JP5990029B2 - 毛髪の分析法 - Google Patents
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[1] 被験者の毛髪または体毛等の生体を元素分析し、同族元素XとZの毛髪等の生体濃度[X]H及び[Z]Hとを求め、XとZの比例関係、すなわち、それぞれの標準値[X]HC及び[Z]HCとの比の間に[X]H/[X]HC=[Z]H/[Z]HCが成立する場合を、正常、または、不成立の[X]H/[X]HC≠[Z]H/[Z]HCの場合より正常に近いと判定する、生体に含まれる元素の濃度を分析する方法。
[Sr]H/[Ca]H=[Sr]HO/[Ca]HO
が成立するとき、細胞のCaイオンの通路が開閉している状態がつづいた時期が被験者の過去に有ったと判定し、
[Sr]H/[Ca]H<[Sr]HO/[Ca]HO
のときには癌が存在する可能性があると判定する方法。
本明細書において用いる元素の濃度の記号の定義を、当該元素が「A」である場合について以下にまとめて示す。
[A]S:乾燥血清又は乾燥血漿における元素Aの全濃度
[A]P:Aイオンまたは元素Aを含む化合物イオン(多原子イオン)を取り除いてから乾燥した血清における元素Aの濃度
[A]I:血清中にイオンまたは元素Aを含む化合物イオンとして存在する元素A由来の乾燥血清中の元素Aの濃度、すなわち、[A]I=[A]S−[A]P
[A]H:毛髪、体毛、爪等を含む生体中の元素Aの濃度(生体濃度)例えば、毛髪又は体毛における元素Aの毛髪又は体毛の単位質量当たりの濃度
[A]HO:元素Aのイオンまたは元素Aを含む化合物イオンが通過する細胞膜の通路が開閉している状態に対応する[A]Hの標準値
[A]HC:元素Aのイオンまたは元素Aを含む化合物イオンが通過する細胞膜の通路が閉じている状態に対応する[A]Hの標準値
[A]S=[A]I+[A]P ・・・(1)
本実施形態に係る方法は、主として、被験者から採取された乾燥血清若しくは乾燥血漿、又は毛髪若しくは体毛における元素の濃度を測定する工程と、各元素の濃度の標準値との比較により、乾燥血清若しくは乾燥血漿、又は毛髪若しくは体毛における各元素の濃度の測定値を評価する工程とから構成される。
log[A]=logP−logS=log(P/S) ・・・(2)
で与えられる。この測定により求められる濃度[A]は、試料の厚さに関係しない。バックグラウンドの散乱X線の強度Sは、試料が励起X線ビームで照射されている部分の質量に比例するので、P/Sは密度に相当するからである。言い換えると、式(2)で定義される濃度[A]は、一義的には、強度Sを単位とする試料の単位質量当たりの濃度に相当する。
上述の分析方法は、例えば、以下に説明する方法のように元素の濃度の測定値を評価することにより、被験者の代謝の状態、各種蛋白質の分泌状態等の検査のために利用することができる。
第一実施形態に係る方法は、被験者から採取された毛髪若しくは体毛におけるCa及びSrの濃度[Ca]H及び[Sr]Hを測定する工程と、Ca及びSrの濃度の標準値が[Ca]HC、[Sr]HC、[Ca]HO及び[Sr]HOである場合に、[Ca]Hが[Ca]HC<[Ca]H<[Ca]HOの範囲にあって、式:
([Sr]H−[Sr]HC)/([Ca]H−[Ca]HC)
=([Sr]HO−[Sr]HC)/([Ca]HO−[Ca]HC) (22)
が成立するとき、副甲状腺ホルモンPTH及び癌細胞から分泌される副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPが被験者の血液中に共存していると判定する工程とを有する。
[Sr]H/[Ca]H=[Sr]HO/[Ca]HO
が成立するとき、細胞膜のCaイオンチャンネルが開閉している状態が続いた時期が被験者の過去に有ったと判定し、式:
[Sr]H/[Ca]H<[Sr]HO/[Ca]HO
が成立するとき、副甲状腺ホルモンPTH及び副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPが被験者の血液中に共存していると判定する工程を有していてもよい。PTHrPが血清中に存在していると判定された場合、被験者に癌が発生している可能性がある。
第二実施形態に係る方法は、被験者から採取された毛髪若しくは体毛におけるSの濃度[S]Hを測定する工程と、Sのイオン(硫酸イオンSO4 2−)が通過する細胞膜の通路が閉じている状態に対応する[S]Hの標準値が[S]HCであり、各元素の前記通路が開閉している状態に対応するSの濃度の標準値が[S]HOである場合に、[S]H=[S]HOであるとき、被験者の血液中の硫酸イオンが不足している、又は、被験者の血液における副甲状腺ホルモンPTH若しくは副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPの濃度が高いと判定し、[S]H=[S]HCであるとき、被験者の血液中の硫酸イオンが充足している、又は、被験者の血液における副甲状腺ホルモンPTH若しくは副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPの濃度が低いと判定する工程とを有する。
第三実施形態に係る方法は、被験者から採取された毛髪若しくは体毛におけるPの濃度[P]Hを測定する工程と、リン酸イオンチャンネルが閉じている状態に対応する[P]Hの標準値が[P]HCであり、リン酸イオンチャンネルが開閉している状態に対応する[P]Hの標準値が[P]HOである場合に、[P]H=[P]HOであるとき、被験者の血液におけるリン酸イオン濃度が正常である、又は、被験者の血液における副甲状腺ホルモンPTH若しくは副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPの濃度が低いと判定し、[P]H=[P]HCであるとき、被験者の血液におけるリン酸イオン濃度が過剰である、又は、被験者の血液における副甲状腺ホルモンPTH若しくは副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPの濃度が高いと判定する工程とを有する。
第四実施形態に係る方法は、被験者から採取された毛髪若しくは体毛におけるKの濃度[K]Hを測定する工程と、Kイオンチャンネルが閉じている状態に対応する[K]Hの標準値が[K]HCである場合に、[K]Hが[K]HCと比較して低いほど、被験者の血液における副甲状腺ホルモンPTH及び/又は副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPの濃度が高いと判定する工程とを有する。
第五実施形態に係る方法は、被験者から採取された毛髪若しくは体毛におけるCl及びBrの濃度[Cl]H及び[Br]Hを測定する工程と、Clイオンチャンネルが閉じている状態に対応する[Cl]H及び[Br]Hの標準値がそれぞれ[Cl]HC及び[Br]HCであり、Clイオンチャンネルが開閉している状態に対応する[Cl]H及び[Br]Hの標準値がそれぞれ[Cl]HO及び[Br]HOである場合に、式:
[Cl]H/[Cl]HC=[Br]H/[Br]HC>[Cl]HO/[Cl]HC
が成立するとき、被験者の血液が酸性に傾いていると判定し、式:
[Cl]H/[Cl]HC<1、且つ、[Cl]H/[Cl]HC<[Br]H/[Br]HCが成立するときは、被験者の血液がアルカリ性に傾いている、又は、被験者のCa代謝に異常があると判定する工程とを有する。
[Cl]H/[Cl]HC<[Br]H/[Br]HC≦1
が成立するときは、被被験者が、Cl及びBrの濃度をそれぞれ独立にホメオスタシス制御している独立型であると判定し、式:
[Cl]H/[Cl]HC<1<[Br]H/[Br]HCが成立するときは、被験者が、Cl不足をBrで補う補償型であると判定する工程を有していてもよい。
必須元素であるCu、Fe及びZn等は、血清蛋白質中にだけ存在する。すなわち、これらの元素については[A]S=[A]P、[A]I=0である。4.2の項で述べるように、これらの元素の乾燥血清における濃度[A]Sと毛髪又は体毛における濃度[A]Hは、式(2)によって測定できる。X線蛍光分析は、8keVのCuKα、6.4keVのFeKα、及び8.6keVのZnKαを使って行われた。標準値はlog[Cu]S=log[Cu]P=[logP−logS]st=log20、log[Fe]S=log[Fe]P=log15、log[Zn]S=log[Zn]P=log20であった。後に見られるように、Ca、Sr、Cl及びBrの標準値はlog[A]P=log[A]H=logP−logS=log10であるので、これらの元素と比較するために観測値[logP−logS]を上記の健常人の標準値[logP−logS]stにより次式で規格化した。
log[A]=[logP−logS]/[logP−logS]st (3)
[Cu]S=[Cu]P=[Cu]H=10 (4)
の関係があることが分かる。式(3)によるこの結果は、乾燥血清の濃度と毛髪の濃度は比例関係にあることを意味する。その比例常数は、一般に知られている濃度データを用いて得られる。血清は比重1.028で水90〜92%を含むので、1リットルの血清を乾燥すると82〜103グラムの乾燥血清が得られる。血清1リットル中のCuの濃度は17μmol/Lであると知られている。乾燥血清におけるCuの濃度は170〜207μmol/kgとなる。これは毛髪について報告されているCuの濃度200μmol/kgとよく一致する。
[A]H=[A]P (5)
式(5)の関係は式(2)で定義される濃度でも、式(3)による規格化された濃度でも成立する。なお、本明細書では銅Cuだけ規格化された濃度値を使っている。他の元素はすべて式(2)の定義による濃度値を使用している。
血清は[Ca]S=[Ca]I+[Ca]P=8.5〜10.3mg/dLのCaを含み、イオン濃度は[Ca]I=4.2〜5.0mg/dLである。したがって、健常人の正常状態では[Ca]I=[Ca]Pとみなすことができる。Caイオンは細胞信号伝達の主役である。Caイオンセンサー「CaSR」を有する副甲状腺細胞の作用によって[Ca]Iはホメオスタシス制御の一定値に維持されている。一方、[Ca]Pは、[Ca]Iと平衡していて、血液が酸性に傾くアシドーシスのときは減少し、血液がアルカリ性に傾くアルカローシスのときは増加する。
図3の[Ca]HO=50は開閉しているイオンチャンネルを通してHM細胞にCaイオンが流入したことによる。PTHはCa不足のときに分泌され、血液に乗って巡回し、全身の細胞のPTH受容体に付くとCaイオンチャンネルを開かせる。受容体にはPTH分子が付いたり離れたりするので、チャンネルは頻繁に開閉する。開くたびにパルス流として流入したCa2+は細胞内に堆積して細胞内[Ca2+]は上昇して血清イオン濃度[Ca]Iと等しくなる。Ca2+を細胞外へ汲み出す分子ポンプの作用は小さい。毛髪に取り込まれる毛髪蛋白はHM細胞内に形成され、Ca原子は、HM細胞から毛髪蛋白に2個の対として入る。HM細胞液から毛髪蛋白にCaが入る速さは、細胞液内のイオンの衝突確率[Ca]I 2に比例し、毛髪蛋白に入ったCa原子対が分離して細胞液へ戻る確率は、1回の分離で2個の原子が分離するので2[Ca]HOに比例する。化学平衡では両方向への速さが等しくなるので、rとqを比例乗数として、2r[Ca]HO=q{[Ca]I}2である。血清イオン濃度に乾燥血清の[Ca]Iの標準値10を用いると、q=rとなる。このような考察から、チャンネルが開閉している状態に対応する毛髪濃度の標準値は次式で表せる。
[Ca]HO=(1/2)[Ca]I 2 (6)
Ca剤服用の10人の被験者が標準の毛髪[Ca]H=10を示した。被験者の乾燥血清は[Ca]S=20であり(表1) 毛髪[Ca]Hの2倍である。すなわち、正常の場合には
[Ca]I=[Ca]P=[Ca]HC (7)
が成立する。
Ca不足で分泌されるPTHは骨溶解(骨吸収)を引き起こし、その際、骨から血清へリンがリン酸イオンとして放出される。このリン酸イオン(HPO4 2−)の増加は、PTHによる腎再吸収(近接尿細管細胞のNa+−HPO4 2−共輸送)の抑制効果を超えると考えられる。それゆえ、Ca不足が血清中のリン酸イオンを増加させ、細胞のリン酸イオンチャンネルが閉じると思われる。
[P]H={2[P]CI}1/2 (8)
Srは同族元素のCaと類似の挙動を示す。[Sr]S=[Sr]P+[Sr]Iで[Sr]P〜[Sr]Iである。健常人では血清[Sr]Sは毛髪[Sr]Hの2倍であることが確かめられている。すなわち、CaイオンチャンネルがSrイオンの通路としても働き、チャンネルが閉じているとき、下記式の関係が成立する。
[Sr]HC=[Sr]P (9)
log[Ca]=log[Sr] (10)
[Sr]HC=[Sr]P=[Ca]P=[Ca]HC (11)
[Sr]HO=(1/2){[Sr]P+[Sr]I}2 (12)
が成り立つことが分かる。すなわち、全血清濃度[Sr]Sが毛髪濃度に貢献する。式(12)は、細胞内のSr原子は全部イオンとして存在することを示唆している。さらに、毛髪に沿って走査して分析すると、低値から高値への遷移において[Sr]Hの立ち上がりが[Ca]Hより遅れることが分かった。このことは、SrイオンはCaイオンチャンネルを通過しにくいことを示唆している。この性質によって、[Sr]HはCaの高低の2値間の遷移に追従できず、その様子が図3のDE型のIII−9、IV−6、IV−7、VI−1、VII−5、VII−8で見られる。また、高値[Sr]HO=200は、Caイオンチャンネルが開閉している状態が長期に続くLD型(V−3、V−4、VI−4、VII−7)で観察される。
血清は、ClとBrを、蛋白質分子に原子として、液体にイオンとして含む。
[Cl]S=[Cl]P+[Cl]I
[Br]S=[Br]P+[Br]I
log[Cl]=log[Br] (13)
高値[Cl]HO=[Br]HO=22は、Clイオンチャンネルが開閉を反復している状態に対応しており、チャンネルを通じて細胞内イオン濃度は血清イオン濃度[Cl]I=[Br]I=250と等しくなると考える。[Cl]HOと[Cl]S〜[Cl]I([Br]HOと[Br]S〜[Br]I)の比較から次式の関係を得る。
[Cl]HO 2=2[Cl]I (14)
[Cl]HO={2[Cl]I}1/2 (15)
血清蛋白質だけがHM細胞に取り込まれ、式(5)により次式を得る。
[Cl]HC=[Cl]P=[Br]P=[Br]HC (16)
DA型のアシドーシスは、尿細管細胞のH+/Na+交換分子の作用を阻害するPTHによる。その結果、血清のH+濃度が増加し、血清電気的中性を保つためにCl−濃度が増加する。
低い[Cl]H(=[Cl]P)の値が図5の何人かの被験者で見られる。これらは[Ca]H=50のLD型のV−3、V−4、VI−4、VII−7、LD型の終端に現れるDE型(“DE←LD”、5.2項参照)のIII−1、IV−6、IV−7、VI−5、VI−6、VII−5、VII−8、N1、及び、癌患者のRC1〜RC3である。すなわち、低い値の[Cl]H<<10はCaイオンチャンネル開と関連している。赤血球へのCaの流入は血清pHを正常に保つ「塩素移動」を劣化させる。言い換えると、LD型の長期に続くチャンネル開閉が血清のCl濃度を低下させ、アルカローシスになる(図11の癌の効果も参照)。
血清Kはイオンであり、[K]S=[K]I、[K]P=0である。全身のKの98%は細胞内に存在する。これに対してNaは主に細胞外に存在し、細胞外のNa+濃度は細胞内のK+濃度とほぼ等しい。細胞はNa+を汲み出し、同時にK+を汲み入れる分子ポンプNa+/K+−ATPaseを持っている。また、細胞膜にはNa+チャンネルとK+チャンネルがある。XFAはNaに対する感度が低いので、Kの濃度だけが測定された。
硫黄Sは主として硫黄を含むアミノ酸、メチオニンとシステインによって摂取される。非常に高い毛髪硫黄濃度が標準として報告されている。しかしながら、毛髪の[S]Hは、チャンネルの開閉に対応する二つのレベルを持つことが見出された。ただし、イオンSO4 2−に対するチャンネルの存在は、まだ報告されていない。
[S]HC=[S]P (17)
[S]HO=(1/2)[S]I 2 (18)
EE型とDA型はCaチャンネル閉を保つ。ここではチャンネルの開閉を伴うDE型とLD型の元素濃度の時間変化について述べる。
図2〜6の被験者N2はDE型の一例である。毛根から先端まで分析すると、[Ca]H=7〜9で、[Cl]H=[Br]H=38のDA型が長期に続いていて最後に現れたDE型であることが分かった。そこで励起X線ビーム幅を50μmに集束して毛髪の軸方向に毛根部を50μmの間隔で測定した結果を図7に示す。[Ca]Hは大きくゆらぐが、[Sr]Hは4.4項に記したようにそのゆらぎに追従できない。観察結果から、血清のPTH濃度は、Caチャンネルを開閉させる程度には高いが、[Ca]Hが高値になるまでに細胞内Caを堆積させるほど高くないことが示される。[Ca]Hの挙動とは対照的に、[K]Hは正常高値[K]H〜300に維持されている。一方、[S]Hは大きく変動する。そして[P]Hは高値を持つ。この観察から[K]Hは[S]Hよりは正常になりやすく、[P]Hは最も正常になりにくいことが分かる。[Cl]H=[Br]H=10が図7のほぼ全域で見られる。DE型は正常に近い状態であり、[Cl]H=[Br]H>22のDA型とは異質である。DE型では血清のPTH濃度が高く、Caチャンネルを開閉して、Ca不足に対して細胞内Caイオン濃度を調整している。この調整により細胞機能が正常化すると考えられる。
LD型は慢性のCa不足によって長期にわたってCaチャンネルの開閉が続くCa代謝異常である。長い毛髪試料を使ったX線蛍光分析はLD型の全プロセスを明らかにできる。
log[Sr]HO−log[Ca]HO=2log{1+[Sr]P/[Sr]I}
=log4 (19)
乳癌では石灰化病変がX線マンモグラフィで検出される。それゆえ、患者からの毛髪は癌によるCa代謝の異常を示すはずである。図10は13人の乳癌患者の毛髪に対するX線蛍光分析の結果である。癌が発見されたときには、通常、毛根は[Ca]Hの低値を示し、その[Ca]Hは毛根からの距離とともに増加し、高値に達する。つまり、癌はCaイオンチャンネルが開いた[Ca]Hの高値の時期で発生し、癌の成長とともに[Ca]Hは低値に向かってゆっくり減少する。[Ca]Hの値が高値に近ければ近いほど癌はより早期である。“CP9”と印した患者は定期検診で見つかった早期癌で、毛根では高低2値の中間の[Ca]Hになっている。図10の観察結果はLD型からの癌発生を示す。図8のLD型と比較すると、癌患者の毛髪は多様な[Ca]Hの減衰曲線を示す。
リンパ節に再発した癌の全プロセスを観察できる長くて染めていない毛髪がたまたま得られた。図11に示すように、[Sr]H、[Ca]H、[Cu]H、[Cl]H、[Br]Hの値を毛髪一本に沿って測定した。毛髪の先端では[S]H<200のDE型で、毛髪[Sr]H、[Ca]Hは低値から高値へと急上昇している。それに伴って[Cu]Hも上昇する。それからLD型のCa高値[Ca]H=50が2ヶ月間続き、さらにわずかに低い[Ca]Hが少し変動しながら8カ月間つづく。この期間を便宜上「疑似LD型」と名付けておく。その後にLD型とは異なる[Ca]Hと[Cu]Hとが平行する減衰が続く。つぎに、中間値のCaレベルの長い平坦域が約12カ月もつづいてから、[Ca]Hはさらに低値へと減少する。
上述のアルカローシスの例(図11)では、全プロセスにわたって[Br]H=10の独立型なので塩素移動の機能を観察することができた。図12では、補償型アルカローシスの典型的な例を35歳の患者で見ることにする。毛髪先端部は染めていて情報が得られないが、多分、[Ca]H=50と[Sr]H=200の継続期間は数カ月以下と思われる。[Ca]H高値の終点付近で、癌が発生して、[Ca]Hと[Sr]Hの急降下がSr/Ca比、[Sr]H/[Ca]H=4で始まり、毛根近くで[Sr]H/[Ca]H〜1.1に減少している。癌成長が速くて[Ca]H=50から[Ca]H=10までわずか5カ月で降下している。[Br]Hの値はその高値([Br]H=22)を超えて癌の成長とともに急上昇している。これに対して[Cl]Hはノイズレベル[Cl]H〜1にとどまり、[Cl]H<10<[Br]Hの補償型アルカローシスになっている。毛根近くで[Cl]Hは急増して[Cl]H=10に近づき、[Br]Hは[Br]H=280に達し、血清の正常値[Cl]Sの約2%を補償している計算になる。癌の効果でアルカローシスは毛根近くで改善し、補償型なので[Cl]H+[Br]Hの和が増加する。この結果は補償型では、4.5項で述べたように、Brも赤血球の細胞膜を越えて移動し、塩素移動に参加していることを実証している。手術で癌を除去した後、毛根で[Br]H=10に回復しているが、塩素は、なお、[Cl]H=2〜3の低いレベルにとどまっている。
[Ca]H=[Ca]HCx+[Ca]HO(1−x) (20)
そして
[Sr]H=[Sr]HCx+[Sr]HO(1−x) (21)
([Sr]H−[Sr]HC)/([Ca]H−[Ca]HC)
=([Sr]HO−[Sr]HC)/([Ca]HO−[Ca]HC) (22)
を得る。この式は[Sr]HC=0、[Ca]HC=0と置くとLD型の式(19)になるが、[Sr]HCと[Ca]HCは決して0にならない標準値であり、毛髪に記録されている癌のプロセスは本質的にLD型と異なる。癌の減衰曲線はCaチャンネルの開と閉の細胞数の比で決まり、xの値は癌の成長の評価に用いることができる。これに対してLD型は血清[PTH]の減少のプロセスである。LD型と癌との識別は、減衰曲線が式(19)に従うか式(22)に従うかで判定できる。
図13に示すように、対数スケールで減衰曲線が直線になる理想的な例に46歳の患者の毛髪分析で遭遇した。毛髪の先端の“DE”と印した部分は、[S]H<200のDE型で、[Ca]Hと[Sr]Hの低値から高値への遷移が起こっている。この時点では癌はまだ発生していない。約4カ月間[Ca]H=50の高値が続く。その間に癌が発生し、その成長とともに[Ca]Hと[Sr]Hは直線で近似できるようなほぼ一定の勾配で減衰する。明らかに[Sr]Hと[Ca]Hの間には式(22)が成立している。
図13のプロセスは[Ca]H([Sr]H)の直線減衰として数式化できる。まず、PTHとPTHrPの共通の受容体へのそれぞれの滞在時間τOとτCを導入する。PTHとPTHrPのアミノ酸終端部は類似の構造を持っており、受容体を通して細胞には同じように作用をすると考えられる。PTHまたはPTHrPがCaチャンネルを開閉させる受容体に結合するたびに細胞にCa2+のパルス流入が起こる。それゆえ、頻繁なチャンネルの開閉が細胞内[Ca2+]を血清イオン濃度まで高める。そのプロセスではPTHによるチャンネルの開閉しているCa高値からスタートする。それからPTHrPが癌発生によって加わる。血清に[PTH]と[PTHrP]の濃度で両ホルモンが共存するとき、一つの受容体がPTHとPTHrPによって占められる確率はそれぞれτO[PTH]/(τO[PTH]+τC[PTHrP])とτC[PTHrP]/(τO[PTH]+τC[PTHrP])となる。PTHrPの滞在時間は、PTHの頻繁な刺激によって高値[Ca]H=50に達するCaの堆積に要する時間よりも長いと考えて、次式を得る。
(τC[PTHrP])/(τO[PTH])=x/(1−x) (23)
1/τ= Aexp(−E/kT),
ここでkはボルツマン常数で、Tは温度である。PTHとPTHrP分子は共通の受容体と類似の構造で結びつくので、ほぼ等しい結合エネルギーEを持つ。それゆえ、滞在時間の大きな差は分子の長さに強く依存する振動項Aの差による。実際、PTHは[Ca]Sの変化に素早く対応するために滞在時間が短くなければならないので、PTHrPとの差は理屈に合っている。
式(23)を使って式(20)を書き直すと、
[Ca]H=[Ca]P+{(1/2)[Ca]I 2−[Ca]P}τO[PTH]/(τO[PTH]+τC[PTHrP]) (24)
τO[PTH]/(τO[PTH]+τC[PTHrP])=exp(−γt)
と書ける。ここでγは減衰直線の勾配であり、tは図13に示すように癌がPTHrPの分泌を始めた時点からの時間である。この式を次のように書き直す。
(τC[PTHrP])/(τO[PTH])=exp(−γt)−1 (25)
最後に、血清中のPTH(PTHrP)と血清と毛髪の元素濃度との関係を図14に要約して示した。図の左上の血液からスタートすると、血清[Ca]の増加で甲状腺からカルシトニンが分泌され、これがCaとPを骨に預けるように作用する。Ca不足で血清[Ca]が低下すると、副甲状腺ホルモンPTHが分泌されて、CaとPを骨から血清へ移動させる。PTHは血液に乗って全身に循環し、細胞のCaイオンチャンネルを開かせ、Caの流入で細胞を溢れさせ、毛髪Caは高値[Ca]H=50を示す(正常値は[Ca]H=10)。このCaの流入は有害で、肝細胞では過剰の金属を排泄する機能が劣化し、赤血球では塩素移動の機能が劣化する。癌は細胞にCaが溢れた状態において形成される。癌細胞は副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)を分泌し、それがPTH/PTHrP共通の受容体に入り、その滞在時間がPTHより遙かに長く、受容体上のPTHの数を減らす。PTHとPTHrPは同じ作用だが、受容体に結合した瞬間にだけCaチャンネルを通してCaイオンの細胞への流入が起こるので、受容体に滞在する時間が150倍長いPTHrPの増加はチャンネルが閉じた細胞数を増やし[Ca]Hと[Sr]Hを減衰させ、[Sr]H/[Ca]H<4となる。それゆえ、Caの流入による細胞機能の劣化が[PTHrP]の増加とともに改善する。PTHとPTHrPの両方とも腎臓の尿細管細胞の共通の受容体に結合して、Na+−負イオン共同輸送を阻害して[S]H=200の高値にし、Na+/H+交換分子を阻害して[K]Hを著しく低下させる。骨吸収はPTHと同様に、PTHrPによっても起こり、[P]Sを増加させ、[P]Hが最高値[P]H≧10に達している。癌の早期ではPTHrPが希薄なので、滞在時間が長いことによる効果が、[Ca]Hの減衰プロセスで見たように、顕著に現れる。
2010年12月の毛髪分析実験で大気汚染微粒子によるとしか考えられない毛髪の元素濃度の異変を検出した。とくに、黄砂は中国奥地の草原の砂漠化で急増し、その成分は珪素Siが24−30%、カルシウムCaが7−12%、アルミニウムAlが7%、鉄Feが4−6%、カリウムKが2−3%、マグネシウムMgが3%で、他に、微量のマンガンMn、チタンTi、リンPなどを含む。また、Caと硫黄Sを多く含むという報告もある。
る。
癌の全プロセスが一本の毛髪に沿って種々の元素の濃度異常として記憶されている。この記録を読み出すために毛髪の太さに左右されない精密分析法を開発した。細胞膜にイオンチャンネルとポンプを持っている元素にはチャンネルの開閉とポンプとに関連した高低の2値の毛髪濃度があることが分かった。毛髪元素量は毛髪を作る毛根部の細胞への元素の流入量と等しくならねばならない。この法則によって毛髪の[Ca]、[P]、[Sr]、[Cl]、[Br]、[K]、[S]の各元素濃度の高低2値を血清の恒常値の元素濃度から算出できる。癌患者の毛髪には毛根から先端まで記録が残っていて、癌はいつも長期に続くチャンネル開による毛髪[Ca]の高値において発生し、癌の成長とともに毛髪濃度はゆっくり低値(正常値)に向かって減少する。この毛髪[Ca]の減衰は血清中の[PTHrP]/[PTH]濃度比と細胞の共通の受容体上の滞在時間の比τC/τO(=150)の関数として数式で表せる。その式から血清中の[PTHrP]濃度は癌によるPTHrP分泌の開始からの累積値であること、つまり血清[PTHrP]は癌細胞の総数に比例する。このような現象論的アプローチは、大規模の疫学的研究がなくても、毛髪診断の信頼性を高めると考えられる。
(1)肝細胞へのCaの流入は過剰の金属を胆汁として排泄する肝機能を劣化させ、すべての細胞に過剰の金属が流入し、堆積される。
(2)赤血球へのCaイオンの流入は塩素移動を劣化させ、全細胞内でCl不足のアルカローシスになる。
Claims (2)
- 元素AがCa、Sr、P、Cl、Br、S、K、Fe、Cu及びZnから選ばれる元素で、
[A]sが乾燥血清又は乾燥血漿の単位質量あたりの元素Aの濃度の標準値で、
[A]Hが毛髪における、元素Aの毛髪の単位質量当たりの濃度であり、
[A]HOが、元素Aのイオン又は元素Aを含む化合物イオンが細胞膜を通過する通路が存在するときに、その通路を元素Aのイオン又は元素Aを含む化合物イオンが通過する状態に対応する[A]Hの標準値で、
[A]HCが、元素Aのイオン又は元素Aを含む化合物イオンが細胞膜を通過する通路が存在するときに、その通路が閉じている状態に対応する[A]Hの標準値、又は、前記通路が存在しない元素Aの[A]Hの標準値であるとき、
各元素の[A]S、[A]HC、[A]HOに対する下記表に記載の相対濃度値を用いて得られる[A]HO/[A]S及び[A]HC/[A]Sの比によって[A]Sから求められる[A]HC及び[A]HOを、[A]Hと比較する、毛髪の分析法。
- 元素AがCaとSrで、[A] H が[Ca] H と[Sr] H で、[A]HC が[Ca]HCと[Sr]HCで、[A]HO が[Ca]HOと[Sr]HOである場合、[Ca]Hと[Sr]Hを測定して、
[Ca]H/[Ca]HC=[Sr]H/[Sr]HC
のとき、細胞膜のCaイオンの通路が閉じていると判定し、
[Ca] HC <[Ca] H <[Ca] HO の範囲で、式
[Sr]H/[Ca]H=[Sr]HO/[Ca]HO
が成立するとき、細胞膜のCaイオンの通路をCaイオンが通過し細胞に流入する状態がつづいていると判定し、
[Ca] HC <[Ca] H <[Ca] HO の範囲で、
[Sr]H/[Ca]H<[Sr]HO/[Ca]HO
のときには副甲状腺ホルモン関連ペプチドPTHrPが被験者の血液中に存在している可能性があると判定する、請求項1に記載の毛髪の分析法。
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