JP5976281B2 - 汚染物質吸着資材、汚染物質吸着シートおよび掘り起こし残土の処理方法 - Google Patents

汚染物質吸着資材、汚染物質吸着シートおよび掘り起こし残土の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、汚染物質を吸着する汚染物質吸着資材、汚染物質吸着シートおよび掘り起こし残土の処理方法に関する。
トンネル、ダム、造成などの土木工事を行う現場においては、地山の掘削によって掘り起こし残土としてたとえば掘削ずりが発生する。掘削ずりには、自然由来または人工的な汚染物質が含まれることがあるため、汚染物質を含む掘削ずりを含む建設残土を用いて盛土や埋め立て等を行う場合にはこれらの汚染物質に対する恒久的な処理が求められる。
汚染物質を含む建設残土の恒久的な処理方法としては、掘削ずりの場外搬出処理、分級・洗浄処理、不溶化処理等があり、その他の工法として吸着層工法が知られている。このような吸着層工法は、汚染物質を吸着して捕捉する薬剤(以下、「吸着剤」という)と汚染物質を含まない健全土とを混ぜた吸着層を汚染土層の下に敷設し、汚染土層から浸出する汚染物質を捕捉する工法である(たとえば、特許文献1参照)。
上述の吸着層工法において吸着層を形成するために用いられる吸着剤としては、粉末状、粒状、およびスラリー状のものが知られている(たとえば、特許文献2参照)。
特開2009−136795号公報 特開2008−168182号公報
しかし、上記特許文献1に記載の吸着層工法においては、吸着剤を現場で土に混ぜ込んで吸着層を形成している。このため、上記特許文献2に記載のいずれの形態の吸着剤であっても吸着剤を土に対して均一に分散させることが難しく、吸着層における吸着性能にムラが生じてしまうという問題があった。特に、粉末状の吸着剤およびスラリー状の吸着剤は、粒径が非常に小さいため一箇所に固まりやすい性質があり、吸着剤を均一に分散させることが困難である。そのため、吸着剤が含まれていない部分が多く発生し、この吸着剤が含まれていない部分から汚染物質が原地盤の内外に浸出、流出してしまう可能性が高かった。この問題に対して、多量の吸着剤を用いることにより、吸着剤の含まれていない部分の発生を抑制することが考えられる。しかし、この場合には、吸着剤の使用量が多くなり、吸着剤の利用効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明の課題は、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を効率的に防止することができる汚染物質吸着資材、汚染物質吸着シートおよび掘り起こし残土の処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に汚染物質吸着資材は、汚染物質を含有する掘り起こし残土から浸出する汚染物質を捕捉する汚染物質吸着資材であって、保水性を有する無機資材に対して汚染物質を吸着するスラリー状の吸着剤を含浸させて構成され、汚染物質吸着資材は、飽和状態において、体積含水率が65%以上であり、汚染物質吸着資材の平均粒径は、0.5〜2mmであり、汚染物質吸着資材は、透水係数が10 −5 m/s以上であり、保水性を有する無機資材は、バーミキュライト又はパーライトであり、汚染物質吸着資材は、健全土と共に用いられ、着色されていることにより掘り起こし残土とは異なる色彩を有する。
本発明に係る汚染物質吸着資材においては、保水性を有する無機資材に対して汚染物質を吸着するスラリー状の吸着剤を含浸させて構成されることで、かさ密度が小さい汚染物質吸着資材を形成することができる。このため、同一重量であっても、多量の汚染物質吸着資材を用いることができるため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を効率的に防止することができる。また、このような汚染物質吸着資材は、一般的な吸着剤よりも粒径が大きいため、吸着層に吸着剤を均一に分散させ易くなる。よって、この汚染物質吸着資材を用いて汚染物質を含有する掘り起こし残土から浸出する汚染物質を捕捉することで、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を効率的に防止することができる。このような汚染物質吸着資材によれば、単位重量当たりの体積が大きくなるため、吸着剤と残土から浸出する汚染物質との接触効率を高めることができる。また、汚染物質吸着資材は、飽和状態において、体積含水率が65%以上である。よって、汚染物質吸着資材は高い保水性を有するため、掘り起こし残土から浸出する水分が汚染物質吸着資材の内部に長時間留まることになる。そのため、掘削ずりに含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材を効率的に接触させることができ、汚染物質を汚染物質吸着資材に吸着させて捕捉することができる。そのため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を好適に防止することができる。また、掘り起こし残土と汚染物質吸着資材とは異なる色彩であるため、汚染物質吸着資材を健全土と混ぜて吸着層を形成する際に、吸着層を構成する混合土中に汚染物質吸着資材が均一に分散しているか否かを目視で容易に判断することが可能となる。
この場合、汚染物質吸着資材は高い透水性を有するため、掘り起こし残土から浸出する水分が高い透水性を有する汚染物質吸着資材を通過しやすくなる。そのため、掘り起こし残土に含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材を効率的に接触させることができ、汚染物質を汚染物質吸着資材に吸着させて捕捉することができる。また、汚染物質吸着資材が高い透水性を有することで、掘り起こし残土から浸出する水分が汚染物質吸着資材に浸透せずに外部にあふれることを防止できる。そのため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
また、本発明に係る汚染物質吸着シートは、汚染物質吸着資材の上方に第1シートを配置するとともに、汚染物質吸着資材の下方に第2シートを配置し、第1シート及び第2シートによって汚染物質吸着資材を挟み込んで構成されている。
本発明に係る汚染物質吸着シートは、汚染物質吸着資材を内部に挟み込んで構成されているため、汚染物質吸着資材の運搬、設置が容易となる。
本発明に係る掘り起こし残土の処理方法は、掘り起こし残土処理領域で掘り起こし残土を処理するにあたり、汚染物質吸着資材を単一層として敷設した汚染物質吸着資材層を形成し、汚染物質吸着資材層上に、掘り起こし残土を堆積させて盛土を形成して、掘り起こし残土を処理する。
本発明に係る掘り起こし残土の処理方法においては、汚染物質吸着資材を単一層として敷設しているため、汚染物質吸着資材層における吸着性能を均一にすることができ、吸着性能のムラを防止することができる。そのため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
本発明に係る掘り起こし残土の処理方法は、掘り起こし残土処理領域で掘り起こし残土を処理するにあたり、汚染物質吸着シートを敷設し、汚染物質吸着シート上に、掘り起こし残土を堆積させて盛土を形成して、掘り起こし残土を処理する。
本発明に係る掘り起こし残土の処理方法においては、汚染物質吸着資材を挟み込んだ汚染物質吸着シートが掘り起こし残土の盛土の下方に敷設されるため、汚染物質吸着シートにおいて掘り起こし残土に含まれる汚染物質を捕捉することができる。また、汚染物質吸着資材を内部に挟み込んで構成されているため、掘り起こし残土の処理において汚染物質吸着資材の運搬、設置が容易となる。
本発明に係る汚染物質吸着資材、汚染物質吸着シートおよび掘り起こし残土の処理方法掘り起こし残土の処理方法によれば、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を効率的に防止することができる。
第1の実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法における掘り起こし残土の側断面図である。 土の種類に応じた透水係数を示す図である。 土の種類に応じた保水性を示すグラフである。 第2の実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法における掘り起こし残土の側断面図である。 吸着シート12の側断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する部分については同一の符号を付し、重複する説明は省略することがある。
図1は、第1の実施形態に係る汚染物質吸着資材1を用いた掘り起こし残土の処理方法における掘り起こし残土の側断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法では、原地盤Y(掘り起こし残土処理領域)の上に盛土Mを形成する。本実施形態における盛土Mは、例えばトンネルの掘削によって発生した掘削ずり(掘り起こし残土)となる。また、原地盤Yと盛土Mとの間に後述する汚染物質吸着資材1を用いた吸着層(汚染物質吸着資材層)11を形成する。
吸着層11は、汚染物質吸着資材1を単一層として敷設して構成されている。吸着層11は、盛土Mの汚染濃度、および盛土Mの量に応じて、例えば2〜10cmの厚さで敷設される。なお、汚染物質吸着資材1と汚染物質を含まない健全土等の土とを混ぜて吸着層11を形成することもできる。
ここで、吸着層11を構成する汚染物質吸着資材1について詳細に説明する。汚染物質吸着資材1は、掘り起こし残土に含有される汚染物質を吸着するためのものであって、保水性を有する無機資材に対して汚染物質を吸着するスラリー状の吸着剤を含浸させることで構成されることを特徴とするものである。
保水性を有する無機資材としては、軽量で吸水性の高い無機資材であればいずれも利用可能である。例えば保水性を有する無機資材としてはバーミキュライト、パーライト等が挙げられる。この無機資材の形態としては粒状であることが好ましいが、粒状以外の形態であってもよい。
汚染物質を吸着する吸着剤は、例えばヒ素、カドミウム、鉛等の重金属等を吸着して捕捉する性質を有する薬剤である。このような性質を有する吸着剤は種々知られている。また、本実施形態においては、スラリー状の吸着剤が用いられており、具体的には、アムロン社製「CAMZ−S」という重金属吸着剤が用いられている。
汚染物質吸着資材1は、例えば粒状の無機資材とスラリー状の吸着剤とを混合し、吸着剤の重金属吸着成分を無機資材中に添着させることにより得られる。すなわち、汚染物質吸着資材1は、無機資材に対してスラリー状の吸着剤を含浸することにより得られる。
汚染物質吸着資材1は、混合する無機資材および吸着剤の種類の組み合わせを変更することで平均粒径、かさ密度、透水係数、および有効水分保持量等の性質を調整することが可能である。
汚染物質吸着資材1は、透水係数が10−6m/s以上であることが好ましく、10−5m/s以上であることがより好ましく、10−4m/s以上であることが更に好ましい。このように、汚染物質吸着資材1が高い透水性を有することで、掘り起こし残土から浸出する水分が高い透水性を有する汚染物質吸着資材1を通過しやすくなる。そのため、掘り起こし残土に含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材1を効率的に接触させることができ、汚染物質を汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。また、汚染物質吸着資材が高い透水性を有することで、掘り起こし残土から浸出する水分が汚染物質吸着資材1に浸透せずに外部にあふれることを防止できる。そのため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を好適に防止することができる。これに対し、汚染物質吸着資材の透水係数が10−6m/sより小さい場合には、汚染物質を含む水分が汚染物質吸着資材1を通過しにくくなるため、汚染物質の捕捉効果が損なわれる傾向がある。
また、汚染物質吸着資材1は、体積含水率が45%以上であることが好ましく、55%以上であることがより好ましく、65%以上であることが更に好ましい。このように、汚染物質吸着資材1が高い保水性を有することで、掘り起こし残土から浸出する水分が汚染物質吸着資材1の内部に長時間留まることになる。そのため、掘削ずりに含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材1を効率的に接触させることができ、汚染物質を汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。そのため、掘削ずりなどの掘り起こし残土からの汚染物質の流出を好適に防止することができる。これに対し、体積含水率が45%より小さい場合には、吸着剤と汚染物質との接触効率が低下するため、汚染物質の捕捉効果が損なわれる傾向がある。
また、汚染物質吸着資材1は、例えばオレンジ色等、一般的に黒や茶色系の色彩を有する掘削ずりとは異なる色彩であることが好ましい。汚染物質吸着資材の色彩は、無機資材又は吸着剤の色彩でも良いし、別途着色してもよい。このように、汚染物質吸着資材1が掘削ずりとは異なる色彩であることで、汚染物質吸着資材1と土とを混合した場合の視認性が向上する。
例えば、汚染物質吸着資材1の一例として、無機資材としてパーライトを用い、スラリー状の吸着剤として「CAMZ−S」を用いて得られる汚染物質吸着資材は、以下のような性質を有する。
(1)平均粒径:0.5〜2mm
(2)かさ密度:0.2g/cm
(3)透水性:4×10−3m/s
(4)有効水分保持量:78L/m(水分飽和状態で85%の体積含水率)
図2は土の種類に応じた透水係数を示している。無機資材としてパーライトを用い、スラリー状の吸着剤として「CAMZ−S」を用いて得られる汚染物質吸着資材の透水係数は4×10−1cm/s(すなわち、4×10−3m/s)であることから、砂および礫と同等の透水係数の範囲に含まれる。このように、本実施形態に係る汚染物質吸着資材は比較的高い透水性を有する。
図3は土の種類に応じた保水性を示すグラフである。横軸はpF値を示しており、縦軸は体積含水率を示している。pF値とは、毛管力で上昇する水分の高さの対数であり、pF値が高いほど乾燥状態であることを示す。pF値が高い場合には、土の種類毎の体積含水率の差は小さく、pF値が低い場合には、土の種類毎の体積含水率の差は大きい傾向がある。無機資材としてパーライトを用い、スラリー状の吸着剤として「CAMZ−S」を用いて得られる汚染物質吸着資材の有効水分保持量は水分飽和状態(pF=0)で85%の体積含水率であることから、火山灰土と同程度の体積含水率を示している。このように、本実施形態に係る汚染物質吸着資材は比較的高い有効水分保持力を有する。
上述のように、本実施形態に係る汚染物質吸着資材は、砂のように高い透水性を持ちつつ、火山灰のように高い保水性を有するものである。
説明は図1に戻り、盛土Mは、トンネルなどの土木工事によって生じた掘削ずりなどの土砂を盛り上げて形成する。掘削ずりには、土木工事を行う土壌に応じた自然由来または人工的な汚染物質が含有されることがある。盛土Mからは、吸着層11に対して水分が流出する。盛土Mからは、盛土Mに含有される汚染物質が水分とともに流出する。
その後、仮置き盛土Mの周囲に、覆土Sを覆設する。覆土Sは、ベントナイト混合土やコンクリートにより構成される。盛土Mを覆土Sで覆うことにより、盛土Mに対する雨水の流入が阻止される。
こうして掘削ずりを盛り上げて盛土Mが形成されると、盛土Mからは原地盤Yに向けて水分が流下する。この間、このまま流下した水分が原地盤Yに到達すると、水分中に含まれる汚染物質が原地盤Yの内外に浸出、流出することとなってしまう。
この点、本実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法では、原地盤Yと盛土Mとの間に、汚染物質吸着資材1を単一層として敷設してなる吸着層11を介在させている。このため、盛土Mから流下する水分を吸着層11における汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。したがって、原地盤Yの内外に対する汚染物質の浸出、流出を防止することができる。
ここで、本実施形態に係る汚染物質吸着資材1においては、バーミキュライト、パーライト等の保水性を有する無機資材に対して汚染物質を吸着するスラリー状の吸着剤を含浸させて構成されるため、均一な吸着性能を有する汚染物質吸着資材を形成することができる。また、バーミキュライト、パーライト等の保水性を有する無機資材は軽量であることから、かさ密度の低い汚染物質吸着資材を形成することができる。このため、単位容量当たりのコストを低減することが可能である。具体的には、無機資材としてパーライトを用い、スラリー状の吸着剤として「CAMZ−S」を用いて得られる汚染物質吸着資材では、従来の粒状の吸着部材と比較して単位容量当たりのコストを1/10にすることができる。そのため、低コストで汚染物質吸着資材1を単一層として敷設することができる。
また、汚染物質吸着資材1は高い透水性を有するため、盛土Mから浸出する水分が高い透水性を有する吸着層11を通過しやすくなる。そのため、掘削ずりに含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材が効率的に接触させることができ、汚染物質が汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。また、汚染物質吸着資材1が高い透水性を有することで、盛土Mから浸出する水分が汚染物質吸着資材1に浸透せずに外部にあふれることを防止できる。そのため、掘削ずりなどの盛土Mからの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
また、汚染物質吸着資材1は高い保水性を有するため、盛土Mから浸出する水分が吸着層11の内部に長時間留まることになる。そのため、掘削ずりに含まれる汚染物質と汚染物質吸着資材1が効率的に接触させることができ、汚染物質が汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。そのため、掘削ずりなどの盛土Mからの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
また、従来、吸着剤を健全土と混ぜて吸着層11を形成する場合、混合土を一定量毎にサンプリングして吸着剤が均一に分散されているかを確認する必要があった。その点、掘り起こし残土と異なる色彩を有する汚染物質吸着資材1では、視認性が向上されるので汚染物質吸着資材1を健全土と混ぜて吸着層11を形成する際に、吸着層11を構成する混合土中に汚染物質吸着資材1が均一に分散しているか否かが目視で容易に判断することが可能となる。
また、本実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法においては、汚染物質吸着資材を単一層として敷設して吸着層11を構成しているため、吸着層11における吸着性能を均一にすることができ、吸着剤と健全土の混合が均一に行われていないことに起因する吸着性能のムラを防止することができる。そのため、掘削ずりなどの盛土Mからの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係る本発明に係る掘り起こし残土の処理方法は、吸着層11に代えて吸着シート12を用いて汚染物質の流出を防止する点で、第1の実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法と異なる。以下では、第1実施形態と同一又は同等の事項については説明を省略する。
図4は、第2の実施形態に係る汚染物質吸着資材1の使用方法を示す側断面図である。図4に示すように、本実施形態に係る吸着層工法では、原地盤Yの上に盛土Mが形成される。また、原地盤Yと盛土Mとの間に汚染物質吸着資材1を用いた吸着シート12が敷設される。敷設される吸着シート12は、2枚以上の複数枚であってもよいし、1枚であってもよい。
吸着シート12は、図5に示すように汚染物質吸着資材1を2枚の不織布等のシート12A,12Bで挟み込むことにより形成される。シート12A,12Bは、水分を透過するものであれば素材は何ら限定されない。
本実施形態では、第1の実施形態と比較して、吸着層11が形成されている代わりに吸着シート12が設けられている構成となっている。このように、吸着シート12が設けられた構成においても、上記第1の実施形態と同様、盛土Mから流下する水分を吸着シート12内の汚染物質吸着資材1に吸着させて捕捉することができる。したがって、原地盤Yの内外に対する汚染物質の浸出、流出を防止することができる。
また、本実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法においても、吸着シート12が汚染物質吸着資材1のみを挟み込んで構成されているため、吸着シート12における吸着性能を均一にすることができ、吸着性能のムラを防止することができる。そのため、掘削ずりなどの盛土Mからの汚染物質の流出を好適に防止することができる。
本実施形態に係る掘り起こし残土の処理方法においては、汚染物質吸着資材1を挟み込んだ吸着シート12を掘り起こし残土の盛土Mの下方に敷設するため、吸着シート12において掘り起こし残土に含まれる汚染物質を補足することができる。また、汚染物質吸着資材1を内部に挟み込んで構成されているため、掘り起こし残土の処理において汚染物質吸着資材1の運搬、設置が容易となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記実施形態では、掘り起こし残土の恒久的な処理方法について説明を行ったが、掘削ずりにおける汚染の程度を溶出試験によって求めるまでの期間、掘削ずりを所定の仮置きヤードなどに仮置きする際に用いることができる。
1…汚染物質吸着資材
11…吸着層
12…吸着シート
12A,12B…シート
M…盛土
S…覆土
Y…原地盤

Claims (4)

  1. 汚染物質を含有する掘り起こし残土から浸出する汚染物質を捕捉する汚染物質吸着資材であって、
    保水性を有する無機資材に対して汚染物質を吸着するスラリー状の吸着剤を含浸させて構成され、
    前記汚染物質吸着資材は、飽和状態において、体積含水率が65%以上であり、
    前記汚染物質吸着資材の平均粒径は、0.5〜2mmであり、
    前記汚染物質吸着資材は、透水係数が10 −5 m/s以上であり、
    前記保水性を有する無機資材は、バーミキュライト又はパーライトであり、
    前記汚染物質吸着資材は、健全土と共に用いられ、着色されていることにより掘り起こし残土とは異なる色彩を有する汚染物質吸着資材。
  2. 請求項1に記載の汚染物質吸着資材の上方に第1シートを配置するとともに、前記汚染物質吸着資材の下方に第2シートを配置し、
    前記第1シート及び前記第2シートによって前記汚染物質吸着資材を挟み込んで構成されていることを特徴とする汚染物質吸着シート。
  3. 掘り起こし残土処理領域で掘り起こし残土を処理するにあたり、
    前記掘り起こし残土処理領域上に、請求項1に記載の汚染物質吸着資材を単一層として敷設した汚染物質吸着資材層を形成し、
    前記汚染物質吸着資材層上に、前記掘り起こし残土を堆積させて盛土を形成して、前記掘り起こし残土を処理することを特徴とする掘り起こし残土の処理方法。
  4. 掘り起こし残土処理領域で掘り起こし残土を処理するにあたり、
    前記掘り起こし残土処理領域上に、請求項に記載の汚染物質吸着シートを敷設し、
    前記汚染物質吸着シート上に、前記掘り起こし残土を堆積させて盛土を形成して、前記掘り起こし残土を処理することを特徴とする掘り起こし残土の処理方法。
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