JP5990074B2 - 研磨装置 - Google Patents

研磨装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5990074B2
JP5990074B2 JP2012215589A JP2012215589A JP5990074B2 JP 5990074 B2 JP5990074 B2 JP 5990074B2 JP 2012215589 A JP2012215589 A JP 2012215589A JP 2012215589 A JP2012215589 A JP 2012215589A JP 5990074 B2 JP5990074 B2 JP 5990074B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
current
electric motor
polishing apparatus
polishing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012215589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014069255A (ja
Inventor
篠崎 弘行
弘行 篠崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2012215589A priority Critical patent/JP5990074B2/ja
Priority to TW102134253A priority patent/TWI530360B/zh
Priority to CN201310450332.5A priority patent/CN103707173B/zh
Priority to US14/040,449 priority patent/US9132525B2/en
Priority to KR1020130115603A priority patent/KR20140042748A/ko
Publication of JP2014069255A publication Critical patent/JP2014069255A/ja
Priority to KR1020160023436A priority patent/KR101925675B1/ko
Priority to KR1020160096928A priority patent/KR101899210B1/ko
Application granted granted Critical
Publication of JP5990074B2 publication Critical patent/JP5990074B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

本発明は、研磨装置に関し、特に半導体ウエハなどの被加工物(研磨対象物)の表面を平坦に研磨する研磨装置に関するものである。
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の一手段として研磨装置により研磨(ポリッシング)することが行われている。
従来、この種の研磨装置は、各々独立した回転数で回転する、上面に研磨布を貼り付けたターンテーブルと、トップリングとを有している。そして、研磨剤を含む液体(スラリー)をターンテーブルに貼られた研磨パッド上に流し、そこにトップリングにセットされた被加工物としての半導体ウエハを押し当てて、該半導体ウエハの表面を平坦且つ鏡面に研磨している。
この種の研磨装置の研磨速度は、前工程で発生する半導体ウエハの表面状態のばらつきや、研磨パッドの摩耗状態、スラリーの微妙な変化に影響されてばらつきが生じる。もし、研磨が不十分であると回路間の絶縁がとれずショートする虞が生じ、また、過研磨となった場合は、配線の断面積が減ることによる抵抗値の上昇や、配線自体が完全に除去され回路自体が形成されないなどの問題が生じる。このため、この種の研磨装置は、研磨終点検出装置を搭載して最適な研磨終了点の検出を行っている。
上述した研磨装置の研磨終点検出手段の1つとして、研磨が異材質の物質へ移行した際の研磨摩擦力の変化を検知する方法が知られている。研磨対象物である半導体ウエハは、半導体、導体、絶縁体の異なる材質からなる積層構造を有しており、異材質層間で摩擦係数が異なるため、研磨が異材質層へ移行することによって生じる研磨摩擦力の変化を検知する方法である。この方法によれば、研磨が異材質層に達した時が研磨の終点となる。また、研磨装置は、半導体ウエハの表面に凹凸がある状態から凹凸を除去して平坦になった際の研磨摩擦力の変化を検知することにより、半導体ウエハの表面が平坦化されたことを検出することもできる。
ここで、研磨摩擦力の変化は次のように検出される。研磨摩擦力はターンテーブル回転中心から偏心した位置に作用するため、回転するターンテーブルには負荷トルクとして作用する。このため、研磨摩擦力はターンテーブルに働くトルクとして検出することができる。ターンテーブルを回転駆動させる手段が電動モータの場合には、負荷トルクはモータに流れる電流として測定することができる。このため、モータ電流を電流計でモニタし、適当な信号処理を施すことによって研磨の終点が検知される。
図7は、駆動モータに入力する電流の変化により研磨終点を検知する方法の一構成例を示す。電動モータ500、インバータ装置510を介して交流商用電源512により駆動されている。インバータ装置510では、交流商用電源512をコンバータ部514により直流電源に変換し、コンデンサ516に直流電力を蓄積し、インバータ部518で任意の周波数、電圧に逆変換して、3相ケーブル520を介して、電動モータ500に交流電力が供給されている。電動モータ500に交流電力を供給するインバータ510の3相ケーブルは、それぞれ、電動モータ500の3相の界磁巻線に接続されている。電動モータ
500に電力を供給する3相ケーブル520のうちの1相、例えばV相に電流変換器(CT)522を介在させて、モータ電流を検出する。電動モータ500への電流供給線に流れるモータ電流は、電流計524でV相に流れるその電流値が検出され、図示しない研磨装置の制御回路の終点検出手段に送られ、その電流値の変化から研磨の終点が判定されている。
特開平10−202523号
近年、半導体デバイスの高集積化がますます進むにつれて回路の配線がより微細化し、配線間距離もこれまで以上に狭くなりつつあるため、半導体ウエハをより平坦化することが希求されている。しかしながら、上述したように、電流計で1相に流れるその電流値を検出し、その電流値の変化から研磨の終点を判定するだけでは、半導体ウエハを今まで以上に平坦化するには不十分であった。
本願発明は、上記課題に鑑みなされたもので、被加工物の表面を平坦化するための研磨装置であって、
研磨テーブルと、
該研磨テーブルを回転駆動する第1の電動モータと、
被加工物を保持可能な基板保持部と、
該基板保持部を回転駆動する第2の電動モータとを備え、
前記第1の電動モータにより前記研磨テーブルを回転させると共に、前記第2の電動モータにより前記基板保持部を回転させて、前記被加工物を前記基板保持部で保持しつつ前記研磨テーブルに押圧し研磨して該被加工物の表面を平坦化できるようになっており、
前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータは、複数相の巻線を備え、
前記研磨装置は、前記各相の電流割合に差を付ける重み付けを行う重み付け部と、前記重み付け部により重み付けを大きく設定された相の電流の変化を検知することによって、前記研磨により生じる前記電動モータのトルク変動を検出する検出部とを備えた、研磨装置を提供するものである。
前記研磨装置において、さらに、前記検出部で検出された前記電動モータのトルク変動に基づいて、前記被加工物の表面の平坦化を示す研磨加工の終点を検出する終点検出部を備えてもよい。
前記研磨装置において、前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータは、少なくともU相とV相とW相の3相の巻線を備えてもよい。
前記研磨装置において、前記第1の電動モータが、少なくともU相とV相とW相の3相の巻線を備えてもよい。
前記研磨装置において、前記第1の電動モータは、同期式又は誘導式のACサーボモータから構成してもよい。
前記研磨装置において、前記重み付け部は、1つの相に重み付けを大きく設定してもよい。
前記研磨装置において、前記1つの相は、V相としてもよい。
前記研磨装置において、前記重み付け部は、電流アンプから構成してもよい。
前記研磨装置において、前記研磨装置は、前記第1の電動モータを制御するための第1のインバータ装置を備えることができる。
前記研磨装置において、前記重み付け部は、前記第1のインバータ装置に並列に接続され前記第1の電動モータを制御するための第2のインバータ装置と、
該第2のインバータ装置から出力された電流を、前記第1のインバータ装置の出力電流に加えるスイッチング回路とを備えることができる。
前記研磨装置において、さらに、前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するモータドライバを備え、該モータドライバは、前記各相のそれぞれの電流指令値と前記電動モータに供給される実際の電流値との偏差に基づいて、前記各相の電流を補償する電流補償器を有し、前記重み付け部は、前記電流補償器に対して前記各相の電流割合の指令信号を入力し、前記電流補償器は、前記重み付け部から入力された電流割合の指令信号に基づいて、前記各相の電流割合に差を付けることもできる。
前記研磨装置において、さらに、 前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するモータドライバを備え、該モータドライバは、前記電動モータの回転位置の検出値に基づいて前記電動モータの回転速度を求める演算器と、入力インターフェースを介して入力された前記電動モータの回転速度の指令値と前記演算器によって求められた前記電動モータの回転速度との偏差に基づいて、前記電動モータへ供給する電流の指令信号を生成する速度補償器と、前記電動モータの回転位置の検出値に基づいて生成された電気角信号と前記速度補償器によって生成された電流の指令信号とに基づいて、前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流指令値を生成する変換器と、を有し、前記重み付け部は、前記変換器に対して前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流割合の指令信号を入力し、前記変換器は、前記重み付け部から入力された電流割合の指令信号に基づいて、前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流割合に差を付けることもできる。
前記研磨装置において、さらに、前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するインバータ装置を備え、前記重み付け部は、前記インバータ装置の後段に設けられ該インバータ装置から出力された各相の電流を個別に増幅して前記電動モータへ供給する増幅器を有するとともに、前記各相の電流の増幅値の指令信号を受信し、前記増幅部は、前記受信された電流の増幅値の指令信号に基づいて各相の電流を増幅することにより、前記各相の電流割合に差を付けることもできる。
かかる本願発明によれば、重み付けを大きく設定された相において、トルクの変化に対して電流値の変化が大きくなり、これによって、より正確にトルクの変化を検出できることから、従前と比較してより正確に研磨の終点を判定することができる。また、これに合わせて、平坦化された被加工物の歩留まりも良くすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るブロック図である。 図2は、2相‐3相変換器の処理内容を説明するための図である。 図3は、研磨の終点の検出態様の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態において実験値として得られた、負荷トルクと電流の関係を示すグラフである。 図5は、本発明の第2実施形態に係るブロック図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係るブロック図である。 図7は、図6に示した制御部と重み付け部の、より詳細なブロック図である。 図8は、本発明の第4実施形態に係る電流アンプのブロック図である。 図9は、本発明の第5実施形態に係る電流アンプのブロック図である。 図10は、従来の駆動モータの入力電力による終点検知方法の回路構成を示す図である。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨装置を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る研磨装置の全体構成を示す図である。
研磨装置は、研磨布10を上面に取付け可能なターンテーブル12と、ターンテーブル12をギヤなどを介することなく直接的に回転駆動する第1の電動モータ14と、第1の電動モータの回転位置を検出する位置検出センサ16と、半導体ウエハ18を保持可能なトップリング(基板保持部)20と、トップリング20を回転駆動する第2の電動モータ22と、ターンテーブル12のトルクを検出して半導体ウエハ18の研磨の終点を検出する終点検出装置30とを備えている。
トップリング20は、図示しない保持装置により、ターンーブル12に近づけたり遠ざけたりすることができるようになっている。半導体ウエハ18を研磨するときは、トップリング20をターンテーブル12に近づけることにより、トップリング20に保持された半導体ウエハ18を、ターンテーブル12に取り付けられた研磨布10に当接させる。本実施形態においては、ターンテーブル12を直接的に回転駆動する第1の電動モータ14のトルクを検出して、半導体ウエハ18の研磨状態の終点を検出するようにしているが、トップリング20を回転駆動する第2の電動モータのトルクを検出して、半導体ウエハの研磨状態の終点を検出するようにしてもよい。
半導体ウエハ18を研磨するときは、上面に研磨布10を張り付けたターンテーブル12が、第1の電動モータ14によって回転駆動された状態で、研磨対象物である半導体ウエハ18を保持したトップリング20により、半導体ウエハ18が研磨布10に押圧される。また、トップリング20は、ターンテーブル12の回転軸13とは偏心した軸線21の回りに回転する。研磨する際は、研磨材を含む研磨砥液が、研磨材供給装置24から研磨布10の上面に供給され、そこに、トップリング20にセットされた半導体ウエハ18が押圧される。言い換えると、半導体ウエハ18を研磨する際は、半導体ウエハ18をトップリング20で保持しつつターンテーブル12に押圧し研磨して半導体ウエハ18の表面を平坦化する。
第1の電動モータ14は、少なくともU相とV相とW相の3相の巻線を備えた同期式又は誘導式のACサーボモータであることが好ましい。第1の電動モータ14は、本実施形態においては、3相の巻線を備えたACサーボモータから構成されている。3相の巻線は、120度位相のずれた電流を電動モータ14内のロータ周辺に設けられた界磁巻線に流し、これにより、ロータが回転駆動されるようになっている。電動モータ14のロータは、モータシャフト15に接続されており、モータシャフト15によりターンテーブル12が回転駆動される。
また、研磨装置は、第1の電動モータ14を回転駆動するモータドライバ100と、キーボートやタッチパネルなどの入力インターフェースを介してオペレータから第1の電動モータ14の回転速度の指令信号を受け付け、受け付けた指令信号をモータドライバ100に入力する入力部200と、第1の電動モータ14の3相の巻き線に供給される電流の割合に差を付けて重み付けを行う重み付け部300とを備えている。
モータドライバ100は、微分器102と、速度補償器104と、2相‐3相変換器106と、電気角信号生成器108と、U相電流補償器110と、U相PWM変調回路112と、V相電流補償器114と、V相PWM変調回路116と、W相電流補償器118と、W相PWM変調回路120と、パワーアンプ130と、電流センサ132,134とを備えている。
微分器102は、位置検出センサ16によって検出された回転位置信号を微分することによって第1の電動モータ14の実際の回転速度に相当する実速度信号を生成する。すなわち、微分器102は、第1の電動モータ14の回転位置の検出値に基づいて第1の電動モータ14の回転速度を求める演算器である。
速度補償器104は、入力部200を介して入力された回転速度の指令信号(目標値)と微分器102によって生成された実速度信号との偏差に相当する速度偏差信号に基づいて、第1の電動モータ14の回転速度の補償を行う。すなわち、速度補償器104は、入力インターフェース(入力部200)を介して入力された第1の電動モータ14の回転速度の指令値と微分器102によって求められた第1の電動モータ14の回転速度との偏差に基づいて、第1の電動モータ14へ供給する電流の指令信号を生成する。
速度補償器104は、例えばPID制御器で構成することができる。この場合、速度補償器104は、入力部200から入力された回転速度の指令信号と第1の電動モータの実速度信号との偏差に比例させて操作量を変える比例制御と、その偏差を足していきその値に比例して操作量を変える積分制御と、偏差の変化率(つまり偏差が変化する速度)を捉えこれに比例した操作量をだす微分制御とを行い、補償された回転速度に相当する電流指令信号を生成する。なお、速度補償器104は、PI制御器で構成することもできる。
電気角信号生成器108は、位置検出センサ16によって検出された回転位置信号に基づいて電気角信号を生成する。
2相‐3相変換器106は、速度補償器104によって生成された電流指令信号と、電気角信号生成器108によって生成された電気角信号とに基づいて、U相電流指令信号、及びV相電流指令信号を生成する。すなわち、2相‐3相変換器106は、第1の電動モータ14の回転位置の検出値に基づいて生成された電気角信号と速度補償器104によって生成された電流の指令信号とに基づいて、各相のうちの少なくとも2つの相の電流指令値を生成する変換器である。
ここで、2相‐3相変換器106の処理について詳細に説明する。図2は、2相‐3相変換器の処理内容を説明するための図である。2相‐3相変換器106には、速度補償器104から図2に示すような電流指令信号Icが入力される。また、2相‐3相変換器106には、電気角信号生成器108から図2に示すようなU相の電気角信号Sinφuが入力される。なお、図2において図示は省略したが、2相‐3相変換器106には、V相の電気角信号Sinφvも入力される。
例えばU相電流指令信号Iucを生成する場合を考える。この場合、2相‐3相変換器106は、ある時刻tiのときの電流指令信号Ic(i)とU相の電気角信号Sinφu(i)とを乗算することにより、U相電流指令信号Iuc(i)を生成する。すなわち、Iuc(i)=Ic(i)×Sinφu(i)となる。また、2相‐3相変換器106は、U相の場合と同様に、ある時刻tiのときの電流指令信号Ic(i)とV相の電気角信号Sinφv(i)とを乗算することにより、V相電流指令信号Ivc(i)を生成する。すなわち、Ivc(i)=Ic(i)×Sinφv(i)となる。
電流センサ132は、パワーアンプ130のU相出力ラインに設けられ、パワーアンプ130から出力されたU相の電流を検出する。
U相電流補償器110は、2相‐3相変換器106から出力されたU相電流指令信号Iucと、電流センサ132によって検出されてフィードバックされたU相検出電流Iu*との偏差に相当するU相電流偏差信号に基づいて、U相の電流補償を行う。U相電流補償器110は、例えばPI制御器、又はPID制御器で構成することができる。U相電流補償器110は、PI制御又はPID制御を用いてU相電流の補償を行い、補償された電流に相当するU相電流信号を生成する。
U相PWM変調回路112は、U相電流補償器110によって生成されたU相電流信号に基づいてパルス幅変調を行う。U相PWM変調回路112は、パルス幅変調を行うことによって、U相電流信号に応じた2系統のパルス信号を生成する。
電流センサ134は、パワーアンプ130のV相出力ラインに設けられ、パワーアンプ130から出力されたV相の電流を検出する。
V相電流補償器114は、2相‐3相変換器106から出力されたV相電流指令信号Ivcと、電流センサ134によって検出されてフィードバックされたV相検出電流Iv*との偏差に相当するV相電流偏差信号に基づいてV相の電流補償を行う。V相電流補償器114は、例えばPI制御器、又はPID制御器で構成することができる。V相電流補償器114は、PI制御又はPID制御を用いてV相電流の補償を行い、補償された電流に相当するV相電流信号を生成する。
V相PWM変調回路116は、V相電流補償器114によって生成されたV相電流信号に基づいてパルス幅変調を行う。V相PWM変調回路114は、パルス幅変調を行うことによって、V相電流信号に応じた2系統のパルス信号を生成する。
W相電流補償器118は、2相‐3相変換器106から出力されたU相電流指令信号Iuc及びV相電流指令信号Ivcに基づいて生成されたW相電流指令信号Iwcと、電流センサ132,134によって検出されてフィードバックされたU相検出電流Iu*及びV相検出電流Iv*との偏差に相当するW相電流偏差信号に基づいてW相の電流補償を行う。W相電流補償器118は、例えばPI制御器、又はPID制御器で構成することができる。W相電流補償器118は、PI制御又はPID制御を用いてW相電流の補償を行い、補償された電流に相当するW相電流信号を生成する。
W相PWM変調回路120は、W相電流補償器118によって生成されたW相電流信号に基づいてパルス幅変調を行う。W相PWM変調回路118は、パルス幅変調を行うことによって、W相電流信号に応じた2系統のパルス信号を生成する。
パワーアンプ130は、図10で説明したインバータ装置510によって構成されている。パワーアンプ130(インバータ装置510)のインバータ部518には、U相PWM変調回路112、V相PWM変調回路116、及びW相PWM変調回路120によって生成された2系統のパルス信号がそれぞれ印加される。パワーアンプ130は、印加された各パルス信号に応じてインバータ部518の各トランジスタを駆動する。これにより、パワーアンプ130は、U相、V相、W相それぞれについて交流電力を出力し、この3相交流電力によって第1の電動モータ14を回転駆動する。
次に、重み付け設定器300について説明する。重み付け設定器300は、入力部200から、第1の電動モータ14のU相、V相、W相それぞれの電流の重み付けの指令信号を受信する。そして、重み付け設定器300は、U相電流補償器110、V相電流補償器114、及びW相電流補償器118のそれぞれに対して、出力電流の大きさの重み付けの
指令信号(各相の電流割合の指令信号)を入力する。例えば、重み付け設定器300は、U相に0.8、V相に1.2、W相に1.0の重み付けを与える。
この場合、U相電流補償器110は、U相電流補償器110から本来出力される電流の0.8倍に相当する電流を出力し、V相電流補償器114は、V相電流補償器114から本来出力される電流の1.2倍に相当する電流を出力する。W相電流補償器118は、W相電流補償器118から本来出力される電流をそのまま出力する。すなわち、U相電流補償器110、V相電流補償器114、W相電流補償器118はそれぞれ、重み付け設定器300から入力された電流割合の指令信号に基づいて、各補償器の相に対応する電流の割合に差を付ける。
このように、重み付け設定器300によって、U相、V相、W相それぞれから出力される電流の大きさに重みづけを行うことができるので、特定の相(例えばV相)の電流を大きくすることができる。
そして、本実施形態では、重み付け設定器300によって電流を大きく設定された相(例えばV相)に対して、第2の電流センサ31が設けられている。より具体的には、第2の電流センサ31は、モータドライバ100と第1の電動モータ14との間のV相の電流路に設けられている。第2の電流センサ31は、V相の電流を検出し、センサアンプ32へ出力する。
センサアンプ32は、第2の電流センサ31から出力された検出電流を増幅し、検出電流信号として終点検出部30へ出力する。
終点検出部30は、センサアンプ32から出力された検出電流信号に基づいて、半導体ウエハ18の研磨の終点を判定する。より具体的には、終点検出部30は、センサアンプ32から出力された検出電流信号の変化に基づいて半導体ウエハ18の研磨の終点を判定する。
終点検出部30の研磨終点の判定について図3を用いて説明する。図3は、研磨の終点の検出態様の一例を示す図である。図3において横軸は研磨時間の経過を示し、縦軸はトルク電流(I)及びトルク電流の微分値(ΔI/Δt)を示している。終点検出部30は、例えば図3のようにトルク電流30a(V相のモータ電流)が推移した場合、トルク電流30aがあらかじめ設定されたしきい値30bより小さくなったら、半導体ウエハ18の研磨が終点に達したと判定する。また、終点検出部30は、トルク電流30aの微分値30cを求めて、あらかじめ設定された時間しきい値30dと30eとの間の期間において微分値30cの傾きが負から正に転じたことを検出したら、半導体ウエハ18の研磨が終点に達したと判定することもできる。すなわち、時間しきい値30dと30eは、経験則などによって研磨終点になると思われるおおよその期間に設定されており、終点検出部30は、時間しきい値30dと30eとの間の期間において研磨の終点検出を行う。このため、終点検出部30は、時間しきい値30dと30eとの間の期間以外では、たとえ微分値30cの傾きが負から正に転じたとしても、半導体ウエハ18の研磨が終点に達したとは判定しない。これは、例えば研磨の開始直後などに、研磨が安定していない影響によって微分値30cがハンチングして傾きが負から正に転じた場合に、研磨終点であると誤検出されるのを抑制するためである。以下、終点検出部30の研磨終点の判定の具体例を示す。
例えば、半導体ウエハ18が、半導体、導体、絶縁体等の異なる材質で積層されている場合を考える。この場合、異材質層間で摩擦係数が異なるため、研磨が異材質層へ移行した場合に第1の電動モータ14のモータトルクが変化する。この変化に応じてV相のモータ電流(検出電流信号)も変化する。終点検出部30は、このモータ電流がしきい値より
大きくなった又は小さくなったことを検出することにより半導体ウエハ18の研磨の終点を判定する。また、終点検出部30は、モータ電流の微分値の変化に基づいて半導体ウエハ18の研磨の終点を判定することもできる。
また、例えば半導体ウエハ18の研磨面に凹凸がある状態から研磨によって研磨面が平坦化される場合を考える。この場合、半導体ウエハ18の研磨面が平坦化されると第1の電動モータ14のモータトルクが変化する。この変化に応じてV相のモータ電流(検出電流信号)も変化する。終点検出部30は、このモータ電流がしきい値より小さくなったことを検出することにより半導体ウエハ18の研磨の終点を判定する。また、終点検出部30は、モータ電流の微分値の変化に基づいて半導体ウエハ18の研磨の終点を判定することもできる。
次ぎに、本実施形態に係る研磨装置の作用を説明する。
オペレータは、入力部200を介して、第1及び第2の電動モータ14、22を駆動して、研磨装置を稼働させる。半導体ウエハ18の研磨状態に応じて、第1の電動モータ14に要求されるトルクが変動することになるが、ターンテーブル12は一定の速度で回転させる必要がある。このため、速度補償器104は、PID制御などによって、第1の電動モータ14の各巻線に流す電流を制御する。速度補償器104は、半導体ウエハ18の研磨状態に応じて電動モータ14に要求されるトルクが変動しても、第1の電動モータ14を一定の速度で回転駆動するので、ターンテーブル12は一定の速度で回転する。すなわち、入力部200に設定された速度指令と、微分器102で生成された第1の電動モータ14の実際の速度との間の差分に基づき、速度補償器104は、PID制御などにより各相の巻線に流すべき電流指令値を演算し、各相の電流指令を出力する。
ここで、従前と同じように重み付け制御がされない場合、入力部200から重み付けの指令がU相電流補償器110、V相電流補償器114、及びW相電流補償器118に与えられていない。このため、U相電流補償器110、V相電流補償器114、及びW相電流補償器118は、各相の電流指令値に重み付けを与えることなく、そのまま、各相の指令値を出力する。そのため、振幅がほぼ同じで位相差が120°それぞれ異なる電流が、各相の巻き線に供給され、この電流に基づき、電動モータ14は回転トルクを発生させる。
これに対して、終点検出をより適切に行うために、各相にそれぞれ重み付けをする場合、入力部200から重み付けの値が重み付け設定器300を介してU相電流補償器110、V相電流補償器114、及びW相電流補償器118に与えられる。例えば、U相に0.8、V相に1.2、W相に1.0の重み付けが与えられた場合、これに基づいて、U相電流補償器110、V相電流補償器114、及びW相電流補償器118は、各相の電流指令値に重み付けを与えるよう、各相の電流を制御する。すなわち、U相電流補償器110は、U相電流補償器110から本来出力される電流の0.8倍に相当する電流を出力し、V相電流補償器114は、V相電流補償器114から本来出力される電流の1.2倍に相当する電流を出力する。W相電流補償器118は、W相電流補償器118から本来出力される電流をそのまま出力する。
このように重み付けが与えられた場合、第1の電動モータ14の各相の巻線に流れる電流の振幅に差が付けられる。第2の電流センサ31は、電流が最も多く流される巻き線、すなわちV相巻線に流れる電流を検出する。終点検出装置30は、検出された電流値に基づいて、研磨装置の研磨終点検知を行う。
図4は、このように重み付けされた場合の、ターンテーブル駆動用の電動モータの負荷トルクに対する、各相巻線のモータ電流の実測例を示す図である。図4の横軸は負荷トルク(Nm)を示し、縦軸は電動モータの電流(実効電流)を示している。図4のうち線図
100は、U相をプロットしたものであり、線図150は、W相をプロットしたものであり、線図200はV相をプロットしたものである。このようにV相に重み付け制御をした場合、図4に示されているように線図200の傾きが大きくなり、わずかな負荷トルク変動に対して、大きな電流変化を検出することができる。
回転負荷変動に対する電流感度という観点から図4をみると、三相を合成し得られた例の場合、12.5Nm/Aの逆数、ΔI≒0.08ΔTとなり、重み付けが与えられた例では、10.4Nm/Aの逆数、ΔI≒0.1ΔTが得られ、電流感度を約20%向上することができている。
以上のように、複数の相電流を基に実効電流(DC電流)を演算し、負荷トルクと実効電流の比であるトルク定数(Km=トルク/実効電流)が同じ電動モータであっても、重み付け制御を備えることで、重み付けの対象とした電動モータのV相のトルク定数Kmを小さくすることができる。結果、回転負荷変動が発生したときに重み付けの大きな相の電流は大きく変動することとなり終点検知の感度を改善することができる。
なお、本実施形態では、モータドライバ100と第1の電動モータ14との間のV相の電流路に第2の電流センサ31を設けて、第2の電流センサ31で検出された電流値をセンサアンプ32に出力する例を示したが、これには限られない。例えば、第2の電流センサ31を設けずに、電流センサ134によって検出されたV相の電流値をモータドライバ100から出力してセンサアンプ32に出力することもできる。
<第2実施形態>
図5は、本発明の第2実施形態に係る研磨装置の全体構成を示す図である。第2実施形態の研磨装置は、第1実施形態と比較して、重み付け設定器、及び2相‐3相変換器の態様が異なるだけであり、その他の構成は第1実施形態と同様である。そこで、第2実施形態では、重み付け設定器、及び2相‐3相変換器のみを説明し、その他の構成については説明を省略する。
図5に示すように、重み付け設定器400は、2相‐3相変換器410に対して、U相、V相、W相の各相のうちの少なくとも2つの相(本実施形態ではU相とV相)の電流割合の指令信号を入力する。例えば、重み付け設定器400は、2相‐3相変換器410に対して、U相に0.8、V相に1.2という重み付けの指令信号を入力する。
2相‐3相変換器410は、重み付け設定器400から入力された電流割合の指令信号に基づいて、各相のうちの少なくとも2つの相(例えばU相とV相)の電流割合に差を付ける。
より具体的には、2相‐3相変換器410は、U相電流指令信号Iucを生成する場合には、ある時刻tiのときの電流指令信号Ic(i)と、U相の電気角信号Sinφu(i)と、U相の重み付け(0.8)を乗算することにより、U相電流指令信号Iuc(i)を生成する。すなわち、Iuc(i)=Ic(i)×Sinφu(i)×0.8となる。
また、2相‐3相変換器410は、V相電流指令信号Ivcを生成する場合には、ある時刻tiのときの電流指令信号Ic(i)と、V相の電気角信号Sinφv(i)と、V相の重み付け(1.2)を乗算することにより、V相電流指令信号Ivc(i)を生成する。すなわち、Ivc(i)=Ic(i)×Sinφv(i)×1.2となる。
第2実施形態のように、重み付け設定器400から2相‐3相変換器410に対して重み付けの指令信号を入力する場合であっても、第1実施形態と同様に、特定の相(例えば
V相)の電流を他の相に対して大きくすることができる。したがって、第1の電動モータ14の回転負荷変動に対するV相の電流感度を向上させることができる。その結果、第1の電動モータ14の回転負荷変動が発生したときに重み付けの大きな相の電流は大きく変動することとなるので終点検知の感度を改善することができる。
<第3実施形態>
図6は、本発明の第3実施形態に係るブロック図である。
第3実施形態において、ターンテーブル12、第1の電動モータ14、トップリング20、第2の電動モータ22等の構成は、第1,第2実施形態と同様であるので説明を省略する。
第3実施形態の研磨装置は、第1の電動モータの速度を検出する速度センサ506と、ターンテーブル12のトルクを検出して半導体ウエハ18の研磨の終点を検出する終点検出装置530とを備えている。
3相の巻線を備えたACサーボモータで電動モータを構成する場合、当該電動モータは、インバータ装置550により駆動されることが好ましい。インバータ装置550は、図10で説明したように構成されており、交流商用電源552をコンバータ部により直流電源に変換し、コンデンサに直流電力を蓄積し、インバータ部で任意の周波数、電圧に逆変換して、第1の電動モータ14に交流電力を供給するようになっている。
第1の電動モータ14には、当該電動モータのロータの回転速度を検出するための速度センサ506が設けられている。速度センサ506は、磁気式エンコーダ、光学式エンコーダ、レゾルバなどから構成することができる。レゾルバを採用した場合、レゾルバロータを電動モータのロータに直結することが好ましい。レゾルバロータが回転すると、90°ずらして配置された2次側のコイルにsin信号と、cos信号が得られ、この2つの信号に基づいて、電動モータのロータ位置を検知し、微分器を用いることにより、電動モータの速度を求めることができる。
研磨装置は、第1の電動モータ14の3相の巻き線に供給される電流の割合に差を付けて重み付けを行う重み付け部560と、該重み付け部を制御する制御部570と、該制御部570により重み付けを大きく設定された相の電流の変化を検知することによって、前記研磨により生じる前記電動モータのトルク変動を検出する電流センサ(検出部)580とを備えており、終点検出装置530は、電流センサ580からの電流値の変化から研磨の終点を判断している。
電流センサ580は、電動モータに電力を供給する3相ケーブル22のうちの1相、例えばV相に設けられた電流変換器(CT)を備えており、この電流変換器(CT)により、V相に流れるモータ電流値が検出される。電流センサ580は、研磨装置の終点検出装置530に接続されており、電流センサ580で検出されたV相に流れる電流値が、終点検出装置530に送られ、終点検出装置530が、その電流値の変化から研磨の終点を判定するようになっている。電流センサ580は制御部570にも接続されている。制御部570には、入力部590が接続されており、電流センサ580で検出された電流値と、入力部590からの設定値との差に基づいて、重み付け部560を制御しており、これにより、V相に流れる電流は、所定の範囲だけ増幅されるようになっている。このようにして、V相に流れる電流値は、他のU相とW相に流れる電流値よりも大きくなっており、これにより、終点検出装置530における終点検知の感度を改善している。
重み付け部560は、第1の電動モータ14の各相の巻線に流れる電流の割合に差を付けるためのもので、図7に示されているように、U相電流アンプ562と、V相電流アン
プ564と、W相電流アンプ566とを備えている。U相電流アンプ562、V相電流アンプ564、及びW相電流アンプ566は、インバータ装置550と第1の電動モータ14との間(インバータ装置550の後段)に設けられ、第1の電動モータ14の各相の電流を個別に増幅して第1の電動モータ14へ供給する増幅器である。重み付け部560は、インバータ装置550と接続されており、インバータ装置550から出力された電流は、重み付け部560で各相に流れる電流が所定の割合だけ増幅されて、電動モータ14に供給される。インバータ装置550のU相ケーブル、V相ケーブル、W相ケーブルは、それぞれ、重み付け部560のU相電流アンプ562、V相電流アンプ564と、W相電流アンプ566に接続されており、制御部570からの指令に基づいて、重み付け部560は、各相の電流振幅に差を付けるようにしている。例えば、V相に流れる電流だけ増幅し、U相とW相に流れる電流を増幅しない構成を採用した場合、重み付け部560は、V相電流アンプ564だけで構成することができる。
制御部570は、補償器572と、電流指令演算部574とを備えている。制御部570には、入力部590が接続されており、入力部590での手動入力によって、第1の電動モータ14の速度値が補償器572に供給され、重み付け値が、電流指令演算部574に供給されるようになっている。
補償器572は、PID制御器から構成することができ、入力部590から入力された目標値としての電動モータの速度と、電動モータの速度を検出する速度センサ16からの実測値との偏差に比例させて操作量を変える比例制御と、その偏差を足していきその値に比例して操作量を変える積分制御と、偏差の変化率(つまり偏差が変化する速度)を捉えこれに比例した操作量をだす微分制御とを行っている。このPID制御を行うことによって、電動モータ14の速度が、入力部590から入力された目標値としての速度となるように、各相の電流指令値が出力制御されている。なお、補償器572は、PI制御器から構成しても良い。
電流指令演算部574は、補償器572と、入力部590とに接続されており、入力部590に入力された各相の重み付け情報と、補償器572から出力された各相の電流指令値とに基づいて、U相電流アンプ562と、V相電流アンプ564と、W相電流アンプ566とを制御している。上述したように、インバータ装置550のV相ケーブルから電動モータ14のV相巻線に流れる電流だけ増幅する場合、電流指令演算部574は、V相電流アンプ564だけ所定倍数の増幅指令値を出力し、U相電流アンプ562とW相電流アンプ566には、1倍の増幅指令値を出力する。重み付け部560は、電流指令演算部574から、各相の電流の増幅値の指令信号を受信する。U相電流アンプ562、V相電流アンプ564、およびW相電流アンプ566は、受信された電流の増幅値の指令信号に基づいて各相の電流を増幅することにより、各相の電流割合に差を付けることができる。
入力部590は、キーボートやタッチパネルなどで構成されている。オペレータは、予め実施された実験に基づいて得られた結果やシミュレーションで得られた結果に基づいて、電動モータの速度値と、重み付け値)を、入力部590を介して設定する。
次ぎに、本実施形態に係る研磨装置の作用を説明する。
オペレータは、入力部590を介して、第1及び第2の電動モータ14、22を駆動して、研磨装置を稼働させる。半導体ウエハ18の研磨状態に応じて、電動モータ14に要求されるトルクが変動することになるが、ターンテーブル12は一定の速度で回転させる必要がある。このため、制御部570の補償器572がPID制御により、電動モータ14の各巻線に流れる電流が制御され、半導体ウエハの研磨状態に応じて電動モータ14に要求されるトルクが変動しても、電動モータ14は一定の速度で回転駆動され、ターンテーブル12は一定の速度で回転する。すなわち、入力部590に設定された速度指令と、
速度センサ16で検出された電動モータ14の実際の速度との間の差分に基づき、補償器は、PID制御により各相の巻線に流すべき電流指令値を演算し、補償器572から各相の電流指令値が出力される。
ここで、従前と同じように重み付け制御がされない場合、入力部590から重み付けの指令が電流演算指令部574に与えられていない。このため、電流演算指令部574は、補償器572から出力された各相の電流指令値に重み付けを与えることなく、そのまま、各相の電流アンプに電流指令値を出力する。そのため、各相の電流アンプは、インバータから出力される電流を増幅することなく電動モータに供給する。このため、振幅がほぼ同じで位相差が120°それぞれ異なる電流が、各相の巻き線に供給され、この電流に基づき、電動モータ14は回転トルクを発生させる。
これに対して、終点検出をより適切に行うために、各相にそれぞれ重み付けをする場合、入力部590から重み付けの値が電流演算指令部574に与えられる。例えば、U相に0.8、V相に1.2、W相に1.0の重み付けが与えられた場合、これに基づいて、電流演算指令部574は、補償器572から出力された各相の電流指令値に重み付けを与えるよう、各相の電流アンプ562、564、566を制御する。すなわち、インバータ装置550から当該インバータ装置のU相ケーブルに出力された電流は、U相電流アンプ562に供給され、当該U相電流アンプでその振幅値が0.8倍され、電動モータ14のU相巻線に供給される。一方、インバータ装置550のV相ケーブルに出力された電流は、V相電流アンプ564に供給され、当該V相電流アンプでその振幅値が1.2倍され、電動モータ14のV相巻線に供給される。また、インバータ装置のW相ケーブルに出力された電流は、W相電流アンプ566に供給され、当該W相電流アンプでその振幅値が1.0倍され、すなわち、何ら増幅されることなく、そのまま、電動モータ14のW相巻線に供給される。
このように重み付けが与えられた場合、電動モータ14の各相の巻線に流れる電流の振幅に差が付けられ、電流が最も多く流される巻き線、すなわちV相巻線に流れる電流を、電流センサで検出し、この電流値に基づいて、研磨装置の研磨終点検知に用いられている。
第3実施形態のように、補償器572から出力された各相の電流指令値に重み付けを与えるよう、各相の電流アンプ562、564、566を制御する場合であっても、第1実施形態と同様に、特定の相(例えばV相)の電流を他の相に対して大きくすることができる。したがって、第1の電動モータ14の回転負荷変動に対するV相の電流感度を向上させることができる。その結果、第1の電動モータ14の回転負荷変動が発生したときに重み付けの大きな相の電流は大きく変動することとなるので終点検知の感度を改善することができる。
<第4実施形態>
なお、上記実施形態において、電流アンプをパワートランジスタなどから構成したが、本願発明はこれに限定されるものではなく、他の構成を採用してもよい。図8は、本発明の第4実施形態に係る電流アンプのブロック図である。図8に示されているように、複数台(例えば2台)のインバータ装置600、610を並列接続し、この2台のインバータ装置間にスイッチング回路620を設ける構成とすることができる。V相の電流を重み付けする場合、スイッチング回路620により2台のインバータのV相間を閉じて、電動モータのV相巻線に流れる電流を重畳させることができる。なお、インバータ装置600、610の各々は、図7に示したインバータ装置と同様の構成となっている。
<第5実施形態>
図9は、本発明の第5実施形態に係る電流アンプのブロック図である。図9に示されているように、インバータ装置600、610の出力側のそれぞれに変圧器630、640
を設けて、電流値をさらに増幅させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、V相に流れる電流値を検出するための電流センサが設けられている。これに合わせて、V相に流れる電流だけ増幅させ、U相とW相に流れる電流は増幅させない制御とするようにしてもよい。もっとも、各相に流れる電流値を検出するための電流センサが設けることにより、入力部に入力された各相の重み付け情報に基づいて、各相電流アンプを制御して、各相に流れる電流を増幅しても良い。
上記各実施形態においては、3相の巻線を備えた電動モータを用いたが、本願発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、2相以上の巻線を備えた電動モータを用いても良い。
上記実施形態においては、ターンテーブルを駆動する電動モータのモータ電流に重み付け制御を行ったが、トップリングを回転駆動する電動モータを用いて終点検出を行う場合は、トップリングを回転駆動する電動モータのモータ電流に重み付け制御を行うことができる。
10 研磨布
12 ターンテーブル
14 第1の電動モータ
16 速度センサ
18 半導体ウエハ
20トップリング
22 第2の電動モータ
30 終点検出装置
50 インバータ装置
100 モータドライバ
200 入力部
300 重み付け設定器

Claims (13)

  1. 被加工物の表面を平坦化するための研磨装置であって、
    研磨テーブルと、
    該研磨テーブルを回転駆動する第1の電動モータと、
    被加工物を保持可能な基板保持部と、
    該基板保持部を回転駆動する第2の電動モータとを備え、
    前記第1の電動モータにより前記研磨テーブルを回転させると共に、前記第2の電動モータにより前記基板保持部を回転させて、前記被加工物を前記基板保持部で保持しつつ前記研磨テーブルに押圧し研磨して該被加工物の表面を平坦化できるようになっており、
    前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータは、複数相の巻線を備え、
    前記研磨装置は、前記各相の電流割合に差を付ける重み付けを行う重み付け部と、前記重み付け部により重み付けを大きく設定された相の電流の変化を検知することによって、前記研磨により生じる前記電動モータのトルク変動を検出する検出部とを備えたことを特徴とする、研磨装置。
  2. 請求項1に記載の研磨装置において、さらに、
    前記検出部で検出された前記電動モータのトルク変動に基づいて、前記被加工物の表面の平坦化を示す研磨加工の終点を検出する終点検出部を備えたことを特徴とする、研磨装置。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨装置において、
    前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータは、少なくともU相とV相とW相の3相の巻線を備えたことを特徴とする、研磨装置。
  4. 請求項3に記載の研磨装置において、
    前記第1の電動モータが、少なくともU相とV相とW相の3相の巻線を備えたことを特徴とする、研磨装置。
  5. 請求項4に記載の研磨装置において、
    前記第1の電動モータは、同期式又は誘導式のACサーボモータであることを特徴とする、研磨装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の研磨装置において、
    前記重み付け部は、1つの相に重み付けを大きく設定することを特徴とする、研磨装置。
  7. 請求項6に記載の研磨装置において、
    前記1つの相は、V相であることを特徴とする、研磨装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の研磨装置において、
    前記重み付け部は、電流アンプから構成されていることを特徴とする、研磨装置。
  9. 請求項1に記載の研磨装置において、
    前記研磨装置は、前記第1の電動モータを制御するための第1のインバータ装置を備えていることを特徴とする、研磨装置。
  10. 請求項1に記載の研磨装置において、
    前記重み付け部は、
    前記第1のインバータ装置に並列に接続され前記第1の電動モータを制御するための第2のインバータ装置と、
    該第2のインバータ装置から出力された電流を、前記第1のインバータ装置からの出力電流に加えるスイッチング回路とを備えていることを特徴とする、研磨装置。
  11. 請求項1に記載の研磨装置において、さらに、
    前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するモータドライバを備え、
    該モータドライバは、前記各相のそれぞれの電流指令値と前記電動モータに供給される実際の電流値との偏差に基づいて、前記各相の電流を補償する電流補償器を有し、
    前記重み付け部は、前記電流補償器に対して前記各相の電流割合の指令信号を入力し、
    前記電流補償器は、前記重み付け部から入力された電流割合の指令信号に基づいて、前記各相の電流割合に差を付けることを特徴とする、研磨装置。
  12. 請求項1に記載の研磨装置において、さらに、
    前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するモータドライバを備え、
    該モータドライバは、
    前記電動モータの回転位置の検出値に基づいて前記電動モータの回転速度を求める演算器と、
    入力インターフェースを介して入力された前記電動モータの回転速度の指令値と前記演算器によって求められた前記電動モータの回転速度との偏差に基づいて、前記電動モータへ供給する電流の指令信号を生成する速度補償器と、
    前記電動モータの回転位置の検出値に基づいて生成された電気角信号と前記速度補償器によって生成された電流の指令信号とに基づいて、前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流指令値を生成する変換器と、を有し、
    前記重み付け部は、前記変換器に対して前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流割合の指令信号を入力し、
    前記変換器は、前記重み付け部から入力された電流割合の指令信号に基づいて、前記各相のうちの少なくとも2つの相の電流割合に差を付けることを特徴とする、研磨装置。
  13. 請求項1に記載の研磨装置において、さらに、
    前記第1及び第2の電動モータのうち少なくとも一方の電動モータを駆動するインバータ装置を備え、
    前記重み付け部は、前記インバータ装置の後段に設けられ該インバータ装置から出力された各相の電流を個別に増幅して前記電動モータへ供給する増幅器を有するとともに、前記各相の電流の増幅値の指令信号を受信し、
    前記増幅部は、前記受信された電流の増幅値の指令信号に基づいて各相の電流を増幅することにより、前記各相の電流割合に差を付けることを特徴とする、研磨装置。
JP2012215589A 2012-09-28 2012-09-28 研磨装置 Active JP5990074B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215589A JP5990074B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 研磨装置
TW102134253A TWI530360B (zh) 2012-09-28 2013-09-24 研磨裝置
US14/040,449 US9132525B2 (en) 2012-09-28 2013-09-27 Polishing apparatus for flattening surface of workpiece
KR1020130115603A KR20140042748A (ko) 2012-09-28 2013-09-27 연마 장치
CN201310450332.5A CN103707173B (zh) 2012-09-28 2013-09-27 研磨装置
KR1020160023436A KR101925675B1 (ko) 2012-09-28 2016-02-26 연마 장치
KR1020160096928A KR101899210B1 (ko) 2012-09-28 2016-07-29 연마 장치

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012215589A JP5990074B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 研磨装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014069255A JP2014069255A (ja) 2014-04-21
JP5990074B2 true JP5990074B2 (ja) 2016-09-07

Family

ID=50744961

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012215589A Active JP5990074B2 (ja) 2012-09-28 2012-09-28 研磨装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5990074B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6377463B2 (ja) * 2014-09-02 2018-08-22 株式会社荏原製作所 終点検出方法、及び、研磨装置
SG10201803908SA (en) 2014-09-02 2018-06-28 Ebara Corp End point detection method, polishing apparatus, and polishing method
JP6727761B2 (ja) * 2015-05-15 2020-07-22 株式会社荏原製作所 研磨装置、及び、研磨方法
US10744617B2 (en) 2015-10-16 2020-08-18 Ebara Corporation Polishing endpoint detection method
JP6775354B2 (ja) 2015-10-16 2020-10-28 株式会社荏原製作所 研磨装置、及び、研磨方法
JP7403213B2 (ja) * 2017-10-31 2023-12-22 株式会社荏原製作所 研磨装置、及び研磨方法
JP6927947B2 (ja) 2018-11-14 2021-09-01 ファナック株式会社 昇圧部を有するモータ制御装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10202523A (ja) * 1997-01-22 1998-08-04 Ebara Corp ポリッシングの終点検知方法
JP2001351889A (ja) * 2000-06-09 2001-12-21 Matsushita Electric Ind Co Ltd 基板研磨方法
JP4253485B2 (ja) * 2002-09-24 2009-04-15 トヨタ自動車株式会社 電流検出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014069255A (ja) 2014-04-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5990074B2 (ja) 研磨装置
KR101899210B1 (ko) 연마 장치
US20200346318A1 (en) End point detection method, polishing apparatus, and polishing method
JP5863614B2 (ja) 研磨装置
US9757838B2 (en) Polishing apparatus having end point detecting apparatus detecting polishing end point on basis of current and sliding friction
CN105556816B (zh) 电力转换装置和电力转换装置的控制方法
WO2015056541A1 (ja) 電動機の駆動装置
CN1042184C (zh) 感应电动机的磁通确定方法及其驱动和控制方法和系统
JP2015173540A (ja) 電動機の駆動装置
JP6241331B2 (ja) 電動機の制御装置
JP6377463B2 (ja) 終点検出方法、及び、研磨装置
JP6727761B2 (ja) 研磨装置、及び、研磨方法
JP2009278790A (ja) モータ制御装置及びその制御方法
WO2021111695A1 (ja) 電力変換装置
JP2007189897A (ja) 交流電動機の制御方法
JP6691618B2 (ja) モータ電力変換装置、及び、それを用いたモータ電力変換システム
CN107615641A (zh) 感应电机的功率转换装置、二次时间常数测量方法和速度控制方法
CN116057827A (zh) 电力转换装置
US20140097773A1 (en) Method and device for operating an electronically commutated electric machine
KR20130131331A (ko) 모터의 전류 제어 방법 및 제어 장치
JP2008306904A (ja) リニア誘導機の定数測定装置
JP2014014222A (ja) 電動機駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150918

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160715

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160721

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160812

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5990074

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250