実施の形態1.
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。具体的には、この実施の形態では、演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(確変大当りや通常大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。また、大入賞口への遊技球の入賞を期待できる大当り(例えば、突然確変大当り以外の大当り)であるか否かに応じて表示色を異ならせてもよく、ラウンド数の異なる複数種類の大当りに制御可能である場合には、大当り遊技において継続されるラウンド数に応じて表示色を異ならせてもよい。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
演出表示装置9の右方には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、演出表示装置9の右方(第1特別図柄表示器8aの右隣)には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bも設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器18bのさらに上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部18cと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部18dとが設けられている。なお、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。また、演出表示装置9には、演出図柄を変動表示可能な左、中および右の3つの変動表示領域が設けられている。そして、例えば、左、中および右の全ての変動表示領域が同じ図柄で揃った状態で停止されると、大当り図柄が停止表示された状態となる。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDなどにかぎらず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。例えば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の可変表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。また、遊技状態が時短状態に移行されたときも、高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号ごとに設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(確変大当り、通常大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図8参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄をリーチ状態(本例では、左右の図柄のみ同じ図柄で停止した状態で中図柄のみ変動を継続させた状態)としたり、所定のキャラクタを用いた演出(例えば、味方と敵のキャラクタがバトルを行うような態様の演出)を行ったりするなど様々な態様の演出により実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、演出図柄表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図6は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、リーチを伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、擬似連に加えて滑り演出などの特定演出を実行可能に構成する場合には、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図7(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図7(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図7(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図7(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図7(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図7(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図7(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図7(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図7(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図7(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図7(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図7(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図7(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図7(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図7(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して3個の判定値が割り当てられている(40分の3の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態として2ラウンドの突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態として15ラウンドの大当り(確変大当りまたは通常大当り)と決定する場合を説明するが、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。
この実施の形態では、図7(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
また、「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行されず、時短状態にのみ移行される大当りである(後述するステップS167参照)。そして、時短状態に移行した後、特別図柄および演出図柄の変動表示の実行を所定回数(例えば、100回)終了するまで時短状態が維持される(後述するステップS142〜S145参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、所定回数の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS134参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「確変大当り」や「通常大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。そして、この実施の形態では、その2ラウンドの大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行される。後述するステップS170,S171参照。ただし、突然確変大当りであるか小当りであるかをより認識しにくくするために、確変状態中に突然確変大当りになった場合にのみ確変状態(高確率状態)に移行するとともに時短状態(高ベース状態)にも移行するようにし、通常状態中に突然確変大当りとなった場合には高確率状態に移行するのみで時短状態(高ベース状態)には移行しないようにしてもよい。)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS134参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される(後述するステップS147〜S151参照)。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図8および図9は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図8および図9に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。大当り開始指定コマンドには、大当りの種類に応じた大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンドおよび小当り/突然確変大当り開始指定コマンドがある。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、通常大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定するとともに、確変大当りであったことを指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(確変状態を含まない)であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶数そのものを指定する演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。この場合、例えば、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する演出制御コマンドを送信するとともに、保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドとして第1保留記憶数と第2保留記憶数とで共通の演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、第1保留記憶数を指定する場合と第2保留記憶数を指定する場合とで別々の演出制御コマンド(保留記憶数指定コマンド)を送信するようにしてもよい。この場合、例えば、保留記憶数指定コマンドとして、MODEデータとして第1保留記憶数または第2保留記憶数を特定可能な値(例えば、第1保留記憶数を指定する場合には「C0(H)」、第2保留記憶数を指定する場合には「C1(H)」)を含むとともに、EXTデータとして保留記憶数の値を設定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。
また、例えば、同じ第1保留記憶数を指定する場合であれば、MODEデータを共通として、EXTデータを異ならせることによって、第1保留記憶数の加算または減算を指定した演出制御コマンドを送信するようにしてもよい。例えば、共通のMODEデータ「C0(H)」を用い、第1保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC000(H)を送信するようにし、第1保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC001(H)を送信するようにしてもよい。さらに、第2保留記憶数を指定する場合にはMODEデータを異ならせて、第2保留記憶数の減算を指定する場合にはコマンドC100(H)を送信するようにし、第2保留記憶数の加算を指定する場合にはコマンドC101(H)を送信するようにしてもよい。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図8および図9に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図8および図9に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図10は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、または第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aのいずれもオンしていなければ、始動口スイッチ通過処理(ステップS312)に移行することなく、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶数バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図20参照)、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンドごとに実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御や大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放ごとに実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての大入賞口の開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図11は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオンしている場合であるか否かを確認する(ステップS211)。第1始動口スイッチ13aがオンしていなければ、ステップS217に移行する。第1始動口スイッチ13aがオンしていれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS217に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS214)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図12参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS215)。なお、ステップS215の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図12は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図12に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
そして、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS216)。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオンしている場合であるか否かを確認する(ステップS217)。第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオンしていれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS218)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS219)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS220)。次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図12参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS221)。なお、ステップS221の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
そして、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS222)。
図13および図14は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
この実施の形態では、ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶数バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶数バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶数バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶数バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグがセットされておらず、時短状態であることを示す時短フラグがセットされている場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、この実施の形態では、変動ごとに背景指定コマンドを毎回送信する場合を示しているが、例えば、変動開始時に前回の変動時から遊技状態が変化したか否かを判定するようにし、遊技状態が変化した場合にのみ変化後の遊技状態に応じた背景指定コマンドを送信するようにしてもよい。そのように構成すれば、背景指定コマンドの送信回数を低減することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560の処理負担を軽減することができる。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図7参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態および時短状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図7(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常遊技状態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図7(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図7(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図7(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図7(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図7(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図7(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS215,S221で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図7(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図15は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS81)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS82)。そして、ステップS90に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS83)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS84)。そして、ステップS90に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS85)。なお、時短フラグは、遊技状態を時短状態に移行するとき(確変状態に移行するときを含む)にセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。具体的には、通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りとすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされ、時短回数を消化したタイミングや、大当りと決定されたときに特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。時短フラグがセットされていれば(ステップS85のY)、CPU56は、ステップS89に移行する。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS85のN)、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS86)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS86のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS87)。そして、ステップS90に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS86のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS88)。そして、ステップS90に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS85のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS89)。そして、ステップS90に移行する。
この実施の形態では、ステップS85〜S89の処理が実行されることによって、合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)には、時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS90の処理で短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別が決定され、ステップS92の処理で短縮変動の変動パターンが決定される場合がある。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態である場合(確変状態である場合を含む)または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS82,S84,S87,S88またはS89の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90)。
次いで、CPU56は、ステップS90の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブルまたははずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS91)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS91の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS92)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS93)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS94)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS95)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS96)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS85〜S89,S90の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。
図16は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図8参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が確変大当りであるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS111,S112)。なお、確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が突然確変大当りであるときには、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS113,S114)。なお、突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「03」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもないときには(すなわち、通常大当りであるときには)、CPU56は、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS119)。
図17は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図18は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS133)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認し、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、その確変フラグや時短フラグをリセットする(ステップS134)。また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS135)。具体的には、大当りの種別が通常大当りである場合には大当り開始1指定コマンドを送信する。大当りの種別が確変大当りである場合には大当り開始2指定コマンドを送信する。大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する。なお、大当りの種別が通常大当り、確変大当りまたは突然確変大当りのいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS137)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りまたは確変大当りの場合には15回。突然確変大当りの場合には2回。)をセットする(ステップS138)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS139)。
また、ステップS133で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS140)。確変フラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。時短フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態をともなわず、時短状態にのみ制御されている場合には)、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS144)、時短フラグをリセットする(ステップS145)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS147)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを送信する(ステップS148)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS149)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS150)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS151)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS147のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS152)。
図19は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、通常大当りであった場合には大当り終了1指定コマンドを送信し、確変大当りであった場合には大当り終了2指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、確変大当りまたは突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」〜「03」であるか否かを確認することによって判定できる。確変大当りおよび突然確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、通常大当りであれば)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)。また、CPU56は、時短回数をカウントするための時短回数カウンタに所定回数(例えば100回)をセットする(ステップS168)。そして、ステップS173に移行する。
確変大当りまたは突然確変大当りであれば、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS170)。また、CPU56は、時短フラグをセットする(ステップS171)。そして、ステップS173に移行する。
なお、この実施の形態では、突然確変大当りである場合に無条件に確変状態および時短状態の両方に制御する場合を示しているが、突然確変大当りである場合には確変状態のみに制御して時短状態(高ベース状態)には制御しない(すなわち、高確率/低ベース状態)に制御するようにしてもよい。また、例えば、突然確変大当りである場合に、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であるか否かを確認するようにし、現在の遊技状態が時短状態(高ベース様態)であれば、確変状態に制御するとともに時短状態を継続し(すなわち、高確率/高ベース状態に制御し)、現在の遊技状態が時短状態でなければ(低ベース状態であれば)、高確率/低ベース状態に制御するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100側で、例えば、突然確変大当りが発生した後と小当りが発生した後とで共通態様の演出を実行する(例えば、以降の変動表示を同じ色の背景色(例えば、黄色)で実行する)ようにし(すなわち、いわゆる潜伏演出を実行し)、確変状態に制御されているか否かを認識不能であるように制御するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、可変入賞球装置15の開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりするか否かを判定するためにも用いられる。この場合、具体的には、CPU56は、普通図柄プロセス処理(ステップS27参照)において、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに、時短フラグがセットされているか否かを確認し、セットされていれば、開放時間を長くしたり開放回数を増加させたりして可変入賞球装置15を開放する制御を行う。また、ステップS167,S171でセットした時短フラグは、特別図柄の変動時間を短縮するか否かを判定するために用いられる。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS173)。
図20は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS3201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図22は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8および図9参照)であるのか解析する。
図23〜図26は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果5指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始1指定コマンドまたは大当り開始2指定コマンドであれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始1指定コマンド受信フラグまたは大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンドであれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドが第1図柄変動指定コマンドであれば(ステップS625)、第1図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS626)。受信した演出制御コマンドが第2図柄変動指定コマンドであれば(ステップS627)、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS628)。
受信した演出制御コマンドが電源投入指定コマンド(初期化指定コマンド)であれば(ステップS631)、演出制御用CPU101は、初期化処理が実行されたことを示す初期画面を演出表示装置9に表示する制御を行う(ステップS632)。初期画面には、あらかじめ決められている演出図柄の初期表示が含まれる。
また、受信した演出制御コマンドが停電復旧指定コマンドであれば(ステップS633)、あらかじめ決められている停電復旧画面(遊技状態が継続していることを遊技者に報知する情報を表示する画面)を表示する制御を行い(ステップS634)、停電復旧フラグをセットする(ステップS635)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了1指定コマンドであれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS642)。受信した演出制御コマンドが大当り終了2指定コマンドであれば(ステップS643)、演出制御用CPU101は、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS644)。受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンドであれば(ステップS645)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS646)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(ステップS652)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS653)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(ステップS654)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(ステップS655)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS656)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(ステップS658)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第1保留記憶数に従って、第1保留記憶表示部18cにおける第1保留記憶数の表示を更新する(ステップS659)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS660)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(ステップS661)。また、演出制御用CPU101は、更新後の第2保留記憶数に従って、第2保留記憶表示部18dにおける第2保留記憶数の表示を更新する(ステップS662)。
受信した演出制御コマンドが客待ちデモ指定コマンドであれば(ステップS663)、演出制御用CPU101は、客待ちデモ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS663A)。次いで、演出制御用CPU101は、演出表示装置9にあらかじめ決められている客待ちデモ画面を表示する制御を行う(ステップS664)。なお、客待ちデモ指定コマンドを受信したことにもとづいて直ちに客待ちデモ画面を表示するのではなく、客待ちデモ指定コマンドを受信した後、所定期間(例えば、10秒)を経過してから客待ちデモ画面の表示を開始するようにしてもよい。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数および第2留記憶数保存領域に格納する第2留記憶数をクリアする(ステップS665)。すなわち、客待ちデモ指定コマンドを受信して客待ちデモ画面が表示される場合には、第1保留記憶数および第2保留記憶数のいずれもが0となり変動表示が実行されない場合であるので、格納する保留記憶数をリセットする。ステップS665の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ100で保留記憶数の加算漏れまたは減算漏れが発生し誤った保留記憶数を認識する状態となった場合であっても、保留記憶を途切れさせることによって保留記憶数をリセットして正常な状態に戻すことができる。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(ステップS666)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS667)。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、遊技状態が確変状態であることを示す確変状態フラグや、遊技状態が時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(ステップS668)。
また、受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(ステップS669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS670)。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(ステップS671)。
また、受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(ステップS673)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9に表示する背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の表示色の背景画面)に変更する(ステップS674)。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(ステップS675)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS676)。そして、ステップS611に移行する。
図27は、図21に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):大当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。また、小当りである場合には、変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。例えば、大当りの開始を指定するファンファーレコマンドを受信したら、ファンファーレ演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放中であることを示す大入賞口開放中表示コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。例えば、大入賞口が開放後(閉鎖中)であることを示す大入賞口開放後表示コマンドを受信したら、インターバル表示を行う。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。例えば、大当りの終了を指定するエンディングコマンドを受信したら、エンディング演出を実行する。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図28は、図21に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図28に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図29は、図27に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8001で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図30は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図30に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが突然確変大当りや小当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンドや表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」の演出図柄の組合せを決定する。そして、はずれの場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせ(リーチ図柄)を決定する。
また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。なお、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドではなく、変動パターンコマンドにもとづいて、大当りや、はずれ、突然確変大当り、小当りであることを特定して、演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。例えば、演出制御CPU101は、大当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には、左右中が同じ図柄で揃った大当り図柄を決定し、突然確変大当り/小当り用の変動パターンコマンドを受信した場合には「135」などの停止図柄を決定し、はずれ用の変動パターンコマンドを受信した場合には、これら以外のはずれ図柄を決定するようにしてもよい。
演出制御用CPU101は、ステップS8002において、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。そして、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄を大当り図柄という。また、確変大当りを想起させるような停止図柄を確変大当り図柄といい、通常大当りを想起させるような停止図柄を通常大当り図柄という。そして、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。なお、この実施の形態では、ステップS8003において、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出や、セリフ予告演出、群予告演出を実行するか否かを決定し、決定した予告演出に応じた予告フラグ(後述するステップアップ予告フラグ、セリフ予告フラグ、群予告フラグ)をセットする。なお、これらの予告演出にかぎらず、例えば、ミニキャラ予告演出や可動物予告演出を実行可能に構成してもよい。
なお、「ステップアップ予告演出」とは、予め定められた順番に従って1段階目の演出から複数段階目の演出までの複数の演出を段階的に行う予告演出である。この実施の形態では、後述するように、ステップごとに異なるキャラクタが登場する演出が実行され、1段階目のステップ1(SU1)の演出から最大で5段階目のステップ5(SU5)の演出までが実行される場合がある。また、ステップアップ予告演出は、必ずしも5段階目のステップ5(SU5)の演出までが実行されるとはかぎらず、1段階目のステップ1(SU1)の演出だけで終わってしまう場合や、2段階目のステップ2(SU2)の演出まで継続して終わる場合、3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続して終わる場合など、複数の態様がある。なお、ステップアップ予告演出が実行される場合、多くの段階目のステップの演出まで継続する程、大当りに対する期待度が高くなる。
また、この実施の形態では、ステップアップ予告演出は、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチが発生する前までの期間において実行されるものとする。なお、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチの発生後までにわたって、ステップアップ予告演出を実行可能に構成してもよい。
また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、特定の可変表示パターンによる可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)や、特定の予告演出、擬似連などの特定演出が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、予告演出が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合に予告演出が実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方に予告演出が実行される割合)を計算することによって求められる。
また、「セリフ予告演出」とは、所定のキャラクタが登場し、そのキャラクタのセリフとして大当りやリーチなどを示唆する文字列が表示される態様で行われる予告演出である。なお、この実施の形態では、セリフ予告演出は、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチが発生する前までの期間において実行されるものとする。従って、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中の同一の期間において、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とが同時に並行して実行される場合がある。
また、「群予告演出」とは、表示画面上において、所定のキャラクタやオブジェクトの群が登場するような態様で行われる予告演出である。なお、この実施の形態では、群予告演出は、演出図柄の変動表示中のリーチが発生した後の期間において実行されるものとする。従って、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に群予告演出とともにステップアップ予告演出やセリフ予告演出も実行される場合には、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出が実行された後に、群予告演出が実行されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。また、ステップS8003の予告演出設定処理において、いずれかの予告演出を実行することに決定され、予告フラグ(後述するステップアップ予告フラグ、セリフ予告フラグ、群予告フラグ)がセットされている場合には、演出制御用CPU101は、変動パターンとともに、そのセットされている予告フラグに応じたプロセステーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、ステップS8004で選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図31は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等(演出図柄の表示態様の他に演出表示装置9の表示画面における演出図柄以外の演出態様を含む。)が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その演出態様での演出時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている態様で演出図柄を表示させるとともに表示画面に表示されるキャラクタ画像や背景を表示させる制御を行う。また、ランプ制御実行データおよび音番号データに設定されている態様で発光体の点滅を制御するとともに、スピーカ27からの音出力を制御する。
図31に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや予告演出の内容に応じて用意されている。なお、予告演出を実行可能に構成する場合において、予告演出を実行することに決定されている場合には、予告演出に対応したデータが設定されているプロセステーブルを選択し、予告演出を実行することに決定されていない場合には、予告演出に対応したデータが設定されていないプロセステーブルを選択する。
また、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出図柄を可変表示する演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(ステップS8006)。例えば、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図32および図33は、ステップS8003の予告演出設定処理を示すフローチャートである。予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、ステップアップ予告演出を決定するためのステップアップ予告決定用乱数を抽出し、抽出したステップアップ予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、ステップアップ予告演出の有無、および実行するステップアップ予告演出の種類を決定する(ステップS1501)。
図34は、ステップアップ予告演出を決定するためのステップアップ予告決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図34(A)は、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられるステップアップ予告決定用テーブルである。また、図34(B)は、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられるステップアップ予告決定用テーブルである。
図34において、「ステップアップ予告演出なし」とは、ステップアップ予告演出を実行しないことに決定することを示している。また、「SU1」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出のみで終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から2段階目のステップ2(SU2)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2→SU3」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
また、「SU1→SU2→SU3→SU4−1」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から4段階目のステップ4−1(SU4−1)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、この実施の形態では、4段階目の演出として、ステップ4−1(SU4−1)とは別に設けられた分岐ステップ4−2(SU4−2)がある。図34において、「SU1→SU2→SU3→SU4−2」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目でステップ4−2(SU4−2)の演出に分岐し、その4段階目の分岐ステップ4−2(SU4−2)の演出で終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
また、「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から最大の5段階目のステップ5(SU5)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」とは、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目でステップ4−2(SU4−2)の演出に分岐し、その後さらに5段階目のステップ5(SU5)の演出まで継続して終了するステップアップ予告演出を実行することに決定することを示している。
図34に示すように、1ステップのみのステップアップ予告演出である「SU1」は、大当り時の割振数が5個で、はずれ時の割振数が20個であるのに対して、2ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2」は、大当り時の割振数が10個と多く、はずれ時の割振数が15個と少なくなっている。従って、この実施の形態では、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、1ステップのみのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。また、3ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3」は、大当り時の割振数が20個とさらに多く、はずれ時の割振数が10個とさらに少なくなっている。従って、この実施の形態では、3ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、4ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3→SU4−1」や「SU1→SU2→SU3→SU4−2」は、大当り時の割振数の合計数が20個+5個=25個とさらに多く、はずれ時の割振数の合計数が4個+1個=5個とさらに少なくなっている。従って、この実施の形態では、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、3ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
さらに、5ステップのステップアップ予告演出である「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」や「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」は、はずれ時の割振数の合計数が5個+0個=5個と4ステップのステップアップ予告演出と同じであるものの、大当り時の割振数の合計数が30個+5個=35個とさらに多くなっている。従って、この実施の形態では、5ステップのステップアップ予告演出が実行される場合には、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
また、この実施の形態では、ステップアップ予告演出中のステップごとに異なるキャラクタが登場する演出が実行される。図35は、ステップアップ予告演出中の各ステップで登場するキャラクタを説明するための説明図である。図35に示すように、この実施の形態では、1段階目のステップ1(SU1)の演出では、キャラクタAが登場する演出が実行される。また、2段階目のステップ2(SU2)の演出では、キャラクタBが登場する演出が実行される。また、3段階目のステップ3(SU3)の演出では、キャラクタCが登場する演出が実行される。また、4段階目の演出のうちステップ4−1(SU4−1)の演出では、キャラクタDが登場する演出が実行される。また、4段階目の演出のうち分岐ステップ4−2(SU4−2)の演出では、キャラクタFが登場する演出が実行される。さらに、5段階目のステップ5(SU5)の演出では、キャラクタEが登場する演出が実行される。
ステップS1501では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図34(A)に示す大当り用のステップアップ予告決定用テーブルを選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図34(B)に示すはずれ用のステップアップ予告決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択したステップアップ予告決定用テーブルを用いて、ステップアップ予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、ステップアップ予告演出の有無、および実行するステップアップ予告演出の種類を決定する。
ステップアップ予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS1502のY)、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出を実行することを示すステップアップ予告フラグをセットする(ステップS1503)。この場合、演出制御用CPU101は、決定したステップアップ予告演出の種類が図34に示す「SU1」、「SU1→SU2」、「SU1→SU2→SU3」、「SU1→SU2→SU3→SU4−1」、「SU1→SU2→SU3→SU4−2」、「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」または「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のいずれであるかに応じて、ステップアップ予告演出の種類に対応したステップアップ予告フラグをセットする。なお、ステップアップ予告フラグが複数ビットで構成される場合、ステップアップ予告フラグの所定ビットにステップアップ予告演出の種類を特定可能な情報をセットするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、後述するステップS1517〜S1518の処理が実行されて、ステップS1501〜S1503の処理で決定されたステップアップ予告演出が制限されてステップアップ予告フラグをセットしなおす場合がある。この場合には、後述するステップS1517〜S1518で変更されたステップアップ予告演出が最終的に演出図柄の変動表示中に実行されることになる。一方、後述するステップS1517〜S1518の処理が実行されず、ステップアップ予告演出の制限が行われなかった場合には、ステップS1501〜S1503の処理で決定されたステップアップ予告演出がそのまま演出図柄の変動表示中に実行されることになる。
また、ステップアップ予告演出を実行することに決定した場合、ステップS1503でセットされたステップアップ予告フラグ(または、後述するステップS1518でセットされたステップアップ予告フラグ)にもとづいて、演出図柄変動開始処理のステップS8004で、ステップアップ予告フラグに応じた種類のステップアップ予告演出を含むプロセステーブルが選択され、選択されたプロセステーブルにもとづいてステップS8006や後述する演出図柄変動中処理のステップS8105が実行されることによって、演出図柄の変動表示中にステップアップ予告演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、セリフ予告演出を決定するためのセリフ予告決定用乱数を抽出し、抽出したセリフ予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、セリフ予告演出の有無、および実行するセリフ予告演出の種類を決定する(ステップS1504)。
図36は、セリフ予告演出を決定するためのセリフ予告決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図36(A)は、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられるセリフ予告決定用テーブルである。また、図36(B)は、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられるセリフ予告決定用テーブルである。
図36において、「セリフ予告演出なし」とは、セリフ予告演出を実行しないことに決定することを示している。また、「セリフ予告1」とは、キャラクタAが登場し、そのキャラクタAのセリフとして大当りを示唆する文字列(本例では、「チャンス!」の文字列)が表示される態様で行われるセリフ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「セリフ予告2」とは、キャラクタBが登場し、そのキャラクタBのセリフとして大当りを示唆する文字列(本例では、「チャンス!」の文字列)が表示される態様で行われるセリフ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「セリフ予告3」とは、キャラクタCが登場し、そのキャラクタCのセリフとして大当りを示唆する文字列(本例では、「チャンス!」の文字列)が表示される態様で行われるセリフ予告演出を実行することに決定することを示している。また、「セリフ予告4」とは、キャラクタDが登場し、そのキャラクタDのセリフとして大当りを示唆する文字列(本例では、「チャンス!」の文字列)が表示される態様で行われるセリフ予告演出を実行することに決定することを示している。さらに、「セリフ予告5」とは、キャラクタEが登場し、そのキャラクタEのセリフとして大当りを示唆する文字列(本例では、「チャンス!」の文字列)が表示される態様で行われるセリフ予告演出を実行することに決定することを示している。
図36に示すように、「セリフ予告1」は、大当り時の割振数が10個で、はずれ時の割振数が15個であるのに対して、「セリフ予告2」は、はずれ時の割振数が15個と同じであるものの、大当り時の割振数が15個と多くなっている。従って、この実施の形態では、「セリフ予告2」が実行される場合には、「セリフ予告1」が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。また、「セリフ予告3」は、大当り時の割振数が20個とさらに多く、はずれ時の割振数が10個と少なくなっている。従って、この実施の形態では、「セリフ予告3」が実行される場合には、「セリフ予告2」が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。また、「セリフ予告4」は、はずれ時の割振数が10個と「セリフ予告3」と同じであるものの、大当り時の割振数が25個とさらに多くなっている。従って、この実施の形態では、「セリフ予告4」が実行される場合には、「セリフ予告3」が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。さらに、「セリフ予告5」は、大当り時の割振数が25個と「セリフ予告4」と同じであるものの、はずれ時の割振数が5個とさらに少なくなっている。従って、この実施の形態では、「セリフ予告5」が実行される場合には、「セリフ予告4」が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
なお、この実施の形態では、「セリフ予告1」の割振数は、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出の割振数と同じである(図34、図36参照)。従って、この実施の形態では、「セリフ予告1」が実行される場合と、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合とで、大当りに対する期待度(信頼度)は同じである。また、「セリフ予告3」の割振数は、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出の割振数と同じである(図34、図36参照)。従って、この実施の形態では、「セリフ予告3」が実行される場合と、3ステップのステップアップ予告演出が実行される場合とで、大当りに対する期待度(信頼度)は同じである。さらに、「セリフ予告5」の割振数は、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」および「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出の割振数の合計数と同じである(図34、図36参照)。従って、この実施の形態では、「セリフ予告5」が実行される場合と、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合とで、大当りに対する期待度(信頼度)は同じである。
上記のように、この実施の形態では、異なる予告演出であっても、大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるグループに属する場合がある。この実施の形態では、大当りに対する期待度(信頼度)が同じ予告演出をグループ化したものを、以下、期待度グループをいう。図37は、この実施の形態における期待度グループを説明するための説明図である。図37に示すように、この実施の形態では、グループαからグループθまでの8つの期待度グループが存在する。
グループθは、大当りに対する期待度(信頼度)が最も低い期待度グループである。この実施の形態では、グループθには、1ステップの「SU1」のステップアップ予告演出のみが含まれる。
グループηは、グループθの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループηには、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出と、「セリフ予告1」のセリフ予告演出と、後述する「群予告1」の群予告演出とが含まれる。従って、この実施の形態では、2ステップのステップアップ予告演出と、「セリフ予告1」のセリフ予告演出と、「群予告1」の群予告演出とは、大当りに対する期待度(信頼度)が同じである(図34、図36および図38に示すように、割振数が同じである)。
グループζは、グループηの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループζには、「セリフ予告2」のセリフ予告演出のみが含まれる。
グループεは、グループζの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループεには、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出と、「セリフ予告3」のセリフ予告演出とが含まれる。従って、この実施の形態では、3ステップのステップアップ予告演出と、「セリフ予告3」のセリフ予告演出とは、大当りに対する期待度(信頼度)が同じである(図34および図36に示すように、割振数が同じである)。
グループδは、グループεの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループδには、「セリフ予告4」のセリフ予告演出のみが含まれる。
グループγは、グループδの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループγには、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」および「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出と、「セリフ予告5」のセリフ予告演出と、後述する「群予告2」の群予告演出とが含まれる。従って、この実施の形態では、4ステップのステップアップ予告演出と、「セリフ予告5」のセリフ予告演出と、「群予告2」の群予告演出とは、大当りに対する期待度(信頼度)が同じである(図34、図36および図38に示すように、割振数が同じである)。
グループβは、グループγの次に大当りに対する期待度(信頼度)が低い期待度グループである。この実施の形態では、グループβには、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」および「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出のみが含まれる。
グループαは、大当りに対する期待度(信頼度)が最も高い期待度グループである。この実施の形態では、グループαには、後述する「群予告3」の群予告演出のみが含まれる。
ステップS1504では、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図36(A)に示す大当り用のセリフ予告決定用テーブルを選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図36(B)に示すはずれ用のセリフ予告決定用テーブルを選択する。そして、演出制御用CPU101は、選択したセリフ予告決定用テーブルを用いて、セリフ予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、セリフ予告演出の有無、および実行するセリフ予告演出の種類を決定する。
セリフ予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS1505のY)、演出制御用CPU101は、セリフ予告演出を実行することを示すセリフ予告フラグをセットする(ステップS1506)。この場合、演出制御用CPU101は、決定したセリフ予告演出の種類が図36に示す「セリフ予告1」、「セリフ予告2」、「セリフ予告3」、「セリフ予告4」または「セリフ予告5」のいずれであるかに応じて、セリフ予告演出の種類に対応したセリフ予告フラグをセットする。なお、セリフ予告フラグが複数ビットで構成される場合、セリフ予告フラグの所定ビットにセリフ予告演出の種類を特定可能な情報をセットするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、後述するステップS1519〜S1520の処理が実行されて、ステップS1504〜S1506の処理で決定されたセリフ予告演出が制限されてセリフ予告フラグをセットしなおす場合がある。この場合には、後述するステップS1519〜S1520で変更されたセリフ予告演出が最終的に演出図柄の変動表示中に実行されることになる。一方、後述するステップS1519〜S1520の処理が実行されず、セリフ予告演出の制限が行われなかった場合には、ステップS1504〜S1506の処理で決定されたセリフ予告演出がそのまま演出図柄の変動表示中に実行されることになる。
また、セリフ予告演出を実行することに決定した場合、ステップS1506でセットされたセリフ予告フラグ(または、後述するステップS1520でセットされたセリフ予告フラグ)にもとづいて、演出図柄変動開始処理のステップS8004で、セリフ予告フラグに応じた種類のセリフ予告演出を含むプロセステーブルが選択され、選択されたプロセステーブルにもとづいてステップS8006や後述する演出図柄変動中処理のステップS8105が実行されることによって、演出図柄の変動表示中にセリフ予告演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、今回実行する演出図柄の変動表示中にリーチが発生するか否かを確認する(ステップS1507)。なお、リーチとなるか否かは、具体的には、演出図柄変動開始処理のステップS8001で読み出した変動パターンコマンドで指定される変動パターンがリーチを含むものであるか否かを確認することによって判定できる。リーチが発生する場合であれば、演出制御用CPU101は、ステップS1501で決定したステップアップ予告演出と、ステップS1504で決定したセリフ予告演出とのうち、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の期待度グループを特定する(ステップS1508)。例えば、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、そのステップアップ予告フラグにもとづいてステップアップ予告演出の種類を特定する。また、特定したステップアップ予告演出の種類に応じた期待度グループを特定する。また、演出制御用CPU101は、セリフ予告フラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、そのセリフ予告フラグにもとづいてセリフ予告演出の種類を特定する。また、特定したセリフ予告演出の種類に応じた期待度グループを特定する。そして、演出制御用CPU101は、特定したそれらの期待度グループのうち、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の期待度グループを特定する。
例えば、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出を実行することに決定するとともに、「セリフ予告2」のセリフ予告演出を実行することに決定した場合を考える。この場合、演出制御用CPU101は、3ステップのステップアップ予告演出に応じた期待度グループとしてグループεを特定するとともに、「セリフ予告2」のセリフ予告演出に応じた期待度グループとしてグループζを特定する。そして、グループεの方がグループζよりも大当りに対する期待度(信頼度)が高いので、演出制御用CPU101は、最終的に期待度グループとしてグループεを特定する。
なお、この実施の形態では、必ずしもステップアップ予告演出とセリフ予告演出との両方を実行することに決定されるとはかぎらず、ステップアップ予告演出またはセリフ予告演出のいずれか一方のみを実行することに決定される場合もある。従って、例えば、ステップアップ予告演出のみを実行することに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS1508において、その決定されているステップアップ予告演出の種類に応じた期待度グループをそのまま特定する。また、例えば、セリフ予告演出のみを実行することに決定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS1508において、その決定されているセリフ予告演出の種類に応じた期待度グループをそのまま特定する。
また、ステップS1501,S1504の処理でステップアップ予告演出およびセリフ予告演出のいずれも実行しないことに決定された場合には、ステップS1508において期待度グループを特定しようがない。従って、ステップアップ予告演出およびセリフ予告演出のいずれも実行しない場合には、演出制御用CPU101は、ステップS1508において、特に期待度グループの特定は行わない。
また、この実施の形態では、図37に示したように、ステップアップ予告演出が含まれる期待度グループは、グループβ、グループγ、グループε、グループηまたはグループθのいずれかである。また、セリフ予告演出が含まれる期待度グループは、グループγ〜グループηのいずれかである。従って、ステップS1508では、演出制御用CPU101は、期待度グループとしてグループβ〜グループθのいずれかを特定することになり、期待度グループとしてグループαを特定することはない(すなわち、グループαは、図37に示すように、群予告演出しか含んでいないので、ステップS1508で特定される場合はない)。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS1508で特定した期待度グループに応じて、群予告演出を決定するための群予告決定用テーブルを選択する(ステップS1509)。
図38および図39は、群予告決定用テーブルの具体例を示す説明図である。このうち、図38(A)は、期待度グループがグループηまたはグループθであるとともに、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。また、図38(B)は、期待度グループがグループηまたはグループθであるとともに、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。また、図38(C)は、期待度グループがグループγ〜グループζであるとともに、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。また、図38(D)は、期待度グループがグループγ〜グループζであるとともに、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。また、図39(E)は、期待度グループがグループβであるとともに、今回実行する変動表示が大当りとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。また、図39(F)は、期待度グループがグループβであるとともに、今回実行する変動表示がはずれとなる場合に用いられる群予告決定用テーブルである。
図38および図39において、「群予告演出なし」とは、群予告演出を実行しないことに決定することを示している。また、「群予告1」とは、表示画面上において、所定のキャラクタやオブジェクトが所定数(例えば、10個)の群で登場するような態様で行われる群予告演出を実行することに決定することを示している。また、「群予告2」とは、表示画面上において、所定のキャラクタやオブジェクトが「群予告1」よりも多い数(例えば、20個)の群で登場するような態様で行われる群予告演出を実行することに決定することを示している。また、「群予告3」とは、表示画面上において、所定のキャラクタやオブジェクトが「群予告2」よりもさらに多い数(例えば、50個)の群で登場するような態様で行われる群予告演出を実行することに決定することを示している。このように、この実施の形態では、群予告演出が実行される場合、表示画面上に登場するキャラクタやオブジェクトの数を段階的に異ならせることにより、キャラクタやオブジェクトの数が多くなるに従って大当りとなることに対する期待感を高くなるような態様の演出が実行される。
図38に示すように、「群予告1」は、大当り時の割振数が10個で、はずれ時の割振数が15個であるのに対して、「群予告2」は、大当り時の割振数が25個と多く、はずれ時の割振数が5個と少なくなっている。従って、この実施の形態では、「群予告2」が実行される場合には、「群予告1」が実行される場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。また、図38および図39に示すように、「群予告3」は、はずれ時の割振数が5個と「群予告2」と同じであるものの、大当り時の割振数が40個とさらに多くなっている。従って、この実施の形態では、「群予告3」が実行される場合には、「群予告2」が実行される場合と比較して、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高くなっている。
なお、この実施の形態では、「群予告1」の割振数は、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出、および「セリフ予告1」のセリフ予告演出の割振数と同じである(図34、図36、図38参照)。従って、この実施の形態では、「群予告1」が実行される場合と、「セリフ予告1」が実行される場合と、2ステップのステップアップ予告演出が実行される場合とで、大当りに対する期待度(信頼度)は同じであり、図37に示すように、グループηの期待度グループに分類される。また、「群予告2」の割振数は、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」および「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出の割振数の合計数、および「セリフ予告5」のセリフ予告演出の割振数と同じである(図34、図36、図38参照)。従って、この実施の形態では、「群予告2」が実行される場合と、「セリフ予告5」が実行される場合と、4ステップのステップアップ予告演出が実行される場合とで、大当りに対する期待度(信頼度)は同じであり、図37に示すように、グループγの期待度グループに分類される。
一方で、図34に示すように、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」および「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出は、大当り時の割振数の合計数が35個で、はずれ時の割振数の合計数が5個であるのに対して、「群予告3」は、はずれ時の割振数が5個と同じであるものの、大当り時の割振数が40個とさらに多くなっている。従って、この実施の形態では、「群予告3」が実行される場合、5ステップのステップアップ予告演出が実行される場合よりも、さらに大当りに対する期待度(信頼度)が高く、図37に示すように、グループαの期待度グループに分類される。
ステップS1508で特定した期待度グループがグループβであった場合、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図39(E)に示す大当り用の群予告決定用テーブル(グループβ用)を選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図39(F)に示すはずれ用の群予告決定用テーブル(グループβ用)を選択する。
図39(E),(F)に示すように、グループβ用の群予告決定用テーブルには、「群予告演出なし」および「群予告3」のみが割り振られている。既に説明したように、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中に、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出が実行された後に、群予告演出が実行される。この場合、先に実行されるステップアップ予告演出やセリフ予告演出が出現した後に、群予告演出として、大当りに対する期待度(信頼度)が低い予告演出が出現してしまうと、却って大当りに対する期待感が減退してしまい、遊技者が一度抱いた期待感を大きく損ねてしまう。そこで、この実施の形態では、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出が出現した後に、群予告演出が実行される場合には、先に実行されたステップアップ予告演出やセリフ予告演出と大当りに対する期待度(信頼度)が少なくとも同じであるか、大当りに対する期待度(信頼度)が高い種類の群予告演出のみを選択可能に構成することによって、そのような期待感を減退させるような事態を防止している。
図39(E),(F)に示す群予告決定用テーブルが選択されるのは、グループβに分類される5ステップのステップアップ予告演出が実行される場合(図37参照)であるので、群予告演出として「群予告1」(グループη)や「群予告2」(グループγ)が実行されてしまったのでは、先に実行される5ステップのステップアップ予告演出よりも大当りに対する期待度(信頼度)が低下してしまう。そこで、図39(E),(F)に示すように、「群予告3」(グループα)のみを選択可能とすることによって、先に実行される5ステップのステップアップ予告演出よりも大当りに対する期待度(信頼度)が高い「群予告3」の群予告演出のみを実行可能としている。
ステップS1508で特定した期待度グループがグループγ〜グループζであった場合、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図38(C)に示す大当り用の群予告決定用テーブル(グループγ〜グループζ用)を選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図38(D)に示すはずれ用の群予告決定用テーブル(グループγ〜グループζ用)を選択する。
図38(C),(D)に示すように、グループγ〜グループζ用の群予告決定用テーブルには、「群予告演出なし」、「群予告2」および「群予告3」のみが割り振られている。図38(C),(D)に示す群予告決定用テーブルが選択されるのは、グループγ〜グループζに分類される3ステップまたは4ステップのステップアップ予告演出や「セリフ予告2」〜「セリフ予告5」のセリフ予告演出が実行される場合(図37参照)であるので、群予告演出として「群予告1」(グループη)が実行されてしまったのでは、先に実行される3ステップまたは4ステップのステップアップ予告演出や「セリフ予告2」〜「セリフ予告5」のセリフ予告演出よりも大当りに対する期待度(信頼度)が低下してしまう。そこで、図38(C),(D)に示すように、「群予告2」(グループγ)または「群予告3」(グループα)のみを選択可能とすることによって、先に実行される3ステップまたは4ステップのステップアップ予告演出や「セリフ予告2」〜「セリフ予告5」のセリフ予告演出と少なくとも大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるか、大当りに対する期待度(信頼度)が高い「群予告2」または「群予告3」の群予告演出のみを実行可能としている。
ステップS1508で特定した期待度グループがグループη〜グループθであった場合、演出制御用CPU101は、まず、今回の変動表示が大当りとなるものであるか否かを確認する。なお、大当りとなるか否かは、具体的には、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンド(ステップS618参照)を確認することによって判定できる。大当りである場合には、演出制御用CPU101は、図38(A)に示す大当り用の群予告決定用テーブル(グループη〜グループθ用)を選択する。一方、はずれである場合には、演出制御用CPU101は、図38(B)に示すはずれ用の群予告決定用テーブル(グループη〜グループθ用)を選択する。
なお、ステップS1501,S1504の処理でステップアップ予告演出およびセリフ予告演出のいずれも実行しないことに決定された場合には、ステップS1508において期待度グループが特定されない場合もある。この実施の形態では、このように期待度グループが特定されていない場合にも、演出制御用CPU101は、図38(A),(B)に示すグループη〜グループθ用の群予告決定用テーブルを選択する。
図38(A),(B)に示すように、グループη〜グループθ用の群予告決定用テーブルには、「群予告演出なし」、「群予告1」、「群予告2」および「群予告3」の全てが割り振られている。図38(A),(B)に示す群予告決定用テーブルが選択されるのは、グループη〜グループθに分類される1ステップまたは2ステップのステップアップ予告演出や「セリフ予告1」のセリフ予告演出が実行される場合(図37参照)であるので、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出を実行した後に、大当りに対する期待度(信頼度)が低くなる群予告演出を実行してしまうような場合はない(すなわち、「群予告1」(グループη)の群予告演出を実行したとしても、2ステップのステップ予告演出や「セリフ予告1」のセリフ予告演出と大当りに対する期待度(信頼度)が同じである)。そこで、図38(A),(B)に示すように、「群予告1」(グループη)、「群予告2」(グループγ)および「群予告3」(グループα)の全てを選択可能としている。
次いで、演出制御用CPU101は、群予告演出を決定するための群予告決定用乱数を抽出し、ステップS1509で選択した群予告決定用テーブルを用いて、抽出した群予告決定用乱数にもとづく抽選処理を行い、群予告演出の有無、および実行する群予告演出の種類を決定する(ステップS1510)。
群予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS1511のY)、演出制御用CPU101は、群予告演出を実行することを示す群予告フラグをセットする(ステップS1512)。この場合、演出制御用CPU101は、決定した群予告演出の種類が図38および図39に示す「群予告1」、「群予告2」または「群予告3」のいずれであるかに応じて、群予告演出の種類に対応した群予告フラグをセットする。なお、群予告フラグが複数ビットで構成される場合、群予告フラグの所定ビットに群予告演出の種類を特定可能な情報をセットするようにしてもよい。
なお、群予告演出を実行することに決定した場合、ステップS1506で群予告フラグがセットされた後、演出図柄変動開始処理のステップS8004で、群予告フラグに応じた種類の群予告演出を含むプロセステーブルが選択され、選択されたプロセステーブルにもとづいてステップS8006や後述する演出図柄変動中処理のステップS8105が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に群予告演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とを両方実行することに決定している場合に、それらのステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが所定の制限対象に該当するか否かを確認する(ステップS1513)。
既に説明したように、この実施の形態では、演出図柄の変動表示中の同一の期間において、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とが同時に並行して実行される場合がある。また、この実施の形態では、図35に示したように、ステップアップ予告演出が実行される場合にはキャラクタA〜キャラクタFが登場する演出が実行され、図36に示したように、セリフ予告演出が実行される場合にはキャラクタA〜キャラクタEが登場する演出が実行される。従って、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とが同時に並行して実行される場合、キャラクタA〜キャラクタEのいずれかが同時に重複して2つ表示される可能性があり、演出が却って不自然となってしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、同じキャラクタが同時に重複して表示される可能性があるステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせを制限対象とし、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれか一方で、重複するキャラクタを登場させないように制限している。
図40は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出との制限処理を説明するための説明図である。図40に示すように、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告5」のいずれのセリフ予告演出とも、キャラクタA〜キャラクタEのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」、「セリフ予告5」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタC、キャラクタEのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
また、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告4」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタDのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタCのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
また、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタCのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告2」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタBのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、1ステップの「SU1」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」のセリフ予告演出と、キャラクタAが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
なお、演出制御用CPU101は、例えば、図40に示すような制限対象のステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせを含むテーブルを予め記憶しておき、ステップS1513において、決定したステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが予め記憶するテーブルに含まれるか否かを確認することによって、制限対象の組み合わせであるか否かを判定する。
なお、制限対象の組み合わせであるか否かの判定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出制御用CPU101は、ステップS1501で決定したステップアップ予告演出に登場するキャラクタを全て特定するとともに、ステップS1504で決定したセリフ予告演出に登場するキャラクタを特定するようにしてもよい。そして、ステップアップ予告演出に登場する各キャラクタの中に、セリフ予告演出に登場するキャラクタと合致するものがあるか否かを判定し、合致するものがあれば、制限対象の組み合わせであると判定するようにしてもよい。
制限対象の組み合わせであれば(ステップS1514のY)、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれを制限するか否かを確認する(ステップS1515)。具体的には、この実施の形態では、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのうち、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の予告演出で重複するキャラクタをそのまま表示するものとし、大当りに対する期待度(信頼度)が低い方の予告演出で重複するキャラクタを重複期間(予告演出中の同じキャラクタが同時に重複して表示されうる期間)に表示しないように制限するものとする。
ただし、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出との大当りに対する期待度(信頼度)が同じである場合には、この実施の形態では、ステップアップ予告演出を優先して重複するキャラクタをそのまま表示するものとし、セリフ予告演出の方で重複するキャラクタを重複期間に表示しないように制限する。すなわち、ステップアップ予告演出は、演出が段階的に発展していくものでありステップの前後の関連性が存在するので、途中のステップが制限されてしまうと、演出の連続性が損なわれてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、大当りに対する期待度(信頼度)が同じであれば、ステップアップ予告演出を優先してキャラクタ表示を行うことによって、そのような演出の連続性が損なわれることを極力防止している。
なお、重複するキャラクタがステップアップ予告演出の最後のステップに登場する場合のように、ステップアップ予告演出のステップを制限しても、それ以上演出が発展せず、演出の連続性が損なわれるおそれがない場合には、セリフ予告演出の方を優先してキャラクタを表示し、ステップアップ予告演出の方でステップを制限してキャラクタを表示しないようにしてもよい。
また、例えば、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのうち、インパクトの高い表示態様で演出効果の高い演出を行う方を優先して重複するキャラクタを表示するようにしてもよく、キャラクタ表示の制限の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。
ステップS1515では、演出制御用CPU101は、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」〜「セリフ予告5」のセリフ予告演出との組み合わせである場合や、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」、「セリフ予告5」のセリフ予告演出との組み合わせである場合、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」〜「セリフ予告4」のセリフ予告演出との組み合わせである場合、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のセリフ予告演出との組み合わせである場合には、いずれもステップアップ予告演出の方が大当りに対する期待度(信頼度)が高いので(図37参照)、図40に示すように、ステップアップ予告演出の方を優先して重複するキャラクタをそのまま表示することとし、セリフ予告演出の方で重複期間を排除すると判定する。
また、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のセリフ予告演出との組み合わせである場合には、大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるので(図37参照)、図40に示すように、ステップアップ予告演出の方を優先して重複するキャラクタをそのまま表示することとし、セリフ予告演出の方で重複期間を排除すると判定する。
また、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出と「セリフ予告2」のセリフ予告演出との組み合わせである場合には、セリフ予告演出の方が大当りに対する期待度(信頼度)が高いので(図37参照)、図40に示すように、セリフ予告演出の方を優先して重複するキャラクタをそのまま表示することとし、ステップアップ予告演出の方でキャラクタが重複するステップをスキップ(省略)すると判定する。一方、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」のセリフ予告演出との組み合わせである場合には、大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるので(図37参照)、図40に示すように、ステップアップ予告演出の方を優先して重複するキャラクタをそのまま表示することとし、セリフ予告演出の方で重複期間を排除すると判定する。
また、1ステップの「SU1」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」のセリフ予告演出との組み合わせである場合には、セリフ予告演出の方が大当りに対する期待度(信頼度)が高いので(図37参照)、図40に示すように、セリフ予告演出の方を優先して重複するキャラクタをそのまま表示することとし、ステップアップ予告演出をキャンセルして実行しないと判定する。すなわち、この場合、そもそもステップアップ予告演出に含まれるステップが1つしかないのであるから、ステップアップ予告演出の実行自体をキャンセルする。
なお、演出制御用CPU101は、例えば、図40に示すような制限対象のステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせと、予告演出の制限方法とを対応付けたテーブルを予め記憶しておき、ステップS1515において、ステップS1513で判定した制限対象の組み合わせに対応する制限方法を予め記憶するテーブルから抽出することによって、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれを制限するかを判定する。
なお、いずれの予告演出を制限するかの判定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出が含まれる期待度グループを特定するとともに、セリフ予告演出が含まれる期待度グループを特定し、大当りに対する期待度(信頼度)が低い方の期待度グループの予告演出を制限すると判定するようにしてもよい。ただし、この場合であっても、特定した期待度グループの大当りに対する期待度(信頼度)が同じである場合には、セリフ予告演出を制限すると判定するようにすればよい。
ステップアップ予告演出を制限すると判定した場合には(ステップS1516のY)、演出制御用CPU101は、セリフ予告演出とキャラクタが重複するステップをスキップしたステップアップ予告演出に変更し(ステップS1517)、ステップS1503でセットしたステップアップ予告フラグをリセットして、変更後のステップアップ予告演出に応じたステップアップ予告フラグにセットしなおす(ステップS1518)。
例えば、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出と「セリフ予告2」のセリフ予告演出とを実行することに決定されている場合には、ステップアップ予告演出中のステップ2(SU2)でキャラクタBが登場するとともに、「セリフ予告2」のセリフ予告演出でもキャラクタBが登場し、そのままでは同じキャラクタが同時に重複して登場してしまう。そこで、演出制御用CPU101は、図40に示すように、ステップ2(SU2)をスキップしたステップ1(SU1)のみのステップアップ予告演出に変更し、「SU1」のステップアップ予告演出に応じたステップアップ予告フラグにセットしなおす。
ただし、この実施の形態では、1ステップの「SU1」のステップアップ予告演出と「セリフ予告1」のセリフ予告演出を実行することに決定されている場合には、ステップアップ予告演出中のステップ1(SU1)でキャラクタAが登場するとともに、「セリフ予告1」のセリフ予告演出でもキャラクタAが登場し、そのままでは同じキャラクタが同時に重複して登場してしまうのであるが、ステップアップ予告演出中のステップが1つしかないので、図40に示すように、ステップアップ予告演出自体を実行しないことに決定し、ステップS1503でセットしたステップアップ予告フラグをそのままリセットする。
セリフ予告演出を制限すると判定した場合には(ステップS1516のN)、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とキャラクタが重複する重複期間を排除したセリフ予告演出に変更し(ステップS1519)、ステップS1506でセットしたセリフ予告フラグをリセットして、変更後のセリフ予告演出に応じたセリフ予告フラグにセットしなおす(ステップS1520)。
例えば、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出と「セリフ予告5」のセリフ予告演出とを実行することに決定されている場合には、ステップアップ予告演出中のステップ5(SU5)でキャラクタEが登場するとともに、「セリフ予告5」のセリフ予告演出でもキャラクタEが登場し、そのままでは同じキャラクタが同時に重複して登場してしまう。そこで、演出制御用CPU101は、図40に示すように、ステップアップ予告演出のステップ5(SU5)の演出期間と重複する演出期間(重複期間)を排除したセリフ予告演出に変更し、変更後のセリフ予告演出に応じたセリフ予告フラグにセットしなおす。
図41は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
なお、ステップアップ予告演出を含むプロセステーブルが選択されている場合には、プロセスデータに従ってステップS8105の処理が実行されることによって、演出図柄の変動表示中にステップアップ予告演出が実行される。また、セリフ予告演出を含むプロセステーブルが選択されている場合には、プロセスデータに従ってステップS8105の処理が実行されることによって、演出図柄の変動表示中にセリフ予告演出が実行される。また、群予告演出を含むプロセステーブルが選択されている場合には、プロセスデータに従ってステップS8105の処理が実行されることによって、演出図柄の変動表示中に群予告演出が実行される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8107)。
図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS871)。そして、停止図柄表示フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、ステップS877に移行する。この実施の形態では、後述するように、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS876で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときにステップS878で停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、ステップS871で停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したもののファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS872〜S873の演出図柄の停止図柄を表示する処理を重ねて実行することなく、ステップS877に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、記憶されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄、または小当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS872)。なお、演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの図柄確定指定コマンドの受信に応じて演出図柄を停止表示する制御を行うようにしてもよい。
そして、ステップS872で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しない場合(すなわち、はずれ図柄を表示する場合:ステップS873のN)には、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS874)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図28のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。また、ステップアップ予告フラグや、セリフ予告フラグ、群予告フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、それらのフラグもリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS875)。
ステップS872で大当り図柄または小当り図柄を表示する場合には(ステップS873のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS876)、ファンファーレフラグがセットされたか否か確認する(ステップS877)。ファンファーレフラグがセットされたときは(ステップS877のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットする(ステップS878)。
次いで、演出制御用CPU101は、ファンファーレ演出に応じたプロセスデータを選択し(ステップS879)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS880)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に設定する(ステップS881)。ただし、小当りである場合には、大当りではないのであるから、大当り表示処理(ステップS804)〜大当り終了演出処理(ステップS807)の大当り中の演出を実行するのではなく、ステップS879でセットしたプロセスデータに従って所定の演出期間にわたって小当り遊技に応じた演出を実行し、ステップS800の変動パターンコマンド受信待ち処理に戻るようにすることが好ましい。
図43は、演出制御プロセス処理における大当り表示処理(ステップS804)を示すフローチャートである。大当り表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、大入賞口開放中表示コマンドを受信したことを示す大入賞口開放中フラグがセットされているか否か(すなわち、ラウンド1開始時の大入賞口開放中表示コマンドを受信したか否か)を確認する(ステップS901)。大入賞口開放中フラグがセットされていないときは(ステップS901のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算する(ステップS902)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27、枠LED28等)の制御を実行する(ステップS903)。例えば、演出表示装置9において大当り図柄を表示するとともに、大当りが発生したことを示す文字やキャラクタなどを表示する演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS904)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS905)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS906)。
大入賞口開放中フラグがセットされているときは(ステップS901のY)、演出制御用CPU101は、大入賞口開放中フラグをリセットし(ステップS907)、大入賞口開放中表示コマンドの内容にもとづいてラウンド中演出に応じたプロセスデータを選択する(ステップS908)。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS909)、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に設定する(ステップS910)。
図44は、演出制御プロセス処理における大当り終了演出処理(ステップS807)を示すフローチャートである。大当り終了演出処理において、演出制御用CPU101は、まず、大当り遊技の終了時に実行するエンディング演出の演出期間を計測するための演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS971)。なお、演出期間計測タイマは、例えば、ラウンド中演出(ステップS805参照)またはラウンド後処理(ステップS806参照)において、大当り遊技の全てのラウンドを終了したことにもとづいてセットされる。次いで、演出制御用CPU101は、演出期間計測タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS972)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしていないときは(ステップS972のN)、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS973)、プロセスデータnの内容に従って演出装置(演出表示装置9、スピーカ27等)を制御する処理を実行する(ステップS974)。例えば、大当りが終了することを表示したり、所定のキャラクタを表示させたりする演出を実行する。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認し(ステップS975)、プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS976)。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS977)。
演出期間計測タイマがタイムアウトしたときは(ステップS972のY)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS979)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや第2図柄変動指定コマンド受信フラグなどのコマンド受信フラグをリセットする。また、ステップアップ予告フラグや、セリフ予告フラグ、群予告フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、それらのフラグもリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS979)。
次に、ステップアップ予告演出、セリフ予告演出および群予告演出の実行タイミングについて説明する。図45は、ステップアップ予告演出、セリフ予告演出および群予告演出の実行タイミングを示す説明図である。図45に示すように、この実施の形態では、ステップアップ予告演出は、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチが発生する前までの期間において実行される。また、図45に示すように、セリフ予告演出についても同様に、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチが発生する前までの期間において実行される。図45に示すように、セリフ予告演出の演出期間は、ステップアップ予告演出中のステップ1(SU1)〜ステップ5(SU5)のいずれの演出期間とも重複した期間が存在し、演出図柄の変動表示中の同一の期間において、ステップアップ予告演出中のいずれのステップの演出についても、セリフ予告演出と同時に並行して実行される場合がある。
また、図45に示すように、群予告演出は、演出図柄の変動表示中のリーチが発生した後の期間において実行される。従って、この実施の形態では、図45に示すように、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出が実行された後に、群予告演出が実行されることになる。
次に、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが制限対象の組み合わせであり、いずれか一方の予告演出を制限する態様について説明する。図46および図47は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれかの予告演出を制限する場合を説明するための説明図である。このうち、図46は、セリフ予告演出を制限する場合を示しており、図47は、ステップアップ予告演出を制限する場合を示している。
まず、図46を用いて、セリフ予告演出を制限する場合を説明する。図46に示す例では、予告演出設定処理のステップS1501において5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を実行することに決定するとともに、ステップS1504において「セリフ予告5」のセリフ予告演出を実行することに決定したものとする。この場合、図46に示すように、ステップアップ予告演出のステップ5(SU5)においてキャラクタEが登場するとともに、セリフ予告演出においてもキャラクタEが登場し、重複する演出期間があることから、そのままではキャラクタEが同時に重複して2つ登場してしまう事態が生じうる。そこで、この実施の形態では、図46に示すように、ステップアップ予告演出のステップ5(SU5)の演出期間と重複する演出期間(重複期間)を排除したセリフ予告演出に変更し(ステップS1519参照)、キャラクタEが同時に重複して2つ登場してしまう事態を防止している。
次に、図47を用いて、ステップアップ予告演出を制限する場合を説明する。図47に示す例では、予告演出設定処理のステップS1501において2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出を実行することに決定するとともに、ステップS1504において「セリフ予告2」のセリフ予告演出を実行することに決定したものとする。この場合、図47に示すように、ステップアップ予告演出のステップ2(SU2)においてキャラクタBが登場するとともに、セリフ予告演出においてもキャラクタBが登場し、重複する演出期間があることから、そのままではキャラクタBが同時に重複して2つ登場してしまう事態が生じうる。そこで、この実施の形態では、図47に示すように、ステップ2(SU2)をスキップしたステップ1(SU1)のみのステップアップ予告演出に変更し(ステップS1517参照)、キャラクタBが同時に重複して2つ登場してしまう事態を防止している。
次に、この実施の形態におけるセリフ予告演出の演出態様の具体例について説明する。図48は、セリフ予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。このうち、図48(1)は、「セリフ予告1」のセリフ予告演出の演出態様の具体例を示し、図48(2)は、「セリフ予告2」のセリフ予告演出の演出態様の具体例を示し、図48(3)は、「セリフ予告3」のセリフ予告演出の演出態様の具体例を示し、図48(4)は、「セリフ予告4」のセリフ予告演出の演出態様の具体例を示し、図48(5)は、「セリフ予告5」のセリフ予告演出の演出態様の具体例を示している。
図48(1)に示すように、「セリフ予告1」のセリフ予告演出では、キャラクタA201が登場するとともに、キャラクタA201のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示されて、大当りとなる可能性を示唆する演出が実行される。また、図48(2)に示すように、「セリフ予告2」のセリフ予告演出では、キャラクタB202が登場するとともに、キャラクタB202のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示されて、大当りとなる可能性を示唆する演出が実行される。また、図48(3)に示すように、「セリフ予告3」のセリフ予告演出では、キャラクタC203が登場するとともに、キャラクタC203のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示されて、大当りとなる可能性を示唆する演出が実行される。また、図48(4)に示すように、「セリフ予告4」のセリフ予告演出では、キャラクタD204が登場するとともに、キャラクタD204のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示されて、大当りとなる可能性を示唆する演出が実行される。また、図48(5)に示すように、「セリフ予告5」のセリフ予告演出では、キャラクタE205が登場するとともに、キャラクタE205のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示されて、大当りとなる可能性を示唆する演出が実行される。
次に、この実施の形態におけるステップアップ予告演出の演出態様の具体例について説明する。図49は、ステップアップ予告演出の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図49において、(1)(2)(3)・・・の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を実行する場合を説明する。この場合、演出図柄の変動表示が開始され、ステップアップ予告演出の開始タイミングとなると、まず、図49(1)に示すように、キャラクタA301が登場して1段階目のステップ1(SU1)の演出が実行される。なお、図48(1)に示したキャラクタA201は顔のみが表示された状態のものであるが、図49(1)に示すキャラクタA301と同じ顔のキャラクタであり、同一のキャラクタである。従って、この実施の形態では、図48(1)に示す「セリフ予告1」のセリフ予告演出と、図49(1)に示すステップアップ予告演出のステップ1(SU1)とでは、同一のキャラクタAが登場するものとなっている。
なお、「同一のキャラクタ」とは、例えば、顔が同じまたは類似しているキャラクタである場合など、同時に重複して出現した場合に遊技者が不自然に感じるキャラクタのことである。なお、服装やポーズなど全て同じである場合にかぎらず、例えば、顔が同じであれば、服装やポーズなどが異なっていても、同時に重複して出現すれば遊技者が不自然に感じうるので同一のキャラクタであると言え、制限の対象となる。ただし、例えば、顔が同じキャラクタが2つ出現するような場合であっても、双子という設定の同じ顔のキャラクタが同時に出現する場合であれば、遊技者が不自然に感じることはないので、このような場合には同一のキャラクタではないものとして、制限の対象外としてもよい。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図49(2)に示すように、キャラクタB302が登場して2段階目のステップ2(SU2)の演出が実行される。なお、図48(2)に示したキャラクタB202は顔のみが表示された状態のものであるが、図49(2)に示すキャラクタB302と同じ顔のキャラクタであり、同一のキャラクタである。従って、この実施の形態では、図48(2)に示す「セリフ予告2」のセリフ予告演出と、図49(2)に示すステップアップ予告演出のステップ2(SU2)とでは、同一のキャラクタBが登場するものとなっている。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図49(3)に示すように、キャラクタC303が登場して3段階目のステップ3(SU3)の演出が実行される。なお、図48(3)に示したキャラクタC203は顔のみが表示された状態のものであるが、図49(3)に示すキャラクタC303と同じ顔のキャラクタであり、同一のキャラクタである。従って、この実施の形態では、図48(3)に示す「セリフ予告3」のセリフ予告演出と、図49(3)に示すステップアップ予告演出のステップ3(SU3)とでは、同一のキャラクタCが登場するものとなっている。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図49(4−1)に示すように、キャラクタD304が登場して4段階目のステップ4−1(SU4−1)の演出が実行される。なお、図48(4)に示したキャラクタD204は顔のみが表示された状態のものであるが、図49(4−1)に示すキャラクタD304と同じ顔のキャラクタであり、同一のキャラクタである。従って、この実施の形態では、図48(4)に示す「セリフ予告4」のセリフ予告演出と、図49(4−1)に示すステップアップ予告演出のステップ4−1(SU4−1)とでは、同一のキャラクタDが登場するものとなっている。
そして、最後のステップの切替タイミングとなると、図49(5)に示すように、キャラクタE305が登場して5段階目のステップ5(SU5)の演出が実行される。なお、図48(5)に示したキャラクタE205は顔のみが表示された状態のものであるが、図49(5)に示すキャラクタE305と同じ顔のキャラクタであり、同一のキャラクタである。従って、この実施の形態では、図48(5)に示す「セリフ予告5」のセリフ予告演出と、図49(5)に示すステップアップ予告演出のステップ5(SU5)とでは、同一のキャラクタEが登場するものとなっている。
なお、この実施の形態では、1段階目のステップ1(SU1)の演出から3段階目のステップ3(SU3)の演出まで継続した後、4段階目で分岐ステップの演出に分岐する場合がある。この場合、図49(3)に示すステップ3(SU3)の演出を実行した後、ステップの切替タイミングとなると、図49(4−2)に示すように、キャラクタF306が登場して分岐ステップであるステップ4−2(SU4−2)の演出が実行される。そして、最後のステップの切替タイミングとなると、図49(5)に示すように、キャラクタE305が登場して5段階目のステップ5(SU5)の演出が実行される。
なお、上記の説明では、1段階目の演出から5段階目の演出までの全てが実行される場合を示したが、例えば、4ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図49(1)に示す態様の演出から開始して、図49(4−1)または図49(4−2)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、3ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図49(1)に示す態様の演出から開始して、図49(3)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、2ステップのステップアップ予告演出を実行する場合には、図49(1)に示す態様の演出から開始して、図49(2)に示す態様の演出まで実行して、ステップアップ予告演出を終了する。また、例えば、1ステップのみのステップアップ予告演出を実行する場合には、図49(1)に示す態様の演出のみを実行して、ステップアップ予告演出を終了する。
次に、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが制限対象の組み合わせであり、いずれか一方の予告演出を制限する場合の演出態様の具体例について説明する。図50は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれかの予告演出を制限する場合の演出態様の具体例を示す説明図である。なお、図50では、セリフ予告演出を制限する場合の例が示されている。図50に示す例では、予告演出設定処理のステップS1501において5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を実行することに決定するとともに、ステップS1504において「セリフ予告5」のセリフ予告演出を実行することに決定したものとする。
演出図柄の変動表示が開始され、ステップアップ予告演出の開始タイミングとなると、まず、図50(1)に示すように、キャラクタA301が登場して1段階目のステップ1(SU1)の演出が実行される。また、図50(1)に示すように、「セリフ予告5」のセリフ予告演出も並行して実行され、キャラクタE205が登場するとともに、キャラクタE205のセリフとして、「チャンス!」の文字列200が表示される。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図50(2)に示すように、キャラクタB302が登場して2段階目のステップ2(SU2)の演出が実行される。また、この場合、図50(2)に示すように、「セリフ予告5」のセリフ予告演出も継続して実行される。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図50(3)に示すように、キャラクタC303が登場して3段階目のステップ3(SU3)の演出が実行される。また、この場合、図50(3)に示すように、「セリフ予告5」のセリフ予告演出も継続して実行される。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図50(4)に示すように、キャラクタD304が登場して4段階目のステップ4−1(SU4−1)の演出が実行される。また、この場合、図50(4)に示すように、「セリフ予告5」のセリフ予告演出も継続して実行される。
次いで、ステップの切替タイミングとなると、図50(5)に示すように、キャラクタE305が登場して5段階目のステップ5(SU5)の演出が実行される。ここで、「セリフ予告5」のセリフ予告演出も継続して実行するようにしてしまうと、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出との両方でキャラクタEが重複して表示されることになり、演出が不自然となってしまう。そこで、この実施の形態では、ステップアップ予告演出のステップ5(SU5)の演出期間と重複する演出期間(重複期間)を排除したセリフ予告演出に変更し(ステップS1519参照)、図50(5)に示すように、ステップアップ予告演出中の5段階目のステップ5(SU5)の演出を実行するときには、「セリフ予告5」のセリフ予告演出を実行しないようにして、キャラクタEが重複して表示されてしまう事態を防止している。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、予告演出として、第1予告演出(例えば、ステップアップ予告演出)と、第1予告演出とは異なる第2予告演出(例えば、セリフ予告演出)とを、演出図柄の変動表示中に同時に実行可能であるとともに、第1予告演出と第2予告演出とをキャラクタ(本例では、キャラクタA〜F)を表示する態様で実行する。そして、第1予告演出と第2予告演出とで、同一のキャラクタが同時に表示されることを制限するように制御する。そのため、複数の予告演出を同時に実行するときに、同一のキャラクタが同時に複数表示されて演出が不自然となってしまう事態を防止することができ、遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態によれば、第1予告演出と第2予告演出とで同一のキャラクタが同時に表示される組み合わせである場合には、第1予告演出または第2予告演出のうち、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の予告演出のみにおいて、その重複するキャラクタを表示させる制御を行う(ただし、この実施の形態では、大当りに対する期待度(信頼度)が同じである場合には、ステップアップ予告演出を優先して、セリフ予告演出の方を制限している)。そのため、同一のキャラクタが同時に複数表示されて演出が不自然となってしまう事態を防止しつつ、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の予告演出を実行するので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、同一のキャラクタが重複して表示される組み合わせである場合に、大当りに対する期待度(信頼度)が高い方の予告演出のみにおいて、その重複するキャラクタを表示させるようにする場合を示しているが、このような場合にかぎられない。例えば、大当りに対する期待度(信頼度)にかかわらず、固定的にステップアップ予告演出を優先して、毎回セリフ予告演出の方を制限するようにしてもよい。また、逆に、固定的にセリフ予告演出を優先して、毎回ステップアップ予告演出の方を制限するようにしてもよい。
また、この実施の形態によれば、第1予告演出としてステップアップ予告演出を実行可能であり、ステップアップ予告演出中の1段階目の演出から複数段階目の演出までの各演出を、それぞれ、複数種類のキャラクタのうちのいずれかのキャラクタを表示する態様で実行する。そして、ステップアップ予告演出中の所定段階目の演出と第2予告演出とで同一のキャラクタが同時に表示される組み合わせである場合には、所定段階目の演出を除外した態様でステップアップ予告演出を実行させる制御を行う。そのため、同一のキャラクタが同時に複数表示されて演出が不自然となってしまう事態を防止しつつ、ステップアップ予告演出の実行も確保できるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、第1予告演出としてステップアップ予告演出と、第2予告演出としてセリフ予告演出とを実行可能に構成し、ステップアップ予告演出を制限する場合にはキャラクタが重複するステップをスキップ(排除)し、セリフ予告演出を制限する場合にはキャラクタが重複する重複期間を排除することによって、同一のキャラクタが同時に複数表示されないようにする場合を示したが、予告演出の制限の仕方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、ステップアップ予告演出を制限する場合には、単にステップをスキップするのではなく、そのステップアップ予告演出自体を実行しないようにしたり、セリフ予告演出を制限する場合には、単に重複期間を排除するのではなく、そのセリフ予告演出自体を実行しないようにしてもよい。
また、例えば、セリフ予告演出を制限する場合に、ステップS1504で決定した種類のセリフ予告演出を他の種類のセリフ予告演出に変更するようにしてもよい。なお、この場合、ステップS1504で決定した種類のセリフ予告演出よりも大当りに対する期待度(信頼度)が低い種類のセリフ予告演出に変更するようにすればよい。
また、例えば、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのうちのいずれかの表示タイミングをずらしてキャラクタを表示することにより、同一のキャラクタが同時に表示されることを防止するように構成してもよい。
また、この実施の形態では、同一のキャラクタが重複して表示される組み合わせである場合には、必ず一方の予告演出を制限して同一のキャラクタが重複表示されることが全くないように構成する場合を示したが、必ずしも重複表示を完全に禁止する必要はない。例えば、同一のキャラクタが重複して表示されるステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせとなる頻度が低くなるように制御することによって制限し、低い割合で同一のキャラクタが重複して表示される場合があるようにしてもよい。このように、同一のキャラクタが重複表示される組み合わせである場合に予告演出を制限するとは、予告演出中の重複期間やステップを排除したり、予告演出自体を実行しないようにしたりすること以外に、重複する予告演出の組み合わせが選択される頻度が低くなるように制御することも含む。
また、この実施の形態では、予告演出設定処理のステップS1501,S1504で一旦個別にステップアップ予告演出とセリフ予告演出とを決定した後に、それらのステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが制限対象であるか否かを判定し、制限対象であると判定した場合に事後的にいずれかの予告演出を制限する(すなわち、事後的に禁則をかける)ことによって、同一のキャラクタが重複して表示されないようにする場合を示したが、このような場合にかぎられない。例えば、あらかじめ同一のキャラクタが同時に表示されないようなステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせを設定したテーブルを用意しておき、そのテーブルを用いてステップアップ予告演出とセリフ予告演出とを一括して決定することによって、同一のキャラクタが重複して表示されないようにしてもよい。
また、この実施の形態では、セリフ予告演出に関して、キャラクタについてのみ複数種類(キャラクタA〜E)を用い、セリフについては図48や図50に示すように共通の「チャンス!」の文字列のみを用いる場合を示したが、セリフについても複数種類用いるものであってもよい。例えば、セリフとして「チャンス!」の文字列と「大チャンス!」の文字列との2種類があるようにし、いずれの種類のキャラクタといずれの種類のセリフとの組み合わせでセリフ予告演出が行われるかによって、大当りに対する期待度(信頼度)が異なるようにしてもよい。この場合、キャラクタとセリフとの組み合わせを考慮したセリフ予告演出の大当りに対する期待度(信頼度)を特定した上で、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれが大当りに対する期待度(信頼度)が高いかを判定して、いずれの予告演出を制限するかを決定するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、一例として、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とで同一のキャラクタが重複しうる場合を説明したが、同一のキャラクタが重複しうる予告演出の具体例は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、予告対象の変動表示が開始される以前に実行される予告演出(いわゆる先読み予告演出)を実行可能に構成した場合に、今回の変動表示を予告対象とする当該変動の予告演出と先読み予告演出とで、同一のキャラクタが重複して表示されないように構成してもよい。この場合、例えば、当該変動の予告演出として、この実施の形態で示したものと同様のステップアップ予告演出を実行するものとし、先読み予告演出として、キャラクタに模した保留記憶表示を表示させるいわゆるメモリ予告演出を実行するように構成した場合に、ステップアップ予告演出中のステップで登場するキャラクタと、メモリ予告演出で保留記憶表示として表示されるキャラクタとが重複しないように制御するようにしてもよい。
また、例えば、異なる先読み予告演出間で同一のキャラクタが重複して表示されないように構成してもよい。この場合、例えば、第1の先読み予告演出として上記のメモリ予告演出を実行するようにし、第2の先読み予告演出として、予告対象の変動表示が近づくに従ってカウントダウンしていく態様のカウントダウン予告演出を実行するように構成した場合に、メモリ予告演出で保留記憶表示として表示されるキャラクタと、カウントダウン予告演出でカウントダウンの際に登場するキャラクタとが重複しないように制御するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1予告演出および第2予告演出ともに複数種類のキャラクタを表示可能に構成する場合を示しているが(本例では、第1予告演出としてのステップアップ予告演出ではキャラクタA〜Fを表示可能であり、第2予告演出としてのセリフ予告演出ではキャラクタA〜Eを表示可能である)、必ずしも複数種類のキャラクタを表示可能である必要はなく、1種類のキャラクタのみ表示可能なものであってもよい。例えば、ステップアップ予告演出ではキャラクタA〜Fを表示可能である一方で、セリフ予告演出ではキャラクタEを表示する種類のもの(本例で示した「セリフ予告E」に相当)のみがあるようにしてもよい。このように構成した場合であっても、5ステップのステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせを決定した場合には、キャラクタEが重複して表示されうるので、いずれかの予告演出を制限するようにして、キャラクタEが重複して表示されないように制御してもよい。
また、この実施の形態によれば、1回の変動表示中の第1のタイミングおよび該第1のタイミングより後の第2のタイミングにおいて、大当りとなる可能性があることを予告する予告演出を実行可能である。また、大当りに対する期待度(信頼度)が異なる複数種類の予告演出を実行可能であり、第2のタイミング(後のタイミング)で予告演出を実行する場合には、第1のタイミング(先のタイミング)で予告演出を実行する場合と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が同程度の予告演出または大当りに対する期待度(信頼度)が高い予告演出を実行する。具体的には、この実施の形態では、演出図柄の変動表示を開始した後、リーチが発生する前までの期間において、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出を実行可能であり、その後の演出図柄の変動表示中のリーチが発生した後の期間において群予告演出を実行可能である。そして、先に実行されたステップアップ予告演出やセリフ予告演出と比較して、大当りに対する期待度(信頼度)が同じであるか高い種類の群予告演出を実行するように制御する。そのため、予告演出が出現した後に大当りに対する期待度(信頼度)が低い予告演出が出現して却って大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止することができ、遊技者が一度抱いた期待感を損なわないようにすることができる。
なお、この実施の形態では、リーチ前に実行可能な予告演出(本例では、ステップアップ予告演出、セリフ予告演出)と、リーチ後に実行可能な予告演出(本例では、群予告演出)とに分け、先にリーチ前に実行可能な予告演出を決定した後に、それよりも大当りに対する期待度(信頼度)が同じか高くなるようにリーチ後の予告演出を決定する場合を示しているが、このような決定方法にかぎられない。例えば、さらに細分化して変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行可能な予告演出を決定可能に構成し、あらかじめ用意された予告信頼度パターン決定テーブルを用いて、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行しうる予告演出の信頼度をまず一括して決定した後に、その決定した信頼度に応じた予告演出を変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後毎に個別に決定することによって、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度となるように決定するようにしてもよい。
また、上記のように細分化して決定する場合、例えば、まず変動開始時の予告演出を決定し、次に変動開始時の予告演出と信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて全図柄変動中の予告演出を決定し、さらに全図柄変動中の予告演出と信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて変動減速時の予告演出を決定するというように、実行時期ごとに順番に予告演出を決定するようにしてもよい。なお、このように決定する場合、先のタイミングよりも信頼度が同じであるか高い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを複数備えていなければならない。そこで、先のタイミングで決定された予告演出にかかわらず、まず乱数を用いた抽選処理によって予告演出を決定し、その決定した予告演出が先のタイミングで決定された予告演出よりも信頼度が低いものであれば、同じ信頼度の予告演出または高い信頼度の予告演出に強制的に変更するように構成してもよい。そのように構成すれば、あらかじめ用意しなければならないテーブル数を低減することができ、必要な記憶容量を低減することができる。
また、逆に、まずリーチ成立後の予告演出を決定し、次にリーチ成立後の予告演出と信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて変動減速時の予告演出を決定し、さらに変動減速時の予告演出と信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを用いて全図柄変動中の予告演出を決定するというように、変動時間の終わりに近い方から順番に予告演出を決定するようにしてもよい。なお、このように決定する場合も、後のタイミングよりも信頼度が同じであるか低い信頼度の予告演出のみを含むテーブルを複数備えていなければならない。そこで、後のタイミングで決定された予告演出にかかわらず、まず乱数を用いた抽選処理によって予告演出を決定し、その決定した予告演出が後のタイミングで決定された予告演出よりも信頼度が高いものであれば、同じ信頼度の予告演出または低い信頼度の予告演出に強制的に変更するように構成してもよい。そのように構成すれば、あらかじめ用意しなければならないテーブル数を低減することができ、必要な記憶容量を低減することができる。
また、上記のように細分化して決定する場合、必ずしも、変動開始時、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後の各タイミングで実行される予告演出のいずれを比較しても、必ず後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度と少なくとも同じであるか高い信頼度とならなくてもよい。例えば、最初に実行される変動開始時の予告演出の信頼度を基準として、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出の信頼度が、変動開始時の予告演出の信頼度と同程度か高い信頼度となっていれば、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出の間では、後のタイミングで実行される予告演出の信頼度が、先のタイミングで実行される予告演出の信頼度よりも低い信頼度となる場合があるようにしてもよい。例えば、変動開始時に中信頼度の予告演出を決定した場合、全図柄変動中(高速変動中)、変動減速時、およびリーチ成立後に実行される予告演出がそれぞれ中信頼度か高信頼度の予告演出となっていればよく、例えば、全図柄変動中に高信頼度の予告演出を実行した後に、変動減速時に中信頼度の予告演出を実行する場合があってもよい。そのように構成しても、少なくとも、変動開始時の予告演出よりも低い信頼度の予告演出が後に実行される場合はないので、ある程度大当りに対する期待感が減退してしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、第1のタイミング(リーチ前)でステップアップ予告演出やセリフ予告演出が実行された後の第2のタイミング(リーチ後)で群予告演出が実行される場合を示したが、第2のタイミングで実行される予告演出は、群予告演出である場合にかぎらず、例えば、桜柄などのモチーフ表示がされるようなモチーフ予告演出など他の予告演出であってもよい。
なお、例えば、ステップアップ予告演出やセリフ予告演出の後に実行される予告演出が群予告演出などリーチ後に実行される予告演出でなければ、必ずしも、第2のタイミングで実行される予告演出はリーチの発生を条件とする必要はなくなる。そのため、図32に示したステップS1507でリーチとなるか否かの判定を行う必要はなくなり、ステップS1507の処理は不要となる。
実施の形態2.
第1の実施の形態では、ステップアップ予告演出を制限する場合に、セリフ予告演出とキャラクタが重複するステップをスキップする場合を説明したが、キャラクタが重複しない分岐ステップのステップアップ予告演出に変更することによって、同じキャラクタが同時に重複して表示されないように制御してもよい。以下、キャラクタが重複しない分岐ステップのステップアップ予告演出に変更することにより、ステップアップ予告演出を制限する第2の実施の形態を説明する。
なお、本実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図51は、第2の実施の形態における予告演出設定処理を示すフローチャートである。なお、この実施の形態において、ステップS1501〜S1512の処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とを両方実行することに決定している場合に、それらのステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせが所定の制限対象に該当するか否かを確認する(ステップS1513A)。
図52は、第2の実施の形態におけるステップアップ予告演出とセリフ予告演出との制限処理を説明するための説明図である。この実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、図52に示すように、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告5」のいずれのセリフ予告演出とも、キャラクタA〜キャラクタEのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」、「セリフ予告5」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタC、キャラクタEのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
また、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告4」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタDのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタCのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
また、3ステップの「SU1→SU2→SU3」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告3」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタCのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、2ステップの「SU1→SU2」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」〜「セリフ予告2」のいずれかのセリフ予告演出と、キャラクタA〜キャラクタBのいずれかが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。また、1ステップの「SU1」のステップアップ予告演出が実行される場合には、「セリフ予告1」のセリフ予告演出と、キャラクタAが重複して表示される可能性があり、制限対象の組み合わせと判断する。
制限対象の組み合わせであれば(ステップS1514AのY)、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれを制限するか否かを確認する(ステップS1515A)。この実施の形態では、ステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれを制限するかの基本的な判定方法は、第1の実施の形態と同様であるが、ステップアップ予告演出のステップをスキップしたり、セリフ予告演出中の重複期間を排除したりしなくても、ステップアップ予告演出を分岐ステップに分岐するものに変更することにより同一のキャラクタが重複して表示されることを回避できる場合には、ステップアップ予告演出を制限すると判定し、ステップアップ予告演出を分岐ステップに分岐するものに変更するように制御する。
ステップアップ予告演出を制限すると判定した場合には(ステップS1516AのY)、演出制御用CPU101は、セリフ予告演出とキャラクタが重複するステップをスキップしたステップアップ予告演出、または分岐ステップに分岐するステップアップ予告演出に変更し(ステップS1517A)、ステップS1503でセットしたステップアップ予告フラグをリセットして、変更後のステップアップ予告演出に応じたステップアップ予告フラグにセットしなおす(ステップS1518A)。
例えば、図52に示すように、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出と「セリフ予告4」のセリフ予告演出との組み合わせである場合、そのままではステップアップ予告演出のステップ4−1(SU4−1)で登場するキャラクタDと「セリフ予告4」のセリフ予告演出で登場するキャラクタDとが重複して表示される事態が生じてしまう。しかし、4段階目のステップ4−1(SU4−1)を分岐ステップ4−2(SU4−2)に変更すれば、ステップアップ予告演出の4段階目のステップの演出でキャラクタDに代えてキャラクタFを登場させるようにすることができ、「セリフ予告4」のセリフ予告演出と重複したキャラクタを表示してしまう事態を回避することができる。そこで、この場合、演出制御用CPU101は、ステップS1517Aにおいて、5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を、分岐ステップを含む5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2→SU5」のステップアップ予告演出に変更する処理を行うことによって、キャラクタの重複表示を回避するように制御する。
また、例えば、図52に示すように、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」のステップアップ予告演出と「セリフ予告4」のセリフ予告演出との組み合わせである場合にも、そのままではステップアップ予告演出のステップ4−1(SU4−1)で登場するキャラクタDと「セリフ予告4」のセリフ予告演出で登場するキャラクタDとが重複して表示される事態が生じてしまう。しかし、4段階目のステップ4−1(SU4−1)を分岐ステップ4−2(SU4−2)に変更すれば、ステップアップ予告演出の4段階目のステップの演出でキャラクタDに代えてキャラクタFを登場させるようにすることができ、「セリフ予告4」のセリフ予告演出と重複したキャラクタを表示してしまう事態を回避することができる。そこで、この場合、演出制御用CPU101は、ステップS1517Aにおいて、4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1」のステップアップ予告演出を、分岐ステップを含む4ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−2」のステップアップ予告演出に変更する処理を行うことによって、キャラクタの重複表示を回避するように制御する。
なお、その他のステップアップ予告演出とセリフ予告演出との組み合わせの場合の予告演出の制限の仕方は、第1の実施の形態と同様である。
セリフ予告演出を制限すると判定した場合には(ステップS1516AのN)、演出制御用CPU101は、ステップアップ予告演出とキャラクタが重複する重複期間を排除したセリフ予告演出に変更し(ステップS1519A)、ステップS1506でセットしたセリフ予告フラグをリセットして、変更後のセリフ予告演出に応じたセリフ予告フラグにセットしなおす(ステップS1520A)。
図53は、第2の実施の形態におけるステップアップ予告演出とセリフ予告演出とのいずれかの予告演出を制限する場合を説明するための説明図である。なお、図53に示す例では、ステップアップ予告演出を分岐ステップに分岐するものに変更することによって制限を行う場合が示されている。なお、ステップアップ予告演出を分岐ステップに分岐するものに変更する場合以外のステップアップ予告演出のステップをスキップしたり、セリフ予告演出中の重複期間を排除することにより制限する場合の態様は、第1の実施の形態で示したものと同様である。
図53に示す例では、予告演出設定処理のステップS1501において5ステップの「SU1→SU2→SU3→SU4−1→SU5」のステップアップ予告演出を実行することに決定するとともに、ステップS1504において「セリフ予告4」のセリフ予告演出を実行することに決定したものとする。この場合、図53に示すように、ステップアップ予告演出のステップ4−1(SU4−1)においてキャラクタDが登場するとともに、セリフ予告演出においてもキャラクタDが登場し、重複する演出期間があることから、そのままではキャラクタDが同時に重複して2つ登場してしまう事態が生じうる。そこで、この実施の形態では、図53に示すように、ステップアップ予告演出を分岐ステップ4−2(SU4−2)に分岐するものに変更し(ステップS1517A参照)、4段階目のステップの演出においてキャラクタDに代えてキャラクタFが登場するようにすることによって、キャラクタEが同時に重複して2つ登場してしまう事態を防止している。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、ステップアップ予告演出中の所定段階目(本例では、4段階目)の演出において異なるキャラクタを表示する他の演出に分岐する態様でステップアップ予告演出を実行可能である。具体的には、4段階目で通常のキャラクタDを登場させるステップ4−1(SU4−1)の演出に代えて、それと異なるキャラクタFを登場させるステップ4−2(SU4−2)の演出に分岐可能である。そして、ステップアップ予告演出中の所定段階目の演出と第2予告演出とで同一のキャラクタが同時に表示される組み合わせである場合には、所定段階目の演出で他の演出に分岐する態様でステップアップ予告演出を実行させる制御を行う。そのため、第1の実施の形態と同様の効果に加えて、同一のキャラクタが同時に複数表示されて演出が不自然となってしまう事態を防止しつつ、ステップアップ予告演出を中断することなく実行できるので、遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。