<作業システム>
図1は本発明の実施形態或いは適用例である作業システムAの概略図、図2は作業システムAの分解斜視図である。以下、作業システムAについて図1及び図2を参照して概説する。なお、各図においてX、Yは互いに直交する水平方向を示し、Zは上下方向を示す。
作業システムAは、パレット1上のワークWに対して所定の作業を行うシステムである。所定の作業は、例えば、組み立て、加工、検査等が含まれる。作業システムAは、複数のパレット1を循環的に搬送する搬送システムCSを備える。
搬送システムCSは、パレット1を搬送する搬送装置2及び3と、搬送装置2と搬送装置3との間でパレット1を搬送する移載装置4A、4Bと、を備える。図2及び図3を参照して、更に説明する。図3は搬送システムCSの分解斜視図であるが、移載装置4Bについては図示を省略している。
搬送装置2は、所定の位置に配置されたガイド部材20上で複数のパレット1を等ピッチで間欠的に所定の搬送方向の一方向となるd1方向に搬送する。d1方向はX方向である。搬送装置2の搬送途中において、パレット1上のワークWに対して所定の作業が行われる。つまり、搬送装置2はワークWの作業ステーションを構成している。
搬送装置3は、所定の位置に配置されたガイド部材30上で複数のパレット1を所定の搬送方向の一方向となるd3方向に搬送する。d3方向はX方向で、かつ、d1方向と逆方向である。搬送装置3の搬送途中において、パレット1上の作業済みのワークWが不図示の搬出装置によって、作業システムA外へ搬出される。また、搬送装置3の搬送途中において、新たなワークWが空きのパレット1上に不図示の搬入装置によって搬入される。つまり、搬送装置3はワークWの搬入出ステーションを構成している。
移載装置4Aは、パレット1をd2方向に搬送する。具体的には、搬送装置2から所定の位置に配置されたガイド部材20の一端に移動されたパレット1を受け取り、d1方向と異なる方向(ここではY方向)に搬送して、搬送装置3へ受け渡す。移載装置4Aは、固定ユニット40A、40Bと、可動ユニット41と、移動装置42と、を備える。
固定ユニット40Aは所定の位置に配置されたガイド部材20と連続する所定の位置に配置されたガイド部材400を備え、搬送装置2からガイド部材20の一端に移動されたパレット1を受け取る。そして、可動ユニット41へ搬送する。移動装置42は可動ユニット41をY方向に移動することができ、固定ユニット40A、40B間で可動ユニット41を往復させる。
可動ユニット41は固定ユニット40Bへパレット1を搬送する。固定ユニット40Bは所定の位置に配置されたガイド部材30と連続する所定の位置に配置されたガイド部材400を備え、搬送装置3へパレット1を搬送する。
移載装置4Bは、パレット1をd4方向に搬送する。具体的には、搬送装置3から所定の位置に配置されたガイド部材20の一端に移動されたパレット1を受け取り、d3方向と異なる方向(ここではY方向)に搬送して、搬送装置2へ受け渡す。d4方向はY方向で、かつ、d2方向と逆方向である。なお、本実施形態の場合、移載装置4Bは移載装置Aと同様の構成である。
こうしてパレット1は、搬送装置2、搬送装置3、移載装置4A、移載装置4Bのそれぞれの所定の位置に配置され、パレット1の移送経路を形成するそれぞれのガイド部材20、30、400に沿って搬送装置2→移載装置4A→搬送装置3→移載装置4B→搬送装置2と循環的に搬送される。なお、図2及び図3に示すように、搬送システムCSはパレット1と基本的構成を共通にした別のパレット1’も混在させて搬送することが可能となっている。パレット1’には、ワークWと異なるワークW’が載置される。
図1及び図2を参照して、作業システムAは複数の作業ユニットU1を備える。複数の作業ユニットU1は、搬送装置2によるパレット1の搬送ピッチと等ピッチでX方向に配列されている。各作業ユニットU1は、搬送装置2によるパレット1の所定の停止位置毎に設けられ、停止位置に停止したパレット1上のワークWに対して所定の作業を行う。
本実施形態の場合、作業ユニットU1は、Y方向に進退自在であると共にZ軸周りに旋回(回動)可能となっている。作業ユニットU1は作業ツールTを有しており、作業ツールTを駆動して組立作業等を行う。
作業システムAは、また、搬送装置2に対向する位置において、X方向に配列された複数の部品供給ユニットU2を備える。部品供給ユニットU2はワークWに組み付ける部品を作業ユニットU1に供給する。
作業システムAは、また、入出力ユニットU3を備える。入出力ユニットU3はタッチパネル式の表示部を備え、作業システムAの動作状況等の出力情報の表示や、各種の指示入力情報等の入力が可能となっている。
<パレット>
次に、パレット1の構成について図4乃至図6を参照して説明する。図4及び図5は視点を異ならせた、パレット1の斜視図であり、図6はパレット1の分解斜視図である。パレット1は、載置部材10と、移動体11と、係合部材12と、を備える。
載置部材10は、ワークWが載置される部分であり、板状をなしている。本実施形態の場合、ワークWは略方形で薄箱型のケース部品(薄板トレイ部品)であり、1つのパレット1に2つのワークWが載置される。載置部材10には、ワークWを下から支える複数のピン19、ワークWの側辺に当接してその位置(水平の第1方向位置および水平の第1方向と直交する水平の第2方向位置)を規定する複数の固定ピン18A、18B、ワークWの側辺に当接してその位置(水平の第1方向位置および水平の第1方向と直交する水平の第2方向位置)にワークWを位置づけて規定する複数の押圧機構16、17を備える。
押圧機構16は、ワークWに当接するローラを先端に有するL字型の可動部材161と、可動部材161をワークWの第1方向位置に位置づける際の動作方向となるd5方向(図4)に回動自在に支持する軸部材162と、可動部材161をワークWを押圧する方向に付勢する弾性部材(例えばバネ)163と、を備える。押圧機構16は固定ピン18Bに対向して配置されており、ワークWを固定ピン18Bへ押圧してその位置決めを行う。
押圧機構17は、ワークWに当接するローラを先端に有するL字型の可動部材171と、可動部材171をワークWの第2方向位置に位置づける際の動作方向となるd6方向(図4)に回動自在に支持する軸部材172と、可動部材171をワークWを押圧する方向に付勢する弾性部材(例えばバネ)173と、を備える。押圧機構17は固定ピン18Aに対向して配置されており、ワークWを固定ピン18Aへ押圧してその位置決めを行う。
ワークWは、例えば、不図示の搬入装置で保持されて、載置部材10の上方から、ピン19上に載置される。このとき、押圧機構16、17の各可動部材161、171は退避方向に回動してワークWのピン19上への着座を許容する。その後、搬入装置が退避すると、弾性部材163、173の付勢によって各可動部材161、171が所定の動作順序に従って固定ピン18A、18BにワークWを押圧して、その位置決めが完了する。ワークWの搬出時には、不図示の搬出装置によってワークWを持ち上げて移動させればよい。
本実施形態の場合、載置部材10は移動体11に対して着脱自在となっている。このため、例えば、ワークWの種類に応じて載置部材10を交換することで、移動体11を共通にしながら異なる種類(形状やサイズ)のワークWに対応できることになる。上述したとおり、本実施形態では、図2及び図3に示すパレット1’を混在させることが可能であるが、パレット1’はパレット1と移動体11を共通にしながら、別の載置部材10を備えてワークW’を載置可能としたものとなっている。
移動体11は、本体部111と、スライダ112と、支持部113と、を備える。本体部111は板状をなし、その上面に、載置部材10を着脱自在に取り付け可能な着脱部1111、1112を2組備える。本実施形態の場合、着脱部1111、1111は、載置部材10に設けられたピン部材14、14がそれぞれ挿入され、装着される孔である。ピン部材14、14は、その頭部を押圧することで、載置部材10にから分離可能な係合機構を内蔵している。また、着脱部1112、1112は、載置部材10の下面から突出した位置決め用のピン部材15、15がそれぞれ挿入され、装着される孔である。したがって、本体部111に対して載置部材10を上下に移動するだけで、その着脱が可能となっており、より簡易な作業で載置部材10を交換できる。なお、ピン部材15、15を本体部111側に設けて着脱部とし、載置部材10側に対応する孔を形成してもよい。
本体部111には、その側方(パレット1の後方側(ワークWを載置する部分とは反対側))に突出した被係合部13が設けられている。被係合部13は、搬送装置3によってパレット1を搬送する際に、搬送装置3に係合される部分である。言い換えると、被係合部13は、本体部111における搬送装置3に対向する側の面に設けられる。本実施形態の場合、被係合部13はローラでありY方向を回転軸として回転自在に取り付けられている。
本体部111の下面にはスライダ112及び支持部113が固定される。スライダ112は、ガイド部材20、30及び400と、その長手方向(搬送方向)に移動可能に係合する。これによって、パレット1が搬送方向と直交する方向の位置を規定されつつ、ガイド部材20、30及び400の案内によって、ガイド部材20、30及び400に沿って移動自在となる。
支持部113は係合部材12を支持する。本実施形態では、支持部113は摺動ガイド部材1131を搬送方向に所定の間隔を置いて2つ備える。摺動ガイド部材1131は、摺動部材1131aをZ方向に進退自在に備える。
支持部113は、また、係合部材12の上下の移動を案内する案内軸1131を備える(図17も参照)。案内軸1133には、不図示の付勢部材(例えばコイルバネ)が装着されており、係合部材12を下方に常時付勢する。
係合部材12は、搬送装置2との関係では、後述する被係合部材23と係合してパレット1の移動停止或いは停止状態を維持する制動部材として機能する。一方、搬送装置3との関係では、後述する走行部材326と係合して移動力をパレット1に伝達する伝達部材として機能する。移載装置4A、4Bとの関係でも伝達部材として機能する。このように本実施形態では、係合部材12を異なる機能部材として利用している。
本実施形態の場合、係合部材12は本体部121と、当接部122と、被操作部123と、を備える。
本体部121はX方向に延びる板状をなし、2つの摺動部材1131a、1131aのそれぞれの下端部に連結されている。これにより、係合部材12は摺動部材1131aの案内によって、Z方向に変位自在(進退自在)に移動体11に支持されると共に、上述した案内軸1133に装着された付勢部材の付勢力によりd7方向(下方)に常時付勢された状態で、本体部121に支持されている。係合部材12は、相対的に下方の位置にある場合に被係合部材23等と係合する。この下方の位置を係合位置或いは制動位置と呼ぶ。係合部材12は、相対的に上方の位置にある場合に被係合部材23等から離間され、非係合となる。この上方の位置を非係合位置或いは非制動位置と呼ぶ。
このように、本実施形態では、係合部材12を変位自在として、係合位置と非係合位置との間で変位可能としたので、パレット1の移動、停止(位置決め)を係合部材12の位置で切り替えられる。したがって、パレット1の移動機構の駆動、停止に必ずしも拘束されず、パレット1の移動、停止の自由度を向上することができる。
当接部122は、水平方向において所定の長さおよび幅を有し、本体部121の下面に取り付けられている。当接部122の下面は後述する搬送装置2の被係合部材23等に当接する当接面となり、被係合部材23等の被係合面と摩擦係合する。当接部122は摩擦係数の高い部材が好ましい。当接部122と被係合部材23等とを面で接触させることで摩擦力、つまり、係合力を向上できる。特に、本実施形態では、当接面122が被係合部材23等の長手方向に長いため、該長手方向の係合力を向上できる。
被操作部123は、係合部材12を非係合位置(非制動位置)に変位させるために外部から操作される部分である。被操作部123には、案内軸1133が挿通しており、上述した不図示の付勢部材は被操作部123に内蔵されている。
本実施形態の場合、搬送装置2はパレット1を移動する際に、被操作部123を押し上げて係合部材12を非係合位置(非制動位置)に変位させる。
このような外部入力で係合部材12を変位可能とすることで、パレット1の移動、位置決め停止の制御上の自由度を更に向上することができる。本実施形態では、被操作部123に内蔵されると共に案内軸1133に装着された付勢部材で被操作部123を係合位置方向に付勢し、外部操作によって非係合位置に変位させる構成であるが、逆の関係を採用することも可能である。
本実施形態の場合、被操作部123は逆L字型をなしており、その一方端部が本体部121に固定され、その他方端部がパレット1(支持部113の側面)からY方向に突出している。搬送装置2はパレット1を移動する際に、この突出した他方部分に係合して他方端部を押し上げることになる。支持部113には、被操作部123の移動範囲を確保するための凹部1132が形成されている。本実施形態では、載置部材10を本体部11に着脱自在とする一方、被操作部123を本体部11に支持される係合部材12に設けたことで、被操作部123に対する操作が、載置部材10の変更に影響されず、共通の操作部として操作できるように構成している。つまり、別の種類の載置部材10に交換した場合であっても、被操作部123の変更の必要はない。
<搬送装置>
次に、搬送装置2について図7乃至図14を参照して説明する。図7は搬送装置2の斜視図、図8及び図9は視点を異ならせた、搬送装置2の分解斜視図である。図10は、図7をX方向から視たY−Z平面図である。図11乃至図14は機構関連の要部の説明図となっている。まずは図7乃至図10を中心に参照して搬送装置2を説明する。
搬送装置2はガイド部材20と、移動機構22と、被係合部材23と、これらを支持する支持部材21と、を備える。支持部材21は、X方向に延設されたX−Z平面上の板状体をなし、上端部にはX方向に連続して形成される段差部21aが形成されている(図10参照)。その段差部21aにガイド部材20を当接させて支持部材21の上端部における所定の位置にガイド部材20を配置可能にしている。また、上端部は、板状体のX方向の全長のそれぞれの端部より短く形成し、ガイド部材20のそれぞれのX方向端部がそれぞれのX方向上端部から突出するように支持可能にしている。そして、共通の支持部材21にガイド部材20、移動機構22及び被係合部材23を支持させることで、各構成間の位置合わせおよび作業システム2への組立時の作業を容易化している。
ガイド部材20は、本実施形態の場合、X方向に延設されたレール状の部材であり、支持部材21のX方向の長さと同じ長さの部材である。ガイド部材20には、複数のパレット1がスライダ112を介して支持されると共に、X方向への複数のパレット1の移動を案内する。
移動機構22は、複数の係合ユニット221を備える。各係合ユニット221に対して1つのパレット1を係合し(具体的には、パレット1の被係合部13に係合し)、全係合ユニット221を同時に搬送方向に移動することで、複数のパレット1を一括して移動、位置決め停止させることができる。本実施形態の場合、上流側に待機するパレット1を保持して移送する必要があるため、係合ユニット221を更に一つ付加して備える(5つの係合ユニット221を備える)ため、最大で5つのパレット1を一括して移動することができる。なお、図8及び図9では、5つの係合ユニット221のうちの4つの係合ユニット221を図示し、残り1つを省略している。これは、複数の移動機構22を連続して配置させて搬送経路を構成する場合に採用される構成であり、それぞれの移動機構22の上流側のパレット1は、上流側に配置された異なる移動機構22の係合ユニット221によって下流側に構成される異なる移動機構22の所定の位置に移送されるためである。
各係合ユニット221は、X方向に等ピッチ(等間隔)P1で配設されている。このため、複数のパレット1を等ピッチP1で一括して移動、位置決め停止することができる。
本実施形態の場合、被係合部13に対する係合ユニット221の係合及び係合解除も一括して行う。このため、移動機構22は、全係合ユニット221を一括して、パレット1の搬送方向であるX方向及びこれに直交する方向(ここではZ方向)に往復移動させる。図7には、係合ユニット221の移動サイクルCYが図示されている。
工程ST1は、係合ユニット221をZ方向で上方の係合位置へ移動させる工程である。この工程で、被係合部13に対する係合ユニット221の状態が、係合解除状態から係合状態に移行する。続く工程ST2は、係合ユニット221をパレット1の搬送方向(X方向)にピッチPだけ移動させる工程である。この工程で、複数のパレット1が一括して搬送方向に移動される。
続く工程ST3は、係合ユニット221をZ方向で下方の係合解除位置へ移動させる工程である。この工程で、被係合部13に対する係合ユニット221の状態が、係合状態から係合解除状態に移行する。続く工程ST4は、係合ユニット221をパレット1の搬送方向と逆方向にピッチPだけ移動させる工程である。この工程で、移動サイクルCYが一巡し、係合ユニット221が元の位置に戻る。なお、図7は工程ST2の完了時の位置関係を示している。
このように係合ユニット221を一括して、循環的に移動することで、複数のパレット1を間欠的に、一括して、搬送することができる。各係合ユニット221は、X方向に等ピッチP1で配設され、かつ、ピッチP1分往復移動するため、各パレット1は等ピッチP1で移動するだけでなく、ピッチP1だけ間隔を置いた所定の停止位置に停止、位置決めされることになる。この停止位置に位置決め停止したパレット1上のワークWに対して、作業ユニットU1が作業を行うことになる。
作業ユニットU1による作業は工程ST3完了と共に開始することができる。そこで、作業中に工程ST4を実行することで、次の搬送の準備を早期に完了できる。つまり、作業ユニットU1による作業時間を利用して、係合ユニット221の復動を行うことができる。その際、パレット1を停止位置に停止させておくことが必要であるが、これは、後述するように、パレット1の係合部材12が被係合部材23と係合することで実現される。こうして、係合ユニット221の往復移動によって、複数のワークWを一括して搬送及び位置決め停止するにあたって、その効率を向上することができる。以下、移動機構22の詳細を図7乃至図10を参照して説明する。
本実施形態の場合、移動機構22は第1駆動機構222と第2第2駆動機構223とを備える。第1第1駆動機構222は、パレット1に係合ユニット221を接近/離間する方向に往復移動させる。つまり、第1駆動機構222は係合ユニット221をZ方向に往復移動し、パレット1の被係合部13に対する係合ユニット221の係合/係合解除を行う(工程ST1及びST3)。第2駆動機構223は、係合ユニット221をX方向に移動し、パレット1の搬送と、元の位置への復動とを行う(工程ST2及びST4)。このように往復移動方向が異なる2つの駆動機構を組み合わせることで、比較的簡易に係合ユニット221を循環的に移動することができる。
移動機構22は、また、支持体224及びガイド部材226を備える。支持体224は、支持板部2241とスライダ部2242とを備える。支持板部2241は、X方向に延設されたX−Z平面上の板状体をなしており、係合ユニット221及び第1駆動機構222は、支持板部2241の一方側面に取り付けられ、スライダ部2242は他方側面に取り付けられている。
スライダ部2242は、X方向に配列された複数のスライダ2242aを備える。各スライダ2242aはガイド部材226と係合してガイド部材226上をスライドする。ガイド部材226は、X方向に延設されたレール状の部材である。つまり、ガイド部材226は、ガイド部材21と平行に配設されており、支持部材21の一方側面に取り付けられている。したがって、支持体224(支持板部2241)はX方向に移動自在に支持され、この結果、係合ユニット221及び第1駆動機構222もX方向に移動自在である。
被係合部材23は、断面がL字型でX方向に延設されており、支持部材21の一方側面に取り付けられている。被係合部材23の下辺部上面が被係合面となっており、パレット1の係合部材12の当接部122と対向する位置に配置され、パレット1の係合部材12と係合する。図10は係合部材12が非係合位置(非制動位置)にある場合を示しているが、この場合、同図に示すように被係合部材23の被係合面に、係合部材12の当接部122の下面が対向し、かつ、互いに離間している。そして、係合部材12が降下して係合位置(制動位置)に変位すると両者が係合することになる。
第2駆動機構223は、支持部材21の一方側面に取り付けられ、支持体224をガイド部材226に沿って往復移動させる。本実施形態の場合、第2駆動機構223はボールネジ機構を採用したものとしているが他の種類の駆動機構であってもよい。
第2駆動機構223は、駆動ユニット2231と、ボールネジ2232と、移動ユニット2233と、を備える。
駆動ユニット2231は、例えば、モータ等の駆動源と減速機とから構成され、ボールネジ2232を回転する。ボールネジ2232はその軸方向がX方向に設定され、回転自在に支持部材21に支持されている。移動ユニット2233は、ボールネジ2232と係合するボールナットを備えており、ボールネジ2232の回転によってX方向に移動する。移動ユニット2233は、支持板部2242に連結されており、支持体224は移動ユニット2233と共に移動する。この結果、係合ユニット221及び第1駆動機構222も移動する。
移動ユニット2233には被検知片Caが設けられており、第2駆動機構223は、被検知片Caを検知するセンサSa、Saを備えている。センサSa、Saは、例えば、光センサや、押圧式スイッチである。センサSa、SaはX方向にピッチP1(図7)だけ離間して配置されている。センサSaの検知結果にしたがって駆動ユニット2231の駆動を制御することで、係合ユニット221をピッチP1だけX方向に往復移動させることができる。
ここで、5つの係合ユニット221のうち、X方向両端部に位置する2つの係合ユニット221の移動範囲について説明する。本実施形態では、図2に示したように、移載装置4Bから搬送装置2へパレット1を搬送し、また、搬送装置2から移載装置4Aへパレット1を搬送する。
そこで、第2駆動機構223は、X方向両端部に位置する2つの係合ユニット221のうち、移載装置4B側に位置している係合ユニット221については、ガイド部材20の移載装置4B側の端部となる一端を超えて移載装置4Bのガイド部材400まで移動させる。また、移載装置4A側に位置している係合ユニット221については、ガイド部材20の移載装置4A側の端部となる他端を超えて移載装置4Aのガイド部材400まで移動させる。こうすることで、搬送装置2とは別の装置(つまり、移載装置4A、4B)に対して、パレット1を搬送することが可能となり、異装置間でのパレット1と搬出入が可能となる。
このような係合ユニット221の移動範囲については、支持板部2241、スライド部2242及びガイド部材20、226のX方向の長さ、並びに、パレット1の停止位置により設定可能である。その際、少なくとも、スライド部2242は、支持板部2241、及びガイド部材20、226の中で、X方向の長さが最も短く設定される。これは、スライド部2242のスライダ2242aがガイド部材226から脱落する範囲までには支持体224を移動できないことによる。後は、支持板部2241のX方向の長さと、支持板部2241に対するスライダ部2242の取付位置と、係合ユニット221の支持板部2241に対する取付位置と、停止位置の設定(実際には、ピッチPの間隔分の位置)により、必要な移動範囲を確保できる。支持板部2241のX方向の長さは、少なくともピッチP分だけ、スライド部2242よりも長くすることが好ましい。
次に、係合ユニット221及び第1駆動機構222の構成について図11乃至図14を参照して説明する。上記の通り、図11乃至図14は機構関連の要部の説明図であるが、図12乃至図14は説明に不要な構成を省略すると共に支持板部2241等を透過した透視図となっている。
係合ユニット221は、板状のベース部材2213を備える。このベース部材2213の支持板部2241側の側面には溝が形成されており、この溝にガイド部材2214が係合している。ガイド部材2214は支持板部2241に固定され、Z方向に延びるレール状の部材であり、ベース部材2213はZ方向にスライド自在にガイド部材2214に支持されている。
係合ユニット221は、パレット1の被係合部13と係合/係合解除される係合部2211を備える。本実施形態の場合、係合部2211は、ベース部材2213の一部に形成された、上方に延びる爪状の保持部2211aと、可動の保持部2211bと、を備える。保持部2211bは、S字状に湾曲(クランク状に屈曲)した部材であり、その一方端部に、保持部2211aに対向する爪状の部分を含み、この部分と保持部2211aとによって被保持部13を囲むように係合(保持)する。
保持部2211bは、ベース部材2213に軸部2211b’を回動中心として移動方向となるd14方向(図12)に回動自在に支持されている。d14方向の保持部2211bの回動動作は、その爪状の部分が保持部2211aに対して接近離間(開閉)する方向の動作となる。保持部2211bの他方端部とベース部材2213との間には、コイルスプリング等の弾性部材2216が設けられている。弾性部材2216は保持部2211bを閉方向に常時付勢する付勢力を付与する。
保持部2211bを回動可能とし、かつ、弾性部材2216でこれを閉方向に付勢することで、パレット1の被保持部13を保持部2211aと保持部2211bとで挟み込むようにして、保持力(係合力)を向上できる。その一方、パレット1の搬送中に、パレット1を停止させる想定外の外力が作用した場合、弾性部材2216の弾性力(付勢力)以上の抗力が被保持部13との干渉によって発生し、保持部2211bが開方向に回動して保持状態が解除され、過負荷による第2駆動機構223の故障を回避できる。
保持部2211bには、被検知片Cbが取り付けられている。ベース部材2213には、被検知片Cbの位置を検出する、光センサや押圧式スイッチ等のセンサSbが取り付けられている。センサSbの検出結果に基づいて、保持部2211bの開閉状態を判定し、パレットに係合(保持)して移動中に開状態にある場合には、第2駆動機構223を緊急停止するといった制御を行うことができる。
ベース部材2213の支持板部2241側の側面には、この側面から突出する操作部2212が取り付けられている。
操作部2212は、支持板部2241に設けた長孔状の開口部を通過してパレット1側に延出している。操作部2212は、ローラ状の先端部分を有しており、この先端部分は被操作部123の突出部分の下方に位置している。係合ユニット221のZ方向の移動によって、この操作部2212もZ方向に移動する。操作部2212は、Z方向上側に移動すると、その先端部分が係合部材12の被操作部123に当接して被操作部123を押し上げる。その結果、パレット1の係合部材12は非係合位置(非制動位置)に変位することになる。逆に、操作部2212が、Z方向下側に移動すると、その先端部分が係合部材12の被操作部123から離間する。このため、パレット1の案内軸1133に装着された不図示の付勢部材の付勢により係合部材12が係合位置(制動位置)に変位することになる。
ここで、図7を参照して説明したとおり、係合ユニット221は相対的に上方の係合位置でパレット1の被係合部13と係合し、相対的に下方の係合解除位置でパレット1の被係合部13との係合が解除される。つまり、係合ユニット221が係合位置に移動する場合、操作部2212もZ方向上側に移動するから、パレット1の係合部材12は非係合位置(非制動位置)に変位することになり、パレット1を移動可能となる。逆に、係合ユニット221が係合解除位置に移動する場合、操作部2212もZ方向下側に移動するから、パレット1の係合部材12は係合位置(制動位置)に変位することになり、パレット1が停止状態となる。
このように本実施形態では、パレット1に対する係合部2211の係合/係合解除に連動して、係合部材12が非制動位置/制動位置で変位するよう操作部2212によって操作される。この結果、パレット1の移動、位置決め停止をスムースに行うことができ、複数のワークを一括して搬送及び位置決め停止するにあたって、その効率を向上することができる。特に、係合部2211の係合/係合解除と、係合部材12の非制動位置/制動位置とが機構的に連動するので、両者の対応関係を、より確実に実現できる。
しかも、操作部2212を介して、搬送装置2の第1駆動機構222の駆動力を利用して係合部材12を変位させるので、パレット1側には係合部材12を変位させるための、モータ等の駆動源を必要としない。これは、パレット1の軽量化や構成の簡素化に寄与する。
次に、第1駆動機構222について説明する。第1駆動機構222は、駆動力発生部2221と、駆動力伝達部材2222と、変換機構2223と、を備える。駆動力発生部2221は、本実施形態の場合、駆動源として電動シリンダ2221aを備える。電動シリンダ2221aは、そのロッド部がX方向に進退するように、支持部材2221dを介して支持板部2241に支持されている。ロッド部にはリンク部材2221bの一方端部が回動自在に連結されている。
リンク部材2221bは、その中央部分において、軸部材2221cを介して支持部材2221dに回動自在に支持されている。リンク部材2221bの他方端部は、駆動力伝達部材2222に回動自在に連結されている。
駆動力伝達部材2222は、本実施形態の場合、X方向に延設された軸部材であり、駆動力発生部2221が発生する駆動力を全ての係合ユニット221に供給する。駆動力伝達部材2222は、複数の筒状ガイド部材2222aを介して、X方向に変位可能に支持板部2241に支持されている。電動シリンダ2221aのロッド部が、X方向であるd11方向(図11)に進退すると、リンク部材2221bが回動して、駆動力伝達部材2222は、X方向の移動方向であるd12方向に移動することになる。本実施形態では、駆動力伝達部材2222による駆動力伝達態様を、駆動力伝達部材2222の並進運動としたが、駆動力伝達部材2222の軸心を中心とした回転運動としてもよい。
変換機構2223は、係合ユニット221毎に設けられており、動力伝達部材2222から伝達される駆動力を、係合ユニット221がパレット1に接近/離間する方向に移動させる力(方向)に変換する。つまり、係合ユニット221を係合位置と係合解除位置との間で変位させる。
本実施形態の場合、変換機構2223は、レバー部材22231と、弾性部材2224と、を備える。弾性部材2224は、例えば、コイルスプリングであり、係合ユニット221のベース部材2213と、支持板部2241との間に設けられている。弾性部材2224は、Z方向上向きの動作方向であるd13方向(図12)にベース部材2213を常時付勢する。つまり、弾性部材2224は係合ユニット221を係合位置に常時付勢している。
レバー部材22231は軸部材22232を介して回動自在に支持板部2241に支持されている。レバー部材22231の一方の端部22231bは、駆動力伝達部材2222に回動自在に連結されている。レバー部材22231の他方の端部22231aはフック形状をなしている。ベース部材2213には、端部22231aと係合する係合部2215が設けられている。
しかして、図13及び図14において、駆動力伝達部材2222がX方向であるd15(=d12)方向に移動すると、レバー部材22231がd16方向に回動し、端部2231aが係合部2215と係合してd17方向(下方)に押し下げる。この結果、弾性部材2224の付勢力に抗して、係合ユニット221が係合解除位置に降下することになる。駆動力伝達部材2222をd15方向(=d12)と逆方向に移動すると、レバー部材22231はd16方向と逆方向に回動し、端部2231aが係合部2215から離間する。この結果、弾性部材2224の付勢力によって、係合ユニット221が係合位置に上昇することになる。
こうして本実施形態では、共通の駆動力伝達部材2222の移動によって、各係合ユニット221の変換機構2223を作動することで、単一の駆動源(電動シリンダ2221a)で、全係合ユニット221を一括してZ方向に移動することができる。なお、本実施形態においての動作は、係合ユニット221を搬送方向となるX方向および上下方向のZ方向に所定の順序に従ってそれぞれ一動作ずつ移動する循環的移動動作として説明したが、それぞれの方向への移動動作を複数回繰り返す往復動作をさせてもよい。例えば、X方向への動作は、パレット1を保持した状態でピッチP間を繰り返し往復動作させるようにしてもよい。
<搬送装置>
次に、搬送装置3について図15乃至図17を参照して説明する。図15及び図16は視点を異ならせた、搬送装置3の斜視図である。図17は搬送装置3の説明図であり、係合部材12と走行部材326との係合態様を示す図である。
搬送装置3は、ガイド部材30と、支持部材31と、第3駆動機構32と、複数のセンサ33と、を備える連続移動機構である。搬送装置3はガイド部材30上で複数のパレット1をX方向に連続して搬送可能である。
ガイド部材30は、本実施形態の場合、X方向に延設されたレール状の部材であり、支持部材21のX方向の長さと同じ長さの部材である。ガイド部材30には、パレット1がスライダ112を介して支持されると共に、Y方向への移動が規定され、X方向へのパレット1の移動を案内する。
支持部材31はX方向に延設されたX−Z平面上の板状体をなし、上端部にはX方向に連続して形成される段差部31aが形成されている。その段差部31aにガイド部材30を当接させて支持部材31の上端部における所定の位置にガイド部材30を配置可能にしている。また、上端部は、板状体のX方向の全長のそれぞれの端部より短く形成し、ガイド部材30のそれぞれのX方向端部が支持部材31のそれぞれのX方向上端部から突出するように支持可能にしている。そして、ガイド部材30及び第3駆動機構32は支持部材31に支持されている。
第3駆動機構32は、パレット1の係合部材12と係合して、パレット1をガイド部材30に沿って連続的に移動させる。本実施形態では、搬送装置3においては係合部材12をパレット1の停止ではなく、移動のために用いる。
第3駆動機構32は、本実施形態の場合、駆動ユニット321、駆動ローラ322、複数の従動ローラ323、テンションローラ324、複数の支持ローラ325及び走行部材326を備える。
駆動ユニット321は、例えば、モータと減速機とから構成され、駆動ローラ322を回転駆動する。
走行部材326は、駆動ローラ322、複数の従動ローラ323及びテンションローラ324に巻き回された無端のベルトである。つまり、本実施形態では、第3駆動機構32はベルト伝動機構である。テンションローラ324はX方向に位置調整可能に支持部材31に取り付けられており、走行部材326の張力を調整可能となっている。
走行部材326は、これらのローラ322、323及び324の他に、複数の支持ローラ325によって支持されている。支持ローラ325は、一部の従動ローラ323及びテンションローラ324と共に、X方向に配列されており、これらは等ピッチP2で配設されている。
本実施形態の場合、走行部材326は、その上側走行部分においてパレット1の係合部材12と摺接して係合する。係合部材12は、案内軸1133に装着された不図示の付勢部材によって下方(図17のd22方向)へ付勢されることにより走行部材326と摩擦係合するが、走行部材326の張力のみでは、係合部材12と走行部材326との摩擦係合力が不十分となる場合がある。そこで、本実施形態では、支持ローラ325を設けて走行部材326をその下側から支持し、案内軸1133に装着された不図示の付勢部材による係合部材12の下方への付勢に、支持ローラ325で対抗するようにしている。その結果、係合部材12の付勢力を維持するように走行部材326の上下方向の位置を所定の位置に規定できるようにしている。
係合部材12は、パレット1の移動方向(X方向)に所定の長さLを有し、ピッチP2は長さLよりも短く設定している。これにより、常に係合部材12の下方にいずれかのローラ323〜325が存在し、走行部材326が係合部材12とローラとに挟まれて(ローラによって走行部材326が所定のZ方向の位置に規定され、係合部材12の押付け力によりローラに走行部材326が押付けられることで)摩擦係合力を向上できる。なお、好ましくは、長さL>2×P2である。この場合、常に係合部材12の下方に2つのローラ322〜325が存在するので、摩擦係合力を安定させることができる。
駆動ユニット321の駆動により、走行部材326を走行させると、その移動力が係合部材12を介してパレット1に伝達され、パレット1を移動できる。走行部材326は無端の部材であるから、パレット1を連続的に移動することが可能である。
上記の通り、搬送装置3はワークWの搬入出ステーションを構成している。パレット1に対するワークWの搬入出は、パレット1を移動したまま行うこともできるし、停止してもよい。パレット1を停止する際には搬送装置3自体を必ずしも停止する必要は無い。つまり、搬出装置或いは搬入装置がパレット1の被操作部123を操作して係合部材12を非係合位置に変位させればパレット1に走行部材326から移動力が伝達されなくなり、その停止が可能である。
センサ33は、搬送装置3へのパレット1の搬入、搬出をそれぞれ検出するためのセンサであり、ガイド部材30の一端部と他端部にそれぞれ配設されている。センサ33は、例えば、光センサや、押圧式スイッチである。
<移載装置>
次に、移載装置4A及び4Bについて図18及び図19を参照して説明する。上記の通り、移載装置4Aと移載装置4Bとは同様の構成である。そこで、移載装置4Aのみについて説明する。図18は移載装置4Aの分解斜視図であり、図19は移載装置4Aの固定ユニット40Aの分解斜視図である。
移載装置4Aは、固定ユニット40A及び40Bと、可動ユニット41と、移動装置42と、複数のセンサ43と、を備える。複数のセンサ43は、固定ユニット40Aから可動ユニット41へのパレット1の移動、可動ユニット41から固定ユニット40Bへのパレット1の移動、をそれぞれ検出するように配設されている。センサ43は、例えば、光センサや、押圧式スイッチである。
<固定ユニット>
固定ユニット40Aは搬送装置2と連続して配置されており、固定ユニット40Bは搬送装置3と連続して配置されている。固定ユニット40A及び40Bは互いに同様の構成であり、固定ユニット40Aのみについて説明する。
固定ユニット40Aは、ガイド部材400と、駆動機構410と、固定部材420と、センサ430と、を備える。固定部材420は固定ユニット40Aを床上に固定するための部材である。センサ430は固定ユニット40Aへのパレット1の搬入や搬出を検出するためのセンサであり、例えば、光センサや、押圧式スイッチである。
ガイド部材400は、本実施形態の場合、X方向に延設されたレール状の部材であり、支持部材411のX方向の長さと同じ長さの部材である。ガイド部材400には、パレット1がスライダ112を介して支持されると共に、Y方向への移動が規定され、X方向へのパレット1の移動を案内する。
ガイド部材400は、支持部材411の上端部に載置支持され、ガイド部材400のそれぞれのX方向端部が支持部材411のそれぞれのX方向上端部から突出するように支持される。そしてガイド部材400は、搬送装置2のガイド部材20と連続して配置され、これらの各端部は連結部材401で連結されると共に位置決めされる。
連結部材401は部品401aと部品401bを組み合わせて構成され、上端部に凹部が形成される。本実施例では、凹部の一方が部品401aの上端部に一方段差部として形成され、凹部の他方が部品401bの上端部に他方段差部として形成されている。そして、部品401aに形成された一方段差部にガイド部材20及び400のそれぞれの一側方部を各端部を含んだ状態で当接させ、ガイド部材20と部品401aをガイド部材400と部品401aをそれぞれ連結させる。その後、部品401bに形成された他方段差部をガイド部材20及び400のそれぞれの他方部に当接させつつ部品401aと部品401bとを連結させてガイド部材20及び400の互いの位置決めがなされると共に連結される。そして、支持部材21および支持部材411の一方端部に形成された空間部に収容される。このような連結部材401により、ガイド部材20及び400の位置決めおよび位置合わせが容易に確実にでき、パレット1がそれぞれのガイド部材に沿ってスムースに移動が可能となる。
なお、固定ユニット40Bのガイド部材400は搬送装置3のガイド部材30と連続して配置され、ガイド部材20及び400と同様に連結部材401によって互いに連結される。
駆動機構410は、支持部材411、駆動ユニット412、駆動ローラ413、従動ローラ414、支持ローラ415a、テンションローラ415b及び走行部材416を備える。
支持部材411はX方向に延設されたX−Z平面上の板状体をなし、上端部にはX方向に連続して形成される段差部411aが形成されている。その段差部411aにガイド部材400を当接させて支持部材411の上端部における所定の位置にガイド部材400を配置可能にしている。また、支持部材411のX方向上端部は、板状体のX方向の全長のそれぞれの端部より短く形成し、ガイド部材20のそれぞれのX方向端部がそれぞれのX方向上端部から突出するように支持可能にしている。そして、ガイド部材400及び駆動機構410の他の構成は支持部材411に支持されている。
駆動機構411は、パレット1の係合部材12と係合して、パレット1をガイド部材400に沿って移動させる。搬送装置3と同様、移載装置4Aにおいては、係合部材12をパレット1の停止ではなく、移動のために用いる。
駆動ユニット412は、例えば、モータと減速機とから構成され、駆動ローラ413を回転駆動する。
走行部材416は、駆動ローラ413、従動ローラ414及びテンションローラ415bに巻き回された無端のベルトである。つまり、本実施形態では、駆動機構410はベルト伝動機構である。テンションローラ415bはZ方向に位置調整可能に支持部材411に取り付けられており、走行部材416の張力を調整可能となっている。
走行部材416は、これらのローラ413、414及び415bの他に、支持ローラ415によって支持されている。支持ローラ415の役割は、搬送装置3の支持ローラ325と同様であり、走行部材416をその下側から支持し、ローラ413、414と協働して不図示の付勢部材による係合部材12の下方への付勢に支持ローラ415で対抗できるようにしたものである。
なお、本実施形態の場合、固定ユニット4Aは約1個のパレット1を搭載可能な大きさを有している。このため、支持ローラ415も1つのパレット1の係合部材12の下方向への移動を規定するのに必要な数(ここでは1個)としている。
駆動ユニット412の駆動により、走行部材416を走行させると、その移動力が係合部材12を介してパレット1に伝達され、パレット1を移動できる。固定ユニット40Aは、搬送装置2から可動ユニット41へのパレット1の搬送を、固定ユニット40Bは、可動ユニット41から搬送装置3へのパレット1の搬送を、それぞれ行う。
<可動ユニット及び移動装置>
可動ユニット41は、固定ユニット40A及び40Bと同様の構成であり、図18において同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。可動ユニット41は、固定ユニット40A及び40Bの固定部材420を有していない。
移動装置42は、可動ユニット41を、固定ユニット40Aと連続する第1移載位置(図18の位置)と、固定ユニット40Bと連続する第2移載位置と、の間でY方向に往復移動するための装置である。
可動ユニット41と固定ユニット40Aとが連続する第1移載位置では、固定ユニット40Aは、X方向で可動ユニット41と搬送装置2のガイド部材20の一端との間に位置し、ガイド部材20と固定ユニット40Aのガイド部材400と可動ユニット41のガイド部材400とがX方向に連続した配置状態となる。
可動ユニット41と固定ユニット40Bとが連続する第2移載位置では、固定ユニット40Bは、X方向で可動ユニット41と搬送装置3のガイド部材20の一端との間に位置し、ガイド部材20と固定ユニット40Bのガイド部材400と可動ユニット41のガイド部材400とがX方向に連続した配置状態となる。
搬送装置2及び3はパレット1をX方向に移動するが、この移動装置42と可動ユニット41とによって、パレット1をX方向と異なる方向(本実施例では、Y方向)に移動できることになる。
移動装置42は、一対のガイド部材421と、スライド部材422と、駆動ユニット423と、ボールネジ424と、ボールナット425と、を備える。本実施形態では、ボールネジ機構を採用したが、ラックアンドピニオン機構等、他の機構を採用してもよい。
一対のガイド部材421は、互いにX方向に離間して、Y方向に平行に延設されている。スライド部材422は、一対のガイド部材421に跨って配置され、一対のガイド部材421と係合して、Y方向にその移動を案内する。スライド部材422には可動ユニット41が搭載される。
駆動ユニット423は、例えば、モータと減速機とからなり、ボールネジ424を回転駆動する。ボールネジ424はその軸方向がY方向とされ、その場で回転自在に支持されている。ボールナット425はスライド部材422に固定されると共にボールネジ424と係合し、ボールネジ425の回転によってY方向に往復移動する。
このような構成によって、移動装置42は、駆動ユニット423の駆動にてスライド部材422を移動し、可動ユニット41を移動することができる。
係る構成からなる移載装置4Aは、まず、固定ユニット40Aが第1移載位置で搬送装置2からパレット1を受け取り、可動ユニット41へパレット1を搬送する。次に、移動装置42が可動ユニット41を搬送装置3側の第2移載位置へ移動し、固定ユニット40Bへパレット1を搬送する。更に、固定ユニット40Bが搬送装置3へパレット1を搬送することになる。
本実施形態では、固定ユニット40A及び40Bを設けたが、これを設けずに、搬送装置2及び3と、可動ユニット41との間でパレット1の移載を直接行う構成も採用可能である。しかし、可動ユニット41は、その移動に時間を要する。固定ユニット40A及び40Bを設けたことで、可動ユニット41が移動中の場合であっても、搬送装置2から固定ユニット40Aへのパレット1の搬送や、固定ユニット40Bから搬送装置3へのパレット1の搬送が可能となる。つまり、固定ユニット40A及び40Bは、パレット1のバッファとして機能し、これによりシステム全体でのパレット1の搬送効率を向上できる。
<他の実施形態>
<係合部材12の変位機構>
上記実施形態では、係合部材12を案内軸1133に装着した不図示の付勢部材の付勢で係合位置に変位させ、操作部2212の操作で非係合位置に変位する構成としたが、操作部2212の操作で、係合位置と非係合位置との間で変位する構成としてもよい。
図20は、その一例を示す。同図の例では、被操作部123が、Z方向に互いに離間した突出部123a、123bを備える。そして、操作部2212が突出部123aを介して係合部材12を押し上げることで係合部材12が非係合位置に変位し、突出部123bを介して係合部材12を押し下げることで係合部材12が係合位置に変位する。この構成の場合、係合部材12を係合位置に維持する構成としては、付勢部材に代えて、例えば、トグル機構を設けて、係合位置と非係合位置との2つの位置に位置固定可能にすればよい。
<搬送装置3の他の構成例>
上記実施形態では、搬送装置3は、1つのベルト伝動機構を構成する1つのユニットであるが、1つのベルト伝動機構を構成する複数のユニットから構成してもよい。図21はその一例を示す。同図の搬送装置3’は、移載装置4A、4Bに使用した固定ユニット40AをX方向に複数並べて配置する。また、それぞれの固定ユニット40Aに構成されるそれぞれのガイド部材400は、それぞれの端部同士の端面が対向した状態で配置されると共に連結部材401により位置決めおよび位置合せされ、連結して構成されている。このような構成であっても、搬送装置3と同様の機能を得られる。また、固定ユニット40Aを利用することで、移載装置4A、4Bとユニットの共通化を図ることができると共に、搬送装置3’のY方向の全長を変更することが容易化する。
また、上記実施形態では、搬送装置3の第3駆動機構32をベルト伝動機構で構成したが、これに限られない。例えば、チェーン伝動機構でもよい。また、ローラコンベアとしてもよい。図22はローラコンベアとした場合の説明図である。同図の第3駆動機構32’は、走行ローラRLがパレット1の搬送方向に複数配列されている。各走行ローラRLにはその同軸上に動力伝達用の回転部材PLが固定されている。各回転部材PLと、駆動輪DP、従動輪APには走行部材VLが巻き回されており、駆動輪DPの駆動によって走行部材VLを走行させることで、回転部材PLが回転し、走行ローラRLに回転駆動力が付与される構成である。
走行ローラRLには係合部材12が摺接し、走行ローラRLの回転によって係合部材12を移動させ、これによりパレット1を移動させる。走行ローラRLは等ピッチで配設することが好ましく、この場合のピッチは、支持ローラ325のピッチP2と同様、係合部材12の長さLよりも短くし、特に、長さL>2×ピッチとすることが好ましい。
また、上記作業システムAにおける搬送システムCSは、1つの搬送装置2及び3と、移載装置4A、4Bと、を備えた循環搬送経路を形成しているが、これに限られない。例えば、搬送装置2を複数連続して搬送方向に並べて配置させたり、複数の搬送装置2の間に搬送装置3を配置したりして搬送経路を形成させてもよい。また、移載装置4A、4Bは、水平方向への移動以外に、上下方向への昇降動作を行う昇降装置であってもよい。