JP5990482B2 - 分析電子顕微鏡法における特性ピーク信号改良方法、特性ピーク信号改良システム、及び特性ピーク信号改良プログラム - Google Patents

分析電子顕微鏡法における特性ピーク信号改良方法、特性ピーク信号改良システム、及び特性ピーク信号改良プログラム Download PDF

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Description

本発明は、電子エネルギー損失分光法の電子顕微鏡法の利用、及び物質の局所的な化学組成を決定するための電子顕微鏡法の利用に関する。より具体的には、結晶性の領域を含むサンプルから得られた特性ピーク信号の定量的測定及びそのようなサンプルから組成マップを生成することに関する。
分析電子顕微鏡法は、サブナノメータの短い長さまで物質の化学組成を調査するために頻繁に用いられている。電子エネルギー損失分光法(EELS)が、顕微鏡のサンプルに透過された入射電子のエネルギー分布測定を利用する一方で、エネルギー分散X線分光分析法(EDS)は入射電子ビームを受けたサンプルの領域から放出されたX線のエネルギー分布測定を利用する。
これら2つの技術は非弾性散乱現象に起因するが、高エネルギー入射電子ビームがサンプル内の束縛状態の電子を励起するプロセスは、異なる元素への適用のしやすさの点でそれぞれ異なる。
一般的に、EELSは比較的軽量の元素、すなわち約3キロ電子ボルト以下の特性エネルギー損失に対応する元素に適している。一方で、EDSは、比較的重量が大きい元素、すなわち約30キロ電子ボルト以下の特性X線エネルギーに対応する元素に適している。なぜなら、EELSは透過された電子に依存するため、透過型電子顕微鏡法(TEM)と走査型透過電子顕微鏡法(STEM)においてほぼ例外なく使用される。EDSは、透過された電子に依存しないため、TEMやSTEM、そして電子を透過するサンプルを必要としない走査型電子顕微鏡法(SEM)においても使用されうる。
EELS及びEDSにおいて、定量的な化学情報は、ある特定の元素に関連付けられた特性ピーク(EELSの場合はその特徴的な形から「エッジ」と呼ばれる)の強度を測定することで得られる。そして、それは非常に不均一なバックグラウンドに対して観察されることが多い。所与の1以上のピークに関連する信号強度、及び所与の元素の濃度の測定での精度や感度は、局所的なサンプルの組成や形態、入射ビームの空間的及びエネルギーのプロファイルやコヒーレンス、そしてX線あるいはEELS検出システムの分解能や他の特性といった、様々な要因によって影響を受け、これらを一緒に考慮して定量化することは極めて難しい。
複数の結晶物質の領域を含むサンプルを調査する際、入射ビームは対称性の高い結晶学的方向(「晶帯軸」ともいわれる)の近くに調整されることが多い。これは、例えば、TEM又はSTEMにおいて原子レベルの分解能の画像を得る場合や、粒子の境界や界面といった結晶学的な欠陥に関する情報を探す際に、意図的に行われる場合があり、とりわけ、さまざまに異なる配向性を持つ結晶から構成される多結晶物質を調査する場合には偶然起こる場合もある。いずれにしても、入射ビームが晶帯軸の近くに調整される場合、水晶の周期的ポテンシャルによる干渉性散乱(いわゆる弾性散乱)は、EELSまたはEDSにおいて測定されたピーク強度に強く影響しうる。状況によっては、これらの「チャネリング」の効果は、結晶構造の中の化学種の原子スケールにおける位置情報を得るのに生かされることができる(例えば、非特許文献1を参照)。
しかしながら、一般的にはチャネリングは結晶のサンプルから重要な意味を持つ組成情報を引き出すことを難しくする。例えば、特徴的なX線信号の強度によって測定されるように、入射電子ビームの配向性におけるわずか1度の変化が、二つの元素の明らかな相対的な組成において20%の変化をもたらし得る(例えば非特許文献2を参照)。
また、晶帯軸に近いビームの向きを持つことで、バックグラウンドに対するEELS及びEDSのピーク全体の強度が減る場合があり、確率的ノイズや定量的測定の不確かさが増加する。
定量的なEELSあるいはEDSのピーク測定を複数のサンプル位置において実行することで、離散的な位置からのスペクトル取得と関連づけて、元素組成マップを生成することができるので、上記で述べた問題点があるとしても、それらを克服することはできる。
さらなる問題は、元素組成マップを生成する場合に、一貫したデータ収集条件を長期間にわたって維持する間に、異なる位置の間でビームを動かす必要があることに関連する。これらの問題点には、サンプルの劣化、電子光学的、機械的、電子的不安定性から生じる信号強度における信号強度のドリフト及び変化が含まれる。
さらに、入射ビームの角度の小さな変化に関連する結晶のサンプルからのEELSあるいはEDSピーク強度の変化は、特に組成マップにおける懸念点である。なぜなら、入射ビームの相対的角度は、電子光学的条件あるいはサンプル形態における変化によって複数の位置の間でビームが動かされる間に影響を受けうるからである。位置による入射ビームの相対的角度の変化は、多結晶物質の研究においては避けられない。というのは、上述したように、一般的に多結晶物質はさまざまに異なった配向性を持つ結晶を含むからである。
個々の原子に結合される電子と高エネルギー電子ビームとの相互作用に起因する、EELS及びEDSの定量的組成分析に使用されるピークとは違って、電子線回折による定量的構造分析は、結晶の周期的ポテンシャルと高エネルギー電子ビームとの相互作用に起因する、電子回折強度の測定による。EDS及びEELSにおけるピークと同様に、これらの回折されたビームの強度は、局所的なサンプルの構造や状態、入射ビームの空間的あるいはエネルギー的なプロファイル及びコヒーレンスにおける変動といった、常には容易に定量化できないさまざまな要因に強く影響を受けうる。
さらに、意味がある構造分析において一般的に必要とされるように、入射ビームが対称性の高い結晶方位に沿って調整される場合に、複雑かつ直ちに定量化できない方法で、入射ビームと多数の回折ビームとの間で、強度が動的に再分配される。
透過電子回折を使用した結晶物質の構造解析は、歳差電子回折法(PED)として知られるバージャーX線回折法を改良したものを適用することで容易にすることができる。その方法においては、入射電子ビーム(通常は電子顕微鏡の光軸と合わせられている)が、固定されたTEMのサンプルの、対称性の高い結晶学的方向に対して傾けられ、当該結晶学的方向の周りを回り(「歳差」運動し)、透過されたビームは、電子顕微鏡の光軸に再調整する補完的な歳差アルゴリズムを使ってデスキャンされる(非特許文献3を参照)。
PEDは、定性的には、対称性の高い方向と関連付けて、入射ビームと多数の回折ビームとの間の「動的な」再分配を抑制し、その結果、「準運動学的」条件により簡単にモデル化されるものとして理解されうる。しかし、PEDにおける動的な条件から準運動学的条件への遷移に影響力を与える要因への十分な理論的な理解は、分かりにくいままである(例えば、非特許文献4及び非特許文献5を参照)。
典型的なTEM加速電圧にとって、一般的に1〜3度といった比較的大きな歳差角が、PEDを実行するのに足りるほどに、動的な分散を抑制するのに必要とされる。この技法は、X線のPEDと中性子回折データとの組み合わせを含む複雑なフェーズの分析を容易にする手段としてさらに開発されている(特許文献1を参照)。
PEDに類似しているビーム走査プロトコル、それはまた構造分析を容易にする準運動学的条件を獲得することを目的にしているが、そのプロトコルは、歳差の代わりに振動又は振り子状の運動(EDPM)を使用して開発されている(例えば、特許文献2を参照)。
他の研究は、方位マップ及び構造的相マップの取得を容易にし(例えば、特許文献3を参照)、異なる方向から得られた同一の結晶学的特徴を持つ複数のTEMの画像において誤った回折コントラストを抑制する、ビーム走査プロトコル及び透過電子回折を適用している(例えば、非特許文献6を参照)。
欧州特許第1665321号明細書 国際公開第2008/060237号公報 国際公開第2010/052289号公報
S. Van Aert et al., Electron Channeling Based Crystallography, 107 Ultramicroscopy 551-58,2007年発行 Frederick Meisenkothen et al., Electron Channeling: A Problem for X-Ray Microanalysis in Materials Science, 15 Microscopy and Microanalysis 83-92,2009年発行 R. Vincent & P.A. Midgley, Double Conical Beam-rocking System for Measurement of Integrated Electron Diffraction Intensities, 53 Ultramicroscopy 271-82,1994年発行 E. Mugnaioli et al., "Ab Initio" Structure Solution from Electron Diffraction Data Obtained by a Combination of Automated Electron Tomography and Precession Technique, 109 Ultramicroscopy 758-65,2009年発行 T.A. White et al., Is Precession Electron Diffraction Kinematical? [Parts I and II], 110 Ultramicroscopy 763-770,2010年発行 J.M. Rebled et al., A New Approach to 3D Reconstruction from Bright Field Tem Imaging: Beam Precession Assisted Electron Tomography, 111 Ultramicroscopy 1504-11,2011年発行
本発明は、信号強度を最大限にし、入射ビームの相対的角度の変化に関連する信号の誤った変動を減らすビーム走査プロトコルを適用することにより、結晶又は多結晶領域を含むサンプルの定量的EDS及びEELSの測定における多くの課題を緩和し、それによりSTEM、TEM、及びSEMにおける結晶又は多結晶領域を含むサンプルの改良された組成マッピングを作成することができるようになる。
本発明の第1の態様において、電子顕微鏡において結晶性物質から分光データを得る方法が開示されている。その方法は、結晶性物質の領域を含むサンプルの位置に作用する電子ビームを構成する工程と、入射ビームの傾斜角と方位角の一方又は両方が時間とともに変化する間、実質的に同一のサンプル位置にビームを作用させ続ける入射ビーム走査プロトコルを適用する工程と、そのビーム走査プロトコルが適用されている間に、分光データ群を取得する工程と、を含む。
他の実施形態において、分光データ群は、結晶性領域から放出されたX線から取得したエネルギー分解X線データを含む。
他の実施形態において、分光データ群は、分光データ群は透過型電子顕微鏡において、サンプルから出射されるビームから取得したエネルギー損失データを含み、入射ビーム走査プロトコルに起因して生じる出射ビームの時間依存運動を実質的に取り除く補完的ビーム走査プロトコルが出射ビームに適用される。
他の実施形態においては、定量的組成情報が分光データ群から抽出される。
他の実施形態においては、入射ビーム走査プロトコルは入射角と関連付けられており、入射ビーム走査プロトコルは、実質的に一定の入射角において入射ビームを歳差運動させることを含む。
他の実施形態においては、入射ビーム走査プロトコルが適用されていない入射ビームは、実質的に結晶的物質領域の対称性の高い結晶学的方向に平行である。
さらに他の実施形態においては、その方法はさらに、分光データ群に含まれている特性を特定する工程と、傾斜角の範囲で前記ビーム走査プロトコルを適用したことによって、前記特性を含む複数のデータ群を前記位置から取得する工程と、複数のデータ群のそれぞれの特性を数値化する工程と、特性に対応する最適な傾斜角を特定する工程とを含む。
他の実施形態においては、最適傾斜角は、数値化された特性が最大値となる最小の傾斜角である。
複数の実施形態では、電子顕微鏡は多数のビーム偏向制御回路を含み、ビーム走査プロトコルは、ビーム走査プロトコル信号を多数のビーム偏向制御回路に供給することで適用され、ビーム走査プロトコル信号はさらに時間依存性誘導補償成分、歪み補償成分、レンズ歳差、及びレンズ収差成分のうち1つ以上を含むことが開示される。
また、上記方法のいずれかを多数のサンプル位置に適用する工程と、多数のサンプル位置と前記多数のサンプル位置の相対的な位置とから得た定量的構成情報を組成マップ上にマッピングする工程とを含む組成マップ生成方法が開示される。
別の実施形態においては、ビーム走査プロトコル信号を電子顕微鏡の複数のビーム偏向制御回路に供給するように構成された外部ビーム制御装置と、複数のデジタル/アナログ変換器(DAC)と、を含み、それぞれのデジタル/アナログ変換器は、ビーム走査プロトコル信号を複数のビーム偏向制御回路のうちの1つに供給するように構成されるシステムが開示される。
他の実施形態においては、制御コンピュータは外部ビーム制御装置を駆動し、電子エネルギー損失データ及びX線データを取得するように構成される。
他の実施形態において、外部ビーム制御装置は、電子顕微鏡検出器から異なる複数の時間に受信した複数の画像を比較し、ドリフト補償を適用させるように構成される。
他の実施形態においては、コンピュータに上述した複数の方法のいずれかを実施させるプログラムが開示される。
本発明の実施形態を実施するように構成されたTEMの概略図である。 本発明の実施形態を実施するように構成されたTEMの概略図である。 歳差角なし、及び歳差角0.48度のSi−L2,3ピークを示す。 歳差角の機能としてのSi−L2,3ピーク信号強化を示す。 歳差角の機能としてのTi−L2,3及びOK信号強化を示す。 歳差角0.6度におけるCKピーク信号強化を示す。 歳差角の機能としてのSi-K-α信号強化を示す。
本発明のさまざまな特徴は図面、明細書及び特許請求の範囲を参照して説明される。これらの特徴は、組み合わせられてもよく、互いに排他的な他の特徴と入れ替えられてもよい。「備える」は「含む」の意味で用いられ、列挙された特徴に限定されるものではない。
本発明の1つの実施形態によると、ビーム偏光制御装置は、制御コンピュータによって管理されてもよく、EDS及びEELSデータの少なくとも一方を取得する間にビーム走査プロトコルを適用して信号強度を大きくし、誤った信号変動を減少させる目的で使用されてもよい。制御コンピュータは、顕微鏡内に予めインストールされたシステムの一部であってもよく、任意の外部光学ビーム偏光制御装置に接続された外部のユニットであってもよい。制御コンピュータは、SEM又はSTEM検出器(明視野、暗視野、環状暗視野、後方散乱、二次電子、等)のイメージを取得して処理し、そしてEDS及びEELSデータを取得して処理するように構成されてもよい。制御コンピュータは、プログラムを実行することで本明細書中に開示されたいかなる方法も実行するように構成されてもよい。そのプログラムは、本システムに含まれる記憶装置に記憶されていてもよい。
詳細は後述するが、本発明の実施形態によると、所与のビーム走査プロトコルは、定量的組成マッピング生成のために、一以上の元素の定量的なEDS又はEELSのデータを、サンプルの多数の位置から取得することができるように、所与の化学元素に対応するEDS又はEELSの特性に最適化されてもよい。
本発明の異なる実施形態で異なる走査プロトコルが使用されてもよい。ビンセント及びミグレイによって述べられた種類の歳差が用いられてもよい。この歳差においては、入射ビームが実質的にサンプルの同じ位置に固定されており、走査されない方向(一般的に電子顕微鏡の光軸と同じ向きに調整される)から離れた固定された入射角で偏向されており、方位角の周りを一定の回転速度で回転する。他の走査プロトコルは、サンプルの同じ位置に実質的に固定されたままの入射ビームを含んでもよく、走査されない入射ビームの方向(一般に光軸と同じ方向か近い方向)と交差する又は近くを通過する一連の振り子状の運動を実行し、そして方位角の周りを段階的に回転する。
また、他の実施形態では、固定された回転速度を使用する代わりに、入射ビームが、変動する速度で回転してもよく、離散的な量ごとに方位角が変化してもよい。例えば、一連の離散的な入射角座標及び方位角座標に一致するようにビームの向きを制御したり、サンプルの位置から実質的に逸脱しないように、離散的な入射角座標及び方位角座標のペアの間で一連の走査を実行したりするプロトコルといった他の走査プロトコルが使用されてもよい。
以下で述べるように、走査プロトコルは、1つ以上の特定の特性ピークにおいて必要なデータを取得する時間を確保するために調整された、1つ以上の周波数の時間幅を持っていてもよい。選択された走査プロトコルは、関心の対象となるEDS又はEELS特性の強度を改善するために、動的な散乱を十分に抑制するために十分な傾斜を与えるという実質的な効果を持っているべきである。また、一連の角度のうち、特定の方位角をサンプリングし過ぎることによるシステム上のエラーを引き起こさないようにするべきである。さらに、定められた走査プロトコルが所与のEDS又はEELSの特性の分析に最適化される範囲において、走査プロトコルと関連付けられた入射角が特定され、制御されるべきである。例えば、典型的な歳差構成において、必要とされる傾斜角は、0.1度から2度の範囲、場合によっては3度までの範囲で設定されてもよく、10〜1000Hzの範囲での方位角回転に適用されるビーム走査プロトコルの入射角に対応する。
便宜上、続いて説明する(複数の)例は、歳差角及び歳差周波数に言及しているが、様々なビーム走査プロトコルが歳差に代わって実施されてもよいと理解されるべきである。
図1の概要図において示されたある実施形態は、通常20kVから300kVの範囲の加速電圧で動作する、外部ビーム偏向制御装置112と接続されたTEMを備える。TEMは、さらに電子ビームモノクロメータ(不図示)を備えてもよい。入射ビーム103及び透過ビーム105(簡単にするために、複数の真っ直ぐな線分として図示した)が外部ビーム偏向制御装置112によって生成され、点線で示された電子顕微鏡の上部のビーム偏向制御回路101と下部のビーム偏向制御回路102とに至る配線によって供給されるビーム偏向制御信号を使って誘導されてもよい。
サンプル104における入射ビーム103の位置及び角度の少なくとも一方は、ビーム偏向制御装置112によって、通常、101A及び101Bと示されている上部のビーム二重偏向コイルに接続された上部のビーム偏向制御回路101に供給される信号レベルに従って変化してもよい。そして、電子エネルギー損失分光器107に入る透過ビーム105の位置及び角度の少なくとも一方は、通常、102A及び102Bと示されている下部のビーム二重偏向コイルに接続された下部のビーム偏向制御回路102に供給される信号レベルに従って変化してもよい。ビーム偏向制御装置は、例えば、サンプルにおける入射ビームの角度及び位置の少なくとも一方が変化しても、EELS検出器109におけるEELSスペクトル108の位置が固定されたままであるように、補完的な信号を上部ビーム偏向制御回路101及び下部ビーム偏向制御回路102に供給されるように調整され、構成されてもよい。ビーム制御装置は電子顕微鏡オペレータによって手動で制御されてもよく、点線によってビーム偏向制御装置112と接続されるように表された制御コンピュータ113によって制御されてもよい。
制御コンピュータ113はまた、図において破線で示されるようなEELS分光器107、EELS検出器109、そしてEDS検出器110への指示を伝送してもよく、EELS分光器107、EELS検出器109、そしてEDS検出器110からのデータを取得してもよい。ビーム偏向制御装置112は、また図中の破線によって示されるように、STEM画像検出器106と接続され、STEMの画像を取得することができるようにしてもよい。(図1には図示されていないが、STEM画像検出器106はさらに制御コンピュータ113に接続されていてもよい。)ビーム制御装置によって生成されたTEMビーム偏向制御信号は、通常は0.1Hzから200kHzの間のレートで送られてもよい。
図2に示されている別の実施形態は、通常10kVから40kVの間の範囲の加速電圧で動く、ビーム偏向制御装置207に接続するSEMを含む。図2には表されていないが、SEMは集束イオンビーム(「FIB」)と組み合わされてもよい。ビーム偏向制御装置207は、ビーム偏向制御信号を、点線で示された接続によって顕微鏡のビーム偏向制御回路201に送ってもよい。被検査物204の表面における入射ビーム202の位置及び角度の少なくとも一方は、ビーム偏向制御回路201に供給される信号レベル(一般的には電圧信号)に従って変化してもよい。ビーム偏向制御装置は、顕微鏡オペレータによって手動で制御されてもよく、点線を介してビーム偏向制御装置207へ接続するように示された制御コンピュータ208によって送られた指示に従って制御されてもよい。制御コンピュータ208は、また図において点線で示されたEDS検出器203に接続されていてもよい。ビーム偏向制御装置207は、点線で図示されるように、SEM画像を取得するためにSEM画像検出器205に接続してもよい。(制御コンピュータ208は、図2に表示されていないが、二次電子検出器205に接続されてもよい。)一般的には、SEMビーム偏向制御信号は、0.1Hzから200kHzの間のレートでビーム偏向制御装置207によって送られてもよい。
図1で示されるTEMの構成において、101及び102として示されており、図2におけるSEMの構成において201として示されている電子顕微鏡ビーム偏向制御回路は、一般的には5〜20Vの範囲の直流電圧信号の入力を受ける。ビーム偏向制御回路(101、102及び201)のそれぞれの入力における直流電圧の値は、回路が誘導する、電子ビームにおける偏向量に変換される。
偏向は、一般的に一組の二重偏向ビームコイルによって生み出される。そしてそれぞれの組は、図1のTEM構造における上部コイル101A及び102A、下部コイル101B及び102B、また図2のSEM構造における上部コイル201A及び下部コイル201Bに示されるように、上部及び下部のビームコイルを含む(図の面外で偏向を誘導するための、直交して配置された同数の二重偏向コイルは、図1及び図2には示されていない)。
一組の二重偏向コイルにおいては、電子顕微鏡制御回路に送信される電圧が正確にビーム偏向に変換されると仮定して、ビーム偏向がない状態での純粋なビーム傾斜(サンプルの位置が変化しない状態での入射角の変化に対応する)、又はビーム傾斜のない状態での純粋なビーム偏向(サンプルにおける入射角が変化しない状態での位置の変化に対応する)は、上部及び下部のビーム偏向コイルに供給された信号電圧の間で、適切な固定された割合を維持することによって誘導されてもよい。
ある実施形態において、図1で112として示され、図2では207として示されたビーム偏向制御装置は、一連のデジタル/アナログ変換器(DAC)を含み、その変換器は、それぞれのビーム偏向コイルに1つずつ電子顕微鏡内に設置されるべきである。したがって、図1に示されていない直交して配置されたコイルを数に入れて、上記のようなビーム偏向コイルを8個持つ一般的なTEMシステムは、8個のデジタル/アナログ変換器を必要とする。また、図2に示されていない直交して配置されたコイルを数に入れて、ビーム偏向コイルを4個持つシステムは、ビーム偏向制御装置207において4個のデジタル/アナログ変換器を必要とする。歪みがないならば、デジタル/アナログ変換器から電子顕微鏡偏向制御回路へ送られた一連の電圧値は、さまざまに異なるビーム走査プロトコル信号を送るようにプログラムされていてもよい。例えば、ある実施形態において、8個すべてのデジタル/アナログ変換器からTEMへ送られた一連の電圧値は、192kHzの更新レートで同期されてもよく、原則として、サンプルの上下のビーム変位及びビーム傾斜の少なくとも一方を含むビーム走査プロトコルの事実上どのような形態も生成することができる。
空間的分解能を下げないように、入射ビーム走査プロトコルは、サンプルの位置を実質的に超えて入射ビームの領域を変換することによって、サンプル上の入射ビームの有効なサイズを著しく大きくすべきではない。EELSにおいては、透過されたビームから形成されたスペクトルは、固定されたままであるべきであり、検出器にとっては同一の入射角を持つので、エネルギー分解能を下げないで記録されてもよい。EDS又はEELSを使用した元素(組成)マッピングにおいては、異なるサンプルの位置において多数のスペクトルが取得されるが、そうでなければ名目上は同一条件のもとで、ビームの動きと歳差との間の同期が必要とされるかもしれない。例えば、複数の位置間でビームが動くレートが歳差レートと著しく異ならない場合に、これらのレート間の同期は、ビームがそれぞれの位置に入射し、分光分析データが同じ条件下で取得されることを確実にするために必要とされるかもしれない。
例えば、上述したデジタル/アナログ変換器によって送られたビーム走査プロトコル信号は、電子顕微鏡ビーム偏向制御回路の非線形応答によって歪められてもよい。必要とされるビームの走査を生み出すために、さらなる時間依存性の非線形成分(歪み補償信号)がビーム走査プロトコル信号に追加されてもよい。
さらに、電子顕微鏡における偏向コイルは、一般的に、周波数応答が変動する電磁インダクタであるため、実際に電子ビームに与えられる偏向信号は、電子顕微鏡偏向制御回路によって偏向コイルに供給されるビーム走査プロトコル信号の形に一致させなくてもよい。これらの効果を補償するために、時間依存性誘導補償成分がビーム走査プロトコル信号に加えられてもよい。円形歳差(すなわち、方位角が360度回転し続けている間も入射角を一定に保つこと)を使用する1つの効果は、入力信号が正弦波でもよく、単一の周波数(歳差周波数)で送られてもよく、その結果、周波数依存誘導作用を補償する必要性が軽減されることである。
上述したように、EELSデータ取得において、入射ビーム走査プロトコルによって招かれた、透過されて出射するビームにおける位置及び角度の変動を取り除くことは、EELSスペクトルをEELS検出器において固定された状態のままにするために、またエネルギー分解能が落ちないようにするために、必要かもしれない。原則として、補完的出射ビーム走査プロトコルは、入射ビーム走査プロトコルが位相シフトされ、適切に縮小されたバージョンを使用して適用されてもよい。
例えば、入射ビームが一定の速さである場合の円形歳差に、適切に小さくされて位相シフトした正弦波の信号が、下部のビーム偏向制御回路に適用されてもよい。一般的に、上述のとおり、入射ビーム走査プロトコルに起因して生じる、下部のビーム偏向コイルにおける出射ビームの時間依存運動、出射ビーム偏向回路の非線形動作、周波数依存誘導作用を補償するために、そして電子ビームの付加的な歳差、とりわけ対物レンズの磁界に起因する歳差(以下ではレンズ歳差と呼ぶ)を補償するために、振幅と位相に対して追加の調整が必要とされるかもしれない。高次対物レンズ収差(一般的には三次収差)はまた、レンズ収差信号調整の追加によって補償されてもよい。
上記で述べた効果を考慮して、異なる位相角で小規模の補償を加えることによってビーム走査プロトコル信号の上述した歪みを最小化するために、調整手順を実行することが必要になるかもしれない。例えば、この手順は歳差走査プロトコルの生成に使用された正弦波形から小さな非正弦波の信号の値を加算又は減算することに対応してもよい。上述した歪みのそれぞれ、とりわけ電子顕微鏡制御回路の非線形動作は、振幅依存及び周波数依存であってもよいので、歳差振幅及び歳差周波数のそれぞれの組み合わせに対して異なる歪み補償信号を規定することが必要になるかもしれない。
異なる時点で、又は異なる位置から取得したデータ群間の変動を不注意に招くことを避けるために、取得したそれぞれのスペクトル(又は分光データ群)に対して、大きな回転数(一般的には100以上)でビームが回転するように、適度に大きな歳差周波数が選択されてもよい。あるいは、より小さいが歳差周期の積分値である歳差周波数が、それぞれのスペクトル(又は分光データ群)の取得に用いられてもよい。
例えば、2秒の積分時間を使用して取得したスペクトルにとって、約50Hzよりも大きなどのような周波数でも使用可能であってもよく、一方で、0.1秒の積分時間しかない場合は、10Hzの倍数である低い周波数が適用されてもよい。(一連の分光データは、図3A及び図5で示されるように、始点及び終点の間で取得したスペクトルの全部又は一部を参照するのに使用され、又は一対より多くの始点及び終点の間で取得されたスペクトルの全部又は一部を参照するのに用いられる。)
歳差周波数が選択されると、ビーム偏差制御装置は、あらかじめ調整されてもよい。これは、予め記憶された事前調整値を選択するか、またはそれぞれのビーム偏向制御信号をその事前調整値で調整することのどちらか一方の処理によって調整される。事前調整は、一般的には電子顕微鏡システムの実現可能な最大歳差角のおおよそ半分といった、大きな歳差角において行われてもよい。(TEMにおいて実現可能な歳差角は、SEMで利用できる角度よりも著しく小さくてもよい。)
特定のサンプルにおける最適な歳差角は、適度に低い指数の晶帯軸に沿って(ビーム走査プロトコルが適用される前の)入射ビームの方向を合わせたサンプル位置(又は複数の位置)における歳差角の範囲において、EELS又はEDSを用いて一連の定量的組成測定を行うことで特定されてもよい。(そのような測定の例が、図3B及び図4において示されたケイ素(Si)及びチタン酸ストロンチウムにおける構想実験のEELSプルーフについて後述される。)
入射ビームに対して異なった結晶方位の範囲で結晶粒子が存在する多結晶のサンプルに対して、オペレータは、低指数晶帯軸(又は複数の軸)の十分近くに位置する粒子の場所を探すために、焦点が小さく絞られたビームを使用し、ナノビーム回折パターンを観察してもよい。単一の結晶サンプルの場合、ユーザは適切な晶帯軸の状態を決めるために、機械的サンプルホルダー傾斜を用いてもよい。
適切に配向された結晶領域を含む単一の結晶又は多結晶のサンプルの場所(又は複数の場所)を決めると、オペレータはビーム偏向制御装置を使用して(又は適切に構成された装置外部又は内部の顕微鏡制御コンピュータに指示して)電子顕微鏡の性能によって決まる十分に実現可能な最大角にまで、入射歳差角の範囲における複数のEDS又はEELSスペクトルを取得してもよい。
例えば、複数の一連の分光データ(群)は、実現可能な最小の歳差角から最大の歳差角まで連続して抽出されてもよい。そして定量的データが、複数のスペクトルそれぞれから抽出され、与えられた素子にとって適当な歳差角を決定するのに用いられてもよい。
定量的組成データは、ビーム走査プロトコルを用いないで取得されたデータに対して正規化され、例えば、図3B及び図4に示されたタイプのデカルトプロットで表示されてもよい。オペレータは、例えば信号の増加が飽和する最小歳差角、及び歳差角を増加させても動的散乱をさらに抑制できない最小歳差角を特定するために、このようなプロットを使用してもよい。上記の最適な歳差角の特定はまた、制御コンピュータによって自動で実行されてもよい。(図3B及び図4におけるEELSデータを参照して後述するように)特定の組成信号を飽和させるために要求される歳差角は、顕微鏡加速電圧といった他のパラメータの関数として、サンプル間及びサンプル内の元素ごとに変わるかもしれない。
最適な歳差角及び歳差周波数を特定すると、その周波数及び振幅にビーム偏向制御装置が調整されてもよい。調整は、例えば上述したような顕微鏡制御回路の非線形応答を補償するために必要としてもよい。調整は、記憶された調整値群のうち適当な一対を選ぶこと、又はビーム偏向制御信号のそれぞれを適切に調整することのどちらかで行われてもよい。上述したように、また後述するEELS構想実験結果の証明で述べられるように、適切な歳差条件、例えば最大角に必要な最小歳差角といった条件は、材料間及び特定の材料内の両方で変化し、調査される元素によっても変化するかもしれない。
直径が十分に小さな入射ビームは、多様なサンプル位置で走査され、それぞれの位置でEDS又はEELSデータが取得されてもよい。このような位置依存型データは、一次元又は二次元配列で適切に分配される場合に、一次元又は二次元組成マップを生成するのに用いられてもよい。
複数のサンプル位置間の走査は、ある特定の位置での分光データ群の取得を完了し、そして他の位置へ移動することで行われてもよく、又はある特定の位置で部分的な分光データ群を取得し、続いて他の位置でのデータを取得し、そして前述の特定の場所でさらなるデータを取得することで行われてもよい。
組成マップは、マップの空間的広がりや必要な解像度に応じたデータポイント総数を有し、TEMにおいて、組成マップは数マイクロメータにわたってもよく、SEMにおいてはさらに長くてもよい。一般的な一次元組成マップは、数百ポイントの配列が含まれてもよく、一般的な二次元マップは、何百、何千ものポイントを必要としてもよい。統計的に意味があるEELS又はEDSデータを取得するのに必要とされる時間が100分の1秒から数十秒まで変化してもよいため、トータルの走査時間は、一次元マップにおける数秒から二次元マップにおける数時間まで変化してよい。
多数のサンプル位置からの分光データ群の取得は著しい量の時間を必要とする場合があるため、サンプルと入射ビームとの間の相対的な偏移(ドリフト)を補償する必要があるかもしれない。
例えば、ドリフトはサンプルステージの機械的なドリフト又はビーム偏向電気回路の電場ドリフトによって発生する場合がある。ドリフトの方向及び大きさ、そしてドリフト速度は、データ群が取得される間に、取得されたSEM又はSTEM画像の測定結果からリアルタイムに決定してもよい。
ある特定の未来のサンプル位置において予測されるドリフトは、最後に測定されたドリフト及びドリフト速度、及び振幅が同一で、推測されたドリフトの方向とは反対向きで、それぞれのサンプル位置でのビーム偏向値にリアルタイムに加算される偏向信号から推測されてもよい。ドリフト調整の成功は、異なるサンプル位置から取得された一連のSEM又はSTEM画像の測定結果によって検証されてもよい。ドリフト補償において、比較してドリフトを確定させるのに十分な解像度である約100×100ピクセルの画像は、一般的に約1秒で取得されてもよい。
TEMにおいて、データは、サンプルに照射される大きな(直径10nmよりも十分に大きな)準平行ビーム又は小さな(一般的には直径10nm以下)収束ビームを使用して取得されてもよい。EELS又はEDSデータを少数のサンプル位置から取得する際、最適な形状のサンプルが利用可能という前提であれば、どちらのモードも適している。しかしながら、組成マップの取得に必要とされるように、密集した多数のサンプル位置からデータを取得する場合は、小さな収束ビームが好ましい。他方、SEMにおいては、ビームは一般的に焦点が絞られており、収束している。
<実施例1:EELS>
EELS構想実験の第1及び第2の証明は、Gatan社製イメージングフィルターとナノメガス社製Spinning Star歳差システム(PEDを使用した結晶性物質の構造解析のために設計され、市販されているシステム)とにJEOL社製2010FのTEM(透過型電子顕微鏡)を接続させて行われた。収束角が9ミリラジアン(約0.5度)、集光準角度が10ミリラジアン(約0.6度)の0.5nmプローブが、0度から1.92度の範囲の歳差角と連動して使用された。歳差周波数は100Hz、電子顕微鏡電圧は200キロ電子ボルトに設定された。
構想実験の第1の証明は、[011]晶帯軸の方向に沿って合わせた単一の結晶Siサンプルから得たSi−L2,3ピーク(エッジ)を使用して行われた。Si−L2,3ピークに含まれる複数のスペクトルは、歳差角領域で3秒間より長い時間にわたって取得された。図3Aは、歳差がない場合、及び歳差角が0.48度である場合に取得したSi−L2,3スペクトル領域での実験の生データを示し、電子ボルトeVで表されたエネルギー損失(E.L.)に対する任意の単位(a.u.)で表されたカウント数(C)を示している。0.48度の歳差角において、定性的にSi−L2,3信号が増加していることが明らかである。
増加量の定量的評価は、それぞれのスペクトルからバックグラウンドを取り出し、信号を100電子ボルトより大きなエネルギー範囲にわたって統合してピーク強度(I)を取得することで行われる。特定の歳差角(α)における信号増加量(SE)は、I(0)が歳差のない場合の強度である場合、I(α)−I(0))/I(0)の比で表すことができる。
図3Bは、歳差角(α)が0度から1.92度の範囲でのSE(信号増加量)のプロットをパーセンテージで表したもので、Si−L2,3の信号増加量は歳差角とともに増加し、0.5度付近の歳差角において飽和状態になることを示している。驚くべきことに、EELS信号での飽和状態は、定量的透過電子回折における動的効果を抑制するために一般的に必要な2〜3度よりもはるかに低い角度で生じる。
構想実験の第2の証明は、[001]晶帯軸の方向に沿って合わせた単一の結晶SrTiO(STO)サンプルから取得したOKピーク及びTi−L2,3ピークを用いて行われた。OKピーク及びTi−L2,3ピークを含む複数のスペクトルは、歳差角の範囲で6秒以上の間において取得された。上記のSiデータに関しては、STOデータにおける信号増加量の定量的評価は、それぞれのスペクトルからバックグラウンドを取り出し、この場合は信号を50電子ボルトより大きなエネルギー範囲まで統合してOK及びTi−L2,3ピーク強度を取得することで行われた。
図4は、上記Siデータに関して計算され、歳差角(α)0度(歳差なし)から1.92度の範囲に対するパーセンテージで表したプロットであり、OKエッジ及びTi−L2,3エッジが歳差角の増加とともに増加することを示している。STOデータは、図3Bで示されたSIデータよりもノイズが多いが、角度の増加に伴う同様の飽和状態が見受けられ、飽和状態になる角度は、明らかにSiデータでみられた0.5度付近よりも低い。
構想実験の第3の証明は、オメガエネルギーフィルタを装備し、ナノメガス社製DIGISCAN歳差システムと接続され、80キロ電子ボルトで動作するカールツァイス社製 Libra 200FEのTEMを用いて行なわれた。CKピークを含む複数のスペクトルは、15マイクロメートルのコンデンサ絞りを使い、角度制限用集光絞りを使用しないで、0.7秒以上の期間にわたって約8単層厚のグラフェンサンプルから取得された。
図5に示した複数のスペクトルにおいて、任意の単位(a.u.)において表されたカウント数(C)は、電子ボルトeVで表されたエネルギー損失(E.L.)に対してプロットされている。図5(a)は、歳差がない場合のグラフェンサンプルの[001]方向に沿った電子ビーム入射によって取得したデータを示している。図5(b)では、色が濃いスペクトルが、歳差がない場合に[001]から40度傾けられたグラフェンサンプルから取得したデータを示しており、線で示されるスペクトルが、0.6度の歳差角、1000Hzの周波数を用いてグラフェンサンプルから取得したデータを示す。歳差があることにより信号が増加していることは、図5(a)及び図5(b)において明らかである。
<実施例2:EDS>
EDS構想実験の証明は、JEOL社製2100 LaB6のTEMであって、(a)取り出し角22度、検出エリア30平方ミリメートル、5.9キロ電子ボルトでのエネルギー分解能が136電子ボルトのOxford Inca EDS detector model 6498、及び(b)ナノメガス社製DigiStar歳差システムモデルP1000と接続された状態のTEMで行われた。収束角2ミリラジアン(0.12度)の25nmプローブが0度から3度の範囲の歳差角と連動して使用された。歳差周波数は100Hz、電子顕微鏡電圧は200キロ電子ボルトに設定された。
単結晶シリコンのサンプルは、[110]の晶帯軸に沿って正確に配置され、SiKαピークが、0,1,2,3度の歳差傾斜角度で測定された。Siピーク強度が最大で約8%増加することが観察された。図6は、バックグラウンドを正規化した後に異なる歳差角で取得された異なるSiKαピーク信号を重ねて表示している。0と示されているデータは、歳差なしで取得され、1、2、3と示されているデータは、それぞれ1度、2度、3度の歳差角で取得された。
フルスケールが506個に対応する任意の単位(a.u.)のカウント数(C)が、kVで表されるX線エネルギーに対してプロットされている。歳差角1度及び2度において、歳差角の増加とともにSiKα信号強度が増加していることが明らかである。しかしながら、図3及び図4におけるSi及びSTOのEELSデータとは異なり、測定されたEDS信号は、歳差角の増加と共に飽和状態になるようには見受けられず、むしろ歳差傾斜角が2度から3度に増加するのに伴って、SiKα信号強度は減少する。

Claims (17)

  1. 電子顕微鏡に載置された結晶性物質の領域を含むサンプルの位置に電子ビームを作用させて分光データを得るための方法であって、
    入射ビームの傾斜角及び方位角の少なくとも一方が時間とともに変化する間、前記サンプルの位置に前記入射ビームを作用させ続ける、動的な散乱を抑制することができる前記傾斜角が関連付けられている入射ビーム走査プロトコルを適用する工程と、
    前記入射ビーム走査プロトコルが適用される間に、前記サンプルの特性の少なくとも一部を示すデータを含む分光データ群を取得する工程と、
    前記特性に関連付けられた最適な前記入射ビームの傾斜角を特定する工程と、
    を有し、前記分光データ群は、
    (1)結晶性領域から放出されたエネルギー分解X線から取得したX線エネルギーデータ、又は
    (2)電子顕微鏡が透過型電子顕微鏡であり、サンプルから出射されるビームから取得したエネルギー損失データ
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記分光データ群は、結晶性領域から放出されたX線から取得したX線エネルギーデータを含み、
    前記電子顕微鏡が透過型電子顕微鏡であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記分光データ群は、結晶性領域から放出されたX線から取得したX線エネルギーデータを含み、
    前記電子顕微鏡が走査型電子顕微鏡であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記電子顕微鏡が、透過型電子顕微鏡であり、
    前記分光データ群は、サンプルから出射されるビームから取得したエネルギー損失データを含み、
    前記入射ビーム走査プロトコルに起因して生じる出射ビームの時間依存運動を取り除く補完的ビーム走査プロトコルを出射ビームに適用する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記分光データ群から前記サンプルの定量的組成情報を抽出するステップをさらに有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記入射ビーム走査プロトコルは、一定の入射角において前記入射ビームを歳差運動させることを含む、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記入射ビーム走査プロトコルが適用されていない前記入射ビームは、結晶的物質領域の対称性の高い結晶学的方向に平行である、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記最適な傾斜角を、
    傾斜角の範囲で前記入射ビーム走査プロトコルを適用したことによって、前記特性を含む複数のデータ群を前記位置から取得する工程と、
    複数のデータ群のそれぞれの特性を数値化する工程と、
    により特定することを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記最適な傾斜角は、数値化された特性が最大値となる最小の傾斜角である、請求項に記載の方法。
  10. 請求項5から請求項のいずれか一項に記載の分光データ取得方法を多数のサンプル位置に適用する工程と、
    多数のサンプル位置と前記多数のサンプル位置の相対的位置とから得た前記サンプルの定量的構成情報を組成マップ上にマッピングする工程と、を含む組成マップ生成方法。
  11. 前記電子顕微鏡は複数のビーム偏向制御回路を含み、
    前記入射ビーム走査プロトコルは、ビーム走査プロトコル信号を前記複数のビーム偏向制御回路のうち少なくとも一部に供給することで適用される、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記ビーム走査プロトコル信号のうち少なくとも1つが、誘導補償成分、歪み補償成分、レンズ歳差補償成分、及びレンズ収差補償成分のうち1つ以上を含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ビーム走査プロトコル信号を供給するように構成された外部ビーム制御装置と、
    複数のデジタル/アナログ変換器と、を含み、それぞれのデジタル/アナログ変換器は、ビーム走査プロトコル信号を前記複数のビーム偏向制御回路のうちの一つに供給するように構成される、請求項11又は請求項12に記載の方法を実行するシステム。
  14. 前記外部ビーム制御装置を駆動し、電子エネルギー損失データ及びX線データを取得するように構成された制御コンピュータをさらに備える、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記外部ビーム制御装置は、さらに電子顕微鏡検出器から異なる複数の時間に受信した複数の画像を比較し、ドリフト補償を適用させるように構成される、請求項13又は請求項14に記載のシステム。
  16. コンピュータに、請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
  17. 請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の前記方法を実行するよう構成されたコンピュータ。
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