JP5981777B2 - 充電システムおよび充電方法 - Google Patents
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Description
この蓄電モジュールは、複数のセルが直列接続された蓄電体を含んでおり、直列接続された各セル電圧の合計電圧で放電することができる。また、この蓄電体に含まれる個々のセルを、単数、または並列接続された複数のセルで構成される蓄電ユニットに置き換えれば、さらに容量を大きくして長時間使用することも可能である。
上述したCCCV充電によれば、内部抵抗rの高い蓄電池であっても満充電に近い充電が可能であるが、充電に長時間を要する欠点がある。例えば、携帯電話機に使用される550mAhのリチウムイオン電池をCCCV充電する場合には、定電流充電に1時間と、定電圧充電に1時間との合計2時間を要する。さらに、電池容量が大きくなるにしたがって充電時間も増加する。
つまり、電気エネルギーを、電気化学反応によって、化学エネルギーに変換して蓄える蓄電池は、電気化学反応の速度で、充電電流の最大値が制限されるため、電池容量の大きさに比例した充電電流を加えられない。したがって、電池容量の大きさに応じて充電所要時間が長時間化することは、避けられないのである。
また、受電装置側に急速充放電可能なキャパシタを使用した場合、その受電装置の内部で並列接続された蓄電池よりも、キャパシタの自己放電による電圧低下が速い。そのため、充電後の電源装置を、電力消費しない不使用状態で長時間、例えば数十日を経過すると、キャパシタが自己放電して空に近くなる。その電源装置を搭載した移動体等が稼働するための電力需要に応じて再稼働する場合、空に近いキャパシタに、並列接続した蓄電池から過大な突入電流が流れることがある。
そこで、本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、小規模で低容量の外部電源に依存する給電装置、あるいは低圧電力線のみが敷設されている任意の個所に設置された給電装置から、受電装置への急速充電が可能な充電システムおよび方法を提供することを目的とする。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、前記第1スイッチは、前記第1接続状態と、前記第2接続状態と、に加えて、前記第2蓄電モジュールを前記外部電源に接続し前記第1蓄電モジュールから切り離した第5接続状態と、前記第1スイッチに係る接点の少なくともいずれか2点を導通させた状態と、を選択可能であり、前記第2スイッチは、前記第3接続状態と、前記第4接続状態と、に加えて、前記第3蓄電モジュールを前記負荷と接続し前記第4蓄電モジュールとは切り離した第6接続状態と、前記第2スイッチに係る接点の少なくともいずれか2点を導通させた状態と、を選択可能であることを特徴とする。
前記制御部は、前記第2接続状態と、前記第5接続状態と、前記第4接続状態と、前記第6接続状態と、のいずれかの時に前記給電スイッチをOFFし、前記第2接続状態と、前記第5接続状態と、前記第4接続状態と、前記第6接続状態と、のいずれでもない時に前記給電スイッチをONすることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1から6のいずれかに記載の充電システムにおいて、前記高出力密度蓄電素子は、リチウムイオンキャパシタまたは電気二重層キャパシタにより構成されていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、前記第2蓄電モジュールに含まれる蓄電ユニットの満充電時の電力量の合計は、前記第3蓄電モジュールに含まれる蓄電ユニットの満充電時の電力量の合計より多いことを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項2から9のいずれか一項に記載の充電システムを用いる充電方法であって、前記第2蓄電モジュールに蓄電された電力により、前記第3蓄電モジュールを充電する第1充電工程には、複数の前記蓄電ユニットの少なくとも1つの電圧値が充電目標電圧以上になるまで、すべてのバイパススイッチをOFFして、前記蓄電体を充電する第1ステップと、充電目標電圧に到達した蓄電ユニットに対応するバイパス回路のバイパススイッチをONして、該蓄電ユニットに流れていた電流を該バイパス回路に迂回させる第2ステップと、前記第2ステップによって電流を前記迂回された蓄電ユニットの電圧値が、充電再開電圧以下になった時、該蓄電ユニットに対応するバイパススイッチをOFFして、前記迂回させていた電流を該蓄電ユニットに流す第3ステップと、を含むことを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項11または12に記載の充電方法において、前記第1充電工程は、前記第2ステップと前記第3ステップとが繰り返し実行され、該第2ステップでは、充電目標電圧に到達してから第2所定時間が経過した蓄電ユニットに対応するバイパススイッチをONし、該蓄電ユニットに流れていた電流を該バイパス回路に迂回させることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項10から14のいずれか一項に記載の充電方法において、前記給電端子と前記受電端子とが電気的に接続されていない状態で、前記第3蓄電モジュールに蓄電された電力により前記第4蓄電モジュールを充電する第3充電工程を含むことを特徴とする。
請求項18に係る発明は、請求項17に記載の充電方法において、前記外部電源の電力により前記第1蓄電モジュールを充電する第4充電工程を、前記第5充電工程と同時に行うことを特徴とする。
図1は本発明の実施形態に係る充電システムの基本形を示す概略回路図である。図1に示す充電システム100は、商用電源などの外部電源Sと、外部電源Sから電力の供給を受けて、受電装置60に対する電力の供給能力を有する給電装置50と、給電装置50に電気接続して適宜充電サービスを受ける受電装置60と、を備えて構成されている。なお、図1,2に示す第1〜5充電工程は、図4に沿って後ほど詳細に説明する。
給電装置50は、外部電源Sから電力の供給を受けることにより、受電装置60をできるだけ短時間で満充電、または実用可能な充電状態にする電力供給体制を整えて待機する装置である。また、充電サービスを受ける受電装置60は、電気自動車、構内搬送車、電動カートなど、充電式の移動体が想定されている。その充電式の移動体に、適切な充電サービスを行うための給電装置50は、従来のガソリン車用のガソリンスタンドに代わる充電スタンド、あるいは充電ステーションを想定したものである。
給電装置50は、第1蓄電モジュールB1と、第2蓄電モジュールC1と、第1スイッチD1と、給電スイッチD3と、制御部1と、給電端子A,A´と、を備えている。第1蓄電モジュールB1は、充放電可能な容量が大きい高エネルギー密度蓄電素子で構成されている。第2蓄電モジュールC1は、単位時間当たりに充放電可能な電流が大きい高出力密度蓄電素子で構成されている。
受電装置60は、第3蓄電モジュールC2と、第4蓄電モジュールB2と、第2スイッチD2と、制御部2と、受電端子A2,A2´と、を備えている。第3蓄電モジュールC2は、高出力密度蓄電素子で構成されている。第4蓄電モジュールB2は、高エネルギー密度蓄電素子で構成されている。第2スイッチD2は、第4蓄電モジュールB2を負荷Lに接続し第3蓄電モジュールC2から切り離した第3接続状態と、第4蓄電モジュールB2を第3蓄電モジュールC2に接続し負荷Lから切り離した第4接続状態と、の切替が可能なスイッチである。
図3(a)に示す第1接続状態は、第1スイッチD1が、第1蓄電モジュールB1を外部電源Sに接続し、第2蓄電モジュールC1から切り離した状態である。
図3(b)に示す第2接続状態は、第1スイッチD1が、第1蓄電モジュールB1を第2蓄電モジュールC1に接続し、外部電源Sとは切り離した状態である。このとき給電スイッチD3はOFFしている。
図3(c)に示す第3接続状態は、第2スイッチD2が、第4蓄電モジュールB2を負荷Lに接続し、第3蓄電モジュールC2から切り離した状態である。
図3(e)に示す第5接続状態は、第1スイッチD10が、第2蓄電モジュールC1を外部電源Sに接続し、第1蓄電モジュールB1から切り離した状態である。このとき給電スイッチD3はOFFしている。
図3(f)に示す第6接続状態は、第2スイッチD20が、第3蓄電モジュールC2を負荷Lと接続し、第4蓄電モジュールB2から切り離した状態である。このとき給電スイッチD3はOFFしている。
蓄電池やキャパシタの充電速度を表現する指標として、Cレートが用いられている。Cレートとは、蓄電池の有する全容量を1時間で充電する時の電流値を1Cとする単位である。
単位時間当たりの充放電可能な電流が大きい高出力密度蓄電素子とは、使用可能電圧の最小値まで放電した状態から100Cの電流による充電後の容量が、前記放電した状態から1Cの電流による充電後の容量に対して、50%以上となる性能の蓄電素子と定義する。なお、以下では、高出力密度蓄電素子のことを高速蓄電素子ともいう。具体的には、リチウムイオンキャパシタ(以下「LIC」ともいう)や電気二重層キャパシタ(以下「EDLC」ともいう)やレドックスキャパシタが該当する。
一般的なLIBの最大の充電速度は1C程度であり、容量を犠牲にして充放電速度が向上するように最適化されたものであっても20C程度である。この理由は、蓄電池の正極および負極における電気化学反応速度に由来するものであるので、それ以上の充電速度の高速化は原理的に困難である。これに対して、LICやEDLCなどの高速蓄電素子は、数百Cで充電を行うことが可能である。
なお、蓄電池では、安全性、および寿命などを考慮して充電電圧の最大値(以下、最大定格電圧または上限電圧ともいう)や放電電圧の最小値(以下、最小定格電圧または下限電圧ともいう)が定められている場合がある。放電電圧の最小値と充電電圧の最大電圧との間の電圧が、蓄電池の使用可能電圧となる。また、蓄電池では、最大定格電圧を超えた電圧まで充電することを過充電、最小定格電圧を超えた電圧まで放電することを過放電という。
図4(b)に示す第2充電工程において、大容量の第1蓄電モジュールB1に蓄電された電力を、高速充電可能な第2蓄電モジュールC1に、急速充電して待機することができる。このとき、第1スイッチD1は第2接続状態であり、給電スイッチD3はOFF状態である。
図4(c)に示す第3充電工程において、高速充電可能な第3蓄電モジュールC2に蓄電された電力を、大容量の第4蓄電モジュールB2に、急速充電して待機することができる。このとき、第2スイッチD2は第4接続状態であり、給電スイッチD3はOFF状態である。
図4(e)に示す第4充電工程と第5充電工程とを同時に実行する状態において、外部電源Sの電力を、大容量の第1蓄電モジュールB1に小電流で長時間充電しながら、高速充電可能な第2蓄電モジュールC1に、急速充電して待機することができる。このとき、第1スイッチD10に係る3つの接点を全て接続する第7接続状態である。なお、給電スイッチD3はOFFしている。
図4(f)に示す第5充電工程において、外部電源Sの電力を、高速充電可能な第2蓄電モジュールC1に、急速充電して待機することができる。このとき、第1スイッチD10は第8接続状態である。なお、給電スイッチD3はOFFしている。
受電装置60は、瞬間的な大電流での充放電を必要とする用途においては、図5に沿って高速蓄電素子の複数が直列に接続された蓄電体を含む蓄電モジュール10を使用することが考えられる。図5は、本発明の充電システムに使用される蓄電モジュールの一例を示す概略回路図である。図5に示す蓄電モジュール10は、図1,2に示した第3蓄電モジュールC2に適用した一例である。
好ましい態様の一例としては、充電スイッチJには、MOSFET(三洋半導体株式会社製BBS3002)を用いることができる。また、バイパススイッチFiには、MOSFET素子(インフィニオンテクノロジーズ株式会社製BSC016N03MSG)を用いて、抵抗Riの値=800mΩに設定することができる。
第2タイミング制御部72は、電圧検出器13aが蓄電ユニットEi(i=1〜N)の電圧を検出し、そのうちの蓄電ユニットEjが、充電目標電圧V1以上となったことを検出してから、第2所定時間T2を経過した時に、バイパススイッチFjを、OFFからONにするタイミングを設定する(図11のS940および図12参照)。
蓄電モジュール10を繰り返し充放電して使用するためには、バランシングを行うことが必須であると考えられる。以下、バランシングについて説明する。バランシングとは、複数の蓄電ユニットが直列接続された蓄電体を含む蓄電モジュール10の充電方法において、上述のCCCV充電時に蓄電ユニット間の電圧のばらつきがないように調整する制御を意味する。また、蓄電ユニット間の電圧にばらつきがある状態を、アンバランスともいう。蓄電モジュール10では、その充放電時に、蓄電モジュール10内の蓄電池間でアンバランスが発生する。このような電圧のアンバランスは、各蓄電池の製造ばらつきによる容量の違いや蓄電モジュール10内における配置による環境温度の違いなどによって発生する。
図5に示すように、第3蓄電モジュールC2を構成する蓄電モジュール10は、蓄電ユニットE1に並列に接続されたバイパス回路X1、蓄電ユニットE2に並列に接続されたバイパス回路X2と、これらのバイパス回路Xiを制御するバイパス制御部Gと、第1〜3タイミング制御部71〜73と、を備えている。また、バイパス制御部Gは、蓄電ユニットEiの電圧値を、個別に検出する電圧検出器13aを備えている。第1〜3タイミング制御部71〜73は、後述する発熱対策のために、第1〜3所定時間T1〜T3を設定する。
以下、図1,2,6を用いて本発明の第1実施形態を説明する。第1実施形態は、急速充電を目的としている。図6は、本発明の第1実施形態に係る充電方法を示すフローチャートである。図1,2,6に示すように、給電端子A1と、受電端子A2とを電気的接続する(ステップS600)。つぎに、図1に示す制御部1に含まれる不図示の検出・演算手段により、第2蓄電モジュールC1の電圧を検出し、その放電可能容量を算出する(ステップS601)。そして、図1,2に示す制御部1,21に含まれる不図示の検出・演算手段により、第3蓄電モジュールC2の電圧を検出し、その充電可能容量を算出する(ステップS602)。つぎに、制御部1,21により充電時間を算出するとともに、充電することが可能か否かを判断する(ステップS603)。充電不可能(ステップS603:No)なら待機する(ステップS604)。ステップS605で待機時間が経過したら、ステップS601へ戻る。
このように、第1実施形態で示した充電方法によれば、繁忙時における給電装置51の第1蓄電モジュールB1が、放電状態となる頻度が高い場合、第1スイッチD1と、第2スイッチD2と、を適切に切替制御することにより、急速充放電可能なキャパシタを蓄電素子とする第3蓄電モジュールC2に対して、上述したスイッチ操作で短時間に充電可能な第2蓄電モジュールC1を、給電端子A1と、受電端子A2と、を介して接続して急速充電することにより、第4蓄電モジュールB2の充電不足分を補うことが可能である。その結果、給電装置に電力供給する外部電源は小規模で足りる。そして、受電装置が放電状態のために電力供給不能となる不稼働の時間を短縮することができる。
以下、主に図5,7,8を用いて本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、急速充電およびバランシングを目的としている。図7は、本発明の第2実施形態に係る充電方法を示すフローチャートである。このフローチャートは、図5に示した蓄電モジュール10の蓄電ユニットEiを、すべてのEiの電圧が所定の範囲内に入るようにバランシングさせて充電した例を示している。図8は、本発明の第2実施形態に係る充電方法(図7)による蓄電ユニットの電圧と時間との関係を示した図である。
V20 =V1×N …式(1)
蓄電ユニットEiにおいて、充電目標電圧V1は、高速蓄電素子C21,C22の充電上限電圧と、放電下限電圧と、の間に設定される。詳しくは、充電上限電圧と、放電下限電圧と、の中間値よりも、いくらか充電上限電圧に近寄せた値に設定される。
V2=V1−(Ir電圧降下分+α) …式(2)
したがって、内部抵抗13mΩのLICを、充電電流I=30A、充電目標電圧V1=4.0Vで充電する場合、充電再開電圧V2=V1−Ir=3.61V未満、例えば3.5Vに設定される。
・CCCV充電において、CC充電からCV充電に切り替わってから所定の時間が経過した場合。
・CCCV充電において、CV充電中に流れる電流量が所定の値より小さくなった場合。
・CCCV充電において、CV充電中に流れる電流量の時間変化が所定の値より小さくなった場合。
しかし、図8に示した蓄電モジュール10の充電を上述したように制御した場合、以下のような問題が発生する。すなわち、例えば、給電装置に設定された充電終了の条件が充電時間T10の経過であるとすると、蓄電モジュール10がバイパス動作を開始してから時間T10が経過して充電が終了するまでの間、蓄電体に投入される電流のかなりの部分が抵抗Riに流れるため、熱として消費されてしまう。この熱によって蓄電モジュール10内の温度が上昇し、強制冷却しないと動作不能な温度まで到達する場合がある。
以上説明した第2実施形態に係る充電方法では、充電終了後の充電スイッチJはOFFになっている。充電スイッチJがOFFからONになるタイミングは、以下のいずれかの方法によって検出される。
・蓄電ユニットEiの電圧が充電再開電圧V2以下である時に充電スイッチJをONにする。
・蓄電モジュール10を使用する(放電する)時に、スイッチ回路14のダイオード141に流れる電流を検知し、検知された電流が所定の電流値以上になった場合に充電スイッチJをONにする。
また、蓄電ユニットの電圧は充電目標電圧V1以上になる場合があるが、充電電圧の最大値、または図示しない過充電保護電圧を超えない範囲内で図8に示す時間T10を設定することができる。時間T10を設定する方法の他にも、充電目標電圧V1の値を本来所望とする電圧値よりも若干小さく設定することで、蓄電ユニットの電圧が充電上限電圧、または図示しない過充電保護電圧に到達しないように制御することができる。
しかしながら、第2実施形態の充電方法は、1度目の充電直後で多少電圧のアンバランスが残っていたとしても、充電終了後に負荷を接続して放電し、再度充電する作業を複数回繰り返すことによって、累積的に増加することはなく、よりバランスがとれた状態に近づく。つまり、蓄電モジュール10を実際に移動機器や電子機器に搭載して使用する場合には、蓄電体の高速蓄電素子や蓄電ユニットを、電圧のばらつき無く動作させることができる。
バイパス回路によるバランシングでは発熱する欠点がある。すなわち、蓄電モジュール10において、バイパス回路Xi側に流れた電流は抵抗Riによって熱に変わる。この時に発生する熱量は電流の2乗に比例する。そして、蓄電池を高エネルギー密度蓄電素子から高出力密度蓄電素子に代えたことにより、高速充電するための大きな充電電流を流すと大量の熱が発生し、蓄電モジュール10内の温度を大幅に上昇させ、蓄電モジュール10内の高速蓄電素子C21,C22の寿命を短くしてしまう虞がある。
蓄電モジュール10内の温度上昇は、電流によって発生した熱を放熱させるための放熱フィンや放熱ファンなどを設けることによって回避することができる。しかし、このような部材を設けることは、蓄電モジュール10全体のサイズを大型化させてしまう。
発熱対策として、蓄電モジュール10は、充電スイッチJをONからOFFにするタイミングを、電圧検出器13aによって蓄電ユニットEiのいずれかの電圧値が、充電目標電圧V1以上になったことが検出されてから、第1所定時間T1を経過したタイミングとする第1タイミング制御部(例えば図5に示した第1タイミング制御部71)を備えている。詳しくは、後ほど図9,10に沿って説明する。
以下、図5,9,10を用いて本発明の第3実施形態を説明する。この第3実施形態は、急速充電、急速セルバランスおよび、発熱抑制を目的としている。図9は本発明の第3実施形態に係る充電方法を示すフローチャートである。図10は、本発明の第3実施形態に係る充電方法(図9)による蓄電ユニットの電圧と時間との関係を示した図である。図10の横軸は時間を、縦軸は蓄電ユニットEiの充電電圧を示している。横軸に示した時間T10は、給電装置50に設定される充電時間である。また、図9のフローチャートのうち、ステップS902〜907までの処理は図7に示したフローチャートのステップS701〜S706までの処理と同様に行われる。
以上のことから、第3実施形態の電流方法によれば、抵抗Riに電流が流れている時間を短くすることができるから、抵抗Riにおける発熱を抑制できる。また、第3実施形態において、図10に点線で示す時間T0+T1から時間T10の間の期間は、充電が行われない。この第3実施形態によれば、蓄電ユニットEiの特性と上述した充電再開電圧V2の設定によりアンバランスに関する問題は生じない。
図11,12を用いて第4実施形態の説明をする。この第4実施形態は、急速充電、急速セルバランスおよび発熱抑制を目的としている。図11は、本発明の第4実施形態の充電方法を説明するためのフローチャートである。図12は、本発明の第4実施形態に係る充電方法による蓄電ユニットの電圧と時間との関係を示した図である。図11に示すステップS900〜S910のうち、ステップS940以外の処理は図9に示した第3実施形態ステップS900〜S903およびステップS905〜S910の処理と同様に行われる。したがって、同一処理は同一ステップ番号で示し、説明を省略するとともに、相違点である、ステップS940を説明する。
ステップS940で、バイパススイッチFjがONとなった後、電圧検出器13aは、ONされたバイパススイッチFjに対応する蓄電ユニットEjの電圧検出を継続する(ステップS905)。そして、ステップS905〜S910は、図9に沿って説明したとおりである。
以上、説明した第4実施形態に係る充電システムおよび充電方法によれば、高速蓄電素子C21,C22が直列接続されて構成されている蓄電体Kにおいて、充電時のバランシングによる発熱量を抑制し、しかもバランシング状態も良好に保つことが可能である。
また、過充電保護回路における充電電流を遮断するスイッチ素子を、給電スイッチD3,充電スイッチJで兼用して用いても良い。その場合は、バイパス制御部Gで過充電保護回路のスイッチ素子をON/OFF制御することにより実現できる。以上、本実施形態に係る充電システムおよび充電方法について説明した。本実施形態に係る充電システムおよび充電方法によれば、小規模で低容量の外部電源に依存する給電装置、あるいは低圧電力線のみが敷設されている任意の個所に設置された給電装置から、受電装置への急速充電が可能な充電システムおよび方法を提供することができる。
10 蓄電モジュール
13 バイパス制御部
13a 電圧検出器
A1,A1´ 給電端子(15a,15b 端子)
A2,A2´ 受電端子
B1,B2 第1,4蓄電モジュール(高エネルギー密度蓄電素子で構成)
C1,C2 第2,3蓄電モジュール(高出力密度蓄電素子で構成)
C21,C22 蓄電素子(高出力密度蓄電素子)
D1,D2 第1,2スイッチ
D3 給電スイッチ
E1,E2,Ei 蓄電ユニット(並列接続された複数の蓄電素子)
F1,F2,Fi バイパス回路
J 充電スイッチ
K 蓄電体
R1,R2,Ri 抵抗
S700,S900〜S901 第1ステップ
S701〜S703,S902〜S904,S902〜S940 第2ステップ
S704〜S706,S905〜S907 第3ステップ
S908〜S910 第4ステップ
T1 第1所定時間
T2 第2所定時間
X1,X2,Xi バイパス回路
Claims (18)
- 外部電源からの供給により給電装置の蓄電池に充電された電力を、前記給電装置の給電端子から受電装置の受電端子を経由して前記受電装置の蓄電池を充電する充電システムにおいて、
前記給電装置に、
充放電可能な容量が大きい高エネルギー密度蓄電素子で構成された第1蓄電モジュールと、
単位時間当たりの充放電可能な電流が大きい高出力密度蓄電素子または複数並列接続された前記高出力密度蓄電素子で構成された蓄電ユニットが複数直列接続されてなる蓄電体を有する第2蓄電モジュールと、
前記第1蓄電モジュールを外部電源に接続し第2蓄電モジュールから切り離した第1接続状態と、第1蓄電モジュールを第2蓄電モジュールに接続し前記外部電源とは切り離した第2接続状態と、の切替が可能な第1スイッチと、
前記第1スイッチの切替を含めた制御が可能な制御部と、を備え、
前記受電装置に、
単位時間当たりの充放電可能な電流が大きい高出力密度蓄電素子または複数並列接続された前記高出力密度蓄電素子で構成された蓄電ユニットが複数直列接続されてなる蓄電体を有する第3蓄電モジュールと、
充放電可能な容量が大きい高エネルギー密度蓄電素子で構成された第4蓄電モジュールと、
前記第4蓄電モジュールを負荷に接続し第3蓄電モジュールから切り離した第3接続状態と、前記第4蓄電モジュールを前記第3蓄電モジュールに接続し負荷から切り離した第4接続状態と、の切替が可能な第2スイッチと、
前記第2スイッチを含めた制御が可能な制御部と、を備え、
さらに、前記給電装置に、前記第2蓄電モジュールと前記給電端子との間の給電経路に介挿され該給電経路をON/OFFする給電スイッチを備え、
前記制御部は、
前記第1スイッチが前記第2接続状態と、前記第2スイッチが前記第4接続状態と、のいずれかの時に前記給電スイッチをOFFし、
前記第1スイッチが前記第2接続状態と、前記第2スイッチが前記第4接続状態と、のいずれでもない時に前記給電スイッチをONすることを特徴とする充電システム。 - 請求項1に記載の充電システムにおいて、
前記第3蓄電モジュールは、
前記蓄電ユニット毎に並列接続されスイッチがONすることによりバイパス経路が導通されるバイパススイッチを含む複数のバイパス回路と、
前記蓄電ユニット毎の電圧値に基づいて前記バイパススイッチを制御するバイパス制御部と、を備えたことを特徴とする充電システム。 - 請求項2に記載の充電システムにおいて、
前記第3蓄電モジュールは、
前記蓄電体の入出力経路に直列に介挿され該入出力経路をON/OFFするスイッチ回路を備え、
前記バイパス制御部は、さらに、該スイッチ回路を制御する機能を有することを特徴とする充電システム。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、
前記第1スイッチは、
前記第1接続状態と、前記第2接続状態と、に加えて、
前記第2蓄電モジュールを前記外部電源に接続し前記第1蓄電モジュールから切り離した第5接続状態と、
前記第1スイッチに係る接点の少なくともいずれか2点を導通させた状態と、を選択可能であり、
前記第2スイッチは、
前記第3接続状態と、前記第4接続状態と、に加えて、
前記第3蓄電モジュールを前記負荷と接続し前記第4蓄電モジュールとは切り離した第6接続状態と、
前記第2スイッチに係る接点の少なくともいずれか2点を導通させた状態と、を選択可能であることを特徴とする充電システム。 - 請求項4に記載の充電システムにおいて、
前記制御部は、
前記第2接続状態と、前記第5接続状態と、前記第4接続状態と、前記第6接続状態と、のいずれかの時に前記給電スイッチをOFFし、
前記第2接続状態と、前記第5接続状態と、前記第4接続状態と、前記第6接続状態と、のいずれでもない時に前記給電スイッチをONすることを特徴とする充電システム。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、
前記外部電源は、太陽電池または交流電源を含むことを特徴とする充電システム。 - 請求項1から6のいずれかに記載の充電システムにおいて、
前記高出力密度蓄電素子は、
リチウムイオンキャパシタまたは電気二重層キャパシタにより構成されていることを特徴とする充電システム。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、
前記受電装置は移動体に含まれて該移動体に駆動電力を供給することを特徴とする充電システム。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の充電システムにおいて、
前記第2蓄電モジュールに含まれる蓄電ユニットの満充電時の電力量の合計は、前記第3蓄電モジュールに含まれる蓄電ユニットの満充電時の電力量の合計より多いことを特徴とする充電システム。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の充電システムを用いる充電方法であって、
前記第2蓄電モジュールに蓄電された電力により、前記第3蓄電モジュールを充電する第1充電工程を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項2から9のいずれか一項に記載の充電システムを用いる充電方法であって、
前記第2蓄電モジュールに蓄電された電力により、前記第3蓄電モジュールを充電する第1充電工程には、
複数の前記蓄電ユニットの少なくとも1つの電圧値が充電目標電圧以上になるまで、すべてのバイパススイッチをOFFして、前記蓄電体を充電する第1ステップと、
充電目標電圧に到達した蓄電ユニットに対応するバイパス回路のバイパススイッチをONして、該蓄電ユニットに流れていた電流を該バイパス回路に迂回させる第2ステップと、
前記第2ステップによって電流を前記迂回された蓄電ユニットの電圧値が、充電再開電圧以下になった時、該蓄電ユニットに対応するバイパススイッチをOFFして、前記迂回させていた電流を該蓄電ユニットに流す第3ステップと、を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項11に記載の充電方法において、
少なくとも1つの蓄電ユニットの電圧値が充電目標電圧以上になった時から第1所定時間を経過した後、該蓄電体の入出力経路をOFFして充電を中断または完了する第4ステップを含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項11または12に記載の充電方法において、
前記第1充電工程は、
前記第2ステップと前記第3ステップとが繰り返し実行され、
該第2ステップでは、
充電目標電圧に到達してから第2所定時間が経過した蓄電ユニットに対応するバイパススイッチをONし、該蓄電ユニットに流れていた電流を該バイパス回路に迂回させることを特徴とする充電方法。 - 請求項10から13のいずれか一項に記載の充電方法において、
前記給電端子と前記受電端子とが電気的に接続されていない状態で、前記第1蓄電モジュールに蓄電された電力により前記第2蓄電モジュールを充電する第2充電工程を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項10から14のいずれか一項に記載の充電方法において、
前記給電端子と前記受電端子とが電気的に接続されていない状態で、前記第3蓄電モジュールに蓄電された電力により前記第4蓄電モジュールを充電する第3充電工程を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項10から15のいずれか一項に記載の充電方法において、
前記外部電源の電力により前記第1蓄電モジュールを充電する第4充電工程を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項10から16のいずれか一項に記載の充電方法において、
前記給電端子と前記受電端子とが電気的に接続されていない状態で、前記外部電源の電力により前記第2蓄電モジュールを充電する第5充電工程を含むことを特徴とする充電方法。 - 請求項17に記載の充電方法において、
前記外部電源の電力により前記第1蓄電モジュールを充電する第4充電工程を、前記第5充電工程と同時に行うことを特徴とする充電方法。
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