実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。具体的には、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面において、同時に縦方向にスクロールした場合に演出図柄の変動表示を可能な表示部が、それぞれ、左、中および右に形成される。また、左、中および右の各表示部では、演出図柄の停止図柄が停止表示された状態で、それぞれ、上段、中段および下段に演出図柄の停止図柄が停止表示されるうるエリアが形成されるのであるが、この実施の形態では、それらの停止図柄が停止表示されうるエリアのことを図柄表示エリアという。
この実施の形態では、上記のような演出図柄の変動表示を可能な表示部が左、中および右に形成され、各表示部において上段、中段および下段の3つの図柄表示エリアが形成されていることによって、上段、中段および下段に加えて、左上から右下および左下から右上の合計5つの入賞ライン(演出表示装置9の表示画面中に表示される大当り図柄が導出表示されうる表示ライン)が形成される。
また、この実施の形態では、後述するように、演出図柄の変動方向が3種類存在する。1つ目の変動方向は、左、中および右の各表示部において演出図柄を縦の順方向にスクロール(上から下に向けてスクロール)させるものであり、以下、「縦順方向」という。また、2つ目の変動方向は、左、中および右の各表示部において演出図柄を縦の逆方向にスクロール(下から上に向けてスクロール)させるものであり、以下、「縦逆方向」という。さらに、3つ目の変動方向は、上段、中段および下段において演出図柄を横方向にスクロール(本例では、右から左に向けてスクロール)させるものであり、以下、「横方向」という。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、上段、中段、下段、左上から右下または左下から右上のいずれかの入賞ラインにおいて、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。また、演出表示装置9には、演出図柄を変動表示可能な左、中および右の3つの表示部が設けられている。そして、例えば、上段、中段、下段、左上から右下または左下から右上のいずれかの入賞ラインにおいて、左、中および右の全ての表示部が同じ図柄で揃った状態で停止されると、大当り図柄が停止表示された状態となる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図14参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄をリーチ状態(本例では、左右の図柄のみ同じ図柄で停止した状態で中図柄のみ変動を継続させた状態)としたり、所定のキャラクタを用いた演出(例えば、味方と敵のキャラクタがバトルを行うような態様の演出)を行ったりするなど様々な態様の演出により実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、演出図柄表示領域における「左」、「中」、「右」の各表示部に、いずれかの入賞ラインで演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6および図7は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−1の変動パターンが用意されている。このうち、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2は、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンであり、ノーマルPB2−1は、ノーマルリーチとともに擬似連を伴う変動パターンである。また、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−4は、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンであり、スーパーPB3−1は、スーパーリーチのみを伴う変動パターンである。
なお、「擬似連」とは、識別情報の可変表示(演出図柄の変動表示)が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに(1回の変動表示中に)、一旦非特定表示結果(はずれ図柄)となる特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示させた後に変動表示を再度実行する再可変表示(再変動)を1回または複数回実行する演出である。すなわち、実際には1回の変動表示を実行している場合に、恰も複数回の変動が行われているように見せる演出である。一般に、擬似連の演出が実行される場合には、擬似連中の再変動回数が多くなればなる程、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成されている。従って、擬似連の演出を実行し、より多くの再変動が継続して実行されることによって、遊技者に対して大当りに対する期待度を高めさせることができる。
また、「特殊表示結果」(チャンス目図柄)とは、非特定表示結果(はずれ図柄)のうち特殊な態様の表示結果とすることによって再変動が発生することを示唆するものである。この実施の形態では、後述するように、チャンス目図柄として、左、中および右の各表示部に、いずれかの入賞ラインにおいて、「112」や「223」など、左中右の図柄のうち2つまでが同じ図柄で揃って特定表示結果(大当り図柄)の一部を形成するものの、リーチともならない図柄の組み合わせが用いられる。
なお、チャンス目図柄として用いられる図柄の組み合わせは、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、「135」や「357」など、所定の順序に従った数字の並びであることを遊技者が認識可能な図柄の組み合わせをチャンス目図柄として用いてもよい。また、例えば、特定の図柄(例えば、特定の文字やキャラクタを含む図柄)を含む図柄の組み合わせをチャンス目図柄として用いてもよい。
また、この実施の形態では、擬似連回数を表す場合に、演出図柄の変動開始後に最初に行われる初回変動を含めずに、1回目の特殊表示結果(チャンス目図柄)の仮停止表示後に行われる再変動の回数を指すものとする。例えば、この実施の形態では、1回〜2回の擬似連が行われるのであるが、擬似連(1回)とは、初回変動の後、1回目の特殊表示結果(チャンス目図柄)の仮停止表示後に再変動が1回行われるもの、すなわち、初回変動も含めると、1回の変動表示中に合計2回の変動が行われるものである。また、擬似連(2回)とは、初回変動の後、1回目の特殊表示結果(チャンス目図柄)の仮停止表示後に再変動が2回行われるもの、すなわち、初回変動も含めると、1回の変動表示中に合計3回の変動が行われるものである。なお、擬似連回数の表し方は、この実施の形態で示したものにかぎらず、初回変動も含めて擬似連回数を表すようにしても構わない。また、擬似連において実行される再変動の回数は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、再変動が3回以上実行される擬似連を実行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、図6および図7に示すように、擬似連には、擬似連αと擬似連βとの2種類がある。擬似連αが指定されている場合、演出図柄の変動方向を様々に組み合わせて初回変動および各再変動が実行される。例えば、変動パターンで擬似連αが指定されている場合、必ずしも初回変動および再変動の全てで縦順方向の変動表示が行われるとはかぎらず、例えば、縦順方向の初回変動が行われた後に縦逆方向や横方向の再変動が行われたり、初回変動でいきなり縦逆方向や横方向の変動表示が行われたりする場合がある。以下、このように、擬似連αが指定されている場合に、擬似連中の演出図柄の変動方向を様々に組み合わせた態様で行われる演出を「変動方向組み合わせ演出」ともいう。なお、この実施の形態では、後述するように、擬似連を伴わない変動表示が行われる場合にも、必ずしも縦順方向の可変表示が行われるとはかぎらず、縦逆方向や横方向の可変表示が行われる場合がある。
また、擬似連βが指定されている場合、擬似連演出の種類と、擬似連の後に実行されるスーパーリーチ演出の種類とを様々に組み合わせた演出が実行される。この実施の形態では、例えば、擬似連βが指定されている場合に実行される擬似連演出の種類として擬似連A〜Cの3種類があり、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチA〜Cの3種類がある。この実施の形態では、「擬似連A」とは擬似連中にキャラクタAが登場するものであり、「擬似連B」とは擬似連中にキャラクタBが登場するものであり、「擬似連C」とは擬似連中にキャラクタCが登場するものである。また、この実施の形態では、「スーパーリーチA」とは擬似連Aと同じキャラクタAが登場するスーパーリーチ演出であり、「スーパーリーチB」とは擬似連Bと同じキャラクタBが登場するスーパーリーチ演出であり、「スーパーリーチC」とは擬似連Cと同じキャラクタCが登場するスーパーリーチ演出である。例えば、変動パターンで擬似連βが指定されている場合、必ずしも擬似連とその後に実行されるスーパーリーチ演出とで同じキャラクタが登場するとはかぎらず、異なるキャラクタが登場する場合がある。以下、このように擬似連βが指定されている場合に、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類とを組み合わせた態様で行われる演出を「擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出」ともいう。
また、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には再変動が1回行われ、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には再変動が2回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄(本例では、特殊表示結果(チャンス目図柄))を仮停止表示させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図7に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−2、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8、スーパーPB3−2、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。このうち、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4は、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンであり、ノーマルPB2−2は、ノーマルリーチとともに擬似連を伴う変動パターンである。また、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−8は、スーパーリーチとともに擬似連を伴う変動パターンであり、スーパーPB3−2は、スーパーリーチのみを伴う変動パターンである。なお、図7において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。
また、図7に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−6を用いる場合には再変動が1回行われ、スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8を用いる場合には再変動が2回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連に加えて滑り演出などの特定演出を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当りである場合および確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン(擬似連があるものとないもの両方を含む)を含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。
また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチを伴う変動パターン(擬似連があるものとないもの両方を含む)を含む変動パターン種別であるスーパーCA2−6とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図9(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図9(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図9(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図9(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図9(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図9(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図9(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図9(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図9(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図9(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図9(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図9(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図9(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図9(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図9(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。
この実施の形態では、図9(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS142〜S145参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照。ただし、突然確変大当りであるか小当りであるかをより認識しにくくするために、確変状態中に突然確変大当りになった場合にのみ確変状態(高確率状態)に移行するとともに時短状態(高ベース状態)にも移行するようにし、通常状態中に突然確変大当りとなった場合には高確率状態に移行するのみで時短状態(高ベース状態)には移行しないようにしてもよい。)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図10(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図10(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図10(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて2ラウンド大当り状態に制御する場合には、15ラウンド大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図10(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図10(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図11(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図11(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図11(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図11(C)は、遊技状態が確変状態または時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図11に示す例では、遊技状態が確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B,135Cを用いる場合を示しているが、確変状態または時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図11(C)に示す例では、1つの確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短状態用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、この実施の形態では、図10に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか時短状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図11(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が時短状態や確変状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図12(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図12(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン(擬似連があるものとないもの両方を含む)を含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。
また、図12(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図12(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図13は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
なお、図13に示す例では、変動パターン種別として、非リーチ且つ通常変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、非リーチかつ特定演出を伴い変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、非リーチ且つ短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、スーパーリーチを伴う変動パターン(擬似連があるものとないもの両方を含む)を含む変動パターン種別であるスーパーCA2−6とに種別分けされている場合が示されている。
なお、この実施の形態では、図12(A)に示すように、大当りとなる場合には、再変動2回の擬似連が実行されるスーパーPA3−7〜スーパーPA3−8の変動パターンは、再変動1回の擬似連が実行されるスーパーPA3−5〜スーパーPA3−6の変動パターンと比較して、判定値の割り振りが多い。一方で、図13に示すように、はずれとなる場合には、再変動2回の擬似連が実行されるスーパーPA3−3〜スーパーPA3−4の変動パターンは、再変動1回の擬似連が実行されるスーパーPA3−1〜スーパーPA3−2の変動パターンと比較して、判定値の割り振りが少ない。従って、この実施の形態では、擬似連が実行される場合に、再変動の回数が多くなるに従って、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなる。
なお、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)や、特定の予告演出、擬似連などの特定演出が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、擬似連が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合に擬似連が実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方に擬似連が実行される割合)を計算することによって求められる。
図14および図15は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図14および図15に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6および図7に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図14および図15に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図14および図15に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図16は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aのいずれもオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)に移行することなく、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図26参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放ごとに実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての大入賞口の開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図17は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオンしている場合であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図18参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図18は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図18に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしている場合であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図18参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図19および図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図9参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図9(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図9(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図9(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図9(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図9(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図9(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図9(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図9(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図21は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS81)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図10(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS82)。そして、ステップS90に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS83)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図10(D)参照)を選択する(ステップS84)。そして、ステップS90に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS85)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS85のY)、CPU56は、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS85のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択する(ステップS87)。そして、ステップS90に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図11(B)参照)を選択する(ステップS88)。そして、ステップS90に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS85のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図11(C)参照)を選択する(ステップS89)。そして、ステップS90に移行する。
この実施の形態では、ステップS85〜S89の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、図11(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、図11(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS90の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS92の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図13参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図11(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS85でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図11(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS82,S84,S87,S88またはS89の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90)。
次いで、CPU56は、ステップS90の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図12参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図13参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS91)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS91の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS92)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS94)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS85〜S89,S90の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図11に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−5、スーパーCA2−6の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図22は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図14参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、その確変フラグや時短フラグをリセットする(ステップS134)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図25は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS173に移行する。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りである場合に無条件に確変状態および時短状態の両方に制御する場合を示しているが、突然確変大当りである場合には確変状態のみに制御して時短状態(高ベース状態)には制御しない(すなわち、高確率/低ベース状態)に制御するようにしてもよい。また、例えば、突然確変大当りである場合に、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否かを確認するようにし、現在の遊技状態が時短状態(高ベース様態)であれば、確変状態に制御するとともに時短状態を継続し(すなわち、高確率/高ベース状態に制御し)、現在の遊技状態が時短状態でなければ(低ベース状態であれば)、高確率/低ベース状態に制御するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、例えば、突然確変大当りが発生した後と小当りが発生した後とで共通態様の演出を実行する(例えば、以降の変動表示を同じ色の背景色(例えば、黄色)で実行する)ようにし(すなわち、いわゆる潜伏演出を実行し)、確変状態に制御されているか否かを認識不能であるように制御するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
図26は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図27は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図28は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図14および図15参照)であるのか解析する。
図29〜図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663A)。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2留記憶数保存領域に格納する第2留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS668)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS670)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS674)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS676)。そして、ステップS611に移行する。
図33は、図27に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図34は、図27に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図34に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図35は、図33に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止ごとの仮停止図柄としてチャンス目図柄(本例では、いずれかの入賞ラインにおいて、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。
図36は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図36に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」の演出図柄の組合せを決定する。なお、突然確変大当りの場合に、リーチを伴う変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合には、停止図柄「135」を決定するとともにリーチ図柄も決定する。
また、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせ(リーチ図柄)を決定する。
また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。なお、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドではなく、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りや、はずれ、突然確変大当り、小当りであることを特定して、演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU101は、大当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には、左右中が同じ図柄で揃った大当り図柄を決定し、突然確変大当り/小当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には「135」などの停止図柄を決定し、はずれ用の変動パターンコマンドを受信した場合には、これら以外のはずれ図柄を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS8002において、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、擬似連αが指定されている場合に変動方向組み合わせ演出の設定を行ったり、擬似連が指定されていない場合の演出図柄の変動方向を設定する変動方向設定処理を実行する(ステップS8003)。また、演出制御用CPU101は、擬似連βが指定されている場合に擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出の設定を行う擬似連/リーチ演出設定処理を実行する(ステップS8004)。
なお、この実施の形態では、擬似連αが指定されている場合にのみ変動方向組み合わせ演出を実行し、擬似連βが指定されている場合にのみ擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を実行することによって、1回の演出図柄の変動表示中に変動方向組み合わせ演出または擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出のいずれか一方のみを実行する場合を示しているが、1回の演出図柄の変動表示中に変動方向組み合わせ演出および擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出の両方を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動パターンで擬似連が指定されている場合には、擬似連αであるか擬似連βであるかを区別することなく、ステップS8003の変動方向設定処理およびステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理の両方を実行するように構成すればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンや、ステップS8003で設定した変動方向に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8005)。なお、予告演出を実行する場合には、その予告演出に応じたプロセステーブルを選択するようにしてもよい。そして、演出制御用CPU101は、ステップS8005で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8006)。
図37は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図37に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや、変動方向に応じて用意されている。なお、予告演出を実行可能に構成する場合において、予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、擬似連が実行される場合には、ステップS8005において選択されたプロセステーブルに従って擬似連中の初回変動が実行され、その後、再変動ごとにプロセスデータを切り替えてプロセスタイマを再スタートさせることによって(後述するステップS8109〜S8111参照)、各再変動(最終変動を含む)が実行されるものとする。また、この実施の形態では、ノーマルリーチからスーパーリーチに発展するタイミングでも、プロセスデータを切り替えてプロセスタイマを再スタートさせることによって(後述するステップS8112〜S8114参照)、スーパーリーチへの発展演出が実行されるものとする。
なお、擬似連やスーパーリーチが実行される場合であっても、プロセスデータの切り替えを行うことなく、ステップS8005で再変動やスーパーリーチへの発展演出も含めたプロセスデータを一括して選択して擬似連やスーパーリーチを伴う演出図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS8007)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、擬似連αが指定されている場合や擬似連が指定されていない場合には、ステップS8003の変動方向の決定結果に従って、ステップS8007の処理が実行されることによって、縦順方向、縦逆方向または横方向に演出図柄の変動表示が開始される。また、擬似連βが指定されている場合には、後述するように、一律に縦順方向に演出図柄の変動表示が開始される。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8008)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8009)。
図38は、ステップS8003の変動方向設定処理を示すフローチャートである。変動方向設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンドで示される変動パターンが擬似連を指定するものであるか否かを確認する(ステップS1501)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドにおいて、非リーチPA1−4やノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、特殊PG1−3の変動パターン(図6〜図7参照)が指定されているか否かを確認する。擬似連が指定されていれば、演出制御用CPU101は、さらに、指定されている擬似連が擬似連αであるか否かを確認する(ステップS1502)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドにおいて、非リーチPA1−4やノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1、スーパーPA3−3、スーパーPA3−5、スーパーPA3−7、特殊PG1−3の変動パターン(図6〜図7参照)が指定されているか否かを確認する。
擬似連αが指定されていれば、演出制御用CPU101は、再変動回数2回の擬似連αであるか否かを確認する(ステップS1503)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドにおいて、スーパーPA3−3またはスーパーPA3−7の変動パターン(図6〜図7参照)が指定されているか否かを確認する。再変動回数2回の擬似連αが指定されていれば、演出制御用CPU101は、初回変動および再変動の変動方向を決定するためのテーブルとして、再変動2回用の変動方向決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した再変動2回用の変動方向決定用テーブルを用いて、初回変動および再変動の変動方向を決定するための乱数を用いた抽選処理を行うことによって、初回変動および1〜2回目の再変動の変動方向を決定する(ステップS1504)。
再変動回数2回の擬似連αが指定されていなければ(すなわち、再変動回数1回の擬似連αが指定されている場合であれば)、演出制御用CPU101は、初回変動および再変動の変動方向を決定するためのテーブルとして、再変動1回用の変動方向決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した再変動1回用の変動方向決定用テーブルを用いて、初回変動および再変動の変動方向を決定するための乱数を用いた抽選処理を行うことによって、初回変動および1回目の再変動の変動方向を決定する(ステップS1505)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS1504,S1505で決定した初回変動および各再変動の変動方向を、RAMに設けられた変動方向格納領域に格納する(ステップS1506)。
変動パターンで擬似連が指定されていなければ(ステップS1501のN)、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動方向を決定するためのテーブルとして、擬似連なし用の変動方向決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択した擬似連なし用の変動方向決定用テーブルを用いて、演出図柄の変動方向を決定するための乱数を用いた抽選処理を行うことによって、演出図柄の変動方向を決定する(ステップS1507)。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS1507で決定した演出図柄の変動方向を、RAMに設けられた変動方向格納領域に格納する(ステップS1508)。
図39は、再変動2回用の変動方向決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図39(A)は、今回の変動表示が大当りとなる場合に選択される再変動2回用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を示している。また、図39(B)は、今回の変動表示がはずれとなる場合に選択される再変動2回用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を示している。図39に示すように、再変動2回用の変動方向決定用テーブルには、初回変動、再変動1回目および再変動2回目の変動方向の組み合わせのパターン(以下、変動方向パターンともいう)として、パターンA〜パターンIが設定されており、それぞれ判定値が割り振られている。
ステップS1504では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより、大当りとなるか否かを判定できる。次いで、演出制御用CPU101は、大当りである場合には、図39(A)に示す再変動2回用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を選択し、大当りでない場合には、図39(B)に示す再変動2回用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を選択する。そして、選択した再変動2回用の変動方向決定用テーブルを用いて乱数にもとづく抽選処理を行うことにより、変動方向パターンとして、パターンA〜パターンIのいずれかを決定する。
図40は、再変動1回用の変動方向決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図40(A)は、今回の変動表示が大当りとなる場合に選択される再変動1回用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を示している。また、図40(B)は、今回の変動表示がはずれとなる場合に選択される再変動1回用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を示している。図40に示すように、再変動1回用の変動方向決定用テーブルには、初回変動および再変動1回目の変動方向の組み合わせのパターン(変動方向パターン)として、パターンJ〜パターンOが設定されており、それぞれ判定値が割り振られている。
ステップS1505では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより、大当りとなるか否かを判定できる。次いで、演出制御用CPU101は、大当りである場合には、図40(A)に示す再変動1回用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を選択し、大当りでない場合には、図40(B)に示す再変動1回用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を選択する。そして、選択した再変動1回用の変動方向決定用テーブルを用いて乱数にもとづく抽選処理を行うことにより、変動方向パターンとして、パターンJ〜パターンOのいずれかを決定する。
図41は、擬似連なし用の変動方向決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図41(A)は、今回の変動表示が大当りとなる場合に選択される擬似連なし用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を示している。また、図41(B)は、今回の変動表示がはずれとなる場合に選択される擬似連なし用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を示している。図41に示すように、擬似連なし用の変動方向決定用テーブルには、演出図柄の変動方向として、縦順方向、縦逆方向および横方向が設定されており、それぞれ判定値が割り振られている。
ステップS1507では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより、大当りとなるか否かを判定できる。次いで、演出制御用CPU101は、大当りである場合には、図41(A)に示す擬似連なし用の変動方向決定用テーブル(大当り時)を選択し、大当りでない場合には、図41(B)に示す擬似連なし用の変動方向決定用テーブル(はずれ時)を選択する。そして、選択した擬似連なし用の変動方向決定用テーブルを用いて乱数にもとづく抽選処理を行うことにより、演出図柄の変動方向として、縦順方向、縦逆方向または横方向のいずれかを決定する。
図41に示すように、この実施の形態では、演出図柄の変動表示が行われるときに、大当りとなる場合には、変動方向が横方向である場合が最も判定値の割り振りが多く、その次に縦逆方向である場合が判定値の割り振りが多く、縦順方向である場合が最も判定値の割り振りが少ない。逆に、はずれとなる場合には、変動方向が縦順方向である場合が最も判定値の割り振りが多く、その次に縦逆方向である場合が判定値の割り振りが多く、横方向である場合が最も判定値の割り振りが少ない。従って、この実施の形態では、変動方向が横方向である場合に大当りに対する期待度(信頼度)が最も高く、変動方向が縦逆方向である場合が大当りに対する期待度(信頼度)が次に高く、変動方向が縦順方向である場合に大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなる。
また、図39に示すように、この実施の形態では、再変動2回の擬似連αが実行される場合、パターンA〜パターンIの各変動方向パターンのうち、パターンIが大当りに対する期待度(信頼度)が最も高くなるように判定値が割り振られており、以下、パターンH、パターンG、・・・の順に徐々に大当りに対する期待度(信頼度)が低くなっていくように判定値が割り振られている。そして、パターンAが大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなっている。
また、図40に示すように、この実施の形態では、再変動1回の擬似連αが実行される場合、パターンJ〜パターンOの各変動方向パターンのうち、パターンOが大当りに対する期待度(信頼度)が最も高くなるように判定値が割り振られており、以下、パターンN、パターンM、・・・の順に徐々に大当りに対する期待度(信頼度)が低くなっていくように判定値が割り振られている。そして、パターンJが大当りに対する期待度(信頼度)が最も低くなっている。
このように、この実施の形態では、擬似連αが実行される場合に初回変動および各再変動の変動方向の組み合わせによって大当りに対する期待度(信頼度)が異なるので、初回変動および各再変動の変動方向の組み合わせに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図41に示したように、変動1回あたりの大当りに対する期待度(信頼度)は、縦順方向<縦逆方向<横方向の順に高くなっていくのであるが、この実施の形態では、図39および図40に示すように、例えば、擬似連αの実行中に横方向の変動が出現したとしても、必ずしも横方向の変動が全く出現しなかった場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるとはかぎらず、逆転するケースも生じうる。例えば、パターンEに従って再変動2回の擬似連αが実行された場合には、再変動1回目および再変動2回目で横方向の変動が行われるのであるが、初回変動、再変動1回目および再変動2回目のいずれにおいても横方向の変動が行われないパターンFの擬似連α(本例では、初回変動、再変動1回目および再変動2回目の全てで縦逆方向の変動が行われる)の方が大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。このように、この実施の形態では、擬似連αが実行される場合には、単に初回変動や各再変動における個別の変動の変動方向ではなく、初回変動および各再変動の変動方向の組み合わせ全体を見て、大当りに対する期待度(信頼度)がどの程度であるかを認識することができる。従って、単に個別の変動の変動方向に注目させるのではなく、初回変動および各再変動の変動方向の組み合わせ全体に注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図39および図40に示すように、この実施の形態では、擬似連αにおけるある再変動の変動方向として、必ず、前回の初回変動または前回の再変動の変動方向と大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるか、または大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるものが選ばれるようにしている。すなわち、擬似連αの実行中に徐々に大当りに対する期待度(信頼度)が低下していくような変動方向の組み合わせとならないように変動方向パターンが設定されている。例えば、初回変動が縦逆方向であれば、必ず再変動1回目が縦逆方向または横方向の変動方向となるようにし、初回変動が横方向であれば、必ず再変動1回目が横方向の変動方向となるように変動方向パターンが設定されている。また、例えば、再変動1回目が縦逆方向であれば、必ず再変動2回目が縦逆方向または横方向の変動方向となるようにし、再変動1回目が横方向であれば、必ず再変動2回目が横方向の変動方向となるように変動方向パターンが設定されている。そのように構成することによって、この実施の形態では、擬似連α中に前回の変動よりも大当りに対する期待度(信頼度)が低い変動方向に低下していくような事態を防止し、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止している。
なお、この実施の形態では、擬似連αが実行される場合の初回変動および各再変動の変動方向を1回の抽選処理で一括して決定する場合を示したが、初回変動および各再変動の変動方向をそれぞれ個別の抽選処理で決定するようにしてもよい。この場合、例えば、先の変動(初回変動または再変動1回目)の変動方向を縦逆方向と決定した場合には、次の変動(再変動1回目または再変動2回目)の変動方向を、縦逆方向または横方向のみが設定されたテーブルを用いた抽選処理を行って決定するようにし、先の変動の変動方向を横方向と決定した場合には、次の変動の変動方向を、横方向のみが設定されたテーブルを用いた抽選処理を行って決定するようにして、大当りに対する期待度(信頼度)が低い変動方向に低下していくことがないようにすればよい。また、例えば、先の変動よりも大当りに対する期待度(信頼度)が低い変動方向を抽選処理で選択した場合には、大当りに対する期待度(信頼度)が同じか高い変動方向が選択されるまで抽選処理を何度も繰り返し実行するように制御してもよい。また、例えば、先の変動の変動方向を横方向と決定した場合には、次の変動の変動方向を強制的に横方向と決定するようにしてもよい。
また、上記のように、初回変動および各再変動の変動方向をそれぞれ個別の抽選処理で決定するように構成する場合、必ずしも、初回変動および各再変動全ての変動方向を演出図柄の変動開始時に決定しなくてもよく、変動方向の決定タイミングとして様々なものが考えられる。例えば、初回変動の変動方向のみ演出図柄の変動開始時に決定し、各再変動の変動方向については、その再変動が開始されるタイミングでそれぞれ決定するように構成してもよい。例えば、1回目の再変動の変動方向は、1回目の再変動を開始するタイミングで決定し、2回目の再変動の変動方向は、2回目の再変動を開始するタイミングで決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、擬似連αを実行するとともに擬似連後にリーチ演出となる場合に、最後の再変動の変動方向のままその後のリーチ演出も行われるものとする(例えば、図39では再変動2回目の変動方向のままその後のリーチ演出も行われ、図40では再変動1回目の変動方向のままその後のリーチ演出お行われる)。なお、図39および図40で決定される最後の再変動の変動方向(図39では再変動2回目の変動方向、図40では再変動1回目の変動方向)は、その最後の再変動の開始からリーチ成立までの変動方向であるものとし、擬似連後のリーチ演出中の変動方向は一律に同じ変動方向(例えば、縦順方向)としてもよい。
また、この実施の形態では、擬似連αの初回変動や各再変動の変更方向や擬似連を実行しない場合の変動方向を演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定する場合を示したが、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定するようにしてもよい。この場合例えば、あらかじめ擬似連αが指定されるとともに初回変動や各再変動の変動方向も指定された変動パターンや、擬似連なしが指定されるとともに変動方向も指定された変動パターンを用意しておき、変動パターンを決定することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で変動方向を決定するように構成してもよい。
図42は、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理を示すフローチャートである。擬似連/リーチ演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンドで示される変動パターンが擬似連を指定するものであるか否かを確認する(ステップS1551)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドにおいて、非リーチPA1−4やノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−8、特殊PG1−3の変動パターン(図6〜図7参照)が指定されているか否かを確認する。擬似連が指定されていれば、演出制御用CPU101は、さらに、指定されている擬似連が擬似連βであるか否かを確認する(ステップS1552)。具体的には、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドにおいて、スーパーPA3−2やスーパーPA3−4、スーパーPA3−6、スーパーPA3−8の変動パターン(図6〜図7参照)が指定されているか否かを確認する。
擬似連βが指定されていれば、演出制御用CPU101は、今回の変動表示において実行する擬似連演出の種類およびスーパーリーチ演出の種類を決定する(ステップS1553)。そして、演出制御用CPU101は、ステップS1553で決定した擬似連演出の種類およびスーパーリーチ演出の種類を、RAMに設けられた擬似連/スーパーリーチ演出種類格納領域に格納する(ステップS1554)。
図43は、擬似連演出の種類およびスーパーリーチ演出の種類を決定するための擬似連/リーチ演出種類決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図43(A)は、今回の変動表示が大当りとなる場合に選択される擬似連/リーチ演出種類決定用テーブル(大当り時)を示している。また、図43(B)は、今回の変動表示がはずれとなる場合に選択される擬似連/リーチ演出種類決定用テーブル(はずれ時)を示している。図43に示すように、この実施の形態では、擬似連演出の種類として擬似連A〜Cの3種類があり、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチA〜Cの3種類がある。そして、図43に示すように、擬似連/リーチ演出種類決定用テーブルには、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせごとに、それぞれ判定値が割り振られている。
ステップS1553では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている変動結果指定コマンドを確認することにより、大当りとなるか否かを判定できる。次いで、演出制御用CPU101は、大当りである場合には、図43(A)に示す擬似連/リーチ演出種類決定用テーブル(大当り時)を選択し、大当りでない場合には、図43(B)に示す擬似連/リーチ演出種類決定用テーブル(はずれ時)を選択する。そして、選択した擬似連/リーチ演出種類決定用テーブルを用いて乱数にもとづく抽選処理を行うことにより、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせを決定する。
なお、この実施の形態では、擬似連A〜CおよびスーパーリーチA〜Cは、登場するキャラクタが異なるだけで演出時間は同じである。この実施の形態では、そのように、擬似連演出およびスーパーリーチ演出の演出時間自体は共通にすることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100側で擬似連演出およびスーパーリーチ演出の種類を選択するように構成しても、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間とにずれが生じないようにしている。
なお、スーパーリーチA〜Cのいずれかによって演出時間が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、あらかじめスーパーリーチA〜Cのいずれを実行するかが指定された変動パターンをそれぞれ用意するようにしておき、変動パターンを決定することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側でスーパーリーチ演出の種類をスーパーリーチA〜Cのいずれとするかを決定するように構成してもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンで指定されているスーパーリーチ演出の種類と、大当りであるか否かとに応じて、スーパーリーチ演出に組み合わせる擬似連演出の種類を擬似連A〜Cのいずれとするかを決定するようにしてもよい。
また、逆に、擬似連A〜Cのいずれかによって演出時間が異なるようにしてもよい。この場合、例えば、あらかじめ擬似連A〜Cのいずれを実行するかが指定された変動パターンをそれぞれ用意するようにしておき、変動パターンを決定することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で擬似連演出の種類を擬似連A〜Cのいずれとするかを決定するように構成してもよい。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンで指定されている擬似連演出の種類と、大当りであるか否かとに応じて、擬似連演出に組み合わせるスーパーリーチ演出の種類をスーパーリーチA〜Cのいずれとするかを決定するようにしてもよい。
図44は、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせと、大当りに対する期待度(信頼度)との関係を示す説明図である。図43に示すように、この実施の形態では、大当りとなる場合には、同じキャラクタが登場する擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせ(本例では、擬似連AとスーパーリーチA、擬似連BとスーパーリーチB、擬似連CとスーパーリーチC)に対して最も多くの判定値(本例では、60個)が割り振られており、逆に、はずれとなる場合には、同じキャラクタが登場する擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせ(本例では、擬似連AとスーパーリーチA、擬似連BとスーパーリーチB、擬似連CとスーパーリーチC)に対して最も少ない判定値(本例では、10個)が割り振られている。従って、この実施の形態では、図44に示すように、同じキャラクタが登場する擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせ(本例では、擬似連AとスーパーリーチA、擬似連BとスーパーリーチB、擬似連CとスーパーリーチC)となる場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が最も高くなる(図44では、「高信頼度」と表現している)。
一方、図43および図44に示すように、異なるキャラクタが登場する擬似連演出の種類とスーパーリーチの組み合わせ(例えば、擬似連AとスーパーリーチB、擬似連CとスーパーリーチB)となる場合には、同じキャラクタが登場する擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせとなる場合よりも、大当りに対する期待度(信頼度)が低くなる。なお、図43において、大当りとなる場合に30個の判定値が割り振られるとともに、はずれとなる場合に30個の判定値が割り振られる組み合わせ(例えば、擬似連AとスーパーリーチB)については、図44において「中信頼度」と表現している。また、図43において、大当りとなる場合に10個の判定値が割り振られるとともに、はずれとなる場合に60個の判定値が割り振られる組み合わせ(例えば、擬似連CとスーパーリーチB)については、図44において「低信頼度」と表現している。
なお、この実施の形態では、擬似連βが指定されている場合には、必要以上に演出と大当りに対する期待度(信頼度)との関係が複雑になることを防止するため、初回変動および各再変動において一律に縦順方向の変動を行うものとする。なお、擬似連βが指定されている場合であっても、縦逆方向や横方向の変動を行うように構成してもよい。
なお、この実施の形態では、擬似連βが実行される場合の擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせを1回の抽選処理で一括して決定する場合を示したが、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類とをそれぞれ個別の抽選処理で決定するようにしてもよい。この場合、例えば、まず、抽選処理により擬似連演出の種類を決定する。そして、例えば、擬似連Aに決定した場合には、大当りであれば、スーパーリーチAに対して最も多くの判定値が割り振られたテーブルを選択して抽選処理を行い、高い割合でスーパーリーチAが決定されるようにすればよい。逆に、はずれであれば、スーパーリーチAに対して最も少ない判定値が割り振られたテーブルを選択して抽選処理を行い、スーパーリーチAが決定される割合が低くなるようにすればよい。
図45は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
なお、擬似連αが指定されている場合や擬似連が指定されていない場合には、ステップS8003の変動方向の決定結果に従って、ステップS8105の処理が実行されることによって、縦順方向、縦逆方向または横方向に演出図柄の変動表示が実行される。また、擬似連βが指定されている場合には、既に説明したように、一律に縦順方向に演出図柄の変動表示が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、擬似連を含む変動パターンを指定する変動パターンコマンドを受信している場合であるか否かを確認する(ステップS8106)。擬似連が実行される場合でなければ、そのままステップS8112に移行する。擬似連が実行される場合であれば、演出制御用CPU101は、特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示させる仮停止タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8107)。なお、仮停止タイミングであるか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することによって判定できる。仮停止タイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、ステップS8002で決定した特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示させる(ステップS8108)。
なお、ステップS8107,S8108では包括的に表現しているが、この実施の形態では、まず左の表示部に仮停止図柄が仮停止され、次に所定時間(例えば1秒)をおいて右の表示部に仮停止図柄が仮停止され、最後に所定時間(例えば1秒)をおいて中の表示部に仮停止図柄が仮停止される。従って、正確には、まずステップS8107で左の表示部の仮停止タイミングであると判定するとステップS8108で左の表示部に仮停止図柄を仮停止し、次にそれ以降のタイマ割込においてステップS8107で右の表示部の仮停止タイミングであると判定するとステップS8108で右の表示部に仮停止図柄を仮停止し、さらにそれ以降のタイマ割込においてステップS8107で中の表示部の仮停止タイミングであると判定するとステップS8108で中の表示部に仮停止図柄を仮停止する。
仮停止図柄の仮停止タイミングでなければ、演出制御用CPU101は、再変動を開始する再変動のタイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8109)。なお、再変動のタイミングであるか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することによって判定できる。再変動のタイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、ステップS8003の変動方向設定処理で決定した変動方向や、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で決定した擬似連演出の種類に応じた再変動用のプロセスデータへの切り替えを行い(ステップSS8110)、プロセスタイマを再スタートする(ステップS8111)。
なお、演出図柄の変動表示中に擬似連が実行される場合には、まず、演出図柄変動開始処理のステップS8005で選択されたプロセスデータに従ってステップS8007,S8105が実行されることによって初回変動が実行される。そして、特殊表示結果(チャンス目図柄)が仮停止表示され(ステップS8108,S8110参照)、再変動が開始されるごとにステップS8110でプロセスデータが切り替えられて、切り替え後のプロセスデータに従ってステップS8105が実行されることによって各再変動が実行される。
ステップS8106で擬似連なしと判定された場合や、ステップS8109で再変動タイミングでなかった場合には、演出制御用CPU101は、ノーマルリーチからスーパーリーチへの発展タイミングとなっているか否かを確認する(ステップS8112)。なお、スーパーリーチへの発展タイミングであるか否かは、具体的には、変動時間タイマの値を確認することによって判定できる。
なお、この実施の形態では、擬似連が実行されるともにスーパーリーチも実行される場合には、擬似連中の全ての再変動を実行した後にノーマルリーチが発生するとともにスーパーリーチの発展タイミングが到来してスーパーリーチへの発展が行われるものとする。従って、擬似連が実行される場合には、全ての再変動タイミングが到来して再変動を実行した後に、ステップS8112でYと判定される場合がある。
スーパーリーチへの発展タイミングとなっていた場合には、演出制御用CPU101は、スーパーリーチ用のプロセスデータへの切り替えを行う(ステップS8113)。この場合、演出制御用CPU101は、擬似連βを実行した後である場合には、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で決定したスーパーリーチ演出の種類に応じたスーパーリーチ用のプロセスデータへの切り替えを行う。なお、この実施の形態では、擬似連αを実行した後や擬似連を実行しない場合にスーパーリーチに発展する場合には、ステップS8113において、演出用CPU101は、一律にスーパーリーチA用のプロセスデータへの切り替えを行うものとする。なお、擬似連αを実行する場合や擬似連を実行しない場合にも、スーパーリーチA〜Cのいずれのスーパーリーチの種類とするかを決定して、決定したスーパーリーチの種類に応じたプロセスデータへの切り替えを行うようにしてもよい。また、例えば、スーパーリーチA〜Cとは異なるスーパーリーチを設けて、その擬似連αや擬似連なし用のスーパーリーチに応じたプロセスデータへの切り替えを行うようにしてもよい。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを再スタートする(ステップS8114)。
なお、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、ステップS8113でスーパーリーチ用のプロセスデータに切り替えられて、以降のタイマ割込において、切り替え後のプロセスデータに従ってステップS8105が実行されることによって、スーパーリーチ演出が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8115)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8116)。
図46は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS871)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS877に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS871で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS872〜S873の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または小当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS872で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873のN)には、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS874)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図34のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS875)。
ステップS872で大当り図柄または小当り図柄を表示する場合には(ステップS873のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS877)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS877のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS878)。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS879)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS880)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS881)。ただし、小当りである場合には、大当りではないのであるから、大当り表示処理(ステップS804)〜大当り終了演出処理(ステップS807)の大当り中の演出を実行するのではなく、ステップS879でセットしたプロセスデータに従って所定の演出期間にわたって小当り遊技に応じた演出を実行し、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理に戻るようにすることが好ましい。
図47は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS902)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS907)、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS910)。
図48は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS971)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中演出(ステップS805参照)またはラウンド後処理(ステップS806参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS979)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS979)。
次に、この実施の形態における擬似連の演出態様の具体例について説明する。まず、擬似連αの演出態様の具体例について説明する。図49は、擬似連αの演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図49において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。また、図49は、一例として、再変動回数2回の擬似連を実行する場合であって、変動方向パターンとしてパターンDを決定した場合の例が示されている。
図49に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって再変動回数2回の擬似連αを伴う変動パターン(図6に示すスーパーPA3−3、図7に示すスーパーPA3−7)が決定され、変動パターンコマンドが送信されるものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、ステップS8002で演出図柄の停止図柄を決定するとともに、1回目および2回目の仮停止図柄としてチャンス目図柄を決定したものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS8003の変動方向設定処理で変動方向パターンとしてパターンDを決定したものとする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図49(1)に示すように、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。この場合、変動方向パターンとしてパターンDが決定されていることにもとづいて、図49(1)に示すように、初回変動において縦順方向の演出図柄の変動が行われる。
次いで、1回目の仮停止タイミングとなると、図49(2)に示すように、1つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図49(2)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、中段の入賞ラインにおいて「223」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、1回目の再変動タイミングとなると、図49(3)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、変動方向パターンとしてパターンDが決定されていることにもとづいて、図49(3)に示すように、1回目の再変動において縦逆方向の演出図柄の変動が行われる。
次いで、2回目の仮停止タイミングとなると、図49(4)に示すように、2つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図49(4)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、左上から右下の入賞ラインにおいて「667」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、2回目の再変動タイミングとなると、図49(5)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、変動方向パターンとしてパターンDが決定されていることにもとづいて、図49(5)に示すように、2回目の再変動において横方向の演出図柄の変動が行われる。
次いで、リーチの発生タイミングとなると、図49(6)に示すように、左右の表示部に同じ図柄が停止表示されてノーマルリーチが発生する。なお、図49(6)では、左上から右下の入賞ラインにおいて左右が「7」の図柄で停止するとともに、左下から右上の入賞ラインにおいて左右が「6」の図柄で停止するダブルリーチが発生した場合が示されている。
擬似連αが実行される場合、図49に示すような態様で、決定した変動方向パターンに応じて初回変動および各再変動において縦順方向や縦逆方向、横方向の変動が行われる。なお、図49に示す例では、一例として、再変動回数2回且つ変動方向パターンとしてパターンDを用いる場合が示されているが、再変動回数1回や、他の変動方向パターンを用いる場合も、同様の態様で、決定した変動方向パターンに応じた変動が行われる。
次に、擬似連βの演出態様の具体例について説明する。図50および図51は、擬似連βの演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図50および図51において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。また、図50は、一例として、再変動回数2回の擬似連を実行する場合であって、擬似連演出の種類として擬似連Aを実行し、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチAを実行する場合の例が示されている。また、図51は、一例として、再変動回数2回の擬似連を実行する場合であって、擬似連演出の種類として擬似連Aを実行し、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチCを実行する場合の例が示されている。
まず、図50を用いて、擬似連演出の種類として擬似連Aを実行し、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチAを実行する場合を説明する。図50に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって再変動回数2回の擬似連βを伴う変動パターン(図6に示すスーパーPA3−4、図7に示すスーパーPA3−8)が決定され、変動パターンコマンドが送信されるものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、ステップS8002で演出図柄の停止図柄を決定するとともに、1回目および2回目の仮停止図柄としてチャンス目図柄を決定したものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で擬似連演出の種類として擬似連Aを決定するとともに、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチAを決定したものとする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図50(1)に示すように、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。なお、擬似連βが実行される場合には、図50(1)に示すように、初回変動において一律に縦順方向の演出図柄の変動が行われるものとする。
次いで、1回目の仮停止タイミングとなると、図50(2)に示すように、1つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図50(2)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、中段の入賞ラインにおいて「223」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、1回目の再変動タイミングとなると、図50(3)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、擬似連演出の種類として擬似連Aが決定されていることにもとづいて、図50(3)に示すように、1回目の再変動において、キャラクタAが登場するとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
次いで、2回目の仮停止タイミングとなると、図50(4)に示すように、2つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図50(4)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、左上から右下の入賞ラインにおいて「667」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、2回目の再変動タイミングとなると、図50(5)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、擬似連演出の種類として擬似連Aが決定されていることにもとづいて、図50(5)に示すように、2回目の再変動においても、キャラクタAが登場するとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
なお、1回目の再変動で登場するキャラクタと2回目の再変動で登場するキャラクタとを異ならせてもよい。例えば、1回目の再変動ではキャラクタCを表示し、2回目の変動ではキャラクタAを表示するようにしてもよい。なお、このように、1回目の再変動と2回目の再変動とで表示するキャラクタを異ならせる場合、例えば、最後に登場したキャラクタとスーパーリーチ演出との組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)がどの程度であるか認識できるように構成すればよい。
次いで、リーチの発生タイミングとなると、図50(6)に示すように、左右の表示部に同じ図柄が停止表示されてノーマルリーチが発生する。なお、図50(6)では、中段の入賞ラインにおいて左右が「7」の図柄で停止してノーマルリーチ(シングルリーチ)が発生した場合が示されている。
次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図50(7)に示すように、「スーパーリーチ!!」などの文字列が表示されて、スーパーリーチ演出が開始される(ステップS8112〜S8114,S8105参照)。そして、スーパーリーチの種類としてスーパーリーチAが決定されていることにもとづいて、図50(8)に示すように、キャラクタAが登場する態様の演出が実行されるとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
次に、図51を用いて、擬似連演出の種類として擬似連Aを実行し、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチCを実行する場合を説明する。図51に示す例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって再変動回数2回の擬似連βを伴う変動パターン(図6に示すスーパーPA3−4、図7に示すスーパーPA3−8)が決定され、変動パターンコマンドが送信されるものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて、ステップS8002で演出図柄の停止図柄を決定するとともに、1回目および2回目の仮停止図柄としてチャンス目図柄を決定したものとする。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で擬似連演出の種類として擬似連Aを決定するとともに、スーパーリーチ演出の種類としてスーパーリーチCを決定したものとする。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図51(1)に示すように、左中右の演出図柄の変動表示を開始する。なお、擬似連βが実行される場合には、図51(1)に示すように、初回変動において一律に縦順方向の演出図柄の変動が行われるものとする。
次いで、1回目の仮停止タイミングとなると、図51(2)に示すように、1つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図51(2)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、中段の入賞ラインにおいて「223」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、1回目の再変動タイミングとなると、図51(3)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、擬似連演出の種類として擬似連Aが決定されていることにもとづいて、図51(3)に示すように、1回目の再変動において、キャラクタAが登場するとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
次いで、2回目の仮停止タイミングとなると、図51(4)に示すように、2つ目の特殊表示結果(チャンス目図柄)を仮停止表示する(ステップS8107,S8108参照)。図51(4)に示す例では、特殊表示結果(チャンス目図柄)として、左上から右下の入賞ラインにおいて「667」となる図柄の組合せが仮停止表示される場合が示されている。
次いで、2回目の再変動タイミングとなると、図51(5)に示すように、演出図柄の変動が再び開始される(ステップS8109〜S8111,S8105参照)。この場合、擬似連演出の種類として擬似連Aが決定されていることにもとづいて、図51(5)に示すように、2回目の再変動においても、キャラクタAが登場するとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
なお、1回目の再変動で登場するキャラクタと2回目の再変動で登場するキャラクタとを異ならせてもよい。例えば、1回目の再変動ではキャラクタCを表示し、2回目の変動ではキャラクタAを表示するようにしてもよい。なお、このように、1回目の再変動と2回目の再変動とで表示するキャラクタを異ならせる場合、例えば、最後に登場したキャラクタとスーパーリーチ演出との組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)がどの程度であるか認識できるように構成すればよい。
次いで、リーチの発生タイミングとなると、図51(6)に示すように、左右の表示部に同じ図柄が停止表示されてノーマルリーチが発生する。なお、図51(6)では、中段の入賞ラインにおいて左右が「7」の図柄で停止してノーマルリーチ(シングルリーチ)が発生した場合が示されている。
次いで、スーパーリーチへの発展タイミングとなると、図51(7)に示すように、「スーパーリーチ!!」などの文字列が表示されて、スーパーリーチ演出が開始される(ステップS8112〜S8114,S8105参照)。そして、スーパーリーチの種類としてスーパーリーチCが決定されていることにもとづいて、図51(8)に示すように、キャラクタCが登場する態様の演出が実行されるとともに、演出表示装置9の表示画面の左上に演出図柄の変動の縮小表示が行われる。ただし、この実施の形態では、一律に縦順方向の演出図柄の変動の縮小表示が行われるものとする。
擬似連βが実行される場合、図50および図51に示すような態様で、決定した擬似連演出の種類およびスーパーリーチ演出の種類に応じて擬似連およびスーパーリーチ演出が実行される。なお、図50および図51に示す例では、一例として、再変動回数2回、且つ擬似連AとスーパーリーチAとの組み合わせ、または擬似連AとスーパーリーチCとの組み合わせが実行される場合を示したが、再変動回数1回や、その他の擬似連の種類とスーパーリーチ演出との組み合わせが実行される場合も、同様の態様で変動表示が実行される。
また、図50および図51に示す例では、擬似連βが実行される場合に、1回目の再変動からキャラクタA〜Cが登場する場合を示したが、このような形態にかぎらず、例えば、初回変動からキャラクタA〜Cを表示するようにしてもよい。
なお、各擬似連演出や各スーパーリーチ演出の演出態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、各擬似連演出や各スーパーリーチ演出として、背景画面が所定の風景となるような演出を実行したり、所定の図形が登場するような演出を実行してもよい。例えば、擬似連AとスーパーリーチAの組み合わせが実行される場合、擬似連AとスーパーリーチAとで共通の海の風景の背景画面が表示されるような演出を実行してもよい。また、例えば、大当りに対する期待度(信頼度)が高い組み合わせ(例えば、擬似連AとスーパーリーチAとの組み合わせ)の場合に、共通のキャラクタや共通の背景画面となるような演出を実行する場合にかぎらず、何らかの関連性を連想させるような態様の演出を実行するようにしてもよい。例えば、擬似連Aでは海の風景の背景画面となるような演出を実行した後に、スーパーリーチAでは水着を着たキャラクタが登場するような演出を実行してもよく、様々な演出の態様が考えられる。
また、この実施の形態では、擬似連演出の種類として擬似連中に異なるキャラクタA〜Cが登場するものを示したが、例えば、擬似連演出の種類として、擬似連中の変動方向を異ならせたものを用いるようにしてもよい。例えば、擬似連演出の種類として、擬似連中に縦順方向に変動する擬似連Aと、擬似連中に縦逆方向に変動する擬似連Bと、擬似連中に横方向に変動する擬似連Cとが存在するようにしてもよい。そして、この実施の形態と同様の処理に従って、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせを決定することにより、擬似連中の変動方向と発展するスーパーリーチとの組み合わせに応じて、大当りに対する期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、擬似連において、初回変動および各再変動の変動方向を、複数種類の変動方向(本例では、縦順方向、縦逆方向、横方向)の中から決定する。そして、擬似連の実行中に複数回実行される変動における変動方向の組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる。そのため、擬似連において複数の変動が実行される場合に変動方向の組み合せに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、擬似連演出を演出態様が異なる複数種類の演出(本例では、擬似連A〜C)の中から決定するとともに、リーチ演出を演出態様が異なる複数種類のリーチ演出(本例では、スーパーリーチA〜C)の中から決定する。そして、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる。そのため、複数の変動を実行する擬似連演出と、その後に実行されるスーパーリーチ演出との組み合せに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、擬似連を実行する場合の変動方向や、擬似連演出の種類とスーパーリーチ演出の種類とを組み合わせる場合を示したが、複数の変動を伴う演出であれば、擬似連にかぎらず、例えば、先読み予告演出を行う場合に、この実施の形態で示した構成を適用してもよい。「先読み予告演出」とは、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する予告演出である。ここで、先読み予告演出として、予告対象の変動表示が開始される以前に実行される複数回の変動表示において、例えば、最終停止図柄としてチャンス目図柄を連続して停止表示させるような連続演出が実行されるものとする。
先読み予告演出として連続演出を実行する場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞口13,14を遊技球が始動入賞したときに、抽出したランダムRやランダム1〜2にもとづいて、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別を判定する処理を実行し(始動時判定手段)、その判定結果を示す入賞時判定結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する入賞時判定処理を実行する。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図17に示した始動口スイッチ通過処理において、ステップS215,S221を実行して各ソフトウェア乱数値やランダムRを抽出した後に入賞時判定処理を実行し、あらかじめ大当りとなるか否かや、大当り種別、変動パターン種別を判定して、その判定結果を示す入賞時判定結果コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信すればよい。
なお、入賞時判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否かを確認するようにし(例えば、確変フラグがセットされているか否かを確認し)、確変状態であれば、図9(A)の右欄の確変時大当り判定テーブルを用いて、大当りとなるか否かを判定するようにしてもよい。
また、入賞時判定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)ランダムRを用いた大当りとなるか否かの判定と、(2)ランダム1を用いた大当り種別の判定と、(3)ランダム2を用いた変動パターン種別とのいずれか1つのみを実行してもよいし、(1)〜(3)のうちのいずれか2つのみの判定を実行してもよい。また、(1)〜(3)の全ての判定を実行してもよい。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入賞時判定結果コマンドを受信すると、受信した入賞時判定結果コマンドで示される判定結果にもとづいて、先読み予告演出を実行するか否かや、実行する先読み予告演出の種類を決定する先読み予告決定処理を実行する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、図29〜図32に示すコマンド解析処理において、入賞時判定結果コマンドを受信したか否かを確認する処理を行うとともに、入賞時判定結果コマンドを受信していれば、そのコマンド受信のタイミングでコマンド解析処理において先読み予告決定処理を実行して、先読み予告演出の有無や種類を決定する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、例えば、コマンド受信時のコマンド解析処理では、受信した入賞時判定結果コマンドを格納する処理のみを行い、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、図35に示す演出図柄変動開始処理において、格納されている入賞時判定結果コマンドにもとづいて先読み予告決定処理を実行して、先読み予告演出の有無や種類を決定するようにしてもよい。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み予告決定処理の決定結果にもとづいて、例えば、図35に示す演出図柄変動開始処理のステップS8005で先読み予告演出に応じたプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルに従ってステップS8007の処理や図45に示す演出図柄変動中処理のステップS8105の処理を実行することによって、その始動入賞時の判定対象となった演出図柄の変動表示が開始される以前に、複数の変動表示において先読み予告演出として連続演出を実行する(特定演出実行手段)。
上記のように、先読み予告演出として連続演出を実行するように構成する場合に、この実施の形態と同様の構成を適用して、例えば、先読み予告決定処理において、図38に示した変動方向設定処理と同様の処理を実行して、先読み予告演出中の各変動表示の変動方向を、複数種類の変動方向(例えば、この実施の形態と同様に、縦順方向、縦逆方向、横方向)の中から決定する(可変表示方向決定手段)。そして、先読み予告演出の実行中に複数回実行される変動における変動方向の組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なるようにすればよい。そのように構成すれば、先読み予告演出において複数の変動が実行される場合に変動方向の組み合せに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、上記のように、先読み予告演出として連続演出を実行するように構成する場合に、この実施の形態と同様の構成を適用して、例えば、先読み予告決定処理において、図42に示した擬似連/リーチ演出設定処理と同様の処理を実行して、先読み予告演出を演出態様が異なる複数種類の演出(例えば、先読み予告演出の種類として、先読み予告A〜Cをあらかじめ用意しておく)の中から決定するとともに、リーチ演出を演出態様が異なる複数種類のリーチ演出(例えば、この実施の形態と同様に、スーパーリーチA〜C)の中から決定する。そして、先読み予告演出の種類とスーパーリーチ演出の種類との組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なるように構成すればよい。そのように構成すれば、複数の変動表示において実行される先読み予告演出と、その後に実行されるスーパーリーチ演出との組み合せに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、大当りと決定されているか否かに応じて異なる選択割合で変動方向を決定する。そして、変動方向の組合せを決定する場合に、後に実行される変動が、先に実行される変動と比較して、大当りに対する期待度度(信頼度)が同程度または高くなるように変動方向を決定する。そのため、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止することができる。
また、この実施の形態によれば、擬似連において再変動回数が同じ回数であっても、擬似連演出とスーパーリーチ演出との組み合わせによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる。そのため、再変動回数が同じ回数であっても大当りに対する期待度(信頼度)が異なるケースを設けることができるので、擬似連演出と、その後に実行されるスーパーリーチ演出との組み合せにさらに注目させることができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
実施の形態2.
第1の実施の形態で示した構成に加えて、さらに、演出図柄の変動表示中に予告演出を実行可能に構成してもよい。以下、予告演出も実行可能に構成した第2の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図52は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、ステップS8001〜S8004の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
擬似連/リーチ演出設定処理(ステップS8004)を実行すると、演出制御用CPU101は、予告演出の有無を決定するとともに、予告演出の態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8004A)。次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンや、ステップS8003で設定した変動方向、ステップS8004Aで決定した予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8005A)。
なお、この実施の形態では、後述するように、ステップS8004Aの予告演出設定処理においてステップアップ予告演出および一発告知予告演出の設定が行われるのであるが、擬似連を伴わない演出図柄の変動表示を行う場合には、ステップS8005Aにおいて、演出制御用CPU101は、予告演出設定処理の設定内容に応じて、ステップアップ予告演出や一発告知予告演出を実行するように設定されたプロセステーブルを選択する場合がある。また、擬似連を伴う演出図柄の変動表示を行う場合であれば、初回変動でステップアップ予告演出を実行することに決定されていれば、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出を実行するように設定されたプロセステーブルを選択する(なお、再変動でステップアップ予告演出を実行することに決定されている場合には、後述するステップS8110A,S8110Bでステップアップ予告演出を実行するように設定されたプロセスデータへの切り替えが行われて再変動が行われる)。また、擬似連を伴う演出図柄の変動表示を行う場合、この実施の形態では、最終の再変動でのみ一発告知予告演出を行う場合があるので、ステップS8005Aでは、一発告知予告演出を実行するように設定されたプロセステーブルを選択することはない。
なお、ステップS8006〜S8009の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
図53は、第2の実施の形態におけるステップS8004Aの予告演出設定処理を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、演出図柄の変動表示中にステップアップ予告演出を実行するか否かを決定するとともに、実行するステップアップ予告演出の種類を決定する(ステップS1601)。
なお、「ステップアップ予告演出」とは、予め定められた順番に従って1段階目の演出から複数段階目の演出までの複数の演出を段階的に行う予告演出である。この実施の形態では、後述するように、ステップごとに異なるキャラクタが登場する演出が実行され、1段階目のステップ1(SU1)の演出から最大で5段階目のステップ5(SU5)の演出までが実行される場合がある。また、ステップアップ予告演出は、必ずしも5段階目のステップ5(SU5)の演出までが実行されるとはかぎらず、1段階目のステップ1(SU1)の演出だけで終わってしまう場合や、2段階目のステップ2(SU2)の演出まで継続して終わる場合、3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続して終わる場合など、複数の態様がある。なお、ステップアップ予告演出が実行される場合、多くの段階目のステップの演出まで継続する程、大当りに対する期待度が高くなる。
また、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に擬似連が実行される場合には、その初回変動や各再変動ごとに個別にステップアップ予告演出を実行可能である。例えば、初回変動と1回目の再変動とで両方ともステップアップ予告演出を実行することに決定した場合には、初回変動でステップ1からステップ3までの演出を実行した後に特殊表示結果(チャンス目図柄)が仮停止表示されたことによりステップアップ予告演出を一旦終了し、1回目の再変動において再びステップ1からステップアップ予告演出が開始される。
従って、この実施の形態では、擬似連が指定されている場合には、ステップS1601において、演出制御用CPU101は、初回変動および各再変動ごとに、ステップアップ予告演出を実行するか否かを決定するとともに、実行するステップアップ予告演出の種類を決定する。
なお、擬似連が指定されている場合、初回変動および各再変動の全てでステップアップ予告演出を実行することに決定されるとはかぎらず、例えば、間欠的にステップアップ予告演出が実行される場合もある。すなわち、例えば、初回変動においてステップアップ予告演出が実行された後に、1回目の再変動ではステップアップ予告演出が出現せず、2回目の再変動において再びステップアップ予告演出がステップ1から実行される場合もある。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS1602)。ステップアップ予告演出を実行することに決定している場合には、演出制御用CPU101は、ステップS1601で決定したステップアップ予告演出の有無およびステップアップ予告演出の種類を、RAMに設けられたステップアップ予告決定結果格納領域に格納する(ステップS1603)。
図54は、第2の実施の形態におけるステップアップ予告演出を決定するためのステップアップ予告決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図54(A)は、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられるステップアップ予告決定用テーブルである。また、図54(B)は、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられるステップアップ予告決定用テーブルである。
図54において、「ステップアップ予告演出なし」とは、ステップアップ予告演出を実行しないことに決定することを示している。また、「SU1」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出のみで終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から2段階目のステップ2(SU2)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2→SU3」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
また、「SU1→SU2→SU3→SU4−1」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から4段階目のステップ4−1(SU4−1)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、この実施の形態では、4段階目の演出として、ステップ4−1(SU4−1)とは別に設けられた分岐ステップ4−2(SU4−2)がある。図54において、「SU1→SU2→SU3→SU4−2」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目でステップ4−2(SU4−2)の演出に分岐し、その4段階目の分岐ステップ4−2(SU4−2)の演出で終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
また、「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から最大の5段階目のステップ5(SU5)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目でステップ4−2(SU4−2)の演出に分岐し、その後さらに5段階目のステップ5(SU5)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
図54に示すように、1ステップのみのステップアップ予告演出である「SU1」は、大当り時の割振数が5個で、はずれ時の割振数が20個であるのに対して、2ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2」は、大当り時の割振数が10個と多く、はずれ時の割振数が15個と少なくなっている。従って、この実施の形態では、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、1ステップのみのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。また、3ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3」は、大当り時の割振数が20個とさらに多く、はずれ時の割振数が10個とさらに少なくなっている。従って、この実施の形態では、3ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、4ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3→SU4−1」や「SU1→SU2→SU3→SU4−2」は、大当り時の割振数の合計数が20個+5個=25個とさらに多く、はずれ時の割振数の合計数が4個+1個=5個とさらに少なくなっている。従って、この実施の形態では、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、3ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
さらに、5ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」や「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」は、はずれ時の割振数の合計数が5個+0個=5個と4ステップのステップアップ予告演出と同じであるものの、大当り時の割振数の合計数が30個+5個=35個とさらに多くなっている。従って、この実施の形態では、5ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
ステップS1601では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図54(A)に示す大当り用のステップアップ予告決定用テーブルを選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図54(B)に示すはずれ用のステップアップ予告決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択したステップアップ予告決定用テーブルを用いて、ステップアップ予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、ステップアップ予告演出の有無、および実行するステップアップ予告演出の種類を決定する。
図55は、ステップアップ予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図55において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を実行する場合を説明する。この場合、演出図柄の変動表示が開始され、ステップアップ予告演出の開始タイミングとなると、まず、図55(1)に示すように、キャラクタ301が登場して1段階目のステップ1(SU1)の演出が実行される。次いで、ステップの切替タイミングとなると、図55(2)に示すように、別のキャラクタ302が登場して2段階目のステップ2(SU2)の演出が実行される。次いで、ステップの切替タイミングとなると、図55(3)に示すように、さらに別のキャラクタ303が登場して3段階目のステップ3(SU3)の演出が実行される。次いで、ステップの切替タイミングとなると、図55(4−1)に示すように、さらに別のキャラクタ304が登場して4段階目のステップ4−1(SU4−1)の演出が実行される。そして、最後のステップの切替タイミングとなると、図55(5)に示すように、さらに別のキャラクタ305が登場して5段階目のステップ5(SU5)の演出が実行される。
なお、この実施の形態では、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目で分岐ステップの演出に分岐する場合がある。この場合、図55(3)に示すステップ3(SU3)の演出を実行した後、ステップの切替タイミングとなると、図55(4−2)に示すように、キャラクタ304とは別のキャラクタ306が登場して分岐ステップであるステップ4−2(SU4−2)の演出が実行される。そして、最後のステップの切替タイミングとなると、図55(5)に示すように、キャラクタ305が登場して5段階目のステップ5(SU5)の演出が実行される。
なお、上記の説明では、1段階目の演出から5段階目の演出までの全てが実行される場合を示したが、例えば、4ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図55(1)に示す態様の演出から開始して、図55(4−1)または図55(4−2)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、3ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図55(1)に示す態様の演出から開始して、図55(3)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、2ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図55(1)に示す態様の演出から開始して、図55(2)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、1ステップのみのステップアップ予告演出を実行する場合には、図55(1)に示す態様の演出のみを実行して、ステップアップ予告演出を終了する。
また、この実施の形態では、擬似連が実行される場合に、初回変動や各再変動ごとに図55に示すようなステップアップ予告演出が実行される場合がある。この実施の形態では、例えば、擬似連αが実行される場合にステップアップ予告演出も実行される場合には、演出図柄の変動表示を演出表示装置9の表示画面の左上に縮小表示することによって、擬似連αの演出内容とステップアップ予告演出の演出内容とが重ならないようにする。また、例えば、擬似連βが実行される場合にステップアップ予告演出も実行される場合には、演出図柄の変動表示を演出表示装置9の表示画面の左上に縮小表示するとともに、擬似連A〜Cに登場するキャラクタA〜Cを縮小表示したり、ステップアップ予告演出の間だけ消去することによって、擬似連βの演出内容とステップアップ予告演出の演出内容とが重ならないようにする。
なお、この実施の形態では、初回変動および各再変動ごとのステップアップ予告演出を演出図柄の変動開始時に一括して決定する場合を示しているが、ステップアップ予告演出の決定タイミングは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出図図柄の変動開始時には初回変動のステップアップ予告演出の決定のみを行い、各再変動において実行するステップアップ予告演出については、その再変動を開始するタイミングでそれぞれ決定するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する(ステップS1604)。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りであれば、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に一発告知予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS1605)。
なお、「一発告知予告演出」とは、演出図柄の停止図柄が停止表示される前に大当りが確定することを予告する予告演出である。この実施の形態では、一発告知予告演出は、例えば、スピーカ27から所定の効果音を出力したり、枠LED28などのランプ/LEDを所定の点灯/点滅パターンで点灯/点滅させることによって実行される。なお、一発告知予告演出の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、演出表示装置9の表示画面に「大当り確定」などの文字列を表示させたり、所定のキャラクタや図形を表示することによって実行してもよい。
また、一発告知予告演出は、1回の演出図柄の変動表示中に1回だけ実行される。この実施の形態では、擬似連を伴う変動表示中に一発告知予告演出が実行される場合には、最終の再変動において一発告知予告演出が実行され、初回変動や最終変動以外の再変動では一発告知予告演出が実行されることはない。
なお、この実施の形態において、「1回の演出図柄の変動表示」とは、1つの保留記憶に対して、演出図柄の変動表示を開始してから、擬似連が指定されている場合には仮停止図柄(チャンス目図柄)の全ての仮停止および全ての再変動を経由して、演出図柄の最終停止図柄を最終停止表示するまでの期間を指す。従って、擬似連における初回変動や各再変動の開始から仮停止図柄の仮停止までの期間などは、1回の演出図柄の変動表示の概念には含まれない。
ステップS1605では、演出制御用CPU101は、一発告知予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、一発告知予告演出を実行するか否かを決定する。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、例えば、50パーセントの割合で一発告知予告演出を実行することに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、一発告知予告演出を実行することに決定したか否かを確認する(ステップS1606)。一発告知予告演出を実行することに決定している場合には、演出制御用CPU101は、一発告知予告演出を実行することを示す一発告知予告フラグをセットする(ステップS1607)。
図56は、第2の実施の形態における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄変動中処理において、ステップS8101〜S8109の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
ステップS8109で再変動のタイミングとなっていれば、演出制御用CPU101は、今回再変動のタイミングが到来した再変動が最終の再変動であるか否かを確認する(ステップS8109A)。具体的には、再変動回数1回の擬似連が指定されていた場合であれば(非リーチPA1−4、ノーマルPB2−1、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、ノーマルPB2−2、スーパーPA3−5〜スーパーPA3−6、特殊PG1−3の変動パターンが指定されている場合であれば)、1回目の再変動のタイミングが到来したか否かを確認する。また、再変動回数2回の擬似連が指定されていた場合であれば(スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPA3−7〜スーパーPA3−8の変動パターンが指定されている場合であれば)、2回目の再変動のタイミングが到来したか否かを確認する。
最終の再変動であれば、演出制御用CPU101は、一発告知予告フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8109B)。一発告知予告フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS8003の変動方向設定処理で決定した変動方向や、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で決定した擬似連演出の種類、ステップS8004の予告演出設定処理で決定したステップアップ予告演出および一発告知予告演出に応じた再変動用のプロセスデータへの切り替えを行う(ステップSS8110A)。一方、最終の再変動でない場合(ステップS8109AのN)や一発告知予告フラグがセットされていない場合(ステップS8109BのN)には、演出制御用CPU101は、ステップS8003の変動方向設定処理で決定した変動方向や、ステップS8004の擬似連/リーチ演出設定処理で決定した擬似連演出の種類、ステップS8004の予告演出設定処理で決定したステップアップ予告演出に応じた再変動用のプロセスデータへの切り替えを行う(ステップSS8110B)。そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマを再スタートする(ステップS8111)。
ステップS8109〜S8111の処理が実行されることにより、ステップS8110A,S8110Bで切り替えられた後のプロセスデータに従ってステップS8105が実行され、第1の実施の形態と同様の態様で各再変動が実行されるとともに、再変動ごとにステップアップ予告演出が実行される場合がある。また、擬似連が実行される場合には、最終の再変動においてのみ一発告知予告演出が実行される場合がある。
なお、ステップS8112〜S8116の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、再変動を実行するごとに開始しなおすステップアップ予告演出を実行可能であるとともに、1回の演出図柄の変動表示(1つの保留記憶に対して、演出図柄の変動表示を開始してから演出図柄の最終停止図柄を最終停止表示するまでの期間)中に、ステップアップ予告演出とは異なる一発告知予告演出を1回のみ実行可能である。そのため、1度実行すれば足りる演出を繰り返し実行して却って演出が煩わしくなってしまうような事態を防止し、興趣の低下を防止しつつ複数種類の演出を実行することができる。
なお、この実施の形態では、初回変動や各再変動ごとに実行可能な予告演出としてステップアップ予告演出を決定し、1回の演出図柄の変動表示中に1回だけ実行可能な予告演出として一発告知予告演出を実行する場合を示したが、予告演出は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、初回変動や各再変動ごとに実行可能な予告演出としてミニキャラ予告演出を決定したり、1回の演出図柄の変動表示中に1回だけ実行可能な予告演出として先読み予告演出(例えば、連続演出の態様の先読み予告演出)を決定したりしてもよい。
なお、例えば、一発告知予告演出は出現した時点で大当りが確定することを認識できる予告演出であるので、擬似連において初回変動や再変動ごとに毎回一発告知予告演出が実行されると、却って遊技者に煩わしく感じさせたり、既に大当り確定を認識しているにもかかわらず派手な演出態様で一発告知予告演出が繰り返されると、却って遊技に対する興趣を低下させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、1回の演出図柄の変動表示中に一発告知予告演出を1回だけ実行可能に構成することによって、そのように演出が煩わしくなることを防止し、遊技に対する興趣の低下を防止しつつ複数種類の演出を実行可能にしている。
また、例えば、先読み予告演出として連続演出を実行可能に構成した遊技機に適用する場合を想定すると、そのような遊技機では、一般に、先読み予告演出としての連続演出が多くの変動表示において連続して行われる程、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなるように構成される。そのように構成された遊技機において、予告対象となる変動表示より以前の各変動表示において擬似連が実行される場合に、それらの擬似連において初回変動や再変動ごとに先読み予告演出として連続演出を実行してしまうと、同じ演出が何度も繰り返される煩わしさに加えて、想定以上に先読み予告演出が繰り返し実行されることにより大当りに対する期待度(信頼度)を正しく認識できなくなってしまうおそれがある。そこで、予告対象となる変動表示より以前の各変動表示において、1回の演出図柄の変動表示中に先読み予告演出を1回だけ実行可能に構成することによって、そのように演出が煩わしくなることを防止し、先読み予告演出が想定以上に繰り返し実行されることを防止して、大当りに対する期待度(信頼度)を正しく認識できなくなる事態を防止している。また、遊技に対する興趣の低下を防止しつつ複数種類の演出を実行可能にしている。
実施の形態3.
第1の実施の形態では、演出図柄の変動表示中に擬似連を実行する場合、再変動を行った後にリーチが発生する場合を示したが、リーチの発生タイミングは、第1の実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、再変動の前にリーチが発生する場合があるように構成してもよい。以下、再変動の前にリーチが発生する場合がある第3の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図57および図58は、第3の実施の形態における演出図柄の変動パターンを示す説明図である。また、図59は、第3の実施の形態における当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。さらに、図60は、第3の実施の形態におけるはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。図57〜図60に示すように、この実施の形態では、第1の実施の形態で用いた変動パターンに加えて、はずれ用の変動パターンとしてノーマルPD2−1が加えられ、大当り用の変動パターンとしてノーマルPD2−2が加えられている。
ノーマルPD2−1は、再変動回数1回の擬似連αを伴うはずれ用の変動パターンである。ノーマルPD2−1の変動パターンを用いて演出図柄の変動表示が行われる場合、まず、初回変動で左右の演出図柄が同じ図柄で仮停止してノーマルリーチが発生する。次いで、ノーマルリーチ発生後、例えば、中の演出図柄を左右と同じ図柄で仮停止させた後、右の図柄を1つ滑らせてチャンス目図柄が仮停止した状態とし、その後、再変動を開始する。そして、その再変動の後に再び左右の演出図柄が同じ図柄で停止してノーマルリーチを発生させ、最終的にリーチはずれ図柄を最終停止表示させる。
また、ノーマルPD2−2は、再変動回数1回の擬似連αを伴う大当り用の変動パターンである。ノーマルPD2−2の変動パターンを用いて演出図柄の変動表示が行われる場合、まず、初回変動で左右の演出図柄が同じ図柄で仮停止してノーマルリーチが発生する。次いで、ノーマルリーチ発生後、例えば、中の演出図柄を左右と同じ図柄で仮停止させた後、右の図柄を1つ滑らせてチャンス目図柄が仮停止した状態とし、その後、再変動を開始する。そして、その再変動の後に再び左右の演出図柄が同じ図柄で停止してノーマルリーチを発生させ、最終的に大当り図柄を最終停止表示させる。
以上のように、この実施の形態では、ノーマルPD2−1やノーマルPD2−2の変動パターンが決定された場合には、再変動の前にノーマルリーチが発生する場合がある。そのように、一度ノーマルリーチが発生した後に擬似連が始まるようなケースを設けるようにすることによって、擬似連が実行される場合の遊技に対する興趣をより向上させている。
ただし、リーチが発生した後に擬似連が発生した場合に、その擬似連の後にリーチが発生しない(いわゆる擬似連ガセ)ように構成してしまうと、リーチとなって大当りに対する遊技者の期待感を一旦高めた後に、擬似連を経てリーチが消滅してしまうことにより、遊技者を却って落胆させてしまうことになる。そこで、この実施の形態では、再変動の前にリーチを発生させる場合には、擬似連の後に必ず再びリーチを発生するようにし、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止している。例えば、図57に示す例では、非リーチPA1−4の変動パターンは、擬似連後にリーチとならない擬似連ガセの変動パターンであるが、この実施の形態では、そのように擬似連後にリーチとならない場合には擬似連前もリーチとなる場合がないように変動パターンを構成することによって、リーチ後のタイミングで擬似連ガセを行うことに決定される場合がないようにしている。
なお、この実施の形態では、初回変動でノーマルリーチを発生させた後、チャンス目図柄を仮停止表示させてから再変動を行う場合を示したが、このような再変動の態様にかぎらず、例えば、リーチはずれ図柄を仮停止表示させてから再変動を行うように構成してもよい。また、例えば、ノーマルリーチを発生させた後、全部または一部の図柄を仮停止させることなく、そのまま再変動に移行するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、ノーマルリーチを発生させた後に再変動を1回だけ行う場合を示したが、ノーマルリーチを発生させた後に再変動を2回以上行うようにしてもよい。また、この実施の形態では、再変動の後に再びノーマルリーチのみを発生させる場合を示したが、再変動の後に再びノーマルリーチを発生させた後にさらにスーパーリーチに発展させるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、あらかじめ用意される変動パターンが異なるだけで、遊技制御用マイクロコンピュータ560および演出制御用マイクロコンピュータ100が実行する処理内容自体は、第1の実施の形態で示したものと同様である。従って、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、ステップS301の変動パターン設定処理を実行して変動パターンを決定するとともに変動パターンコマンドを送信する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1の実施の形態と同様の処理に従って、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理〜ステップS803の演出図柄変動停止処理を実行して、演出図柄の変動表示を実行する。そして、そのような処理が実行されることにより、ノーマルPD2−1やノーマルPD2−2の変動パターンが指定された場合であれば、初回変動でノーマルリーチが発生した後に再変動が実行され、さらに、その後に再びノーマルリーチが発生するような演出が実行される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、擬似連を実行した後にリーチ演出を実行する場合、リーチ状態となった後のタイミングで再変動を実行可能である一方で、擬似連を実行した後にリーチ演出を実行しない場合、リーチ状態となった後のタイミングでは再変動を実行しないように構成されている。そのため、リーチ状態となった後のタイミングでは再変動を実行しないので、リーチ状態となることで大当りに対する遊技者の期待感を向上させた後に、擬似連を実行した後にリーチ演出を実行しないことで遊技者を落胆させることを防止することができる。すなわち、遊技者が一度抱いた期待感を損なうことを防止することができる。
なお、この実施の形態では、リーチ状態となるタイミングを遊技制御用マイクロコンピュータ560側で決定する場合を示したが、演出制御用マイクロコンピュータ100側で決定するように構成してもよい。この場合、例えば、変動パターンには擬似連のみが指定されているようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動パターンで擬似連が指定されている場合には、再変動の前のタイミングでリーチとするか否かと、再変動の後のタイミングでリーチとするか否かを、それぞれ個別の抽選処理で決定するようにしてもよい。ただし、この場合に、再変動の前のタイミングでリーチとすると決定する場合には、必ず再変動の後のタイミングでもリーチとすると決定するように構成すればよい。
また、この実施の形態で示した再変動の前のタイミングでもリーチ状態とする構成に、さらに、第2の実施の形態で示したステップアップ予告演出や一発告知予告演出を実行する構成を組み合わせてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記に示した各実施の形態で示した変動方向組み合わせ演出や擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を行う構成は、パチンコ遊技機にかぎらず、様々な形態の遊技機に適用することができる。例えば、上記に示した各実施の形態で示した変動方向組み合わせ演出や擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を行う構成をスロット機に適用するようにしてもよい。
スロット機では、一般に、外周部に識別情報としての複数種類の図柄が描かれた複数(通常は3つ)のリールを有する可変表示装置を備えており、まず遊技者のBET操作により賭数を設定し、規定の賭数が設定された状態でスタート操作することによりリールの回転を開始し、各リールに対応して設けられた停止ボタンを操作することにより回転を停止する。そして、全てのリールの回転を停止したときに入賞ラインにあらかじめ定められた入賞図柄の組合せ(例えば、7−7−7)が揃ったことによって入賞が発生する。すなわち遊技者の操作によってゲームが進行するようになっている。また、このようなスロット機では、前面扉に液晶表示器が配置されたものがあり、入賞が発生する可能性を予告したり、停止ボタンの操作順などを示唆するような演出を行うように構成されたものがある。そのようなスロット機において、上記に示した各実施の形態の構成を適用し、スロット機の液晶表示器で図柄の変動表示を行う際に、変動方向組み合わせ演出や擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を実行するように構成してもよい。
また、例えば、上記に示した各実施の形態で示した変動方向組み合わせ演出や擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を行う構成を封入循環式のパチンコ機に適用するようにしてもよい。封入循環式のパチンコ機は、そのパチンコ機で用いられる所定数(例えば、50個)の遊技玉が封入領域内(例えば、パチンコ機内)に封入されており、このパチンコ機に設けられた遊技領域に遊技球を発射させ、遊技領域を経由した遊技球を回収部(例えば、各入賞口、アウト口、ファール玉戻り口)を介して回収し、回収した遊技玉を再び遊技領域に発射させるために封入領域内において循環させる。また、そのような封入循環式のパチンコ機では、各入賞口への入賞があった場合に、賞球に代えて、カードユニットに挿入されたカードに賞球数に相当するポイントなどを加算する処理が行われる。そのような封入循環式のパチンコ機において、上記に示した各実施の形態の構成を適用し、封入循環式のパチンコ機の演出表示装置で演出図柄の変動表示を行う際に、変動方向組み合わせ演出や擬似連/スーパーリーチ組み合わせ演出を実行するように構成してもよい。