以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方(前)」「後方(後)」「左方(左)」「右方(右)」「上方(上)」「下方(下)」とは、その注記された方向を指す。この定義において、左右方向が各請求項記載の第1方向又は第2水平方向に相当し、前後方向が各請求項記載の第2方向又は第1水平方向に相当し、上下方向が各請求項記載の高さ方向に相当する。また、後方側が各請求項記載の第2方向の一方側又は第1水平方向一方側に相当し、前方側が各請求項記載の第2方向の他方側又は第1水平方向他方側に相当する。
<粘着テープ印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図8を参照しつつ、本実施形態の粘着テープ印刷装置の概略構成について説明する。
図1〜図8において、本実施形態の粘着テープ印刷装置1(テープ印字装置、テープ印刷装置、テープ巻き取り装置)は、装置外郭を構成する筐体2と、後方側開閉部8(一方側開閉部)と、前方側開閉カバー9(他方側開閉部)とを有している。
筐体2は、筐体本体2a(固定部)と、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続された第1開閉アーム6(開閉部)と、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続された第2開閉アーム7とを備えている。
筐体本体2aは、筐体本体2aの後方側に設けられた第1収納部3と、筐体本体2aの前方側に設けられた第2収納部4及び第3収納部5とを備えている。なお、これら第1収納部3、第2収納部4、及び第3収納部5については、後でより詳しく説明する。
第1開閉アーム6には、ヘッド保持体10が設けられている。そして、第1開閉アーム6は、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持体10に備えられた後述する印字ヘッド11を、筐体本体2aに設けられた後述するプラテンローラ12に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉アーム6は、印字ヘッド11がプラテンローラ12に対して近接した閉じ位置(図2及び図4の状態)から、印字ヘッド11がプラテンローラ12から離反した開き位置(図8の状態)までの間で回動可能である。
第2開閉アーム7は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K2まわりに回動することで、第2収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、第2開閉アーム7は、第2収納部4の上方を覆う閉じ位置(図2及び図6の状態)から、第2収納部4の上方を露出させる開き位置(図8の状態)までの間で回動可能である。
後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1開閉アーム6の上方、つまり第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。
第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K3(第1回動支点)まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8は、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1〜図3の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置(図4〜図7の状態)までの間で回動可能である。このとき、第1開閉カバー8aの回動軸心K3は、前後方向における位置が第1収納部3に収納された後述する第1ロールR1のロール中心ROよりも後方側にあり、上下方向における位置が当該ロール中心ROよりも上方側にある。
第2開閉カバー8bは、上記第1開閉カバー8よりも後方側に設けられており、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K4(第2回動支点)まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、上記第1開閉カバー8の開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー9は、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図3〜図7の状態)までの間で回動可能である。このとき、第2開閉カバー8bの回動軸心K4は、前後方向における位置が上記第1開閉カバー8aの回動軸心K3よりもさらに後方側にあり、上下方向における位置が当該回動軸心K3よりもさらに上方側にある。なお、第2開閉カバー8bの回動軸心K4の上下方向における位置を、上記第1開閉カバー8aの回動軸心K3と同一としてもよい。
そして、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、当該第1開閉カバー8aの外周部18と当該第2開閉カバー8bの縁部19(受圧駆動部)とが互いに略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。なお、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bについては、後でより詳しく説明する。
前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K5まわりに回動することで、第2開閉アーム7の上方、つまり第2収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第2収納部4の上方を覆う閉じ位置(図1〜図5の状態)から、第2収納部4の上方を露出させる開き位置(図6及び図7の状態)までの間で回動可能である。
このとき、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉アーム6の下方にある第1所定位置13には、粘着テープカートリッジTK(テープカートリッジ)が着脱可能に装着される。粘着テープカートリッジTKは、第1ロールR1(第1テープロール、粘着テープロール、被印字テープロール)と、第3ロールR3(第2テープロール、剥離材ロール)と、第1ロールR1及び第3ロールR3を連結する連結アーム16(連結部、支持部材)とを備えている。
第1ロールR1は、連結アーム16により粘着テープカートリッジTKの後方側において回転自在に支持されており、繰り出しにより消費される被印字粘着テープ150(第1テープ、被印字テープ、粘着テープ)を、左右方向の軸心O1(軸線)まわりに巻回する。このとき、第1収納部3には、粘着テープカートリッジTKの装着によって、第1ロールR1が上方から受け入れられ、被印字粘着テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、第1ロールR1は、第1収納部3に収納された状態(粘着テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、被印字粘着テープ150を繰り出す。被印字粘着テープ150は、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、厚さ方向一方側(図2中の部分拡大図中の上方側)から他方側(図2中の部分拡大図中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。基材層153は、後述する印字ヘッド11によって所望の印字が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
また、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第3収納部5の中間上方側には、プラテンローラ12(搬送ローラ)が設けられている。プラテンローラ12は、筐体本体2aに設けられた搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、第1収納部3に収納された第1ロールR1から繰り出される被印字粘着テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する。
また、第1開閉アーム6に設けられたヘッド保持部10には、印字ヘッド12が備えられている。印字ヘッド11は、上述したように、第1開閉アーム6が回動軸心K1まわりに回動することで、プラテンローラ12に対して相対的に離間・近接可能である。すなわち、第1開閉アーム6が閉じ状態となると、印字ヘッド11がプラテンローラ12に近接し、第1開閉アーム6が開き状態となると、印字ヘッド11がプラテンローラ12から離間する。この印字ヘッド11は、プラテンローラ12により搬送される被印字粘着テープ150を当該プラテンローラ12と協働して挟持するように、ヘッド保持部10のうち閉じ状態での第1開閉アーム6においてプラテンローラ12の上方に対向する位置に配置されている。したがって、第1開閉アーム6が閉じ状態である場合には、印字ヘッド11とプラテンローラ12とは、互いに上下方向に対向して配置される。そして、印字ヘッド11は、プラテンローラ12との間に挟まれた状態の被印字粘着テープ150の基材層153に対し、後述するリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字を形成して、印字済み粘着テープ150′(印字済みテープ、粘着テープ)とする。なお、上記以外のヘッド保持部10の構成については、後でより詳しく説明する。
またこのとき、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉アーム6の下方でかつ粘着テープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14には、リボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。リボンカートリッジRKは、リボン供給ロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。
リボン供給ロールR4は、リボンカートリッジRKの後方側において回転自在に支持されており、リボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のD方向)に回転することで、印字ヘッド11による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。
リボン巻き取りロールR5は、リボンカートリッジRKの前方側において回転自在に支持されており、リボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
また、第1開閉アーム6におけるテープ搬送方向に沿った印字ヘッド11の下流側には、リボン巻き取りローラ15(ガイドローラ)が備えられている。リボン巻き取りローラ15は、使用済みのインクリボンIBを、リボン巻き取りロールR5へガイドする。
すなわち、リボン供給ロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、印字ヘッド11とプラテンローラ12との間に挟まれた状態の被印字粘着テープ150のさらに印字ヘッド11側に配置されて印字ヘッド11の下方に接触する。そして、印字ヘッド10からの加熱によりインクリボンIBのインクが、被印字粘着テープ150の基材層153に転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りローラ15によりガイドされつつリボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
連結アーム21は、テープ搬送方向に沿った第3ロールR3の上流側に、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。引き剥がし部17は、第1ロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済み粘着テープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。引き剥がし部17により印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151(第2テープ)と、それ以外の基材層153及び粘着剤層152からなる印字済み粘着テープ150″(貼り付け用テープ、印字済みテープ)とに分離される。そして、引き剥がされた剥離材層151が巻き取られ巻回されることで、上記第3ロールR3が形成される。また、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″が後述する巻芯部材40の外周側に巻回されることで、後述する第2ロールR2が形成される。なお、上記以外の連結アーム16の構成については、後でより詳しく説明する。
第3ロールR3は、連結アーム16により粘着テープカートリッジTKの前方側(つまり、テープ搬送方向に沿った第1ロールR1の下流側)において回転自在に支持されており、印字済み粘着テープ150′から引き剥がされた剥離材層151を、左右方向の軸心O3(軸線)まわりに巻回する。このとき、第3収納部5には、粘着テープカートリッジTKの装着によって、第3ロールR3が上方から受け入れられ、剥離材層151の巻回の軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、第3ロールR3は、第3収納部5に収納された状態(粘着テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2aに設けられた巻き取り用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第3収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
また、第2収納部4には、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続された支持ブラケットRB(ロール支持手段)が設けられている。このとき、第2収納部4には、印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″を順次巻回するための巻芯部材40が上方から受け入れられ、印字済み粘着テープ150″の巻回の軸心O2(軸線)が左右方向となる状態で、支持ブラケットRBにより軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻芯部材40が、第2収納部4に収納された状態において、筐体本体2aに設けられた巻き取り用モータM3によりギア機構を介して駆動され、第2収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済み粘着テープ150″を巻き取って積層する。これにより、巻芯部材40の外周側に印字済み粘着テープ150″が順次巻回されて、第2ロールR2(貼り付け用テープロール)が形成される。
このとき、支持ブラケットRBは、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K6まわりに回動可能である。詳細には、支持ブラケットRBは、第2開閉アーム7の閉じ方向側(つまり、閉じ状態での第1開閉アーム6における印字ヘッド11側)に位置し第2ロールR2(巻芯部材40)を着脱不能となる閉じ位置(第1位置。図2及び図6の状態)から、第2開閉アーム7の開き方向側(つまり、閉じ状態での第1開閉アーム6における印字ヘッド11と反対側)に位置し第2ロールR2(巻芯部材40)を着脱可能となる開き位置(第2位置。図7及び図8の状態)までの間で回動可能である。
なお、上記支持ブラケットRB及び巻芯部材40については、後でより詳しく説明する。
<粘着テープ印刷装置の動作の概略>
次に、粘着テープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
すなわち、第1所定位置13に粘着テープカートリッジTKが装着されると、筐体本体2aの後方側に位置する第1収納部3に第1ロールR1が収納され、筐体本体2aの前方側に位置する第3収納部5に第3ロールR3が収納される。また、筐体本体2aの前方側に位置する第2収納部4には、第2ロールR2を形成するための巻芯部材40が収納される。
このとき、プラテンローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された第1ロールR1の回転により繰り出される被印字粘着テープ150が、前方側へ搬送される。そして、搬送される被印字粘着テープ150の基材層153に対し、印字ヘッド11により所望の印字が形成されて、印字済み粘着テープ150′となる。印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第3収納部5へ導入され、当該第3収納部5内において巻回されて第3ロールR3が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第2収納部4へ導入され、当該第2収納部4内の巻芯部材40の外周側に巻回されて第2ロールR2が形成される。その際、第2ロールR2よりも後方側、つまりテープ搬送方向に沿った第2ロールR2の上流側に設けられたカッター機構が、印字形成されかつ剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで第2ロールR2に巻回されていく印字済み粘着テープ150″を切断し、切断後は第2ロールR2を第2収納部4から取り出すことができる。
<粘着テープ印刷装置の各部の詳細構造>
次に、粘着テープ印刷装置1の各部の詳細構造について順次説明する。
<後方側開閉部>
前述したように、第1ロールR1が収納される第1収納部3の上方は、後方側開閉部8により開閉可能である。ところで、上記のようにして印字形成が実行されて印字済み粘着テープ150″が生成されるにつれて、被印字粘着テープ150が消費されるので、第1ロールR1に巻回された被印字粘着テープ150の量が少なくなっていく。したがって、第1収納部3内の第1ロールR1の挙動(例えば、被印字粘着テープ150が消費されて第1ロールR1が小径化しているか否か等)を比較的高い頻度で確認したいという操作者のニーズがある。しかしながら、第1収納部3の上方を開閉する後方側開閉部8を1つの大きな開閉カバーで構成すると、高頻度で当該大きな開閉カバーを開閉することが必要となり、操作者にとっての操作負担が大きい。
そこで本実施形態では、第1収納部3の上方を開閉する後方側開閉部8を、前述のように2つの開閉カバー(第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8b)により構成する。すなわち、第1収納部3のうち前方側の上方を第1開閉カバー8aにより開閉可能とすると共に、第1収納部3のうち後方側の上方を第2開閉カバー8bにより開閉可能とする。
このとき、筐体本体2aの後方側の上端部には、付勢部材(図示省略。例えば引張コイルばね等)が設けられている。この付勢部材は、第2開閉カバー8bに対し、当該第2開閉カバー8bの閉じ方向に付勢する付勢力を作用させる。そして、第1開閉カバー8aが開き方向に動作していくときには、当該第1開閉カバー8aの外周部18に略接触している第2開閉カバー8bの縁部19が、当該外周部18からの接触による駆動力を滑りながら受圧する。これにより、縁部19で受圧した駆動力により上記付勢部材の付勢力に抗して、第2開閉カバー8bも、上記第1開閉カバー8aの開き方向への動作に連動して開き方向に動作する。
したがって、第1収納部3内の第1ロールR1の挙動を確認したい場合には、操作者は、第1開閉カバー8aを閉じ状態としたまま、第2開閉カバー8bのみを開き方向へ手動操作すればよい。操作者がこの操作が行うと、第2開閉カバー8bのみが開き方向に動作して開き状態となって、第1収納部3のうち後方側の上方のみが開放した状態(図3の状態)となる。
一方、第1収納部3の上方を大きく開放して第1ロールR1を収納したい(又は取り出したい)場合には、操作者は、第1開閉カバー8aのみを開き方向へ手動操作すればよい。操作者がこの操作が行うと、第1開閉カバー8aが開き方向に動作していくとき、第2開閉カバー8bの縁部19が、当該第1開閉カバー8aの外周部18からの接触による駆動力を滑りながら受圧すると共に、当該受圧した駆動力により上記付勢部材の付勢力に抗して、当該第1開閉カバー8aの開き方向への動作に連動して自動的に第2開閉カバー8bも開き方向に動作する。これにより、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bが共に開き状態となって、第1収納部3の上方の全体が大きく開放した状態(図4〜図7の状態)となる。
なお、第1ロールR1の収納(又は取り出し)後に、操作者が第1開閉カバー8aを閉じ方向へ手動操作することで、上記付勢部材の付勢力により、第1開閉カバー8aの閉じ方向の動作に連動して自動的に第2開閉カバー8bも閉じ方向に動作する。これにより、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bが共に閉じ状態となって、第1収納部4の上方の略全部が閉鎖した状態(図1の状態)となる。
<粘着テープカットリッジ>
図8〜図10において、粘着テープカートリッジTKは、前述したように、第1ロールR1と、第3ロールR3と、連結アーム16とを備えている。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備えている。なお、図9中では、第1ロールR1において軸心O1まわりに巻回される被印字粘着テープ150、及び、第3ロールR3において軸心O3まわりに巻回される剥離材層151の図示を省略すると共に、第1ロールR1及び第3ロールR3を構成する部材の一部を省略して図示している。
第1ブラケット部20,20は、第1ロールR1を、軸心O1に沿った左・右両側(一方側及び他方側)から挟みこむようにして当該軸心O1まわりに回転可能に保持する。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により第1ロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
第2ブラケット部21,21は、第3ロールR3を、軸心O3に沿った左・右両側(一方側及び他方側)から挟みこむようにして当該軸心O3まわりに回転可能に保持する。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。
そして、後方側の第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
ここで、前述したように、粘着テープカートリッジTKの使用時には、第1ロールR1から被印字粘着テープ150が繰り出されて搬送されることで、当該被印字粘着テープ150が消費される。一方、第3ロールR3には、被印字粘着テープ150が搬送されて印字形成された印字済み粘着テープ150′から、上記引き剥がし部17により引き剥がされた剥離材層151が、軸心O3まわりに巻回される。
上記のような使用態様になる結果、図11に示すように、粘着テープカートリッジTKの未使用時(あるいは使用歴が短いとき)では、第1ロールR1にはまだ繰り出されていない被印字粘着テープ150が多く残存していると共に、第3ロールR3には剥離材層151がほとんど巻回していない(あるいはあまり巻回していない)。したがって、この状態では、粘着テープカートリッジTK全体の重量分布としては、第1ロールR1側の方がより重くなり、粘着テープカートリッジTKの重心位置CGは、第1ロールR1側に位置する。そして、図12に示すように、粘着テープカートリッジTKが比較的長時間使用された後(粘着テープカートリッジTKの使用歴が長いとき)では、第1ロールR1においてまだ繰り出されず残存している被印字粘着テープ150が少なくなると共に、第3ロールR3に巻回された剥離材層151の量が多くなる。したがって、この状態では、粘着テープカートリッジTK全体の重量分布としては、第3ロールR1側の方がより重くなり、粘着テープカートリッジTKの重心位置CGは、第3ロールR1側に位置する。
上記のように、本実施形態においては、粘着テープカートリッジTKの使用歴の長短により、第1ロールR1側と第3ロールR3側との重量バランスが変化する。この結果、粘着テープカートリッジTKを取り扱う際に、操作者が両手で第1ロールR1側の部分と第3ロールR3側の部分とを持つようにすると、当該粘着テープカートリッジTKの使用歴の長短により上記重量バランスが異なることとなり、取り扱いしづらい。
そこで本実施形態では、図8〜図10に示すように、第1ロールR1と第3ロールR3とを連結する連結アーム16のうち後方側(第1ロールR1側)の左・右両側それぞれに、左・右一対の取手部25,25(被把持部)が前後方向に沿って延設されている。詳細には、取手部25,25は、連結アーム16のうち後方側の左・右両側に位置する第1ブラケット部20,20それぞれから、左右方向に沿った外方に突出するように、設けられている。したがって、粘着テープカートリッジTKを持ち上げる際には、操作者は、第1ロールR1と第3ロールR3とを前後方向に位置させた状態で、第1ブラケット部20,20それぞれから左右方向に突出した取手部25,25を左手及び右手でそれぞれ把持すればよい。
そして、本実施形態ではさらに、取手部25,25の後方側の端部に、把持時の滑りを防止する滑り防止部25a,25aが備えられている。したがって、取手部25,25を把持する際には、操作者は、滑り防止部25a,25aを左手及び右手の指先でそれぞれつまむようにして支持すればよい。
このとき、滑り防止部25a,25aは、第1ロールR1の径方向における位置が当該第1ロールR1の外径との干渉を防止しつつ設けられる第1接続部22よりも径方向内側となるように配置されると共に、第1ロールR1の径方向に沿った寸法が取手部25,25の他の部位よりも大きくなるように構成されている。
ここで、粘着テープカートリッジTKの使用歴の長短に基づく当該粘着テープカートリッジTK全体の重量バランスの違いにより、操作者が取手部25,25を把持して粘着テープカートリッジTKを持ち上げたときの、当該粘着テープカートリッジTKの傾斜角度が種々異なる場合がある。例えば、粘着テープカートリッジTKの未使用時(あるいは使用歴が短いとき)に対応する図11に示す例では、粘着テープカートリッジTKの傾斜角度は比較的緩やかであるのに対し、粘着テープカートリッジTKが比較的長時間使用された後(粘着テープカートリッジTKの使用歴が長いとき)に対応する図12に示す例では、粘着テープカートリッジTKの傾斜角度はかなり急である。そこで本実施形態は、滑り防止部25a,25aが、左右方向から見て略部分円弧状の形状となっている。
<ヘッド保持体>
図8、図9、図13、及び図14おいて、第1開閉アーム6に設けられたヘッド保持体10は、上記印字ヘッド11と、上記リボン巻き取りローラ15と、回動部材27とを備えている。なお、図9中では、粘着テープカートリッジTKと共に、第1開閉アーム6に設けられたヘッド保持体10、及び、筐体本体2aに設けられたプラテンローラ12も図示している。また、図13は、第1開閉アーム6が開き状態である場合に対応し、図14は、第1開閉アーム6が閉じ状態である場合に対応する。また、図13(a)及び図14(a)中には、ヘッド保持体10の右側面側を図示し、図13(b)及び図14(b)中には、ヘッド保持体10の左側面側を図示している。
印字ヘッド11は、前述したように、第1開閉アーム6が上記回動軸心K1まわりに回動することで、上記プラテンローラ12に対して相対的に離反・近接可能である。すなわち、第1開閉アーム6が閉じ状態となると、印字ヘッド11がプラテンローラ12に近接し、第1開閉アーム6が開き状態となると、印字ヘッド11がプラテンローラ12から離間する。
回動部材27は、印字ヘッド11の近傍に設けられた所定の回動軸心K7(軸心)まわりに回動可能であり、印字ヘッド11の近傍に設けられたヘッドカバー部27bと、ヘッドカバー部27bの左・右両側に設けられた左・右一対の略3の字状の側板部27a,27aとを備えている。
ヘッドカバー部27bは、印字ヘッド11がプラテンローラ12から離間して露出したときには、当該印字ヘッド11のプラテンローラ12側を保護し、上記印字形成の実行時には、印字ヘッド11のプラテンローラ12側から退避して当該プラテンローラ12側を露出させるように構成されている。詳細には、ヘッドカバー部27bは、回動部材27全体が回動軸心K7まわりに回動することで、印字ヘッド11のプラテンローラ12側を覆う覆い位置(第1位置。図13(a)(b)の状態)と、印字ヘッド11のプラテンローラ12側を露出させる露出位置(第2位置。図14(a)(b)の状態)とに切り替え可能となっている。
このとき、ヘッド保持体10の左側面側には、引張コイルばね29が設けられている。引張コイルばね29は、左方側の側板部27aに対し、矢印Z方向に付勢する付勢力を作用させる。
側板部27a,27aは、回動軸心K7まわりに回動可能である。なお、この側板部27a,27aと上記引張コイルばね29とが、各請求項記載の回動部を構成する。また、側板部27a,27aの縁部271,271(受圧部)は、第1開閉アーム6の開閉動作に連動するプラテンローラ12と印字ヘッド11との相対的な近接動作に伴って生じる(詳細には、第1開閉アーム6の閉じ動作によるプラテンローラ12と印字ヘッド11との近接により生じる)、プラテンローラ12の軸部12aからの力を受圧可能となっている。すなわち、第1開閉アーム6が閉じ状態となるときには、側板部27a,27aの縁部271,271は、上方側からプラテンローラ12の軸部12aにより上方側に押されるようになっている。
そして、側板部27a,27aの縁部271,271におけるプラテンローラ12の軸部12aからの力の受圧の有無に応じて、回動部材27全体は、ヘッドカバー部27bが覆い位置となる状態、又は、ヘッドカバー部27bが露出位置となる状態へ選択的に回動されるようになっている。
すなわち、図13に示すように、第1開閉アーム6が開き状態であって、側板部27a,27aの縁部271,271がプラテンローラ12の軸部12aからの力を受圧していないときには、引張コイルばね29の付勢力により、回動部材27全体はヘッドカバー部27bが覆い位置となる状態となっている。
そして、図14に示すように、第1開閉アーム6が閉じ状態となったときには、側板部27a,27aの縁部271,271がプラテンローラ12の軸部12aから力を受圧することにより、引張コイルばね29の付勢力に抗して、回動部材27全体はヘッドカバー部27bが露出位置となる状態へ回動される。なお、ヘッドカバー部27bは、上記のようにして露出位置へ回動された状態では、印字ヘッド11と上記リボン巻き取りローラ15との間に生じる空間に潜り込むように挿入配置される。
その後、図13に示すように、再び第1開閉アーム6が開き状態となったときには、側板部27a,27aの縁部271,271がプラテンローラ12の軸部12aからの力を受圧しないことにより、引張コイルばね29の付勢力により、回動部材27全体はヘッドカバー部27bが覆い位置となる状態へ回動される。
またこのとき、ヘッド保持体10の右側面側には、第1開閉アーム6の開閉を検出するためのリミットスイッチSWが設けられている。リミットスイッチSWは、第1開閉アーム6が開き状態であることを検出する第1位置(図13(a)の状態)と、第1開閉アーム6が閉じ状態であることを検出する第2位置(図14(a)の状態)とに切り替え可能な回転レバー28を備えている。
すなわち、第1開閉アーム6が閉じ状態であるときには、図13に示すように、回転レバー28は第2位置に位置する。この場合、リミットスイッチSWは、第1開閉アーム6が閉じ状態であることを検出する。そして、第1開閉アーム6が開き状態となったときには、図14に示すように、回転レバー28は右方側の側板部27aにより上方側に押し上げられて第1位置まで回転する。この場合、リミットスイッチSWは、第1開閉アーム6が開き状態となったことを検出する。
<支持ブラケット>
図8及び図15〜図22において、支持ブラケットRBは、前述したように、巻芯部材40において印字済み粘着テープ150″が巻回された第2ロールR2を、軸心O2まわりに回動可能に支持する。なお、図15〜図18中では、第2ロールR2の図示を省略している。また、支持ブラケットRBは、第2ロールR2を着脱不能となる閉じ位置から、第2ロールR2を着脱可能となる開き位置までの間で回動可能である。そして、支持ブラケットRBが閉じ位置に位置するときに、第2ロールR2(巻芯部材40)が回転することで上記の印字形成が実行されて、巻芯部材40において印字済み粘着テープ150″の巻回が行われる。
このとき、支持ブラケットRBは、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2を備えている。これら第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2は、第2ロールR2の軸方向である軸心O2方向に沿った左・右両側に、当該第2ロールR2を挟み込むように対向してそれぞれ配置されており、左右方向に沿って互いに遠近可能となっている。この例では、第2ブラケットRB2のみが左右方向に移動可能であり、第1ブラケットRB1の左右方向位置は固定されている。また、支持ブラケットRBには、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の下部を連結可能な補強板38が設けられている。
第1ブラケットRB1は、略円形状の円形部31aと、円形部31aから径方向に膨出した基部32aとを備えており、第2ブラケットRB2は、略円形状の円形部31bと、円形部31bから径方向に膨出した基部32bとを備えている。
第1ブラケットRB1の基部32aの内側(第2ブラケットRB2の基部32bに対向する側)には、圧縮ばね34(付勢部材)が設けられている。圧縮ばね34は、第2ブラケットRB2の基部32bの内側(第1ブラケットRB1の基部32aに対向する側)に設けられたばね受け33に対し、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2を互いに離間する方向(この例では、第2ブラケットRB2を第1ブラケットRB1から離間する方向)に付勢する付勢力を作用させる。
第2ブラケットRB2の円形部31bの外側(第1ブラケットRB1の基部32aに対向する側とは反対側)には、傾斜カム部35が設けられている。傾斜カム部35は、支持ブラケットRB(第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2)が開き位置から閉じ位置に向かって回動するのに伴って、圧縮ばね34の付勢力に抗して第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2を互いに近接させる力(この例では、第2ブラケットRB2を第1ブラケットRB1に近接させる力)を、筐体本体2aの壁部36から受圧する。すなわち、支持ブラケットRBが開き位置から閉じ位置に向かって回動するのに伴って、傾斜カム部35は、筐体本体2aの壁部36により左方側に押されるようになっている。なお、この傾斜カム部35と上記圧縮ばね34とが、各請求項記載のブラケット移動手段を構成する。
上記構成により、操作者が支持ブラケットRBを閉じ位置から開き位置へ回動させると、支持ブラケットRBが閉じ位置から開き位置に向かって回動するにつれて(支持ブラケットRBの態様が図19、図20、図21、図22に推移するにつれて)、圧縮ばね34の付勢力により、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2が互いに離間する方向に相対移動する(この例では、第2ブラケットRB2が第1ブラケットRB1から離間する方向に移動する)。これにより、支持ブラケットRBが開き位置に位置する状態(図8、図15〜図17、及び図22の状態)で、上記のように離間した状態の第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間から第2ロールR2(巻芯部材40)が着脱可能となる。
一方、例えば新規に第2ロールR2(巻芯部材40)を装着する際に、操作者が、上記のように離間した状態の第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間に第2ロールR2(巻芯部材40)を配置した後、支持ブラケットRBを開き位置から閉じ位置へ回動させると、支持ブラケットRBが開き位置から閉じ位置に向かって回動するにつれて(支持ブラケットRBの態様が図22、図21、図20、図19に推移するにつれて)、傾斜カム部35が筐体本体2aの壁部36から受圧する力により、圧縮ばね34の付勢力に抗するような力が第2ブラケットRB2に作用して、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2が互いに近接する方向に相対移動する(この例では、第2ブラケットRB2が第1ブラケットRB1に近接する方向に移動する)。これにより、支持ブラケットRBが閉じ位置に位置する状態(図19の状態)で第2ロールR2(巻芯部材40)が着脱不能となって装着される。
また、支持ブラケットRBが閉じ位置に位置する状態(図19の状態)では、筐体本体2aの前方側かつ左方側に設けられた駆動伝達ギア37aに対し、第1ブラケットRB1に設けられた被駆動ギア37b(図15参照)が嵌合する。また、駆動伝達ギア37aは、筐体本体2aの前方側に設けられたギア機構を介し、前述の巻き取り用モータM3の出力軸(図示省略)に作動連結されている。この結果、巻き取り用モータM3が発生した駆動力は、支持ブラケットRBが上記閉じ位置に位置する状態では、筐体本体2aの前方側に設けられたギア機構、駆動伝達ギア37a、被駆動ギア37bを介し、第1ブラケットRB1に伝達される。そして、第1ブラケットRB1に伝達された上記駆動力が第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間に装着された第2ロールR2(巻芯部材40)へ伝達されることで、当該第2ロールR2(巻芯部材40)が回転駆動する。
また、支持ブラケットRB(第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2)が閉じ位置から回動して開き位置へ到達したとき(図8、図15〜図17、及び図22の状態のとき)には、筐体本体2aの前方側かつ右方側に設けられた突起39aに対し、第2ブラケットRB2の円形部31bの縁部に設けられた凹部39bが係合すると共に、上記補強板38が第2開閉アーム7の内側の面に突き当たる(図8参照)ことで、支持ブラケットRBのそれ以降の回動を防止するようになっている。なお、突起39a、凹部39b、及び補強板38が、各請求項のストッパ手段を構成する。
<巻芯部材>
図23〜図25において、巻芯部材40は、上記軸心O2を軸とする略円筒状の内筒41と、第1外筒42と、第2外筒43とを備えている。
第1外筒42は、内筒41の軸方向(すなわち軸心O2方向である左右方向)に沿って一方側端部(詳細には右端部)の外周側に装着される。この第1外筒42は、略円筒状の第1円筒部45と、第1円筒部45の右端部に一体的に形成された略円環形状の第1フランジ部46とを備えている。
第2外筒43は、内筒41の軸方向(すなわち軸心O3方向である左右方向)に沿って他方側端部(詳細には左端部)の外周側に装着される。この第2外筒43は、略円筒状の第2円筒部47と、第2円筒部47の左端部に一体的に形成された略円環形状の第2フランジ部48とを備えている。なお、内筒41、第1円筒部45、及び第2円筒部47が、各請求項記載の円筒部を構成する。
すなわち、内筒41に対し第1外筒42及び第2外筒43が装着された状態では、第1フランジ部46及び第2フランジ部48は、互いに対向して配置され、これら第1フランジ部46及び第2フランジ部48の間には、上記印字済み粘着テープ150″を受け入れ可能な空間が形成される。
また、内筒41に対し第1外筒42及び第2外筒43が装着された状態では、第1円筒部45及び第2円筒部47は、第1フランジ部46及び第2フランジ部48を接続するように軸心O2に略沿って延設され、これら第1円筒部45及び第2円筒部47の外周側(言い換えれば、第1フランジ部46及び第2フランジ部48の間の空間)には、略円筒状の紙芯44(巻筒)が装着可能である。紙芯44は、前述の引き剥がし部17において印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″を、テープ幅方向が左右方向となるように、外周側に巻き付けるための部材である。なお、図23中では、第1円筒部45及び第2円筒部47の外周側に紙芯44が装着されていない状態を図示し、図24中では、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ150″が巻き付けられていない状態を図示している。
ここで、巻芯部材40の組み上げ手順の一例について説明する。すなわち、巻芯部材40を組み上げる際には、まず、第2外筒43の第2円筒部47が、内筒41の左端部の外周側に外挿される。この時点では、第2円筒部47の外周側にまだ紙芯44が装着されておらず、第2フランジ部48を含む第2外筒43は、左右方向への移動可能となっている。そして、第2外筒43が、紙芯44の幅方向寸法に対応するように、左右方向に移動され、紙芯44が、左端部が第2外筒43における第2フランジ部48の右端面48aに接触するように、左端部が当該第2フランジ部48によって位置決めされつつ、第2円筒部47の外周側に装着される。第2円筒部47の外周側に紙芯44が装着されたときには、第2フランジ部48を含む第2外筒43は、内筒41の外周側に固定された状態となって、左右方向に移動不能となる。そして、第1フランジ部46を含む第1外筒42が、外周側に紙芯44が存在する内筒41の右端部の外周部に取り外し可能に取り付けられる。このとき、紙芯44は、右端部が第1外筒42における第1フランジ部46の左端面46aに接触するように、右端部が当該第1フランジ部46によって位置決めされる。以上により、巻芯部材40が組み上がる。
そして、巻芯部材40が上記支持ブラケットRBにより支持されるように装着された状態で前述の第2収納部4に収納されると、上記印字済み粘着テープ150″の巻き取りが行われる。すなわち、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ150″が順次巻き付けられつつ、巻芯部材40全体が軸心O2まわりに回転する。これにより、紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ150″が順次巻き付けられて積層し、第2ロールR2が形成される。このとき、上記のような巻き付け動作を開始するときの円滑化を図るために、紙芯44には、リーダテープ80(接続用テープ)が設けられている(図24参照)。リーダテープ80の略蛇頭形状の先端部80aは、紙芯44の外方へ向かって延出されている。この先端部80aには、印字済み粘着テープ150″に備えられた粘着剤層152が付着されて接続される(図9参照)。これにより、紙芯44を含む巻芯部材40全体が軸心O2まわりに回転することで、リーダテープ80の先端部80aに接続された印字済み粘着テープ150″が、紙芯44側に引っ張り込まれて、順次、紙芯44の外周部に巻き付けられて積層することで、第2ロールR2が形成される。
またこのとき、上記2つのフランジ部(第1フランジ部46及び第2フランジ部48)のうち、第2フランジ部48は内筒41に固定される構造であるが、第1フランジ部46は内筒41から取り外し可能である。これにより、巻芯部材40の回転と共に、上記第1フランジ部46及び第2フランジ部48の間の空間に順次印字済み粘着テープ150″が導入され、第1円筒部45及び第2円筒部47に取り付けた紙芯44に印字済み粘着テープ150″が積層されて第2ロールR2が形成されると、第1フランジ部46を含む第1外筒42が内筒41から取り外される。そして、内筒41のうち第1外筒42を取り外した側から、第2ロールR2が左右方向に沿って抜き出される。
ここで、印字済み粘着テープ150″は、前述のように粘着剤層152を備えていることから、上記のように積層された状態において第2ロールR2のロール側面に粘着剤が現れている場合があり得る。この場合、当該粘着剤によって第2ロールR2が第2フランジ部48に貼り付き、上述の左右方向への抜き出しが困難となるおそれがある。
そこで本実施形態では、第2フランジ部48の略円環形状のうち軸心O2を挟んで径方向に対向する2箇所に、開口穴480,480が設けられている。なお、開口穴480を、第2フランジ部48の略円環形状のうち当該2箇所を含む3箇所以上に設けてもよい。このとき、各開口穴480,480は、所定の第1径方向位置P1からそれより内周側の第2径方向位置P2までの径方向寸法と、所定の周方向寸法とを備えている。第2径方向位置P2は、第1円筒部45及び第2円筒部47に装着される紙芯44の外径の位置P3よりも内周側となるように、詳細には、第2フランジ部48の径方向内側端に略一致するように、設定されている。これにより、図25に示すように、上記のように第2ロールR2が形成されたとき、紙芯44の少なくとも一部(図25中の斜線部分)が、上記第2フランジ部48の開口穴480,480を介し、左右方向に露出される。
またこのとき、各開口穴480,480は、径方向内側の縁部480aの長さが径方向外側の縁部480bの長さよりも長い略台形形状となっている。なお、各開口穴480,480を、径方向内側の縁部の長さが径方向外側の縁部の長さよりも長い略三角形形状としてもよい。
<粘着保持部>
図9及び図26において、前述したように、粘着テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着されると、第1収納部3に収納された第1ロールR1の回転により被印字粘着テープ150が繰り出されて、前方側へ搬送される。そして、搬送される被印字粘着テープ150の基材層153に対し、印字ヘッド11により所望の印字が形成されて、印字済み粘着テープ150′となる。印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて、引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第3収納部5へ導入され、当該第3収納部5内において巻き取られて巻回されることで、第3ロールR3が形成される。また、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第2収納部4へ導入され、当該第2収納部4内の巻芯部材40の外周側に巻回されることで、第2ロールR2が形成される。
そして、前述のカッター機構により印字済み粘着テープ150″が切断されると、操作者により粘着テープカートリッジTKを筐体本体2aから取り外して移動させる等が行われる場合がある。このとき、印字済み粘着テープ150″は、印字済み粘着テープ150′から剥離材層151が引き剥がされることで形成されたものであるので、粘着剤層152が露出している。本実施形態においては、粘着テープカートリッジTKの前方側に位置する引き剥がし部17の近傍に、部材50が設けられている。なお、部材50は、図9及び図26〜図29にのみ図示されており、他の図では省略されている。
部材50には、筐体本体2aへ装着される前に粘着テープカートリッジTKが単体で取り扱われる際に上記印字済み粘着テープ150″の露出した粘着剤層152を仮止めする(再剥離可能に粘着する)と共に、粘着テープカートリッジTKを筐体本体2aへ装着して第2ロールR2の生成を開始する場合に備えるために、粘着保持部51(粘着保持手段)が設けられている。粘着保持部51は、凹部51aと、凹部51aの左・右両側にそれぞれ設けられた粘着部51b,51bとを備えている。
凹部51aは、印字済み粘着テープ150″の幅よりも小さく、上記リーダテープ80の先端部80aの幅よりも大きな幅方向寸法を備えている。この凹部51aは、後述のように当該凹部51aの左・右両側に位置する粘着部51b,51bに跨って粘着される印字済み粘着テープ150″の露出した粘着剤層152のうち、幅方向略中央に位置する中央領域(第2領域)を、空中に露出された状態で保持する。このとき、凹部51aは、上記紙芯44から外方に向かって延出されたリーダテープ80の先端部80aを受け入れ可能に構成されている。
粘着部51b,51bは、表面に鋸歯状の突起が形成されることにより離型処理されている。この粘着部51b,51bは、印字済み粘着テープ150″の露出した粘着剤層152のうち、上記中央領域の幅方向両側に位置する両側領域(第1領域)を、上記凹部51aに受け入れられたリーダテープ80の先端部80aに対しテープ厚さ方向に離間した状態としつつ、再剥離可能に粘着させて保持する。
また、部材50には、略T字状の切り替え部材52が取り付けられている。切り替え部材52には、凹部51aに位置するように付着部52aが備えられている。付着部52aには、リーダテープ80の先端部80aが、切り替え部材52の左・右両端部に設けられた凸部52c,52cに引っ掛けられつつ付着される。また、切り替え部材52は、部材50に設けられた所定の回動軸心まわりに回動可能である。詳細には、切り替え部材52は、離間位置(第1位置。図27及び図29の状態)と、密着位置(第2位置。図28の状態)との間を回動(切り替え移動)可能である。
離間位置は、付着部52aが、凹部51aにより露出状態で保持された印字済み粘着テープ150″の上記中央領域側に移動した状態となる位置である。この離間位置では、付着部52aに付着させたリーダテープ80の先端部80aと、上記印字済み粘着テープ150″の中央領域とを、テープ厚さ方向に離間した状態とすることができる。
密着位置は、付着部52aが、凹部51aにより露出状態で保持された印字済み粘着テープ150″の上記中央領域側とは反対側に移動した状態となる位置である。この密着位置では、付着部52aに付着させたリーダテープ80の先端部80aと、上記印字済み粘着テープ150″の中央領域とを、テープ厚さ方向に近接させて互いに密着させることができる。
また、部材50には、第2ロールR2のうち、引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″側の領域を覆うために、ひさし状に垂れ下がったカバー部53が設けられている。
したがって、印字済み粘着テープ150″の露出した粘着剤層152を仮止めする場合には、操作者は、印字済み粘着テープ150″の上記両側領域を粘着部51b,51bに粘着させればよい。そして、第2ロールR2の生成を開始する場合には、操作者は、リーダテープ80と上記仮止めされた印字済み粘着テープ150″とを連結させればよい。
ここで、図27〜図29を参照しつつ、リーダテープ80と上記仮止めされた印字済み粘着テープ150″との連結手順の一例について説明する。すなわち、まず、図27に示すように、操作者は、リーダテープ80の先端部80aを、予め離間位置にした切り替え部材52の凸部52c,52cに対し引っ掛けつつ付着部52aに対し付着させた後、切り替え部材52における付着部52aとは反対側に備えられた略平板状の平板部52b(図26も参照)を指で押すことで、切り替え部材52を密着位置に切り替える(図28の状態とする)。これにより、付着部52aに付着させたリーダテープ80の先端部80aを、印字済み粘着テープ150″の上記中央領域に近接させて密着させる。このとき、平板部52bは、付着部52aに先端部80aが付着されるリーダテープ80の幅よりも大きな幅方向寸法を備えており、操作者は平板部52bを当該リーダテープ80に触れないように指で押すことができる。
その後、図28に示すように、操作者は、印字済み粘着テープ150″の上記中央領域の上から切り替え部材52の付着部52aを指で押すことで、切り替え部材52を離間位置に切り替える(図29の状態とする)。このとき、リーダテープ80側に押された印字済み粘着テープ150″の上記中央領域は、リーダテープ80側に撓んで、当該中央領域の粘着剤によりリーダテープ80の先端部80aと粘着する。これにより、リーダテープ80と印字済み粘着テープ150″とが連結される。またこのとき、切り替え部材52が密着位置から離間位置に切り替わったときに音がするようにしておけば、切り替え部材52が密着位置から離間位置に切り替わったこと、言い換えれば、リーダテープ80の先端部80aと印字済み粘着テープ150″の上記中央領域とが粘着したことを、操作者に対し報知することができる。
そして、図29に示すように、上述のようにして紙芯44を含む巻芯部材40全体が回転することで、リーダテープ80の先端部80aが上記凸部52c,52cから外れて紙芯44側に引っ張り込まれて、順次、紙芯44の外周部に巻き付けられて積層することで、第2ロールR2が形成される。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、後方側開閉部8を、2つの開閉カバー(第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8b)により構成する。すなわち、第1収納部3のうち前方側の上方を第1開閉カバー8aで開閉可能とすると共に、第1収納部3のうち後方側の上方を、第1開閉カバー8aとは別個に第2開閉カバー8bで開閉可能とする。したがって、操作者が上記第1収納部3内の第1ロールR1の挙動を確認したい場合には、第1開閉カバー8aを閉じ状態としたまま、第2開閉カバー8bのみを開き状態とすればよい。これにより、第1収納部3全体を大きく開放することなく、簡便な操作で被印字粘着テープ150の状態を目視確認することができる。
一方、第2開閉カバー8bは、その縁部19が、第1開閉カバー8aの開き方向動作時に当該第1開閉カバー8aの外周部18aからの駆動力を受圧する。したがって、操作者が例えば第1収納部3の上方を大きく開放して第1ロールR1を収納したい(又は取り出したい)場合には、第1開閉カバー8aのみを開き方向へ手動操作すればよい。これにより、第1開閉カバー8aが開き方向に動作していくとき、第2開閉カバー8bの縁部19が当該第1開閉カバー8aの外周部18aからの駆動力を受圧することによって、第1開閉カバー8aの動作に連動して自動的に第2開閉カバー8bも開き方向に動作する。この結果、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8b共に開き状態として第1収納部3全体を大きく開放させ、円滑に第1ロールR1の収納(又は取り出し)を行うことができる。なお、収納(又は取り出し)後には、第1開閉カバー8aを閉じ方向へ手動操作することで、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた付勢部材の付勢力により、第1開閉カバー8aの閉じ方向の動作に連動して自動的に第2開閉カバー8bも閉じ方向に動作する。これにより、第1収納部3の上方略全体を閉鎖することができる。
以上のように、本実施形態によれば、第1収納部3への第1ロールR1の収納・取り出し時における操作性を悪化させることなく、簡便な操作で第1収納部3内の第1ロールR1の状態を目視確認することができる。
また、本実施形態では特に、第1開閉カバー8aの回動軸心K3が第1ロールR1のロール中心ROよりも後方側であることにより、第1開閉カバー8aを開き方向へ手動操作して第1開閉カバー8aと第2開閉カバー8bとを共に開き状態とするだけで、確実に第1収納部3内の第1ロールR1の上方を大きく開放することができる。
また、本実施形態では特に、第1開閉カバー8aの回動軸心K3、第2開閉カバー8bの回動軸心K4、及び、第1収納部3に収納された第1ロールR1のロール中心ROのうち、第2開閉カバー8bの回動軸心K4が、最も高い位置にある。この結果、第2開閉カバー8bにより開閉される第1収納部3の上方空間の大きさ(言い換えれば第2開閉カバー8b自体の大きさ)をなるべく小さくし、確実に簡便な操作で第1ロールR1の状態を目視確認することができる。
また、本実施形態においては、第1ロールR1と第3ロールR3とを連結する連結アーム16の左・右両側それぞれに、左・右一対の取手部25,25を設ける。これにより、操作者から見て第1ロールR1と第3ロールR3とを前後方向に位置させた状態で、左手及び右手で両側から取手部25,25を把持することで、粘着テープカートリッジTKを持ち上げることができる。このようにして2つのロール(第1ロールR1及び第3ロールR3)を前後方向にしつつ粘着テープカートリッジTKを取り扱うことができるので、上記のように第1ロールR1側と第3ロールR2側との重量バランスがどのような状態であったとしても、その影響を受けにくくすることができる。そして、本実施形態ではさらに、上記取手部25,25の後方側の端部に滑り防止部25a,25aを設けている。これにより、操作者は、両手の指先で滑り防止部25a,25aをつまむようにして支持することで、指先の滑りを防止しつつ取手部25,25全体を左右の手で把持することができる。
以上の結果、本実施形態の粘着テープカートリッジTKは、使用歴の長短に関係なく良好かつ確実に操作者が把持することができ、取り扱い性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、操作者は、第1ロールR1を保持する左・右一対の第1ブラケット部20,20それぞれから左右方向に突出した取手部25,25を左右両手でそれぞれ把持し、粘着テープカートリッジTKを持ち上げることができる。この結果、確実に粘着テープカートリッジTKの取り扱い性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、第1接続部22は、滑り防止部25a,25aよりも径方向外側に配置される。これにより、第1ロールR1の外径との干渉を防止しつつ設けられる第1接続部22の位置を、なるべく径方向外側とすることができる。この結果、第1ロールR1の最大外径をより大きくすることができるので、1つの粘着テープカートリッジTKから繰り出し可能な被印字粘着テープ150の長さを長くすることができる。
また、本実施形態では特に、滑り防止部25a,25aは、第1ロールR1の径方向に沿った寸法が、取手部25,25の他の部位よりも大きくなるように構成されている。取手部25,25のうち他の部位よりも大きくなった部位を滑り防止部25a,25aとすることで、操作者にとっての把持しやすさ、滑りにくさを確実に向上することができる。
また、本実施形態では特に、滑り防止部25a,25aの形状を部分円弧状とすることにより、前述のように使用歴の長短により粘着テープカートリッジTKの傾斜角度が種々異なったとしても、滑り防止部25a,25aに対する両手の指先でつまんだ状態を確実に維持し、良好な取り扱い性を維持することができる。
また、本実施形態では特に、第1ロールR1は、被印字粘着テープ150を巻回する。また、第3ロールR3は、印字済み粘着テープ150′から引き剥がされた剥離材層151を巻回する。これにより、被印字粘着テープ150を繰り出しつつ剥離材層151を引き剥がして使用される粘着テープカートリッジTKにおいて、使用歴の長短に関係なく良好かつ確実に操作者が把持できる構成を実現することができる。
また、本実施形態においては、ヘッドカバー部27bが、印字ヘッド11の近傍で回動軸心K7まわりに回動可能に設けられ、前述の印字ヘッド11のプラテンローラ12側を覆う覆い位置と当該プラテンローラ12側を露出させる露出位置とに切り替え可能となっている。そして、上述したプラテンローラ12と印字ヘッド11との相対的な近接動作に伴って生じる力の、側板部27a,27aの縁部271,271による受圧の有無に応じて、ヘッドカバー部27bは上記覆い位置又は上記露出位置へと選択的に回動される。
これにより、プラテンローラ12と印字ヘッド11が相対的に近接したときには、ヘッドカバー部27bが露出位置へと回動して前述の印字形成動作が可能となる。その一方、プラテンローラ12と印字ヘッド11が相対的に離間したときには、ヘッドカバー部27bが覆い位置へと回動し、印字ヘッド11のプラテンローラ12側を覆って保護することができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、印字形成動作の実行時に当該動作を妨げないようにしつつ、印字形成動作を行わないときに印字ヘッド11の周囲を覆い、印字ヘッド11を確実に保護することができる。
また、本実施形態では特に、側板部27a,27aの縁部271,271が、プラテンローラ12と印字ヘッド11との相対的な近接動作に伴って生じる、プラテンローラ12の軸部12aからの力を受圧可能に構成されている。これにより、プラテンローラ12と印字ヘッド11が相対的に近接したとき、近接してくるプラテンローラ12の軸部12aから受圧する力によってヘッドカバー部27bが露出位置へと回動し、上記印字形成動作が可能となる。その一方、プラテンローラ12と印字ヘッド11が相対的に離間したときには、上記軸部12aからの受圧がなくなることでヘッドカバー部27bが覆い位置へと回動し、印字ヘッド11のプラテンローラ12側を覆って保護することができる。また、縁部271,271はプラテンローラ12の軸部12aから力を受圧し、その軸部12aから受圧した力を利用してヘッドカバー部27bの回動が実行される。これにより、印字ヘッド11の周囲に設けられるヘッドカバー部27bが、印字ヘッド11のプラテンローラ12への近接・離間挙動に最も直接的に対応した形で、迅速に露出位置又は覆い位置へと回動することができる。
また、本実施形態では特に、筐体2は、プラテンローラ12が設けられた筐体本体2aと、筐体本体2aに対し開閉可能に接続された第1開閉アーム6とを備えている。そして、側板部27a,27aの縁部271,271は、第1開閉アーム6の開閉動作によるプラテンローラ12と印字ヘッド11との近接により生じるプラテンローラ12の軸部12aからの力を受圧可能に構成されている。そして、第1開閉アーム6が閉じ状態となったときに縁部271,271がプラテンローラ12の軸部12aから力を受圧することにより、ヘッドカバー部27aは露出位置へ回動され、第1開閉アーム6が開き状態となったときに縁部271,271がプラテンローラ12の軸部12aから力を受圧しないことにより、ヘッドカバー部27aは覆い位置へ回動される。これにより、操作者が第1開閉アーム6を閉じ状態とすると、印字ヘッド11がプラテンローラ12に近接し、その近接時に側板部27a,27aの縁部271,271が受圧する力によって、ヘッドカバー部27bを露出位置へと回動させることができる。その一方、操作者が第1開閉アーム6を開き状態とすると、印字ヘッド11がプラテンローラ12から離間し、上記軸部12aからの受圧がなくなることによって、ヘッドカバー部27bを覆い位置へと回動させることができる。以上のように、第1開閉アーム6の開閉動作と連動させて、自動的にヘッドカバー部27bを覆い位置と露出位置とに切り替えることができる。
また、本実施形態では特に、インクリボンIBのガイドのために設けられるリボン巻き取りローラ15と印字ヘッド11との間に生じる空間を、ヘッドカバー部27bの回動動作のスペースとして活用する。これにより、不必要な大型化を招くことなく、露出位置においてヘッドカバー部27bが退避するスペースを確保し、円滑なヘッドカバー部27bの回動を実現することができる。
また、本実施形態においては、ユーザが支持ブラケットRBを上記閉じ位置から上記開き位置へ回動させると、第2ブラケットRB2が第1ブラケットRB1から離間する方向に移動し、開き位置で第2ロールR2が着脱可能となる。したがって、例えば前述のようにして印字済み粘着テープ150″が巻回されて第2ロールR2が形成された後、ユーザが適宜のタイミングで支持ブラケットRBを開き位置へと回動させることで、上記のように離間した状態の第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間から、巻回された第2ロールR2を円滑かつ簡単に取り外すことができる。
一方、ユーザが支持ブラケットRBを上記開き位置から上記閉じ位置へ回動させると、第2ブラケットRB2が第1ブラケットRB1に近接する方向に移動し、閉じ位置で第2ロールR2が着脱不能となる。したがって、例えば新規に第2ロールR2を装着する際に、ユーザが上記開き位置において離間した状態の第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間に第2ロールR2(あるいは第2ロールR2を形成するための巻芯部材40)を配置した後、支持ブラケットRBを閉じ位置へと回動させる。これにより、第2ブラケットRB2を第1ブラケットRB1に近接させ、それらの間に上記第2ロールR2(又は巻芯部材40)を円滑かつ簡単に挟み込み、装着することができる。
以上のように、本実施形態においては、ユーザは、支持ブラケットRBを閉じ位置とすることで、第2ロールR2の着脱を、筐体本体2aの内部空間ではなく当該空間外で行うことができる。これにより、第2ロールR2の着脱のための手動操作スペースを筐体本体2aの内部に確保する必要がなく、筐体本体2aの小型化を図ることができる。そしてこのとき、ユーザは、支持ブラケットRBを回動させる、閉じ位置から開き位置への(あるいは閉じ位置から開き位置への)ワンタッチ操作により、その回動に連動させて第2ブラケットRB2を第1ブラケットRB1に対し離間・近接させることができる。これにより、容易かつ手軽に第2ロールR2の取り外し及び装着を行うことができ、操作性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、ユーザは、離間した状態の第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2の間に第2ロールR2(あるいは上記巻芯部材40)を配置した後、支持ブラケットRBを開き位置から閉じ位置へと回動させる。すると、傾斜カム部35が筐体本体2aの壁部36から受圧する力によって、圧縮ばね34の付勢力に抗するような力が第2ブラケットRBに作用する。これにより、閉じ位置から開き位置への回動操作に連動させて、第2ブラケットRB2を第1ブラケットRB1に確実に近接させることができる。
また、本実施形態では特に、筐体本体2aの前方側に、巻き取り用モータM3が発生した第2ロールR2を回転駆動するための駆動力を伝達するためのギア機構が設けられている。そして、第1ブラケットRB1は、閉じ位置では上記ギア機構からの駆動力を第2ロールR2へ伝達可能に構成されており、傾斜カム部35は、第2ブラケットRB2のうち第1ブラケットRB1とは反対側に設けられている。これにより、支持ブラケットRBを閉じ位置とすることで、第1ブラケットRB1を介し、巻き取り用モータM3からの駆動力を第2ロールR2に伝達することができる。この結果、印字済み粘着テープ150″の第2ロールR2への巻き取りを確実に行い、巻回することができる。また、傾斜カム部35を第2ブラケットRB2に設けることにより、支持ブラケットRBの回動時に第2ブラケットRB2のみが左右方向に移動するようにして、第1ブラケットRB1の左右方向位置を固定することができる。この結果、上述のギア機構から第1ブラケットRB1への駆動力伝達を阻害しないようにすることができる。
また、本実施形態では特に、支持ブラケットRBが閉じ位置から回動して開き位置へ到達したときには、筐体本体2aの前方側かつ右方側に設けられた突起39aに対し、第2ブラケットRB2の円形部31bの縁部に設けられた凹部39bが係合すると共に、支持ブラケットRBに設けられた補強板38が第2開閉アーム7の内側の面に突き当たることで、支持ブラケットRBのそれ以降の回動を防止するようになっている。これにより、閉じ位置からの過剰な回動により第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2に曲げや破損等が生じるのを確実に防止することができる。
また、本実施形態においては、第2フランジ部48に、開口穴480が設けられる。このとき、開口穴480は、第1径方向位置P1からそれより内周側の第2径方向位置P2までの径方向寸法を備えている。また、当該第2径方向位置P2が、第1円筒部45及び第2円筒部47に装着される紙芯44の外径よりも内周側となるように、設定されている。
これにより、前述のように第2ロールR2が生成されたとき、紙芯44の少なくとも一部が、第2フランジ部48の上記開口穴480を介し、軸心O2方向に露出される。この結果、前述した第2フランジ部48への貼り付きがもし起こったとしても、上記露出した部分を指先などで押し出すことによって当該貼り付きを引き剥がし、第2ロールR2を軸心O2方向に抜き出すことができる。また、その際、第2フランジ部48のうち径方向に対向する2箇所に開口穴480が設けられていることにより、第2ロールR2の径方向に対向する2箇所を略同時に押すことができる。この結果、第2ロールR2を円滑かつ確実に抜き出すことができる。
また、本実施形態では特に、開口部480の径方向内側の縁部480aを第2フランジ部48の径方向内側端と略同一位置とすることで、開口部480の大きさを径方向内側へ大型化することができる。これにより、開口部480を介した上記押し出しによって、より確実に第2ロールR2を第2フランジ部48から引き剥がすことができる。
また、本実施形態では特に、開口穴480は、径方向内側の縁部480aの長さが径方向外側の縁部480bの長さよりも長い略台形形状を備えている。これにより、開口穴480のうち、紙芯44を露出させる径方向内側の縁部480aは大きくとって上記押し出しを行いやすくする一方、その反対側の径方向外側の縁部480bはなるべく小さくして第2フランジ部48の強度を確保することができると共に、指先による押し出し位置を縁部480a方向へ誘導することができる。
また、本実施形態おいては、筐体本体2aへ装着される前に粘着テープカートリッジTKが単体で取り扱われる際に上記印字済み粘着テープ150″の露出した粘着剤層152を仮止めするために、粘着保持部51が設けられている。ユーザは、上記生成された印字済み粘着テープ150″(詳細には両側領域)を、上記粘着保持部51に粘着させる。これにより、上記のように粘着テープカートリッジTK単体で取り扱うときに、印字済み粘着テープ150″が誤って第3ロールR3やその他粘着テープカートリッジTK各部に付着するのを防止することができる。
このとき、上記粘着テープカートリッジTKを前述のように筐体本体2aに装着し第2ロールR2の生成を開始する場合に備え、上記粘着保持部51は、上記両側領域以外の中央領域を空中に露出させた状態で、上記粘着剤層152を保持する。これにより、ユーザは、例えば、上記巻芯部材40の外周側に取り付けられているリーダテープ80の先端80aを、上記空中に露出した中央領域の近傍にセットすることができる。そして、上記第2ロールR2の生成を開始するときには、ユーザは、上記のようにしてセットしたリーダテープ80の先端部80aを、その近傍に位置する上記印字済み粘着テープ150″の中央領域に近接させて密着させる。これにより、例えば粘着テープ印字装置1が上記巻芯部材40を回転駆動してその外周側にリーダテープ80を巻回していくことで、リーダテープ80に連結された上記印字済み粘着テープ150″をリーダテープ80に続いて上記巻芯部材40の外周側に巻回し、第2ロールR2を生成することができる。
以上のように、本実施形態においては、粘着テープカートリッジTKを筐体本体2aに装着し第2ロールR2の生成を開始するときの準備操作を、簡略かつ円滑化することができ、労力負担を低減することができる。
また、本実施形態では特に、粘着保持部51は、凹部51aによって粘着剤層152の中央領域を空中に保持し露出させた状態で、粘着部51b,51bによって粘着剤層152の両側領域を保持する。このとき、凹部51aは、上記リーダテープ80の先端部80aを受け入れ可能に構成されている。これにより、ユーザは、巻芯部材40の外周側に取り付けられているリーダテープ80の先端部80aを、上記空中に露出した中央領域の近傍である、凹部51a内にセットし、そのセットしたリーダテープ80の先端部80aを上記印字済み粘着テープ150″の中央領域に密着させる。この結果、リーダテープ80と印字済み粘着テープ150″とを確実に連結し、連結された上記印字済み粘着テープ150″を巻芯部材40の外周側に巻回していくことができる。
また、本実施形態では特に、上記凹部51aに、印字済み粘着テープ150″とリーダテープ80とを離間させる離間位置、及び、印字済み粘着テープ150″とリーダテープ80とを密着させる密着位置、に切り替え移動可能な切り替え部材52が設けられている。ユーザは、予め離間位置にした切り替え部材52に対して上記リーダテープ80の先端部80aを付着させた後、上記切り替え部材52を密着位置に切り替える。これにより、上記付着したリーダテープ80の先端部80aを、上記印字済み粘着テープ150″の中央領域に近接させ、密着させることができる。この結果、簡単な操作で、リーダテープ80と印字済み粘着テープ150″とを円滑かつ確実に連結することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては、第2ブラケットRB2側に傾斜カム部35を設けていたが、これに限られず、当該第2ブラケットRB2側に代えて(又は加えて)第1ブラケットRB1側に傾斜カム部を設けてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、支持ブラケットRBに、圧縮ばね34及び傾斜カム部35等を設けることにより、支持ブラケットRBが閉じ位置から開き位置に向かって回動するにつれて第2ブラケットRB2を第1ブラケットから離間する方向に移動させると共に、支持ブラケットRBが開き位置から閉じ位置に向かって回動するにつれて第2ブラケットRB2を第1ブラケットに近接する方向に移動させていたが、これに限られない。例えば、支持ブラケットRB側に代えて(又は加えて)筐体本体2a側に上記のように作用する少なくとも1つの部材(ブラケット移動手段)を設けてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、第2ブラケットRB2が左右方向に移動可能であり、第1ブラケットRB1の左右方向位置は固定されていたが、これに限られず、第1ブラケットRB1を左右方向に移動可能とし、第2ブラケットRB2の左右方向位置を固定してもよい。あるいは、第1ブラケットRB1及び第2ブラケットRB2共に左右方向に移動可能としてもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、印字ヘッド11により印字が形成されると共に剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″を軸心O2まわりに巻回する第2ロールR2を形成していたが、これに限られない。例えば、上記引き剥がしを行わず、印字ヘッド11により印字が形成された印字済み粘着テープ150′を軸心O2まわりに巻回する第2ロールを形成してもよい。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、第1外筒42及び第2外筒43の外周側に紙芯44を装着し、当該紙芯44の外周側に印字済み粘着テープ150″を巻き付けていたが、これに限られない。例えば、第1外筒42及び第2外筒43の外周側に専用の筒状部材(巻筒)を固定し、当該専用の筒状部材の外周側に印字済み粘着テープ150″を巻き付けてもよい。なお、この場合、専用の筒状部材は、適宜の固定方法により固定される。この場合も、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、本発明を、被印字粘着テープ150に対し印字を行う粘着テープ印刷装置1に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、基材層及び粘着剤層を備えた貼り付け用テープを巻き取って積層して貼り付け用テープロールを生成するテープ巻き取り用装置に適用することも可能である。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。