JP5985962B2 - 防水板装置 - Google Patents
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Description
一般的な水流センサは、水流により回転するタ−ビンを設けタ−ビンの回転を磁石の回転と、磁気センサの組み合わせでパルス信号を出力し、そのパルス数により通水量を検出して運転を制御する方式がとられている。そのため、タービンがより安定的に作動するように、センサ内部を通過するようにパイプに組み付けるような構造が一般的となっている。従って、このようなセンサを防水板装置へ流れ込む水量の測定に用いることは困難である。
図2(a)は図1(a)に矢印IIaで示した方向、すなわち通路入側から防水板装置1を見た図、図2(b)は図1(a)に矢印IIbで示した方向、すなわち通路出側から防水板装置1を見た図である。
図3は、図1(a)に一点鎖線III−IIIで示した鉛直線に沿った防水板装置1の通路出入方向断面である。
図4は、図3と同じ視点の断面図であり、防水板20が上昇した姿勢を示している。
図1〜図4及び適宜示す各図を参照しつつ防水板装置1について説明する。図1〜図4、及び以下の説明で参照する各図では、説明のため適宜部材を透視して示している。また、各図では図の見易さのために一部の部材は省略している場合もある。なお、本形態では図1(a)、図1(b)の紙面斜め左下方、及び図3、図4の紙面左が通路入側を表し、その反対側が通路出側を表している。従って図2(a)は通路入側から防水板装置1を見た図、図2(b)は通路出側から防水板装置1を見た図である。ここでは水害時等には、通路入側から水が侵入することとする。
図1(a)、図1(b)からわかるように、防水板装置1は壁の間に形成される通路に設置される。詳しくは、通路を形成する路面に通路開閉部2が埋設され、通路を形成する壁のそれぞれに機構収容部3が配置される。これにより平常時には図1(a)のように通路は開放されており出入りが可能となっている。一方、水害時等には、図1(b)のように防水板20が上昇して通路の一部を閉鎖してこれ以上の水の侵入を防止することができる。以下、防水板装置1を構成する各部について詳しく説明する。
さらに、図2(a)、図2(b)、図3、図4に表れているように、上方に延びるシール部材27b、27cが、シール部材27aと通路入出側方向が同じ位置で、後述する筐体30のそれぞれに設けられている。これにより防水板20が上昇した際、シール部材27b、27cに防水板20の左右方向端部表面が押し付けられて水密が取られる。
従って、これらシール部材27a、27b、27cに防水板20の通路出側面の下端部及び左右両端部が押し付けられて防水板20を挟んで通路入側から通路出側への水漏れを防止している。
このような取水溝16は、仕切り部材13よりも通路入側に配置される。取水溝16は不図示の排水処理設備へと通じている。
導水部材17により、取水溝16から溢れた水を効率よく集水ピット2aに導くことができる。導水部材17はステンレスや鋼により形成されることが好ましい。
これにより、集水ピット2a内に水が滞留することを抑制し、集水バケット19の降下力が減衰することを防ぐ。防水板装置1の動作については後で詳しく説明する。
本形態では底板10を貫通して集水ピット2aの底部から排水するように構成しているが、これに限らず、仕切り部材を貫通して側部から排水するように構成してもよい。
穴19aを設けることにより、意図しないときに防水板装置1が作動して防水板20が上昇してしまうことを防止することができる。すなわち、集水バケット19に何らかの理由で水が流入していたり、小流量で長い時間集水バケット19に水が流入していた場合等には、穴19aが設けられていないと結果的に集水バケット19内に所定量の水が貯留する。これにより意図しないときに防水板装置1が作動してしまう可能性がある。これに対して穴19aを設けておくことによりこのようにして集水バケット19に流入した水は集水バケット19から排水することができる。従って意図しないときの防水板の上昇を防止することができる。詳しくは後で説明する。
防水板20は、水を堰き止めるための堰板となる防水板本体20aと、防水板本体20aの上端部に固着されて路面の一部となる鋼板製のフタ部材20bとを備えている。
一方、受け部材23は、防水板20のうち通路入側下部に配置されている。受け部材23も押圧部材22と同様に傾斜する部位を有している。
押圧部材22と受け部材23とは、図4からわかるように、防水板20が上昇した姿勢において、防水板20の下端部で傾斜した部位同士が重なる位置に配置されている。これにより防水板20が上昇した姿勢において、当該傾斜した部位同士の接触の作用で、第一押しつけ手段21が防水板20を通路出側に押圧する。
図5(a)、図5(b)からわかるように、押圧部材25は、軸25aを中心に回動する車輪25bを備えて構成されている。軸25aは直接又は他の部材を介して後述する筐体30に固定されており、その軸心方向は防水板20の左右方向である。従って車輪25bは通路出入側方向を含む平面内で回動することができるように配置されている。
一方、受け部材26は、図5(b)からわかるように、防水板20が上昇した姿勢で押圧部材25に接触する部位が傾斜面となるように構成されている。すなわち防水板20の昇降方向に対して傾斜する面を有している。このような受け部材26は、図2(b)からわかるように、防水板20のうち左右方向端面のそれぞれに配置されている。
また、第二押しつけ手段24は防水板20が最も上昇した姿勢において、防水板20の半分より上で両者が接触するように配置されている。
筐体30は機構収容部3の外殻を形成する部材であり、箱状とされることによりその内側に伝達機構31を含むことができるように構成されている。従って筐体30は板状の部材が組み合わされる等して形成されている。
本形態では伝達機構31は、吊り上げチェーン32、第一ガイドスプロケット35、第二ガイドスプロケット36、連結ブラケット37、移動スプロケット38、防水板制御手段40、及び防水板減速手段50を備えている。
また、吊り上げチェーン32の両端間は、後述する第一ガイドスプロケット35、第二ガイドスプロケット36、及び移動スプロケット38に巻き掛けられることにより筐体30内に保持される。
また、第一ガイドスプロケット35は、防水板20の上方に配置され、その高さ位置(図3、図4の紙面上下方向位置)は、防水板20が最も上昇した姿勢でも該防水板20を吊り上げチェーン32で保持することができる位置である。一方、第一ガイドスプロケット35の通路出入側方向の位置(図3、図4の紙面左右方向位置)は、特に限定されることはないが、第一ガイドスプロケット35の通路出側(図3、図4の紙面右側)から吊り下げチェーン32の一端側が鉛直下方に延び、その一端が防水板20に固定される形態となることが好ましい。これによれば防水板20を真上に引き上げることが可能となり、防水板20のより円滑な上下動が図られる。
第二ガイドスプロケット36は、上記第一ガイドスプロケット35よりも通路入側に配置され、その高さ位置は第一ガイドスプロケット35と概ね同じとされている。
図6には図3のうち、第二ガイドスプロケット36の部位を上方から見た図を示し、これにより制御スプロケット41が表れる図を示した。図7には、防水板制御手段40を通路出側から見た図を示した。また、図8には、防水板制御手段40のうち、カバー45により隠蔽されている部位について説明する図を示した。図8(a)は防水板制御手段40の1つの姿勢、図8(b)は防水板制御手段40の他の姿勢である。
このとき、防水板下降制限アーム42は、第一アーム42aが回動軸40aから第二ガイドスプロケット36の下方に延び、係止突起42cが第二ガイドスプロケット36側に向けて突出するとともに第二アーム42bは通路入側に配置されて上方に向くように配置される。また防水板下降制限アーム42は、弾性部材42dにより係合突起42cが第二ガイドスプロケット36に向かう方向に付勢されている。
一方、防水板上昇制限アーム43は、第一アーム43aが回動軸40aから上方に向かって延び、係止突起43cが制御スプロケット41側に向けて突出するとともに第二アーム43bは通路入側に配置されて回動軸40aから通路入側に向けて延びるように配置される。また防水板上昇制限アーム43は、弾性部材43dにより係合突起43cが制御スプロケット41に向かう方向に付勢されている。
このとき、係止突起43cは制御スプロケット41のVIIIaの方向の回動に対しては弾性部材42d、43dの付勢力に抗して第一アーム43aが回動軸40aを中心にVIIIb方向に回動することができるように構成されおり制御スプロケット41のVIIIa方向の回動を許容する。一方、係止突起43cは制御スプロケット41のVIIIcの方向の回動に対しては、制御スプロケット41のスプロケット歯に係止して制御スプロケット41のVIIIcの方向の回動を制限するように構成されている。そのための構成は特に限定されることはないが、係止突起43cのスプロケット歯への係止位置、係止角度を調整したり、係止突起43cの先端形状を調整したりすることで可能となる。
このとき、係止突起42cは第二ガイドスプロケット36のVIIIdの方向の回動に対しては弾性部材42d、43dの付勢力に抗して第一アーム42aが回動軸40aを中心にVIIIeの方向に回動することができるように構成されおり第二ガイドスプロケット36のVIIIdの方向の回動を許容する。一方、係止突起42cは第二ガイドスプロケット36のVIIIfの方向の回動に対しては、第二ガイドスプロケット36のスプロケット歯に係止して第二ガイドスプロケット36のVIIIfの方向の回動を制限するように構成されている。そのための構成は特に限定されることはないが、係止突起42cのスプロケット歯への係止位置、角度を調整したり、係止突起42cの先端形状を調整したりすることで可能となる。
図9には、防水板減速手段50を通路出側から見た図を示した。また、図10には、防水板減速手段50のカバー55により隠蔽されている部位について説明する図を示した。図10(a)は防水板減速手段50の1つの姿勢、図10(b)は防水板減速手段50の他の姿勢である。
揺動板51が、スリット51aが具備される側とは反対側の端部で回動軸51bを中心に回動(揺動)可能に筐体30に固定される。一方、スリット51aが具備された側の端部は回動軸51b側から上方に延びるように配置される。また、減速スプロケット52は揺動板51に回動可能に固定されているが、本形態では図9からわかるように揺動板51の筐体30側となる面に固定されている。
これにより、防水板20が上昇するために吊り上げチェーン32が移動するに際して減速スプロケット52が回動して吊り上げチェーン32の移動速度を遅くすることができる。従って防水板20の突然の早い上昇を防止することが可能となる。
警報装置部4は本形態では一方の機構収容部3の上部に重ねられるように設けられ、水流検知センサ60、制御手段70、及びスピーカー80及び回動灯81を備えている。
本実施形態では、上記のように磁気を検知するセンサを用いたがこれに限定されることはなく、他の形態であってもよい。すなわち、水流を受けたフラップの移動を電気信号に変換できる機器であればよく、非接触式では光電管センサ等の光学センサを用いることもでき、接触式では汎用のマイクロスイッチ等を挙げることができる。また、軸の回転を直接接続するエンコーダー装置を用いることも可能である。
フラップ63が傾く角度は、導水路17aを流れる水の流量により変わる。すなわち、少流量の場合にはフラップ63の傾きは少なく、大流量の場合にはフラップ63の傾きは大きくなる。ここで警報を発すべき事態は大流量の場合となるので、少流量の場合には水量検知センサ60から信号を発することが無いように構成することが好ましい。そのために開口感知板64の形態によりフラップ63が所定の角度以上に傾いたときにリードスイッチが磁力を感知して信号を発するように構成することができる。
このような制御手段70としては例えば電気回路等を挙げることができる。
しかしながら、この流入量が少なく、防水板20を上昇させる程の量ではない場合、上記したように所定の流量以下であるため、その水は矢印Bで示したように集水バケット19へ流入した水の全量が穴19aからの流出して集水バケット19には水が滞留しない。そしてさらに集水バケット19の穴19aから流出した水は矢印Cに示したように排水手段18により排水される。従って、防水板20は上昇することなく平常時と同様の姿勢が保たれる。
なお、この際には水流検知センサ60のフラップ63は流水による回動するが、流量が少ないので傾きが小さいことから、リードスイッチ61bは作動することなく信号を発信しない。従って警報装置部4が警報を発することもない。
また、防水板20が上昇した際には、図4に示したように第一押しつけ手段21及び第二押しつけ手段24により防水板20は通路出側に移動され、ここに配置されるシール部材27a、27b、27cに押し付けられて高い止水性を確保することができる。本形態では第一押しつけ手段21及び第二押しつけ手段24が上下で同時に防水板20を押し付けるのでより高い止水性を可能としている。
このように防水板20が下降しようとするとき、第二ガイドスプロケット36は図3の視点で時計方向に回動されるはずである。しかしながら、防水板制御手段40が図8(b)の姿勢にあれば、図8(b)にVIIIfで示した時計方向の回動が制限されている。これにより一度上昇した防水板20がその位置よりも降下してしまうことを防止することができる。従って、防水板20が上昇すべくして上昇した後に、意図しない防水板20の下降が起こることを防止することができる。すなわち、防水板20の動作の確実性を向上させることが可能である。またこのときには第一押しつけ手段21、及び第二押しつけ手段24による押しつけ力も維持されるので、止水性も高いまま保持することが可能である。
2 通路開閉部
3 機構収容部
4 警報装置部
10 底板
11〜15 仕切り部材
16 取水溝
17 導水部材
18 排水手段
19 集水バケット
20 防水板
21 第一押しつけ手段
24 第二押しつけ手段
27a〜27c シール部材
28 フタ部材
30 筐体
31 伝達機構
32 吊り上げチェーン
35 第一ガイドスプロケット
36 第二ガイドスプロケット
37 連結ブラケット
38 移動スプロケット
40 防水板制御手段
50 防水板減速手段
60 水流検知センサ
Claims (4)
- 路面から上昇して水を堰き止め可能に形成される防水板と、
前記防水板を収容可能に前記路面より下に形成される防水板収容ピットと、
前記防水板収容ピットが形成される通路に設けられ、導水路から水が流入可能に形成される集水ピットと、
前記集水ピット内に配置されて該集水ピットに貯留された水の重さに基づいて、前記集水ピット内を昇降可能な集水バケットと、
前記集水バケットの昇降に基づいて、前記防水板を昇降させる伝達機構と、
前記集水ピットに流入する水の流量を測定する水流検知センサと、を備え、
前記水流検知センサは、
前記導水路に配置され、前記導水路を通過する流水に応じて移動可能なフラップと、
前記フラップの位置を検知する検知手段と、を有する、防水板装置。 - 前記水流検知センサは、前記電気信号に変換する手段が電気型近接スイッチであり、前記電気型近接スイッチの永久磁石とリードスイッチとの間には強磁性体の板が配置され、前記強磁性体の板が前記軸に固定されることにより、前記フラップによる前記軸の回動に追随して前記強磁性体の板が前記永久磁石と前記リードスイッチとの間を離脱可能とされる請求項1に記載の防水板装置。
- 前記水流検知センサが接続される制御手段と、
前記制御手段からの指令に基づいて、報知する報知手段とを備え、
前記制御手段は前記水流検知センサから入力された信号に基づいて前記報知手段に指令を出力する、請求項1又は2に記載の防水板装置。 - 前記制御手段は、所定期間の前記水流センサから信号を受信したときに前記報知手段に指令を出力する、請求項3に記載の防水板装置。
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