(実施形態1)
以下、本実施形態の照明用非接触給電システムについて、図1に基づいて説明する。
本実施形態の照明用非接触給電システム1は、送電コイル5および送電コイル5に高周波電圧を印加する高周波電源部4を具備する送電ユニット2を備えている。また、照明用非接触給電システム1は、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能な受電コイル6、発光素子10aおよび受電コイル6の出力に基づいて発光素子10aを点灯可能な点灯装置11を具備する受電ユニット3を備えている。
高周波電源部4としては、例えば、フルブリッジ型のインバータ回路などを採用することができる。また、高周波電源部4の一対の出力端間には、送電コイル5が接続されている。なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、高周波電源部4として、フルブリッジ型のインバータ回路を採用しているが、これに限らず、例えば、フライバック型のインバータ回路、ハーフブリッジ型のインバータ回路、フォワード型のインバータ回路、プッシュプル型のインバータ回路などを採用してもよい。
また、送電ユニット2は、商用電源V1からの交流電圧を整流する第1の整流部8と、第1の整流部8により整流された電圧から直流電圧を生成する直流電源部9とを備えている。
第1の整流部8としては、例えば、4つのダイオードにより構成されたダイオードブリッジなどを採用することができる。第1の整流部8の一対の出力端には、直流電源部9の一対の入力端が接続されている。
直流電源部9としては、例えば、第1の整流部8により整流された電圧を所定の電圧に変換するDC/DCコンバータ回路などを採用することができる。直流電源部9の一対の出力端には、高周波電源部4の一対の入力端が接続されている。なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、直流電源部9として、DC/DCコンバータ回路を採用しているが、これに限らず、例えば、第1の整流部8により整流された電圧を平滑する平滑用のコンデンサなどを採用してもよい。
また、送電ユニット2は、高周波電源部4で発生する高周波ノイズなどのノイズが商用電源V1側へ伝達するのを防ぐ第1のフィルタ回路部7を備えている。
第1のフィルタ回路部7の一対の入力端には、商用電源V1と電気的に接続可能な一対の入力端子P1,P2が接続されている。また、第1のフィルタ回路部7の一対の出力端には、第1の整流部8の一対の入力端が接続されている。本実施形態では、第1のフィルタ回路部7が、3つのコンデンサC1〜C3と、2つのインダクタL6,L7からなるコモンモードフィルタと、2つのインダクタL1,L2とを有している。一対の入力端子P1,P2の両端間には、コンデンサC1が接続されている。コンデンサC1の高電位側には、インダクタL6の一端が接続されている。また、コンデンサC1の低電位側には、インダクタL7の一端が接続されている。インダクタL6の他端とインダクタL7の他端との間には、コンデンサC2が接続されている。コンデンサC2の高電位側には、インダクタL1の一端が接続されている。コンデンサC2の低電位側には、インダクタL2の一端が接続されている。インダクタL1の他端とインダクタL2の他端との間には、コンデンサC3が接続されている。コンデンサC3の両端には、第1の整流部8の一対の入力端が接続されている。
受電ユニット3は、上述で説明した通り、受電コイル6と、発光素子10aと、点灯装置11とを備えている。
発光素子10aとしては、LED素子を採用している。本実施形態では、発光素子10aの数を、複数(本実施形態では、4つ)としてある。各発光素子10aの消費電力は、3〜10Wである。なお、本実施形態では、各発光素子10aの接続関係を、直列接続としているが、これに限らず、例えば、並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。また、本実施形態では、発光素子10aの数を、複数としているが、1つであってもよい。また、本実施形態では、発光素子10aとして、LED素子を採用しているが、これに限らず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子などを採用してもよい。
点灯装置11は、受電コイル6の出力を整流して平滑する整流平滑部43と、整流平滑部43により整流して平滑された電圧を所定の電圧に定電圧化して発光素子10aへ出力する定電圧回路部13とを有している。なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13が、整流平滑部43により整流して平滑された電圧を定電圧化して発光素子10aへ出力する安定化電源部を構成している。
整流平滑部43は、受電コイル6で発生する電圧(高周波電圧)を整流する第2の整流部12と、第2の整流部12により整流された電圧を平滑する平滑用のコンデンサC4とを有している。
第2の整流部12としては、例えば、4つのダイオードにより構成されたダイオードブリッジなどを採用することができる。第2の整流部12の一対の入力端間には、受電コイル6が接続されている。また、第2の整流部12の一対の出力端間には、平滑用のコンデンサC4が接続されている。
定電圧回路部13としては、昇降圧チョッパー回路を採用している。この定電圧回路部13の一対の入力端の一方と平滑用のコンデンサC4の高電位側との間には、ダイオードD1が接続されている。具体的には、ダイオードD1のアノード側が平滑用のコンデンサC4の高電位側に接続され、ダイオードD1のカソード側が定電圧回路部13の一対の入力端の一方に接続されている。また、定電圧回路部13の一対の入力端の他方は、平滑用のコンデンサC4の低電位側に接続されている。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13が、コンデンサC6と、インダクタL3と、ダイオードD3と、スイッチング素子Q1とを有している。コンデンサC4の高電位側は、ダイオードD1を介してインダクタL3の一端に接続されている。また、コンデンサC4の低電位側は、スイッチング素子Q1を介してインダクタL3の他端に接続されている。インダクタL3の他端は、ダイオードD3を介してコンデンサC6の高電位側に接続されている。具体的には、ダイオードD3のアノード側がインダクタL3の他端とスイッチング素子Q1の接続点S4に接続され、ダイオードD3のカソード側がコンデンサC6の高電位側に接続されている。コンデンサC6の低電位側は、インダクタL3の一端に接続されている。コンデンサC6の両端間には、複数の発光素子10aからなる直列回路が接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、スイッチング素子Q1がオン状態のとき、平滑用のコンデンサC4の高電位側、ダイオードD1、インダクタL3、スイッチング素子Q1、平滑用のコンデンサC4の低電位側の経路で電流が流れ、インダクタL3に流れる電流が経過時間に伴って増加しインダクタL3に電磁エネルギーが蓄積される。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、スイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態になった時に、インダクタL3に逆起電圧が発生し、インダクタL3の他端、ダイオードD3、コンデンサC6、インダクタL3の一端の経路で電流が流れ、コンデンサC6が充電される。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13により定電圧化された電圧が複数の発光素子10aからなる直列回路に印加され、各発光素子10aが点灯する。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、複数の発光素子10aからなる直列回路に印加される電圧が、定電圧回路部13により定電圧化された電圧であるため、各発光素子10aの光出力を安定させることが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、上述の昇降圧チョッパー回路を採用することによって、整流平滑部43から定電圧回路部13に流れる入力電流に休止期間が発生しないので、入力電流の波形歪みを低減することが可能となり、高い力率を得ることが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13として、昇降圧チョッパー回路を採用しているが、これに限らず、例えば、昇圧チョッパー回路、降圧チョッパー回路などを採用してもよい。また、本実施形態では、安定化電源部として、定電圧回路部13を用いているが、これに限らず、例えば、整流平滑部43により整流して平滑された電流を所定の電流に定電流化して発光素子10aへ出力する定電流回路部、整流平滑部43により整流して平滑された電力を所定の電力に定電力化して発光素子10aへ出力する定電力回路部などを用いてもよい。
また、受電ユニット3は、商用電源V1に接続可能で商用電源V1から電磁誘導を利用することなく点灯装置11へ給電可能な給電部16を備えている。
給電部16は、商用電源V1からの交流電圧を整流する第3の整流部15と、第3の整流部15により整流された電圧を平滑する平滑用のコンデンサC8とを有している。
第3の整流部15としては、例えば、4つのダイオードにより構成されたダイオードブリッジなどを採用することができる。第3の整流部15の一対の出力端間には、平滑用のコンデンサC8が接続されている。本実施形態では、ダイオードD1とインダクタL3の一端の接続点S1と平滑用のコンデンサC8の高電位側との間に、ダイオードD2が接続されている。具体的には、ダイオードD2のアノード側が平滑用のコンデンサC8の高電位側に接続され、ダイオードD2のカソード側が接続点S1に接続されている。また、本実施形態では、平滑用のコンデンサC8の低電位側が、平滑用のコンデンサC4の低電位側とスイッチング素子Q1との接続点S2に接続されている。また、本実施形態では、コンデンサC6の低電位側とインダクタL3の一端の接続点S3と、平滑用のコンデンサC4の低電位側とスイッチング素子Q1の接続点S2との間に、コンデンサC5が接続されている。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、整流平滑部43から定電圧回路部13に流れる入力電流にリップルが発生するのを抑制することが可能となり、入力電流の波形歪みを低減することが可能となる。
また、給電部16は、定電圧回路部13のスイッチング素子Q1で発生するスイッチングノイズなどのノイズが給電部16を介して商用電源V1側へ伝達するのを防ぐ第2のフィルタ回路部14を有している。この第2のフィルタ回路部14の一対の入力端には、商用電源V1と電気的に接続可能な一対の入力端子P3,P4が接続されている。また、第2のフィルタ回路部14の一対の出力端は、第3の整流部15の一対の入力端に接続されている。本実施形態では、第2のフィルタ回路部14が、コンデンサC7と、2つのインダクタL8,L9からなるコモンモードフィルタとを有している。一対の入力端子P3,P4の両端間には、コンデンサC7が接続されている。コンデンサC7の高電位側には、インダクタL8の一端が接続されている。コンデンサC7の低電位側には、インダクタL9の一端が接続されている。インダクタL8の他端は、第3の整流部15の一対の入力端の一方に接続されている。また、インダクタL9の他端は、第3の整流部15の一対の入力端の他方に接続されている。ここにおいて、給電部16は、商用電源V1側と点灯装置11側との間の給電路に、インダクタL8,L9が接続されている。要するに、給電部16は、商用電源V1側と点灯装置11側との間の給電路に、インダクタL8,L9からなるインピーダンス成分が設けられている。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、平滑用のコンデンサC8やコンデンサC5の容量、受電ユニット3の構成部品の容量成分に起因するインラッシュ電流の発生を抑制することが可能となる。
ところで、点灯装置11は、受電コイル6と給電部16との一方の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させる。具体的に説明すると、点灯装置11は、定電圧回路部13に受電コイル6と給電部16との一方から給電されることにより、各発光素子10aを点灯させる。ここにおいて、点灯装置11は、受電コイル6と給電部16との両方から給電が行える状況にある場合、給電部16の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させることが好ましい。照明用非接触給電システム1では、給電部16の出力電圧が平滑用のコンデンサC4の出力電圧よりも大きくなるように、給電部16を適宜設計すると、受電コイル6と給電部16との両方から給電が行える状況にある場合、点灯装置11が給電部16の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させることが可能となる。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と給電部16との両方から給電が行える状況にある場合であっても、定電圧回路部13が受電コイル6と給電部16との一方から給電されることが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、点灯装置11が、受電コイル6と給電部16との一方の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させるので、受電コイル6と給電部16との両方から給電される場合に比べて、電力損失を低減することが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、送電ユニット2がない状況や送電ユニット2が故障したときでも、利用者が給電部16により商用電源V1から給電することによって、点灯装置11が各発光素子10aを点灯させることが可能となり、利便性の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13が受電コイル6および給電部16から給電可能となっているため、受電コイル6からの給電により各発光素子10aを点灯させる点灯回路と、給電部16からの給電により各発光素子10aを点灯させる点灯回路との共用化が図れ、点灯装置11の小型化を図ることが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、定電圧回路部13として昇降圧チョッパー回路を採用しているので、受電コイル6および給電部16から給電される電圧を所定の電圧に定電圧化することが可能となり、各発光素子10aの光出力を安定させることが可能となる。
以上説明した本実施形態の照明用非接触給電システム1では、送電コイル5および送電コイル5に高周波電圧を印加する高周波電源部4を具備する送電ユニット2を備えている。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能な受電コイル6、発光素子10aおよび受電コイル6の出力に基づいて発光素子10aを点灯可能な点灯装置11を具備する受電ユニット3を備えている。さらに、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3が、商用電源V1に接続可能で上記電磁誘導を利用することなく点灯装置11へ給電可能な給電部16を有している。そして、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、点灯装置11が、受電コイル6と給電部16との一方の出力に基づいて発光素子10aを点灯させるので、送電ユニット2がない状況や送電ユニット2が故障したときでも、利用者が給電部16により商用電源V1から給電することによって、点灯装置11が各発光素子10aを点灯させることが可能となり、利便性の向上を図りながらも、電力損失を低減することが可能となる。
以下、本実施形態の照明用非接触給電システム1を用いた照明器具の一例について、図2に基づいて説明する。
本実施形態の照明器具は、例えば、電気スタンドなどである。この照明器具は、送電ユニット2と、受電ユニット3とを備えている。
送電ユニット2は、送電コイル5、高周波電源部4、第1の整流部8、直流電源部9および第1のフィルタ回路部7を収納する収納部21を有している。
収納部21は、扁平な箱状に形成されている。本実施形態では、収納部21の材料として、例えば、樹脂材料などを使用することができる。収納部21の内部には、送電コイル5、高周波電源部4、第1の整流部8、直流電源部9および第1のフィルタ回路部7が配置されている。なお、図2では、高周波電源部4、第1の整流部8、直流電源部9および第1のフィルタ回路部7を、1つの送電回路部27として図示してある。
送電コイル5としては、例えば、平面視が円形状で且つスパイラル状に形成されたコイルなどを採用することができる。この送電コイル5は、収納部21の中央部に配置されている。なお、本実施形態では、送電コイル5の巻き数を特に限定しない。
送電回路部27は、第1の配線28を介して送電コイル5と電気的に接続されている。また、送電回路部27は、第1の電源コード25と電気的に接続されている。この第1の電源コード25は、収納部21の側部から導出されている。なお、本実施形態では、送電ユニット2の一対の入力端子P1,P2が、第1の電源コード25と電気的に接続されている。また、図2では、第1の電源コード25を、一部破断して図示してある。
受電ユニット3は、複数(本実施形態では、4つ)の発光素子10aおよび点灯装置11を具備する灯具部24と、灯具部24に一端部が接続されたアーム部23と、アーム部23の他端部23aを保持する基台部22とを有している。
灯具部24は、例えば、傘状に形成されている。本実施形態では、灯具部24の材料として、例えば、樹脂材料などを使用することができる。灯具部24の開口部には、板状(本実施形態では、円板状)のパネル19が配置されている。パネル19は、透光性を有する材料(例えば、乳白色のアクリル樹脂、ガラスなど)により形成されている。
パネル19の中央部の一表面側(図2では、上面側)には、複数の発光素子10aが配置されている。本実施形態の照明器具では、複数の発光素子10aを有するLEDユニット10を用いている。このLEDユニット10は、上述の複数の発光素子10aと、これら各発光素子10aが一面側(図2では、下面側)に実装された実装基板10bとを備えている。なお、図2では、4つの発光素子10aのうち3つの発光素子10aが見えている。また、本実施形態の照明器具では、発光素子10aとしてLED素子を採用する場合に、上述のLEDユニット10を用いているが、これに限らず、例えば、複数のLED素子とこれら複数のLED素子から放射された光を導光する導光板とを組み合わせて面発光する面発光ユニットなどを用いてもよい。これにより、本実施形態の照明器具では、LEDユニット10を用いた場合に比べて、灯具部24の薄型化が可能となる。
また、パネル19の周部の上記一表面側には、上述の点灯装置11が配置されている。この点灯装置11は、第2の配線29を介して実装基板10bと電気的に接続されている。
アーム部23は、例えば、筒状(本実施形態では、円筒状)に形成されている。本実施形態では、アーム部23の材料として、例えば、樹脂材料などを使用することができる。
アーム部23の上記一端部(図2では、上端部)は、パネル19の中央部に着脱自在に接続される。ここにおいて、パネル19の中央部には、灯具部24の内部とアーム部23の内部とを連通するための第1の貫通孔(図示せず)が設けられている。また、アーム部23は、パネル19の上記第1の貫通孔を覆うようにして、パネル19の中央部に接続されている。なお、本実施形態の照明器具では、アーム部23をパネル19の中央部に接続しているが、アーム部23とパネル19との接続はこれに限るものではない。また、本実施形態では、アーム部23の形状を、円筒状としているが、これに限らず、例えば、角筒状などであってもよい。
基台部22は、扁平な箱状に形成されている。本実施形態では、基台部22の材料として、例えば、樹脂材料などを使用することができる。また、本実施形態では、基台部22の平面サイズを、収納部21の平面サイズよりも小さく設定しているが、収納部21の平面サイズと同じ大きさに設定してもよい。
基台部22の中央部の一面側(図2では、上面側)には、アーム部23の他端部23aが接続される。また、基台部22の中央部の上記一面側には、アーム部23の内部と基台部22の内部とを連通するための第2の貫通孔(図示せず)が設けられている。ここにおいて、アーム部23は、基台部22の上記第2の貫通孔を覆うようにして、基台部22の中央部の上記一面側に接続されている。なお、本実施形態の照明器具では、アーム部23を基台部22の中央部の上記一面側に接続しているが、アーム部23と基台部22との接続はこれに限るものではない。
また、基台部22の内部には、受電コイル6が収納されている。
受電コイル6としては、例えば、平面視が円形状で且つスパイラル状に形成されたコイルなどを採用することができる。この受電コイル6は、基台部22の中央部に配置されている。ここにおいて、点灯装置11は、第3の配線30を介して受電コイル6と電気的に接続されている。第3の配線30は、アーム部23の内部に配置されている。なお、本実施形態では、受電コイル6の巻き数を特に限定しない。また、本実施形態では、受電コイル6および送電コイル5の各々の平面サイズを、同じ大きさに設定しているが、これに限らず、異なる大きさに設定してもよい。
また、基台部22の内部には、給電部16が収納されている。ここにおいて、点灯装置11は、第4の配線31を介して給電部16と電気的に接続されている。第4の配線31は、アーム部23の内部に配置されている。
給電部16は、商用電源V1から受電ユニット3へ給電するための第2の電源コード32と電気的に接続されている。この第2の電源コード32は、基台部22の側部から導出されている。また、第2の電源コード32には、コンセント用のプラグ26が接続されている。なお、本実施形態では、給電部16の一対の入力端子P3,P4が、第2の電源コード32と電気的に接続されている。
以下、本実施形態の照明器具に関して、各発光素子10aを点灯および消灯させる動作について説明する。
本実施形態の照明器具では、第1の電源コード25のプラグ(図示せず)が図示しないコンセントに接続された状態、且つ、第2の電源コード32のプラグ26が図示しないコンセントに接続されていない状態で、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の一面(図2では、上面)に設置されると、受電コイル6が、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能となる。これにより、本実施形態の照明器具では、点灯装置11が、各発光素子10aを点灯させることが可能となる。一方、本実施形態の照明器具では、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置されない場合、受電コイル6が送電コイル5から受電できなくなるので、各発光素子10aが消灯状態となる。つまり、本実施形態の照明器具では、基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置された状態で、例えば、受電ユニット3を送電ユニット2の上記一面から他の場所へ移動させると、各発光素子10aを消灯させることが可能となる。ここにおいて、本実施形態の照明器具では、各発光素子10aを消灯させる方法として、基台部22が送電ユニット2上記一面に設置された状態で、受電ユニット3を移動させる方法を例示しているが、これに限らず、例えば、送電ユニット2を移動させる方法であってもよい。また、本実施形態の照明器具では、第2の電源コード32を基台部22の周部に収納することが可能となっている。これにより、本実施形態の照明器具では、例えば、受電コイル6から給電する場合に、第2の電源コード32を基台部22の周部に収納しておけば、さらに利便性の向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態の照明器具では、送電ユニット2がない状況や送電ユニット2が故障した場合に、第2の電源コード32のプラグ26が図示しないコンセントに接続されると、点灯装置11が、給電部16からの給電により各発光素子10aを点灯させることが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の照明器具では、図2に示した構成の電気スタンドを例示しているが、これに限らず、例えば、図3に示すように、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面側に設けられた凹部42に着脱自在に接続可能な構成の電気スタンドであってもよい。なお、図3では、第1の電源コード25を、一部破断して図示してある。
以上説明した本実施形態の照明器具は、上述の照明用非接触給電システム1からなるので、送電ユニット2がない状況や送電ユニット2が故障したときでも、利用者が給電部16により商用電源V1から給電することによって、点灯装置11が各発光素子10aを点灯させることが可能となり、利便性の向上を図りながらも、電力損失を低減することが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態の照明用非接触給電システム1は、基本構成が実施形態1と略同じであり、図4に示すように、点灯装置11が、受電コイル6と給電部35との両方から充電可能なバッテリー18を有する点などが実施形態1と相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、高周波電源部4の入力側に、直流電源V2を設けているが、実施形態1と同様に、商用電源V1に電気的に接続された第1のフィルタ回路部7、第1の整流部8および直流電源部9を設けてもよい。
点灯装置11は、上述のバッテリー18と、このバッテリー18を充電および放電可能な充放電回路部17とを有している。この充放電回路部17は、バッテリー18に電気的に接続されている。また、充放電回路部17は、定電圧回路部13の前段に設けられている。言い換えれば、受電ユニット3は、定電圧回路部13の前段に、バッテリー18が設けられている。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、充放電回路部17の一対の入力端の一方に、ダイオードD1のカソード側が接続されている。また、本実施形態では、充放電回路部17の一対の入力端の他方に、平滑用のコンデンサC4の低電位側が接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、充放電回路部17の一対の出力端の一方に、定電圧回路部13への給電をオンオフするためのスイッチSW1を介してインダクタL3の一端が接続されている。また、本実施形態では、充放電回路部17の一対の出力端の他方に、スイッチング素子Q1が接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、商用電源V1に接続可能で商用電源V1から電磁誘導を利用することなく点灯装置11へ給電可能な給電部35を有するACアダプター36を備えている。
給電部35は、商用電源V1からの交流電圧を整流する第4の整流部20と、第4の整流部20により整流された電圧を所定の直流電圧に変換する絶縁型のAC/DCコンバータ33とを有している。
第4の整流部20としては、例えば、4つのダイオードにより構成されたダイオードブリッジなどを採用することができる。第4の整流部20の一対の入力端には、商用電源V1と電気的に接続可能な一対の入力端子P5,P6が接続される。また、第4の整流部20の一対の出力端には、AC/DCコンバータ33の入力端が接続されている。
AC/DCコンバータ33としては、フライバック型のコンバータ回路を採用している。このAC/DCコンバータ33が、2つのコンデンサC9,C10と、トランスT1と、スイッチング素子Q2と、ダイオードD4とを有している。第4の整流部20の一対の出力端間には、コンデンサC9が接続されている。コンデンサC9の両端間には、トランスT1の1次巻線とスイッチング素子Q2との直列回路が接続されている。トランスT1の2次巻線の一端は、ダイオードD4のアノード側に接続されている。ダイオードD4のカソード側は、コンデンサC10の高電位側に接続されている。トランスT1の2次巻線の他端は、コンデンサC10の低電位側に接続されている。コンデンサC10の両端には、一対の出力端子P7,P8が接続されている。
ここにおいて、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、AC/DCコンバータ33として、フライバック型のコンバータ回路を採用しているが、これに限らず、例えば、フルブリッジ型のコンバータ回路、ハーフブリッジ型のコンバータ回路、フォワード型のコンバータ回路、プッシュプル型のコンバータ回路などを採用してもよい。また、本実施形態では、給電部35を、ACアダプター36に設けているが、これに限らず、例えば、受電ユニット3に設けてもよい。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3に、ACアダプター36の一対の出力端子P7,P8と電気的に接続可能な一対の入力端子P9,P10が設けられている。ダイオードD1のカソード側と充放電回路部17の一対の入力端の一方との接続点S5は、ダイオードD2を介して入力端子P9に接続されている。具体的には、ダイオードD2のアノード側が入力端子P9に接続され、ダイオードD2のカソード側が接続点S5に接続されている。また、平滑用のコンデンサC4の低電位側と充放電回路部17の一対の入力端の他方との接続点S6は、入力端子P10に接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、充放電回路部17が、受電コイル6と給電部35との両方から給電可能となっている。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電コイル6からの給電によりバッテリー18へ充電する充放電回路と、給電部35からの給電によりバッテリー18へ充電する充放電回路との共用化が図れ、点灯装置11の小型化を図ることが可能となる。ここにおいて、充放電回路部17は、受電コイル6と給電部35との両方から給電が行える状況にある場合、給電部35の出力に基づいてバッテリー18を充電することが好ましい。照明用非接触給電システム1では、AC/DCコンバータ33の出力電圧が平滑用のコンデンサC4の出力電圧よりも大きくなるように、AC/DCコンバータ33を適宜設計すると、受電コイル6と給電部35との両方から給電が行える状況にある場合、充放電回路部17が給電部35の出力に基づいてバッテリー18を充電することが可能となる。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、充放電回路部17によりバッテリー18を充電するとき、受電コイル6と給電部35との両方から給電される場合に比べて、電力損失を低減することが可能となる。
ところで、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、点灯装置11が、受電コイル6および給電部35から給電されないとき、充放電回路部17にて予め充電されたバッテリー18の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させる。本実施形態では、点灯装置11が、受電コイル6および給電部35それぞれからの給電を検出する検出部(図示せず)を有している。また、本実施形態では、受電ユニット3に設けられた図示しない制御装置が、上記検出部で受電コイル6および給電部35からの給電が検出されないとき、充放電回路部17によりバッテリー18に予め充電された電圧を定電圧回路部13へ放電させる。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、点灯装置11が、受電コイル6および給電部35から給電されないとき、バッテリー18の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させることが可能となる。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、第4の整流部20の一対の入力端の一方と入力端子P5との間の給電路に、抵抗R1が接続されている。言い換えれば、給電部35は、商用電源V1側と点灯装置11側との間の給電路に、抵抗R1からなるインピーダンス成分が設けられている。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、AC/DCコンバータ33のスイッチング素子Q2で発生するスイッチングノイズなどのノイズが商用電源V1側へ伝達するのを防ぐことが可能となり、商用電源V1に接続された他の機器が誤動作するのを防止することが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、給電部35における商用電源V1側と点灯装置11側との間の給電路に、抵抗R1からなるインピーダンス成分を設けているので、コンデンサC9の容量や受電ユニット3の構成部品の容量成分に起因するインラッシュ電流の発生を抑制することが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、給電部35が商用電源V1側と点灯装置11側との間に、絶縁型のAC/DCコンバータ33を設けているので、受電コイル6から給電されるとき、ACアダプター36における商用電源V1側と点灯装置11側との間の絶縁性を高めることが可能となる。なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、給電部35における商用電源V1側と点灯装置11側との間の給電路に、抵抗R1からなるインピーダンス成分を設けているが、これに限らず、例えば、インダクタからなるインピーダンス成分を設けてもよい。
以上説明した本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3が、安定化電源部(定電圧回路部13)の前段に、受電コイル6と給電部35との両方から充電可能なバッテリー18を設けている。また、本実施形態の照明用非接触給システム1では、点灯装置11が、受電コイル6および給電部35から給電されないとき、バッテリー18の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させるので、商用電源V1の停電時にも、各発光素子10aを点灯させることが可能となり、さらに利便性の向上を図ることが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、バッテリー18により各発光素子10aが点灯状態の場合に、利用者が手動によりスイッチSW1をオフすることによって、各発光素子10aを消灯させることが可能となり、さらに利便性の向上を図ることが可能となる。
以下、本実施形態の照明用非接触給電システム1を用いた照明器具の一例について、図4および図5に基づいて説明する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態の照明器具では、ACアダプター36に、上述の第2の電源コード32が接続されている。また、本実施形態では、ACアダプター36に、受電ユニット3へ給電するための第3の電源コード34が接続されている。なお、本実施形態では、ACアダプター36の一対の入力端子P5,P6が、第2の電源コード32と電気的に接続されている。また、本実施形態では、ACアダプター36の一対の出力端子P7,P8が、第3の電源コード34と電気的に接続されている。
また、本実施形態の照明器具では、基台部22の側部(図5では、右側部)に、第3の電源コード34を挿抜自在に接続可能な入力コネクタ(図示せず)が設けられている。この入力コネクタは、上述の一対の入力端子P9,P10を備えている。また、上記入力コネクタの一対の入力端子P9,P10は、第4の配線31を介して点灯装置11と電気的に接続されている。
したがって、本実施形態の照明器具では、給電部35を基台部22とは別体のACアダプター36に設けているので、実施形態1に比べて、基台部22の小型化を図ることが可能となる。また、本実施形態の照明器具では、受電コイル6から給電する場合、第3の電源コード34を基台部22の上記入力コネクタから取り外すことができるので、さらに利便性の向上を図ることが可能となる。
(実施形態3)
本実施形態の照明用非接触給電システム1は、基本構成が実施形態2と略同じであり、図6に示すように、点灯装置11が、ノイズを除去する第3のフィルタ回路部37を有する点などが実施形態2と相違する。なお、実施形態2と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、実施形態2の定電圧回路部13に代えて、例えば、昇降圧チョッパー回路などからなる定電流回路部38を用いている。また、本実施形態では、高周波電源部4の入力端間に、商用電源V1を接続しているが、実施形態1と同様に、高周波電源部4の入力側に、商用電源V1に電気的に接続された第1のフィルタ回路部7、第1の整流部8および直流電源部9を設けてもよいし、実施形態2と同様に、直流電源V2を設けてもよい。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、商用電源V1に接続可能で商用電源V1から電磁誘導を利用することなく点灯装置11へ給電可能な給電部39を有するACアダプター36を備えている。
給電部39は、商用電源V1を電源として直流電圧を生成する直流電源部40を有している。直流電源部40の一対の入力端間には、商用電源V1が接続されている。また、直流電源部40の一対の出力端の一方は、ダイオードD2を介して出力端子P7に接続されている。具体的には、ダイオードD2のアノード側が直流電源部40の一対の出力端の一方に接続され、ダイオードD2のカソード側が出力端子P7に接続されている。また、直流電源部40の一対の出力端の他方は、出力端子P8に接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、整流平滑部43と給電部39の接続点S5,S6と定電流回路部38との間に、上述の第3のフィルタ回路部37が設けられている。この第3のフィルタ回路部37は、2つのインダクタL4,L5と、2つのコンデンサC11,C12とを有している。充放電回路部17の一対の入力端の一方とダイオードD1のカソード側との間には、インダクタL4が接続されている。また、充放電回路部17の一対の入力端の他方と平滑用のコンデンサC4の低電位側との間には、インダクタL5が接続されている。また、インダクタL4の一端とインダクタL5の一端との間には、コンデンサC11が接続されている。また、インダクタL4の他端とインダクタL5の他端との間には、コンデンサC12が接続されている。
充放電回路部17の一対の出力端の一方は、定電流回路部38への給電をオンオフするためのスイッチSW1を介して定電流回路部38の一対の入力端の一方に接続されている。また、充放電回路部17の一対の出力端の他方は、定電流回路部38の一対の入力端の他方に接続されている。
また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、平滑用のコンデンサC4の高電位側とダイオードD1のアノード側との間に、受電コイル6からの給電をオンオフするためのスイッチング素子Q3が接続されている。また、本実施形態では、点灯装置11が、給電部39からの給電を検出する検出部41を備えている。この検出部41は、給電部39からの給電を検出したときに、スイッチング素子Q3をオフする。つまり、検出部41は、給電部39からの給電を検出したときに、受電コイル6からの給電を遮断する。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、点灯装置11が、受電コイル6と給電部39との両方から給電が行える状況にある場合、給電部39の出力に基づいて各発光素子10aを点灯させることが可能となる。なお、検出部41は、給電部39からの給電が検出されないとき、スイッチング素子Q3をオン状態とする。
したがって、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、整流平滑部43と給電部39の接続部分(接続点S5,S6)と安定化電源部(定電流回路部38)との間に、ノイズを除去するフィルタ回路部(第3のフィルタ回路部37)を設けているので、安定化電源部(定電流回路部38)で発生するスイッチングノイズなどのノイズが整流平滑部43側および給電部39側へ伝達するのを防ぐことが可能となる。また、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、安定化電源部(定電流回路部38)で発生するスイッチングノイズなどのノイズが整流平滑部43側および給電部39側へ伝達するのを防ぐことが可能となるので、商用電源V1に接続された他の機器などが誤動作するのを防止することが可能となる。なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1を、実施形態2で説明した照明器具に用いてもよい。