(実施形態1)以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機を前面側から見た斜視図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠12には、遊技盤30の前面を覆う透明部材(カバーガラス)14を保持する透明部材保持枠15が取り付けられている。
また、透明部材保持枠15の上部には、内部にランプ等を内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、透明部材保持枠15の左右には、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ19a、19a、19bや、内部にランプ等を内蔵し装飾等のための発光をする装飾装置18、18が設けられている。
前面枠12の下部には、遊技盤に遊技球を発射する発射装置171(図3参照)に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。また、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技装置にあっては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置(図2参照)における変動表示ゲームにおいて、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方の透明部材保持枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28等が設けられている。
図2は、本発明を適用した一実施形態の遊技機に設けられる遊技盤の構成を示す正面図である。
本実施形態の遊技機10(図1参照)の前面枠12(図1参照)の表側に形成された収納部(図示省略)に遊技球が流下する遊技領域32を前面に備えた遊技盤30が収納されている。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
遊技盤30の前面には、図示しない発射装置により発射された遊技球(打球;遊技媒体)を上方へ誘導するガイドレール31で囲まれた遊技領域32が形成されており、遊技領域32の略中央には、複数の識別情報(識別図柄)を変動表示する特図変動表示ゲームを実行可能な可変表示装置41(図示省略)を有するセンターケース40が取り付けられている。この可変表示装置41は、例えば、カラー液晶ディスプレイにより構成されるが、有機EL、CRT等のディスプレイにより構成されるものであっても良い。
センターケース40の下方には、可変表示装置における変動表示ゲーム(特図1ゲーム)の開始条件を与える第1始動入賞口36が配置され、この第1始動入賞口36の下方には、通常は閉状態にされて遊技球を受け入れ不能で内部に変動表示ゲーム(特図2ゲーム)の開始条件を与える第2始動入賞口37を有する左右に開閉可能な開閉部材を備えた普通変動入賞装置37bが配設されている。さらに、普通変動入賞装置37bの下方には可変表示装置における第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームの結果に応じて前後に開閉して遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な開閉扉を有するアタッカー形式の大入賞口装置(以下、単に大入賞口と称する)38が配設されている。
また、遊技領域32内の前記可変表示装置の左方には普図変動表示ゲーム(普図ゲーム)の開始条件を与える普図始動ゲート34、普図始動ゲート34の下方には複数の一般入賞口35が設けられ、遊技領域32の下部には入賞口に入賞しなかった遊技球を回収するアウト穴39が配設されている。さらに、図示しないが、遊技領域32内には、打球方向変換部材としての風車、多数の障害釘などが設けられている。さらに、遊技領域32の外側、遊技盤30の右下隅には上記可変表示装置における第1特図変動表示ゲームや第2特図表示ゲームに対応した変動表示ゲームおよび普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、セグメント型の液晶表示器等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)52および第2特図変動表示部(特図2表示器)51と、上下2つのLEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の普図変動表示部(普図表示器)53と、同じく上下2つのLEDランプで構成された大当りや時短状態などの発生を報知する遊技状態表示部(図示省略)とを備える。また、図示しないが、一括表示装置50には、上下2つのLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部も設けられている。
上記普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触センサなどからなるゲートスイッチ(ゲートSW)である普図始動SW34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、普図始動SW34aにより検出されて普図変動表示部53にて普図変動表示ゲームが行われる。また、既に普図変動表示ゲームが行われている状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37bが開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が1加算されて記憶される。普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)としての当たりを示すLEDと、普通識別情報としてのはずれを示すLEDとから構成され、二つのLEDを交互に点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、何れか一方のLEDを点灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37bの駆動手段としてのソレノイド(普電SOL)90(図3参照)によって開閉部材が所定時間(例えば、0.5秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37bの第2始動入賞口37に遊技球が入賞しやすくなり、第2特図変動表示ゲームの所定時間内の実行回数が増加する。
第1始動入賞口36の内部には第1始動口スイッチ(特図1始動口SW)36aが設けられ、この特図1始動口SW36aによって遊技球が検出されたことに基づき、第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。また、普通変動入賞装置37bの内部には第2始動口スイッチ(特図2始動口SW)37aが設けられ、この特図2始動口SW37aによって遊技球が検出されたことに基づき、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利が発生するようになっている。
さらに、上記第1特図変動表示ゲームを開始する始動権利は、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第1始動記憶(特図1始動記憶、特図1保留数)として記憶される。そして、この第1始動記憶の数は、特図1記憶表示器に表示される。また、第2特図変動表示ゲームを開始する始動権利も、所定の上限数(例えば4)の範囲内で第2始動記憶(特図2始動記憶、特図2保留数)として記憶される。そして、この第2始動記憶の数は、特図2記憶表示器にて表示される。なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
第1特図変動表示ゲーム、第2特図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた特図表示器52,51で実行されるようになっており、複数の特別識別情報(特図、特別図柄)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、可変表示装置41にて、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。従って、特図表示器52,51、可変表示装置41が変動表示ゲームを表示する変動表示装置をなす。
そして、上記特図変動表示ゲームの結果として、特図表示器52,51の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって大入賞口38が開成される特別遊技状態(いわゆる、大当り遊技状態)が発生する。また、特図表示器52または51の表示態様に対応して可変表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。なお、可変表示装置41は、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良い。また、遊技機に特図表示器52,51を備えずに、可変表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。第2始動記憶は第1始動記憶よりも優先的に消化され、第2始動記憶がある場合は、第1始動記憶があっても第2特図変動表示ゲームが実行されるようにしても良い。
また、特図変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となり、特別遊技状態が発生した場合には、大入賞口38の開閉パネルが駆動装置としてのソレノイド(大入賞口SOL)38により大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換される。大入賞口の内部には入賞球を検出するスイッチ(カウントSW)38aが配設されている。そして、遊技を開始することにより遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が、第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37b、大入賞口38、一般入賞口35等の入賞口の何れかに入賞すると、それぞれの入賞口に対応した所定数の賞球が払出制御装置210(図3に図示)によって払い出されるようになっている。
図3は、本発明を適用した一実施形態の遊技機の制御系統を説明するためのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技用マイコン101(遊技用マイクロコンピュータ)、入力I/F(Interface)105、出力I/F(Interface)106及びリセット回路107を備える。上記遊技用マイコン101は、CPU102、ROM(Read Only Memory)103及びRAM(Random Access Memory)104を備える。
CPU102は、遊技を統括的に制御する主制御装置であって、遊技制御を司る。ROM103は、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ等)を記憶している。RAM104は、遊技制御時にCPUの作業領域を提供するワークエリアとして利用される。
遊技制御装置100には、遊技用マイコン101の外付け回路としてリセット回路107(第1リセット信号出力手段)が設けられており、リセット回路107は、電源装置から供給される電源のうちDC5Vを監視して当該DC5V電源電圧が所定の値以下になったことを検出するとリセット信号を遊技用マイコン101のRST端子に対して出力する(図4参照)。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
図3には図示を省略したが、遊技用マイコン101には内部バスにつながる周辺回路としてシリアル送受信回路、暗号化送受信回路(暗号通信手段)、乱数生成回路が備えられており(図4参照)、遊技制御装置100の遊技用マイコン101と、払出制御装置210の遊技用マイコン211との間で相互認証のための通信を行う(図5参照)。
また、遊技制御装置100は外部情報端子108に接続されており、遊技機10に関する情報を、外部情報端子108を介して、遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に出力する。
遊技制御装置100には、各種検出装置(特図始動スイッチ36a,37b、普図始動スイッチ34a、カウントスイッチ38a、一般入賞口スイッチ32a〜32n、オーバーフロースイッチ109、枠開放スイッチ111及び球切れスイッチ110)からの検出信号が入力される。オーバーフロースイッチ109は、下皿23に遊技球が所定数以上貯留されていることを検出する。枠開放スイッチ111は、前面枠12が開いたことを検出する。球切れスイッチ110は、球貯留ユニット(図示省略)に配設され、球貯留ユニットに貯留される遊技球が所定数以下になることを検出する。これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)が設けられている。近接I/Fは、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。この近接I/F回路の必要のために、遊技制御装置には5V電源のほかに12V電源も供給されている。
遊技制御装置100に入力された上記各種検出装置からの検出信号は、入力I/F105を介してCPU102に入力され、CPU102はこれらの信号に基づいて大当り抽選等、種々の処理を行う。また、CPU102は、出力I/F106を介して、普図表示器53、特図表示器52、51、普電SOL(ソレノイド)90、大入賞口SOL(ソレノイド)38、払出制御装置210及び演出制御装置150に指令信号を送信して、遊技を統括的に制御する。
さらに、遊技制御装置100の遊技用マイコン101(図3参照)は、球払出ユニット(図示せず)の払出モータ220を制御する払出制御装置210へ払出し指令信号を送信するとともに、演出制御装置150へ、変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として送信する。また、遊技制御装置100の遊技用マイコン101(CPU102)は、出力I/F106を介して発射制御装置170に発射許可信号を出力する。
ここで、発射許可信号は、遊技球の発射を許可する信号である。また、発射禁止信号は、遊技球の発射を禁止する信号である。本実施形態にあっては、発射許可信号がONの状態のときに発射許可を意味し、発射許可信号がOFFの状態のときに発射禁止を意味するものとする。発射制御装置170は、発射装置171の動作を制御する。したがって、遊技制御装置100の遊技用マイコン101は、この発射許可信号により発射装置を制御可能に構成されている。
次に、演出制御装置150及び払出制御装置210について説明する。
演出制御装置150は、遊技制御装置100から入力される各種信号に基づいて、エラー報知LED17、スピーカ30及び遊技の進行に対応させて演出画像が表示される表示装置41を制御する。演出制御装置150は、遊技用マイコン101、211と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)と、該1stCPUの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)と、該2ndCPU412からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSIを備えており、遊技制御装置100の遊技用マイコン(遊技用マイクロコンピュータ)からの制御指令に基づいて表示装置における表示を制御する。
また、演出制御装置150には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)が設けられている。このコマンドI/Fを介して、遊技制御装置100から演出制御装置150へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン101はDC5Vで動作し、演出制御装置150の主制御用マイコン(1stCPU)はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/Fには信号のレベル変換の機能が設けられている。
払出制御装置(賞価値付与制御装置)210は、遊技制御装置100からの賞球払出し指令信号に従って、払出ユニットの払出モータ220を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置210は、カードユニット70からの貸球要求信号に基づいて遊技制御装置100から送信される払出指令信号に従って、払出ユニットの払出モータ220を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
払出制御装置210は、遊技用マイコン211、入力I/F(Interface)215、出力I/F(Interface)216及びリセット回路219を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置210は、カードユニット70からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。遊技用マイコン211は、CPU212、ROM213及びRAM214を備える。リセット回路219は、リセット回路107と同様に機能し、電源装置160から供給される電源のうちDC5Vを監視して当該DC5V電源電圧が所定の値以下になったことを検出するとリセット信号を遊技用マイコン212のRST端子(図4参照)に対して出力する。
CPU212は、払い出しを統括的に制御する制御装置であって、払出制御を司る。ROM213は、払出制御のための不変の情報(プログラム、データ等)を記憶している。RAM214は、払出制御時にワークエリアとして利用される。
CPU212には、入力I/F215を介して払出ユニット内の払出球検出スイッチ112、オーバーフロースイッチ109、球切れスイッチ110、エラー解除スイッチ223、税率設定スイッチ226、貸出料金設定スイッチ227からの信号が入力される。また、CPU211は、出力I/F216を介して、払出ユニット内の払出モータ220、エラーナンバー表示器222、税率表示器224、貸出料金表示器225への駆動信号を出力する。また、払出制御装置210のCPU212は、出力I/F216を介して発射制御装置170へ発射許可信号を出力する。発射制御装置170は、遊技制御装置からの発射許可信号と払出制御装置210からの発射許可信号とが双方とも発射許可を意味する信号であるときに、発射装置171が遊技球を遊技領域32内に発射するように制御する。
エラー解除スイッチ223は、払出制御装置210にエラーが発生した場合に、遊技店の店員等が発生したエラーの原因を解消した際に、遊技店の店員等によって操作され、エラー状態を解除するためのスイッチである。エラーナンバー表示器222は、払出制御装置210の裏面側に配設され、払出制御装置210で発生したエラーの種類を特定可能に表示する。
遊技制御装置100、演出制御装置150、及び払出制御装置210は、電源装置(電源供給装置)160に接続される。電源装置160は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有し、DC32V、DC15V、DC12V、DC5Vの電源を遊技制御装置100、演出制御装置150及び払出制御装置210に供給する。電源装置160は、バックアップ電源161、RAMクリアスイッチ162、停電検出回路169を備える。バックアップ電源161は、停電時においても、遊技制御装置100、演出制御装置150、及び払出制御装置210(の内部のRAMに対して)電源を供給する(演出制御装置150には供給しなくてもよい)。
RAMクリアスイッチ162は、遊技制御装置100内のRAM及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化するスイッチである。初期化スイッチ信号はRAMクリアスイッチ162がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン101内のRAM104及び遊技用マイコン211内のRAM214に記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電検出信号は遊技用マイコン101が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。
停電検出回路169は、電源装置で生成されたDC32Vの電圧を監視し、所定の電圧(例えば17V)以下に低下することを検出して停電検出信号を変化させて、遊技制御装置100、演出制御装置150、払出制御装置210に出力する。本実施形態では、正常の電圧である場合にONの信号を出力し続け、停電が発生したことを検出するとOFFの信号に変化させ、停電から復帰するとONの信号を出力する(図20,21,25参照)。
上記バックアップ電源161は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン101のRAM104及び払出制御装置の遊技用マイコン211のRAM214に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。
遊技機10に設けられている球貸ボタン27が操作されると、カードユニット70は、プリペイドカード又は会員カード等のカードに記憶されている有価価値から貸し出される遊技球分の有価価値を減算して、減算された有価価値の値を遊技機10の残高表示部29に表示する。また、遊技機10に設けられている排出ボタン28が操作されると、カードユニット70は、カード挿入口に挿入されているカードを排出する。
図4は、上記遊技制御装置100(払出制御装置210)を構成する遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン:アミューズチップ:遊技用演算処理装置)101(211)のより具体的な構成を示すブロック図である。この遊技用マイクロコンピュータ600は、CPUコア601、ROM602、RAM604などを有し、乱数生成回路608、シリアル送受信回路631、暗号化送受信回路632、リセット割込制御回路(ウォッチドッグタイマWDTを含む)610、クロックジェネレータ(カウンタクロックタイマCTCを含む)609などをその内部バス(CPUバス)につながる周辺回路として内蔵するワンチップマイコンとして構成される。
この実施例の遊技用マイクロコンピュータ600は、遊技制御を行う遊技ブロック600Aと情報管理を行う管理ブロック600Bとに区分され、以下に説明する各回路ブロックを構成する素子が1つ半導体基板上に半導体集積回路(アミューズメントチップ、アミューズチップ)として形成されている。
遊技ブロック600Aは、CPUコア601、ユーザープログラムROM602、ユーザーワークRAM604、外部バスインターフェース606、バス切換え回路607、復号化・ROM書込み回路614、ミラードRAM605、ブートブロック613、リセット割込み制御回路610、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、クロックジェネレータ609、乱数生成回路608及びHWパラメータROM603などの機能ブロックを含む。これらの機能ブロックおよび管理ブロック600B間は、CPUバス615によって接続されている。
CPUコア601は、各種のレジスタ群、演算・論理部(ALU)、命令レジスタ(IR)、デコーダ、プログラムカウンタ(PC)、スタックポインタ(SP)、これらを結ぶデータバス、アドレスバス及び各種制御部をコア内に含み、例えば、Z80アーキテクチャで構成される。CPUコア601は、ユーザープログラムROM602に格納されている遊技制御プログラムをロードして実行することによって、遊技機10の制御に必要な各種機能をソフト的に実現する。
ユーザーワークRAM604は、CPUコア601の主記憶に相当し、例えば、S−RAM等の高速半導体デバイスで構成される。また、ユーザーワークRAM604は、遊技ブロック600Aにおける遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられる。なお、ユーザーワークRAM604は、遊技用マイクロコンピュータ600の端子群の一つに割り当てられた専用の端子を用いてバッテリバックアップ機能を付与できるようになっており、遊技機10の電源オフ後もその記憶内容を保持する。また、ユーザーワークRAM604は、そのチップイネーブルの禁止及び許可が、図示しないプロテクト回路によってコントロールされるようになっており、チップイネーブルの禁止状態中(遊技機10への電源非供給時)は読み出しおよび書き込みのいずれも行うことができない。
外部バスインターフェース606は、外部デバイスとの間で、メモリリクエスト信号、入出力リクエスト信号、メモリ書込信号又はメモリ読出信号及びモード信号等の各種信号の入出力制御を行うための回路である。バス切換え回路607は、図示しない外部バスとチップ内部の上記CPUバス615との間で、アドレス信号およびデータ信号の入出力を可能にするためバスの切換えを行う回路である。例えば、メモリリクエスト信号MREQ又は入出力リクエスト信号IORQをアクティブにした状態でメモリ書込み信号WRをアクティブにすると、所定の外部I/Oに外部データ信号を書き込むことができ、メモリ読出し信号RDをアクティブにすると、所定の外部I/Oから外部データ信号を取り込むことができるようになる。
復号化・ROM書込み回路614は、暗号化されて送られて来たデータを復号したり電気的に書込み可能なユーザープログラムROM602やHWパラメータROM603の書込みに必要な電圧を生成したりタイミングを制御したりする回路である。例えば、モード信号MODEをアクティブにした状態で、外部アドレス信号を順次インクリメントしながら外部データ信号を外から与えると、ユーザープログラムROM602への書込モードとなって遊技機の製造メーカ又は第三者機関による遊技プログラムの書き込みが可能になる。ただし、ユーザープログラムROM602への遊技プログラムの書き込みが終了後に、後述のHWパラメータROM603の所定領域に書込終了コードを記録すると、それ以降はユーザープログラムROM602への遊技プログラムの書き込みができないようになる。モード信号MODEが[H]レベルになっている間、バス切り換え回路607を介してアドレス信号A0〜A15やデータ信号D0〜D7を取り込み、そのデータ信号D0〜D7に含まれる情報(暗号化されたプログラム及び暗号化された変更後の固有ID)を復号化処理した後、バス615を介してユーザープログラムROM602及びHWパラメータROM603に出力する(書き込む)ものである。
バス615はデータバス、アドレスバス及び制御バスを含むものであり、バス615には管理ブロック600Bも接続されている。
ミラードRAM605は、クロックの立ち下がり時にユーザーワークエリアに記憶された情報を複製した情報を記憶する(CPUコアがZ80の場合には、クロックの立ち上がり時に処理を実行するため、同期して動くことがないようにしている)。
リセット割込制御回路610は、外部からの割込み要求信号に応答してCPUコア601に対して割込み要求を行ったり、チップ内部の回路(例えば乱数生成回路)に対して制御信号を送ったり、外部から入力されるリセット信号に応答してCPUコア601をシステムリセットするとともに、遊技用マイクロコンピュータ600の内部の各種リソースを初期状態に設定する信号を生成する回路である。また、リセット割込制御回路610は、ウォッチドッグタイマ(WDT)を含んでいる。リセット割込み制御回路610は、図3のリセット回路107,219からの信号を受け取るRST端子を有している(図4参照)。
ブートブロック613は、ブートプログラムを格納するROMを備え、遊技用マイクロコンピュータ600のシステムリセット時にこのブートプログラムが立ち上がって、所定の簡易チェックを行う。そして、ブートROMが正常であれば、プロテクト設定処理を実行した後、遊技プログラムの所定アドレス(CPU601のアドレス空間内における所定アドレス(一般に当該アドレス空間の先頭番地0000h))に処理を渡す。
アドレスデコーダ611は、CPUバス615のアドレス情報をデコードして、そのデコード結果に応じて、出力制御回路612を制御する。内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。
出力制御回路612はアドレスデコーダ611からの信号制御を行って外部端子より8ビットのチップセレクト信号(CS0〜CS7)を外部に出力する。
クロックジェネレータ609は、外部から供給されるシステムクロックMCLKと乱数用のクロックEXCLKに基づいて、CPUコア601を含む遊技用マイクロコンピュータ600内の各ブロックに供給する動作クロックとカウンタ用のクロックを生成する。クロックジェネレータ609は、カウンタタイマサーキット(CTC)を含んでいる。
乱数生成回路608は、大当りの判定等に使用される乱数を生成する回路であり、数学的手法(例えば、合同法あるいはM系列法等)を利用して一様性乱数を生成するほか、カウンタ方式で乱数を生成する機能を有している。この実施形態においては、外付けの回路として構成せずにアミューズチップに内蔵してCPUコア601の内部バス615につながる周辺回路として設けたものである。この乱数生成回路608により生成される乱数は、例えば、大当りの抽選に用いられる。また、暗号化送受信回路632が暗号化通信のために乱数を必要とする際にこの乱数生成回路608が乱数を供給することも可能である。なお、払出制御装置210に備わる遊技用マイコン211は、乱数生成回路608はなくてもよい。
HWパラメータROM603は、ユーザープログラムROM602へのプログラムの書き込みを禁止するための前記書込終了コードを記録したり、ユーザーシステム(ハードウェア)に特有のパラメータを設定したりできるようにするためのもので、電気的に書き込み可能なメモリ(例えばEPROM,EEPROM,フラッシュメモリ等)により構成されている。
シリアル送受信回路631及び暗号化送受信回路632は、遊技制御装置100と払出制御装置210との間で送受信するための回路である。SIO接続により非暗号化信号のやりとりを行なうときには、シリアル通信を実現する非同期シリアル通信機能(UART機能)を有するシリアル送受信回路631を用い、暗号化接続により暗号化信号のやりとりを行なうときには、暗号化送受信回路632を用いる。詳しくは、図5及び図6を参照しつつ後述する。
遊技用マイコン(アミューズチップ)600における情報管理を行う管理ブロック600Bは、管理用プログラムROM(HPGプログラムROM)616、管理用ワークRAM(HPGワークRAM)619、バスモニタ回路618、IDプロパティメモリ617、管理用制御回路(HPG)620、外部通信制御回路621及びこれらの回路ブロック間を接続するローカルバス622を含むとともに、バスモニタ回路618がローカルバス622と遊技ブロック600AのCPUバス615の両方に接続されることにより、CPUバス615を介してCPUコア601との間でデータの送受信が行えるように構成されている。
管理用ワークRAM619は、バスモニタ回路618を介して読み込まれた遊技ブロック600Aの情報を一時的に保持するための記憶領域として使用される。バスモニタ回路618は、CPUバス615の状態を監視し、CPUバス615がCPUコア601によって使用されていないときは、必要に応じてCPUバス615を介して遊技ブロック600AのユーザープログラムROM602やユーザーワークRAM604等をアクセスし、所要のデータ(遊技プログラムやユーザーワークRAM604の内容等)を管理ブロック600Bに取り込む。
IDプロパティメモリ617には、遊技用マイクロコンピュータ600の識別や正当性の判定のために使用する固有ID(固有情報)が書き込まれており、この固有IDは、バス622および外部通信制御回路621を介して遊技機外部の管理装置(ホールコンピュータ)で読み取ることができる。これによって、管理装置で遊技機の固有IDを監視することができる。具体的には、予め遊技機に設定された固有IDと、管理装置によって読み取られた固有IDとが一致しない場合は、管理装置は、各種信号の入出力を不可能にする。すると、遊技制御装置100に接続された各種装置(例えば、大入賞口ソレノイド38及び普通変動入賞口ソレノイド90)や従属制御装置とCPUコア102との信号の入出力が不可能となり、例えば、スイッチが操作できなくなったり、装飾用ランプが点灯しなかったりして、遊技機に異常が発生したことが明確となる。
また、IDプロパティメモリ617には、この固有IDに加えて、遊技種別コード、ランクコード、メーカ番号、機種コード及び検査番号等の各情報が書き込まれている。なお、遊技種別コードは、パチンコ遊技機やスロットルマシン等を区別するための情報であって、例えば、パチンコ遊技機の場合は"P"、スロットルマシンの場合は"G"で表される。ランクコードは、遊技機1の機種ランクコード(第1種、第2種等を区別するためのコード)、メーカ番号当該遊技機1の製造メーカを識別するためのメーカID(又はメーカコード)である。機種コードは、製造メーカが設定する当該遊技機1の製品コードである。検査番号(又は検定コード)は、第三者機関による検査に合格した遊技機1に付与される番号である。
さらに、IDプロパティメモリ617には、ROMとRAMが内蔵され、ROMの内容がRAMコピーされる。つまり、固有ID、遊技種別コード、ランクコード、メーカ番号、機種コード及び検査番号がROMに格納されていてそれらがRAMにコピーされる。コピーのタイミングは、遊技機の電源投入時又は遊技用マイクロコンピュータ600のシステムリセット時であって、例えば、システムリセット直後に管理ブロック600Bで実行される初期化処理の中で行うようにされる。
制御回路620は、管理ブロック600Bの動作を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路620は、例えば、バスモニタ回路618を介してCPUコア601の動作を監視し、非動作中に遊技ブロック600AのユーザーワークRAM604に記憶された内容をミラードRAM605へコピーする。また、検査装置からの要求に応答して管理ブロック600BのIDプロパティメモリ617の内容を外部へ転送したり、プログラム要求に応答してバスモニタ回路618を介してユーザープログラムROM602内のプログラムを外部へ転送したりする。バッファメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
外部通信制御回路621は、遊技機の外部に設けられた情報収集端末装置やID検査装置と通信を行う。例えば、情報収集端末装置が接続されている場合は、その情報収集端末装置からの要求に応答して、管理用ワークRAM619やIDプロパティメモリ617の記憶内容を要求元の情報収集端末装置に転送し、ID検査装置が接続されている場合は、そのID検査装置からの要求に応答して、少なくともIDプロパティメモリ617に記憶されている固有IDの情報を要求元のID検査装置に転送する。
図5は、本発明の一実施形態における遊技制御装置100(遊技制御装置)と払出制御装置210(賞価値付与制御装置)との接続を示すブロック図である。遊技制御装置100が有する遊技用演算処理装置(アミューズチップ)600と払出制御装置210が有する遊技用演算処理装置600(アミューズチップ)とは同様の構成を有するものであって、いずれも図4に示す構成を有する。図5においては特にシリアル送受信回路631、暗号化送受信回路632についてその構成を詳しく説明する。遊技制御装置側と払出制御装置側とで同一の回路には同一の符号を付してある。遊技制御装置側の遊技用演算処理装置600、払出制御装置側の遊技用演算処理装置600のいずれにおいてもCPUコア601とシリアル送受信回路631と暗号化送受信回路632とが連係して遊技制御装置100、払出制御装置210間の相互のシリアル送受信、暗号化送受信を実現している。以下、各回路の働きを主に遊技制御装置100側からみて説明する。払出制御装置210側の働きも同様である。
遊技制御装置100側の遊技用演算処理装置600が有するシリアル送受信回路631は、入力BUF(バッファ)6311、第1出力BUF(バッファ)6312、第2出力BUF(バッファ)6313、受信回路6314、及び送信回路6315を備える。
入力BUF6311は、受信回路6314が受信したデータを一時的に記憶するバッファである。第1出力BUF6312及び第2出力BUF6313は、送信回路6315から送信先(払出制御装置210)の受信回路6314へ送信されるデータを一時的に記憶するバッファである。
遊技制御装置100側の受信回路6314は、送信元(払出制御装置210)の送信回路6315から送信されたデータを受信するための回路である。受信回路6314には、払出制御装置210の遊技用演算処理装置600に備わるSIOTX1端子(図4参照)を介して出力されたデータが、遊技制御装置100の遊技用演算処理装置600に備わるSIORX端子(図4参照)を介して入力される。
送信回路6315は、第1出力BUF6312及び第2出力BUF6313に記憶されたデータを送信するための回路である。送信回路6315は、遊技制御装置側の遊技用演算処理装置600に備わるSIOTX1端子及び払出制御装置210の遊技用演算処理装置600に備わるSIORX端子を介して払出制御装置210側の受信回路6314にデータを出力する。
暗号化送受信回路632は、送受信BUF(バッファ)6321、コントロールREG(レジスタ)6322、ステータスREG(レジスタ)6323、送受信制御部6324、暗号化部6325、送信BUF(バッファ) 6326、復号化部6327、受信BUF(バッファ)6328及び送受信部6329を備える。
送受信BUF6321は、CPUコア601と送受信制御部6324との間でやりとりするデータを一時的に記憶するバッファである。暗号化部6325は、送信BUF6326を有し、送受信BUF6321に記憶されたデータを送受信制御部6324を介して受け取り、それを暗号化して送信BUF6326に記憶させる。送信BUF6326は、暗号化部6325によって暗号化されたデータを一時的に記憶するバッファである。
送受信部6329は、送信BUF6326に記憶された暗号化されたデータを払出制御装置210側に送信する。また、送受信部6329は、払出制御装置210の遊技用演算処理装置600の暗号化送受信回路632の送受信部6329が送信した暗号化データを受信する。
復号化部6327は、受信BUF6328を有し、送受信部6329が受信した暗号化されたデータを復号化し、復号化されたデータを受信BUF6328に記憶させる。受信BUF6328は、復号化部6327によって復号化されたデータを一時的に記憶するバッファである。
送受信制御部6324(正規接続判定手段)は、遊技制御装置100の遊技用演算処理装置600(以降、遊技制御側チップという)及び払出制御装置210の遊技用演算処理装置600(以降、払出制御側チップという)が相互認証することを実現すべく暗号化送受信を制御する回路である。相互認証結果は後述するようにステータスREG6323に格納するが、当該格納を実行する手段が送受信制御部6324であり、相互認証の手続の大半をとりしきるのが送受信制御部6324である。したがって、送受信制御部6324が、払出制御装置(賞価値付与制御装置)との間で、暗号通信手段を介して相互認証を行い、相互認証の結果に基づいて接続されている払出制御装置が正規な払出制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段であるといえる。
コントロールREG6322は、送受信、相互認証実行、暗号化送受信回路の初期化などを要求する要求フラグを立てたりリセットしたりするのに用いられるレジスタである。コントロールREG6322の所定のビットに所定の値が書き込まれることにより、各種要求がなされる。ステータスREG6323(判定結果記憶手段)は、受信データの有無、データ通信の異常(返信データが返ってこないなど)、相互認証結果(一致したか否か)の各ステータスを格納するレジスタである。ステータスREG6323が相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段である。
図17を参照しつつ、遊技制御装置100と払出制御装置210との間のデータ送受信の手順を説明する。図17は、遊技制御装置100と払出制御装置210との間でデータ送受信する際の手順を示すシーケンス図である。図17(a)は遊技制御装置100からデータを送信する際のシーケンス図であり、図17(b)は、遊技制御装置100がデータを受信する際のシーケンス図である。図17において実線の矩形で囲んだものは遊技制御装置100と払出制御装置210との間の送受信に関する手順を示す。図17において破線の矩形で囲んだものは内部的な制御による手順を示す。内部的な制御とは、当該暗号化送受信回路632自身の内部にある送受信制御部6324の働きによりコントロールREG6322又はステータスREG6323を操作することをいう。
図17(a)に示すように、遊技制御装置100から払出制御装置210へデータを送信する際には、まず遊技制御側チップで送受信バッファ6321に送信データをセットする(1701)。そして、払出制御側チップに対して送信要求TX=1を送る(1702)。払出制御側チップは、遊技制御側チップから送信要求を受けると、それに従って内部的に受信要求RX=1のフラグを立てる(1711)。そして、送受信バッファから受信データを取得し(1712)、受信要求RX=0を遊技制御側チップへ送る(1713)。遊技制御側チップでは、それを受け取ると払出制御側チップが受信したことを知り、内部的に送信要求TX=0と送信要求フラグをリセットして(1703)、ステータスREGに送信結果を反映する(1704)。
図17(b)に示すように、遊技制御装置100が払出制御装置210からデータを受信する際には、まず遊技制御側チップが受信要求RX=1を送る(1751)。払出制御側チップでは、それを受けて内部的に送信要求フラグTX=1を立てる(1761)。そして、送受信バッファに送信データをセットして(1762)、送信要求TX=0を遊技制御側チップへ送る(1763)。遊技制御側チップでは、それを受け取ると内部的に受信要求フラグをRX=0とリセットして(1752)、ステータスREGに受信結果を反映する(1753)。さらに内部的にステータスREGに「受信データあり」を反映する(1754)。そして送受信バッファから受信データを取得し(1755)、その後、内部的にステータスREGに「受信データなし」を反映する(1756)。
なお、図17に示す遊技制御装置100と払出制御装置210との間のデータ送受信は、遊技制御装置100側が主導権を持つ。送信要求、受信要求いずれも遊技制御装置側からすることができ、払出制御装置側からは送信要求、受信要求のいずれもすることができない。
次に、遊技制御装置100と払出制御装置210との間の相互認証の方法を説明する。
遊技制御側、払出制御側、双方の遊技用演算処理装置600(アミューズチップ)には、複数の識別子が記憶されている。遊技制御側チップが、複数の識別子のうちから一つの識別子をランダムに選択し、選択した識別子を払出制御側チップに送信する。
払出制御側チップは、遊技制御側チップから送信された識別子を受信すると、払出制御側チップに記憶されている複数の識別子の中に受信した識別子と一致する識別子があるか否かを判定する。
払出制御側チップは、払出制御側チップに記憶されている複数の識別子の中に受信した識別子と一致する識別子があると判定した場合、払出制御側チップに記憶された複数の識別子の中から一つの識別子をランダムに選択して、選択された識別子を遊技制御側チップに送信する。
遊技制御側チップは、払出制御側チップから送信された識別子を受信すると、遊技制御側チップに記憶されている複数の識別子の中に受信した識別子と一致する識別子があるか否かを判定する。
遊技制御側チップは、遊技制御側チップに記憶されている複数の識別子の中に受信した識別子と一致する識別子があると判定した場合、相互認証がなされる。
払出制御側チップの構成は、遊技制御側チップと同じ構成であり同様に機能する。
図6は、本発明の実施形態の遊技制御装置100の代わりに、平文型遊技制御装置として機能する遊技制御装置400を設けて、この遊技制御装置400と払出制御装置210との接続を示すブロック図である。図6に示す遊技制御装置400が平文型であるという言い方によれば、図5に示す遊技制御装置100は暗号型遊技制御装置であるといえる。平文は、暗号化しないデータのやりとりをすることをいう。
遊技制御装置400は、遊技制御装置100に備えられたアミューズチップ600の代わりに、汎用マイコン702とシリアル送受信回路701とプルアップ回路703とを備えた遊技用演算処理装置700を備えている。遊技用演算処理装置700は、遊技用演算処理装置600の内部に備えられていた暗号化送受信回路632(図5参照)を備えないが、その他の構成は遊技用マイコン101と同様の構成となっている。
また、遊技制御装置400の遊技用演算処理装置700が備える汎用シリアル送受信回路701は、汎用マイコン702に外付けされる形態で備えるものでよい。汎用シリアル送受信回路701は、シリアル送受信回路631と同等の機能を有するもので、払出制御装置210のシリアル送受信回路631に接続され、平文データを送受信する回路である。また、遊技制御装置400の遊技用演算処理装置700はプルアップ回路703を備えるが、その他の構成(入力I/F105、出力I/F106など:図3参照)は、遊技制御装置100の遊技用演算処理装置600と同様である。
汎用シリアル送受信回路701は、入力BUF(バッファ)7011、受信回路7012、第1出力BUF(バッファ)7013、第2出力BUF7014、及び送信回路7014を備える。 入力BUF7011は、受信回路7012が受信したデータを一時的に記憶するバッファである。受信回路7012は、送信回路6315から送信されたデータを受信するための回路である。受信回路7012には、払出制御装置210の遊技用演算処理装置600に備わる送信回路6315のSIOTX1端子を介して出力されたデータが入力される。
第1出力BUF7013、第2出力BUF7014は、送信回路7015から送信されるデータを一時的に記憶するバッファである。送信回路7015は、送信用BUF7013、7014に記憶されたデータを送信するための回路である。送信回路7015は、SIOTX1端子を介してデータを出力し、払出制御装置210の遊技用演算処理装置600に備わる受信回路6314に送る。
汎用マイコン702は、演算処理を実行し、遊技制御装置400を制御するプロセッサ(CPU)、遊技制御装置400を制御するためのプログラム及びデータを記憶するROM、及びCPUの動作時のワークエリアであるRAMを備える。
プルアップ回路703は、払出制御装置210の暗号化送受信回路632の送受信部6329に5ボルトの定電圧を印加するための回路である。遊技場において遊技機を交換する場合に、払出制御装置はホールに固定されたままであり、遊技制御装置側のみを交換するのが通常である。このプルアップ回路703があることによって、払出制御装置が暗号型に対応したままで、遊技制御装置の暗号型、平文型いずれであるかによらず用いることが可能となる。詳しくは図14、15、16を参照しつつ後述するが、払出制御装置210のCPU212は、遊技制御装置100が暗号型であるか平文型であるかを区別して処理を行なう(図14のステップS1416−1418、図15のステップS1512−1514参照)。
次に、図7から図13までの図面を参照しつつ、遊技制御装置100側の処理、すなわち遊技用マイコン101のCPU102(図4、図5のCPUコア601)が実行する処理について説明する。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されたとき(停電から復旧したとき、システムリセットによりリスタートしたときを含む。)に、CPUコア601がブートブロック613に記憶されたブートプログラムをロードして実行し、各周辺回路がCPUコア601の制御下に入った後、ユーザープログラムROM602に記憶された遊技プログラムが読み込まれてCPUコア601が当該プログラムを実行することで開始される。このメイン処理は、繰り返し実行されるループ処理を含む。ループ処理のいずれかにおいて、タイマ割込み処理を実行可能とし、そのタイマ割込み処理において遊技者にゲームを行なわせるためである。
メイン処理においては、図7に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)210(賞価値付与制御装置)のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置210が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置210へ送ってしまい、払出制御装置210がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
続いて、相互認証を実行する(S6)。ここにいう相互認証の実行は、相互認証のために必要な設定(コントロールREG6322の所定のビットに相互認証実行要求のフラグを立てるなど)をし、相互認証の実行を指示する設定を行なうことを意味する。相互認証の手続は、上述したように暗号化送受信回路同士のやり取りで行なわれ(図5参照)、図17に示すシーケンスにより実行されるものであって、遊技制御側チップと払出制御側チップとの間で何度かのやりとりをしてなされるものである。図7のS6にいう相互認証の実行は、これらの一連の処理の開始を意味する。したがって、図7のS6で相互認証の開始がなされると、相互認証手続のほとんどはその後、遊技制御側チップの暗号化送受信回路632と払出制御側チップの暗号化送受信回路632との間の暗号化送受信により実現され、相互認証が完了するとその結果がステータスREG6323に書き込まれる。後述するように遊技制御側チップのCPUコア601は、図8のS33において相互認証の完了したことをチェックして、S34以降に進む。
≪電源投入処理(ステップS7からステップS29まで)≫
図7のS6の後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ:RAM104、604)のアクセス許可をし、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(ステップS7,S8)。また、シリアルポートを使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS9)。シリアルポートは、アミューズチップ600に予め搭載されているポートである。この実施形態では、払出制御装置210とは暗号化通信を行い、演出制御装置150とはパラレル通信を行っているため使用しない。
続いて、電源装置160内のRAMクリアSW(初期化スイッチ)162がオンしているか否か判定する(ステップS10)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS10;No)と判定すると、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかチェックする(ステップS11)。正常と判定すると(ステップS12;Yes)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるかをチェックする(ステップS13)。停電検査領域2の値が正常であれば(ステップS14;Yes)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS15)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムを比較して(ステップS16)、一致するかを判定する(ステップS17)。そして、一致する場合(ステップS17;Yes)は、図8のステップS18へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理(ステップS18からステップS24まで)を行う。
ここでRWMのうちのRAM104には、(例えば停電検査領域1に)停電フラグ(停電確認情報)が格納されている。後述するステップS31又はステップS44において停電発生があったと判断された場合に、電源断処理のステップS48又はステップS49においてRAM104に格納されたフラグである。ステップS11又はステップS12のチェックにおいては、この停電フラグをチェックして、この電源投入が停電から復旧するものであることを意味する場合には、正常であるとして、ステップS15のチェックサム算出処理以降へと進む。停電フラグのチェックの結果、この電源投入が停電から復旧するものでない場合には、ステップS12又はステップ14で正常でないと判断して図8のステップS25へ進む。
また、初期化スイッチがオン(ステップS10;Yes)と判定された場合、停電確認情報が停電復旧を意味する所定の値でない(ステップS12;No)と判定された場合、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(ステップS14;No)、チェックサムが正常でない(ステップS17;No)と判定された場合は、図8のステップS25へ移行して初期化の処理(ステップS25からステップS29まで)を行う。
図8のステップS18では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS19)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS20)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS21)。ここで、高確率でない(ステップS21;No)と判定した場合は、ステップS22,S23をスキップしてステップS24へ移行する。
また、ステップS21で高確率である(ステップS21;Yes)と判定した場合は、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS22)、例えば表示装置41(図3参照)に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のON(点灯)データをセグメント領域にセーブする(ステップS23)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号(図19参照)に対応する電源復旧時のコマンドを演出制御装置150へ送信する処理(ステップS24)を行ってステップS30へ進む。電源復旧時のコマンドとは、電源が投入され停電から正常に復帰したことを示す電源投入画像の表示を演出制御装置150に指示するコマンドである。このコマンドを受けて演出制御装置150は表示装置41に所定の画像を表示する。
一方、ステップS10、S12、S14、S17からステップS25へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS25)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS26)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS27)。そして、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS28)、電源投入時のコマンドを演出制御装置150へ送信して(ステップS29)、ステップS30へ進む。電源投入時のコマンドとは、電源が投入され、前回の遊技内容を保持していたメモリを復帰できずに初期化された状態であることを示す電源投入画像の表示およびRAMが初期化されたことを示す初期化報知音の出力を演出制御装置150に指示するコマンドである。
なお、ステップS24で送る電源投入画像とステップS29で送る電源投入画像とは、類似する画面とすることによって遊技者はそれらの違いに気づかず、工場における検査担当者や遊技店の店員が違いに気づく程度のものであってもよい。
図7のステップS7から図8のステップS24までの流れ、そして図8のステップS25から図8のステップS29までの流れが電源投入処理である。この電源投入処理をメモリ(RWM:RAM104)に保存された停電フラグ(停電確認情報)の観点で捉えると、メモリに保存された停電確認情報を参照し、停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている遊技情報をそのまま保持する一方(ステップS7からステップS24まで)、停電確認情報が所定の値以外である場合(ステップS12;No)には、前記メモリを初期化する(ステップS25からステップS29まで)電源投入処理であるといえる。そして、電源が投入されたことに基づいてこれらの電源投入処理を実行するとともに、暗号化送受信回路632(とりわけ送受信制御部6324:正規接続判定手段)に相互認証の実行開始を指示する設定を行なっている(ステップS6)。電源投入処理と相互認証を並行して実行するようにしたので、電源投入から遊技制御開始までの時間を短縮することができる。
さらに、ステップS24及びステップS29において演出制御装置150へ電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示するコマンド送信の処理を実行し、その後に前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うようにしたので、工場から出荷する際に遊技機の起動確認の検査を行なう場合に、相互認証が完了する前に遊技機が起動したことを確認することができるため、検査の効率化を図ることができる。
≪停電検出、相互認証、発射許可(ステップS30からステップS35まで、ステップS39、ステップS40)≫
停電検出処理(ステップS30)は、電源装置160の停電検出回路169から入力されている停電検出信号を入力ポートを介して少なくとも二回読み込んでチェックし(ステップS30)、読み込んだ信号がいずれも停電を示す信号であるときに停電が発生しているとの判定を行う(ステップS31)。停電が発生している場合(ステップS31;Yes)は、図9のステップS45以降のシャットダウン処理(電源断処理)に進み、ステップS48又はS49でRAMの停電検査領域に停電発生フラグ(停電確認情報)を立ててセーブする。停電が発生していない場合(ステップS31;No)は、ステップS32に進む。
ステップS32では、タイムアウトか否かを判断する。この計時は相互認証の実行(ステップS6)からタイマにより計時することができる。また、タイマによる計時ではなく、ステップS30からステップS33までの処理のループを何回繰り返したかをカウントして所定回数のループ繰り返しをしたことでタイムアウトとすることもできる。このときループ数のカウントにレジスタを用いることでRAMを節約することが可能である。
タイムアウトの場合(ステップS32;Yes)は、タイムアウトエラー発生コマンドを演出制御装置150に出力してステップS45以降のシャットダウン処理に進む。タイムアウトでない場合(ステップS32;No)は、ステップ33に進む。
ステップS33では、相互認証が完了したか否かをチェックする。具体的には、ステータスREG6323の所定のビットをチェックして相互認証がなされた旨のフラグが立っているか否かをチェックする。相互認証がなされた旨のフラグが立っている場合(ステップS33;Yes)は、ステップS34に進む。相互認証がなされた旨のフラグが立っていない場合(ステップS33;No)は、ステップS30に戻る。
ステップS34では、相互認証手続の間に通信エラーが発生したか否かをチェックする。具体的には、ステータスREG6323の所定のビットをチェックしてデータ通信の異常を知らせるフラグが立っているか否かをチェックする。データ通信の異常とは、たとえば通信結果が返ってこないなどである。相互認証手続の間に通信エラーが発生した場合(ステップS34;Yes)は、通信エラー発生コマンドを演出制御装置150に送信して(ステップS40)、ステップS45以降のシャットダウン処理に進む。通信エラーが発生していない場合(ステップS34;No)は、ステップS35に進む。
ステップS35では、発射許可を設定する。具体的には、発射制御装置170に対して発射許可信号をONにする。発射制御装置170は、遊技制御装置からの発射許可信号と払出制御装置からの発射許可信号との双方を受け取り、双方ともON信号であるときにはじめて発射装置171が発射可能となるように制御する(図3参照)。相互認証が完了したことを確認し(ステップS33;Yes)、通信エラーがないことを確認した(ステップS34;No)後に発射許可信号をONにしている(ステップS35)。このことは、相互認証が完了し、遊技制御装置100と払出制御装置210との間で互いに相手が正規のものであると正規接続判定手段により判定された後でなければ、遊技球を遊技盤に発射できないことを意味する。
≪相互認証チェック処理の中で停電検出をするループ処理≫
ステップS30からステップS35までの一連の相互認証チェック処理の中で停電検出をしていることが本実施形態の特徴的な部分である。
すなわち、相互認証が完了したか否かを特定するために、ステータスREG6323(判定結果記憶手段)に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行う(ステップS33;NoならばステップS30へ戻る)とともに、電源断処理の実行開始条件である停電検出信号を検出したか否かの判定(ステップS30)を繰り返し実行する(ステップS30からステップS33までのループ処理) 。
これにより相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、ステップS45以降の停電処理を実行した上でシャットダウンするので、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
≪遊技開始準備、遊技のためのメインループ(ステップS36からステップS44)≫
ステップS36では、遊技用マイコン600(クロックジェネレータ609)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。CTC回路は、アミューズチップ(遊技用マイコン)600内のクロックジェネレータ609に設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPUコア601に対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路608へ供給する乱数更新のトリガを与える乱数更新トリガ信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS36のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS37)。具体的には、乱数生成回路608内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPUコア601によって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当たりを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS38)、割込みを許可する(ステップS41)。本実施形態で使用するCPU600内の乱数生成回路608においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS42)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS42の初期値乱数更新処理の後、電源装置160から入力されている停電検出信号を入力ポートを介して読み込んでチェックする回数(2回以上)を設定し(ステップS43)、停電検出信号がONであるかの判定を行う(ステップS44)。停電が発生していない場合(ステップS44;No)は、初期値乱数更新処理(ステップS42)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電検出信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS42)の前に割り込みを許可する(ステップS41)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS42での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
≪電源断処理(ステップS45からステップS52まで)≫
また、停電検出信号が発生した場合(ステップS44;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS45)を行い、発射停止を設定する処理(発射許可信号をOFFにする)を行い(ステップS46)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS47)を行う。
その後、ステップS44の判定結果に基づいてRAMの停電検査領域に停電発生フラグを立てて、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS48)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS49)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS50)、チェックサムをセーブする処理(ステップS51)を行った後、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS52)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
ステップS45からステップS52までの一連の処理が、電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電フラグ(停電確認情報)を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理に該当する。
ここで、ステップS46において、発射停止を設定する処理、すなわち発射許可信号をOFFにする処理(発射禁止信号を出力する処理)をしていることから、電源断処理が発射禁止信号を出力する処理を含んでいるといえる。したがって、電源断処理の実行により発射装置による遊技球の発射を禁止するようにしている。これによれば、電源断処理の実行中に遊技球が発射されて入賞口に入賞したにもかかわらず、賞球が行なわれない状態が発生することがないため、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について図10のフローチャートを用いて説明する。タイマ割込み処理はメイン処理に対して割込んで処理するものであって、割込みタイマのタイムアップ毎に実行する割込み処理のことである。本明細書において単に割り込み処理と略して記載することもある。図10に示すタイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPUコア601に入力されることで開始される(図4参照)。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS61)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(特図始動スイッチ36a、普図始動スイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS62)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38、普電SOL90)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS63)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置150や払出制御装置210等に出力するコマンド送信処理(ステップS64)、乱数更新処理1(ステップS65)、乱数更新処理2(ステップS66)を行う。その後、特図始動スイッチ36a、普図始動スイッチ34a、カウントスイッチ38a、入賞口スイッチ32a…32n、から正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS67)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS68)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS69)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS70)、磁気センサスイッチや振動センサスイッチ(図示省略) からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS71)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS72)を行う。
次に、暗号化通信処理(ステップS73)を行なう。賞球データ、払出指示を払出制御装置との間で暗号化通信により行う処理である。具体的には図11から図13までを参照しつつ後述する。
暗号化通信処理(ステップS73)に続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS74)を行い、ステップS61で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS75)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS76)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔暗号化通信処理〕
図11は、第1実施形態における遊技制御装置のタイマ割込み処理のうちの暗号化通信処理(図10のステップS73)の詳細を示すフローチャートである。 暗号化通信処理においては、まず遊技制御装置と払出制御装置との間の相互認証が済んでいるか、つまり互いに正規接続であるとの判定を得ているかを、ステータスREG6323に格納された相互認証結果をチェックすることによりチェックする(ステップS731)。相互認証が済んでいなければ(ステップS731;No)、相互認証エラー発生コマンドを設定(ステップS736)して戻る。ここで、相互認証エラー発生コマンドとは、演出制御装置150に対して遊技制御装置100が送るコマンドであって、エラー報知LED17を発光させる、スピーカ19a、19bに警告音を発する、表示装置41に相互認証エラー発生の旨の表示をするなどの演出のうちのいずれか又はその組み合わせを行なわせるものをいう。
相互認証が済んでいれば(ステップS731;Yes)、次に通信エラーが発生したかについて、ステータスREG6323の所定のビットを調べてデータ通信の異常を示すフラグが立っているか否かチェックする(ステップS732)。通信エラーが発生した場合(ステップS732;Yes)、通信エラー発生コマンドを送信して戻る(ステップS734)。通信エラー発生コマンドは、演出制御装置150に対して所定の演出を実行させるべく遊技制御装置100が送信するコマンドである。
通信エラーが発生していない場合(ステップS732;No)、暗号化通信受信処理(図12参照)(ステップS735)、暗号化通信送信処理(図13参照)(ステップS737)を実行して戻る。なお、図11のフローチャートにおける「RET」は、図10のステップS73を実行した位置への戻り、すなわち図10のステップS74(割込み要求をクリア)へ進むことを意味する。
[暗号化通信受信処理]
図12は、図11に示す暗号化通信処理のうちの暗号化通信受信処理の詳細を示すフローチャートである。まず、受信データがあるかをステータスREG6323の所定のビットを調べて受信データ有りのフラグが立っているか否かによりチェックする(ステップS7351)。受信データがない場合(ステップS7351;No)は、この暗号化通信受信処理を終わる。受信データがある場合(ステップS7351;Yes)には、送受信BUF6321のデータを取得する(ステップS7352)。そして、受信したデータが賞球完了コマンド(賞球の払出が完了した旨のコマンド)であるか否かを判断する(ステップS7353)。賞球完了コマンドでない場合(ステップS7353;No)には、この暗号化通信受信処理を終わる。賞球完了コマンドである場合(ステップS7353;Yes)には、ステータスREG6323に格納されている暗号化受信中フラグをクリアし(ステップS7354)、ユーザーワークRAM604に記憶されている賞球払出数カウンタを更新して(ステップS7355)、この暗号化通信受信処理を終わる。
[暗号化通信送信処理]
図13は、図11に示す暗号化通信処理のうちの暗号化通信送信処理の詳細を示すフローチャートである。まず、フラグをチェックすることで暗号化受信中か否かを判断する(ステップS7371)。暗号化受信中である場合(ステップS7371;Yes)には、この暗号化通信送信処理を終わる(図10のステップS74へ進むことを意味する。以下同じ)。
暗号化受信中でない場合(ステップS7371;No)、フラグをチェックして暗号化送信中であるかを判断する(ステップS7372)。暗号化送信中である場合(ステップS7372;Yes)、払出受信完了しているか否かを送信要求フラグが0であるか否かによりチェックする(ステップS7373)。払出受信完了していない場合(ステップS7373;No)には、この暗号化通信送信処理を終わる。
払出受信完了している場合(ステップS7373;Yes)には、受信要求フラグをセットし(ステップS7374)、暗号化受信中フラグをセットし(ステップS7375)、暗号化送信中フラグをクリアして(ステップ7376)、この暗号化通信送信処理を終わる。
ステップ7372で暗号化送信中でない場合(ステップ7372;No)には、送信待ち賞球コマンドがあるか否かをユーザーワークRAM604の所定のアドレスをチェックして判断する(ステップ7377)。
送信待ち賞球コマンドがない場合(ステップS7377;No)、ダミーデータ(払出制御装置に送る実質的な意味のないデータ、例えばゼロ個の遊技球を払い出すことを指示するコマンド)を送受信バッファにセットし(ステップS7378)、送信要求フラグをセットし(ステップS7379)、この暗号化通信送信処理を終わる。
送信待ち賞球コマンドがある場合(ステップS7377;Yes)、その賞球コマンドを送受信バッファにセットし(ステップS7380)、送信要求フラグをセットし(ステップ7381)、暗号化送信中フラグをセットして(ステップS7382)、この暗号化通信送信処理を終わる。
CPUコア601がプログラムの実行により行なう暗号化通信に関する処理は、これらの暗号化通信受信処理、暗号化通信送信処理だけであって、暗号化通信についての残りの部分は、前述した暗号化送受信回路632が遊技制御装置100側と払出制御装置210側とにそれぞれ設けられており、二つの暗号化送受信回路632同士の通信によって実現される。上述のステップS7378においてダミーデータを送受信バッファにセットして、ステップS7379において送信要求フラグをセットする目的は、基板を不正に交換することを検出するためである。遊技制御装置と払出制御装置との間でデータのやり取りがない時間を狙って不正に基板交換をする行為がなされる場合であっても、ダミーデータの送受信を行なうことにより、データ通信の異常がステータスREG6323にフラグとして立つので、不正を検出できる。
なお、送受信要求フラグはコントロールREG6322に格納され、受信データの有無、データ通信の異常に関するフラグはステータスREG6323に格納される。
図12、図13より、一つの賞球コマンドについての払出が完了したことを示す賞球完了コマンドを受信しないと、次の賞球コマンドが遊技制御装置から払出制御装置へ送信されないようになっている。
[払出制御装置側の処理]
図14,15,16を参照しつつ、払出制御装置210(賞価値付与制御装置)の遊技用マイコン211(図3のCPU212、図4、図5のCPU601)が実行する処理について説明する。
まず、図14,15のフローチャートに基づき、遊技機10に電源が投入されたとき(停電から復旧したとき、システムリセットによりリスタートしたときを含む。)に払出制御装置210が実行を開始するメイン処理について説明する。メイン処理は、CPUコア601がブートブロック613に記憶されたブートプログラムをロードして実行し、各周辺回路がCPUコア601の制御下に入った後、ユーザープログラムROM602に記憶された払出制御プログラムが読み込まれてCPUコア601が当該プログラムを実行することで開始される。
図14は、払出制御装置のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの1枚目である。メイン処理においては、まず、所定時間周期(例えば、1ミリ秒周期)で行われるタイマ割込みの禁止の設定(ステップS1401)、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタの設定(ステップS1402)、各割込みモードの設定(ステップS1403)、払出制御装置210のRAMへのアクセス許可(ステップS1404)、払出制御装置210のCPU周辺デバイス(CPUのバスにつながる回路)の初期設定(ステップS1405)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタの設定(ステップS1406)を行う。
さらに、電源装置160に設けられたRAMクリアSW(スイッチ)162(図3参照)がONになって払出制御装置210のRAMを初期化する操作が行われたか否かを判定し(ステップS1407)、RAMクリアSW162がONでないと判定された場合には、停電からの復旧であることを示す停電復旧情報がRAMに設定されているか否かを判定することによって、停電復旧時の電源投入であるか否かを判定する(ステップS1408)。また、停電復旧時の電源投入であると判定された場合には、RAMに記憶されているデータが壊れている否かを判定するために、チェックサムが正常であるか否か調べる(ステップS1409,S1410)。具体的には、停電があった際にRAMに記憶されていたデータのチェックサムと、RAMに現在記憶されているデータのチェックサムとが一致するか否かを判定する。そして、チェックサムが正常であると判定された場合、すなわちRAMに記憶されているデータが正常であると判定された場合には、停電復旧処理を実行してRAMに停電復旧時の初期値を設定する(ステップS1411)。
一方、ステップS1407にてRAMクリアSW162がONであると判定された場合、またはステップS1408にて停電復旧時の電源投入でないと判定された場合、またはステップS1410にてチェックサムが異常であると判断された場合には、使用する全てのRAMに記憶されているデータをクリアした(ステップS1412)後に、RAMへ電源投入時の初期値を設定し(ステップS1413)、税率設定SWに応じた税率を設定し(ステップS1414)、貸出料金設定スイッチ227によって設定された遊技球1個当たりの貸出金額を設定して(ステップS1415)、払出制御装置210のRAM214の初期化を実行する。
RAMの初期化、またはRAMに停電復旧時の初期値を設定したならば、次に、遊技制御装置100との間の接続が暗号化接続であるか、非暗号化接続であるか、暗号化接続であるかを判定する(ステップS1416)。具体的には、図5、図6に示す払出制御装置側のシリアル送受信回路631の入力BUF(バッファ)6311にデータがあるか否かをチェックする。入力BUF(バッファ)6311に接続種別が非暗号接続又は暗号化接続であることを示すデータが格納されるまで、ステップS1416で待機するようになっている。非暗号化接続の場合には、非暗号化接続(非同期シリアル通信、UART機能)により接続種別に関する情報が遊技制御装置100側から送信される。接続が暗号化接続であると判定すると(ステップS1416;Yes)、払出制御装置側のRAM214の接続種別情報を格納する領域に接続種別が暗号化接続である旨を設定する(ステップS1417)。接続が暗号化接続でないと判定すると(ステップS1416;No)、払出制御装置側のRAM214の接続種別情報を格納する領域に接続種別が非暗号化接続である旨を設定する(ステップS1418)。
次に、遊技球の貸し出しを行なうことができる状態にあるか否かをカードユニット70に通知するPRDY信号をONに設定する(ステップS1419)。そして、時間を計測しタイマ割込み信号などを発生するためのタイマであるCTC(Counter/Timer Circuit)を設定し(S1420)、ステップS1401で禁止されたタイマ割込みを許可する設定をする(S1421)。
図15は、払出制御装置のメイン処理を示すフローチャート2枚のうちの2枚目である。
タイマ割込み許可を設定した後、カードユニット70が払出制御装置210に接続されているか否かを判定し(ステップS1501)、接続されていると判定した場合には、発射制御装置170に遊技球の発射を許可する発射許可信号をON(発射許可状態)に設定する(ステップS1502)。接続されていない(ステップS1501;No)と判定した場合には、発射制御装置170に遊技球の発射を許可しない状態(発射許可信号OFF状態)に設定する(ステップS1503)。発射制御装置170は、発射装置171を制御する装置であり、遊技制御装置100からの発射許可信号がONであり、かつ払出制御装置からの発射許可信号がONであるときに発射装置171が遊技球を発射できるよう制御する。
次に、払出制御モードがいずれであるかの情報を取得する(ステップS1504)。そして、取得された払出制御モード(モード0,モード1,モード2)によって処理を分岐させる(ステップS1505)。モード0の場合には、遊技球が過剰に払い出されているか否かを監視する払出過剰エラー監視処理を実行する(ステップS1506)。そして、実際に遊技球を払い出させる処理を開始させるために、払出装置制御開始判定処理を実行する(ステップS1509)。
モード1の場合には、賞球として払い出す遊技球の数を設定する賞球制御処理を実行し(ステップS1507)、払出モータ220を制御する払出制御処理を実行して、遊技球を賞球として払い出す(ステップS1510)。
モード2の場合には、貸球として払い出す遊技球の数を設定する球貸し制御処理を実行し(ステップS1508)、払出モータ220を制御する払出制御処理を実行して、遊技球を貸球として払い出す(ステップS1510)。
各モードに対応する処理を実行したならば、遊技球の払出動作時に発生したエラーの報知の編集を行うエラー報知編集処理(ステップS1511)を実行する。エラー報知はエラーナンバー表示器222へ出力することにより行なわれる。
次に、遊技制御装置100との間の通信処理を実行する。まず、接続種別が暗号化接続であるか否かをRAM214にあらかじめ書き込まれた接続種別情報を参照して判定する(ステップS1512)。接続種別が暗号化接続である場合(ステップS1512;Yes)には、暗号化通信処理(ステップS1513、より詳細には図16のステップS1601−S1609参照)を実行する。接続種別が暗号化接続でない場合(ステップS1512;No)には、非暗号化通信処理(ステップS1514)を実行する。非暗号化処理については、従来からよく行なわれてきたやり方であるので、ここでは詳しい説明を省略するが、遊技制御装置側から賞球データや払出指示情報を払出制御装置に向けて送る一方の通信である。
遊技制御装置との通信の後、電源装置160の停電検出回路169から遊技用マイコン211へ入力される停電検出信号をポートから二回読み込んで、二回とも停電発生を示す信号であるか否かにより、停電が発生したか否かを判定し(ステップS1515)、停電発生と判定した場合(ステップS1515;Yes)は、一連の電源断処理、すなわち割り込み禁止の設定(ステップS1516)、全出力ポートのOFF(ステップS1517)、払出制御装置210のRAM214の停電検査領域内に停電フラグを立てて停電復旧情報をRAMへ保存(ステップS1518)、RAMへの電源供給遮断前におけるRAM内データのチェックサム算出および保存(ステップS1519)、RAMへのアクセスを禁止(ステップS1520)へ進み、遊技機10の電源が切れるまで待機する。
ステップS1515で停電が発生していないと判定した場合(ステップS1515;No)には、ステップS1501の処理に戻り、ステップ1501からステップS1515までの処理を繰り返し実行する。
図16は、払出制御装置のメイン処理のうち、暗号化通信処理(図15のステップS1513)の詳細を示すフローチャートである。まず、相互認証が済んでいるかの判定を行なう(ステップS1601)。遊技制御装置の主導のもと遊技制御装置と払出制御装置との間の相互認証が遊技制御装置側のメイン処理(図7のステップS6)にて実行されている。図5のブロック図及び図17のシーケンス図を参照しつつ前述したように、相互認証手続の大半は、遊技制御装置100側の暗号化送受信回路632と払出制御装置210側の暗号化送受信回路632との間で行われ、相互認証結果は、遊技制御装置側の暗号化送受信回路632のステータスREG6323に格納されるだけでなく、払出制御装置210側の暗号化送受信回路632のステータスREG6323にも格納されている。図16のステップS1601における相互認証が済んでいるか否かの判定は、払出制御装置210の遊技用マイコン211のCPU212(アミューズチップ600のCPUコア601)が当該アミューズチップ内の暗号化送受信回路632にあるステータスREG6323の所定ビット内に格納された相互認証結果を確認することによってなされる(図5参照)。
相互認証が済んでいない場合(ステップS1601;No)には、戻る(図15のステップS1515に進み、停電発生していなければステップS1501へ戻る。以下、この図16の説明において同じ。)。これにより相互認証が済んでいないときに遊技制御装置から払出制御装置への賞球払出指示が送られることがない。
相互認証が済んでいる場合(ステップS1601;Yes)には、受信要求があるか否かをチェックする(ステップS1602)。払出制御装置側のコントロールREG6322の所定のビットに受信要求フラグがセットされているか否かによってこの判定を実行する。受信要求ありと判定されると(ステップS1602;Yes)、さらに受信した賞球コマンドの賞球数が規定数(たとえば16)に達したかを判定する(ステップS1603)。受信コマンドの賞球数が規定数に達した場合には(ステップS1603;Yes)、払出制御装置側のコントロールREG6322の所定のビットに格納されている受信要求フラグをクリアして(ステップS1607)、戻る。処理し切れないコマンドを受けないようにするためである。賞球コマンドの賞球数16個以上を示す場合は、ノイズ等による異常コマンドとして破棄する。
ステップS1603で受信コマンドの賞球数が規定数に達していない場合(ステップS1603;No)には、払出制御装置側のRAM214の所定の領域に記憶された獲得遊技球数残に加算し(ステップS1605)、コントロールREG6322の受信要求フラグをクリアし(ステップS1607)、戻る。
ステップS1602で受信要求がないと判定されると(ステップS1602;No)、送信要求があるかを判定する(ステップS1604)。払出制御装置側のコントロールREG6322の所定のビットに送信要求フラグがセットされているか否かによってこの判定を実行する。送信要求ありと判定されると(ステップS1604;Yes)、払出制御装置側のRAM214の所定の領域に記憶された獲得遊技球数残がゼロとなったかをチェックする(ステップS1606)。獲得遊技球数残がゼロとなった場合(ステップS1606;Yes)には、賞球完了コマンド(払出指示を受けた賞球をすべて払出完了した旨を伝えるコマンド)を遊技制御装置側へ送信する(ステップS1608)。そして、払出制御装置側のコントロールREG6322の送信要求フラグをクリアして(ステップS1609)、戻る。
ステップS1604で送信要求がないと判定されたとき(ステップS1604;No)又はステップS1606で獲得遊技球数残がゼロでないと判定されたときは(ステップS1606;No)、戻る。
なお、図13において遊技制御装置側の暗号化通信送信処理を説明した際に、送信待ち賞球コマンドがない場合(ステップS7377)、ダミーデータを送受信バッファにセットして(ステップS7378)、送信要求フラグをセットする(ステップS7379)という一連の処理をすることで遊技制御装置側と払出制御装置側との絶え間ない送受信を実現して基板の不正交換を防止することについて提案した。そのダミーデータは、ゼロ個の遊技球の払出を指示する賞球コマンドとすることで、ステップS1603,ステップS1605,ステップS1607の処理を通過すること、あるいはステップ1603で受信コマンドが規定数に達したとして、ステップS1607に抜ける処理のいずれかを通過するものとすることが可能である。
図16に示す暗号化通信処理は、相互認証における暗号化通信と同様に、遊技装置側の主導で行なわれ、前述した図17に示すシーケンスにしたがって実行される。すなわち遊技制御装置からの送受信要求に基づいて、賞球コマンド(所定数の賞球払出を指示するコマンド)を受信し、賞球完了コマンドを送信する。したがって、遊技制御装置側では、賞球の払出が済んだことを確認して次のコマンドを送ることが可能となる。遊技制御装置側では、払出制御装置が受け付けた賞球コマンドと、受け付けなかった賞球コマンドとを識別できるので、受け付けなかった賞球コマンドを再度送信することができる。従来の非暗号化(平文型)通信で一方的に(いわば垂れ流し状態で)払出指示を送る場合と異なり、信頼性の高い払出指示がなされる。
また、上述した図16により、払出制御装置は一つの賞球コマンドについての払出が完了しないと賞球完了コマンドを送信しないので、次の賞球コマンドが遊技制御装置から払出制御装置へ送信されないことになる。これにより、例えば停電発生などで払い出されるべき遊技球の数が適切にバックアップされずに、停電復旧したような万一の場合にも遊技者にとっての被害を最小限に抑える。
ここで、一つ一つの賞球コマンドについて具体的に言うと、3個の遊技球の払出を指示する3個賞球コマンド、5個の遊技球の払出を指示する5個賞球コマンド、10個の遊技球の払出を指示する10個賞球コマンドというように個々の賞球コマンドにおける払出数を10個以下にすることで、上述の万一の場合の被害を最小限にすることが可能となる。前述したダミーデータの送信をゼロ個賞球コマンドとして扱う場合において、遊技制御装置側では、ゼロ個賞球コマンドを払出制御装置側に送信したときに払出制御装置側でそれを受け取った旨の返信が返ってこなくとも再送しないが、3個賞球コマンド、5個賞球コマンド、10個賞球コマンドの本来の賞球コマンドについては、払出制御装置側からそれを受け取った旨の返信が返ってこない場合に再送するという処理ができる。
[発明1]
上述した実施形態1から、相互認証の実行が完了するまでの間にわたって、停電が発生したか否かの監視を行い、停電が発生した場合には停電フラグをRAMに記憶する電源断処理を行うこととする発明を抽出し、発明1として提案する。
すなわち、発明1における遊技機は、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも遊技情報を保持可能とするメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている遊技情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
電源が投入されたことに基づいて前記電源投入処理を実行するとともに、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示する設定を行い、
前記相互認証の実行を開始させた後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行するようにしたことを特徴としている。
ここで、賞価値とは、遊技者が入賞したことに対して遊技者に与えられる利益をいう。具体的には、例えば遊技球の所定数の払い出しを意味する。
賞価値付与制御装置は、例えば遊技球の払い出しを制御する払出制御装置である。
電源供給装置は、遊技制御装置、賞価値付与制御装置をはじめとする遊技機の各部分(装置、回路など)にDC32V、DC15V、DC12V、DC5Vなどを供給するだけでなく、停電検出を行い停電検出信号を各部に送る停電検出回路を備えた装置であり、停電時には正常な電源断処理を実行するため及びメモリに保持された情報を停電復旧時まで保持するために必要なバックアップ電源を供給する。
停電には、落雷、火災、地震など電力供給事情の変化によるものだけでなく、電源コードをコンセントから引き抜くなどの人為的なものをも含む。
停電確認情報とは、停電フラグをセットする場合のみならず、テーブルにデータを書き込む場合などを含めて、当該情報を参照可能な状態でメモリに保存した停電に関する情報(例えば、停電検出結果)をいう。
電源断とは、遊技機の遊技制御装置に電源供給がなされている状態から、電源供給を断って遊技機を停止することをいう。
電源投入とは、遊技機の遊技制御装置に通電がなされ遊技用マイクロコンピュータを構成するCPUがブート処理をし、動作を開始することを意味する。システムリセットによりリブート(リスタート)する場合も、ここにいう電源投入に含める。
遊技用マイクロコンピュータは、たとえばワンチップマイコンとして設計されて、CPUコア、ROM、RAMを含み、さらにその内部のバスにつながるいくつかの周辺回路(乱数発生回路、クロックジェネレータ、リセット割込み制御回路、シリアル送受信回路など)を有している。
暗号通信手段は、前記遊技用マイクロコンピュータの内部バスにつながる周辺回路として設けられた暗号化送受信回路を用いることができるが、遊技用マイクロコンピュータ(アミューズチップ)の外付けの回路として設けてもかまわない。
正規接続判定手段は、暗号通信手段(暗号化送受信回路)の内部に設けた送受信制御部を用いることができる。CPUコアが相互認証の処理の開始をした後は、この正規接続判定手段(送受信制御部)が相互認証処理を司り、相互認証結果を得ると判定結果記憶手段に書き込む。
判定結果記憶手段は、暗号通信手段(暗号化送受信回路)の内部に設けたステータスREG(レジスタ)を用いることができる。
相互認証とは、二つの装置間において、互いに相手が正当であることを認証する手続をいう。例えば、両者間において自身の遊技用マイクロコンピュータが有する複数の識別情報からランダムに選んだものが相手方にあるか否かによって相互認証を行い接続された相手方の制御装置の正当性を判定する。
これによれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示することとしたため、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行することができたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
また、上述の遊技機であって、
前記遊技用マイクロコンピュータが前記遊技機制御のために実行する処理は、繰り返し実行されるループ処理を含むメイン処理と、該メイン処理に対して割込みタイマのタイムアップ毎に実行するタイマ割込み処理とを有し、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記電源投入処理を前記メイン処理で実行し、
前記電源投入処理の実行より前に、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示するための設定を行い、
前記電源投入処理と前記相互認証を並行して実行するようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源投入処理の実行より前に正規接続判定手段に相互認証の実行開始を指示する設定をしてから、電源投入処理と相互認証処理とを並行して実行するので、電源投入から遊技制御開始までの時間を短縮することができる。
また、上述の遊技機において、
遊技の進行に対応させて演出画像が表示される表示装置と、
前記遊技用マイクロコンピュータからの制御指令に基づいて前記表示装置における表示を制御する演出制御装置と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
電源が投入された場合に実行される前記電源投入処理で、前記演出制御装置に対して前記表示装置に電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示する処理を実行し、
前記電源投入処理の実行によって、前記表示装置に電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示した後に、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源投入処理において、電源投入画像の表示を演出制御装置に対し指示する処理を実行するので、遊技機の製造工場出荷時に起動確認の検査を行なう場合に、相互認証が完了する前に遊技機が起動したことを表示装置の視認により確認することができるため、検査の効率化を図ることができる。
また、上述の遊技機において、
遊技盤に遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置の動作を制御する発射制御装置と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記発射制御装置に対して遊技球の発射を許可する発射許可信号と、遊技球の発射を禁止する発射禁止信号を出力することにより前記発射装置を制御可能に構成され、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行される前記電源断処理に、前記発射禁止信号を出力する処理を含み、
前記電源断処理の実行により前記発射装置による遊技球の発射を禁止するようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源断処理において発射禁止信号を出力するので、電源断処理の実行中に遊技球が発射されて入賞口に入賞したにもかかわらず、賞球が行なわれない状態が発生することがないため、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
また、上述の遊技機において、
前記電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、前記電源供給装置から供給される供給電圧が、前記停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を前記遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段と、
所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて前記遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行する前記電源断処理に、前記リセットタイマの計時を開始させる処理を含み、
前記電源断処理の実行により前記リセットタイマの計時を開始させるようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
この第2リセット信号出力手段を用いた電源断処理については、図24を参照しつつ後述する。
これによれば、電源断処理において第2リセット信号出力手段のリセットタイマの計時を開始させる処理を含めたので、相互認証の実行中に停電検出信号が出力されたにもかかわらず、第1リセット信号出力手段によるリセット信号が出力されないような場合でも確実に復帰することができる。
[発明2]
上述した実施形態1から、相互認証の実行が完了するまでの間にわたって、停電が発生したか否かの監視を行い、停電が発生した場合には停電フラグをRAMに記憶する電源断処理を行うこととする発明を抽出し、発明1として提案した。発明2として、さらに、相互認証の実行により払出制御装置の正当性が認められた場合に、発射制御装置に発射を許可する発射許可信号を出力する遊技機を提案する。
すなわち、発明2における遊技機は、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、
前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、
前記遊技制御装置及び前記賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、
遊技盤に遊技球を発射する発射装置の動作を制御する発射制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも遊技情報を保持可能とするメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている遊技情報をそのまま保持する一方、停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
電源が投入されたことに基づいて前記電源投入処理を実行するとともに、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示する設定を行い、
相互認証の実行を開始させた後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行し、
該判定により前記判定結果記憶手段に正規の賞価値付与制御装置であることを示す判定結果が記憶されていると判定された場合には、前記発射制御装置に対して遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力するようにしたことを特徴とする。
この遊技機によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示することとしたため、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行することができたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。また、相互認証の実行中に遊技球が発射されて賞球が行われない状態を防止することができ、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
また、上述の遊技機であって、
前記遊技用マイクロコンピュータが前記遊技機制御のために実行する処理は、繰り返し実行されるループ処理を含むメイン処理と、該メイン処理に対して割込みタイマのタイムアップ毎に実行するタイマ割込み処理とを有し、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記電源投入処理を前記メイン処理で実行し、
前記電源投入処理の実行より前に、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示するための設定を行い、
前記電源投入処理と前記相互認証を並行して実行するようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源投入処理の実行より前に正規接続判定手段に相互認証の実行開始を指示する設定をしてから、電源投入処理と相互認証処理とを並行して実行するので、電源投入から遊技制御開始までの時間を短縮することができる。
さらに、上述の遊技機において、
遊技の進行に対応させて演出画像が表示される表示装置と、
前記遊技用マイクロコンピュータからの制御指令に基づいて前記表示装置における表示を制御する演出制御装置と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
電源が投入された場合に実行される前記電源投入処理で、前記演出制御装置に対して前記表示装置に電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示する処理を実行し、
前記電源投入処理の実行によって、前記表示装置に電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示した後に、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源投入処理において、電源投入画像の表示を演出制御装置に対し指示する処理を実行するので、出荷時に遊技機の起動確認の検査を行なう場合に、相互認証が完了する前に遊技機が起動したことを確認することができるため、検査の効率化を図ることができる。
さらにまた、上述の遊技機において、
遊技盤に遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置の動作を制御する発射制御装置と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記発射制御装置に対して遊技球の発射を許可する発射許可信号と、遊技球の発射を禁止する発射禁止信号を出力することにより前記発射装置を制御可能に構成され、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行される前記電源断処理に、前記発射禁止信号を出力する処理を含み、
前記電源断処理の実行により前記発射装置による遊技球の発射を禁止するようにしたことを特徴とする遊技機を提供することができる。
これによれば、電源断処理において発射禁止信号を出力するので、電源断処理の実行中に遊技球が発射されて入賞口に入賞したにもかかわらず、賞球が行なわれない状態が発生することがないため、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
また、上述の遊技機において、
前記電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、前記電源供給装置から供給される供給電圧が、前記停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を前記遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段と、
所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて前記遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行する前記電源断処理に、前記リセットタイマの計時を開始させる処理を含み、
前記電源断処理の実行により前記リセットタイマの計時を開始させるようにしたことを特徴とするものを提供することができる。
この第2リセット信号出力手段を用いた電源断処理については、図24を参照しつつ後述する。
これによれば、電源断処理において第2リセット信号出力手段のリセットタイマの計時を開始させる処理を含めたので、相互認証の実行中に停電検出信号が出力されたにもかかわらず、第1リセット信号出力手段によるリセット信号が出力されないような場合でも確実に復帰することができる。
[実施形態2]
図18及び図19を参照しつつ、発明1と発明2に共通の実施形態2について説明する。実施形態2のほとんどは実施形態1と共通である。実施形態1においては、相互認証の完了前に遊技機の起動したことを視認できるように演出制御装置に起動画面のコマンドを送ることとした(図8のステップS24、ステップS29)。このことを一歩進めて、相互認証の完了前に、表示装置にさらに変動表示ゲームを行なうためのコマンドを送るようにしたのが実施形態2である。
図18は、実施形態2における遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート3枚のうちの2枚目である。実施形態2においては、遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート3枚のうちの1枚目と3枚目は同一であり、2枚目の一部だけが異なる。異なるのは、実施形態1の図8においてはステップS35「発射許可を設定」とステップS37「乱数回路の起動設定」との間にあったS36「CTCを起動」の処理を、ステップ24とステップ30の間(ステップS29とステップS30との間)に移動した点である。移動後の「CTCを起動」のステップ番号をステップ291と図18においては、リナンバリングしてある。
これにより、相互認証の完了の判定(ステップS33)を待たずに、タイマ割込み処理(図10)を可能とし、ゲームの開始、特に特図ゲーム処理(S68)の実行を可能とした。このことは、相互認証に長時間かかる場合に遊技者が待ちきれずにいらいらするのを防止するのに役立つ。ただ、相互認証が完了していない状態では、賞球払出が不可能である。したがって、特図ゲーム処理において処理できる内容に制限が生じる。
図19は、実施形態2におけるタイマ割込み処理のうちの特図ゲーム処理を示すフローチャートである。図19に描いた処理のうち、ステップA1からステップA20までの20個の処理は、実施形態1における特図ゲーム処理を示すものであり、実施形態2において追加したのは、ステップA21及びステップA22の二つの判定処理のみである。
ここで、実施形態1における特図ゲーム処理がどのような流れになっていたかについてまず言及する。実施形態1の特図ゲーム処理は、始動口スイッチ監視処理を実行し(ステップA1)、カウントスイッチ監視処理を実行し(ステップA2)、特図ゲーム処理タイマをマイナス1更新し、タイムアップしたかチェックし(ステップA3)、タイムアップしたら(ステップA4;Yes)、特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定し(ステップA5)、特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し(ステップA6)、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避し(ステップA7)、処理番号による分岐をする(ステップA8)。ここで、処理番号が0は特図普段処理(ステップA9)、処理番号が1は特図変動中処理(ステップA10)、処理番号が2は特図表示中処理(ステップA11)、処理番号が3はファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)、処理番号が4は大入賞口開放処理(ステップA13)、処理番号が5は大入賞口残存球処理(ステップA14)、処理番号が6は大当り終了処理(ステップA15)である。そして、これらの処理に分岐した後、その処理を終えたら分岐処理で準備したテーブルの各データを作業領域にセーブし(ステップA16)、特図1を制御するためテーブルを準備し(ステップA17)、図柄変動制御処理を実行し(ステップA18)、特図2を制御するためのテーブルを準備し(ステップA19)、図柄変動制御処理を実行し(ステップA20)、図10のタイマ割込み処理に戻り、特図ゲーム処理(ステップS68)の次の普図ゲーム処理(ステップS69)に進む。
上記ステップA4でタイムアップしていない場合(ステップA4;No)には、ステップA17からステップA20までの処理をした後、図10のタイマ割込み処理に戻る。
このような実施形態1における特図ゲーム処理は、図8に示されるように、相互認証が完了しないと開始することができない。実施形態2では、CTCを起動するタイミングを変更して、相互認証が完了することの判定を行なう前に割込み処理、ひいては特図ゲーム処理の開始を可能にした。そして、特図ゲーム処理の7種類の処理番号のうち、処理番号が0,1,2のものについては、賞球払出が発生しない処理であり、処理番号が3,4,5,6,7については、賞球払出と関連する処理であることに着目して、ステップA2とステップA3との間に、相互認証が済んでいるか否かの判定(ステップA21)及び処理番号が2以下であるか否かの判定(ステップA22)を加えて、相互認証が済んでいる場合(ステップA21;Yes)は、ステップA3に進んですべての処理番号についての処理を可能にし、相互認証が済んでいない場合(ステップA21;No)には、処理番号が2以下であるかの判定(ステップA22)を設けて、処理番号が0,1,2の何れかである場合にのみ、実行を可能にし、処理番号が3,4,5,6の何れかである場合には、ステップA17−A20の処理をした後に、図10のタイマ割込み処理に戻ることとしたものである。
ステップA3、ステップA4をみてわかるように、特図ゲームには特図ゲーム処理タイマがあり、タイムアップすることでステップA5以降の処理に進むことができる。したがって、遊技者にとっては、最初のしばらくの時間を消化しなければならない。そのような事情に鑑みるに相互認証の完了を待たずにゲームにはいれるようにすることが、遊技者の利益にもかなうこととなる。
[発明3−実施例1]
次に、図20から図23までを参照しつつ、発明3の実施例1について説明する。図20は、発明3の実施例1を説明するタイムチャート1である。上述したように、電源装置160には、AC−DCコンバータ及びDC―DCコンバータが備えられており、AC24V(図20の(a))、からDC32V(図20の(b))を生成し、さらにDC32Vに基づいて、DC15V(図20の(c))、DC12V(図20の(d))、DC5V(図20の(e))を生成して、これら数種類のDC電源を遊技制御装置100、払出制御装置210、演出制御装置150などに供給している。
さらに、電源装置160には、停電検出回路169が備えられており(図3参照)、DC32Vを監視し、所定の電圧(停電検出電圧)にまで下がったときに停電検出信号(図20の(f))を発生させて各装置(遊技制御装置100、払出制御装置210、演出制御装置150)に送っている。具体的に言うと停電検出信号(図20の(f))は、停電を検出するまでの間はONの信号であり、DC32V(図20の(b))が17.2V〜19.5Vの停電検出電圧まで降下したとき(時刻t2)に停電を検出しOFFの信号を出力し、その後DC32Vの電圧が17.2V〜19.5Vに回復するまでOFFの信号を出し続ける(図20の(f))。AC24V入力において電源断となる時刻t1から停電検出がされる時刻t2までは、AC−DCコンバータの特性に応じた所定の遅延が生じる。
図20(c)に示すように、DC15V電源は、時刻t2の近くで降下し始め、緩やかに降下してゼロになる。同様にDC12V、DC5Vの電圧は、スイッチングレギュレータの入力電圧範囲との関係で、それより遅れた時刻t3 、時刻t4においてそれぞれ降下し始め、緩やかに降下してゼロになる(図20(d)(e))。DC5Vの電圧が許容される範囲は4.75〜5.25Vである。遊技制御装置100、払出制御装置210のそれぞれの基板上の回路であってアミューズチップ600の外付け回路として設けられたリセット回路107、219(図3参照)では、DC5V電源の電圧を監視しており4.5〜4.65Vを検出電圧としている。したがって、図20の時刻t5でリセット信号を出力する(図20(g))。このリセット信号は、5V電圧がリセット検出電圧まで降下したときにOFF信号を出力し、それ以外ではON信号である。リセット信号は前述したようにアミューズチップのリセット割込制御回路610に設けられたRST端子に入力される。そしてCPUコア601は、CPU及びその周辺回路(遊技制御装置100であれば遊技制御装置全体、払出制御装置であれば払出制御装置全体)をシステムリセットする。
ここで、停電検出とリセットとの関係を電源供給の観点から整理する。遊技制御装置100の場合には、停電発生(図8のステップS31;Yesまたは図9のステップS44でYes)の場合、電源断処理(ステップS45−S52)を実行して電源が断たれるのを待つ。払出制御装置210の場合には、停電発生(図15のステップS1515;Yes)の場合、電源断処理(ステップS1516−1520)を実行して電源が断たれるのを待つ。これらの電源断処理を実行するのに必要な電源はバックアップ電源161によって各装置に供給される。電源装置160は、停電検出回路169が停電を検出すると各装置への電源供給をバックアップ電源161からの供給へと切り替える。バックアップ電源161は前述したように大容量の電解コンデンサによって構成されており、各装置が電源断処理を実行可能な電力を供給することとともに、停電の間、各装置内のRAMに記憶した内容を保持するための電力をも供給可能であるように設計されている。しかし、RAMに必要なデータをバックアップするための電源断処理を完了した後、電源が断たれるのを待つまでの時間も各装置には通電状態を維持したままであるので、RAMの内容を保持するのに必要な電力にくらべると大きい電力を消費する。
そこで、電源断処理を完了するのに十分な時間が経過した後にリセット信号を遅滞なく発生することが望まれる。図20に示すタイムチャートでは、停電検出信号が時刻t2において発生し、それを開始条件として電源断処理が各装置(遊技制御装置100と払出制御装置210)で行なわれて、それぞれのRAMにデータを保持する処理が終わって間もない時刻t5においてリセット信号が発生してCPUコア601にリセットをかける。リセット(システムリセット)は、CPUコア601及びその周辺回路の電源を強制的に切った後に、電源を投入し直す(再投入する)ことを意味する。したがって、CPUコア601は、自身のチップ内及び基板内の回路への電源供給を停止して、再びシステムを起動しなおそうとする。このとき、ブートブロック613に格納されたブートプログラムにしたがってブート処理を実行するが、電源装置160のバックアップ電源161からの電源供給ではなく、本来のAC24VからAC−DCコンバータ及びDC−DCコンバータを介して供給される電源供給を要求する。その電源供給がないとCPUコア601は、ブート処理を完了できないため起動しない。このタイミングでバックアップ電源161が電源供給をする対象はRAMのみへと切り替わる。
地震、雷、火災などの理由で電源供給が断たれた場合には、それらの事情が復旧するまでの間、バックアップ電源によりRAM内のデータは正常に保持されて、次の電源投入の際には、正常に停電復旧がなされて本来の電源供給に戻る。
図21は、発明3の実施例1を説明するタイムチャート2である。この図は、時刻t6に停電が発生して時刻t7に停電検出信号(図21の(f))が発生するが、その直後の時刻t9に停電復帰したためにリセット信号(図20の(g))が発生しないケースを示している。このケースの場合、停電検出信号を検出することを開始条件として前述の電源断処理を行い、遊技制御装置100、払出制御装置210は、電源が断たれるのを待つ状態に入る。この状態になると、遊技店において店員がその事態に気づいて電源の投入をし直さない限り、原状復帰できないことになる。
発明3にあっては、この課題を解決し、電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて電源断処理を行い、供給電圧が停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、マイクロコンピュータにリセット信号を出力する遊技制御装置を備えた遊技機において、瞬間的な停電が発生して停電検出信号のみが出力された場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することのできる遊技機を提供することを目的とする。
そして、その場合の解決手段となる遊技機は、
遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも遊技情報を保持可能とするメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、
前記電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、前記電源供給装置から供給される供給電圧が、前記停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を前記遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて前記遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている遊技情報をそのまま保持する一方、停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記停電検出信号に基づいて、前記電源断処理を実行するとともに、前記リセットタイマの計時を開始させる処理を実行するようにしたことを特徴とする。
この第2リセット信号出力手段を用いた電源断処理については、図24を参照しつつ後述する。
この遊技機によれば、停電検出信号が出力されたにも関わらず、リセット信号が出力されないような場合でも、電源の投入をし直すことなく確実に復帰することができる。
また、前記遊技機であって、
遊技盤に遊技球を発射する発射装置と、
前記発射装置の動作を制御する発射制御装置と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記発射制御装置に対して遊技球の発射を許可する発射許可信号と、遊技球の発射を禁止する発射禁止信号を出力することにより前記発射装置を制御可能に構成され、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行される前記電源断処理に、前記発射禁止信号を出力する処理を含み、
前記電源断処理の実行により前記発射装置による遊技球の発射を禁止するようにした
ものを提供することもできる。
これによれば、停電検出信号を検出した場合に実行される電源断処理において発射禁止信号を出力するようにしたので、電源段処理の実行中に遊技球が発射されて入賞口に入賞したにもかかわらず、賞球が行われない状態が発生することがないため、遊技者が不利益を蒙ることを防止することができる。
発明3の実施例1にあっては、この目的を達成すべく、遊技制御装置のメイン処理及びタイマ割込み処理に変更を加えて、ウォッチドッグタイマ(WDT)を用いて強制的にシステムリセットをかけるものである。図22は、発明3の実施例1における遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート3枚のうちの2枚目である(発明3の実施例1)。上述した実施形態1における遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート(図7,8,9)と大部分が同一であり、異なるのは、図8のステップS35の「発射許可設定」とステップS36の「CTCを起動」の間に、ステップS351の「WDT起動」を挿入したことである。すなわち、相互認証が完了し(ステップS33;Yes)、通信エラーの発生がなく(ステップS34;No)、発射許可を設定して(ステップS35)、メイン処理としてはゲームを開始する準備が整ったところで、ウォッチドッグタイマ(WDT)を起動して(ステップS351)、その後CTCを起動する(ステップS36)。ウォッチドッグタイマ(WDT)は所定の時間の経過をカウントして当該時間が経過すると強制的にCPUを停止して、再起動するものである。ウォッチドッグタイマ(WDT)は、前述したように遊技用マイコン(アミューズチップ)600内のリセット割込制御回路610内に設けられた回路である。
図23は、発明3の実施例1における遊技制御装置のタイマ割込み処理を示すフローチャートである。メイン処理のステップS36でCTCの起動をするので、その後タイマ割込み処理が所定周期で実行される。実施形態1におけるタイマ割込み処理(図10)と大部分が同一であり、異なるのは図10のステップS61の「レジスタを退避」とステップS62の「入力処理」との間にステップS611の「WDTクリア」を挿入したことである。このWDTクリアは、前述のウォッチドッグタイマを初期化すること、つまりセットしなおすことをいう。このWDTクリアをしなければ、例えばゲーム中にシステムがリセットされてしまい、遊技者の利益を損ねてしまう。それに対し、停電が発生して電源断処理が開始されたときは割込みを禁止するので(図9のステップS45)、その後はWDTクリアが働かず、所定の時間経過後、CPUの停止及び再起動がなされる。したがって、WDTの時間設定は、電源断処理でRAMへのバックアップ処理を実行完了するのに必要な時間を考慮して設定される。
[発明3の実施例2]
図24は、発明3の実施例2における遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート3枚のうちの3枚目である(発明3の実施例2)。実施例1と同様にウォッチドッグタイマ(WDT)を用いて同じ課題を解決するものである。上述した実施形態1における遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャート(図7,8,9)と大部分が同一であり、異なる点は、図9のステップS45の「割込みを禁止」とステップ46の「発射停止を設定」との間に「WDT起動」を挿入した点にある。実施例2にあっては、電源断処理の途中においてウォッチドッグタイマ(WDT)を起動して、一連のRAMへの保存処理が完了したタイミングを見定めてCPUの停止を図ることとしたものである。
図24に示すウォッチドッグタイマ(WDT)を用いた電源断処理は、上述した実施形態1又は実施形態2と組み合わせて実行することもできる。また、上述した発明1又は発明2と組み合わせることも可能である。
停電が発生したと判定されると(図24のステップS44;Yes又は図8のステップS31;Yes)、割込みを禁止する(ステップS45)。これにより特図ゲーム処理などのタイマ割込み処理がなされなくなる。このタイミングでウォッチドッグタイマ(WDT)を起動する(ステップS451)。ウォッチドッグタイマ(WDT)は、図4に示すアミューズチップ600の内部バスに接続された周辺回路の一つであるリセット割込制御回路610内に設けられた回路であって、所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段に該当する。
図3を参照しつつ前述したように、遊技制御装置100及び払出制御装置210には、それぞれ基板上の回路であってアミューズチップの外付け回路としてリセット回路107、219がそれぞれ設けられており、このリセット回路が電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、電源供給装置から供給される供給電圧が、前記停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段に該当する。
本実施例にあっては、この第1リセット信号出力手段がリセット信号を出力しない場合であっても、確実にリセットを行うために、電源断処理の割込禁止(ステップS45)の次のタイミングでWDTを起動するものである。このウォッチドッグタイマ(WDT)が計時する時間の長さは、ステップS46からステップS52までの電源断処理の残りのステップを確実に実行する時間であるので、比較的短い時間である。例えば、特図変動表示ゲームの変動表示を規定する変動時間値のうちから適当な長さの時間を選択して設定することができる。
図25は、発明3の実施例2を説明するタイムチャートである(発明3の実施例2)。時刻t11において停電が発生し、時刻t14において停電が復帰している。このとき時刻t12において停電検出信号(図25(f))が発生し、時刻t15まで停電を示す信号を出し続ける。DC15V,DC12Vの電圧は、一旦電圧が下がるが、時刻t14近くから元の状態に戻り始める。リセット回路107、219(電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、電源供給装置から供給される供給電圧が、停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段)から出力されるリセット信号(図25の(g))は、ずっとON(High)の状態のままなので、CPUはリセット回路からのリセット信号によっては停止しない。一方、ウォッチドッグタイマ(WDT:所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて前記遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段)は、停電検出信号(図25(f))が発生した直後からカウントを始めており、時刻t16にWDTリセットを発生させる。これによりシステムが停止して再起動する。この処理により、RAMへの正常なデータ保存がなされた上、バックアップ電源からの電源供給から本来の電源供給へ正常に切り替わって停電前の状態に復旧することが可能となる。
このように、この発明3の実施例2においては、電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行される電源断処理(ステップS45からステップS52まで)に、第2リセット信号出力手段(WDT)のリセットタイマの計時を開始させる処理(ステップS451)を含み、電源断処理の実行によりWDTのリセットタイマの計時を開始させるようにしているので、相互認証の実行中に停電検出信号が出力されたにもかかわらず、リセット信号が出力されないような場合でも確実に復帰することができる。
WDTのリセットタイマに設定される時間値は、図20のt2からt5までに要する時間よりも長ければよいので、例えば、ROM103に格納されている特図変動表示ゲームの変動表示を規定する変動時間値の最も短い時間値(t2からt5までに要する時間よりも長い値)を設定するようにしてもよい。
これにより、遊技者に違和感を与えることなく停電前の状態に復帰することができるとともに、ROM103にWDTのリセットタイマに設定される時間値を新たに設ける必要がなくROMの容量を節約することができる。
上記説明で、停電フラグ(停電確認情報)がRAM104内の停電検査領域内に格納されているとしたが、RAM104内の他の領域に格納されるものとしてもよい。また、停電フラグ(停電確認情報)はフラグとして設定したりリセットしたりする場合のみならず、所定のテーブルに値を書き込むなど、参照できる情報として記憶されていれば同様に機能することができる。
さらに、上記説明では、停電フラグを格納するタイミングをシャットダウン処理(電源断処理)のステップS48又はS49としたが、停電検出の判定処理(ステップS31又はステップS44)において停電フラグをRAMの所定領域に立てることとして、電源断処理においては停電フラグの格納処理を省くこともできる。
発明1から発明3までという観点から、本願発明を把握することを試みたが、本出願人は、さらに別の観点から発明を捉え直すこととする。上述の発明1から発明3までと区別するために、以下、技術思想1から技術思想5までのネーミングにおいて、それらを抽出することとする。
≪技術思想1≫
以上の説明から、本出願には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
前記電源投入処理の実行より前に、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示するための設定を行うことで前記電源投入処理と並行して前記相互認証を行い、
前記電源投入処理が終了した後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行するようにしたことを特徴とする遊技機の技術思想が含まれることがわかる。
これを技術思想1と呼ぶ。
技術思想1によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示した後に、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
また、電源投入処理の実行より前に正規接続判定手段に相互認証の実行開始を指示する設定をしてから、電源投入処理と相互認証処理とを並行して実行するので、電源投入から遊技制御開始までの時間を短縮することができる。
≪技術思想2≫
さらに、本出願には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、遊技の進行に対応させて演出画像が表示される表示装置と、前記遊技制御装置からの制御指令に基づいて前記表示装置における表示を制御する演出制御装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
電源が投入されたことに基づいて前記電源投入処理を実行するとともに、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示する設定を行い、
前記電源投入処理の実行によって、前記表示装置に電源が投入されたことを示す電源投入画像の表示を指示した後に、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行するようにしたことを特徴とする遊技機の技術思想が含まれることがわかる。
これを技術思想2と呼ぶ。
技術思想2によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示した後に、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
また、電源投入処理において、電源投入画像の表示を演出制御装置に対し指示する処理を実行するので、遊技機の製造工場出荷時に起動確認の検査を行なう場合に、相互認証が完了する前に遊技機が起動したことを表示装置の視認により確認することができるため、検査の効率化を図ることができる。
≪技術思想3≫
さらに、本出願には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、
前記電源供給装置から供給される供給電圧の監視を行い、前記電源供給装置から供給される供給電圧が、前記電源供給装置から出力される停電検出信号の検出電圧よりも低い所定電圧まで低下した場合に、リセット信号を前記遊技用マイクロコンピュータに出力する第1リセット信号出力手段と、
所定のリセットタイマにより計時を開始し、該リセットタイマがタイムアップしたことに基づいて前記遊技用マイクロコンピュータにリセット信号を出力する第2リセット信号出力手段と、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件として、前記リセットタイマの計時を開始させる処理を行なうとともに、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
前記電源供給装置から出力される停電検出信号に基づいて実行する前記電源断処理に、前記リセットタイマの計時を開始させる処理を行ない、
電源が投入されたことに基づいて前記電源投入処理を実行するとともに、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示する設定を行い、
前記相互認証の実行を開始させた後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行するようにしたことを特徴とする遊技機の技術思想が含まれることがわかる。
これを技術思想3と呼ぶ。
技術思想3によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示した後に、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
また、電源断処理において第2リセット信号出力手段のリセットタイマの計時を開始させる処理を含めたので、相互認証の実行中に停電検出信号が出力されたにもかかわらず、第1リセット信号出力手段によるリセット信号が出力されないような場合でも確実に復帰することができる。
≪技術思想4≫
さらに、本出願には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
電源が投入されたことに基づいて前記電源投入処理を実行するとともに、前記正規接続判定手段に前記相互認証の実行開始を指示する設定を行い、
前記相互認証の実行を開始させた後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行し、
所定時間が経過しても前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されない場合には、前記正規接続判定手段による相互認証に異常が発生したと判断して前記電源断処理を実行するようにしたことを特徴とする遊技機の技術思想が含まれることがわかる。
これを技術思想4と呼ぶ。
技術思想4によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示した後に、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
≪技術思想5≫
さらに、本出願には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置と、前記遊技制御装置に接続され前記遊技制御装置からの賞価値付与指令によって遊技者に賞価値を付与する制御を行なう賞価値付与制御装置と、前記遊技制御装置及び賞価値付与制御装置に電源を供給する電源供給装置と、を備えた遊技機において、
前記遊技制御装置は、
バックアップ電源によって停電時にも保持可能に構成され、遊技制御に関する情報を記憶するメモリと、
遊技の進行を制御する遊技用マイクロコンピュータと、を備え、
前記遊技用マイクロコンピュータは、
前記賞価値付与制御装置との間で、暗号化された暗号化データの送受信が可能な暗号通信手段と、
前記接続されている賞価値付与制御装置との間で、前記暗号通信手段を介して相互認証を行い、前記相互認証の結果に基づいて前記接続されている賞価値付与制御装置が正規な賞価値付与制御装置であるか否かを判定する正規接続判定手段と、
前記正規接続判定手段による相互認証が完了した場合に、相互認証の結果が記憶される判定結果記憶手段と、を備え、
前記電源供給装置から供給される供給電圧が所定電圧まで低下した場合に、前記電源供給装置から出力される停電検出信号を実行開始条件とし、停電が発生したことを示す停電確認情報を前記メモリに保存して電源断まで待機する電源断処理と、
前記メモリに保存された停電確認情報を参照し、該停電確認情報が所定の値である場合には、前記メモリに保持されている前記遊技制御に関する情報をそのまま保持する一方、前記停電確認情報が所定の値以外である場合には、前記メモリを初期化する電源投入処理と、を実行可能に構成され、
前記相互認証の実行を開始させた後は、前記相互認証が完了したか否かを特定するために、前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されるまで前記判定結果記憶手段に所定の判定結果が記憶されたか否かの判定を繰り返し行うとともに、前記電源断処理の実行開始条件である前記停電検出信号を検出したか否かの判定を繰り返し実行するようにしたことを特徴とする遊技機の技術思想が含まれることがわかる。
これを技術思想5と呼ぶ。
技術思想5によれば、相互認証の実行開始を正規接続判定手段に指示した後に、相互認証が完了したか否かの特定を繰り返し行なうとともに、停電検出信号の判定を繰り返し実行するようにしたので、相互認証の実行中に停電が発生した場合でも、停電復旧時に正常に停電前の状態に復旧することができる。
なお、本発明の遊技機10は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。