JP5988299B2 - 半導体装置製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化珪素単結晶基板を用いた半導体装置の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)素子は、珪素(Si)素子と比較して、高耐圧、低オン抵抗の半導体装置を実現できることが期待されている。近年SiC素子の製造技術が著しく進歩し、SiC素子のデバイス特性の優位性が確立されつつある。また、炭化珪素単結晶基板(SiC基板)の高品質化、大口径化が進み、半導体装置の製造に必要なSiC基板の入手が比較的容易になっている。これらの技術的進歩を背景に、SiC素子の実用を見据えた開発が本格化している。特に、ショットキーバリアダイオード(SBD)は、SiC素子で最も開発が先行している素子のひとつであり、信頼性の確保や歩留り(良品の比率)の向上など量産に向けたプロセス開発段階に達している。
SiC素子を実用するためには、さらなるSiC素子の集積度(パワー密度)の向上が求められる。SiC素子の集積度を向上させるためには、より大きなサイズの電極を用いた素子設計が必要となる。そして、大きなサイズの電極を用いる場合、SiC素子の歩留りを高く保つためのSiC基板表面処理が重要となる。SiC基板において、高温のSiC素子製造工程によって発生する基板への金属不純物の付着や混入、その他炭素化合物形成による表面の荒れなどが、SiC素子の歩留りを低下させる要因のひとつと考えられる。
SiC素子製造工程では、薬液によるSiC基板表面の洗浄工程が行われる。例えば、Si素子を製造する技術として培われた洗浄技術であるRCA洗浄がSiC素子製造工程でもよく用いられる。RCA洗浄とは、アンモニア・過酸化水素水による洗浄(SC1)と塩酸・過酸化水素水による洗浄(SC2)を基本とするSi基板のウエット洗浄法である。
Si基板では、SC1処理によりSi基板表面に酸化膜が形成され、この膜中に金属不純物が取り込まれる。そして、SC2処理で、SC1処理により形成された酸化膜を除去することで、酸化膜に取り込まれた金属不純物も除去される。これに対して、SiC基板では、SC1処理によってSiC基板表面に酸化膜を形成することが困難であり、Si基板のSC1処理のように酸化膜を形成して、この酸化膜に金属不純物を取り込んで除去することが困難であるとされている。また、SiC基板をエッチングする場合、水酸化カリウム溶融液のような特殊な薬液を用いてエッチングするが、このエッチング速度が大きな面方位依存性を持つため、表面の荒れを制御することが困難となる。
そこで、SiC基板の洗浄では、RCA洗浄と犠牲酸化と呼ばれる酸化膜形成プロセスとを併用して、SiC基板表面の洗浄が行われる(例えば、特許文献1)。通常の犠牲酸化は、酸素により基板表面に酸化膜が形成される。
特開2009−194216号公報 特開2008−283201号公報 特開2008−53561号公報 特開2001−244227号公報 特開2001−244260号公報
小杉亮治、外2名、"Thermal oxidation of (0001)4H-SiC at high temperatures in ozone-admixed oxygen gas ambient"、Applied Physics Letters、American Institute of Physics、2003年6月3日、第83巻、第5号、p. 884-886
しかし、犠牲酸化工程の酸化手法(酸化ガス種)を変えることで、酸素ガスを用いた犠牲酸化手法を用いた場合より犠牲酸化膜除去後のSiC基板表面の金属不純物密度が低くなることが知られている(例えば、特許文献1)。そして、SiC基板表面の金属不純物密度を低下させることで、SiC素子の信頼性や歩留りが向上することが確認されている。
特許文献1には、酸素プラズマをSiC基板表面の酸化剤として用いることで、犠牲酸化膜除去後のSiC基板表面における金属不純物密度が酸素ガスを用いた犠牲酸化手法と比較して減少する傾向があることが示されている。このことより、より強い酸化種を用いることで、金属不純物を酸化膜中に効果的に取り込むことができ、この酸化膜を除去することでより多くの金属不純物を除去することができるものと考えられる。さらに、特許文献1には、SBDやMOSFETなどさまざまな素子の製造工程において、酸化手法の違いによるSiC基板表面の洗浄効果を検証し、酸化手法の違いによってSiC素子の信頼性や歩留りを向上させることができることが示されている。
このように、SiC基板では、従来のSi基板の処理方法が必ずしも適用できるわけではないので、SiC素子の信頼性や歩留りをより向上させるためのSiC基板の処理方法が求められている。
上記事情に鑑み、本発明は、SiC基板を用いた半導体装置の信頼性や歩留りの向上に貢献する技術の提供を目的としている。
上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の一態様は、炭化珪素単結晶基板を、80体積%以上のオゾン雰囲気下で酸化処理し、前記炭化珪素単結晶基板表面に酸化膜を形成する犠牲酸化工程を、有することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程を、前記炭化珪素単結晶基板をRCA洗浄処理した後に行うことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程は、酸素による酸化膜の製膜速度が3nm/h以下の条件で行うことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程の処理条件は、処理圧力が1000Pa以下、処理温度が1200℃以下であることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程後に、前記炭化珪素単結晶基板に電極層を形成する電極形成工程を行うことを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記酸化膜は、0.4nm以上であることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記炭化珪素結晶基板には、エピタキシャル成長層が形成されていることを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程終了後、前記炭化珪素単結晶基板を、10Pa以下の真空下で、100℃/min以上の降温速度で、室温まで冷却することを特徴としている。
また、上記目的を達成する本発明の半導体装置製造方法の他の態様は、上記の半導体装置製造方法において、前記犠牲酸化工程において、前記炭化珪素単結晶基板に、200〜300nmの紫外光を照射して、酸化膜を形成することを特徴としている。
以上の発明によれば、SiC基板を用いた半導体装置の信頼性や歩留りの向上に貢献することができる。
本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる酸化膜形成装置の概略図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の製造方法に用いられる酸化膜形成装置の要部の概略断面図である。 本発明の実施形態に係る半導体装置の要部断面図であり、(a)SiC基板表面でのオゾンの反応を説明する説明図、(b)半導体装置の電気的特性を評価する回路を説明する説明図である。 (a)実施例の半導体装置の製造方法を説明するフロー図、(b)比較例の半導体装置の製造方法を説明するフロー図である。 (a)実施例の半導体装置の順方向特性を示す特性図、(b)実施例の半導体装置の逆方向特性を示す特性図、(c)比較例の半導体装置の順方向特性を示す特性図、(d)比較例の半導体装置の逆方向特性を示す特性図である。
本発明の実施形態に係る半導体装置製造方法について、図を参照して詳細に説明する。なお、本発明の炭化珪素単結晶基板(SiC基板)とは、炭化珪素の単結晶層を有する基板や炭化珪素の単結晶にイオン注入した層を有する炭化珪素基板のことを示す。
まず、図1、2を参照して、SiC基板の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成装置1について説明する。SiC基板の表面処理を行う処理装置としては、例えば、特許文献2,3に開示される処理装置が知られている。
図1に示すように、酸化膜形成装置1は処理炉2、オゾン発生器3、光源4及び光源5を備える。
処理炉2は横型層流減圧方式の炉である。処理炉2には、配管6を介してオゾン発生器3が接続され、配管7を介してオゾン除去装置8が設けられる。オゾン除去装置8により、処理炉2の反応に供されたガス中の残留オゾンが分解除去される。そして、オゾン除去装置8で処理後のガスは、真空ポンプ9により系外に排出される。また、処理炉2の内部中心付近には、SiC基板10を保持するするサセプタ11が設けられる。サセプタ11は、例えば、赤外光を吸収する材料(不透明石英やSiC単結晶体など)で構成され、処理炉2外に設けられた光源5から赤外光が照射され加熱される。
図2は、処理炉2の詳細を示す図である。図2に示すように、処理炉2として、例えば、石英ガラス管2aが用いられる。石英ガラス管2aの端部にそれぞれOリング12(または、ガスケット)を介して、配管6及び配管7が設けられる。配管6及び配管7は、真空対応の配管であり、例えば、ステンレス鋼(SUS材)管の内面を電解研磨により表面処理したものが用いられる。配管6(配管7)と処理炉2(すなわち、石英ガラス管2a)との接続部6a(接続部7a)は、水冷されていることが望ましい。また、Oリング12は、耐熱材料の部材(例えば、デュポン社製カルレッツ)が用いられる。配管6及び配管7には、それぞれ流量可変バルブ13,14が設けられ、この流量可変バルブ13,14を制御することで、処理炉2に供給されるオゾンの流量や処理炉2の圧力が制御される。なお、処理炉2の外周近傍を流通するように冷却用のガスが供給され処理炉2が空冷される。つまり、処理炉2は、コールドウォールであり、ガス輸送中におけるオゾンの熱分解が抑制される。
オゾン発生器3は、図1に示すように、処理炉2にオゾンを供給する。オゾン発生器3は、気体のオゾンを冷却して液体オゾンとし、この液体オゾンを再び気化することで、ほぼ100%のオゾンガスを発生する。このようなオゾン発生器3としては、例えば、明電舎製のピュアオゾンジェネレータがあり、オゾン発生器3から発生したオゾンを不活性ガス(アルゴンやヘリウムなど)で希釈することで、任意の濃度のオゾンを処理炉2に供給することができる。
光源4は、波長210nmより長い連続的または離散的な波長の輝線を有する紫外光領域の光を発する。光源4からの光は、例えば、SiC基板10の表面に向けガスの流れと垂直に照射される。光源4からの光の照度はSiC基板10の全面での照度の揺らぎが小さくなるように調節される。オゾンは、(1)式に示す紫外線解離反応により、励起状態原子状酸素O(1D)を生成する。また、オゾンは、(2)式に示す熱分解反応により、基底状態原子状酸素O(3P)を生成する。
3 +hν(λ<310nm) → O(1D) + O2 …(1)
3 → O(3P) + O2 …(2)
紫外光解離反応により生じた励起状態原子状酸素は、基底状態原子状酸素よりも反応性が高いので、光源4から紫外光を照射してSiC基板10に対してオゾンガスを供給した場合、SiC基板10表面の洗浄効果がより向上する。なお、基底状態原子状酸素も、高い反応性を有するため、SiC基板10上に良好な酸化膜を形成することができる。ゆえに、基底状態原子状酸素により十分な洗浄効果が得られる場合は、必ずしも紫外光を照射する必要がない。
光源5は、赤外光領域の光を出力するランプである。光源5からの光は、処理炉2を透過してサセプタ11に照射され、サセプタ11に保持されたSiC基板10の温度が所定の温度となるようにサセプタ11の温度が制御される。よって、光源5から照射される光の波長は、サセプタ11またはSiC基板10が吸収する光であればどのような波長の光を用いてもよい。
[実施例]
本発明の実施例の半導体装置製造方法について、図3,4を参照して説明する。
図3(a)は、本発明の実施形態に係る半導体装置製造方法に供されるSiC基板10の概略断面図であり、図3(b)は、SiC基板10を用いて構成された半導体装置15の特性を評価する電気的特性評価回路16の概略を示す図である。なお、図3(a)のSiC基板10及び図3(b)の半導体装置15は、本発明の実施形態に係るSiC基板及び半導体装置を模式的に示したものであり、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致するものではない。
図4は、実施例の半導体装置15製造方法のフローを示す図である。図4を参照して、実施例の半導体装置15の製造方法について説明する。
実施例では、12mm□サイズ4H−SiC(0001)基板(SiC基板)を用いて簡易型PNダイオードを作成した。具体的には、Cree社製のオフ角4°、1.2×1018cm-3のn型ドープされたn+層基板10aを用いた。
まず、前工程S1で、n+層基板10a上に、n-エピ層10b(エピキャピタル成長層)を形成した。具体的には、n+層基板10a上に、厚み4.7μm程度のn-エピ層10bを濃度1.2×1015cm-3で形成した。そして、n-エピ層10b上にp層10cなどn-エピ層10b内のキャリア分布作成処理を行い、SiC基板10を作成した。
次に、RCA洗浄工程S2を行った。RCA洗浄工程S2は、アンモニア(28重量%):過酸化水素水(30〜35重量%):水=1:1:5(体積比)の洗浄液で、70〜80℃、10分処理するアンモニア・過酸化水素水洗浄工程(SC1)を行った。その後、塩酸(36重量%):過酸化水素水(30〜35重量%):水=1:1:5(体積比)の洗浄液で、70〜80℃、10分処理する塩酸・過酸化水素水洗浄工程(SC2)を行い、SiC基板10を洗浄した。
犠牲酸化工程S3では、図1,2に示した酸化膜形成装置1を用いてSiC基板10の酸化処理を行った。サセプタ11にSiC基板10を保持し、濃度が80体積%以上のオゾンガスを100sccm、300Paで処理炉2に供給し、1000℃で26分間SiC基板10のオゾン処理を行った。このとき、光源4による紫外光の照射は行わなかった。犠牲酸化工程S3で形成された酸化膜は、10nm程度であった。なお、犠牲酸化工程S3では、オゾン酸化後に、SiC基板10のアニール処理(POA)を行わなかった。POAを行うことで、界面準位が少ない酸化膜/SiC界面を形成することができるが、POA工程を行わないことで、プロセス時間を短縮することができる。
SiC基板10の酸化処理が終了したら、処理炉2へのオゾン供給を停止し、処理炉2内を真空(10Pa以下)とした。この状態で、SiC基板10の加熱を停止し、SiC基板10を室温まで冷却した。SiC基板10が室温まで冷却された後、不活性ガスをパージして、SiC基板10を処理炉2から取り出してHF洗浄工程S4に供した。
HF洗浄工程S4では、犠牲酸化工程S3でSiC基板10表面に形成された酸化膜をフッ酸(0.5〜10%程度のフッ化水素水溶液)を用いて除去した。
さらに、金属電極層形成工程S5では、HF洗浄工程S4で酸化膜が除去されたSiC基板10の表面17に金属電極層18を形成した。金属電極層18は、ニッケルを1000℃にて合金化して形成し、この金属電極層18をアノード電極とした。実施例の半導体装置15では、直径1mmの円形に形成した金属電極層18を16個形成した。
後工程S6では、金属電極層18にアルミニウムを融点以上の温度で合金化して、金属電極層18にアノード電極パッド19を設けた。また、SiC基板10のアノード電極パッド19が設けられる面の反対側の面(つまり、n+層基板10a)に、オーミック接合によりアルミニウムを合金化して設け、カソード電極20とした。
[比較例]
比較例の半導体装置製造方法のフローを図4(b)に示す。図4(b)に示すように、比較例の半導体装置の製造方法は、犠牲酸化工程S7以外の工程は、実施例の半導体装置の製造方法と同じである。よって、犠牲酸化工程S7についてのみ詳細に説明し、重複を避けるため他の工程には同じ符号を付してその説明を省略する。
比較例の半導体装置製造方法の犠牲酸化工程S7は、前工程S1及びRCA洗浄工程S2を行った後のSiC基板を処理炉2のサセプタ11に保持し、この処理炉2に100sccm、1.015×106Paで100%酸素ガスを供給して、1200℃、50分間、SiC基板の表面処理を行った。犠牲酸化工程S7で形成された酸化膜は、10nm程度であった。
犠牲酸化工程S7終了後、実施例の半導体装置製造方法と同様に、HF洗浄工程S4、金属電極層作成工程S5、後工程S6により、比較例の半導体装置にアノード電極、及びカソード電極を設けた。電極は、直径1mmの円形に形成したものを16個形成した。
図5は、図3(b)に示す電気的特性評価回路16で、実施例及び比較例の半導体装置の各電極で順方向特性及び逆方向特性を測定した測定結果である。
図5(a),(c)に示すように、多くの電極で図中矢印で示した場所よりも高電圧側でオーミックなVI関係が成り立った。図5(a),(b)に示すように、実施例の半導体装置では、順方向特性、逆方向特性のどちらの特性試験でも、不良特性を示す試料が1つであり、残りの15個の試料は良好な特性を示した。一方、図5(c),(d)に示すように、比較例の半導体装置では、順方向特性、逆方向特性どちらの特性試験でも、不良特性を示す試料が3つあり、残りの13個の試料は良好な特性を示した。つまり、実施例の半導体装置の製造方法によれば、比較例の半導体装置の製造方法と比較して、不良電極の数が減少した。
以上のように、本発明の半導体装置の製造方法によれば、SiC基板の洗浄に、高濃度(80体積%以上)のオゾンを用いて犠牲酸化膜を作成する犠牲酸化工程と、当該犠牲酸化膜を除去するHF洗浄工程とを有するSiC基板洗浄方法を用いることで、SiC基板表面の金属不純物やカーボン系化合物を効果的に除去することができる。さらに、オゾンの強い酸化力による不純物除去だけでなく、SiC基板の表面の粗さを抑制することができる。その結果、SiC素子の信頼性を向上し、SiC素子の歩留りを向上することができる。
また、200nm以上の波長の光をSiC基板に照射することでSiC基板表面のダメージを低減することができ、300nm以下の波長の光をオゾンに照射することで励起状態原子状酸素を生成することができる。よって、SiC基板の表面をオゾン処理するときに、SiC基板表面にオゾンの分解に必要な紫外光(波長200〜300nmの光を含む)を照射することで、基板表面の洗浄効果をより向上させることができる(例えば、引用文献5)。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、酸素によるSiC基板表面の製膜速度が3nm/h以下となるようなプロセス条件で、犠牲酸化処理を行うことで、酸素による酸化による影響を低減したSiC基板の洗浄を行うことができる。具体的には、非特許文献1で示されているように、処理圧力が1000Pa以下、処理温度を1200℃以下とすることで、酸素によるSiC基板表面の製膜速度が3nm/h以下となるようにSiC基板表面を酸化することができる。その結果、酸素ガスによるSiC基板表面の酸化反応の進行を抑制し、酸素による不完全な酸化が局所的に行われることでSiC基板表面の洗浄状態が不均一となることを低減することができる。なお、処理圧力が10Pa以上、処理温度を800℃以上とすることで、SiC基板表面に酸化膜を形成することができる。よって、犠牲酸化工程の処理条件は、オゾンガスの供給量:50〜300sccm、処理圧力:10〜1000Pa、処理温度:800〜1200℃とすることで、SiC基板の表面の不純物を除去するだけでなく、SiC基板の表面の粗さを低減したSiC基板の洗浄を行うことができる。
また、犠牲酸化工程のSiC基板の酸化処理に、高濃度(80体積%以上)のオゾンを用いることで、低温下、短時間で、SiC基板の酸化処理を行うことができる。その結果、SiC基板の熱歪みやSiC基板への不純物の混入を減少させることができる。濃度が80体積%以上、より好ましくは95体積%以上のオゾンをSiC基板の犠牲酸化処理に供することで、良好な酸化膜を形成することができる。特に、略100体積%のオゾンを用いると数分でSiC基板の酸化処理を行うことができる。この処理時間は、80体積%のオゾンで同じ膜厚の酸化膜を形成する形成速度の1.25倍であり、単位時間あたりのSiC基板の処理量が向上する。半導体装置の製造工程は枚葉処理のため、酸化膜形成速度の向上は、半導体装置の生産速度に大きく影響する。
また、本発明の半導体装置の製造方法に用いられるSiC基板表面の洗浄方法を、SiC基板にアノード用接触電極を形成する前の基板処理工程に用いることで、結合信頼性の高いSiC/電極層(例えば、Ni)界面を形成することができる。
また、コールドウォールの処理炉でSiC基板表面のオゾン処理を行うことで、オゾン処理後のSiC基板を100℃/min以上の降温速度で冷却することができる。犠牲酸化工程終了後、SiC基板を、10Pa以下の真空下で、100℃/min以上の降温速度で室温まで冷却すると、基板へのパーティクルの付着を防止し、ウエハへの不純物の混入を防止することができる。
SiC基板の表面をオゾン処理することで、SiC基板表面の炭素不純物が減少することや、品質の良い酸化膜を形成することができることが開示されている(例えば、特許文献4,5)。これに対して、本発明の半導体装置の製造方法は、犠牲酸化工程の酸化処理に80%以上のオゾンを用いることを特徴としている。特に、エピ層内にキャリア分布作成処理を行った後のSiC基板の処理に後のSiC基板の洗浄工程である犠牲酸化工程の酸化にオゾン用いることで、SiC基板と電極層との接合部の信頼性が向上する。この犠牲酸化工程で形成される酸化膜の膜厚を、原子一層分の厚さ(0.4nm)以上、特に10nm程度形成することで、SiC基板と電極層との良好な接合部を得ることができる。
なお、本発明の半導体装置の製造方法について、具体例を示して詳細に説明したが、本発明の半導体装置の製造方法は、上述した実施形態に限定されるものでなく、本発明の特徴を損なわない範囲で適宜設計変更が可能であり、そのように変更された形態も本発明の半導体装置の製造方法である。
例えば、実施形態の説明では、炭化珪素の単結晶として、4H−SiCからなるSiC基板を用いたが、炭化珪素の単結晶としては、4H−SiCの他にも、2H−SiC、6H−SiC、3C−SiC等、他の結晶形の炭化珪素単結晶をSiC基板として用いることもできる。また、実施例では、単結晶基板の(0001)面に対して、エピ層や金属電極層などを形成したが、(0001)面の他、(000−1)面や(11−20)面に対してエピ層などを形成した基板に本発明の半導体装置製造方法を適用することができる。また、実施例では、オフ角4°のSiC基板を用いたが、オフ角は4°に限らず、0〜8°程度であれば他の角度でも構わない。
また、本発明の半導体装置の製造方法に用いられるSiC基板の洗浄方法は、SiC基板/電極層の界面を接合するときの前処理として行うことに限定されるものではなく、さまざまなSiC基板の界面(例えば、SiC基板/SiO2の界面)に対する前処理として用いることができる。
また、半導体装置としては、ショットキーバリアダイオード(SBD)の他にMOSFET、IGBTなどの半導体装置においても、SiC表面にショットキー接合またはオーミック接合により電極を形成する場合などに本発明の半導体装置の製造方法に係る洗浄方法を適用することができる。
1…酸化膜形成装置
2…処理炉
3…オゾン発生器
4…光源
5…光源
6,7…配管
8…オゾン除去装置
9…真空ポンプ
10…SiC基板
10a…n+層基板
10b…n-エピ層
10c…p層
11…サセプタ
15…半導体装置
16…電気的特性評価回路
17…SiC基板の表面(SiC/Ni界面)
18…金属電極層
19…アノード電極パッド
20…カソード電極
21…保護膜

Claims (7)

  1. 炭化珪素単結晶基板をRCA洗浄処理するRCA洗浄工程と、
    前記RCA洗浄工程後の前記炭化珪素単結晶基板を、処理圧力が10〜1000Pa、処理温度が800〜1200℃、80体積%以上のオゾン雰囲気下で犠牲酸化処理し、前記炭化珪素単結晶基板表面に酸化膜を形成する犠牲酸化工程を、
    有する
    ことを特徴とする半導体装置製造方法。
  2. 前記犠牲酸化工程後に、前記炭化珪素単結晶基板に電極層を形成する電極形成工程を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置製造方法。
  3. 前記酸化膜は、0.4nm以上である
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体装置製造方法。
  4. 前記炭化珪素結晶基板には、エピタキシャル成長層が形成されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置製造方法。
  5. 前記犠牲酸化工程終了後、前記炭化珪素単結晶基板を、10Pa以下の真空下で、100℃/min以上の降温速度で、室温まで冷却する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置製造方法。
  6. 前記犠牲酸化工程において、前記炭化珪素単結晶基板に、200〜300nmの紫外光を照射して、酸化膜を形成する
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の半導体装置製造方法。
  7. 前記酸化膜を除去する洗浄工程を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体装置製造方法。
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