以下、添付図面を参照して、本願の開示する車載表示システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図1は、実施形態に係る車載表示システムの説明図である。
図1に示すように、実施形態に係る車載表示システムは、車両の運転席と助手席との間に位置するセンターコンソールに設けられたメインディスプレイ51を備える。ここで、メインディスプレイ51は、運転席から画面を見た場合に見える運転席用画像5aと、助手席から画面を見た場合に見える助手席用画像5bとを同時に表示する所謂デュアルビュー表示が可能な表示装置である。
かかるメインディスプレイ51は、表示画像の各画素となる複数の表示素子がマトリックス状に配置された表示部を備える。さらに、メインディスプレイ51は、例えば、複数の表示画素のうち、偶数番目の列に配置された表示画素だけを運転席側から見ることができ、奇数番目の列に配置された表示素子だけを助手席側から見ることができるように配置された視差バリア(各画素からの出射光の方向を制限する孔を有する遮蔽層)を備える。
そして、実施形態に係る表示システムでは、偶数番目の列に配置された表示素子を用いて運転席用画像5aを表示させ、奇数番目の列に配置された表示素子を用いて助手席用画像5bを表示させることによりデュアルビュー表示を行う。
また、メインディスプレイ51は、表示画面に重畳して設けられたタッチパネルを備え、画面に表示される所定のアイコンがタッチ操作された場合に、タッチ操作されたアイコン(位置)に対応する動作を車載装置に実行させる操作デバイスとしても機能するものである。
かかる車載表示システムでは、車両のハンドルに設けられた複数のスイッチを有するステアリングスイッチ(以下、「ステアリングSW61」と記載する)が操作される場合に、ステアリングSW61による操作用の運転席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させる。
また、車載表示システムでは、助手席用画像5bとして、タッチパネルによる操作用の画像をメインディスプレイ51へ表示させる。これにより、車載表示システムによれば、運転者および同乗者の双方にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示を行うことができる。
具体的には、例えば、タッチパネルの操作によって車載装置へ実行させる動作の項目を選択させる場合、項目毎にスイッチとして機能するアイコンを操作画面へ表示させることで、運転者および同乗者は、1回のタッチ操作により項目の選択および決定を行うことができる。
これに対して、ステアリングSW61の操作によって車載装置へ実行させる動作の項目を選択させる場合、項目を選択する操作と選択した項目を決定する操作が必要となる。このため、ステアリングSW61によって項目の選択を行わせる場合、どの項目が選択中であるかを操作者へ認識させなければ、操作者は、所望の項目を決定することができない。すなわち、タッチパネル用の操作画面と同じ操作画面をステアリングSW61用の操作画面として表示させた場合、運転者にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示とはならない。
そこで、実施形態に係る車載表示システムでは、ステアリングSW61が操作される場合には、ステアリングSW61による操作に適した専用の操作画像を運転席用画像5aとして表示させる。これにより、ステアリングSW61の操作者、すなわち、運転者にとってデュアルビュー表示の使い勝手が向上する。
一方、実施形態に係る車載表示システムでは、助手席用画像5bとして、タッチパネルの操作に適した専用の操作画面をメインディスプレイ51へ表示させるので、ステアリングSW61を操作しない助手席の同乗者にとっても、デュアルビュー表示の使い勝手が損なわれることがない。
また、かかる車載表示システムでは、例えば、車載装置へ実行させる動作の項目をステアリングSW61の操作によって選択させる場合、ステアリングSW61の操作によって選択中の項目を強調させる運転席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させる。
これにより、車載表示システムでは、ステアリングSW61の操作によって選択中の項目を運転者へ容易に認識させることができるので、デュアルビュー表示の使い勝手を向上させることができるとともに、ステアリングSW61の操作性も向上させることができる。なお、かかる運転席用画像5aの具体的な表示例については、図3を参照して後述する。
さらに、実施形態に係る車載表示システムでは、ステアリングSW61の操作によって選択中の項目を強調させる運転席用画像5aを表示させる場合には、選択可能な項目を一列に配置して表示させる。
これにより、車載表示システムでは、ステアリングSW61の操作によって選択される項目が順次変更される場合に、次の操作で選択される項目を運転者へ容易に予測させることができるので、運転者にとって運転席用画像5aの使い勝手が向上する。
また、車載表示システムでは、例えば、車載装置へ実行させる動作の項目をタッチパネルの操作によって選択する場合、タッチパネルの操作によって項目が選択および決定されるアイコンを含む助手席用画像5bをメインディスプレイ51へ表示させる。
これにより、本実施形態に係る車載表示システムでは、タッチパネルに対して1回のタッチ操作を行わせることで、タッチパネルの操作者に所望の項目の選択および決定を行わせることができる。
したがって、本実施形態に係る車載表示システムによれば、デュアルビュー表示の使い勝手を向上させることができるとともに、タッチパネルの操作性も向上させることができる。なお、かかる助手席用画像5bの具体的な表示例については、図3を参照して後述する。
また、本実施形態に係る車載表示システムでは、ステアリングSW61の操作状態や操作内容、車両の動作状態、表示中の助手席用画像5bの表示内容などに応じて、運転席用画像5aおよび助手席用画像5bの表示規制やタッチパネルの操作制限を行う。なお、かかる点については、図4〜図8を参照して後述する。
次に、図2を参照し、実施形態に係る車載表示システムの構成について説明する。図2は、実施形態に係る車載表示システム1の構成の一例を示す説明図である。図2に示すように、車載表示システム1は、HMI(Human Machine Interface)系制御部10、走行系制御部20、エンターテインメント(以下、略して「エンタメ」と記載する)系制御部30、表示処理部40を備える。
さらに、車載表示システム1は、メインディスプレイ51、サブディスプレイ52、メータディスプレイ53を備える。メインディスプレイ51は、車両の運転席と助手席との間に位置するセンターコンソールに配置される表示装置である。
かかるメインディスプレイ51は、運転席から画面を見た場合に見える運転席用画像5aと、助手席から画面を見た場合に見える助手席用画像5bとを一つの表示画面で同時に表示可能な所謂デュアルビュー表示を行う表示装置である。
メータディスプレイ53は、運転席の前方に設けられたインストルメントパネルの中央に設けられ、スピードメータやタコメータ等の画像を表示する表示装置である。また、サブディスプレイ52は、インストルメントパネル内でメータディスプレイ53の脇に設けられ、運転者に対して各種情報を表示する表示装置である。これら、メインディスプレイ51、サブディスプレイ52、メータディスプレイ53は、HMI系制御部10の制御に従って各種画像の表示を行う。
HMI系制御部10は、車両の運転者および同乗者と車両に設けられた各種車載装置との間で行われる情報のやり取りを仲介する処理部である。ここで、HMI系制御部10には、ステアリングSW61、タッチパネル62、走行系制御部20、エンタメ系制御部30、表示処理部40が接続される。
かかるHMI系制御部10は、ステアリングSW61やタッチパネル62が操作された場合に出力する操作信号の入力を受け付けると、操作信号に基づいて操作内容や制御対象の車載装置を判別する。そして、HMI系制御部10は、操作信号を車載装置用の制御信号へ変換し、走行系制御部20またはエンタメ系制御部30を介して制御対象の車載装置へ出力する。
さらに、HMI系制御部10は、ステアリングSW61やタッチパネル62から入力される操作信号および各車載装置へ出力した制御信号に基づき、各車載装置の動作状態および各ディスプレイの表示状態を記憶して管理する。
そして、HMI系制御部10は、ステアリングSW61やタッチパネル62の操作状態、車両の走行状態、画像の表示状態に応じて、メインディスプレイ51、サブディスプレイ52、メータディスプレイ53の表示制御を行う。例えば、ステアリングSW61が操作される場合HMI系制御部10は、ステアリングSW61による操作用の運手席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させる。
また、HMI系制御部10は、タッチパネル62が操作される場合、タッチパネル62による操作用の助手席用画像5bをメインディスプレイ5bへ表示させる。なお、HMI系制御部10の制御によってメインディスプレイ51へ表示される運転席用画像5aおよび助手席用画像5bの表示例については、図3〜図8を参照して後述する。
ステアリングSW61は、車両のハンドルに設けられた操作部であり、複数のスイッチを備える。具体的には、ステアリングSW61は、操作対象の車載装置を選択するスイッチや、選択した車載装置へ実行させる動作の項目を選択するスイッチ、選択した項目を決定するスイッチ等を備える。かかるステアリングSW61は、運転者によって操作された場合に、操作に対応した操作信号をHMI系制御部10へ出力する。
また、タッチパネル62は、メインディスプレイ51の表示部へ重畳して設けられ、メインディスプレイ51に表示される各種操作ボタンの画像(その位置)がタッチ操作された場合に、操作に応じた操作信号をHMI系制御部10へ出力する。
かかるHMI系制御部10は、ステアリングSW61またはタッチパネル62から操作信号が入力された場合、メインディスプレイ51およびサブディスプレイ52の表示状態と各車載装置の動作状態とに基づいて操作信号の種別を判別する。すなわち、HMI系制御部10は、ステアリングSW61またはタッチパネル62から入力された操作信号が、どの車載装置に対するどのような動作指示であるかを判別する。
ここで、HMI系制御部10は、メインディスプレイ51にステアリングSW61やタッチパネル62の操作画面が表示中の場合、ステアリングSW61やタッチパネル62の操作に応じた操作画面を生成し、後述の表示処理部40へ出力して操作画面の更新を行う。
そして、HMI系制御部10は、操作信号が走行系の車載装置に対する動作指示であると判別した場合、操作信号に応じた動作指示となる制御信号を走行系制御部20へ出力する。一方、HMI系制御部10は、操作信号がエンタメ系の車載装置に対する動作指示であると判別した場合、操作信号に応じた動作指示となる制御信号をエンタメ系制御部30へ出力する。
走行系制御部20は、車両の走行に関する走行系の車載装置を統括的に制御する処理部であり、HMI系制御部10から入力される制御信号を制御対象の車載装置へ振り分けて出力する処理を行う。また、走行系制御部20は、走行系の車載装置から車両の状態や車両に関する警告などの表示要求が入力された場合に、表示要求をHMI系制御部10へ出力する。
HMI系制御部10は、走行系制御部20から表示要求が入力された場合、表示要求に応じた画像を生成し、画像の表示先や表示方法(表示態様)などの指示を含む情報とともに表示処理部40へ出力する。表示処理部40は、HMI系制御部10から入力される画像をHMI系制御部10からの指示に従っていずれかのディスプレイへ表示させる。
かかる走行系制御部20には、エンジン制御、トランスミッション制御、ブレーキ制御、エアコン制御などを行う複数の車載装置が接続される。例えば、走行系制御部20には、艤装系車載装置21、走行系車載装置22、エアコン制御部23、P(パーキング)ブレーキ25、車速センサ26が接続される。
ここで、艤装系車載装置21には、例えば、方向指示器(以下、「ウインカ」と記載する)、ヘッドライト、テールライト、ワイパー、パワーウインドウ、オートロック装置等といった車載装置が含まれる。
また、走行系車載装置22は、エンジンの動作を制御するECU(Engine Control Unit)や、ABS(Antilock Brake System)、ACC(Automatic Cruise Control)ユニット等が含まれる。
なお、本実施形態におけるECUは、ステアリングSW61の操作によって走行モードの切替えを行う機能を備える。例えば、ECUは、加速性能を重視したスポーツモードや省燃費を重視したエコ(エコロジーの略)モード、ノーマルモード等、複数種類の走行モードを切替可能に構成される。
また、エアコン制御部23は、カーエアコンのエアコン駆動部24へ接続されており、走行系制御部20から入力される制御信号に基づいてエアコン駆動部24の動作を制御することにより、車内の室温を調整する。なお、本実施形態でエアコン制御部23およびエアコン駆動部24が走行系の車載装置に分類されているのは、走行系制御部20がエアコンの動作状態に応じてエンジンの動作制御を行うためである。
これら艤装系車載装置21、走行系車載装置22、エアコン制御部23は、走行系制御部20から入力される制御信号に基づいて動作するとともに、動作状態を示す信号を走行系制御部20へ出力する。
例えば、Pブレーキ25は、運転者等による操作状態を示す信号を走行系制御部20へ出力する。また、車速センサ26は、車両の走行速度を示す信号を走行系制御部20へ出力する。なお、車速センサ26から走行系制御部20へ出力された走行速度を示す信号は、エンタメ系制御部30を介してナビゲーション部41へ転送され、車両の現在位置の算出などに用いられる。
また、走行系制御部20は、艤装系車載装置21、走行系車載装置22、エアコン制御部23、Pブレーキ25、車速センサ26などから入力される状態信号に基づき、車両の動作状態を判定する。
さらに、走行系制御部20は、判別した動作状態を画像によって運転者等へ報知する必要があるか否かを判定し、必要があると判定した場合、車両の状態を示す画像の表示要求をHMI系制御部10へ出力する。HMI系制御部10は、走行系制御部20から表示要求が入力された場合、表示要求に応じた画像を生成し、画像の表示先および表示方法(表示態様)を示す指示とともに表示処理部40へ出力していずれかのディスプレイへ表示させる。
エンタメ系制御部30は、車両の走行に関する情報を出力する車載装置以外の複数の車載装置を統括的に制御する処理部であり、HMI系制御部10から入力される制御信号を制御対象の車載装置へ振り分けて出力する処理を行う。また、エンタメ系制御部30は、エンタメ系の車載装置から各種情報の表示要求が入力された場合に、表示要求をHMI系制御部10へ出力する。
かかるエンタメ系制御部30には、HMI系制御部10、画像処理部31、音声処理部32および走行系制御部20が接続される。さらに、エンタメ系制御部30、画像処理部31および音声処理部32には、それぞれ、ナビゲーション部41、ディスクプレーヤ部42、DTV(Digital Tel Vision)部43、携帯機接続制御部44が接続される。また、画像処理部31には、表示処理部40が接続され、音声処理部32には、アンプ33を介してスピーカ34が接続される。
ナビゲーション部41は、ETC(Electronic Toll Collection System装置)71、GPS(Global Positioning System装置)72、カメラ画像処理部73が接続される。
かかるナビゲーション部41は、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づいて車両の目的地を設定し、GPS72から入力される車両の現在位置情報に基づいて目的地までの経路案内を行う車載装置である。かかるナビゲーション部41は、経路案内に関する画像情報を画像処理部31へ出力し、経路案内に関する音声情報を音声処理部32へ出力する。
また、ナビゲーション部41は、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づいてカメラ画像処理部73から入力される画像情報を画像処理部31へ出力する。ここで、カメラ74は、車両の四隅に設けられ、車両周辺の画像を撮像する4台の撮像装置を含み、各撮像装置によって撮像した画像をカメラ画像処理部73へ出力する。なお、撮像装置の台数は、4台に限定するものではない。
そして、カメラ画像処理部73は、カメラ74に含まれる複数の撮像装置から入力される車両周辺が撮像された画像情報を合成処理することにより、例えば、車両の右前方や、左前方、右後方、左後方等の画像情報を生成してナビゲーション部41へ出力する。
また、ディスクプレーヤ部42は、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づいて、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等の記録媒体に記録された画像情報および音声情報を再生する装置である。かかるディスクプレーヤ部42は、再生した画像情報を画像処理部31へ出力し、音声情報を音声処理部32へ出力する。
また、DTV部43は、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づいて地上デジタル放送を受信する受信装置である。かかるDTV部43は、受信した地上デジタル放送の画像情報を画像処理部31へ出力し、音声情報を音声処理部32へ出力する。
携帯機接続制御部44は、無線通信部75と接続されており、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づいて無線通信部75の通信プロトコルの設定、送受信データのエンコードやデコード等を行う処理部である。
かかる携帯機接続制御部44は、無線通信部75によって例えばスマートホン80等の携帯端末装置から画像情報および音声情報を受信する。そして、携帯機接続制御部44は、受信した画像情報を画像処理部31へ出力し、受信した音声情報を音声処理部32へ出力する。
音声処理部32は、ナビゲーション部41、ディスクプレーヤ部42、DTV部43、携帯機接続制御部44から入力されるデジタルの音声情報をデジタル演算処理によってユーザの音声調整操作に基づく音質/音量等の調整を行い、その後、アナログの音声信号へ変換してアンプ33へ出力する。音声処理部32から出力された音声信号は、アンプ33によって増幅されスピーカ34から出音される。
また、音声処理部32は、エンタメ系制御部30を介して走行系制御部20から出音要求が入力された場合、出音要求された車載装置の状態を示す音声信号を生成してアンプ33へ出力する。
画像処理部31は、エンタメ系制御部30から入力される制御信号に基づき、ナビゲーション部41、ディスクプレーヤ部42、DTV部43、携帯機接続制御部44から入力される画像に対して画質調整処理等を施し、表示処理部40へ出力する処理部である。
表示処理部40は、HMI系制御部10から入力される表示方法の指示に従い、画像処理部31から入力される画像と、HMI系制御部10から入力される画像とを合成し、HMI系制御部10から指示される表示先へ出力して表示させる処理部である。
このように、車載表示システム1のHMI系制御部10は、各車載装置の動作状態や各ディスプレイの表示状態に応じて、各車載装置から表示要求される画像をメインディスプレイ51、サブディスプレイ52、メータディスプレイ53のいずれかへ振り分けて表示させる。
さらに、HMI系制御部10は、メインディスプレイ51へ画像を表示させる場合、運転席から画面を見た場合に見える運転席用画像5aと、助手席から画面を見た場合に見える助手席用画像5bとを表示させる。
かかる場合、HMI系制御部10は、ステアリングSW61およびタッチパネル62の操作状態、車両の走行状態、メインディスプレイ51の表示内容に基づき、運転者にとって使い勝手のよい運転席用画像と、同乗者にとって使い勝手のよい助手席用画像を表示させる。
以下、図3〜図8を参照し、HMI系制御部10の制御によってメインディスプレイ51へ表示される運転席用画像5aおよび助手席用画像5bの具体的一例について説明する。図3〜図8は、実施形態に係る運転席用画像5aおよび助手席用画像5bの一例を示す説明図である。
例えば、運転者または同乗者がナビゲーション部41の機能を利用して最寄りのガソリンスタンドを検索したとする。かかる場合、HMI系制御部10は、図3に示すように、ナビゲーション部41によって検索された最寄りのガソリンスタンドのリストを示す運転席用画像5aおよび助手席用画像5bをメインディスプレイ51へ表示させる。
このとき、HMI系制御部10は、助手席用画像5bとして、選択可能なガソリンスタンド名を示すアイコンを表示させる。かかるアイコンは、タッチパネル62と連動しており、タッチ操作されることで目的地となるガソリンスタンドが決定されるスイッチとして機能する。このように、助手席用画像5bによれば、1回のタッチ操作によって目的地(ここでは、ガソリンスタンド)が決定されるので、タッチパネル62を操作する操作者の使い勝手が向上する。
一方、ステアリングSW61の操作によって目的地を決定する場合、所望のガソリンスタンドを選択する操作と、選択したガソリンスタンドを目的地として決定する操作が必要となる。このように、所望のガソリンスタンドを目的地に決定するという同じ目的であっても、タッチパネル62とステアリングSW61とでは、操作が異なる。
このため、HMI系制御部10は、運転席用画像5aとして、選択可能なガソリンスタンド名を示すアイコンとともに、ステアリングSW61の操作によって選択中のガソリンスタンドを強調させるカーソルを重畳表示させる。
また、表示されるアイコンもステアリングSW61によるカーソル移動によって選択が容易に可能な配列とする。例えば、タッチパネルであれば所望のアイコンをダイレクトにタッチするのでアイコンの選択は容易だが、ステアリングSW61でカーソルを移動させてアイコンを選択する場合には、ステアリングSW61の方向に対応してアイコンを配置する。
これにより、ステアリングSW61の操作者は、ステアリングSW61の操作によりカーソルを移動させてガソリンスタンドを選択し、決定スイッチの操作によって目的地として決定することができるので、運転に集中しながらハンドルに備えられたステアリングSW61の操作によってハンドルから手を離さなくても車載情報システムの操作が可能となるので使い勝手が向上する。
また、HMI系制御部10は、運転者がステアリングSW61を操作中に、タッチパネル62に対して操作が行われた場合、タッチパネル62に対して行われた操作を無効とする制御を行う。
例えば、図4に示すように、運転者が運転席用画像5aを見ながら所望のガソリンスタンドの選択操作をステアリングSW61に対して行っている場合、HMI系制御部10は、助手席用画像5bの輝度をトーンダウン(暗転)させる。さらに、HMI系制御部10は、助手席用画像5bとタッチパネル62との連動機能を解除する。
これにより、例えば、ステアリングSW61の操作中に、同乗者がタッチパネル62を操作し、ステアリングSW61の操作に反して運転席用画像5aのカーソルが移動して運転者を困惑させるなどの問題が生じることを防止することができる。
なお、ここでは、ステアリングSW61の操作中に、助手席用画像5bとタッチパネル62との連動機能を解除したが、助手席用画像5bとタッチパネル62との連動機能は、必ずしも解除する必要はない。
助手席用画像5bとタッチパネル62との連動機能を解除しない場合、例えば、車室内にタッチパネル62の操作者を判別するセンサを設ける。そして、HMI系制御部10は、ステアリングSW61の操作中に、タッチパネル62に対して操作を行った操作者が運転者以外であることがセンサによって判別された場合に、タッチパネル62の操作を無効とする制御を行う。
かかるHMI系制御部10の制御によっても、ステアリングSW61の操作に反して運転席側画像5aのカーソルが移動し、運転者を困惑させるなどの問題が生じることを防止することができる。
なお、HMI系制御部10の制御によって、ステアリングSW61とタッチパネル62の操作を継続連動させてもよい。つまり、HMI系制御部10は、ステアリングSW61の操作(運転席操作)およびタッチパネル62の操作(助手席操作)の連動を継続させる制御を行うように構成されてもよい。
かかるHMI系制御部10の制御によれば、例えば、ステアリングSW61によりスクロール操作を行えば、助手席側の操作画像も運転席側の操作画像と同様のスクロールを行って、操作途中で操作する人を変更することができる。
また、かかるHMI系制御部10の制御によれば、例えば、目的地設定を行う場合に、操作に詳しい運転者がレストランのリスト表示までの操作(施設種別選択、地域選択等、多層のやや複雑な操作が必要)を行い、リストからレストランを選択する操作(簡単な操作)を操作に詳しくない助手席搭乗者に行わせると言った使用方法が可能となる。
また、HMI系制御部10は、助手席用画像5bとして予め設定された所定の装置から提供される画像が表示中である場合に、助手席用画像5bがタッチパネル62の操作画像へ遷移することを禁止する。一方、HMI系制御部10は、助手席用画像5bとして所定の装置以外の装置から提供される画像が表示中である場合には、助手席用画像5bがタッチパネル62の操作画像へ遷移することを許可する。
例えば、ナビゲーション部41が所定の装置以外の装置として設定された場合に、図5の上段に示すように、運転席用画像5aおよび助手席用画像5bとして車両の現在位置を示す地図画像が表示されているとする。
かかる場合に、運転者がステアリングSW61によってエアコンの設定温度を変更する操作を行うと、図5の下段に示すように、HMI系制御部10は、エアコンの動作状態を変更する運転席用画像5aと助手席用画像5bとをメインディスプレイ51へ表示させる。
つまり、HMI系制御部10は、助手席用画像5bの供給元が予め設定された所定の装置でないため、助手席用画像5bが地図画像からエアコンの動作状態を変更するタッチパネル62の操作画像へ遷移することを許可する。
一方、例えば、DTV部43が所定の装置として設定された場合に、図6の上段に示すように、助手席用画像5bとしてDTV部43から供給される画像が表示され、運転席用画像5aとして車両の現在位置を示す地図画像が表示されているとする。
かかる場合に、運転者がステアリングSW61によってエアコンの設定温度を変更する操作を行うと、HMI系制御部10は、図6の下段に示すように、エアコンの動作状態を変更する運転席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させる。一方、HMI系制御部10は、DTV部43から供給される助手席用画像5bを継続してメインディスプレイ51へ表示させる。
つまり、HMI系制御部10は、助手席用画像5bの供給元が予め設定された所定の装置であるため、助手席用画像5bがエアコンの動作状態を変更するタッチパネル62の操作画像へ遷移することを禁止する。
これにより、助手席の同乗者は、所望の画像を提供する装置を予め設定しておくことにより、ステアリングSW61が操作された場合であっても、所望の画像を継続して視聴することができるので、車内での快適性が向上する。なお、ステアリングSW61が操作された場合に、助手席用画像5bがタッチパネル62の操作画面へ遷移することを禁止する画像を提供する装置の設定は、任意に変更することができる。
また、HMI系制御部10は、ステアリングSW61またはタッチパネル62によって運転に関する操作が行われる場合に、運転に関する操作を行うタッチパネル62の操作画像へ助手席用画像5bが遷移することを禁止する。
例えば、図7の上段に示すように、運転席用画像5aおよび助手席用画像5bとして車両の現在位置を示す地図画像がメインディスプレイ51へ表示されているとする。かかる場合に、運転者がステアリングSW61によって車両の走行モードを変更する操作を行うと、HMI系制御部10は、走行モードを切替える操作画像へ運転席用画像5aを遷移させる。
一方、HMI系制御部10は、ステアリングSW61の操作が走行モードを変更する操作、すなわち、運転に関する操作であるため、走行モードを切替える操作画像へ助手席用画像5bが遷移することを禁止する。
これにより、図7の下段に示すように、メインディスプレイ51では、車両の現在位置を示す助手席用画像5bが継続して表示される。したがって、安全性、走行性、省燃費性など車両の走行にとって重要な運転に関する操作の最中に、タッチパネル62による操作によって運転に関する操作が中断されることを防止することができる。
また、HMI系制御部10は、車両が走行中である場合、運転者用画像5aとして表示させる情報を制限する走行規制を行う。なお、HMI系制御部10は、Pブレーキ25からブレーキが作動中であることを示す信号が入力され、且つ、車速センサ26から車両の走行速度が0km/hであることを示す信号が入力されている場合に、車両が走行中でないと判別する。すなわち、HMI系制御部10は、車両が走行中か否かを判別する判別部としても機能する。
具体的には、例えば、図8の上段に示すように、車両が停車中に、運転席用画像5aおよび助手席用画像5bとして車両の周辺施設のジャンルを示す画像がメインディスプレイ51に表示されているとする。かかる場合に、運転者がPブレーキ25の解除または車両の走行を開始させると、HMI系制御部10は、車両が走行中であると判別する。
そして、HMI系制御部10は、図8の下段に示すように、運転席用画像5aを走行規制操作画像化してメインディスプレイ51へ表示させる。例えば、HMI系制御部10は、車両が走行を開始する前に表示されていた運転席用画像5aに含まれる選択可能な項目のうち、車両の現在位置を示す地図画像へ運転席用画像5aを遷移させる項目のみを表示させ、それ以外の項目の表示を制限する。
これにより、車載表示システム1によれば、車両が走行中である場合、運転者に対して表示すると運転に支障をきたす虞のある詳細な情報の表示を制限することによって安全性を向上させることができる。
次に、図9を参照し、HMI系制御部10が実行する処理について説明する。図9は、実施形態に係るHMI系制御部10が実行する処理を示すフローチャートである。HMI系制御部10は、電源が投入されている間、図9に示す処理を繰り返し実行する。
具体的には、図9に示すように、HMI系制御部10は、まず、メインディスプレイ51に操作画面が表示中か否かを判定する(ステップS101)。ここで、HMI系制御部10は、ステアリングSW61による操作用の操作画像およびタッチパネル62による操作用の操作画像の少なくとも一方がメインディスプレイ51へ表示されている場合に、操作画面が表示中であると判定する。
そして、HMI系制御部10は、操作画面が表示中であると判定した場合(ステップS101,Yes)、処理をステップS103へ移す。一方、HMI系制御部10は、操作画面が表示中でないと判定した場合(ステップS101,No)、操作画面表示トリガの入力があるか否かを判定する(ステップS102)。
ここで、HMI系制御部10は、例えば、車載装置から操作画面の表示要求が入力された場合、タッチパネル62から操作信号が入力された場合、ステアリングSW61から操作信号が入力された場合などに、操作画面表示トリガの入力があると判定する(ステップS102,Yes)。
そして、HMI系制御部10は、操作画面表示トリガの入力があると判定した場合(ステップS102,Yes)、処理をステップSステップS103へ移す。一方、HMI系制御部10は、操作画面表示トリガの入力がないと判定した場合(ステップS102,No)、処理を終了する。
ステップS103において、HMI系制御部10は、ステアリングSW61が操作されたか否かの判定を行い、ステアリングSW61が操作されたと判定した場合(ステップS103,Yes)、処理をステップS115へ移す。
一方、HMI系制御部10は、ステアリングSW61が操作されていないと判定した場合(ステップS103,No)、運転席画像モードがタッチパネルモードか否かを判定する(ステップS104)。ここで、HMI系制御部10は、メインディスプレイ51に表示中の運転席用画像5aがタッチパネル62用の操作画像であった場合に、タッチパネルモードであると判定する。
そして、HMI系制御部10は、運転席画像モードがタッチパネルモードであると判定した場合(ステップS104,Yes)、運転席用画像5aとして通常操作画面を生成する(ステップS105)。ここでの通常操作画面は、1回のタッチ操作で車載装置へ実行させる動作の選択および決定が可能なアイコンを含む運転席用画像5aである。すなわち、通常操作画面は、助手席用画像5bとして表示されるタッチパネル62の操作画面と同様の画像である。
続いて、HMI系制御部10は、助手席用画像5bとして助手席操作画面を生成し(ステップS106)、処理をステップS107へ移す。一方、HMI系制御部10は、運転席画像モードがタッチパネルモードでないと判定した場合(ステップS104,No)、処理をステップS115へ移す。ステップS115において、HMI系制御部10は、ステアリングSW61の操作に応じた操作画面となるステアリングSW操作画面を生成し、処理をステップS107へ移す。
ステップS107において、HMI系制御部10は、走行規制状態か否かを判定する。ここで、HMI系制御部10は、Pブレーキ25から作動中であることを示す信号が入力され、且つ、車速センサ26から車両の走行速度が0km/hであることを示す信号が入力された場合に、走行規制状態でないと判定する。
そして、HMI系制御部10は、走行規制状態でないと判定した場合(ステップS107,No)、ステップS105で生成した通常操作画面またはステップS115で生成したステアリングSW操作画面を運転席用画像5aとしてメインディスプレイ51へ表示させる(ステップS116)。
続いて、HMI系制御部10は、運転席操作制限を解除し(ステップS117)、処理をステップS110へ移す。なお、ここでの運転席操作制限とは、運転席用画像5aに含まれるアイコンがタッチ操作された場合に、HMI系制御部10がアイコンに対するタッチ操作を無効と判定する処理である。
一方、HMI系制御部10は、走行規制状態であると判定した場合(ステップS107,Yes)、ステップS105で生成した通常操作画面またはステップS115で生成したステアリングSW操作画面を運転席走行規制操作画像化(図8の下段参照)する。
そして、HMI系制御部10は、運転席操作規制操作画像化された画像を運転席用画像5aとしてメインディスプレイ51へ表示させる(ステップS108)。続いて、HMI系制御部10は、前述の運転席操作制限を行い(ステップS109)、その後、処理をステップS110へ移す。
ステップS110において、HMI系制御部10は、助手席操作画面の遷移が許可されているか否かを判定する。ここで、HMI系制御部10は、予め設定された装置(例えば、DTV部43やディスクプレーヤ部42など)から供給された画像が助手席用画像5bとして表示されていない場合に、助手席操作画面の遷移が許可されていると判定する。
そして、HMI系制御部10は、助手席操作画面の遷移が許可されていると判定した場合(ステップS110,Yes)、処理をステップS111へ移す。一方、HMI系制御部10は、助手席操作画面の遷移が禁止されていると判定した場合(ステップS110,No)、処理をステップS118へ移す。
ステップS111において、HMI系制御部10は、運転席専用操作が行われたか否かを判定する。ここで、HMI系制御部10は、ステアリングSW61またはタッチパネル62によって運転に関する操作が行われた場合に、運転席専用操作が行われたと判定する。
そして、HMI系制御部10は、運転席専用操作が行われたと判定した場合(ステップS111,Yes)、処理をステップS118へ移す。一方、HMI系制御部10は、運転席専用操作が行われていないと判定した場合(ステップS111,No)、処理をステップS112へ移す。
ステップS112において、HMI系制御部10は、ステップS106で生成した助手席操作画面を助手席用画像5bとしてメインディスプレイ51へ表示させ、処理をステップS113へ移す。また、ステップS118において、HMI系制御部10は、ステップS106で生成した助手席操作画面を助手席用画像5bとして表示させる処理を禁止し、処理をステップS113へ移す。
ステップS113において、HMI系制御部10は、ステアリングSW61が操作中か否かを判定する。そして、HMI系制御部10は、ステアリングSW61が操作中であると判定した場合(ステップS113,Yes)、助手席の同乗者によるタッチパネル62の操作を禁止して(ステップS114)、処理を終了する。
一方、HMI系制御部10は、ステアリングSW61が操作中でないと判定した場合(ステップS113,No)、助手席の同乗者によるタッチパネル62の操作を許可し(ステップS119)、処理を終了する。その後、HMI系制御部10は、再度ステップS101から処理を開始する。
上述したように、車載表示システム1は、車両の運転席から画面を見た場合に見える運転席用画像5aと助手席から画面を見た場合に見える助手席用画像5bとを一つの表示画面で同時に表示可能なメインディスプレイ51を備える。さらに、車載表示システム1は、車両のハンドルに設けられたステアリングSW61が操作される場合に、ステアリングSW61による操作用の運転席用画像6aをメインディスプレイ51へ表示させるHMI系制御部10を備える。
これにより、車載表示システム1では、ステアリングSW61が操作される場合に、HMI系制御部10がステアリングSW61の操作に適した専用の運転席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させることができる。したがって、車載表示システム1によれば、運転者にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示を行うことができる。
また、車載表示システム1では、車載装置へ実行させる動作の項目をステアリングSW61の操作によって運転者に選択させる場合、HMI系制御部10がステアリングSW61の操作によって選択中の項目を強調させる運転席用画像5aをメインディスプレイ51へ表示させる。
これにより、車載表示システム1では、ステアリングSW61の操作によって選択中の項目を運転者へ明確に認識させることができるので、ステアリングSW61の操作性を向上させることができる。
また、メインディスプレイ51は、タッチパネル62を備える。そして、HMI系制御部10は、タッチパネル62による操作用の助手席用画像5bをメインディスプレイ51へ表示させる。
このように、車載表示システム1では、ステアリングSW61の操作を行わない助手席の同乗者に対しては、HMI系制御部10がタッチパネル62の操作に適した助手席用画像5bをメインディスプレイ51へ表示させることができる。したがって、車載表示システム1によれば、助手席の同乗者にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示を行うことができる。
また、車載表示システム1では、車載装置へ実行させる動作の項目をタッチパネル62の操作によって選択させる場合、HMI系制御部10が、タッチパネル62の操作によって選択された項目が決定されるアイコンを含む助手席用画像をメインディスプレイ51へ表示させる。
これにより、車載表示システム1では、タッチパネル62に対して1回のタッチ操作を行わせるだけで、車載装置へ実行させる項目の選択および決定を助手席の同乗者に行わせることができるので、タッチパネル62の操作性を向上させることができる。
また、車載表示システム1は、車両が走行中か否かを判別する判別部をさらに備える。そして、HMI系制御部10は、判別部によって車両が走行中であると判定された場合、運転席用画像5aとして表示する情報を制限する。
このように、車載表示システム1では、車両が走行中である場合、運転席用画像5aおよび助手席用画像5bのうち、運転席用画像5aとして表示させる情報を選択的に制限する。これにより、車載表示システム1では、運転者用画像5aが運転の妨げになることを防止して走行中の安全性を向上させつつ、助手席の同乗者にとっての利便性および快適性を維持させることができる。
また、車載表示システム1では、助手席用画像5bとして所定の装置から供給される画像が表示中である場合に、助手席用画像5bがタッチパネル62の操作画像へ遷移することをHMI系制御部10が禁止する。これにより、車載表示システム1では、例えば、所定の装置としてDTV部43を設定しておくことで、助手席の同乗者がテレビ放送を視聴しているときに、テレビ放送の画像が意図に反して操作画面へ遷移し、快適性が損なわれることを防止することができる。
また、車載表示システム1では、ステアリングSW61の操作中にタッチパネル62に対して操作が行われた場合、HMI系制御部10がタッチパネル62に対して行われた操作を無効とする。これにより、車載表示システム1では、ステアリングSW61の操作中に、同乗者がタッチパネル62を操作し、ステアリングSW61の操作に反して運転席用画像5aのカーソルが移動して運転者を困惑させるなどの問題が生じることを防止することができる。
また、車載表示システム1では、ステアリングSW61の操作が車両の運転に関する操作である場合、助手席用画像5bがタッチパネル62の操作画像へ遷移することをHMI系制御部10が禁止する。これにより、車載表示システム1では、安全性、走行性、省燃費性など車両の走行にとって重要な運転に関する操作の最中に、タッチパネル62による操作によって運転に関する操作が中断されることを防止することができる。
なお、上述したHMI系制御部10による表示制御は一例であり、HMI系制御部10は、メインディスプレイ51およびサブディスプレイ52の表示を連動させる表示制御も行う。以下では、図10を参照し、HMI系制御部10による他の表示制御の一例について説明する。図10は、実施形態に係るHMI系制御部10による他の表示制御の一例を示す説明図である。
例えば、助手席の同乗者が車両の走行中にナビゲーション部41によって車両周辺の観光地を検索した場合、MMI系制御部10は、例えば、図10の上段に示すように、車両周辺の観光地情報(ここでは、観光地の写真)をメインディスプレイ51へ表示させる。
このとき、MMI系制御部10は、助手席用画像5bに表示中の情報をサブディスプレイ52へ転送させる操作ボタンとなるアイコン画像(ここでは、「サブディスプレイ転送」と記載されたアイコン)を生成して助手席用画像5bへ重畳表示させる。なお、かかる場合、HMI系制御部10は、車両が走行中であるため、運転席用画像5aとして、運転席走行規制操作画像化された画像をメインディスプレイ51へ表示させる。
ここで、例えば、助手席の同乗者が特定の観光地の写真を選択し、サブディスプレイ転送と記載されたアイコンをタッチ操作すると、HMI系制御部10は、図10の下段に示すように、同乗者によって選択された写真をサブ画像5cとしてサブディスプレイ52へ表示させる。
このように、車載表示システム1では、HMI系制御部10がメインディスプレイ51およびサブディスプレイ52の表示を連動させる表示制御を行うことで、運転者と助手席の同乗者との間で情報を共有させることができる。したがって、車載表示システム1によれば、運転者および同乗者にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示を行うことができる。
また、HMI系制御部10は、助手席用画像5bから転送される画像を運転席用画像5aとしてではなく、サブ画像5cとしてインストルメントパネル内のサブディスプレイ52へ表示させる。これにより、運転者は、車両が走行中であっても前方から大きく視線を逸らすことなくサブ画像5cを確認することができる。
なお、ここでは、HMI系制御部10が助手席用画像5bに含まれる情報をサブディスプレイ52へ転送する場合について説明したが、HMI系制御部10は、運転席用画像5aや、サブ画像5cを助手席用画像5bへ重畳表示させることもできる。かかる表示制御によっても、車載表示システム1では、運転者および同乗者にとって使い勝手のよいデュアルビュー表示を行うことができる。
また、車載表示システム1は、メインディスプレイ51よりもさらに助手席側に、助手席の同乗者専用のサブディスプレイを備えてもよい。かかる場合、HMI系制御部10は、同乗者専用のサブディスプレイの画像、メインディスプレイ51の助手席用画像5bおよび運転席用画像5a、インストルメントパネル内のサブディスプレイ52の画像を連動させる表示制御を行う。これにより、車載表示システム1によれば、デュアルビュー表示の使い勝手をさらに向上させることができる。
また、上述した実施形態では、運転者用の操作部が車両のハンドルに設けられたステアリングSW61である場合について説明したが、運転者用の操作部は、ステアリングSW61に限定するものではない。
つまり、運転者用の操作部は、ハンドル以外の位置であって、運転中の運転者が運転に支障のない姿勢で操作可能な位置に設けられた任意の操作スイッチやタッチパネルスイッチであってもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。