JP5988897B2 - 推進制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、推進制御装置に関する。
一般に電気鉄道車両には、車両駆動用の電動機を搭載する車両(電動車)と搭載しない車両(付随車)とがあり、動力分散方式の列車は、複数の電動車を有するように編成される。1つの列車における電動車と付随車の数は、電動機及びそれを制御する制御装置の性能を加味した上で、その列車の走行において必要な加速度を出すために必要となる引張力(トルク)が得られるように決定される。
一般的に、駆動用の電動機とそれを制御する制御装置は、最大性能で稼働するときに効率が良くなるように設計されている。そのため、定速運転をするような場合や加速度をあまり必要としない場合といった低負荷の状態ではこれらの機器の効率が悪化し、列車全体においても効率が悪くなるという問題があった。
これを解決するために、例えば特許文献1及び特許文献2は、低負荷の状態では特定の車両の駆動用電動機と電動機制御装置を休止させることにより、稼働する駆動用電動機と電動機制御装置の効率を高める手法を開示している。
また、特許文献3は、車両に搭載された主電動機とインバータに温度センサを取り付けて温度を検出し、機器の温度のリスクを考慮して稼働する電動機と休止する電動機を決めたり、温度が高い電動機の出力を抑えたりする手法を開示している。これにより、各機器間の動作を調整することができ、省エネ効果等を得ることができる。
特開平7−308004号公報 特開2003−164004号公報 特開2010−284032号公報
特許文献1及び特許文献2に記載されたような特定の車両の駆動用電動機と電動機制御装置を休止させるシステムの場合、休止しない車両の駆動用電動機と電動機制御装置が集中して稼働し続ける可能性がある。そのため、稼働時間の長い駆動用電動機と電動機制御装置の温度が集中して上昇していき、それらの機器寿命を短くする可能性がある。
一方で、引用文献3に記載された手法は、主電動機とインバータの温度を考慮して動作を制御するため、その時々の温度による機器の厳しさ度合いは判定されて負荷が平準化される。しかし、過去の温度履歴を参照するものではないため、残寿命が少ない主電動機及び制御装置を稼働させてしまう可能性がある。
とくに、一般的に温度が高いほど劣化が加速度的に進むため、駆動用電動機や電動機制御装置が過去に異常に高い温度になっていた場合は、残寿命は通常温度で同じ時間運用した場合にくらべて短くなる。そのため、もともと残寿命が同じ機器であっても累積した損傷の度合いが機器ごとにまちまちになって点検・交換周期にばらつきが生じるという課題や、消耗部品の点検・交換周期を劣化度合いが一番高い部品に合わせて定める場合には点検・交換周期が短くなるという課題があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、累積した損傷度を機器間で平準化させながら列車を推進させるのに好適な推進制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る推進制御装置は、車両駆動用の電動機と電動機を制御する電動機制御装置とを備える複数の車両から構成される列車の推進力を制御する推進制御装置であって、複数の車両のそれぞれについて、電動機と電動機制御装置とのうちの少なくともいずれかの稼働状態を示す指標を取得する取得部と、取得した指標に所定の演算を施すことにより、指標を取得した機器における累積した損傷度を算出する演算部と、電動機のそれぞれが発生させるべきトルクの配分を、指標を取得した機器間における累積した損傷度の差が小さくなるように、且つ、列車が運転指令に従って走行するためのトルクが得られるように、決定する決定部と、決定したトルクの配分で電動機のそれぞれを稼働させるように、電動機制御装置に指令を送る指令部と、を備え、決定部は、列車の力行運転時には、指標を取得した機器間における損傷度の差が小さくなるようにトルクの配分を決定し、列車の回生運転時には、電動機のそれぞれにおいて許容された上限値でトルクを発生させるようにトルクの配分を決定する。
本発明によれば、累積した損傷度を機器間で平準化させながら列車を推進させるのに好適な推進制御装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る推進制御装置が適用される列車編成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電動機制御装置とその周辺機器の構成を示すブロック図である。 (a)は、インバータにおいて検出された電流データの例を示す図である。(b)は、電動機において検出された温度データの例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る推進制御装置の構成を示すブロック図である。 累積損傷度を算出する処理を説明するための図である。 必要トルクに応じて決められた各車両の電動機が発生させるべきトルクの配分の例を示す図である。 本発明の実施の形態1における推進制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2における累積損傷度を算出するための基準時の更新処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
実施の形態1.
実施の形態1に係る推進制御装置は、例えば、図1に示す列車1に搭載され、列車1が走行するための推進力を制御する。列車1は、一列に連結された車両2a、車両2b及び車両2cという3両の車両によって編成される。
先頭の車両2aは、推進制御装置3と、操作者(運転士)からの各種指令を受け付けるマスコン(マスターコントローラ)4aと、を備える。また、車両2aは、車両2aを駆動するための駆動用の電動機5a,6aを、車両2aを支持する前後の台車内の車軸ごとに備え、これらを制御する電動機制御装置7aを、さらに車両2aの床下に備える。電動機制御装置7aは、電動機5a,6aを、マスコン4aからの運転指令に従って制御するための制御装置である。各機器は、車上に設置されたパンタグラフ8を介して架線9から供給された電力により稼働する。
2番目の車両2bも、駆動用の電動機5b,6bとこれらを制御する電動機制御装置7bとを備える。また、3番目の車両2cも、駆動用の電動機5c,6cとこれらを制御する電動機制御装置7cとを備える。3番目の車両2cは、さらにマスコン4cも備える。各車両に電動機制御装置が搭載されているため、3台の車両2a〜2cはいずれも単独で走行可能な電動車である。列車1は、車両2a〜2cのそれぞれに搭載された電動機5a〜5c,6a〜6cが発生させた引張力(トルク)を合わせた力により、走行する。
なお、以下では、3台の車両2a〜2cのそれぞれをとくに区別せず称するときは、車両2という。同様に、電動機5a〜5c、電動機6a〜6c、及び電動機制御装置7a〜7cについても、個々を区別せずに称するときは、それぞれ、電動機5、電動機6、及び電動機制御装置7という。
つづいて、図2を参照して、各車両2に搭載された電動機制御装置7とその周辺機器の構成を説明する。電動機制御装置7は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、インバータ14と、を備える。
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)と、CPUのメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)等によって構成される。制御部11は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して電動機制御装置7の各部と接続され、電動機制御装置7全体を制御する。
通信部12は、適宜の通信装置によって構成され、制御部11の制御のもと、伝送線を介して接続された推進制御装置3とデータの通信を行う。通信部12は、例えば、電動機5,6とインバータ14において検出された電流と温度のデータを推進制御装置3に送信したり、電動機5,6の運転指令や停止指令を推進制御装置3から受信したりする。
記憶部13は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置によって構成される。記憶部13は、OS(Operating System)や各種のアプリケーションプログラム等、制御部11が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
例えば、記憶部13は、電流データ131と温度データ132とを記憶する。電流データ131は、インバータ14に設けられた電流センサ21により検出されたデータである。温度データ132は、電動機5,6に設けられた温度センサ22,23により検出されたデータである。電流データ131と温度データ132の詳細は、後述する。
インバータ14は、例えば可変電圧可変周波数インバータであって、列車1の運転指令に基づいて、架線9からパンタグラフ8及び電動機制御装置7の外部に設置された変圧器15を介して集電された直流電流を所望の周波数の交流電流に変換する。そして、インバータ14は、変換した交流電流を電動機5,6へと送り、モータを駆動させて車軸及び車輪を回転させ、列車1を走行させるための引張力(トルク)を発生させる。なお、変圧器15は、架線9から供給される電流が交流電流である場合に必要となるものであり、架線9から供給される電流が直流電流である場合には不要であるため、図2に示した構成を変圧器15がない構成とすることも可能である。
また、列車1が回生ブレーキをかけて走行している間は、インバータ14は、電動機5,6からの交流電流を直流電流に整流するコンバータとして機能し、列車1の走行エネルギーを電力に変換して架線9に戻す役割を果たす。
インバータ14には電流センサ21が、電動機5には温度センサ22が、電動機6には温度センサ23が、それぞれ設置される。電流センサ21は、インバータ14を流れる電流を検出し、その値を計測する。温度センサ22,23は、それぞれ、例えば電動機5,6が有するモータの表面に取り付けられ、その温度を計測する。このように、3台の車両2a〜2cのそれぞれでは、搭載された機器の稼働状態を示す第1の指標として、電動機制御装置7が有するインバータ14の電流が検出・計測され、第2の指標として、電動機5,6の温度が検出・計測される。検出・計測された電流と温度のデータは、電流データ131及び温度データ132として各電動機制御装置7の記憶部13に記憶される。
図3に、電流データ131と温度データ132の例を示す。図3では例として、3台の車両2a〜2cのうち1号車(車両2a)において検出されたデータの様子を示す。
車両2aにおいて、制御部11は、インバータ14を流れる電流の値を、電流センサ21により継続的に取得し、図3(a)のような電流値が時間の経過とともに変化する様子を表す履歴データを記憶部13に記憶する。また、制御部11は、車両2aの前後の台車内に搭載された電動機5aと電動機6aの温度を、温度センサ22,23により継続的に取得し、図3(b)のような温度が時間の経過とともに変化する様子を表す履歴データを記憶部13に記憶する。なお、図3(b)では、点線のグラフが電動機5aの温度データを表し、一点鎖線のグラフが電動機6aの温度データを表しているものとする。
3台の車両2a〜2cのそれぞれにおいて、制御部11は、このような電流データ131と温度データ132を記憶部13に記憶する。そして、制御部11は、記憶した電流データ131と温度データ132とを、所定のタイミングで通信部12を介して推進制御装置3へと送信する。
つづいて、図4を参照して、推進制御装置3の構成を説明する。推進制御装置3は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、を備える。
制御部31は、例えばCPUと、CPUのメインメモリとして機能するRAM等によって構成される。制御部31は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介して推進制御装置3の各部と接続され、推進制御装置3全体を制御する。
通信部32は、適宜の通信装置によって構成され、制御部31の制御のもと、伝送線を介して接続された車両2a〜2cの電動機制御装置7a〜7cとデータの通信を行う。通信部32は、例えば、車両2a〜2cのそれぞれに対する電動機の運転指令や停止指令を送信したり、車両2a〜2cのそれぞれにおいて検出された電流データ131と温度データ132とを受信したりする。また、通信部32は、列車1の外部に設置された装置と無線通信を行うための機能を備えていてもよい。
記憶部33は、例えばHDD、ROM、フラッシュメモリ等の記憶装置によって構成される。記憶部33は、OSや各種のアプリケーションプログラム等、制御部31が各種処理を行うために使用する各種プログラム及びデータ、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得する各種データを記憶する。
例えば、記憶部33は、制御プログラム332と、累積損傷データ331と、を記憶する。累積損傷データ331は、電動機制御装置7及び電動機5,6の過去からの累積した損傷度を見積もるための累積損傷度を含んだデータであって、これらの機器の残り耐用年数(余寿命)を推定するために用いられる。累積損傷度が大きいほど、その機器を使用できる残りの期間が縮められたと推定される。
一方で、制御プログラム332は、制御部31によって実行され、推進制御装置3を、取得部311、演算部312、決定部313、指令部314、として機能させるためのプログラムである。
取得部311は、車両2a〜2cのそれぞれに搭載された電動機5a〜5c,6a〜6c及び電動機制御装置7a〜7cの稼働状態を示す指標として、電動機制御装置7a〜7cのそれぞれから、記憶部33に記憶された電流データ131と温度データ132とを、通信部32を介して取得する。例えば、取得部311は、車両2a〜2cに搭載された電動機制御装置7a〜7cに対して電流データ131と温度データ132の取得要求を送り、その要求に応じて電動機制御装置7a〜7cから送り返された電流データ131と温度データ132を受け取る。
また、取得部311は、列車1を走行させるために必要となるトルクの情報をマスコン4a又はマスコン4cから取得する。必要となるトルクは、例えば、列車1が出力すべき加速度と乗車率を加味した各車両2の荷重とを乗算することにより、また列車1の走行時に予測される抵抗等を考慮することによって得られる。
演算部312は、取得部311が取得した電流データ131と温度データ132とに基づいて所定の演算処理を実行し、電動機制御装置7及び電動機5,6の累積損傷度を算出する。
図5を参照して、演算部312が実行する演算処理について説明する。
演算部312は、取得部311が車両2a〜2cのそれぞれから電流データ131と温度データ132とを取得すると、電流データ131から電動機制御装置7の損傷度(制御装置損傷度)を算出し、算出した制御装置損傷度を過去から時間的に積算することにより、制御装置累積損傷度を算出する。また、演算部312は、温度データ132から電動機5及び電動機6の損傷度(電動機損傷度)を算出し、算出した電動機損傷度を過去から時間的に積算することにより、電動機累積損傷度を算出する。
過去からの累積損傷度を算出するために、演算部312は、記憶部33に記憶された累積損傷データ331を用いる。累積損傷データ331は、演算部312が算出した制御装置損傷度と電動機損傷度が、過去から蓄積して記憶されたデータである。演算部312は、取得部311により取得された電流データ131と温度データ132から算出した現在の損傷度に、累積損傷データ331に含まれた過去の累積損傷度を加えて、新たな累積損傷度を算出する。
大きな電流が長い期間流れるほどインバータ14の劣化の度合いが大きくなると予測できるため、電流データ131からの制御装置累積損傷度の算出は、電流値が大きくなるほど、且つ電流が流れた期間が長くなるほど損傷度が大きくなるような所定の関係式に基づいて行われる。すなわち、制御装置累積損傷度の算出は、取得した電流値の履歴に基づき、電流値を時間的に積算した値が大きいほど累積損傷度が大きくなるように行われる。
例えば、制御装置損傷度として、電流値と時間との積や電流値の2乗と時間との積を用いることができる。あるいは、積をとる期間を、所定の閾値以上の電流が流れた期間に限定してもよい。その他、損傷度を精度よく推定できるような任意の経験式を用いてもよい。
同様に、高い温度で長い期間稼働するほど電動機5,6の劣化の度合いが大きくなると予測できるため、温度データ132からの電動機累積損傷度の算出は、温度が高くなるほど、且つ高い温度の期間が長くなるほど、累積損傷度が大きくなるような所定の関係式に基づいて行われる。すなわち、電動機累積損傷度の算出は、取得した温度の履歴に基づき、温度を時間的に積算した値が大きいほど累積損傷度が大きくなるように行われる。
例えば、電動機損傷度として、温度と時間との積や温度の2乗と時間との積を用いることができる。あるいは、積をとる期間を、所定の閾値(例えば、電動機5,6において許容される上限温度)以上の温度の期間に限定してもよい。また、温度が10度高くなると機器の寿命が半減するという経験則に基づいて、温度が高くなるほど電動機損傷度が指数関数的に大きくなるようにしてもよい。
電動機制御装置7、電動機5及び電動機6のそれぞれについて新たな制御装置累積損傷度及び電動機累積損傷度を算出すると、制御部31は、算出した新たな制御装置累積損傷度及び電動機累積損傷度で、記憶部33に記憶された累積損傷データ331を更新する。このように、取得部311が各車両2から電流データ131及び温度データ132を取得し、取得したデータに基づいて演算部312が損傷度を算出するごとに、累積損傷データ331は更新される。そのため、推進制御装置3は、各車両2に搭載された電動機制御装置7、電動機5及び電動機6のそれぞれについて過去から累積した損傷度のデータを得ることができる。
制御装置累積損傷度と電動機累積損傷度とを算出すると、演算部312は、制御装置累積損傷度と電動機累積損傷度とを組み合わせて、車両ごとの累積損傷度を算出する。具体的に説明すると、演算部312は、車両2a〜2cのそれぞれにおける電動機制御装置7、電動機5及び電動機6の累積損傷度をまとめて、各車両2で1つの累積損傷度、すなわち1号車(車両2a)における累積損傷度、2号車(車両2b)における累積損傷度、及び、3号車(車両2c)における累積損傷度を算出する。
例えば、車両ごとの累積損傷度は、1つの車両2における制御装置累積損傷度と電動機累積損傷度とを加算した値であってもよいし、例えば加重平均のようにいずれかに重みをつけて求めた値であってもよい。
このように演算部312が車両単位の累積損傷度を算出すると、推進制御装置3では、決定部313が、列車1を走行させるために必要となるトルク情報と、各車両2の累積損傷度とに応じて、各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を決定する。
トルクの配分を決定すると、指令部314が、決定したトルクの配分を車両2a〜2cが備える電動機制御装置7a〜7cのそれぞれに伝達し、決定したトルクの配分で車両2a〜2cが備える電動機5a〜5c,6a〜6cのそれぞれを稼働させるように、電動機制御装置7a〜7cに指令を送る。
図6に、必要トルクに応じて決められた各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分の例を示す。図6では、各車両2の電動機5,6が出力できるトルクの上限値をT(kgf)として、出力すべきトルクの上限値に対する割合で、トルクの配分を示す。また、図6では例として、1号車(車両2a)の累積損傷度が他に比べて高く、2号車(車両2b)の累積損傷度が他に比べて低く、3号車(車両2c)の累積損傷度がその中間程度である場合を示している。
例えば必要トルクが3×Tのときは、3台の車両2a〜2cがともに最大出力で稼働する必要がある。そのため、3台の車両2a〜2cでは、いずれも、電動機制御装置7a〜7cが電動機5a〜5c及び電動機6a〜6cを最大出力(100%)で駆動させる。
一方で、必要トルクが2.5×Tのときは、3台の車両2a〜2cの電動機5a〜5c,6a〜6cがともに最大出力で稼働しなくても、所望の速度で列車1を走行させることができる。そのため、決定部313は、累積損傷度が高い1号車(車両2a)の電動機5a,6aの出力を50%に落とすように、各車両2の電動機5,6のトルクの配分を決める。また、必要トルクが2×Tに低下すると、決定部313は、1号車の電動機5a,6aの出力を30%に落とすとともに、累積損傷度が中程度に高い3号車(車両2c)の電動機5c,6cの出力も70%に落とす。
さらには、必要トルクが1.5×Tにまで低下した場合には、決定部313は、1号車の電動機5a,6aの出力を停止させ、2号車の電動機5b,6bを最大出力で、そして3号車の電動機5c,6cの出力を50%にするように、トルクの配分を決定する。すなわち、必要トルクが1.5×Tのときは、列車1は、2号車と3号車の電動機のみで走行する。また、必要トルクが1×Tになると、決定部313は、2号車の電動機5b,6bの出力を80%とする一方で、3号車の電動機5c,6cの出力をさらに20%にまで落とすように、トルクの配分を決定する。すなわち、必要トルクが1×Tのときは、列車1は、累積損傷度が低い2号車の電動機5b,6bを主として稼働させて走行する。
すなわち、決定部313は、発車時や高加速時など列車1に与えるべきトルクが比較的大きい場合には、3台の車両2a〜2cの電動機5a〜5c,6a〜6cをいずれも稼働させて列車1を走行させるように配分を決める。一方で、決定部313は、低加速時や定速運転時などのような列車1に与えるべきトルクが比較的小さい場合には、演算部312によって算出された累積損傷度が高い車両2aの電動機5a,6aの出力を抑えて車両2間における累積損傷度の差が小さくなるように配分を決める。
このように、本実施の形態に係る推進制御装置3は、電動機5a〜5c,6a〜6cのそれぞれが発生させるトルクの合計が、列車1に与えるべきトルクの値を超えるという制限を満たしつつ、演算部312により見積もられた累積損傷度の高い車両2から優先して、配分されるトルクを減らす。そのため、列車1に与えるべきトルクが小さい場合における電動機制御装置7や電動機5,6の稼働効率を高めるとともに、これらの機器の余寿命をなるべく同じ水準に保つことができる。
以上のような推進制御装置3が実行する推進制御処理の流れについて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。この推進制御処理は、各車両2に搭載された電動機5,6の稼働を制御するための処理であって、例えば、列車1の運転中に実行される処理である。
推進制御装置3において、まず制御部31が、累積損傷度を更新すべきタイミングが到来したか否かを判別する(ステップS11)。累積損傷度を更新すべきタイミングとは、記憶部33に蓄積されている累積損傷データ331を更新するタイミングとしてあらかじめ定められたタイミングである。
累積損傷度を更新すべきタイミングとして、例えば、列車1が駅で停止しているタイミング、定速走行又は惰性走行を開始したタイミング、低速で運転(例えば時速20km以下等)しているタイミング等が挙げられる。あるいは、10分ごと、1時間ごと等、定期的に累積損傷度を更新するようにしてもよい。列車1が停止している間や定速走行又は惰性走行している間のような、列車1の加速度が小さいときは、モータの回転速度が比較的小さく、インバータ14を流れる電流と電動機5,6の温度の値も小さいと考えられる。そのため、これらのタイミングを用いると、区切りのよいデータで累積損傷データ331を更新することができる。
累積損傷度を更新すべきタイミングが到来すると(ステップS11;YES)、取得部311が、各車両2から電流データ131と温度データ132を取得する(ステップS12)。すなわち、取得部311は、各車両2において継続的に検出されて電動機制御装置7の記憶部13に記憶されているインバータ14の電流データ131と電動機5,6の温度データ132を、通信部32を介して電動機制御装置7のそれぞれから取得する。
電流データ131と温度データ132を取得すると、演算部312が、累積損傷度を算出して更新する(ステップS13)。すなわち、演算部312は、取得した電流と温度のデータと、記憶部33に蓄積された過去の累積損傷データ331とにより、図5に示したような手順により車両ごとの累積損傷度を求めて、累積損傷データ331を更新する。
累積損傷データ331を更新すると、又は、ステップS11において現在が累積損傷度を更新すべきタイミングでないと判別された場合(ステップS11;NO)、次に制御部31は、各車両2の電動機5,6が発生すべきトルクの配分を更新すべきタイミングが到来したか否かを判別する(ステップS14)。
トルクの配分を更新すべきタイミングとは、列車1の走行に必要なトルクをなるべく効率的に発生させるように、電動機5,6のそれぞれが発生すべきトルク量を決め直すタイミングとしてあらかじめ定められたタイミングである。トルクの配分を更新すべきタイミングとして、例えば、列車1の加速度を変更するためにマスコン4a又はマスコン4cのノッチが切り替えられて、列車1の走行に必要なトルクが大きく変動するようなタイミングが挙げられる。具体的には、停止している状態からの発車時、加速している状態から定速運転又は惰性運転に切り替え時、定速運転から減速の開始時等がある。
トルクの配分を更新すべきタイミングが到来すると(ステップS14;YES)、取得部311が、列車1の走行に必要なトルクの情報を取得する(ステップS15)。例えば、取得部311は、列車1の加速度を変更する旨の運転指令がマスコン4a又はマスコン4cにおいてなされたことに応答して、その運転指令に従った加速度で列車1が走行するために必要となるトルクの情報を取得する。
つづいて、決定部313が、3台の車両2a〜2c間の累積損傷度を比較し(ステップS16)、比較結果に基づいて、各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を決定する(ステップS17)。具体的に説明すると、決定部313は、例えば図6に示したような対応関係に従って、列車1の走行に必要なトルクが得られ、且つ、累積損傷度が大きい車両2ほど配分されるトルクの値が小さくなるように、トルクの配分を決定する。
トルクの配分を決定すると、指令部314が、決定したトルクの配分を各車両2に伝達して、決定したトルクの配分で各車両2の電動機5,6を稼働させるように、電動機制御装置7のそれぞれに指令を出す(ステップS18)。各車両2の電動機制御装置7は、伝達されたトルクの配分に従って、電動機5,6のモータの回転速度を制御し、各車両2において出力するトルクの値を更新する。
トルクの配分を各車両2に伝達して、各車両2に搭載された電動機5,6の稼働状態を更新すると、又は、ステップS14において現在がトルクの配分を更新すべきタイミングでないと判別された場合(ステップS14;NO)、推進制御装置3が実行する推進制御処理は、ステップS11に戻り、ステップS11〜S18の処理を繰り返す。
すなわち、制御部31は、累積損傷度を更新すべきタイミングが来るたびに、各車両2から累積損傷度を取得して新たな累積損傷度を算出する。また、制御部31は、各車両2のトルクの配分を更新すべきタイミングが来るたびに、列車1の走行に必要なトルクを出力できるようなトルクの配分を、車両2間の累積損傷度が平準化されるように決定し、各車両2の電動機5,6の稼働を制御する。
以上説明したように、実施の形態1に係る推進制御装置3は、列車1を編成する各車両2に搭載された電動機5,6の温度と電動機制御装置7における電流値とを取得し、取得した電流値の履歴と温度の履歴とに基づいて、これらの機器の余寿命の程度を見積もるための累積損傷度を算出する。そして、列車1の走行に必要なトルクが得られるという制限のもと、車両2間の累積損傷度の差が小さくなるように、各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を決定して、決定した配分に従って電動機制御装置7を制御する。その結果、列車1を編成する車両2に搭載された電動機5,6及び電動機制御装置7の間での累積損傷度を平準化させながら列車を推進させることができ、機器寿命の平準化させて各車両2に搭載された機器の保守作業を効率よく実施することが可能となる。
実施の形態2.
以下、本発明の実施の形態2に係る推進制御装置について説明する。
上記実施の形態1に係る推進制御装置3は、各車両2に搭載された電動機5,6と電動機制御装置7の電流値と温度とを取得し、取得した電流値の履歴と温度の履歴とに基づいて、これらの機器が有する過去から累積した損傷度を見積もった。これに加え、実施の形態2に係る推進制御装置3は、各車両2に搭載された機器のうちいずれかの機器が故障等により新たな機器と取り替えられた場合に、累積損傷度を算出する期間を取り替え時より後の期間に限定する。
図8に示すフローチャートを参照して、実施の形態2に係る累積損傷度を算出するための基準時の更新処理について説明する。
推進制御装置3において、制御部31は、各車両2に搭載された機器のうち、累積損傷度を算出するための指標を取得する機器のいずれかが新たな機器に取り替えられ、新たな機器が指標を取得するべき機器として設定されたか否かを判別する(ステップS21)。新たな機器に取り替えられていない場合(ステップS21;NO)、更新処理は終了する。
機器が取り替えられる例として、例えば、電流センサ21により電流値を計測しているインバータ14や温度センサ22,23により温度を計測している電動機5,6が、故障や検査等により新たな機器に交換されるような場合が想定される。新たな機器に交換され、その旨が推進制御装置3に伝えられると、制御部31は、ステップS21において新たな機器に取り替えられたと判別する。
このとき、例えば操作者がタッチパネル等の入力装置を介して機器交換をしたことを推進制御装置3に直接入力することにより、新たな機器に取り替えられたとの判別を推進制御装置3がするようにしてもよい。あるいは、推進制御装置3が、起動時に接続されている機器のシリアルナンバを確認し、確認したシリアルナンバが起動前に記録していたシリアルナンバと異なれば、新たな機器に交換されたと判別するようにしてもよい。
新たな機器に取り替えられたと判別すると(ステップS21;YES)、取得部311が、この新たな機器の累積損傷度を取得する(ステップS22)。すなわち、取得部311は、新たに設置された機器が設置前にどの程度使用され、どのくらいの余寿命があるのかを見積もるために、設置前までの期間において累積した損傷度を取得する。取得部311が取得するべき新たな機器の累積損傷度は、新たな機器自身が有していてもよいし、列車1の外部に設置されたサーバ装置が有していてもよい。
新たな機器の累積損傷度を取得すると、演算部312が、新たな機器を含む車両2の累積損傷度を算出する。そして、制御部31が、車両2間における累積損傷度の差が、所定の許容範囲内であるか否かを判別する(ステップS23)。すなわち、交換前の機器と異なる累積損傷度の機器が新たに設置されると、車両2間における累積損傷度の差も変化し、累積損傷度のバランスが崩れる可能性がある。
例えば、損傷度が累積していない未稼働のインバータ14や電動機5,6が新たに設置されたような場合には、それを含む車両2の累積損傷度が他の車両2に比べて著しく低くなることがある。このような場合に取り替え前の期間から累積した損傷度に基づいてトルクの配分を決定すると、新たな機器が稼働する割合が増えて負荷が集中してしまい、かえって機器寿命を短くするおそれがある。
そのため、累積損傷度の差が許容範囲内でない場合(ステップS23;NO)、制御部31は、累積損傷度を算出する期間の基準時を機器の取り替え時に設定する(ステップS24)。基準時を機器の取り替え時に設定した以後は、演算部312は、各車両2に搭載された電動機5,6と電動機制御装置7のそれぞれについて、設定された基準時より後の期間における電流と温度の履歴データから累積した損傷度を算出する。そして、決定部313は、基準時後における各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を、新たな基準時よりも後の期間にわたって累積した損傷度に基づいて決定する。
基準時を設定すると、又は、累積損傷度の差が許容範囲内である場合(ステップS23;YES)、このフローチャートに示した更新処理は終了する。
このような構成により、実施の形態2に係る推進制御装置3は、劣化の度合が大きく異なる新たな機器が設置されたとしても、新たな機器に負荷が集中することを防ぐことができる。その結果、各車両2に搭載された機器間で稼働のバランスを保ちながら、各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を効率よく決定し、列車1を走行させることができる。
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能である。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
例えば、上記実施の形態では、列車1は3台の車両2a〜2cによって編成され、3台の車両2a〜2cのすべては、電動機5,6と電動機制御装置7を備える電動車であった。しかし、本発明に係る推進制御装置が適用される列車は、何両の車両によって編成されてもよく、また電動機5,6と電動機制御装置7を備えない付随車を含んでいてもよい。列車が付随車を含んで編成された場合においても、電動車のそれぞれについて上記実施の形態で説明した推進制御処理を適用することにより、電動車が備える電動機5,6及び電動機制御装置7の累積損傷度のばらつき度合いを低減することができ、列車機器の効率的な保守・運用を行うことができる。
また、上記実施の形態では、推進制御装置3は、先頭の車両2aに設置された。しかし、本発明に係る推進制御装置は、先頭の車両2aに設置されることに限らず、最後尾を含む他の車両に設置されてもよいし、床下等の車両外に設置されてもよい。また、本発明に係る推進制御装置は、マスコン4a,4cの代わりに自動列車制御装置によって運転指令がなされる列車に適用することもできる。
また、本発明に係る推進制御装置が適用される車両は、電気鉄道車両に一般的に見られる複軌道上を走行するものの他、例えばモノレールのような単軌道上を走行する車両であってもよいし、リニアモータによって駆動する磁気浮上式の車両であってもよい。
また、上記実施の形態では、取得部311は、累積損傷度を算出するためのデータとして、各車両2に搭載された電動機制御装置7のインバータ14における電流と電動機5,6の温度という2つの指標を取得した。しかし、本発明に係る推進制御装置3の取得部311は、例えばインバータ14の電流と電動機5,6の温度とのいずれか一方のみを取得するようにしてもよい。例えばインバータ14の電流のみを取得し、温度は電流値の2乗積に比例するという理論的な特性を用いて電動機5,6の温度を推定するようにしてもよい。あるいは、電動機5,6だけでなく、インバータ14や変圧器15、又はその他の機器にも温度センサを取り付けて温度を検出して、演算部312が、検出した各機器の温度を合算して車両ごとの累積損傷度を算出するようにしてもよい。
また、本発明では、取得部311が取得するデータは電流や温度に限らず、これらの機器の稼働状態を示す指標となるものであればどのようなものでもよい。例えば、モータの回転数や回転速度のような他の物理的な尺度を取得してもよい。あるいは、列車1の運転指令として各電動機5,6に対して伝達されたトルクの指令値を、電動機5,6の稼働状態を示す指標として取得するようにしてもよい。
例えば、電動機5,6の稼働状態を示す指標としてトルクの指令値を用いる場合には、取得部311は、発生させるべきトルクとして電動機5a〜5c,6a〜6cのそれぞれに指令された指令値を取得する。トルクの指令値が大きくなるほど電動機5,6の損傷度合は増すと予測できるため、演算部312は、取得した指令値の履歴に基づき、トルクの指令値を時間的に積算した値が大きいほど累積損傷度が大きくなるように、電動機損傷度を算出する。例えば、電動機損傷度として、トルクの指令値とその指令値でモータを駆動させた時間との積を用いることができる。
また、列車1の力行運転時と回生運転時とで、各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を変えるようにしてもよい。上記実施の形態において説明したように各車両2における出力トルクを配分することで、回生運転時も力行運転時と同様に、機器の余寿命を平準化することができる。しかし、回生運転においては、各車両2の電動機5,6のそれぞれを稼働させて回生エネルギーを回収した方が電力を節約することができ、環境への配慮という観点では好適と考えられる。
そのため、例えば、推進制御装置3の決定部313は、列車1の力行運転時には、上記実施の形態のように各車両2の機器間における累積損傷度の差が小さくなるように、各車両2の電動機5,6のそれぞれが発生させるべきトルクの配分を決定する一方で、列車1の回生運転時には、電動機5,6のそれぞれに許容された上限値Tでトルクを発生させるように、トルクの配分を決定するようにしてもよい。これにより、回生エネルギーをなるべく多く回収することが可能となる。
また、上記実施の形態では、推進制御装置3の記憶部33に記憶された累積損傷データ331は、列車1が走行している間に更新された。しかし、列車1が走行している間には累積損傷データ331の更新を行わずに、列車1の走行中に実行すべき処理を簡単なものにすることも可能である。例えば、列車1の1日における運行が開始される前までに、その日までに取得した電流データ131と温度データ132によって算出した累積損傷度で累積損傷データ331を更新しておき、走行中には、走行前までの累積損傷度に従って各車両2の電動機5,6が発生させるべきトルクの配分を決定して、電動機制御装置7のそれぞれを制御するようにしてもよい。
1 列車、2,2a〜2c 車両、3 推進制御装置、4a,4c マスコン、5,5a〜5c,6,6a〜6c 電動機、7,7a〜7c 電動機制御装置、8 パンタグラフ、9 架線、11 制御部、12 通信部、13 記憶部、14 インバータ、15 変圧器、21 電流センサ、22,23 温度センサ、31 制御部、32 通信部、33 記憶部、131 電流データ、132 温度データ、311 取得部、312 演算部、313 決定部、314 指令部、331 累積損傷データ、332 制御プログラム。

Claims (8)

  1. 車両駆動用の電動機と該電動機を制御する電動機制御装置とを備える複数の車両から構成される列車の推進力を制御する推進制御装置であって、
    前記複数の車両のそれぞれについて、前記電動機と前記電動機制御装置とのうちの少なくともいずれかの稼働状態を示す指標を取得する取得部と、
    前記取得した指標に所定の演算を施すことにより、前記指標を取得した機器における累積した損傷度を算出する演算部と、
    前記電動機のそれぞれが発生させるべきトルクの配分を、前記指標を取得した機器間における前記累積した損傷度の差が小さくなるように、且つ、前記列車が運転指令に従って走行するためのトルクが得られるように、決定する決定部と、
    前記決定したトルクの配分で前記電動機のそれぞれを稼働させるように、前記電動機制御装置に指令を送る指令部と、
    を備え
    前記決定部は、前記列車の力行運転時には、前記指標を取得した機器間における前記損傷度の差が小さくなるように前記トルクの配分を決定し、前記列車の回生運転時には、前記電動機のそれぞれにおいて許容された上限値でトルクを発生させるように前記トルクの配分を決定する、推進制御装置。
  2. 車両駆動用の電動機と該電動機を制御する電動機制御装置とを備える複数の車両から構成される列車の推進力を制御する推進制御装置であって、
    前記複数の車両のそれぞれについて、前記電動機と前記電動機制御装置とのうちの少なくともいずれかの稼働状態を示す指標を取得する取得部と、
    前記取得した指標に所定の演算を施すことにより、前記指標を取得した機器における累積した損傷度を算出する演算部と、
    前記電動機のそれぞれが発生させるべきトルクの配分を、前記指標を取得した機器間における前記累積した損傷度の差が小さくなるように、且つ、前記列車が運転指令に従って走行するためのトルクが得られるように、決定する決定部と、
    前記決定したトルクの配分で前記電動機のそれぞれを稼働させるように、前記電動機制御装置に指令を送る指令部と、
    を備え
    前記演算部は、前記指標を取得した機器のそれぞれについて、所定の基準時より後の期間における前記取得した指標に前記所定の演算を施すことにより、該期間にわたって累積した損傷度を算出し、
    前記所定の基準時は、前記取得部が前記指標を取得すべき機器のうちのいずれかが新たな機器に取り替えられた場合であって、車両間における前記累積した損傷度の差が許容範囲内でない場合に、該新たな機器への取り替え時に設定される、推進制御装置。
  3. 前記取得部は、前記稼働状態を示す指標として、前記電動機制御装置が有するインバータの電流値を取得し、
    前記演算部は、前記取得した電流値の履歴に基づき、電流値を時間的に積算した値が大きいほど前記累積した損傷度が大きくなるように、前記電流値を取得した電動機制御装置における累積した損傷度を算出する、
    請求項1又は2に記載の推進制御装置。
  4. 前記取得部は、前記稼働状態を示す指標として、前記電動機の温度を取得し、
    前記演算部は、前記取得した温度の履歴に基づき、温度を時間的に積算した値が大きいほど前記累積した損傷度が大きくなるように、前記温度を取得した電動機における累積した損傷度を算出する、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の推進制御装置。
  5. 前記取得部は、前記稼働状態を示す指標として、前記電動機のそれぞれに対するトルクの指令値を取得し、
    前記演算部は、前記取得した指令値の履歴に基づき、トルクの指令値を時間的に積算した値が大きいほど前記累積した損傷度が大きくなるように、前記トルクの指令値を取得した電動機における累積した損傷度を算出する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の推進制御装置。
  6. 前記取得部は、前記複数の車両のそれぞれについて、前記電動機において検出された第1の指標と前記電動機制御装置において検出された第2の指標とを、前記稼働状態を示す指標として取得し、
    前記演算部は、前記取得した第1の指標に前記所定の演算を施すことにより算出した前記電動機における累積した損傷度と、前記取得した第2の指標に前記所定の演算を施すことにより算出した前記電動機制御装置における累積した損傷度と、を組み合わせて、車両ごとの累積損傷度を算出し、
    前記決定部は、前記算出した車両ごとの累積損傷度が大きい車両が備える電動機ほど配分されるトルクの値が小さくなるように、前記トルクの配分を決定する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の推進制御装置。
  7. 前記取得部は、前記列車が停止、定速走行又は惰性走行している間に、前記稼働状態を示す指標を取得する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の推進制御装置。
  8. 前記決定部は、前記列車の加速度を変更する旨の運転指令がなされたことに応答して、該運転指令に従った加速度で前記列車が走行するためのトルクが得られるように、前記電動機のそれぞれが発生すべきトルクの配分を決定する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の推進制御装置。
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