(実施形態1)
図1Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の概略を示す図である。図1Bは、図1Aに示す電子部品実装基板の一部を拡大して示す図である。
図1A及び図1Bに示すように、本実施形態の電子部品実装基板10は、線状の外形を有する。以下、電子部品実装基板10の表裏面(2つの主面)の一方(Z1側)を第1面F1、他方(第1面F1とは反対側のZ2側の面)を第2面F2という。また、図1A及び図1B中、Y方向が、力を加えていないときの電子部品実装基板10の長手方向に相当し、X方向が、力を加えていないときの電子部品実装基板10の短手方向に相当する。
本実施形態の電子部品実装基板10は、第1面F1に、複数の実装部P1と、複数の連結部P2と、を有する。実装部P1及び連結部P2は、Y方向(線状の外形の長手方向)に沿って、交互に配置される。実装部P1は、電子部品(例えばLED)が実装される部分である。連結部P2は、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間に位置し、それら実装部P1同士を相互に連結する。以下、実装部P1の側面のうち、X1側の側面を側面F31といい、X2側の側面を側面F41という。また、連結部P2の側面のうち、X1側の側面を側面F32といい、X2側の側面を側面F42という。電子部品実装基板10のX1側の側面F3は、側面F31及びF32から構成され、電子部品実装基板10のX2側の側面F4は、側面F41及びF42から構成される。
実装部P1の各々には、キャビティR0(凹部)が形成されている。本実施形態の電子部品実装基板10は、電子部品が凹部の底面に実装されるので電子部品実装基板10の厚み方向へ変形する際に、電子部品の実装される凹部の底面は変形量が少なくなる。そのため、電子部品周囲の変形を少なくすることができるので電子部品の接続信頼性を高めることができる。
本実施形態の電子部品実装基板10では、キャビティR0(凹部)が、凹部R1が形成された下地部(基板11)に上層(絶縁層12、導体層13、絶縁層15、反射膜16)が積層されることによって形成され(後述の図6参照)、下地部の凹部R1が、塑性変形に基づくものである(後述の図14B参照)。凹部R1が塑性変形に基づくものであれば、凹部R1表面が加工硬化して弾性率が高くなり、電子部品周囲の変形を少なくすることが可能になり、電子部品の接続信頼性を高めることができる。
キャビティR0は、底面F21と、壁面F22と、を有する。キャビティR0の形状は、例えば壁面F22がテーパした角錐台である(後述の図3、図6参照)。ただしこれに限られず、キャビティR0の形状は任意であり、例えば壁面F22がテーパしない直方体であってもよい。
本実施形態において、実装部P1の側面F31、F41はそれぞれ、長手方向(Y方向)における中央部が両端部(実装部P1と連結部P2との境界付近)よりも側方(X1側又はX2側)へ突き出るような、凸面になっている。一方、連結部P2の側面F32、F42はそれぞれ、第1面F1及び第2面F2の両方と直交する凸面になっており、連結部P2は、一定の幅を有する。すなわち、本実施形態では、実装部P1の幅(平均値)が、連結部P2の幅(平均値)よりも大きくなっている。
図2は、図1Aに示す電子部品実装基板の連結部の断面図である。図2に示すように、本実施形態において、連結部P2の側面F32、F42はそれぞれ、厚み方向(Z方向)における中央部が両端部(第1面F1、第2面F2)よりも側方(X1側又はX2側)に突き出るような、凸面になっている。また、実装部P1の側面F31、F41もそれぞれ、側面F32、F42と同様、厚み方向(Z方向)における中央部が両端部(第1面F1、第2面F2)よりも側方(X1側又はX2側)に突き出るような、凸面になっている。
以下、好ましい寸法の一例を示す。なお、電子部品実装基板10の寸法のうち、長手方向(Y方向)の寸法を長さといい、短手方向(X方向)の寸法を幅という。
電子部品実装基板10の全長は、例えば320mmである。実装部P1の数及び連結部P2の数はそれぞれ、例えば80個である。
図3は、図1Aに示す電子部品実装基板の寸法を説明するための図である。図3中、キャビティR0の長さd11(=実装部P1の長さ)は、例えば2.5mmであり、キャビティR0の底面F21の長さd12は、例えば1.5mmであり、キャビティR0の幅d21は、例えば1.5mmであり、キャビティR0の底面F21の幅d22は、例えば0.5mmである。
実装部P1の幅(最も大きい部分)d23は、例えば3.0mmであり、連結部P2の幅d24は、例えば2.5mmである。本実施形態では、実装部P1の幅d23が連結部P2の幅d24よりも大きくなっている。すなわち、第1実装部(実装部P1)の短手方向の最大寸法(幅d23)、及び、第2実装部(実装部P1)の短手方向の最大寸法(幅d23)がそれぞれ、第1実装部と第2実装部との間に位置する部位(連結部P2)の短手方向の最大寸法(幅d24)よりも大きい。これにより、実装部P1の面積が大きくなり、電子部品の実装スペース又は配線スペースの確保が容易になる。
図1中、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間隔d13(=連結部P2の長さ)は、例えば1.5mmである。長手方向(Y方向)における実装部P1(キャビティR0)のピッチd14は、例えば4.0mm(=2.5mm+1.5mm)である。
本実施形態では、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の長さ(=キャビティR0の長さd11)がそれぞれ、それら実装部P1の間隔d13よりも大きい。このため、多くの電子部品を電子部品実装基板に実装することができる。
本実施形態では、全ての実装部P1又は全ての連結部P2が、互いに同じ寸法を有する。ただしこれに限られず、電子部品実装基板10に含まれる複数の実装部P1又は複数の連結部P2のうち、一部が他のものと異なる寸法を有していてもよい。
図4は、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の平面図である。図5は、図4に示す電子部品実装基板の短手方向の断面図である。図6は、図4に示す電子部品実装基板の長手方向の断面図である。
図4〜図6に示すように、本実施形態の電子部品実装基板10は、線状の外形を有する基板11と、基板11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成された導体層13と、導体パッド14と、絶縁層15と、反射膜16と、を有する。なお、本発明の実施形態において、導体層とは、一乃至複数の導体パターンで構成される層である。
本実施形態の電子部品実装基板10は、基板11上に形成された絶縁層12と、絶縁層12上に形成された導体層13と、導体パッド14と、を有しているので、電子部品実装基板10の実装部P1に実装される電子部品に電流を供給し易い。
図4に示されるように、導体層13は、実装部P1に実装される電子部品のための配線13a(導体パターン)を有する。配線13aは、電子部品実装基板10の短手方向(X方向)の中央に位置し、電子部品実装基板10の長手方向(Y方向)に延設される。配線13aの端部は、キャビティR0(凹部)の底面F21に位置する。導体パッド14は、底面F21に位置する配線13aの端部上に形成されている。このため、キャビティR0の底面に電子部品を実装することができる。また、図6に示されるように、隣り合う配線13a間には、空隙R3が形成されている。
図5に示されるように、各層の幅は、大きい方から、絶縁層12、導体層13、導体パッド14となっており、絶縁層12は、基板11の短手方向(X方向)の中央に位置し、導体層13は、絶縁層12の短手方向(X方向)の中央に位置し、導体パッド14は、導体層13の短手方向(X方向)の中央に位置する。本実施形態では、絶縁層12の幅(短手方向の寸法)が導体層13の幅(短手方向の寸法)よりも大きい。これにより、導体層13と基板11とが導通(ショート)しにくくなる。また、導体層13が絶縁層12の中央に配置されることにより、導体層13と基板11とが導通(ショート)しにくくなる。
本実施形態では、導体層13の縁(端部P11)が、基板11とは反対側(Z1側)へ跳ね上がっている。これにより、導体層13の縁(端部P11)が基板に11に接触しにくくなり、導体層13と基板11とが導通(ショート)しにくくなる。
図6に示されるように、基板11には、凹部R1が形成されている。凹部R1は、基板11の短手方向(X方向)の中央に位置する。凹部R1は、基板11の短手方向(X方向)の中央に位置するので、基板11を側方に曲げたときの変形量が小さくなる。このため実装される電子部品の接続信頼性を高めることができる。そして、基板11上の絶縁層12、導体層13、絶縁層15、及び反射膜16が、基板11の表面(凹部R1の内面を含む)に沿って形成されることで、第1面F1に、キャビティR0(凹部)が形成されている。このため、図4に示されるように、キャビティR0も、凹部R1と同様、基板11の短手方向(X方向)の中央に位置する。
基板11は、金属からなることが好ましい。金属は、展性及び延性を有し、曲がり易く、また、加工性又は耐久性などで優れる。また、基板11が、金属からなり、凹部R1が塑性変形により形成したものであれば、凹部R1表面が加工硬化し、周囲よりも変形しにくくなる。凹部R1が変形しにくくなるので、凹部R1に実装される電子部品の接続信頼性を高めることができる。本実施形態では、基板11が、アルミニウムからなる。ただしこれに限られず、基板11は、アルミニウム以外の金属(銅など)からなってもよいし、非金属からなってもよい。なお、本発明の実施形態において、金属とは、金属以外の不純物を少量含む金属、又は合金も含む。
絶縁層12は、例えば接着材からなる。絶縁層12は、接着性を高める第1成分と、柔軟性を高める第2成分と、を有することが好ましい。こうした構成にすることで、接着性及び柔軟性の両方を有する絶縁層12を形成し易くなる。また、第1成分は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸グルシジルの少なくとも1つであることが好ましく、第2成分は、オレフィン系樹脂(ポリエチレン又はポリプロピレン等)、フッ素系樹脂、及びシリコーン樹脂の少なくとも1つであることが好ましい。本実施形態では、絶縁層12が、ポリエチレン(第1成分)とメタクリル酸メチル(第2成分)との共重合体からなる。共重合体に含まれるポリエチレンの割合(重量比)は、例えば75〜95%の範囲にある。共重合体に含まれるポリエチレンの割合が75%未満であると、LEDから発せられる光により絶縁層12が変色し易くなり、反射率が低下したり、発せられる光の色が変化する。共重合体に含まれるポリエチレンの割合が95%を越えると、絶縁層12が熱により変形しやすくなり、ショートし易くなる。ただしこれに限られず、絶縁層12の材質は任意である。
本実施形態では、導体層13が銅からなる。ただしこれに限られず、導体層13の材質は任意である。
本実施形態では、導体パッド14が、第1パッド部14aと、第1パッド部14aの表面を覆う第2パッド部14bと、から構成される。第1パッド部14aは、例えばニッケル(Ni)からなり、第2パッド部14bは、例えば金(Au)からなる。導体パッド14を形成することで、導体層13表面が部分的に硬くなるため、ワイヤボンドし易くなる。なお、導体パッド14の材質は任意である。
反射膜16は、Z1側に露出する基板11、絶縁層12、導体層13、及び導体パッド14上に、絶縁層15を介して形成される。実装部P1に電子部品として発光素子を実装する場合には、反射膜16が形成されることで、発光素子から発せられる光の反射率が高められる。本実施形態では、反射膜16が、例えばアルミニウム(Al)からなる。さらに反射膜16のアルミニウムは、Z2側裏面(Z2側面)がアルマイト処理されていてもよい。アルマイト処理されることで、反射膜16の絶縁性が高まる。また、絶縁層15は、接着性を高める接着成分と、柔軟性を高める柔軟成分と、を有することが好ましい。接着成分は、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸グルシジルの少なくとも1つであることが好ましく、柔軟成分は、オレフィン系樹脂(ポリエチレン又はポリプロピレン等)、フッ素系樹脂、及びシリコーン樹脂の少なくとも1つであることが好ましい。本実施形態では、絶縁層15が、ポリエチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体からなる。共重合体に含まれるポリエチレンの割合(重量比)は、例えば75〜95%の範囲にある。共重合体に含まれるポリエチレンの割合が75%未満であると、LEDから発せられる光により絶縁層15が変色し易くなり、反射率が低下したり、発せられる光の色が変化する。共重合体に含まれるポリエチレンの割合が95%を越えると、熱により絶縁層15が変形しやすくなり、ショートし易くなる。ただしこれに限られず、絶縁層15及び反射膜16の材質は任意であり、導体層13表面の反射率が高ければ、絶縁層15及び反射膜16はなくてもよい。
以下、好ましい寸法の一例を示す。
図5中、絶縁層12の幅d31は、例えば0.6mmであり、導体層13の幅d32は、例えば0.5mmであり、導体パッド14の幅d33は、例えば0.3mmである。
図6中、基板11の厚さd41は、例えば1.0mmであり、キャビティR0(凹部)を形成するために下地部(基板11)に形成される凹部R1の深さd42は、例えば0.5mmである。なお、本実施形態では、キャビティR0(凹部)の深さが、凹部R1の深さd42に略等しい。
本実施形態では、凹部R1の深さd42が、基板11の厚さd41の25〜80%の範囲にある。凹部R1の深さは、基板11の厚さの25〜80%であることが望ましい。凹部R1の深さが、基板11の厚さの25〜80%の範囲にあれば、凹部R1の底面は基板11の第1主面又は第2主面から離れるので、電子部品実装基板10を厚み方向に曲げたときの凹部R1の底の変形量を小さくすることができる。このため実装される電子部品の接続信頼性を高めることができる。
絶縁層12の厚さd43は、例えば50μmであり、導体層13の厚さd44は、例えば18μmであり、絶縁層15の厚さd45は、例えば50μmであり、反射膜16の厚さd46は、例えば20μmである。また、第1パッド部14aの厚さは、例えば10μmであり、第2パッド部14bの厚さは、例えば0.1〜2.0μmである。
凹部R1における底面F11と壁面F12とがなす角度θ1は、例えば90〜150°の範囲にあり、キャビティR0における底面F21と壁面F22とがなす角度θ2は、例えば90〜150°の範囲にある。
図7Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を、厚み方向に湾曲させた状態で示す図である。図7Bは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を、側方に湾曲させた状態で示す図である。
図7A及び図7Bに示されるように、本実施形態の電子部品実装基板10は、力を加えることで、厚み方向(Z方向)及び側方(X方向)の両方に曲げることができる。電子部品実装基板10を厚み方向に湾曲させると、図7Aに示されるように、第1面F1及び第2面F2が弧を描くように変形する。また、電子部品実装基板10を側方に湾曲させると、図7Bに示されるように、側面F3及びF4が弧を描くように変形する。
本実施形態の電子部品実装基板10では、実装部P1に、キャビティR0(凹部)が形成されている。基板11は、キャビティR0部分で側方(x方向)に広げられているため、実装部P1のX軸の断面二次モーメントIxが高くなる。このため、実装部P1が変形しにくくなる。
また、凹部R1は、塑性変形に基づいて形成される(図14B参照)。このため、実装部P1に形成される凹部R1の表面(例えば図6中の領域R4)が硬化(加工硬化)する。第1面F1において、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の弾性率はそれぞれ、それら隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間の部位(連結部P2)の弾性率よりも高い。本実施形態では、全ての実装部P1が、全ての連結部P2よりも高い弾性率を有する。すなわち、長手方向に沿って配置された全ての実装部の弾性率が、それら実装部間の部位のいずれの弾性率よりも高い。また、長手方向に沿って配置された全ての実装部は、互いに略同一の弾性率を有し、実装部間の各部位は、互いに略同一の弾性率を有する。
一例では、X軸の断面二次モーメントIx(mm4)は、連結部P2で1.76、実装部P1(底面F21)で2.51、ヤング率(kN/mm2)は、連結部P2で70、実装部P1(底面F21)で134となった。実装部P1のX軸の断面二次モーメントIxは、連結部P2よりも43%増加し、実装部P1のヤング率は、連結部P2よりも92%増加した。なお、断面2次モーメントは、CADソフトウェア、ソリッドワークス(ソリッドワークスコーポレイション登録商標)を用いて算出した。
図8は、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板における実装部及び連結部の各々について、側方に湾曲させたときの曲率半径(横軸)と変形率(縦軸)との関係を示すグラフである。図8中、線L1は、連結部P2の第1面F1中央部分の長手方向(Y方向)の変形に関するデータであり、線L2は、実装部P1の底面F11中央部分の長手方向(Y方向)の変形に関するデータであり、線L3は、実装部P1の底面F11中央部分の短手方向(X方向)の変形に関するデータであり、線L4は、連結部P2の第1面F1中央部分の短手方向(X方向)の変形に関するシミュレーションによるデータである。
また、図9Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を厚み方向に湾曲させたときの様子を模式的に示す図である。図9Bは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を側方に湾曲させたときの様子を模式的に示す図である。F100は、電子部品実装基板を厚み方向に湾曲させたときに伸びも縮みもしない面(厚み方向に湾曲させたときの断面中心)を示す。F200は、電子部品実装基板を側方に湾曲させたときに伸びも縮みもしない面(側方に湾曲させたときの断面中心)を示す。
図8に示されるように、実装部P1の変形率は、連結部P2の変形率に比べて、長手方向では、約1/2であり、短手方向では、ほぼ同等である。実装部P1は、連結部P2に比べて、X軸の断面二次モーメントIxが大きいので、連結部P2に比べて変形(変位)しにくくなることが確認される。本実施形態の電子部品実装基板10では、湾曲したときにも、実装部P1の変形率が小さいことで、電気的接続について高い信頼性が得られる。こうした特性は、キャビティR0の深さd42が、基板11の厚さd41の25〜80%の範囲にある場合に顕著に現れる。
図9A、図9Bに示されるように、電子部品(例えば発光素子)は、厚み方向に湾曲させたときの断面中心及び側方に湾曲させたときの断面中心近傍に実装される。電子部品実装基板10を曲げても導体パッド間の距離の変化を小さくすることができるので、電子部品実装基板10と電子部品との接続信頼性を高めることができる。電子部品が、フリップチップである場合には、電子部品の複数の電極と導体パッドとが直接接続されるので、導体パッド間の距離が変わらないことの効果がより発揮できる。
図10Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を、湾曲しない状態で示す図である。図10Bは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を第1の厚み方向に湾曲させたときの配線の状態を示す図である。図10Cは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板を第2の厚み方向に湾曲させたときの配線の状態を示す図である。なお、図10A〜図10Cでは、絶縁層12等の図示を割愛している。
図10Aに示すように、電子部品実装基板10が湾曲しない状態では、導体層13が、基板11表面に沿って形成されている。こうした電子部品実装基板10に力が加えられ、図10Bに示されるように、電子部品実装基板10の中央部がZ1側に突き出るように電子部品実装基板10を湾曲させると、キャビティR0における底面F21と壁面F22との境に位置する屈曲部P12で、導体層13が基板11から離れ易くなると考えられる。これにより、導体パッド14の間隔d15は、湾曲前後でほとんど変わらず維持され易くなる。また、図10Cに示されるように、電子部品実装基板10の中央部がZ2側に突き出るように電子部品実装基板10を湾曲させると、第1面F1とキャビティR0の壁面F22との境に位置する屈曲部P13で、導体層13が基板11から離れ易くなると考えられる。これにより、導体パッド14の間隔d15は、湾曲前後でほとんど変わらず維持され易くなる。本実施形態の電子部品実装基板10では、湾曲したときにも、導体パッド14の間隔d15がほとんど変わらないため、電気的接続について高い信頼性が得られると考えられる。このように部分的に導体層13が基板11表面から離れやすくするために絶縁層12は、弾力性を備えていることが好ましい。絶縁層12が弾力性を備えていると、電子部品実装基板10を曲げたときに導体層13に張力がかかりにくくなるので、導体パッド14間の間隔が変化しにくくなる。そのため、導体パッド14と電子部品(例えば発光素子)との接続信頼性を高めることができる。
以下、本実施形態に係る電子部品実装基板10の製造方法について説明する。図11Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の製造方法において、導体層を有する出発材料を示す図である。図11Bは、図11Aに示す導体層の第1面上に導体パッドを形成する工程を説明するための図である。図12は、図11Bに示す導体層の第2面上に絶縁層を形成する工程を説明するための図である。図13Aは、図12に示す導体層上及び導体パッド上に、キャリアを設ける工程を説明するための図である。図13Bは、図13Aの工程によりキャリアが設けられた導体層に切り目を形成する工程を説明するための図である。図14Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の製造方法において、基板に凹部を形成する第1の工程を説明するための図である。図14Bは、図14Aの工程の後の第2の工程を説明するための図である。図14Cは、図14Bの工程の後の第3の工程を説明するための図である。図15は、図14A〜図14Cの工程により凹部が形成された基板上に、絶縁層を介して、切り目が形成された導体層を載置する工程を説明するための図である。図16は、図15に示す基板と絶縁層とを仮接着する工程を説明するための図である。図17は、図16に示す工程で仮接着した後、キャリアを取り除く工程を説明するための図である。図18は、図17に示す工程でキャリアを取り除いた後、プレスにより基板のキャビティの内面に絶縁層を密着させる工程を説明するための図である。図19は、図18の工程でプレスされた積層体を示す図である。図20Aは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の製造方法における反射層を示す図である。図20Bは、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板の製造方法における反射層の開口部を示す図である。図21は、図20A及び図20Bに示す反射層を、プレスにより導体層上に密着させる工程を説明するための図である。図22は、図21の工程でプレスされた積層体を示す図である。
まず、図11Aに示すように、ピーラブル銅箔ラミネート板1001を用意する。ピーラブル銅箔ラミネート板1001は、支持体銅箔1001bと、剥離層1001aと、導体層13とが、この順に積層されて構成される。導体層13は、例えば厚さ18μmの銅箔からなる。
続けて、図11Bに示すように、例えばめっきにより、導体層13上に、第1パッド部14a及び第2パッド部14bを形成する。ここで、第1パッド部14a及び第2パッド部14bは、導体パッド14となる。その後、支持体銅箔1001b及び剥離層1001aを除去する。
続けて、図12に示すように、例えばラミネートにより、導体層13上(導体パッド14とは反対側)に、絶縁層12を形成する。これにより、絶縁層12と、導体層13と、導体パッド14と、から構成される積層体1003が形成される。絶縁層12は、例えば厚さ50μmの、ポリエチレン(重量比83%)とメタクリル酸メチル(重量比17%)との共重合体(接着材)からなる。
続けて、図13Aに示すように、積層体1003上(導体層13のZ1側)に、キャリア1002を設ける。キャリア1002は、例えば厚さ150μmのPET(PolyEthylene Terephthalate)からなる。
なお、ピーラブル銅箔ラミネート板1001の代わりに絶縁層12と導体層13とが積層された積層体に直接導体パッド14を形成してもよく、導体パッド14が形成された導体層13に絶縁層12を形成してもよい。このような方法を用いることによって剥離する工程を省略することができる。
続けて、図13Bに示すように、例えばトムソン刃により、図4〜図6に示すパターンに対応して、導体層13及び絶縁層12に切り目P3を形成する。この際、絶縁層12側から刃1004を入れる。これにより、導体層13の縁(端部P11)が、基板11とは反対側(Z1側)へ跳ね上がるように形成される(図5参照)。また、導体層13及び絶縁層12のみを切断すべき部分は、キャリア1002の途中で刃1004を止め(ハーフカット)、導体層13及び絶縁層12と共にキャリア1002も切断すべき部分は、キャリア1002を突き抜けるまで刃1004を入れる(フルカット)。その後、不要な導体層13及び絶縁層12は、例えば手作業でキャリア1002から分離し、除去する。
続けて、凹部R1を有する基板11を用意する。具体的には、図14Aに示すように、例えばアルミニウム線11aを出発材料として、図14Bに示すように、凸部1011aを有する金型1011により加圧してアルミニウム線11aを塑性変形させ、図14Cに示すように、凸部1011aに対応した凹部R1を形成する。その後、例えばヘッダー加工により外形加工し、洗浄(例えばプラズマ洗浄)することによって、凹部R1を有する基板11が得られる。凹部R1の形成により材料が側方へ押し出されるため、凹部R1が形成された部分(実装部P1に相当する部位)の幅は広くなる。
続けて、図15に示すように、基板11の凹部R1の位置と積層体1003の導体パッド14の位置とを合わせて、図16に示すように、基板11上(凹部R1側)に、絶縁層12を仮接着する。
続けて、図17に示すように、積層体1003から、キャリア1002を取り除く。
続けて、図18に示すように、例えば凹部R1に対応した凸部1012aを有する金型1012によりプレスして、積層体1003を基板11に密着させる。これにより、図19に示すように、切り目P3で積層体1003が切断され、空隙R3(図6参照)が形成される。その結果、導体層13が、図4〜図6に示されるような態様でパターニングされる。また、凸部1012aにより積層体1003が凹部R1の内面に押し付けられ、凹部R1の内面(底面F11及び壁面F12)に積層体1003の絶縁層12が接着される。また、プレスにより絶縁層12(樹脂)が広がり、絶縁層12の幅(短手方向の寸法)が導体層13の幅(短手方向の寸法)よりも大きくなる。これにより、基板11と、絶縁層12と、導体層13と、導体パッド14と、から構成される積層体1006が形成される。また、積層体1003が変形して、積層体1006の表面には、凹部R1に対応した凹部R2が形成される。
続けて、図20Aに示すように、開口部R5が形成された反射層1007を用意する。反射層1007は、絶縁層15と、反射膜16とが、積層されて構成される。絶縁層15は、例えば厚さ50μmの、ポリエチレン(重量比83%)とメタクリル酸メチル(重量比17%)との共重合体(接着材)からなる。反射膜16は、例えば厚さ20μmのアルミニウム箔からなる。反射層1007の外形加工は、例えばピナクル刃によって行う。
反射層1007において、開口部R5は、凹部R2に対応した位置に形成される。開口部R5の平面形状(X−Y平面)は、例えば図20Bに示すように、凹部R2に対応した四角形である。ただし、開口部R5の4隅には切り込みが入れられ、スリットP41〜P44が形成されている。
続けて、図21に示すように、積層体1006の凹部R2の位置と反射層1007の開口部R5の位置とが合うように位置決めし、例えば凹部R2に対応した凸部1013aを有する金型1013によりプレスして、反射層1007を積層体1006に密着させる。これにより、図22に示すように、凸部1013aにより反射層1007が凹部R2の内面に押し付けられ、凹部R2の内面(導体層13上)に反射層1007の絶縁層15が接着される。また、反射層1007が変形して、キャビティR0(凹部)が形成される。その結果、本実施形態の電子部品実装基板10が完成する。なお、金型1011〜1013は、同じものであっても、異なるものであってもよい。
(実施形態2)
図23Aは、本発明の実施形態2に係る発光装置を示す図である。図23Bは、図23Aに示す発光装置の長手方向の断面図である。
図23A及び図23Bに示すように、本実施形態に係る発光装置20は、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板10と、複数の発光素子20aと、を有する。電子部品実装基板10における実装部P1の各々には、発光素子20aが実装される。発光素子20aの各々は、実装部P1のキャビティR0(凹部)内に配置される。発光素子20aは、例えば青色LEDからなる。ただしこれに限られず、青色LEDに代えて、他の色のLED、EL(Electro Luminescence)、又はレーザダイオードなどを、発光素子20aとして用いてもよい。また、発光素子20aは、その全体がキャビティR0内に完全に収容される(図23B参照)ように配置してもよいし、発光素子20aの一部のみがキャビティR0内に配置されるようにしてもよい。
本実施形態の発光装置20では、図23Bに示すように、発光素子20aの電極が、半田17を介して、導体パッド14と電気的に接続される。ただし、発光素子20aの実装方法は、フリップチップに限られず任意である。例えばワイヤボンディングにより、発光素子20aを実装してもよい。
(実施形態3)
本発明の実施形態3について、上記本発明の実施形態1との相違点を中心に説明する。なおここでは、上記図1等に示した要素と同一の要素には各々同一の符号を付し、既に説明した共通の部分、すなわち説明が重複する部分については、その説明を省略又は簡略化する。
図24Aは、本発明の実施形態3に係る電子部品実装基板を示す図である。図24Bは、図24Aに示す電子部品実装基板の長手方向の断面図である。
本実施形態の電子部品実装基板10では、図24A及び図24Bに示すように、実装部P1にキャビティR0(凹部)を形成することなく、実装部P1の弾性率を連結部P2の弾性率よりも高めている。これにより、第1面F1において、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の弾性率はそれぞれ、それら隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間の部位(連結部P2)の弾性率よりも高い。本実施形態では、全ての実装部P1が、全ての連結部P2よりも高い弾性率を有する。すなわち、長手方向に沿って配置された全ての実装部の弾性率が、それら実装部間の部位のいずれの弾性率よりも高い。
詳しくは、熱履歴の相違を利用して、実装部P1と連結部P2との間に弾性率の差異を生じさせている。具体的には、基板11の表面F10(例えばZ1側)の領域R4(実装部P1に相当する部位)とその周辺の領域との間において、熱履歴の相違に起因して結晶サイズを変化させることによって、実装部P1と連結部P2との間に弾性率の差異を生じさせることができると考えられる。
実装部P1の弾性率を連結部P2の弾性率よりも高める方法は、例えば図25Aに示すように、基板11の温度を例えば約200℃以上に上昇させ、基板11の各実装部P1に相当する部位に、例えば約0〜50℃に冷却した金型2001を接触させる。これにより、基板11の、金型2001が接触した部位(実装部P1に相当する部位)が冷却(詳しくは、急冷)され、冷却されない(徐冷される)部位(連結部P2に相当する部位)よりも弾性率が高くなる。なお、本実施形態に係る電子部品実装基板10を構成する各層の材質は本発明の実施形態1と同じであり、本実施形態では、基板11が、アルミニウムからなる。ただしこれに限られず、基板11の材質は任意である。
実装部P1の弾性率を連結部P2の弾性率よりも高める方法は、図25Aに示される金型を用いた方法に限られず任意である。基板11の材質又はその他の条件によって、好ましい方法を選ぶことが望ましい。
例えば図25Bに示すように、冷たいガスを吹き付けて、基板11の実装部P1に相当する部位を選択的に冷やしてもよい。
実装部P1の弾性率を高めることに限られず、連結部P2の弾性率を低くすることにより、実装部P1の弾性率が連結部P2の弾性率よりも高くなるようにしてもよい。
金型又はガス等によって実装部P1及び連結部P2のいずれか一方の温度を選択的に上昇させることによって、実装部P1の弾性率が連結部P2の弾性率よりも高くなるようにしてもよい。
例えば、以下の方法によっても、実装部P1の弾性率を連結部P2の弾性率よりも高めることができる。基板11全体を加工硬化させ、基板11を構成する金属に多くの転位を発生させる。基板11の実装部P1に相当する部位に金型等を接触させたまま、基板11全体を急加熱する。
このときの加熱温度は以下のA及びBの2つの条件を満たすようにする。
A:基板11の実装部P1に相当する部位は、基板11を構成する金属の再結晶温度未満の温度に加熱される。
B:基板11の実装部P1に相当する部位以外の部位は基板11を構成する金属の再結晶温度を越える温度に加熱される。
このように加熱することにより、基板11の実装部P1に相当する部位以外の部位の金属の結晶成長が促進され、転位が少なくなり、弾性率が下がると考えられる。
なお、例えば純銅の再結晶温度は150℃であり、純アルミニウムの再結晶温度は390℃である。
また、熱履歴の相違以外によって、実装部P1の弾性率が連結部P2の弾性率よりも高くなるようにしてもよい。例えば機械的な処理(ブラスト等)により、基板11の表面F10(例えばZ1側)の領域R4における結晶構造を変化させてもよい。
また、基板11の実装部P1に相当する部位のみに圧力を加え潰した後、表面を切削あるいは研磨して基板11を得てもよい。このような方法によれば、凹部の有無にかかわらず、実装部P1の弾性率を高くすることができる。
本実施形態の電子部品実装基板10では、図24Aに示されるように、電子部品実装基板10の側面F3、F4が、凹凸のない平面になっている。このため、実装部P1の幅と連結部P2の幅とが略等しくなる。しかしこれに限られず、本発明の実施形態1と同様に実装部P1の側面が凸面になっていてもよい。
本実施形態の電子部品実装基板10では、第1面F1において、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の弾性率がそれぞれ、それら隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間の部位(連結部P2)の弾性率よりも高い。このため、実装部P1の変形率は、連結部P2の変形率に比べて、小さくなる。そして、湾曲したときに、実装部P1の変形率が小さいことで、電気的接続について高い信頼性が得られる。
その他、本発明の実施形態1と同様の構成については、前述した本発明の実施形態1の効果に準ずる効果が得られる。
(実施形態4)
図26Aは、本発明の実施形態4に係る発光装置を示す図である。図26Bは、図26Aに示す発光装置の長手方向の断面図である。
図26A及び図26Bに示すように、本実施形態に係る発光装置20は、本発明の実施形態3に係る電子部品実装基板10(図24A及び図24B参照)と、複数の発光素子20aと、を有する。電子部品実装基板10における実装部P1の各々には、発光素子20aが実装される。発光素子20aの各々は、実装部P1上に配置される。発光素子20aは、例えば青色LEDからなる。ただしこれに限られず、青色LEDに代えて、他の色のLED、EL、又はレーザダイオードなどを、発光素子20aとして用いてもよい。
本実施形態の発光装置20では、図26Bに示すように、発光素子20aの電極が、半田17を介して、導体パッド14と電気的に接続される。ただし、発光素子20aの実装方法は、フリップチップに限られず任意である。例えばワイヤボンディングにより、発光素子20aを実装してもよい。
本実施形態では、実装部P1の弾性率が、連結部の弾性率より高い。このため、電子部品実装基板を曲げても実装部P1に歪みを発生しにくくすることができるので、実装部P1上の導体層の端部に形成される導体パッドに実装される電子部品に、歪みあるいは応力を発生しにくくすることができるので、電子部品の接続信頼性を高めることができる。
(実施形態5)
本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第1〜第8の例について説明する。
図27Aは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第1の例を示す図である。図27Bは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第2の例を示す図である。図27A及び図27Bは、X−Y平面を示している。発光装置20としては、例えば実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置31は、図27Aに示すように、リング状に成形された1つの発光装置20が、環状の筒31a内に収納されてなる。また、照明装置32は、図27Bに示すように、複数の発光装置20が、環状の筒32a内に収納されてなる。照明装置32における複数の発光装置20は、相互に連結してもよいし、連結しなくてもよい。照明装置31、32における発光装置20は、例えば図7Bに示されるように電子部品実装基板10を側方に湾曲させることにより、環状の筒31a、32aに対応した形態に成形される。
筒31a、32aのサイズは任意である。ただし、一般的な用途であれば、サイズは30形〜40形の蛍光灯のサイズであることが好ましいと考えられる。詳しくは、JISC7618−2におけるFCL28/30、FCL32/30、FCL40/38のいずれかであることが好ましい。ここで、30形(FCL28/30)は、中心径196mm、弧長615mmであり、例えば発光装置20を2つ連結することにより、30形の環状照明装置を構成することが好ましい。また、32形(FCL32/30)は、中心径270mm、弧長848mmであり、例えば発光装置20を3つ連結することにより、32形の環状照明装置を構成することが好ましい。40形(FCL40/38)は、中心径344mm、弧長1080mmであり、例えば発光装置20を4つ連結することにより、40形の環状照明装置を構成することが好ましい。本実施形態の発光装置20によれば、30形〜40形の蛍光管に代替可能なLED照明装置を製造することが可能になる。
環型蛍光ランプの照明器具に、本実施形態のLED照明装置を取り付ける場合には、例えば環型蛍光ランプの電源を直流定電流電源に交換することで、環型蛍光ランプの照明器具をLED照明器具として使用することができる。
図28Aは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第3の例を示す図である。図28Bは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第4の例を示す図である。図28A及び図28Bは、X−Y平面を示している。発光装置20、21、22としてはそれぞれ、例えば本発明の実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置33は、図28Aに示すように、渦巻き状に成形された1つの発光装置20から構成される。また、照明装置34は、図28Bに示すように、それぞれ渦巻き状に成形された複数の発光装置(例えば2つの発光装置21、22)から構成される。照明装置33、34では、発光素子20a(図23A又は図26A参照)が、渦巻き状に配置されることになる。
図29は、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第5の例を示す図である。発光装置20としては、例えば本発明の実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置35は、図29に示すように、螺旋状に成形された1つの発光装置20から構成される。照明装置35では、発光素子20a(図23A又は図26A参照)が、螺旋状に配置されることになる。
図30Aは、本発明の実施形態に係る照明装置における発光装置の第1の配置を示す図である。図30Bは、図30Aに示す態様で発光装置が配置された照明装置の光の照射態様を示す図である。図31Aは、本発明の実施形態に係る照明装置における発光装置の第2の配置を示す図である。図31Bは、図31Aに示す態様で発光装置が配置された照明装置の光の照射態様を示す図である。図30A、図31Aには、本発明の実施形態2に係る発光装置を用いた場合について例示しているが、本発明の実施形態4に係る発光装置を用いた場合も、基本的には同様のことがいえる。
図30A及び図30Bに示すように、環状に成形された発光装置20を、各発光素子20aからの光が円の中心P0に向かって照射されるような姿勢で配置すると、光の集中により局所的に照度を高めることができる。このような発光装置は、写真撮影の照明として使用すると、明るく影のできにくい撮影をすることができる。また、図31A及び図31Bに示すように、環状に成形された発光装置20を、各発光素子20aからの光が円の中心P0とは逆向きに照射されるような姿勢で配置すると、光の分散により全体的にぼかすことが可能になる。このような発光装置は、光が拡散しやすいので部屋全体を照らす照明器具に好適に利用できる。
図32Aは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第6の例を示す図である。図32Bは、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第7の例を示す図である。発光装置20としては、例えば本発明の実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置36は、図32Aに示すように、長手方向に沿って表裏に交互に光が照射されるように捩じられた発光装置20から構成される。また、照明装置37は、図32Bに示すように、異なる3つ以上の方向(例えばランダムに様々な方向)に光が照射されるように捩じられた発光装置20から構成される。これらの照明は、電飾器具などに利用可能である。
図33は、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第8の例を示す図である。発光装置20としては、例えば本発明の実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置38は、図33に示すように、様々な方向に曲げられた発光装置20から構成される。照明装置38によれば、様々な方向に光が照射される。また、自由に任意の方向に曲げられるフレキシブルな照明装置にしてもよい。
図34は、本発明の実施形態に係る発光装置を用いた照明装置の第9の例を示す図である。発光装置20としては、例えば本発明の実施形態2又は4に係る発光装置を用いることができる。
照明装置39では、図34に示すように、発光装置21〜29(複数の線状光源)が平行に配置される。照明装置39は、面状光源として利用できる。
照明装置は、例えば屋内外照明灯、車内照明灯、非常灯、装飾灯、液晶ディスプレイのバックライト光源、複写機のイレイサー、FAXやスキャナー等における原稿読取照射用光源、又は各種ディスプレイ用光源に用いることができる。ただしこれに限られず、照明装置の用途は任意である。
照明装置の形状、サイズ、又は光色などは任意である。例えば照明装置の形状は、U状、L状、又はV状等であってもよい。
(他の実施形態)
図35は、本発明の他の実施形態において、電子部品実装基板の連結部の形状の別例を示す断面図である。
実装部P1の側面F31、F41及び連結部P2の側面F32、F42は、図2に示されるような、厚み方向(Z方向)における中央部が突き出る凸面に限定されない。実装部P1の側面F31、F41及び連結部P2の側面F32、F42は、例えば図35に示すように、第1面F1及び第2面F2の両方と垂直に交わる平面であってもよい。また、側面F31、F32、F41、F42は、厚み方向(Z方向)における中央部が両端部よりもへこんだ凹面であってもよい。
図36は、本発明の他の実施形態において、電子部品実装基板の実装部の形状の別例を示す断面図である。
図36に示すように、上記実施形態1に係る電子部品実装基板10の側面F3、F4は、凹凸のない平面であってもよい。図36の例では、実装部P1の幅と連結部P2の幅とが略等しくなる。
図37は、本発明の他の実施形態において、実装される電子部品のための配線の形状の第1の変形例を示す図である。図38は、本発明の他の実施形態において、実装される電子部品のための配線の形状の第2の変形例を示す図である。
上記実施形態では、電子部品実装基板10の長手方向に延設される配線13aが、電子部品実装基板10の短手方向の中央に位置している(図4参照)。しかし、実装される電子部品のための配線の形状は図4に示したものに限られず、例えば電子部品実装基板の長手方向に延設される配線が、電子部品実装基板の短手方向の端部に位置していてもよい。
例えば図37に示すように、電子部品実装基板は、図4に示した配線13aに代えて、電子部品実装基板の第1面F1における側面F3又はF4とキャビティR0との間に位置し、電子部品実装基板の長手方向(Y方向)に延設される配線13bと、電子部品実装基板の第1面F1に形成され、一端が配線13bに接続され、他端がキャビティR0の底面F21に位置する配線13cと、を有していてもよい。底面F21に位置する配線13cの端部上には、例えば導体パッド14が形成される。こうした配線13b及び13cによれば、電子部品実装基板における各キャビティR0に実装された複数の電子部品を並列に電気的に接続し易くなる。例えばキャビティR0(電子部品)ごとに形成された複数の配線13c(支線)をそれぞれ、共通の配線13b(幹線)に接続することで、複数の電子部品を並列に電気的に接続することができる。なお、配線13bと配線13cとは、一体的に形成されてもよいし、別々に形成されて導電性接着剤等により互いに電気的に接続されてもよい。
また、図37の例では、電子部品実装基板の側面F3、F4とキャビティR0との間にそれぞれ1本ずつ、電子部品実装基板の長手方向に延設される配線13bを設けているが、これに限定されない。例えば電子部品実装基板の側面F3、F4とキャビティR0との間にそれぞれ複数本ずつ、電子部品実装基板の長手方向に延設される配線を設けてもよい。
例えば図38に示すように、電子部品実装基板は、電子部品実装基板の第1面F1における側面F3又はF4とキャビティR0との間に位置し、電子部品実装基板の長手方向(Y方向)に延設される配線13b及び13dと、電子部品実装基板の第1面F1に形成され、一端が配線13bに接続され、他端がキャビティR0の底面F21に位置する配線13cと、電子部品実装基板の第1面F1に形成され、一端が配線13dに接続され、他端がキャビティR0(凹部)の底面F21に位置する配線13eと、を有していてもよい。底面F21に位置する配線13c及び13eの端部上にはそれぞれ、例えば導体パッド14が形成される。図38の例では、配線13dが配線13bよりも外側(側面F3、F4側)に配置されており、配線13dからキャビティR0の底面F21へ延びる配線13eは、配線13bを横切って、キャビティR0の底面F21まで延びている。配線13bを横切る部分において、配線13eは、配線13bの上を通っても下を通ってもよいが、図38の例では、配線13bの上を通っている。また、図示されていないが、配線13bと配線13eとの間には絶縁層が介在しており、配線13bと配線13eとは互いに絶縁されている。こうした配線13b、13c、13d、13eによれば、電子部品実装基板における各キャビティR0に実装された複数の電子部品を並列に電気的に接続し易くなる。また、電子部品実装基板の長手方向に延設される配線(幹線)の数が増えることで、キャビティR0の底面F21に配置される導体パッド14の数を増やすことが可能になり、端子数の多い電子部品を実装することが可能になる。なお、配線13bと配線13c、また、配線13dと配線13eとは、一体的に形成されてもよいし、別々に形成されて導電性接着剤等により互いに電気的に接続されてもよい。
図37、図38には、キャビティR0が形成された本発明の実施形態2に係る発光装置についての変形例を示しているが、キャビティR0が形成されない本発明の実施形態4に係る発光装置についても、図37、図38に示されるような配線の形態を適用することは可能である。
上述した電子部品実装基板、発光装置、及び照明装置の構成(構成要素、寸法、材質、形状、層数、又は配置等)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に変更又は割愛することができる。例えば本発明の各実施形態に係る電子部品実装基板10において、絶縁層15及び反射膜16を割愛してもよい。また、1つの電子部品実装基板に形成される実装部(キャビティ)の数は任意である。
発光装置の用途は照明装置に限られず任意である。
長手方向に沿って配置された全ての実装部は、互いに略同一の弾性率を有し、実装部間の各部位は、互いに略同一の弾性率を有することは必須ではない。また、長手方向に沿って配置された全ての実装部の弾性率が、それら実装部間の部位のいずれの弾性率よりも高いことは必須ではない。少なくとも、第1面F1において、隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の弾性率がそれぞれ、それら隣り合う実装部P1(第1実装部及び第2実装部)の間の部位(連結部P2)の弾性率よりも高くなる部分があれば、その部分においては、実装部P1の変形率が、連結部P2の変形率に比べて、小さくなる。そして、湾曲したときに、実装部P1の変形率が小さいことで、電気的接続について高い信頼性が得られる。
本発明の電子部品実装基板、発光装置、及び照明装置の製造方法は、上記本発明の実施形態で示した内容及び順序に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において任意に内容及び順序を変更することができる。また、用途等に応じて、必要ない工程を割愛してもよい。
上記本発明の実施形態及びその他の変形例は、任意に組み合わせることができる。例えば図35に示す構造と図36に示す構造との両方を、本発明の実施形態1に係る電子部品実装基板10に適用してもよい。用途等に応じて適切な組み合わせを選ぶことが好ましい。