JP5984913B2 - 血液浄化器のアルブミン漏出量の評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は、血液浄化器を用いて血液を浄化する前に、当該血液浄化器のアルブミン漏出量を評価する血液浄化器のアルブミン漏出量の評価方法、プログラム、装置及び梱包品、あるいは血液浄化器を用いて血液を浄化する前に、目標アルブミン漏出量を得るための血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状を算出する評価方法、プログラム、装置及び梱包品に関する。
慢性腎不全疾患や糖尿病の合併症等により、透析治療を余儀なくされる患者が年々増加している。一方、透析技術や水質管理、血液浄化器の性能向上により、患者の透析治療期間は長期化している。透析治療期間が長期化することにより、関節痛や関節の腫れ、関節運動抑制、皮膚の掻痒感等、患者の体に様々な症状が出てくることは、透析業界ではよく知られており、透析患者の生活の質(Quality Of Life:QOL)を低下させている。
この症状を緩和させるため、また、発症を遅らせるため、高透過性能の血液浄化器を使用して、分子量20000〜30000程度の低分子量蛋白質を積極的に除去する透析治療が効果的であるとして、高透過性能の血液浄化器を使用する血液浄化療法が広がりつつある。さらに近年、尿毒素がアルブミンに結合したアルブミン結合尿毒素を除去することがより効果的であるとして、アルブミン領域の蛋白質をある程度除去した方が良いとする血液浄化治療も見られる。
高透過性能の血液浄化器による血液浄化療法は、透析患者の先に述べたような症状を緩和する一方、血液浄化器の透過性能が高いため、体に有用なアルブミンが治療中に体外に漏出しすぎる危険性を伴っている。アルブミンは、血中蛋白質の約50〜65%を占めており、体液の浸透圧の調整や、様々な物質を体の隅々に運搬するキャリアーとしての重要な役割を持っており、漏出しすぎるのを避けたい蛋白質である。
その為、従来、高透過性能でありながらアルブミン漏出量を抑えた血液浄化器の開発が行われ、その性能を評価するために様々な評価方法が行われてきた。例えば、特許文献1では、牛血漿系で測定したβ2ミクログロブリン(β2MG)の総括物質移動係数が高く、かつアルブミンのふるい係数(SC)が低い分画性能に優れたセルロース系選択透過性中空糸膜の発明が提示されている。特許文献2では、分子量2万程度の物質の除去性に優れ、かつ有用蛋白質であるアルブミンの漏出を極力抑制した血液浄化用中空糸膜についての発明が提示されている。
また、特許文献3では、牛血漿系で測定したβ2MG―SCとアルブミンSCの比が一定の範囲に入るβ2MGの除去効率に優れ、かつ有用蛋白質であるアルブミン漏出の少ない血液透析器についての発明が提示されている。特許文献4でも、血液適合性に優れ、分離特性が高く、且つアルブミン漏出量の少ない血液透析器についての発明が提示されている。
特開平10−248925号公報 特開2005−237755号公報 特開2000−300973号公報 特開2006−304825号公報 欧州公開2463795A1公報
腎と透析(別冊2004)「旭メディカル社製高充填率型APSダイアライザーの性能評価」
しかし、特許文献1及び2では、アルブミンSCやアルブミン漏出量の評価方法が、固形成分である血球の存在しない牛血漿系で行われており、実際の臨床状態を再現できていない。
また、特許文献3では、牛血漿系より臨床条件に近いと思われる牛血液系での性能評価を行っているが、透析液を流していない濾過のみを行った場合の濾液中の蛋白濃度について評価しているに過ぎない。また、牛アルブミンSCについては水溶液系で測定した値である。
特許文献4でも、牛血液系での性能評価を行っているが、in vitroの実験系は血液濾過系であり、透析液の影響が排除されている。
特許文献5では、治療中の患者のあるパラメータの値を経時的にモニタリングし、パラメータの値の経時的な変化から、治療中あるいは治療後のパラメータの値を計算する方法が開示されているが、該方法では、治療開始前のパラメータの値から、治療後のパラメータの値を計算することはできない。
血液浄化は有用蛋白質であるアルブミンが漏出しないように設計されているため、多くの血液浄化器でのアルブミンの漏出量は極めて少ない。このアルブミン漏出量の少ない領域においては、従前の牛血漿系を中心とした実験系での評価は実際の血液浄化療法において漏出するアルブミン量を再現できている場合が多く、特に問題は生じない。
しかし、上述したアルブミン結合尿毒素を除去できる高透過性能の血液浄化器では、アルブミン漏出量が若干多くなり、この漏出量の領域においては、従前の牛血漿系を中心とした実験系での評価と実際の血液浄化療法において漏出するアルブミン量とに乖離が生じることがある。例えば、この高透過性能の血液浄化器において、従前の牛血漿系を中心とした実験系における評価でアルブミン漏出量が一定量以下になることが確認された血液浄化器と同一ロットの血液浄化器を用いて血液浄化療法を施行したときでも、治療時のアルブミン漏出量が上記実験系で評価した漏出量を上回ることがある。このような場合、事前に予測したよりも多くの有用アルブミンがアルブミン結合尿毒素とともに患者体内から排出されることとなり、治療上のリスク要因となり得る。
このように、高透過性能の血液浄化器において、従前の牛血漿系を中心とした実験系における評価は、血液浄化器同士の性能を比較する方法としては有効であるが、これから治療を受ける患者に対して血液浄化器が実際に漏出するアルブミン量を予測する方法としては必ずしも有効とは言えず、治療リスクが残ることになる。
非特許文献1では、臨床アルブミン漏出量はバラつきが大きく予測が難しいとされている。
本発明の目的は、このような高透過性能の血液浄化器において生じる臨床アルブミン漏出量の予測困難性を解消することにある。
本発明は、血液浄化器を用いて血液を浄化する前に行う方法であり、以下の通りである。
[1]
治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いて浄化する血液浄化器のアルブミン漏出量の評価方法であって、統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、前記患者の第1のパラメータ、第2のパラメータ及び第3のパラメータを前記回帰式に代入することにより、前記患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出するステップと、を含み、前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値、血漿総蛋白量(TP)、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差(TMP)、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、評価方法。
アルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップでは、先ず血液浄化療法の臨床情報を幅広く収集する。血液浄化療法とは、血液透析療法(HD)、血液濾過透析療法(HDF)、又は血液濾過療法(HF)などを意味するが、これらに限定されない。血液浄化療法の臨床情報は、過去の臨床データや、学会発表などのデータから収集することができる。
収集した臨床情報は、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および血液浄化におけるアルブミン漏出量に整理する。ここでいう被用者とは、収集された臨床情報における血液浄化療法を施行された患者を意味する。
整理した臨床情報から、統計学的手法を用いて、アルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くが、本発明における統計学的手法とは、多変量解析を示す。多変量解析には重回帰分析・主成分分析・独立成分分析・因子分析などがあるが、本発明の多変量解析では重回帰分析を使用することが好ましい。
回帰式は、例えばMicrosoft(マイクロソフト社の登録商標) Excelの分析ツール、アドイン統計、MINITAB等の市販の統計ソフトを用いると、的確に回帰式を求めることができる。
この場合、前記回帰式を次の式(1)
Figure 0005984913
[式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B〜B、C〜C、D〜Dは、統計学的手法により導かれる係数である。]としてアルブミン漏出量(Q)を算出する回帰式を導くことが可能である。
また、前記回帰式を次の式(2)
Figure 0005984913
[式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。]としてアルブミン漏出量(Q)を算出する回帰式を導くことも可能である。
前記回帰式を導くステップでは、いったん回帰式を導いた後に、新たな臨床データを追加し、その都度、統計学的手法を用いて前記回帰式を修正していくステップを含んでもよい。
本発明に係る評価方法によれば、治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化する前に、該患者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、および血液浄化器の性状に関する第3のパラメータを、前記回帰式に代入することにより、該患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出することが可能である。
このことにより、高透過性能の血液浄化器を用いて血液を浄化する際に、治療対象の患者におけるアルブミン漏出量を事前に精度よく予測することが可能となる。
さらに、本発明は、[1]の評価方法をコンピュータに実行させてアルブミン漏出量を算出するプログラムを提供する。
前記プログラムには、前記アルブミン漏出量を算出することができる回帰式の情報が予め組み込まれていてもよい。
また、本発明は、前記プログラムを格納した装置であって、前記装置は、前記プログラムによって算出されたアルブミン漏出量を出力することができる、装置を提供する。
前記装置は、病院で使用される集中管理システム、透析装置、データ処理として使用されるパーソナルコンピューターが挙げられるが、これに限定されるものではない。
前記アルブミン漏出量の出力は、画像表示や音声、及びこれらの組み合わせによって行われるが、これらに限定されるものではない。画像表示や音声によってアルブミン漏出量を出力することで、血液浄化条件や使用する血液浄化器が適切であるか否かを、容易に判断することが可能である。なお、アルブミン漏出量の出力は、画像表示、音声出力、媒体出力などを行う出力装置により行うことができる。
本発明の評価方法を用いてアルブミン漏出量を算出するプログラムがインストールされた装置を用いて、治療対象の患者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、および血液浄化器の性状に関する第3のパラメータを入力することにより、アルブミン漏出量を算出することが可能である。
また、本発明は、血液浄化器を用いて血液を浄化する前に行う方法であり、以下のとおりである。
[2]
治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化するために、目標アルブミン漏出量を得るための血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状を算出する評価方法であって、統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、前記患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、を前記回帰式に代入することにより、前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するステップと、を含み、前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値、血漿総蛋白量(TP)、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差(TMP)、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、評価方法。
ここで、アルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップは、先に述べたように収集した臨床情報に基づき統計学的手法を用いて、アルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップである。
次に、治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化するために、該患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、を前記回帰式に代入することにより、前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出することができる。
一実施態様として、前記回帰式は、「血液ヘマトクリット(Ht)治療前値」である第1のパラメータ、「除水量」及び「血液流量」である第2のパラメータ、「血液浄化器の膜面積」、及び「血液浄化器又は中空糸膜のふるい係数」である第3のパラメータ、及び血液浄化におけるアルブミン漏出量に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる式である。この場合、治療対象の患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、すなわち、「血液ヘマトクリット(Ht)治療前値」、「除水量」、及び「血液浄化器又は中空糸膜のふるい係数」を前記回帰式に代入することにより、前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分、すなわち、「血液流量」及び「血液浄化器の膜面積」を算出することができる。
算出された第2及び/又は第3のパラメータは、前記目標値にアルブミン漏出量を抑えるための血液浄化条件や使用する血液浄化器の定量的な情報である。これらの情報に基づいて血液浄化条件や使用する血液浄化器を決定すれば、血液浄化療法を施行された患者が不意に多量のアルブミンを失うといった治療リスクを排除することができる。
この場合、前記回帰式を次の式(1)
Figure 0005984913
[式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A、B〜B、C〜C、D〜Dは、統計学的手法により導かれる係数である。]としてアルブミン漏出量(Q)を算出する回帰式を導くことが可能である。
また、前記回帰式を次の式(2)
Figure 0005984913
[式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y1〜Ycは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z1〜Zdは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A0、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。]としてアルブミン漏出量(Q)を算出する回帰式を導くことも可能である。
また、本発明は、[1]と同様、[2]の評価方法をコンピュータに実行させて第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するプログラム、並びに該プログラムを格納した装置であって、該プログラムによって算出された第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分のうち少なくとも1つ以上を出力することができる、装置を提供する。前記プログラムには、前記アルブミン漏出量を算出することができる回帰式の情報が予め組み込まれていてもよい。
前記装置は、病院で使用される集中管理システム、透析装置、データ処理として使用されるパーソナルコンピューターが挙げられるが、これに限定されるものではない。
血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状に関するパラメータの出力は、画像表示や音声、及びこれらの組み合わせによって行われるが、これらに限定されるものではない。画像表示や音声によって上述したパラメータを出力することで、血液浄化条件や使用する血液浄化器が適切であるか否かを、容易に判断することが可能である。
また、本発明は、血液浄化器と、[1]又は[2]の評価方法で導く回帰式の情報を示した添付文書と、を含む梱包品を提供する。
前記回帰式の情報は、回帰式及び前記回帰式を導くための基礎データの少なくとも一方を含んでいる。
本発明に係る梱包品によれば、前記添付文書に、[1]又は[2]の評価方法で導く回帰式の情報が表示されているため、この回帰式の情報に基づいて治療対象の患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出することができる。よって、算出されたアルブミン漏出量に基づいて前記患者に最適な血液浄化条件や使用する血液浄化器を選択することができる。また、目標アルブミン漏出量を前記回帰式の情報に代入すれば、前記目標値にアルブミン漏出量を抑えるための血液浄化条件や使用する血液浄化器の定量的な情報を得ることができる。
本発明によれば、治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化する前に、臨床アルブミン漏出量の予測値を算出したり、あるいは目標アルブミン漏出量を得るための血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状を算出したりすることができるため、特に、アルブミン結合尿毒素などを積極的に除去する高透過性能の血液浄化器を用いて血液を浄化する際、臨床アルブミン漏出量を目標値に制御するための最適な血液浄化条件や血液浄化器を実際の治療に入る前に知ることができ、血液浄化療法の施行後に不意に多量のアルブミンの漏出を招くといった治療上のリスクを極限まで防ぐことができる。
一次式の回帰式を用いる場合の透析患者の臨床情報を示した図である。 二次式の回帰式を用いる場合の透析患者の臨床情報を示した図である。 実施例1における臨床情報を示した図である。 実施例1におけるある患者のパラメータとアルブミン漏出量の関係を示した図である。 実施例2における臨床情報を示した図である。 実施例4,5,6における臨床情報を示した図である。 実施例7における臨床情報を示した図である。 実施例8における臨床情報を示した図である。 実施例8における透析装置モニターの表示画面を示す図である。 実施例9における透析装置モニターの表示画面を示す図である。 実施例10における透析装置モニターの表示画面を示す図である。 実施例11における臨床情報を示した図である。 実施例13における透析装置モニターの表示画面を示す図である。 比較例1及び実施例1におけるアルブミン漏出量を示す図である。 図14に示すアルブミン漏出量を示すグラフである。 比較例2及び実施例1におけるアルブミン漏出量を示す図である。 図16に示すアルブミン漏出量を示すグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。
上述した通り、本発明は、血液浄化器を用いて血液を浄化する前に行う方法であり、以下の[1]の通りである。
[1]
治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いて浄化する血液浄化器のアルブミン漏出量の評価方法であって、統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、前記患者の第1のパラメータ、第2のパラメータ及び第3のパラメータを前記回帰式に代入することにより、前記患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出するステップと、を含み、前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値、血漿総蛋白量(TP)、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差(TMP)、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、評価方法である。
また、本発明は、血液浄化器を用いて血液を浄化する前に行う方法であり、以下の[2]の通りである。
[2]
治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化するために、目標アルブミン漏出量を得るための血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状を算出する評価方法であって、統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、前記患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、を前記回帰式に代入することにより、前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するステップと、を含み、前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値、血漿総蛋白量(TP)、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差(TMP)、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、評価方法である。
ここで、血液を浄化する血液浄化器とは、血液透析(HD)器、血液濾過透析(HDF)器、血液濾過(HF)器をいう。
血液透析器においては、アルブミン漏出が問題となる、ダイアライザー機能分類によるβ2ミクログロブリンのクリアランスが70[ml/min]以上のV型製品が対象となる。
ダイアライザー機能分類におけるβ2ミクログロブリン(β2MG)のクリアランスとは、日本医療器材工業会編「ダイアライザー機能分類実施マニュアル」に基づいて行った際のクリアランスの値である。
アルブミン漏出量とは、血液浄化療法の間に、被用者及び治療対象の患者の血液から除去されるアルブミン量で、通常は透析液中あるいは濾液中に排出されるアルブミンの総量をいう。
血液浄化療法の間の透析液廃液あるいは濾液をすべて回収し、回収した透析液廃液あるいは濾液中のアルブミン濃度、液量を測定し、透析液廃液中あるいは濾液中のアルブミンの総量を算出することでアルブミン漏出量を求めることが出来る。
アルブミン濃度は、例えば、免疫比濁法等で求めることが可能である。
統計学的手法とは、多変量解析を示す。本発明での多変量解析では重回帰分析を使用することが望ましい。
被用者の血液性状に関する第1のパラメータは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値、血漿総蛋白量(TP)、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される。血液Ht治療前値とは、血液浄化器により血液を浄化する前の被用者血液中の血球の割合である。
血液浄化条件に関する第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差(TMP)、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される。ここで、濾過速度と補液速度とは同じ値となり、濾液量と補液量と置換液量とは同じ値となる。
血液浄化器の性状に関する第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される。血液浄化器の膜面積とは、血液浄化器内に装填された中空糸膜束の膜面積を意味する。
血液浄化器の水濾過量、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量とは、中空内部に圧力をかけながら水を濾過させた時、単位膜面積・単位圧力・単位時間当たりの水の濾過量のことである。
血液浄化器のふるい係数及び血液浄化器に内蔵されている中空糸膜のふるい係数とは、中空糸膜束を構成する中空糸膜の透過性能の指標であり、溶質を含んだ溶液を加圧しながら中空糸膜内部に流通させ、流通させた元液の溶質濃度に対する、中空糸膜を透過して出てきた濾液中の溶質の濃度の比(濾液中の溶質濃度/元液中の溶質濃度)で表した値である。
血液浄化器のクリアランス(CL)とは、血液浄化器に流入する血液流量のうち、どれだけ完全に浄化(例えば尿素が完全に除去)されたかに相当する流量である。血液流路に溶質を含んだ溶液をワンパスで流通させ、透析液流路に透析液をワンパスで流通させ、血液浄化器入口の血液流量をQBi[ml/min]、血液浄化器出口の血液流量をQBo[ml/min]、血液浄化器の入口の溶質濃度をCBi、血液浄化器の出口の溶質濃度をCBo、とした時、以下の式(3)であらわされる値である。
CL[ml/min]=(QBi×CBi−QBo×CBo)/CBi …(3)
溶質濃度は、吸光度法、発色法、高速液体クロマトグラフィーを用いたHPLC法、免疫比濁法等を用いて測定するが、測定方法は適宜選択することができる。
ふるい係数は、デキストラン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)のような水溶性高分子や、または牛アルブミンのような蛋白質の水溶液で測定されたふるい係数とすることができる。
また、β2MG、プロラクチン、α1ミクログロブリン(α1MG)またはミオグロビンのような蛋白質を溶解させた牛血漿溶液、または牛血漿中のアルブミンを利用して測定されたふるい係数とすることができる。
水溶液系でふるい係数を測定する場合、溶解する溶媒として、生食、リン酸緩衝液(pH7.0〜7.5)等を用いて、溶質を0.2〜3%程度の濃度に溶解する。そして、50〜200[mmHg]の膜間圧力差(TMP)をかけながら、溶質を含んだ溶液を中空糸膜内部に流通させ、溶質を濾過させることで、ふるい係数を測定する。
ふるい係数を測定する時間は、溶質をろ過し始めてから30〜60分が望ましく、できるだけ同じ条件で測定した値を用いることが望ましい。
一方、牛血漿系でふるい係数を測定する場合、蛋白質を、濃度0.5〜5[mg/L]になるように牛血漿に溶解したものを溶液として用いる。アルブミンを溶質に使用する場合には、牛血漿中に存在する牛アルブミンを使用することができる。牛血漿の総蛋白量は6.5±0.5[g/dl]に調整して用いる。そして、25〜50[mmHg]の膜間圧力差(TMP)をかけながら、用意した牛血漿溶液を中空糸膜内部に流通させ、溶質を濾過させることで、ふるい係数を測定する。
ふるい係数を測定する時間は、ろ過し始めてから60分程度が望ましく、できるだけ同じ条件で測定した値を用いることが望ましい。
ここで使用されるふるい係数は、膜の透過性を比較できる値であればよく、値としては0.005〜0.9の範囲が望ましい。この範囲以外の場合、膜の透過性を比較することが難しい。デキストラン、PVP、PEG、PEOのような水溶性高分子を使用する場合の分子量の選定は、ふるい係数が、0.005〜0.9の範囲になるように適宜選定する。例えば、デキストランであれば、分子量5万〜50万程度のもの、PVPであればK30やK60程度の分子量のものを用いるとよい。
クリアランスは、血液流路に流す溶液が水溶液系の場合、ビタミンB12、β2MG、プロラクチン、α1MGまたはミオグロビンのクリアランスとすることができる。一方、血液流路に流す溶液が牛血漿系の場合、β2MG、プロラクチン、α1MGまたはミオグロビンのクリアランスとすることができる。
クリアランスの値としては、血液浄化器入口の血液流量をQBi[ml/min]とした時、0.1×QBi〜0.95×QBi[ml/min]の間が望ましい。この範囲以外の場合、膜の透過性を比較することが難しい。
血液浄化器の膜面積[m]は、血液が接触する面積のことで、中空糸膜束の内径[μm]、フィラメント数、有効長[cm]、を使用して、以下の計算式(4)で導くことが可能である。
膜面積[m]=(内径)×3.14×(フィラメント数)×(有効長)/10 …(4)
あるいは、カタログ掲載の膜面積を用いてもよい。
これら3つのパラメータとアルブミン漏出量の情報を用いて、統計学的手法によりアルブミン漏出量を算出する回帰式を導くが、収集する臨床情報は、できるだけ多い方が、各パラメータとアルブミン漏出量の関係をより正確に表す回帰式を導くことができる。
収集する臨床情報は、回帰式の形式にもよるが、p次式の回帰式を作成する場合、収集する臨床情報数は、少なくとも(パラメータ数)×p−1以上であることが好ましく、(パラメータ数×p−1)×10以上であることが更に好ましい。
また、患者血液Ht治療前値と血漿量や、患者ドライウェイトと患者血液量、補液速度と置換液量等は、片方の値が決まればもう片方の値が決まるというように、相互に関係する値なので、各パラメータのアルブミン漏出量への影響を正しく回帰式に反映させるためには、各パラメータが、それぞれ独立した変数であることが必要である。
収集した臨床情報を被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および血液浄化におけるアルブミン漏出量に整理する。
ここで、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータの内、水濾過量やふるい係数、クリアランスなどのような性能に関するパラメータは、膜素材の種類毎に異なる値をとり、膜素材の異なるものの性能の高低を比較することは困難であるため、膜素材毎に整理することが望ましい。
例えば、ポリスルホン(PS)膜とポリメチルメタクリレート(PMMA)膜では、膜への蛋白質の吸着量が異なり、見かけ上PMMA膜の方がふるい係数が小さく見えても、実際は、PMMA膜では膜表面への蛋白質の吸着が大きくなっており、見かけのふるい係数より多くの蛋白質が除去されているため、純粋にふるい係数の値のみで膜の性状を比較することが困難である。
また、血液浄化療法の種類毎に臨床データを整理することが望ましい。血液浄化療法の種類により、膜に係る圧力、濾過の状態、膜への蛋白付着状態が異なるため、血液浄化療法の種類が異なる情報を比較して導いた回帰式では、アルブミン漏出量の算出値の精度が下がると考えられるからである。
アルブミン漏出に対する影響として、アルブミンは、分子量が66,000と高いため、血液から透析膜(中空糸膜)を通過して透析液側に移動する際、拡散より濾過の影響を大きく受けると考えられる。つまり、アルブミンは、膜間圧力差(TMP)が大きくなるほど、より透析膜を通過しやすくなると考えられる。
しかし、実際の血液浄化療法で、TMPをコントロールしながら治療を行うことはまれであり、TMPはその他の治療条件により影響を受ける。
このことから、同一膜種で、同一の性状を持つ透析膜を使用した場合、TMPが高くなる条件において、アルブミン漏出量が多くなると考えられる。例えば、被用者の血液性状に関する第1のパラメータでは、血液ヘマトクリット(Ht)治療前値や血漿総蛋白量(TP)、血液粘度が高くなる条件において、アルブミン漏出量が多くなると考えられ、血液浄化条件に関する第2のパラメータでは、血液流量、除水量、除水速度が、HDF治療、HF治療での補液速度(濾過速度)または置換液量(補液量、濾液量)が高くなる条件において、アルブミン漏出量が多くなると考えられる。もちろん、血液浄化器の性状に関する第3パラメータでは、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、クリアランス等の性能の値が高くなる条件で、アルブミン漏出量は高くなる。
一実施態様の透析治療において、第2のパラメータを「除水量」、第3のパラメータを「血液浄化器の膜面積」及び「血液浄化器又は中空糸膜のふるい係数」とすることで、アルブミン漏出量を高精度に算出することができる。
さらに、第1のパラメータを被用者の「血液Ht治療前値」、第2のパラメータを「血液流量」及び「除水量」、第3のパラメータを「血液浄化器の膜面積」及び「血液浄化器又は中空糸膜のふるい係数」とすることで、アルブミン漏出量をさらに高精度に算出することができる。
また、HDF療法、HF療法を施行する場合、第2のパラメータを「補液速度(濾過速度)」又は「置換液量(補液量、濾液量)」、並びに第3のパラメータを「血液浄化器の膜面積」及び「血液浄化器又は中空糸膜のふるい係数」とすることで、アルブミン漏出量を高精度に算出することができる。
さらに第1のパラメータを被用者の「血液Ht治療前値」、第2のパラメータを「血液流量」、及び「補液速度(濾過速度)」又は「置換液量(補液量、濾液量)」、並びに第3のパラメータを「血液浄化器の膜面積」及び「血液浄化器における中空糸膜束のふるい係数」とすることで、アルブミン漏出量をさらに高精度に算出することができる。
ここで、血液浄化器の膜面積は、膜面積が大きくなると、血液側の圧力は下がる傾向にあるが、一方で透析膜表面の蛋白質による目詰まりが軽減される傾向にあると考えられる。血液浄化器の膜面積のアルブミン漏出への影響は明らかではないが、蛋白による膜の目詰まりと圧力をかけて蛋白質を押し出す力とのバランスに関係しているのではないかと考えられる。
統計学的手法を用いて導かれた回帰式は、式(1)として表わすことができる。
Figure 0005984913
式(1)は、アルブミン漏出量(Q)を算出するための式である。式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B〜B、C〜C、D〜Dは、統計学的手法により導かれる係数である。
また、回帰式は、式(2)として表わすことができる。
Figure 0005984913
式(2)は、アルブミン漏出量(Q)を算出する式である。式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。
統計ソフトがない場合でも、以下のような方法(最小二乗法)により、回帰式を求めることができる。
例えば、次の回帰式(1)のように、アルブミン漏出量計算値(Q)を算出するための回帰式が一次式で表される場合、以下のようにして係数、定数を求めることが可能である。
Figure 0005984913
式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B〜B、C〜C、D〜Dは、統計学的手法により導かれる係数である。
なお、上述した回帰式(1)は、以下のようにも示すことができる。
Q=A+(B×X+B×X+ … +B×X)+(C×Y+C×Y+ … +C×Y)+(D×Z+D×Z+ … +D×Z) …(5)
式中、X〜Xは、患者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、治療条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B〜B、C〜C、D〜Dは、統計学的手法により導かれる係数である。
〔1〕
透析患者n人について、アルブミン漏出量Q、患者の血液性状に関するパラメータをb個(X〜X)、治療条件に関するパラメータをc個(Y〜Y)、血液浄化器の性状に関するパラメータをd個(Z〜Z)の臨床情報を集め、図1のように整理する。図1では、ある一人の患者の臨床情報を横方向に入力しており、これらの臨床情報をn人分だけ縦方向に並べている。
i番目のサンプルの理論値Q は、
=A+(B×X1i+B×X2i+ … +B×Xbi)+(C×Y1i+C×Y2i+ … +C×Yci)+(D×Z1i+D×Z2i+ … +D×Zdi) …(6)
と表される。
i番目のサンプルの残差eは、
=Q−Q …(7)
と表される。
残差平方和Sは、
Figure 0005984913
と表される。
最小二乗法はSを最小にする係数(B〜B、C〜C、D〜D)を求める方法である。
〔2〕
をA、B〜B、C〜C、D〜Dで偏微分して0とし、次のような連立方程式を作成する。
Figure 0005984913
Figure 0005984913
Figure 0005984913
Figure 0005984913
〔3〕
次に、上記〔2〕の各方程式にAを代入し、連立方程式を次のような偏差平方和Sで表す。
Figure 0005984913
Figure 0005984913
ここで、P,Rは、X,Y,Zのいずれかであり、tは、1〜b、1〜c、1〜dの何れかの数値である。
そうすると、連立方程式は、以下のように表される。
Figure 0005984913
Figure 0005984913
Figure 0005984913
〔4〕
上記〔3〕の連立方程式を解くために行列を利用し、上記〔3〕の連立方程式を下記のように表す。
Figure 0005984913
〔5〕
下記のように、上記〔4〕の両辺に逆行列を掛け、係数(B〜B、C〜C、D〜D)を求める。
Figure 0005984913
〔6〕
求められた係数を元に、以下のように定数Aを求める。
Figure 0005984913
以上のような計算方式を用いて、回帰式(1)の係数及び定数を求めることが可能である。
一方、次の回帰式(2)のように、アルブミン漏出量計算値(Q)を算出するための回帰式が二次式で表される場合、以下のようにして係数、定数を求めることが可能である。
Figure 0005984913
式中、b,c,dは、整数であり、X〜Xは、被用者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。
なお、上述した回帰式(2)は、以下のようにも示すことができる。
Q=A+{(B11×X +B12×X)+(B21×X +B22×X)+ … +(Bb1×X +Bb2×X)}+{(C11×X +C12×X)+(C21×X +C22×X)+ … +(Cc1×X +Cc2×X)}+{(D11×X +D12×X)+(D21×X +D22×X)+ … +(Dd1×X +Dd2×X)} …(8)
式中、X〜Xは、患者の血液性状に関するパラメータであり、Y〜Yは、治療条件に関するパラメータであり、Z〜Zは、血液浄化器の性状に関するパラメータであり、A、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。
〔1〕
透析患者n人について、アルブミン漏出量Q、患者の血液性状に関するパラメータをb個(X〜X)、治療条件に関するパラメータをc個(Y〜Y)、血液浄化器の性状に関するパラメータをd個(Z〜Z)の臨床情報を集め、図2のように整理する。図2では、ある一人の患者の臨床情報を横方向に入力しており、これらの臨床情報をn人分だけ縦方向に並べている。
〔2〕
上述した一次式の場合と同様に、残差平方和Sを最小にする係数(B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2))を求める。
〔3〕
求められた係数を元に、定数Aを求める。
同様の方法で、三次式、四次式などの高次式の回帰式を求めることが可能である。
本実施形態において、回帰式の形態を一次のものを用いるか二次以上のものを用いるかは、次の相関係数Rにて判断することができる。相関係数Rは、以下のように表される。
=1−(S/SQQ) …(9)
導かれた回帰式の相関係数R2は、0.7以上であることが好ましく、0.8以上であることが更に好ましく、0.9以上であることが更に好ましい。
相関係数Rが、0.7未満であると、アルブミン漏出量の予測値と実測値との乖離が大きくなり、血液浄化器のアルブミン漏出量を血液浄化前に算出するという目的を満たさなくなる。
パラメータの選定は、相関係数が大きくなる組み合わせを選定する。
このようにして導かれた回帰式に、治療対象の患者の第1のパラメータ、第2のパラメータ及び第3のパラメータを代入することにより、血液浄化前に前記患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出することが可能である。
また、治療対象の患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、を前記回帰式に代入することにより、目標アルブミン漏出量となる前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出することが可能である。
本発明の評価方法を用いた治療対象の患者のアルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出は、手計算あるいは計算機等を用いて実施することも可能であるが、本発明の評価方法を導入したプログラムを備えた装置を利用し、計算結果を出力させることも可能である。
つまり、上述した評価方法をコンピュータに実行させてアルブミン漏出量や目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するプログラムを装置に格納しておき、当該プログラムにより当該コンピュータに実行させてアルブミン漏出量や目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出することも可能である。この場合、プログラムには、アルブミン漏出量や目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出することができる回帰式の情報が予め組み込まれていることが好ましい。なお、このようなプログラムが記録されたROM等の記録媒体を用い、当該プログラムを装置に格納し、当該装置において、本発明の評価方法を用いた治療対象の患者のアルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出を行うようにしてもよい。
出力する情報としては、アルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出結果の他に、回帰式への入力情報(治療対象の患者の血液性状に関する情報、治療条件に関する情報、血液浄化器の性状に関する情報)などを含めることができる。例えば、アルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出結果と入力情報の一部であってもよく、アルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出結果と入力情報の全部であってもよく、アルブミン漏出量、あるいは目標アルブミン漏出量となる第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分の算出結果と入力情報の一部又は全部との関係(例えば、グラフなど)であってもよい。
出力する態様としては、例えば、画像表示、音声出力、媒体出力などがある。画像表示とは、例えば、透析装置モニター、パソコン画面のような機器画面(出力装置)に、算出されたアルブミン漏出量計算値を画像表示する態様である。音声出力とは、例えば、これらの装置に搭載されたスピーカ(出力装置)から、算出されたアルブミン漏出量計算値を音声出力する態様である。媒体出力とは、例えば、これらの装置やプリンタなど(出力装置)から、算出されたアルブミン漏出量計算値を紙などの媒体に印字する態様である。
次に、本実施形態に係る梱包品について説明する。
本実施形態に係る梱包品は、上述した血液浄化器と、上述した[1]の評価方法および[2]の評価方法で導く回帰式の情報を示した添付文書と、を含むものである。
添付文書の記載項目は、特に制限されるものではない。例えば、アルブミン漏出量算出値(予測値)と、治療対象患者の血液性状に関する第1のパラメータ、治療対象患者の治療条件に関する第2のパラメータ、及び血液浄化器の性状に関する第3のパラメータとの対応関係を列挙したものであってもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る[1]の評価方法および[2]の評価方法によれば、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、治療条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータおよび血液浄化におけるアルブミン漏出量に基づいてアルブミン漏出量を算出する回帰式を導くことにより、血液浄化器を用いて治療対象の患者の血液を浄化する前に、使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出することができる。
さらに、アルブミン漏出量を目標の範囲内に収まるように、血液浄化条件あるいは、血液浄化器の変更を行うことが出来る。
これにより、高透過性能の血液浄化器を用いて血液を浄化する際も、アルブミン漏出量が高値になるのを抑制することができる。
また、本発明の[1]の評価方法および[2]の評価方法を用いてアルブミン漏出量を算出するプログラムを格納した装置を用いることで、アルブミン漏出量が高値になりすぎないかを容易に判断することができる。
また、本実施形態に係る梱包品によれば、血液浄化器の添付文書に、上述した[1]の評価方法および[2]の評価方法で導く回帰式の情報が表示されているため、当該血液浄化器を如何なる場合に使用すればよいかを容易に判断することができる。
さらに、アルブミン漏出量を目標の範囲内に収まるように、血液浄化条件あるいは血液浄化器の変更を行うことが可能である。
以下に、[2]の評価方法に関する一実施態様を示すが、これに限定されるものではない。
例えば、被用者の血液性状に関する第1のパラメータとして、「血液Ht治療前値」を採用し、治療条件に関する第2のパラメータとして、血液浄化施行時の「除水量」及び「血液流量」を採用し、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータとして、「血液浄化器の膜面積」及び「中空糸膜のふるい係数」を採用し統計的手法を用いて回帰式を導いた場合を示す。
実際の透析治療では、治療対象の患者の「血液Ht治療前値」は患者固有のものであり、治療時の「除水量」は患者の前回透析からの体重増加幅であるため、「血液Ht治療前値」及び「除水量」は治療開始前に既に決まっている。このため、アルブミン漏出量の算出値は、血液浄化施行時の「血液流量」、「血液浄化器の膜面積」、「中空糸膜のふるい係数」で決まる。使用する血液浄化器の種類が決まっている場合には、治療時の「血液流量」及び「血液浄化器の膜面積」の2因子が、アルブミン漏出量の算出値に影響を与える因子となる。
そこで、目標のアルブミン漏出量となる2因子の組み合わせ、あるいは、血液浄化器が選択できるのであれば、「中空糸膜のふるい係数」を加えた3因子の組み合わせを回帰式を用いて計算し、集中管理システムやパーソナルコンピューター、透析装置などのコンピュータの画面に出力し表示させることが出来る。
ここで、集中管理システムやパーソナルコンピューター、透析装置などのコンピュータには、あらかじめ本評価方法で導かれた回帰式の他に、血液浄化器のふるい係数、膜面積体系の情報等をインプットしておくことが望ましい。
組み合わせの表示を確認して、血液浄化条件を決定し、装置に入力することが可能である。あるいは、透析装置と連動させれば、選択した組み合わせの血液浄化条件に自動的に装置を設定することが可能である。
組み合わせの表示を確認して血液浄化器を選択し、血液浄化療法に用いることが可能である。
このことにより、目標とするアルブミン漏出量の範囲となる血液浄化療法を施行することが可能である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例および比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
透析治療時の臨床情報を24症例集め、図3のように纏めた。使用した血液浄化器の膜素材はポリスルホンであった。ここで、PVP−K30ふるい係数とは、PVP−K30を1/15Mリン酸緩衝液(pH7.0)に3%になるように溶解させたものを、線速1[cm/s]で中空糸膜内部に流し、TMP200[mmHg]をかけながら濾過させた時の20分経過時のふるい係数である。PVP−K30の濃度は、220[nm]の吸光度にて測定した。
図3の臨床情報からアルブミン漏出量計算値(Q)を算出する回帰式を一次式で導いた。
回帰式に用いるパラメータを除水量、中空糸膜のPVP−K30ふるい係数とした場合、回帰式は
Q=−22.29+7.16×10−4×(除水量)+33.64×(PVP−K30ふるい係数) …(10)
となり、この時の相関係数R2は0.91となった。
回帰式に用いるパラメータを除水量、血液浄化器の膜面積・PVP−K30ふるい係数、とした場合、回帰式は
Q=−29.23+3.75×10−4×(除水量)+1.85×(膜面積)+39.88×(PVP−K30ふるい係数) …(11)
となり、この時の相関係数Rは0.95となった。
回帰式に用いるパラメータを患者血液Ht治療前値、除水量、血液流量、血液浄化器の膜面積・PVP−K30ふるい係数とした場合、回帰式は
Q=−32.38+1.69×10−2×(患者血液Ht治療前値)+3.47×10−4×(除水量)+5.14×10−3×(血液流量)+1.85×(膜面積)+42.16×(PVP−K30ふるい係数) …(12)
となり、この相関係数Rは0.96となった。
これらの結果から、透析治療のアルブミン漏出量計算値は、回帰式に、除水量、中空糸膜のふるい係数のパラメータ用いることで良好に予測できると考えられ、さらに膜面積のパラメータを加えることで相関係数が高くなり、アルブミン漏出量の予測がより正確になると考えられた。さらに、患者血液Ht治療前値、血液流量をパラメータとして追加することで、相関係数の上昇がみられた。
これらの回帰式を用いて、ある患者のアルブミン漏出量を算出した。患者の血液性状に基づく第1のパラメータ、治療条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に基づく第3のパラメータ、および、アルブミン漏出量の計算値、実測値を図4に示す。
相関係数が高くなるほど、アルブミン漏出量計算値と実際のアルブミン漏出量の間の差が小さくなっていた。
(実施例2)
実施例1と同じ臨床情報を用いて、アルブミン漏出量(Q)を算出する回帰式を二次式で作成するために、臨床情報を図5のように纏めた。
図5の臨床情報からアルブミン漏出量計算値(Q)を算出する回帰式を二次式で作成した。作成した回帰式(13)を以下に示す。
Q=62.95−0.30×(患者ヘマトクリット治療前値)+4.65×10−3×(患者ヘマトクリット治療前値)+2.35×10−4×(除水量)+1.53×10−8×(除水量)+9.2×10−6×(血液流量)+10.18×(膜面積)−2.38×(膜面積)−236.40×(PVP−K30ふるい係数)+200.95×(PVP−K30ふるい係数) …(13)
この時の相関係数Rは0.97となった。
この結果から、一次式の回帰式と比較すると、二次式の回帰式の方が相関関係の値が高く、二次式の回帰式の方が透析治療のアルブミン漏出量を良好に予測できると考えられた。
実施例1の患者のアルブミン漏出量計算値は、一次式では3.5[g]であるのに対し、二次式では3.6[g]であり、実際のアルブミン漏出量を良好に予測できていた。
(実施例3)
実施例1と同じ臨床情報を用いて、膜面積のパラメータを除外した回帰式を作成した。作成した回帰式(14)を以下に示す。
Q=−26.01+2.64×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+6.74×10−4×(除水量)+5.14×10−3×(血液流量)+36.32×(PVP−K30ふるい係数) …(14)
この時の相関係数Rは0.92となった。
式(12)と式(14)を比較したとき、膜面積のパラメータを除外すると相関係数が低下することから、アルブミン漏出量を予測するために膜面積のパラメータを除外しない方が良いとの結果であった。
(実施例4)
透析治療時の臨床情報を21症例集め、図6のように纏めた。使用した血液浄化器の膜素材はポリスルホンであった。ここで、牛アルブミン(水溶液系)ふるい係数とは、牛アルブミンを50mMリン酸緩衝液(pH7.4)に1%になるように溶解させたものを、線速1[cm/s]で中空糸膜内部に流し、TMP50[mmHg]をかけながら濾過させた時の60分経過時のふるい係数である。
図6の臨床情報を用いて、中空糸膜のふるい係数を水溶液系(水系)の牛アルブミンで測定した場合の回帰式を作成した。作成した回帰式(15)を以下に示す。
Q=−14.27+2.18×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+2.94×10−4×(除水量)+5.66×10−3×(血液流量)+2.38×(膜面積)+14.57×(水系牛アルブミンふるい係数) …(15)
この時の相関係数Rは0.93となった。
(実施例5)
実施例4と同じ臨床情報を用いて、中空糸膜のふるい係数を牛血漿系のプロラクチンで測定した場合の回帰式を作成した。ここで、プロラクチン(牛血漿系)ふるい係数とは、プロラクチンを牛血漿(TP6.0g/dl)に1[mg/L]なるように溶解させたものを、線速1[cm/s]で中空糸膜内部に流し、TMP25[mmHg]をかけながら濾過させた時の60分経過時のふるい係数である。作成した回帰式(16)を以下に示す。
Q=−12.11+3.36×10−3×(患者ヘマトクリット治療前値)+4.54×10−4×(除水量)+1.49×10−3×(血液流量)+2.10×(膜面積)+21.94×(プロラクチンふるい係数) …(16)
この時の相関係数Rは0.94となった。
(実施例6)
実施例4と同じ臨床情報を用いて、中空糸膜のふるい係数を牛血漿系の牛アルブミンで測定した場合の回帰式を作成した。ここで、牛アルブミン(牛血漿系)ふるい係数とは、牛血漿(TP6.0g/dl)を、線速1[cm/s]で中空糸膜内部に流し、TMP25[mmHg]をかけながら濾過させた時の牛血漿中の牛アルブミンのふるい係数である。作成した回帰式(17)を以下に示す。
Q=−8.60+2.66×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+3.26×10−4×(除水量)+1.02×10−3×(血液流量)+2.08×(膜面積)+484.17×(牛アルブミンふるい係数) …(17)
この時の相関係数Rは0.94となった。
(実施例7)
前希釈透析濾過治療時の臨床情報を30症例集め、図7のように纏めた。使用した血液浄化器の膜素材は、ポリスルホン膜であった。
図7の臨床情報からアルブミン漏出量計算値(Q)を算出する回帰式を一次式で導いた。
回帰式に用いるパラメータを患者血液Ht治療前値、血液流量、置換液量、血液浄化器の膜面積、中空糸膜のPVP−K30ふるい係数とした場合、回帰式は
Q=−59.29+1.38×10−1×(患者血液Ht治療前値)−1.54×10−2×(血液流量)+8.86×10−2×(置換液量)+3.20×(膜面積)+88.90×(PVP−K30ふるい係数) …(18)
となり、この時の相関係数Rは0.86となった。
これらの結果から、HDF治療のアルブミン漏出量計算値は、回帰式に、患者血液Ht治療前値、血液流量、置換液量、中空糸膜のふるい係数のパラメータ用いることで良好に予測できると考えられた。
(実施例8)
透析治療時の臨床情報を17症例集め、図8のように纏めた。使用した血液浄化器の膜素材は、再生セルロース膜であった。PVP−K30のふるい係数は、実施例1と同様に求めた。
図8の臨床情報からアルブミン漏出量計算値(Q)を算出する回帰式を一次式で作成した。作成した回帰式(19)を以下に示す。
Q=−22.93+4.90×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+4.75×10−4×(除水量)+3.36×10−3×(血液流量)+1.14×(膜面積)+27.82×(PVP−K30ふるい係数) …(19)
導かれた回帰式を利用したアルブミン漏出量算出プログラムを透析装置に組み込み、算出されたアルブミン漏出量計算値をモニターに出力・表示させるようにした。
患者ヘマトクリット治療前値を35%、除水量を3000[ml]、血液流量を200[ml/min]、血液浄化器の膜面積を1.5[m]、血液浄化器のPVP−K30ふるい係数を0.70として、アルブミン漏出量計算値を出力・表示させた。表示されたアルブミン漏出量計算値は2.1[g]であった。
図9に、透析装置モニターの表示画面を示す。
(実施例9)
実施例8で算出したアルブミン漏出量計算値を用いて、透析装置モニターに、入力値とアルブミン漏出量計算値とを表示させた。図10に、透析装置モニターの表示画面を示す。
(実施例10)
実施例8で算出したアルブミン漏出量計算値を用いて、透析装置モニターに、患者ヘマトクリット治療前値、除水量及びPVP−K30ふるい係数を表示させるとともに、血液流量と膜面積とアルブミン漏出量計算値との関係を示すグラフを表示させた。図11に、透析装置モニターの表示画面を示す。
ここでは、QB(血液流量)が200[ml/min]の透析治療で膜面積2.1[m]の血液浄化器を使用する予定であった。しかしながら、この表示されたグラフを見ると、この血液浄化器を使用した場合に、アルブミン漏出量を2.5[g]以下に抑えられないことが分かった。そこで、アルブミン漏出量が2.5[g]以下となるように、膜面積が1.5[m]の血液浄化器に変更した。
(実施例11)
透析治療時のデータを15症例集め、図12のように纏めた。使用した血液浄化器の膜素材はポリスルホンであった。牛アルブミン(水溶液系)ふるい係数は、実施例4と同様に求めた。
図12のデータから回帰式の係数を算出したところ、アルブミン漏出量計算値(Q)を算出する回帰式は、次の式(20)となった。
Q=−26.68+3.17×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+4.38×10−5×(除水量)+3.22×10−3×(血液流量)+3.22×(膜面積)+38.53×(牛アルブミンふるい係数) …(20)
そこで、患者ヘマトクリット治療前値を33%、除水量を2800[ml]、血液流量を250[ml/min]、血液浄化器の膜面積を2.1[m]、血液浄化器の水溶液系牛アルブミンふるい係数を0.58として、アルブミン漏出量計算値を算出した。その結果、アルブミン漏出量計算値は、4.4[g]となった。
そして、この算出したアルブミン漏出量計算値をパーソナルコンピューターの画面に出力させたところ、アルブミン漏出量計算値が想定したアルブミン漏出量3.0[g]よりも多いことが分かった。そこで、アルブミン漏出量を抑制するために、この出力したアルブミン漏出量計算値を参考にして、血液流量を200[ml/min]、血液浄化器の膜面積を1.5[m]に変更して、この条件におけるアルブミン漏出量計算値を算出して出力させた。その結果、アルブミン漏出量計算値は、2.3[g]となり、想定したアルブミン漏出量よりも少なくなった。そこで、この変更した条件で透析を実施した。
(実施例12)
統計処理を実施できるプログラムをもつ集中管理システム上で、実施例8の臨床情報からアルブミン漏出量を計算値する回帰式(19)を導いた。実施例8の患者の実際の透析時のアルブミン漏出量は、2.8[g]であった。実施例8の臨床情報に実施例8の患者の臨床情報を加えた18症例の臨床情報からアルブミン漏出量を計算値する回帰式(21)を導き、次の患者のアルブミン漏出量計算値を導く回帰式とした。
Q=−30.75+9.33×10−2×(患者ヘマトクリット治療前値)+5.17×10−4×(除水量)+2.65×10−3×(血液流量)+0.75×(膜面積)+39.06×(PVP−K30ふるい係数) …(21)
このように、患者治療情報を追加していくことで、回帰式を更新していくことが出来る。
(実施例13)
実施例1の臨床情報を用いて、回帰式(12)を得、この回帰式を透析装置に導入した。患者の血液Ht治療前値が32%、除水量3000[ml]の時、目標アルブミン漏出量を2.5〜3.0[g]とする、血液流量、血液浄化器の膜面積、中空糸膜のPVP−K30のふるい係数の組み合わせをアルブミン漏出量算出値と共に透析装置に表示させた(図13)。用いる血液浄化器の性能はPVP−K30ふるい係数が0.65あるいは0.70のいずれかの物を選択することとした。
組み合わせ表を見て、条件4を選択し、透析を行うこととした。
透析装置のパネルにて、条件4を選択し、透析装置の条件を設定させた。
条件4の通りの血液浄化器を準備し、透析を開始した。
(比較例1)
血液浄化器に内蔵されている中空糸膜(膜素材:ポリスルホン)のPVP−K30ふるい係数が0.65〜0.74の血液浄化器を用いて、牛血漿系で牛アルブミン漏出量を測定した。すなわち、総蛋白濃度を6.5±0.5[g/dl]となるように調整した牛血漿2[L]を37[℃]で流速200[ml/min]で中空糸膜内部(血液側)に循環し、同時に中空糸膜外部(透析液側)に透析液5[L]を流速500[ml/min]で240分循環させた。循環後の透析液中の牛アルブミン量を免疫比濁法にて測定し、牛アルブミン漏出量を計算した。結果を図14にまとめた。
また、実施例1の臨床アルブミン漏出量のデータとの比較を図15に示すグラフで行った。
その結果、PVP−K30ふるい係数の上昇に伴う牛血漿系アルブミン漏出量は緩やかであるのに対し、臨床でのアルブミン漏出量はPVPふるい係数の上昇に伴い急激に上昇した。このことから、牛血漿系アルブミン漏出量は、臨床アルブミン漏出量を予測できる結果とは言えなかった。
(比較例2)
血液浄化器に内蔵されている中空糸膜(膜素材:ポリスルホン)のPVP−K30ふるい係数が0.64〜0.74の血液浄化器を用いて、牛血液系で牛アルブミン漏出量を測定した。すなわち、牛血Ht値35±2%総蛋白濃度を6.5±0.5[g/dl]となるように調整した牛血液2[L]を37℃で流速200[ml/min]で中空糸膜内部(血液側)に循環し、濾過速度10[ml/min/m]で濾過を行い濾液は貯留した。同時に濾過速度と同じ速度で、循環牛血液に生理食塩水を補液した。貯留しておいた濾液中の牛アルブミン量を免疫比濁法にて測定し、牛血液系アルブミン漏出量を計算した。結果を図16にまとめた。
また、実施例1の臨床アルブミン漏出量のデータとの比較を図17に示すグラフで行った。
その結果、PVP−K30ふるい係数の上昇に伴う牛血液系アルブミン漏出量は、PVP−K30ふるい係数が0.7を超えた辺りから急激に上昇しその後、漏出量が緩やかになるのに対し、臨床アルブミン漏出量は、PVP−K30ふるい係数の上昇に伴うアルブミン漏出量が牛血液系に比べ緩やかであった。このことから、牛血液系アルブミン漏出量は、臨床アルブミン漏出量を予測できる結果とは言えなかった。

Claims (17)

  1. 治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いて浄化する血液浄化器のアルブミン漏出量の評価方法であって、
    統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、
    前記患者の第1のパラメータ、第2のパラメータ及び第3のパラメータを前記回帰式に代入することにより、前記患者が使用する血液浄化器のアルブミン漏出量を算出するステップと、
    を含み、
    前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット治療前値、血漿総蛋白量、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、
    評価方法。
  2. 前記回帰式を式(1)
    Figure 0005984913
    [式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y1〜Ycは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z1〜Zdは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A0、B1〜Bb、C1〜Cc、D1〜Ddは、統計学的手法により導かれる係数である。]
    としてアルブミン漏出量(Q)を算出する、請求項1に記載の評価方法。
  3. 前記回帰式を式(2)
    Figure 0005984913
    [式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y1〜Ycは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z1〜Zdは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A0、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。]
    としてアルブミン漏出量(Q)を算出する、請求項1に記載の評価方法。
  4. 前記血液浄化器および前記中空糸膜のふるい係数が、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、及び牛アルブミンからなる群から選択された物質を溶解させた水溶液を用いて測定されたものである、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の評価方法。
  5. 前記血液浄化器および前記中空糸膜のふるい係数が、β2ミクログロブリン、プロラクチン、α1ミクログロブリン、及びミオグロビンからなる群から選択された物質を溶解させた牛血漿溶液、又はアルブミンを含む牛血漿を用いて測定されたものである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の評価方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の評価方法をコンピュータに実行させてアルブミン漏出量を算出するプログラム。
  7. 前記プログラムには、前記アルブミン漏出量を算出することができる回帰式の情報が予め組み込まれている、請求項6に記載のプログラム。
  8. 請求項6又は7に記載のプログラムを格納した装置であって、
    前記装置は、前記プログラムによって算出されたアルブミン漏出量を出力することができる、装置。
  9. 治療対象の患者の血液を中空糸膜束を用いた血液浄化器にて浄化するために、目標アルブミン漏出量を得るための血液浄化条件及び/又は血液浄化器の性状を算出する評価方法であって、
    統計学的手法を用いて、少なくとも、被用者の血液性状に関する第1のパラメータ、血液浄化条件に関する第2のパラメータ、血液浄化器の性状に関する第3のパラメータ、および、血液浄化におけるアルブミン漏出量、に基づいてアルブミン漏出量を算出することができる回帰式を導くステップと、
    前記患者の目標アルブミン漏出量、第1のパラメータ、及び第2及び/又は第3のパラメータの一部、を前記回帰式に代入することにより、前記第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するステップと、
    を含み、
    前記第1のパラメータは、血液ヘマトクリット治療前値、血漿総蛋白量、血中アルブミン濃度、血液粘度、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記第2のパラメータは、血液流量、透析液流量、除水速度、除水量、膜間圧力差、濾過速度、濾液量、補液速度、補液量、置換液量及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択され、
    前記第3のパラメータは、血液浄化器の膜面積、血液浄化器の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、ビタミンB12・β2ミクログロブリン・ミオグロビン・プロラクチン・α1ミクログロブリンのクリアランス、血液浄化器に内蔵されている中空糸膜の水濾過量、ふるい係数、物質移動係数、及びこれらの少なくとも2以上の組み合わせからなる群から選択される、
    評価方法。
  10. 前記回帰式を式(1)
    Figure 0005984913
    [式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y1〜Ycは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z1〜Zdは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A0、B1〜Bb、C1〜Cc、D1〜Ddは、統計学的手法により導かれる係数である。]
    としてアルブミン漏出量(Q)を算出する、請求項9に記載の評価方法。
  11. 前記回帰式を式(2)
    Figure 0005984913
    [式中、b,c,dは、整数であり、X1〜Xbは、被用者の血液性状に基づくパラメータであり、Y1〜Ycは、血液浄化条件に関するパラメータであり、Z1〜Zdは、血液浄化器の性状に基づくパラメータであり、A0、B11〜Bb1、B12〜Bb2、C11〜Cc1、C12〜Cc2、D11〜Dd1、D12〜Dd2は、統計学的手法により導かれる係数である。]
    としてアルブミン漏出量(Q)を算出する、請求項9に記載の評価方法。
  12. 前記血液浄化器及び前記中空糸膜のふるい係数が、デキストラン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、及び牛アルブミンからなる群から選択された物質を溶解させた水溶液を用いて測定されたものである、
    請求項9〜11のいずれか1項に記載の評価方法。
  13. 前記血液浄化器及び前記中空糸膜のふるい係数が、β2ミクログロブリン、プロラクチン、α1ミクログロブリン、及びミオグロビンからなる群から選択された物質を溶解させた牛血漿溶液、又はアルブミンを含む牛血漿を用いて測定されたものである、
    請求項9〜11のいずれか1項に記載の評価方法。
  14. 請求項9〜13のいずれか1項に記載の評価方法をコンピュータに実行させて用いて第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分を算出するプログラム。
  15. 前記プログラムには、前記アルブミン漏出量を算出することができる回帰式の情報が予め組み込まれている、請求項14に記載のプログラム。
  16. 請求項14又は15に記載のプログラムを格納した装置であって、前記装置は、前記プログラムによって算出された第2及び/又は第3のパラメータのその他の部分のうち少なくとも1つ以上を出力することができる、装置。
  17. 血液浄化器と、請求項1〜5、9〜13のいずれか1項に記載の評価方法で導く回帰式の情報を示した添付文書と、を含む梱包品。
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