JP5977187B2 - ラジアントチューブバーナ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄機械の連続焼鈍炉におけるラジアントチューブバーナ制御装置に関する。
図11は、従来の連続焼鈍炉で加熱装置として使用されているラジアントチューブ(以下、RTとも記載)バーナの概略図である。当該図に示すように、RTバーナ15は、メインバーナ11、パイロットバーナ12、RT13及びレキュペレータ14を備える。当該図中の白抜き矢印は燃料ガスの流れ、破線矢印は燃焼用エアの流れ、矢印は燃焼排ガスの流れをそれぞれ表している(他図も同様)。
上述のメインバーナ11は、燃焼容量100000〜160000Kcal/hr程度のバーナである。炉温と板温に応じてバーナ燃焼量は負荷制御され、メインバーナ燃焼筒11aで火炎11bを形成する。
上述のパイロットバーナ12は、燃焼容量5000Kcal/hr程度のバーナであり、メインバーナ11の着火源として、あるいは、何らかの要因で操業中にメインバーナ11が吹き消えた際に再着火し燃焼を継続させるための種火として、RT13内に設置され、操業中は常時燃焼している。
また、パイロットバーナ12は、いかなる場合にも消えてはならない安全装置であるため、メインバーナ11の着火により生じるRT13内での圧力(図11中のA部分(エアケース入口)の圧力のこと。以下、RT内圧と記載)の圧力変動に対しても、逆圧でパイロットバーナ12への燃料ガスと燃焼用エアの供給が止まらないように、高めの供給圧としている。
上述のRT13内には、メインバーナ燃焼筒11aとレキュペレータ14とがある。
上述のレキュペレータ14は、燃焼排ガスの顕熱により燃焼用エアを予熱するための熱交換器である。
連続焼鈍ライン又は連続溶融亜鉛めっきラインの焼鈍炉に設置されるRTバーナ15の本数は、150〜300本程度で、30本程度ごとに区画(以下、ゾーンと記載)分割し、ゾーン単位で、着火、あるいは、炉温と板温に応じたバーナ燃焼量の負荷制御を行っている。
このRTバーナ15の着火手順は、まず、パイロットバーナ12全数を点火させておき、その後は、制御単位であるゾーン単位でメインバーナ11の一括自動着火を行う。以下、当該ゾーン一括自動着火について説明する。
図12は、RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアの供給系と燃焼排ガスの排気系を示す従来装置の概略図であり、当該図中の一点鎖線矢印はN2ガスの流れを示している(他図も同様)。当該図に示すように、メインバーナ11に燃料ガスを供給する燃料ガス配管26は、燃料ガス遮断弁21と、燃料ガス遮断弁21の下流に位置する燃料ガス流量調節弁23とを備え、燃料ガス遮断弁21と燃料ガス流量調節弁23との間にN2ガスを供給するN2ガス配管26aが接続されている。また、N2ガス配管26aはN2ガス遮断弁22を備える。さらに、メインバーナ11に燃焼用エアを供給する燃焼用エア配管27は、燃空ファン24と燃空ファン24の下流に位置する燃焼用エア流量調節弁25とを備え、燃空ファン24から着火時の空気比(以下、m値と記載)2〜3に相当する燃焼用エアを燃焼用エア流量調節弁25で調整し供給する。一方、パイロットバーナ12への燃料ガス及び燃焼用エアは、メインバーナ11とは異なる別系統から絶えず一定量が供給され、パイロットバーナ12は絶えず定常状態で燃焼している。
まず、燃料ガス遮断弁21は閉状態とし、燃料ガス流量調節弁23は所定の燃焼負荷比(以下、TDRと記載)20%〜40%に相当する弁開度に設定しておく。次に、燃料ガス配管26の燃料ガス遮断弁21下流側で逆火が生じないよう、安全のためN2ガス遮断弁22を開状態とし、燃料ガス配管26にN2ガスを供給し、燃料ガス配管26中のガスを屋外へ排出するN2パージを行う。
2パージを開始してから所定時間後に、N2ガス遮断弁22を閉状態、燃料ガス遮断弁21を開状態とすると、燃料ガスは、燃料ガス遮断弁21と燃料ガス流量調節弁23を通過し、種火となるパイロットバーナ12に到達した時点でメインバーナ11に着火し、メインバーナ燃焼筒11aで火炎11b(図11参照)を形成する。
メインバーナ11及びパイロットバーナ12の燃焼排ガスは、RT13内を通過し、RT13出側のレキュペレータ14で燃焼用エアを予熱し、燃焼排ガス配管28を通り、排気ファン30にて吸引され、屋外に排出される。なお、排気ファンの上流には一般的に燃焼排ガス用流量調節弁29が備えられる。
図13は、各ゾーンにおけるメインバーナ着火時の燃料ガス流量トレンドを表すグラフである。縦軸が燃料ガス流量、横軸が時間を表している。当該図中において、太実線aは第1ゾーンのメインバーナ、太破線bは第2ゾーンのメインバーナ、太一点鎖線cは第3ゾーンのメインバーナ、太二点鎖線dは第4ゾーンのメインバーナ、細実線eは第5ゾーンのメインバーナ、細破線fは第6ゾーンのメインバーナ、細一点鎖線gは第7ゾーンのメインバーナ、細二点鎖線hは第8ゾーンのメインバーナを、それぞれ示している。当該図は、この焼鈍炉が、8ゾーンから成る燃焼制御系で構成されており、1ゾーンと3ゾーン、5ゾーンと7ゾーン、2ゾーンと4ゾーン、6ゾーンと8ゾーンを、それぞれ略同時に一括自動着火していることを示している。8ゾーンを例にとると、時刻t3で着火、時刻t5で燃料ガス流量調節弁の自動制御開始、時刻t6で燃料ガスの流量安定をそれぞれ表している。各ゾーンで一斉点火を順次実施するが、図12に示す通り、同ゾーン内でも、RTバーナ15ごとに燃料ガス遮断弁21からRTバーナ15までの燃料ガス配管26の配管長が異なるため、RTバーナ15の着火のタイミングも多少であるが異なる。
燃料ガス遮断弁21を開状態にした後10〜20秒程度経過し、メインバーナ11の燃焼状態が安定した、時刻t5において、燃料ガス流量調節弁23の開度を、固定状態からゾーンごとにm値が1.1〜1.2程度とする自動制御状態に変更し、時刻t6でm値が安定する。
以上のように、燃料ガス遮断弁21を開状態にした後、燃料ガス流量調節弁23の弁開度の自動制御開始までの10〜20秒間は、燃焼用エア供給量は一定であるが、燃料ガス流量が時々刻々と変化するため、m値は、時々刻々と変化することとなる。
上記m値とは、燃焼用エアの流量を、燃料ガスを完全燃焼させるための理論空気量で除した値であり、燃料ガス中の可燃分を理論的に完全燃焼させる場合のm値が1.0である。実際の操業では燃料ガスと燃焼用エアとの混合具合が完全とならず、混合具合にばらつきが生じるため、一般的にはm値が2〜3で点火する。燃焼用エアの流量を多くすることは高温の燃焼排ガスを燃焼用エアで希釈することとなり、加熱効率を悪化させることとなる。したがって、メインバーナ11の燃焼が安定した後は、加熱効率を向上させるためm値を1.1〜1.2程度となるように調整する。
上記TDR(Turn down ratio)とは、燃料ガス流量の最大量に対する比率であり、例えば、100000kcal/hrのRTバーナ15の場合、TDR50%とは燃料ガス流量を50%に絞り、燃焼発熱量を50000kcal/hrとすることを示す。燃料ガス流量を絞ると、燃料ガスと燃焼用エアとの混合具合にばらつきが生じ不安定となる。一般的なRTバーナ15での安定燃焼下限はTDR20%程度である。
特開平8−121710号公報
メインバーナ11の着火時は、着火に伴うRT内圧の圧力変動を抑えるため、既に述べたようにTDRを20%〜40%程度に絞って着火するが、燃料ガスの流量が少なく、RT13内で燃料ガスと燃焼用エアとの混合具合に、ばらつきが生じやすくなり、RTバーナ15の燃焼が不安定となりやすい。よって、着火時の燃焼を安定化させるため、m値を2〜3程度とし、燃焼用エアを多めにしたエアリッチな燃焼条件としている。
しかし、メインバーナ11の着火時の炉温は低く、RTバーナ15の燃焼容量、及び、燃料ガス配管26、燃焼用エア配管27、燃焼排ガス配管の配管レイアウトとの関係によっては、複数の要素が共鳴し、メインバーナ11の着火時に発生するRT内圧の圧力変動が局所的に大きくなり、メインバーナ11及び安全装置であるパイロットバーナ12の火炎を吹き消す現象(以下、失火と記載)につながることがある。
上述の複数の要素とは、メインバーナ燃焼筒11aを燃焼用エア又は燃料ガスが通過する際の渦周波数、配管系(燃料ガス配管26、燃焼用エア配管27及び燃焼排ガス配管28)の気柱共鳴周波数、RT13とRT13内レキュペレータ14との狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、及び、RT13内気柱共鳴周波数のことである。
上記渦周波数は着火モード条件(TDRとm値の組み合わせ)とメインバーナ燃焼筒ノズル径とによって決定され、上記配管系の気柱共鳴周波数は配管条件(燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの配管径と配管長)によって決定され、上記ヘルムホルツ共鳴周波数はRT径とRT長とによって決定され、上記RT内気柱共鳴周波数はRT長と燃料ガス温度と燃焼用エア温度とによって決定される。
図14は、メインバーナが失火する場合のRT内圧変動トレンドを表すグラフであり、縦軸がRT内圧、横軸が時間を表している。時刻t1は燃料ガス配管内をパージするためにN2ガスの供給を開始する時刻、時刻t2は燃料ガス遮断弁を開状態とする時刻、時刻t3は図13と同様メインバーナ着火時刻、時刻t4において、RT内圧が燃料ガス供給圧、及び燃焼用エア供給圧を上回り、メインバーナ及びパイロットバーナが失火する時刻をそれぞれ表している。
図14のグラフに示すように、RT内圧は時刻t1〜t2においては安定しているが、時刻t2において燃料ガス遮断弁を開状態とすることでメインバーナ11が点火を開始し、時刻t3においてメインバーナ11がほぼ着火を完了した時点で、共鳴によりRT内圧の圧力変動が大きくなり、燃料ガス及び燃焼用エアの供給圧を超え、時刻t4においてメインバーナ11及びパイロットバーナ12が失火することがある。なお、図14のグラフは、時刻t2〜t3は25sec程度、時刻t3〜t4は55sec程度の場合を想定している。
1つの燃焼制御ゾーン内で何本かのパイロットバーナ12の失火検出機能(図示略)が失火と判断すると、安全のため、同ゾーン内メインバーナ11への燃料ガス供給を一括遮断する。さらに、そのゾーン数が複数に至ると、安全のため、一旦、焼鈍炉全体のRTバーナ15を全て消火し、失火原因究明のため、再立ち上げを行うこととなり、生産性の悪化をきたすこととなる。
図15は、従来の燃料ガス流量調節弁操作による燃料ガスの流量調節例を表すグラフである。縦軸はm値、横軸は時間を表しており、時刻t2は図14同様燃料ガス遮断弁を開状態とする時刻、時刻t5は図13同様燃料ガス流量調節弁の弁開度自動制御開始時刻を表しており、当該グラフ中の斜線で示した共鳴領域Bは、TDRとm値との関係でRTバーナ15が失火する可能性がある共鳴領域を表している。また、当該グラフにおいて、一点鎖線の曲線で示したパターン1と破線で示したパターン2との2パターンは、失火に至った調節例を示している。
なお、共鳴領域Bとは、メインバーナ燃焼筒11aを燃焼用エア又は燃料ガスが通過する際の渦周波数が配管系(燃料ガス配管26、燃焼用エア配管27及び燃焼排ガス配管28)の気柱共鳴周波数、RT13とレキュペレータ14との狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、又はRT13内気柱共鳴周波数のいずれかと一致するm値を含む領域のことである。
上述でも説明したが、燃料ガス流量調節弁の弁開度自動制御で、m値が2〜3となるように制御を行う。しかしながら、当該制御の間に、例えば図15のグラフに示すように、パターン1では、時刻t5〜t7においてm値が共鳴領域Bに入り、RTバーナ15が失火する可能性がある。また、パターン2では、時刻t7〜t8においてm値が共鳴領域Bに入り、RTバーナ15が失火する可能性がある。
なお、共鳴領域Bは、TDRとm値と組み合せによって変化する。図16は、共鳴領域Bとm値とTDRとの関係を示すグラフであり、当該図の縦軸はm値、横軸はTDRを示している。また、当該グラフ中の破線領域は、通常のRTバーナ15着火時の推奨運転範囲を示しており、このRTバーナ15着火時の推奨運転領域内に、狭い範囲ではあるが、共鳴領域Bが存在することを示している。
上記特許文献1には、バーナ及び燃焼容器の製造段階で、各周波数の共鳴発生条件を回避した設計とすることで、共鳴領域を回避する技術が開示されている。しかしながら、当該技術では、既存のバーナ及び燃焼容器に適用することができない。
そこで本発明では、連続焼鈍炉のRTバーナにおいて、バーナの設計によらず、バーナ着火時の推奨運転範囲内で共鳴領域に入ることなく、安定したメインバーナ着火を行うことができるRTバーナ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の発明に係るRTバーナ制御装置は、
RTバーナの燃料ガス及び燃焼用エアの供給を制御するRTバーナ制御装置であって、
前記燃焼用エアの流量を、前記燃料ガスを完全燃焼させるための理論空気量で除した値であるm値と、前記燃料ガスの流量の最大量に対する比率である燃焼負荷比TDRとの組み合わせを、着火モード条件とするとき、
RT内気柱共鳴周波数、RTと当該RT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管における、各配管の気柱共鳴周波数、及び、前記RTバーナ内のメインバーナ燃焼筒の渦周波数を、それぞれ予測し、前記渦周波数が前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数又は前記各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する前記着火モード条件を含む、共鳴領域を設定し、前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件である場合は、予め設定された前記着火モード条件を実現する制御を行い、前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でない場合は、当該着火モード条件の変更を行うことを特徴とする。
上記課題を解決する第2の発明に係るRTバーナ制御装置は、
上記第1の発明に係るRTバーナ制御装置において、
RT長、前記燃料ガスの温度及び前記燃焼用エアの温度から、前記RT内気柱共鳴周波数を、RT径及び前記RT長から、前記ヘルムホルツ共鳴周波数を、前記燃焼用エア配管、前記燃料ガス配管及び前記燃料排ガス配管それぞれの、配管径及び配管長から、前記各配管の気柱共鳴周波数を、前記着火モード条件及び前記メインバーナ燃焼筒のノズル径から前記渦周波数を、それぞれ予測し、前記渦周波数が前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数又は前記各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する前記着火モード条件を含む、共鳴領域を設定する固有周波数演算部と、
予め設定された前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件か否かを判断する判断部と、
予め設定された前記着火モード条件が、前記判断部によって、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件であると判断されると、予め設定された前記着火モード条件を実現するように、前記燃料ガス配管に設けられた燃料ガス流量調節弁の弁開度を調節する燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータと、前記燃焼用エア配管に設けられた燃焼用エア流量調節弁の弁開度を調節する燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータとに、駆動指令を出す操作部と、
予め設定された前記着火モード条件が、前記判断部によって、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でないと判断されると、当該着火モード条件の変更を行う前記着火モード条件設定部と
を備えることを特徴とする。
上記課題を解決する第3の発明に係るRTバーナ制御装置は、
上記第2の発明に係るRTバーナ制御装置において、
前記判断部において、さらに、実際に計測したRTバーナ内圧が、前記RTバーナ内のパイロットバーナの燃料ガス供給圧、当該パイロットバーナの燃焼用エア供給圧、及び前記メインバーナの燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはない場合、前記着火モード条件を変更することを特徴とする。
上記課題を解決する第4の発明に係るRTバーナ制御装置は、
上記第2又は3いずれか1つの発明に係るRTバーナ制御装置において、
前記着火モード条件設定部は、さらに、前記着火モード条件を変更する際、前記燃焼排ガス温度、前記燃焼用エア温度、前記m値及び前記燃焼負荷比TDRの相関関係と、実際に計測した前記燃焼排ガス温度と前記燃焼用エア温度とに基づいて、前記共鳴領域でない前記着火モード条件に変更することを特徴とする。
上記課題を解決する第5の発明に係るRTバーナ制御装置は、
上記第1乃至4いずれか1つの発明に係るRTバーナ制御装置において、
前記失火発生時間とは、前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数及び前記各配管の気柱共鳴周波数の中で、前記渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間であり、
変更完了後の前記着火モード条件は、実際の前記m値が前記共鳴領域を通過する時間が、前記渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間未満となるようにすることを特徴とする。
上記第1,2の発明に係るRTバーナ制御装置によれば、着火モード条件が共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でない場合に、当該着火モード条件の変更を行うので、連続焼鈍炉のRTバーナにおいて、安定したメインバーナ着火を行うことができる。
上記第3の発明に係るRTバーナ制御装置によれば、さらに、RTバーナ内圧が、RTバーナ内のパイロットバーナの燃料ガス供給圧、パイロットバーナの燃焼用エア供給圧、及びメインバーナの燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはない場合に、着火モード条件を変更するので、より安定したメインバーナ着火を行うことができる。
上記第4の発明に係るRTバーナ制御装置によれば、さらに、着火モード条件を変更する際、燃焼排ガス温度と燃焼用エア温度とm値と燃焼負荷比TDRとの相関関係と、実際に計測した燃焼排ガス温度と燃焼用エア温度とに基づいて、共鳴領域でない着火モード条件に変更するので、より安定したメインバーナ着火を行うことができる。
上記第5の発明に係るRTバーナ制御装置によれば、さらに、失火発生時間とは、各配管の気柱共鳴周波数、RT内気柱共鳴周波数及びヘルムホルツ共鳴周波数の中で、渦周波数と一致する周波数の1/2周期の時間であり、変更完了後の着火モード条件は、実際のm値が共鳴領域を通過する時間が、渦周波数と一致する周波数の1/2周期の時間未満となるようにするので、より安定したメインバーナ着火を行うことができる。
本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置による燃料ガスの流量調節を表すグラフである。パターン1,2は、燃焼が不安定となるパターンである。 本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置を説明する概略図である。 本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置を、RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。 本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置の作動を説明するフローチャートである。 本発明の実施例2に係るRTバーナ制御装置を説明する概略図である。 本発明の実施例2に係るRTバーナ制御装置を、RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。 本発明の実施例2に係るRTバーナ制御装置の作動を説明するフローチャートである。 本発明の実施例3に係るRTバーナ制御装置を説明する概略図である。 本発明の実施例3に係るRTバーナ制御装置を、RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。 本発明の実施例3に係るRTバーナ制御装置の作動を説明するフローチャートである。 従来のRTバーナの概略図である。 RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアの供給系と、燃焼排ガスの排気系を示す従来の装置の概略図である。 各ゾーンにおけるメインバーナ着火時の燃料ガス流量トレンドを表すグラフである。 メインバーナが失火する場合のRT内圧変動トレンドを表すグラフである。 従来の燃料ガス流量調節弁操作による燃料ガスの流量調節例を表すグラフである。 メインバーナ着火時のm値とTDRの推奨運転範囲と共鳴領域Bとの関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るRTバーナ制御装置を実施例にて図面を用いて説明する。
本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置について図面を用いて説明する。図1は、本装置による燃料ガスの流量調節を表すグラフである。当該グラフの時刻t2,t5,t7,t8、共鳴領域B、及び、パターン1,2の曲線は、図15のグラフにおける時刻t2,t5,t7,t8、共鳴領域B、及び、パターン1,2の曲線と同様である。また当該グラフの実線の曲線は本装置による燃料ガス流量調節を示しており、時刻t9〜t10の間に本装置による燃料ガス流量調節が共鳴領域Bを通過するものとする。
図1のグラフに示すように、既に説明したパターン1,2は、それぞれ時刻t5〜t7、時刻t5〜t8の間でm値が共鳴領域Bに入るのに対して、本装置による燃料ガス流量調節では、燃料ガス流量調節弁の時刻t2〜時刻t5における弁開度を大きくすることで、共鳴領域Bを失火発生時間未満で通過する(時刻t9〜t10)こととなり、また、m値のピーク値Mが、3<<Mとなるため、m値を2〜3とする弁開度自動制御開始時までに、m値が共鳴領域Bに入ることもなくなり、安定したメインバーナ着火を行うことができる。
すなわち、本装置は、時刻t2〜t5において、メインバーナ燃焼筒を燃焼用エア又は燃料ガスが通過する際の渦周波数が配管系(燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃焼排ガス配管)の気柱共鳴周波数、RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、及び、RT内気柱共鳴周波数と一致する、着火モード条件(TDRとm値の組み合わせ)を、失火発生時間未満で通過するようにすることで、安定したメインバーナ着火を行うものである。
また、上述の「失火発生時間未満で通過する」とは、メインバーナ燃焼筒での渦周波数と上記各共鳴周波数の中で共鳴する周波数の1/2周期の時間未満で共鳴領域Bを通過することを意味する。
図2は本装置の制御装置の概略図であり、図3は本装置(RTバーナ制御装置41)を、RTバーナに燃料ガス及び燃焼用エアを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。図2に示すように、本装置は、着火モード条件設定部31、RTバーナ形状条件入力部32、配管条件入力部33、記憶部34、操業条件入力部35、固有周波数演算部36、判断部37、操作部38、燃料ガス流量調節弁開度39及び燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40を備える。
上述の着火モード条件設定部31は、着火モード条件(m値とTDRの組み合わせ)を予め設定し、当該着火モード条件が、判断部37によって、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する着火モード条件でないと判断されると、着火モード条件の変更を行う。
上述のRTバーナ形状条件入力部32は、メインバーナ燃焼筒ノズル径、RT長及びRT径を入力する。
上述の配管条件入力部33は、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの、配管径と配管長とを入力する。
上述の記憶部34は、着火モード条件設定部31、RTバーナ形状条件入力部32及び配管条件入力部33で設定又は入力した情報を記憶する。
上述の操業条件設定部35は、炉温、燃焼用エア温度、燃料ガス温度及び燃料排ガス温度を設定する。ただし、本装置においては、炉温の設定を操業条件設定部35で行うことに限定しないものとする。
上述の固有周波数演算部36は、RT長と燃料ガス温度と燃焼用エア温度とからRT内気柱共鳴周波数を、RT径とRT長とから、RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数を、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの配管径と配管長とから配管系の気柱共鳴周波数を、着火モード条件とメインバーナ燃焼筒ノズル径とから渦周波数を、それぞれ予測し、上記渦周波数が上記配管系の気柱共鳴周波数、RT内気柱共鳴周波数、又は、RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数のいずれかと一致する着火モード条件を含む、共鳴領域を設定する。
共鳴領域Bは、着火モード条件により変化すると共に、メインバーナ着火後、安定燃焼に至るまで時々刻々と変化するm値及び燃焼用エア温度や燃焼排ガス温度の変化に伴い、渦周波数及び各共鳴周波数は変化することを考慮して、前段では、上記渦周波数、上記配管系の気柱共鳴周波数、RT内気柱共鳴周波数又は上記ヘルムホルツ共鳴周波数を対象として、一致する『着火モード条件』を含む共鳴領域を設定する、と説明している。
ここで、上記各周波数の予測に用いる計算方法を示す。
まず、上記メインバーナ燃焼筒での渦周波数については
t=fd/u=0.63〜0.8
(St:ストローハル数、f:渦周波数[Hz]、d:メインバーナ燃焼筒ノズル径[m]、u:噴出し速度[m/s])
より算出する。
上記ヘルムホルツ共鳴周波数については
f=[C/(2π)](μ/V)1/2
μ=(A/[L+{(πA)1/2}/2])1/2
(f:ヘルムホルツ共鳴周波数[Hz]、V:燃焼室の体積[m3]、A:RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間の断面積[m2]、L:RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間の長さ[m])
より算出する。
上記気柱共鳴周波数については
f=nC/(2L)
f=(2n−1)C/(4L)
C=(kRT)1/2
(f:気柱共鳴振動数[Hz]、C:音速[m/s]、L:各配管長(又はRT長)[m]、k:比熱比、R:ガス定数、T:ガス温度(K))
より算出する。
上述の判断部37は、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件が、共鳴領域Bを失火発生時間未満で通過する着火モード条件か否かを判断する。
上述の操作部38は、判断部38によって、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件が、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する着火モード条件であると判断すると、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件を実現するように燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39と燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40に指令を出す。
上述の燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39は、操作部38の指令に基づき、図3の燃料ガス流量調節弁23の弁開度を調節するものである。
上述の燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40は、操作部38の指令に基づき、図3の燃焼用エア流量調節弁25の弁開度を調節するものである。
図4は、本装置の作動を説明するフローチャートである。以下、当該フローチャートを用いて本装置の作動を説明する。
ステップS1では、RTバーナ形状条件入力部32により、RTバーナ形状条件を設定する。RTバーナ形状条件とは、メインバーナ燃焼筒ノズル径、RT長及びRT径を指す。
ステップS2では、配管条件入力部33により、配管条件を入力する。配管条件とは、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの、配管径と配管長とを指す。
ステップS3では、操業条件設定部35により、操業条件を設定する。操業条件とは、炉温、燃焼エア温度、燃料ガス温度及び燃料排ガス温度を指す。ただし、上述でも説明したが、炉温の設定については操業条件設定部35で行うことに限定しないものとする。
ステップS4では、着火モード条件設定部31により、着火モード条件の設定を行う。
ステップS5では、固有周波数演算部36により、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの配管径と配管長とから、配管系の気柱共鳴周波数を予測する。
ステップS6では、固有周波数演算部36により、RT長と燃料ガス温度と燃焼用エア温度とからRT内気柱共鳴周波数を、RT径とRT長とから、RTとRT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数を、TDRとm値とメインバーナ燃焼筒ノズル径とから渦周波数を、それぞれ予測する。
ステップS7では、固有周波数演算部36により、共鳴領域を設定する。
ステップS8では、判断部37により、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件が、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する着火モード条件か否かを判断する。失火発生時間未満で通過する着火モード条件である場合はステップS9へ、失火発生時間未満で通過する着火モード条件でない場合はステップS10へ移行する。上記「失火発生時間未満で通過する」とは、上記渦周波数と共鳴する周波数の1/2周期の時間未満で共鳴領域を通過することを意味する。
ステップS9では、着火モード条件設定部31により、着火モード条件の変更を行う。当該ステップS9を終了すると上記ステップS6へ移行する。
ステップS10では、操作部38により、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件を実現するように燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39と燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40とに指令を出した後、パイロットバーナ点火操作を行う。
ステップS11では、通常の弁開度自動制御へ移行する。
このようにすることで、燃料ガス流量調節弁の自動制御開始までの間に、安定したメインバーナ着火を行うことができるだけでなく、m値のピーク値Mが3よりも大幅に高くなることで、m値を2〜3とする弁開度自動制御開始まで、共鳴領域に入ることがなくなるため、安定したメインバーナ着火を行うことができる。
以上、本発明の実施例1に係るRTバーナ制御装置について説明したが、換言すれば、本装置は、RTバーナの燃料ガス及び燃焼用エアの供給を制御するRTバーナ制御装置であって、燃焼用エアの流量を、燃料ガスを完全燃焼させるための理論空気量で除した値であるm値と、燃料ガスの流量の最大量に対する比率である燃焼負荷比TDRとの組み合わせを、着火モード条件とするとき、RT内気柱共鳴周波数、RTと当該RT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管における、各配管の気柱共鳴周波数、及び、RTバーナ内のメインバーナ燃焼筒の渦周波数を、それぞれ予測し、渦周波数がRT内気柱共鳴周波数、ヘルムホルツ共鳴周波数又は各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する着火モード条件を含む、共鳴領域を設定し、着火モード条件が、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件である場合は、予め設定された着火モード条件を実現する制御を行い、着火モード条件が、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でない場合は、着火モード条件の変更を行うものである。
さらに本装置は、RT長、燃料ガスの温度及び燃焼用エアの温度から、RT内気柱共鳴周波数を、RT径及びRT長から、ヘルムホルツ共鳴周波数を、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管それぞれの、配管径及び配管長から、各配管の気柱共鳴周波数を、着火モード条件及びRTバーナ内のメインバーナ燃焼筒のノズル径からメインバーナ燃焼筒の渦周波数を、それぞれ予測し、渦周波数がRT内気柱共鳴周波数、ヘルムホルツ共鳴周波数又は各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する着火モード条件を含む、共鳴領域を設定する固有周波数演算部36と、予め設定された着火モード条件が、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件か否かを判断する判断部37と、予め設定された着火モード条件が、判断部37によって、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件であると判断されると、予め設定された着火モード条件を実現するように、燃料ガス配管に設けられた燃料ガス流量調節弁の弁開度を調節する燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39と、燃焼用エア配管に設けられた燃焼用エア流量調節弁の弁開度を調節する燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40とに、駆動指令を出す操作部38と、予め設定された着火モード条件が、判断部37によって、共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でないと判断されると、着火モード条件の変更を行う着火モード条件設定部31とを備えるものである。
上述のようにして本装置では、連続焼鈍炉のRTバーナにおいて、安定したメインバーナ着火を行うことができる。
本発明の実施例2に係るRTバーナ制御装置について図面を用いて説明する。実施例1に係るRTバーナ制御装置の一部を変更したものである。
図5は本装置の概略図である。当該図に示すように、本装置は、着火モード条件設定部31a、RTバーナ形状条件入力部32、配管条件入力部33、記憶部34、操業条件入力部35、固有周波数演算部36、判断部37a、操作部38、燃料ガス流量調節弁開度39、燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40及び圧力計42を備える。また、図6は本装置(RTバーナ制御装置51)を、RTバーナに燃料ガス、燃焼用エア及び燃焼排ガスを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。
上述のRTバーナ形状条件入力部32、配管条件入力部33、記憶部34、操業条件入力部35、固有周波数演算部36、操作部38、燃料ガス流量調節弁開度39及び燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40は、実施例1と共通するため、説明は省略する。
上述の圧力計42は、図6に示すように、RT内圧、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧を、それぞれ計測する圧力計である。
上述の判断部37aは、実施例1における判断部37の機能に加えて、さらに、圧力計42で計測したRT内圧が、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低いか否かを判断する。
上述の着火モード条件設定部31aは、実施例1における着火モード条件設定部31の機能に加えて、さらに、判断部37aにおいて、圧力計42で計測したRT内圧が、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはないと判断されると、着火モード条件を変更する。
上述のようにすることで、本装置では、実施例1に係るRTバーナ制御装置の機能に加え、さらに、オンラインでRT内圧の圧力変動を計測することで、共鳴領域(実施例1の共鳴領域B参照)であるか否かを判断し、着火モード条件を変更することができる。
なお、判断部37aにおいて、圧力計42で計測したRT内圧が、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはないと判断されてから、着火モード条件設定部31aで着火モード条件を変更し、共鳴領域を回避するまでの所要時間は、上記各共鳴周波数の中で渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間以内とする。
図7は、本装置の作動を説明するフローチャートである。以下、当該フローチャートを用いて本装置の作動を説明する。ただし、ステップS1〜S8,S11は、実施例1と同様のため省略する。
ステップS20では、操作部38により、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件を実現するように燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39と燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40とに指令を出した後、パイロットバーナ点火操作を行う。また、圧力計42にてRT内圧及び上記各供給圧の計測を開始する。
ステップS21では、RT内圧が、判断部37aにおいて、圧力計42で計測したRT内圧が、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低いか否かを判断する。低い場合はステップS11へ、そうでない場合はステップS9へ移行する。
このようにすることで、実施例1で説明した制御を行ったにも関わらず、何らかの要因によって図1における時刻t5以降にm値が共鳴領域Bに入ってしまったとしても、本装置が作動し、各共鳴周波数の中で共鳴する周波数の1/2周期の時間未満に、失火に至る前に共鳴領域Bを通過するため、安定したメインバーナ着火を行うことができる。
以上、本発明の実施例2に係るRTバーナ制御装置について説明したが、換言すれば、本装置は、判断部37aにおいて、さらに、実際に計測したRTバーナ内圧が、前記RTバーナ内のパイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはない場合、着火モード条件を変更するものである。
上述のようにして本装置では、連続焼鈍炉のRTバーナにおいて、より安定したメインバーナ着火を行うことができる。
本発明の実施例3に係るRTバーナ制御装置について図面を用いて説明する。本装置は実施例2に係るRTバーナ制御装置の一部を変更したものである。
既に説明した共鳴領域(実施例1の共鳴領域B参照)は、TDRだけでなく、燃焼排ガス温度と予熱後(RTバーナ内のレキュペレータ通過後)燃焼用エア温度とによっても変化する。よって、本装置では、燃焼排ガス温度と予熱後燃焼用エア温度も考慮したものである。
図8は本装置の概略図である。当該図に示すように、本装置は、着火モード条件設定部31b、RTバーナ形状条件入力部32、配管条件入力部33、記憶部34、操業条件入力部35、固有周波数演算部36、判断部37a、操作部38、燃料ガス流量調節弁開度39、燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40、圧力計42、温度計43及び固有周波数テーブル44を備える。また、図9は本装置(ラジアントチューブバーナ制御装置61)を、RTバーナに燃料ガス、燃焼用エア及び燃焼排ガスを供給する装置に設置した状態を説明する概略図である。
上述のRTバーナ形状条件入力部32、配管条件入力部33、記憶部34、操業条件入力部35、固有周波数演算部36、判断部37b、操作部38、燃料ガス流量調節弁開度39、燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40及び圧力計42は、実施例1,2と共通するため、説明は省略する。
上述の温度計43は、図9に示すように、燃焼排ガス温度と燃焼用エア温度とを計測するものである。
上述の固有周波数テーブル44は、上記温度とm値とTDRとの相関関係が入力されたテーブルである。
上述の着火モード条件設定部31bは、実施例1,2において着火モード条件を変更する際、温度計43で計測した燃焼排ガス温度及び燃焼用エア温度と、固有周波数テーブル44の情報とに基づいて、共鳴領域でない着火モード条件に変更する。
なお、判断部37aにおいて、圧力計42で計測したRT内圧が、パイロットバーナ12の燃料ガス供給圧、パイロットバーナ12の燃焼用エア供給圧、及びメインバーナ11の燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはないと判断されてから、着火モード条件設定部31bで着火モード条件を変更し、共鳴領域を回避するまでの所要時間は、渦周波数以外の各共鳴周波数の中で渦周波数と共鳴する周波数の1/2周期の時間以内とする。
図10は、本装置の作動を説明するフローチャートである。以下、当該フローチャートを用いて本装置の作動を説明する。ただし、ステップS1〜S8,S11,S21は、実施例1,2と同様のため省略する。
ステップS30では、操作部38により、着火モード条件設定部31で設定された着火モード条件を実現するように燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ39と燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ40とに指令を出した後、パイロットバーナ点火操作を行う。また、圧力計42にてRT内圧及び各供給圧の計測を開始し、さらに、温度計43にて上記各温度の計測を開始する。
ステップS31では、着火モード条件設定部31により、着火モード条件の変更を行う。その際、温度計43で計測した燃焼排ガス温度及び燃焼用エア温度と、固有周波数テーブル44の情報とから、共鳴領域でない着火モード条件に変更する。当該ステップS31を終了するとステップS6へ移行する。
以上、本発明の実施例3に係るRTバーナ制御装置について説明したが、換言すれば、本装置は、実施例1,2に係るRTバーナ制御装置の機能に加え、着火モード条件設定部31bは、さらに、着火モード条件を変更する際、燃焼排ガス温度、燃焼用エア温度、m値及び燃焼負荷比TDRの相関関係と、実際に計測した燃焼排ガス温度と燃焼用エア温度とに基づいて、共鳴領域でない着火モード条件に変更するものである。
上述のようにして本装置では、連続焼鈍炉のRTバーナにおいて、より安定したメインバーナ着火を行うことができる。
なお、実施例1において説明した失火発生時間とは、RT内気柱共鳴周波数、ヘルムホルツ共鳴周波数及び各配管の気柱共鳴周波数の中で、メインバーナ燃焼筒11aの渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間であり、変更完了後の着火モード条件は、実際のm値が共鳴領域を通過する時間が、メインバーナ燃焼筒11aの渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間未満となるようにするものとするのが好ましい。
本発明は製鉄機械の連続焼鈍炉におけるラジアントチューブバーナ制御装置として好適である。
11 メインバーナ
11a メインバーナ燃焼筒
11b 火炎
12 パイロットバーナ
13 RT
14 レキュペレータ
15 RTバーナ
21 燃料ガス遮断弁
22 N2ガス遮断弁
23 燃料ガス流量調節弁
24 燃空ファン
25 燃焼用エア流量調節弁
26 燃料ガス配管
26a N2ガス配管
27 燃焼用エア配管
28 燃焼排ガス配管
29 燃焼排ガス用流量調節弁
30 排気ファン
31 (実施例1における)着火モード条件設定部
31a (実施例2における)着火モード条件設定部
31b (実施例3における)着火モード条件設定部
32 RTバーナ形状条件入力部
33 配管条件入力部
34 記憶部
35 操業条件設定部
36 固有周波数演算部
37 (実施例1における)判断部
37a (実施例2における)判断部
37b (実施例3における)判断部
38 操作部
39 燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータ
40 燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータ
41 (実施例1に係る)RTバーナ制御装置
42 圧力計
43 温度計
44 固有周波数テーブル
51 (実施例2に係る)RTバーナ制御装置
61 (実施例3に係る)RTバーナ制御装置

Claims (5)

  1. ラジアントチューブ(以下、RTと記載)バーナの燃料ガス及び燃焼用エアの供給を制御するRTバーナ制御装置であって、
    前記燃焼用エアの流量を、前記燃料ガスを完全燃焼させるための理論空気量で除した値であるm値と、前記燃料ガスの流量の最大量に対する比率である燃焼負荷比TDRとの組み合わせを、着火モード条件とするとき、
    RT内気柱共鳴周波数、RTと当該RT内レキュペレータとの狭流路で構成される空間でのヘルムホルツ共鳴周波数、燃焼用エア配管、燃料ガス配管及び燃料排ガス配管における、各配管の気柱共鳴周波数、及び、前記RTバーナ内のメインバーナ燃焼筒の渦周波数を、それぞれ予測し、前記渦周波数が前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数又は前記各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する前記着火モード条件を含む、共鳴領域を設定し、前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件である場合は、予め設定された前記着火モード条件を実現する制御を行い、前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でない場合は、当該着火モード条件の変更を行うことを特徴とするRTバーナ制御装置。
  2. RT長、前記燃料ガスの温度及び前記燃焼用エアの温度から、前記RT内気柱共鳴周波数を、RT径及び前記RT長から、前記ヘルムホルツ共鳴周波数を、前記燃焼用エア配管、前記燃料ガス配管及び前記燃料排ガス配管それぞれの、配管径及び配管長から、前記各配管の気柱共鳴周波数を、前記着火モード条件及び前記メインバーナ燃焼筒のノズル径から前記渦周波数を、それぞれ予測し、前記渦周波数が前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数又は前記各配管の気柱共鳴周波数のいずれかと一致する前記着火モード条件を含む、共鳴領域を設定する固有周波数演算部と、
    予め設定された前記着火モード条件が、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件か否かを判断する判断部と、
    予め設定された前記着火モード条件が、前記判断部によって、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件であると判断されると、予め設定された前記着火モード条件を実現するように、前記燃料ガス配管に設けられた燃料ガス流量調節弁の弁開度を調節する燃料ガス流量調節弁開度アクチュエータと、前記燃焼用エア配管に設けられた燃焼用エア流量調節弁の弁開度を調節する燃焼用エア流量調節弁開度アクチュエータとに、駆動指令を出す操作部と、
    予め設定された前記着火モード条件が、前記判断部によって、前記共鳴領域を失火発生時間未満で通過する条件でないと判断されると、当該着火モード条件の変更を行う前記着火モード条件設定部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のRTバーナ制御装置。
  3. 前記判断部において、さらに、実際に計測したRTバーナ内圧が、前記RTバーナ内のパイロットバーナの燃料ガス供給圧、当該パイロットバーナの燃焼用エア供給圧、及び前記メインバーナの燃料ガス供給圧の中で最も低い供給圧よりも低くはない場合、前記着火モード条件を変更することを特徴とする請求項2に記載のRTバーナ制御装置。
  4. 前記着火モード条件設定部は、さらに、前記着火モード条件を変更する際、前記燃焼排ガス温度、前記燃焼用エア温度、前記m値及び前記燃焼負荷比TDRの相関関係と、実際に計測した前記燃焼排ガス温度と前記燃焼用エア温度とに基づいて、前記共鳴領域でない前記着火モード条件に変更することを特徴とする請求項2又は3に記載のRTバーナ制御装置。
  5. 前記失火発生時間とは、前記RT内気柱共鳴周波数、前記ヘルムホルツ共鳴周波数及び前記各配管の気柱共鳴周波数の中で、前記渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間であり、
    変更完了後の前記着火モード条件は、実際の前記m値が前記共鳴領域を通過する時間が、前記渦周波数と共鳴する共鳴周波数の1/2周期の時間未満となるようにすることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載のRTバーナ制御装置。
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