部分から、接触による接点の消耗が生じていく。このような挙動を示すため、接点間の接触面積を減らすことができ、対向する接点間での溶着を起こりにくくすることができる。
一方、図9の(d)に示すように、スイッチ300では、固定接触子のリベット接点7と可動接触子のリベット接点7とが接触すると、まず接点の消耗が生じ、図9の(e)に示すように、固定接触子のリベット接点7と可動接触子のリベット接点7との接触面積が増大し、固定接触子のリベット接点7の端部が反り上がる。それゆえ、図9の(f)に示すように、さらに接触面積が増大するので、溶着故障が起こりやすい。
以上、固定接触子が本発明にかかる接触子である場合について説明したが、可動接触子または固定接触子のいずれかが、本発明にかかる接触子であればよいため、可動接触子が本発明にかかる接触子であっても構わない。
本発明にかかる電子部品において、接点が備える接合部と端子板との接合面に垂直な面によって上記接点を切断した縦断面における、上記接点が備える非接合部の最大幅は、本発明にかかる接触子に該当しない接触子(接触子B)の方が、本発明にかかる接触子(接触子A)よりも大きいことが好ましい。
上記縦断面は、例えば図1の(a)、図4の(a)、図5の(a)、図3に示される面である。「上記接点が備える非接合部の最大幅」(以下、単に最大幅という)とは、非接合部の幅、すなわち、上記縦断面における非接合部の横幅を、端子板と平行な直線の長さとして測定した場合の最大値をいう。
例えば、図3において「2.0mm」と記されている長さが該当する。また、図1において、「D」と表示した長さも上記最大幅に該当する。なお、上記最大幅は、従来公知のマイクロメーター等を用いて測定することができる。
接触子Bとしては、例えば図9の(a)に示す接触子101のような、従来公知の接触子が該当する。従来公知の接触子における非接合部としては、例えば図9の(a)であれば、リベット接点7の頭部(リベット接点7のうち、接点1に対向する部分。図9の(a)に表れている部分)が該当する。
なお、本明細書において、上述したb、L,h,上記最大幅等の、接点の形状に関するパラメータは、通電開閉に供する前の接触子において測定される。
接触子Bの方が、接触子Aよりも上記最大幅が大きいことにより、通電開閉時に、より確実に、接触子Aが備える接点の非接合部の端部のみを、対向する接点に接触させることができるため好ましい。
上記最大幅の大きさの違いの程度については特に限定されるものではなく、接触子Aの非接合部が、接触子Bの方向に反り上がったとしても、当該非接合部が、接触子Bが備える接点を巻き込むように接触したり、接触子Bの端子板に接触してしまうことがない程度に、接触子Aと接触子Bとにおいて、上記最大幅が調整されていればよい。
本発明にかかる電子部品は、例えば、図9の(a)に示すように、固定接触子が、本発明にかかる接触子であることが好ましい。さらに、当該固定接触子の極性は陽極であることが好ましい。
本発明にかかる電子部品は、上記可動接触子または上記固定接触子のうち、本発明にかかる接触子(接触子A)に該当しない方の接触子(接触子B)は、上記式1において、上記αが1.5(1/mm)未満であることが好ましい。
本発明にかかる電子部品では、上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかが、接触子Aであるため、他方の接触子は、式1を満たさない。すなわち、接触子A以外の接触子は、式1におけるαが1.87(1/mm)以下となる。
実施例の結果より、αが1.87(1/mm)を超えると、接点の開閉回数が10万回を超え、従来の接触子を用いた場合の接点開閉回数を上回ると考えられる。のみならず、上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかが接触子Aである場合、接触子Aは、上述したように、従来公知の接触子とは、接点の消耗および接点の反りの態様が異なっているため、接点の消耗は接点の非接合部の端部から始まり、端部が消耗し尽くした後に接点の中央部におよぶ。
それゆえ、接触子Aを用いた電子部品では、開閉回数の向上による早期溶着故障の回避のみならず、高価な銀合金(接点材料)を余すところなく使い切ることができるという利点も備えている。このことは、上記αが1.87(1/mm)を超える接触子Aを上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかに用いれば達成可能である。
そのため、接触子Bの上記αとしては、1.87(1/mm)以下であれば、接触子Bが備える接点が、接触子Aが備える接点よりも明らかに反りにくくなるため、必ずしも1.5(1/mm)未満である必要はない。
しかしながら、1.5(1/mm)未満である場合は、上述したJIS規格 B2713を参考として、片持ち梁の反りを考えた場合、接触子Bが備える接点がより一層反りにくいものとなるため、接点間の接触面積を小さくできる時間もそれだけ長くなる。よって、接点間の溶着故障を防ぐ上で、より有利であると言える。
図10は、本発明にかかる電子部品である開閉器(スイッチ)201の構造を示す斜視図である。図10の(a)、(b)はそれぞれ別角度から見たものであり、構成は同じである。
開閉器201は、通常、ケース202の内部に格納されており、固定接点(接点)1および固定接触子の端子板(端子板)4を備える本発明にかかる固定接触子(接触子)100、可動接点であるリベット接点7、可動接触子の端子板(端子板)4’ およびアマチュア10を備える従来公知の可動接触子101、固定b接点12および固定接触子の端子板(端子板)4を備える従来公知の固定接触子106、鉄芯8、ベース9、固定端子支持材11を備えている。固定接触子(接触子)100としては、図10の(a)中に拡大図で示したように、上述した実施の形態1にかかる接触子を用いている。
固定接触子(接触子)100,固定接触子106は、ベース9および固定端子支持材11に固定される。可動接触子101は、図示しないコイルに電流を流すことによって磁化された鉄芯8にアマチュア10が吸引されることによって可動接点(リベット接点)7が固定接点(接点)1に接触する。上記電流を遮断すると、可動接点(リベット接点)7が固定接点(接点)1から離れる。これによって、電気回路の開閉制御を行うことができる。
そして、固定接触子(接触子)100は本発明にかかる接触子であるため、可動接点(リベット接点)7と固定接点(接点)1との接触面積を減らすことができる。その結果、上述したように、開閉回数を飛躍的に向上させることができ、高価な接点材料を用尽することができる。
なお、固定接触子106が備える固定b接点12は、鉄芯8が磁化されていない場合に可動接点(リベット接点)7と接触させておくためのものであり、固定接触子106は従来公知の接触子であればよく、本発明にかかる接触子である必要はない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔製造例1〜6〕
接点の材料として金属酸化物を10.5重量パーセント含む銀合金を用い複合材を圧延した線材を切断して、図3に示すように非接合部3の厚みhが0.36mm、非接合部3の最大幅Dが2.0mmである角型状の接点1を作製した。
次に、接点1の接合部2を、抵抗溶接によって端子板4(タフピッチ銅C1100または鉄入銅C19400)に接合させた。用いた接点1の非接合部3は、図1に示すように、接合部2と端子板4との接合面5に平行な面によって上記接点1を切断した横断面において、断面形状が正方形である。そのため、当該横断面における接合部2の最大長さbは非接合部3の最大幅Dと等しく、2.0mmで一定である。
上記接合を行う際に、接合部2の幅(図1におけるd)を、溶接電流の強さや通電時間等を制御することにより、6通りに変化させ、本発明にかかる接触子a〜fを作製した。このとき、接合部2の幅の変化に伴い、非接合部3の最大長さLも変化する。なお、溶接条件は表1に示した。
〔比較製造例1〜3〕
上記接合を行う際の接合部の幅dを溶接電流の強さや通電時間等を制御することにより、製造例1〜6とは異なる幅としたこと以外は製造例1〜6と同様にして、比較接触子a〜cを作製した。
〔比較製造例4〜6〕
製造例1〜6で用いた接点1の代わりに、異なる3種類の頭部径および足径を有する従来公知のリベット接点を用い、ヘッダ加工によって端子板4に固定して比較接触子d〜fを得た。上記頭部径は、接点1の非接合部3の最大幅に相当し、上記足径は、接合部2の最大長さbに相当する。図4に示す接点をリベット接点と仮定すると、上記頭部径は図中のDに該当し、上記足径は図中のbに該当する。なお、表1に示すbは、端子板4に固定後の足径である。
〔実施例1〜6、比較例1〜6〕
接触子a〜fおよび比較接触子a〜fが備える接点の形状に関するパラメータを表1にまとめた。これらの接触子を固定接触子として用い、可動接触子として従来公知の可動接触子を用いてスイッチを構成した。上記可動接触子は、接点1と同様に、接点の材料として金属酸化物を10.5重量パーセント含む銀合金を用い、接点の頭部径が2.3mmであり、端子板として、ベリリウム銅C17200を用いたものである。
負荷条件をDC14V、28A、抵抗負荷とし、接点間の溶着または接触不良が生じるまでの接点開閉可能回数を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0005991240
表1中、上記比較接触子について、例えば比較接触子aを「比a」のように表している。また、非接合部の最大長さLは、(D−d)/2として求められる。比較接触子d〜fにおいて、表中の「非接合部の最大幅D」は上記頭部径、「接合部の最大長さb」は上記足径に該当する。図4に示す接点をリベット接点と仮定すると、表中の「非接合部の最大長さL」は図4に示すLに、「非接合部の厚みh」は、図4に示すhに相当する。
図11は、接触子a〜fおよび比較接触子a〜fについて、試験結果に基づき、横軸に式1から求めたα、縦軸に開閉回数を取って作成したグラフである。図11において、プロットは一区間を0.25(1/mm)とし、それぞれの区間内の結果全てを平均し、等間隔にプロットした。
図11に示す結果から、非接合部の厚みh、非接合部の最大長さL、接合部の最大長さbで構成されるαを1.87(1/mm)より大きくすることによって、従来の接点の開閉可能回数として一般的な回数である10万回を超える開閉性能を実現することができることが分かる。しかも、それだけではなく、本発明にかかる接触子を用いることにより、すでに説明したように、接点の材料である高価な銀合金を余すところなく使い切ることもできる。
また、特にαを2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下とすることによって、上記10万回に対して130%以上、開閉回数を増加させることができている。つまり、溶着故障の発生を十分に抑制し、接点の寿命を著しく向上させることができていた。
さらに、αの値が大きくなるほど、接合部の幅dは短くなるが、αが4.25(1/mm)であっても、接触子a〜fではせん断強度を150N以上確保することができている。すなわち、接点が接触子から脱落するという問題も生じない。なお、せん断強度は、JIS C62137−1−2:2010に示される、せん断強度試験に準じて計測した。
以上の結果から、本発明にかかる接触子を用いることにより、接点間の接触面積を減らすことができ、その結果、接点の開閉可能回数を著しく増加させることができ、接点脱落の問題も生じず、かつ、銀合金を有効に使い切ることができるという、従来の接触子では得ることのできなかった効果が奏されることが明らかとなった。
本発明は、スイッチ、リレー等の電子部品に好適に利用することができる。
1、1a〜1e・・・接点
2 ・・・接点の接合部
3 ・・・接点の非接合部
4 ・・・端子板
5 ・・・接合面
100・・・接触子
200・・・スイッチ
201・・・開閉器(スイッチ)

Claims (9)

  1. 接点および端子板を備える接触子であって、
    上記接点は、上記端子板と接合する接合部と、上記端子板との接合に関与しない非接合部とを備え、
    上記非接合部の厚みをh、
    上記接合部と上記端子板との接合面に平行な面によって上記接点を切断した横断面における上記接合部の最大長さをb、
    上記横断面における上記非接合部の最大長さをLとし、(L/h)/bをαとおいたときに、下記式1
    α(1/mm)=(L/h)/b>1.87・・・(式1)
    を満たすことを特徴とする接触子。
  2. 上記式1において、上記αが、2.25(1/mm)以上4.25(1/mm)以下であることを特徴とする請求項1に記載の接触子。
  3. 上記接触子が、固定接触子であることを特徴とする請求項1または2に記載の接触子。
  4. 上記固定接触子の極性が陽極であることを特徴とする請求項3に記載の接触子。
  5. 接触子として、相互に接離可能な可動接触子と固定接触子とを備え、
    上記可動接触子または上記固定接触子のいずれかが、請求項1または2に記載の接触子であることを特徴とする電子部品。
  6. 接点が備える接合部と端子板との接合面に垂直な面によって上記接点を切断した縦断面における、上記接点が備える非接合部の最大幅は、
    請求項1または2に記載の接触子に該当しない接触子の方が、請求項1または2に記載の接触子よりも大きいことを特徴とする請求項5に記載の電子部品。
  7. 上記固定接触子が、請求項1または2に記載の接触子であることを特徴とする請求項5または6に記載の電子部品。
  8. 上記固定接触子の極性が陽極であることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。
  9. 上記可動接触子または上記固定接触子のうち、請求項1または2に記載の接触子に該当しない方の接触子は、上記式1において、上記αが1.5(1/mm)未満であることを特徴とする請求項5から8の何れか1項に記載の電子部品。
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