JP5981364B2 - ロータ及びモータ - Google Patents
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Description
この構成によれば、界磁磁石が割れようとする場合には、極対数と同数個形成された分割用溝部で界磁磁石が分割されるため、界磁磁石によって発生する磁束が磁石の割れによって不均等になることを抑えることが可能となる。
この構成によれば、界磁磁石が割れようとする場合に3つの分割用溝部で界磁磁石が分割されて、それぞれのロータコアと軸方向に接触する面が3つ(3点)となるため、ロータコアと界磁磁石の組み付け状態を安定させることが可能となる。
この構成によれば、周方向等角度間隔で分割用溝部が形成されるため、界磁磁石に対して荷重がかかって界磁磁石が割れる場合でも、周方向等角度間隔で割れることが期待できる。これにより、割れた界磁磁石の体積を略同一とすることができる。
この構成によれば、上記いずれかの効果と同様の効果を奏することができる。
図1に示すように、ブラシレスモータ10は、モータハウジング11の内周面にステータ12が固定され、そのステータ12の内側には、回転軸13に固着され同回転軸13とともに一体回転する所謂ランデル型構造のロータ14が配設されている。回転軸13は、非磁性体のステンレス製シャフトであって、モータハウジング11に設けた図示しない軸受にて、モータハウジング11に対して回転可能に支持されている。
図7に示すように、第1ロータコア30は、軟磁性材よりなり本実施形態では電磁鋼板にて形成され、回転軸13を貫挿固着する貫通穴30aを形成した円板状の第1コアベース31を有している。第1コアベース31の外周面31cには、略等間隔に複数(本実施形態では4つ)の第1爪状磁極32が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。ここで、第1爪状磁極32において、第1コアベース31の外周面31cから径方向外側に突出した部分を第1基部33といい、軸方向に屈曲された先端部分を第1磁極部34という。
図7に示すように、第2ロータコア40は、第1ロータコア30と同一材質及び同形状であって、回転軸13を貫挿固着する貫通穴40aを形成した円板状の第2コアベース41を有している。第2コアベース41の外周面41cには、略等間隔に複数(本実施形態では4つ)の第2爪状磁極42が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成されている。ここで、第2爪状磁極42において、第2コアベース41の外周面41cから径方向外側に突出した部分を第2基部43といい、軸方向に屈曲された先端部分を第2磁極部44という。
図6及び図7に示すように、界磁磁石50は、ネオジム磁石よりなる円板状の永久磁石である。
図6に示すように、第1磁極部34の背面34a(径方向内側の面)であって、第2コアベース41の外周面41c、界磁磁石50の外周面50c、第1基部33の第2ロータコア40側の面33aとで形成される空間には、第1背面補助磁石61が配置されている。第1背面補助磁石61は、その軸直交方向断面が扇形状の略直方体形状であって、第1爪状磁極32(第1磁極部34)の背面34aに当接する側が第1爪状磁極32と同極のN極に、第2コアベース41に当接する側が同第2コアベース41と同極のS極となるように径方向に磁化されている。
図6に示すように、第1爪状磁極32と第2爪状磁極42との周方向の間には、第1及び第2極間補助磁石63,64がそれぞれ配置されている。第1及び第2極間補助磁石63,64は、その軸直交方向断面が扇形状の略直方体形状に形成されている。
上記のように組み付けられたロータ14には、ロータカバー70が装着されている。
図2及び図3に示すように、ロータカバー70は、第1ロータコア30側に配置される第1プレート71と第2ロータコア40側に配置される第2プレート72とからなり、共に非磁性体で構成される。
第2プレート72は、円環板状に形成されている。第2プレート72の内径は、第2コアベース41の反対向面41bに形成された4個の位置決め係止孔47の中心位置を通る中心軸線ALを中心とする同心円の直径と同じになるように形成されている。そして、第2プレート72の内周縁部には、4個の第2係止爪75が第2ロータコア40側に略等間隔に延出形成されている。一方、第2プレート72の外径は、組み付けられた回転軸13を挟んで対向する第1極間補助磁石63の外周面間であって中心軸線ALを通る長さと同じなるように形成されている。
ブラシレスモータ10において、ステータコア20の各相巻線23u,23v,23wに3相電源電圧を印加してステータ12に回転磁界を形成すると、同ステータ12の内側に配置した回転軸13に固着されたロータ14は、その回転磁界に基づいて回転する。
(1)界磁磁石50は、軸方向の一方側の側面50aに、軸方向に窪んだ分割用溝部52が径方向に沿って形成されるため、界磁磁石50に偏荷重がかかって割れる際には、分割用溝部52に沿って割れやすくなる。このため、磁束発生を均等とすることが可能となり、界磁磁石50が割れた場合であっても性能を十分に発揮して、歩留まりの低下を抑えることが可能となる。
・上記実施形態では、界磁磁石50の軸方向一方側の側面50aに分割用溝部52を形成する構成としたが、これに限らない。例えば図8〜図10に示すように軸方向のそれぞれの側面50a,50bに分割用溝部52を形成する構成を採用してもよい。図8では、軸方向両側の側面50a,50bに形成される分割用溝部52が磁石50の周方向における略同位置に形成して、一方の側面50a側の分割用溝部52と、他方の側面50b側の分割用溝部52とが軸方向視で重なるようになっているが、必ずしも同位置でなくてもよい。例えば、図9及び図10に示すように、一方側の側面50aの分割用溝部52に大して他方側の側面50bの分割用溝部52が、周方向に360度/磁極数(=360度/8=45度)ずれた位置に形成してもよい。このような構成とすることで、一方の側面50aに設けられる分割用溝部52と他方の側面50bに設けられる分割用溝部52とが周方向において交互配置されることとなる。このため、N極とS極とのそれぞれに対する磁束の不均等をより確実に抑えることができる。
・上記実施形態では、界磁磁石50の一方の側面50aに分割用溝部52を4つ形成する構成としたが、その数はこれに限らない。例えば、図11に示すように、界磁磁石50に、3つの分割用溝部52を形成する構成としてもよい。このような構成とすることで、界磁磁石50が割れようとする場合に3つの分割用溝部52で界磁磁石50が分割されて、それぞれのロータコア30,40と軸方向に接触する面が3つとなるため、ロータコア30,40と界磁磁石50の組み付け状態を安定させることが可能となる。
・上記実施形態では、ロータ14は極数を8極として極対数を4つとし、ステータ12はスロット数が12個の集中巻にて構成したが、これらは適宜変更してもよい。図12に示すように、60個のティース21を有して60個のスロット22を備えたステータ12と、10極のロータ14とを備えてモータ100を構成してもよい。なお、図12では、ステータ12及びロータ14は断面斜視図で示しているため、スロット数と極数は半分のみ示している。また、図12では特に示していないが、ステータ12のティース21に断面が略角形状の線材(セグメント導体)を挿通して線材同士を例えば溶着することで巻線を構成してもよい。このような構成とすることで、略矩形状のスロット22を有効利用して巻線の占積率を向上させることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアを有するロータに用いられるものであり、
前記第1及び第2ロータコアのコアベース同士の軸方向の間に配置されて、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石であって、
前記コアベースと軸方向において当接される界磁磁石の側面の少なくとも一方に、軸方向に窪んだ分割用溝部が径方向に沿って形成されることを特徴とする界磁磁石。
Claims (6)
- それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる界磁磁石と、
を備えたロータであって、
前記界磁磁石は、軸方向両側面に、軸方向に窪んだ分割用溝部が径方向に沿って形成されており、
前記分割用溝部は、軸方向両側面に同数個設けられるものであることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記分割用溝部は、軸方向両側面のそれぞれに極対数と同数個形成されることを特徴とするロータ。 - 請求項1に記載のロータにおいて、
前記分割用溝部は、軸方向両側面のそれぞれに3つ形成されることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載のロータにおいて、
前記分割用溝部は、軸方向両側面のそれぞれに周方向等角度間隔で形成されることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜4のいずれか一項に記載のロータにおいて、
前記分割用溝部は、一方の側面に設けられる分割用溝部に対して他方の側面に設けられる分割用溝部が周方向に360度/磁極数(度)ずれるように形成されることを特徴とするロータ。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載のロータを備えたことを特徴とするモータ。
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