以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
流体圧制御装置は、油圧ショベル等の油圧作業機器の動作を制御するものであり、本実施形態では、図1に示す油圧ショベルのブーム101を駆動するブームシリンダ104の伸縮動作について説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る油圧ショベルについて説明する。
掘削アタッチメント100は、掘削作業を行うために設けられたブーム101、アーム102、及びバケット103と、これらを駆動するアクチュエータとして、ブーム101を駆動するブームシリンダ104と、アーム102を駆動するアームシリンダ105と、バケット103を駆動するバケットシリンダ106と、を備える。ブームシリンダ104、アームシリンダ105及びバケットシリンダ106は、それぞれ油圧シリンダである。
図2は、本実施形態に係る流体圧制御装置120の主要構成を示す系統図である。
流体圧制御装置120は、メインポンプ108と、パイロットポンプ109と、メイン制御弁110と、メイン通路111と、第1通路112と、第2通路113と、コントローラ114と、を備える。
ブームシリンダ104は、ブームシリンダ104内を摺動自在に移動するピストンロッド107によってロッド側圧力室104aとボトム側圧力室104bとに区画される。ピストンロッド107はブーム101に連結されており、ピストンロッド107がブームシリンダ104内を移動することによってブーム101が駆動する。
メインポンプ108は、ブームシリンダ104、アームシリンダ105及びバケットシリンダ106を駆動するメイン流体圧ポンプである。
パイロットポンプ109は、パイロット室110a,110bにパイロット圧を供給する油圧ポンプである。
メインポンプ108及びパイロットポンプ109は、油圧ショベルに搭載されたエンジン(図示せず)によって駆動され、作動油(作動流体)を吐出する。メインポンプ108及びパイロットポンプ109は、それぞれ斜板の傾斜角を制御することで作動油の吐出量の制御が可能な可変容量型油圧ポンプである。エンジンは、運転効率の良い所定の回転速度・負荷で運転される。
メインポンプ108から吐出された作動油は、ブームシリンダ104に対する作動油の給排を切り換えるメイン制御弁110に供給される。メインポンプ108とメイン制御弁110とは、メイン通路111によって接続される。メイン通路111には、メインポンプ108から吐出された作動油の他に、後述するアシスト回生機構10(図3参照)のアシストポンプ3から吐出された作動油がサブ通路31を通じて導かれる。
メイン制御弁110とブームシリンダ104のロッド側圧力室104aとは、第1通路112に接続され、メイン制御弁110とブームシリンダ104のボトム側圧力室104bとは、第2通路113に接続される。第2通路113には、ブームシリンダ104のボトム側圧力室104bから排出され、後述するアシスト回生機構10(図3参照)の回生モータ2を駆動するための作動油が流れる戻り通路21が接続される。
メイン制御弁110は、パイロットポンプ109からパイロット室110a,110bに供給されるパイロット圧によって操作される。パイロット室110a,110bに供給されるパイロット圧は、油圧ショベルの乗務員によるレバー操作に基づいて、コントローラ114がパイロット電磁弁115を制御することで調整される。
パイロット室110aにパイロット圧が供給された場合は、メイン制御弁110が位置aに切り換わり、メインポンプ108から第1通路112を介してロッド側圧力室104aに作動油が供給されるとともに、ボトム側圧力室104bの作動油が第2通路113を介してタンクTへと排出される。これにより、ブームシリンダ104内のピストンロッド107が図2の下側に移動、すなわちブームシリンダ104が収縮し、ブーム101が図1に示す矢印121の方向へと下降する。
また、パイロット室110bにパイロット圧が供給された場合は、メイン制御弁110が位置bに切り換わり、メインポンプ108から第2通路113を介してボトム側圧力室104bに作動油が供給されるとともに、ロッド側圧力室104aの作動油が第1通路112を介してタンクTへと排出される。これにより、ブームシリンダ104内のピストンロッド107が図2の上側に移動、すなわちブームシリンダ104が伸長し、ブーム101が図1に示す矢印122の方向へと上昇する。
さらに、パイロット室110a、110bにパイロット圧が供給されない場合は、メイン制御弁110が位置cに切り換わり、ブームシリンダ104に対する作動油の給排が遮断され、ブーム101は停止した状態を保つ。
このように、メイン制御弁110は、ブームシリンダ104を収縮させる収縮位置a、ブームシリンダ104を伸長させる伸長位置b、及びブームシリンダ104の負荷を保持する遮断位置cの3段階に切り換えることが可能である。
ここで、メイン制御弁110を遮断位置cに切り換えてブーム101の動きを止めると、ブーム101等の重さによって、ブームシリンダ104内のピストンロッド107には、ピストンロッド107を図2の下側に移動させようとする力、すなわちブームシリンダ104を収縮させようとする力が作用する。このように、ブーム101を駆動するブームシリンダ104においては、ボトム側圧力室104bが、メイン制御弁110が遮断位置cの場合に負荷圧が作用する負荷側圧力室となる。一方、アーム102を駆動するアームシリンダ105においては、ロッド側圧力室104aが負荷側圧力室となる。
なお、以下の説明において、負荷の下降とは、負荷側圧力室の容積が減少する方向へ変化することを指し、負荷の上昇とは、負荷側圧力室の容積が増加する方向へ変化することを指す。例えば、ブームシリンダ104の駆動において、負荷の下降とは、ブームシリンダ104が収縮してブーム101が下降することを指し、負荷の上昇とは、ブームシリンダ104が伸長してブーム101が上昇することを指す。
本実施形態では、流体圧制御装置120にアシスト回生機構10が接続されている。アシスト回生機構10は、ブームシリンダ104を収縮させるときにボトム側圧力室104bから排出された作動油の油圧エネルギを電気エネルギとして回収する回生と、ブームシリンダ104を伸長させるときに補助力を付与するアシストと、を必要に応じて行う。このように、アシスト回生機構10を備える流体圧制御装置120によってアクチュエータの動作が制御される油圧ショベル等の油圧作業機器のことをハイブリッド建設機械という。
図3は、流体圧制御装置120に接続されるアシスト回生機構10の概略構成図である。
アシスト回生機構10は、モータジェネレータ1と、回生モータ2と、アシストポンプ3と、戻り通路21と、サブ通路31と、蓄電装置40と、スイッチ回路42と、交流変換装置50と、を備える。蓄電装置40は、バッテリ4と、バッテリ制御回路41と、を備える。交流変換装置50は、インバータ5と、インバータ制御回路51と、を備える。
モータジェネレータ1は、バッテリ4によって駆動されてアシストポンプ3を駆動する電動機としての機能と、回生モータ2によって駆動されて発電する発電機としての機能と、を有する回転電機である。モータジェネレータ1は、回生モータ2を介してアシストポンプ3と連結される。モータジェネレータ1、回生モータ2及びアシストポンプ3の回転軸は、それぞれ同軸上に配置されており、モータジェネレータ1の回転軸が回転すると、回生モータ2及びアシストポンプ3の回転軸が連係して回転する。同様に、回生モータ2の回転軸が回転すると、モータジェネレータ1及びアシストポンプ3の回転軸が連係して回転する。
回生モータ2は、斜板の傾斜角を制御することで、出力トルクの制御が可能な可変容量型油圧モータである。回生モータ2は、ブームシリンダ104のボトム側圧力室104bから排出されて、戻り通路21を流れてきた作動油によって駆動される。回生モータ2の斜板の傾斜角の制御は、コントローラ114が傾斜角制御器24を制御することで行われる。回生モータ2の斜板の傾斜角を制御することで回生モータ2の容量が変化し、回生モータ2が発生可能なトルクの最大値(以下「最大モータトルク」という。)が変化する。
戻り通路21には、回生モータ2に対する作動油の給排を切り換える戻り制御弁22が設けられる。戻り制御弁22は、パイロットポンプ109からパイロット室22aに供給されるパイロット圧に応じて、回生モータ2に作動油を供給する連通位置dと、回生モータ2への作動油の供給を停止する遮断位置eと、に切り換わる。パイロット室22aに供給されるパイロット圧の制御は、油圧ショベルの乗務員によるレバー操作に基づいて、コントローラ114がパイロット電磁弁23を制御することで行われる。
アシストポンプ3は、メインポンプ108がブームシリンダ104、アームシリンダ105及びバケットシリンダ106を駆動するときに、これらのアクチュエータの駆動をアシストするサブ流体圧ポンプである。アシストポンプ3は、斜板の傾斜角を制御することで吐出量の制御が可能な可変容量型油圧ポンプにより実現される。
アシストポンプ3は、モータジェネレータ1によって駆動され、サブ通路31を介してメイン通路111に作動油を供給する。アシストポンプ3の斜板の傾斜角の制御は、コントローラ114が傾斜角制御器34を制御することで行われる。アシストポンプ3の斜板の傾斜角を制御することでアシストポンプ3の容量が変化し、アシストポンプ3が吐出可能な作動油の流量の最大値(以下「最大吐出量」という。)が変化する。
サブ通路31には、メイン通路111への作動油の給排を切り換えるサブ制御弁32が設けられる。サブ制御弁32は、パイロットポンプ109からパイロット室32aに供給されるパイロット圧に応じて、メイン通路111に作動油を供給する連通位置fと、メイン通路111への作動油の供給を停止する遮断位置gと、に切り換わる。パイロット室32aに供給されるパイロット圧の制御は、油圧ショベルの乗務員によるレバー操作に基づいて、コントローラ114がパイロット電磁弁33を制御することで行われる。
モータジェネレータ1は、インバータ5を介して電力源となるバッテリ4に接続される。
バッテリ4は、充放電可能なリチウムイオン電池などの二次電池を複数直列に接続して構成される。バッテリ4は、例えば、300V(ボルト)の直流電圧を出力する。
バッテリ制御回路41は、バッテリ4の動作状態を監視する回路である。バッテリ制御回路41は、内部電源91から基板電圧が供給されると、バッテリ4の動作状態を監視する駆動状態に遷移する。すなわち、バッテリ制御回路41は、内部電源91と接続(ON)されると、バッテリ4の温度やバッテリ4の電圧などの動作状態を検出する検出回路(不図示)等に基板電圧を供給する。
バッテリ制御回路41は、バッテリ4の状態情報をコントローラ114に送信する。例えば、バッテリ制御回路41は、バッテリ4内の検出回路で検出された温度や電圧などの検出結果が、予め定められたバッテリ閾値を超えるか否かを判断し、検出結果がバッテリ閾値を超える場合には、バッテリ4の異常を示す状態情報をコントローラ114に送信する。一方、検出結果がバッテリ閾値よりも低くい場合には、バッテリ制御回路41は、正常を示す状態情報をコントローラ114に送信する。なお、バッテリ閾値は、予めバッテリ制御回路41に記憶されている。
交流変換装置50は、インバータ5と、インバータ制御回路51と、を備える。
インバータ5は、電力を直流から交流に、又は交流から直流に変換する電流変換部と平滑コンデンサ52とを有する。電流変換部としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの複数の半導体スイッチ511で構成される。
半導体スイッチ511は、コントローラ114によって開閉制御されることにより、直流が交流に、又は交流が直流に変換される。具体的には、モータジェネレータ1を電動機として機能させるときは、半導体スイッチ511によってバッテリ4からの直流電圧が任意の周波数の三相交流電圧に変換され、モータジェネレータ1に供給される。一方、モータジェネレータ1を発電機として機能させるときは、半導体スイッチ511によってモータジェネレータ1からの三相交流電圧が直流電圧に変換され、バッテリ4に供給される。
平滑コンデンサ52は、電流変換部に対して並列に設けられており、モータジェネレータ1の動作時に充放電を繰り返して電流を平滑化する。
インバータ制御回路51は、インバータ5を駆動又は停止する回路である。インバータ制御回路51は、内部電源91から基板電圧が供給されると、インバータ5の制御を行う駆動状態(ON)に遷移する。インバータ制御回路51は、半導体スイッチ511の制御端子に所定期間ごとにH(High)レベルの信号を供給する信号発生回路(不図示)や、インバータ5の動作状態を検出する検出回路等に基板電圧を供給する。
また、インバータ制御回路51は、インバータ5の状態情報をコントローラ114に送信する。例えば、インバータ制御回路51は、インバータ5内の検出回路で検出された温度や電圧などの検出結果が、予め定められたインバータ閾値を超えている場合には、インバータ5の異常を示す状態情報をコントローラ114に送信する。一方、検出結果がインバータ閾値よりも低くい場合には、インバータ制御回路51は、正常を示す状態情報をコントローラ114に送信する。なお、インバータ閾値は、予めインバータ制御回路51に記憶されている。インバータ制御回路51は、油圧ショベルの駆動が停止されたときには、平滑コンデンサ52の電圧値を示す放電情報をコントローラ114に送信する。
スイッチ回路42は、バッテリ4とインバータ5とを接続状態又は遮断状態にする回路である。本実施形態では、スイッチ回路42は、リレーにより構成され、バッテリ4とインバータ5を接続する電力ライン49に設けられている。リレー42は、コントローラ114によってON、OFFされる。
コントローラ114は、油圧ショベルを起動する起動シーケンス処理と、停止シーケンス処理と、を実行する制御コントローラである。コントローラ114は、乗務員の操作によりイグニッションキー116がONに設定されると、コントローラ114に設けられた不図示のスイッチが内部電源91と接続(ON)され、コントローラ114が起動状態に遷移すると、油圧ショベルの起動シーケンス処理を実行する。
ここで、コントローラ114による起動シーケンス処理について説明する。
コントローラ114は、イグニッションキー116がONに設定されると、バッテリ制御回路41を駆動させるための接続信号をスイッチ94の制御端子に供給する。これにより、スイッチ94が遮断状態から接続状態に切り替わり、内部電源91からバッテリ制御回路41に基板電圧が供給され、バッテリ制御回路41が駆動状態(ON)に遷移する。
そしてコントローラ114は、バッテリ制御回路41とCAN(Controller Area Network)通信を行い、バッテリ制御回路41から送られてくるバッテリ4の状態情報を受信し、その状態情報を用いてバッテリ4が正常か異常かの確認(エラーチェック)を行う。
具体的にはコントローラ114は、バッテリ4の状態情報を受信してから所定時間、例えば4秒以内にバッテリ制御回路41から正常を示す状態情報が受信されない場合には、バッテリ4が異常であると判断し、モータジェネレータ1の異常を示す起動判定情報を生成する。
一方、コントローラ114は、バッテリ4の状態情報を受信してから4秒以内にバッテリ4の正常を示す状態情報を受信した場合には、バッテリ4が正常であると判断し、インバータ制御回路51への接続信号をスイッチ95の制御端子に供給する。これにより、スイッチ95が遮断状態から接続状態に切り替わり、内部電源91からインバータ制御回路51に基板電圧が供給され、インバータ制御回路51が駆動状態(ON)に遷移する。
そしてコントローラ114は、インバータ制御回路51とCAN通信を行い、インバータ制御回路51から送られてくるインバータ5の状態情報を受信し、その状態情報を用いてインバータ5が正常か異常かの確認(エラーチェック)を行う。
具体的にはコントローラ114は、インバータ5の状態情報を受信してから所定時間、例えば3秒以内にインバータ制御回路51から正常を示す状態情報が受信されない場合には、インバータ5が異常であると判断し、異常を示す起動判定情報を生成する。
一方、コントローラ114は、インバータ5の状態情報を受信してから3秒以内に正常を示す状態情報を受信した場合には、インバータ5が正常であると判断し、スイッチ回路42を切断状態から接続状態に切り替える。これにより、バッテリ4とインバータ5とが接続され、バッテリ4からモータジェネレータ1へ電力を供給する準備が行われる。
コントローラ114は、スイッチ回路42を接続状態に設定してから所定期間、例えば16秒以内にインバータ制御回路51から平滑コンデンサ52の電圧の正常を示す状態情報が受信されない場合には、スイッチ回路42が異常であると判断し、異常を示す起動判定情報を生成する。
一方、コントローラ114は、バッテリ4をインバータ5と接続してから16秒以内に平滑コンデンサ52の電圧の正常を示す状態情報を受信した場合には、バッテリ4の充放電の準備が完了したと判断する。そしてコントローラ114は、インバータ5の状態情報を受信してから所定時間、例えば2秒以内にインバータ5の正常を示す状態情報を受信した場合には、インバータ5の準備も完了したと判断する。
インバータ5及びバッテリ4の両者の準備が完了したときには、インバータ5によりバッテリ4からモータジェネレータ1に電力が供給される。なお、インバータ制御回路51から状態情報を受信してから2秒以内にインバータ5の正常を示す状態情報が受信されない場合には、バッテリ4をインバータ5に接続することなく、異常を示す起動判定情報が生成される。
コントローラ114は、バッテリ4及びインバータ5の両者の準備が完了したと判断した場合には、油圧機器を制御して作動油の流れ状態(例えば、作動油の流れる向きや流量)を調整するために、パイロット電磁弁23、33及び115と傾斜角制御機器24及び34等の電気機器に電源電圧を供給し、モータジェネレータ1の正常を示す起動判定情報を生成する。
コントローラ114は、モータジェネレータ1及びエンジンの両者により油圧ショベルの駆動を開始するハイブリッドモードと、エンジンのみにより油圧ショベルの駆動を開始する強制油圧モードと、いずれか一方の始動モードにより油圧ショベルを制御する。なお、油圧ショベルの起動時には、エンジンが駆動するまでの間、モータジェネレータ1のみにより油圧ショベルを始動してもよい。
具体的にはコントローラ114は、起動判定情報が異常を示す場合には、強制油圧モードにより油圧ショベルの始動を制御し、モータジェネレータ1の起動判定情報が正常を示す場合には、ハイブリッドモードにより油圧ショベルの始動を制御する。
次に、図2及び図3を参照して本実施形態による流体圧制御装置120の作用について説明する。
まず、負荷の下降時に必要に応じて実施されるアシスト回生機構10による回生について説明する。
油圧ショベルの乗務員によってブームシリンダ104を収縮させるレバー操作が行われると、メイン制御弁110が収縮位置aに切り換えられ、ロッド側圧力室104aに作動油が供給されるとともに、ボトム側圧力室104bから作動油が排出される。
このとき、例えばバッテリ4のバッテリ充電量が相対的に低いときなど、必要に応じて戻り制御弁22が連通位置dに切り換えられると、ボトム側圧力室104bから排出された作動油の一部が戻り通路21を介して回生モータ2に供給される。また、同時にアシストポンプ3からの吐出量が最小となるように、斜板の傾斜角が制御される。
これにより、回生モータ2の回転軸と同期してモータジェネレータ1の回転軸が回転するので、モータジェネレータ1によって発電することができ、バッテリ4を充電することができる。つまり、ブームシリンダ104から排出される作動流体の油圧エネルギを電気エネルギに変換することができる。
一方で、例えばバッテリ4のバッテリ充電量が相対的に高いときなど、必要に応じて戻り制御弁22が遮断位置eに切り換えられると、ボトム側圧力室104bから排出された作動油が全て第2通路113を介してタンクTへと排出され、回生が停止される。
次に、負荷の上昇時に必要に応じて実施されるアシスト回生機構10によるアシストについて説明する。
油圧ショベルの乗務員によってブームシリンダ104を伸長させるレバー操作が行われると、メイン制御弁110が伸長位置bに切り換えられ、ボトム側圧力室104bに作動油が供給されるとともに、ロッド側圧力室104aの作動油が第1通路112を介してタンクTへと排出される。
ここで、エンジンは運転効率の良い所定の回転速度・負荷で運転している。したがって、ブームシリンダ104を素早く伸長させたいときなど、エンジンの駆動力による吐出量のみではボトム側圧力室104bに供給する作動油の流量が不足する場合がある。そこで、そのような場合にアシスト回生機構10によるアシストを行う。
具体的には、バッテリ4によってモータジェネレータ1を電動機として駆動して、アシストポンプ3を駆動する。これにより、アシストポンプ3から作動油が吐出される。その結果、アシストポンプ3から吐出された作動油を、サブ通路31を介してメイン通路111に合流させて、ブームシリンダ104を伸長させるときに補助力を付与することができる。
また、アシスト回生機構10を備える流体圧制御装置120は、油圧ショベルの乗務員によってイグニッションキー116がOFFされると、コントローラ114により停止シーケンス処理が実行される。
ここで、コントローラ114による停止シーケンス処理について説明する。
コントローラ114は、イグニッションキー116がOFFされると、パイロット電磁弁23等の油圧機器への電源電圧の供給を停止し、スイッチ回路42を接続状態から遮断状態に切り替える。
コントローラ114は、インバータ制御回路51から平滑コンデンサ52の電圧値を示す放電情報を受信し、平滑コンデンサ52の放電時間が経過した後にインバータ制御回路51及びバッテリ制御回路41を停止状態(OFF)にする。
具体的には、コントローラ114は、スイッチ回路42を遮断状態にしてから所定時間、例えば20秒を経過したとき、又は、所定時間内に放電情報が放電完了閾値よりも低下したときに、放電時間が経過したと判断し、スイッチ95及びスイッチ94のそれぞれを遮断状態に設定する。その後、コントローラ114は、内部電源91から遮断され、コントローラ114の電源がOFFされる。なお、放電完了閾値は、予めコントローラ114に記憶されている。
また、イグニッションキー116がOFFされた後、スイッチ回路42が遮断状態に設定される前にイグニッションキー116がONされると、コントローラ114は、再起動処理を実行する。
つまり、停止シーケンス処理の実行中にイグニッションキー116がONされると、コントローラ114は、スイッチ回路42を遮断状態に設定し、平滑コンデンサ52の放電を待たずに、パイロット電磁弁23及び33等の油圧機器、インバータ制御回路51及びバッテリ制御回路41の電源をOFFに設定した後に、起動シーケンス処理の再設定を行う。
これにより、コントローラ114は、停止シーケンス処理の実行中に再起動処理が実行されたときには、平滑コンデンサ52の放電完了を確認するために設けられた待機時間を省略することができるので、起動シーケンス処理に移行するまでの移行時間を短縮することができる。
図4は、コントローラ114の構成を示す機能構成図である。
コントローラ114は、通信部114aと、バッテリ状態判断部114bと、インバータ状態判断部114cと、制御部114dと、を備える。
通信部114aは、バッテリ制御回路41及びインバータ制御回路51と通信を行うものである。
通信部114aは、インバータ制御回路51からインバータ5の状態情報を受信すると、インバータ5の状態情報をインバータ状態判断部114cに供給する。また、通信部114aは、バッテリ制御回路41からバッテリ4の状態情報を受信すると、バッテリ4の状態情報をバッテリ状態判断部114bに供給する。
バッテリ状態判断部114bは、通信部114aからバッテリ4の状態情報を取得し、その状態情報を用いてバッテリ4の異常又は正常を判断するものである。
バッテリ状態判断部114bは、通信部114aからバッテリ4の状態情報を受け付け、所定時間の4秒を経過するまでに正常を示す状態情報が取得されない場合には、バッテリ4が異常であると判断する。一方、4秒以内に正常を示す状態情報を取得した場合には、バッテリ状態判断部114bは、バッテリ4が正常であると判断する。バッテリ状態判断部114bは、その判断結果を示すバッテリ状態情報を制御部114dに供給する。
インバータ状態判断部114cは、通信部114aからインバータ5の状態情報を取得し、その状態情報を用いてインバータ5の異常又は正常を判断するものである。
インバータ状態判断部114cは、通信部114aからインバータ5の状態情報を受け付け、3秒経過するまでに正常を示す状態情報が取得されない場合には、インバータ5が異常であると判断する。一方、3秒以内に正常を示す状態情報を取得した場合には、バッテリ状態判断部114bは、インバータ5が正常であると判断する。インバータ状態判断部114cは、その判断結果を示すインバータ状態情報を制御部114dに供給する。
制御部114dは、イグニッションキー116がONに設定されると、バッテリ制御回路41のスイッチ94を接続状態に設定する。すなわち、バッテリ制御回路41の電源がONされる。
制御部114dは、バッテリ状態判断部114bからバッテリ状態情報を受け付け、バッテリ状態情報が正常を示す場合には、インバータ制御回路51のスイッチ95を接続状態に設定する。さらに制御部114dは、インバータ状態判断部114cから受け付けたインバータ状態情報が正常を示す場合には、スイッチ回路42を遮断状態から接続状態に切り替える。これにより、インバータ5にバッテリ4が接続され、バッテリ4からモータジェネレータ1に電力を供給する準備が開始される。
インバータ5にバッテリ4が接続された後に制御部114dは、バッテリ状態判断部114bから受け付けたバッテリ状態情報が正常を示し、かつ、インバータ状態判断部114cから受け付けたインバータ状態情報が正常を示す場合には、パイロット電磁弁23及び33、傾斜角制御器24及び34などの油圧機器に制御信号を供給する。そして、制御部114dは、例えば、モータジェネレータ1のみによりアクチュエータを駆動するハイブリッドモードで油圧ショベルを始動する。
一方、制御部114dは、バッテリ状態情報又はインバータ状態情報が異常を示す場合には、スイッチ回路42を遮断状態から接続状態へ切替えずに遮断状態に維持し、エンジンのみによりアクチュエータを駆動する強制油圧モードで油圧ショベルを始動する。
図5は、コントローラ114による油圧ショベルの起動処理の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、乗務員の操作によりイグニッションキー116がONされ、起動命令が入力される(ステップS910)と、内部電源91からコントローラ114に基板電圧が供給され、コントローラ114の電源がONされる(ステップS920)。そしてコントローラ114は、油圧ショベルを始動する起動シーケンス処理を実行する(ステップS930)。
図6は、起動シーケンス処理の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。
まず、ステップS920でコントローラ114の電源がONされると、制御部114dは、スイッチ94を遮断状態から接続状態に切り替える。これにより、内部電源91からバッテリ制御回路41に基板電圧が供給され、バッテリ制御回路41が駆動状態に遷移する(ステップS931)。そして通信部114aは、バッテリ制御回路41と通信を行ってバッテリ制御回路41からバッテリ4の状態情報を受信する。
通信部114aは、バッテリ制御回路41から状態情報を受信すると、その状態情報をバッテリ状態判断部114bに供給する。バッテリ状態判断部114bは、通信部114aから受け付けたバッテリ4の状態情報を用いてバッテリ4が正常であるか否かを判断する(ステップS932)。
バッテリ状態判断部114bは、バッテリ4の状態情報に正常が示されていない場合には、バッテリ制御回路41と通信を開始してから4秒経過したか否かを判断してバッテリ4の異常を判定する(ステップS941)。4秒経過している場合にはバッテリ状態判断部114bは、バッテリ4が異常であると判定し、起動判定情報を異常状態に設定する(ステップS945)。
一方、バッテリ状態判断部114bは、最初に状態情報を受け付けてから4秒経過していない場合には、通信部114aからバッテリ4の状態情報を新たに取得する。そしてバッテリ状態判断部114bは、4秒以内に受け付けた状態情報が正常を示す場合には、バッテリ4が正常であると判定し、その状態情報を制御部114dに供給する。
制御部114dは、バッテリ状態判断部114bから状態情報を受け付けると、その状態情報が正常を示す場合には、スイッチ95を遮断状態から接続状態に切り替える。これにより、内部電源91からインバータ制御回路51に基板電圧が供給され、インバータ制御回路51が駆動状態に遷移する(ステップS933)。そして通信部114aは、インバータ制御回路51と通信を行ってインバータ制御回路51からインバータ5の状態情報を受信する。
通信部114aは、インバータ制御回路51から状態情報を受信すると、その状態情報をインバータ状態判断部114cに供給する。インバータ状態判断部114cは、通信部114aから受け付けたインバータ5の状態情報を用いてインバータ5が正常であるか否かを判断する(ステップS934)。
インバータ状態判断部114cは、インバータ5の状態情報に正常が示されていない場合には、スイッチ95を接続状態に設定してから3秒経過したか否かを判断して、インバータ5の異常か否かを判定する(ステップS942)。3秒経過している場合にはバッテリ状態判断部114bは、バッテリ4が異常であると判定し、起動判定情報を異常状態に設定する(ステップS945)。
一方、インバータ状態判断部114cは、スイッチ95を接続状態に設定してから3秒経過していない場合には、通信部114aからインバータ5の状態情報を新たに取得する。そしてインバータ状態判断部114cは、3秒以内に受け付けた状態情報が正常を示す場合には、インバータ4が正常であると判定し、その状態情報を制御部114dに供給する。
制御部114dは、インバータ状態判断部114cから受け付けた状態情報が正常を示す場合には、スイッチ回路42を遮断状態から接続状態に切り替え、インバータ5にバッテリ4を接続する(ステップS935)。これにより、バッテリ4からモータジェネレータ1に電力を供給する準備が開始される。その後もバッテリ制御回路41及びインバータ制御回路51は、それぞれバッテリ4及びインバータ5の状態情報を通信部114aに送信する。
通信部114aは、バッテリ制御回路41から状態情報を受信すると、その状態情報をバッテリ状態判断部114bに供給する。バッテリ状態判断部114bは、通信部114aから受け付けた平滑コンデンサ52の電圧値を用いて、バッテリ4の充放電準備が完了したか否かを判断する(ステップS936)。
バッテリ状態判断部114bは、平滑コンデンサ52の電圧値の状態情報に正常が示されていない場合には、インバータ5にバッテリ4が接続されてから16秒経過したか否か判断してバッテリ4が異常か否かを判定する(ステップS943)。16秒経過している場合にはバッテリ状態判断部114bは、スイッチ回路42が異常(あるいはバッテリ4の充放電の準備未完)であると判定し、起動判定情報を異常状態に設定する(ステップS945)。
一方、バッテリ状態判断部114bは、16秒経過していない場合には、通信部114aから平滑コンデンサ52の電圧値の状態情報を新たに取得する。そしてバッテリ状態判断部114bは、16秒以内に受け付けた状態情報が正常を示す場合には、バッテリ4の充放電準備が完了したと判断し、その状態情報をバッテリ状態情報として制御部114dに供給する。
また、通信部114aは、インバータ制御回路51から状態情報を受信すると、その状態情報をインバータ状態判断部114cに供給する。インバータ状態判断部114cは、通信部114aからインバータ5の状態情報を受け付けると、その状態情報を用いてインバータ5の準備が完了したか否かを判断する(ステップS937)。
インバータ状態判断部114cは、インバータ5の状態情報に正常が示されていない場合には、インバータ5がバッテリ4と接続されてから2秒経過したか否かを判断してインバータ5の異常を判定する(ステップS944)。2秒経過している場合にはインバータ状態判断部114cは、インバータ5が異常であると判定し、起動判定情報を異常状態に設定する(ステップS945)。
一方、インバータ状態判断部114cは、インバータ5がバッテリ4と接続されてから2秒経過していない場合には、通信部114aからインバータ5の状態情報を新たに取得する。そしてインバータ状態判断部114cは、2秒以内に取得した状態情報が正常を示す場合には、インバータ5の準備が完了したと判定し、その状態情報をインバータ状態情報として制御部114dに供給する。
制御部114dは、そのインバータ状態情報と、バッテリ状態判断部114bから受け付けたバッテリ状態情報との両者が正常を示す場合には、パイロット電磁弁23及び33と傾斜角制御器24及び34などの油圧機器に電源電圧を設定する制御信号を供給する(ステップS938)。
次に制御部114dは、起動判定情報を用いてモータジェネレータ1の異常か否かを判断する(ステップS939)。制御部114dは、起動判定情報に異常が示されている場合には、強制油圧モードで油圧ショベルを始動する(ステップS940)。強制油圧モードでは、制御部114dは、例えば、戻り制御弁22を遮断位置eに設定する制御信号をパイロット電磁弁23に供給し、サブ制御弁32を遮断位置gに設定する制御信号をパイロット電磁弁33に供給し、スイッチ回路42を切断状態に設定する。
また、制御部114dは、起動判定情報に異常が示されていない場合には、ハイブリッドモードで油圧ショベルを始動する(ステップS946)。ハイブリッドモードでは、制御部114dは、例えば、サブ制御弁32を連通位置fに設定する制御信号をパイロット電磁弁33に供給する。このようにして起動シーケンス処理の一連の処理が終了し、図5に示した起動処理に戻る。
図7は、コントローラ114による油圧ショベルの停止シーケンス処理の処理手順例を示すフローチャートである。
まず、イグニッションキー116がOFFされ、停止命令がコントローラ114に入力される(ステップS951)と、制御部114dは、停止シーケンス処理を実行する。制御部114dは、停止シーケンス処理を実行中にイグニッションキー116がONに設定されることにより入力される再起動命令の検出を行う(ステップS952)。
再起動の操作が行われないときには、制御部114dは、パイロット電磁弁23及び33や傾斜角制御器24及び34などの油圧機器の電源電圧の供給を停止する(ステップS953)。次に制御部114dは、スイッチ回路42を接続状態から遮断状態に切り替える(ステップS954)。これにより、バッテリ4とインバータ5とが切り離される。
その後、通信部114aは、インバータ制御回路51から平滑コンデンサ52の電圧値を示す放電情報を受信し、その放電情報をインバータ状態判断部114cに供給する。インバータ状態判断部114cは、通信部114aからの放電情報が放電閾値よりも低いか否かを判断する(ステップS955)。
インバータ状態判断部114cは、放電情報が放電閾値よりも高い場合には、最初の放電情報を受け付けてから20秒経過したか否かによって平滑コンデンサ52の放電の完了を判断する(ステップS958)。20秒経過している場合には、インバータ状態判断部114cは、平滑コンデンサ52の放電が完了したと判断し、放電完了情報を制御部114dに供給する。
一方、インバータ状態判断部114cは、最初に放電情報を受け付けてから20秒経過していない場合には、通信部114aから放電情報を新たに取得する。そして20秒以内に取得した放電情報が放電閾値よりも低い場合にはインバータ状態判断部114cは、平滑コンデンサ52の放電が完了したと判断し、放電完了情報を制御部114dに供給する。
制御部114dは、放電完了情報を受け付けると、インバータ制御回路51のスイッチ95を切断状態に設定し、バッテリ制御回路41のスイッチ94を切断状態に設定する(ステップS956)。その後、内部電源91からコントローラ114が遮断され(ステップS957)、停止シーケンス処理の一連の処理手順が終了する。
また、ステップS952において再起動命令が検出された場合には、制御部114dは、再起動処理を実行する。
再起動処理では、制御部114dは、スイッチ回路42を接続状態から遮断状態に切り替える(ステップS961)。これにより、バッテリ4とインバータ5との接続が遮断される。次に制御部114dは、パイロット電磁弁23及び33や傾斜角制御器24及び34などの油圧機器の電源電圧の供給を停止する(ステップS962)。
その後、制御部114dは、インバータ5の平滑コンデンサ52の放電の完了を待たずに、インバータ制御回路51のスイッチ95を切断状態に設定し、バッテリ制御回路41のスイッチ94を切断状態に設定する(ステップS963)。その後、制御部114dは、起動処理の再設定(リセット)を行い(ステップS964)、図6に示した起動シーケンス処理を実行して(ステップS930)、再起動処理の一連の処理手順が終了する。
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
コントローラ114は、バッテリ4の状態情報を用いてバッテリ4の異常又は正常を判断するバッテリ状態判断部114bと、インバータ5の状態情報を用いてインバータ5の異常又は正常を判断するインバータ状態判断部と、制御部114dと、を備える。制御部114dは、バッテリ状態判断部114bにてバッテリ4が正常と判断されると、インバータ5を駆動し、インバータ状態判断部114cにてインバータ5が正常と判断された場合には、スイッチ回路42を遮断状態から接続状態に切り替え、その後、パイロット電磁弁23及び33等の油圧機器に制御信号を供給する。
このため、制御部114dは、バッテリ4とインバータ5とが正常であることを確認してから、バッテリ4をインバータ5に接続するので、起動シーケンス処理を安全に実行することができる。
また、本実施形態では、制御部114dは、バッテリ状態判断部114bにてバッテリ4が異常であると判断された場合、又は、インバータ状態判断部114cにてインバータ5が異常であると判断された場合には、バッテリ4とインバータ5との間を遮断状態に制御する。
このため、バッテリ4又はインバータ5が異常状態のときには、インバータ5からバッテリ4が切り離されるため、例えば、バッテリ4の異常によりインバータ5に高電圧が印加され、インバータが故障することを回避することができる。
さらに本実施形態では、制御部114dは、油圧ショベルの停止命令を受け付けると、油圧機器への制御信号の供給を停止し、スイッチ回路42を接続状態から遮断状態に切り替え、平滑コンデンサ52の放電期間が経過した後にインバータ5を停止する停止シーケンス処理を実行する。例えば、制御部114dは、停止命令を受け付けた後、スイッチ回路42が遮断状態に切り替えられる前に油圧ショベルの起動命令を受け付けると、スイッチ回路42を遮断状態に設定した後に放電期間を待たずにインバータ5を停止し、その後、起動シーケンス処理を実行して、スイッチ回路42を遮断状態から接続状態に切り替え、インバータを駆動し、パイロット電磁弁23及び33等の油圧機器に制御信号を供給する。
このため、停止シーケンス処理を実行中に再起動命令を受け付けた場合には、制御部114dは、スイッチ回路42を遮断状態に設定した後、平滑コンデンサ52の放電期間を待たずに起動シーケンス処理に移行するため、再起動に要する起動時間を短縮することができる。
また、本実施形態では、制御部114dは、油圧ショベルの起動命令を受け付けたときに、バッテリ状態判断部114bにてバッテリ4が正常と判断され、かつ、インバータ状態判断部114cにてインバータ5が正常と判断された場合には、モータジェネレータ1のみによりアシストポンプを駆動してブームシリンダ104等のアクチュエータを駆動するようにパイロット電磁弁23及び33等の油圧機器を制御する。
このため、油圧ショベルの起動命令を受け付けたときに直ぐにモータジェネレータ1を駆動して油圧ショベルを作動させることができるので、エンジンのみで作動させたときに比べて油圧ショベルを迅速に始動させることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。