JP5987228B2 - 光学ガラス、プレス成形用ガラス素材、光学素子とそれらの製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1〜3に記載されているような光学ガラスを用いて光学素子を製造する際、ガラスを研削したり、研磨したりする工程を経ることがある。例えばガラス素材を粗研削、精研削、研磨などの工程を経てレンズを作製する場合や、精密プレス成形により作製したレンズを芯取りと呼ばれる研削加工を行う場合、精密プレス成形に使用するプリフォームと呼ばれるプレス成形用ガラス素材を加工する場合などがある。
特許文献1に記載されているガラスは、フツリン酸ガラスの中でも比較的フッ素含有量が少ない(F-含有量40アニオン%未満)高屈折率低分散領域のガラスである。このガラスは、異常部分分散性と高屈折率特性を有し、光学系の高機能化、コンパクト化に非常に有効なレンズ材料である。ところが、上記ガラスを研削加工する際に研削面にクラックが入り、ガラスが破損しやすいという問題があった。
(1)カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてO2-、F-を含む光学ガラスにおいて、
F-の含有量が40アニオン%以下、摩耗度FAが420以上であり、脆さ指標値Bが4000μm-1/2以下である光学ガラス。
摩耗しやすいガラスの研削では、砥石によって大きな力が加わる前にガラスが削れるため、破損しにくい。また脆くないガラスは、砥石によって大きな力が加わっても破損しにくい。一方、摩耗しにくく、しかも脆いガラスの研削では、脆いガラスに大きな力が加わるため破損しやすい。
摩耗度FAは、次のようにして求める。測定面積が9cm2のガラス試料を水平に毎分60回転する鋳鉄製平面皿の中心より80mmの定位置に保持し、平均粒径20μmのアルミナ砥粒10gに水20mlを添加したラップ液を5分間一様に供給し、9.807Nの荷重をかけてラップする。ラップ前後の試料質量を秤量して摩耗質量mを求める。同様にして、日本光学硝子工業会で指定された標準試料(BSC7)の摩耗質量m0を測定して、次式により摩耗度FAを算出する。
FA=[(m/d)/(m0/d0)]×100
ここで、dは測定対象のガラスの比重、d0は標準試料の比重である。比重の測定はアルキメデス法による。
脆さ指標値Bは、ガラスのビッカース硬度値Hvと破壊靭性値Kcから次式により定義される。
B=Hv/Kc
具体的には、次のようにして求める。ビッカース硬度計を用いてビッカース圧子をガラスの研磨面に荷重Pで押し込む。ビッカース圧子を押し込んでできる圧痕の対角線長をaとする。圧痕の隅から発生するクラックの長さをCとする。なおビッカース圧子の押し込みから圧痕の対角線長a、クラックの長さCの測定までは温度22.5℃±0.5℃、相対湿度63%±1%の空気中にガラス試料を置いて行う。ガラスのヤング率をEとすると、ビッカース硬度Hv、破壊靱性値Kcはそれぞれ次式によりそれぞれ求められる。
Hv=1.8544×[P/(2a)2]
Kc=0.026×(E1/2×P1/2×a/C3/2)
上記各式より、
B=1.7831×[(P×C3)/(a2×E)]1/2
となる。
上記CG加工時の加工面の凹凸形状から、ガラスC、D、Eは、ガラスA、Bよりも加工性が優れている。
一般に摩耗度が大きいガラスは加工時に傷が入りやすく加工仕上がりが悪い。従来の低フッ素含有側のガラスも摩耗度が大きい。しかし、摩耗度はガラスの硬さなどの機械的性質や、耐水性などの化学的耐久性などを総合した加工の速度に関する指標であり、摩耗度が大きいだけでは、CG加工によりガラスがむしり取られる現象を説明することはできないと本発明者らは考えた。
そして、摩耗度FAが420以上のフツリン酸光学ガラスでも脆さ指標値Bを小さくすることにより、加工時のガラスの破損を防止することができることを突き止めた。
摩耗度FAが420以上と削られやすいガラスにおいて、脆さ指標値の異なるガラスを用いて研削加工テストを行ったところ、脆さ指標値Bを4000μm-1/2以下にすることにより、加工性の優れたガラスを得ることができることが判った。
異常部分分散性と高屈折率特性を得るために、F-の含有量を40アニオン%以下する。低フッ素側のガラスにおいて摩耗度FAを420以上にすることは、加工時のガラスの破損を抑制する効果に加え、ガラスの熱的安定性、屈折率などの特性を維持する上からも有効である。
[光学ガラス]
本発明の光学ガラスは、正の異常部分分散性を有する低分散光学ガラスを得るために、カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてO2-、F-を含むフツリン酸系のガラス組成とする。フツリン酸ガラスでは、F-の含有量が増加すると屈折率が減少傾向を示すため、高い屈折率を実現するためにF-の含有量を40アニオン%以下にする。その上でガラスの加工性を改善するため、摩耗度FAが420以上であり、脆さ指標値Bが4000μm-1/2以下である光学ガラスである。
また熱的安定性、高い屈折率、大きな異常部分分散性を維持する観点から、摩耗度FAの好ましい下限は430、より好ましい下限は440、さらに好ましい下限は450、一層好ましい下限は460、より一層好ましい下限は470であり、摩耗度FAの好ましい上限は520、より好ましい上限は510、一層好ましい上限は500、より一層好ましい上限は490である。
研削加工時の破損をより確実に防止する上から、脆さ指標値Bが3950μm-1/2以下であることが好ましく、3900μm-1/2以下であることがより好ましく、3850μm-1/2以下であることがさらに好ましい。
以下、カチオン成分の含有量、合計含有量は特記しない限り、カチオン%で表示し、アニオン成分の含有量、合計含有量は特記しないアニオン%で表示するものとする。
なお、ここでカチオン%とは、当該カチオンの個数/ガラス成分のカチオンの総数×100を示す。またアニオン%とは、当該アニオンの個数/ガラス成分のアニオンの総数×100を示す。
本発明の光学ガラスの好ましい態様は、カチオン成分として、P5+、Al3+、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを含み、
P5+の含有量が20〜45カチオン%、
Al3+の含有量が10〜30カチオン%、
アルカリ金属イオンの合計含有量R+が0カチオン%を超え、12%カチオン以下、
アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が20カチオン%以上、
Rb+の含有量が0〜3カチオン%、
Cs+の含有量が0〜3カチオン%、
である光学ガラスである。
P5+は、ガラスネットワーク形成成分であり、熱的安定性を良好に維持するために、P5+の含有量が20カチオン%以上であることが好ましい。化学耐久性を良好に維持し、低分散性、異常部分分散性を維持するために、P5+の含有量が45カチオン%以下であることが好ましい。上記観点からP5+の含有量のより好ましい下限は22カチオン%、さらに好ましい下限は25カチオン%、一層好ましい下限は28カチオン%、より一層好ましい下限は30カチオン%であり、P5+の含有量のより好ましい上限は43カチオン%であり、さらに好ましい上限は42カチオン%、一層好ましい上限は40カチオン%である。より一層好ましい上限は39カチオン%である。
アルカリ金属成分は、ガラスの粘性を調整したり、熱的安定性を向上させ、脆さ指標値を低下させたりする働きをするカチオン成分である。前記効果を得るためにアルカリ金属イオンの合計含有量R+が0カチオン%を超えることが好ましい。一方、アルカリ金属イオンの合計含有量R+が過剰になると熱的安定性が低下するため、アルカリ金属イオンの合計含有量R+が12カチオン%以下であることが好ましい。
アルカリ土類金属成分は、ガラスの粘性の調整や屈折率を調整し、熱的安定性を向上させる働きをするカチオン成分である。前記効果を得るためにアルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が20カチオン%以上であることが好ましく、25カチオン%以上であることがより好ましく、27カチオン%以上であることがさらに好ましく、30カチオン%以上であることが一層好ましく、32カチオン%以上であることがより一層好ましく、34カチオン%以上であることがさらに一層好ましく、36カチオン%以上であることがなお一層好ましい。
一方、アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が過剰になると熱的安定性が低下するため、アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が45カチオン%以下であることが好ましい。
アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+のより好ましい上限は43カチオン%、さらに好ましい上限は41カチオン%、一層好ましい上限は39カチオン%である。
アルカリ土類金属成分として、Ba2+、Sr2+、Ca2+、Mg2+を示すことができる。
Al3+は、熱的安定性、化学的耐久性、加工性を向上させる働きをするとともに、屈折率を高める働きもするから、ガラス成分として含有させることが好ましい。上記効果を得るために、Al3+の含有量を10〜30カチオン%の範囲とすることが好ましい。上記の観点から、Al3+の含有量の好ましい下限は11カチオン%、より好ましい下限は12カチオン%、さらに好ましい下限は14カチオン%、一層好ましい下限は16カチオン%であり、好ましい上限は29カチオン%、より好ましい上限は28カチオン%、さらに好ましい上限は26カチオン%、一層好ましい上限は24カチオン%である。
光学特性と加工性、熱的安定性のバランスを図るために、P5+の含有量に対するアルカリ金属イオンの合計含有量R+のモル比(R+/P5+)を0.020〜0.50の範囲にすることが好ましい。前記観点からモル比(R+/P5+)のより好ましい下限は0.030、さらに好ましい下限は0.040、一層好ましい下限は0.050、より一層好ましい下限は0.060、さらに一層好ましい下限は0.065、なお一層好ましい下限は0.07、さらになお一層好ましい下限は0.08、特に好ましい下限は0.09、最も好ましい下限は0.10であり、より好ましい上限は0.45、さらに好ましい上限は0.40、一層好ましい上限は0.35、より一層好ましい上限は0.30、さらに一層好ましい上限は0.20である。
また、光学特性と加工性、熱的安定性のバランスを図るために、P5+の含有量に対するアルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+のモル比(R2+/P5+)を0.7〜1.4の範囲にすることが好ましい。前記観点からモル比(R2+/P5+)のより好ましい下限は0.8、さらに好ましい下限は0.85、一層好ましい下限は0.9あり、より好ましい上限は1.3、さらに好ましい上限は1.2、一層好ましい上限は1.1である。
F-は、低分散性、異常部分分散性を付与する上で重要な成分であり、ガラス転移温度を低下させる働きもする。F-の含有量の上限は40アニオン%である。低分散性、異常部分分散性を維持するために、F-の含有量が18アニオン%以上であることが好ましい。20アニオン%以上であることが好ましい。上記理由により、F-の含有量の好ましい上限は38アニオン%、より好ましい上限は35アニオン%、さらに好ましい上限は33アニオン%、一層好ましい上限は30アニオン%であり、F-の含有量のより好ましい下限は19アニオン%、さらに好ましい下限は20アニオン%である。
O2-は、熱的安定性を維持する働きがある。熱的安定性、高屈折率を維持するために、O2-の含有量が60アニオン%以上であることが好ましく、62アニオン%以上であることがより好ましくい、65アニオン%以上であることがさらに好ましく、67アニオン%以上であることが一層好ましく、70アニオン%以上であることがより一層好ましい。一方、低分散性、異常部分分散性を維持するために、O2-の含有量が82アニオン%以下であることが好ましく、81アニオン%以下であることがより好ましく、80アニオン%以下であることがさらに好ましい。
Zn2+は屈折率を維持しつつ熱的安定性を向上させる働きをするが、過剰に含有させると分散が高くなり、所要の光学特性を得ることが困難になる。したがって、Zn2+の含有量を0〜5カチオン%の範囲とすることが好ましい。上記効果を得るために、Zn2+の含有量のより好ましい上限は3カチオン%であり、さらに好ましい上限は1カチオン%である。
La3+は屈折率を高める働きをするが、過剰に含有させると熱的安定性が低下するので、La3+の含有量を0〜3カチオン%の範囲とすることが好ましく、0〜2カチオン%の範囲とすることがより好ましく、0〜1カチオン%の範囲とすることがさらに好ましい。
Gd3+は屈折率を高める働きをするが、過剰に含有させると熱的安定性が低下するので、Gd3+の含有量を0〜5カチオン%の範囲とすることが好ましく、0〜4カチオン%の範囲とすることがより好ましく、0〜3カチオン%の範囲とすることがさらに好ましい。
Y3+は熱的安定性を維持しつつ屈折率を高める働きがあるが、過剰に含有させると熱的安定性が低下するので、Y3+の含有量を0〜5カチオン%の範囲とすることが好ましく、0〜4カチオン%の範囲とすることがより好ましく、0〜3カチオン%の範囲とすることがさらに好ましい。
なお、熱的安定性を維持しつつ屈折率を高めるために、La3+、Gd3+およびY3+の合計含有量を0〜5カチオン%の範囲にすることが好ましく、0〜4カチオン%の範囲にすることがより好ましく、0〜3カチオン%の範囲にすることがさらに好ましい。
Si4+は少量であれば含有させることができるが、過剰に含有させると熔融性や熱的安定性が低下する。したがって、Si4+の含有量を0〜3カチオン%の範囲とすることが好ましく、0〜2カチオン%の範囲とすることがより好ましく、0〜1カチオン%の範囲にすることがさらに好ましい。
B3+も少量であれば含有させることができるが、過剰に含有させると熔融性や熱的安定性が低下する。したがって、B3+の含有量を0〜3カチオン%の範囲とすることが好ましく、0〜2%の範囲とすることがより好ましく、0カチオン%以上1カチオン%未満の範囲とすることさらに好ましく、0〜0.8カチオン%の範囲とすること一層好ましく、0〜0.5カチオン%の範囲とすることより一層好ましく、0〜0.1カチオン%の範囲とすることさらに一層好ましい。ガラスがB3+を含有することにより熔融ガラスの揮発性が著しく強まるため、ガラスがB3+を含有しないことが特に好ましい。
パイプから熔融ガラスを流出する際、パイプ外周へのガラス濡れ上がりを抑制し、濡れ上がりによるガラスの品質低下を抑制するために、Cl-を含有させることが有効である。Cl-の含有量の好ましい範囲は0〜1アニオン%、より好ましい範囲は0〜0.5アニオン%、さらに好ましい範囲は0〜0.3アニオン%である。Cl-は脱泡剤としての効果もある。
この他、清澄剤としてSb3+、Ce4+などを少量添加することもできる。清澄剤の総量は0カチオン%を含み、1カチオン%未満とすることが好ましい。
Pb、Cd、As、Th、Csなど環境負荷が懸念される成分は含有させないことが好ましい。さらに、本発明の光学ガラスは、可視領域の広い範囲にわたり高い透過率が得られる。こうした特長を活かすには、着色剤を含まないことが好ましい。着色剤としては、Cu、Co、Ni、Fe、Cr、Eu、Nd、Erなどを例示することができる。また、Hf、Ga、Ge、Te、Tbなどの導入は不要であるばかりか、高価な成分であるため、Hf、Ga、Ge、Te、Tbなどを含有させないことが好ましい。
ガラス熔融時の揮発性、侵蝕性、反応性を抑制するために、モル比O2-/P5+を7/2以上、すなわち、3.5以上とすることが好ましい。ガラス熔融時に熔融物中にメタリン酸塩(O:P=3:1)が存在すると、フッ素と反応して、揮発性の高いフッ化ホスホリル(POF3)が発生する。ガラス熔融時の揮発性、侵蝕性、反応性を抑制するためには、ガラス中のPおよびOが二リン酸構造(O:P=7:2)をとるようにすればよい。モル比O2-/P5+を7/2以上とすることにより、ガラス中のP、Oの構造を二リン酸構造にすることができる。モル比O2-/P5+が7/2未満ではメタリン酸構造が存在するため、ガラス熔融時の揮発性、侵蝕性、反応性を抑制することは困難である。ここで、3.5は、酸素原子とリン原子の個数比7/2を意味しているから、3.5という値は、厳密に7/2に一致する。モル比O2-/P5+を3.5以上、すなわち、7/2以上にすることによって、揮発性を大幅に低減することができる。揮発性の抑制により、熔融ガラスのように高温状態のガラス表面が揮発により変質することを防止することができ、表面脈理の発生を抑制することができる。また、揮発に起因するガラス組成の変動を抑制することができるので、屈折率やアッベ数などの光学特性の変動を抑制することもできる。さらに、モル比O2-/P5+を3.5以上にすることにより、熔融時におけるガラスの侵蝕性を抑制することもできるため、熔融容器やガラスを均質化する際に使用する攪拌棒の侵蝕を抑制することができる。そのため、熔融容器や攪拌棒を構成する白金あるいは白金合金が侵蝕によってガラスに混入し、異物となってガラスの品質を低下させることを防止できる。
本発明の光学ガラスにおいて、異常部分分散性と高屈折率とを実現しつつ、熱的安定性を維持するために、アッべ数νdを70以下の範囲とすることが好ましい。
アッベ数νdは分散に関する性質を表す値であり、d線、F線、c線における各屈折率nd、nF、ncを用いてνd=(nd−1)/(nF-nc)と表される。
アッベ数νdの好ましい上限は69.5、より好ましい上限は69である。一方、低分散性を活かすためには、アッベ数νdの好ましい下限は60、より好ましい下限は62、さらに好ましい下限は64、一層好ましい下限は64.5、より一層好ましい下限は65、さらに一層好ましい下限は65.5である。
本発明の光学ガラスにおいて、より好ましい屈折率ndの範囲は下記(2)式を満たす範囲であり、さらに好ましい屈折率ndの範囲は下記(3)式を満たす範囲である。
nd≧1.62140−0.0071×νd ・・・(1)
nd≧2.06640−0.0071×νd ・・・(2)
nd≧2.07140−0.0071×νd ・・・(3)
部分分散比Pg,F−アッベ数νd図において正常部分分散ガラスの基準となるノーマルライン上の部分分散比をPg,F(0)と表すと、Pg,F(0)はアッベ数νdを用いて次式で表される。
Pg,F(0)=0.6483−(0.0018×νd)
ΔPg,Fは、上記ノーマルラインからの部分分散比Pg,Fの偏差であり、次式で表される。
ΔPg,F=Pg,F−Pg,F(0)
=Pg,F+(0.0018×νd)−0.6483
本発明の光学ガラスで、異常分散性の観点から好ましいものは、ΔPg,Fが0.0158以上のガラスであり、より好ましいガラスは、ΔPg,Fが0.0165以上であり、さらに好ましいものは0.0180以上のガラスである。こうした異常分散性により、高次の色収差補正に一層好適なガラスを提供することができる。
本発明の光学ガラスにおいて、加工性を一層改善するために、ヌープ硬さHKが300MPa以上であることが好ましく、320MPa以上であることがより好ましく、340MPa以上であることがさらに好ましい。
本発明の好ましい態様は、ガラス転移温度Tgが580℃以下の光学ガラスである。ガラス転移温度が低いと、ガラスを再加熱、軟化してプレス成形する際の加熱温度を低くすることができる。その結果、ガラスとプレス成形型との融着を抑制しやすくなる。また加熱温度を低くすることができるので、ガラスの加熱装置、プレス成形型などの熱的消耗を低減することもできる。さらに、ガラスのアニール温度も低くすることができるので、アニール炉の寿命を延ばすことができる。ガラス転移温度のより好ましい範囲は570℃以下、さらに好ましい範囲は560℃以下、一層好ましい範囲は550℃以下、より一層好ましい範囲は540℃以下である。
[結晶化ピーク温度]
示差走査熱量計(DSC)においてガラスを昇温すると、まず吸熱ピークが現れ、さらに昇温すると発熱ピークが現れる。この発熱ピークの頂部における温度が結晶化ピーク温度Tcである。結晶化ピーク温度Tcは次のようにして求める。乳鉢を用いて十分粉砕したガラス粉を試料とし、示差走査熱量計を用いて横軸を温度、縦軸を試料の発熱吸熱に対応する量とする示差走査熱量曲線(DSC曲線)を得る。このDSC曲線において、発熱ピークが最大になる温度を結晶化ピーク温度Tcとする。
ガラスを加熱、軟化して成形するには、ガラスをガラス転移温度より高い温度に加熱する必要がある。ガラスの温度が結晶化温度域に達するとガラスの失透がおきる。結晶化ピーク温度Tcは結晶化温度域を代表する温度と考えることができるため、結晶化ピーク温度Tcとガラス転移温度Tgの差(Tc−Tg)が大きいガラスほど、再加熱による成形時に失透がおきにくい。
本実施態様において、結晶化ピーク温度Tcとガラス転移温度Tgの差(Tc−Tg)が80℃以上であることが再加熱成形時における失透を防止する上から好ましい。Tc−Tgの好ましい範囲は85℃以上であり、90℃以上、95℃以上、100℃以上、105℃以上、110℃以上、115℃以上、120℃以上の順に下限が高いほど失透を防止する上から一層好ましい。
なお、耐失透性の優れたガラスでは、示差走査熱量計により結晶化ピーク温度が観察されないことがある。このように結晶化ピーク温度が存在しないガラスも再加熱成形時に失透しにくいガラスであるため、本実施態様において好ましい。
光学素子の製造方法の一例において、ガラス素材を再加熱、軟化して成形し、光学素子ブランクなどの成形品を作製する。そして、この成形品を機械加工して光学素子を製造する。失透しやすいガラスでは、再加熱、成形時にガラス表面に結晶が析出しやすい。結晶が析出した表面を研削すると、析出した結晶を起点としてクラックが発生しやすくなる。したがって、再加熱、成形時の耐失透性を改善することは、研削加工時のガラスの破損を防止する上からも有効である。摩耗度、脆さ指標値を所定の範囲にするとともに、Tcが存在しないか、Tcが存在してもTc−Tgを大きくすることにより、加工時のガラスの破損をより一層抑制することができる。
本発明の好ましい態様は、液相温度が850℃以下の光学ガラスである。液相温度が低いと、ガラスの熔融、成形温度を低下させることができる。その結果、熔融、成形時のガラスの揮発性を低減することができ、脈理の発生、光学特性の変動を抑制することができる。
液相温度のより好ましい範囲は840℃以下、さらに好ましい範囲は830℃以下、一層好ましい範囲は810℃以下である。
なお、ガラスの熱的安定性とは、液相温度を指標とする高温における耐失透性と、Tc−Tgを指標とする比較的低温における耐失透性とを指す。
上記の光学ガラスは、例えば所要の特性が得られるようにガラス原料を調合、熔融、成形することにより得ることができる。ガラス原料としては、例えばリン酸塩、フッ化物、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物などを用いればよい。ガラスの熔融法、成形法については公知の方法を用いればよい。
プレス成形用ガラス素材とは、加熱して、プレス成形に供されるガラス塊を意味する。
プレス成形用ガラス素材の例としては、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子ブランクをプレス成形するためのガラス素材(プレス成形用ガラスゴブ)などプレス成形品の質量に相当する質量を有するガラス塊を示すことができる。
プレス成形用ガラス素材は、ガラス成形体を加工する工程を経て作製される。ガラス成形体は上記のようにガラス原料を加熱、熔融し、得られた熔融ガラスを成形して作製される。ガラス成形体の加工法としては、切断、研削、研磨などを例示することができる。加工性の優れた光学ガラスを加工するため、加工時のガラスの破損をより確実に防止することができる。
光学素子ブランクは、上記の光学ガラスからなる。光学素子ブランクは製造しようとする光学素子の形状に近似する形状を有するガラス成形体である。光学素子ブランクは、製造しようとする光学素子の形状に加工によって除去する加工代を加えた形状にガラスを成形する方法などにより作製すればよい。例えば、プレス成形用ガラス素材を加熱、軟化してプレス成形する方法(リヒートプレス法)、公知の方法で熔融ガラス塊をプレス成形型に供給しプレス成形する方法(ダイレクトプレス法)などにより光学素子ブランクを作製することができる。
光学素子ブランクは加工性の優れたガラスにより作製されているので、研削、研磨時にガラスが破損しにくく、安定して光学素子を作製することができる。
光学素子は、上記光学ガラスからなる。光学素子の種類としては、球面レンズ、非球面レンズなどのレンズ、プリズム、回折格子などを例示することができる。レンズの形状としては、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、凸メニスカスレンズ、凹メニスカスレンズなどの諸形状を示すことができる。光学素子は、上記光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含む方法により製造することができる。加工としては、切断、切削、粗研削、精研削、研磨などを例示することができる。こうした加工を行う際、上記ガラスを使用することにより、破損を軽減することができ、高品質の光学素子を安定して供給することができる。
表1、表2に示すガラス組成になるように、各成分を導入するための原料としてそれぞれ相当するリン酸塩、フッ化物、酸化物などを用い、原料を秤量し、十分に混合して調合原料とし、これを白金坩堝に入れ、加熱、熔融した。熔融後、熔融ガラスを鋳型に流し込み、ガラス転移温度付近まで放冷してから直ちにアニール炉に入れ、ガラスの転移温度範囲で約1時間アニール処理した後、炉内で室温まで放冷することにより、ガラスNo.1の光学ガラスを得た。得られた光学ガラスを光学顕微鏡により拡大観察したところ、結晶の析出、白金粒子などの異物、泡は認められず、脈理も見られなかった。このようにして得られた光学ガラスの請特性を表3に示す。
光学ガラスの諸特性は、以下に示す方法により測定した。
(1)屈折率nd、ng、nF、ncおよびアッベ数νd
降温速度−30℃/時間で降温して得られたガラスについて、日本光学硝子工業会規格の屈折率測定法により、屈折率nd、ng、nF、nc、アッベ数νdを測定した。
(2)部分分散比のノーマルラインからの偏差ΔPg,F
屈折率ng、nF、ncから算出した部分分散比Pg,Fおよびアッベ数νdから算出されるノーマルライン上の部分分散比Pg,F(0)から算出した。
(3)液相温度LT
ガラスを所定温度に加熱された炉内に入れて2時間保持し、冷却後、ガラス内部を100倍の光学顕微鏡で観察し、結晶の有無から液相温度を決定した。表1の液相温度の欄に示した温度は、当該温度で2時間保持した場合、結晶の析出は認められなかったことを意味し、液相温度が前記温度以下であることを表している。
(4)ガラス転移温度Tg
示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/分として測定した。
(5)結晶化ピーク温度Tc
示差走査熱量計(DSC)により、昇温速度10℃/分として測定した。
(6)摩耗度FA
前述の方法による。
(7)破壊靭性値Kc、脆さ指標値B
破壊靭性値Kcは、規格JIS R1607「ファインセラミックスの破壊靭性試験方法」に準拠する方法で測定した。ただし、試験荷重を100gf、負荷時間を15秒とし、温度20±0.5℃および相対湿度50%の環境下にて測定を行った。
(8)ヌープ硬さHK
平面研磨されたガラス面に、対稜角が172°30′及び130°の横断面が菱形のダイヤモンド四角錐圧子に0.9807Nの荷重を15秒間かけてくぼみをつけ、生じた永久くぼみの長い方の対角線の長さを測定して、次式により算出する。
HK=1.451×(F/l2)
ここで、Fは荷重[N]、長さlは永久くぼみの長い方の対角線の長さ[mm]を表す。
(9)ガラス組成
誘導結合プラズマ原子発光法(ICP−AES法)、イオンクロマトグラフフィー法により各成分の含有量を定量した。
(10)比重
アルキメデス法により測定した。
実施例1と同様の方法により、それぞれ表1及び表2に示すガラス組成のガラスNo.2〜7のガラスを得た。得られた光学ガラスを光学顕微鏡により拡大観察したところ、結晶の析出、白金粒子などの異物、泡は認められず、脈理も見られなかった。このようにして得られた光学ガラスの請特性を表4に示す。
光学ガラスの諸特性は、実施例1に示した方法により測定した。
実施例1〜7で作製した7種の光学ガラスが得られるように調合したガラス原料を熔融、清澄、均質化して熔融ガラスを作り、熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片をバレル研磨して上記ガラスからなるプレス成形用ガラスゴブを作製した。ガラスブロックを加工し、ガラスを破損させることなくプレス成形用ガラスゴブを作製することができた。
実施例8で作製したガラスゴブの表面に窒化ホウ素からなる粉末状離型剤を均一に塗布してから大気中で加熱、軟化し、プレス成形型でプレス成形し、球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズのブランクを作製した。このようにして上記ガラスからなるレンズブランクを作製した。
実施例8で用意した熔融ガラスを流出し、シアを用いて熔融ガラス流を切断して熔融ガラス塊を分離し、プレス成形型を用いてプレス成形し、球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズのブランクを作製した。このようにして上記7種のガラスからなるレンズブランクを作製した。
実施例9、実施例10で作製したレンズブランクをアニールして歪を除くとともに屈折率を所望値に合わせた後、カーブジェネレータを使用して、レンズブランクの表面を球面研削した。なお球面研削は#2000(メタル)の砥石を使用し、送り速度を360μm/分とした。次に研削した面をスムージング加工(精研削加工)し、さらに研磨加工して球面凸メニスカスレンズ、球面凹メニスカスレンズ、球面両凸レンズ、球面両凹レンズの各種レンズを作製した。このようにして上記ガラスからなるレンズを作製した。各工程において、ガラスを破損させることなく加工することができた。レンズの生産歩留まりは90%以上であった。
実施例5で用意した熔融ガラスを流出し、鋳型に鋳込んでガラスブロックを作製し、このブロックを切断、研削、研磨して上記ガラスからなる球面レンズ、プリズムを作製した。各工程において、ガラスを破損させることなく加工することができた。
実施例8で用意した熔融ガラスを白金製のノズルから滴下してプリフォーム成形型で受け、風圧を加えて浮上させながら上記ガラスからなる球状のプリフォームに成形した。
また、上記熔融ガラスを白金製パイプから連続的に流出し、その下端部をプリフォーム成形型で受け、熔融ガラス流にくびれ部を作った後、プリフォーム成形型を真下に急降下して熔融ガラス流をくびれ部で切断し、プリフォーム成形型上に分離した熔融ガラス塊を受け、風圧を加えて浮上させながら上記各種ガラスからなるプリフォームに成形した。
得られたプリフォームには、失透、脈理、異物や泡の含有は認められなかった。
実施例5で用意した熔融ガラスを連続的に流出して鋳型に鋳込み、ガラスブロックに成形した後、アニールし、切断して複数個のガラス片を得た。これらガラス片を研削、研磨して上記各種ガラスからなるプリフォームを作製した。なお、上記ガラスブロックの内部、すなわち、プリフォームに使用する部分には、失透、脈理、異物、泡は認められなかった。
各工程において、ガラスを破損させることなく加工することができた。
実施例13、14で作製したプリフォームの表面に炭素含有膜をコートし、成形面に炭素系離型膜を設けたSiC製の上下型および胴型を含むプレス成形型内に導入し、窒素雰囲気中で成形型とプリフォームを一緒に加熱してプリフォームを軟化し、精密プレス成形して上記各種ガラスからなる非球面凸メニスカスレンズ、非球面凹メニスカスレンズ、非球面両凸レンズ、非球面両凹レンズの各種レンズを作製した。
こうして得た各種レンズに心取り加工を施した。心取り加工時にガラスの破損は発生しなかった。
実施例8と同様にしてガラスAからなるプレス成形用ガラスゴブを作製した。このガラスゴブを加熱、軟化し、プレス成形してレンズブランクを作製した。次にレンズブランクを実施例11と同じ条件でカーブジェネレータを使用して球面研削したところ、球面研削加工時に研削面にクラックが発生し、レンズの生産歩留まりは70%程度であった。
特許文献2の表1に記載のNo.5(以下、No.10という)、フツリン酸ガラスが開示されている特開2003‐160356号公報に記載の実施例7(以下、No.11という)の2種のガラスを再現した。No.10、No.11の各ガラスの組成を表5及び表6に示す。
表7に、No.10、No.11のガラスの特性を示す。特許文献2および特開2003‐160356号公報に記載されている特性については前記文献に記載されている数値を表7に掲載した。また、前記各文献に記載されていない特性については、本件実施例1に記載の方法により測定した結果を表6に掲載した。
No.10の光学ガラスを使用し、比較例1と同様にレンズブランクを作製、カーブジェネレータを使用して球面研削したところ、球面研削加工時に研削面にクラックが発生し、レンズの生産歩留まりは、いずれのガラスについても70%程度であった。
No.11のガラスについては屈折率、アッベ数の測定は可能であり、測定結果は特開2003‐160356号公報されている値と一致していたが、成形したガラスの所々に結晶が析出しており、均質なガラスとしてのビッカース硬度、脆さ指標値、ガラス転移温度、結晶化ピーク温度を測定することができなかった。また成形したガラスの表面に脈理が認められた。
本発明の実施の形態にかかる光学ガラスは、表1〜表2に示すように、カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてO2-、F-を含む光学ガラスにおいて、F-の含有量が40アニオン%以下、摩耗度FAが420以上であり、脆さ指標値B[μm-1/2]が4000μm-1/2以下を満たす。
さらに好ましくは、この光学ガラスは、結晶化ピーク温度Tcが存在しないか、または結晶化ピーク温度Tcが存在し、前記結晶化ピーク温度Tcとガラス転移温度Tgの差(Tc−Tg)が80℃以上である。
本発明の実施の形態の局面によれば、カチオン成分としてP5+、アニオン成分としてO2-、F-を含む光学ガラスにおいて、F-の含有量が40アニオン%以下、摩耗度FAが420以上であり、結晶化ピーク温度Tcが存在しないか、または結晶化ピーク温度Tcが存在し、前記結晶化ピーク温度Tcとガラス転移温度Tgの差(Tc−Tg)が80℃以上である。
なお、上記の実施の形態同士の任意の組合せも、本発明の実施の形態に含まれる。
Claims (17)
- カチオン成分としてP5+、Al3+、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、
アニオン成分としてO2-、F-を含む光学ガラスにおいて、
P5+の含有量が20〜45カチオン%、
Al3+の含有量が16〜30カチオン%、
アルカリ金属イオンの合計含有量R+が0カチオン%を超え12カチオン%以下、
アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が20カチオン%以上、
Rb+の含有量が0〜3カチオン%、
Cs+の含有量が0〜3カチオン%、
であり、
F-の含有量が40アニオン%以下、摩耗度FAが420以上であり、脆さ指標値Bが4000μm-1/2以下であり、アッベ数νdが70以下である、光学ガラス。 - F-の含有量が18〜40アニオン%、
O2-の含有量が60〜82アニオン%、
である、請求項1に記載の光学ガラス。 - P5+の含有量に対するアルカリ金属イオンの合計含有量R+のモル比(R+/P5+)が0.020〜0.50である、請求項1または2に記載の光学ガラス。
- P5+の含有量に対するO2-の含有量のモル比(O2-/P5+)が3.5以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- アルカリ金属イオンの合計含有量R+に対するLi+の含有量のモル比(Li+/R+)が0を超える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- P5+の含有量に対するアルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+のモル比(R2+/P5+)が0.7〜1.4である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- ガラス転移温度が580℃以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- 結晶化ピーク温度Tcが存在しないか、または結晶化ピーク温度Tcが存在し、前記結晶化ピーク温度Tcとガラス転移温度Tgの差(Tc−Tg)が80℃以上である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- 液相温度が850℃以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- 部分分散比Pg,Fの偏差ΔPg,Fが0.0158以上である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- 研磨加工される光学ガラスである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光学ガラス。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるプレス成形用ガラス素材。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子ブランク。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学素子。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含むプレス成形用ガラス素材の製造方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の光学ガラスからなるガラス成形体を加工する工程を含む光学素子の製造方法。
- カチオン成分として、P5+、Al3+、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンを含み、
アニオン成分としてO2-、F-を含む光学ガラスにおいて、
P5+の含有量が20〜45カチオン%、
Al3+の含有量が16〜30カチオン%、
アルカリ金属イオンの合計含有量R+が0カチオン%を超え12カチオン%以下、
アルカリ土類金属イオンの合計含有量R2+が20カチオン%以上、
Rb+の含有量が0〜3カチオン%、
Cs+の含有量が0〜3カチオン%、
F-の含有量が18〜40アニオン%、
O2-の含有量が60〜82アニオン%、
であり、
P5+の含有量に対するアルカリ金属イオンの合計含有量R+のモル比(R+/P5+)が0.020〜0.50であり、
P5+の含有量に対するO2-の含有量のモル比(O2-/P5+)が3.5以上であり、
アッベ数νdが70以下である、光学ガラス。
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