JP5976550B2 - 蛍光insituハイブリダイゼーションによる癌抑制遺伝子の欠失を検出するための方法、プローブセットおよびキット - Google Patents
蛍光insituハイブリダイゼーションによる癌抑制遺伝子の欠失を検出するための方法、プローブセットおよびキット Download PDFInfo
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Description
(a)癌抑制遺伝子を含む染色体上の少なくとも1つの境界ゾーンを同定するステップであって、少なくとも1つの境界ゾーンが、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンを含むステップ、
(b)第1の境界ゾーン内の核酸配列に、または第1の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第1のフランキングプローブを提供するステップ、
(c)癌抑制遺伝子に対してテロメア側の核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第2のフランキングプローブを提供するステップ、および
(d)境界ゾーンの間の癌抑制遺伝子における核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを提供するステップ
を含む方法である。
(a)複数の細胞を含む細胞試料についてプローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含むステップ、
(b)複数の細胞において、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度が、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度が、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含むステップ、ならびに
(e)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度がアーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子のヘミ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または見かけ上のホモ接合性欠失頻度がアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法である。
(a)プローブセットを用いて複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含むステップ、
(b)複数の細胞または複数の複数の細胞において、少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブ、少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、エンドポイントの少なくとも1つが、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、エンドポイントの少なくとも1つが、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップならびに
(g)少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子の小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子の大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法である。
(a)複数の候補プローブセットを提供するステップであって、それぞれの候補プローブセットは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含むステップ、
(b)それぞれの候補プローブセットについて、
(i)癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの細胞試料について、候補プローブセットを用いてFISHを実行し、
(ii)少なくとも1つの試料の複数の細胞において候補プローブセットの少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数え、
(iii)ステップ(ii)の数えられたFISHシグナルからアーチファクト欠失頻度を決定するステップ、ならびに
(c)癌抑制遺伝子の欠失について最適化されたFISHベースのアッセイにおける使用のための候補プローブセットからプローブセットを選択するステップであって、選択されたプローブセットは、ステップ(iii)において好ましいアーチファクト欠失頻度を有すると決定されたステップ
を含む方法である。
(a)複数の細胞を含む細胞試料についてプローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する、またはその代わりに、TMPRSS2およびERG遺伝子によって包含される領域内に位置する少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、
少なくとも1つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、および
少なくとも1つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブを含むステップ、
(b)複数の細胞において、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、アーチファクトホモ接合性欠失頻度がステップ(c)において提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、アーチファクトヘミ接合性欠失頻度がステップ(c)において提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含むステップ、ならびに
(e)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度がアーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つのヘミ接合性欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または見かけ上のホモ接合性欠失頻度がアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つのホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法である。
(a)プローブセットを用いて複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも2つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも2つの標的プローブ、
少なくとも2つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、
少なくとも2つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、
ならびに、任意選択で、第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含むステップ、
(b)複数の細胞または複数の複数の細胞において、少なくとも2つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブ、少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに存在する場合、少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にあるステップ、
(d)標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間に存在しないか、または(ii)少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つが使用される場合、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にあるステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間に存在しないか、または(ii)少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つが使用される場合、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップならびに
(g)少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、細胞試料または第1の細胞試料および第2の細胞試料が、標的遺伝子の少なくとも1つの小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、細胞試料または第1の細胞試料および第2の細胞試料が、標的遺伝子の少なくとも1つの大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法である。
(項目1)
FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイのためのプローブセットを調製する方法であって、
(a)癌抑制遺伝子を含む染色体上の少なくとも1つの境界ゾーンを同定するステップであって、前記少なくとも1つの境界ゾーンが、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンを含むステップ、
(b)前記第1の境界ゾーン内の核酸配列に、または前記第1の境界ゾーンに比べて前記癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第1のフランキングプローブを提供するステップ、
(c)前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第2のフランキングプローブを提供するステップ、および
(d)前記境界ゾーンの間の前記癌抑制遺伝子における核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを提供するステップ
を含む、方法。
(項目2)
癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)複数の細胞を含む細胞試料について、プローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、前記プローブセットは、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞において、前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブならびに前記少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含む、ステップ、ならびに
(e)前記見かけ上のヘミ接合性欠失頻度が前記アーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子のヘミ接合性欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または前記見かけ上のホモ接合性欠失頻度が前記アーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む、方法。
(項目3)
癌抑制遺伝子の小さな欠失および大きな欠失を識別可能に検出するためのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)プローブセットを用いて、複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて、複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて前記第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、前記プローブセットは、前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに前記第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞または複数の前記複数の細胞において、前記少なくとも1つの標的プローブならびに前記少なくとも第1のフランキングプローブ、前記少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに前記少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、前記エンドポイントの少なくとも1つが、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、前記エンドポイントの少なくとも1つが、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、ならびに
(g)前記少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が、前記少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子の小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、前記少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子の大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む、方法。
(項目4)
癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを最適化する方法であって、
(a)複数の候補プローブセットを提供するステップであって、それぞれの候補プローブセットは、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含む、ステップ、
(b)それぞれの候補プローブセットについて、
(i)前記癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの細胞試料について前記候補プローブセットを用いてFISHを実行し、
(ii)前記少なくとも1つの試料の前記複数の細胞において前記候補プローブセットの前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブならびに前記少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数え、そして
(iii)ステップ(ii)の数えられたFISHシグナルからアーチファクト欠失頻度を決定するステップ、ならびに
(c)癌抑制遺伝子の欠失について最適化されたFISHベースのアッセイに使用するための前記候補プローブセットからプローブセットを選択するステップであって、選択されたプローブセットは、ステップ(iii)において好ましいアーチファクト欠失頻度を有すると決定された、ステップ
を含む、方法。
(項目5)
第21染色体のバンド21q22.13−21q22.3における欠失についてのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)複数の細胞を含む細胞試料について、プローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、
前記プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、
前記少なくとも1つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、ならびに、
前記少なくとも1つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ
を含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞において、前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブならびに前記少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含む、ステップ、ならびに
(e)前記見かけ上のヘミ接合性欠失頻度が前記アーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記標的遺伝子の少なくとも1つのヘミ接合性欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または前記見かけ上のホモ接合性欠失頻度が前記アーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記標的遺伝子の少なくとも1つのホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む、方法。
(項目6)
第21染色体のバンド21q22.13−21q22.3における小さな欠失および大きな欠失を識別可能に検出するためのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)プローブセットを用いて、複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて、複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて前記第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、
前記プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも2つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも2つの標的プローブ、
前記少なくとも2つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、
前記少なくとも2つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに必要に応じて
前記第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つ
を含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞または複数の前記複数の細胞において、前記少なくとも2つの標的プローブならびに前記少なくとも第1のフランキングプローブ、前記少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに存在する場合、前記少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する前記標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、前記エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にある、ステップ、
(d)前記標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間に存在しないか、または(ii)前記少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを使用した場合、前記エンドポイントの少なくとも1つは、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する、前記標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、前記エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にある、ステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間に存在しないか、または(ii)前記少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを使用した場合、前記エンドポイントの少なくとも1つは、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、ならびに
(g)前記少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が前記少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記細胞試料が、前記標的遺伝子の少なくとも1つの小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、そして前記少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記細胞試料が、前記標的遺伝子の少なくとも1つの大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップを含む、方法。
(項目7)
PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
(項目8)
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、DYRK1AまたはERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、ならびにTMPRSS2またはU2AF1にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
(項目9)
PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびWAPALにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
前述の全般的な説明および実施形態の以下の説明の両方は、単に、例示的かつ説明的なものであり、特許請求されるように、本発明を限定するものではないことが理解されたい。
本発明の実施形態は、FISHベースのアッセイを行う方法、FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイのためのプローブを調製する方法、癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを最適化するための方法、ならびにFISHベースの癌抑制因子欠失アッセイに有用なプローブセット、組成物、およびプローブを含むキットを含む。
本明細書において使用されるように、「境界ゾーン」は、欠失のエンドポイントが高頻度で生じる染色体の領域である。染色体上の癌抑制遺伝子の近くの境界ゾーンの位置は、多くの試料について欠失のエンドポイントを測定し、多くのエンドポイントが密集する領域を同定することによって決定することができる。試料の集団における欠失エンドポイントは、FISHまたは比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)を使用するアレイなどのような技術によって測定することができ、これは、セクションC.1において下記にさらに説明される。いくつかの実施形態では、境界ゾーンのサイズは、50kb、100kb、200kb、300kb、400kb、500kb、もしくは1Mb以上および/または1.5Mb、2Mb、3Mb、4Mb、もしくは5Mb以下である。境界ゾーンは、CGHによって同定される壊れやすい領域を含む。
本発明は、欠失検出のための3色以上のFISHアッセイのためのプローブの調製に部分的に関する。プローブは、たとえば、ヒト癌において頻繁に欠失しているDNAの0.5〜10メガベース(mb)の間のゲノム区間内におよびその末端にまたはその末端の近くにハイブリダイゼーション部位を有するように設計することができる。癌抑制遺伝子にハイブリダイズする標的プローブが、調製され、癌抑制遺伝子に対してテロメア側にあるおよびセントロメア側にあるハイブリダイゼーション部位を有するフランキングプローブが提供される(図2A)。
境界ゾーンは、Beroukhim Rら、The landscape of somatic copy−number alteration across human cancers、Nature 2010年;463巻:899〜905頁において記載されている[http://www.broadinstitute.org/tumorscape/pages/portalHome.jsf]で入手可能なものなどのようなパブリックドメインデータセットに由来する比較ゲノムハイブリダイゼーションデータを使用して同定することができる;Liu Wら、Copy number analysis indicates monoclonal origin of lethal metastatic prostate cancer, Nat Med 2009年;15巻:559〜65頁およびFerreira BIら、Array CGH and gene−expression profiling reveals distinct genomic instability patterns associated with DNA repair and cell−cycle checkpoint pathways in Ewing’s sarcoma, Oncogene 2008年;27巻:2084〜2090頁もまた、参照されたい。典型的に、これらのデータセットは、欠失を含まない正常な細胞由来の識別可能に標識された参照DNAと共に、高解像度ゲノムマイクロアレイに対して、対象の癌抑制因子の欠失を含む可能性がある複数の癌性試料、たとえば腫瘍試料由来の標識DNAを用いて比較ハイブリダイゼーション実験を実行することによって得られた。一度、複数の試料由来のゲノムDNAが、対象の癌抑制因子の頻繁な欠失を有するサブセットを含むように決定されたら、境界ゾーンは、個々の試料における別個のコピー数変化として同定される欠失ブレークポイントのクラスターがある領域として同定することができる。これは、対象の癌抑制因子に近づく位置と共に、コピー数における著しい減少として、癌性試料の集団における位置ごとの平均存在量から同定することができる。たとえば、参照に比べた平均コピー数は、500kb、750kb、1Mb、1.5Mb、または2Mbなどのような長さにわたり、15%、20%、または25%などのような量、減少してもよい。
プローブは、プローブが、50%ホルムアミドを有する2×SSCにおける45℃などのような低ストリンジェンシー条件下でFISHによって検出に十分な程度まで塩基対を安定して形成する場合、部位にハイブリダイズすると考えられる。一般に、より低いストリンジェンシーは、低温および高塩濃度に関連する(Bayani J、Squire JA, Fluorescence in situ Hybridization (FISH), Curr Protoc Cell Biol. 2004年;第22章:Unit 22.4)。
本発明によるプローブセットを調製する方法は、典型的に、癌抑制遺伝子における核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブおよび少なくとも2つのフランキングプローブを提供するステップを含み、一方は、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側にある部位にハイブリダイズし、一方は、癌抑制遺伝子に対してテロメア側にハイブリダイズする。
フランキングプローブは、境界ゾーンに関して位置づけることができる。あるフランキングプローブは、第1の境界ゾーン内の核酸配列に、または第1の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズすることができ、別のフランキングプローブは、第2の境界ゾーン内の核酸配列に、または第2の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズすることができる。いくつかの実施形態では、これらの配列は、第1の境界ゾーンまたは第2の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子に対して遠位にある。
方法は、さらなる境界ゾーン(第3の境界ゾーン、第4の境界ゾーン、または第5の境界ゾーンなど)を同定するステップおよびそれぞれのさらなる境界ゾーンに対して、さらなる境界ゾーン内の核酸配列に、またはさらなる境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズするプローブを提供するステップをさらに含むことができ、ハイブリダイゼーション部位は、境界ゾーンに近くてもよい。3つ以上の境界ゾーンが同定される場合、欠失サイズは、試料の間で変動する傾向があることが予想される。プローブセットは、標的プローブにより近い、1つまたは複数のフランキングプローブからのFISHシグナルが、標的プローブ自体からのFISHシグナルと同様に欠けているかどうかに基づいて欠失のサイズに関する情報を得るために使用することができる。
境界ゾーンを同定することに加えて、プローブセットを調製する方法は、プローブを提供するステップを含む。プローブとして使用されるDNAは、たとえば、蛍光顕微鏡法によって目に見えるシグナルを生成するために、1つもしくは複数の先在する宿主株もしくはBAC/コスミドライブラリーからBACもしくはコスミドDNAを単離するまたは1つもしくは複数の新しいBACもしくはコスミドを構築すること;ゲノムまたはクローニングDNAを増幅すること(たとえばポリメラーゼ連鎖反応またはローリングサークル増幅);またはたとえば、標的ゲノムにおける十分に大きな領域(たとえば少なくとも50kbもしくは少なくとも100kb)を網羅するオリゴヌクレオチドのセットなどDNAを人工的に合成することによって得ることができる。プローブがハイブリダイズする領域のサイズは、50kbもしくは100kb以上および/または150kb、200kb、300kb、400kb、もしくは500kb以下である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法に従って調製される少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1および第2のフランキングプローブは、FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイにおいて使用することができ、アッセイは、5μmの厚さを有し、5μm未満の平均核直径を有するホルマリン固定パラフィン包埋細胞性試料に対して、20%、25%、30%、または35%未満のアーチファクト欠失頻度プラス3標準偏差として決定される有意性閾値を有する。癌性前立腺試料などのような試料由来のFFPE切片における完全な核は、完全な球体として存在しないが、切片調製の間に圧縮されてわずかに楕円形になる傾向があってもよい。
本発明は、上記に記載される方法に従って調製されるプローブセットに関する。
本発明のプローブセットは標識することができる。非標識形態であるが、ハイブリダイゼーションに先立ってプローブの識別可能な標識を可能にする様式(たとえば別々の溶液または凍結乾燥体として)でプローブセットを提供することもまた、可能である。
いくつかの実施形態では、本発明のプローブセットは、上記に定義されるように、染色体計数プローブを含む。いくつかの実施形態では、染色体計数プローブ、たとえばCEP10プローブ(Vysis Abbott Molecular、Des Plaines、IL、USA)は、第10染色体上にハイブリダイゼーション部位を有する。
本発明は、上記に記載されるプローブセットを含むキットに関する。キットはまた、プロテアーゼ(たとえばプロテイナーゼKもしくはペプシン)、バッファー(たとえばクエン酸ナトリウム)、および/またはチオシアン酸ナトリウムなどのような試料前処理のための化学物質などのような、FISHアッセイを実行するのに有用な他の試薬を含んでいてもよい。
本発明は、上記に記載されるようなプローブセットを含む組成物を提供し、プローブセットのプローブは、識別可能に標識される。組成物は、水性組成物とすることができ、バッファー(たとえばTris、重炭酸ナトリウム、MOPS、HEPES)、塩、および/またはキレート化作用物質(たとえばEDTA、EGTA)などのようなさらなる物質を含むことができる。
本発明は、FISHによって癌抑制因子の欠失についてアッセイするための方法を提供する。そのような方法において使用することができるプローブセットは、上記セクションCにおけるように調製されたプローブセットおよびセクションDのプローブセットを含む。いくつかの実施形態では、プローブセットは、セクションC.2(b)およびC.2(c)において説明されるような境界ゾーンに関して位置づけられたハイブリダイゼーション部位を有する。
FISHによって癌抑制因子の欠失についてアッセイするための方法において使用される試料は、細胞性の試料である。いくつかの実施形態では、試料は、ホルマリン、エタノール、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド−グルタルアルデヒド、またはカコジル酸ナトリウム、ホルマリン、およびグルタルアルデヒドの組み合わせなどのような保存剤を使用して、化学的に固定され、パラフィンまたは凍結組織マトリックス、たとえば最適切削温度(OCT)化合物などのような不活性固形物質中に包埋される。いくつかの実施形態では、試料は、少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%が非中期(たとえば間期)細胞である細胞を含む。たとえばWick MR、Mills NC、Brix WK. Tissue Procurement, Processing, and Staining Techniques. 第1章 1〜10頁 Diagnostic Histochemistry Wick MR.編 Cambridge University Press 2008年)を参照されたい。
本発明の欠失アッセイ方法は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を含む。用語「in situハイブリダイゼーション」は、一般に、細胞学的または組織学的調製物の一部である核酸標的に対する核酸プローブのハイブリダイゼーションを指す。典型的に、FISH方法は、以下のステップを含む:(a)上記に説明されるように固体支持体に固定された試料を提供するステップ;(b)たとえば化学的な処理またはプロテアーゼ処理を用いる標的DNAへのプローブDNAの到達性を増加させるための試料の処理(たとえば8%チオシアン酸ナトリウムを有する10mMクエン酸バッファー pH6.0;0.2N HCl;または25μg/mlのプロテイナーゼKもしくは750U/mlのペプシン)、(c)特異的なハイブリダイゼーション複合体を形成するためにプローブセットの標識プローブと標的DNAを含有する組織または物質を接触させるステップ、(d)標的に特異的にハイブリダイズしていないプローブを選択的に除去するための、複合体のハイブリダイゼーション後の洗浄、および(e)標的DNA分子とハイブリダイゼーション複合体を形成したプローブからのFISHシグナルを検出するステップ。そのような方法は、GallおよびPardue、Methods of Enzymology 1981年;21巻:470〜480頁;Henderson、International Review of Cytology、1982年;76巻:1〜46頁;Angererら、in Genetic Engineering: Principles and Methods(SetlowおよびHollaender編)1985年;7巻、43〜65頁、Plenum Press、New York;ならびにVarella−Garcia Mら、EGFR fluorescence in situ hybridisation assay: guidelines for application to non−small−cell lung cancer、J. Clin. Pathol. 2009年;62巻:970〜977頁を含む多くの資料において記載されている。
試料における複数の核のFISHシグナルが、数えられる。いくつかの実施形態では、複数の核は、少なくとも50、75、または100の核を含む。計数は、たとえば、それぞれの検査される核についてのエントリーおよびそれがそれぞれのFISHシグナルをいくつ含有したかを含有するリストを作製することによってならびに/またはそれぞれ、FISHシグナル量の観察された組み合わせを有した核の数を数えることによって達成することができる。いくつかの実施形態では、そのようなリストは、同様に、FISHシグナル量の可能であるが観察されなかった組み合わせを含有することができる。リストは、それらの頻度を加えて、FISHシグナル量のそれぞれの観察された組み合わせについてのエントリーを作製することによって再編成することができる(たとえば下記の表2を参照されたい)。FISHシグナルを数えることによって得られた情報は、下記に説明される、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を考慮して解釈されたい。
欠失アッセイ方法は、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップを含む。核は、欠失以外の理由で、標的プローブからのFISHシグナルを欠き得、たとえば、ホルマリン固定パラフィン包埋試料を含む切片化試料の場合には、試料におけるいくつかの核は、切断され得る。また、核の画分における標的ハイブリダイゼーション部位が、FISH手順のハイブリダイゼーションステップの間に十分に到達できないかもしれないこともあり得る。さらに、FISHシグナルが観察される頻度は、研究されている組織調製物の品質およびそれに対する経年変化の影響によって影響を及ぼされ得る。したがって、標的プローブからのFISHシグナルを欠くすべての核が、実際の遺伝的な欠失を示すとは限らない。
FISHシグナルを数えることによって得られた情報は、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するために分析される。見かけ上の頻度は、どれくらい多くの標的プローブが試料において欠けているかについての観察値である。このステップは、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップに関連して任意のタイミングで行われてもよいことに注目されたい。アーチファクト欠失頻度と同じくらい多く、いくつかの実施形態では、少なくとも2またはそれ以上の見かけ上の欠失頻度が、決定される。効率のために、見かけ上の欠失頻度を決定することは、一般に望ましく、比較に適用可能な対においてアーチファクト欠失頻度を提供する(たとえば、標的プローブおよび標的プローブに最も近いテロメア側のフランキングプローブに影響を与えるヘミ接合性の欠失についてのアーチファクトおよび見かけ上の欠失頻度)。いかなる場合も、次のステップを実行するために、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度と同じタイプの欠失事象についてのものでなければならない。
試料が欠失を有する細胞を含むかどうかは、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて決定される。有意性についての閾値は、特異度対感度の所望のレベルに従って選ぶことができる;一般的な値は、t検定(片側もしくは両側)などのような統計的検定に従って0.05以下のp値またはアーチファクト欠失頻度からの少なくとも3標準偏差の差異を含む。いくつかの実施形態では、アーチファクト欠失頻度プラス少なくとも2.5、3、または3.5標準偏差などのような有意性閾値は少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかを決定するために使用される。
アッセイにおいて使用される1つまたは複数のフランキングプローブは、境界ゾーンにおけるまたは境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子に対して遠位のハイブリダイゼーション部位を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーン内のまたはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーン内のまたはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする。このように位置づけられたフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位が、それが境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子に対して近位にある場合よりも、欠失する可能性が低いので、そのように位置づけられたハイブリダイゼーション部位を有するフランキングプローブの使用は、役立ち得る。そのようなプローブセットの使用は、図2Bの中央および右におけるようなパターンを与える欠失頻度を高めることができる。これらのパターンは、(推定上、部分的にまたは完全に欠失した)癌抑制遺伝子に対してセントロメア側およびテロメア側にハイブリダイズするフランキングプローブからのシグナルを有し、フランキングプローブハイブリダイゼーション部位ではなく癌抑制遺伝子を含有するクロマチンのループのみが、切除される核体積に及ぶように染色体が配置されることが必要であるので、これらのパターンは、核の体積の切断面が切除される切断によるアーチファクトを通して繰り返し生じる可能性が低い。境界ゾーンおよびそれへのハイブリダイゼーション部位の位置は、上記セクションC.2においてより詳細に説明され、その議論は、同様にここに関連する。
癌抑制遺伝子の両方のコピーが欠失している細胞が、異なるサイズの2つの別々の欠失事象を受けている可能性がある。本発明は、異なるサイズの欠失事象を識別可能に検出するための方法に関する。
これらの方法では、少なくとも4つのプローブのプローブセットが、使用される。プローブセットは、癌抑制遺伝子に対してハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする、少なくとも第3のフランキングプローブ、または第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブ少なくとも1つを含む。プローブセットは、セントロメア側のまたはセントロメア周囲のプローブをさらに含むことができる。
FISHシグナルを数えるステップ、アーチファクト欠失頻度を提供するステップ、および見かけ上の欠失頻度を決定するステップは、数えるためのより多くのプローブがあり、より多くのタイプの欠失についてのアーチファクトおよび見かけ上の頻度がそれぞれ提供され、決定され得るという点を除いて、上記のセクションE.3〜E.5において説明されるものに類似する。たとえば、少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度は、少なくとも第1および少なくとも第2のフランキングプローブ(つまり、セントロメア側およびテロメア側の、標的プローブに最も近いフランキングプローブ)の間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失のために提供することができ、少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度は、2つの最も遠位のフランキングプローブの間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失のために提供することができ、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にない。上記の議論は、少なくとも3つのフランキングプローブがともにまたは2部のアッセイにおいて試料(複数可)に対してハイブリダイズするかどうかにかかわらず適用可能である。
試料が、使用されるフランキングプローブのいずれかのハイブリダイゼーション部位に影響を与える癌抑制遺伝子の欠失を有する細胞を含むかどうかは、セクションE.6において上記に記載されるように、関連する見かけ上の欠失頻度が、関連するアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて決定される。
セクションEの方法におけるように、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーン内のまたはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、および/または少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーン内のまたはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする。
本発明は、癌抑制遺伝子の欠失のためのFISHベースのアッセイを最適化するための方法に関する。これらの方法では、複数の候補プローブセットが、提供され、プローブセットはそれぞれ、癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの試料についてFISHを実行するために使用される。FISHシグナルは数えられ、アーチファクト欠失頻度が決定される。好ましいアーチファクトの欠失率を有すると決定されたプローブセットは、癌抑制遺伝子の欠失のための最適化されたFISHベースのアッセイにおける使用のために候補プローブセットから選択される。
いくつかの実施形態では、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5以上の候補プローブセットが提供される。候補プローブセットは、いくつかのプローブを共通して有することができ、たとえば、少なくとも2つの候補プローブセットは、少なくとも1つの同一の標的プローブおよび/または少なくとも1つの同一のフランキングプローブを含むことができる。もちろん、少なくとも1つのプローブは、それぞれの候補セットの間で異なるべきである。いくつかの実施形態では、フランキングプローブの少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、または少なくとも4つは、境界ゾーン内に位置するまたは境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子に対して遠位にあり、プローブは、それに対して近くてもよい。
アーチファクト欠失頻度は、癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの試料についてFISHを実行することによってそれぞれの候補プローブセットについて決定される。アーチファクト欠失頻度は、上記に記載されるようにFISHシグナルを数えることによって決定される。いくつかの実施形態では、FISHは、測定されるアーチファクト欠失頻度のより統計的に正確な比較を可能にするために、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、または少なくとも5つなどのような複数の試料についてそれぞれのプローブセットを用いて実行される。
好ましいアーチファクト欠失頻度を示すことが分かったプローブセットは、最適化されたアッセイにおける使用のために選択される。いくつかの実施形態では、選択されるプローブセットのアーチファクト欠失頻度は、少なくとも60パーセンタイル、70パーセンタイル、80パーセンタイル、90パーセンタイル、または95パーセンタイルにあり、より高度なパーセンタイルは、より好適な性能を示すことが理解されたい(つまり、より低いアーチファクト欠失頻度)。
いくつかの実施形態では、FISHはまた、癌抑制遺伝子のホモ接合性またはヘミ接合性の欠失を含む複数の細胞を含む複数の細胞性の試料について、それぞれの候補プローブセットを用いてまたは好ましいアーチファクト欠失頻度を示すことが分かった候補プローブセットのサブセットを用いて実行される。FISHシグナルは、数えられ、見かけ上の欠失頻度は、上記に記載されるように決定される。
試料が、癌抑制遺伝子のホモ接合性またはヘミ接合性の欠失を含む細胞を含むことが公知である場合、感度値は、複数の試料のうちのいくつが、候補プローブセットについて決定されたアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きな見かけ上の欠失頻度を有すると決定されたかに基づいて決定される。候補プローブセットのアーチファクト欠失頻度についての標準偏差は、上記に記載されるように通常の方法で決定されてもよい、ただし、アーチファクト欠失頻度が、癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも3つの試料について決定されることを条件とする。あるいは、アーチファクト欠失頻度の標準偏差は、感度を評価するために、有意性を決定する際に使用するために推定されてもよい(たとえば、候補プローブセットの全体のアーチファクト欠失頻度に基づいてまたは他のプローブセットについて公知の標準偏差に基づいて)。有意性を決定するための閾値に対する選択肢は、上記に説明されるとおりである。
感度が、少なくとも候補プローブセットのうちのいくつかについて決定される場合、好ましい感度値および好ましいアーチファクト欠失頻度の両方を有した候補プローブセットは、最適化されたアッセイにおける使用のために選択することができる。いくつかの実施形態では、アーチファクト欠失頻度および/または感度値は、少なくとも60パーセンタイル、70パーセンタイル、80パーセンタイル、90パーセンタイル、または95パーセンタイルにあり、より高度なパーセンタイルは、より好適な性能を示すことが理解されたい(つまり高感度またはより低いアーチファクト欠失頻度)。
PTENなどのような癌抑制遺伝子は、様々な方法で細胞増殖を阻害するタンパク質をコードするものである。これらの「細胞性のブレーキ」の1つまたは複数の損失は、細胞周期の解放を通して多くの癌の進行の一因となり、損失事象を「腫瘍形成性」にする。多くのタンパク質は、p16サイクリンキナーゼ阻害剤;分泌ホルモン(たとえば腫瘍由来の増殖因子β)に対する受容体;DNAが損傷を受けているまたは染色体が異常な場合、細胞周期を阻止するチェックポイント制御タンパク質;アポトーシスを促進するタンパク質;およびさらに、DNA修復に参加する酵素などのような細胞内タンパク質を含めて、癌抑制遺伝子によってコードされるとして一般に認識される(DNAにおけるエラー、ギャップ、または破壊された末端を修復するための能力を失った細胞は、細胞の成長および増殖の制御において決定的なものを含む、多くの遺伝子における突然変異を蓄積する)。
FISHによって対象の少なくとも1つの遺伝子の欠失についてアッセイするための方法において使用される試料は、細胞性の試料である。いくつかの実施形態では、試料は、ホルマリン、エタノール、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド−グルタルアルデヒド、またはカコジル酸ナトリウム、ホルマリン、およびグルタルアルデヒドの組み合わせなどのような保存剤を使用して、化学的に固定され、パラフィンまたは凍結組織マトリックス、たとえば最適切削温度(OCT)化合物などのような不活性固形物質中に包埋される。いくつかの実施形態では、試料は、少なくとも50%、60%、70%、80%、または90%が非中期(たとえば間期)細胞である細胞を含む。たとえばWick MR、Mills NC、Brix WK. Tissue Procurement, Processing, and Staining Techniques. 第1章 1〜10頁 Diagnostic Histochemistry Wick MR.編 Cambridge University Press 2008年を参照されたい。
本発明の欠失アッセイ方法は、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)を含む。用語「in situハイブリダイゼーション」は、一般に、細胞学的または組織学的調製物の一部である核酸標的に対する核酸プローブのハイブリダイゼーションを指す。典型的なFISH方法は、上記セクションF.2において説明される。
試料における複数の核のFISHシグナルが、数えられる。いくつかの実施形態では、複数の核は、少なくとも50、75、または100の核を含む。計数は、たとえば、それぞれの検査される核についてのエントリーおよびそれがそれぞれのFISHシグナルをいくつ含有したかを含有するリストを作製することによってならびに/またはそれぞれ、FISHシグナル量の観察された組み合わせを有した核の数を数えることによって達成することができる。いくつかの実施形態では、そのようなリストは、同様に、FISHシグナル量の可能であるが観察されなかった組み合わせを含有することができる。リストは、それらの頻度を加えて、FISHシグナル量のそれぞれの観察された組み合わせについてのエントリーを作製することによって再編成することができる(たとえば下記の表2を参照されたい)。FISHシグナルを数えることによって得られた情報は、下記に説明される、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を考慮して解釈されたい。
欠失アッセイ方法は、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供することを含む。上記セクションF.4において説明されるように、あらゆる試料についての核は、欠失または再構成以外の理由で、1つまたはいくつかの標的プローブからのFISHシグナルを欠き得、たとえば、ホルマリン固定パラフィン包埋試料を含む細針吸引生検材料試料の場合には、試料におけるいくつかの核は、切断され得る。また、核の画分における標的ハイブリダイゼーション部位が、細針生検技術から生じる細胞圧縮または他のアーチファクトのためにFISH手順のハイブリダイゼーションステップの間に十分に到達できないかもしれないこともあり得る。さらに、FISHシグナルが観察される頻度は、研究されている組織調製物の品質およびそれに対する経年変化の影響によって影響を及ぼされ得る。したがって、標的プローブからのFISHシグナルを欠くすべての核が、実際の遺伝的な欠失を示すとは限らない。
FISHシグナルを数えることによって得られた情報は、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するために分析される。見かけ上の頻度は、どれくらい多くの標的プローブが試料において欠けているかについての観察である。このステップは、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップに比べて任意のタイミングで行われてもよいことに注目されたい。逆位などのような他の再構成が欠失をもたらすということもまた、事実である。アーチファクト欠失頻度と同じくらい多く、いくつかの実施形態では、少なくとも2またはそれ以上の見かけ上の欠失頻度が、決定される。効率のために、見かけ上の欠失頻度を決定することは、一般に望ましく、比較に適用可能な対においてアーチファクト欠失頻度を提供する(たとえば、標的プローブおよび標的プローブに最も近いテロメア側のフランキングプローブに影響を与えるヘミ接合性の欠失についてのアーチファクトおよび見かけ上の欠失頻度)。いかなる場合も、次のステップを実行するために、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度と同じタイプの欠失事象についてのものでなければならない。
試料が欠失または再構成(欠失をもたらす)を有する細胞を含むかどうかは、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて決定される。上記に説明されるように、有意性についての閾値は、多くの統計アプローチを使用して、特異度対感度の所望のレベルに従って選ぶことができる。したがって、多数のアーチファクト欠失頻度を提供することができ、多数の見かけ上の欠失頻度を決定することができる。このステップは、多数のタイプの欠失が存在するかどうかを決定することをさらに含むことができる。たとえば、フランキングおよび標的プローブからの2つの完全なセット(単一の標的遺伝子の場合には3つのうちの2セット)のFISHシグナルの存在は、核が標的癌抑制因子の欠失を有していないことを示す(図2B、左の略図において図式化)。単一の標的についての標的プローブFISHシグナルの一方または両方の不在は、見かけ上のヘミ接合性(図2B、中央)またはホモ接合性(図2B、右)の欠失をそれぞれ示す。見かけ上の欠失のサイズに関する情報もまた、1つまたは複数のフランキングプローブが不在であるかどうかから得ることができる。図2B右および中央の例は、標的プローブのみが影響を与えられている比較的小さな欠失を示す。
2つ以上の標的遺伝子のアッセイにおいて使用される1つまたは複数のフランキングプローブは、境界ゾーンにおけるまたは境界ゾーンに比べて対象の遺伝子(複数可)に対して遠位のハイブリダイゼーション部位を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、対象の遺伝子(複数可)のうちの1つに対してセントロメア側の第1の境界ゾーン内のまたはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、および/または少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、対象の同じまたは異なる遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーン内のまたはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする。2つの標的遺伝子の場合には、一方の標的遺伝子は、第1の標的遺伝子と呼ばれ、他方は、第2の標的遺伝子と呼ばれる。PTENの例に関しては、このように位置づけられたフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位が、それが境界ゾーンに比べて対象の遺伝子(複数可)に対して近位にある場合よりも、欠失する可能性が低いので、そのように配置されたハイブリダイゼーション部位を有するフランキングプローブの使用は、役立ち得る。そのようなプローブセットの使用は、図2Bの中央および右におけるようなパターンを与える欠失頻度を高めることができる。これらのパターンは、(推定上、部分的にまたは完全に欠失した)対象の遺伝子(複数可)に対してセントロメア側およびテロメア側にハイブリダイズするフランキングプローブからのシグナルを有し、フランキングプローブハイブリダイゼーション部位ではなく対象の遺伝子(複数可)を含有するクロマチンのループが、切除される核体積に及ぶ様式で、染色体が配置されることが必要であるので、これらのパターンは、核の体積の切断面が切除される切断によるアーチファクトを通して繰り返し生じる可能性が低い。境界ゾーンおよびそれへのハイブリダイゼーション部位の位置は、上記により詳細に説明され、その議論は、同様にここに関連する。
対象の少なくとも2つの遺伝子の両方のコピーが欠失している細胞が、異なるサイズの1つまたは複数の別々の欠失事象を受けている可能性がある。本発明は、異なるサイズの欠失事象を識別可能に検出するための方法に関する。
ヒトゲノム配列の現在の設計図に従って13もの遺伝子を含有する21q22−23染色体の約2Mb領域について存在するより複雑な配置に関する方法では、少なくとも4つのプローブのプローブセットが使用され、より細かいレベルの欠失検出を行うことができる。プローブセットは、対象の遺伝子(たとえばHMGN1遺伝子およびDSCAM遺伝子)にハイブリダイズする少なくとも2つの標的プローブ、対象の遺伝子(複数可)(たとえばERG)に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、対象の遺伝子(複数可)(たとえばTMPRSS2)に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに任意選択で、第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブ(たとえばDYRK1A)または第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブ(たとえばU2AF1)の少なくとも1つを含む。Amono, Kら「Association study between the Down syndrome cell adhesion molecule (DSCAM) gene and bipolar disorder」(2008年)Psychiatric Genetics 18巻(1号)1〜10頁;Cuddapah,Sら「Genomic profiling of HMGN1 Reveals and Association with Chromatin at Regulatory Regions」(2011年)Molecular and Cellular Biology 31巻、700〜709頁を参照されたい。プローブセットは、いくつかの実施形態では、セントロメア側のまたはセントロメア周囲のプローブをさらに含んでいてもよい。
FISHシグナルを数えるステップ、アーチファクト欠失頻度を提供するステップ、および上記の例について見かけ上の欠失頻度を決定するステップは、数えるための多数のプローブがあり、多数のタイプの欠失についてのアーチファクトおよび見かけ上の頻度がそれぞれ提供され、決定され得るので、比較的、複雑である。
試料が、使用されるフランキングプローブのいずれかのハイブリダイゼーション部位に影響を与える対象の遺伝子(複数可)の欠失を有する細胞を含むかどうかの決定は、上記に記載されるように、関連する見かけ上の欠失頻度が、関連するアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づく。
セクションHの方法におけるように、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、対象の遺伝子(複数可)に対してセントロメア側の第1の境界ゾーン内のまたはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、および/または少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、対象の遺伝子(複数可)に対してテロメア側の第2の境界ゾーン内のまたはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする。
本発明は、上記に記載される方法に従って調製されるプローブセットに関する。
第10染色体についてのコピー数多型、セグメント重複、および比較ゲノムハイブリダイゼーションデータの分析;プローブ部位選択
Liuら、Nat. Med. 2009年;15巻:559〜65頁からのCGHデータをin silicoで分析した。14人の患者からの58の転移性CaP試料における染色体10q領域のin silicoコピー数分析を(Liu Wら Copy number analysis indicates monoclonal origin of lethal metastatic prostate cancer、Nat. Med. 2009年;15巻:559〜65頁)、1.0×10−6の有意性閾値およびセグメント当たり最低5つのプローブを用い、ランクセグメンテーション(rank segmentation)を適用して実行した(Nexus Copy Number v.4;BioDiscovery、El Segundo、CA)。ゲノム不均衡は、獲得[log(3/2)もしくは0.2の閾値]または損失[log(1/2)もしくは−0.3の閾値、]として決めた、それぞれ、Ferreira BIら、Array CGH and gene−expression profiling reveals distinct genomic instability patterns associated with DNA repair and cell−cycle checkpoint pathways in Ewing’s sarcoma、Oncogene 2008年;27巻:2084〜2090頁によって定義されるように、2つのコピー数変化(CNT)によって決定した。
表1. 第10染色体のセグメント重複およびCNV
ホモ接合性のPTEN欠失を有する試料を用いる3色FISH。
4色間期FISHによる欠失マッピング
4色間期FISHを、PTENの少なくとも1つのコピーについて欠失した癌性前立腺組織の132の試料について実行した。132の試料は、McGill UniversityおよびUniversity of Torontoで採取された330の癌性前立腺臨床組織試料のサブセットであった。これらの試料に関する詳細は、下記表に掲載する。
合計330人の患者の内訳
表2. 欠失の程度
2色FISHによって解釈することが困難な試料におけるPTENステータスの分解能
研究時に未知の臨床の結果を有する根治的前立腺全摘除術由来の91のホルマリン固定パラフィン包埋試料のセットを、Abbott Inc.からの市販で入手可能なPTENおよびセントロメア側のプローブを用いる2色間期FISHならびにプローブAはBAC RP11−141D8およびRP11−52G13から調製し、PTENプローブおよびプローブBは実施例3におけるとおりとしたプローブセットを使用する4色FISHの両方を使用して分析した。結果が2つのアッセイの間で異なった6つの試料が同定された。これらの結果は、下記表3において列挙する。
表3. 対照結果−4色プローブセットを用いるアーチファクト欠失の頻度
p16についての境界ゾーン同定およびFISHプローブ調製物
参照細胞に対する黒色腫細胞試料からの平均のゲノムのコピー数を比較するCGHデータは、[Beroukhim Rら、The landscape of somatic copy−number alteration across human cancers、Nature 2010年;463巻:899〜905頁]において記載される[http://www.broadinstitute.org/tumorscape/pages/portalHome.jsf]から得る。111の黒色腫試料の集団における座の平均相対的コピー数が多くても15Mbの区間にわたり少なくとも20%減少する最も近いコピー数変化ゾーンは、9p21で、p16遺伝子(CDKN2Aとしても公知)のセントロメア側で同定される。
4色間期FISHによる21q22.13−21q22.3領域の欠失マッピング
4色間期FISHを、上記に記載される方法を使用して、前立腺組織の(FFPE−FNA)試料:
1.正常な細胞
2.ヘミ接合性のPTEN欠失、および
3.ホモ接合性のPTEN欠失
に対して実行する。
例示的な実施形態:
1.FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイのためのプローブセットを調製する方法であって、
(a)癌抑制遺伝子を含む染色体上の少なくとも1つの境界ゾーンを同定するステップであって、少なくとも1つの境界ゾーンは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンを含むステップ、
(b)第1の境界ゾーン内の核酸配列に、または第1の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第1のフランキングプローブを提供するステップ、
(c)癌抑制遺伝子に対してテロメア側の核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第2のフランキングプローブを提供するステップ、および
(d)境界ゾーンの間の癌抑制遺伝子における核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを提供するステップ
を含む方法。
2.少なくとも1つの標的プローブ、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブは、細菌人工染色体(BAC)、コスミド、もしくは増幅産物に由来するまたは合成オリゴヌクレオチドのセットとして提供される、実施形態1に記載の方法。
3.第1の境界ゾーンは、主要な境界ゾーンである、実施形態1〜2のいずれか1つに記載の方法。
4.癌抑制遺伝子は、PTENである、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5.癌抑制遺伝子は、p16、RB1、およびp53から選ばれる、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
6.少なくとも1つの境界ゾーンを同定するステップは、(1)コピー数変化が、癌抑制遺伝子の欠失を含むことが公知の試料の集団において生じるならびに(2)コピー数多型(CNV)およびセグメント重複のクラスターの少なくとも1つが生じる領域を同定するステップを含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.少なくとも第2の境界ゾーンを同定するステップをさらに含み、第2の境界ゾーンは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側にあり、第2のフランキングプローブは、第2の境界ゾーン内の核酸配列に、または第2の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズする、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.少なくとも第3の境界ゾーンを同定するステップおよび第3の境界ゾーン内の核酸配列に、または第3の境界ゾーンに比べて癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズするプローブを提供するステップをさらに含む、実施形態7に記載の方法。
9.少なくとも1つの染色体計数プローブを提供するステップをさらに含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブは、FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイにおいて使用することができ、アッセイは、5μmの厚さを有し、5μm未満の平均核直径を有するホルマリン固定パラフィン包埋細胞性試料について、30%以下のアーチファクト欠失頻度プラス3標準偏差として計算される有意性閾値を有する、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の方法。
11.少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、50〜200kbの範囲のサイズを有する、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.少なくとも1つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位は、500kb〜20Mbの範囲の距離により、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から分離している、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13.少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、それぞれ、少なくとも第1の境界ゾーンおよび第2の境界ゾーン内にある、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.少なくとも第1の境界ゾーンおよび第2の境界ゾーンは、300kb〜2Mbの範囲のサイズを有する、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
15.少なくとも第1の境界ゾーンおよび第2の境界ゾーンの少なくとも1つは、癌性または前癌性細胞由来の比較ゲノムハイブリダイゼーションデータにおけるコピー数変化に基づいて同定される、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の方法。
16.少なくとも第1の境界ゾーンおよび第2の境界ゾーンの少なくとも1つは、癌抑制遺伝子の欠失を含有していることが公知の複数の細胞試料のFISH分析に基づいて同定される、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の方法。
17.実施形態1〜16のいずれか1つに記載の方法によって調製されるプローブセットを含む、癌抑制遺伝子における欠失を検出するためのキット。
18.癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)複数の細胞を含む細胞試料についてプローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含むステップ、
(b)複数の細胞において、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含むステップ、ならびに
(e)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度がアーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子のヘミ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または見かけ上のホモ接合性欠失頻度がアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、癌抑制遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法。
19.pが、t検定に従って0.05以下である場合に、見かけ上の頻度は、アーチファクトの頻度よりも有意に大きい、実施形態18に記載の方法。
20.見かけ上の頻度が、3標準偏差分、アーチファクトの頻度を超える場合に、見かけ上の頻度は、アーチファクトの頻度よりも有意に大きい、実施形態18に記載の方法。
21.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の境界ゾーン内の位置またはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態18〜20のいずれか1つに記載の方法。
22.少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の境界ゾーン内の位置またはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態18〜21のいずれか1つに記載の方法。
23.ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度およびアーチファクトホモ接合性欠失頻度を提供するステップ、ステップ(d)において見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および見かけ上のホモ接合性欠失頻度を決定するステップ、ならびにステップ(e)において、試料が癌抑制遺伝子のヘミ接合性欠失を有する細胞を含むかどうかおよび試料が癌抑制遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかの両方を決定するステップを含む、実施形態18〜22のいずれか1つに記載の方法。
24.プローブセットは、癌抑制遺伝子を含む染色体に対して特異的な少なくとも1つの染色体計数プローブをさらに含み、少なくとも1つの染色体計数プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、見かけ上の異数体の頻度を決定するステップ、および見かけ上の異数体の頻度が、アーチファクトの異数体の頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料における細胞が、当該染色体について異数体かどうかを決定するステップをさらに含む、実施形態18〜23のいずれか1つに記載の方法。
25.細胞試料は、固定され、保存される、実施形態18〜24のいずれか1つに記載の方法。
26.細胞試料は、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、実施形態25に記載の方法。
27.癌抑制遺伝子は、PTENである、実施形態18〜26のいずれか1つに記載の方法。
28.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、TSPAN15にハイブリダイズするプローブを含み、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、FASにハイブリダイズするプローブを含む、実施形態27に記載の方法。
29.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、BMPR1AまたはWAPALにハイブリダイズするプローブを含み、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、FASにハイブリダイズするプローブを含む、実施形態27または28に記載の方法。
30.癌抑制遺伝子は、p16、RB1、およびp53から選ばれる、実施形態18〜26のいずれか1つに記載の方法。
31.少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、50〜200kbの範囲のサイズを有する、実施形態18〜30のいずれか1つに記載の方法。
32.少なくとも1つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位は、500kb〜20Mbの範囲の距離、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から分離している、実施形態18〜31のいずれか1つに記載の方法。
33.癌抑制遺伝子の小さな欠失および大きな欠失を識別可能に検出するためのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)プローブセットを用いて複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくともの第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含むステップ、
(b)複数の細胞または複数の複数の細胞において、少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブ、少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブ少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、ならびに
(g)少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、細胞試料が、癌抑制遺伝子の小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、細胞試料が、癌抑制遺伝子の大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法。
34.プローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行するステップおよびプローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップを含み、癌抑制遺伝子は、PTENであり、第1のプローブサブセットは、TSPAN15にハイブリダイズするフランキングプローブおよびFASにハイブリダイズするフランキングプローブを含み、第2のプローブサブセットは、BMPR1AまたはWAPALにハイブリダイズするフランキングプローブおよびSUFUにハイブリダイズするフランキングプローブを含む、実施形態33に記載の方法。
35.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態33〜34のいずれか1つに記載の方法。
36.少なくとも1つの第3のフランキングプローブは、少なくとも1つの第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の第1の遠位の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズするまたは少なくとも1つの第4のフランキングプローブは、少なくとも1つの第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の第2の遠位の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態33〜35のいずれか1つに記載の方法。
37.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態36に記載の方法。
38.細胞が癌抑制遺伝子の2つの欠失を含むことを決定するステップを含み、大きな欠失である欠失の少なくとも1つは、転移または転移性腫瘍を示す、実施形態33〜37のいずれか1つに記載の方法。
39.細胞試料は、固定され、保存される、実施形態33〜38のいずれか1つに記載の方法。
40.細胞試料は、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、実施形態39に記載の方法。
41.癌抑制遺伝子は、PTENである、実施形態33および35〜40のいずれか1つに記載の方法。
42.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、BMPR1AまたはWAPALにハイブリダイズするプローブを含み、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、FASにハイブリダイズするプローブを含む、実施形態41に記載の方法。
43.TSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つの第3のフランキングプローブを提供するステップを含む、実施形態41〜42のいずれか1つに記載の方法。
44.SUFUにハイブリダイズする少なくとも1つの第4のフランキングプローブを提供するステップを含む、実施形態41〜43のいずれか1つに記載の方法。
45.癌抑制遺伝子は、p16、RB1、およびp53から選ばれる、実施形態33および35〜40のいずれか1つに記載の方法。
46.少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、50〜200kbの範囲のサイズを有する、実施形態33〜45のいずれか1つに記載の方法。
47.少なくとも1つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位は、500kb〜20Mbの範囲の距離により、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から分離している、実施形態33〜46のいずれか1つに記載の方法。
48.癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを最適化するための方法であって、
(a)複数の候補プローブセットを提供するステップであって、それぞれの候補プローブセットは、癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含むステップ、
(b)それぞれの候補プローブセットについて、
(i)癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの細胞試料について候補プローブセットを用いてFISHを実行し、
(ii)少なくとも1つの試料の複数の細胞において候補プローブセットの少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数え、
(iii)ステップ(ii)の数えられたFISHシグナルからアーチファクト欠失頻度を決定するステップならびに
(c)癌抑制遺伝子の欠失について最適化されたFISHベースのアッセイにおける使用のための候補プローブセットからプローブセットを選択するステップであって、選択されたプローブセットは、ステップ(iii)において好ましいアーチファクト欠失頻度を有すると決定されたステップを含む方法。
49.ステップ(b)前に、その後に、またはそれと並行して、それぞれの候補プローブセットについて、
(iv)癌抑制遺伝子のホモ接合性またはヘミ接合性欠失を含む複数の細胞を含む複数の細胞試料について候補プローブセットを用いてFISHを実行するステップ、
(v)複数の細胞において候補プローブセットの少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(vi)複数の試料のそれぞれについて、ステップ(v)の数えられたFISHシグナルから見かけ上の欠失頻度を決定するステップならびに
(vii)ステップ(vi)およびステップ(iii)の後に、複数の試料のうちのいくつが、ステップ(iii)のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きな見かけ上の欠失頻度を有すると決定されたかに基づいて候補プローブセットの感度値を決定するステップをさらに含み、
ステップ(c)の選択されたプローブセットは、ステップ(vii)において好ましい感度値を有することが決定されている、実施形態48に記載の方法。
50.細胞試料は、固定され、保存される、実施形態48〜49のいずれか1つに記載の方法。
51.細胞試料は、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、実施形態50に記載の方法。
52.PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
53.実施形態52のプローブセットを含む、PTEN遺伝子における欠失を検出するためのキット。
54.PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブが、識別可能に標識される、実施形態52に記載のプローブセット。
55.BMPR1AまたはWAPALに結合する少なくとも1つのプローブをさらに含む、実施形態52および54のいずれか1つに記載のプローブセット。
56.プローブセットは、FASに結合するプローブを含む、実施形態52および54〜55のいずれか1つに記載のプローブセット。
57.SUFUに結合するプローブをさらに含む、実施形態52および54〜56のいずれか1つに記載のプローブセット。
58.少なくとも1つの染色体計数プローブをさらに含む、実施形態52および54〜57のいずれか1つに記載のプローブセット。
59.プローブセットは、細菌人工染色体に由来する、PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含む、実施形態52および54〜58のいずれか1つに記載のプローブセット。
60.PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブは、RP11−846G17に由来するプローブを含み、FASにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブは、RP11−399019およびRP11−360H20の少なくとも1つに由来するプローブを含み、TSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブは、RP11−168B4およびRP11−124L5の少なくとも1つに由来するプローブを含む、実施形態59に記載のプローブセット。
61.プローブセットは、RP11−846617、RP11−399019およびRP11−360H20の少なくとも1つ、ならびにRP11−168B4およびRP11−124L5の少なくとも1つに由来するプローブから成る、実施形態60に記載のプローブセット。
62.PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTSPAN15にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブが、識別可能に標識される、実施形態52および54〜61のいずれか1つに記載のプローブセットを含む組成物。
63.第21染色体のバンド21q22.13−21q22.3における欠失についてのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)複数の細胞を含む細胞試料についてプローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、
少なくとも1つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、
ならびに少なくとも1つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブを含むステップ、
(b)複数の細胞において、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブならびに少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含むステップ、ならびに
(e)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度がアーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つのヘミ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または見かけ上のホモ接合性欠失頻度がアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つのホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップを含む方法。
64.少なくとも1つの標的遺伝子は、ETS2、FSMG1、B3GALT5、HMGN1、DSCAM、およびBACE2から選ばれる、実施形態63に記載の方法。
65.pが、t検定に従って0.05以下である場合に、見かけ上の頻度は、アーチファクトの頻度よりも有意に大きい、実施形態63〜64のいずれか1つに記載の方法。
66.見かけ上の頻度が、3標準偏差分、アーチファクトの頻度を超える場合に、見かけ上の頻度は、アーチファクトの頻度よりも有意に大きい、実施形態63〜64のいずれか1つに記載の方法。
67.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、少なくとも1つの標的遺伝子に対してセントロメア側の境界ゾーン内のまたはそれに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態63〜66のいずれか1つに記載の方法。
68.少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、少なくとも1つの標的遺伝子に対してテロメア側の境界ゾーン内のまたはそれに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態63〜67のいずれか1つに記載の方法。
69.ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度およびアーチファクトホモ接合性欠失頻度を提供するステップ、ステップ(d)において見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および見かけ上のホモ接合性欠失頻度を決定するステップ、ならびにステップ(e)において、試料が少なくとも1つの標的遺伝子のヘミ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかおよび試料が少なくとも1つの標的遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかの両方を決定するステップを含む、実施形態63〜68のいずれか1つに記載の方法。
70.プローブセットは、染色体21に対して特異的な少なくとも1つの染色体計数プローブをさらに含み、少なくとも1つの染色体計数プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、見かけ上の異数体の頻度を決定するステップ、および見かけ上の異数体の頻度が、アーチファクトの異数体の頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料における細胞が、当該染色体について異数体かどうかを決定するステップをさらに含む、実施形態63〜69のいずれか1つに記載の方法。
71.細胞試料は、固定され、保存される、実施形態63〜70のいずれか1つに記載の方法。
72.細胞試料は、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、実施形態71に記載の方法。
73.少なくとも1つの標的遺伝子は、HMGN1を含む、実施形態63〜72のいずれか1つに記載の方法。
74.少なくとも1つの標的遺伝子は、DSCAMを含む、実施形態63〜73のいずれか1つに記載の方法。
75.プローブセットは、少なくとも2つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも2つの標的プローブを含む、実施形態63〜74のいずれか1つに記載の方法。
76.少なくとも2つの標的遺伝子は、HMGN1およびDSCAMを含む、実施形態75に記載の方法。
77.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、ERGにハイブリダイズするプローブを含む、実施形態63〜76のいずれか1つに記載の方法。
78.少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、TMPRSS2にハイブリダイズするプローブを含む、実施形態63〜77のいずれか1つに記載の方法。
79.少なくとも1つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、50〜200kbの範囲のサイズを有する、実施形態63〜78のいずれか1つに記載の方法。
80.少なくとも1つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位は、500kb〜20Mbの範囲の距離により、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から分離している、実施形態63〜79のいずれか1つに記載の方法。
81.第21染色体のバンド21q22.13−21q22.3における小さな欠失および大きな欠失を識別可能に検出するためのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)プローブセットを用いて複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、
プローブセットは、
TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも2つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも2つの標的プローブ、
少なくとも2つの標的遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、
少なくとも2つの標的遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、
ならびに任意選択で、第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含むステップ、
(b)複数の細胞または複数の複数の細胞において、少なくとも2つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブ、少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに存在する場合、少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブの間にエンドポイントを有する標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にあるステップ、
(d)標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間に存在しないか、または(ii)少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つが使用される場合、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブの間にないステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、少なくとも第1のフランキングプローブおよび少なくとも第2のフランキングプローブの間にエンドポイントを有する標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、エンドポイントの1つは、2つの標的遺伝子の間にあるステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、標的遺伝子の少なくとも1つの欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、(i)どのエンドポイントも2つの標的遺伝子の間にないまたは(ii)少なくとも第3のフランキングプローブおよび少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つが使用される場合、エンドポイントの少なくとも1つは、少なくとも第1のフランキングプローブと少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップならびに
(g)少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つの小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、試料が、標的遺伝子の少なくとも1つの大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む方法。
82.少なくとも2つの標的遺伝子は、ETS2、FSMG1、B3GALT5、HMGN1、DSCAM、およびBACE2から選ばれる、実施形態81に記載の方法。
83.プローブセットは、第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含む、実施形態81〜82のいずれか1つに記載の方法。
84.プローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行するステップおよびプローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップを含み、少なくとも2つの標的遺伝子は、HMGN1およびDSCAMを含み、第1のプローブサブセットは、DYRK1AにハイブリダイズするフランキングプローブおよびTMPRSS2にハイブリダイズするフランキングプローブを含み、第2のプローブサブセットは、ERGにハイブリダイズするフランキングプローブおよびU2AF1にハイブリダイズするフランキングプローブを含む、実施形態81〜83のいずれか1つに記載の方法。
85.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、少なくとも2つの標的遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、少なくとも2つの標的遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態81〜84のいずれか1つに記載の方法。
86.(i)少なくとも1つの第3のフランキングプローブは、存在し、少なくとも1つの第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の第1の遠位の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする、または(ii)少なくとも1つの第4のフランキングプローブは、存在し、少なくとも1つの第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の第2の遠位の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態81〜85のいずれか1つに記載の方法。
87.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、少なくとも2つの標的遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンに対してセントロメア側の位置にハイブリダイズし、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、少なくとも2つの標的遺伝子に対してテロメア側の第2の境界ゾーンに対してテロメア側の位置にハイブリダイズする、実施形態86に記載の方法。
88.細胞試料は、固定され、保存される、実施形態81〜87のいずれか1つに記載の方法。
89.細胞試料は、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、実施形態88に記載の方法。
90.少なくとも2つの標的遺伝子は、HMGN1およびDSCAMを含む、実施形態81〜83および85〜89のいずれか1つに記載の方法。
91.少なくとも1つの第1のフランキングプローブは、ERGにハイブリダイズするプローブを含み、少なくとも1つの第2のフランキングプローブは、TMPRSS2にハイブリダイズするプローブを含む、実施形態90に記載の方法。
92.DYRK1Aにハイブリダイズする少なくとも1つの第3のフランキングプローブを提供するステップを含む、実施形態81〜83および85〜91のいずれか1つに記載の方法。
93.U2AF1にハイブリダイズする少なくとも1つの第4のフランキングプローブを提供するステップを含む、実施形態81〜83および85〜92のいずれか1つに記載の方法。
94.少なくとも2つの標的プローブならびに少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位は、50〜200kbの範囲のサイズを有する、実施形態81〜93のいずれか1つに記載の方法。
95.少なくとも2つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位は、500kb〜20Mbの範囲の距離により、少なくとも第1のフランキングプローブおよび第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から分離している、実施形態81〜94のいずれか1つに記載の方法。
96.TMPRSS2とERGとの間に位置する少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、DYRK1AまたはERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、ならびにTMPRSS2またはU2AF1にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
97.少なくとも1つの標的遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、DYRK1AまたはERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびTMPRSS2またはU2AF1にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブは、識別可能に標識される、実施形態96に記載のプローブセット。
98.少なくとも1つの標的遺伝子は、ETS2、FSMG1、B3GALT5、HMGN1、DSCAM、およびBACE2から選ばれる、実施形態96〜97のいずれか1つに記載のプローブセット。
99.プローブセットは、HMGN1に結合するプローブを含む、実施形態96〜98のいずれか1つに記載のプローブセット。
100.プローブセットは、DSCAMに結合するプローブを含む、実施形態96〜99のいずれか1つに記載のプローブセット。
101.プローブセットは、DYRK1Aに結合するプローブを含む、実施形態96〜100のいずれか1つに記載のプローブセット。
102.プローブセットは、U2AF1に結合するプローブを含む、実施形態96〜101のいずれか1つに記載のプローブセット。
103.プローブセットは、TMPRSS2に結合するプローブを含む、実施形態96〜102のいずれか1つに記載のプローブセット。
104.プローブセットは、ERGに結合するプローブを含む、実施形態96〜103のいずれか1つに記載のプローブセット。
105.少なくとも1つの染色体計数プローブをさらに含む、実施形態96〜104のいずれか1つに記載のプローブセット。
106.プローブセットにおけるプローブの少なくとも3つは、細菌人工染色体に由来する、実施形態96〜105のいずれか1つに記載のプローブセット。
107.プローブセットは、RP11−137J13およびRP11−348C15の少なくとも1つに由来するHMGN1にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つに由来するERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、ならびにRP11−35C4、CTD−3095D11、およびRP11−671L10の少なくとも1つに由来するTMPRSS2にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含む、実施形態106に記載のプローブセット。
108.プローブセットは、RP11−139D12、RP11−907P24、RP11−280O17、RP11−183I12、RP11−281F3、RP11−1113M13およびRP11−123A7の少なくとも1つに由来するDSCAMにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つに由来するERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、ならびにRP11−35C4、CTD−3095D11、およびRP11−671L10の少なくとも1つに由来するTMPRSS2にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含む、実施形態106に記載のプローブセット。
109.プローブセットは、RP11−137J13およびRP11−348C15の少なくとも1つに由来するHMGN1にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、RP11−139D12、RP11−907P24、RP11−280O17、RP11−183I12、RP11−281F3、RP11−1113M13、およびRP11−123A7の少なくとも1つに由来するDSCAMにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つに由来するERGにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、ならびにRP11−35C4、CTD−3095D11、およびRP11−671L10の少なくとも1つに由来するTMPRSS2にハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含む、実施形態106に記載のプローブセット。
110.(i)RP11−446L19およびCTD−2601A22の少なくとも1つに由来するU2AF1にハイブリダイズするプローブまたは(ii)RP11−105O24、RP11−777J19、およびCTD−3140L2の少なくとも1つに由来するDYRK1Aにハイブリダイズするプローブのうちの少なくとも1つをさらに含む、実施形態106に記載のプローブセット。
111.プローブセットは、
(i)RP11−137J13、RP11−348C15、RP11−139D12、RP11−907P24、RP11−280O17、RP11−183I12、RP11−281F3、RP11−1113M13、およびRP11−123A7の少なくとも1つに由来するHMGN1またはDSCAMにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、
(ii)RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つに由来するERGにハイブリダイズするプローブ、
(iii)RP11−35C4、CTD−3095D11、およびRP11−671L10の少なくとも1つに由来するTMPRSS2にハイブリダイズするプローブ、ならびに
(iv)任意選択で、(a)RP11−446L19およびCTD−2601A22の少なくとも1つに由来するU2AF1にハイブリダイズするプローブまたは(b)RP11−105O24、RP11−777J19、およびCTD−3140L2の少なくとも1つに由来するDYRK1Aにハイブリダイズするプローブのうちの少なくとも1つに由来するプローブから成る、実施形態96に記載のプローブセット。
112.(i)RP11−137J13およびRP11−348C15の少なくとも1つに由来するHMGN1にハイブリダイズするプローブ、
(ii)RP11−139D12、RP11−907P24、RP11−280O17、RP11−183I12、RP11−281F3、RP11−1113M13、およびRP11−123A7の少なくとも1つに由来するDSCAMにハイブリダイズするプローブ、
(iii)RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つに由来するERGにハイブリダイズするプローブ、
(iv)RP11−35C4、CTD−3095D11、およびRP11−671L10の少なくとも1つに由来するTMPRSS2にハイブリダイズするプローブ、
(v)RP11−446L19およびCTD−2601A22の少なくとも1つに由来するU2AF1にハイブリダイズするプローブならびに
(vi)RP11−105O24、RP11−777J19、およびCTD−3140L2の少なくとも1つに由来するDYRK1Aにハイブリダイズするプローブ
から成る、実施形態96に記載のプローブセット。
113.プローブセットは、RP11−139D12、RP11−476D17およびRP11−951I21の少なくとも1つ、ならびにRP11−35C4およびCTD−3095D11の少なくとも1つに由来するプローブから成る、実施形態96に記載のプローブセット。
114.PTENにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、FASまたはSUFUにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブ、およびWAPALにハイブリダイズする少なくとも1つのプローブを含むプローブセット。
115.実施形態96〜114のいずれか1つに記載のプローブセットを含む、第21染色体のバンド21q22.13−21q22.3における欠失を検出するためのキット。
Claims (10)
- FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイのためのプローブセットを調製する方法であって、
(a)癌抑制遺伝子を含む染色体上の少なくとも1つの境界ゾーンを同定するステップであって、前記少なくとも1つの境界ゾーンが、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の第1の境界ゾーンを含むステップ、
(b)前記第1の境界ゾーン内の核酸配列に、または前記第1の境界ゾーンに比べて前記癌抑制遺伝子から遠位にある核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第1のフランキングプローブを提供するステップ、
(c)前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの第2のフランキングプローブを提供するステップ、および
(d)前記境界ゾーンの間の前記癌抑制遺伝子における核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを提供するステップ
を含み、ここで、前記プローブセットは、FISHベースの癌抑制因子欠失アッセイにおいて使用するためのものであり、該アッセイは、(1)前記標的プローブのみに影響を及ぼす欠失、(2)前記標的プローブおよび前記標的プローブに最も近いセントロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失、(3)前記標的プローブおよび前記標的プローブに最も近いテロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失、または(4)前記標的プローブ、前記標的プローブに最も近いセントロメア側フランキングプローブおよび前記標的プローブに最も近いテロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失についての少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップを含み、前記アーチファクト欠失頻度は、(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる、方法。 - 癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)複数の細胞を含む細胞試料について、プローブセットを用いてFISHを実行するステップであって、前記プローブセットは、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞において、前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブならびに前記少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)(1)前記標的プローブのみに影響を及ぼす欠失、(2)前記標的プローブおよび前記標的プローブに最も近いセントロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失、(3)前記標的プローブおよび前記標的プローブに最も近いテロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失、または(4)前記標的プローブ、前記標的プローブに最も近いセントロメア側フランキングプローブおよび前記標的プローブに最も近いテロメア側フランキングプローブに影響を及ぼす欠失について、(i)アーチファクトヘミ接合性欠失頻度および(ii)アーチファクトホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)少なくとも1つのアーチファクト欠失頻度と同じタイプの欠失事象について、ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、(i)見かけ上のヘミ接合性欠失頻度および(ii)見かけ上のホモ接合性欠失頻度から選ばれる少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、ステップ(c)においてアーチファクトホモ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のヘミ接合性欠失頻度を含み、ステップ(c)においてアーチファクトヘミ接合性欠失頻度が提供されなかった場合、前記少なくとも1つの見かけ上の欠失頻度は、見かけ上のホモ接合性欠失頻度を含む、ステップ、ならびに
(e)前記見かけ上のヘミ接合性欠失頻度が前記アーチファクトヘミ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子のヘミ接合性欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するか、または前記見かけ上のホモ接合性欠失頻度が前記アーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子のホモ接合性の欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む、方法。 - 癌抑制遺伝子の小さな欠失および大きな欠失を識別可能に検出するためのFISHベースのアッセイを行う方法であって、
(a)プローブセットを用いて、複数の細胞を含む細胞試料についてFISHを実行するか、またはプローブセットに含まれる第1のプローブサブセットを用いて、複数の細胞を含む第1の細胞試料についてFISHを実行し、前記プローブセットに含まれる第2のプローブサブセットを用いて前記第1の細胞試料と同じ個体に由来する複数の細胞を含む第2の細胞試料についてFISHを実行するステップであって、前記プローブセットは、前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブ、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに前記第1のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つを含む、ステップ、
(b)前記複数の細胞または複数の前記複数の細胞において、前記少なくとも1つの標的プローブならびに前記少なくとも第1のフランキングプローブ、前記少なくとも第2のフランキングプローブ、ならびに前記少なくとも第3のフランキングプローブおよび前記少なくとも第4のフランキングプローブのうちの少なくとも1つからのFISHシグナルを数えるステップ、
(c)前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度を提供するステップ、
(d)前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2のアーチファクト欠失頻度を提供するステップであって、前記エンドポイントの少なくとも1つが、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、
(e)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間にエンドポイントを有する前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度を決定するステップ、
(f)ステップ(b)の数えられたFISHシグナルから、前記癌抑制遺伝子の欠失についての少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度を決定するステップであって、前記エンドポイントの少なくとも1つが、前記少なくとも第1のフランキングプローブと前記少なくとも第2のフランキングプローブとの間に存在しない、ステップ、ならびに
(g)前記少なくとも1つの第1の見かけ上の欠失頻度が、前記少なくとも1つの第1のアーチファクト欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子の小さな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定し、前記少なくとも1つの第2の見かけ上の欠失頻度が、少なくとも1つの第2のアーチファクトホモ接合性欠失頻度よりも有意に大きいかどうかに基づいて、前記試料が、前記癌抑制遺伝子の大きな欠失を有する細胞を含むかどうかを決定するステップ
を含む、方法。 - 癌抑制遺伝子の欠失についてのFISHベースのアッセイを最適化する方法であって、
(a)複数の候補プローブセットを提供するステップであって、それぞれの候補プローブセットは、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第1のフランキングプローブ、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の位置にハイブリダイズする少なくとも第2のフランキングプローブ、および前記癌抑制遺伝子にハイブリダイズする少なくとも1つの標的プローブを含む、ステップ、
(b)それぞれの候補プローブセットについて、
(i)前記癌抑制遺伝子の完全なコピーの正倍数性の数を含む複数の細胞を含む少なくとも1つの細胞試料について前記候補プローブセットを用いてFISHを実行し、
(ii)前記少なくとも1つの試料の前記複数の細胞において前記候補プローブセットの前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブならびに前記少なくとも1つの標的プローブからのFISHシグナルを数え、そして
(iii)ステップ(ii)の数えられたFISHシグナルからアーチファクト欠失頻度を決定するステップ、ならびに
(c)癌抑制遺伝子の欠失について最適化されたFISHベースのアッセイに使用するための前記候補プローブセットからプローブセットを選択するステップであって、選択されたプローブセットは、ステップ(iii)において好ましいアーチファクト欠失頻度を有すると決定された、ステップ
を含む、方法。 - t検定によるpが0.05以下である場合、前記見かけ上の頻度が前記アーチファクト頻度よりも有意に大きいか、または、前記見かけ上の頻度が3標準偏差だけ前記アーチファクト頻度を超えている場合、前記見かけ上の頻度が前記アーチファクト頻度よりも有意に大きい、請求項2または3に記載の方法。
- 前記細胞試料が、固定され、保存されるか、または、3〜6μmの範囲の厚さを有する、ホルマリン固定パラフィン包埋試料である、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記細胞試料が、細胞遠心と組み合わせられたエタノールまたはメタノール:酢酸での固定、薄層性出法、スミア、または、顕微鏡スライドガラス上へのピペッティングによって調製される、請求項2〜6のいずれか一項に記載の方法。
- (i)前記癌抑制因子が、PTEN、p16、RB1、p53、10q23、17p13、13q14、9q24および9p21から選ばれる染色体バンドでヒト染色体上に位置する癌抑制遺伝子、または、10q、17p、13q、9p、1p、5q、19q、20q、8p、12p、および16qから選ばれるヒト染色体腕上に位置する癌抑制因子であるか、あるいは、(ii)前記癌抑制因子がPTENであり、少なくとも1つの第1のフランキングプローブが、TSPAN15、BMPR1AまたはWAPALにハイブリダイズするプローブを含み、かつ、少なくとも1つの第2のフランキングプローブが、FASにハイブリダイズするプローブを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの第1のフランキングプローブが、前記癌抑制遺伝子に対してセントロメア側の境界ゾーン内、または、そのセントロメア側の位置にハイブリダイズするか、または、前記少なくとも1つの第2のフランキングプローブが、前記癌抑制遺伝子に対してテロメア側の境界ゾーン内またはそのテロメア側の位置にハイブリダイズする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの標的プローブ、および、前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位が、50kb〜200kbの範囲のサイズを有するか、または、前記少なくとも1つの標的プローブのハイブリダイゼーション部位が、前記少なくとも第1のフランキングプローブおよび前記少なくとも第2のフランキングプローブのハイブリダイゼーション部位から500kb〜20Mbの範囲の距離だけ離れている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
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