JP5979924B2 - ワイパ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石を取り付けたロータと、電機子コイルが設けられたステータとを有するワイパ装置に関する。
従来、ロータの回転速度を切り替え可能なモータとしては、例えば、自動車等のワイパモータが知られている。このワイパモータは、運転者のスイッチング操作により、回転速度を低速または高速に切り替えることができる。このような速度切り替え可能なワイパモータの一例が、特許文献1、2に記載されている。
特許文献1に記載されたワイパモータは、ケースと、ケース内に収容されたマグネットと、ケースの内部に回転自在に設けられ、かつ、コイルが巻き付けられた電機子と、電機子とともに一体回転するシャフトと、シャフトに設けられた整流子と、整流子に接触する高速運転用ブラシ及び低速運転用ブラシとを有している。そして、運転者がワイパスイッチを低速運転側に操作した場合は、低速運転用ブラシに電流が流れてシャフトが低速で回転する。一方、運転者がワイパスイッチを高速運転側に操作した場合は、高速運転用ブラシに電流が流れてシャフトが高速で回転する。
ところで、ブラシを有するワイパモータは、ブラシの温度上昇により、モータ出力が制限されるという問題、ブラシを配置するためのスペースが必要であるという問題、ブラシの摺動音等、ブラシに起因するノイズが発生する問題等を抱えている。
一方、特許文献2に記載されたモータは、ヨークハウジングの内面に固定され、かつ、複数の巻き線が巻かれた円環状のステータと、ステータの内側に回転可能に配置され、かつ、回転軸を有するロータと、回転軸に設けられた磁石とを有する。この特許文献2に記載されたモータにおいては、複数の巻き線に位相の異なる励磁電流が供給されて回転磁界が発生し、ロータが回転する。この特許文献2に記載されたモータはブラシが存在しないため、ブラシ付きモータ特有の問題は生じない。
特開2007−202391号公報 特開2010−93977号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているようなブラシレスモータにおいては、ロータの回転位置を検出するために専用の位置検出センサ、例えば、ホールIC、リングマグネット等を設けなければならず、部品点数が増加してコスト高になるという問題があった。
本発明の目的は、ロータの回転位置を検出するために、専用の位置検出センサを設ける必要のないワイパ装置を提供することにある。
本発明のワイパ装置は、電機子コイルに電流が供給されて回転磁界を形成するステータと、永久磁石を有し、かつ、前記回転磁界により回転するロータとを備えたブラシレスモータと、前記ロータに動力伝達可能に接続され、かつ、車両のガラスを払拭するワイパアームと、を有するワイパ装置であって、弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を制御する第1回転数制御部と、この第1回転数制御部が弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を制御する際に、前記電機子コイルに生じる誘起電圧に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する回転位置推定部とを備え、前記ロータの動力を動作部材に伝達する動力伝達経路に減速機構が設けられており、この減速機構は、入力回転速度に対して出力回転速度を減速するように構成され、前記電機子コイルに流れる電流の向きを切り替えることにより、前記ロータを正逆に回転させる回転方向制御部を備え、前記第1回転数制御部及び前記回転位置推定部を有する制御基板が設けられており、前記減速機構及び前記制御基板は、共通のハウジング内に収容され、前記ワイパアームの払拭動作を制御するモードとして、予め定められた低速で前記ワイパアームを動作させる低速払拭モードと、この低速払拭モードよりも高速で前記ワイパアームを動作させる高速払拭モードとを有し、前記低速払拭モードが選択されると、設定特性以下の範囲で前記ロータの回転数及びトルクを変化させ、前記低速払拭モードで要求される前記ロータの回転数及びトルクを得るとともに、前記高速払拭モードが選択されると、前記第1回転数制御部は、弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を上昇させることにより、前記設定特性を超える範囲で前記ロータの回転数及びトルクを変化させ、前記高速払拭モード要求される前記ロータの回転数及びトルクを得ることを特徴とする。
本発明のワイパ装置は、前記減速機構は、前記入力回転速度に対して減速される出力軸を有し、前記出力軸の回転数または絶対位置の少なくとも一方を検出する出力軸センサが設けられており、前記回転位置推定部は、前記出力軸センサにより検出される前記出力軸の回転数に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する制御を行うことを特徴とする。
本発明のワイパ装置は、前記ブラシレスモータは、前記電機子コイルに電流を流すオン状態と流さないオフ状態とを切り替える機能と、前記弱め界磁制御を行なわずに前記電機子コイルに電流を流すオンの割合であるデューティ比を制御することにより、前記ロータの回転数を制御する機能とを備えた第2回転数制御部を有しており、さらに、第2回転数制御部は、前記低速払拭モードが選択されたときに、前記弱め界磁制御を行わずに前記デューティ比を制御することにより、前記ロータの回転数を制御する機能を備えていることを特徴とする。
本発明のワイパ装置は、前記ロータと一体回転するセンサマグネットと、前記ロータが回転したときに前記センサマグネットの磁極の変化に応じてオン・オフ信号を出力するスイッチング素子とを備え、前記第1回転数制御部は、前記弱め界磁制御を行うときに、前記スイッチング素子のオン・オフ信号に基づいて前記ロータの回転数を検出する制御を行うとともに、前記電機子コイルへの通電タイミングを電気角で30度進角させることにより、前記ロータの回転数を制御する機能を有することを特徴とする。
本発明(請求項1)によれば、弱め界磁制御を行ってロータの回転数を制御する際に、電機子コイルに生じる誘起電圧に基づいて、ロータの回転位置を推定することができる。したがって、ロータの回転位置を検出するために専用のセンサを設ける必要がなく、ブラシレスモータにおける部品点数の低減及び製造コストの低減を図ることができる。
本発明(請求項)によれば、弱め界磁制御を行ってロータの回転数を制御することに加えて、減速機構の減速比を設定することができる。
本発明によれば、電機子コイルに流れる電流の向きを切り替えることにより、ロータを正逆回転させることができる。本発明によれば、減速機構及び制御基板は、共通のハウジング内に収容されているため、ブラシレスモータを小型化することができ、対象物にブラシレスモータを取り付ける際のレイアウト性が向上する。本発明によれば、ブラシレスモータのロータの動力をワイパアームに伝達して、ワイパアームを動作させることにより、車両のガラスを払拭することができる。
本発明によれば、ブラシレスモータが、低速払拭モードに対応するモータ特性が設定されているときに、弱め界磁制御を行ってロータの回転数を上昇させることにより、高速払拭モードで要求されるロータの回転数及びトルクを得ることができる。したがって、ブラシレスモータの消費電力を低減させて、モータ効率を向上することができる。
本発明(請求項)によれば、出力軸の回転数に基づいて、ロータの回転位置を推定することができる。
本発明(請求項)によれば、低速払拭モードが選択されたときは、弱め界磁制御を行わずに、デューティ比を制御することにより、ロータの回転数を制御することができる。
本発明(請求項)によれば、弱め界磁制御を行うときに、スイッチング素子のオン・オフ信号に基づいてロータの回転数を検出するとともに、電機子コイルへの通電タイミングを電気角で30度進角させることにより、ロータの回転数を制御することができる。
本発明のブラシレスモータを、車両のワイパ装置に適用した例を示す概略図である。 本発明のブラシレスモータを示す外観図である。 本発明のブラシレスモータであり、アンダーカバーを取り外した状態の底面図である。 本発明のブラシレスモータの制御系統を示す模式図である。 本発明のブラシレスモータの特性の一例を示す線図である。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1に示された車両10はフロントガラス11を有している。また、車両10は、フロントガラス11を払拭するワイパ装置12を有している。ワイパ装置12は、ピボット軸13を中心として揺動するワイパアーム14と、ピボット軸15を中心として揺動するワイパアーム16とを有する。ワイパアーム14の自由端にはワイパブレード17が取り付けられており、ワイパアーム16の自由端にはワイパブレード18が取り付けられている。また、ワイパ装置12は、ワイパアーム14,16を駆動する動力源としてブラシレスモータ19を有している。ブラシレスモータ19の動力は、レバー、リンク等により構成された動力伝達機構20を経由して、ワイパアーム14,16に個別に伝達されるように構成されている。
ブラシレスモータ19は、図2、図3、図4に示すように構成されている。本実施形態におけるブラシレスモータ19は、一例として3相4極形のものが挙げられている。ブラシレスモータ19は、ステータ21及びロータ22を有する。また、ブラシレスモータ19は、有底円筒形状のケース23を有しており、ケース23の内周にステータ21が固定して設けられている。ステータ21は、図4に示すように、3相、具体的には、U相、V相、W相の電機子コイル21a,21b,21cを有する。図3のように、ロータ22はステータ21の内側に設けられている。ロータ22は、回転軸22aと、回転軸22aに取り付けた4極の永久磁石22bとを有する。なお、便宜上、図4では回転軸22aを省略している。ケース23内には複数の軸受(図示せず)が設けられており、回転軸22aは、複数の軸受により回転可能に支持されている。
また、ブラシレスモータ19は、中空のフレーム24を有しており、フレーム24及びケース23は、図示しない締結部材により固定されている。回転軸22aは、長さ方向の略半分はケース23の内部に配置されており、残りの略半分はフレーム24内に配置されている。回転軸22aのうちフレーム24内に配置された部分の外周には、ウォーム22cが形成されている。フレーム24内にはウォームホイール25が設けられている。このウォームホイール25の外周にはギヤ25aが形成されており、ギヤ25aとウォーム22cとが噛合されている。さらに、回転軸22aのうちフレーム24内に配置された箇所には、センサマグネット38が取り付けられている。センサマグネット38は、回転軸22aと一体回転する。センサマグネット38は、回転軸22aの円周方向に沿って、N極とS極とが交互に並ぶように着磁されている。
また、ウォームホイール25は、出力軸26と一体回転するように構成されている。ウォーム22c及びギヤ25aは、本実施形態における減速機構27を構成している。この減速機構27の減速比は、ロータ22の動力を出力軸26に伝達する際に、ロータ22の回転速度よりも出力軸26の回転速度を低速とするものである。さらに、図2において、フレーム24の上部には、図示しない軸孔が設けられている。出力軸26におけるウォームホイール25が固定された端部とは反対側の端部は、フレーム24の軸孔を経由して外部に露出している。出力軸26におけるフレーム24の外部に露出した部分には、図1のように動力伝達機構20が連結されている。
フレーム24における軸孔とは反対側の部分には開口部24aが設けられている。この開口部24aは、フレーム24の内部にウォームホイール25等を取り付けるために形成されたものである。また、開口部24aを塞ぐアンダーカバー28が設けられている。アンダーカバー28はトレイ形状を有しており、そのアンダーカバー28とフレーム24とにより取り囲まれた空間に、制御基板29が設けられている。図2においては、制御基板29がアンダーカバー28に取り付けられた例が示されている。
この制御基板29には、ブラシレスモータ19を制御する駆動装置33が、図4のように設けられている。駆動装置33は、各電機子コイル21a,21b,21cに対する通電を制御するインバータ回路30を有する。インバータ回路30は、図示しない端子に接続されている。また、フレーム24にはコネクタ(図示せず)が設けられており、外部電源31に接続された電線のソケット(図示せず)をコネクタに装着することにより、外部電源31とインバータ回路30とが接続される。外部電源31は、車両10に搭載されたバッテリまたはキャパシタ等である。
また、インバータ回路30は、外部電源31と電機子コイル21a,21b,21cとを接続及び遮断するスイッチング素子30aを備えている。このスイッチング素子30aは、例えば、FET等の半導体素子により構成されている。より具体的には、U相、V相、W相に対応し、外部電源31の正極に接続される3つの正極側のスイッチング素子と、U相、V相、W相に対応し、外部電源31の負極側に接続される3つのスイッチング素子とを含む。さらに、インバータ回路30には、スイッチング素子30aのオン及びオフを切り替え制御する機能を有する制御回路(コンロトーラ)32が接続されている。
この制御回路32は、CPU、RAM、ROM等を備えた公知のマイクロコンピュータである。また、駆動装置33は、PWM信号発生回路34を有しており、PWM信号発生回路34の信号は、制御回路32に入力されるように構成されている。この制御回路32は、3つの負極側スイッチング素子を制御する駆動信号を出力し、その駆動信号にPWM信号が重畳される。つまり、3つの負極側スイッチング素子は、PWM制御により駆動されて各電通区間において断続的にオンされる。そして、3つの負極側スイッチング素子が別個にオンされる割合、すなわち、デューティ比を制御することにより、各電機子コイル21a,21b,21cに供給する電流値が制御されるように構成されている。さらに、制御回路32は、ブラシレスモータ19の起動時に実行する制御のデータ、プログラム等を記憶している。ブラシレスモータ19の起動時とは、停止しているブラシレスモータ19を回転させる初期のことである。
さらにまた、各電機子コイル21a,21b,21cの非結線端には、誘起電圧検出部35が接続されている。誘起電圧検出部35は、ロータ22の回転に伴い各電機子コイル21a,21b,21cに生じる誘起電圧を検出するセンサであり、誘起電圧検出部35の検出信号は、制御回路32に入力される。制御回路32は、誘起電圧検出部35から入力される検出信号に基づいて、ロータ22の回転位置(回転方向の位相)を推定する処理を行う。
さらに、本実施形態におけるブラシレスモータ19は、スイッチング素子30aのオン及びオフを切り替え制御して、電機子コイル21a,21b,21cに対する通電の向きを反転させることにより、ロータ22を正逆に回転させることが可能である。スイッチング素子30aがオンされると、外部電源31と各電機子コイル21a,21b,21cとが接続され、スイッチング素子30aがオフされると、外部電源31と各電機子コイル21a,21b,21cとが遮断される。
さらに、フレーム24の内部には、出力軸26の回転数または絶対位置の少なくとも一方を検出する出力軸センサ36が設けられている。絶対位置とは、基準位置に対する出力軸26の回転角度を意味する。基準位置は、360度の範囲内のうち、任意の位置に定めればよい。この出力軸センサ36の検出信号は、制御回路32に入力されるようになっている。さらに、制御基板29にはホールIC39が取り付けられている。ホールIC39は、センサマグネット38と非接触で対向して固定されている。ホールIC39は、ロータ22の回転に伴い、センサマグネット38の磁極の変化によりスイッチング動作し、スイッチング信号(オン・オフ信号)を発生する。制御回路32は、ホールIC39のスイッチング信号に基づいて、ロータ22の回転数(回転速度)を検出することができる。さらに、車両10の室内にはワイパスイッチ37が設けられており、ワイパスイッチ37の操作信号が、制御回路32に入力されるように構成されている。
ワイパ装置12においては、降雨量、降雪量等の条件に基づいて、ワイパアーム14,16の払拭速度を切り替えることができる。例えば、降雨量、降雪量が少ないときは、運転者がワイパスイッチ37を操作して、ワイパアーム14,16を予め定められた低速で動作させる低速払拭モードを選択することができる。これに対して、降雨量、降雪量が多いときには、運転者がワイパスイッチ37を操作して、ワイパアーム14,16を、前記低速よりも高速で動作させる高速払拭モードを選択することができる。このため、制御回路32には、低速払拭モード及び高速払拭モードについて、スイッチング素子30aを制御するパターン、データ、演算式等が予め記憶されている。
本実施形態におけるブラシレスモータ19の制御を説明する。ワイパスイッチ37が操作されて低速モードが選択されているとき、誘起電圧検出部35の検出信号は、制御回路32に入力される。制御回路32は、誘起電圧検出部35の検出信号に基づいて、ロータ22の回転位置(回転方向の角度)を推定し、ロータ22の回転位置に基づいた通電制御を行う。つまり、各相の正極側スイッチング素子を電気角で120度ずつ順次オンするとともに、正極側スイッチング素子とは異なる相の負極側スイッチング素子を電気角で120度ずつ順次オンして、各相の電機子コイル21a,21b,21cに対する通電を切り替えて相電流を転流させる。
上記の制御が繰り返されるとステータ21により回転磁界が形成され、ロータ22が回転する。また、ブラシレスモータ19は、電流値が高くなることに伴い回転数が上昇する特性を有する。さらに、ブラシレスモータ19は、回転数が上昇することに伴いトルクが低下する特性を有する。低速払拭モードが選択されているときは、弱め界磁制御を行うことなく、デューティ比の制御を行うことにより、ロータ22の実回転数を要求されている回転数に近づけることができる。
一方、高速払拭モードが選択されたときは、電機子コイル21a,21b,21cに供給する電流値を変えることなく、電機子コイル21a,21b,21cへの通電タイミングを、低速払拭モードが選択されているときに比べて進み位相とする弱め界磁制御を行う。弱め界磁制御では、低速払拭モードが選択されているときに比べて、電機子コイル21a,21b,21cへの通電タイミングが電気角で30度進角される。弱め界磁制御は、電機子コイル21a,21b,21cに電流を供給することにより形成される磁界を、なるべく弱くする制御である。この弱め界磁制御を行うと、電機子コイル21a,21b,21cに生じる逆起電力が減少し、ロータ22の回転数が上昇する。
図5は、ブラシレスモータ19の特性を示す線図である。図5においては、縦軸にブラシレスモータ19の回転数が示され、横軸にブラシレスモータ19のトルクが示されている。また、図5に示された破線は、低速払拭モードに対応する低速用特性の一例であり、図5に示された実線は、高速払拭モードに対応する高速用特性の一例である。
本実施形態のブラシレスモータ19は、その定格を設定するにあたり、図5の低速用特性に対応する回転数及びトルクを得ることができるように、例えば実線で示す位置に設定特性が存在している。このため、ワイパスイッチ37の操作により低速払拭モードが選択されているときは、設定特性以下の範囲内で、要求されている回転数及びトルクを得ることができる。
これに対して、ワイパスイッチ37の操作により高速払拭モードが選択されて、要求されるトルク及び回転数が設定特性を超えたときは、制御回路32が弱め界磁制御を実行することにより、設定特性を超える回転数及びトルクの範囲を得ることができる。これにより、ブラシレスモータ19の特性は、見かけ上、二点鎖線で示す位置にあることと同等となる。そして、電流値を変えずにブラシレスモータ19の回転数を上昇させて、トルクを上昇させることができるということは、トルク定数が相対的に大きくなることを意味する。言い換えれば、本実施形態のブラシレスモータ19は、より少ない消費電力でなるべく高トルクを発生することができ、モータ効率が向上する。
一般的に、車両用のワイパ装置は、低速払拭モードの方が高速払拭モードよりも、使用頻度が高い。このため、本実施形態のブラシレスモータ19をワイパ装置12に用いると、低速払拭モードが選択されたときに、消費電力を低減する効果が大きい。また、本実施形態のブラシレスモータ19は、設計上、高速払拭モードを基準として定格を決定する必要がなくなり、ブラシレスモータ19の体格をなるべく小さくすることができる。
また、本実施形態のブラシレスモータ19は、弱め界磁制御を行うときに、誘起電圧検出部35の検出信号に基づいて、ロータ22の回転位置を推定することができる。さらに、誘起電圧検出部35の検出信号に代えて、出力軸センサ36の検出信号、及び減速機構27の減速比に基づいて、ロータ22の回転位置を推定することもできる。このように、本実施形態のブラシレスモータ19は、予め設けられている誘起電圧検出部35、出力軸センサ36を利用して、ロータ22の回転位置を推定することができる。つまり、本実施形態のブラシレスモータ19は、ロータ22の回転位置を検出するセンサを専用で設ける必要がない、センサレス構造である。したがって、ブラシレスモータ19の部品点数及び製造コストを低減することができる。
さらに、本実施形態のブラシレスモータ19は、弱め界磁制御を行うことにより、高速用特性に対応する回転数及びトルクを得ることができるとともに、減速機構27が設けられている。したがって、ブラシレスモータ19は、ワイパ装置12のワイパアーム14,16の作動条件に適した特性、つまり、回転数、トルクとなるように、減速機構27の減速比を設定することができる。減速機構27の減速比は、出力軸26の回転数をロータ22の回転数で除算した値であり、減速機構27の減速比を大きくするほど、出力軸26の回転数が低下する。
さらにまた、本実施形態のブラシレスモータ19は、ロータ22の回転位置の推定結果に基づいて、ブラシレスモータ19の正逆転時における進角制御を最適化することができる。さらにまた、本実施形態のブラシレスモータ19は、ブラシ、コミュテータ(整流子)等が設けられていないため、ブラシとコミュテータとの摺動によるフリクショントルクの発生もなく、モータの効率低下を防止できる。さらに、本実施形態のブラシレスモータ19は、ブラシがあることに起因するノイズの発生をも防止できる。
さらにまた、本実施形態のブラシレスモータ19は、制御基板29及び減速機構27が、共にフレーム24及びアンダーカバー28により取り囲まれた空間内に配置された構造、つまり、機電一体の構造である。したがって、ブラシレスモータ19全体をコンパクトに構成することができ、車体へブラシレスモータ19を取り付ける際のレイアウト性が向上する。
さらにまた、本実施形態のブラシレスモータ19は、弱め界磁制御を行うときに、制御回路32は、ホールIC39のオン・オフ信号に基づいてロータ22の回転数を検出する制御を行うとともに、電機子コイル21a,21b,21cへの通電タイミングを電気角で30度進角させることにより、ロータ22の回転数を制御する機能を有する。
ここで、本実施形態において説明した構成と、本発明の構成との対応関係を説明すると、制御回路32を有する駆動装置33が、本発明の第1回転数制御部及び第2回転数制御部及び回転位置推定部及び回転方向制御部に相当し、フレーム24及びアンダーカバー28が、本発明のハウジングに相当し、フロントガラス11が、本発明のガラスに相当し、ワイパアーム14,16が、本発明の動作部材に相当し、ホールIC39が、本発明のスイッチング素子に相当する。さらに、図5において回転数及びトルクで表された特性が、本発明におけるブラシレスモータの特性に相当する。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、ワイパ装置12は、フロントガラス11に限らずリヤガラスを払拭するものであってもよい。また、図1に示すワイパ装置12は、出力軸26に動力伝達機構20を介してワイパアーム14,16が連結されているが、出力軸に直接ワイパアームが連結されている構造であってもよい。また、図1に示すワイパ装置12は、2本のワイパアーム14,16を単独のブラシレスモータ19により駆動する構成であるが、2本のワイパアームを、それぞれ別個のブラシレスモータにより駆動する構成であってもよい。また、本実施形態のブラシレスモータは、永久磁石を鉄心に埋め込んだ構造のIPM(Interior Permanent Magnet )型モータであってもよい。さらに、ワイパスイッチにより選択されるモードは、低速払拭モード及び高速払拭モードの2種類に限らず、3種類以上あってもよい。さらにまた、電機子コイルの数、永久磁石の数は任意に変更可能である。
さらにまた、本発明のブラシレスモータは、ステータの内側にロータが配置されたインナロータ形のブラシレスモータ、またはステータの外側にロータが配置されたアウタロータ形のブラシレスモータのいずれにも適用可能である。さらに、本実施形態のブラシレスモータは、車両に設けられる利便快適系装置、例えば、パワースライドドア装置、サンルーフ装置、パワーウィンド装置等において、ドア、ルーフ、ガラス等の動作部材を動作させる動力源として用いることもできる。
10 車両
11 フロントガラス
12 ワイパ装置
13,15 ピボット軸
14,16 ワイパアーム
17,18 ワイパブレード
19 ブラシレスモータ
20 動力伝達機構
21 ステータ
21a,21b,21c 電機子コイル
22 ロータ
22a 回転軸
22b 永久磁石
22c ウォーム
23 ケース
24 フレーム
24a 開口部
25 ウォームホイール
25a ギヤ
26 出力軸
27 減速機構
28 アンダーカバー
29 制御基板
30 インバータ回路
30a スイッチング素子
31 外部電源
32 制御回路
33 駆動装置
34 PWM信号発生回路
35 誘起電圧検出部
36 出力軸センサ
37 ワイパスイッチ
38 センサマグネット
39 ホールIC

Claims (4)

  1. 電機子コイルに電流が供給されて回転磁界を形成するステータと、永久磁石を有し、かつ、前記回転磁界により回転するロータとを備えたブラシレスモータと、
    前記ロータに動力伝達可能に接続され、かつ、車両のガラスを払拭するワイパアームと、
    を有するワイパ装置であって、
    弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を制御する第1回転数制御部と、
    この第1回転数制御部が弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を制御する際に、前記電機子コイルに生じる誘起電圧に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する回転位置推定部とを備え
    前記ロータの動力を動作部材に伝達する動力伝達経路に減速機構が設けられており、この減速機構は、入力回転速度に対して出力回転速度を減速するように構成され、
    前記電機子コイルに流れる電流の向きを切り替えることにより、前記ロータを正逆に回転させる回転方向制御部を備え、
    前記第1回転数制御部及び前記回転位置推定部を有する制御基板が設けられており、前記減速機構及び前記制御基板は、共通のハウジング内に収容され、
    前記ワイパアームの払拭動作を制御するモードとして、予め定められた低速で前記ワイパアームを動作させる低速払拭モードと、この低速払拭モードよりも高速で前記ワイパアームを動作させる高速払拭モードとを有し、
    前記低速払拭モードが選択されると、設定特性以下の範囲で前記ロータの回転数及びトルクを変化させ、前記低速モードで要求される前記ロータの回転数及びトルクを得るとともに、
    前記高速払拭モードが選択されると、前記第1回転数制御部は、弱め界磁制御を行って前記ロータの回転数を上昇させることにより、前記設定特性を超える範囲で前記ロータの回転数及びトルクを変化させ、前記高速モードで要求される前記ロータの回転数及びトルクを得ることを特徴とするワイパ装置
  2. 請求項1記載のワイパ装置において、前記減速機構は、前記入力回転速度に対して減速される出力軸を有し、前記出力軸の回転数または絶対位置の少なくとも一方を検出する出力軸センサが設けられており、
    前記回転位置推定部は、前記出力軸センサにより検出される前記出力軸の回転数に基づいて、前記ロータの回転位置を推定する制御を行うことを特徴とするワイパ装置。
  3. 請求項1記載のワイパ装置において、前記ブラシレスモータは、前記電機子コイルに電流を流すオン状態と流さないオフ状態とを切り替える機能と、前記弱め界磁制御を行なわずに前記電機子コイルに電流を流すオンの割合であるデューティ比を制御することにより、前記ロータの回転数を制御する機能とを備えた第2回転数制御部を有しており、さらに、第2回転数制御部は、前記低速払拭モードが選択されたときに、前記弱め界磁制御を行わずに前記デューティ比を制御することにより、前記ロータの回転数を制御する機能を備えていることを特徴とするワイパ装置。
  4. 請求項1記載のワイパ装置において、前記ロータと一体回転するセンサマグネットと、前記ロータが回転したときに前記センサマグネットの磁極の変化に応じてオン・オフ信号を出力するスイッチング素子とを備え、
    前記第1回転数制御部は、前記弱め界磁制御を行うときに、前記スイッチング素子のオン・オフ信号に基づいて前記ロータの回転数を検出する制御を行うとともに、前記電機子コイルへの通電タイミングを電気角で30度進角させることにより、前記ロータの回転数を制御する機能を有することを特徴とするワイパ装置。
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