以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の遊技機の一実施形態に係るパチンコ遊技機1について説明する。
[パチンコ遊技機1の概略構成例]
まず、図1及び図2を参照しつつ、パチンコ遊技機1の概略構成について説明する。ここで、図1は、パチンコ遊技機1の概略正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の一部を示す平面図である。図1に例示されるように、パチンコ遊技機1は、入賞や判定に関する役物等が設けられた遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材3とを備えている。枠部材3は、遊技盤2と所定の間隔を隔てて平行配置された透明なガラス板を支持しており、このガラス板と遊技盤2とによって、遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
遊技者がハンドル20を握ってレバー21を時計方向に回転させると、上皿28に溜められた遊技球が発射装置(不図示)へと案内され、ハンドル20の回転角度に応じた打球力で遊技領域10へと発射される。この遊技領域10には、不図示の遊技クギや風車等が設けられており、発射された遊技球は、遊技領域10における上部位置へと案内され、遊技クギや風車等に接触することでその移動方向を変化させながら遊技盤2に沿って落下する。なお、遊技球の発射は、遊技者が停止ボタン22を操作することによって一時的に停止される。
上皿28は、発射装置へ供給される遊技球及び賞球を溜めるものである。この上皿28の下方には、賞球を溜める下皿29が設けられている。この下皿29と近接配置された取り出しボタン23を遊技者が操作すると、下皿29の下面の一部が開口されて、下皿29に溜まった遊技球が下皿29の下方に配置された不図示の箱に落下する。なお、上皿28及び下皿29は、1つの皿で構成されてもよい。
遊技者がハンドル20を小さい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「左打ち」を行うと、遊技球が相対的に弱い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印31に例示されるように遊技領域10における左側領域を流下する。一方、遊技者がハンドル20を大きい回転角で回転させた状態を維持するいわゆる「右打ち」を行うと、遊技球が相対的に強い打球力で打ち出される。この場合、遊技球は、矢印32に例示されるように遊技領域10における右側領域を流下する。
左打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、第1始動口11、第2始動口12、3つの普通入賞口14、第1ゲート15、及び電動チューリップ17が設けられている。また、右打ちされた遊技球の通過経路には、入賞や判定に関する役物として、上記第2始動口12、第1大入賞口13、1つの普通入賞口14、第2ゲート16、上記電動チューリップ17、及び第2大入賞口19が設けられている。
遊技領域10に打ち出された遊技球は、遊技盤2に沿って流下する過程で、第1始動口11、第2始動口12、第1大入賞口13、普通入賞口14、及び第2大入賞口19のいずれかに入球して入賞する。これにより、入賞した箇所に応じた所定数の賞球が上皿28又は下皿29に払い出される。なお、入賞しなかった遊技球は、排出口18を介して遊技領域10から排出される。
第1始動領域としての第1始動口11は、常時開放されている始動口であり、第2始動領域としての第2始動口12は、普通電動役物としての電動チューリップ17が作動しているときだけ開放される始動口である。パチンコ遊技機1では、遊技球が第1始動口11を通過して入賞した場合、又は遊技球が第2始動口12を通過して入賞した場合、遊技者にとって有利な大当たり遊技(特別遊技)を実行するか否かが判定され、その判定結果が後述する表示器4に表示される。
なお、以下の説明では、第1始動口11への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第1特別図柄判定」と呼び、第2始動口12への遊技球の入賞を条件として実行される判定を「第2特別図柄判定」と呼び、これらの判定を総称して「特別図柄判定」と呼ぶものとする。
また、本実施形態では、第2特別図柄判定を始動させる始動口として第2始動口12を備えている場合について説明するが、第2特別図柄判定を始動させる始動口として、普通電動役物が作動したか否かに関わらず遊技球が入賞可能な始動口を設けてもよい。このような構成としては、特定の領域を通過した遊技球が第1始動口11と第2始動口12とに交互に入賞するような構成が一例として挙げられる。また、第1始動口11と第2始動口12とのどちらにも遊技球が入賞可能であるもののいずれか一方の方が他方よりも入賞し易いような構成(例えば、遊技球を第1始動口11又は第2始動口12に振り分ける振分部材を第1始動口11の方が入賞し易くなるように動作させるといった構成)が他の例として挙げられる。
第1大入賞口13は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第1大入賞口13の開口部には、第1大入賞口13を開閉するプレートが設けられている。第1大入賞口13は、通常はこのプレートによって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記プレートを作動させて第1大入賞口13を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第1大入賞口13への9個の遊技球の入賞、又は第1大入賞口13が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第1大入賞口13が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定回数実行される。
第2大入賞口19は、特別図柄判定の結果に応じて開放される特別入賞領域である。この第2大入賞口19の開口部には、図1に例示されるように、第2大入賞口19を開閉する羽根部材が設けられている。第2大入賞口19は、通常はこの羽根部材によって閉塞されている。これに対して、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す所定の大当たり図柄が表示器4に停止表示された場合、上記羽根部材を作動させて第2大入賞口19を開放する大当たり遊技が実行される。大当たり遊技中は、所定条件(本実施形態では、第2大入賞口19への9個の遊技球の入賞、又は第2大入賞口19が開放されてから29.5秒の経過)を満たすまで第2大入賞口19が開放状態に維持されてから閉塞される長開放ラウンド遊技が所定回数実行される。
このように、大当たり遊技中には第1大入賞口13又は第2大入賞口19が長開放されるため、遊技者は、大当たり遊技中に右打ちを行うことで、大当たり遊技が行われていないときに比べてより多くの賞球を得ることができる。
電動チューリップ17は、第2始動口12に近接配置されており、一対の羽根部材を有している。この電動チューリップ17は、一対の羽根部材が第2始動口12を閉塞する閉姿勢(図1参照)と、第2始動口12を開放する開姿勢(不図示)とに姿勢変化可能に構成されている。
第2始動口12は、図1に例示されるように、通常は電動チューリップ17によって閉塞されている。これに対して、遊技球が第1ゲート15又は第2ゲート16を通過すると、賞球の払い出しは行われないものの、第2始動口12を開放するか否かが判定される。ここで、第2始動口12を開放すると判定された場合、電動チューリップ17の一対の羽根部材が規定時間開姿勢を維持した後に閉姿勢に戻る動作が規定回数行われる。このように、第2始動口12は、電動チューリップ17が作動していないときには遊技球が通過し難い状態であるのに対して、電動チューリップ17が作動することによって遊技球が通過し易い状態となる。なお、以下の説明では、第1ゲート15又は第2ゲート16に対する遊技球の通過を条件として実行される判定を「普通図柄判定」と呼ぶものとする。
普通入賞口14は、第1始動口11と同様に常時開放されており、遊技球の入賞によって所定個数の賞球が払い出される入賞口である。なお、第1始動口11等とは異なり、普通入賞口14に遊技球が入賞しても判定が行われることはない。
[パチンコ遊技機1の演出手段の構成例]
図1に例示されるように、遊技盤2又は枠部材3には、各種の演出を行うものとして、液晶表示装置5、スピーカ24、花火役物6、真剣役物7、盤ランプ25等が設けられている。また、枠部材3には、図1には示されていない枠ランプ37(図14参照)が内蔵されている。
液晶表示装置5は、演出画像を表示する画像表示装置であり、液晶表示装置5の表示画面(以下「液晶画面」と呼ぶ。)は、遊技者によって視認され易い位置に設けられている。この液晶画面には、例えば、特別図柄判定の判定結果を報知する装飾図柄、予告演出などを行うキャラクタやアイテム、特別図柄判定が保留されている数だけ表示される保留画像等の各種表示オブジェクトを含む演出画像が表示される。なお、画像表示装置は、EL表示装置等の他の画像表示装置によって構成されてもよい。
スピーカ24は、液晶表示装置5で行われる表示演出と同期するように、或いは非同期に、楽曲や音声、効果音等を出力して音による演出を行う。
花火役物6及び真剣役物7は、液晶画面の前方且つ上方に配置されている。花火役物6及び真剣役物7には、それぞれ発光素子(例えばLED)が内蔵されている。花火役物6及び真剣役物7は、それぞれ、役物自体の動きと光との両方或いは一方によって所定の演出を行う。花火役物6及び真剣役物7の概略構成及び動作については、図4に基づいて後に詳述する。
盤ランプ25及び枠ランプ37は、点灯又は点滅のパターンの変更、発光色の変更等の光による各種の演出を行う。
[パチンコ遊技機1の操作手段の構成例]
図2に例示されるように、枠部材3には、遊技者が操作する操作手段として、演出ボタン26及び十字キー27が設けられている。演出ボタン26は、遊技者が押下することによって操作情報を入力するための押ボタンである。十字キー27は、遊技者が選択操作を行うためのいわゆる十字キーである。パチンコ遊技機1では、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出が行われる場合がある。
[表示器4の構成例]
図3は、図1における表示器4の拡大図である。表示器4は、主に特別図柄判定や普通図柄判定に関する情報を表示するものであり、図3に例示されるように、第1特別図柄表示器41、第2特別図柄表示器42、第1特別図柄保留表示器43、第2特別図柄保留表示器44、普通図柄表示器45、普通図柄保留表示器46、遊技状態表示器47、ラウンド表示器48等を有して構成されている。
第1特別図柄表示器41は、第1特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第1特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第1特別図柄判定の判定結果を報知する。第2特別図柄表示器42は、第2特別図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから第2特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって第2特別図柄判定の判定結果を報知する。第1特別図柄表示器41及び第2特別図柄表示器42には、判定図柄として、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」であることを示す大当たり図柄、又は特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であることを示すハズレ図柄が停止表示される。
第1特別図柄保留表示器43は、第1特別図柄判定の保留数を表示する。第2特別図柄保留表示器44は、第2特別図柄判定の保留数を表示する。
普通図柄表示器45は、普通図柄判定が行われると、図柄を変動表示してから普通図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示することによって普通図柄判定の判定結果を報知する。普通図柄保留表示器46は、普通図柄判定の保留数を表示する。遊技状態表示器47は、パチンコ遊技機1の電源投入時点における遊技状態を表示する。ラウンド表示器48は、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に大当たり図柄が停止表示されると、大当たり遊技中の大入賞口13の開放パターンを表示する。
なお、以下の説明では、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に表示される図柄を「特別図柄」と呼び、普通図柄表示器45に表示される図柄を「普通図柄」と呼ぶものとする。
[変動演出について]
パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞すると、大当たり遊技を実行するか否かを判定する特別図柄判定が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において、特別図柄が変動表示された後に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示される。これに対して、液晶表示装置5では、特別図柄が変動表示されるのに伴って装飾図柄を変動表示させる変動演出が行われ(図1参照)、判定図柄が停止表示されるのに伴って、装飾図柄が特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示される。
このような変動演出中には、いわゆるリーチ演出が行われる場合がある。具体的には、液晶表示装置5には、例えば1〜9の数字が縦方向に連続して記された数列からなる装飾図柄が3列表示されており、特別図柄の変動表示が開始されると、これらの装飾図柄が例えば上から下へとスクロールするように変動表示される。これに対して、リーチ演出が行われる場合には、全ての装飾図柄が停止表示されるのに先立って、まず、例えば左列と右列の装飾図柄が完全には停止しないように擬似停止する。その際、左図柄及び右図柄として有効ライン上に同一の装飾図柄が擬似停止すればリーチ成立となり、同一の装飾図柄が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるリーチ演出が行われる。そして、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において大当たり図柄が停止表示されると、同一の装飾図柄が有効ライン上に本停止して大当たりが報知されることになる。なお、変動演出中に左図柄及び右図柄として相異なる装飾図柄が擬似停止された場合には、リーチ演出は行われず、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)においてハズレ図柄が停止表示されるのに伴い、ゾロ目とはならない3つの装飾図柄が本停止して変動演出が終了することになる。
また、例えばリーチ成立の前或いは後において、いわゆる「擬似連」と呼ばれる擬似連続演出が行われる場合がある。この擬似連続演出は、特別図柄の1回の変動表示中に、装飾図柄が複数回変動表示されたように見せる演出である。この擬似連続演出が行われる場合、擬似連続演出に発展することを示唆する中図柄を含む複数の装飾図柄が擬似停止表示され(例えば図9(E)参照)、その後に、これらの装飾図柄が再始動して擬似2連目、或いは擬似3連目へと発展していくことになる。
[表示領域及び保留アイコンについて]
ところで、上記のように図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中であるときには、第1始動口11(又は第2始動口12)に新たに遊技球が入賞したとしても、この入賞を契機とする第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)と図柄の変動表示とを即座に実行することはできない。このため、パチンコ遊技機1では、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞しても第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)や図柄の変動表示を即座に実行できない場合には所定数(本実施形態では「4」)を超えない範囲で第1特別図柄判定(又は第2特別図柄判定)が保留されて、その保留数が第1特別図柄保留表示器43(又は第2特別図柄保留表示器44)に表示される。
一方の液晶画面には、特別図柄判定及び図柄の変動表示が保留されていることを示唆する保留画像としての保留アイコンが表示される表示領域として、第1保留アイコン表示領域51及び第2保留アイコン表示領域52が設けられている(図4(A)参照)。
図4は、液晶表示装置5に表示される演出画像と演出役物6,7とについて説明するための説明図である。
第1保留アイコン表示領域51(図4(A)参照)は、第1特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第1保留アイコン表示領域51には、第1特別図柄保留表示器43が示す第1特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
第2保留アイコン表示領域52(図4(A)参照)は、第2特別図柄判定が保留されていることを示唆する保留アイコンを表示する領域である。この第2保留アイコン表示領域52には、第2特別図柄保留表示器44が示す第2特別図柄判定の保留数と同数の保留アイコンが表示される。
図4(A)には、第1特別図柄判定の保留数が「4」であることを示唆するために第1保留アイコン表示領域51に4個の保留アイコンが表示されると共に、第2特別図柄判定の保留数が「1」であることを示唆するために第2保留アイコン表示領域52に1個の保留アイコンが表示された状態が例示されている。
なお、液晶画面には、第1特別図柄表示器41(又は第2特別図柄表示器42)において図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像を表示する表示領域として、当該領域53が設けられている(図4(A)参照)。本実施形態では、花火筒を模した演出画像の直上の領域が当該領域53に設定されている。
パチンコ遊技機1では、保留されている第1特別図柄判定の権利が消化されて図柄の変動表示が開始されるに際して、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンの中で最初に表示された保留アイコン(当該領域53に最も近い保留アイコン)が第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動される。そして、第1保留表示領域51に他の保留アイコンが表示されている場合には、他の保留アイコンは、第1保留アイコン表示領域51内において、当該領域53側に表示位置がシフトされる。例えば図4(A)に例示されるように第1保留アイコン表示領域51に4個の保留アイコンが表示された状態で第1特別図柄判定が消化される場合には、これらの保留アイコンのうちの一番右側に位置する保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動されると共に、残り3つの保留アイコンが第1保留アイコン表示領域51内において表示位置が右側にシフトされる。その結果、第1保留アイコン表示領域51に表示される保留アイコンの数が3つとなり、保留されている第1特別図柄判定の権利が3つになったことが遊技者に報知されることになる。
なお、このようなシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンについても同様に行われる。また、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定と第2特別図柄判定とが両方保留されている場合、第1特別図柄判定よりも第2特別図柄判定の方が優先消化される。このため、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理よりも第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンに対するシフト処理が優先して行われる。すなわち、第1保留アイコン表示領域51に表示されている保留アイコンに対するシフト処理は、第2保留アイコン表示領域52に表示されている保留アイコンがなくなってから行われる。
このように、第1始動口11(又は第2始動口12)に遊技球が入賞したことに応じて取得された大当たり乱数などの取得情報に基づく特別図柄判定が行われる前は、その取得情報に対応する保留アイコン(保留画像)が第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示される。そして、この第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されている保留アイコンに対応する取得情報に基づいて特別図柄判定及び特別図柄の変動表示が行われるに際して、保留アイコンが当該領域53に移動されて、特別図柄が変動表示されていることを示唆する変動示唆画像として当該領域53に表示される。
なお、第1保留アイコン表示領域51には、基本的には、白色の花火玉を模した白花火玉アイコンが表示されるが、忍者を模した保留アイコンである忍者アイコンや、侍を模した保留アイコンである侍アイコンが表示される場合がある。白花火玉アイコンは、デフォルトの保留アイコンである。忍者アイコンは、この忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定が消化された場合の図柄変動中にリーチ演出が行われる可能性がある場合や、忍者アイコンが当該領域53に移動した後に最終的に色付きの花火玉を模した色付き花火玉アイコンに変化する場合などに表示される。侍アイコンは、この侍アイコンに対応する第1特別図柄判定が消化された場合の図柄変動中に擬似連続演出が行われる可能性がある場合などに表示される。
[花火役物6の概略構成と動作]
図4(A)は、花火役物6が作動していない状態を示しており、図4(B)は、花火役物6が作動した状態を示している。花火役物6は、パチンコ遊技機1の奥行方向を軸方向として回動可能に構成された複数(本実施形態では6つ)の回動部材61を有して構成されている。各回動部材61は、それぞれ、発光素子(例えばLED)を内蔵していると共に、発光素子の光を透過する透光部材(回動部材61の黒塗り部分)を有している。
花火役物6が作動していない状態では、6つの回動部材61が正面視で重なって見えるような姿勢に維持されている。これに対して、花火役物6が作動すると、6つの回動部材71が扇子のように互いに異なる回転角で回動した状態(図4(B)参照)となり、この状態で、各発光素子が所定の発光パターンで発光する。このため、花火役物6が作動することにより、夜空に打ち上げられた花火玉が破裂して火花が拡散していく様子が表現される。
なお、後に詳述するが、この花火役物6は、本実施形態では、擬似連続演出のために装飾図柄が擬似停止した後に、これらの装飾図柄が再始動する前に上記の動作を行う(図9(E)及び(F)参照)。
[真剣役物7の概略構成と動作]
図4(A)は、真剣役物7が作動していない状態を示しており、図4(C)は、真剣役物7が作動した状態を示している。真剣役物7は、真剣の鞘の一部を模した鞘部材71と、真剣の鍔及び柄を模した柄部材72と、真剣の刀身の一部を模した刀身部材73とを有して構成されている。
真剣役物7が作動していない状態では、鞘部材71と柄部材72とが互いに当接しており、刀身部材73が視認できない状態となっている(図4(A)参照)。すなわち、刀身が鞘に納められた状態である。これに対して、真剣役物7が作動すると、鞘部材71が左方向にスライド移動すると共に、柄部材72が右方向にスライド移動し、その結果、刀身部材73が視認可能に露出される(図4(C)参照)。図には示されていないが、この刀身部材73は、発光素子(例えばLED)を内蔵していると共に、発光素子からの光を透過する透光部材によって構成されている。鞘部材71及び柄部材72がスライド移動すると、刀身部材73の発光素子が所定の発光パターンで発光する。これにより、真剣が抜刀される際に鞘から出てきた刀身の一部が光り輝く様子が表現される。
なお、後に詳述するが、この真剣役物7は、本実施形態では、図柄変動中において、リーチが成立することを示唆するために、リーチ成立前に作動する(図12(E)及び(F)参照)。
[白花火玉アイコンが当該領域53に移動した場合に行われる演出の流れ]
図5は、白花火玉アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。
第1保留アイコン表示領域51に白花火玉アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間(例えば1秒間)停止表示されると、白花火玉アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この白花火玉アイコンが当該領域53に移動される(図5(A)参照)。
ここで、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレであって、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば8秒)に設定されている場合、当該領域53に移動された白花火玉アイコンは、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示唆するために、そのままの状態を維持する(図5(B)参照)。そして、変動表示されていた装飾図柄が例えばバラケ目で停止表示されて、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることが報知される(図5(C)参照)。
一方、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレであるものの、特別図柄の変動時間が長めの時間(例えば30秒)に設定されているような場合、当該領域53に移動された白花火玉アイコンが表示態様を維持した状態でリーチが成立し(図5(D)参照)、リーチ演出が行われた後に第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される場合もある(図5(E)及び(C)参照)。
一方、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が大当たりである場合や、ハズレであるものの特別図柄の変動時間が相対的に長い時間(例えば90秒)に設定されているような場合、白花火玉アイコンが当該領域53に移動した後に、大当たりとなる可能性があることを示唆するために、色付き花火玉アイコンに変化する(図5(F)参照)。この色付き花火玉アイコンとしては、大当たりに対する信頼度が相対的に低いことを示すものから高いことを示すものへと順に並べた場合、例えば、青色の花火玉アイコン、黄色の花火玉アイコン、緑色の花火玉アイコン、赤色の花火玉アイコン、虹色の花火玉アイコンが例として挙げられる。そして、白花火玉アイコンが色付き花火玉アイコンに変化すると、大抵の場合はリーチが成立し(図5(D)参照)、リーチ演出が行われてから色付き花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図5(E)及び(C)参照)。
[白花火玉アイコンを用いた演出の具体例]
図6は、白花火玉アイコンが当該領域53に移動してから色付き花火玉アイコンに変化する演出の具体例について説明するための説明図である。図6(A)に例示されるように、第1保留アイコン表示領域51に2つの白花火玉アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間だけ停止表示されると、装飾図柄の変動表示が開始されるのに伴い、アイコンのシフト処理が行われる。具体的には、第1保留アイコン表示領域51に表示されている2つの白花火玉アイコンのうち、当該領域53に近い方の白花火玉アイコンが当該領域53に移動され、残りの白花火玉アイコンが第1保留アイコン表示領域51において当該領域53に近づく方向にシフトされる(図6(A)及び(B)参照)。
そして、白花火玉アイコンを変化させて大当たりの可能性があることを示唆する演出を行うと決定されている場合、例えば所定のキャラクタが当該領域53に表示されている白花火玉アイコンを変化させる動作を行う演出表示が行われた後に、白花火玉アイコンが上述したような色付き花火玉アイコンに変化する(図6(C)参照)。そして、このようなアイコンの色変化が生じた後に、リーチが成立してリーチ演出が行われる(図6(D)参照)。
なお、図6では、白花火玉アイコンがリーチ成立前に色付き花火玉アイコンに変化する様子が例示されているが、例えばリーチ成立時やリーチ成立後に白花火玉アイコンを色変化させるようにしてもよい。
[侍アイコンが当該領域53に移動した場合に行われる演出の流れ]
図7は、侍アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。図8は、侍アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる失敗パターンの演出の具体例を示す説明図である。図9は、侍アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる成功パターンの演出の具体例を示す説明図である。なお、図8及び図9では、説明の便宜上、真剣役物7の図示が省略されている。
第1保留アイコン表示領域51の右端に侍アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間停止表示されると(図8(A)参照)、侍アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この侍アイコンが当該領域53に移動される(図7(A)、図8(A)及び(B)参照)。そして、侍アイコンの目的地である連領域56を示す演出画像が表示される(図8(B)参照)。
[擬似連続演出が行われない場合]
侍アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述した擬似連続演出が行われない場合、侍アイコンを用いて、以下のような擬似連続演出に関する失敗パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、侍アイコンが当該領域53に移動してから所定時間(例えば2秒)が経過すると、当該領域53の直下に表示されている花火筒から侍アイコンが打ち上げられる様子を表す演出表示が行われ(図7(B)、図8(C)参照)、続いて、打ち上げられた侍アイコンが空中を泳いで連領域56を目指して移動していく様子を表す演出表示が行われる(図7(C)、図8(C)及び(D)参照)。より詳細には、打ち上げられた侍アイコンと連領域56とを結ぶ線分の延長線上に花火役物6の花火玉(回動部材61の回動中心)が位置しており、侍アイコンは、花火役物6の花火玉に向けて移動していく。すなわち、侍アイコンの移動方向は、侍アイコンが花火役物6の花火玉に近づく方向である。
そして、この変動では擬似連続演出が行われないので、侍アイコンが連領域56に到達できずに当該領域53とは異なる場所に落下していく様子を表す演出表示が行われて(図7(D)、図8(D)及び(E)参照)、侍アイコン及び連領域56の演出画像が液晶画面から消去される。そして、侍アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果がハズレである場合、その旨を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図7(E)、図8(F)参照)。
なお、侍アイコンが落下して液晶画面から消去された後は、変動中の装飾図柄が停止表示されるまでの間、侍アイコンの代わりに、花火玉アイコンが当該領域53に表示される(図8(F)参照)。このため、遊技者は、当該領域53に白花火玉アイコンが表示されているのを見て、図柄変動が終了していないことを認識することができる。
なお、本実施形態では液晶画面から消去されたキャラクタアイコン(侍アイコン又は忍者アイコン)の代わりに白花火玉アイコンを当該領域53に表示する場合について説明するが、キャラクタアイコンが消去されてから図柄が停止表示されるまでの時間が十分にない場合には、代わりとなる白花火玉アイコンを表示しないような構成を採用してもよい。
[擬似連続演出が行われる場合]
侍アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述した擬似連続演出が行われる場合、侍アイコンを用いて、以下のような擬似連続演出に関する成功パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、侍アイコンが当該領域53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、侍アイコンが当該領域53から打ち上げられてから連領域56を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図7(A)〜(C)、図9(A)〜(C)参照)。すなわち、侍アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出と成功パターンの示唆演出とは、前段部分が共通している。
そして、この変動では擬似連続演出が行われるので、例えばリーチが成立した直後のタイミングで、侍アイコンが連領域56に到達する(図7(F)、図9(D)参照)。次に、連領域56及び連領域56に到達した侍アイコンが液晶画面から消去されるのに伴い、擬似連続演出が行われることが確定したことを示唆する演出表示が行われると共に、侍アイコンの代わりとなる花火玉アイコンが当該領域53に表示される(図9(E)参照)。これは、侍アイコンが消去された後も図柄変動が継続することを示唆するためである。なお、図9(E)に示される例では、大当たりの可能性があることを示唆するために、当該領域53に色付き花火玉アイコンが表示された様子が例示されている。
このように、侍アイコンが連領域56に到達してから所定時間が経過すると、擬似連続演出の2連目の演出に突入することを示唆する中図柄を含むように、左図柄、中図柄、及び右図柄が擬似停止表示される(図7(G)、図9(E)参照)。
そして、擬似停止表示された各装飾図柄が再始動するのに先立って、擬似2連目の演出が開始されること(装飾図柄が再始動すること)を示唆するために、花火役物6が作動する(図7(H)、図9(F)参照)。具体的には、花火役物6の各回動部材61がそれぞれ異なる回転角で回動すると共に、各回転部材61に内蔵されている発光素子が所定の発光パターンで発光する。これに伴い、液晶画面の一部が花火役物6によって覆われるので、図には示されていないが、液晶画面には、花火役物6の作動による演出効果を高めるためのエフェクト画像が表示される。そして、液晶画面には、花火役物6が作動するのと時を同じくして「もういっちょ」の文言が表示され、花火役物6が元の姿勢に戻るのに伴ってこの文言が消去されると、各装飾図柄が再始動して擬似2連目の演出に突入する(図7(I)参照)。
その後、リーチが成立してリーチ演出が行われて(図7(J)及び(K)参照)、第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図7(E)参照)。
このように、本実施形態では、侍アイコンが当該領域53に移動されると共に図柄の変動表示が開始されると、この図柄の変動表示中において擬似連続演出が行われないことを示唆する失敗パターンの示唆演出(図8参照)、又は擬似連続演出が行われることを示唆する成功パターンの示唆演出(図9参照)が侍アイコンを用いて行われる。
このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域51に侍アイコンが表示されたことに基づいて侍アイコンに対応する図柄変動中に擬似連続演出が行われる可能性があることを事前に把握することができる。なお、侍アイコンが表示されただけで擬似連続演出が行われることが確定する訳ではないため、遊技者は、当該領域53に移動した侍アイコンによる成功パターンの示唆演出が行われて擬似連続演出に発展することを期待しながら遊技を楽しむことができる。
[忍者アイコンが当該領域53に移動した場合に行われる演出の流れ]
図10は、忍者アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる演出の流れについて説明するための説明図である。図11は、忍者アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる失敗パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。図12は、忍者アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる第1成功パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。図13は、忍者アイコンが当該領域53に移動された場合に行われる第2成功パターンの演出の具体例について説明するための説明図である。なお、図11〜図13では、説明の便宜上、花火役物6の図示が省略されている。
第1保留アイコン表示領域51の右端に忍者アイコンが表示された状態で装飾図柄が所定時間停止表示されると(図11(A)参照)、忍者アイコンに対応する装飾図柄の変動表示の開始に伴い、この忍者アイコンが当該領域53に移動される(図10(A)、図11(A)及び(B)参照)。
[リーチ演出が行われない場合]
忍者アイコンに対応する図柄の変動表示中に上述したリーチ演出が行われない場合、忍者アイコンを用いて、以下のようなリーチ演出に関する失敗パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、忍者アイコンが当該領域53に移動してから所定時間(例えば2秒)が経過すると、当該領域53の直下に表示されている花火筒から忍者アイコンが打ち上げられる様子を表す演出表示が行われ(図10(B)、図11(C)参照)、続いて、打ち上げられた忍者アイコンが空中を泳いで真剣領域57を目指して移動していく様子を表す演出表示が行われる(図10(C)、図11(C)参照)。より詳細には、打ち上げられた忍者アイコンと真剣領域57とを結ぶ線分の延長線上に真剣役物7の鍔が位置しており、忍者アイコンは、真剣役物7の鍔に向けて移動していく。すなわち、忍者アイコンの移動方向は、忍者アイコンが真剣役物7の鍔に近づく方向である。なお、真剣領域57に相当する領域には真剣領域57を示唆する演出画像は表示されていないため、図11〜図13では、真剣領域57の境界が破線で示されている。
そして、この変動ではリーチ演出が行われず、また、特別図柄の変動時間が相対的に短い時間(例えば12秒)に設定されている場合、忍者アイコンが真剣領域7に到達できずに当該領域53とは異なる場所に落下していく様子を表す演出表示が行われて(図10(D)、図11(D)及び(E)参照)、忍者アイコンが液晶画面から消去される。これに伴い、忍者アイコンに代わるアイコンとして、白花火玉アイコンが当該領域53に表示される(図11(F)参照)。そして、ここではリーチ演出が行われないため、第1特別図柄判定の判定結果がハズレであることを示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図10(E)、図11(F)参照)。
[リーチ演出が行われる場合]
忍者アイコンに対応する図柄の変動表示中にリーチ演出が行われる場合、忍者アイコンを用いて、以下のような第1成功パターンの示唆演出が行われる。
具体的には、忍者アイコンが当該領域53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、忍者アイコンが当該領域53から打ち上げられてから真剣領域57の鍔を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図10(A)〜(C)、図12(A)〜(C)参照)。すなわち、忍者アイコンを用いた示唆演出も、失敗パターンの示唆演出と成功パターンの示唆演出との前段部分が共通している。
そして、この変動ではリーチ演出が行われるので、忍者アイコンが真剣領域57に到達し(図10(F)、図12(D)参照)、その直後に真剣役物7が作動する(図10(G)、図12(E)参照)。具体的には、鞘部材71が左方向にスライド移動すると共に柄部材72が右方向にスライド移動し、この状態で刀身部材73に内蔵されている発光素子が所定の発光パターンで発光する。なお、これに伴い、液晶画面における上部中央(真剣領域57を含む領域)には、真剣役物7の作動による演出効果を高めるための所定のエフェクト画像が表示される(図12(E)参照)。
真剣役物7が作動して所定時間が経過すると、同種の左図柄及び右図柄が有効ライン上に擬似停止表示されてリーチが成立する(図10(H)、図12(F)参照)。
このようにしてリーチが成立すると、所定のリーチ演出が行われて(図10(I)参照)、忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図10(J)参照)。
なお、真剣役物7の作動に伴い真剣領域57に到達した忍者アイコンが液晶画面から消去されるので、当該領域53には、忍者アイコンの代わりとなる花火玉アイコンが表示される(図12(E)参照)。このため、例えばリーチ成立後に、当該領域53に表示されている花火玉アイコンを変化させる演出を行うことが可能である。
[アイコン変化演出が行われる場合]
忍者アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果が、大当たりに対する信頼度が相対的に高いものである場合、大当たりとなる可能性があることを示唆する演出として、以下のような第2成功パターンの示唆演出が行われる場合がある。
具体的には、忍者アイコンが当該領域53に移動された後、その移動から所定時間(例えば2秒)が経過すると、失敗パターンの示唆演出や第1成功パターンの示唆演出が行われる場合と同様に、忍者アイコンが当該領域53から打ち上げられてから真剣領域57を目指して移動して行く様子を表す演出表示が行われる(図10(A)〜(C)、図13(A)〜(C)参照)。
そして、この変動が行われた結果として大当たりが報知される可能性があるため、忍者アイコンが真剣領域57に到達できずに落下すると見せ掛けておいて、忍者アイコンが風呂敷をパラシュート代わりに使用して当該領域53に戻って来る演出表示が行われる(図10(K)、図13(D)参照)。
その際、忍者アイコンは、当該領域53に到達するのとほぼ同時に、風呂敷に包まれた花火玉アイコン(以下「風呂敷玉アイコン」と呼ぶ。)へと変化する。そして、これに伴い、遊技者に演出ボタン26の押下を促すボタン画像がこの風呂敷玉アイコンと共に当該領域53に表示される(図10(L)、図13(E)参照)。
これに対して、ボタン画像が表示されている間に遊技者が演出ボタン26を押下すると(図10(M)参照)、当該領域53に表示されている風呂敷玉アイコンが色付き花火玉アイコンに変化する(図10(N)、図13(E)及び(F)参照)。そして、リーチが成立してリーチ演出が行われた後に、この色付き花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の判定結果を示す表示態様で装飾図柄が停止表示される(図10(H)〜(J)参照)。
ここまでの説明から明らかなように、白花火玉アイコンが当該領域53に移動された場合には、この白花火玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させる色変化演出のみが行われるのに対して、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出が行われた場合には、この第2成功パターンの示唆演出が行われてから、同様の色変化演出が行われる。
このため、忍者アイコンが真剣領域57に到達できなかったことを受けて大当たりに対する期待感を失いかけていた遊技者に対して、大当たりに対する期待感を効果的に抱かせることが可能である。
このように、本実施形態では、忍者アイコンが当該領域53に移動されると共に図柄の変動表示が開始されると、この図柄の変動表示中においてリーチ演出が行われないことを示唆する失敗パターンの示唆演出(図11参照)、リーチ演出が行われることを示唆する第1成功パターンの示唆演出(図12参照)、及び大当たりに対する信頼度が相対的に高く色変化演出が行われることを示唆する第2成功パターンの示唆演出(図13参照)のいずれかが行われる。
このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域51に忍者アイコンが表示されたことに基づいて忍者アイコンに対応する図柄変動中にリーチ演出が行われる可能性があることを事前に把握することができ、第1成功パターンの示唆演出又は第2成功パターンの示唆演出が行われることを期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、擬似連続演出に関する示唆演出とリーチ演出に関する示唆演出とを比較した場合、示唆演出に使用されるキャラクタが相違する。このため、遊技者は、第1保留アイコン表示領域51に表示されたキャラクタアイコン(侍アイコン又は忍者アイコン)の種類に基づいて、保留消化時に行われる示唆演出の種類を容易且つ事前に把握することができる。
また、擬似連続演出に関する示唆演出では、擬似連続演出が次の段階に発展していくタイミングで作動する花火役物6を目指して侍アイコンが移動していく表示演出が行われ、リーチ演出に関する示唆演出では、リーチ成立を示唆する役割を果たす真剣役物7の鍔を目指して忍者アイコンが移動していく表示演出が行われる。このため、遊技者は、キャラクタアイコンが表示されたことが何を意味しているかを認識できていないとしても、キャラクタアイコンが特定の領域に到達すればその領域に対応する演出役物が作動して擬似連続演出やリーチ演出が行われることを感覚的に認識することができる。
以下、図4〜図13に基づいて上述した各種演出の制御を実現するためのパチンコ遊技機1の内部構成やパチンコ遊技機1で行われる処理の一例について、詳細に説明する。
[パチンコ遊技機1の制御装置の構成]
遊技盤2の裏面側には、上皿28又は下皿29へと送り出される遊技球を溜めておく球タンクの他に、パチンコ遊技機1の動作を制御する制御装置が設けられている。図14に例示されるように、パチンコ遊技機1の制御装置は、各種判定やコマンドの送信といった遊技の進行を制御する遊技制御基板100、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて演出を統括的に制御する演出制御基板130、画像や音による演出を制御する画像音響制御基板140、各種のランプや可動体による演出を制御するランプ制御基板150等から構成されている。
[遊技制御基板100の構成例]
遊技制御基板100は、メインCPU101、メインROM102、及びメインRAM103を備えている。メインCPU101は、メインROM102に記憶されたプログラム等に基づいて、判定や払い出し賞球数に関連する各種の演算処理を行う。メインRAM103は、メインCPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
遊技制御基板100には、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、電動チューリップ制御部113、第1ゲートスイッチ114、第2ゲートスイッチ115、第1大入賞口スイッチ116、第2大入賞口スイッチ117、第1大入賞口制御部118、第2大入賞口制御部119、普通入賞口スイッチ120、及び表示器4を構成する各表示器41〜48が接続されている。
第1始動口スイッチ111は、第1始動口11に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2始動口スイッチ112は、第2始動口12に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。電動チューリップ制御部113は、遊技制御基板100からの制御信号に応じて、電動チューリップ17の一対の羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2始動口12を開閉する。第1ゲートスイッチ114は、遊技球が第1ゲート15を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2ゲートスイッチ115は、遊技球が第2ゲート16を通過したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。
第1大入賞口スイッチ116は、第1大入賞口13に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口スイッチ117は、第2大入賞口19に遊技球が入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。第1大入賞口制御部118は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第1大入賞口13を閉塞するプレートに駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第1大入賞口13を開閉する。第2大入賞口制御部119は、遊技制御基板100からの制御信号に基づいて、第2大入賞口19を閉塞する羽根部材に駆動伝達可能に連結された電動ソレノイドを作動させることによって、第2大入賞口19を開閉する。普通入賞口スイッチ120は、遊技球が普通入賞口14に入賞したことを検知して、その検知信号を遊技制御基板100に出力する。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1は4つの普通入賞口14を有しているため、4つの普通入賞口スイッチ120を備えているが、図14においては、普通入賞口スイッチ120を1つだけ表記している。
遊技制御基板100のメインCPU101は、第1始動口スイッチ111、第2始動口スイッチ112、第1大入賞口スイッチ116、第2大入賞口スイッチ117、又は普通入賞口スイッチ120からの検知信号が入力されると、遊技球が入賞した場所に応じた所定数の賞球の払い出しを払出制御基板(不図示)に指示し、払出制御基板からの情報に基づいて、払い出す賞球の個数を管理する。詳細な説明は省略するが、払出制御基板は、球タンクから遊技球を送り出す駆動モータを制御することによって、上皿28又は下皿29に遊技球を供給する。
メインCPU101は、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第1特別図柄判定を実行する。また、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力されたタイミングで取得情報としての各種乱数を取得し、取得した乱数を用いて第2特別図柄判定を実行する。そして、大当たりであると判定した場合には、第1大入賞口制御部118(又は第2大入賞口制御部119)を介して第1大入賞口13(又は第2大入賞口19)を開閉する。
また、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力されたタイミングで乱数を取得し、取得した乱数を用いて普通図柄判定を実行する。そして、第2始動口12を開放すると判定した場合、電動チューリップ制御部113を介して電動チューリップ17を作動させることによって、第2始動口12を一時的に開放する。
また、メインCPU101は、表示器4を構成する各表示器41〜48に図3に基づいて上述した処理を実行させる。
[演出制御基板130の構成例]
演出制御基板130は、サブCPU131、サブROM132、サブRAM133、及びRTC(リアルタイムクロック)134を備えている。サブCPU131は、サブROM132に記憶されたプログラムに基づいて、演出を制御する際の演算処理を行う。サブRAM133は、サブCPU131が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。RTC134は、現時点の日時(日付及び時刻)を計測する。
サブCPU131は、遊技制御基板100から送信される特別図柄判定や普通図柄判定、大当たり遊技等に関する遊技情報に基づいて演出内容を設定する。その際、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力を受け付けて、その操作情報に応じた演出内容を設定する場合もある。サブCPU131は、設定した演出内容の演出の実行を指示するコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。
[画像音響制御基板140の構成例]
画像音響制御基板140は、液晶表示装置5の画像表示制御と、スピーカ24の演出音出力制御とを行うものである。この画像音響制御基板140は、図には示されていないが、統括CPU、VDP(Video Display Processor)、音響DSP(Digital Signal Processor)、制御用ROM、制御用RAM、音響用ROM、SDRAM、CGROM、及びVRAMを備えている。
統括CPUは、制御用ROMに記憶されているプログラムやディスプレイリスト作成テーブルなどの各種テーブル、演出制御基板130から受信したコマンド等に基づいて、VDPに対して、CGROMに記憶されている画像データを液晶表示装置5に表示させる指示を行う。この指示は、主にディスプレイリストの出力によって行われる。
ここで、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されており、描画する画像の種類、画像を描画する位置(座標)、表示の優先順位、表示倍率、回転角、透過率等の各種パラメータを含むものである。また、ディスプレイリスト作成テーブルは、このディスプレイリストを作成するために使用されるテーブルである。
統括CPUは、音響DSPに対しても、音響用ROMに記憶されている音響データをスピーカ24から出力させる指示を行う。
制御用ROMは、マスクROMで構成されており、統括CPUの制御プログラム、ディスプレイリストを生成するためのディスプレイリスト生成プログラム、各種テーブル等が記憶されている。
制御用RAMは、統括CPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
CGROMは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出や大当たり遊技に伴う演出などを実行するために必要な演出データを記憶するものである。このCGROMは、フラッシュメモリ、EEPROM、EPROM、マスクROM等から構成され、所定範囲の画素(例えば32×32ピクセル)における画素情報の集まりからなるスプライトデータ(1枚の画像データ)、複数の画像データの集まりからなるムービーデータ等を圧縮して記憶している。なお、画素情報は、それぞれの画素毎に色番号を指定する色番号情報と画像の透明度を示すα値とから構成されている。また、CGROMは、色番号を指定する色番号情報と実際に色を表示するための表示色情報とが対応づけられたパレットデータ等を圧縮せずに記憶している。
なお、CGROMに記憶される画像データの一部のみを圧縮しておくようにしてもよい。また、ムービーデータの圧縮方法としては、MPEG4等の公知の種々の圧縮方式を用いることができる。
VRAMは、画像データを高速に書き込んだり読み出したりすることができるSRAMで構成されており、ディスプレイリスト記憶領域、展開記憶領域、フレームバッファなどを有して構成されている。
ディスプレイリスト記憶領域は、統括CPUから出力されたディスプレイリストを一時的に記憶するものである。展開記憶領域は、CGROMから読み出された後に伸長された画像データを記憶するものである。フレームバッファは、演出画像を描画して液晶表示装置5に表示するための描画と表示に兼用されるフレームバッファである。なお、描画用のフレームバッファと表示用のフレームバッファとを個別に設けるダブルバッファ方式を採用してもよい。
VDPは、ディスプレイリスト記憶領域に記憶されたディスプレイリストに基づいて、展開記憶領域に格納した画像データを用いて、フレームバッファに対する描画処理を行う。また、VDPは、フレームバッファに記憶された画像データから画像の色を示す映像信号としてのRGB信号を生成し、生成したRGB信号を液晶表示装置5に出力する。
音響DSPには、楽曲や音声、効果音等に関する各種音響データを記憶する音響用ROMと、音響DSPによるデータ処理等の作業領域として使用されるSDRAMが接続されている。音響DSPは、統括CPUからの指示に対応する音響データを音響用ROMからSDRAMに読み出してデータ処理を実行し、データ処理後の音響データをスピーカ24に出力させる。
[ランプ制御基板150の構成例]
ランプ制御基板150は、図には示されていないが、ランプCPU、ランプROM、及びランプRAMを備えている。ランプCPUは、ランプROMに記憶されたプログラムに基づいて、盤ランプ25、枠ランプ37、花火役物6、及び真剣役物7を制御する際の演算処理を行う。ランプRAMは、ランプCPUが上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記憶する記憶領域又はデータ処理などの作業領域として使用される。
ランプROMには、発光パターンデータ及び動作パターンデータが記憶されている。ここで、発光パターンデータは、盤ランプ25、枠ランプ37、花火役物6の発光素子、真剣役物7の発光素子のそれぞれの発光パターンを示すデータである。動作パターンデータは、花火役物6や真剣役物7の動作パターンを示すデータである。
ランプCPUは、ランプROMに記憶された発光パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する発光パターンデータをランプRAMに読み出して、盤ランプ25、枠ランプ37、花火役物6の発光素子、真剣役物7の発光素子の発光を制御する。また、ランプCPUは、ランプROMに記憶された動作パターンデータの中から、演出制御基板130から受信したコマンドに対応する動作パターンデータをランプRAMに読み出して、花火役物6を動作させるステッピングモータや、真剣役物7を動作させるステッピングモータの駆動を制御する。
[遊技制御基板100によるタイマ割込み処理]
次に、図15を参照しつつ、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図15は、遊技制御基板100において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。遊技制御基板100は、電源投入時や電源断時等の特殊な場合を除く通常の動作時において、図15に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図15以降のフローチャートに基づいて説明する遊技制御基板100の処理は、メインROM102に記憶されているプログラムに基づいてメインCPU101が発行する命令に従って行われる。
まず、メインCPU101は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数の各種乱数を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS1)。
ここで、大当たり乱数は、大当たり又はハズレを決定するための乱数である。図柄乱数は、大当たりであると判定された場合に、大当たりの種類を決定するための乱数である。リーチ乱数は、ハズレであると判定された場合に、リーチ有りの演出を行うか或いはリーチ無しの演出を行うかを決定するための乱数である。変動パターン乱数は、特別図柄が変動表示される際の変動パターンを決定するための乱数である。普通図柄乱数は、第2始動口12を開放するか否かを決定するための乱数である。大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数、及び普通図柄乱数は、このステップS1の処理が行われる毎に「1」加算される。なお、このステップS1の処理を行うカウンタとしてはループカウンタが使用されており、各乱数は、予め設定された最大値に達した後は「0」に戻る。
ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、各スイッチからの検知信号が入力された場合に、スイッチ処理を実行する(ステップS2)。このスイッチ処理については、図17に基づいて後に詳述する。
ステップS2の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄判定を実行し、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を変動表示させてから特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄を停止表示させる処理等を含む特別図柄処理を実行する(ステップS3)。この特別図柄処理については、図21に基づいて後に詳述する。
ステップS3の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を実行し、普通図柄表示器45に普通図柄を変動表示させてから普通図柄判定の結果を示す普通図柄を停止表示させる処理等を含む普通図柄処理を実行する(ステップS4)。
ステップS4の処理に続いて、メインCPU101は、普通図柄判定を行った結果、第2始動口12を開放すると判定した場合に、電動チューリップ開閉部113を介して電動チューリップ17を作動させる電動チューリップ処理を実行する(ステップS5)。
ステップS5の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS3の処理で大当たりであると判定した場合に、大入賞口制御部117を制御して大入賞口13を開放する大入賞口開放制御処理を実行する(ステップS6)。
ステップS6の処理に続いて、メインCPU101は、遊技球の入賞に応じた賞球の払い出しを制御する賞球処理を実行する(ステップS7)。
ステップS7の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS7以前の処理ステップにおいてメインRAM103にセット(格納)された各種コマンドや演出内容を決定するために必要な情報を演出制御基板130に送信する送信処理を実行する(ステップS8)。
[メインRAM103の構成例]
図16は、遊技制御基板100のメインRAM103の構成例を示すブロック図である。図16(A)に例示されるように、メインRAM103には、判定用記憶領域1030、第1保留記憶領域1031、第2保留記憶領域1032、第3保留記憶領域1033、第4保留記憶領域1034、第1保留記憶領域1035、第2保留記憶領域1036、第3保留記憶領域1037、及び第4保留記憶領域1038が設けられている。
判定用記憶領域1030は、特別図柄判定が実際に実行されるときにその特別図柄判定に使用される各種情報が記憶される記憶領域である。第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034は、第1特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域であり、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038は、第2特別図柄判定に係る各種情報が記憶される保留用の記憶領域である。
図16(B)に例示されるように、保留記憶領域1031〜1038は、それぞれ、メインCPU101によって取得された、変動回数Nを記憶する領域、入賞始動口情報を記憶する領域、大当たり乱数を記憶する領域、図柄乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、変動パターン乱数を記憶する領域、及び事前判定情報を記憶する領域を含んでいる。
変動回数Nは、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して獲得した特別図柄判定の権利の合計回数を示す情報である。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから第1特別図柄判定の権利を50回、第2特別図柄判定の権利を10回獲得した場合、変動回数Nはこれらの回数を足し合わせた「60」となる。そして、この「60」という変動回数Nが例えば第3保留記憶領域1033に記憶された状態から更に第1特別図柄判定の権利が取得されると、「60」に「1」を加算した「61」という値が変動回数Nとして第4保留記憶領域1034に記憶される。なお、第1特別図柄判定の保留数U1が最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)に達した状態で第1始動口11に新たな遊技球が入賞した場合、又は第2特別図柄判定の保留数U2が最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)に達した状態で第2始動口12に新たな遊技球が入賞した場合には、変動回数Nはカウントされない。
入賞始動口情報は、同じ保留記憶領域内に格納される大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数が、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として取得されたのか、或いは遊技球が第2始動口12に入賞したことを契機として取得されたのかを示す情報である。
事前判定情報は、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数に基づいて、後述する事前判定処理(図20参照)によって得られる情報である。事前判定情報は、具体的には、入賞始動口情報、特別図柄判定の判定結果が大当たりであるか否かを示す情報、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを示す情報、特別図柄の変動パターンを示す情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等を含んでいる。事前判定情報は、事前判定処理に使用された大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数と同じ保留記憶領域内に格納される。
図16(B)に基づいて説明した7つの情報は、第1始動口11に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1031から順に第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納され、第2始動口12に遊技球が入賞する毎に第1保留記憶領域1035から順に第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに格納される。
例えば第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれにも情報が記憶されていない状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第1保留記憶領域1031に格納される。また、例えば第1保留記憶領域1031及び第2保留記憶領域1032のそれぞれに7つの情報が記憶された状態で第1特別図柄判定に係る7つの情報が新たに取得された場合、この7つの情報は、第3保留記憶領域1033に格納される。
また、第1特別図柄判定の実行に際して第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032以降の保留記憶領域に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031側にシフトされる。例えば第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033のそれぞれに情報が記憶された状態で第1保留記憶領域1031に記憶されている情報が判定用記憶領域1030にシフトされると、第2保留記憶領域1032に記憶されている情報が第1保留記憶領域1031にシフトされると共に、第3保留記憶領域1033に記憶されている情報が第2保留記憶領域1032にシフトされる。
このような情報のシフト処理は、第2特別図柄判定に係る情報が記憶される第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038においても同様に行われる。なお、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、第1特別図柄判定及び第2特別図柄判定の両方が保留されている場合、すなわち第1保留記憶領域1031及び第1保留記憶領域1035の両方に情報が記憶されている場合、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034におけるシフト処理に先立って、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038におけるシフト処理が優先して行われる。
これに対して、液晶表示装置5には、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第1保留アイコン表示領域51、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038に記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される第2保留アイコン表示領域52、及び判定用記憶領域1030記憶される情報に対応する保留アイコンが表示される当該領域53が設けられており、上記の情報のシフト処理と連動するように、保留アイコンのシフト処理が行われる。
ところで、特別図柄が変動表示されているときや大当たり遊技中に第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞して各種乱数が取得されたとしても、特別図柄判定や特別図柄の変動表示を直ちに行うことはできない。
このため、メインCPU101は、このような状況下で各種乱数が取得された場合には、上述したように、取得された各種乱数等を特別図柄判定の権利として保留記憶領域1031〜1038に格納することとしている。その一方で、特別図柄が変動表示されておらず、特別図柄判定が保留されておらず、また、大当たり遊技中でもない場合には、メインCPU101は、始動口入賞を契機として取得した各種乱数等を判定用記憶領域1030に直接格納することとしている。
このように、表示器4において特別図柄が変動表示されているときに大当たり乱数等の取得情報が取得されると、この取得情報は、特別図柄判定及び特別図柄の変動表示を保留する情報として保留記憶領域1031〜1038のいずれかに記憶される。
[遊技制御基板100によるスイッチ処理]
図17は、図15のステップS2におけるスイッチ処理の詳細フローチャートである。ステップS1の処理に続いて、メインCPU101は、図17に例示されるように、第1始動口スイッチ111からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数(大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数)について、第1始動口スイッチ111からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第1始動口スイッチ処理を実行する(ステップS21)。この第1始動口スイッチ処理については、図18に基づいて後に詳述する。
次に、メインCPU101は、第2始動口スイッチ112からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される各種乱数について、第2始動口スイッチ112からの検知信号が入力された時点の値を取得する処理等を含む第2始動口スイッチ処理を実行する(ステップS22)。この第2始動口スイッチ処理については、図19に基づいて後に詳述する。
そして、メインCPU101は、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号の入力の有無を監視して、ステップS1の処理によって適宜更新される普通図柄乱数について、第1ゲートスイッチ114又は第2ゲートスイッチ115からの検知信号が入力された時点の値を取得するゲートスイッチ処理を実行する(ステップS23)。
[遊技制御基板100による第1始動口スイッチ処理]
図18は、図17のステップS21における第1始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図18に例示されるように、メインCPU101は、ステップS1の乱数更新処理に続いて、第1始動口スイッチ111からの検知信号(具体的には第1始動口スイッチ111が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第1始動口スイッチ111が「ON」になったか否かを判定する(ステップS210)。ここで、第1始動口スイッチ111が「ON」になったと判定した場合(ステップS210:YES)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が、メインROM102に記憶されている第1特別図柄判定の最大保留数Umax1(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS211)。
メインCPU101は、保留数U1が最大保留数Umax1未満であると判定した場合(ステップS211:YES)、保留数U1の値を「1」加算した値に更新し(ステップS212)、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS213)。
そして、メインCPU101は、第1特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS214〜ステップS217)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034(図16(A)参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、事前判定処理を実行する(ステップS218)。具体的には、後述する大当たり判定処理(図22参照)や変動パターン選択処理(図23参照)に先立って、ステップS214〜S217の処理によってメインRAM103に格納された情報に基づいて、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第1特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定を実行する。この事前判定処理については、図20に基づいて後に詳述する。
続いて、第1特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS218の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS219)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
[遊技制御基板100による第2始動口スイッチ処理]
図19は、図17のステップS22における第2始動口スイッチ処理の詳細フローチャートである。図19に例示されるように、メインCPU101は、ステップS21の第1始動口スイッチ処理に続いて、第2始動口スイッチ112からの検知信号(具体的には第2始動口スイッチ112が「ON」になったことを示すON信号)が入力されたか否かに基づいて、第2始動口スイッチ112が「ON」になったか否かを判定する(ステップS220)。
メインCPU101は、第2始動口スイッチ112が「ON」になったと判定した場合(ステップS220:YES)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が、メインROM102に記憶されている第2特別図柄判定の最大保留数Umax2(本実施形態では「4」)未満であるか否かを判定する(ステップS221)。
メインCPU101は、保留数U2が最大保留数Umax2未満であると判定した場合(ステップS221:YES)、保留数U2の値を「1」加算した値に更新し(ステップS222)、第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038のいずれかに新たに格納される変動回数Nを「1」加算する(ステップS223)。
そして、メインCPU101は、第2特別図柄判定に使用する取得情報として、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数を取得して、これらの乱数を対応付けてメインRAM103に格納する(ステップS224〜ステップS227)。具体的には、変動回数N、入賞始動口情報、大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数の6つの情報を第1保留記憶領域1035〜第4保留記憶領域1038(図16(A)参照)のいずれかに格納する。
メインCPU101は、6つの情報を格納すると、これらの情報を用いた第2特別図柄判定に先立って、大当たりとなるか否かを事前判定すると共に、第2特別図柄判定が実行される際に実際に選択される特別図柄の変動パターンを取得する事前判定処理を実行する(ステップS228)。
ステップS228の処理に続いて、メインCPU101は、第2特別図柄判定が保留されたことを通知するコマンドであって、ステップS228の処理で得られた事前判定情報を含む保留コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS229)。この保留コマンドは、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
図18及び図19に基づいて説明したように、メインCPU101は、特別図柄判定の保留数が上限に達していない状態で第1始動口11又は第2始動口12を遊技球が通過すると、特別図柄判定に使用する取得情報としての大当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等を取得する。
[遊技制御基板100による事前判定処理]
以下、図20を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される事前判定処理について説明する。ここで、図20は、図18のステップS218における事前判定処理の詳細フローチャートである。
メインCPU101は、図18のステップS217の処理に続いて、例えばメインRAM103に記憶されているパチンコ遊技機1の現在の遊技状態を示す遊技状態情報に基づいて、特別図柄判定において大当たりを実行すると判定される確率が相対的に高い高確率状態(本実施形態では確変遊技状態)であるか否かを判定する(ステップS2180)。
メインCPU101は、高確率状態であると判定した場合(ステップS2180:YES)、図18の第1始動口スイッチ処理によって取得した第1特別図柄判定の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の第1特別図柄判定の権利に相当するかを判断する。すなわち、特別図柄判定の判定結果が確変大当たりとなって大当たり遊技が行われた後に高確率状態になると、その特別図柄判定に対応する変動回数Nが、基準回数Mに設定される。例えば、パチンコ遊技機1の電源が投入されてから100回目の特別図柄判定の判定結果が確変当たりとなって高確率状態に移行することとなった場合、基準回数Mとして「100」というデータがメインRAM103に記憶される。この場合、パチンコ遊技機1の電源投入から101回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから1回目の特別図柄判定に相当し、110回目に行われる特別図柄判定は、高確率状態に移行してから10回目の特別図柄判定に相当することになる。このように、始動口スイッチ処理によって取得された特別図柄判定の権利が、高確率状態に移行してから何回目の特別図柄判定に相当するかを演算する。具体的には、メインCPU101は、現在の変動回数Nから基準回数Mを減算することによって、演算値Lを算出する(ステップS2181)。
ステップS2181の処理に続いて、メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であるか否かを判定する(ステップS2182)。ここで、高確率遊技残余回数Kは、高確率時乱数判定テーブルに基づいて大当たり乱数が判定される上限回数である。本実施形態では、この高確率遊技残余回数Kが予め「74」に設定されているので、大当たり遊技終了後の大当たり乱数に基づく大当たりか否かの判定が、74回を上限として高確率時乱数判定テーブルに基づいて行われる。このため、メインCPU101は、ステップS2182において、演算値Lが「74」以下であるか否かを判定する。
ところで、例えば、低確率状態(本実施形態では通常遊技状態)で遊技が制御されているときに3回の第1特別図柄判定の権利が保留されており、この中で最初に消化される第1特別図柄判定の判定結果が大当たりとなる場合、残り2回の第1特別図柄判定に関して、これらの第1特別図柄判定が消化される前には低確率状態であったとしても、これらの第1特別図柄判定が実際に消化されるときには高確率状態になっている。このため、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に遊技状態を変更させる大当たりが存在するか否かを考慮して事前判定を行わなければ、正確な事前判定情報を得ることはできない。
そこで、メインCPU101は、高確率状態ではないと判定した場合(ステップS2180:NO)、又は演算値Lが高確率遊技残余回数K以下ではないと判定した場合(ステップS2182:NO)、先に消化される第1特別図柄判定の権利の中に当該変動開始時に(確変)大当たりであると判定されることになるものがあるか否かを判定する(ステップS2184)。具体的には、ステップS214〜ステップS217の処理で例えば第4保留記憶領域1034に各種乱数を格納した場合、第1保留記憶領域1031〜第3保留記憶領域1033に大当たりに係る事前判定情報が記憶されているか否かを判定する。
メインCPU101は、演算値Lが高確率遊技残余回数K以下であると判定した場合(ステップS2182:YES)、又は先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがある場合(ステップS2184:YES)、高確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2185)。
また、メインCPU101は、先に消化される保留の中に大当たりに係る事前判定情報を有するものがないと判定した場合(ステップS2184:NO)、低確率時用大当たり乱数テーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2186)。
次に、メインCPU101は、ステップS2185又はステップS2186の処理によってメインRAM103にセットされた大当たり乱数テーブルを参照して、大当たりか否かを判定する(ステップS2187)。具体的には、メインRAM103に高確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合には、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この高確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値のいずれかと一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。また、メインRAM103に低確率用大当たり乱数テーブルがセットされている場合、ステップS214の処理で取得した大当たり乱数が、この低確率用大当たり乱数テーブルに格納されている当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されることになるか否かを事前判定する。
次に、メインCPU101は、ステップS2187の判定結果に基づいて、当該変動開始時に大当たりと判定されるか否かを判断する(ステップS2189)。ここで、当該変動開始時に大当たりと判定されると判断した場合(ステップS2189:YES)、大当たり用の図柄決定テーブルをメインROM102からメインRAM103に読み出してセットし(ステップS2190)、ステップS215の処理で取得した図柄乱数が、この図柄決定テーブルに格納されているどの大当たりに対応する図柄乱数と一致するかに基づいて、大当たりの種類を特定する(ステップS2191)。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機1では、当該変動開始時に行われる大当たり判定に先立って、この大当たり判定の判定結果が大当たりとなるか否かが事前判定され、大当たりであると事前判定された場合には大当たりの種類も事前判定される。
次に、メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2192)。
一方、メインCPU101は、当該変動開始時に大当たりであると判定されないと判断した場合(ステップS2189:NO)、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する(ステップS2193)。具体的には、ステップS216の処理で取得されたリーチ乱数が、メインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、当該変動中にリーチ演出が行われるか否かを判定する。
メインCPU101は、リーチ演出が行われると判定した場合(ステップS2193:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS2194)。
メインCPU101は、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルをセットすると、当該変動中の変動パターンを特定する(ステップS2195)。具体的には、ステップS217の処理で取得された変動パターン乱数が、メインRAM103にセットされている変動パターンテーブルに規定されている乱数値のうちのどの乱数値と一致するかに基づいて、当該変動開始時に行われる第1特別図柄判定で選択されることになる特別図柄の変動パターンを特定する。
メインCPU101は、ステップS2195の処理を実行した場合、又はリーチ演出が行われないと判定した場合(ステップS2193:NO)、事前判定情報を生成して第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに格納する(ステップS2196)。具体的には、一連の処理としてステップS2187の判定処理、ステップS2191の特定処理、及びステップS2195の特定処理を行っている場合には、これらの処理の結果を示す情報等を、これらの処理に使用した大当たり乱数、図柄乱数、及び変動パターン乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。また、ステップS2187の判定処理を行った後にステップS2191の特定処理とステップS2195の特定処理とを行っていない場合には、ステップS2187の判定結果を示す情報等を、ステップS2187の判定処理に使用した大当たり乱数が記憶されているのと同じ保留記憶領域内に事前判定情報として格納する。
なお、ここでは第1特別図柄判定に係る事前判定処理について説明したが、第2特別図柄判定に係る事前判定処理(図19のステップS228の処理)も、事前判定処理に使用される乱数値やテーブル等が異なる点などを除いて、第1特別図柄判定に係る事前判定処理と同様に行われる。
[遊技制御基板100による特別図柄処理]
次に、図21を参照しつつ、遊技制御基板100によって実行される特別図柄処理の詳細について説明する。ここで、図21は、図15のステップS3における特別図柄処理の詳細フローチャートである。図21に例示されるように、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されている大当たり遊技フラグが「ON」に設定されているか否かに基づいて、大当たり遊技中であるか否かを判定する(ステップS301)。この大当たり遊技フラグは、大当たり遊技の実行中であるか否かを示すフラグであり、大当たり遊技の開始時に「ON」に設定され、大当たり遊技の終了時に「OFF」に設定される。ここで、大当たり遊技中であると判定された場合(ステップS301:YES)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、大当たり遊技中ではないと判定した場合(ステップS301:NO)、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する(ステップS302)。ここで、特別図柄の変動表示中ではないと判定した場合(ステップS302:NO)、メインRAM103に記憶されている第2特別図柄判定の保留数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS303)。ここで、保留数U2が「1」以上であると判定した場合(ステップS303:YES)、保留数U2を「1」減算した値に更新する(ステップS304)。
メインCPU101は、保留数U2が「1」以上ではないと判定した場合(ステップS303:NO)、メインRAM103に記憶されている第1特別図柄判定の保留数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS305)。ここで、保留数U1が「1」以上ではないと判定された場合(ステップS305:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。逆に、保留数U1が「1」以上であると判定した場合(ステップS305:YES)、メインCPU101は、保留数U1を「1」減算した値に更新する(ステップS306)。
ステップS304の処理又はステップS306の処理に続いて、メインCPU101は、メインRAM103の保留記憶領域に対するシフト処理を実行する(ステップS308)。具体的には、ステップS304の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1035に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第2特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。一方、ステップS306の処理に続いてシフト処理を実行する場合には、第1保留記憶領域1031に記憶されている取得情報を判定用記憶領域1030にシフトさせると共に、第1特別図柄判定に関する残りの取得情報を判定用記憶領域1030側にシフトさせる。
ステップS308の処理に続いて、メインCPU101は、メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶されている乱数に基づいて、大当たり判定処理を実行する(ステップS309)。この大当たり判定処理が実行されることによって、大当たりか否かが判定されると共に、大当たりであると判定された場合には大当たりの種類が決定される。そして、これらの処理の結果を示す判定図柄の設定情報がメインRAM103にセットされる。この大当たり判定処理については、図22に基づいて後に詳述する。
ステップS309の処理に続いて、メインCPU101は、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する(ステップS310)。この変動パターン選択処理については、図23に基づいて後に詳述する。
ステップS310の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS309の処理で設定した図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報、ステップS310の処理で設定した変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態に関する情報等を含む変動開始コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS311)。この変動開始コマンドは、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の開始を指示するコマンドであって、ステップS8の送信処理によって演出制御基板130に送信される。
ステップS311の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS311の処理でセットした変動開始コマンドに含まれている変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動表示を開始する(ステップS312)。その際、判定用記憶領域に第1特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第1特別図柄表示器41において特別図柄の変動表示が開始され、第2特別図柄判定に係る取得情報(乱数)が記憶された状態でステップS309〜ステップS311の処理が行われた場合には第2特別図柄表示器42において特別図柄の変動表示が開始される。
ステップS312の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312における変動表示を開始してからの経過時間である変動時間の計測を開始する(ステップS313)。
メインCPU101は、ステップS313の処理を実行した場合、又は特別図柄の変動表示中であると判定した場合(ステップS302:YES)、ステップS313における変動時間の計測開始から、ステップS310の処理によって選択された変動パターンに対応する変動時間が経過したか否かを判定する(ステップS315)。ここで、変動時間が経過していないと判定された場合(ステップS315:NO)、ステップS4の普通図柄処理に処理が進められる。
メインCPU101は、変動時間が経過したと判定した場合(ステップS315:YES)、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄判定の判定結果を示す判定図柄が停止表示されることを通知する図柄確定コマンドをメインRAM103にセットする(ステップS316)。この図柄確定コマンドは、ステップS8における送信処理によって演出制御基板130に送信される。これにより、液晶表示装置5に変動表示されていた装飾図柄を特別図柄判定の判定結果を示す態様で停止表示させる処理等が行われることになる。
ステップS316の処理に続いて、メインCPU101は、ステップS312の処理で開始した特別図柄の変動表示を終了させる(ステップS317)。具体的には、ステップS309の処理で設定した判定図柄(大当たり図柄又はハズレ図柄)を、特別図柄を変動表示していた特別図柄表示器に停止表示させる。なお、この判定図柄の停止表示は、少なくとも所定の図柄確定時間(例えば1秒)が経過するまで継続される。
このように、メインCPU101は、大当たり遊技を実行するか否かを判定する大当たり判定処理を行うと共に特別図柄の変動パターンを設定すると、第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に特別図柄を設定した変動パターンで変動表示させてから大当たり判定処理の判定結果を示す判定図柄を第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に停止表示させる。
ステップS317の処理に続いて、メインCPU101は、上記ステップS313の処理で計測を開始した変動時間をリセットし(ステップS318)、大当たりである場合に大当たり遊技を開始させる処理や遊技状態を制御するための処理等を含む停止中処理を実行する(ステップS319)。
[遊技制御基板100による大当たり判定処理]
図22は、図21のステップS309における大当たり判定処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、判定用記憶領域1030に記憶された大当たり乱数に基づいて大当たり判定を実行する(ステップS3091)。具体的には、判定用記憶領域1030に記憶されている大当たり乱数が、予め設定された当選値(メインROM102に記憶されている当選値)と一致するか否かに基づいて、大当たりであるか否かを判定する。
このように、メインCPU101は、第1始動口11又は第2始動口12に遊技球が入賞したことを契機として取得された大当たり乱数等の取得情報が判定用記憶領域1030に記憶されるといった始動条件が成立すると、その大当たり乱数に基づいて、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行するか否かを判定する。
ステップS3091の処理に続いて、メインCPU101は、大当たり判定の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3092)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3092:YES)、メインROM102に記憶されている大当たり時の図柄決定テーブルを参照すると共に、ステップS215又はステップS225の処理で取得した図柄乱数に基づいて、大当たりの種類を決定する(ステップS3093)。具体的には、取得した図柄乱数に対応する図柄を図柄決定テーブルから読み出すことによって、大当たりの種類を決定する。
そして、メインCPU101は、決定した大当たりの種類に応じた大当たり図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3094)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされた大当たり図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示されて、その図柄に応じた大当たり遊技が行われることになる。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3092:NO)、ハズレ図柄の設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3095)。これにより、上記ステップS318の処理の際にここでセットされたハズレ図柄が第1特別図柄表示器41又は第2特別図柄表示器42に判定図柄として停止表示される。この場合、大当たり遊技は行われない。
[遊技制御基板100による変動パターン選択処理]
図23は、図21のステップS310における変動パターン選択処理の詳細フローチャートである。メインCPU101は、図21のステップS309における大当たり判定処理を実行した後、ステップS3091の判定結果が大当たりであるか否かを判断する(ステップS3101)。ここで、大当たりであると判断した場合(ステップS3101:YES)、大当たり用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3102)。
一方、メインCPU101は、大当たりではないと判断した場合(ステップS3101:NO)、判定用記憶領域1030に記憶されているリーチ乱数がメインROM102に記憶されているリーチ乱数の当選値と一致するか否かに基づいて、遊技者に対して大当たりを期待させるリーチ演出を行うか否かを判定する(ステップS3103)。ここで、リーチ演出を行うと判定した場合(ステップS3103:YES)、リーチ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3104)。逆に、リーチ演出を行わないと判定した場合(ステップS3103:NO)、ハズレ用変動パターンテーブルをメインROM102から読み出してメインRAM103にセットする(ステップS3105)。
続いて、メインCPU101は、ステップS3102の処理、ステップS3104の処理、又はステップS3105の処理によってメインRAM103にセットされた変動パターンテーブルを参照して変動パターン乱数判定処理を実行する(ステップS3106)。具体的には、大当たり用変動パターンテーブル又はリーチ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、判定用記憶領域1030に記憶されている変動パターン乱数に対応する変動パターンを、セットされている変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
また、ハズレ用変動パターンテーブルがメインRAM103にセットされた場合、ステップS308のシフト処理が行われる直前に各種情報が記憶されていた保留記憶領域の数に基づいて特別図柄判定の保留数を特定し、特定した保留数と現在の時短の有無とに対応する変動パターンをハズレ用変動パターンテーブルから読み出すことによって変動パターンを選択する。
このようにして特別図柄の変動パターンが選択されることによって、特別図柄の変動時間が必然的に決定されることになる。
メインCPU101は、変動パターンを選択すると、選択した変動パターンの設定情報をメインRAM103にセットする(ステップS3107)。この変動パターンの設定情報は、上述したステップS309の大当たり判定処理によってメインRAM103にセットされた図柄の設定情報と共に変動開始コマンドに含まれて演出制御基板130に送信される。
[演出制御基板130によるタイマ割込み処理]
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、演出制御基板130のサブCPU131は、後述するタイマ割込み処理を行う周期であるCTC周期を設定する。そして、サブCPU131は、演出内容を決定するために用いられる演出乱数等を更新する乱数更新処理をCTC周期よりも短い所定周期で繰り返す。すなわち、サブCPU131は、パチンコ遊技機1が起動している間、所定周期で乱数更新処理を繰り返しつつ、CTC周期でタイマ割込み処理を繰り返す。
以下、図24を参照しつつ、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理について説明する。ここで、図24は、演出制御基板130において実行されるタイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。サブCPU131は、遊技制御基板100で行われるタイマ割込み処理と同様に、図24に例示されている一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図24以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御基板130で行われる処理は、サブROM132に記憶されているプログラムに基づいてサブCPU131が発行する命令に従って行われる。
サブCPU131は、まず、遊技制御基板100からのコマンドに応じた処理を行うコマンド受信処理を実行する(ステップS10)。このコマンド受信処理については、図25及び図26に基づいて後に詳述する。
ステップS10の処理に続いて、サブCPU131は、演出ボタン26又は十字キー27からの操作情報の入力の有無に基づいて、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたか否かを判定する(ステップS11)。ここで、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたと判定した場合(ステップS11:YES)、演出ボタン26又は十字キー27が操作されたことを通知するための操作コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS12)。この操作コマンドが画像音響制御基板140及びランプ制御基板150へ送信されることによって、演出ボタン26又は十字キー27の操作に応じた演出上の効果を実現するための処理が行われる。
サブCPU131は、演出ボタン26及び十字キー27がいずれも操作されていないと判定した場合(ステップS11:NO)、又はステップS12の処理を実行した場合、送信処理を実行する(ステップS13)。具体的には、ステップS10やステップS12の処理によってサブRAM133にセットされたコマンドを画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信する。このコマンド送信処理が行われることによって、画像表示や音声出力等による演出の実行が画像音響制御基板140に対して指示され、各種ランプの点灯や演出役物6,7の動作による演出の実行等がランプ制御基板150に対して指示される。
ステップS13の処理に続いて、サブCPU131は、データ転送処理を実行する(ステップS14)。具体的には、画像音響制御に関するデータが画像音響制御基板140から送信されるので、そのデータをランプ制御基板150に転送する。これにより、液晶表示装置5及びスピーカ24によって行われている演出と同期するように、演出役物6,7や盤ランプ25等の演出媒体による演出がランプ制御基板150によって制御される。
[演出制御基板130によるコマンド受信処理]
図25及び図26は、図24のステップS10におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートである。図25に例示されるように、サブCPU131は、まず、ステップS219(図18参照)の処理又はステップS229(図19参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された保留コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS101)。ここで、保留コマンドを受信していないと判定された場合(ステップS101:NO)、後述するステップS124(図26参照)に処理が進められる。
サブCPU131は、保留コマンドを受信したと判定した場合(ステップS101:YES)、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」加算した値に更新する(ステップS102)。具体的には、保留コマンド内の事前判定情報に含まれている入賞始動口情報に基づいて、受信した保留コマンドが第1特別図柄判定に係る保留コマンドであるか或いは第2特別図柄判定に係る保留コマンドであるかを判別し、その判別結果に基づいて、第1特別図柄判定に係る保留数又は第2特別図柄判定に係る保留数を「1」加算した値に更新する。そして、サブCPU131は、受信した保留コマンドに含まれている事前判定情報をサブRAM133に格納する(ステップS103)。
ここで、パチンコ遊技機1における遊技状態について説明する。本実施形態におけるパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、確変遊技状態、及び潜伏遊技状態のいずれかで遊技が制御される。ここで、通常遊技状態は、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に低く、且ついわゆる電チューサポート機能が付与されない遊技状態である。確変遊技状態は、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高く、且つ電チューサポート機能が付与される遊技状態である。潜伏遊技状態は、特別図柄判定において大当たりであると判定される確率が相対的に高く、且つ電チューサポート機能が付与されない遊技状態である。パチンコ遊技機1では、大当たり遊技が行われると、大当たりとなったときの遊技状態に関わらず、大当たり遊技終了後は、70変動を上限として確変遊技状態で遊技が制御され、ここで大当たりとならなかった場合には、4変動を上限とする潜伏遊技状態で遊技が制御する。そして、ここでも大当たりとならなかった場合には、遊技状態が通常遊技状態に戻されることになる。
ステップS103の処理に続いて、サブCPU131は、例えば事前判定情報に含まれているパチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報に基づいて、現在の遊技状態が通常遊技状態であるか否かを判断する(ステップS104)。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態ではないと判断した場合(ステップS104:NO)、すなわち確変遊技状態又は潜伏遊技状態である場合、確変用保留アイコン表示コマンド(又は潜伏用保留アイコン表示コマンド)をサブRAM133にセットする(ステップS105)。
確変用保留アイコン表示コマンドは、確変遊技状態用の保留アイコンを第2保留アイコン表示領域52(又は第1保留アイコン表示領域51)に表示する処理の実行を指示するコマンドである。潜伏用保留アイコン表示コマンドは、潜伏遊技状態用の保留アイコンを第2保留アイコン表示領域52(又は第1保留アイコン表示領域51)に表示する処理の実行を指示するコマンドである。これらの保留アイコン表示コマンドは、いずれも入賞始動口情報を含んでおり、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。
これに対して、画像音響制御基板140では、受信した保留アイコン表示コマンドに含まれている入賞始動口情報に基づいて保留アイコンを第1保留アイコン表示領域51と第2保留アイコン表示領域52とのどちらに表示する必要があるかが判断され、その判断結果に基づいて、第2保留アイコン表示領域52(又は第1保留アイコン表示領域51)に確変遊技状態用の保留アイコン(又は潜伏遊技状態用の保留アイコン)が表示される。
一方、サブCPU131は、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判断した場合(ステップS104:YES)、アイコン種別決定乱数を取得してサブRAM133に格納する(ステップS106)。このアイコン種別決定乱数は、保留コマンドの受信に応じて侍アイコン、忍者アイコン、及び白花火玉アイコンのいずれの保留アイコンを表示させるかを決定するための選択抽選に使用される乱数であり、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算されるので、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン種別決定乱数として取得する。
ここで、遊技制御基板100において行われる事前判定処理について説明すると、始動口入賞時に取得された大当たり乱数に基づいて大当たりであると事前判定された場合と、大当たりではないものの保留消化に応じてリーチ演出が行われると事前判定された場合には、保留消化時の特別図柄の変動パターンを事前に特定するステップS2195の処理が行われる。このため、保留消化時にリーチ演出が行われてハズレが報知されるか、或いはリーチ演出が行われて大当たりが報知されることになる場合には、事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれることになる。
これに対して、大当たりではないものの始動口入賞時に取得されたリーチ乱数に基づいて保留消化に応じてリーチ演出が行われないと事前判定された場合には、保留消化時の特別図柄の変動パターンがその保留消化直前の特別図柄判定の保留数に基づいて決定されるため、保留消化時の特別図柄の変動パターンを事前に特定することは困難である。このため、保留消化時にリーチ演出が行われない場合には、ステップS2195の変動パターンを特定する処理が行われず、その結果、事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれないことになる。
したがって、演出制御基板130においては、遊技制御基板100から受信した保留コマンド内の事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれているか否かに基づいて、保留消化時にリーチ演出が行われるか否かを判断することが可能である。このため、演出制御基板130においては、ステップS106の処理に続いて、以下のような処理が行われる。
すなわち、サブCPU131は、ステップS103の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれているか否かを判断する(ステップS107)。言い換えれば、保留消化時にリーチ演出が行われるか否かを判断する。
サブCPU131は、特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれていると判断した場合(ステップS107:YES)、その変動パターンに基づいて、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があるか否かを判断する(ステップS109)。
ところで、演出制御基板130では、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したタイミングで取得される演出乱数に基づいて、擬似連続演出を行うか否か等が決定される。このため、保留コマンドを受信した段階では、その保留コマンドに対応する特別図柄判定の消化に応じて擬似連続演出が行われるか否かを正確に特定することは困難である。しかしながら、擬似連続演出を含む変動演出は、特別図柄の変動時間が相対的に長い場合に行われ易く、特別図柄の変動時間が相対的に短い場合には行われ難いという傾向を有している。このため、保留コマンドを受信した段階では、事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報を解析して特別図柄の変動時間を特定し、その特定結果に基づいて、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があるか否かをある程度の確度で判断することは可能である。
このため、サブCPU131は、ステップS109において、事前判定情報に含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報を解析して特別図柄の変動時間を特定し、特定した変動時間が所定時間(例えば40秒)以上であるか否かに基づいて、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があるか否かを判断する。
次に、サブCPU131は、ステップS109の判断結果に基づいて、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があるか否かを判断する(ステップS110)。ここで、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があると判断した場合(ステップS110:YES)、第1選択抽選を実行する(ステップS111)。
ステップS107の処理で変動パターンを示す情報が含まれているため、保留消化時にリーチ演出が行われると判断することができる。そして、ステップS110の処理で保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性があると判断されている。このため、第1保留アイコン表示領域51には、デフォルトの白花火玉アイコン、リーチ演出に対応する忍者アイコン、及び擬似連続演出に対応する侍アイコンの3種類の保留アイコンのいずれもが表示可能である。そして、サブROM132には、第1選択抽選用の乱数値として、白花火玉アイコンに対応する乱数値と、忍者アイコンに対応する乱数値と、侍アイコンに対応する乱数値とがそれぞれ記憶されているので、サブCPU131は、ステップS111において、ステップS106の処理によって取得したアイコン種別決定乱数がどのアイコンに対応する乱数値と一致するかに基づいて、3種類のアイコンのいずれか1つを選択する。
サブCPU131は、ステップS111における第1選択抽選の抽選結果に基づいて、選択したアイコンが侍アイコンであるか否かを判断する(ステップS112)。ここで、選択したアイコンが侍アイコンであると判断した場合(ステップS112:YES)、侍アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS113)。
このようにしてサブRAM133にセットされた侍アイコン表示コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって、液晶画面の第1保留アイコン表示領域51に侍アイコンを表示させる表示制御が行われる。
一方、サブCPU131は、選択したアイコンが侍アイコンではないと判断した場合(ステップS112:NO)、ステップS111の第1選択抽選の抽選結果に基づいて、選択したアイコンが忍者アイコンであるか否かを判断する(ステップS115)。ここで、選択したアイコンが忍者アイコンであると判断した場合(ステップS115:YES)、忍者アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS116)。逆に、選択したアイコンが忍者アイコンではないと判断した場合(ステップS115:NO)、白花火玉アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS117)。
このようにしてサブRAM133にセットされた忍者アイコン表示コマンド(又は白花火玉アイコン表示コマンド)は、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、画像音響制御基板140によって、液晶画面の第1保留アイコン表示領域51に忍者アイコン(又は白花火玉アイコン)を表示させる表示制御が行われる。
例えば図4(A)には、白花火玉アイコン表示コマンド、忍者アイコン表示コマンド、白花火玉アイコン表示コマンド、侍アイコン表示コマンドの順でアイコン表示コマンドが送信された場合のアイコン表示が例示されている。
ここまで、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性がある場合に行われる処理について説明したが、サブCPU131は、保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性がないと判断した場合(ステップS110:NO)、第2選択抽選を実行する(ステップS114)。具体的には、ステップS107の処理で変動パターンを示す情報が含まれているため、保留消化時にリーチ演出が行われると判断することができる。そして、ステップS110の処理で保留消化時に擬似連続演出が行われる可能性がないと判断されている。このため、第1保留アイコン表示領域51には、デフォルトの白花火玉アイコン、及びリーチ演出に対応する忍者アイコンの2種類の保留アイコンのいずれかが表示可能である。そして、サブROM132には、第2選択抽選用の乱数値として、白花火玉アイコンに対応する乱数値と、忍者アイコンに対応する乱数値とがそれぞれ記憶されているので、サブCPU131は、ステップS114において、ステップS106の処理によって取得したアイコン種別決定乱数がどちらのアイコンに対応する乱数値と一致するかに基づいて、2種類のアイコンのどちらか一方を選択する。
ステップS114の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS114における第2選択抽選の抽選結果に基づいて、選択したアイコンが忍者アイコンであるか否かを判断する(ステップS115)。そして、このステップS115の判断結果に基づいて、忍者アイコン表示コマンド又は白花火玉アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS116,117)。
一方、サブCPU131は、ステップS103の処理でサブRAM133に格納した事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれていないと判断した場合(ステップS107:NO)、すなわち保留消化時にリーチ演出が行われない場合、擬似連続演出も行われない可能性が高い。このため、基本的には、白花火玉アイコンを第1保留アイコン表示領域51に表示するのが好ましい。これに対して、本実施形態では、侍アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図8参照)や忍者アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図11参照)を行うこととしているため、これらの示唆演出の実行に先立って、これらの示唆演出に使用されるキャラクタのアイコンを第1保留アイコン表示領域51に表示しておく必要がある。このため、ステップS107で「NO」と判断された場合には、以下のような処理が行われる。
すなわち、サブCPU131は、事前判定情報に特別図柄の変動パターンを示す情報が含まれていないと判断した場合(ステップS107:NO)、ガセアイコン表示抽選を実行する(ステップS119)。具体的には、ガセアイコンとして侍アイコン又は忍者アイコンを表示させるか否かのガセアイコン表示抽選に使用されるガセアイコン表示抽選用乱数が、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算されるので、サブCPU131は、保留コマンドを受信した時点のカウント値をガセアイコン表示抽選用乱数として取得する。そして、取得したガセアイコン表示抽選用乱数が、サブROM132に記憶されている所定の乱数値のいずれかと一致するか否かに基づいて、ガセアイコン表示を実行するか否かを決定する。
次に、サブCPU131は、ステップS119におけるガセアイコン表示抽選の抽選結果に基づいて、ガセアイコン表示を実行するか否かを判断する(ステップS120)。ここで、ガセアイコン表示を実行しないと判断した場合(ステップS120:NO)、白花火玉アイコンを第1保留アイコン表示領域51に表示させるために、上述したステップS117の処理を実行する。
一方、サブCPU131は、ガセアイコン表示を実行すると判断した場合(ステップS120:YES)、ガセアイコン選択処理を実行する(ステップS121)。具体的には、サブROM132において、ガセアイコン選択処理用の乱数値として、白花火玉アイコンに対応する乱数値と、忍者アイコンに対応する乱数値とがそれぞれ記憶されているので、サブCPU131は、ステップS106の処理によって取得したアイコン種別決定乱数がどちらのアイコンに対応する乱数値と一致するかに基づいて、ガセアイコンとして表示するアイコンとして、2種類のアイコンのどちらか一方を選択する。
続いて、サブCPU131は、ステップS121におけるガセアイコン選択処理の選択結果に基づいて、ガセアイコンとして選択したアイコンが侍アイコンであるか否かを判断する(ステップS122)。そして、侍アイコンであると判断した場合には(ステップS122:YES)、上述したステップS113の処理を実行し、逆に、侍アイコンではないと判断した場合には(ステップS122:NO)、上述したステップS116の処理を実行する。
このように、サブCPU131は、第1保留記憶領域1031〜第4保留記憶領域1034のいずれかに記憶された取得情報に対応する保留アイコンとして、侍アイコン、忍者アイコン、及び白花火玉アイコンのいずれかを第1保留アイコン表示領域51に表示させる。
サブCPU131は、ステップS113の処理を実行した場合、ステップS116の処理を実行した場合、ステップS117の処理を実行した場合、又は保留コマンドを受信していないと判定した場合(ステップS101:NO)、図26に例示されるように、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する(ステップS124)。具体的には、例えば、遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドに含まれている特別図柄の変動パターンを示す情報に基づいて特別図柄の変動時間を特定し、その変動開始コマンドを受信してからその変動時間が経過したか否かに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、変動演出の実行中ではないと判定した場合(ステップS124:NO)、ステップS311(図21参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS125)。ここで、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップS125:YES)、上述した乱数更新処理によって適宜更新される演出乱数に関して、遊技制御基板100から変動開始コマンドを受信した時点の値を取得してサブRAM133に格納する(ステップS126)。そして、受信した変動開始コマンドを解析する(ステップS127)。
この変動開始コマンドには、上述したように、大当たり判定処理の判定結果を示す図柄の設定情報、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す入賞始動口情報、特別図柄の変動パターンの設定情報、パチンコ遊技機1の遊技状態を示す情報等が含まれている。したがって、変動開始コマンドを解析することによって、特別図柄判定の種類と結果を特定することができる。すなわち、大当たりであるか或いはハズレであるか、大当たりである場合にはその大当たりの種類が何であるかを特定することができる。また、変動パターンの設定情報に基づいて変動パターンがハズレ用の変動パターンであるか否かを特定することにより、リーチ有り演出とリーチ無し演出のどちらを行う必要があるのかを判断することができる。また、同じく変動パターンの設定情報に基づいて、特別図柄の変動時間を特定することができる。また、遊技状態を示す情報に基づいて、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態を特定することができる。
変動開始コマンドを解析すると、サブCPU131は、その解析結果に基づいて、装飾図柄の変動演出パターンを設定する変動演出パターン設定処理を実行する(ステップS128)。
図には示されていないが、サブROM132には、特別図柄の変動表示に伴う変動演出に関して、大当たり演出テーブル、ハズレリーチ有り演出テーブル、及びハズレリーチ無し演出テーブルの少なくとも3つの演出テーブルが記憶されている。これらの演出テーブルの各々には、遊技制御基板100において決定される変動パターン(変動時間)に対応するテーブルが複数設けられている。例えば、大当たり演出テーブルには、60秒用、80秒用、120秒用、及び160秒用のテーブルが設けられている。
サブCPU131は、これら複数のテーブルの中から、変動開始コマンドに含まれている設定情報に基づいて、1のテーブルを選択する。例えば、設定情報に「大当たり」を示す情報、変動時間が60秒である大当たり用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、60秒用の大当たり演出テーブルを選択する。また、設定情報に「ハズレ」を示す情報、遊技状態が時短遊技状態であることを示す情報、変動時間が10秒であるハズレ用の変動パターンを示す情報が含まれている場合、サブCPU131は、10秒用のハズレリーチ無し演出テーブルを選択する。
演出テーブルにおいては、演出乱数と演出パターンとが対応付けられている。サブCPU131は、選択した演出テーブルに格納されている多数の演出パターンの中から、ステップS126の処理によって取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、1つの演出パターンを選択する。
このような変動演出パターン設定処理が実行されることによって、装飾図柄の変動態様、リーチ演出の有無、リーチ成立のタイミング、リーチ演出の内容、擬似連続演出の有無、擬似連続演出に関して擬似停止表示される装飾図柄の種類、装飾図柄が擬似停止表示されるタイミング、装飾図柄が再始動するタイミング、背景画像の種類等の変動演出を構成する各演出の態様が決定される。
ステップS128の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS128の処理で設定された変動演出パターンで装飾図柄が変動表示されている間に行われる各種の予告演出に関する設定を行う予告演出パターン設定処理を実行する(ステップS129)。この予告演出パターン設定処理については、図27及び図28に基づいて後に詳述する。
ステップS129の処理に続いて、サブCPU131は、ステップS128の処理で設定した変動演出パターンの変動演出と、ステップS129の処理で設定した予告演出パターンでの予告演出との開始を指示する変動演出開始コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS132)。この変動演出開始コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、演出制御基板130において演出パターンが決定された変動演出が、画像音響制御基板140及びランプ制御基板150によって実現されることになる。
なお、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)にアイコンが表示された状態でこの変動演出開始コマンドが画像音響制御基板140に送信されると、装飾図柄の変動表示の開始に伴い、第1保留アイコン表示領域51(又は第2保留アイコン表示領域52)に表示されているアイコンのシフト処理が画像音響制御基板140によって行われる。このアイコンのシフト処理については、上述した通りである。
また、このシフト処理によって当該領域53に侍アイコン(又は忍者アイコン)が移動された場合には、その移動された侍アイコン(又は忍者アイコン)を用いた示唆演出が行われる。
また、図には示されていないが、ステップS132の処理に伴い、サブRAM133に記憶されている特別図柄判定の保留数を「1」減算した値に更新する処理が行われる。具体的には、第1特別図柄判定に係る変動演出開始コマンドが送信される場合には、第1特別図柄判定に係る保留数が「1」減算した値に更新され、第2特別図柄判定に係る変動演出開始コマンドが送信される場合には、第2特別図柄判定に係る保留数が「1」減算した値に更新される。
一方、サブCPU131は、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の実行中であると判定した場合(ステップS124:YES)、花火役物6の作動タイミングであるか否かを判定する(ステップS134)。具体的には、ステップS128の処理によって擬似連続演出を含む変動演出パターンが設定された場合には、後述するステップS129の予告演出パターン設定処理によって、擬似連続演出に発展することを示唆する中図柄(図9(E)参照)を含む複数の装飾図柄が擬似停止表示された直後のタイミングが花火役物6の作動タイミングに設定されて、その設定情報がサブRAM133にセットされる。そして、この設定情報を含む変動演出開始コマンドが送信されて、図柄変動中に擬似連続演出が行われることになる。このため、サブCPU131は、花火役物6の作動タイミングを示す設定情報がサブRAM133にセットされており、且つ、その設定情報が示すタイミングになったか否かに基づいて、花火役物6の作動タイミングであるか否かを判定する。
なお、花火役物6の作動タイミングを示す設定情報がセットされていない場合には、ステップS134で無条件に「NO」と判定されて、後述するステップS136に処理が進められる。
サブCPU131は、花火役物6の作動タイミングであると判定した場合(ステップS134:YES)、花火役物作動コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS135)。
このようにしてサブRAM133にセットされた花火役物作動コマンドは、ステップS13の送信処理によってランプ制御基板150に送信される。これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、受信した花火役物作動コマンドに対応する花火役物6の動作パターンデータ及び発光パターンデータをランプROMから読み出してランプRAMにセットする。そして、セットした動作パターンデータに基づいて花火役物6用のステッピングモータの駆動を制御すると共に、セットした発光パターンデータに基づいて花火役物6の各回動部材61に内蔵されている発光素子の発光を制御する。
サブCPU131は、ステップS135の処理を実行した場合、又は花火役物6の作動タイミングではないと判定した場合(ステップS134:NO)、真剣役物7の作動タイミングであるか否かを判定する(ステップS136)。具体的には、ステップS128の処理によってリーチ演出を含む変動演出パターンが設定された場合には、後述するステップS129の予告演出パターン設定処理によって、例えば忍者アイコンが連領域57に到達した直後のタイミングが真剣役物7の作動タイミングに設定されて、その設定情報がサブRAM133にセットされる。そして、この設定情報を含む変動演出開始コマンドが送信されて、図柄変動中にリーチ演出が行われることになる。このため、サブCPU131は、真剣役物7の作動タイミングを示す設定情報がサブRAM133にセットされており、且つ、その設定情報が示すタイミングになったか否かに基づいて、真剣役物7の作動タイミングであるか否かを判定する。
なお、真剣役物7の作動タイミングを示す設定情報がセットされていない場合には、ステップS136で無条件に「NO」と判定されて、後述するステップS138に処理が進められる。
サブCPU131は、真剣役物7の作動タイミングであると判定した場合(ステップS136:YES)、真剣役物作動コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS137)。
このようにしてサブRAM133にセットされた真剣役物作動コマンドは、ステップS13の送信処理によってランプ制御基板150に送信される。これに対して、ランプ制御基板150のランプCPUは、受信した真剣役物作動コマンドに対応する真剣役物7の動作パターンデータ及び発光パターンデータをランプROMから読み出してランプRAMにセットする。そして、セットした動作パターンデータに基づいて真剣役物7用のステッピングモータの駆動を制御すると共に、セットした動作パターンデータに基づいて真剣役物7の刀身部材73に内蔵されている発光素子の発光を制御する。
ところで、上述したように、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出では、図13(E)に例示されるように、忍者アイコンが当該領域53に戻ってから所定時間が経過するまでの間、当該領域53に風呂敷玉アイコン及びボタン画像が表示される。このため、サブCPU131は、ボタン画像が表示されている期間に遊技者が演出ボタン26を押下したタイミング、又は上記の所定時間が経過したタイミングで風呂敷玉アイコンを色付き花火玉アイコンに自動的に変化させるために、以下のような処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、ステップS137の処理を実行した場合、又は真剣役物7の作動タイミングではないと判定した場合(ステップS136:NO)、風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示中であるか否かを判定する(ステップS138)。具体的には、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出の実行を変動演出開始コマンドによって指示した場合に、変動演出の開始から第1時間が経過したタイミングで風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示が開始され、変動開始から第2時間が経過したタイミングで風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示が終了される。このため、サブCPU131は、ステップS138において、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出の実行を指示する変動演出開始コマンドを送信してからの経過時間が、第1時間が経過したタイミングから第2時間が経過したタイミングまでの間の期間中であるか否かに基づいて、風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示中であるか否かを判定する。
サブCPU131は、風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示中であると判定した場合(ステップS138:YES)、演出ボタン26からの操作情報(操作信号)の入力の有無に基づいて、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(ステップS139)。ここで、演出ボタン26が操作されていないと判定した場合(ステップS139:NO)、風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示期間の終期であるか否かを判定する(ステップS140)。具体的には、変動演出開始コマンドを送信してから上記の第2時間が経過したタイミングであるか否かを判定する(ステップS140)。ここで、表示期間の終期ではないと判定された場合(ステップS140:NO)、後述するステップS142に処理が進められる。
サブCPU131は、演出ボタン26が操作されたと判定した場合(ステップS139:YES)、又は風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示期間の終期であると判定した場合(ステップS140:YES)、風呂敷玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させる処理の実行を指示するアイコン変化コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS141)。
このアイコン変化コマンドは、花火玉アイコンの色を示す色情報を含んでおり、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これに対して、画像音響制御基板140では、受信したアイコン変化コマンドに含まれている色情報に基づいて花火玉アイコンの色が特定され、ボタン画像を液晶画面から消去されると共に、風呂敷玉アイコンを特定した色の花火玉アイコンに変化させる表示制御が行われる。
サブCPU131は、ステップS141の処理を実行した場合、風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示中ではないと判定した場合(ステップS138:NO)、又は風呂敷玉アイコンとボタン画像との表示期間の終期ではないと判定した場合(ステップS140:NO)、当該領域53に表示されている白花火玉アイコンの変化タイミングであるか否かを判定する(ステップS142)。具体的には、白花火玉アイコンを当該領域53に移動させて図6(C)に例示されるように変化させる場合には、ステップS129の予告演出パターン設定処理によって、白花火玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させるタイミングとその色付き花火玉アイコンの色を示す設定情報がサブRAM133にセットされる。そして、この設定情報を含む変動演出開始コマンドが送信されて、変動演出が開始される。このため、サブCPU131は、ステップS142において、この変化タイミングを示す設定情報がサブRAM133にセットされており、且つその変化タイミングになったか否かを判定する。
そして、サブCPU131は、白花火玉アイコンの変化タイミングであると判定した場合(ステップS142:YS)、色付き花火玉アイコンの表示色を示す情報を含むアイコン変化コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS143)。
このアイコン変化コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これに対して、画像音響制御基板140では、受信したアイコン変化コマンドに含まれている表示色を示す情報に基づいて変化後の色を特定し、当該領域53に表示されている白花火玉アイコンをその特定した色の花火玉アイコンに変化させる表示制御が行われる。
サブCPU131は、ステップS143の処理を実行した場合、又は白花火玉アイコンの変化タイミングではないと判定した場合(ステップS142:NO)、キャラクタアイコン(侍アイコン又は忍者アイコン)が液晶画面から消去されたか否かを判断する(ステップS144)。具体的には、例えば忍者アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出が行われている場合に、その示唆演出が開始されてからの経過時間が所定時間に達したか否かに基づいて、忍者アイコンが液晶画面から消去されたか否かを判断する。或いは、画像音響制御基板140から送信される画像音響データに関するデータに基づいてキャラクタアイコンが液晶画面から消去されたか否かを判断する。
サブCPU131は、忍者アイコンが液晶画面から消去されたと判断した場合(ステップS144:YES)、キャラクタアイコンの代わりに当該領域53に花火玉アイコンを表示する処理の実行を指示する代替アイコン表示コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS145)。
この代替アイコン表示コマンドは、花火玉アイコンの色を示す色情報を含んでおり、ステップ13の送信処理によって画像音響制御基板140に送信される。これにより、キャラクタアイコンが液晶画面から消去されると、当該領域53に花火玉アイコンが表示される(図8(F)、図9(E)、図11(F)、図12(E)参照)。
サブCPU131は、ステップS145の処理を実行した場合、又はキャラクタアイコンが液晶画面から消去されていないと判断した場合(ステップS144:NO)、ステップS316(図21参照)の処理に応じて遊技制御基板100から送信された図柄確定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS146)。ここで、図柄確定コマンドを受信したと判定した場合(ステップS146:YES)、特別図柄の変動表示に伴う変動演出の終了を指示する変動演出終了コマンドをサブRAM133にセットする(ステップS147)。
この変動演出終了コマンドは、ステップS13の送信処理によって画像音響制御基板140及びランプ制御基板150に送信される。これにより、ステップS132の処理に応じて開始された変動演出が終了されて、特別図柄判定の判定結果を示す態様で装飾図柄が停止表示されることになる。
[演出制御基板130による予告演出パターン設定処理]
図27及び図28は、図26のステップS129における予告演出パターン設定処理の詳細フローチャートである。ステップS128の変動演出パターン設定処理に続いて、サブCPU131は、図27に例示されるように、各種予告演出に関する設定処理を行う(ステップS1291)。具体的には、例えば、演出乱数と予告演出の演出パターンとが対応付けられたテーブルの中から、ステップS126の処理で取得した演出乱数に対応する演出パターンを読み出すことによって、予告演出の演出パターンを決定する。詳細な説明は省略するが、このテーブルとしては、例えば、特別図柄判定の判定結果が「大当たり」の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間(例えば60秒)以上の場合に使用するテーブルと、特別図柄判定の判定結果が「ハズレ」であって変動時間が所定時間未満である場合に使用する演出テーブルとが個別に設けられており、遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドに含まれている各種設定情報に基づいて選択したいずれかのテーブルを参照して、予告演出の演出パターンが決定される。このステップS1291の設定処理が行われることによって、例えば、ステップアップ予告演出を行うか否か、ステップアップ予告演出を行う場合には何段階目まで発展させるかが決定される。また、例えば、キャラクタのセリフを液晶画面に表示するセリフ予告を行うか否か、セリフ予告を行う場合にはセリフ内容やセリフ枠の種類などが決定される。
ステップS1291の処理に続いて、サブCPU131は、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであるか否かを判断する(ステップS1292)。具体的には、サブCPU131が遊技制御基板100から受信した変動開始コマンドには、図柄の設定情報と共に、この図柄の設定情報が第1特別図柄判定に係るものであるか或いは第2特別図柄判定に係るものであるかを示す情報が含まれているので、この情報に基づいて、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであるか否かを判定する。このステップS1292の処理によって、第1保留アイコン表示領域51から当該領域53にアイコンが移動されるか否かが判断される。ここで、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものではないと判定された場合(ステップS1292:NO)、ステップS132に処理が進められる。なお、サブRAM133に記憶されている第1特別図柄判定に係る保留数が「0」の状態で変動開始コマンドを受信した場合には、第1特別図柄判定に関する変動演出であっても保留消化に伴うものではないため、ステップS1292では「NO」と判定される。
サブCPU131は、今回の変動演出が第1特別図柄判定の保留消化に伴って行われるものであると判定した場合(ステップS1292:YES)、消化される第1特別図柄判定の保留が白花火玉アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップS1293)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであるか否かを判断する。具体的には、保留コマンドを受信する毎に、侍アイコン表示コマンド、忍者アイコン表示コマンド、又は白花火玉アイコン表示コマンドのいずれかを送信して第1保留アイコン表示領域51にアイコンを表示させ、変動演出開始コマンドを送信することによって各アイコンのシフト処理の実行を指示するので、これらの処理結果を示す情報をサブRAM133に記憶しておき、この情報に基づいて、今回の変動演出の開始に伴って当該領域53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が白花火玉アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップS1293:NO)、後述するステップS1300に処理が進められる。
サブCPU131は、当該領域53に移動されるアイコンが白花火玉アイコンであると判断した場合(ステップS1293:YES)、アイコン変化演出抽選を実行するか否かを判定する(ステップS1294)。具体的には、今回の変動演出の開始に伴って当該領域53に移動される白花火玉アイコンを、当該領域53において色付き花火玉アイコンに変化させるアイコン変化演出を行うか否かを決定するための抽選対象にするか否かを判定する。この判定の判定基準としては、今回の変動演出における特別図柄の変動時間が所定時間(例えば30秒)以上である場合には抽選対象にすると判定し、所定時間未満である場合には抽選対象にしないと判定する方法が一例として挙げられるが、他の判定基準であってもよい。
サブCPU131は、アイコン変化演出抽選を実行すると判定した場合(ステップS1294:YES)、アイコン変化演出抽選を実行する(ステップS1295)。具体的には、アイコン変化演出抽選に使用されるアイコン変化演出用乱数が、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算した値に更新されるので、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値をアイコン変化演出用乱数として取得する。そして、取得したアイコン変化演出用乱数がサブROM132に記憶されている所定の乱数値と一致するか否かに基づいて、アイコン変化演出を行うか否かを決定する。
サブCPU131は、ステップS1295の処理における決定結果に基づいて、アイコン変化演出を実行するか否かを判断する(ステップS1296)。ここで、アイコン変化演出を実行すると判断した場合(ステップS1296:YES)、アイコン変化演出後の花火玉アイコンの表示色を、例えば今回の変動演出に係る図柄の変動時間に基づいて決定する(ステップS1297)。次に、例えばステップS128の処理で設定した変動演出パターンの設定情報に基づいて、白花火玉アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させるタイミングである変化タイミングを決定する(ステップS1298)。そして、ステップS1297の処理で決定した表示色と、ステップS1298の処理で決定した変化タイミングとをアイコン変化演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1299)。上述したステップS142(図26参照)の判定処理は、この設定情報に基づいて行われる。
サブCPU131は、ステップS1299の処理を実行した場合、白花火玉アイコンに対応する第1特別図柄判定の保留が消化されないと判断した場合(ステップS1293:NO)、アイコン変化演出抽選を実行しないと判定した場合(ステップS1294:NO)、又はアイコン変化演出を実行しないと判断した場合(ステップS1296:NO)、ステップS1293の処理と同様に、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップS1300)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って当該領域53に移動されるアイコンが侍アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップS1300:NO)、後述するステップS1306(図28参照)に処理が進められる。
ところで、今回の変動演出の開始に伴って侍アイコンが当該領域53に移動される場合には、今回の変動演出中において、擬似連続演出に関する示唆演出として、侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出(図9参照)、又は侍アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図8参照)を行う必要がある。
そこで、サブCPU131は、消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留であると判断した場合(ステップS1300:YES)、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われるか否かを判断する(ステップS1301)。具体的には、ステップS128の処理が行われることによって変動演出パターンの設定情報がサブRAM133にセットされるので、セットされている変動演出パターンの設定情報に基づいて、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われるか否かを判断する。
サブCPU131は、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われると判断した場合(ステップS1301:YES)、侍アイコンを用いた示唆演出のパターンとして、侍アイコンが連領域56に到達する擬似連続演出に関する成功演出パターン(図9(C)〜(E)参照)を設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1302)。そして、侍アイコンが連領域56に到達してから所定時間が経過したタイミングで花火役物6が作動するように、花火役物作動タイミングを設定してその設定情報をサブRAM133にセットする(ステップS1303)。上述したステップS134(図26参照)の判定処理は、この設定情報に基づいて行われる。
一方、サブCPU131は、今回の変動演出中に擬似連続演出が行われないと判断した場合(ステップS1301:NO)、侍アイコンが連領域56に到達できずに落下する失敗演出パターン(図8(C)〜(E)参照)を設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1304)。
サブCPU131は、ステップS1303の処理を実行した場合、ステップS1304の処理を実行した場合、又は消化される第1特別図柄判定の保留が侍アイコンに対応する保留ではないと判断した場合(ステップS1300:NO)、図28に例示されるように、ステップS1293の処理と同様に、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留であるか否かを判断する(ステップS1306)。言い換えれば、今回の変動演出の開始に伴って当該領域53に移動されるアイコンが忍者アイコンであるか否かを判断する。ここで、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留ではないと判断された場合(ステップS1306:NO)、ステップS132に処理が進められる。
ところで、今回の変動演出の開始に伴って忍者アイコンが当該領域53に移動される場合には、今回の変動演出中において、忍者アイコンを用いた失敗パターンの示唆演出(図11参照)、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出(図12参照)、又は忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出(図13参照)を行う必要がある。
そこで、サブCPU131は、消化される第1特別図柄判定の保留が忍者アイコンに対応する保留であると判断した場合(ステップS1306:YES)、今回の変動演出中にリーチ演出が行われるか否かを判断する(ステップS1307)。具体的には、ステップS128の処理が行われることによって変動演出パターンの設定情報がサブRAM133にセットされるので、セットされている変動演出パターンの設定情報に基づいて、今回の変動演出中にリーチ演出が行われるか否かを判断する。
サブCPU131は、今回の変動演出中にリーチ演出が行われないと判断した場合(ステップS1307:NO)、忍者アイコンが真剣領域57に到達できずに墜落する失敗演出パターンを設定してその設定情報をサブRAM133にセットする(ステップS1308)。
一方、今回の変動演出中にリーチ演出が行われる場合には、リーチ演出が行われない場合に比べて大当たり対する信頼度が高いため、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出の他に、忍者アイコンを用いた第2成功パターンの示唆演出を行うことも可能である。このため、サブCPU131は、これら2種類の成功パターンの示唆演出のどちらを行うかを決定するために、以下のような処理を実行する。
すなわち、サブCPU131は、今回の変動演出中にリーチ演出が行われると判断した場合(ステップS1307:YES)、忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出と第2成功パターンの示唆演出のどちらを行うかを決定するための成功パターン選択抽選を実行する(ステップS1309)。具体的には、成功パターン選択抽選に使用される成功パターン選択乱数が、上述した乱数更新処理が行われる毎に「1」加算した値に更新されるので、変動開始コマンドを受信した時点のカウント値を成功パターン選択乱数として取得する。そして、取得した成功パターン選択乱数が、サブROM132に記憶されている第1成功パターンの示唆演出に対応する乱数値と、第2成功パターンの示唆演出に対応する乱数値とのどちらの乱数値と一致するかに基づいて、第1成功パターンの示唆演出を行うか、又は第2成功パターンの示唆演出を行うかを選択する。
次に、サブCPU131は、ステップS1309の選択結果に基づいて、忍者アイコンを用いて行う示唆演出の成功パターンが第1成功パターンであるか否かを判断する(ステップS1310)。ここで、第1成功パターンであると判断した場合(ステップS1310:YES)、忍者アイコンが真剣領域57に到達する第1成功パターンを示唆演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1311)。そして、本実施形態では、忍者アイコンが真剣領域57に到達した直後のタイミングで真剣役物7を作動させることとしているので、真剣役物7の作動タイミングを設定してその設定情報をサブRAM133にセットする(ステップS1312)。上述したステップS136(図26参照)の判定処理は、この設定情報に基づいて行われる。
一方、サブCPU131は、忍者アイコンを用いて行う示唆演出の成功パターンが第1成功パターンではないと判断した場合(ステップS1310:NO)、すなわち第2成功パターンの示唆演出を行う場合、忍者アイコンが当該領域53に戻る第2成功パターンを示唆演出の設定情報としてサブRAM133にセットする(ステップS1313)。そして、当該領域53に戻った忍者アイコンの代わりに当該領域53に表示する風呂敷玉アイコン及びボタン画像の表示期間を設定し(ステップS1314)、ステップS1297の処理と同様に、演出ボタン26の押下(又はボタン画像の表示期間の終期の到達)に応じて風呂敷玉アイコンを変化させる花火玉アイコンの表示色を設定してその設定情報をサブRAM133にセットする(ステップS1315)。上述したステップS138(図26参照)及びステップS140(図26参照)の判定処理は、このステップS1314及びステップS1315の処理でセットされた設定情報に基づいて行われる。
[本実施形態の作用効果]
以上説明したように、本実施形態によれば、侍アイコンに対応する保留が消化されると擬似連続演出に関する示唆演出が行われ、忍者アイコンに対応する保留が消化されるとリーチ演出に関する示唆演出が行われる。このため、遊技者は、保留消化に応じて行われる可能性がある演出を事前に把握することができる。また、擬似連続演出が行われる可能性がある場合には侍アイコンを用いた示唆演出が行われ、リーチ演出が行われる可能性がある場合には忍者アイコンを用いた示唆演出が行われる。すなわち、示唆演出が行われたとしても、それに対応する演出(ここでは擬似連続演出やリーチ演出)が行われない場合がある。このため、示唆演出を行うことによって、擬似連続演出やリーチ演出が実際に行われることを遊技者が期待しながら遊技を楽しむことができる。
また、本実施形態では、侍アイコンを用いた示唆演出として、擬似連続演出が行われることを示唆する成功パターンの演出(図9参照)、又は擬似連続演出が行われないことを示唆する失敗パターンの演出(図8参照)が行われる。また、忍者アイコンを用いた示唆演出として、リーチ演出が行われることを示唆する成功パターンの演出(図12参照)、又はリーチ演出が行われないことを示唆する失敗パターンの演出(図11参照)が行われる。このため、遊技者は、成功パターンの示唆演出が行われることを期待しながら示唆演出を楽しむことができる。また、侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出と、忍者アイコンを用いた成功パターンの示唆演出とは、演出態様(例えば演出に使用されるアイコンの種類やアイコンの移動方向等)が相違しているため、遊技者は、これらの示唆演出に応じて実際にどの演出が行われるかを容易に判別することができる。
また、本実施形態では、第1保留アイコン表示領域51から当該領域53に移動されたアイコンを用いて示唆演出が行われる。このため、他の演出画像を用いて示唆演出を行う場合に比べて、より高い演出効果を得ることができ、また、アイコンと示唆演出との対応関係を遊技者が明確に認識することができる。
[変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下の形態であってもよい。すなわち、上記実施形態では、侍アイコンが連領域56に到達できなかった場合には、侍アイコンを液晶画面から消去して、代わりに白花火玉アイコンを当該領域53に表示させる場合について説明したが、他の実施形態では、侍アイコンが忍者アイコンと同様に当該領域53に戻るパターンを新たに追加し、侍アイコンを当該領域53に戻して変化させるようにしてもよい。すなわち、侍アイコンを用いた示唆演出に関する成功パターンと失敗パターンは、必ずしも1種類ずつである必要はなく、それぞれ、2種類以上のパターンを設けてもよい。これは、忍者アイコンを用いた示唆演出についても同様である。
また、上記実施形態では、忍者アイコンが当該領域53に戻った場合に、その忍者アイコンを風呂敷玉アイコンとして当該領域53に表示してから色付き花火玉アイコンに変化させる場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、忍者アイコンを直接色付き花火玉アイコンに変化させるようにしてもよい。また、忍者アイコンを色付き花火玉アイコンに変化させるのではなく、忍者アイコンを他のキャラクタのアイコンに変化させるようにしてもよい。すなわち、アイコン変化は色変化に限定されるものではなく、他のアイコンに変化するような変化であってもよい。
また、上記実施形態では、侍アイコン又は忍者アイコンを当該領域53に移動させてからこれらのアイコンを用いた示唆演出を行う場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、当該領域53を設けずに、第1保留アイコン表示領域51からアイコンを移動させる示唆演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1示唆演出として、侍アイコンが連領域56を目指して移動していく演出を行い、第2示唆演出として、忍者アイコンが真剣領域57を目指して移動していく演出を行う場合について説明したが、第1示唆演出及び第2示唆演出の演出態様は、本実施形態で例示したものに限定されるものではなく、他の演出態様のものであってもよい。
また、上記実施形態では、当該領域53に移動された侍アイコンを用いて擬似連続演出に関する示唆演出を行い、当該領域53に移動された忍者アイコンを用いてリーチ演出に関する示唆演出を行う場合について説明した。これに対して、他の実施形態では、当該領域53に移動されたアイコンを使用せずに、第1示唆演出や第2示唆演出を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第1示唆演出が擬似連続演出に関する示唆演出であり、第2示唆演出がリーチ演出に関する示唆演出である場合について説明したが、これらの示唆演出は、例えばステップアップ予告演出やセリフ予告等の他の演出に関する示唆演出であってもよい。また、他の実施形態では、擬似連続演出が行われるか否かに関わらず、花火役物6が作動することを示唆するために侍アイコンを用いた成功パターンの示唆演出を実行するようにしてもよい。また、リーチ演出が行われるか否かに関わらず、真剣役物7が作動することを示唆するために忍者アイコンを用いた第1成功パターンの示唆演出を実行するようにしてもよい。すなわち、成功パターンの示唆演出の実行によって示唆する演出は、擬似連続演出やリーチ演出以外の演出であってもよい。
また、上記実施形態において説明したパチンコ遊技機1の構成や各部材の動作態様は単なる一例に過ぎず、他の構成や動作態様であっても本発明を実現できることは言うまでもない。また、上述したフローチャートにおける処理の順序、設定値、判定に用いられる閾値等は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しなければ他の順序や値であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。上記実施形態で例示した画面図等も単なる一例であって、他の態様であってもよい。