JP5983926B2 - チェーンソー - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドガードを有する電動式のチェーンソーに関する。
チェーンソーには、キックバック時に備えて緊急停止機構が設けられている。代表的な機構としては、作業者が把持するサブハンドルの近傍にハンドガードを設け、キックバック時に作業者の手の甲がハンドガードに当たってハンドガードが揺動し、これに連動するブレーキでソーチェーンを駆動する駆動軸を制動するものが知られている。公知文献として下記特許文献1がある。
特開平9−29708号公報
最近の電動式のチェーンソーでは、ハンドガードがキックバックに起因して揺動した際に、電動モータとバッテリ(電池又は電池群)との接続を切断して消費電力の低減を図るとともに、ソーチェーンの停止を確実にすることが要望されている。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、その目的は、ハンドガードが揺動した際に電動モータと電源との接続を切断する構成とした場合に、ハンドガードの揺動方向の力が過大であっても電動モータと電源との接続をオン、オフ(ON,OFF)する部品若しくはその他の機構の損傷を未然に防止可能なチェーンソーを提供することにある。
本発明のある態様は、チェーンソーであり、ソーチェーンを駆動する駆動軸と、前記駆動軸に回転力を与える電動モータと、前記電動モータを内蔵する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに設けられたハンドルと、前記ハンドルの近傍に配置されていて、揺動軸で前記本体ハウジングに揺動自在に支持されているハンドガードと、前記本体ハウジングの外側の側面において、前記ハンドガードと前記揺動軸とを接続するアーム部と、を備え、
前記本体ハウジングの前記アーム部下方には、前記アーム部の取り付け面より前記揺動軸方向に突出した段部が設けられていることで、前記アーム部を介して前記ハンドガードの揺動範囲が規制されることを特徴とする。
前記態様において、前記ハンドガードに外力が加わらない第1の状態では前記電動モータへの通電を許容し、前記ハンドガードが揺動した第2の状態では前記電動モータへの通電を停止するスイッチを備えるとよい。
前記態様において、前記スイッチは前記揺動軸と連動する可動部材で作動される構成であるとよい。
前記態様において、前記電動モータに通電する電源が前記本体ハウジングに着脱自在のバッテリであるとよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法やシステムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係るチェーンソーによれば、キックバックに起因してハンドガードが揺動したときに、揺動範囲を規制することが可能であり、ハンドガードの揺動が過大となって電動モータと電源との接続をオン、オフする部品若しくはその他の機構が損傷する事態を未然に防止可能である。
本発明に係るチェーンソーの実施の形態であって、(A)はハンドガードに外力が加わらない状態の右側面図、(B)はハンドガードが外力により揺動した状態の右側面図。 同じく実施の形態であって、(A)はハンドガードに外力が加わらないときのスイッチ状態を示す一部を断面とした左側面図、(B)はハンドガードが外力により揺動したときのスイッチ状態を示す一部を断面とした左側面図。 実施の形態の斜視図。 実施の形態の回路図。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態を詳述する。なお、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は発明を限定するものではなく例示であり、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1乃至図4において、本体ハウジング1は右側面に突出したモータケース2を一体的に有し、モータケース2内に図4に示す電動モータMが収納(内蔵)されている。本体ハウジング1の左側面には、モータMで回転駆動される駆動軸10及びこれに固着されたスプロケット11が設けられる(図2(A)において点線で示す)。チェーンソーの使用時においては、本体ハウジング1のボルトにガイドバー12を取り付け、スプロケット11とガイドバー12の周囲にソーチェーン13を巻き掛けし(図2(A)において仮想線で示す)、スプロケット11によってソーチェーン13を走行駆動する。これらの構成は周知であるため、細部の説明は省略する。
本体ハウジング1の上部にはトップハンドル20が一体に形成され、また本体ハウジング1の右側面から突出するようにフロントハンドル21が配設されている。通常、作業者は右手でトップハンドル20を把持し、左手でフロントハンドル21の上部(略水平な部分)を把持する。また、作業者の手を保護するハンドガード30がフロントハンドル21の前側近傍に配置され、ハンドガード30から一体に後方に延びるアーム部31が揺動軸(回転中心C)で揺動自在に本体ハウジング1に支持されている。本体ハウジング1の後部にはバッテリガード5が延長して固定されており、バッテリガード5上の本体ハウジング1後端面にバッテリ40が着脱自在に装着されている。
トップハンドル20の下面側にはトリガ25が取り付けられ、トリガ25が引かれたときにオンとなるスイッチSW1が本体ハウジング1内に固定配置されている。また、ハンドガード30が外力により揺動したときにモータMへの通電を遮断するためのスイッチSW2が本体ハウジング1の内に固定配置されている。図4の回路図に示すように、バッテリ40の+端子、−端子及びLD端子(バッテリの状態を示す信号)に接続されるターミナル45の+端子と−端子間に、スイッチSW1、スイッチSW2及びモータMが直列に接続されている。
図2(A),(B)のように、ハンドガード30と一体となって回転する揺動軸には小アーム31が固着され、また小アーム31とスイッチSW2との間に一端部が本体ハウジング1に枢着された(回転自在に取り付けられた)揺動片32が配置されている。小アーム31及び揺動片32は、揺動軸と連動する可動部材として機能するものである。揺動軸の周囲にはバネ33が設けられており、外力が加わらない場合(ブレーキ非作動状態)を示す図1(A)及び図2(A)のハンドガード30は上方位置となっている。このときスイッチSW2の操作部35は、図2(A)のように小アーム31で揺動片32が押されて右回転方向に揺動するため、揺動片32で押圧された状態である。つまり、スイッチSW2はオン状態を維持し、モータMに通電可能な状態としている。
一方、チェーンソーの使用時にキックバックが発生して作業者の左手の甲でハンドガード30が押し下げられる事態が発生すると、図1(B)及び図2(B)(ブレーキ作動状態)のようにハンドガード30は上端が下がる向きに揺動し、小アーム31で揺動片32は押されなくなり、揺動片32は付勢力に従って左回転方向に揺動し、スイッチSW2の操作部35は突出状態(非操作状態)となってスイッチSW2はオフとなる。このとき、キックバックが強力であってハンドガード30の動きが過大となると、ハンドガード30と連動する揺動軸周辺の機構に損傷乃至悪影響が発生するおそれがあるため、本体ハウジング1の右側面の段部1a上にストッパ7を設けている。ストッパ7は、揺動軸(回転中心C)から離間した位置にあり、本体ハウジング1とは別部材を段部1a上に固定してもよいし、本体ハウジング1の一部で一体に予め形成しておいてもよい。ストッパ7にハンドガード30のアーム部31が当接することで、ハンドガード30の揺動範囲は規制される。
本体ハウジング1の右側面にはライト操作スイッチSW3、バッテリ残量確認スイッチSW4及びバッテリ残量表示部51を備えた操作・表示パネル50が配設されている。ライト操作スイッチSW3、バッテリ残量表示スイッチSW4はタクトスイッチであり、図4のコントローラ60に接続されている。ライト操作スイッチSW3がオンのとき本体ハウジング1の前面に配置されたLEDライト55が点灯するようになっている。バッテリ残量表示スイッチSW4がオンのとき、バッテリ40の状態に応じてバッテリ残量表示部51のバッテリ残量表示ランプ56が点灯或いは消灯する。なお、図4のバッテリ40のLD端子に接続するターミナル45のLD端子は、バッテリ40の状態(例えば過放電)を表す信号をコントローラ60に出力するものである。なお、コントローラ60等を搭載した回路基板は本体ハウジング1後部のバッテリ装着面の近傍に配置される。
本実施の形態の全体的な動作説明を行う。図2(A)のようにスプロケット11とガイドバー12の周囲にソーチェーン13を巻き掛けした状態で、トリガ25を引けば、スイッチSW1がオンとなり、通常オン状態のスイッチSW2を通して電動モータMにバッテリ40から電力が供給され、所定の切断動作が行われる。
チェーンソーの使用時にキックバックが発生して作業者の左手の甲でハンドガード30が押し下げられる事態が発生すると、図1(B)及び図2(B)のようにハンドガード30は上端が下がる向きに揺動し、小アーム31で揺動片32は押されなくなり、スイッチSW2の操作部35は突出状態(非操作状態)となってスイッチSW2はオフとなる。この結果、トリガ25の状態にかかわらずモータMへの通電は遮断され、モータMは停止する。その際、ハンドガード30の揺動に連動して、モータMの出力軸やスプロケット11の駆動軸に対して従来の機械的なブレーキを適用することが可能である。
本実施の形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1) キックバック発生時にハンドガード30の揺動に連動させて電動モータMへの通電を遮断するため、機械式ブレーキのみを使用する場合に比較して消費電力の低減を図ることができる。また、機械式ブレーキを併用する場合には制動性能の改善を図ることができる。
(2) ストッパ7でハンドガード30の揺動範囲を規制できるため、ハンドガード30に過大な外力が加わっても内部機構の損傷、悪影響等は発生しない。また、ストッパ7は揺動軸と離間した位置に設けられていることから、外力に対して少ない力で可動域を制限することができ、部品の保護を図ることができる。
(3) 本体ハウジング1の一部にストッパ7を一体に形成する場合には、ストッパ7を安価に形成できる。
以上、実施の形態を例に本発明を説明したが、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスには請求項に記載の範囲で種々の変形が可能であることは当業者に理解されるところである。以下、変形例について触れる。
ハンドガード30の揺動をスイッチSW2に伝達する可動部材の構成は適宜変更可能である。
1 本体ハウジング
2 モータケース
5 バッテリガード
7 ストッパ
10 駆動軸
11 スプロケット
12 ガイドバー
13 ソーチェーン
20 トップハンドル
21 フロントハンドル
25 トリガ
30 ハンドガード
31 小アーム
32 揺動片
40 バッテリ
50 操作・表示パネル
55 LEDライト
SW1〜SW4 スイッチ

Claims (4)

  1. ソーチェーンを駆動する駆動軸と、
    前記駆動軸に回転力を与える電動モータと、
    前記電動モータを内蔵する本体ハウジングと、
    前記本体ハウジングに設けられたハンドルと、
    前記ハンドルの近傍に配置されていて、揺動軸で前記本体ハウジングに揺動自在に支持されているハンドガードと、
    前記本体ハウジングの外側の側面において、前記ハンドガードと前記揺動軸とを接続するアーム部と、を備え、
    前記本体ハウジングの前記アーム部下方には、前記アーム部の取り付け面より前記揺動軸方向に突出した段部が設けられていることで、前記アーム部を介して前記ハンドガードの揺動範囲が規制されることを特徴とするチェーンソー。
  2. 前記ハンドガードに外力が加わらない第1の状態では前記電動モータへの通電を許容し、前記ハンドガードが揺動した第2の状態では前記電動モータへの通電を停止するスイッチを備えることを特徴とする請求項1に記載のチェーンソー。
  3. 前記スイッチは前記揺動軸と連動する可動部材で作動されることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載のチェーンソー。
  4. 前記電動モータに通電する電源が前記本体ハウジングに着脱自在のバッテリであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のチェーンソー。
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