(実施形態1)
以下、本実施形態の照明用非接触給電システム1について、図1を参照しながら説明する。
照明用非接触給電システム1は、複数個(図1では、2個)のスイッチング素子Q1,Q2を含む高周波電源8と、送電コイル5と、交流電源AC1を電源として所定の第1直流電圧を生成する定電圧源7とを有する送電ユニット2を備えている。交流電源AC1としては、例えば、商用電源などを用いることができる。なお、本実施形態では、交流電源AC1を構成要件として含まない。
送電ユニット2は、高周波電源8および送電コイル5それぞれを複数個有している。また、送電ユニット2は、複数個の高周波電源8を制御する第1制御回路20を有している。
また、照明用非接触給電システム1は、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能な受電コイル6と、発光素子10aと、受電コイル6の出力に基づいて発光素子10aを点灯させる点灯回路18とを有する受電ユニット3を備えている。
高周波電源8としては、例えば、ハーフブリッジ型のインバータ回路などを用いることができる。高周波電源8は、2個のスイッチング素子Q1,Q2と、3個のコンデンサC1〜C3とを有している。
各スイッチング素子Q1,Q2としては、例えば、ノーマリオフ型のパワーMOSFETなどをそれぞれ用いることができる。
スイッチング素子Q1の第1主端子(本実施形態では、ドレイン端子)は、コンデンサC1の高電位側に接続されている。スイッチング素子Q1の第2主端子(本実施形態では、ソース端子)は、コンデンサC3の高電位側に接続されている。スイッチング素子Q1の制御端子(本実施形態では、ゲート端子)は、第1制御回路20に接続されている。
コンデンサC1の低電位側は、コンデンサC2の高電位側に接続されている。また、コンデンサC1の低電位側は、コンデンサC3の低電位側に接続されている。
スイッチング素子Q2の第1主端子(本実施形態では、ドレイン端子)は、スイッチング素子Q1のソース端子に接続されている。スイッチング素子Q2の第2主端子(本実施形態では、ソース端子)は、コンデンサC2の低電位側に接続されている。スイッチング素子Q2の制御端子(本実施形態では、ゲート端子)は、第1制御回路20に接続されている。
コンデンサC3の両端間には、送電コイル5が接続されている。本実施形態では、コンデンサC3および送電コイル5の並列回路が、並列型の共振回路を構成している。これにより、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれがあっても、漏れリアクタンスをコンデンサC3により補償することが可能となり、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
本実施形態では、高周波電源8として、ハーフブリッジ型のインバータ回路を用いているが、これに限らず、例えば、フライバック型のインバータ回路、フルブリッジ型のインバータ回路、フォワード型のインバータ回路、プッシュプル型のインバータ回路などを用いてもよい。また、本実施形態では、各スイッチング素子Q1,Q2として、パワーMOSFETを用いているが、これを特に限定するものではない。
定電圧源7は、交流電源AC1からの交流電圧を全波整流する第1整流回路11と、第1整流回路11により全波整流された電圧を昇圧する昇圧回路4と、昇圧回路4により昇圧された電圧から上記所定の第1直流電圧を生成する第1電源回路36とを有している。本実施形態では、定電圧源7が、第1電源回路36を複数個有しているが、これを特に限定するものではない。
第1整流回路11としては、例えば、ダイオードブリッジなどを用いることができる。第1整流回路11の一対の入力端間には、スイッチSW1および交流電源AC1の直列回路が接続されている。
昇圧回路4としては、例えば、第1整流回路11により全波整流された電圧の力率を改善可能なPFC(Power Factor Correction)回路などを用いることができる。昇圧回路4の一対の入力端には、第1整流回路11の一対の出力端がそれぞれ接続されている。
第1電源回路36としては、例えば、昇圧回路4により昇圧された電圧を降圧して上記所定の第1直流電圧を生成する降圧回路などを用いることができる。第1電源回路36の一対の入力端には、昇圧回路4の一対の出力端がそれぞれ接続されている。第1電源回路36の一対の出力端のうちの一方は、スイッチング素子Q1のドレイン端子に接続されている。また、第1電源回路36の一対の出力端のうちの他方は、スイッチング素子Q2のソース端子に接続されている。
第1制御回路20は、例えば、第1マイクロコンピュータに、適宜の第1プログラムを搭載することにより構成することができる。上記第1プログラムは、第1制御回路20として用いる上記第1マイクロコンピュータに予め設けられた第1記憶部(図示せず)に、記憶されている。第1制御回路20は、高周波電源8の各スイッチング素子Q1,Q2を各別に制御する。これにより、高周波電源8は、定電圧源7からの上記所定の第1直流電圧を第1高周波電圧として送電コイル5へ出力することが可能となる。言い換えれば、高周波電源8は、送電コイル5に上記第1高周波電圧を印加することが可能となる。なお、本実施形態では、第1制御回路20が各スイッチング素子Q1,Q2をオンオフするためのスイッチング周波数を、例えば、10kHz〜1MHzに設定している。
発光素子10aとしては、例えば、LED素子などを用いることができる。本実施形態では、発光素子10aの個数を、例えば、複数個(図1では、4個)としている。また、本実施形態では、各発光素子10aの接続関係を、直列接続としているが、これに限らず、例えば、並列接続であってもよいし、直列接続と並列接続とを組み合わせた接続であってもよい。
点灯回路18は、受電コイル6で発生する誘起電圧(第2高周波電圧)を全波整流する第2整流回路12と、第2整流回路12により全波整流された電圧を平滑する平滑用のコンデンサC5と、コンデンサC5の両端電圧から所定の第2直流電圧を生成する第2電源回路35とを有している。
第2整流回路12としては、例えば、ダイオードブリッジなどを用いることができる。第2整流回路12の一対の入力端間には、受電コイル6およびコンデンサC4の直列回路が接続されている。本実施形態では、受電コイル6およびコンデンサC4の直列回路が、直列型の共振回路を構成している。これにより、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれがあっても、漏れリアクタンスをコンデンサC4により補償することが可能となり、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
第2整流回路12の一対の出力端間には、コンデンサC5が接続されている。
第2電源回路35としては、例えば、昇降圧チョッパ回路などを用いることができる。第2電源回路35の一対の入力端間には、コンデンサC5が接続されている。第2電源回路35の一対の出力端間には、複数個の発光素子10aを有するLEDユニット10が接続されている。これにより、照明用非接触給電システム1は、第2電源回路35からの上記所定の第2直流電圧によって、複数個の発光素子10aを点灯させることが可能となる。
ここにおいて、本実施形態では、発光素子10aの個数を、複数個としているが、1個であってもよい。また、本実施形態では、発光素子10aとして、LED素子を用いているが、これに限らず、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子、無機エレクトロルミネッセンス素子などを用いてもよい。
また、受電ユニット3は、受電コイル6の出力を検出する第1検出回路34を有している。
第1検出回路34は、3個の抵抗R1〜R3を備えている。抵抗R1の一端は、受電コイル6の一端およびコンデンサC4の接続点に接続されている。抵抗R1の他端は、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3を介して受電コイル6の他端に接続されている。本実施形態では、抵抗R1および抵抗R2の直列回路が、受電コイル6の出力電圧を検出する。また、本実施形態では、抵抗R3が、受電コイル6の出力電流を検出する。
また、受電ユニット3は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力(出力電圧もしくは出力電流)に対応する第1検出信号を生成する第2制御回路13と、第2制御回路13からの上記第1検出信号を無線通信により送電ユニット2へ送信可能な第1送受信部14とを有している。第1送受信部14は、アンテナ37を有している。
第2制御回路13は、例えば、第2マイクロコンピュータに、適宜の第2プログラムを搭載することにより構成することができる。上記第2プログラムは、第2制御回路13として用いる上記第2マイクロコンピュータに予め設けられた第2記憶部(図示せず)に、記憶されている。
第2制御回路13は、第2電源回路35として用いる上記昇降圧チョッパ回路に予め設けられたスイッチング素子(図示せず)の制御端子に接続されている。なお、本実施形態では、上記昇降圧チョッパ回路の上記スイッチング素子のスイッチング周波数を、例えば、40kHz〜10MHzに設定している。
また、第2制御回路13は、抵抗R1と抵抗R2の接続点に接続されている。これにより、第2制御回路13は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電圧に対応する上記第1検出信号を生成することが可能となる。
また、第2制御回路13は、抵抗R2と抵抗R3の接続点に接続されている。これにより、第2制御回路13は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電流に対応する上記第1検出信号を生成することが可能となる。なお、以下では、第2制御回路13が、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電圧に対応する上記第1検出信号を生成する場合について、説明する。
第2制御回路13は、差分回路15と、差分回路15に入力される基準電圧を設定する設定部16とを有している。
差分回路15としては、例えば、誤差増幅器などを用いることができる。誤差増幅器の反転入力端子は、抵抗R1と抵抗R2の接続点に接続されている。誤差増幅器の非反転入力端子は、設定部16に接続されている。誤差増幅器の出力端子は、第1送受信部14に接続されている。
差分回路15は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電圧と設定部16により予め設定された上記基準電圧との差分を増幅して出力する。これにより、第2制御回路13は、差分回路15から出力された上記差分を含む上記第1検出信号を第1送受信部14へ出力することが可能となる。
第1送受信部14で使用する無線通信の伝送媒体としては、例えば、電波などを用いることができる。この種の無線通信の規格としては、例えば、400MHz帯や900MHz帯の周波数を使用する特定小電力無線、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、無線LANなどの無線通信技術から適宜に選択することができる。これにより、照明用非接触給電システム1では、第1送受信部14が、第2制御回路13からの上記第1検出信号を、アンテナ37を介して無線通信により送電ユニット2へ送信することが可能となり、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置関係が制限されるのを抑制することが可能となる。
また、送電ユニット2は、受電ユニット3の第1送受信部14から送信された上記第1検出信号を受信可能な第2送受信部17を有している。第2送受信部17は、アンテナ38を有している。
第2送受信部17は、アンテナ38を介して受信した上記第1検出信号を第1制御回路20へ出力する。第1制御回路20は、第2送受信部17からの上記第1検出信号に従って各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。要するに、第1制御回路20は、第2送受信部17により受信された上記第1検出信号に基づいて各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。
本実施形態の照明用非接触給電システム1では、無線通信技術で使用する周波数帯と、各スイッチング素子Q1,Q2をオンオフするためのスイッチング周波数とを離すことで、お互いの干渉を防ぐことが可能となり、各スイッチング素子Q1,Q2のオンオフの誤動作を抑制したり、第1送受信部14と第2送受信部17との間での通信エラーを抑制したりすることが可能となる。
第1制御回路20は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電圧が設定部16により予め設定された上記基準電圧よりも大きい場合、受電コイル6の出力電圧を小さくして上記基準電圧となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。一方、第1制御回路20は、第1検出回路34により検出された受電コイル6の出力電圧が上記基準電圧よりも小さい場合、受電コイル6の出力電圧を大きくして上記基準電圧となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。要するに、第1制御回路20は、差分回路15の出力が「0」となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。これにより、照明用非接触給電システム1では、受電コイル6の出力電圧もしくは出力電流の安定化を図ることが可能となる。
ところで、第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力電圧が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を徐々に低下させる。具体的に説明すると、第1制御回路20は、例えば、1個の送電コイル5から非接触で給電させ、且つ、発光素子10aを点灯させるとき、送電コイル5の出力電圧(言い換えれば、受電コイル6の出力電圧)が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第1周波数f1へスイープさせる(図2参照)。ここにおいて、スイッチング周波数をスイープさせるとは、スイッチング周波数を連続的に変化させることを意味する。また、図2(a)中の実線は、送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図2(b)中の実線は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。また、図2(a)中のVT1は、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。図2(b)中のT1は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第1周波数f1へスイープさせるスイープ時間(以下、第1スイープ時間)を表している。
また、第1制御回路20は、例えば、2個の送電コイル5から非接触で給電させ、且つ、発光素子10aを点灯させるとき、送電コイル5の出力電圧が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第2周波数f2へスイープさせる(図3参照)。ここにおいて、図3(a)中の実線は、送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図3(b)中の実線は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。また、図3(a)中のVT1は、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。また、図3(b)中のT2は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第2周波数f2へスイープさせるスイープ時間(以下、第2スイープ時間)を表している。なお、本実施形態では、第1スイープ時間T1と第2スイープ時間T2を同じ時間に設定しているが、これを特に限定するものではない。
第1制御回路20は、図4に示すように、発光素子10aを点灯させるとき、非接触で給電させた送電コイル5の個数に基づいて受電コイル6の出力電圧が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を相対的に高い周波数から相対的に低い周波数へ徐々に低下させる。ここにおいて、図4中の一点鎖線は、非接触で給電させた送電コイル5の個数が1個の場合における送電ユニット2の共振曲線(以下、第1共振曲線)を表している。また、図4中の実線は、非接触で給電させた送電コイル5の個数が2個の場合における送電ユニット2の共振曲線(以下、第2共振曲線)を表している。また、図4中のVT1は、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。また、相対的に高い周波数f0および相対的に低い第1周波数f1は、送電ユニット2の第1共振曲線の共振周波数よりも高い周波数である。また、相対的に低い第2周波数f2は、送電ユニット2の第1共振曲線の共振周波数よりも低い周波数であり、且つ、送電ユニット2の第2共振曲線の共振周波数よりも高い周波数である。
したがって、第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、複数個の発光素子10aに印加される電圧を経過時間に伴って徐々に上昇させることが可能となり、受電ユニット3に過電圧が生じるのを抑制することが可能となる。ここにおいて、第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力電圧を経過時間に伴って徐々に上昇させているが、これに限らず、受電コイル6の出力電流を経過時間に伴って徐々に上昇させてもよい。この場合は、受電ユニット3に過電流が生じるのを抑制することが可能となる。よって、照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3に過電圧または過電流が生じるのを抑制することが可能となるので、受電ユニット3の構成部品にストレスがかかるのを抑制することが可能となる。
また、第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させる場合、送電コイル5の出力電圧が上述の定格電圧VT1に達したとき、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を所定の周波数(本実施形態では、第1周波数f1もしくは第2周波数f2)に維持する(図2および図3参照)。これにより、照明用非接触給電システム1では、発光素子10aの光出力を安定させることが可能となる。
また、第1制御回路20は、各送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電させる場合、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。これにより、照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と磁気的に結合する送電コイル5の個数に関わらず、発光素子10aを点灯させるとき、受電ユニット3に過電流または過電圧が生じるのを抑制することが可能となる。また、照明用非接触給電システム1では、各送電コイル5から受電コイル6に安定して電力供給することが可能となる。
また、第1制御回路20は、各送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電させる場合、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数で、且つ、各スイッチング素子Q1,Q2への制御信号が同じ位相となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御することが好ましい。これにより、照明用非接触給電システム1では、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数で、且つ、上記各制御信号が異なる位相となる場合に比べて、各送電コイル5から受電コイル6に、より安定して電力供給することが可能となる。
また、第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力電圧が徐々に上昇するように、上記第1検出信号に基づいて、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれを同じ周波数で、且つ、上記各制御信号を同じ位相にしながら、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を徐々に低下させることが好ましい。これにより、第1制御回路20は、仮に、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれや、受電ユニット3の構成部品にばらつきがあったとしても、図4に示すような送電ユニット2の共振曲線が得られるように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数をスイープさせることが可能となる。
本実施形態では、第1検出回路34を第2整流回路12の前段に配置しているが、これに限らず、例えば、第1検出回路34を第2整流回路12の後段に配置してもよい。この場合は、抵抗R1および抵抗R2の直列回路を、第2電源回路35の一対の入力端間に接続するとともに、抵抗R3を、抵抗R2における抵抗R1との接続点側とは反対側とコンデンサC5の低電位側との間に接続すればよい。
また、送電ユニット2は、受電ユニット3の位置を検出するための第2検出信号を各送電コイル5から順番に出力することが好ましい。言い換えれば、第1制御回路20は、上記第2検出信号を各送電コイル5から順番に出力するように、各高周波電源8を各別に制御することが好ましい。上記第2検出信号は、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧よりも小さな電圧信号である。
また、送電ユニット2は、送電コイル5から上記第2検出信号を連続的もしくは間欠的に出力する。
受電ユニット3は、第1検出回路34により上記第2検出信号に対応する受電コイル6の出力(出力電圧)が検出された場合、第1送受信部14から応答信号を送信することが好ましい。また、送電ユニット2は、第2送受信部17により上記応答信号が受信されたとき、上記第2検出信号が出力された送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電することが好ましい。これにより、照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と磁気的に結合された送電コイル5を検出することが可能となり、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6と磁気的に結合されていない送電コイル5から非接触で給電するのを停止することが可能となる。よって、照明用非接触給電システム1では、すべての送電コイル5から非接触で給電する場合に比べて、電力損失を低減することが可能となり、また、ノイズが発生するのを低減することが可能となる。また、照明用非接触給電システム1では、上記第2検出信号が、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧よりも小さな電圧信号であるため、受電コイル6と磁気的に結合された送電コイル5を検出するときに、発光素子10aが点灯するのを防止することが可能となる。
また、送電ユニット2は、受電コイル6と磁気的に結合された送電コイル5を検出するとき、各送電コイル5から上記第2検出信号を順番に出力するとともに、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を相対的に高い周波数から相対的に低い周波数へスイープさせてもよい。これにより、照明用非接触給電システム1では、各送電コイル5から上記第2検出信号を順番に出力する場合に比べて、受電コイル6と磁気的に結合された送電コイル5を、より確実に検出することが可能となる。
第1制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力電圧が徐々に上昇するように、上記応答信号に基づいて、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれを同じ周波数で、且つ、上記各制御信号を同じ位相にしながら、上記第2検出信号が出力された送電コイル5と電気的に接続された各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を徐々に低下させてもよい。これにより、第1制御回路20は、仮に、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれや、受電ユニット3の構成部品にばらつきがあったとしても、図4に示すような送電ユニット2の共振曲線が得られるように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数をスイープさせることが可能となる。よって、照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3に過電流または過電圧が生じるのを抑制することが可能となり、受電ユニット3の構成部品にストレスがかかるのを抑制することが可能となる。
また、送電ユニット2は、各送電コイル5の入力を各別に検出する第2検出回路(図示せず)を複数個有することが好ましい。
上記第2検出回路は、各高周波電源8の後段にそれぞれ配置される。また、上記第2検出回路は、3個の抵抗(図示せず)を備えている。なお、以下では、説明の便宜上、上記3個の抵抗を、第1抵抗、第2抵抗、第3抵抗と称する。
上記第1抵抗の一端は、コンデンサC3の高電位側に接続される。上記第1抵抗の他端は、上記第2抵抗の一端に接続される。上記第2抵抗の他端は、上記第3抵抗を介してコンデンサC3の低電位側に接続される。上記第1抵抗および上記第2抵抗の直列回路は、送電コイル5の入力電圧を検出する。また、上記第3抵抗は、送電コイル5の入力電流を検出する。
また、第1制御回路20は、上記各第2検出回路により各別に検出された各送電コイル5の入力(入力電圧もしくは入力電流)に基づいて各スイッチング素子Q1,Q2を制御することが好ましい。第1制御回路20は、第1抵抗および第2抵抗の接続点に接続される。また、第1制御回路20は、第2抵抗および第3抵抗の接続点に接続される。
したがって、照明用非接触給電システム1では、第1制御回路20が、上記第2検出回路により検出された送電コイル5の入力(入力電圧もしくは入力電流)に従って各スイッチング素子Q1,Q2を制御するので、送電コイル5の入力電圧もしくは入力電流の安定化を図ることが可能となる。また、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5の入力電圧もしくは入力電流の安定化を図ることが可能となるので、受電コイル6の出力電圧もしくは出力電流の安定化を図ることも可能となる。また、この照明用非接触給電システム1では、第1送受信部14および第2送受信部17が不要となる。
また、送電ユニット2は、上記第2検出回路により検出された上記第2検出信号に対応する送電コイル5の入力(入力電圧もしくは入力電圧)が予め設定された基準値以上のとき、上記第2検出信号が出力された送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電することが好ましい。具体的に説明すると、第1制御回路20は、上記第2検出回路により検出された上記第2検出信号に対応する送電コイル5の入力が予め設定された基準値以上のとき、上記第2検出信号が出力された送電コイル5から非接触で給電させる。これにより、照明用非接触給電システム1では、第1送受信部14および第2送受信部17が不要で、且つ、受電コイル6と磁気的に結合された送電コイル5を検出することが可能となる。よって、照明用非接触給電システム1では、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6と磁気的に結合されていない送電コイル5から非接触で給電するのを停止することが可能となる。また、照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と磁気的に結合されていない送電コイル5から非接触で給電するのを停止することが可能となるので、すべての送電コイル5から非接触で給電する場合に比べて、電力損失を低減することが可能となり、また、ノイズが発生するのを低減することが可能となる。
また、送電ユニット2は、受電ユニット3の種類に応じて、非接触で給電させる送電コイル5の個数もしくは受電コイル6の出力(出力電圧もしくは出力電流)を変更可能に構成されていることが好ましい。具体的に説明すると、送電ユニット2は、例えば、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合、受電コイル6と磁気的に結合させる送電コイル5の個数を減らしたり、受電コイル6の出力を低下させたりすることが可能な構成であることが好ましい。また、送電ユニット2は、例えば、受電ユニット3の消費電力が第2規定電力以上の場合、受電コイル6と磁気的に結合させる送電コイル5の個数を増やしたり、受電コイル6の出力を増加させたりすることが可能な構成であることが好ましい。ここにおいて、第1規定電力と第2規定電力とは、同じ電力であってもよいし、異なる電力であってもよい。また、送電ユニット2は、例えば、第1規定電力と第2規定電力とが異なる電力であり、且つ、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力以上第2規定電力未満の場合、受電コイル6と磁気的に結合させる送電コイル5の個数を変更したり、受電コイル6の出力を変更したりしない。
詳しく説明すると、第2制御回路13は、第1検出回路34により上記第2検出信号に対応する受電コイル6の出力(出力電圧)が検出された場合、送電ユニット2が受電ユニット3の種類を判別するための負荷情報を含む上記応答信号を、第1送受信部14から第2送受信部17へ送信させる。第1制御回路20は、第2送受信部17により上記負荷情報を含む上記応答信号が受信されたとき、上記負荷情報に基づいて、受電コイル6と磁気的に結合させる送電コイル5の個数を変更したり、受電コイル6の出力を変更したりする。これにより、照明用非接触給電システム1では、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
第1制御回路20は、例えば、1個の送電コイル5から非接触で給電させ、且つ、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合、発光素子10aを点灯させるとき、送電コイル5の出力電圧(言い換えれば、受電コイル6の出力電圧)が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第3周波数f3へスイープさせる(図5参照)。ここにおいて、また、図5(a)中の実線は、送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図5(a)中の二点鎖線は、図2(a)に示した送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図5(b)中の実線は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。また、図5(b)中の二点鎖線は、図2(b)に示したスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。図5(a)中のVT1は、図2(a)中のVT1を表している。また、図5(a)中のVT2は、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合の複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。図5(b)中のT1は、図2(b)中のT1を表している。また、図5(b)中のT3は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第3周波数f3へスイープさせるスイープ時間(以下、第3スイープ時間)を表している。
また、第1制御回路20は、例えば、2個の送電コイル5から非接触で給電させ、且つ、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合、発光素子10aを点灯させるとき、送電コイル5の出力電圧が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第4周波数f4へスイープさせる(図6参照)。ここにおいて、図6(a)中の実線は、送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図6(a)中の二点鎖線は、図3(a)に示した送電ユニット2の出力電圧の変化を表している。また、図6(b)中の実線は、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。また、図6(b)中の二点鎖線は、図3(b)に示したスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数の変化を表している。図6(a)中のVT1は、図3(a)中のVT1を表している。また、図6(a)中のVT2は、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合の複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。図6(b)中のT2は、図3(b)中のT2を表している。また、図6(b)中のT4は、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を、相対的に高い周波数f0から相対的に低い第4周波数f4へスイープさせるスイープ時間(以下、第4スイープ時間)を表している。なお、本実施形態では、第3スイープ時間T3と第4スイープ時間T4を同じ時間に設定しているが、これを特に限定するものではない。
第1制御回路20は、図7に示すように、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合、発光素子10aを点灯させるとき、非接触で給電させた送電コイル5の個数に基づいて受電コイル6の出力電圧が徐々に上昇するように、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を相対的に高い周波数から相対的に低い周波数へ徐々に低下させる。ここにおいて、図7中の一点鎖線は、非接触で給電させた送電コイル5の個数が1個の場合における送電ユニット2の共振曲線(以下、第3共振曲線)を表している。また、図7中の実線は、非接触で給電させた送電コイル5の個数が2個の場合における送電ユニット2の共振曲線(以下、第4共振曲線)を表している。また、図7中のVT2は、複数個の発光素子10aにおける合計の定格電圧を表している。また、相対的に高い周波数f0および相対的に低い第3周波数f3は、送電ユニット2の第3共振曲線の共振周波数よりも高い周波数である。また、相対的に低い第4周波数f4は、送電ユニット2の第3共振曲線の共振周波数よりも低い周波数であり、且つ、送電ユニット2の第4共振曲線の共振周波数よりも高い周波数である。
したがって、送電ユニット2は、受電ユニット3の消費電力が第1規定電力未満の場合、受電コイル6の出力を低下させることによって、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数のスイープ時間を短縮することが可能となり(図5および図6参照)、発光素子10aをすぐに点灯させることが可能となる。
また、送電ユニット2は、受電ユニット3の種類に応じて、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を相対的に高い周波数から相対的に低い周波数へスイープさせるスイープ時間を、変更することが好ましい。具体的に説明すると、送電ユニット2は、例えば、受電ユニット3に供給される電力が大きい場合、上記スイープ時間を長くすることが好ましい。これにより、照明用非接触給電システム1では、受電ユニット3の構成部品にストレスがかかるのを低減することが可能となり、受電ユニット3の寿命の劣化や故障を低減することが可能となる。
以上説明した本実施形態の照明用非接触給電システム1は、スイッチング素子Q1,Q2を含む高周波電源8および送電コイル5を具備する送電ユニット2と、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能な受電コイル6、発光素子10aおよび受電コイル6の出力に基づいて発光素子10aを点灯させる点灯回路18を具備する受電ユニット3とを備えている。送電ユニット2は、スイッチング素子Q1,Q2を制御する制御回路(第1制御回路)20を有している。制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力が徐々に上昇するように、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数を徐々に低下させる。送電ユニット2は、高周波電源8および送電コイル5それぞれを複数有している。各送電コイル5は、各高周波電源8にそれぞれ電気的に接続されている。制御回路20は、各送電コイル5から受電ユニット6へ非接触で給電させる場合、各スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数となるように、各スイッチング素子Q1,Q2を制御する。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と磁気的に結合する送電コイル5の個数に関わらず、発光素子10aが点灯するとき、受電ユニット3に過電流または過電圧が生じるのを抑制することが可能となる。
以下、本実施形態の照明用非接触給電システム1を用いた照明器具の一例について、図8および図9に基づいて説明する。
本実施形態の照明器具は、例えば、電気スタンドである。この照明器具は、送電ユニット2と、受電ユニット3とを備えている。
送電ユニット2は、複数個の高周波電源8、複数個の送電コイル5、第1制御回路20および第2送受信部17が収納された収納部21を有している。なお、図8では、複数個の高周波電源8、第1制御回路20および第2送受信部17を、1個の送電装置27として図示してある。
収納部21は、例えば、箱状に形成されている。収納部21の材料としては、例えば、樹脂などを用いることができる。
送電コイル5としては、例えば、平面視が円形状で且つスパイラル状に形成されたコイルなどを用いることができる。各送電コイル5は、収納部21の内部にアレイ状に配置されている。つまり、本実施形態の照明器具では、各送電コイル5と受電コイル6との位置を合わせる方式として、例えば、マルチコイル方式などを採用している。これにより、本実施形態の照明器具では、受電ユニット3を送電ユニット2の上記一面上であれば任意の場所に設置してもよく、受電ユニット3の設置場所の自由度を高めることが可能となる。なお、本実施形態では、送電コイル5の巻き数を特に限定しない。また、図8では、複数個の送電コイル5のうち2個の送電コイル5が見えている。
送電装置27は、第1配線28を介して各送電コイル5と電気的に接続されている。また、送電装置27は、電源コード25と電気的に接続されている。電源コード25は、収納部21の一面側(図8では、上面側)から導出されている。また、電源コード25には、コンセント用のプラグ26が接続されている。また、電源コード25には、スイッチSW1が設けられている。なお、本実施形態では、電源コード25を、収納部21の上記一面側から導出しているが、これに限らず、例えば、収納部21の側部などから導出してもよい。
受電ユニット3は、複数個の発光素子10a、点灯回路18、第2制御回路13および第1送受信部14を具備する灯具部24と、灯具部24に一端部が接続されたアーム部23と、アーム部23の他端部23aを保持する基台部22とを有している。なお、図8では、点灯回路18、第2制御回路13および第1送受信部14を、1個の受電装置31として図示してある。
灯具部24は、例えば、傘状に形成されている。灯具部24の材料としては、例えば、樹脂などを用いることができる。また、灯具部24の開口部には、板状(本実施形態では、円板状)のパネル19が取り付けられている。パネル19は、透光性を有する材料(例えば、乳白色のアクリル樹脂、ガラスなど)により形成されている。
パネル19の一表面側(図8では、上面側)には、複数個の発光素子10aが配置されている。本実施形態では、複数個の発光素子10aを有するLEDユニット10を用いている。LEDユニット10は、複数個の発光素子10aと、これら複数個の発光素子10aが一面側(図8では、下面側)に実装された実装基板10bとを備えている。なお、図8では、複数個の発光素子10aのうち3個の発光素子10aが見えている。
ここにおいて、照明用非接触給電システム1では、発光素子10aとしてLED素子を使用する場合に、LEDユニット10を用いているが、これに限らず、例えば、複数個のLED素子とこれら複数個のLED素子から放射された光を導光する導光板とを組み合わせて面発光する面発光ユニットなどを用いてもよい。
受電装置31は、実装基板10bの他面側(図8では、上面側)に配置されている。また、受電装置31は、第2配線29を介して実装基板10bと電気的に接続されている。
アーム部23は、例えば、筒状(本実施形態では、円筒状)に形成されている。アーム部23の材料としては、例えば、樹脂などを用いることができる。アーム部23の上記一端部(図8では、上端部)は、パネル19の中央部に着脱自在に接続されている。パネル19の中央部には、灯具部24の内部とアーム部23の内部とを連通するための第1貫通孔(図示せず)が設けられている。よって、アーム部23は、パネル19の上記第1貫通孔を覆うようにして、パネル19の中央部に接続される。なお、本実施形態では、アーム部23をパネル19の中央部に接続しているが、アーム部23とパネル19との接続はこれに限るものではない。また、本実施形態では、アーム部23の形状を、円筒状としているが、これに限らず、例えば、角筒状などであってもよい。
基台部22は、例えば、箱状に形成されている。基台部22の材料としては、例えば、樹脂などを用いることができる。なお、本実施形態では、基台部22の平面視形状を、円形状としているが、この形状を特に限定するものではない。また、本実施形態では、基台部22の平面サイズを、収納部21の平面サイズよりも小さく設定しているが、収納部21の平面サイズと同じ大きさに設定してもよい。
基台部22の一面側(図8では、上面側)の中央部には、アーム部23の他端部23aが接続されている。基台部22の上記一面側の中央部には、アーム部23の内部と基台部22の内部とを連通するための第2の貫通孔(図示せず)が設けられている。よって、アーム部23は、基台部22の上記第2の貫通孔を覆うようにして、基台部22の上記一面側の中央部に接続される。なお、本実施形態では、アーム部23を基台部22の上記一面側の中央部に接続しているが、アーム部23と基台部22との接続はこれに限るものではない。
また、基台部22の内部には、受電コイル6が収納されている。
受電コイル6としては、例えば、平面視が円形状で且つスパイラル状に形成されたコイルなどを用いることができる。受電コイル6は、基台部22の中央部に配置されている。なお、本実施形態では、受電コイル6の巻き数を特に限定しない。
受電装置31は、第3配線30を介して受電コイル6と電気的に接続されている。第3配線30は、アーム部23の内部に配置されている。
また、本実施形態の照明器具では、受電装置31を灯具部24の内部に配置しているので、受電装置31を基台部22やアーム部23の内部に配置する場合に比べて、照明器具のデザイン性を高めることが可能となる。また、本実施形態の照明器具では、受電装置31を灯具部24の内部に配置しているので、受電装置31を基台部22やアーム部23の内部に配置する場合に比べて、受電装置31を構成する電子部品として、高さ寸法に対する制約が緩い安価な通常サイズの電子部品を採用することができる。また、本実施形態の照明器具では、第1送受信部14と第2送受信部17との間の通信として無線通信を使用するので、第1送受信部14と第2送受信部17とを近づけて配置する必要がなく、様々な形態の照明器具を作製することが可能となる。
以下、本実施形態の照明器具に関し、複数個の発光素子10aを点灯および消灯させる動作について、簡単に説明する。なお、本実施形態では、電源コード25のスイッチSW1が、予めオンされているものとして説明する。
本実施形態の照明器具では、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置されると、受電コイル6が、各送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送各電コイル5から非接触で受電可能となる。これにより、本実施形態の照明器具では、点灯回路18が、複数個の発光素子10aを点灯させることが可能となる。
一方、本実施形態の照明器具では、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置されない場合、受電コイル6が各送電コイル5から受電できなくなるので、複数個の発光素子10aが消灯状態となる。すなわち、本実施形態の照明器具では、基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置された状態で、受電ユニット3を送電ユニット2の上記一面から他の場所へ移動させると、複数個の発光素子10aを消灯させることが可能となる。
ここにおいて、本実施形態の照明器具に関し、複数個の発光素子10aを点灯させる他の方法としては、例えば、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置された状態で、送電ユニット2のスイッチSW1または受電ユニット3のスイッチ(図示せず)をオンする方法もある。また、本実施形態の照明器具に関し、複数個の発光素子10aを消灯させる他の方法としては、例えば、受電ユニット3の基台部22が送電ユニット2の上記一面に設置された状態で、送電ユニット2のスイッチSW1または受電ユニット3の上記スイッチをオフする方法もある。
本実施形態の照明器具では、送電ユニット2が、図9(a)および図9(b)に示すように、複数種類の受電ユニット3,33に非接触で給電することが可能となっている。なお、図9(b)に示した構成の受電ユニット33は、図9(a)に示した構成の受電ユニット3に比べて、複数個の発光素子10aに流れる電流が小さくなるように設計されている。
また、本実施形態の照明器具では、受電ユニット3が、図9(a)および図9(c)に示すように、複数種類の送電ユニット2,32から給電されることが可能となっている。
以上説明した本実施形態の照明器具は、照明用非接触給電システム1を備えている。これにより、本実施形態の照明器具では、受電コイル6に磁気的に結合する送電コイル5の個数に関わらず、発光素子10aが点灯するとき、受電ユニット3に過電流または過電圧が生じるのを抑制することが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態の照明用非接触給電システム1は、基本構成が実施形態1と同じであり、図10に示すように、送電ユニット2の構成などが実施形態1と相違する。なお、本実施形態では、実施形態1と同様の構成要素に同一の符号を付して説明を適宜省略する。
送電ユニット2は、定電圧源7と、複数個(図10では、4個)のスイッチング素子Q3〜Q6を含む高周波電源8と、送電コイル5と、各スイッチング素子Q3〜Q6を制御する第1制御回路20と、第2送受信部17とを有している。本実施形態では、定電圧源7、高周波電源8、送電コイル5、第1制御回路20および第2送受信部17が、1個の送電モジュール40を構成している。また、本実施形態では、送電ユニット2が、複数個の送電モジュール40を備えている。なお、図10では、第2送受信部17のアンテナ38の図示を省略している。
受電ユニット3は、受電コイル6と、発光素子10aと、点灯回路18と、第2制御回路13と、第1送受信部14とを有している。なお、図10では、第1送受信部14のアンテナ37の図示を省略している。
定電圧源7は、第1整流回路11と、第1整流回路11により全波整流された電圧を平滑する平滑用のコンデンサC6とを有している。第1整流回路11の一対の出力端間には、コンデンサC6が接続されている。
高周波電源8としては、例えば、フルブリッジ型のインバータ回路などを用いることができる。高周波電源8は、4個のスイッチング素子Q3〜Q6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6としては、例えば、ノーマリオフ型のパワーMOSFETなどをそれぞれ用いることができる。
2個のスイッチング素子Q3,Q4を有する直列回路は、コンデンサC6の両端間に接続されている。2個のスイッチング素子Q5,Q6を有する直列回路は、2個のスイッチング素子Q3,Q4を有する直列回路に並列接続されている。なお、本実施形態では、スイッチング素子Q3およびスイッチング素子Q4の接続点P1と、スイッチング素子Q5およびスイッチング素子Q6の接続点P2とが、高周波電源8の一対の出力端を構成している。
高周波電源8の一対の出力端間には、コンデンサC7および送電コイル5の直列回路が接続されている。本実施形態では、コンデンサC7および送電コイル5の直列回路が、直列型の共振回路を構成している。これにより、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれがあっても、漏れリアクタンスをコンデンサC7により補償することが可能となり、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
本実施形態では、高周波電源8として、フルブリッジ型のインバータ回路を用いているが、これに限らず、例えば、フライバック型のインバータ回路、ハーフブリッジ型のインバータ回路、フォワード型のインバータ回路、プッシュプル型のインバータ回路などを用いてもよい。また、本実施形態では、各スイッチング素子Q3〜Q6として、パワーMOSFETを用いているが、これを特に限定するものではない。
第1制御回路20は、各スイッチング素子Q3〜Q6を各別に駆動する駆動回路9を有している。
駆動回路9は、互いに対角に位置するスイッチング素子Q3,Q6をオンするとき、互いに対角に位置する他のスイッチング素子Q4,Q5をオフする。また、駆動回路9は、互いに対角に位置するスイッチング素子Q3,Q6をオフするとき、互いに対角に位置する他のスイッチング素子Q4,Q5をオンする。これにより、高周波電源8は、コンデンサC6により平滑された電圧を上記第1高周波電圧として送電コイル5へ出力することが可能となる。言い換えれば、高周波電源8は、送電コイル5に上記第1高周波電圧を印加することが可能となる。なお、本実施形態では、駆動回路9が各スイッチング素子Q3〜Q6を駆動(オンオフ)するためのスイッチング周波数を、例えば、10kHz〜1MHzに設定している。
点灯回路18は、第2整流回路12と、第2整流回路12により全波整流された電圧から上記第2直流電圧を生成する第2電源回路35とを有している。
第2整流回路12の一対の入力端間には、受電コイル6およびコンデンサC8の並列回路が接続されている。本実施形態では、受電コイル6およびコンデンサC8の並列回路が、並列型の共振回路を構成している。これにより、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5と受電コイル6との相対的な位置ずれがあっても、漏れリアクタンスをコンデンサC8により補償することが可能となり、電力の伝送効率を高めることが可能となる。
第2整流回路12の一対の出力端には、第2電源回路35の一対の入力端がそれぞれ接続されている。本実施形態では、第2電源回路35として用いる上記昇降圧チョッパ回路に予め設けられたスイッチング素子(図示せず)のスイッチング周波数を、例えば、40kHz〜10MHzに設定してある。
また、受電ユニット3は、第1検出回路34を有している。本実施形態では、第1検出回路34を第2整流回路12の後段に配置している。抵抗R1の一端は、第2整流回路12の一対の出力端の一方に接続されている。抵抗R1の他端は、抵抗R2の一端に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3を介して第2整流回路12の一対の出力端の他方に接続されている。なお、本実施形態では、第1検出回路34を第2整流回路12の後段に配置しているが、これに限らず、第1検出回路34を第2整流回路12の前段に配置してもよい。
各第1制御回路20は、第2送受信部17からの上記第1検出信号に従って各スイッチング素子Q3〜Q6を各別に制御する。具体的に説明すると、各駆動回路9は、第2送受信部17からの上記第1検出信号に従って各スイッチング素子Q3〜Q6を各別に駆動(オンオフ)する。照明用非接触給電システム1では、各第1制御回路20による各スイッチング素子Q3〜Q6を制御する動作を互いに同期させている。つまり、本実施形態では、各第1制御回路20の動作を同期させている。これにより、各第1制御回路20は、各送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電させる場合、各スイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数となるように、各スイッチング素子Q3〜Q6を制御することが可能となる。
また、送電ユニット2は、送電コイル5の入力を検出する上記第2検出回路を複数個有することが好ましい。上記第2検出回路は、高周波電源8の後段に配置される。上記第1抵抗の一端は、コンデンサC7および送電コイル5の接続点に接続される。上記第1抵抗の他端は、上記第2抵抗の一端に接続される。上記第2抵抗の他端は、上記第3抵抗を介してスイッチング素子Q3およびスイッチング素子Q4の接続点P1に接続される。
第1制御回路20は、上記第1抵抗および上記第2抵抗の接続点に接続される。また、第1制御回路20は、上記第2抵抗および上記第3抵抗の接続点に接続される。これにより、第1制御回路20は、上記第2検出回路により検出された送電コイル5の入力(入力電圧もしくは入力電流)に基づいて各スイッチング素子Q3〜Q6を各別に制御することが可能となり、送電コイル5の入力電圧もしくは入力電流の安定化を図ることが可能となる。よって、照明用非接触給電システム1では、送電コイル5の入力電圧もしくは入力電流の安定化を図ることが可能となるので、受電コイル6の出力電圧もしくは出力電流の安定化を図ることも可能となる。また、この照明用非接触給電システム1では、第1送受信部14および第2送受信部17が不要となる。
以上説明した本実施形態の照明用非接触給電システム1は、スイッチング素子Q3〜Q6を含む高周波電源8および送電コイル5を具備する送電ユニット2と、送電コイル5で発生する磁界による電磁誘導にて送電コイル5から非接触で受電可能な受電コイル6、発光素子10aおよび受電コイル6の出力に基づいて発光素子10aを点灯させる点灯回路18を具備する受電ユニット3とを備えている。送電ユニット2は、スイッチング素子Q3〜Q6を制御する制御回路(第1制御回路)20を有している。制御回路20は、発光素子10aを点灯させるとき、受電コイル6の出力が徐々に上昇するように、スイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング周波数を徐々に低下させる。送電ユニット2は、高周波電源8および送電コイル5それぞれを複数有している。各送電コイル5は、各高周波電源8にそれぞれ電気的に接続されている。制御回路20は、各送電コイル5から受電コイル6へ非接触で給電させる場合、各スイッチング素子Q3〜Q6のスイッチング周波数それぞれが同じ周波数となるように、各スイッチング素子Q3〜Q6を制御する。これにより、本実施形態の照明用非接触給電システム1では、受電コイル6と磁気的に結合する送電コイル5の個数に関わらず、発光素子10aが点灯するとき、受電ユニット3に過電流または過電圧が生じるのを抑制することが可能となる。
なお、本実施形態の照明用非接触給電システム1を、実施形態1で説明した照明器具に用いてもよい。